JP2006523863A - フィルター材料用組成物 - Google Patents

フィルター材料用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006523863A
JP2006523863A JP2006509196A JP2006509196A JP2006523863A JP 2006523863 A JP2006523863 A JP 2006523863A JP 2006509196 A JP2006509196 A JP 2006509196A JP 2006509196 A JP2006509196 A JP 2006509196A JP 2006523863 A JP2006523863 A JP 2006523863A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
filter
compound
filter material
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006509196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006523863A5 (ja
Inventor
ウァレン・レズリー・エフ,ジュニア
リャン,ホン−ソン
Original Assignee
ロックウェル・コリンズ・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ロックウェル・コリンズ・インコーポレーテッド filed Critical ロックウェル・コリンズ・インコーポレーテッド
Publication of JP2006523863A publication Critical patent/JP2006523863A/ja
Publication of JP2006523863A5 publication Critical patent/JP2006523863A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B57/00Other synthetic dyes of known constitution
    • C09B57/10Metal complexes of organic compounds not being dyes in uncomplexed form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0033Blends of pigments; Mixtured crystals; Solid solutions
    • C09B67/0034Mixtures of two or more pigments or dyes of the same type
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/22Absorbing filters
    • G02B5/223Absorbing filters containing organic substances, e.g. dyes, inks or pigments

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

フィルター材料用組成物は、染料および場合によってはポリマーホストを包含する。染料は、Co(II)化合物、Ni(II)化合物またはそれらの混合物を包含する。フィルター材料は、500ナノメーターで少なくとも80%の透過率と、600〜700ナノメーターに10%以下の透過率を伴う急勾配のカットオフ吸収バンドとを有することができる。

Description

発明の詳細な説明
関連出願の相互参照
本出願は、Jones et al.により本出願と同日付で出願され、本出願の譲受人に譲渡された、“Dye−based Filter”という名称の出願第10/390543号に関連する。
発明の分野
本明細書は一般にディスプレイの分野に関する。より詳細には、本明細書は、ディスプレイ中に染料に基づくフィルターを用いるための方法および装置に関する。
発明の背景
