JP2006526578A - 心臓血管障害で減少する分泌ポリペプチド種 - Google Patents

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Abstract

本発明は、心臓血管障害の患者の血漿においては減少したレベルで循環している、ヒト分泌ポリペプチドを記載する。本発明はまた診断、予後、および、薬剤開発のために、該ポリペプチド、それらをコードするポリヌクレオチド、および、これらのポリペプチドに特異的な抗体を含む組成物を使用する方法も提供する。

Description

本発明は、心臓血管障害の個体由来の血漿で減少したレベルで存在する分泌ポリペプチド種、該ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド、その多形変異体、および、心臓血管障害診断および薬剤開発のための検出アッセイにおける、該核酸およびポリペプチドまたはその組成物の使用に関する。
心臓血管疾患は、工業化世界の間で主要な健康上のリスクである。冠動脈疾患(CAD)は、アテローム性動脈硬化症または動脈の硬化により特徴付けられる。アテローム性動脈硬化症は心臓血管疾患の中で一般的であり、心臓発作、卒中、および四肢壊死の主要な原因であり、したがって米国で死亡の主要原因である。アテローム性動脈硬化症は、多くの細胞型および分子因子が関与する複雑な疾患である(例えば、Ross, 1993, Nature 362: 801-809に記載)。通常の環境中で、動脈壁の内皮および平滑筋細胞(SMC)の傷害に対する保護的反応は、炎症に先立つまたは炎症を伴う、線維脂肪および繊維性病巣またはプラークの形成を含む。アテローム性動脈硬化症の進行した病変は関係する動脈を閉塞し得、そして多くの異なる形の傷害に対する過剰の炎症性−線維増殖性反応に起因する。血管内皮の傷害または機能不全は、個体の心臓血管疾患の発症を加速させる、多くの状態の共通の性質である。
アテローム硬化性プラークは関与する血管を閉塞し、血流を制限し、虚血をもたらす。虚血は、不適切な潅流が原因の臓器中の組織における酸素供給の不足により特徴付けられる状態である。このような不適切な潅流は、アテローム硬化性または再狭窄病巣、貧血または卒中を含む、多くの自然的な原因を有することがある。心臓の虚血における最も一般的な原因は、心外膜冠動脈のアテローム硬化性疾患である。これらの血管の管腔の減少により、アテローム性動脈硬化症は、基底状態の心筋潅流の絶対的減少をもたらすか、または血流の増加が必要であるときの適切な潅流の増加を制限する。冠状動脈血流はまた動脈血栓、痙攣および、稀に、冠状動脈塞栓により、ならびに梅毒性大動脈炎による入口部狭窄により、制限されることがある。先天的異常、例えば、肺動脈からの左冠動脈前下行枝の異常起源は、幼児の心筋虚血および梗塞をもたらし得るが、この原因は成人では非常に稀である。
心筋虚血は、高血圧または大動脈弁狭窄が原因の重症の心室肥大におけるように、心筋酸素要求が異常に増加した場合にまた起こることがある。後者は、冠状動脈アテローム性動脈硬化症が原因のものと区別ができない、狭心症を伴って起こり得る。重症の貧血またはカルボキシ−ヘモグロビンの存在下におけるような、血液の酸素運搬能の減少は、心筋虚血原因としては稀である。しばしばではないが、左心室肥大および冠状動脈アテローム性動脈硬化症に二次的な酸素供給の減少による、酸素要求の増加のように、2種またはそれ以上の虚血の原因が存在することがある。
広範な臨床試験は、心臓血管障害の危険性を増加させる因子を同定している。これらの危険因子のいくつか、例えば、年齢、性別および家族歴は変えることができない。他の危険因子は下記のものを含む:喫煙、高い血圧、高脂肪および高コレステロール食、糖尿病、運動不足、肥満およびストレス。
幸運なことに、多くの関係因子はライフスタイルを変えることによりコントロールできる。喫煙者の心臓血管障害の危険性は、非喫煙者の2倍である。人が禁煙したとき、彼または彼女が過去にどの程度喫煙していたかに関わらず、疾患を発症する危険性は急速に減少する。血清コレステロールレベルは、心臓血管障害の有病率と直接関係し、高血圧症または高い血圧は重要な危険因子である。身体的活動は、種々の機構を介して心臓血管障害の発症の危険性を減少させると仮定されている:心筋酸素供給を増加させ、酸素要求を減少し、かつ心筋収縮およびその電気刺激安定性を改善する。減少した酸素要求および心筋作業量は休息時の心拍数と血圧の低下に反映される。身体的活動はまた冠動脈の直径および拡張能力を増加させ、副行動脈形成を増加し、冠状動脈アテローム性動脈硬化症の進行の速度を低下させる。肥満および血清脂肪酸は、活動により減少する。
休息時の心臓血管障害には目立つ症状がないことがあるが、胸部圧迫感のような症状が、活動やストレスの増加に伴い起こり得る。出現することがある他の最初の徴候は、胸焼け、悪心、嘔吐、麻痺、息切れ、ひどい冷や汗、説明できない疲労および不安な感じである。心臓血管障害のより重症な症状は、胸痛(狭心症)、リズムの乱れ(不整脈)、卒中または心臓発作(心筋梗塞)である。卒中および心臓発作は、各々脳および心臓組織における動脈の遮断に起因する。症状が多様であるため、選択される試験および処置は患者毎に非常に異なることがある。
心臓血管障害の範囲および重症度を測定するために有用な診断試験は以下のものを含む:心電図(EKG)、ストレステスト、核医学検査、冠状動脈血管造影、休息時EKG、EKG多相情報診断指数(EKG Multiphase Information Diagnosis Indexes)、ホルター・モニター、遅延電位、EKGマッピング、超音波心臓検査図、タリウム・スキャン、PET、MRI、CT、血管造影図およびIVUS。さらなる危険因子測定および有用な診断は、医学の分野の当業者には一般的であり、最もよく適用されている。多くの治療的アプローチが存在し、疾患の重症度に依存する。多くのヒトに関して、心臓血管障害はライフスタイルの変更と投薬により制御する。より重症な診断は、手術の必要性を指示することがある。
虚血性アテローム性動脈硬化症の手術的アプローチは、バイパス移植術、冠状動脈血管形成術、レーザー血管形成術、アテローム切除術、動脈内膜切除および経皮経管的血管形成術(PCTA)を含む。これらのアプローチ後の、閉塞が再発し、しばしばより悪くなる再狭窄が原因の失敗の割合は異常に高い(30−50%)。再狭窄のほとんどがさらなる炎症、平滑筋蓄積および血栓症が原因であるように見える。心臓血管疾患へのさらなる治療的アプローチは、虚血心臓および四肢疾患のような状態における血管形成の促進をする処置を含む。
ほとんどのCADおよび心臓血管障害症状の非特異的性質が、確定診断を困難にしている。より定量的な診断法は、個体間および一個体の読取り値間のバラツキに邪魔だてされている。故に、診断的測定は、十分に記録された、総合的な既往歴を以て、標準化され、個人に適用されなければならない。さらに、現在の診断法はしばしば与えられた規定の観察または記録の、根本原因を明らかにしない。したがって、特定の陽性結果に基づく治療戦略が、原因となる問題に近づいていないようであり、個体にとって危険でさえある可能性がある。
ヌクレオチド検出に依存した診断法は、遺伝的アプローチと発現プロファイリングを含む。例えば、心臓血管障害に関与することが既知の遺伝子を、配列決定、ハイブリダイゼーションに基づく技術、またはPCRのような一般的遺伝子型決定法を使用して、変異に関してスクリーニングし得る。他の例において、既知の遺伝子からの発現を、RTPCR、種々のハイブリダイゼーションに基づく技術および配列決定を含む、標準技術により追跡できる。これらの戦略では、しばしば実行者がmRNAプロセシングおよびスプライシング、翻訳率、mRNA安定性ならびに、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、グリコシル化およびアミド化のような翻訳後修飾の差を検出することができない。
心臓血管障害の分野の診断状態における現在の弱点に取り組むために、本発明は、心臓血管障害の個体からの血漿において劇的に減少している特異的血漿ポリペプチドを提供する。実際のポリペプチド種を提供することにより、mRNAプロセシングおよびスプライシング、翻訳率、mRNA安定性ならびに、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、グリコシル化およびアミド化のような翻訳後修飾における差が示される。本発明のポリペプチドは、したがって、“心臓血管障害血漿ポリペプチド”またはCPPと呼ぶ。これらのポリペプチド配列を配列番号1−2として記載し、そして、表1のトリプシン消化ペプチドから選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含むものである。
本発明は、冠動脈疾患(CAD)の個体から得た血漿において減少している、“心臓血管障害血漿ポリペプチド”(CPP)、フラグメント、CPPの翻訳後修飾種を記載する。故に、本発明のCPPは、CAD、冠状動脈性心臓病(CHD)、末梢血管障害、脳虚血(卒中)、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、高血圧および他の心臓血管疾患の危険性の測定に重要な診断ツールである。CPPは分泌性因子であり、それ自体、タンパク質に基づく(protein-based)治療の理想的な候補物である。臨床応用における投与量調節に関して、CPPは分泌因子であり、それ自体、容易に検出可能であり、心臓血管疾患の薬剤開発、診断および予防のために有用である。
本発明は、コントロールと比較して、心臓血管障害の個体の血漿では減少している分泌ポリペプチドに関する。これらのポリペプチド種は、本明細書で“心臓血管障害血漿ポリペプチド”またはCPPと呼ぶ。このような心臓血管障害血漿ポリペプチドは、配列番号2−8の群からなるアミノ酸配列を含む。配列番号2は成熟ポリペプチドを示し、以後、CPP13と呼ぶ。組成物は、CPP前駆体、モノクローナル抗体を含むCPPに特異的な抗体および他のそれに由来する結合組成物を含む。さらに含まれるのは、これらの組成物の製造法および使用法である。本発明の前駆体は、非修飾前駆体、配列番号1−8のタンパク質分解的前駆体、および、配列番号1−8のアミノ酸配列における別のタンパク質分解部位に由来する中間体を含む。
本発明の好ましい態様は、リン酸化、グリコシル化、アセチル化、アミド化またはC−、N−またはO−架橋炭水化物グループのような翻訳後修飾を有するCPPを含む。さらに好ましいのは、より高次の構造をもたらす分子間または分子内相互作用、例えば、ジスルフィドおよび水素結合を有するCPPである。また好ましいのは、異なるmRNAプロセシングまたはスプライシングに由来するCPPである。好ましくは、本CPPは、心臓血管障害を有する個体由来の血漿に存在する翻訳後修飾された種、構造変異体、またはスプライス変異体を示す。
他の局面において、本発明は、配列番号2−8と少なくとも75%同一の配列から成る、CPPを含む。好ましくは、本発明は、配列番号2−8から選択される配列のいずれか1つと少なくとも80%、およびより好ましくは少なくとも85%、およびさらにより好ましくは少なくとも90%同一性のポリペプチドを含む。最も好ましくは、本発明は、配列番号2−8と少なくとも95%同一の配列から成る、ポリペプチドを含む。
他の局面において、本発明は、選択した集団で少なくとも2%の頻度を有する、CPPの天然変異体を含む。より好ましくは、このような天然変異体は、選択した集団で少なくとも5%、およびさらにより好ましくは、少なくとも10%の頻度を有する。最も好ましくは、このような天然変異体は、選択した集団で、少なくとも20%の頻度を有する。この選択した集団は、集団遺伝学の分野における認識された研究用集団のいずれであってもよい。好ましくは、選択した集団は白人、ネグロイドまたはアジア人である。より好ましくは、選択した集団はフランス人、ドイツ人、イギリス人、スペイン人、スイス人、日本人、中国人、アイルランド人、韓国人、シンガポール人、アイスランド人、北米人、イスラエル人、アラブ人、トルコ人、ギリシャ人、イタリア人、ポーランド人、太平洋諸島の人、フィンランド人、ノルウェー人、スウェーデン人、エストニア人、オーストラリア人またはインド人である。より好ましくは、選択した集団は、アイスランド人、サーメ人、フィンランド人、白人系フランス人、スイス人、中国系シンガポール人、韓国人、日本人、ケベック人、北米ピマインディアン、ペンシルベニアのアマン派およびアマン派の信徒、ニューファンドランド人またはポリネシア人である。
本発明の好ましい局面は、単離CPP、すなわち、CPPと著しく異なる等電点または有意に異なる見かけの分子量を有するタンパク質またはタンパク質イソ型がないCPPを含む組成物を提供する。CPPの等電点および分子量は、親和性およびサイズに基づく分離クロマトグラフィー、2次元ゲル分析および質量分析法により示すことができる。
好ましい局面において、本発明は、配列番号3−8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、特定のポリペプチド種を提供する。好ましくは、この特定のポリペプチド種は、さらに、配列番号1−2からなる群から選択される、適当な完全長配列由来の隣接アミノ酸配列を含む。好ましい種は、i)配列番号3−8の1個のアミノ酸配列を含む;ii)心臓血管障害を有する個体の血漿において減少したレベルで出現する;そしてiii)配列番号1および2のポリペプチド配列のタンパク質分解的プロセシングに由来するポリペプチドである。特に好ましいポリペプチドは配列番号2のCPP13である。
さらなる局面において、本発明は修飾CPPを含む。このような修飾は、基の保護/遮断、抗体分子または他の細胞性リガンドへの結合、および、タンパク質の検出および単離を可能にするための酵素、蛍光、放射または親和性標識のような検出可能標識を含む。化学修飾は、臭化シアン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBH、アセチル化、ホルミル化、酸化、還元による特異的化学開裂、またはツニカマイシン存在下での代謝的合成を含むが、これらに限定されない既知の方法により行うことができる。
本発明によりまた提供されるのは、ポリペプチドの溶解性、安定性および循環時間の増加、または、免疫原性の低下のような、付加的利点を提供できる、本発明のポリペプチドの化学修飾誘導体である(例えば、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマー)。本CPPは、分子内の無作為の位置かまたは分子内の予め決めた位置で修飾され、1個、2個、3個またはそれ以上の結合した化学部分(chemical moiety)を含み得る。
他の態様において、本発明は、心臓血管障害血漿ポリペプチド(CPP)モジュレーターを同定する方法であり:i)CPP生物学的活性の試験モジュレーターと、配列番号2−8からなる群から選択されるポリペプチドを接触させて;ii)該CPP生物学的活性のレベルを測定し;iii)該CPP生物学的活性のレベルを、該試験モジュレーターを欠くコントロールサンプルと比較する段階を含む、方法を提供する。CPPタンパク質生物学的活性の差が減少であるとき、本試験モジュレーターは少なくとも1つのCPP生物学的活性の阻害剤である。CPP生物学的活性のレベルの差が増加であるとき、本試験物質は少なくとも1つのCPP生物学的活性のアクティベーターである。
本発明の他の局面において、心臓血管障害のモジュレーターを同定する方法であり:(a)候補薬剤を、心臓血管障害に罹患する素因を有するかまたは罹患している非ヒト試験動物に投与し;(b)(a)の候補薬剤を、心臓血管障害に罹患する素因を有しないかまたは罹患していない、適合させたコントロール非ヒト動物に投与し;(c)工程(a)の非ヒト試験動物から得た生物学的サンプル中のポリペプチドのレベルと、工程(b)のコントロール動物から得たものを比較し、ここで、該ポリペプチドが:(i)配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド;(ii)配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%配列同一性であり、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する、変異体;および(iii)最低10アミノ酸長である、上記i)またはii)で定義したポリペプチドのフラグメント
から選択されるものであり;そして(d)工程(c)のレベルを比較する段階を含み;ここで、非ヒト試験動物から得た生物学的サンプルにおけるポリペプチドのレベルの、コントロール動物から得た生物学的サンプルにおけるポリペプチドに近づく変化が、心臓血管障害のモジュレーターであることを指示する、方法を提供する。
本発明のさらなる態様において、該ポリペプチドレベルは下記ポリペプチド:CPP2、CPP8、CPP9、CPP12、CPP14、CPP15、CPP16、CPP17、CPP18、CPP19、CPP20、CPP40、CPP41、CPP149、CPP150、CPP151、CPP501、CPP502、CPP503、CPP504、CPP505、CPP506、CPP507、CPP508、CPP509の1個またはそれ以上のレベル(複数もある)と組み合わせて検出/定量する。本発明の好ましい態様は、(i)配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド;(ii)配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%配列同一性であり、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する、変異体;および(iii)最低10アミノ酸長である、上記i)またはii)で定義したポリペプチドのフラグメントから選択されるポリペプチドの減少した血漿レベルを有するものである心臓血管障害に罹患する素因を有するかまたは罹患している非ヒト試験動物非ヒト試験動物を提供する。他の本発明の実施態様は、さらに下記ポリペプチド:CPP2、CPP8、CPP9、CPP12、CPP14、CPP15、CPP16、CPP17、CPP18、CPP19、CPP20、CPP40、CPP41、CPP149、CPP150、CPP151、CPP501、CPP502、CPP503、CPP504、CPP505、CPP506、CPP507、CPP508、CPP509の1個またはそれ以上の血漿レベルの変化を有する、非ヒト試験動物に関する。
他の局面において、本発明は、診断および分析アッセイ(例えば、PCR、ハイブリダイゼーションを利用した技術)のための、本発明のCPPをコードするポリヌクレオチド、配列番号1−8からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および、CPP遺伝子配列と相補的なオリゴヌクレオチド、およびCPPを発現するためのベクターを含む。
他の局面において、本発明は、CPPをコードするDNAを含むベクターを提供する。本発明はまた、このようなベクターを含む宿主細胞およびトランスジェニック非ヒト動物を含む。また提供されるのは、CPPまたはCPP前駆体の製造法である。1つの好ましい方法は(a)上記のような発現ベクターを含む宿主細胞を提供して;(b)本宿主細胞を、DNAセグメントが発現される条件下で培養して;そして(c)本DNAセグメントによりコードされるタンパク質を回収する段階を含む。他の好ましい方法は:(a)CPPを発現できる宿主細胞を提供して;(b)該宿主細胞を、該CPPの発現が可能な条件下で培養して;そして(c)該CPPを回収する段階を含む。1つの態様中で、本発現ベクターはさらにDNAセグメントに操作可能に結合した分泌シグナル配列をさらに含み、本細胞がそのタンパク質を培養培地に分泌し、そして本タンパク質を培地中から回収する。CPPを製造するためのとりわけ好ましい方法は、“CPP組成物の化学的製造”なる表題の部分および実施例2に記載のような、標準ペプチド合成技術を使用した化学合成を含む。
他の局面において、本発明は、上記のポリペプチド、ペプチドフラグメントまたはペプチドのいずれかに特異的な単離抗体を含む。好ましくは、本発明の抗体は、モノクローナル抗体である。さらに好ましいのは、排他的にCPPに結合する抗体、すなわち、他のポリペプチドを高い親和性で認識しない抗体である。抗CPP抗体は、精製、診断および予後適用を有する。診断のための好ましいCPP−関連疾患は、冠状動脈疾患(CAD)、冠状動脈性心臓病(CHD)、末梢血管障害、脳虚血(卒中)、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、高血圧および他の心臓血管疾患を含む。処置および診断法は、CPP抗原に特異的な抗体または抗体−由来組成物を用いるものである。特異的組織サンプルおよび体液(好ましくは血漿)中のCPPを検出するための、および、組織中のCPPの発現を検出するための診断法もまた本発明の一部である。薬学的に許容される担体と一緒の、上記の1個またはそれ以上の抗体も、例えば、インビボ診断および薬剤スクリーニング法のための、本発明の範囲内である。
本発明は、さらに心臓血管障害の診断法であり、体液、好ましくは血漿のサンプルにおける、少なくとも1つのCPPのレベルを検出することを含む、方法を提供する。さらに包含されるのは、組織および体液、好ましくは血漿における、CPPの量を検出および測定するための、CPP遺伝子および/またはメッセンジャーRNAに相補的名プライマーおよび抗CPP抗体を含む、CPP組成物を使用する方法である。これらの方法はまた臨床的スクリーニング、予後、治療成果のモニタリング、特定の治療的処置に最も応答しそうな患者の同定、薬剤スクリーニングおよび開発、および薬剤処置の新規標的の同定のためにまた適している。
本発明のさらに別の態様は、心臓血管障害を有するか、発症するリスクを有する対象における、薬剤での処置の効果をモニタリングする方法であり:(a)薬剤投与前に対象から投与前生物学的サンプルを得て;(b)該対象由来の生物学的サンプル中のポリペプチドのレベルを検出および/または定量し、ここでこのポリペプチドが:(i)配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド;(ii)配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%配列同一性であり、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する、変異体;および(iii)最低10アミノ酸長である、上記i)またはii)で定義したポリペプチドのフラグメントから選択されるものであり;そして(c)該対象から1個またはそれ以上の投与後生物学的サンプルを得て;(d)投与後サンプルまたは複数のサンプルにおけるポリペプチドのレベルを検出し;(e)投与前サンプルにおけるポリペプチドのレベルと投与後サンプルにおけるポリペプチドのレベルを比較し;そして(f)薬剤の投与をそれに応じて調節する、方法に関する。本発明のさらなる局面において、該ポリペプチドレベルは下記ポリペプチド:CPP2、CPP8、CPP9、CPP12、CPP14、CPP15、CPP16、CPP17、CPP18、CPP19、CPP20、CPP40、CPP41、CPP149、CPP150、CPP151、CPP501、CPP502、CPP503、CPP504、CPP505、CPP506、CPP507、CPP508、CPP509の1個またはそれ以上のレベル(複数もある)と組み合わせて検出/定量する。
本発明は、上記の方法に使用できる、および、単一のまたは複数の調製物、または、抗体を、必要であれば他の試薬、標識基、基質と共に含み、かつ、使用の指示書を含む、キットを提供する。キットは疾患の診断に使用でき、または、新規診断および/または治療薬の同定のためのアッセイであってよい。
1つの態様において、冠動脈疾患(CAD)は、少なくとも1つの症状の出現により定義される。このような症状は、疾患が進行するにつれて、重篤になっていく。CADは、しばしば、左心室機能または拍出量の低下を伴う。初期CAD症状は、コレステロールおよび低密度リポタンパク質(とりわけ酸化型)の血漿レベルの上昇、ならびに多血小板血漿凝集を含む。炎症に対する血管内皮応答、すなわちプラークの形成、ならびに炎症性およびフィブリン生成性因子のレベルが上昇する。加えて、CADまたはアテローム性動脈硬化症が、血管石灰化および動脈の硬化により特徴付けられる。結果的な血管の部分的閉塞は、高血圧および虚血性心臓疾患に至る。最終的な完全な血管閉塞は、心筋梗塞、卒中または壊疽に至る。
好ましい態様において、本発明の少なくとも1つのCPPの減少した血漿レベルの検出は、個体がCADを発症する危険性が増加していることを示す。好ましくは、該検出は、個体がCADを発症する見込みが、少なくとも1.05倍、1.1倍、1.15倍、およびより好ましくは少なくとも1.2倍増加していることを示す。別法として、本発明の少なくとも1つのCPPの血漿レベルの減少の検出は、個体がCADを有することを示す。個体の血漿サンプルにおいて観察されたコントロールサンプルと比較して減少したCPPの量は、CADの予測または診断の確実性と相関する。個体の血漿CPPレベルが家族歴および他の危険因子に依存して変化するため、各々の好ましくは個別に試験する。好ましい態様において、CPPを、本発明の方法によりヒト血漿サンプルで検出する。とりわけ好ましい技術は、質量分析法および免疫検出である。好ましくは、CADの予測または診断は、実験したCPPレベルが、コントロールと比較して少なくとも1.1倍、1.15倍、1.2倍、1.25倍、およびより好ましくは1.5倍減少していることに基づく。
本発明は、さらに、個体における配列番号1−8のCPPの異常な発現またはプロセシングに関連する疾患を処置するためのCPP組成物の使用法を含む。好ましいCPP−関連疾患は、冠状動脈疾患(CAD)、冠状動脈性心臓病(CHD)、末梢血管障害、脳虚血(卒中)、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、高血圧および他の心臓血管疾患を含む。本発明の好ましい局面は、個体におけるCPP関連障害を予防または処置する方法であり:個体がCPP関連障害に罹患しているか、危険性を有するかを決定し、そして、該個体にCPP調節組成物を導入する段階を含む。
本発明のさらなる局面は、また、明細書および特許請求の範囲に記載されている。
配列表の簡単な説明
配列番号1は、セリンリンタンパク質(SPP)−24の完全長アミノ酸配列を記載し、一方、配列番号2は成熟SPP−24、またはCPP13タンパク質のポリペプチド配列である。
配列番号3−8は心臓血管疾患を有しないコントロール個体の血漿サンプルにおいて優勢な、MS−MS質量分析法により発見されたトリプシン消化ペプチドのアミノ酸配列である。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の完全長CPP(配列番号1および2)の配列、および、MS−MS質量分析法において、コントロール血漿と比較して、心臓血管疾患の血漿で減少したレベルで発見されたペプチド配列(配列番号3−8)を示す。タンデム質量分析法で観察されたトリプシン消化ペプチドは、配列番号1および2において、太字かつ二重下線とする。シグナルペプチドは配列番号1で下線を引く。
発明の詳細な説明
以下に詳述する本発明は、哺乳類個体の心臓血管障害のスクリーニング、診断および予後に;特定の治療的処置に最も応答しそうな患者の同定のために;心臓血管障害治療の結果をモニタリングするために;CPPモジュレーターをスクリーニングするために;および薬剤開発のために有用な方法、組成物およびキットを提供する。本発明はまた心臓血管障害を処置または予防するための、哺乳類個体への治療的組成物の投与を包含する。哺乳類個体は非ヒト哺乳類であってよいが、好ましくはヒト、より好ましくは成人である。説明を明確にするために、そして、限定する目的ではなく、本発明を血漿サンプルの分析に関連して記載する。しかしながら、当業者には認識されるように、下記に示すアッセイおよび技術は、心臓血管障害を有する危険性を有するまたは発症する危険性のある個体由来の他の生体サンプル(例えば脳髄液、リンパ、胆汁、血清、唾液または尿)または組織サンプルに適用できる。本発明の方法および組成物は、生存個体のスクリーニング、診断および予後に有用であるが、同じ疾患の発症の危険性を有する家族の同定のための、個体の死後の診断にも使用できる。
定義
本明細書で使用する“核酸”および“核酸分子”は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)およびRNA分子(例えば、mRNA)および、ヌクレオチドアナログを使用して産生した該DNAまたはRNAのアナログを含むことを意図する。本核酸分子は一本鎖または二本鎖であってよいが、好ましくは二本鎖DNAである。本明細書を通して、“ヌクレオチド配列”なる表現は、ポリヌクレオチドまたは核酸を差別せずに示すために用いることがある。より厳密に、“ヌクレオチド配列”なる表現は、核酸物質そのものを包含し、したがって、生化学的に特異的DNAまたはRNA分子を特徴付けする配列情報(すなわち4種の塩基文字から選択した文字の連続)に限定されない。また、本明細書で、“核酸”、“オリゴヌクレオチド”および“ポリヌクレオチド”なる用語は交換可能に使用される。
“単離”核酸分子は、核酸の天然源に存在する他の核酸分子から分離されたものである。好ましくは、“単離”核酸は、核酸が由来する生物中のゲノムDNAで本核酸に本来隣接して位置する配列(すなわち、核酸の5'および3'末端に位置する配列)を有しない。例えば、種々の態様において、単離CPP核酸分子は、その核酸が由来する細胞のゲノムDNAにおける核酸分子と本来隣接しているヌクレオチド配列を、約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kbまたは0.1kbより少なく含むことがある。さらに、cDNA分子のような“単離”核酸分子は、組み合わせ技術により製造したとき他の細胞物質または培養培地を実質的に含まないか、化学的に合成したとき、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まないことがある。核酸の全てまたは一部を、ハイブリダイゼーションプローブとして使用して、CPP核酸分子を標準ハイブリダイゼーションおよびクローニング技術を使用して単離できる(例えば、Sambrook, J., Fritsh, E. F., and Maniatis, T. Molecular Cloning. A Laboratory Manual. 2nd, ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989に記載のような)。
本明細書で使用する、“とハイブリダイズする”なる用語は、中程度のストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション、好ましくは、ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件が、少なくとも互いに60%相同のヌクレオチド配列が互いにハイブリダイズしたままであることが可能な条件を記載することを意図する。好ましくは、条件は、互いに少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約85%、90%、95%または98%相同な配列が、典型的に互いにハイブリダイズしたまま残るようなものである。ストリンジェント条件は当業者に既知であり、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に見ることができる。好ましい、非限定的例において、核酸相互作用のためのストリンジェントハイブリダイゼーション条件は下記の通りである:ハイブリダイゼーション段階は、65℃で、6×SSC緩衝液、5×デンハルト溶液、0,5%SDSおよび100μg/mlのサケ精子DNAの存在下で再アニールと理解されている。ハイブリダイゼーションは4回の洗浄段階:
−5分、好ましくは65℃で2×SSCおよび0.1%SDS緩衝液中の2回の洗浄;
−30分、好ましくは65℃で2×SSCおよび0.1%SDS緩衝液中の1回の洗浄、
−10分、好ましくは65℃で0.1×SSCおよび0.1%SDS緩衝液中の1回の洗浄
に続き、これらのハイブリダイゼーション条件は、約20ヌクレオチド長の核酸分子に適している。上記のハイブリダイゼージョン条件は、当業者に既知の方法にしたがって、望む核酸の長さにしたがって変化させるべきであり、例えばHames B.D. and Higgins S.J. (1985)Nucleic Acid Hybridization:A Practical Approach. Hames and Higgins Ed., IRL Press, Oxford; およびCurrent Protocols in Molecular Biologyにしたがって変化させる。
“%相同性”は、本明細書では核酸配列およびアミノ酸配列の両方を指して使用する。アミノ酸または核酸“同一性”は、アミノ酸または核酸“相同性”と同等である。2つのアミノ酸配列または2つの核酸の%相同性を測定するために、配列を最適比較目的で整列させる(例えば、ギャップを第一アミノ酸または核酸配列の配列に挿入し、第二アミノまたは核酸配列との最適配置をしてもよく、非相同性配列を比較目的で無視できる)。比較目的で配置した参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、およびさらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%または95%である。対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドを次いで比較する。第一配列のある位置が、第二配列における対応位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占有されているとき、その分子はその位置で相同である。2つの配列の間の%相同性は、本配列が共有している同一位置の数の関数である(すなわち、%相同性=同一位置の数/位置の総数100)。
2つの配列間の配列の比較および%相同性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成できる。配列の比較に使用する数学的アルゴリズムの好ましい非限定的例は、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-77のように改変された、Karlin and Altschul (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-68であり、その内容を出典明示により全体を本明細書に包含させる。このようなアルゴリズムは、Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-10のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)に包含されている。BLASTヌクレオチド検索は、本発明の配列と相同のヌクレオチド配列を得るために、NBLASTプログラム、スコア=100、文字長=12で実施できる。BLASTタンパク質検索は、本発明のポリペプチド配列と相同のアミノ酸配列を得るために、XBLASTプログラム、スコア=50、文字長=3で実施できる。比較目的でギャップド・アラインメントを得るために、Gapped BLASTを、Altschul et al., (1997)Nucleic Acids Research 25(17):3389-3402に記載のように利用できる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを使用するとき、各ログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメーターを使用できる。その記載を出典明示により全体を本明細書に包含させるhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov参照。配列の比較のために使用する数学的アルゴリズムの他の好ましい非限定的例は、Myers and Miller, CABIOS (1989)であり、その記載を出典明示により全体を本明細書に包含させる。このようなアルゴリズムはALIGNプログラム(バージョン2.0)に包含させ、それはGCG配列アラインメント・ソフトウエアパッケージの一部である。ALIGNプログラムをアミノ酸配列の比較に使用するとき、PAM120ウェイト・残基表、12のギャップ長ペナルティ、および4のギャップペナルティを使用できる。
“ポリペプチド”なる用語は、ポリマーの長さに関係なく、アミノ酸のポリマーを意味する;故に、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質は、ポリペプチドの定義の中に含まれる。この用語はまたポリペプチドの翻訳後修飾を明記または除外するものではなく、例えば、グリコシル、アセチル、リン酸、アミド、脂質、カルボキシル、アシルまたは炭水化物基の共有結合を含むポリペプチドは、明白にポリペプチドの用語に包含させる。またこの定義に包含されるのは、アミノ酸の1個またはそれ以上のアナログを含むポリペプチド(例えば、天然に存在しないアミノ酸、関連しない生物系においてのみ天然で存在するアミノ酸、哺乳類系由来の修飾アミノ酸などを含む)、置換された架橋を有するポリペプチドならびに、天然に存在するおよび天然に存在しない両方の当分野で既知の他の修飾を含む。
