複数のネットワークノードを備える通信システムは、しばしば、時間トリガされるように設計されている。この種のシステムにおいて、個々に、独占的に割り当てられたタイムスロットが、各場合において様々なネットワークノード間でメッセージを交換するように設けられている。結果として、エラーのない動作における衝突のないメッセージ交換が保証される。この方法は、TDMA(時間分割多元アクセス)方法として周知である。この種のコンフィギュレーションは、安全性が重大な(safety−critical)アプリケーション(例えば自動車)におけるメッセージ交換のためにしばしば提供される。
バスモニタの対応するコンフィギュレーションによって、該バスモニタは、アクセスタイムスケジュールに従って特定のネットワークノードを含む伝送が許可されるタイムスロットを決定することができる。残りの期間の間、前記ネットワークノードは伝送側においてブロックされる。これにより、誤った動作をしているネットワークノードが、伝送のタイムスロットが割り当てられていない時間、即ち前記ネットワークノードが伝送するべきでない時間に伝送することが防止されることができる。
これにより、この種の誤って伝送をしているネットワークノードがネットワークをブロックするのを防止することができる。
しかしながら、いくつかのアプリケーションにおいて、誤った動作をしているネットワークノードが自身に割り当てられているタイムスロット以外において当該ネットワークにアクセスすることを防止するための要求だけでなく、ネットワークノードが誤って動作していることを検出するための要求も存在する。この目的のため、既知のシステムにおけるネットワークノードのバスモニタは、エラー検出機能も前記システム内で実現されることができるような仕方で設計されている。これにより前記バスモニタは、前記通信ユニットによる伝送要求の発生を、自身のアクセススケジュール内の現在位置と比較する。割り当てられた前記ネットワークノードのアクセスタイムスケジュールがいかなる伝送も指定していない時間に伝送要求が存在することが、前記バスモニタによって確証された場合、前記バスモニタは、このエラーステートを高次制御ユニットに通信する。更に、当該システムは、ネットワークへの当該ネットワークノードのアクセスが、バスモニタによって確証されている通信ユニット及び該バスモニタのアクセスタイムスケジュール間の不一致の結果として、伝送側においてブロックされるような仕方で設計されることもできる。
このような事情で、単に、前記通信ユニットが伝送要求をバスドライバとバスモニタとの両方に示す制御信号を伝えることから、エラーの影響から生じるシステム挙動の起こり得る障害に関して、多くの種々の脆弱点が見えてくる。
モニタリングの目的のため、バスモニタは、バスドライバにも伝えられる制御ユニットの制御信号を使用する。バスモニタが誤って動作している場合、この制御信号自身が誤ったものになり得て、誤った伝送要求がバスモニタによってバスドライバに転送され、該バスドライバの活性化、即ち媒体アクセスに至り得る。
前記エラー検出の一部を自身で担っているバスモニタの場合、前記バスモニタがこの機能を常に実施すること又は少なくとも機能障害が検出されることが、更に保証されなければならない。
本発明の目的は、エラー抑制に加え、エラー検出もできるだけ確実に行われる上述の種類のネットワークノードを特定することにある。
この目的は、請求項1に記載されているフィーチャによる本発明、即ち通信媒体を介した他のネットワークノードとの通信の目的のための通信プロトコルの実施のために設けられている通信ユニットと、バスモニタとを備えているネットワークノードであって、該通信ユニット及び該バスモニタは、相互に独立に、各々がコンフィギュレーション・データレコード内に含まれている同一のアクセスタイムスケジュールを実施し、各々が前記アクセスタイムスケジュールに従って前記ネットワークノード内に設けられているバスドライバに対し解放信号を利用可能にし、これら2つの信号を評価し、前記解放信号が一致しない場合、通信媒体へのネットワークノードのアクセスをブロックするネットワークノードによって、達成される。
本発明によるネットワークノードにおいて、通信ユニット、バスドライバ及びバスモニタが設けられている。前記通信ユニットは、通信プロトコルであって、該通信プロトコルに従って通信媒体を介して一緒に結合されている他のネットワークノードとの通信が可能である通信プロトコルを実施する機能をする。前記バスモニタは独立のエンティティを表しており、これは前記アクセスタイムスケジュールに関する情報の第2項目を利用可能にする。物理ネットワーク接続としての機能に加え、バスドライバは、通信ユニット及びバスモニタのアクセス挙動間の整合性のチェックのための第3エンティティを構成する。