一般に、ディスプレイ技術、診断システム、光学機器、および他の照明システムにフィルターを利用して、特定タイプの電磁波を減衰または強調することが望まれている。例えば、ある種のディスプレイおよび視覚的機器は、可視光線スペクトル中の特定の色を強調し、非可視および可視光線スペクトル中の他の色を減衰させることができる。したがって、これらのディスプレイでは、フィルターを利用して、特定波長の光について強調および減衰を提供することができる。他の一例において、X線機器などある種の診断機器は、フィルムおよび検出器が電磁波に不適切に暴露されないように、特定波長をフィルタリングすることを必要とする可能性がある。フィルターを用いると、特定波長の電磁波から成分を保護することができる。
フィルターの特殊な用途の一つにおいて、軍隊、スポーツおよび輸送活動で利用されるディスプレイおよび他の機器は、暗視機器とともに用いられることが多い。これらのディスプレイおよび機器では従来、フィルターを利用して暗視機器を適応させている。ディスプレイと暗視機器の使用に関する問題点を航空機産業での用途に関連して以下に記載するが、以下に述べる問題点は、特定波長の電磁波の減衰または強調を必要とするディスプレイ、暗視機器、光学的システム、診断機器、または照明システムのあらゆる用途に該当する。
ある種の航空機用ディスプレイは、暗視画像化システム(NVIS)とともに利用されるカラーディスプレイである。これらのディスプレイは、船舶、航空機および車の艦長、パイロット、運転手および技師に視覚的情報を提供する。カラーディスプレイの観察者はしばしば、彼または彼女がカラーディスプレイからの情報を観察する際に、NVISゴーグルを着用する。
従来のNVISゴーグルは、赤外スペクトル、近赤外スペクトルおよび可視赤色スペクトル(光の波長)における光に対し感受性が高い。NVISゴーグルは典型的に425nm〜1000nmの波長の光に対し感受性が高い。600nmにおいて感受性は急速に増大し、760nmでピークに達する。近赤外に対するNVISゴーグルの感受性は、パイロットまたはゴーグルを着用している人が裸眼では通常見ることのできない物体を見ることを可能にするが、この同じ感受性は暗視ゴーグル(NVG)と操縦席のディスプレイとの適合性の問題を作り出す可能性がある。適合性の問題点は3つのカテゴリーに分類される。カテゴリー1、2および3はそれぞれ、直接的にNVGの視野内にあるディスプレイの発光、NVGの視野内に反射されるディスプレイの発光、またはNVGの視野内に広く散乱するディスプレイの発光である。カテゴリー1、2または3のディスプレイの発光は、NVGを用いて見られている光景にコントラストの喪失を引き起こす。コントラストが低下すると見易さが限定されて物体を正しく認識できなくなり、これは、NVGブルーミング(blooming)またはNVGフレア(flare)として知られる。
ブルーム効果(bloom effect)は、2つの理由で望ましくない。第一に、ブルーム効果は、着用者が操作環境をはっきりと細かい詳細まで見ることを妨げる。第二に、暗視ゴーグルは、ブルーム効果の事象の後、リセットするための一定量の時間を必要とする。したがって、ブルーム効果は、暗視状態で車または航空機を操作するときに望ましくない。
NVIS機器とともに利用するように設計された従来の航空電子工学的ディスプレイは一般に、単色(例えば緑色)ディスプレイのように狭い発光に制限されている。狭い発光は、NVIS機器を妨害しないように選択される。しかしながら、狭い発光に制限すると、ディスプレイ上に提供される情報および記号論の可読性が著しく低下する。さらに、ディスプレイが単色に制限されている場合、ディスプレイ上の大量の情報を強調表示したり区別することが難しい。
他の従来の航空電子工学的システムは、NVISフィルターを包含するカラーディスプレイを包含している。カラーディスプレイは2種のモード、すなわち、NVISモード(例えば低輝度)および昼光モードで作動する。NVISフィルターは、液晶ディスプレイのように、NVISモードに用いられる光源と光学的シャッターとの間に提供される。該フィルターは、NVIS機器をブルームさせる発光を妨げる。
昼光モードでは、該ディスプレイは、第2の光源を用いて、フィルターを横断させずに光学的シャッターに直接通して光を提供する。第2の光源は、その光がNVISフィルターを通って提供されないように位置決めされる。