本明細書で使用する“タンパク質”なる用語は、“ポリペプチド”と同義に使用でき、または、それに加えて、ペプチド結合以外の結合で結合し得る、例えば、タンパク質を形成するこのようなポリペプチドがジスルフィド結合により架橋されていることがある、2個またはそれ以上のペプチドの複合体を意味し得る。“タンパク質”なる用語は、同一アミノ酸配列を有するが、特に、このようなタンパク質が真核宿主で発現されるときに付加されるような異なる翻訳後修飾を有するポリペプチドのファミリーも包含できる。
“単離”または“精製”タンパク質またはその生物学的活性部分は、本発明のタンパク質(すなわち、CPPまたはその生物学的活性フラグメント)が由来する細胞または組織供給源由来の細胞物質または汚染タンパク質を実質的に含まないか、または、化学合成したとき、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。“細胞物質を実質的に含まない”なる表現は、タンパク質を単離または組み換え的に製造した細胞の細胞性成分からそれを分離する、本発明のタンパク質の調製物を含む。1つの態様において、“細胞物質を実質的に含まない”なる表現は、本発明のタンパク質以外のタンパク質(また本明細書では“汚染タンパク質”と呼ぶ)を約30%(乾燥重量で)より少なく、より好ましくは本発明のタンパク質以外のタンパク質を約20%より少なく、さらにより好ましくは本発明のタンパク質以外のタンパク質を約10%より少なく、および最も好ましくは本発明のタンパク質以外のタンパク質を約5%より少なく有する、本発明のタンパク質の調製物を含む。本発明のタンパク質またはその生物学的活性部分を組み換え的に製造したとき、それはまた好ましくは培養培地を実質的に含まない、すなわち、タンパク質調製物の容量の約20%より少なく、より好ましくは約10%より少なく、および最も好ましくは約5%存在する培養培地を意味する。
“化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない”なる表現は、本タンパク質の合成に関与する化学的前駆体または他の化学物質から、タンパク質を分離する、本発明のタンパク質の調製物を含む。1つの態様において、“化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない”なる用語は、化学的前駆体または非タンパク質化学物質が約30%(乾燥重量で)より少ない、より好ましくは化学的前駆体または非タンパク質化学物質が約20%より少ない、さらにより好ましくは化学的前駆体または非タンパク質化学物質が約10%、最も好ましくは化学的前駆体または非タンパク質化学物質が約5%より少ない、本発明のタンパク質の調製物を含む。
“組み換えポリペプチド”なる用語は、本明細書で、人工的に設計され、最初の自然環境では連続ポリペプチドとしては見られない少なくとも2つのポリペプチド配列を含むか、組み換えポリヌクレオチドから発現されているポリペプチドを意味するために使用する。
“心臓血管障害血漿ポリペプチド”または“CPP”なる用語は、配列番号2−8のいずれかに1つに記載の配列を含む、ポリペプチドを意味する。このようなポリペプチドは、本明細書に記載のように翻訳後修飾されていてもよい。CPPはまた、複雑な二次元または三次元構造をもたらす、ジスルフィド結合、または水素もしくはアミド結合のようなアミノ酸側鎖相互作用のような他の構造的または化学的修飾も含み得る。CPPはまた、配列番号2−8からなる群から選択される配列の欠失、付加、交換のような変異ポリペプチド、または切断変異体、このようなポリペプチドを含む融合ポリペプチド、および、少なくとも3、しかし好ましくは8、10、12、15または21連続アミノ酸のポリペプチドフラグメントを含む。さらに包含されるのは、配列番号1−8からなる群から選択される配列のCPPタンパク質分解前駆体および中間体である。本発明は、配列番号1−8のいずれか1つの配列からなる、本質的にこれらから成る、または、これらを含む単離CPPを含む、CPP遺伝子またはCPPmRNA種、好ましくはヒトCPP遺伝子およびmRNA種によりコードされるポリペプチドを含む。好ましいCPPは、配列番号2の配列を含む。好ましいCPPは、配列番号2−8のCPPの少なくとも1つの生物学的活性を維持する。
本明細書で使用される“生物学的活性”なる用語は、CPPにより行われる全ての機能を意味する。これらは、下記のものを含むが、これらに限定されない:(1)個体が心臓血管障害を有しているかまたは有するであろう可能性が減少したことを指示する;(2)心臓血管障害を発症する危険性が減少した個体の血流を通した循環;(3)抗原性、または抗CPP特異的抗体と結合する能力;(4)免疫原性、または抗CPP特異的抗体を産生する能力;(5)特に、特異的タンパク質分解およびセリンリン酸化により翻訳後修飾されている;(6)CPP標的分子、好ましくはシステインプロテアーゼとの相互作用;および(7)減少したシステインプロテアーゼ活性。
本明細書で使用する“CPPモジュレーター”または“CPP13モジュレーター”なる用語は、本発明のCPPの発現または生物学的活性のいずれかを調節(すなわち、増加または減少)できる分子(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、小分子または抗体)である。CPP発現または活性を促進するCPPモジュレーターは、CPPアクティベーターまたはアゴニストと呼ぶ。逆に、CPP発現または活性を抑制するCPPモジュレーターは、CPP阻害剤またはアンタゴニストと呼ぶ。好ましくは、CPPモジュレーターは、発現または活性を少なくとも5、10または20%増加/減少させる。CPP阻害剤は、本明細書に記載のスクリーニングアッセイにより特徴付けられる、抗CPP抗体、そのフラグメント、アンチセンスポリヌクレオチドおよび分子を含む。CPPアゴニストは、本明細書に記載のスクリーニングアッセイにより特徴付けられるポリヌクレオチド発現ベクターおよび分子を含む。
“CPP−関連障害(CPP-related disorder)”または“CPP−関連病(CPP-related disease)”は、心臓血管障害を言う。好ましい疾患は、冠状動脈疾患(CAD)、冠状動脈性心臓病(CHD)、末梢血管障害、脳虚血(卒中)、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、高血圧、および他の心臓血管疾患を含む。好ましくは、個体がこのような疾患を発症する見込みまたはすでに有していることが、少なくとも1つのCPPの血漿レベルの減少により示される。
本発明の他の局面は、抗CPP抗体に関する。本明細書で使用する“抗体”なる用語は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、CPPのような抗原を特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子、またはその生物学的活性フラグメントまたはその相同物を意味する。好ましい抗体は、CPPと排他的に結合し、他のポリペプチド配列と高親和性で結合しない。免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分は、ペプシンのような酵素で抗体を処理することにより産生できるF(ab)およびF(ab')フラグメントを含む。本発明は、CPPと結合するポリクローナルおよびモノクローナル抗体または、その生物学的活性フラグメントまたは相同物を提供する。本発明で使用する“モノクローナル抗体”または“モノクローナル抗体組成物”なる用語は、CPPの特定のエピトープと免疫反応できる抗原結合部位のただ1つの種を含む、抗体分子の集団である。モノクローナル抗体組成物は、したがって、典型的にそれらが免疫反応する特定の親和性に対して単独の結合親和性を示す。好ましいCPP抗体は標識基に結合している。
本明細書で使用する“標識基”なる用語は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド(抗体を含む)と結合したとき、該ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの検出または精製を可能にする全ての化合物である。標識基は、該標識基に特異的な抗体を含む、二次化合物により直接的にまたは間接的に検出または精製できる。有用な標識基は、放射性同位体(例えば、32P、35S、H、125I)、蛍光化合物(例えば、5−ブロモデスオキシウリジン、ウンベリフェロン、フルオレッセイン、フルオレッセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレッセイン、ダンシルクロライド、フィコエリスリンアセチルアミノフルオレン、ジコキシゲニン)、発光化合物(例えば、ルミノール、GFP、ルシフェリン、エクオリン)、酵素または酵素補因子検出可能標識(例えば、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンステラーゼ)、または、ストレプトアビジン、GSTまたはビオチンのような二次因子により認識される化合物を含む。好ましくは、標識基は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドに、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの生物学的活性を妨害しないような方法で結合する。
放射性同位体は、例えば、電波放射、フィルム露光またはシンチレーション計数により検出できる。酵素標識は、適当な基質の、通常、蛍光反応を起こす生成物への変換の測定により検出できる。蛍光および発光化合物ならびに反応は、例えば、電波放射、蛍光顕微鏡、蛍光活性化細胞選別または照度計により検出できる。
抗体と関連して使用する場合、抗体が目的の標的を認識し、結合するが、目的の標的を含むサンプル、例えば、生物学的サンプル中の他の物質を実質的に認識および結合しないとき、抗体は、標的に“選択的に結合”するかまたは“特異的に結合”すると言う。
本明細書で使用する、“ベクター”なる用語は、それが結合している他の核酸核酸を輸送できる、核酸分子を意味する。ベクターの1つのタイプは“プラスミド”であり、それは付加的DNAセグメントをその中にライゲートできる、環状二本鎖DNAループを意味する。ベクターの他のタイプは、付加的DNAセグメントをウイルスゲノム内にライゲートできるウイルスベクターである。あるベクターは、それらが挿入された宿主細胞内で自己複製することが可能である(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム性哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳類ベクター)は、宿主細胞への挿入により宿主細胞のゲノム内に統合され、それにより宿主ゲノムと一緒に複製する。さらに、あるベクターは、それらが操作可能に結合している遺伝子の発現を指示できる。このようなベクターを本明細書で“発現ベクター”と呼ぶ。一般に、組み換えDNA技術で有用な発現ベクターは、しばしばプラスミドの形である。本明細書において、“プラスミド”および“ベクター”は、プラスミドが最も一般的に使用されるベクターの形であるため、交換可能に使用できる。しかしながら、本発明は、同等な機能を提供する、このような他の発現ベクターの形、例えばウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)を含むことを意図する。
本明細書で使用する、“有効量”は、所望の効果を有するのに十分な薬剤、好ましくは本発明のCPPモジュレーターの量を言う。例えば、抗心臓血管障害有効量は、個体における心臓血管障害の症状を、少なくとも1、2、5、10、15または好ましくは25%減少するのに必要な薬剤の量である。本用語はまた個体における心臓血管障害が原因の症状の軽減に必要な薬剤の量も言うことがある。心臓血管障害の一般的な症状は:胸部圧迫感、胸焼け、悪心、嘔吐、麻痺、息切れ、ひどい冷や汗、説明できない疲労および不安な感じを含む。心臓血管障害のより重症の症状は、胸痛(狭心症)、リズムの乱れ(不整脈)、卒中または心臓発作である。特定の患者に対する有効量は、測定した症状の診断法、処置する病気の状態、患者の全体的な健康状態、投与法、副作用の重さのような因子に依存して変化し得る。
本発明のCPP
本発明の心臓血管障害血漿ポリペプチド(CPP)は、配列番号2−8として配列表に記載する。配列番号2は、配列番号1から得られた成熟ペプチドの配列である。配列番号2−8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むCPPは、通常血漿中に分泌され、かつ循環する。しかしながら、レベルは心臓血管障害を有するか、発症する危険のある個体の血漿で減少している。
さらに包含されるCPPは、配列番号3−8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。好ましくは、このようなCPPはまた配列番号2からの付加的アミノ酸を含む。このようなアミノ酸は、配列番号2のタンパク質に由来する連続アミノ酸配列から選択された配列と、フレーム内で融合する。
CPP13(配列番号2)は、24kDセリンリンタンパク質(SPP−24)の血漿形を示す。興味深いことに、本発明のCPPは、心臓血管障害を有する個体の血漿において大きく欠失している。それ自体、本発明のCPPは、CPPのレベルの減少が心臓血管障害の危険性の増加または存在を示すものである、有用な診断ツールを提供する。さらに、CPPは心臓血管障害の予防および処置のための医薬の設計および治療戦略に有用である。
セリンリンタンパク質(SPP−24)は、骨細胞および293腎細胞系(Price、EMBLに直接提供、受託番号G01654およびEP0409472)から元々クローン化された。211アミノ酸タンパク質は、29アミノ酸シグナル配列を有し、主に骨および肝細胞により分泌される。
SPP−24のN末端107アミノ酸は、骨システインプロテアーゼ阻害剤のファミリーと配列相同性を有する。このファミリーは、骨再吸収において作用するカテプシンおよびベータ−シスタチンプロテアーゼを阻害すると考えられている。C末端アミノ酸は、これらのプロテアーゼ阻害剤のファミリーと配列相同性を有しない。しかしながら、数個のファミリーメンバーが開裂し、生物活性C末端ペプチドを放出する。例えば、カリクレインは血管拡張物質であるブラジキニンを放出し、好中球のバクテネシン前駆体は抗生物質バクテネシンを放出し、そしてBac5前駆体は、抗生物質Bac5ペプチドを放出する。SPP−24は、フェチュインと非常に類似し、それは、接続している配列の開裂および除去により、そのNおよびC末端配列の二量体として存在する。フェチュイン二量体は、塩基性リン酸カルシウムの沈殿を阻害し、骨のミネラル成分と直接相互作用するタンパク質の最初の特性を示す。
本発明者らは、心臓血管疾患の個体の血漿に置いて、CPP13レベルが13倍減少していることを発見した(表1参照)。このタンパク質は、正常ヒト血漿で容易に検出でき、それ自体、該疾患のリスクの重要なバイオマーカーを提供する。
“心臓血管障害血漿ポリペプチド”および“CPP”なる用語は、本明細書で、任意のかつ全ての本発明のペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質を包含するために使用する。本発明の一部をまた形成するのは、本発明のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、ならびにこのようなポリペプチドを含む融合ポリペプチドである。本発明は、配列番号2−8からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、本質的にこれらから成る、または、これらを含む単離または精製CPPを含む、ヒト由来のCPPを具体化する。さらに包含されるのは、配列番号2−8からなる群から選択される配列のCPPタンパク質分解前駆体および中間体である。
本発明は、CPP生物学的活性を有する、少なくとも3アミノ酸、好ましくは少なくとも8から10アミノ酸から成る、単離、精製、および組み換えポリペプチドを具体化する。好ましい態様において、アミノ酸の連続的伸長は、CPP配列におけるアミノ酸の欠失、付加、交換または切断を含む、変異の部位または機能変異体を含む。本発明はまた本発明のCPPヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド、または、その相補的配列またはそのフラグメントを含む。
本発明の1つの局面は、抗CPP抗体を産生するための免疫原としての使用に適した単離CPP、およびその生物学的活性部分、ならびにポリペプチドフラグメントに関する。1つの態様において、天然CPPペプチドは血漿、細胞または組織供給源から、標準タンパク質精製技術を使用した適当な精製スキームにより単離できる。他の態様において、CPPは組み換えDNA技術により製造する。組み換え発現とは別に、CPPを、“CPP組成物の化学的製造”なる表題の部分および実施例2に記載のようなペプチド合成技術を使用して生化学的に合成できる。
典型的に、生物学的活性部分は、CPPの少なくとも1つの活性のドメインまたはモチーフを含む。生物学的活性のCPPは、例えば、配列番号2−8からなる群から選択される配列から変わった少なくとも1、2、3、または5アミノ酸を含むか、または、配列番号2−8からなる群から選択される配列からアミノ酸が少なくとも1%、2%、3%、5%、8%、10%または15%変わっていてよい。
CPPの特徴付け
本発明のポリペプチドであるCPPは、表3−8(図1および表1)のトリプシン消化ペプチドにより定義される。このペプチドは、実施例1に記載のように、冠動脈疾患(CAD)患者の健常コントロールの血漿から単離され、MicroProt.TM法により特徴付けされた。配列番号2は、そこからトリプシン消化ペプチドが放出された、血漿ペプチド配列を示す。
本発明のCPPは、血漿サンプルを最初に分子量に基づいて分離して、分子量は全て約20kDまたはそれ以下である。より高い分子量のポリペプチド種を異なる方法で分離および特徴付けする。実施例1に記載のように、本血漿サンプルを多数のクロマトグラフィー分離に付す。これらのクロマトグラフィー法の詳細は、実施例1に記載する。
最初の分離は、カチオン交換クロマトグラフィーカラムであり、これを塩濃度を増加させて溶出する。18フラクションを回収する。表1のCEX列は、どのフラクションが各トリプシン消化ペプチドを含むか、ならびにその溶出条件を挙げる。カチオン交換による分離は、ポリペプチド種の全体的陽性荷電の指標を提供する。カチオン交換の後に逆相HPLC分離を行う。表1のRP1列は、30フラクションの内どれに各トリプシン消化ペプチドが溶出しているか、ならびにその溶出条件を挙げる。逆相による分離は、ポリペプチド種の全体的疎水性の指標を提供する。試験番号の列の最後の2つの数字は、24の溶出フラクションうちどれが、2回目の逆相HPLC分離由来のトリプシン消化ペプチドを含むかを示す(実施例1参照)。Olavスコアは、他のものもあるがとりわけ、MS−MSデータ同定ソフトウェアにより検出された、実験的MS−MSシグナル対ノイズ比の強度を反映し、したがって、サンプル中のタンパク質濃度の指標を提供する。
コントロール対CAD血漿サンプルにおけるタンパク質レベルの比を、2つの方法により計算する。最初の方法は、CPPを含む各サンプルからのフラクションの数により、コントロール/CAD比を計算する。結果は13.3である(表1参照)。あるいは、より正確には、質量分析データ分析ソフトウエアにおける各ペプチドについて得たOlavスコアを使用して、重量比を得る。この結果は13.1であり、本発明のCPPが、CAD血漿と比較して、コントロール血漿において13.1倍のレベルであることを示す。それ自体、CPPは有用な診断ツールを提供し、ここで、CPPの減少したレベルが、心臓血管障害の発症の危険の増加または存在を示す。
Figure 2006526578
Figure 2006526578
コントロールフラクションの数:40
CADフラクションの数:3
コントロール/CAD:13.3
計算したOlavスコアコントロール:1413.79
計算したOlavスコアCAD:107.88
コントロール/CAD:13.1
表1に列記したトリプシン消化ペプチドは、別々の溶出クラスターの2つの群に由来する:グループIは、15以降(すなわち、47.5より低い%B)のフラクションにおけるRP1分離における溶出により特徴付けられ、グループIIは、18以前(すなわち、52.5を超える%B)のフラクションにおけるRP1分離における溶出により特徴付けられる。これは、下記のトリプシン消化ペプチドが、一方の群において固有であるため、タンパク質の2つの別々のイソ型を示すようである:
DSGEDPATCAFQRおよびDALSASVVKはグループIに固有であり;そして
DYYVSTAVCRはグループIIに固有である。
CPP核酸
本発明の1つの局面は、本明細書にさらに詳述するようなCPPまたは生物学的活性部分をコードする、精製または単離核酸分子、ならびにその核酸フラグメントに関する。該核酸は、例えば本明細書にさらに詳述するような治療(DNAワクチン)および診断法および薬剤スクリーニングアッセイに使用できる。
本発明の目的は、CPPをコードする精製、単離、または組み換え核酸、その相補的配列およびそのフラグメントである。本発明はまたCPPをコードするポリヌクレオチドと少なくとも95%ヌクレオチド同一性を有する、有利にはCPPをコードするポリヌクレオチドと99%ヌクレオチド同一性を、好ましくは99.5%ヌクレオチド同一性を、および最も好ましくは99.8%ヌクレオチド同一性を有するポリヌクレオチドを含む、精製または単離核酸または、その相補的配列またはその生物学的活性フラグメントに関する。本発明の他の目的は、本明細書で定義したストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、CPPをコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む精製、単離または組み換え核酸、またはその相補的配列またはその変異体またはその生物学的活性フラグメントに関する。
他の好ましい局面において、本発明は、CPPの一部または変異体をコードし、その一部または変異体がCPP生物学的活性を示すものである、精製または単離核酸分子に関する。好ましくは該一部または変異体は、天然に存在するCPPまたはその前駆体の一部または変異体である。
本発明の他の目的は、配列番号2−8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、本質的にこれらから成る、またはこれらから成る、CPPをコードする、精製、単離、または組み換え核酸、またはそのフラグメントであり、ここで、単離核酸分子が、1個またはそれ以上のモチーフ(例えばシグナル配列、システインプロテアーゼ阻害ドメイン、セリンキナーゼ標的部位またはジスルフィド結合)をコードするものである。
CPP−コード遺伝子のクローニングから決定したヌクレオチド配列は、他のCPP(例えば新規機能的ドメインを共有する)の同定および/またはクローニングに使用するためのプローブおよびプライマーの産生を、ならびに他の種からのCPP相同物の産生を可能にする。
“CPPの生物学的活性部分”をコードする核酸フラグメントは、CPP生物学的活性を有するポリペプチドをコードするものであるCPPをコードするヌクレオチド配列の部分を単離し、CPPのコード化部分を発現させ(例えば、インビトロまたはインビボでの組み換え発現により)、そして、CPPのコード化部分の活性を評価することにより製造できる。
本発明はさらに遺伝子コードの縮重により本発明のCPPヌクレオチド配列と異なり、同じ本発明のCPPをコードする核酸分子を包含する。
上記のCPPヌクレオチド配列に加えて、当業者は、CPPのアミノ酸配列の変化をもたらすDNA配列多型が集団(例えば、ヒト集団)中に存在し得ることを認めるであろう。このような遺伝的多型は、集団中の個体で、自然の対立遺伝子変異により存在し得る。このような自然の対立遺伝子変異は、典型的にCPP−コード遺伝子のヌクレオチド配列または核酸配列に1−5%の不一致をもたらし得る。
本発明のCPP核酸の自然の対立遺伝子変異体および相同物に対応する核酸分子は、本明細書に記載のCPP核酸に対するそれらの相同性に基づいて、本明細書に記載のcDNAまたはその一部を、ハイブリダイゼーションプローブとして使用して、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下の標準的なハイブリダイゼーション技術にしたがって、単離できる。
本発明は、本発明のポリヌクレオチドのいずれかをコードするアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むことは、認識されよう。
CPP核酸の使用
CPPをコードするポリヌクレオチド配列(またはその相補物)は、ハイブリダイゼーションプローブ、染色体および遺伝子マッピングならびにアンチセンスRNAおよびDNAの産生における使用を含む、種々の適用を有する。加えて、CPP−コード核酸は、本明細書に記載のように、薬学的介入のための、例えばDNAワクチンの開発のための標的として、および組み換え技術によるCPPの製造のために、有用である。本明細書に記載の、その配列変異体を含むポリヌクレオチドは、診断アッセイに使用できる。したがって、体液または組織サンプルにおけるこのようなポリヌクレオチドの存在の検出に基づく診断法は、本発明の特徴である。本発明にしたがった、核酸を利用する診断アッセイの例は、ハイブリダイゼーションアッセイ、例えば、インサイチュハイブリダイゼーションおよびPCR−ベースのアッセイを含むが、これらに限定されない。本明細書に記載のように、延長した長さのポリヌクレオチド、その配列変異体およびフラグメントを含むポリヌクレオチドを、このようなアッセイに使用するためのハイブリダイゼーションプローブまたはPCRプライマーの産生に使用できる。このようなプローブおよびプライマーは、本明細書に記載のCPPポリヌクレオチドと類似の、またはそれと相補的なゲノム配列を含む、ポリヌクレオチド配列の検出が可能であろう。
本発明は、本発明のポリヌクレオチドのセグメントを増幅するためのPCRを行うための、プライマー対を含む。その対の各プライマーは、
i)本対の一方のプライマーが、本発明のポリヌクレオチドのポリヌクレオチドの1つの鎖と完全に適合した対を形成し、対の他方のプライマーが同じポリヌクレオチドの総補佐と完全に適合した二本鎖を形成し、そしてii)10から2500ヌクレオチドの間の距離で離れている、ポリヌクレオチド上の部位の、このような完全に適合した二本鎖由来の対になったプライマーのような、15から30ヌクレオチドの長さを有するオリゴヌクレオチドである。好ましくは、対の各プライマーの、その各々の相補配列へのアニーリング温度は、実質的に同じである。
本発明のポリヌクレオチド由来のハイブリダイゼーションプローブを、例えば、顕微鏡スライドまたは懸濁細胞上に調製した、固定または凍結組織切片のような、組織サンプル上のインサイチュハイブリダイゼーションを行うことにより、使用できる。簡単に言うと、標識DNAまたはRNAプローブを、制御された条件下、調製した顕微鏡状の組織切片中のそのDNAまたはRNA標的サンプルと結合させる。一般に、プラスミドまたはバクテリオファージDNAベクターにクローン化された目的のDNAから成るdsDNAプローブをこの目的に使用できるが、ssDNAまたはssRNAプローブもまた使用できる。プローブは、一般に約15から40ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドである。あるいは、本プローブは、PCRランダム・プライミング・プライマー伸長により産生されたまたはプラスミドからのRNAのインビトロ転写により産生された(リボプローブ)ポリヌクレオチドプローブであってよい。これらの後者のプローブは、典型的に数百塩基対長である。本プローブを多数の標識基のいずれかで標識でき、具体的な検出法はプローブに利用する標識のタイプに対応する(例えば、それぞれに見合った、オートラジオグラフィー、X線検出、蛍光または可視顕微鏡分析)。本反応は、蛍光標識されたプローブ上に存在するフルオレッセイン部分に対する抗体のような、使用したディテクター分子の標識に対する免疫組織化学的技術を使用して、さらにインサイチュで増幅できる。具体的標識およびインサイチュ検出法は、例えば、出典明示により本明細書に包含させるHoward, G. C., Ed., Methods in Nonradioactive Detection, Appleton & Lange, Norwalk, Conn., (1993)に見ることができる。
ハイブリダイゼーションプローブおよびPCRプライマーはまた天然に存在するポリペプチドをコードする遺伝子のプロモーター、エンハンサーエレメントおよびイントロンを含む、本発明で同定した完全長タンパク質に対応するゲノム配列からも選択されてよい。CPPをコードするヌクレオチド配列はまたそのCPPをコードする遺伝子をマッピングのためのおよび個体の遺伝子分析のためのハイブリダイゼーションプローブを構築するために使用できる。本発明のCPPをコードする遺伝子の変異を担持する、または、変異がある個体は、DNAレベルで、種々の方法により検出できる。診断に使用するための核酸は、例えば、組織生検および剖検材料を含む、患者の細胞から得ることができる。ゲノムDNAは、検出に直接使用し得るか、分析前に、PCR(Saiki, et al. Nature 324:163-166 (1986))を使用して酵素的に増幅し得る。RNAまたはcDNAもこの同じ目的で使用できる。例として、本発明の核酸に相補的なPCRプライマーは、本発明の遺伝子における変異を同定および分析するために使用できる。欠失および挿入は、増幅産物を正常遺伝子型と比較して、大きさの変化により検出できる。点変異は、増幅DNAを本発明の放射標識RNAとハイブリダイズするか、または、別法として、本発明の放射標識アンチセンスDNA配列とハイブリダイズすることにより同定できる。特異的位置で変化した配列はまたRNaseおよびSl保護のようなヌクレアーゼ保護アッセイ、または化学的開裂法(例えばCotton, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:4397-4401 (1985))により、または融点の変化により確認できる。本発明の核酸に相補的なプローブ配列を含む、“分子ビーコン”(Kostrikis L. G. et al., Science 279:1228-1229 (1998))、ヘアピン形の、一本鎖合成オリゴヌクレオチドもまた点変異または他の配列変化の検出に、ならびに、CPPの発現レベルのモニターに使用できる。
オリゴヌクレオチドおよびアンチセンス化合物
PCRプライマーおよびアンチセンス化合物を含む本発明のオリゴヌクレオチドは、市販の自動DNA合成装置、例えばApplied Biosystems(Foster City, CA)モデル380B、392または394DNA/RNA合成装置または同様の装置上の、慣用の手段により合成する。好ましくは、フォスフォアミダイト化学反応を、例えば下記の文献に記載のように用いる:Beaucage and Iyer, Tetrahedron, 48:2223-2311(1992); Molko et al, 米国特許4,980,460;Koster et al, 米国特許4,725,677;Caruthers et al, 米国特許4,415,732;4,458,066;および4,973,679;など。治療的使用のために、ヌクレアーゼ耐性バックボーンが好ましい。ヌクレアーゼ耐性に関与する修飾オリゴヌクレオチドの多くのタイプが利用可能であり、例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、フォスフォアミダイトなど、多くの文献に、例えばホスホロチオエートは:Stec et al, 米国特許5,151,510;Hirschbein, 米国特許5,166,387;Bergot, 米国特許5,183,885;フォスフォアミダイトは:Froehler et al, 国際出願PCT/US90/03138;およびさらなる適用可能な化学反応のレビューのために:Uhlmann and Peyman(上記)に記載されている。アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、特異的結合が所望の標的ポリヌクレオチドにおいてのみ起こり、他の偶然の部位に起こらないことを確実にするのに十分長い。長さの上限は、約30−40ヌクレオチド以上の長さのオリゴマーの合成および精製における不便さおよび費用、短いオリゴヌクレオチドよりも長いオリゴヌクレオチドにおけるミスマッチに対する大きな耐性などを含む、数個の因子により決定する。好ましくは、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、約15から40ヌクレオチドの範囲の長さを有する。より好ましくは、本オリゴヌクレオチド部分は、約18から25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。
プライマーおよびプローブ
本発明のプライマーおよびプローブは、例えば、適当な配列のクローニングおよび制限および、Narang SA et al(Methods Enzymol 1979; 68:90-98)のホスホジエステル法、Brown EL et al(Methods Enzymol 1979; 68:109-151)のホスホジエステル法、Beaucage et al(Tetrahedron Lett 1981, 22:1859-1862)のジエチルフォスフォアミダイト法、およびEP0707592に記載の固相支持法のような方法による直接化学合成を含む、任意の適当な方法で製造でき、これらの文献の記載を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる。
検出プローブは、一般に核酸配列または、例えば国際特許出願WO92/20702に記載のペプチド核酸、米国特許5,185,444;5,034,506および5,142,047に記載のモルホリノアナログのような非荷電核酸アナログである。所望により、本プローブを、さらなるdNTPが本プローブに付加できない点で、“延長不可能”とできる。アナログは、それら自身および他との間で、通常延長不可能であり、核酸プローブは、ヒドロキシル基がもはや伸長に参加できないように、同プローブの3'末端を修飾することにより延長不可能にできる。例えば、本プローブの3'末端は、捕獲ラベルまたは検出ラベルで官能化でき、それでヒドロキシ基を消費するか別の方法で遮断する。
本発明のポリヌクレオチドの全てを、所望により、当分野で既知の全ての標識基を取り込むことにより標識でき、分光、光化学、生化学、免疫化学または化学手段により検出できるようにする。さらなる例は、Urdea et al. (Nucreic Acids Research. 11:4937-4957, 1988)またはSanchez-Pescador et al. (J. Clin. Microbiol. 26(10):1934-1938, 1988)に記載のような、核酸フラグメントの非放射活性標識である。加えて、本発明のプローブはまたシグナル増幅を可能にするような構造特性を有し得、このような構造は、例えば、Urdea et al(Nucreic Acids Symp. Ser. 24:197-200, 1991)または欧州特許EP0225807(Chiron)により記載のような、分子DNAプローブとして特徴付けられる。
標識はまた、プライマーまたは、増幅DNAのような、プライマー伸長産物の固体支持体への固定化を容易にするための、プライマーの捕獲に使用できる。捕獲標識はプライマーまたはプローブに結合し、固相試薬特異的結合メンバー(例えばビオチンおよびストレプトアビジン)と結合対を形成する、特異的結合メンバーであってよい。したがって、ポリヌクレオチドまたはプローブが担持する標識のタイプに依存して、それは、標的DNAの捕獲または検出に使用できる。さらに、本明細書に記載するポリヌクレオチド、プライマーまたはプローブは、それ自体、捕獲標識として働くことがある。例えば、固相試薬結合メンバーが核酸配列である場合、それはプライマーまたはプローブの相補部分と結合するように分泌され、それによりその固相にプライマーまたはプローブを固定化する。ポリヌクレオチドプローブそれ自体が結合メンバーとして働く場合、当業者は、プローブが標的と相補的ではない配列または“尾部”を含むことを認識するであろう。ポリヌクレオチドプライマーそれ自体が捕獲標識である場合、少なくともプライマーの一部は固相上の核酸と自由にハイブリダイズする。DNA標識技術は、専門家には既知である。
本発明のプローブは、多くの目的のために有用である。それらはゲノムDNAへのサザン・ハイブリダイゼーションにとりわけ使用できる。本プローブはまたPCR増幅産物の検出にも使用できる。それらはまた他の技術を使用した、CPP−コード遺伝子またはmRNAにおけるミスマッチの検出に使用できる。