本発明によるネットワークノードにおいて、通信ユニット及びバスモニタ(これらは両方、外部的に構成可能である)には、コンフィギュレーション・データレコードがロードされている。前記コンフィギュレーション・データレコードから得ることができるものは、特に、通信ユニット及びバスモニタが設けられているネットワークノードに関する、当該ネットワークノードが通信媒体にアクセスすることができるタイムスロットを指定するアクセスタイムスケジュールである。残りの時間の間、前記ネットワークノードは通信媒体にアクセスすることができない、即ち送信することができない。
この仕組みは、1つのネットワークノードのみが、特定の時間におけるネットワークにおいて常にアクティブである、即ち伝送手段によって通信媒体を占有することを保証するために設けられている。
前記コンフィギュレーション・データレコード内に含まれている前記アクセススケジュールは、通信ユニット及びバスモニタの両方において、互いに独立に実施される。従来技術から知られる解決策とは対照的に、通信ユニット及びバスモニタの両方は、互いに独立に解放信号を供給し、該解放信号は、これら2つのユニットが設けられている前記ネットワークノードが、前記アクセスタイムスケジュールに従ってアクティブになることができる、即ち送信することができる時間を示している。これら2つの解放信号は、常に冗長しており、この結果、付加的なエラー安全性が達成される。
前記2つの解放信号の評価は、これら2つの信号が利用可能にされたバスドライバ内で請け負われる。前記バスドライバは、両方の信号を評価する。当該ネットワークノードが正しく動作していると仮定すれば、前記解放信号は、常に両方アクティブ又は両方非アクティブであるべきである。この場合、エラーステートは存在しない。しかしながら、これらの2つの解放信号が整合しない場合、エラーステートが存在する。この場合、前記バスドライバは、前記通信媒体への当該ネットワークノードのアクセスをブロックする。
本発明によるネットワークノードのこの考え方によって、当該ネットワークノード内の構成要素、即ちネットワークノードと通信媒体との物理的インターフェースも請け負うバスドライバは、エラー検出においても含まれている。従って、本発明によるネットワークノードは、前記バスドライバにおいて欠陥アクセスを検出し、該バスドライバは、エラーが生じた場合、ネットワークノード内の適切な手段が開始されなければならない場所である。これにより、エラーの場合であって、通信ユニット又はバスモニタが誤って動作している場合でさえも、エラーの検出及び取り扱いの元々の機能、即ち当該ネットワークノードによる通信媒体へのいかなるアクセスもブロックされることが、保証される。
請求項2に記載されている本発明の実施例によれば、当該通信ユニットは、上述の解放信号に加え、伝送要求信号をバスドライバに供給することができ、該伝送要求信号は、前記2つの解放信号の評価の結果としてのブロック(blockage)が存在しない場合にのみ、自身の伝送段を活性化させる。これにより、前記通信媒体へのアクセスは、前記通信ユニットによる伝送要求が存在する場合のみに、実際に開始されることができる。しかしながら、この種の伝送要求は、前記2つの解放信号の評価がエラーでないことを明らかにしている場合にのみ、前記伝送段を活性化することができる。
請求項3に記載されている本発明の他の実施例によって提供される前記2つの解放信号は、有利に、互いに反対に符号化されることができる。これにより、同相エラー(common mode error)の影響は、当該エラー検出に対して抑制されることができる。前記解放信号は、自身に含まれている解放情報の整合性に関して、前記バスドライバ内で更にチェックされ、ここで、特別な符号化が観測されるべきである。
2つの異なるユニットにおける前記アクセスタイムスケジュールの実施の結果として、小さい時間のずれ又はジッタが生じ得る。エラー検出の間、この種の影響を排除するように、請求項4に記載されている本発明の更なる実施例によれば、前記2つの解放信号間の短期間の差分を抑制するように、該2つの解放信号の評価の間にローパスフィルタが使用され、この結果、この種の差分はエラー検出に至らない。
請求項5に記載されている本発明の更なる実施例によれば、この種のローパスフィルタは、有利に、前記2つの解放信号の許容されたオフセット又は該2つの解放信号のジッタが設定可能であることができるように、設定可能な設計であることができる。
