JP2006527937A - 無線データ通信ネットワークにおいてデータ品質測定値を分析する方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、データ通信システムに関し、より詳細には、無線データ通信システムにおいて、エンド・ツー・エンドで知覚されるデータ品質を測定する方法及びシステムに関する。
無線データネットワークの導入により、技術的な観点からだけではなく、ユーザがこれらのサービスの品質をどう知覚するかというユーザの観点からも、(無線)データネットワークを介して利用され得る様々な種別のサービスに対するエンド・ツー・エンドの品質を測定することが重要になった。例えば物理層、トランスポート層又はネットワーク層のようなOSIモデルの下位層においてネットワークの品質を測定することは、既に一般的に行われている。しかし、無線データネットワークが幅広く受容されるために、また、結果としての商業的な成功のために、これらの無線サービスのユーザがサービスの品質をどう知覚するかを評価することが必要である。下位層の測定値に基づいて知覚品質を評価できるようにするためには、下位層の測定値が品質の知覚にどのように相関するかを決定する必要がある。
課題の定義及び本発明の目的
無線通信ネットワークにおいてデータ品質を測定する既存システムの主要な欠陥は、これらのシステムが、下位層の測定値を、無線データサービスの性能のユーザによる知覚と相関付けないことである。例えばGPRSネットワークに対するこれらの下位層の測定値の例は、「利用されるタイムスロットの数」、「ビット/フレーム・エラー率」、「搬送波対雑音比(C/I)」、「コード体系利用(coding scheme usage)」、「セル再選択」である。
発明の概要
本発明によれば、例えばGPRSネットワークにおけるダウンロード時間及び/又は応答時間或いはネットワークのスループットのような、データネットワークにおけるエンド・ツー・エンドのデータ転送に対する知覚品質の指標を決定する方法であって、所定のデータ種別の標本の転送中に少なくとも1つのシステム性能指標を測定するステップと、測定値から、所定のデータ転送種別と、少なくとも1つの他のデータ転送種別とに対する知覚品質の指標を計算するステップと、を備える方法が提供される。少なくとも1つのシステム性能指標は、推定されるべき品質指標に間接又は直接にリンクされることができる、ネットワークの下位層の測定された指標であり得る。
発明の詳細な説明
図1は、本発明が実現され得る測定システム10の該略図を示す。以下の本発明の例としての実施の形態において利用されるデータネットワークは、多くのユーザが無線端末8(図1には1台のみ示す)を用いて接続し得る、GPRS(General Packet Radio Service 一般パケット無線サービス)ネットワーク1である。また、GPRSネットワーク1は、更なるデータネットワーク又は音声ネットワークに接続され得る。該更なるデータネットワーク又は音声ネットワークには、更なるシステム(例えば、FTPサーバ又はウェブ・サイト・ホスト・サーバ)が接続されて、ユーザの無線アクセスを可能とし得る。GPRSネットワーク1は、データ転送のために最適化される。本発明を、GPRSネットワーク1を用いて説明するが、当業者が理解するように、本発明は、他の種別のデータ転送ネットワークに適用可能である。
・第1の応答を受け取るまでにかかる時間である応答時間
・データの送受信にかかる時間であるダウンロード時間
・応答時間の変化
・ダウンロード時間の変化
・ユーザに対するデータ提示方法
・データの整合性、即ちデータがエラーなしに伝送されること
通常のデータサービスでは、TCP層が整合性を保証するため、本発明では、この要因を考慮しない。
FTPにおいて、ダウンロード時間と応答時間とは一般に区別されず、「FTPダウンロード時間」(又はセッション時間)は、このアプリケーションにおいて、FTPセッションの開始と終了との間の時間を示すものとして用いられる。ブラウジングでは、一般に、ダウンロード時間と応答時間との区別があり、このアプリケーションでは、2つの時間の合計が「ブラウジング時間」(又はセッション時間)と呼ばれる。
・アクティブなユーザが多すぎる場合に発生する輻輳
・無線状態
・セル再選択
・サーバ/コア・ネットワーク性能
であることが知られている。
・パブリックドメイン外にある参照サーバを含む、パブリックドメイン外の参照接続を利用すること
・GPRS性能を標準的な有線の性能と比較し、接続のパブリックドメイン部分の影響を推定すること