本発明の核酸、ポリヌクレオチド、プライマーおよびプローブのいずれも、簡便には固体支持体上に固定できる。固体支持体は当業者には既知であり、反応トレイのウェルの壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁気ビーズ、ニトロセルロースストリップ、膜、ラテックス粒子のような微粒子、ヒツジ(または他の動物)赤血球細胞、耐久性細胞(duracyte)および他のものを含む。本固体支持体は重大ではなく、当業者により選択できる。故に、ラテックス粒子、微粒子、磁気または非磁気ビーズ、膜、プラスチック管、マイクロタイターウェルの壁、ガラスまたはシリコンチップ、ヒツジ(または他の適当な動物の)赤血球細胞および耐久性細胞は全て例として適当である。核酸を固相上に固定するための適当な方法はイオン、疎水性、共有結合的相互作用などである。本明細書で使用する固体支持体は、不溶性であるか、その後の反応により不溶性にできる、全ての物質を意味する。本固体支持体は、捕獲試薬を引き寄せ、固定化するその内在する能力について選択できる。あるいは、固相は、捕獲試薬を引き寄せ、固定化できる付加的受容体を保持してもよい。本付加的受容体は、捕獲試薬と逆に荷電しているか、捕獲試薬と結合した荷電物質と逆に荷電している、荷電物質を含み得る。さらに別法として、受容体分子は、固体支持体に結合した特異的結合メンバーのいずれかであってよく、特異的結合反応を介して捕獲試薬を固定化する能力を有する。本受容体分子は、アッセイを行う前、またはアッセイを行っている最中に、固体支持体物質への捕獲試薬の間接的な結合を可能にする。本固相は、故に、プラスチック、誘導体化プラスチック、磁性または非磁性金属、試験管のガラスまたはシリコン表面、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、チップ、ヒツジ(または他の適当な動物の)赤血球細胞、耐久性細胞および当業者に既知の他の形状であってよい。本発明の核酸、ポリヌクレオチド、プライマーおよびプローブは、固体支持体上に個々にまたは少なくとも2、5、8、10、12、15、20もしくは25の別々の本発明のポリヌクレオチドのグループで、1個の固体支持体に結合または固定化できる。加えて、本発明のもの以外のポリヌクレオチドを、1個またはそれ以上の本発明のポリヌクレオチドと同じ固体支持体に結合できる。
本明細書に記載の全てのポリヌクレオチドを、固体支持体上の重なった領域にまたは無作為の位置に結合できる。あるいは、本発明のポリヌクレオチドを、各ポリヌクレオチドが、他の全てのポリヌクレオチドの結合部位と重複しない、秩序配置で、固体支持体の離れた領域に結合してもよい。好ましくは、このようなポリヌクレオチドの秩序配置は、明瞭な位置が記録された場所に“アドレス可能”であり、アッセイ工程の一部として接近できるように設計する。アドレス可能ポリヌクレオチドアレイは、典型的に、異なる公知の位置の基質の表面と結合できる、多くの異なるオリゴヌクレオチドプローブを含む。各ポリヌクレオチド位置の厳密な位置の知識により、これらの“アドレス可能”アレイは、特にハイブリダイゼーションアッセイに有用となる。当分野で既知の全てのアドレス可能アレイ技術を本発明のポリヌクレオチドと共に用いることができる。これらのポリヌクレオチドアレイの1つの特定の態様はGenechipsとして既知であり、米国特許5,143,854;PCT公開WO90/15070および92/10092に一般的に記載されており、これらの文献を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる。
変異体核酸およびポリペプチドを得るための方法
集団中に存在し得るCPP配列の天然に存在する対立遺伝子変異体に加えて、当業者は、CPPをコードするヌクレオチド配列における変異により変化を挿入でき、それにより、CPPの機能的能力を変えるか、または変えずに、コードされたCPPのアミノ酸配列に変化をもたらすことを認識するであろう。
変異体のいくつかのタイプが意図され、1)アミノ酸残基の1個またはそれ以上が、保存的または非保存的アミノ酸残基により置換されているもの(このような置換アミノ酸残基は遺伝子コードによりコードされるものであってもされないものであってもよい)、または2)アミノ酸残基の1個またはそれ以上が置換基を含むもの、または3)変異CPPが別の化合物、例えば、ポリペプチドの半減期を延長するような化合物(例えば、ポリエチレングリコール)と融合しているもの、または4)付加的アミノ酸、例えば、リーダー、シグナルまたはアンカー配列、CPPの精製に用いる配列、または前駆体タンパク質由来の配列がCPPに融合しているものを含む。このような変異体は、当業者の範囲内であると考える。
例えば、アミノ酸置換に至るヌクレオチド置換は、タンパク質の生物学的活性を実質的に変えない配列に行うことができる。アミノ酸残基を、CPPをコードする野生型配列、その生物学的活性フラグメントまたは相同物から、生物学的活性を変化させずに、変えることができる。一般に、本発明のCPPが共有しているアミノ酸残基は、置換にあまり影響を受けないと予測される。
他の局面において、本発明は、生物学的活性の増加をもたらすか、生物学的活性を修飾する、アミノ酸残基の変化を含む、CPPをコードする核酸分子に関する。他の局面において、本発明は、CPP生物学的活性に必須であるアミノ酸残基に変化を含む、CPPをコードする核酸分子に関する。このようなCPPは、配列番号2−8とアミノ酸配列が異なり、活性が低下しているか、または本質的に1個またはそれ以上のCPP生物学的活性を欠損している。
変異、置換、付加または欠失は、部位特異的変異誘発およびPCR介在変異誘発のような、標準技術により、配列番号1−8に挿入できる。例えば、保存的アミノ酸置換を、1個またはそれ以上の予め決めた非必須アミノ酸残基に行い得る。“保存的アミノ酸置換”は、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基と置換されるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当分野で定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ−分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族性側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。故に、CPPにおける予定された非必須アミノ酸残基、またはその生物学的活性フラグメントまたは相同物を、同じ側鎖ファミリー由来の他のアミノ酸残基と置換できる。あるいは、他の態様において、変異を、CPPコード配列の全てまたは一部に無作為に、例えば、飽和変異誘発(saturation mutagenesis)により挿入でき、得られた変異体をCPP生物学的活性に対してスクリーニングし、活性を保持する変異体を同定する。配列番号1−8の1つをコードするヌクレオチドの変異誘発に続き、タンパク質を組み換え的に発現でき、タンパク質の活性を、例えば、本明細書に記載のように、任意の適当なアッセイで測定できる。
本発明はまたCPPキメラまたは融合タンパク質を提供する。本明細書で使用する、CPP“キメラタンパク質”または“融合タンパク質”は、非CPPポリペプチド配列に操作可能に結合または融合した、本発明のCPPまたはそのフラグメントを含む。好ましい態様において、CPP融合タンパク質は、少なくとも1つのCPPの生物学的活性部分を含む。他の好ましい態様において、CPP融合タンパク質は、少なくとも2つのCPPの生物学的活性部分を含む。例えば、1つの態様において、本融合タンパク質は、CPPドメイン配列がGST配列のC−末端に融合した、GST−CPP融合タンパク質である。このような融合タンパク質は、組み換えCPPの精製を容易にすることができる。他の態様において、本融合タンパク質は、そのN−末端に異種シグナル配列を含むCPPであり、例えば、ある宿主細胞における所望の細胞局在化を可能にする。さらに別の態様において、本融合は、CPP生物学的活性フラグメントと免疫グロブリン分子である。このような融合タンパク質は、例えば、CPP結合部位の結合価を増加されるために有用である。例えば、2価CPP結合部位を、生物学的活性CPPフラグメントを、IgG Fcタンパク質に融合することにより形成できる。
本発明のCPP融合タンパク質は、対象中に抗CPP抗体を産生するための免疫原として、CPPまたはCPPリガンドを精製するために、および、CPPモジュレーターを使用するためのスクリーニングアッセイにおいて、使用できる。
そのうえ、CPPの単離フラグメントをまた、このようなペプチドをコードする核酸の対応するフラグメントから組み換え的に産生したペプチドのスクリーニングにより得ることができる。加えて、フラグメントを、慣用のMerrifield固相f−Mocまたはt−Boc化学反応のような当分野で既知の技術を使用して、化学的に合成できる。例えば、本発明のCPPは、フラグメントの重複なしで所望の長さのフラグメントに適宜分割でき、または、好ましくは所望の長さの重複フラグメントに分割する。本フラグメントを製造し(組み換え的にまたは化学合成により)、試験して、CPP生物学的活性を有するペプチジルフラグメントを、例えば、マイクロインジェクションアッセイまたはインビトロタンパク質結合アッセイにより、同定できる。説明のための態様において、CPPの異なるフラグメントを含むCPPのペプチジル部分、例えばCPP標的結合領域を、チオレドキシン融合タンパク質として発現させることによりCPP活性を関して試験できる(例えば、米国特許5,270,181および5,292,646;およびPCT公開W094/02502参照、これらの内容を、出典明示により本明細書に包含させる)。
加えて、CPPコード配列のフラグメントのライブラリーを使用して、CPPの変異体のスクリーニングおよび続く選択のための、CPPフラグメントの多彩な集団を産生できる。1つの態様において、コード配列フラグメントのライブラリーは、CPPコード配列の二本鎖PCRフラグメントをヌクレアーゼで、1分子あたり約1度ニッキングが起こる条件下処理し、二本鎖DNAを変性し、DNAを再生して、異なるニックの入った産物由来のセンス/アンチセンス対を含むことができる二本鎖DNAを形成させ、一本鎖部分を再形成した二本鎖からS1ヌクレアーゼでの処置により除去し、そして得られたフラグメントライブラリーを発現ベクターにライゲートすることにより産生できる。この方法により、種々のサイズのCPPのN−末端、C−末端および内部フラグメントをコードする発現ライブラリーを誘導できる。
ペプチドのアミノ酸配列の変化が機能的CPP相同物をもたらすか否かは、変異体ペプチドの少なくとも1つのCPP生物学的活性の評価により容易に決定できる。1個以上の置換が行われているペプチドは、同じ方法で容易に試験できる。
CPP組成物の化学的製造
本発明のペプチドを、標準技術により合成する(例えばStewart and Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Company, Rockford, IL, 1984)。好ましくは、市販のペプチド合成装置、例えばApplied Biosystems, Inc. (Foster City, CA)モデル430Aを使用し、そして、集中的な合成アプローチ、例えばKent et al, 米国特許6,184,344およびDawson and Kent, Annu. Rev. Biochem., 69:923-960(2000)における複数の、別々の合成および精製した、ペプチドから本発明のポリペプチドを構築する。本発明のペプチドを、架橋ポリスチレン支持体上で、固相合成により、カルボキシル末端残基から開始し、完全なペプチドが形成されるまで、段階的形態でアミノ酸を添加することにより構築できる。下記の文献は、合成中に用いる化学反応のガイドである:Schnolzer et al, Int. J. Peptide Protein Res., 40:180-193(1992); Merrifield, J. Amer. Chem. Soc., Vol. 85, pg. 2149(1963); Kent et al., pg 185, in Peptides 1984, Ragnarsson, Ed. (AlmquistおよびWeksell, Stockholm, 1984); Kent et al., pg. 217 in Peptide Chemistry 84, Izumiya, Ed. (Protein Research Foundation, B.H. Osaka, 1985); Merrifield, Science, Vol. 232, pgs. 341-347(1986); Kent, Ann. Rev. Biochem, Vol. 57, pgs. 957-989(1988)、および後者の2つの文献の引用文献。
好ましくは、本発明のポリペプチドの化学合成は、Dawson et al, Science, 266:776-779(1994)およびKent el al, 米国特許6,184,344に記載のように、ペプチドフラグメントの天然化学ライゲーションによる構築により行う。簡単に言うと、本アプローチにおいて、第一ペプチドフラグメントに、非酸化スルフヒドリル側鎖を有するN−末端システインを提供し、そして第二ペプチドフラグメントにC−末端チオエステルを提供する。N−末端システインの非酸化スルフヒドリル側鎖をC−末端チオエステルと縮合し、中間体ペプチドフラグメントを提供し、これは第一および第二ペプチドフラグメントをβ−アミノチオエステル結合で連結する。中間体ペプチドフラグメントのこのβ−アミノチオエステル結合を、次いで分子内再配置に付し、第一および第二ペプチドフラグメントをアミド結合で連結するペプチドフラグメント産物を産生する。好ましくは、この内部フラグメントのN−末端システインは、下記のように、環状チアゾリジン保護基により、望ましくない環化および/または縮合反応から保護されている。好ましくは、このような環状チアゾリジン保護基はチオプロリニル基である。
C−末端チオエステルを有するペプチドフラグメントを、出典明示により本明細書に包含させる下記の文献に記載の通りに製造できる:Kent et al, 米国特許6,184,344;Tam et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 92:12485-12489(1995); Blake, Int. J. Peptide Protein Res., 17:273(1981); Canne et al, Tetrahedron Letters, 36:1217-1220(1995); Hackeng et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 94:7845-7850(1997); またはHackeng et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 96:10068-10073(1999)。好ましくは、Hackeng et al(1999)に記載の方法を用いる。簡単に言うと、ペプチドフラグメントを固相支持体(下記)上で、典型的に0.25mmolスケールで、出典明示により本明細書に包含させるSchnolzer et al, Int. J. Peptide Protein Res., 40:180-193(1992)に記載の、Boc化学のインサイチュ中和/HBTU活性化法を使用して合成する。(HBTUは2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸であり、Bocはtert−ブトキシカルボニルである)。各合成サイクルは、希釈していないTFAでの1から2分の処理によるNα−Bocの除去、1分のDMFでの流水洗浄、10から20分の、1.0mmolの予め活性化したBoc−アミノ酸とのDIEA存在下での結合時間、および2回目のDMFでの流水洗浄から成る。(TFAはトリフルオロ酢酸であり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、そしてDIEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンである)。Nα−Boc−アミノ酸(1.1mmol)を、3分、1.0mmolのHBTU(DMF中0.5M)で、過剰のDIEA(3mmol)存在下予め活性化させる。各カップリング段階後、残った遊離アミンを、例えばSarin et al, Anal. Biochem., 117:147-157(1981)に記載のような慣用のニンヒドリンアッセイで測定することにより収率を測定する。Gln残基の結合後、DCM流水洗浄を、TFAを用いた脱保護の前および後に使用し、可能性のある高温(TFA/DMF)−触媒ピロリドン形成を防止する。鎖構築が完了した後、本ペプチドフラグメントを脱保護し、無水HFで1時間、0℃での処理により、4%p−クレゾールをスカベンジャーとして使用して樹脂から開裂する。イミダゾール側鎖2,4−ジニトロフェニル(dnp)保護基は、dnp−除去法がC−末端チオエステル基と両立できないため、His残基上に残る。しかしながら、dnpをライゲーション反応中にチオールにより徐々に除去する。開裂後、ペプチドフラグメントを氷冷ジエチルエーテルで鎮連し、水性アセトニトリルに溶解し、凍結乾燥する。
上記のチオエステルペプチドフラグメントは、好ましくはHackeng et al(1999)に記載のように、または同等なプロトコールで製造したトリチル−結合メルカプトプロピオン酸−ロイシン(TAMPAL)樹脂上で合成する。簡単に言うと、Nα−Boc−Leu(4mmol)を3.6mmolのHBTUで、6mmolのDIEAの存在下活性化し、16分、2mmolのp−メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂またはその等価物と結合させる。次に、3mmolのS−トリチルメルカプトプロピオン酸を2.7mmolのHBTUで、6mmolのDIEAの存在下活性化し、16分、Leu−MBHA樹脂と結合させる。得られたTAMPAL樹脂を、2回、1分の3.5%トリイソプロピルシランおよび2.5%HOでトリチル保護基を除去した後、TFAポリペプチド−鎖構築のための出発樹脂として使用できる。チオエステル結合は、全ての所望のアミノ酸と、Schnolzer et al(上記)に記載のように、標準インサイチュウ−中和ペプチド結合プロトコールを1時間使用して形成できる。最終ペプチドフラグメントの無水HFでの処置は、C−末端活性化メルカプトプロピオン酸−ロイシン(MPAL)チオエステルペプチドフラグメントを産生する。
好ましくは、チアゾリジン−保護チオエステルペプチドフラグメント中間体を、Hackeng et al(1999)に記載の条件、または類似の条件下の天然化学ライゲーションに使用する。簡単に言うと、6Mグアニジン、4%(vol/vol)ベンジルメルカプタンおよび4%(vol/vol)チオフェノールを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH8.5)を、ライゲートする乾燥ペプチドに添加し、約pH7で1−3mMの最終ペプチド濃度とし、凍結乾燥ペプチドからチオールおよびTFAの添加により低下する。好ましくは、ライゲーション反応を、37℃の加熱ブロック中、ボルテックス処理し、チオール添加物を平衡化する。本反応の完了の程度をMALDI−MSまたはHPLCおよびエレクトロスプレーイオン化MSで追跡できる。
天然化学ライゲーション反応が完了したまたは停止させた後、本生成物のN−末端チアゾリジン環を、O−メチルヒドロキシルアミン(0.5M)のようなシステイン脱保護剤で、pH3.5−4.5で2時間、37℃で処理することにより開環し、その後10倍過剰のTris−(2−カルボキシエチル)−ホスフィンを反応混合物に添加して、全ての酸化反応成分を完全に還元し、その後慣用の分取HPLCで本生成物を精製する。好ましくは、ライゲーション産物を含むフラクションを、エレクトロスプレーMSで同定し、プールし、凍結乾燥する。
合成が完了し、最終産物を精製した後、本最終ポリペプチド産物を慣用法、例えばCreighton, Meth. Enzymol., 107:305-329(1984); White, Meth. Enzymol., 11:481-484(1967); Wetlaufer, Meth. Enzymol., 107:301-304(1984);などにより再折りたたみできる。好ましくは、最終産物を下記に従い、またはそれに準じて空気酸化することにより再折りたたみする:還元した凍結乾燥産物を、100mM Tris、10mM メチオニン含有1Mグアニジンヒドロクロライド(または類似のカオトロピック剤)中、pH8.6で溶解する(約0.1mg/mL)。穏やかに一晩撹拌後、この再折りたたみ産物を、慣用のプロトコールの逆相HPLCにより単離する。
組み換え発現ベクターおよび宿主細胞
本明細書に記載のポリヌクレオチド配列を、適当な宿主細胞中の対応するポリペプチドの発現を指示する組み換えDNA分子に使用できる。遺伝子コードにおける縮重のため、他のDNA配列が同等のアミノ酸配列をコードしてもよく、CPPのクローンおよび発現に使用してもよい。特定の宿主細胞に好まれるコドンを選択して、天然に存在するヌクレオチド配列に置換して入れ、発現の割合および/または効率を増加し得る。所望のCPPをコードする核酸(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)を、複製可能なベクターにクローニング(DNAの増幅)または発現のために挿入できる。本ポリペプチドは、当分野で既知の方法にしたがい、多くの発現系のいずれにおいても組み換え的に発現できる(Ausubel, et al., editors, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, 1990)。適当な宿主細胞は酵母、細菌、古細菌(archebacteria)、真菌ならびに昆虫および哺乳類細胞を含む動物細胞、例えば骨髄幹細胞を含むがこれに限定されない幹細胞を含む一次細胞を含む。より具体的に、これらは組み換えバクテリオファージ、プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌および、酵母発現ベクターで形質転換した酵母を含むが、これらに限定されない。また包含されるのは、組み換え昆虫ウイルス(例えばバキュロウイルス)で感染させた昆虫細胞、および哺乳類発現系である。発現すべき核酸配列を、種々の方法でベクターに挿入できる。一般に、DNAを適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に、当分野で既知の方法を使用して挿入する。ベクター構成要素は、一般に1個またはそれ以上のシグナル配列、複製の起点、1個またはそれ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーターおよび転写停止配列を含むが、これらに限定されない。これらの成分の1個またはそれ以上を含むベクターの構築は、当業者に既知の標準ライゲーション技術を用いる。
本発明のCPPは、CPPをコードする核酸を含む発現ベクターで形質転換した宿主細胞の、本タンパク質の発現を誘発または起こすための適当な条件下で培養することにより産生する。CPP発現に適当な条件は、当業者により確認されるように、発現ベクターおよび宿主細胞の選択により変化する。例えば、発現ベクターにおける構成型プロモーターの使用は、宿主細胞生長および増殖の慣用の最適化を必要とすることがあり、一方、誘導性プロモーターの使用は誘導のための適当な生長条件を必要とする。加えて、ある態様において、回収のタイミングが重要である。例えば、昆虫細胞発現に使用するバキュロウイルス系は溶菌性ウイルスであり、したがって、回収時期の選択が産物の収率に重要であることがある。
宿主細胞下部を、挿入配列の発現を調節する、または、発現タンパク質を所望の形態に加工する能力に関して選択できる。タンパク質のこのような修飾は、グリコシル、アセチル、リン酸、アミド、脂質、カルボキシル、アシルまたは炭水化物基を含むが、これらに限定されない。タンパク質の“プレプロ”形を開裂する翻訳後プロセシングはまた正しい挿入、折りたたみおよび/または機能に重要であり得る。例示の目的で、CHO、HeLa、BHK、MDCK、293、W138などの宿主細胞は、このような翻訳後活性に関する特異的細胞性機構および特徴的機構を有し、挿入された外来タンパク質の正しい修飾およびプロセシングを確実にするために選択できる。特に興味深いのはキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)細胞、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)および他の酵母、大腸菌、枯草菌(Bacillus subtilis)、SF9細胞、Cl29細胞、293細胞、パンカビ属(Neurospora)、BHK、CHO、COSおよびHeLa細胞、線維芽細胞、シュワン腫細胞系、不死化哺乳類骨髄およびリンパ系細胞系、ジャーカット細胞、ヒト細胞および他の初代細胞である。
CPPをコードする核酸は、それを他の核酸配列との機能的関係に置くことにより“操作可能に結合”をしなければならない。例えば、シグナルペプチド(presequence)または分泌リーダーのためのDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合、DNAに操作可能に結合する;プロモーターまたはエンハンサーは、それが配列の転写に影響する場合、コード配列に操作可能に結合する;またはリボソーム結合部位は、それが翻訳を促進するために配置される場合、コード配列に操作可能に結合する。一般に、“操作可能に結合”したDNA配列は隣接し、そして、分泌リーダーまたは他のポリペプチド配列である場合、隣接し読み取り相の中にある。しかしながら、エンハンサーは隣接している必要はない。結合は、ライゲーションにより、簡便な制限部位で達成である。このような部位が存在しないならば、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを、慣例にしたがって使用する。プロモーター配列は構成型または誘導性プロモーターのいずれかをコードする。本プロモーターは、天然に存在するプロモーターまたはハイブリッドプロモーターのいずれかであり得る。1つ以上のプロモーターのエレメントを合わせたハイブリッドプロモーターが当分野で既知であり、本発明に有用である。発現ベクターは付加的なエレメントを含んでよく、例えば、発現ベクターは2つの複製系を有してよく、したがって2つの生物中、例えば哺乳類中または昆虫細胞中で、発現のために、および原核宿主中でクローニングおよび増幅のために維持できる。発現およびクローニングベクターの両方が、ベクターが1個またはそれ以上の選択した宿主細胞中での複製を可能にする核酸配列を含む。このような配列は種々の細菌、酵母およびウイルスに関して既知である。プラスミドpBR322由来の複製起点が、ほとんどのグラム陰性細菌に適しており、2:プラスミド複製起点が酵母に適しており、そして種々のウイルス複製起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSVまたはBPV)が、哺乳類細胞におけるクローニングベクターに有用である。さらに、発現ベクターを統合するために、本発現ベクターは、宿主細胞ゲノムに相同な少なくとも1つ配列、および好ましくは、2つの相同な配列を含み、これは発現構築物に隣接する。本統合ベクターは、宿主細胞の特異的座位に、ベクターに挿入されるための適当な相同配列を選択することにより向けることができる。統合ベクターの構築は、当分野で既知である。さらなる態様において、異種発現コントロールエレメントは、宿主細胞の内因性遺伝子と、相同組み換えにより操作可能に結合する(米国特許6410266および6361972に記載され、その内容を出典明示によりその全体を本明細書に包含させる)。この技術は、選択したコントロールエレメントで所望のレベルに発現を制御可能にし、一方、宿主細胞により内因性に発現されるCPPのプロセシング修飾を確実にする。有用な異種発現コントロールエレメントは、CMV最初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、レトロウイルスLTRのプロモーター、例えば、ラウス肉腫ウイルスウイルス(RSV)およびメタロチオネインプロモーターを含むが、これらに限定されない。
好ましくは、本発現ベクターは、形質転換された宿主細胞の選択を可能にする選択可能マーカー遺伝子を含む。選択遺伝子は当分野で既知であり、使用する宿主細胞で変わる。発現およびクローニングベクターは典型的に選択遺伝子を含み、また選択可能マーカーと呼ぶ。典型的な選択遺伝子は(a)抗生物質または他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサートまたはテトラサイクリンに対する耐性を付与する、(b)補体栄養要求性欠損、または(c)複合培地からは利用できない重要な栄養素、例えば、バチルス(Bacilli)のためのD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子を供給する、タンパク質をコードする。
CPPをコードするヌクレオチド配列で形質転換した宿主細胞は、細胞培養からのコードしたタンパク質の発現および回収に適した条件下で培養できる。組み換え細胞により産生された本タンパク質は、使用した配列および/またはベクターに依存して、分泌され、膜結合であり、または細胞内に包含されていてよい。当業者には理解されるように、CPPをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを、原核または真核細胞膜を介したCPPの分泌を指示するシグナル配列を含むように設計できる。所望のCPPは直接にだけではなく、成熟タンパク質またはポリペプチドのN−末端に特異的開裂部位を有する、シグナル配列または他のポリペプチドである異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドで組み換え的に製造できる。一般に、本シグナル配列はベクターの構成要素であってよいか、または、ベクターに挿入されているCPP−コードDNAの一部であってよい。本シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppまたは熱安定エンテロトキシンIIリーダーからなる群から選択される、原核シグナル配列であってよい。酵母分泌のために、シグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(酵母菌属(Saccharomyces)およびクリュベロミセス(Kluyveromyces)a−因子リーダー、後者は米国特許5,010,182に記載されている)または酸ホスファターゼリーダー、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日公開のEP362,179)、または、1990年11月15日公開のWO90113646に記載のシグナルであり得る。哺乳類細胞での発現において、同じまたは関連種の分泌ポリペプチド由来のシグナル配列のような哺乳類シグナル配列、ならびにウイルス分泌リーダーをタンパク質の分泌の指示のために使用できる。選択した発現系にしたがって、本コード配列を適当なベクターに挿入し、それは次にある特徴的“コントロールエレメント”または“制御配列”の存在を必要とすることがある。適当な構築物は当分野で一般的に既知であり(Ausubel, et al., 1990)、そして、Invitrogen(San Diego, Calif.), Stratagene(La Jolla, Calif.), Gibco BRL(Rockville, Md.)またはClontech(Palo Alto, Calif.)のような商業的供給者から入手可能である。
細菌系での発現
細菌細胞の形質転換は、誘導性プロモーター例えば、“BLUESCRIPT”ファージミド(Stratagene)または“pSPORT1”(Gibco BRL)のハイブリッド1acZプロモーターを使用して達成できる。加えて、“BLUESCRIPT”(a−ガラクトシダーゼ;Stratagene)またはpGEX(グルタチオンS−トランスフェラーゼ;Promega, Madison, Wis.)を含むが、これらに限定されない、多くの発現ベクターを、容易に検出および/または精製できる開裂可能な融合タンパク質を製造するために、細菌細胞における使用のために選択できる。適当な細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼの結合ができ、CPP遺伝子のコード配列のmRNAへの下流(3')転写を開始できる、全ての核酸配列である。細菌プロモーターは、転写開始領域を有し、それは通常コード配列の5'末端に近位に配置する。この転写開始領域は典型的にRNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む。代謝経路酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例は、ガラクトース、ラクトースおよびマルトースのような糖代謝酵素由来のプロモーター配列および、トリプトファンのような生合成酵素由来の配列を含む。バクテリオファージ由来のプロモーターも使用でき、当分野で既知である。加えて、合成プロモーターおよびハイブリッドプロモーターも有用である;例えば、tatプロモーターは、trpおよびlacプロモーター配列のハイブリッドである。そのうえ、細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼを結合でき、転写を開始できる能力を有する、非転園細菌起源の天然に存在するプロモーターを含み得る。有効なリボソーム−結合部位もまた望ましい。本発現ベクターはまた細菌におけるCPPの分泌のために提供されるシグナルペプチド配列も含む。本シグナル配列は典型的に、当分野で既知のように、細胞からのタンパク質の分泌を指示する、疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチドをコードする。本タンパク質は増殖培地に(グラム陽性細菌)または、細胞の内膜と外膜の間に位置する細胞膜周辺腔(グラム陰性細菌)のいずれかに分泌される。本細菌発現ベクターはまた選択可能マーカー遺伝子も含み、形質転換された細菌株の選択を可能にする。適当な選択遺伝子は、薬剤耐性遺伝子、例えばアンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンを含む。選択可能マーカーはまた、ヒスチジン、トリプトファンおよびロイシン生合成経路におけるような生合成遺伝子を含む。例えば、抗体の誘導のために、大量のCPPが必要であるとき、容易に精製される融合タンパク質の高レベルの発現を指示するベクターが望ましいことがある。このようなベクターは、ハイブリッドタンパク質が産生されるように、CPPコード配列を、ベクターに、ベータ−ガラクトシダーゼのアミノ−末端Metおよび続く7残基の配列と共にフレーム内にライゲートできる、BLUESCRIPT(Stratagene)のような多機能大腸菌クローニングおよび発現ベクター;PINベクター(Van Heeke & Schuster JBiol Chem 264:5503-5509 1989));PETベクター(Novagen, Madison Wis.);などである。細菌のための発現ベクターは上記に示す種々の構成要素を含み、当分野で既知である。例は、とりわけ、枯草菌、大腸菌、クレモリス菌(Streptococcus cremoris)およびストレプトコッカス・リビダンス(Streptococcus lividans)のベクターを含む。細菌発現ベクターを、カルシウムクロライド介在トランスフェクション、エレクトロポレーションなどの当分野で既知の技術を使用して、細菌宿主細胞に形質転換する。
酵母での発現
酵母発現系は当分野で既知であり、出芽酵母カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)およびカンジダ・マルトーサ(C. maltosa)、ハンヌセラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クリュベロミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)およびクリュベロミセス・ラクティス(K. lactis)、ピチア・ギレルモンディ(Pichia guillermondii)およびピチア・パストリス(P pastoris)、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)の発現ベクターを含む。酵母宿主における使用に適したプロモーターの例は、3−ホスフォグリセラートキナーゼ(Hitzeman et al., J. Biol. Chem. 255:2073(1980))または、他の解糖酵素(Hess et al.,J. Adv. Enzyme Reg. 7:149(1968); Holland, Biochemistry 17:4900(1978))、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスフォグリセラートムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、アルファ因子、ADH2IGAPDHプロモーター、グルコキナーゼアルコールオキシダーゼおよびPGHのプロモーターを含む。例えば、Ausubel, et al., 1990; Grant et al., Methods in Enzymology 153:516-544, (1987)参照。誘導性である他の酵母プロモーターは生長条件による転写制御のさらなる利点を有し、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸ホスファターゼ、窒素代謝と関係する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、およびマルトースおよびガラクトース利用を担う酵素のプロモーター領域を含む。酵母発現のための適当なベクターおよびプロモーターは、EP73,657にさらに記載されている。酵母選択可能マーカーは、ツニカマイシンへの耐性を付与するADE2、HIS4、LEU2、TRPlおよびALG7;G418への耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子;および銅イオン存在下での酵母の増殖を可能にするCUP1遺伝子を含む。酵母発現ベクターは、目的のCPPをコードするDNAからのCPPの細胞内産生または分泌のために構築できる。例えば、選択したシグナルペプチドおよび適当な構成型または誘導性プロモーターを、CPPの細胞内発現を指示するために選択したプラスミドの適当な制限部位に挿入できる。CPPの分泌のために、CPPをコードするDNAを、CPPの発現のために、プロモーターをコードするDNA、酵母アルファ−因子分泌シグナル/リーダー配列、およびリンカー配列(必要に応じて)と一緒に、選択したプラスミドにクローン化できる。酵母細胞を、次いで上記の発現プラスミドで形質転換でき、適当な発酵培地で培養する。このような形質転換酵母で産生したタンパク質を次いで10%トリクロロ酢酸で沈殿し、SDS−PAGEでの分離およびクーマシーブルー染色の後分析する。本組み換えCPPを続いて発酵培地から、当業者に既知の技術により単離および精製できる。