従来のNVISフィルターは一般に、赤外線の発光または透過を減衰させる薄い誘電性膜コーティングにより補われているガラスまたは他の材料を含む。従来のNVISフィルターでは典型的に、薄膜多層誘電体を用いて、600nm〜630nmで開始する屈折点を伴う鋭いカットオフを得る。これに加えて、吸収性基材を用いて、より長い波長の発光を減衰させる。従来のアプローチは、1つの視覚に関し正確なスペクトルカットオフをもたらすことができるが、該カットオフは、視覚が大きくなるに従いより短波長にシフトする。(参考文献:Optical Thin Films User’s Handbook,James D.Rancourt, McGraw−Hill Optical and Electro−Optical Engineering Series,p.68)この特徴は、NVISゴーグルの感受性が高い波長が赤色発光が存在する波長に極めて近いためとりわけ問題である。したがって、赤色をディスプレイ上で効果的に利用することができるようにするためには、NVISフィルターにおける正確かつ安定なカットオフ周波数が必要である。
ある種の従来の活性マトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD)では、NVISに適応している背面照明のために2種の基本的アプローチが利用されている。両アプローチとも、費用、スペースおよびディスプレイの質に関連して不利な点を有する。
第1のアプローチでは、蛍光灯またはLEDを含む単一光源を、広い面積の赤外線(IR)カットオフフィルターと組み合わせて利用する(単一モードAMLCD)。IRカットオフまたはNVISフィルターは典型的に、AMLCDの表面積と等しい表面積を有する薄膜誘電体スタックである。NVISフィルターは$1000以上の費用がかかる可能性があり、光路中に置かれる。従来のNVISフィルターは、望ましくないディスプレイ性能、例えば、低下した背面照明効率、赤色の脱飽和(de-saturation)、および低下したディスプレイ輝度を引き起こす可能性がある。従来の薄膜誘電体スタックは、視覚性能についての問題も引き起こす可能性がある。
第2のアプローチでは、少なくとも2種の光源を利用して、昼間および夜間操作モードを提供する(二重モードAMLCD)。昼間モードでは蛍光灯またはLEDアレイのいずれか一方を利用し、夜間モードでは蛍光性スティックランプまたはLEDのストリップで照射された導波管を利用する。照明は、IRフィルターに通して導波管の薄い縁に向けられる。このアプローチは、昼間モードの光路からIRフィルターを取り除くという利点を有し、IRフィルターのサイズを大幅に削減する。このアプローチはより効率的な背面照明およびより安価なフィルターを提供するが、導波管の設計は複雑であり、AMLCDのアセンブリーはより高価で時間のかかるものである。さらに、導波管を用いる二重モードAMLCDは、AMLCDの外周の周囲に追加的スペースを必要とする。追加的スペースは、スペースが重要なある種の用途、例えば5ATIディスプレイまたは他の航空電子工学的ディスプレイには利用できない。また、このアプローチには光の漏洩という難点があり、低いNVIS性能をもたらす可能性がある。
さらに、軍隊、スポーツおよび輸送活動のための次世代ディスプレイでは、有機発光ダイオード(OLED)などの発光技術が利用されうる。そのような技術の一つは、軟質発光ディスプレイを包含する。従来の材料から軟質で薄いNVISフィルターを製造することは難しい。さらに、薄膜誘電体スタックのような従来のNVISフィルターは高い周囲または昼間照明に反射し、これによりディスプレイのコントラスト比を低下させる。従来の薄膜NVISフィルターは、630nmの波長でこれに当たる光の50%と同程度を反射することができる。
したがって、安価なNVISフィルターを利用することができる周囲照明およびディスプレイシステムに対する必要性が存在する。さらに、安価なNVISフィルターを利用する単一モードディスプレイシステムに対する必要性が存在する。さらにまた、比較的正確かつ安定なカットオフ周波数を有する安価なフィルターを利用することができるシステムに対する必要性が存在する。さらに、安価なNVISフィルターを利用することができる航空電子工学的ディスプレイに対する必要性が存在する。
導波管に付随する複雑さを必要としない二重モードディスプレイに対する必要性も存在する。さらに、ディスプレイの外周の周囲に追加的スペースを必要としないNVISディスプレイに対する必要性が存在する。さらに、暗視機器を適応させることができ、それにもかかわらず低価格で小型であり、性能の喪失という難点のないAMLCDディスプレイに対する必要性が存在する。さらにまた、高い周囲におけるコントラスト比(contrast ratio in high ambients)に対し従来の材料ほど不利でない軟質発光ディスプレイのためのNVISフィルターに対する必要性が存在する。さらに、鋭いスペクトルカットオフを持つ赤外線を吸収するための低価格のフィルター材料に対する必要性も存在する。