請求項6及び7に記載の本発明の更なる実施例によれば、当該バスドライバ内で発生されるステートの検出は外部に信号で示されることができ、例えば、当該ネットワークノードの高次制御ユニットに信号で示されることができる。前記外部に信号で示されるこの種のエラーステート検出は、有利に、前記ネットワークノードを動作させるように、前記外部からリセット可能なものであることもできる。
上述のネットワークノードは、複数のネットワークノードが通信媒体を介して互いに通信するネットワーク内に、有利に設けられることができる。次いで、個々のアクセスタイムスケジュールが各ネットワークノードに供給され、この結果、1つのネットワークノードのみが、同時に前記通信媒体にアクティブにアクセスする、即ち送信することができる。
この種のネットワークは、請求項10に記載されている本発明の更なる実施例によれば、ネットワークが冗長なネットワークチャネルを備えているような態様において、有利に設計されることができる。この場合、バスモニタ及びバスドライバは、各ネットワークノード内の各ネットワークチャネルに割り当てられ、この結果、エラー検出は各伝送チャネルに関して個々に行われることができる。
本発明は、添付図面に示されている実施例の例を参照して更に記載されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、通信ユニット2を備える本発明によるネットワークノード1のブロック回路図を示している。通信ユニット2に加え、バスモニタ3が設けられている。
通信ユニット2及びバスモニタ3の両方は、コンフィギュレーション・データレコードによって外部から設定可能である。
バスドライバ4が設けられており、該バスドライバ4によって通信媒体5へのアクセスが可能である。通信媒体5を介して、ネットワークノード1は他のネットワークノードと結合されることができる(図示略)。
通信プロトコルを実施するために、先ず、通信ユニット2が設けられる。この種の通信プロトコルは、伝送媒体5を介する他のネットワークノードとのネットワークノード1の通信の性質を制御する。
この種の通信プロトコルにおいて、例えば、単にネットワークノードが通信媒体5にアクセスすることができる特定のタイムスロットのみが、各ネットワークノードに対して供給されても良い。これらのタイムスロット以外において、即ち前記アクセスタイムスケジュールに従って自身に割り当てられた時間以外において、前記ネットワークノードは通信媒体5にアクティブにアクセスすることが許されず、前記ネットワークノードは伝送アクティビティを有して通信媒体5を占有することができない。
このアクセスタイムスケジュールは、本発明によるネットワークノード1内で、通信ユニット2及びバスモニタ3の両方に外部的に送られているコンフィギュレーション・データレコードに含まれている。通信ユニット2及びバスモニタ3は、このアクセスタイムスケジュールを互いに独立に実施し、即ち、各々の現時点ついて、これらは、ネットワークノード1が伝送媒体5にアクティブにアクセスすることができるかどうかを確証する。通信ユニット2及びバスモニタ3の両方は、対応する解放信号をバスドライバ4に供給する。これらの解放信号が整合する場合にのみ、ネットワークノード1が、前記アクセスタイムスケジュールに従って通信媒体5にアクセスすることができることが保証される。他方で、これら2つの解放信号が同一でない場合、この場合、エラーが存在しているので、バスドライバ4は、通信媒体5へのネットワークノードのアクセスをブロックする。この種のエラーは、様々な原因を有することがあり、例えば、前記バスドライバに対して極めて重要なものは、通信ユニット2及び独立のバスモニタ3が、整合している解放情報を供給することが、もはや保証されていないことである。
バスドライバ4は、通信媒体5に直接的にアクセスするネットワークノード1内のユニットであるので、当該ネットワークノードのこの実施例によって、通信媒体5に直接的にアクセスする当該ユニットは、エラー検出を請け負うのみならず、エラーの場合にアクセスをブロックすることが保証される。これによって、更に、エラーソースが、複数ユニット間の通信又は相互作用により、エラー検出の間、排除される。
図2は、実施例の例として、図1に示されているネットワークノード1のバスドライバ4の詳細な回路図を示している。