哺乳類系での発現
本CPPは哺乳類細胞で発現できる。哺乳類発現系は当分野で既知であり、レトロウイルスベクター介在発現系を含む。哺乳類宿主細胞を、コード領域が後期プロモーターおよび三者間リーダー配列からなるアデノウイルス転写/翻訳複合体にライゲートできる、アデノウイルスのような多くの異なるウイルスベースの発現系で形質転換できる。本ウイルスゲノムの非必須ElまたはE3領域への挿入は、感染宿主細胞における目的のポリペプチドの発現が可能である。好ましい発現ベクター系は、PCT/US97/01019およびPCT/US97/101048に一般的に記載のようなレトロウイルスベクターである。適当な哺乳類発現ベクターは、哺乳類RNAポリメラーゼと結合でき、CPPのコード配列の下流(3')のmRNAへの転写を開始できる、全てのDNA配列である、哺乳類プロモーターを含む。プロモーターは、通常コード配列の5'末端に近位である転写開始領域、および通常転写開始部位の25−30塩基対上流に位置するTATAボックスを含む。本TATAボックスは、RNAポリメラーゼIIがRNA合成を正しい位置で開始するのを指示すると考えられている。哺乳類プロモーターはまた上流プロモーターエレメント(エンハンサーエレメント)を含み、これは、典型的にTATAボックスの100から200塩基対上流に位置する。上流プロモーターエレメントは、転写が開始する速度を決定し、いずれの配向でも働くことができる。哺乳類プロモーターとしての特定の使用は、ウイルス遺伝子がしばしば非常に発現され、広い宿主範囲を有するため、哺乳類ウイルス遺伝子由来のプロモーターである。例は、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス(1989年7月5日公開のUK2,211,504)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシ乳頭腫ウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよびシミアン・ウイルス40(SV40)プロモーターのようなウイルスのゲノムから、異種哺乳類プロモーター、例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーターから、および熱ショックプロモーターから得られるプロモーターを含む。ただし、このようなプロモーターは、宿主細胞系と適合性である。高級真核生物によるCPPをコードするDNAの転写は、エンハンサー配列のベクターへの挿入により増加できる。エンハンサーは、プロモーター上でその転写を増加させるために働く、通常約10から300bpの、DNAのシス作動性エレメントである。多くのエンハンサー配列が現在哺乳類遺伝子から既知である(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、a−フェトタンパク質およびインシュリン)。典型的に、しかしながら、真核細胞ウイルス由来のエンハンサーを使用するであろう。例は、SV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーを含む。本エンハンサーは、好ましくはプロモーターから5'の位置に位置する。一般に、哺乳類細胞により認識される転写終結およびポリアデニル化配列は、翻訳停止コドンの3'に位置する制御領域に位置し、したがって、プロモーターエレメントと一緒になって、コード配列に隣接する。成熟mRNAの3'末端は、部位特異的翻訳後開裂およびポリアデニル化により形成される。転写ターミネーターおよびポリアデニル化シグナルの例は、SV40由来のものを含む。組み換えタンパク質の長期の高収率の産生は、適当な発現系において行うことができる。ウイルス複製起点または内因性発現エレメントおよび選択可能マーカー遺伝子を含む、発現ベクターをこの目的で使用できる。哺乳類細胞で使用するための選択可能マーカーを含む適当なベクターは市販品から容易に入手でき、当業者に既知である。このような選択可能マーカーの例は、各々tk−またはhprt−細胞で使用するための、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼおよびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼを含むが、これらに限定されない。外因性核酸を哺乳類宿主に、および他の宿主に挿入する方法は当分野で既知であり、使用する宿主細胞により変化する。方法は、デキストラン−介在トランスフェクション、カルシウムリン酸沈殿、ポリブレン介在トランスフェクション、原形質融合、エレクトロポレーション、ウイルス感染、ポリヌクレオチド(複数もある)のリポソームへの封入および、核へのDNAの直接マイクロインジェクションを含む。
CPPは、CPP−コード配列を担持する発現ベクターで一過性にトランスフェクトしたまたは安定に形質転換した哺乳類細胞の培養上清から精製できる。好ましくは、CPPは、pcD発現ベクターにより一過性にトランスフェクトしたCOS7細胞の培養上清から精製する。COS7細胞のpcDでのトランスフェクションは下記のように行う:トランスフェクションの1日前、約10 COS7サル細胞を、100mmプレート中、10%ウシ胎児血清および2mM グルタミン含有個々のダルベッコ改変イーグル培地(DME)上に播く。トランスフェクションを行うために、本培地を核プレートから吸引し、50mM Tris.HCl pH7.4、400mg/ml DEAE−デキストランおよび50μgのプラスミドDNAを含む、4mlのDMEで置換する。本プレートを4時間、37℃でインキュベートし、次いでDNA−含有培地を除き、プレートを2回5mlの無血清DMEで洗浄する。DMEをプレートに戻し、それを再びさらに3時間、37℃でインキュベートする。本プレートを1回DMEで洗浄し、その後、4%ウシ胎児血清、2mM グルタミン、ペニシリン(100U/L)およびストレプトマイシン(100μg/L)を標準濃度で含むDMEを添加する。本細胞を次いで72時間、37℃でインキュベートし、その後増殖培地をCPPの精製のために回収する。トランスフェクションのためのプラスミドDNAを、Casadaban and Cohen, J. Mol. Biol., Vol. 138, pgs. 179-207(1980)に記載のような大腸菌MC1061、または類似の生物に挿入した、CPP−コードcDNAを含む、pcD(SRα)または同様の発現ベクターの増殖により得る。本プラスミドDNAを、標準技術、例えばSambrook et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Second Edition(Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 1989)またはAusubel et al(1990, 上記)により、培養物から単離する。
昆虫細胞での発現
CPPはまた昆虫細胞で発現できる。昆虫細胞の形質転換のための発現ベクター、特にバキュロウイルス−ベースの発現ベクターは当分野で既知である。このような系の1つにおいて、CPP−コードDNAを、バキュロウイルス発現ベクターのエピトープタグの上流に融合する。夜蛾(Autographa californica)核多角体病ウイルス(AcNPV)を、ヨトウ蛾(Spodoptera frugiperda)Sf9細胞またはトリコプルシア・ラルバエ(Trichoplusia larvae)に外来遺伝子を発現させるためのベクターとして使用する。本CPP−コード配列を、ウイルスの非必須領域、例えばポリヘドリン遺伝子にクローン化し、ポリヘドリンプロモーターの制御下に置く。CPP−コード配列の十分な挿入は、ポリヘドリン遺伝子を不活性にし、コートタンパク質の被覆を欠く組み換えウイルスを産生する。本組み換えウイルスを、次いでCPPを発現するヨトウ蛾細胞またはトリコプルシア・ラルバエの感染に使用する(Smith et al., J. Wol. 46:584(1994); Engelhard E K et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 91:3224-3227(1994))。CPP−コードDNAに融合させるための適当なエピトープタグは、ポリ−hisタグおよび免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域のような)である。pVL1393(Novagen)のような市販のプラスミドを含む、種々のプラスミドを用いることができる。簡単に言うと、本CPP−コードDNAまたは本CPP−コードDNAの所望の領域を、5'および3'領域と相補的なプライマーでのPCRにより増幅する。5'プライマーは、制限部位に隣接して挿入できる。本PCR産物を次いで選択した制限酵素で消化し、発現ベクターにサブクローン化する。組み換えバキュロウイルスを、上記プラスミドおよびBaculoGoldTMウイルスDNA(Pharmingen)の、ヨトウ蛾(“Sf9”)細胞(ATCC CRL 1711)への、リポフェクチン(GIBCO−BRLから市販)または当分野で既知の他の方法を使用した、同時形質移入により産生する。ウイルスを、Sf9細胞中、28℃で培養4−5日までに産生し、さらなる増幅に使用する。方法は、O'Reilley et al., BACULOVIRUS EXPRESSION VECTORS:A LABORATORY MANUAL, Oxford University Press(1994)に詳述の通りに行う。抽出物を, Rupert et al., Nature 362:175-179(1993)に記載のように、組み換えウイルス感染Sf9細胞から調製できる。別法として、発現したエピトープ−タグ付加CPPを、親和性クロマトグラフィーにより精製するか、または、例えば、IgGタグ付加(またはFcタグ付加)CPPの精製を、タンパク質Aまたはタンパク質Gカラムクロマトグラフィーを含む、クロマトグラフィー法を使用して行うことができる。
遺伝子発現の評価
遺伝子発現を、サンプル中で直接、例えば、当業者に既知の標準法により、例えば、mRNAの転写を決定するためのノーザン・ブロッティング、ドット・ブロッティング(DNAまたはRNA)、またはインサイチュハイブリダイゼーションにより、適当に標識したプローブを使用して、本明細書に提供された配列に基づいて評価できる。あるいは、抗体を、ポリペプチド、核酸、例えば、DNA二本鎖、RNA二本鎖およびDNA−RNAハイブリッド二本鎖またはDNA−タンパク質二本鎖を含む、特異的二本鎖の検出のためのアッセイに使用できる。このような抗体は標識でき、本アッセイを、表面上への二本鎖の形成により、本二本鎖に結合する抗体の存在を検出できるように、二本鎖が表面に結合している場所で行うことができる。遺伝子発現は、別法として、細胞または組織切片の免疫組織化学的染色および、細胞培養物または体液のアッセイにより測定でき、CPPポリペプチドまたはポリヌクレオチドの発現を直接評価する。このような免疫学的アッセイに有用な抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれでもよく、天然配列CPPに対して産生できる。タンパク質レベルもまた質量分析法により検出できる。タンパク質検出のさらなる方法は、タンパク質チップを使用する。
発現タンパク質の精製
発現したCPPを、発現後に、当業者に既知の種々の方法のいずれかを使用して精製または単離できる。適当な技術は、サンプル中にどのような他の成分が存在するかに依存して変化する。単離または精製により除去すべき汚染成分は、典型的に本ポリペプチドの診断的または治療的使用を妨害するであろう物質であり、酵素、ホルモンおよび他の溶質を含み得る。選択される精製段階(複数もある)は、例えば、使用する製造工程の性質および特に産生したCPPの性質に依存するであろう。CPPが分泌されるならば、それらは培養培地から回収できる。あるいは、本CPPを宿主細胞融解物から回収できる。膜結合しているときは、それを適当な界面活性剤(例えばTriton−X 100)を使用して、または酵素的開裂により膜から放出できる。別法として、CPPの発現に用いる細胞を、凍結−融解循環、超音波処理、機械的破壊のような種々の物理的または化学的手段により、または細胞融解剤の使用により破壊できる。精製手段の例は、イオン交換カラムクロマトグラフィー;シリカゲルまたは、DEAEのようなカチオン交換樹脂を使用したクロマトグラフィー;例えば、Sephadex G−75を使用したゲル濾過;IgGのような汚染物を除去するためのタンパク質Aセファロースカラム;CPPのエピトープ−標識付加形を結合するためのキレート化カラムを使用したクロマトグラフィー;エタノール沈殿;逆相HPLC;クロマト分画;SDS−PAGE;および硫酸アンモニウム沈殿を含むが、これらに限定されない。通常、単離CPPは、少なくとも1つの精製段階により産生する。例えば、CPPを、標準抗CPP抗体カラムを使用して精製できる。タンパク質濃縮と併せた限外濾過および透析技術も有用である(例えば、Scopes, R., PROTEIN PURIFICATION, Springer-Verlag, New York, N.Y., 1982参照)。必要な精製の程度は、CPPの使用に依存して変化するであろう。ある場合は精製が必要でない。必要に応じて発現および精製したら、本発明のCPPおよび核酸は、本明細書に詳述のように、多くの適用において有用である。
トランスジェニック動物
本発明の宿主細胞を、非ヒトトランスジェニック動物の製造にも使用できる。例えば、1つの態様において、本発明の宿主細胞は、CPP−コード配列がその中に挿入されている受精した卵母細胞または胚幹細胞である。このような宿主細胞を、外因性CPP配列がそのゲノムに挿入された非ヒトトランスジェニック動物、または内因性CPP配列が変えられている相同組み換え動物の製造に使用できる。このような動物は、CPPまたはそのフラグメントの機能および/または活性の研究にならびにCPP生物学的活性のモジュレーターの同定および/または評価に有用である。本明細書で使用する“トランスジェニック動物”なる用語は、1個またはそれ以上の動物の細胞が導入遺伝子を含む、非ヒト動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはラットまたはマウスのような齧歯類である。トランスジェニック動物の他の例は、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などを含む。本導入遺伝子は、トランスジェニック動物がそこから発育し、成熟動物のゲノムを残している細胞のゲノムに統合されており、それによりトランスジェニック動物の1種またはそれ以上の細胞形または組織においてコードした遺伝子産物の発現を指示する、外因性DNである。本明細書で使用する“相同組み換え動物”は、動物の発育前に、内因性遺伝子が内因性遺伝子と、動物の細胞、例えば、動物の胚細胞内に挿入された外因性DNA分子の間の相同組み換えにより、変えられた、非ヒト動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはマウスである。
本発明のトランスジェニック動物は、CPP−コード核酸を、受精した卵母細胞の雄性前核に、例えば、マイクロインジェクションまたはレトロウイルス感染により挿入し、そして本卵母細胞を、偽妊娠雌性養育動物中で発育させる。本CPPcDNA配列またはそのフラグメントを、導入遺伝子として、非ヒト動物のゲノムに挿入できる。別法として、マウスまたはラット由来のようなヒトCPP−コード遺伝子の非ヒト相同物を、導入遺伝子として使用できる。イントロンの配列およびポリアデニル化シグナルも導入遺伝子に包含でき、導入遺伝子の発現の効率を増加させる。組織−特異的制御配列(複数もある)は、CPP導入遺伝子に操作可能に結合し、特定の細胞でのCPPの発現を指示できる。トランスジェニック動物、特にマウスのような動物を、胚操作およびマイクロインジェクションを介して産生する方法は当分野で一般的となっており、例えば、両方ともLeder et al.の米国特許4,736,866および4,870,009、Wagner et al. の米国特許4,873,191ならびにHogan, B., Manipulating the Mouse Embryo, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1986、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる)に記載されている。同様の方法が、他のランスジェニック動物の製造に使用される。トランスジェニック創始動物を、そのゲノム内のCPP導入遺伝子の存在および/または本動物の組織または細胞におけるCPPmRNAの発現に基づいて同定できる。トランスジェニック創始動物を次いで導入遺伝子を担持するさらなる動物を繁殖するために使用できる。さらに、CPPをコードする導入遺伝子を担持するトランスジェニック動物を、他の導入遺伝子を担持する他のトランスジェニック動物に繁殖できる。
所望の核酸が、相同組み換えを介してゲノムに挿入されている動物を製造するために、本CPP−コード配列を変更する、例えば、機能的に妨害するために、欠失、付加または弛緩が挿入されたCPP−コード配列の少なくとも一部を含む、ベクターを製造する。本CPP−コード配列はヒト遺伝子であり得るが、より好ましくは、ヒトCPP−コード配列の非ヒト相同物(例えば、CPPをコードするヌクレオチド配列とのストリンジェントなハイブリダイゼーションにより単離したcDNA)である。例えば、マウスCPP−コード配列を使用して、マウスゲノムにおける内因性遺伝子を変えるのに適した相同組み換えベクターを構築する。好ましい態様において、本ベクターは、相同組み換えにより、内因性CPP−コード配列が機能的に妨害されるように、設計する(すなわち、もはや機能的タンパク質をコードしない;“ノックアウト”ベクターとも呼ぶ)。別法として、本ベクターを、相同組み換えにより、本内因性CPP−コード配列が変異されているか、他の方法で変えられているが、まだ機能的なタンパク質をコードするように設計する(例えば、上流制御領域を変更し、それにより内因性CPP−コード配列の発現を変えることができる)。本相同組み換えベクターにおいて、本CPP−コード配列の変更された部分は、その5'および3'末端で、CPP遺伝子の付加的核酸配列が隣接し、相同組み換えが、ベクターにより運ばれた外因性配列と、胚幹細胞中の内因性遺伝子の間で起こるようにする。さらなる隣接核酸配列は、内因性遺伝子との相同組み換えを成功させるのに十分な長さである。典型的に、数キロベースの隣接DNA(5'および3’末端の両方)が、ベクターに包含されている(例えば、Thomas, K. R. and Capecchi, M. R. (1987) Cell 51:503参照、相同組み換えベクターの記載に関して、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる)。本ベクターを、胚幹細胞系に(例えば、エレクトロポレーションにより)挿入し、挿入されたCPP−コード配列が内因性遺伝子と相同的に組み換えされている細胞を選択する(例えば、Li, E. et al. (1992) Cell 69:915参照、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる)。選択した細胞を次いで動物(例えば、マウス)の胚盤胞に注入し、凝集キメラを形成させる(例えば、Bradley, A. in Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells. A Practical Approach, E. J. Robertson, ed. (IRL, Oxford, 1987)pp. 113-152参照、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる)。キメラ胚を次いで適当な偽妊娠雌性養育動物に移植し、胚を出産させる。相同的に組み換えされているDNAをその胚細胞に有する子孫を使用して、導入遺伝子の生殖細胞伝達によりその細胞全てに相同的に組み換えされているDNAを含む動物を繁殖できる。相同組み換えベクターおよび相同組み換え動物を構築する方法は、Bradley, A. (1991)Current Opinion in Biotechnology 2:823-829およびPCT国際公開:Le Mouellec et al.のWO90/11354;Smithies et al.のWO91/01140;Zijlstra et al.のWO92/0968;およびBerns et al.のWO93/04169にさらに記載され、これらの内容を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる。
他の態様において、導入遺伝子の制御された発現を可能にする選択した系を含む、トランスジェニック非ヒト動物を製造できる。このような系の1つの例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコンビナーゼ系の記載に関しては、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる、例えば、Lakso et al. (1992) PNAS 89:6232-6236を参照のこと。リコンビナーゼ系の他の例は、出芽酵母のFLPリコンビナーゼ系である(O'Gorman et al. (1991) Science 251:1351-1355、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる)。cre/loxPリコンビナーゼ系を導入遺伝子の発現の制御に使用するとき、Creリコンビナーゼおよび選択したタンパク質の両方をコードする導入遺伝子を含む動物が必要である。このような動物は、“二重”トランスジェニック動物を、例えば、一匹は選択したタンパク質をコードする導入遺伝子を含み、もう一匹がリコンビナーゼをコードする導入遺伝子を含む、2匹のトランスジェニック動物の交配による構築を介して提供できる。
CPP活性の評価
本発明がさらに得られたCPPおよびCPP配列の、またはフラグメントおよび変異体の活性を試験する方法を提供することは認められよう。このような方法は、変異体または修飾CPP−コード核酸を提供して、このコードしたポリペプチドがCPP生物学的活性を発現するか否かを評価することを含む。包含されるのは:(a)CPPまたは、その生物学的活性フラグメントまたは相同物を提供して;そして(b)CPP活性に適当な条件下で、該CPPまたはその生物学的活性フラグメントもしくは相同物を試験することを含む、CPPの機能を評価する方法である。無細胞、試験無細胞、細胞ベースのおよびインビボアッセイも、CPP活性の試験に使用できる。例えば、該アッセイは、宿主細胞でCPP核酸を発現し、そして該細胞内または他の影響される細胞内でCPP活性を観察することを含んでよい。他の例において、CPPまたはその生物学的活性フラグメントもしくは相同物を、細胞で構築し、CPP生物学的活性を観察する。
CPP生物学的活性は、(1)個体が心臓血管障害を有するか、将来有するであろう可能性が低いことを示す;(2)心臓血管を発症するリスクが減少した個体の血流を通した循環;(3)抗原性、または抗CPP特異的抗体と結合する能力;(4)免疫原性、または抗CPP特異的抗体を産生する能力;(5)特に、特異的タンパク質分解およびセリンリン酸化により、翻訳後修飾される;(6)CPP標的分子、好ましくはシステインプロテアーゼと相互作用する;およびシステインプロテアーゼを減少させることを含む。
CPP生物学的活性は、当分野で既知の任意の適当な方法でアッセイできる。抗原性および免疫原性は、例えば、本明細書で“抗CPP抗体”および“CPP抗体の使用”の少に記載する通りに検出できる。血漿中の循環は、“診断的および予後的使用”に記載のように検出できる。CPPがCPP標的分子と結合するまたは相互作用する能力は、当分野で一般的であるような、直接的または間接的な結合のための方法により達成できる。これらの方法は、さらに、“薬剤スクリーニングアッセイ”の章においてに記載されている。このような方法のために、相互作用を試験するための標的分子は、好ましくはシステインプロテアーゼである。
CPPがCPP標的分子と結合するまたは相互作用する能力は、当分野で一般的であるような、直接的または間接的な結合のための方法により達成できる。このような方法は細胞ベース(例えば、膜結合CPPへの結合を検出する)または無細胞であってよい。試験化合物とCPPの相互作用は、例えば、CPPまたはその生物学的活性部分を、CPPまたはその生物学的活性部分のその同族標的分子への結合が、複合体中の標識したCPPまたはその生物学的活性部分の検出により決定できるように、標識基と結合させることにより検出できる。例えば、複合体形成の程度は、複合体の免疫沈降により、またはゲル電気泳動の実施により測定し得る。CPPがCPP標的分子に結合する能力の測定は、また、実時間生体分子相互作用分析(BIA)のような方法を使用して達成できる。Sjolander, S. and Urbaniczky, C. (1991) Anal. Chem. 63:2338-2345 and Szabo et al. (1995) Curr. Opin. Struct. Biol. 5:699-705、その内容を出典明示により本明細書にその全体を包含させる。本明細書で使用する“BIA”は、相互反応物(例えば、BIAcore)のいずれの標識なしに、実時間で生体特異的相互作用を試験する技術である。表面プラスモン共鳴(SPR)の光学的現象における変化を、生体分子間の反応の実時間の指標として使用できる。
心臓血管障害は、当業者が個体にとって適当であると決定した任意の方法により診断できる。さらに症状診断の例は、背景の章に見ることができ、患者の特定のプロフィールに基づいて当業者が適当に、最良に決定する。
分子内相互作用は、配列ベースの構造的予測により決定できる。このような予測は、一般に、類似の配列のポリペプチドのX線結晶学またはNMR構造データに基づく。分子内相互作用の検出はまたSDS−PAGEを使用して達成できる。ジスルフィド結合の例に関して、あるタンパク質の異なる部分の間の架橋が、より圧縮されたタンパク質をもたらし、したがって見かけの分子量を減少させる。ジスルフィド結合は還元剤、例えば、ジチオスレイトール(DTT)により分裂できる。還元剤で処理しているタンパク質サンプルを、したがって、未処理コントロールとSDS−PAGEにより比較し、見かけの分子量の変化を検出する。このような方法は、当分野で慣用である。
ホスホセリンの存在は、WO9621006に記載の技術のような、酸加水分解およびアミノ酸分析について慣用の技術により確認できる。特に、本発明のCPPは、Ser−X−Glu/Ser(P)−特異的分泌経路タンパク質キナーゼによるセリンリン酸化の可能性がある部位を数個含む。セリンリン酸化を評価するために、所望のポリペプチドを開裂し、サイズを減少させて、可能性のあるリン酸化残基を暴露させる。次いで、推定ホスホセリン残基をS−エチルシステインに変換するために、ペプチドをエタンチオールで処理し、N−末端タンパク質配列決定に付す。S−エチルシステインは、したがって、Spp−24のセリンに富む領域において全てのセリン残基で同定された。インサイチュで、セリンリン酸化の程度は、細胞外リンタンパク質に関して、一般に5%から83%の範囲である。
システインプロテアーゼ阻害は、US6004933に記載のように検出し得る。この例において、カテプシンBおよびL、パパインおよびGingipainに対する活性を下記の通り検出した。
酵素カテプシンB(E.C. 3.4.22.01)をCalbiochem(San Diego, Calif.)から;カテプシンL(E.C. 3.4.22.15)をAthens Research and Technology Inc. (Athens,Ga.)から;そしてパパイン(E.C. 3.4.22.02)をSigma(St. Louis, Mo.)から得た。基質Cbz−Phe−Arg−NHMec(−−NHMec:7−(4−メチル)クマリルアミド)をBachemCalifornia, Inc. (Torrance, Calif.)から得た。他の全ての試薬をSigmaから得た。
メチルクマリルアミドでの酵素アッセイに使用した酵素は、他のところに記載の通り活性化した(Barret, et al., Methods Enzymol. 80:535-561 (1981); Bromme, et al., Biochem. J, 264:475-481 (1989))。カテプシンLを、0.34M 酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.5中、0.01% Brij 35(v/v)、2.5mM ジチオスレイトール(DTT)および5mM Na−EDTAでアッセイした。カテプシンBを、緩衝液をpH6に調節した以外、同じ条件下でアッセイした。パパインを、0.2M 塩化ナトリウム、2mM DTT、1mM Na−EDTAおよび0.025% Brij 35(v/v)含有50mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8中でアッセイした。
酵素反応の最初の速度を、Quanta Master QM1(Photon Technologies International, South Brunswick, N.J.)で、蛍光分光分析的に測定した(.ラムダ.ex=370nm、.ラムダ.em=460nm)。この酵素の貯蔵溶液を緩衝液中に希釈し、室温で平衡化し、そして、阻害剤化合物(例えばCPP)の存在下および非存在下でプレインキュベートした。反応を基質の添加により開始させた。合計4つから8つの阻害剤濃度を使用して、IC50値を決定した。全ての場合、基質濃度はK値より非常に小さく、測定したIC50値は、直接Kと近似した(Cheng, et al., Biochemical Pharmacology, 22:3099-3108 (1973))。
Gingipainアッセイは、96ウェルマイクロタイタープレートリーダーで行い、BAPNA(N.アルファ.−ベンゾイル−DL−アルギニン−p−ニトロアニリドヒドロクロライド)の開裂を、405nmで検出した。アッセイは下記工程にしたがう:180μlアッセイ緩衝液(50mM Tris、5nM CaClおよび10nM システイン、pH7.6)を、10μl gingipain R(RGP)と、5分、室温でインキュベーションしながら混合し、RGPを還元および活性化する。10μl阻害剤またはネガティブコントロールを10分、RTでインキュベートする。50μlの10mM BAPNA基質を添加する。2分のアッセイを最終量250μlで、かつ最終BAPNA濃度2mMで行う。
抗CPP抗体
本発明は、CPPに特異的な抗体および結合組成物を提供する。このような抗体および結合組成物は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、そのFabおよび一本鎖Fvフラグメント、二重特異性抗体、ヘテロコンジュゲートおよびヒト化抗体を含む。このような抗体および結合組成物は、ハイブリドーマ培養、細菌または哺乳類細胞培養における組み換え発現およびトランスジェニック動物における組み換え発現を含む、種々の方法で製造できる。特定の方法を選択するための豊富な手引きが文献に、例えばChadd and Chamow, Curr. Opin. Biotechnol., 12:188-194 (2001)に存在する。
製造法の選択は、所望の抗体構造、抗体の炭水化物部分の重要性、培養および精製の容易さおよび費用を含む、数種の因子に依存する。完全長抗体、抗体フラグメント、例えばFabおよびFvフラグメント、および、異なる種由来の成分を含むキメラ抗体を含む、多くの異なる抗体構造が、標準発現技術を使用して産生できる。エフェクター機能を有さず、限定された薬物動力学的活性を有する、FabおよびFvフラグメントのような小さいサイズの抗体フラグメントは、細菌発現系で産生できる。一本鎖Fvフラグメントは、インビボ腫瘍に非常に選択的であり、良好な腫瘍浸透力および低免疫原性を示し、急速に血中から排泄される、例えばFreyre et al, J. Biotechnol., 76:157-163 (2000)。故に、このような分子は、放射免疫検出に望ましい。
ポリクローナル抗体
本発明の抗CPP抗体はポリクローナル抗体であってよい。このようなポリクローナル抗体は、哺乳類で、例えば、免疫剤(immunizing agent)、および好ましくは、アジュバントの1回またはそれ以上の注射により製造できる。典型的に、本免疫剤および/またはアジュバントを、哺乳類に一連の皮下または腹腔内注射により注入する。本免疫剤は、CPPまたはその融合タンパク質を含み得る。抗原を、免役する哺乳類において免疫原性であることが既知のタンパク質と結合させることが有用であり得る。このような免疫原性タンパク質の例は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、メチル化ウシ血清アルブミン(mBSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、B型肝炎表面抗原、血清アルブミン、ウシチログロブリンおよび大豆トリプシン阻害剤を含むが、これらに限定されない。アジュバントは、例えば、フロインド完全アジュバントおよびMPL−TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノ−ミコレート(trehalose dicoryno-mycolate))。免疫化プロトコールは、標準プロトコールに基づいて、または、日常的な実験により当業者が決定できる。
あるいは、CPPまたはその一部が富んでいる粗タンパク質調製物を、抗体の産生に使用できる。このようなタンパク質、フラグメントまたは調製物を、適当なアジュバントの存在下で非ヒト哺乳類に挿入する。血清が望ましくないエピトープに対するポリクローナル抗体を含むとき、本ポリクローナル抗体を、免疫親和性クロマトグラフィーにより精製する。
有効なポリクローナル抗体の製造は、抗原および宿主種の両方が関係する多くの因子により影響される。また、宿主動物の応答は、接種の部位および容量により変化し、抗原の不適切なおよび過剰な用量の両方が低い抗血清力価をもたらす。少ない投与量(ngレベル)の抗原を複数の皮内部位に投与するのが最も確実であるようである。ポリクローナル抗血清を産生し、プロセシングする方法は当分野で既知であり、例えば、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させるMayer and Walker(1987)を参照のこと。ウサギのための有効な免疫プロトコールは、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる、Vaitukaitis, J. et al. J. Clin. Endocrinol. Metab. 33:988-991 (1971)に見ることができる。ブースター注射を一定間隔ででき、抗血清を、その抗体力価が、半定量的に、例えば、既知濃度の抗原に対する寒天中の二重免疫拡散で測定して、落ち始めた時に回収する。例えば、Ouchterlony, O. et al., Chap. 19 in:Handbook of Experimental Immunology D. Wier(ed) Blackwell (1973)参照。抗体のプラトー濃度は、通常、血清0.1から0.2mg/mlである。抗血清の本抗原に対する親和性を、例えば、Fisher, D., Chap. 42 in:Manual of Clinical Immunology, 2d Ed. (RoseおよびFriedman, Eds.)Amer. Soc. For Microbiol., Washington, D. C. (1980)に記載のように、競合的結合曲線を調製することにより測定する。