である。
FTPダウンロード知覚品質指標
最終的なデータ量を管理可能なものとするために、FTPダウンロード試験には、以下のファイル・サイズが利用され得る。
・ダウンロード時間が4〜約10秒である4キロバイト
・ダウンロード時間が12〜約30秒である32キロバイト
・ダウンロード時間が40〜約100秒である128キロバイト
・ダウンロード時間が140〜約300秒である512キロバイト
図2について上記に説明した通り、フィールド測定のデータ分析において、2つの異なる手法がとられ得る。第1の手法(ブロック15)において、512キロバイトのファイルのダウンロードに対するアプリケーション層のスループット速度は、4キロバイト、32キロバイト及び128キロバイトのファイル・サイズのダウンロードとほぼ一致する、3つの異なる時間スケールに渡って平均化される。統計的信頼性のために、10回のダウンロードに渡る変化を利用して、品質のばらつきを推定することが推奨され、そのような推奨に従っても良い。この平均スループットにより、512キロバイトのファイルから、4キロバイト、32キロバイト及び128キロバイトのファイルのダウンロード時間が直接に予測される。これらの推定セッション時間は、エンド・ツー・エンドの知覚品質指標として直接利用され得る。
・ダウンリンクで特定のコード体系が利用される時間の割合
・ダウンリンクにおいて利用されているタイムスロットの数
であった。
第1の詳細な分析により、データ輻輳及び音声輻輳が、より高い相関を得るために正確にモデル化される必要がある主な影響であることが示された。
・ツールへの入力は、分析ツール・アプリケーションを用いた512キロバイト・ダウンロードからの生の出力である。
・アプリケーションのスループットは、32キロバイト及び128キロバイトのファイル・サイズについて、(それぞれ12秒及び40秒の)適正な時間スケールに渡って平均化され、直接品質指標として利用される(第1の評価手法)。
・下位層の指標である、特定のコード体系が利用されている時間の割合(%)は、クリッピングされる。特定のコード体系の利用が5%より低い場合に発生する性能飽和の問題に対処するために、0〜5%の値は全て5%にマッピングされる。
・下位層の指標の測定値である、「利用されているタイムスロットの数」は、音声輻輳のために利用されるタイムスロットの数の平均が低いことと、セル再選択のために利用されるタイムスロットの数の平均が低いこととの影響の差が正確にモデル化されるよう修正される。これは、音声輻輳にともなって発生する1つ及び2つのタイムスロットの利用を、実数値x1及びx2にそれぞれマッピングすることによって実行される。このマッピングは、(セル再選択のために)スロットが全く利用できない時間間隔に対し、一層大きな重み付けを行うことに注意されたい。
該ツールは、以下の手段により、悪い性能の潜在的な原因を更に分析することを可能とする。
・アプリケーションのスループットから求められたダウンロード時間(第1の評価手法)と、下位層のマッピングから求められたダウンロード時間(第2の評価手法)との予測の差を調べる。大きな差は、ダウンリンクで利用されるタイムスロットの稼働率を正確に測定できなかった測定装置の制限を示す(図3の矢印参照)。
・主な寄与が、無線性能が悪いことを示すMOD(コード体系DL)と、音声輻輳又はセル再選択を示すMOD(利用タイムスロットDL)とのいずれによるものかを分析する。
・利用されるタイムスロット数の指標の分布を分析する。ゼロが多く存在する場合、セル再選択が品質を左右し、1及び2の値が分布に目立つ場合、音声輻輳が品質を左右する。
他のアプリケーション
本発明は、また、上記の例に論じられたFTPファイル・ダウンロード以外のデータ転送種別に適用されても良い。本発明を用いてエンド・ツー・エンドの知覚品質が決定され得る、更なる可能性のあるアプリケーションは、ブラウジング、ストリーミング音声、ストリーミング・ビデオ、チャットなどを含むが、それらに限定されるものではない。異なる種別のアプリケーションのそれぞれについて、他の性能指標(例えばスループット速度のような直接性能指標、又は利用中のセルの数などの間接性能指標(上記参照))(の組み合わせ)が利用され得る。
このセクションは、3つのファイル・サイズ(4秒、12秒及び40秒の時間スケールと一致する4キロバイト、32キロバイト及び128キロバイト)のそれぞれについて、時間で変化する動作をどう解釈するかという問題を扱う。ファイル・サイズが大きい(512キロバイト)場合、品質は、ファイルのダウンロード時間から直接に測定され、時間で変化する動作は、複数回のダウンロード(例えば、10回のダウンロードが推奨される)に基づいて評価されなければならない。