図2に示されているように、バスドライバ4内に設けられているのは比較段6であって、該比較段6には、一方では、バスモニタ3(図2においては図示略)によって供給される解放信号BGENが送られている。更に、比較段6に送られているのは、図1に示されている通信ユニット2の解放信号CCENである。
図1に示されているネットワークノード1の通信ユニット2及びバスモニタ3は、小さい時間のずれを伴って動作するかもしれないため、又はジッタが、これらの解放信号BGEN及びCCEN内に生じるかもしれないため、エラーは、エラーが実際に存在しない事実にもかかわらず、比較段6の出力信号内に、短期間において、信号で伝えられるかもしれない。この種の時間依存性又はジッタの影響を除外するように、比較段6の下流に接続されているのは、ローパスフィルタ7であって、該ローパスフィルタ7は、これらの短期間の間違ったエラーメッセージを抑制する。ローパスフィルタ7は、種々の生じ得る時間のずれ又はジッタのへの適応化を請け負うことができるように、自身のフィルタリング機能に関して、有利に、可変の設計のものであることができる。
ローパスフィルタによってフィルタリングされ、ローパスフィルタ7の出力信号はエラーステートマシーン8に到達し、該エラーステートマシーン8は、2つの反転ANDゲート12及び13を有するフリップフロップ(非同期型RSフリップフロップとして知られている)を本質的に含んでいる。前記フリップフロップの「セット」入力(S_INV)に供給されるのは、ローパスフィルタ7のローパスフィルタリングされた出力信号である。
エラーを信号で示すステートがローパスフィルタ7の前記出力信号内に生じた場合、エラーステートマシーン8、又は、詳細には、該エラーステートマシーン8内に設けられている前記フリップフロップが設定される。
エラーステートマシーン8に対する効果に関して、図2に示されているバスドライバ4の比較段6によって供給される出力信号は、前記2つの解放信号が同一である場合、常にイナクティブ(論理レベル「1」)である。この場合、エラーは存在しない。前記2つの解放信号BGEN及びCCEN間の不一致が確証された場合、比較段6の出力信号は、エラーステートマシーン8に対する効果に関して活性化にされ(論理レベル「0」)、即ち、該出力信号は、エラーを信号で示す。
この実施例の例の場合、エラーステートマシーン8の開始状態(初期状態)は、論理レベル「1」が出力Q_INVに存在するような、即ちエラーが検出されていないような状態であることが仮定されている。実際の回路の実現化において、このことは、非同期型フリップフロップに関して、リセット入力(R_INV)(図2において図示略)の適切な活性化によって保証されなければならない。
図2に示されている実施例の例において、エラーステートマシーン8の反転出力Q_INVは、評価され、ANDゲート9の入力に送られる。ANDゲート9の他方の入力に送られるものは、図1に示されたネットワークノードの通信ユニット2によって供給される伝送要求信号TXENである。エラー信号8の出力信号は反転されているので、この信号は、エラーのないステートにおける高(論理「1」)レベルを有している、即ち伝送要求信号TXENは、ANDゲート9の出力に到達する。他方で、エラーが存在する場合、エラーステートマシーン8の出力信号は低(論理「0」)レベルを有しており、この結果、発生するいかなる伝送要求信号も抑制される。
結果として、活性化レベル(論理「1」)は、一方ではエラーが存在せず、かつ、他方では伝送が行われるべきであると伝送要求信号TXENが信号で示している場合にのみ、ANDゲート9の出力において生じる。この信号は、伝送増幅器10の制御入力11に到達する。
入力側において伝送増幅器10に送られているのは、伝送されるべきデータ信号TXDである。このため、前記伝送増幅器は、異なるラインの伝送用に、例えば、通信媒体5の2つのラインに結合されている非反転及び非反転出力を備えている。
従って、上述の相互関係に基づいて、エラーが存在せず、かつ、他方では伝送要求が通信ユニット2によって与えられている場合にのみ、伝送増幅器10によるデータの伝送が行われることができる。
一方でのネットワークノードの設計と他方でのネットワークノード1のバスドライバ4におけるエラー評価とにより、ネットワークノード1の、前記通信媒体へのアクティブなアクセスを行なう特定のユニット(即ちバスドライバ4)において、エラー評価も行われることが、達成される。これにより、直接的にこのユニットにおいて、前記エラー検出と更なるエラー伝搬の抑制のための対策が行われる。更に、通信ユニット2及びバスモニタ3におけるアクセスタイムスケジュールの独立した実施により、冗長性が、前記評価において達成される。