モノクローナル抗体
あるいは、本抗CPP抗体はモノクローナル抗体であってよい。モノクローナル抗体はハイブリドーマにより産生でき、ここで、マウス、ハムスターまたは他の適当な宿主動物を、免疫剤に特異的に結合する抗体を産生するか、産生する能力を有する、リンパ球を誘発するために、免疫剤で免疫する、例えば、Kohler and Milstein, Nature 256:495 (1975)。本免疫剤は、典型的にCPPまたはその融合タンパク質と、所望により担体を含む。別法として、本リンパ球をインビトロで免疫する。一般に、非ヒト哺乳類供給源が望ましいとき、脾臓細胞またはリンパ節細胞を使用するか、または、ヒト起源の細胞が望ましいとき、末梢血リンパ球(“PBL”)を使用する。本リンパ球を、ポリエチレングリコールのような融合剤を使用して、不死化細胞系と融合し、ハイブリドーマ細胞を産生する、例えばGoding, MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE, Academic Press, pp. 59-103 (1986); Liddell and Cryer, A Practical Guide to Monoclonal Antibodies (John Wiley & Sons, New York, 1991); Malik and Lillenoj, Editors, Antibody Techniques (Academic Press, New York, 1994)。一般に、不死化細胞系は形質転換哺乳類細胞、例えば、ラット、マウス、ウシまたはヒト起源の骨髄腫細胞である。本ハイブリドーマ細胞を、好ましくは融合していない、不死化細胞の増殖または生存を阻害する1種またはそれ以上の物質を含む、適当な培養培地で培養する。例えば、親細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)を欠くとき、ハイブリドーマのための培養培地は典型的にHGPRT−欠損細胞の増殖を阻害する物質であるヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン(HAT)を含む。好ましい不死化細胞系は、有効に融合され、抗体の安定な高レベルの産生を支持し、そして、HAT培地のような培地に感受性であるものである。より好ましい不死化細胞系は、マウスまたはヒト骨髄腫系であり、これらは、例えば、American Type Culture Collection(ATCC), Rockville, MDから得ることができる。ヒト骨髄腫およびマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞系もまたヒトモノクローナル抗体の産生に関して記載されている、例えばKozbor, J. Immunol. 133:3001(1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, pp. 51-63 (1987)。
ハイブリドーマ細胞を培養している培養培地(上清)を、CPPに対するモノクローナル抗体の存在に関してアッセイできる。好ましくは、ハイブリドーマ上清に存在するモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降またはインビトロ結合アッセイ、例えば放射免疫アッセイ(RIA)または酵素免疫測定法(ELISA)により測定できる。適当な技術およびアッセイは当分野で既知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munson and Pollard, Anal. Biochem. 107:220 (1980)のスキャッチャード分析により測定できる。所望の抗体産生ハイブリドーマ細胞が同定された後、本細胞を、限界希釈法によりクローン化し、標準法で増殖させる(Goding, 1986, 前掲)。この目的に適した培養培地は、例えば、ダルベッコ改変イーグル培地およびRPMI−1640培地を含む。あるいは、本ハイブリドーマ細胞を、インビボで、哺乳類の腹水として増殖できる。選択したクローンにより分泌される本モノクローナル抗体は、例えば、タンパク質A−セファロース、ヒドロキシル−アパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析または親和性クロマトグラフィーのような当業者が慣用的に使用している免疫グロブリン精製法により、培養培地または腹水液から単離または精製できる。
本モノクローナル抗体はまた、米国特許4,816,567に記載のような組み換えDNA法により製造できる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAを、CPP−特異的ハイブリドーマ細胞から、例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子と特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用して、単離し、配列決定する。単離したら、本DNAを発現ベクターに挿入し、それを、続いて、他の方法で免疫グロブリンタンパク質を産生しないサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞のような宿主細胞にトランスフェクトし、組み換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成をさせることができる。本DNAはまた、例えば、マウス重鎖および軽鎖定常ドメインのコード配列を、相同なヒト配列で置換することにより(Morrison et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 81:6851-6855 (1984); Neuberger et al., Nature 312:604-608 (1984); Takeda et al., Nature 314:452-454 (1985))、または、免疫グロブリンコード配列に、非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全てまたは一部を共有結合させることにより修飾をされていてよい。本非免疫グロブリンポリペプチドを、本発明の抗体の定常ドメインで置換し、または本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変性ドメインで置換し、キメラ二価抗体を産生する。本抗体はまた一価抗体であってよい。一価抗体を製造する方法は、当分野で既知である。例えば、インビトロ法が、一価抗体の製造に適している。そのフラグメント特に、Fabフラグメントを産生するための抗体の消化は、当分野で慣用の技術を使用して達成できる。
本発明のハイブリドーマに特徴的な抗体および抗体フラグメントも、メッセンジャーRNAを抽出し、cDNAライブラリーを構築し、本抗体分子のセグメントをコードするクローンを選択することによる組み換え手段により、製造できる。下記は、抗体を製造するための組み換え技術を記載する文献の例である:Wall et al., Nucleic Acids Research, Vol. 5, pgs. 3113-3128 (1978); Zakut et al., Nucleic Acids Research, Vol. 8, pgs. 3591-3601 (1980); Cabilly et al., Proc. Natl. Acad. Sci., Vol. 81, pgs. 3273-3277 (1984); Boss et al., Nucleic Acids Research, Vol. 12, pgs. 3791-3806 (1984); Amster et al., Nucleic Acids Research, Vol. 8, pgs. 2055-2065 (1980); Moore et al., 米国特許4,642,334;Skerra et al, Science, Vol. 240, pgs. 1038-1041 (1988);Huse et al, Science, Vol. 246, pgs. 1275-1281 (1989);および米国特許6,054,297;5,530,101;4,816,567;5,750,105;および5,648,237;これらの特許を出典明示により本明細書に包含させる。特に、このような技術を使用して、免疫原性を低下させるために、1つの種の結合領域が、他の種の抗体の非結合領域と合わさっている、種間モノクローナル抗体の製造に使用できる、例えばLiu et al., Proc. Natl. Acad. Sci., Vol. 84, pgs. 3439-3443 (1987), および特許6,054,297および5,530,101。好ましくは、組み換え的に製造したFabおよびFvフラグメントを、細菌宿主系で発現させる。好ましくは、完全長抗体を、哺乳類細胞培養技術により製造する。より好ましくは、完全長抗体を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはNSO細胞で発現させる。
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両方を、ELISAでスクリーニングできる。他の固相免疫アッセイと同様、本試験は、巨大分子がプラスチックに非特異的に吸着する傾向に基づく。この反応の可逆性から、免疫学的活性の損失なしに、抗原−抗体複合体の形成と、非結合物質からのこのような複合体の簡単な分離を可能にする。抗ペプチド血清を力価測定するために、面系に使用したのと異なる担体と結合しているペプチドを、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルに吸着させる。吸着した本抗原を次いでウェル中で、抗ペプチド血清の希釈と反応させる。非結合抗体を洗い流し、残った抗原−抗体複合体を、免疫動物のIgGに特異的な抗体と反応させる。本二次抗体を、アルカリホスファターゼのような酵素と結合させる。酵素基質が添加された時に産生する可視的着色反応が、どのウェルが抗ペプチド抗体を含むかの指標である。分光光度計読み取りの使用が、ペプチド−特異的抗体結合の良好な定量を可能にする。抗力価抗血清は、10−3から10−5希釈の間で直線力価曲線を産生する。
CPPペプチド担体
本発明はCPP由来の免疫原、および、担体と本発明のペプチドの間の結合体を含む免疫原を含む。本明細書で使用する免疫原なる用語は、免疫応答をもたらすことができる物質を意味する。本明細書で使用する担体なる用語は、それが本発明のペプチドと化学的に結合したとき、得られた結合体で免疫した宿主細胞が、本結合ペプチドに特異的な抗体を産生できる、全ての物質を意味する。担体は、赤血球細胞、バクテリオファージ、タンパク質または、アガロースビーズのような合成粒子を含む。好ましくは、担体はタンパク質、例えば、血清アルブミン、ガンマ−グロブリン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、チログロブリン、卵白アルブミンまたはフィブリノゲンである。
合成ペプチドを担体と結合させる一般的技術は、数種の文献、例えばWalter and Doolittle, "Antibodies Against Synthetic Peptides", in Setlow et al., eds., Genetic Engineering, Vol. 5, pgs. 61-91 (Plenum Press, N.Y., 1983); Green et al. Cell, Vol. 28, pgs. 477-487 (1982); Lerner et al., Proc. Natl. Acad. Sci., Vol. 78, pgs. 3403-3407 (1981); Shimizu et al., 米国特許4,474,754;およびGanfield et al.、米国特許4,311,639に記載されている。したがって、これらの文献を出典明示により本明細書に包含させる。また、ハプテンを担体と結合させるために用いる技術は、本質的に上記文献の技術と同じである、例えばchapter 20 in Tijssen, Practice and Theory of Enzyme Immuno Assay(Elsevier, New York, 1985)。ペプチドを担体に結合するための4つの最も一般的に使用されるスキームは(1)例えばKagan and Glick, in Jaffe and Behrman, eds. Methods of Hormone Radioimmunoassay, pgs. 328-329(Academic Press, N.Y., 1979)およびWalter et al. Proc. Natl. Acad. Sci., Vol. 77, pgs. 5197-5200(1980)に記載のような、アミノ結合のためのグルタールアルデヒド;(2)例えばHoare et al., J. Biol. Chem., Vol. 242, pgs. 2447-2453(1967)により記載のような、カルボキシルのアミノへの結合のための水溶性カルボジイミド;(3)例えば、Bassiri et al., pgs. 46-47, in Jaffe and Behrman, eds. (上記)およびWalter et al. (上記)に記載のような、チロシンのチロシン側鎖への結合のためのビスジアゾベンジジン(BDB);および(4)例えばKitagawa et al., J. Biochem. (Tokyo), Vol. 79, pgs. 233-239(1976)およびLerner et al. (上記)により記載のような、アミノ基へのシステイン(または他のスルフヒドリル)の結合のためのマレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)である。あるペプチドをタンパク質担体に結合するためのための適当な方法を選択する一般的な規則は下記のように述べることができる:結合に関与する基は、配列に1回だけ、好ましくは、セグメントの適当な末端に出現すべきである。例えば、BDBは、チロシン残基が、その可能性のある抗原性特性のために選択した配列に2回出現するとき、使用すべきではない。同様に、中心に位置するリシンは、グルタールアルデヒド法を除外し、そしてアスパラギン酸およびグルタミン酸の出現は、しばしばカルボジイミド法を除外する。他方、適当な残基を、それらが“天然”タンパク質配列に存在するかしないかに関わらず、選択した配列セグメントのいずれかの末端に、結合部位として配置できる。内部セグメントは、アミノおよびカルボキシ末端と異なり、ポリペプチド主鎖が続いている天然タンパク質において発見されるのと同じ配列と、“非結合末端”で有意に異なる。α−アミノ基をアセチル化し、続いてペプチドをそのカルボキシ末端の方向で結合することにより、問題がある程度解決できる。担体タンパク質への結合効率は、簡便には、放射活性アミノ酸を一段階合成のために使用して、または、完成したペプチドのチロシン残基のヨウ素化により標識して製造した、放射活性標識ペプチドを使用して、測定する。本ペプチドにおけるチロシンの存在がまた、望ましいとき、感受性放射免疫アッセイを可能にする。したがって、チロシンを、それが天然ポリペプチドにより定義されるペプチド配列の一部でないとき、末端残基として挿入できる。
好ましい担体はタンパク質であり、好ましいタンパク質担体は、ウシ血清アルブミン、ミオグロビン、卵白アルブミン(OVA)、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)などを含む。ペプチドを, Liu et al., Biochemistry, Vol. 18, pgs. 690-697 (1979)に記載のように、MBSによりシステインを介してKLHに結合できる。本ペプチドは、リン酸緩衝化食塩水(pH7.5)、0.1Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)または1.0M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)に溶解する。本ペプチドを溶解するためのpHは、ペプチド溶解性を最適化するために選択する。可溶性ペプチドの遊離システイン含量は、Ellmanの方法により測定する、Ellman, Arch. Biochem. Biophys., Vol. 82, pg. 7077 (1959)。各ペプチドに関して、0.25mlの10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中の4mg KLHを、0.7mg MBS(ジメチルホルムアミドに溶解)と反応させ、30分、室温で撹拌する。KLHが>30%ホルムアミドで不溶性であるため、MBSを滴下して、ホルムアミドの局所濃度が高すぎないことを確認する。反応産物であるKLH−MBSを次いで50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化したSephadex G−25に通して、遊離MBSを除去し、本カラム溶出液のピークフラクションからのKLH回収(OD280でモニター)は、約80%と概算される。KLH−MBSを次いで1mlのこの選択した緩衝液に溶解した5mgペプチドと反応させる。pHを7−7.5に調製し、反応物を3時間、室温で撹拌する。結合効率を、放射活性ペプチドで、本結合体のサンプルをリン酸−緩衝化食塩水に対して透析してモニターし、8%から60%の範囲であってよい。本ペプチド−担体結合体が利用可能になったら、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を、例えばCampbell, Monoclonal Antibody Technology(Elsevier, New York, 1984); Hurrell, ed. Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications(CRC Press, Boca Raton, FL, 1982); Schreier et al. Hybridoma Techniques(Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 1980);米国特許4,562,003;などに記載のような標準技術により製造する。特に、米国特許4,562,003を出典明示により本明細書に包含させる。
ヒト化抗体
本発明の抗CPP抗体はさらにヒト化抗体またはヒト抗体を含んでよい。“ヒト化抗体”なる用語は、非ヒト抗体由来の配列のある部分を含む、キメラ抗体、免疫グロブリン鎖またはそのフラグメント(例えばFv、Fab、Fab'、F(ab')、または抗体の他の抗原−結合部分配列)である、非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形である。ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリンの相補性決定領域(CDR)の残基が、所望の結合特異性、親和性およびキャパシティーを有するマウス、ラットまたはウサギのような非ヒト種のCDR由来の残基で置換されている、ヒト免疫グロブリンを含む。一般に、本ヒト化抗体は、少なくとも1個の、および一般に2個の可変性ドメインの実質的に全てを含み、ここで、CDR領域の全てまたは実質的に全ては非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、そしてFR領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。本ヒト化抗体は、所望により免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部を含み、それは典型的にヒト免疫グロブリンのものである(Jones et al., Nature 321:522-525(1986)およびPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596(1992))。非ヒト抗体をヒト化する方法は、当分野で既知である。一般に、ヒト化抗体は、ヒト抗体により似せるために、非ヒトである供給源由来の1個またはそれ以上のアミノ酸をその中に挿入されているが、また抗体の本来の結合活性を維持している。抗体のヒト化の方法は、さらに、Jones et al., Nature 321:522-525(1986); Riechmann et al., Nature 332:323-327(1988); and Verhoeyen et al., Science 239:1534-1536(1988)に詳述されている。このような“ヒト化”抗体は、実質的にヒト可変領域全体より少ない部分が、非ヒト種由来の対応する配列で置換されている、キメラ抗体である。
ヘテロコンジュゲート抗体
2つの共有結合した抗体を含むヘテロコンジュゲート抗体も本発明の範囲内である。ヘテロコンジュゲート抗体は、インビトロで、合成タンパク質化学における既知の方法を使用して製造でき、架橋剤が関与するものを含む。例えば、免疫毒素を、ジスルフィド交換反応を使用して、またはチオエーテル結合の形成により、製造できる。
二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも二種の抗原に結合特異性を有する。このような抗体はモノクローナルであり、好ましくはヒトまたはヒト化されている。本発明の二重特異性抗体の結合特異性の一方はCPPに対してであり、他方は好ましくは細胞表面タンパク質または受容体または受容体サブユニットに対してである。二重特異性抗体を製造する方法は当分野で既知であり、一般に、二重特異性抗体の組み換え製造は、ハイブリドーマ細胞における2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現であり、ここで、2つの重鎖は異なる特性を有する、例えばMilstein and Cuello, Nature 305:537-539(1983)。免疫グロブリン重鎖および軽鎖の無作為な分類が、ハイブリドーマによる10種の異なる抗体分子の製造をもたらす可能性を考慮して、正しい分子の精製が通常、親和性精製、例えば親和性クロマトグラフィーを多少必要とする。
CPP抗体の使用
CPP抗体は好ましくは本発明のCPPに特異的であり、それ自体、高親和性で他のタンパク質由来のペプチドに結合しない。本明細書で使用する、“重鎖可変領域”なる用語は、(1)110から125アミノ酸長であり、そして、(2)そのアミノ酸配列が本発明の抗体の重鎖に対応し、重鎖N−末端アミノ酸から出発する、ポリペプチドを意味する。同様に、“軽鎖可変領域”は、(1)95から115アミノ酸長であり、そして、(2)そのアミノ酸配列が本発明の抗体の軽鎖に対応し、軽鎖N−末端アミノ酸から出発する、ポリペプチドを意味する。本明細書で使用する“モノクローナル抗体”なる用語は、CPPに特異的に結合できる免疫グロブリンの同種集団を意味する。
CPP抗体は、機能的モジュレーター、最も一般的にはアンタゴニストとして使用できる。好ましくは、本発明の抗体モジュレーターは、CPPに特異的なモノクローナル抗体由来である。CPPを遮断または中和できるモノクローナル抗体を、一般に、そのCPP生物学的活性を阻害する能力により選択する。
抗体フラグメント、例えばFabフラグメント:Tijssen, Practice and Theory of Enzyme Immunoassay(Elsevier, Amsterdam, 1985); およびFvフラグメント:Hochman et al. Biochemistry, Vol. 12, pgs. 1130-1135(1973), Sharon et al., Biochemistry, Vol. 15, pgs. 1591-1594(1976)およびEhrlich et al., 米国特許4,355,023;ならびに抗体半分子:Auditore-Hargreaves, 米国特許4,470,925の使用はまた既知である。
好ましくは、モノクローナル抗体、Fvフラグメント、Fabフラグメント、または本発明のモノクローナル抗体由来の他の結合組成物は、CPPに高親和性を有する。モノクローナル抗体および関連分子のCPPに対する親和性は、プラスモン共鳴、ELISAまたは平衡透析を含む、慣用の技術により測定できる。プラスモン共鳴技術による親和性測定は、例えば、BIAcore 2000装置(Biacore AB, Uppsala, Sweden)を、製造者が推奨するプロトコールにしたがって使用して、行うことができる。好ましくは、親和性はELISAで、例えば、米国特許6,235,883に記載のように測定する。好ましくは、CPPと本発明のモノクローナル抗体の解離定数は、10−5モル濃度より小さい。より好ましくは、このような解離定数は10−8モル濃度より小さい;さらにより好ましくは、このような解離定数は10−9モル濃度より小さい;そして最も好ましくは、このような解離定数は10−9から10−11モル濃度の範囲である。
加えて、本発明の抗体はCPPの検出に有用である。このような検出法は、有利には心臓血管障害、特に、冠状動脈疾患の診断に適用する。本発明の抗体は、抗原−抗体反応が関与するほとんどのアッセイで使用できる。アッセイは均一または不均一であってよい。均一アッセイ法において、サンプルは、血清、尿、全血、リンパ液、血漿、唾液、細胞、組織、および、インビトロで培養した細胞または組織により分泌された物質のような、生物学的サンプルまたは体液であり得る。本サンプルを、望ましくない物質を除去する必要があるとき、前処理してもよい。免疫学的反応は、通常、特異的抗体、標識分析物、および、抗原を含むことが疑われるサンプルを含む。標識から発生したシグナルを、抗体の標識分析物への結合により、直接的または間接的に修飾する。免疫学的反応およびその程度の検出の両方とも、均質溶液中で行う。用いることができる免疫化学標識は、フリーラジカル、蛍光色素、酵素、バクテリオファージ、補酵素などである。
不均一アッセイ法において、試薬は通常サンプル、特異的抗体、および検出可能なシグナルを産生させる手段を含む。標本を一般に支持体、例えばプレートまたはスライドに置き、液相中で抗体と接触させる。次いで、本支持体を本液相から分離し、支持体相または液相のいずれかを、検出可能なシグナルに関して、このようなシグナルを発生させる手段またはシグナル発生系を用いて、試験する。本シグナルは、サンプル中の抗原の存在と比例する。検出可能なシグナルを発生させる方法は、放射活性標識、蛍光化合物、酵素などの使用を含む。不均一免疫アッセイの例は、放射免疫アッセイ、蛍光抗体法、酵素結合免疫アッセイなどである。
上記免疫アッセイ技術のさらなる詳細に関して、Edward T. Maggio, CRC Press, Inc., Boca Raton, Fla., 1980による“Enzyme-Immunoassay”を参照のこと。また、例えば、米国特許3,690,834;3,791,932;3,817,837;3,850,578;3,853,987;3,867,517;3,901,654;3,935,074;3,984,533;3,966,345;および4,098,876を参照のこと(このリストは、全てを網羅することを意図していない)。標識を抗体および抗体フラグメントに結合する方法は、当分野で既知である。このような方法は、米国特許4,220,450;4,235,869;3,935,974;および3,966,345に見ることができる。本発明の抗体を用いることができる他の技術の例は、免疫ペルオキシダーゼ標識である(Sternberger, Immunocytochemistry (1979) pp. 104-169)。別法として、本抗体を放射活性物質にまたは薬剤に結合し、各々放射性医薬品または医薬品を形成してもよい(Carrasquillo, et al., Cancer Treatment Reports (1984) 68:317-328)。
本発明の抗体を用いるアッセイの1つの態様は、本発明のモノクローナル抗体が結合している表面の使用を含む。表面の基本構造は、異なる形を取ってよく、異なる組成を有し、組成物もしくは積層の混合物、またはそれらの組み合わせであり得る。本表面は、使用および測定の方法に依存して、種々の形状および形を取ることができ、種々の寸法を有し得る。表面の実例は、パッド、ビーズ、ディスクまたはストリップであり、平ら、凹状または凸状であってよい。厚さは厳密ではなく、一般に約0.1から2mmの厚さであり、任意の簡便な直径または他の寸法である。本表面は、典型的に棒、管、毛管、繊維、ストリップ、ディスク、プレート、キュベットで支えられ、典型的に、多孔性であり、抗体の共有結合を可能にし、検出可能なシグナルを発生させるための手段の一部を形成する他の化合物の結合を可能にするために、多機能性であるか、多機能性になることができる。天然および合成の両方の、広範囲の有機および無機ポリマーおよび、これらの組み合わせを、固体表面用物質として用いることができる。ポリマーの実例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、レイヨン、ナイロン、ポリ(ビニルブチレート)、シリコン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、セルロースアセテート、ニトロセルロースおよびラテックスを含む。他の表面は、紙、ガラス、セラミック、金属、メタロイド(metaloid)、半導体製品、セメント、ケイ酸塩などを含む。また包含されるのは、ゲル、ゼラチン、リポポリサッカライド、ケイ酸塩、アガロースおよびポリアクリルアミドを形成する物質、またはデキストラン、ポリアルキレングリコール(2から3炭素原子のアルキレン)またはリン脂質のような界面活性剤のような、数個の水性相を形成するポリマーである。抗体の表面への結合は、文献から一般的に入手可能である、既知の技術により達成できる(例えば、“Immobilized Enzymes,” Ichiro Chibata, Press, New York (1978)およびCuatrecasas, J. Bio. Chem., 245:3059 (1970))。本発明のこの局面のアッセイの実施に際して、サンプルを水性媒体と混合し、本媒体を、それに結合した抗体を有する表面と接触させる。標識を、表面と結合した検出可能なシグナルを提供するために、水性媒体に、同時にまたは連続的に添加してよい。検出可能なシグナルを発生させる方法は、標識分析物の取り込みを含んでよく、または、それに標識結合体を有する二次モノクローナル抗体の使用を含んでよい。必要に応じて、分離および洗浄段階を行う。検出された本シグナルは、サンプル中のCPPの存在と比例する。同じ支持体上の目盛り決めを含むのは、本発明の範囲内である。本発明のアッセイの特定の態様は、説明の目的で、限定の目的ではなく、スライドまたはペトリ皿のウェルのような支持体の使用を含む。本技術は、分析すべきサンプルを、適当な固定物質と共に支持体上に固定し、スライド上のサンプルをモノクローナル抗体とインキュベートすることを含む。例えば、リン酸緩衝化食塩水のような適当な緩衝液での洗浄後、支持体を、抗体の標識した特異的結合パートナーと接触させる。必要に応じてインキュベートした後、スライドを2回水性緩衝液で洗浄し、抗原に対する標識モノクローナル抗体の結合について測定を行う。標識が蛍光であるとき、スライドを、カバーガラス上の蛍光抗体マウンティング流体で覆い、次いで、蛍光顕微鏡で試験して、結合の程度を決定する。他方、標識が、モノクローナル抗体に結合した酵素であってよく、結合の程度を酵素活性の存在に関するスライドの試験により決定でき、これは、沈殿、色素などの形成により支持され得る。本発明の抗体を用いる特定の例は、二重決定要素ELISAアッセイである。例えば、ガラスまたはビニールプレートのような支持体をCPPに特異的な抗体で、慣用の技術によりコートする。本支持体を、CPPの含有が疑われるサンプルと、通常、水性培体中で接触させる。30秒から12時間のインキュベーション時間の後、本支持体を媒体から除去し、非結合CPPを除去するために、例えば、水または水性緩衝化媒体で洗浄し、CPPに特異的な抗体と、また通常水性媒体中で接触させる。本抗体を、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼのような酵素で直接または間接的に標識する。インキュベーション後、本支持体を本媒体から除去し、上記のように洗浄する。本支持体または本水性媒体の酵素活性を測定する。この酵素活性は、サンプル中のCPPの量と比例する。
本発明はまた、上記の方法を行うための、キット、例えば、診断的アッセイキットを含む。1つの態様において、本キットは、(a)上記により具体的に定義したモノクローナル抗体および(b)上記モノクローナル抗体の特異的結合パートナーと検出可能シグナルを発生できる標識の結合体の、包装された組み合わせから成る。本試薬は、補助的薬剤、例えば、緩衝液化剤およびタンパク質安定化剤、例えば、ポリサッカライドなどを含んでいてよい。本キットは、さらに、必要に応じて、標識がメンバーであるシグナル発生系の他のメンバー、試験におけるバックグラウンドを低下させるための薬剤、コントロール試薬、試験を行うための装置などを含んでいてよい。他の態様において、本診断的キットは、本発明のモノクローナル抗体と、検出可能なシグナルを発生できる標識の結合体を含む。上記のような補助剤も存在していてよい。
さらに、抗CPP抗体(例えば、モノクローナル抗体)を使用して、親和性クロマトグラフィーまたは免疫沈降のような標準技術によりCPPを単離できる。例えば、抗CPP抗体は、細胞からの天然CPPの、および、宿主細胞で発現される組み換え的に製造したCPPの精製を容易にすることができる。さらに、抗CPP抗体を使用して、低濃度CPP(例えば、血漿、細胞性融解物または細胞上清において)を検出するために、または、CPPの発生量および発現のパターンを評価するために、CPPを単離できる。抗CPP抗体を、例えば、ある処置レジメンの効果を決定するための、臨床試験法の一部として、組織中のタンパク質レベルをモニターするために、診断的に使用できる。検出は、抗体の標識基への結合(すなわち、物理的架橋)により容易にすることができる。
タンパク質アレイ
本発明のポリペプチドの検出、精製、およびスクリーニングは、その記載を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる米国特許6225027および米国特許出願20010014461に記載のような、retentateクロマトグラフィー(好ましくは、タンパク質アレイまたはチップ)を使用して達成できる。簡単に言うと、retentateクロマトグラフィーは、ポリペプチド(および/または他のサンプル成分)を吸着剤(例えば、アレイまたはチップ)に保持し、続いて検出する方法を言う。このような方法は、(1)サンプル由来のポリペプチドを、多くの異なる吸着剤/溶離剤条件下で支持体に選択的に吸着させる(“選択性条件”)、そして(2)吸着したポリペプチドの保持を、脱着分光測定法(例えば、質量分析法)により検出することを含む。慣用のクロマトグラフィー法において、ポリペプチドを、検出前に吸着剤から溶出して離す。吸着クロマトグラフィーと、脱着分光測定法による検出の結合は、並はずれた感受性、種々の異なる選択性条件で保持した成分を急速に測定する能力、および、異なる溶出条件下のアレイ上の異なる部位(すなわち、“親和性部位”または“スポット”)に吸着した成分の並行処理を提供する。
これらの方法は:CPPの組み合わせ、生化学的分離および精製;特異な遺伝子発現の研究;タンパク質レベルにおける差異の検出(例えば、診断のため);および、分子認識事象の検出(例えば、スクリーニングおよび薬剤開発のため)に有用である。故に、本発明は、平衡したおよび複数両方のポリペプチド処理能力を包含することを特徴とする、分子開発および診断装置を提供する。本発明のポリペプチドおよびCPP−結合物質は、好ましくは標識基に結合しており、したがって、直接に検出され、1つのユニットの操作中に、同じ“回路”(すなわち、アドレス可能“チップ”位置)からの2種またはそれ以上のシグナルの同時の伝達を可能にする。
質量分析法によるCPPの検出
本発明により、任意の装置、方法、工程などを利用して、サンプル中のタンパク質の同一性および発生量を検出できる。同一性を得るための好ましい方法は、サンプル中のタンパク質分子をイオン化し、次いで、得られたタンパク質イオンの質量および電荷を検出し、決定する、質量分析法によるものである。
タンパク質の分析に質量分析法を使用するために、タンパク質をガス−イオン相に変位させるのが好ましい。タンパク質イオン化の種々の方法が有用であり、例えば、高速イオン照射(FAB)、プラズマ脱離、レーザー脱離、熱脱離、好ましくは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)およびマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)を含む。多くの異なる質量分析器が、ペプチドおよびタンパク質分析に利用可能であり、飛行時間(TOF)、イオントラップ(ITMS)、フーリエ変換イオンサイクロトロン(FTMS)、四重極イオントラップおよびセクター(電気的および/または磁気的)分光計を含む。例えば、イオントラップMSに関しては、米国特許5,572,025を参照。質量分析器を単独で、または、タンデム質量分光計において他の質量分析器と組み合わせて使用できる。後者の場合、第一の質量分析器を、タンパク質イオン(前駆体イオン)を互いに分離させ、サンプル中の種々のタンパク質成分の分子量を決定するために使用できる。第二の質量分析器を、各分離した成分の、例えば、前駆体イオンを、例えば不活性ガスを使用して生成物イオンに断片化することにより、分析するのに使用できる。質量分析器の全ての所望の組み合わせを使用でき、例えば、三連四重極、タンデム飛行時間、イオントラップ、および/またはこれらの組み合わせを含む。