・ダウンロード時間/ブラウジング時間の増加割合(%)<25 非常に良好な品質
・25<ダウンロード時間/ブラウジング時間の増加割合(%)<50 良好な品質
・50<ダウンロード時間/ブラウジング時間の増加割合(%)<100 良い品質
・100<ダウンロード時間/ブラウジング時間の増加割合(%)<200 劣った品質
・ダウンロード時間/ブラウジング時間の増加割合(%)>200 悪い品質
この分類を用いて、FTPダウンロード及びブラウジング・セッションについて、3つのファイル・サイズそれぞれに対して、512キロバイトのダウンロード期間に渡り、ネットワークの時間変化動作を定量化することができる。完全な品質分析が必要な場合、各クラスにおける割合(即ち、非常に良好な割合、良好な割合など)を計算し、それらの5つの数値を利用して、4つのファイル・サイズのそれぞれに対するエンド・ツー・エンドの品質と、セッション時間とを別個に定量化する。最大の時間スケール(140秒より短い)において時間で変化する動作を定量化するためには、512キロバイトのファイルの複数回のFTPダウンロードを実行しなければならない。
Claims (11)
- 無線データネットワーク(1)においてエンド・ツー・エンドのデータ転送の知覚品質指標を決定する方法であって、
所定のデータ種別の標本の転送中に、少なくとも1つのシステム性能指標を測定するステップと、
前記測定値から、前記所定のデータ転送種別と、少なくとも1つの他のデータ転送種別とに対する前記知覚品質指標を計算するステップと、
を備える方法。 - 請求項1記載の方法であって、前記少なくとも1つのシステム性能指標が、ネットワークの下位層の少なくとも1つの性能指標を含み、該方法が、更に、
ネットワークの下位層の少なくとも1つの他の性能指標を測定するステップと、
前記ネットワークの下位層の少なくとも1つの他の性能指標を、前記知覚品質指標へとマッピングするステップと、
を備える方法。 - 請求項2記載の方法であって、前記マッピングが、例えば線形二次元マッピングのような線形マッピングである方法。
- 請求項2又は3のいずれかに記載の方法であって、前記ネットワークの下位層の少なくとも1つの性能指標が、ネットワークの下位層の修正された性能指標である方法。
- 請求項4記載の方法であって、前記ネットワークの下位層の少なくとも1つの性能指標の整数値が、実数値にマッピングされる方法。
- 請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法であって、前記ネットワークの下位層の少なくとも1つの性能指標がスループット速度であり、前記品質指標が、前記測定されたスループット速度から、移動窓のサイズが前記少なくとも1つの他のデータ転送種別に対応する移動窓平均予測を用いて求められる方法。
- 請求項2〜6のいずれか1つに記載の方法であって、最終的な品質指標が、前記少なくとも1つの他のデータ転送種別に対する前記品質指標の増加割合から計算される方法。
- 請求項2〜7のいずれか1つに記載の方法であって、更に、前記ネットワークの下位層の少なくとも1つの性能指標のそれぞれの寄与を分析するステップを備える方法。
- 請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法であって、所定のデータ転送種別の標本が、例えば512キロバイトのような大きなサイズのデータ・ファイルのFTPダウンロードである方法。
- 無線データネットワーク(1)におけるエンド・ツー・エンドのデータ転送の品質指標を決定する測定システムであって、
前記無線データネットワーク(1)に接続され、所定のデータ転送標本を用いて、ネットワークの下位層の少なくとも1つの性能指標を測定するデータネットワーク分析システム(10)を備え、
前記測定システム(10)が、更に、ネットワークの下位層の少なくとも1つの品質指標から、少なくとも1つの他のデータ転送種別に対する知覚品質指標を求めるよう構成された処理手段(2)を備えるシステム。 - 請求項10記載の測定システムであって、前記処理手段(2)が、請求項2〜9のうちの1つに記載の方法を実行するよう構成されるシステム。
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