発明の概要
代表的態様はフィルター材料に関する。フィルター材料は、ポリマーホストと、Co+2化合物、Ni+2化合物またはそれらの混合物を包含する染料とを包含する。フィルター材料は500nmで少なくとも80%の透過率および500〜700nmで10%以下の透過率を有する。染料は、室温を大きく下回る温度以下の融点を有する。
他の代表的態様は、600〜800nmでの吸収極大および約60℃以下の融点を有する非光輝性(non-luminescent)染料材料中にポリマーホストを含むフィルター材料に関する。染料材料は、Co+2化合物、Ni+2化合物またはそれらの混合物を含む。
さらにほかの代表的態様は、モノマー成分と、600〜800nmでの吸収極大および約60℃以下の融点を有する非光輝性染料とを包含するフィルター前駆材料に関する。染料は、Co+2化合物、Ni+2化合物またはそれらの混合物を包含する。モノマー成分は、重合して、染料でドープされたポリマーホストを形成することができる。
さらに他の代表的態様は、600〜800nmでの吸収極大および約72℃以下の融点を有する非光輝性染料材料に関する。染料材料は、M+2XnYz(A+)2化合物を包含する。M+2は、Co+2、Ni+2またはそれらの混合物である。XおよびYはハロゲン化物である。nおよびzは少なくとも0であり、n+z=4である。A+はテトラアルキルアンモニウムカチオンである。
さらに他の代表的態様は、染料を包含するフィルター材料に関する。染料は、非光輝性の四面体配位CO(II)化合物、四面体配位Ni(II)化合物またはそれらの混合物を包含する。フィルター材料は、500nmでの少なくとも80%の透過率と、10%以下の透過率を伴うより長波長での急勾配のカットオフ吸収バンドを有する。
さらに他の代表的態様は、ポリマーホストと、600〜800nmに極大を伴う急勾配のカットオフ吸収を有する非光輝性染料材料とを包含するフィルター材料に関する。染料材料は、Co(II)化合物、Ni(II)化合物またはそれらの混合物を包含する。
さらに他の代表的態様は、モノマー化合物または成分と、600〜800nmに極大を伴う急勾配のカットオフ吸収を有する非光輝性染料とを包含するフィルター前駆材料に関する。染料は、Co(II)化合物、Ni(II)化合物またはそれらの混合物を包含する。モノマー成分は、重合して、染料でドープされたポリマーホストを形成することができる。
さらに他の代表的態様は、600〜800nmに極大を伴う急勾配のカットオフ吸収を有する非光輝性染料材料に関する。染料材料は、M2+ 化合物を包含する。Mは、Co2+、Ni2+またはそれらの混合物であり、XおよびYはハロゲン化物イオンである。mおよびnは少なくとも0であり、m+n=4であり、Aは第四級アンモニウムカチオンである。
好ましい態様の詳細な説明
好ましい代表的態様を、添付図面に関連して以下に記載する。ここにおいて、同じ数字は同じ要素を示す。
図1に関連して、代表的ディスプレイシステム10は、染料に基づくフィルター15を包含する。例えば、システム10は航空電子工学的システム、地上車または携帯用のディスプレイであることができる。ディスプレイシステムに関連して以下で検討するが、フィルター15は、赤外領域または他の選択された領域において光のフィルタリングを必要とするあらゆる用途に用いることができる。一例によると、フィルター15を用いて、X線機械のような診断用機器のフィルムおよび他の検出器を保護することができる。システム10は、センサー、標的化(targeting)システム、カメラ、および他の光学的機器とともに利用することができる。
フィルター15は、赤外領域中のある波長において光を減衰または吸収する(そして、もっとも好ましい態様では、視角全体にわたって安定な鋭いスペクトルカットオフを有する)染料を含有すると有利である。好ましい一態様において、約630nm〜755nmの波長を有する光の場合、光は吸収され、その結果フィルター15に通しての透過率は10%未満になる。もっとも好ましい態様において、フィルター15は640nm〜750nmの波長の光を10%未満に減衰させる。