異なる種類の検出器を、タンパク質イオンの検出に使用できる。例えば、イオン電子増倍管または低温検出器のような破壊的検出器を使用できる(例えば、米国特許5,640,010)。さらに、四重極イオントラップ質量分析器またはFTMSイオントラップにおける、イオン電流ピックアップ装置として使用するイオントラップのような、非破壊的装置を使用できる。
MALDI−TOFに関して、乾燥した液滴(Karasand Hillenkamp, Anal. Chem., 60:2299-2301, 1988)、真空乾燥(Winberger et al., In Proceedings of the 41st ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics, San Francisco, May 31-June 4, 1993, pp. 775a-b)、結晶の破壊(Xiang et al., Rapid Comm. Mass Spectrom., 8:199-204,1994)、遅い結晶成長(Xiang et al., Org. Mass Spectrom, 28:1424-1429, 1993);活性フィルム(Mock et al., Rapid Comm. Mass Spectrom.,6:233-238, 1992; Bai et al., Anal. Chem., 66:3423-3430, 1994)、空気スプレー(Kochling et al., Proceedings of the 43rd ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics; Atlanta, GA, May 21-26, 1995, p1225);エレクトロスプレー(Hensel et al., Proceedings of the 43rd ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics; Atlanta, GA, May 21-26, 1995, p947);高速溶媒蒸発(Vorm et al., Anal. Chem., 66:3281-3287, 1994);サンドイッチ(Li et al., J. Am. Chem. Soc., 11 8:11662-11663,1996);および二層法(Dal et al., Anal. Chem., 71:1087-1091, 1999)を含む、多くのサンプル調製法を利用できる。また、例えば、Liang et al., Rapid Commun. Mass Spectrom., 10:1219-1226, 1996; van Adrichemet al., Anal. Chem., 70:923-930, 1998を参照のこと。
MALDI分析に関して、サンプルを固体状態共結晶としてまたは薄膜として、それらをエネルギー吸収化合物またはコロイド(マトリックス)と液相中で混合し、最終的に、不活性プローブの表面上で、溶液を固体状態に乾燥させることにより調製する。ある場合、エネルギー吸収分子(EAM)は、表面を提示するサンプルの必須成分である。EAM適用法に関わらず、本プローブ含量は、レーザー脱離/イオン化飛行時間質量分析計(LDIMS)における挿入前に固体に乾燥させてよい。
TOF質量分析法におけるイオン検出は、典型的に電子放出性(electro-emissive)検出器、例えば、電子増倍管(EMP)またはマイクロチャンネル・プレート(MCP)の使用により達成できる。これらの装置の両方とも、一次投射荷電粒子を、二次的、三次的、四次的などの電子のカスケードに変換することにより機能する。一個の投射荷電粒子の衝撃により産生される二次電気の可能性を、本荷電修理のイオン−対−電子変換効率と取ることができる(または、より単純に、変換効率)。入射荷電粒子の合計数と比較したときのカスケーディング事象に関する総電子収量を、典型的に検出器増幅率と記載する。一般にMCPの全体的反応時間が、EMPより優れているため、MCPが、質量/荷電分解力の増強のために好ましい電子放出性検出器である。しかしながら、EMPは、速い反応時間と広い周波数バンド幅が必要ではない、消費動態エネルギーのイオン集団の検出に十分機能する。
好ましい局面において、消化されたタンパク質の分析のために、液体−クロマトグラフィータンデム質量分析計(LC−TMS)を使用する。本システムは、タンデム質量分析法後の液体クロマトグラフィーの使用により、サンプル分解の付加的段階を提供する。
好ましい局面において、実施例1に記載のシステムにしたがってカラムから溶出させたタンパク質を、MSおよびMS−MS分析の両方を使用して分析する。例えば、RP2から溶出する無傷タンパク質の少量を、LC−ESI MSを使用したオンライン検出に使用する。本タンパク質を、トリプシン消化をさせるかまたはさせない多くのプレート、MALDI−MSならびにESI−MSのための調製、異なるマトリックスでのMALDIプレートの調製のために等分する。本方法はしたがって、無傷の質量の情報に加えて、ペプチド質量フィンガープリント法およびMS−MS技術の両方により分析の実施を可能にする。
本明細書に記載されているタンパク質の分離および断片化の方法は、別個のタンパク質の少量を含む個々のタンパク質または断片を提供する。これらのタンパク質は、それらの断片化により得られたタンパク質およびペプチドの分子の質量分析測定により同定できる。タンパク質配列データベースにおいて利用可能な情報の使用により、コンピューター内で産生したタンパク質分解によるペプチド質量パターンと、実験により観察されたペプチド質量の間の比較ができる。“ヒット−リスト”をコンパイルし、データベース中の候補タンパク質を、(他の基準の中でとりわけ)理論的および実験的タンパク質分解断片のマッチの数に基づいて順位付けする。ペプチドマッピングおよび配列データベース検索方法に基づいた、タンパク質同定のためのソフトウエアをオンラインで提供しているいくつかのウェブ・サイトにアクセス可能である(例えば、http://www.expasy.ch)。MSを使用したペプチドマッピングおよび配列決定の方法は、WO95/252819、米国特許5,538,897、米国特許5,869,240、米国特許5,572,259および米国特許5,696,376に記載されている。Yates, J. Mass Spec., 33:1 (1998)もまた参照のこと。
質量分析計から集められたデータは、典型的に、各検出結果に関する強度および質量対荷電比を提供する。スペクトルデータは、例えば、グラフに、数字に、または、電子形態を含む適当な全ての形に、デジタルまたはアナログ形のいずれかで記録できる。スペクトルは、好ましくは、例えば、フロッピーディスク、テープまたはハードディスクのような磁気の;CD−ROMまたはレーザーディスクのような光学の;またはROM−CHIPSを含む貯蔵媒体に記録する。
あるサンプルのマススペクトルは、典型的にタンパク質強度、質量対荷電比、および分子量の情報を提供する。本発明の好ましい態様において、サンプル中のタンパク質の分子量を、データベースのクエリーのためのマッチング基準として使用する。本分子量は、簡便には、例えば、一価荷電プロトン化分子イオンに関してはイオン化部分の質量を引くことにより、多価荷電イオンに関しては測定した質量/荷電比に荷電の数を乗してイオン化プロトンの数を引くことにより計算する。
種々のデータベースが本発明において有用である。有用なデータベースは、ゲノム配列、発現遺伝子配列、および/または発現タンパク質配列を含むデータベースを含む。好ましいデータベースは、既知の生物、臓器、組織または細胞型に存在するタンパク質のヌクレオチド配列由来分子量を含む。オープン・リーディング・フレーム(ORF)を同定し、かつ、タンパク質配列および分子量情報を多くのヌクレオチド配列に変換する多くの計算法が存在する。SwissPROT/TrEMBLデータベース(http://www.expasy.ch)を含む、いくつかの公的にアクセスできるデータベースが利用可能である。
典型的に、質量分析計は、一定閾値レベル以上のピークを同定し、質量、荷電および検出イオンの強度を計算する、市販のソフトウエアを備える。分子量とある拍出量ピークの相関は、直接スペクトルデータから、すなわち、イオン上の荷電が1つであり、したがって、分子量が分子値からイオン化プロトンの質量を引いたものと等しいときに、達成できる。しかしながら、タンパク質イオンは、種々のカウンターイオンおよび付加物、例えばN、CおよびK'により複雑になることがある。このような場合、あるタンパク質イオンが、三重のような複数ピークを示すことが予測され、同じタンパク質の異なるイオン状態(または種)を示す。故に、同じタンパク質から発生するピークのファミリーを決定するためにスペクトルデータを分析し、処理する必要があり得る。この分析は簡便には、例えば、Mann et al., anal. Chem., 61:1702-1708 (1989)に記載のように行うことができる。
質量分析計から計算した分子質量と、ゲノムまたは発現遺伝子データベースのようなデータベースから予測される分子の一致において、翻訳後プロセシングが行われていてよい。タンパク質分解プロセシング、N−末端メチオニンの除去、アセチル化、メチル化、グリコシル化、リン酸化などを含む、タンパク質構造を修飾する、種々のプロセシング事象が存在する。
データベースで、未知の分子質量とマッチングするタンパク質の範囲に関してクエリーを実施できる。範囲枠は装置の精度、サンプルを調製した方法などに依存して決定できる。スペクトル中のヒットの数(ヒットがマッチであるとき)に基づいて、未知のタンパク質またはペプチドを同定または分類できる。
1個またはそれ以上のCPPを質量分析法により同定する方法は、心臓血管障害の診断および予後に有用である。好ましくは、このような方法は、ヒト血漿に存在する1個またはそれ以上のCPPの検出のために使用する。技術の例は、米国特許出願02/0060290、02/0137106、02/0138208、02/0142343、02/0155509に記載され、それらの記載は出典明示によりその全体を本明細書に包含させる。
診断的および予後的使用
本明細書に記載の核酸分子、タンパク質、タンパク質相同物および抗体を、1個またはそれ以上の以下の方法に使用できる:本明細書にさらに詳述するような診断的アッセイ、予後アッセイ、臨床試験のモニタリング、スクリーニングアッセイ、および薬理遺伝学。
本発明は、さらに詳述するような、CPP核酸およびタンパク質の検出のための、診断的および予後アッセイを提供する。また提供するのは、CPPとCPP標的分子、特に天然アゴニストおよびアンタゴニストの間の相互作用を検出するための診断的および予後アッセイである。
本発明は、2種またはそれ以上のサンプルで異なって発現させるポリペプチドの同定法を提供する。“異なって発現”なる用語は、サンプル間のポリペプチドの量または質における差異を意味する。このような差異は、転写から翻訳後修飾までのタンパク質発現の全ての段階において起こることがある。例えば、タンパク質アレイ法を使用して、2つのサンプルを、吸着剤(例えば、チップ)の異なるセット上の親和性スポットに結合させ、認識マップを比較して、2セットの吸着剤により異なって保持されるポリペプチドを同定する。異なる保持は、ポリペプチドの保持量および質的差異を含む。例えば、タンパク質の翻訳後修飾の差異は、結合特性の差異として検出可能な認識マップにおける差異(例えば、グリコシル化タンパク質はレクチン吸着剤に異なって結合する)または質量における差異(例えば、翻訳後開裂産物)における差異をもたらすことができる。ある態様において、吸着剤は、疾患または症候群の診断的なマーカーの組み合わせに関して選択した親和性スポットのアレイを有してよい。
サンプル間のポリペプチドレベルの差異(例えば、血漿サンプルにおいて異なって発現されるCPP)は、サンプルを、脱着分光測定法(例えば、質量分析法)による分析のための種々の条件下に暴露することにより同定できる。未知のタンパク質を物理化学的特性(例えば、分子質量)の検出により同定でき、この情報を類似の特性を有するタンパク質のためのデータベースの検索に使用できる。
CPPの検出のための好ましい方法は、質量分析法技術を使用する。このような方法は、サンプル、例えば、診断または予後のために提供されれた生物学的サンプルに存在する特定のCPPイソ型のサイズおよび特徴に関する情報を提供する。質量分析法技術は、“質量分析法によるCPPの検出”なる標題の章に詳述する。実施例1は、生物学的サンプルを、質量分析法による特徴付け前にクロマトグラフィーで分離する、好ましい検出スキームを概説する。本発明は、生物学的サンプル(例えば、血漿、血清、リンパ、脳脊髄液、特定組織の細胞融解物)を、少なくとも1つのクロマトグラフ的段階により分画し;フラクションを質量分析法に付し;そして、質量分析法で観察されたポリペプチド種の特徴を、CPPポリペプチドの既知の特徴(例えば、表1に記載のようなCPP13)と比較する、段階を含む、生物学的サンプルにおけるCPPの検出法を提供する。
本発明の単離核酸分子は、例えば、下記に詳述するような、CPPmRNA(例えば、生物学的サンプル中)またはCPP−コード遺伝子における変化の検出に、および、CPP活性の調節に使用できる。加えて、本CPPは、天然に存在するCPP標的分子のスクリーニングおよびCPP活性を調節する、薬剤または化合物のスクリーニングに使用できる。さらに、本発明の抗CPP抗体はCPPを検出および単離し、CPPのバイオアベイラビリティーを調節し、そしてCPP活性を調節するために使用できる。
したがって、本発明の1つの態様は、本発明の分子(例えば、CPP、CPP核酸またはCPPモジュレーター)を、上記のCPP活性のいずれかが関与する、疾患の診断および/または予後に使用するものである、使用法に関する。他の態様において、本発明は、本発明の分子を、前記の活性のいずれかが病的に乱れている対象、好ましくはヒト対象の、例えば、診断および/または予後に使用するものである、使用法に関する。
例えば、本発明は、CPPが生物学的サンプル内で発現されているか否かを検出する方法であり:a)該生物学的サンプルと:i)ストリンジェントな条件下でCPP核酸とハイブリダイズするポリヌクレオチド;またはii)CPPに選択的に結合する検出可能ポリペプチド(例えば抗体)を接触させ;そしてb)該サンプル中のポリヌクレオチドとRNA種の間のハイブリダイゼーションの存在または不存在を検出するか、または、該検出可能ポリペプチドの該サンプル内のポリペプチドへの結合の存在または不存在を検出することを含む方法を包含する。該ハイブリダイゼーションまたは該結合の検出は、該CPPが該サンプル内で発現させることを示唆する。好ましくは、本ポリヌクレオチドはプライマーであり、該ハイブリダイゼーションを、該プライマー配列と比較した増幅産物の存在により検出するか、または検出可能ポリペプチドは抗体である。
ある態様において、検出は、アンカーPCRまたはRACE PCRのようなポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許4,683,195および4,683,202を参照、これらの内容を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる)、あるいは、ライゲーション連鎖反応(LCR)(例えば、Landegren et al. (1988) Science 241:1077-1080; およびNakazawa et al. (1994)PNAS 91:360-364参照、これらの内容を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる)におけるプローブ/プライマーの使用に関し、後者は、CPP−コード遺伝子における点変異の検出に特に有用であることがある(Abravaya et al. (1995) Nucleic Acids Res. 23:675-682参照、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる)。
また意図されるのは、哺乳類、好ましくはヒトが上昇したまたは減少したCPPの発現レベルを有するか否かの決定法であり:a)該哺乳類から生物学的サンプルを提供し;そしてb)該生物学的サンプル中の、CPPの量またはCPPをコードするCPPRNA種の量を、コントロールサンプルで発現されたまたは予測されるレベルと比較することを含む方法である。該コントロールサンプルにおいて検出されたまたは予測されるレベルと比較して、該生物学的サンプルで増加した該CPPまたは該CPPRNA種の量は、該哺乳類のCPP発現のレベルが上昇していることを示唆し、該コントロールサンプルにおいて検出されたまたは予測されるレベルと比較して、該生物学的サンプルで減少した該CPPまたは該CPPRNA種の量は、該哺乳類のCPP発現のレベルが減少していることを示唆する。
本発明はまた診断的アッセイ、予後アッセイ、および臨床試験のモニタリングが予後目的で使用される、予測医学の分野にも関する。したがって、本発明の1つの局面は、生物学的サンプル(例えば、血液、血漿、細胞、組織)との関連で、CPPおよび/または核酸発現ならびにCPP活性を決定し、それにより、個体が異常なCPP発現または活性に関連する疾患または障害に罹患しているか、疾患を発症するリスクにあるか否かを決定する診断アッセイに関する。本発明はまた個体がCPP、核酸発現または活性と関連する疾患を発症するリスクにあるか否かを決定するための、予後(または予測的)アッセイを提供する。例えば、CPP−コード遺伝子における変異を生物学的サンプルでアッセイできる。このようなアッセイは、予後または予測的目的で使用でき、それにより、CPP発現または活性により特徴付けらるまたは関連する疾患の発症前に個体を予防的に処置する。
“生物学的サンプル”なる用語は、個体から単離された組織、細胞および体液ならびに個体内に存在する組織、細胞および体液を含むことを意図する。すなわち、本発明の検出法は、インビトロおよびインビボの生物学的サンプル中のCPPmRNA、タンパク質またはゲノムDNAの検出に使用できる。好ましい生物学的サンプルは、体液、例えばリンパ、脳脊髄液、血液、およびとりわけ血漿である。例えば、CPPmRNAの検出のためのインビトロ技術は、ノーザン・ハイブリダイゼーションおよびインサイチュハイブリダイゼーションを含む。CPPの検出のためのインビトロ法は、質量分析法、酵素免疫測定法(ELISA、ウエスタン・ブロット、免疫沈降および免疫蛍光検査法を含む。CPP−コードゲノムDNAの検出のためのインビトロ技術は、サザン・ハイブリダイゼーションを含む。そのうえ、CPPの検出のためのインビボ技術は、個体に標識抗CPP抗体を導入することを含む。
好ましい態様において、主題の方法は、個体(例えばヒト患者)の組織サンプルにおいて、(i)主題のCPPの1つをコードする遺伝子の変異、または(ii)CPP−コード遺伝子の不適当な発現(mis-expression)の少なくとも1つにより特徴付けられる遺伝子病変の存在または不存在を検出することを含むことにより、一般に特徴付けられる。説明のために、このような遺伝子病変は、(i)CPP−コード遺伝子からの1個またはそれ以上のヌクレオチドの欠失、(ii)本遺伝子への1個またはそれ以上のヌクレオチドの付加、(iii)本遺伝子の1個またはそれ以上のヌクレオチドの置換、(iv)本遺伝子の全体的染色体再配列または増幅、(v)本遺伝子のメッセンジャーRNA転写物レベルの全体的変化、(vi)本遺伝子の異常な修飾、例えば、ゲノムDNAのメチル化パターン、(vii)本遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシングパターンの存在、および(viii)CPP−コード転写物の発現の制御エレメントにおける病変または限定性の減少を示唆する減少したレベルの少なくとも1つの存在の確認により検出できる。
さらに別の例示的態様において、CPP核酸の異常なメチル化パターンは、患者サンプル由来のゲノムDNAを、メチル化に感受性であり、その認識部位がCPP−コード遺伝子内(フランキング配列およびイントロンの配列内を含む)に存在する、1個またはそれ以上の制限エンドヌクレアーゼで消化することにより検出できる。例えば、Buiting et al. (1994) Human Mol Genet 3:893-895参照。消化したDNAをゲル電気泳動により分離し、例えば、ゲノムまたはcDNA配列由来のプローブとハイブリダイズする。本CPP−コード遺伝子のメチル化状態は、サンプルDNAで産生された制限パターンと既知のメチル化の標準を比較することにより決定できる。
さらに別の態様において、CPPが細胞表面または細胞外タンパク質と結合する能力を検出する、診断的アッセイを提供する。例えば、それは、細胞中で検出可能なレベルで発現されている間はCPP標的タンパク質(標的に対して減少したまたは増加したいずれかの結合親和性を有する)の結合が欠失している、CPP変異体の検出の望ましいであろう。このような変異体は、上記の診断的DNA配列決定技術または免疫アッセイにより検出するために実際的でなくてもよい、例えば、変異、例えば、点変異体から産生できる。本発明は、したがって、サンプル組織由来の1個またはそれ以上のCPP−コード遺伝子をクローニングし、そして、クローン化遺伝子を組み換え遺伝子産物と標的タンパク質の間の相互作用の検出が可能な条件下で発現させることを一般的に含む、診断的スクリーニングアッセイを意図する。本明細書の種々の薬剤設計アッセイの記載から、他の分子に結合するCPPの能力の決定に、広範囲の方法が使用できることは明らかであろう。これらの技術は、野生型CPPと比較してCPP標的タンパク質に対する高いまたは低い結合親和性を有するタンパク質の変異体を発生させる、CPP−コード遺伝子の変異の検出に使用できる。逆に、CPP標的タンパク質およびCPPが“餌”であるものと、患者サンプル由来であるものを交換することにより、主題のアッセイはまたCPP標的タンパク質の野生型形と比較して、CPPに対して高いまたは低い結合親和性を有するCPP標的タンパク質変異体の検出に使用できる。
態様の例において、標的タンパク質は、本明細書に記載のようなGST融合タンパク質およびグルタチオン処理マイクロタイタープレートの使用によるような、固定化タンパク質(“標的”)として提供できる。
他の態様において、本方法はさらにコントロール対象からコントロール生物学的サンプルを得て、本コントロールサンプルをCPP、mRNAまたはゲノムDNAの検出ができる化合物または薬剤と、CPP、mRNAまたはゲノムDNAの存在が生物学的サンプルで検出できるように接触させ、試験サンプルにおけるCPP、mRNAまたはゲノムDNAのレベルコントロールサンプルにおけるそれを比較することを含む。本発明はまた生物学的サンプルにおけるCPP、mRNAまたはゲノムDNAのレベルを測定するためのキットを包含する。例えば、本キットは:生物学的サンプル中のCPP、mRNAまたはゲノムDNAを検出できる標識化合物または薬剤;本サンプル中のCPPの量を検出するための手段;およびサンプル中のCPPの量と標準を比較する手段を含んでいてよい。本化合物または薬剤を適当な容器中に包装できる。キットはさらにCPPまたは核酸を検出するためのキットの使用指示書を含んでよい。
CPPクラスター
本発明の一つの局面において、心臓血管障害を診断する方法は、試験生物学的サンプルにおける、CPP13の存在またはレベルを、他の心臓血管障害血漿ポリペプチド(CPP)と組み合わせて検出することを含む。CPP13と組み合わせた、心臓血管障害の診断における使用に特に好ましいCPPを、表2に列記する。
表2
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表2は、各CPPに関して、実施例1に記載の方法にしたがった質量分析法により検出した配列を詳述する。加えて、表2は、CEX、RP1およびRP2クロマトグラフィーのどのフラクションにおいて各配列が見つかったかを示す。
表2に列記のCPPは、全て、実施例1記載の方法を使用して、心臓血管障害の個体と、コントロール個体の間で異なって発現されるものとして同定された。特に、表2に挙げた各CPPは、下記表3に詳述するように、コントロールと疾患サンプルの間での差異が発見された。
表3
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当業者は、CPP13を、多くの疾患個体およびコントロール個体において、実施例1の方法を介して測定した、表2からのCPPのレベルの適当な分析を使用して選択した、表2からの多くの付加的CPPと共に使用できる。
線形判別分析(LDA)は、可変値のクラスター(すなわちCPP)と、心臓血管疾患の間の有意な関係を検出するために、使用できる、分析法の一つである。LDAの実施において、一連のウェイトを各可変数(すなわちCPP)と関連させ、ウェイトと可変数の測定値の直線的組み合わせが、心臓血管疾患を有する対象と、心臓血管を有しない対象の間の判別により、疾患状態を同定できるようにする。LDAのへの増強が、モデルの判別力を最適化させるための可変数の段階的増加(または減少)を可能にする。LDAの結果が、したがって、診断、予後、治療、または薬剤開発のための限定なしに使用できる、CPPのクラスターである。LDAの他の増強されたバージョン、例えば、可変判別分析は、疾患状態を正常状態と判別するための可変数の非直線的組み合わせの使用を可能にする。判別分析の結果はpost-hoc試験により、または、分類樹のような別の方法を使用した分析の反復により確認できる。
薬剤スクリーニングアッセイ
本発明は、CPPと結合し、例えば、CPP発現または好ましくはCPP生物活性に調節効果を有する、候補モジュレーター(例えば、小分子、ペプチド、抗体、ペプチド模倣物または他の薬剤)を同定するための方法(本明細書ではまた“スクリーニングアッセイ”と呼ぶ)を提供する。ある態様において小分子は、組み合わせ化学反応を使用して産生でき、または、天然産物ライブラリーから得ることができる。アッセイは細胞ベースのまたは非細胞ベースのアッセイであってよい。薬剤スクリーニングアッセイは結合アッセイであってよく、または、より好ましくは、さらに詳述するような機能アッセイであってよい。
本発明を、例えば、CPPポリペプチドまたは候補モジュレーターが抗心臓血管障害応答を誘発する能力を決定するための、薬剤開発に使用するとき、少なくとも1つのCPPのレベルを分析するための体液は、好ましくは非ヒト哺乳類由来である。本非ヒト哺乳類は、好ましくは、内因性および/または外因性動因による、抗心臓血管障害応答の誘導が、人におけるこのような応答の予測となるものである。齧歯類(マウス、ラットなど)および霊長類が、本発明のこの局面における使用に特に適している。
本明細書にさらに詳述するようなスクリーニングアッセイを使用して、CPP活性を少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも90%まで調節することが判明した薬剤を、予防的および/または治療的抗心臓血管疾患剤としてさらなる試験に選択し得る。
他の局面において、本明細書にさらに詳述するようなスクリーニングアッセイにおいて、CPP発現を少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも90%まで調節することが判明した薬剤は、予防的および/または治療的抗心臓血管疾患剤としてさらなる試験に選択し得る。
CPP活性を調節することが判明した薬剤は、例えば、心臓血管障害の処置レジメンの調節に、または、心臓血管障害の症状を減少させるために、単独で、または適当な薬剤または処置と組み合わせて使用できる。
タンパク質アレイ法は、スクリーニングおよび薬剤開発に有用である。例えば、受容体/リガンド対の1つのメンバーを吸着剤にドッキング(docked)させ、結合パートナーに結合するその能力を、試験物質の存在下で結合させる。吸着を試験できるその速さのために、試験物質の組み合わせライブラリーを、本相互作用を調節するそれらの能力に関して容易にスクリーニングできる。好ましいスクリーニング法において、CPPを吸着剤にドッキングさせる。結合パートナーを好ましくは標識し、故に相互作用の検出を可能にする。別法として、ある態様において、試験物質を吸着剤にドッキングさせる。本発明のポリペプチドを試験物質に暴露し、結合に関してスクリーニングする。
他の態様において、アッセイは、CPPまたはその生物学的活性部分を発現する細胞を試験化合物と接触させ、試験化合物がCPP活性を調節する能力を決定する、細胞ベースのアッセイである。試験化合物がCPP活性を調節する能力の決定は、CPPまたはその生物学的活性部分の生物活性のモニタリングにより達成される。本細胞は、例えば、哺乳類起源、昆虫起源、細菌起源または酵母細胞であってよい。
1つの態様において、本発明は、CPPまたはその生物学的活性部分の標的分子である、候補または試験化合物のスクリーニングのためのアッセイ法を提供する。他の態様において、本発明は、CPPまたはその生物学的活性部分に結合するかまたは活性を調節する、候補または試験化合物のスクリーニングのためのアッセイ法を提供する。本発明の試験化合物は:生物学的ライブラリー;空間的アドレス可能平衡固相または溶液相ライブラリー;デコンヴォルーションを必要とする合成ライブラリー法;‘1ビーズ1化合物(one-bead one-compound)’ライブラリー法;および親和性クロマトグラフィー選択を使用した合成ライブラリー法を含む、当分野で既知の組み合わせライブラリー法における多数の研究のいずれかを使用して得ることができる。本生物学的ライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーと共に使用するが、他の4種のアプローチは、化合物のペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは小分子ライブラリーに適用できる(Lam, K. S. (1997) Anticancer Drug Des. 12:145、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる)。
分子ライブラリーの合成法は文献に、例えば:DeWitt et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:6909; Erb et al. (1994)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:11422; Zuckermann et al. (1994). J. Med. Chem. 37:2678; Cho et al. (1993) Science 261:1303; Carrell et al. (1994) Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33:2059 and 2061; およびGallop et al. (1994) J. Med. Chem. 37:1233に見ることができ、これらの内容を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる。
化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten (1992) Biotechniques 13:412-421)、またはビーズ上(Lam (1991) Nature 354:82-84)、チップ(Fodor (1993) Nature 364:555-556)、細菌(Ladner 米国特許5,223,409)、胞子(Ladner 米国特許'409)、プラスミド(Cull et al. (1992) Proc Natl Acad Sci USA 89:1865-1869)またはファージ上(Scott and Smith (1990) Science 249:386-390); (Devin (1990) Science 249:404-406); (Cwirla et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. 87:6378-6382); (Felici (1991) J. Mol. Biol. 222:301-310); (Ladner 前掲)に存在できる。
試験化合物がCPP活性を調節する能力の決定は、例えば、標識基を有する本CPPまたはその生物学的活性部分を、CPPまたはその生物学的活性部分のその同族標的分子への結合が、複合体中の標識CPPまたはその生物学的活性部分の検出により決定できるように、結合させることにより達成できる。例えば、複合体形成の程度を、複合体の免疫沈降によりまたはゲル電気泳動を行うことにより測定できる。
相互作用する反応体の全てに標識することなく、化合物がその同族標的分子と相互作用する能力を決定することも本発明の範囲内である。例えば、マイクロフィジオメーター(microphysiometer)を使用して、本化合物または本標的分子のいずれも標識することなく、化合物と同族標的分子の相互作用を検出できる。McConnell, H. M. et al. (1992) Science 257:1906-1912、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させる。サイトセンサーのようなマイクロフィジオメーターは、細胞がその環境を酸性化する割合を、光−アドレス可能電位差センサー(LAPS)を使用して測定する、分析装置である。この酸性化の割合の変化を、化合物と受容体の間の相互作用の指標として使用できる。
好ましい態様において、本アッセイは:CPPまたはその生物学的活性部分を発現する細胞と標的分子を接触させてアッセイ混合物を形成し、本アッセイ混合物と試験化合物を接触させ、試験化合物がCPPまたはその生物学的活性部分の活性を調節する能力を決定することを含む。本試験化合物がCPPまたはその生物学的活性部分の活性を調節する能力の決定は:試験化合物がCPP発現細胞の生物学的活性を調節する能力(例えば、上記のようなCPP標的分子との相互作用)の決定を含む。
他の好ましい態様において、本アッセイは、CPPまたはその生物学的活性部分に反応性の細胞と、CPPまたはその生物学的活性部分を接触させ、アッセイ混合物を形成し、本アッセイ混合物と試験化合物を接触させ、試験化合物がCPPまたはその生物学的活性部分の活性を調節する能力を決定することを含む。試験化合物がCPPまたはその生物学的活性部分の活性を調節する能力の決定は、試験化合物がCPP反応性細胞の生物学的活性を調節する能力の決定を含む。
他の態様において、アッセイは、CPP標的分子(すなわちそれとCPPが相互作用する分子)を発現する細胞と、試験化合物を接触させ、試験化合物がCPP標的分子の活性を調節する能力を決定することを含む、細胞ベースのアッセイである。試験化合物がCPP標的分子の活性を調節する能力の決定は、例えば、標的分子の活性の評価により、またはCPPがCPP標的分子に結合するまたはそれと相互作用する能力を評価することにより達成できる。
CPPがCPP標的分子に結合するまたはそれと相互作用する能力は、例えば、結合を直接的または間接的に決定するための上記の方法の一つにより達成できる。好ましい態様において、本アッセイは、本CPPまたはその生物学的活性部分と、CPPと結合する既知化合物(例えば、CPP抗体または標的分子)を接触させ、アッセイ混合物を形成し、本CPPと試験化合物を、該化合物の前にまたは後に接触させて、試験化合物がCPPと相互作用する能力を決定することを含む。試験化合物がCPPと相互作用する能力は、試験化合物が、既知化合物と比較して優勢にCPPまたはその生物学的活性部分に結合する能力を決定することを含む。本CPPがCPP標的分子と結合する能力の決定はまたリアルタイム生体分子相互作用分析(BIA)のような技術を使用して達成できる。Sjolander, S. and Urbaniczky, C. (1991) Anal. Chem. 63:2338-2345およびSzabo et al. (1995) Curr. Opin. Struct. Biol. 5:699-705、これらの内容を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる。本明細書で使用する“BIA”は、相互作用する反応対のいずれにも標識せずに、実時間で生物特異的相互作用を研究する技術である(例えば、BIAcore)。表面プラスモン共鳴(SPR)の光学的現象の変化を、生物学的分子間の実時間反応の指標として使用できる。
他の態様において、本アッセイは、CPPまたはその生物学的活性部分を試験化合物と接触させ、本試験化合物が本CPPまたはその生物学的活性部分の活性を調節する能力を決定する、無細胞アッセイである。好ましい態様において、本CPPがCPP標的分子と相互作用するまたは調節する能力の決定は、標的分子の活性の決定により達成することができる。例えば、本標的分子の活性を、本標的分子とCPPまたはそのフラグメントと接触させ、標的の細胞性二次メッセンジャー(例えば、cAMP、STAT3、Akt、細胞内Ca2+、ジアシルグリセロール、IP3など)の誘導を測定し、適当な基質に関する本標的の触媒的/酵素的活性を検出するか、レポーター遺伝子(検出可能マーカー、例えば、ルシフェラーゼに操作可能に結合した標的−反応性制御エレメントを含む)の誘導を検出するか、または標的−制御細胞性応答、例えば、シグナル伝達またはタンパク質:タンパク質相互作用を検出することにより決定できる。
本発明の無細胞アッセイは、単離タンパク質(例えばCPPまたはその生物学的活性部分または、CPP標的が結合する分子)の可溶性形および/または膜結合形の両方の使用にしたがう。単離タンパク質の膜結合形を使用する無細胞アッセイの場合、単離タンパク質の膜結合形が溶液中に維持されるように、可溶化剤を使用することが望ましいことがある。このような可溶化剤の例は、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton TM X−100、Triton TM X−114、Thesit TM、イソトリデシポリ(エチレングリコールエーテル)n,3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミニオ]−1−プロパンスルホネート(CHAPS)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート(CHAPSO)またはN−ドデシル=N,N−ジメチル−3−アモニオ−1−プロパンスルホネートのような非イオン性界面活性剤を含む。
上記アッセイ法の1個以上の態様において、一方または両方のタンパク質の非結合形からの分離を容易にするため、およびアッセイの自動化に適用させるために、CPPまたはその標的分子のいずれかを固定化することが望ましいことがある。候補化合物の存在下および非存在下での、試験化合物のCPPへの結合、またはCPPと標的分子の相互作用は、反応体を含有するのに適した全ての容器中で、かつ、本明細書に記載の全ての固定化プロトコールにより達成できる。あるいは、本複合体マトリックスから解離し、CPP結合または活性のレベルを、標準技術を使用して決定できる。
タンパク質をマトリックス上に固定化する他の技術はまた本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用できる。例えば、CPPまたはCPP標的分子のいずれかを、ビオチンおよびストレプトアビジンの結合を利用して、固定化できる。ビオチン化CPPまたは標的分子を、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)から当分野で既知の技術(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals, Rockford, Ill.)を使用して調製でき、ストレプトアビジン−被覆96ウェルプレート(Pierce Chemical)のウェルに固定化する。あるいは、CPPまたは標的分子と反応性であるが、CPPのその標的分子への結合を妨害しない抗体を、プレートのウェルに誘導体化でき、非結合標的またはCPPが、抗体結合によりウェル内に捕獲される。このような複合体を検出する能力は、上記でGST−固定化複合体に関して記載したものに加えて、CPPまたは標的分子と反応性の抗体を使用した複合体の免疫検出、ならびに、CPPまたは標的分子と関連する酵素的活性の検出に頼った酵素−結合アッセイを含む。
他の態様において、CPP発現のモジュレーターは、細胞を候補化合物接触させ、細胞中のCPPmRNAまたはタンパク質の発現を決定する、方法において同定する。候補化合物存在下のCPPmRNAまたはタンパク質の発現のレベルを、候補化合物非存在下のCPPmRNAまたはタンパク質の発現のレベルと比較する。本候補化合物を次いでこの比較に基づいて、CPP発現のモジュレーターとして同定できる。例えば、候補化合物の存在下でCPPmRNAまたはタンパク質の発現がその非存在下より大きい(統計的に有意に大きい)とき、本候補化合物はCPPmRNAまたはタンパク質発現の刺激剤として同定される。あるいは、候補化合物の存在下でCPPmRNAまたはタンパク質の発現がその非存在下より小さい(統計的に有意に小さい)とき、本候補化合物は、CPPmRNAまたはタンパク質発現の阻害剤として同定される。細胞中のCPPmRNAまたはタンパク質発現のレベルは、本明細書でCPPmRNAまたはタンパク質の検出に関して記載の方法により決定できる。
本発明のさらに別の局面において、本CPPを2ハイブリッドアッセイまたは3ハイブリッドアッセイにおいて、“餌タンパク質”として使用でき(例えば、米国特許5,283,317;Zervos et al. (1993) Cell 72:223-232; Madura et al. (1993) J. Biol. Chem. 268:12046-12054; Bartel et al. (1993) Biotechniques 14:920-924; Iwabuchi et al. (1993) Oncogene 8:1693-1696; およびBrent WO94/10300参照、これらの内容を、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる)、CPPに結合するまたはそれと相誤作用し(“CPP−結合タンパク質”または“CPP−bp”)、CPP活性に関与する他のタンパク質を同定する。このようなCPP−結合タンパク質はまた、例えば、CPP−介在シグナル伝達経路の下流エレメントとして、CPPまたはCPP標的によるシグナルの伝達に関与しているようである。
本2−ハイブリッド系は、分離可能なDNA−結合および活性化ドメインから成る、ほとんどの転写因子のモジュラー性質に基づく。簡単に言うと、本アッセイは2つの異なるDNA構築物を利用する。一方の構築物において、CPPまたはそのフラグメントをコードする遺伝子を、既知転写因子(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合させる。他方の構築物において、未確認タンパク質(“餌食”または“サンプル”)をコードする、DNA配列のライブラリー由来のDNA配列を、本既知転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合させる。本“餌”および本“餌食”タンパク質が相互作用し、インビボで、CPP−依存性構築物を形成するとき、本転写因子のDNA−結合および活性化ドメインを近づけ、接近させる。この接近が、本転写因子に応答する転写制御部位に操作可能に結合したレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写を可能にする。本レポーター遺伝子の発現を検出でき、本機能的転写因子を含む細胞コロニーを、CPPと相互作用するタンパク質をコードするクローン化遺伝子を得るために単離し、使用できる。
本発明はさらに上記スクリーニングアッセイにより同定された新規薬剤、および、このような薬剤をこれらのアッセイの使用により産生する方法に関する。したがって、1つの態様において、本発明は上記のスクリーニングアッセイ(例えば、細胞ベースのアッセイまたは無細胞アッセイ)のいずれか一つの段階を含む方法により得ることができる、化合物または薬剤に関する。
したがって、適当な動物モデルにおける、本明細書に記載のように同定された薬剤のさらなる使用も本発明の範囲内である。例えば、本明細書に記載のように同定された薬剤(例えば、CPP調節剤、またはCPP−結合パートナー)を動物モデルで使用し、このような薬剤での処置の効果、毒性、または副作用の決定に使用できる。あるいは、本明細書に記載のように同定された薬剤を動物モデルにおいて使用し、このような薬剤の作用機構を決定できる。そのうえ、本発明は、本明細書に記載のような処置のための、上記スクリーニングアッセイにより同定された新規薬剤の使用に関する。
本発明はまた本明細書に記載のような診断、予後、予防および処置のための、上記スクリーニングアッセイにより同定された新規薬剤の使用に関する。したがって、このような薬剤を、本明細書に記載のような診断、予後または処置に使用するための薬剤または医薬組成物の設計、製剤、合成、製造および/または製品において使用することも本発明の範囲内である。例えば、1つの態様において、本発明は、上記スクリーニングアッセイの一つにより得ることができる化合物の構造および/または特性を参照した、薬剤または医薬組成物の合成または製造の方法を含む。例えば、薬剤または医薬組成物を、CPP標的分子を発現する細胞と試験化合物を接触させ、本試験化合物が本CPP標的分子と結合するまたは活性を調節する能力を決定する、方法により得られた化合物の構造および/または特性に基づいて合成できる。他の例示的態様において、本発明は、CPPまたはその生物学的活性部分を試験化合物と接触させ、本試験化合物がCPPまたはその生物学的活性部分と結合する、または活性を調節する能力を決定する方法により得られた化合物の構造および/または特性に基づいて合成する方法を含む。
動物ベースの薬剤スクリーニング
薬剤スクリーニングアッセイをインビボで行うことがまた有利である。インビボスクリーニングアッセイを、心臓血管疾患において役割を演じ得る有効なCPPモジュレーターを発見するために、非ヒト動物で行う。心臓血管疾患の動物−ベースのモデル系は、非組み換え動物およびトランスジェニック動物を含むが、これらに限定されない。
心臓血管疾患のための非組み換え動物モデルは、例えば、遺伝モデルを含む。このような遺伝心臓血管疾患モデルは、apoBまたはapoR欠損ブタ(Rapacz, et al., 1986, Science 234:1573-1577)およびWatanabe遺伝性高脂血症(WHHL)ウサギ(Kita et al., 1987, Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A. 84:5928-5931)である。アテローム性動脈硬化症の非組み換え、非遺伝動物モデルは、例えば、動物が、例えばLDLの餌添加を介した化学的創傷に、または、バルーンカテーテル血管形成術を介した機械的創傷に曝されている、ブタ、ウサギ、またはラットモデルである。
文献に示されるように(Ferns, G. A. A. et al. (1991)Science, 253:1129-1132)、再狭窄のラット頸動脈傷害モデルは、可能性のある治療作用の指標に有用であり得る。本方法の例は、米国特許6500859に記載され、その記載を出典明示により本明細書に包含させる。簡単に言うと、国立加齢動物取扱および使用協議会(National Institute on Aging Animal Care and use Committee)により承認されたプロトコールを使用し、GRCコロニー由来の6ヶ月齢Wistarラットを、腹腔内20mg/体重kgペントバルビタール、2mg/体重kgケタミンおよび4mg/体重kgキシラジン(xylazine)で麻酔する。左外頸動脈を2−French Fogarty塞栓摘出カテーテルでカニューレ挿入し、食塩水で膨張させ、総頸動脈を3回上下させて通し、拡張した脱内皮的傷害(deendothelializing injury)を作る。本動物を、適当な用量の試験物質またはビヒクル単独(例えば、一日あたりの体重に基づいて、1:2:2:165 DMSO:Cremophor EL:脱水エタノール:リン酸緩衝化食塩水のような適当な溶液)を、傷害2時間後に開始する腹腔内注射により処置した。試験物質またはビヒクル単独を、腹腔内注射として、1日1回、次の4日間投与した。11日後、本動物(8匹処置および10匹ビヒクル−処置)を上記のように麻酔し、頸動脈を単離り、10%緩衝化ホルマリンに固定し、パラフィンに包埋した。頸動脈の横断面を顕微鏡スライドにマウントし、ヘマトキシリンおよびエオシン染色で染色する。本頸動脈の画像をデジタルボードに投影し、内膜と中膜の横断面領域を測定した。新生内膜領域(厚さ)の減少は、本試験物質が有効な抗再狭窄剤であることを示す。
腸管の管腔からの胆汁酸の再循環の阻害が、因果関係のある血清コレステロールのレベルを減少することが判明した。このような減少が、アテローム性動脈硬化症の疾患状態の改善をもたらすことを示す疫学的データが蓄積されている(Stedronsky, Biochimica et Biophysica Acta, 1210, 255-287 (1994))。コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)が、血漿HDL/LDL比を有効に修飾することが示されており、ある心臓血管疾患の予後および/または発症をチェックすることが期待される。CETPの阻害が、血漿HDLコレステロールの上昇と血漿LDLコレステロールの低下をもたらし、それにより、治療的に有利な血漿脂質プロフィールを提供する(McCarthy, Medicinal Res. Revs., 13, 139-59 (1993))。ラット回腸の14C−タウロコレートの胆汁への取り込みを阻害する化合物のインビボアッセイ(CETP阻害)は、米国特許6489366およびUne, et al. Biochimica et Biophysica Acta, 833, 196-202 (1985)に記載されて、それらの記載を出典明示により本明細書に包含させる。
簡単に言うと、雄Wistarラット(200−300g)を、イナクチン(100mg/kg)で麻酔する。胆管を10インチ長のPE10管系でカニューレ挿入する。小腸を暴露し、ガーゼパッド上に広げる。カニューレ(1/8”luer lock, tapered female adapter)を、小腸と盲腸の分岐点から12cmに挿入する。スリットを同分岐点から4cm離して切断する(回腸の8cm長を利用)。温ダルベッコリン酸緩衝化食塩水、pH6.5(PBS)の20mlを、この腸セグメントの洗い流しに使用する。本遠位開口部を20cm長のシリコン管系でカニューレ挿入する(0.02”I.D..×.0.037”O.D.)。本近位カニューレを蠕動ポンプに接続し、この腸を20分、温PBSで0.25ml/分で洗浄する。本腸セグメントの温度を連続的にモニターすべきである。実験の開始時に、2.0mlのコントロールサンプル(0.05mCi/mLの14C−タウロコレートと5mM非放射標識タウロコレート)を本腸セグメントに3mlシリンジで充填し、胆汁サンプル回収を開始する。コントロールサンプルサンプルを0.25ml/分の速度で21分注入する。胆汁サンプルフラクションを3分毎に、工程の最初の27分回収する。21分のサンプル注入後、本回腸ループを、20mlの温PBS(30mlシリンジを使用して)で洗い流し、次いで、本ループを21分、温PBSで0.25ml/分で洗い流す。2回目の潅流を上記のように、しかし、試験化合物をさらに添加して行い(21分投与、その後の21分洗い流し)、胆汁を最初の27分、3分毎にサンプリングする。必要に応じて、3回目の潅流を上記のように行い、これは典型的にコントロールサンプルを含む。
加えて、肝臓のコレステロール濃度の測定は、心臓血管障害に対する試験物質の有効性の決定に有用なアッセイである。このアッセイにおいて、肝臓組織を秤量し、クロロホルム:メタノール(2:1)中で均質化する。均質化および遠心後、上清分離し、窒素下で乾燥させる。本残渣をイソプロパノールに溶解し、コレステロール濃度を、Allain, C. A. et al., Clin. Chem., 20, 470 (1974)(本明細書に出典明示により包含させる)に記載のようにコレステロールオキシダーゼおよびペルオキシダーゼの組み合わせを使用して、酵素的に測定する。
同様に、血清コレステロールを下記のように決定できる。総血清コレステロールを、Wako Fine Chemicals(Richmond, Va.)から市販のキット;Cholesterol C11, Catalog No. 276-64909を使用して酵素的に測定する。HDLコレステロールを、Sigma Chemical Co. HDL Cholesterol Reagent, Catalog No. 352-3(硫酸デキストラン法)でVLDLおよびLDLを調製した後、同じキットを使用してアッセイできる。総血清トリグリセリド(blanked)(TGI)もSigma Chemical Co. GPO-Trinder, Catalog No. 337-Bで酵素的にアッセイする。VLDLおよびLDL(VLDL+LDL)コレステロール濃度を、総コレステロールとHDLコレステロールの差として計算する。コントロールと比較して、試験物質−処置サンプルで減少したVLDL+LDLコレステロールは、抗心臓血管障害剤の有効性の指標である。
例えば、米国特許6489366に記載のような、脂質低下剤を評価するためのイヌモデルも利用できる。
簡単に言うと、Marshall farmsのような小売店から購入した、6−12kgの体重の雄ビーグル犬を、1日1回、2時間餌を与え、水は自由に与える。イヌを、無作為に各6から12匹のイヌから成る:ビヒクル、i.g.;1mg/kg、i.g.;2mg/kg、i.g.;4mg/kg、i.g.;2mg/kg、p.o.(カプセル中の粉末)のような、投与グループに振り分ける。水性溶液(例えば、0.2%Tween 80溶液[ポリオキシエチレンモノオレエート、Sigma Chemical Co., St. Louis, Mo.])に溶解した治療物質の胃内投与を、胃管栄養管を使用して投与できる。投与開始前に、血液サンプルを、血清コレステロール(総およびHDL)およびトリグリセリドを評価するために餌を与える前の朝に橈側皮静脈から採血してよい。その後数日間、動物に朝に餌の前に投与する。動物に2時間餌を食べさせ、その後残った餌を除去すべきである。糞を、試験の終わりの2日間にわたり回収し、胆汁酸または脂質含量を分析してよい。血液サンプルもまた、試験前血清脂質レベルとの比較のために、処置期間の最後に採る。統計的有意は、標準スチューデントのT検定を使用して、p<0.05と決定する。
血清脂質測定を同様に測定する。血液を、絶食させたイヌの橈側皮静脈から、血清分離管に採血する(Vacutainer SST, Becton Dickinson and Co., Franklin Lakes, N.J.)。本血液を2000rpmで20分遠心し、血清を傾捨する。総コレステロールを、96ウェル形で、Wako酵素診断キット(Cholesterol CII)(Wako Chemicals, Richmond, Va.)を使用して、コレステロールオキシダーゼ反応を利用して、過酸化水素を産生させ、それを比色分析で測定することにより測定する。0.5から10μgコレステロールをプレートの最初の2カラムに調製する。本血清サンプル(20−40μl、予測される脂質濃度に依存する)または既知血清コントロールサンプルを、別のウェルにデュプリケートで添加する。水を添加して、各ウェルの容量を100μlとする。着色試薬の100μlアリコートを各ウェルに添加し、プレートを15分、37℃でインキュベートした後500nmで読む。
HDLコレステロールを、LDLおよびVLDLを選択的に沈殿させるために硫酸デキストランおよびMgイオンを使用する、Sigma kit No. 352-3(Sigma Chemical Co., St. Louis, Mo.)を使用してアッセイし得る。150μlの各血清サンプル、続いて15μlのHDLコレステロール試薬(Sigma 352-3)を個々の微量遠心管に添加する。サンプルを混合し、5000rpmで5分遠心する。本上清の50μlアリコートを、次いで、200μlの食塩水と混合し、総コレステロール測定と同じ方法を使用してアッセイする。
トリグリセリドを、96ウェルプレート形のSigma kit No. 337を使用して測定する。この方法は、グリセロールを、トリグリセリドとリポタンパク質リパーゼの反応によるその遊離後に測定する。1から24μgの範囲のグリセロール(Sigma 339-11)の標準溶液を、標準曲線の作成のために使用する。血清サンプル(20−40μl、予測される脂質濃度に依存する)をウェルにデュプリケートで添加する。水を添加して各ウェルの容量を100μlとし、100μlの着色試薬もまた各ウェルに添加する。混合し、15分インキュベーションした後、プレートを540nmで読み、トリグリセリド値を標準曲線から計算する。複製プレートもまたブランク酵素試薬を使用して行い、血清サンプル中の全ての内因性グリセロールに関して補正する。
試験化合物の血清グルコースおよび血清インシュリンにおける効果を、db/dbマウス(C578BL/KsJ-db/db Jcl)で、その記載を出典明示により本明細書に包含させるUS6462046に記載のように、評価できる。本化合物をビヒクル(例えば、蒸留水中2%Tween 80から成る)に溶解し、経口で投与する。投与量は体重により決定する。本試験の動物の実験および処分を含む全ての局面は、一般に、医学生物学領域の動物実験に関する国際原則(International Guiding Principles for Biomedical Research Involving Animals)(CIOMS Publication No. ISBN 92 90360194, 1985)にしたがって行う。グルコース−HAアッセイキット(和光、日本)を血清グルコースの測定に使用し、ELISAマウスインシュリンアッセイキット(SPI bio, France)をインシュリンの測定に使用する。適当な陽性コントロールは、トログリタゾン(Helios Pharmaceutical, Louisville, Ky.)である。
動物を、各4匹の動物の20グループに分ける。本動物は、体重52±5gmsで、年齢8−10週齢であった。実験中、本動物に、自由に摂取できる実験動物用餌(Fwusow Industry Co., Taiwan)および水を与える。全ての処置の前に、血液サンプル(処置前血液)を各動物から採った。動物の4グループ、ビヒクルグループは、ビヒクルのみを投与される。本ビヒクルグループには、100、30、10または1ml/体重kgのビヒクルを経口的に投与する。トリグリタゾン溶液(tween 80/水中10ml/体重kg)を、4つの陽性コントロールグループに、各々100、30、10および1ml/体重kgで投与する。本試験化合物を、同様に経口で溶液として4グループの動物に投与し、各グループは異なる用量の化合物を投与される。本ビヒクル、陽性コントロールおよび試験化合物溶液を、本グループに、処置前血液の採血直後、24時間後および48時間後に投与する。血液を、最後の投与1.5時間後に採血する(処置後血液)。血清グルコースを酵素的に測定し(Mutaratose-GOD)、インシュリンレベルをELISA(マウスインシュリンアッセイキット)により測定する。各グループの平均・標準誤差を計算し、血清グルコースおよびインシュリンの阻害%を処置前血液と処置後血液の比較により得る。処置前血液に対する処置後血液中の血清グルコースおよびインシュリンレベルの減少の割合を決定し、対応のないスチューデントt検定を、コントロールおよび試験溶液グループおよびビヒクルグループの比較のために適用する。有意差は、P<0.05と見なした。有効な抗心臓血管障害剤としてのトログリタゾンは、グルコースレベルを10mg/体重kg(25±2%)で減少させる。
その記載を出典明示により本明細書に包含させる米国特許6121319は、高コレステロール血症ウサギにおけるアテローム性動脈硬化症の進行に関するアッセイを記載している。このウサギを殺し、大動脈を得る。本大動脈をスダン4で染色し、染色の程度を分析する。試験物質処置および非処置脂質給餌ウサギにおける病巣で覆われた大動脈表面の割合をグラフ化する。有効な抗アテローム硬化剤で処置したウサギの大動脈は染色が少なく、減少したアテローム性動脈硬化症を示す。加えて、大動脈の切片をVCAM−1発現またはマクロファージ蓄積に関して、VCAM−1またはRam−11抗原に対する抗体を使用して免疫染色する。コントロール処置サンプルと比較して減少したVCAM−1発現およびマクロファージ蓄積は、有効な薬剤の指標である。
LDLコレステロールの減少は、霊長類モデルでも測定できる。例えば、カニクイザルを、高脂コレステロール餌を与えることにより、試験化合物投与前に高コレステロール血症にする。次いで、本サルに試験化合物またはコントロールビヒクルを2週間経口投与する。この期間中のサルにおける血清LDLコレステロールの割合の減少が、有効な抗アテローム硬化剤の指標である。
医薬組成物
本発明のポリペプチドが可溶性形で、例えば形質転換酵母または哺乳類細胞の分泌産物として発現されるとき、それらを硫酸アンモニウム沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、電気泳動、親和性クロマトグラフィーの段階を含む、当分野で標準の方法にしたがい精製でき、例えば、このような精製の手引きを提供する“Enzyme Purification and Related Techniques,” Methods in Enzymology, 22:233-577 (1977)およびScopes, R., Protein Purification:Principles and Practice(Springer-Verlag, New York, 1982)にしたがう。同様に、本発明のポリペプチドが可溶性形で、例えば凝集体または封入体として発現されるとき、それらを、破壊された宿主細胞から封入体を遠心により分離し、封入体をカオトロピック剤および還元剤で可溶化し、可溶化した混合物を希釈し、そしてポリペプチドが生物学的活性形態を取るようにカオトロピック剤および還元剤の濃度を減少させることを含む、適当な技術により精製できる。後者の方法は、出典明示により本明細書に包含させる下記の文献に記載されている:Winkler et al, Biochemistry, 25:4041-4045 (1986); Winkler et al, Biotechnology, 3:992-998 (1985); Koths et al, 米国特許4,569,790;および欧州特許出願86306917.5および86306353.3。
CPPまたはCPP生物学的活性を調節できる化合物は、CPP小分子、CPP核酸分子、CPP、および、本発明の抗CPP抗体を含み、投与に適した医薬組成物に包含できる。このような組成物は、典型的に薬学的に許容される担体を含む。本明細書で使用する“薬学的に許容される担体”なる表現は、医薬投与と両立できる、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張性および吸収遅延剤などを含むことを意図する。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は当分野で既知である。既知の媒体または薬剤のいずれかが本活性化合物と両立できない場合を除き、本組成物におけるそれらの使用は意図される。付加的な活性化合物も本組成物中に包含できる。
本発明の医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するように製剤する。投与経路の齢は、非経腸、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜的、および直腸投与を含む。非経腸、皮内または皮下投与に使用する溶液または懸濁液は下記のものを含んでいてよい:滅菌希釈剤、例えば注射用水、食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌剤、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート化剤、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸;緩衝剤、例えば、酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩および張性を調節するための薬剤、例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース。pHは酸または塩基、例えば塩酸または水酸化ナトリウムで調節できる。非経腸製剤は、アンプル、使い捨てシリンジまたはガラスもしくはプラスチック製の複数回用量バイアルに入れてよい。
注射使用に適した医薬組成物は、滅菌水性溶液(水溶性であるとき)または分散剤、および、滅菌注射用溶液または分散剤の即時調製用の滅菌粉末を含む。静脈投与のために、適当な担体は、生理食塩水、静菌した水、Cremophor EL(登録商標)(BASF, Parsippany, N.J.)またはリン酸緩衝化食塩水(PBS)を含む。全ての例で、本組成物は滅菌すべきであり、容易なシリンジアビリティー(syringability)が存在する範囲で流体でなければならない。製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されていなければならない。本担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)およびこれらの適当な混合物を含む溶媒または分散媒体でなければならない。適当な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散剤の場合必要な粒子サイズの維持により、および、界面活性剤の使用により維持できる。微生物作用に対する保護は、種々の抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどにより達成できる。多くの場合、等張性剤、例えば、糖、マンニトールのようなポリアルコール、ソルビトール、塩化ナトリウムを本組成物に含むことが好ましい。注射可能組成物の長期の吸収は、本組成物中に吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを包含させることによりもたらすことができる。
活性化合物がタンパク質、例えば、抗CPP抗体であるとき、滅菌注射用溶液は、必要量の本活性化合物を、必要に応じて上記の1種またはそれ以上の成分と組み合わせた適当な溶媒に包含させ、続いて濾過滅菌することにより調製できる。一般に、分散剤は、本活性化合物を、基本分散媒体および上記の他の必要な成分から成る、滅菌ビヒクルに包含させることにより調製する。滅菌注射用溶液調製用の滅菌粉末の場合、製造の好ましい方法は、予め滅菌濾過した溶液から、活性成分に加えてその由来の任意のさらなる所望の成分を含む粉末を産生する、真空乾燥および凍結乾燥である。
経口組成物は、一般に不活性希釈剤または食用担体を含む。それらはゼラチンカプセルに包含されるか、または錠剤に圧縮されていてよい。経口治療投与の目的で、本活性化合物は賦形剤と共に包含され、錠剤、トローチまたはカプセルの形で使用できる。吸入による投与のために、本化合物は、適当な推進剤、例えば、二酸化炭素のようなガスを含む加圧容器またはディスペンサー、またはネブライザーから、エアロゾルスプレーの形で送達する。全身投与も、経粘膜的または経皮手段によりできる。経粘膜的または経皮のために、浸透すべきバリアに適当な浸透剤を、製剤中に使用する。このような浸透剤は一般に当分野で既知であり、例えば、経粘膜的投与に関して、界面活性剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜的投与は、経鼻スプレーまたは坐薬の使用を介して達成できる。経皮投与のために、本活性化合物を軟膏、膏薬(salve)、ジェルまたはクリームに当分野で一般に既知のように製剤する。最も好ましくは、活性化合物を静脈注射により対象に送達する。
1つの態様において、本活性化合物を、インプラントおよびマイクロカプセル封入送達系(microencapsulated delivery system)を含む、制御放出製剤のような、体からの急速な排泄に対して化合物を保護する担体と製剤する。生物分解性、生体適合性ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸を使用できる。このような製剤の製造法は当業者には明白であろう。本物質はまたAlza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.から買うことができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞に標的化したリポソームを含む)も、薬学的に許容される担体として使用できる。これらは当業者に既知の方法で、例えば、その記載を出典明示により本明細書にその全体を包含させる米国特許4,522,811に記載のように製造できる。
さらなる態様において、本活性化合物を、マイクロチップ・ドラッグ・デリバリー・デバイス上に被覆してよい。このようなデバイスは、タンパク質性組成物を、個体の血流、脳脊髄液、リンパまたは組織に、このような組成物が分解の対象とならずに、または、個体に注射せずに、制御された送達をするのに有用である。マイクロチップ・ドラッグ・デリバリー・デバイスの使用法は、それらの記載を出典明示により本明細書にその全体を包含させる米国特許6,123,861および5,797,898および米国特許出願20020119176A1に記載されている。
投与の容易さおよび投与量の均一性のために、投与単位形態の経口または好ましくは非経腸組成物を製剤することが特に有利である。本明細書で使用する投与単位形態は、処置すべき対象への投与単位として適した物理的に分かれた単位を意味する;各単位は、所望の治療的効果を産生するために計算した活性化合物の予定された量を、必要な薬学的担体と共に含む。本発明の単位投与形に対する明細は、活性化合物の独特の特性および達成すべき具体的な治療効果、このような活性化合物を個体の処置用に配合するための本分野に固有の制限により決定され、これらに依存する。
このような化合物の毒性および治療効果は、例えば、LD50(集団の50%に致死の用量)およびED50(集団の50%に有効な用量)の決定のための、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的方法決定できる。毒性および治療効果の間の用量比率が治療指数であり、比率LD50/ED50として示すことができる。大きな治療指数を示す化合物が好ましい。毒性副作用を示す化合物を使用してもよいが、このような化合物が、非感染細胞を傷害する可能性を最小にし、それにより副作用を減少させるために、冒された組織の部位に標的化するために送達系の設計に注意しなければならない。
細胞培養アッセイおよび動物試験から得たデータを、ヒトに使用するための投与範囲の公式化に使用できる。このような化合物の投与範囲は、好ましくは、わずかな毒性または毒性なしED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は用いる投与形および利用する投与経路に依存してこの範囲内で変化し得る。本発明の方法で使用する全ての化合物に関して、治療的有効量は、最初に細胞培養アッセイから概算できる。投与量をヒトにおいて有用な投与量をより正確に決定するために使用する、循環を達成するために、動物モデルにおいて処方してよい。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定できる。
本医薬組成物は、容器、包装またはディスペンサー中に、投与の指示書と共に包含され得る。
心臓血管障害治療
本発明のCPP調節剤および抗CPP抗体は、CPP関連疾患の処置または予防に使用できる。故に、本発明の一つの態様は、抗体、抗体フラグメント、またはCPPの調節剤を含む、好ましくは、薬学的に許容される希釈剤または担体を負空、医薬組成物に関する。担体または希釈剤は、経口、静脈内、筋肉内または皮下投与に適している。医薬組成物は、本明細書に記載の任意のCPP調節剤、抗CPP抗体または抗CPP抗体フラグメントを含むか、実質的にこれらから成る。
多くの薬剤が、心臓血管障害の処置および予防に有用である。このような薬剤は、有利には、CPP−関連組成物と組み合わせて使用できる。
例えば、細胞周期阻害剤および原腫瘍遺伝子(Simari and Nabel, Semin. Intervent. Cardiol. 1:77-83 (1996));NO(一酸化窒素)ドナー薬剤;bcl−xのようなアポトーシス誘発剤(Pollman et al., Nature Med. 2:222-227 (1998));ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(tk)遺伝子および全身性ガンシクロビル(Ohno et al., Science 265:781-784 (1994); Guzman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10732-10736 (1994); Chang et al., Mol. Med. 1:172-181 (1995); およびSimari et al., Circulation 92:1-501 (1995))が、アテローム性動脈硬化症、再狭窄および新生内膜平滑筋増殖を処置するために開発されている。上記の文献の記載は、出典明示によりその全体を本明細書に包含させる。
本発明の組成物との組み合わせに有用な抗血栓剤は、例えば、IIb/IIIaインテグリンの阻害剤;組織因子阻害剤;および抗トロンビン剤を含む。局所麻酔(クラスI剤)、交感神経アンタゴニスト(クラスII剤)、抗細動剤(クラスIII剤)、カルシウムチャネル剤(クラスIV剤)またはアニオンアンタゴニスト(クラスV剤)のような抗不整脈薬が、その内容を出典明示によりその全体を本明細書に包含させるVukmir, Am. J. Emer. Med. 13:459-470 (1995); Grant, PACE 20:432-444 (1997); Assmann I., Curr. Med. Res. Opin. 13:325-343 (1995); およびLipka et al., Am. Heart J. 130:632-640 (1995)に記載され、また使用できる。クラスI剤の例は:プロカインアミド;キニジンまたはジソピラミド;リドカイン;フェニトイン;トカイニドまたはメキシレチン;エンカイニド;フレカイニド;ロルカイニド;プロパフェノン(III)またはモリシジンを含む。交感神経アンタゴニストは:プロプラノロール、エスモロール、メトプロロール、アテネラールまたはアセブトロールを含む。抗細動剤の例は、ブレチリウム、アミオダロン、ソタロール(II)またはN−アセチルプロカインアミドである。クラスIV剤は、ベラパミル、ジルチアゼムおよびベプリジル、および、アリニジンのようなアニオンアンタゴニストを含む。