好ましい一態様において、染料に基づくフィルター15は、染料でドープされたモノマーまたはポリマーホストを含むフィルター材料を包含する。フィルター15は、フィルター材料の特徴に起因して、約600〜610nmに約70%以上の透過率での屈折点を伴う分光透過率特性を有することが好ましい。フィルター15は、615nm〜630nmで約50%の透過率を提供し、630nm〜638nmで約10%の透過率を提供することが好ましい。さらに、フィルター15は、630nm〜650nmで5%以下の透過率を有し、720nmで7.25×10−4パーセントの透過率を有することが好ましい。一態様において、染料に基づくフィルター15は、610〜750nmまたはそれより長波長において透過率を減衰させる。
一態様において、フィルター材料に付随する染料は、600nm〜640nm(好ましくは約610nm〜620nm)における鋭いカットオフ、スペクトルの残りの可視部における高い透明性、および非光輝(non-luminance)(非蛍光)を有するように構成される。染料は、好ましくは四面体配位dおよびdコバルト(2+)およびニッケル(2+)金属イオン錯体を包含する。
NVIS用途の場合、染料は、カットオフ波長の後に幅広い尾部を有さず、可視スペクトルに著しい二次吸光度(secondary absorbence)を有さないことが好ましい。染料は注型および射出成形生産法に適合することが好ましい。
染料は、無機または有機物であることができ、好ましくは、可視電磁スペクトル中に弱い吸収バンドを有した後、近赤外電磁スペクトル中の強い吸収バンドへの突然の転移を有する無機化合物または錯体のクラスからのものである。理想的には、突然の転移は、用途の必要性に応じて600nm〜630nmの波長で起こる。染料は、dコバルト(2+)およびdニッケル(2+)の四面体配位遷移金属イオンのファミリー中の任意の組成物であることができ、ここにおいて、d数字は、二価(2+)金属イオンの3つの電子配置を表す。
このファミリーの代表的メンバーとしては、一般にある種の非水溶液中でのみ生じる深青色のCoCl 2−およびNiCl 2−イオンが挙げられる。例えば、テトラクロロコバルト錯体は、約700nmにおいて約600のモル吸光度でその吸収極大を有する。
これらジアニオン性MX 2−種[式中、Xはハロゲン化物を表す]は典型的に、相溶性の有機溶媒から、比較的大きな第四級アンモニウム対イオン、例えばテトラエチルアンモニウム(Cを用いて、わずかに溶解する塩として単離される。しかしながら、これらの化合物は、固体状態では安定であるが比較的反応性であり、極性有機溶媒中で解離した後、極性有機溶媒、とりわけ水への溶解により光学的強度を喪失する傾向にある。
フィルターでの用途に関し、コバルトおよびニッケル両方のクロロおよびブロモ錯体は、興味深い分光特性、すなわち約600nm〜750nmに急勾配のカットオフを伴う非光輝性で広帯域の吸収を有する。しかしながら、これらの化合物は、低い溶解度と、有色MX 2−イオンの高いイオン電荷(2−)に起因する顕著な結晶化傾向を有する可能性がある。実験により、出願人らは、これらの種の安定化および可溶化に有効であるが結晶化傾向をほとんど付与しない光学的に透明な第四級アンモニウム対イオン、すなわちメチルトリオクチルアンモニウム(すなわちTOMA)イオンCHN[(CHCH を見いだした。これは、臭化物または塩化物塩として市販されている。MX 2−イオンのTOMA塩(ここにおいて、MはCoまたはNiでXはハロゲン化物であり、例えば、(TOMA)CoBrである)は、フィルター15のフィルター材料のための染料として有用である。
これらの錯体の対イオンは一般にTOMAに制限される必要はなく、これらのアニオン種の結晶化を妨害するほか、これらを安定化および可溶化する対称性の低いあらゆる関連カチオンまたはカチオン混合物を包含することができる。このタイプのMX 2−塩は、実質的に液体または結晶化傾向をほとんど持たない低融解固体であろう。イオン性液体配合物に利用されるカチオン、特に非対称的に置換されているイミダゾリウムイオンに基づくものを、このファミリーの染料とともに利用することができる。