鬱血性心不全治療剤は、TNF阻害剤、例えばEmbrel.TM.(Immunex Corp.; Seattle, Wash.)、TBC11251、またはACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害剤、例えばNatrecor(ネシリチド;Scios, Inc.)を含む。血管由来の薬剤(angiogenic agent)、例えば、Genentechが開発したrhVEGFのような組み換えVEGFイソ型;VEGFの121アミノ酸イソ型をコードする核酸分子(BioByPass.TM.; GenVec/Parke Davis);またはVEGF−2をコードする核酸(Vascular Genetics, Inc.); Scios, Inc. (Mountain View, Calif.)およびWyeth Ayerst Laboratories(Radnor, Pa.)により開発されたFGF−2の組み換え形であるFIBLAST.TM.、GENERX.TM.または、Collateral Therapeutics(San Diego, Calif.)およびSchering AG(Miller and Abrams, Gen. Engin. News 18:1 (1998)参照、その記載を出典明示によりその全体を本明細書に包含させる)により開発されたFGF−4をコードするアデノウイルス遺伝子治療ベクターも、本発明のCPP−関連組成物との組み合わせに有用である。最後に、カルシウムアンタゴニスト、例えばアムロジピン(Marche et al., Int. J. Cardiol. 62 (Suppl.):S17-S22 (1997); Schachter, Int. J. Cardiol. 62 (Suppl.):S85-S90 (1997));ニカルジピン;ニフェジピン;プロパノロール;硝酸イソソルビド;ジルチアゼム;およびイスラジピン(Nayler(Ed.)Calcium Antagonists pages 157-260 London:Academic Press (1988); Schachter, Int. J. Cardiol. 62 (Suppl.):S9-S15 (1997))も、心臓血管障害のための有利な治療剤である。
本発明を一般的に記載したが、説明の目的のために本明細書に提供し、他に明記しない限り限定する意図はないある具体的実施例を参照して、さらなる理解を得ることができる。
実施例1:疾患およびコントロール集団におけるCPPレベルの特徴付け
心臓血管疾患に関してDuke Databankに登録された対象を、冠状動脈疾患(CAD)に基づいて選択した。合計241名のCAD患者およびコントロール個体をさらに性別、年齢および民族に関して適合させ、血漿異常の個体は除外した。53名のCAD患者の組と53名のコントロール個体の組を確立した。6リットルの血漿を各組から集めた。血漿のアリコートを各個体から確保し、故に貯蔵サンプルにおける陽性結果が集団の各メンバーに関して確認できるようにした。このような確認は、心臓血管障害に関係しない特異的ポリペプチドの異常なレベルの個体による、可能性のある妨害作用を消すために有効である。各集団からの血漿2.5リットルを、下記のようなMicroprot.TMプロセスにしたがった複数のクロマトグラフィー・ステップによる分離に付した:
ステップ1:HSA/IgG枯渇
125ml凍結血漿を解凍し、0.45μm滅菌フィルターで滅菌フード中濾過した。
濾液を、各々300mlのHSAリガンドセファロースファスト・フローカラム(Amersham, Upsala, Sweden)、ID 5cm、長さ15cm;および100mlタンパク質Gセファロースファスト・フローカラム(Amersham, Upsala, Sweden)、ID 5cm、長さ5cmである2つの直列カラムに注入した。
カラムを、50mM PO緩衝液、pH7.1、0.15M NaClで平衡化し、洗浄した。流速は5ml/分であった。
非保持フラクション(350ml)を第2ステップまで凍結した。20回行った。
ステップ2:ゲル濾過/逆相捕捉段階
ステップ1のサンプルを解凍し、0.45μm滅菌フィルターで滅菌フード中濾過した。
濾液を2つの直列ゲル濾過カラム:2×9.5リットルSuperdex 75(Amersham, UK)カラム、ID 14cm、長さ62cmに注入した。カラムを50mM PO緩衝液、pH7.4、0.1M NaCl、8M尿素で平衡化した。疎水性不純物は、逆相プレカラム:150ml PLRPS(Polymer Labs, UK)上に保持された。プレカラムをサンプル注入のために交換した。ゲル濾過を40ml/分の流速で行った。
低分子量タンパク質(<20kDa)は、直列逆相捕捉カラム:50ml PLRPS 100オングストローム(Polymer labs, UK)に適応させた。PLRPSカラム上の3方向バルブを、33mAU(280nm)のカットオフで切り替え、ゲル濾過溶出液を逆相捕捉カラムに送った。このカットオフ値は、最初にOD値の概算範囲を提供するためのSDS−PAGEの使用により、続く、3つのカットオフ値(OD範囲の高、中および低値)の評価により確率した。最終カットオフ値は、少なくとも85%の低分子タンパク質比率で得られる低分子量タンパク質を最大となるように選択した。低分子量タンパク質およびペプチドを逆相捕捉PLRPSカラムから、0.1%TFA、80%CHCNの水溶液の1カラム容量勾配により溶出した。
溶出フラクション(50ml)を次のステップまで凍結した。20回行った。このステップの最後に、全ての逆相溶出液を解凍し、集め(1リットル)、7つのポリプロピレン容器に分けた(143ml)。容器を次ステップに使用するまで−20℃で凍結した。
ステップ3:カチオン交換
ステップ2からのサンプル(147ml)を解凍し、等量のカチオン交換緩衝液A(Gly/HCl緩衝液50mM、pH2.7、尿素8M)と混合した。
サンプルを100ml Source 15Sカラム(Amersham, Upsala, Sweden)、ID 35mm、長さ100mmに注入した。カラムを緩衝液Aで平衡化し、洗浄した。流速は10ml/分であった。
タンパク質およびペプチドを100%緩衝液Aから100%緩衝液B(1M NaClを含む、緩衝液A)までの段階的勾配で溶出した:
3カラム容量7.5%B(75mM NaCl)
3カラム容量10%B(100mM NaCl)
3カラム容量17.5%B(175mM NaCl)
2カラム容量22.5%B(225mM NaCl)
2カラム容量27.5%B(275mM NaCl)
2カラム容量100%B(1M NaCl)
45から60フラクションをピークに基づいて回収した。7回行った。7回目の達成後、フラクションを、18フラクションを得るために、同一ラン内およびラン間で貯蔵した。フラクションを次ステップに使用するまで−20℃で凍結した。
ステップ4:還元/アルキル化および逆相HPLC分別1
濃Tris−HClでpHを8.5に調節した後、18カチオン交換フラクションの各々をジチオエリスリトール(DTE、30mM、3時間、37℃)で還元し、ヨードアセトアミド(120mM、暗所で1時間、25℃)でアルキル化した。後者の反応を、DTE(30mM)の添加、続く酸化(TFA、0.1%)により停止させた。本フラクションを次いでUptispher C8、5ミクロン(microm)、300オングストロームカラム(Interchim, France)、ID 21mm、長さ150mmに注入した。注入を流速10ml/分で行った。
C8カラムを0.1%TFAの水溶液(溶液A)で平衡化し、洗浄した。タンパク質およびペプチドを、100%Aから100%B(0.1%TFA、80%CHCNの水溶液)までの60分の2相性勾配で溶出した。流速は20ml/分であった。40mlの30フラクションを回収した。
各フラクションの280nmでの光学密度(OD)の測定に基づき(そのフラクション中のタンパク質濃度を反映する)、類似のタンパク質含量のアリコートを各フラクションに関して作成した。
全てのアリコートを凍結し、フラクションあたり1個以外さらなる使用のために凍結し、その1個は過剰の乾燥を防止するために10%グリセロールの水溶液500μlを添加後、Speed Vac(Savant, Fischer, Geneva)で乾燥した。乾燥フラクションを次ステップに使用するまで−20℃で凍結した。
ステップ5:逆相HPLC分別2
ステップ4のサンプルを1mlの溶液A(0.03%TFAの水溶液)に再懸濁し、Vydac LCMS C4カラム、5マイクロメートル、300オングストローム(Vydac, USA)、ID 4.6mm、長さ150mmに注入した。流速は0.8ml/分であった。
C4カラムを溶液Aで平衡化および洗浄し、タンパク質およびペプチドを、逆相HPLC分別1におけるサンプルの溶出一に適合させた2相性勾配で溶出した。完全な質量データを、エレクトロスプレー・イオン・トラップ質量分析を使用して獲得した。16の異なる勾配を使用し、CHCN濃度範囲が、溶媒濃度に対応するRP1フラクションのCHCNの5%マイナスおよびプラスの範囲であった。30%CHCN以上の溶媒濃度でRP1中に溶出したタンパク質に関して、RP2勾配の出発溶出条件を、CHCNパーセントで、RP1溶出濃度マイナス30%と設定した。24の溶出フラクションを深いウェルプレートに回収し、最適SpeedVac濃度およびさらなる自動装置処置のために設計した最適化した異なる収集構成を採用した。
ステップ6:質量検出
約13,000フラクションを、逆相HPLC分別2に続き、96−ウェル深ウェルプレート(DWP)に回収した。この容量の少ない割合(2.5%)を、LC−ESI−MS(Bruker Esquire)を使用したオンライン分析に流用した。非消化タンパク質のアリコートをMALDIマトリックスと混合し、MALDIプレート上に、質量目盛り標準と感受性標準と共にスポットした。自動化スポット装置(Bruker MALDI sample prep. Robots)を使用した。2つの異なるMALDIマトリックスを用いた:シナピン酸(SA)(シナピニック・アシッドとしても既知)、trans−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸およびアルファ−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(HCCA)。MALDIプレートを、Bruker Reflex III MALDI MS装置を使用した質量検出に付した。本96−ウェルプレートを+4Cで貯蔵した。
96−ウェルプレート(DWP)を回収し、2連続濃度段階に付した。容量を0.8mlから約50μl/ウェルに、SpeedVacで乾燥することにより濃縮し、次いで約200μlに再溶解し、約50μl/ウェルに再濃縮し、+4Cで貯蔵した。次いでタンパク質を再緩衝し、トリプシンを本ウェルに添加し、密封し、本プレートを37Cで12時間in球部0とし、続いてクエンチ(pHを2.0より低くするためのギ酸の添加)することにより消化させた。ウェルに添加すべきトリプシンの濃度は、各特定のフラクションに関して280nmで記録したODに基づいて調節した。これはトリプシンの最適使用およびほとんどの濃縮フラクションの完全な消化を確実にする。自動スポット装置(Bruker MALDI sample prep. Robots)を使用して、MALDIプレート上に、感受性および質量目盛り標準と共にHCCAマトリックスと予め混合した、各ウェルからの容量の付着に使用した。MALDIプレートを、Bruker Reflex III MALDI MS装置を使用して分析した。96ウェルプレートの各ウェルの内容物を、LC-ESI-MS-MS Bruker Esquire ESI Ion-Trap MS装置で分析した。
ステップ7:ヒト血漿における低発生量ペプチドの検出および同定
分離したフラクションをさらに分離および検出のための質量分析法(両方ともマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)およびMS−MS)に付す。
完全な質量データ、ペプチド・マス・フィンガープリントおよびペプチド配列データを、タンパク質同定および特徴付けのために統合する。タンパク質をMascotソフトウェア(Matrix Science Ltd., London, UK)を使用して同定し、ペプチド同定から得られた結果をスペクトルの手動での分析によりチェックした。
この方法で同定されたタンパク質の内、Calgranulin A(S100カルシウム−結合タンパク質A8、SwissProt受託番号P05109の)が、コントロールからの貯蔵サンプルにおいて、CAD患者からの貯蔵サンプルよりも大きな程度で発現されていることが判明した(例えば、本タンパク質由来のペプチドは、疾患フラクションと比較してコントロールフラクションで2倍観察され、このタンパク質の質量スペクトルの同定中に得られた累積スコアは、コントロールサンプルが2.5倍高かった)。Calgranulin Aは、前炎症性(pro-inflammatory)タンパク質(Odink, et al., Nature 330(6143), 80-82 (1987)および多くのその後の文献)として特徴付けられている。これは、炎症応答中に管外遊出した骨髄細胞により発現され、そこでそれは上皮細胞上のグリコサミノグリカン構造と結合する(Robinson, et al., JBC 277:3658-65 (2002))。興味深いことに、PCT公開WO00/61742は、Calgranulin Aの、例えば動脈硬化による、心不全の処置への使用を記載している。さらに、PCT公開WO00/18970は、Calgranulin Aの、心筋梗塞および高血圧を予防するための血管膜増殖阻害剤としての使用を記載している。したがって、本明細書に記載のタンパク質分離および同定アプローチは、疾患サンプルよりもコントロールサンプルで高いレベルで検出されたとき、この試験している疾患の処置に有益な効果を有する、タンパク質を提供するのに有効であるようである。
逆に、本実施例に記載のタンパク質の分離および同定法は、Matrix Gla Protein(SwissProt受託番号P08493の)を、コントロール由来の貯蔵サンプルと比較して、CAD患者由来の貯蔵サンプルで過剰発現しているとして同定した(例えば、本タンパク質由来のペプチドは、コントロールフラクションと比較して多くの疾患フラクションでほとんど2倍観察され、このタンパク質の質量スペクトルの同定中に得られた累積スコアは、疾患サンプルでは2倍高かった)。MGPは、骨および軟骨の有機基質に関連する、ビタミンK依存性タンパク質である。Mori, et al. は、MGPが血管石灰化の阻害ができることを証明している(FEBS Letters 433:19-22 (1998))。MGPレベルはアテローム硬化性プラークで、血管石灰化のおそらくフィードバック反応として増加している。PCT公開WO01/02863およびWO01/25427は、MGPをアテローム性動脈硬化症および心臓血管障害の生物マーカーとして記載している。したがって、本明細書に記載のタンパク質分離および同定アプローチが、この試験している疾患の診断において認められた使用を有する、タンパク質を提供するのに有効であるようである。
最後に、図1および表1に列記の配列番号3−8のトリプシン消化ペプチドは、タンデム質量分析で、CAD血漿サンプルにおいて減少したレベルで観察された。トリプシン消化ペプチドの存在は、配列番号3(FPVYDYDPSSLR)、配列番号4(DALSASVVK)、配列番号5(VNSQSLSPYLFR)、配列番号6(DSGEDPATCAFQR)、配列番号7(DYYVSTAVCR)または配列番号8(VSAQQVQGVHAR)のアミノ酸配列を含むポリペプチドが、CADよりもコントロール個体からの出発血漿サンプルにおいて高レベルで存在したことを示す。このようなポリペプチドは、配列番号1および2(CPP13)の配列により示されるものを含む。ペプチドの配列は、MALDI質量分析により観察されたものに沿って、本発明のCPPペプチドである配列番号2−8と定義する。
さらに、上記表1に列記したトリプシン消化ペプチドは、別々の溶出クラスターの2つの群に由来する:グループIは、15以降(すなわち、47.5より低い%B)のフラクションにおけるRP1分離における溶出により特徴付けられ、グループIIは、18以前(すなわち、52.5を超える%B)のフラクションにおけるRP1分離における溶出により特徴付けられる。これは、下記のトリプシン消化ペプチドが、一方の群において固有であるため、タンパク質の2つの別々のイソ型を示すようである:
DSGEDPATCAFQRおよびDALSASVVKはグループIに固有であり;そして
DYYVSTAVCRはグループIIに固有である。
本発明のタンパク質分離および同定の方法は、非常に感受性である。Microprot.TM法は、数百pMの範囲の血漿濃度の非常に発生量が少ないタンパク質を検出できる。精度は、本明細書に記載の方法を実行しながら確認できた。特に、アテローム性動脈硬化症およびCADにおいて十分に確認された役割を有するタンパク質は、CADとコントロールサンプルで異なって検出された。
実施例2:CPPの化学合成
本実施例において、本発明のCPPを合成する。ペプチドフラグメント中間体を最初に合成し、次いで、所望のポリペプチドに集合させる。
CPPを最初に、Cys残基を結合すべきフラグメントのN−末端に有するように選択した、例えば5フラグメントに調製できる。フラグメント1を最初にフラグメント2と結合させ、第1産物を産生し、次いで、分取HPLC精製後、本第1産物をフラグメント3と結合させて第2産物を得る。分取HPLC精製後、本第2産物をフラグメント4と結合させて第3産物を得る。最後に、分取HPLC精製後、第3産物をフラグメント5と結合させて所望のポリペプチドを得、それを精製および再折りたたみする。
チオエステル形成
フラグメント2、3、4および5を、上記のようにチオエステル産生樹脂上で合成する。この目的のために、下記の樹脂を調製する:S−アセチルチオグリコール酸ペンタフルオロフェニルエステルを、Leu−PAM樹脂に、本質的にHackeng et al (1999)により記載の条件下で結合させる。第一例の場合、得られた樹脂を、アセチル保護基を10%メルカプトエタノール、10%ピペリジンのDMF溶液で30分処置により除去した後、0.2mmolスケールでのペプチド鎖伸長用の出発樹脂として使用する。フラグメント2から5のN−末端Cys残基のNαを、Boc−チオプロリン(Boc−SPr、すなわちBoc−L−チオプロリン)を、慣用のNαまたはSβ保護を有するCysの変わりに、各鎖の末端に結合させることにより保護する、例えばBrik et al, J. Org. Chem., 65:3829-3835 (2000)。
ペプチド合成
固相合成を、Applied Biosystemsのカスタム−修飾433Aペプチド合成装置上で、Schnolzer et al, Int. J. Peptide Protein Res., 40:180-193(1992)に記載のように、段階的Boc化学的鎖伸長のための、インサイチュ中和/2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−リン酸(HBTU)活性化プロトコールを使用して行う。各合成サイクルは、希釈していないTFAでの1から2分の処置によるNα−Boc−除去、1分のDMFでの流水洗浄、2.0mmolの予め活性化したBoc−アミノ酸との、過剰のDIEA存在下での10分の結合時間、および、2回目のDMFでの流水洗浄から成る。Nα−Boc−アミノ酸(2mmol)は、3分、1.8mmol HBTU(DMF中0.5M)で、過剰のDIEA(6mmol)存在下予め活性化させる。Gln残基の結合後、ジクロロメタンでの流水洗浄を、TFAを使用した脱保護の前および後に使用し、可能性のある高温(TFA/DMF)−触媒ピロリドンカルボン酸形成を防止する。側鎖保護されたアミノ酸は、Boc−Arg(p−トルエンスルホニル)−OH、Boc−Asn(キサンチル)−OH、Boc−Asp(O−シクロヘキシル)−OH、Boc−Cys(4−メチルベンジル)−OH、Boc−Glu(O−シクロヘキシル)−OH、Boc−His(ジニトロフェニルベンジル)−OH、Boc−Lys(2−Cl−Z)−OH、Boc−Ser(ベンジル)−OH、Boc−Thr(ベンジル)−OH、Boc−Trp(シクロヘキシルカルボニル)−OHおよびBoc−Tyr(2−Br−Z)−OH(Orpagen Pharma, Heidelberg, Germany)である。他のアミノ酸は、側鎖保護なしに使用する。C−末端フラグメント1をBoc−Leu−O−CH−Pam樹脂(0.71mmol/gの充填された樹脂)上で合成し、一方フラグメント2から5に関する機械補助合成を、Boc−Xaa−S−CH−CO−Leu−Pam樹脂上で開始する。この樹脂を、S−アセチルチオグリコール酸ペンタフルオロフェニルエステルのLeu−PAM樹脂への、標準条件下での結合により得る。この得られた樹脂を、10%メルカプトエタノール、10%ピペリジンのDMF溶液での30分の処置でのアセチル保護基除去後、0.2mmolスケールのペプチド鎖伸長の出発樹脂として使用する。
鎖集合が完成した後、本ペプチドフラグメントを脱保護し、無水フッ化水素で1時間、0℃で、スカベンジャーとしての5%p−クレゾールと処置して、樹脂から開裂する。フラグメント1以外のすべての例で、イミダゾール側鎖2,4−ジニトロフェニル(DNP)保護基は、DNP−除去法がC−末端チオエステル基と両立できないため、His残基上に残る。しかしながらDNPを、ライゲーション反応中にチオールにより徐々に除去し、非保護Hisを産生する。開裂後、ペプチドフラグメントを氷冷ジエチルエーテルで沈殿させ、水性アセトニトリルに溶解し、凍結乾燥する。本ペプチドフラグメントを、WatersのC18カラムのRP−HPLCで、緩衝液A(HO/0.1%トリフルオロ酢酸)中の緩衝液B(アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸)の直線勾配および214nmでのUV検出を使用して精製する。サンプルをエレクトロスプレー質量分析法(ESMS)で、Esquire instrument(Bruecker, Bremen, Germany)または類似の装置を使用して分析する。
天然化学ライゲーション
下記により完全に記載するように、非保護フラグメントのライゲーションは下記のように行う:本乾燥ペプチドを、ほぼ7付近で1−8mMの最終ペプチド濃度を得るために、当モル量で6Mグアニジンヒドロクロライド(GuHCl)、0.2Mリン酸、pH7.5に溶解し、1%ベンジルメルカプタン、1%チオフェノールを添加する。通常、本反応を一晩行い、HPLCおよびエレクトロスプレー質量分析法で追跡する。本ライゲーション産物を続いてまだ存在する保護基を除去するために処置する。N−末端チアゾリジン環の開環は、pH3.5で最終濃度0.5Mのメトキサミンの添加および2時間、37℃でのさらなるインキュベーションを必要とする。10倍過剰のTris(2−カルボキシエチル)ホスフィンを添加し、その後HPLC精製する。本ポリペプチド鎖を含むフラクションをESMSにより同定し、集め、凍結乾燥する。
フラグメント4および5のライゲーションは、pH7.0で6M GuHCl中、行う。各反応物の濃度は8mMであり、1%ベンジルメルカプタンおよび1%チオフェノールを、還元環境を作るためおよびライゲーション反応を促進するために添加した。ほとんど定量的なライゲーション反応が、37℃で一晩撹拌後に観察される。反応のこの時点で、CH−O−NH・HClを本溶液に添加して0.5M最終濃度とし、N−末端チアゾリジン環を開環するためにpHを3.5に調節する。2時間、37℃でインキュベーション後、ESMSを使用して反応の完了を確認する。本反応混合物を続いて本ペプチドフラグメントの10倍過剰のTris(2−カルボキシエチルホスフィンで15分処理し、本ライゲーション産物を分取HPLC(例えば、C4、20−60%CHCN、0.5%/分)で精製し、凍結乾燥し、−20℃で貯蔵する。
同様の方法を、残りのライゲーションに関してわずかに改変して繰り返す。
ポリペプチド折りたたみ
本完全長ペプチドを、還元した凍結乾燥タンパク質(約0.1mg/mL)を1M GuHCl、100mM Tris、10mM メチオニン、pH8.6に溶解することによる、空気酸化により再折りたたみする。一晩穏やかに撹拌後、本タンパク質溶液を上記のようにRP−HPLCで精製する。
実施例3:CPP抗体組成物の調製
実質的に純粋なCPPまたはその一部を得る。最終調製物におけるタンパク質の濃度を、例えば、Amiconフィルター装置上での濃縮により、数μg/mlのレベルに調節する。本タンパク質に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体を、“モノクローナル抗体”および“ポリクローナル抗体”なる標題の章に記載のように製造する。
簡単に言うと、抗CPPモノクローナル抗体を製造するために、マウスに数μgのCPPまたはその一部を、数週間の期間にわたり繰り返して接種する。本マウスを次いで殺し、脾臓の抗体産生細胞を単離する。本脾臓細胞をポリエチレングリコールの手段によりマウス骨髄腫細胞と融合させ、過剰の非融合細胞をアミノプテリンを含む選択培地(HAT培地)上の本システムの増殖により破壊する。十分に融合した細胞を希釈し、希釈物のアリコートをマイクロタイタープレートのウェル中に入れ、そこで本培養物の増殖を続ける。抗体−産生クローンを、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させるEngvall, E., Meth. Enzymol. 70:419 (1980)により最初に記載されたような、ELISAのような免疫アッセイ法により、ウェルの上清における抗体の検出により同定する。選択した陽性クローンを拡張でき、そのモノクローナル抗体産物を使用のために回収する。モノクローナル抗体製造のための詳細な方法は、その記載を、出典明示により本明細書にその全体を包含させるDavis, L. et al. Basic Methods in Molecular Biology Elsevier, New York. Section 21-2に記載されている。
免疫化によるポリクローナル抗体製造のために、CPPまたはその一部における異種エピトープに対する抗体を含むポリクローナル抗血清を、マウスを、非修飾であるか免疫原性を増強するために修飾されていてよいCPPまたはその一部で免疫することにより調製する。すべての適当な非ヒト動物、好ましくは非ヒト哺乳類を選択でき、ラット、ウサギ、ヤギまたはウマを含む。
本モノクローナルまたは本ポリクローナルプロトコールのいずれかにしたがい調製した抗体調節物は、生物学的サンプルにおけるCPPの濃度を決定する定量的免疫アッセイにおいて有用である;またはそれらはまた生物学的サンプルにおける抗体の存在の同定に、半定量的または定質的に使用する。本抗体は本タンパク質を発現する細胞を殺すための、または、体内のタンパク質のレベルを減少させるための治療用組成物としても使用できる。
本発明の完全長CPP(配列番号1および2)の配列、および、MS−MS質量分析法において、コントロール血漿と比較して、心臓血管疾患の血漿で減少したレベルで発見されたペプチド配列(配列番号3−8)を示す。タンデム質量分析法で観察されたトリプシン消化ペプチドは、配列番号1および2において、太字かつ二重下線とする。シグナルペプチドは配列番号1で下線を引く。
【配列表】
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Claims (18)

  1. 対象における心臓血管障害をスクリーニングおよび/または診断する方法であり:
    (a)該対象由来の生物学的サンプル中のポリペプチドのレベルを検出および/または定量し、ここでこのポリペプチドが:
    i) 配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    ii) 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%配列同一性を有し、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する、変異体;および
    iii) 最低10アミノ酸長である、上記i)またはii)で定義したポリペプチドのフラグメント
    から選択されるものであり;そして
    b)該レベルを、コントロールサンプルのものと比較する、
    段階を含み、ここで、コントロールと比較して減少した該レベルが、心臓血管障害の指標である、方法。
  2. 対象における心臓血管障害を予測する方法であり:
    (a)該対象由来の生物学的サンプル中のポリペプチドのレベルを検出および/または定量し、ここでこのポリペプチドが:
    i) 配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    ii) 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%配列同一性であり、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する、変異体;および
    iii) 最低10アミノ酸長である、上記i)またはii)で定義したポリペプチドのフラグメント
    から選択されるものであり;そして
    (b)該レベルを、コントロールサンプルのものと比較する、
    段階を含み、ここで、コントロールと比較して減少した該レベルが、心臓血管障害を発症する危険性の指標である、方法。
  3. 該ポリペプチドレベルを、下記ポリペプチド:CPP2、CPP8、CPP9、CPP12、CPP14、CPP15、CPP16、CPP17、CPP18、CPP19、CPP20、CPP40、CPP41、CPP149、CPP150、CPP151、CPP501、CPP502、CPP503、CPP504、CPP505、CPP506、CPP507、CPP508、CPP509の1個またはそれ以上のレベル(複数もある)と組み合わせて検出/定量する、請求項1または2記載の方法。
  4. 該心臓血管障害が冠動脈疾患(CAD)である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 該生物学的サンプルが血漿である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 該ポリペプチドを、質量分析法により検出および/または定量する、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 該ポリペプチドを、酵素免疫測定法より検出および/または定量する、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  8. 配列番号1−8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが異種ポリペプチド配列に融合しているものである、単離ポリペプチド。
  9. 配列番号1−8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドに選択的に結合する、抗心臓血管障害血漿ポリペプチド(CPP)抗体。
  10. 抗体を心臓血管障害血漿ポリペプチド(CPP)に結合させる方法であり:
    i)請求項9記載の抗体と生物学的サンプルを、抗体結合が可能な条件下で接触させ;そして
    ii)汚染物を除去する
    段階を含む、方法。
  11. 該抗体が標識グループに結合している、請求項10記載の方法。
  12. 該サンプルがヒト血漿である、請求項10記載の方法。
  13. 心臓血管障害血漿ポリペプチド(CPP)モジュレーターを同定する方法であり:
    i)試験化合物と、配列番号1−8からなる群から選択されるポリペプチドを、少なくとも1つのCPP生物学的活性が可能なサンプル条件下で接触させて;
    ii)該少なくとも1つのCPP生物学的活性のレベルを測定し;
    iii)該レベルを、該試験化合物を欠くコントロールサンプルと比較し;そして
    iv)心臓血管障害の予防的および/または治療的処置用CPPモジュレーターとしてさらに試験するために該レベルの変化をもたらす試験化合物を選択する
    段階を含む、方法。
  14. 心臓血管障害のモジュレーターを同定する方法であり:
    (a)候補薬剤を、心臓血管障害に罹患する素因を有するかまたは罹患している非ヒト試験動物に投与し;
    (b)(a)の候補薬剤を、心臓血管障害に罹患する素因を有しないかまたは罹患していない、適合させたコントロール非ヒト動物に投与し;
    (c)工程(a)の非ヒト試験動物から得た生物学的サンプル中のポリペプチドのレベルと、工程(b)のコントロール動物から得たものを比較し、ここで、該ポリペプチドが:
    i) 配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    ii) 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%配列同一性であり、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する、変異体;および
    iii) 最低10アミノ酸長である、上記i)またはii)で定義したポリペプチドのフラグメント
    から選択されるものであり;そして
    (d)工程(c)のレベルを比較する
    段階を含み;ここで、非ヒト試験動物から得た生物学的サンプルにおけるポリペプチドのレベルの、コントロール動物から得た生物学的サンプルにおけるポリペプチドに近づく変化が、心臓血管障害のモジュレーターであることを指示する、方法。
  15. 心臓血管障害を有するか、発症するリスクを有する対象における、薬剤での処置の効果をモニタリングする方法であり:
    (a)薬剤投与前に対象から投与前生物学的サンプルを得て;
    (b)該対象由来の生物学的サンプル中のポリペプチドのレベルを検出および/または定量し、ここでこのポリペプチドが:
    i) 配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    ii) 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%配列同一性であり、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する、変異体;および
    iii) 最低10アミノ酸長である、上記i)またはii)で定義したポリペプチドのフラグメント
    から選択されるものであり;そして
    (c)該対象から1個またはそれ以上の投与後生物学的サンプルを得て;
    (d)投与後サンプルまたは複数のサンプルにおけるポリペプチドのレベルを検出し;
    (e)投与前サンプルにおけるポリペプチドのレベルと投与後サンプルにおけるポリペプチドのレベルを比較し;そして
    (f)薬剤の投与をそれに応じて調節する
    ことを含む、方法。
  16. 該ポリペプチドレベルを、下記ポリペプチド:CPP2、CPP8、CPP9、CPP12、CPP14、CPP15、CPP16、CPP17、CPP18、CPP19、CPP20、CPP40、CPP41、CPP149、CPP150、CPP151、CPP501、CPP502、CPP503、CPP504、CPP505、CPP506、CPP507、CPP508、CPP509の1個またはそれ以上のレベル(複数もある)と組み合わせて検出/定量する、請求項14または15記載の方法。
  17. 心臓血管障害に罹患する素因を有するかまたは罹患している非ヒト試験動物非ヒト試験動物が:
    i) 配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    ii) 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%配列同一性であり、1個またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を有する、変異体;および
    iii) 最低10アミノ酸長である、上記i)またはii)で定義したポリペプチドのフラグメント
    から選択されるポリペプチドの減少した血漿レベルを有するものである、請求項14記載の方法。
  18. 非ヒト試験動物がさらに下記ポリペプチド:CPP2、CPP8、CPP9、CPP12、CPP14、CPP15、CPP16、CPP17、CPP18、CPP19、CPP20、CPP40、CPP41、CPP149、CPP150、CPP151、CPP501、CPP502、CPP503、CPP504、CPP505、CPP506、CPP507、CPP508、CPP509の1個またはそれ以上の血漿レベルの変化を有する、請求項17記載の方法。

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