MX 2−錯体の特性は、ほとんどの染料の場合と異なるそれらの吸収バンドの独特の急勾配を包含し、テトラクロロ系についての約580nmからテトラブロモイオンについての約630nmに及ぶカットオフを提供する。厳密なカットオフは、混合クロロ/ブロモ種、例えば約620nmにバンドを示すCoBrCl 2−を形成させることにより、これらの限界内である程度目的に合わせることができる。同様に、出願人らは、コバルトおよびニッケル錯体の混合物を用いると、シフトしたおよび/または広くなったスペクトルバンドを得ることができることを見いだした。コバルト錯体はニッケル系より有用であることができる。これは、コバルト錯体の方が、特に水に対する解離に対しより安定化されているためである。これに加えて、コバルト染料は、スペクトルの可視部においてより透明である傾向がある。
異なるハロゲン化物、擬似ハロゲン化物、および他の配位子(配位基)との関連する四面体配位dコバルト(2+)およびdニッケル(2+)錯体は、強い吸収バンドをもたらすことができ、同様に鋭いカットオフ染料としての可能性を有することができる。そのような種は、2+から2−に及ぶ高いイオン電荷を有することができる。二例として、ジカチオン性のトリフェニルホスフィンオキシド錯体Co(OPPh 2+および中性のジオクチルホスフェート錯体Co[(octO)PO が挙げられ、それらの両方が600nmを超える波長に強い吸収バンドを有する。
一般に、これらの系、特にイオン性の系は、極性媒体中で解離する傾向があり、対イオンにTOMAイオンと同様の性質を付与することは一般に有益であろう。ここにおいて、TOMAイオンは、それらのMX 2−塩に起因し、結晶化する傾向をほとんど有さない。鋭いカットオフのシアンブルー染料フィルターのような染料は、NVIS用途に必ずしも制限されず、他の分野、例えば画像化および写真術などにおいて使用可能であることができる。
(TOMA)MX塩の低い融解性(例えば、融点は室温を大幅に下回る(60°F未満))および結晶化の不足は、それらを、例えば透明基材の間に挟まれている正味の膜(neat film)としてフィルターに用いることを可能にする。この場合、イオン性種の解離はなく、これにより錯体の光学的強度は完全に保持される。あるいは、染料をアクリレートなどの低極性ポリマーマトリックス中に、染料塩とポリマーの溶液の緩慢な溶媒蒸発により組み込むことができる。例えば、1,2−ジクロロエタンまたはジクロロメタン中のポリ(アクリレート)ポリマーと(TOMA)CoBrの混合物を徐々に蒸発させると、独立している光学的に透明なシアンブルーの膜が得られる。第3のアプローチは、これらの染料材料を、熱的または光化学的に硬化しうる樹脂系、例えば紫外線(UV)で硬化しうるアクリル樹脂(すなわちUVA)またはエポキシ樹脂に組み込むことである。しかしながら、UVAまたはエポキシ樹脂成分の選択は、MX 2−種の解離により放出される金属イオンに硬化プロセスを妨げる傾向があるため、これらの染料に関して重要であることができる。
以下の実施例に、染料に基づくフィルター15のための染料の調製法および性質について記載する。実施例1〜8の染料の分光学的応答を図9〜12に提供し、その両方について以下で検討する。図9〜12は、透過率をパーセンテージで表しているy軸と、波長をナノメーターで表しているx軸を有する。
図9は、以下の実施例1に従って加工された正味の(TOMA)CoBrの厚さ150ミクロンの膜の透過スペクトルである。630nmにおける50%透過率の点での鋭いスペクトルカットオフは、染料に基づくフィルターに独特の分光学的特色である。この分光学的特徴は、NVISの適応を必要とする多くの照明およびディスプレイシステムに適用できる。これに加えて、760nmにおける50%透過率の点での鋭いスペクトルカットオンも、染料に基づくフィルターに独特の分光学的特色である。この分光学的特徴は、赤外線診断用に設計された光学測定機器に有用である。
図10は図9と同様であり、以下の実施例2に従って製造された正味の(TOMA)CoClの透過スペクトルを示す。
図11は図10と同様であり、実施例3および4に従った正味の(TOMA)NiBrと(TOMA)NiClのトルエン溶液との透過スペクトルを示す。(TOMA)NiBrの透過スペクトルを実線で示し、(TOMA)NiClの透過スペクトルを点線で示す。
図12は図11と同様であり、実施例5および6に従ったCoBr 2−とCoBrClイオンの正味の(TOMA)塩の透過スペクトルの比較を示す。(TOMA)CoBrの透過スペクトルを実線で示し、(TOMA)CoBrClの透過スペクトルを点線で示す。
図13は図12と同様であり、実施例7および8に従った四面体配位コバルト(2+)錯体である1,2−ジクロロエタン中の(PhPO)Co2+とヘキサン中のCo[(octO)POの透過スペクトルを示す。ヘキサン中のCo[(octO)POの透過スペクトルを実線で示し、1,2−ジクロロエタン中の(PhPO)Co2+の透過スペクトルを実線で示す。
実施例1
(TOMA)CoBrの調製:無水CoBr(2.30g)およびメチルトリオクチルアンモニウムブロミド(Aldrich Chemical Company,Inc.からのTOMABr)(9.73g)を200mLのi−プロパノールに加え、すべての固体が溶解するまで(約1時間)加熱還流した。得られた溶液を室温まで冷却し、1時間にわたり活性炭で処理し、濾過した。その後、溶液を60℃のホットプレート上の皿中で粘性のある深青色オイルまで一晩蒸発させた。残留溶媒を減圧除去した。溶媒として酢酸エチルを用いて比較しうる結果を得た。この方法で得られた低融解性ワックス状(TOMA)CoBrは一般に結晶化傾向を示さないが、一部のバッチは室温での長期放置により結晶化するであろう。通常の場合のような厳密な化学量論2TOMABr:1CoBrからわずかにずれていても、結晶化は防止されると考えられる。図9は、ガラススライドの間に挟まれたこの塩の正味の薄膜の透過スペクトルを、600〜630nm(好ましくは610nm)前後でのその特徴的な鋭いカットオフとともに示している。極性溶媒は一般に、錯体を解離させる、すなわち錯体をその成分イオンに引き離すが、ある種の塩素化溶媒、例えばジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタンは、分光学的に決定されたように塩をそのまま溶解した。蒸発または減圧により極性溶媒を除去すると、CoBr 2−錯体が再生した。この塩の膜または溶液は酸素に対し安定であったが、長期的には水蒸気との反応による脱色の影響を受けやすく、保護またはシーリングを必要とした。
実施例2
(TOMA)CoClの調製:この錯体は、実施例1のブロミド系と同様の方法で調製したが、塩化物塩CoCl・6HOおよびメチルトリオクチルアンモニウムクロリドで開始し、後者はAldrich Chemical Company,Inc.からAliquat(登録商標)336(CおよびC10鎖の混合物で、Cが多い)として市販されている。得られた深青色オイルはブロミド塩ほど粘性ではなく、図10に示すように約600nmに青色にシフトしたカットオフを伴う透過スペクトルを示した。
実施例3
TOMAニッケルハロゲン化物染料の調製:深青色の(TOMA)NiCl錯体を実施例1および2のそれらのコバルト類似体と同様の方法で調製し、対応するニッケルとTOMAのハロゲン化物塩で開始した。該錯体は、コバルト系ほど水蒸気に対し安定ではないと思われた。透過スペクトルを図11に示す。
実施例4
TOMAニッケルハロゲン化物染料の調製:(TOMA)NiBr錯体を実施例1および2のそれらのコバルト類似体と同様の方法で調製し、対応するニッケルとTOMAのハロゲン化物塩で開始した。該錯体は、コバルト系ほど水蒸気に対し安定ではないと思われた。透過スペクトルを図11に示す。
実施例5
(TOMA)CoBrClの調製:TOMABr(10.96g)、CoBr(1.30g)およびCoCl・6HO、1.41gを、実施例1のようにi−プロパノール中で処理した。得られた深青色のワックス状CoBrCl2−塩は図12に示す透過スペクトルを示し、テトラブロモ種と比較してわずかに青色にシフトしたバンドを伴っていた。
実施例6
(TOMA)CoBrClの調製:CoBrCl 2−塩を化学量論比の臭化物および塩化物塩から実施例5と同様に作成した。これは、実施例5で達成したものに比べわずかにより青色にシフトしたスペクトルを示した。
実施例7
他の四面体配位Co(2+)錯体:代表的な深青色ジカチオン性テトラ(トリフェニルホスフィンオキシド)コバルト(2+)イオン、(PhPO)CO2+を、1,2−ジクロロエタン中のCo(BFジオキサネート(dioxanate)とPhPOとの反応で発生させた。得られた生成物の溶液スペクトルを図13に示す。
実施例8
他の四面体配位Co(2+)錯体:代表的な中性錯体Co[(octO)POを、酢酸コバルトをビス(2−エチルヘキシル)ヒドロゲンホスフェート(ジオクチルホスフェートとしても知られる)のヘキサン溶液と一緒に振とうすることにより発生させると、深青色の錯体はヘキサン相に抽出された。
実施例1〜8で上記した染料およびそれらの混合物を、UV硬化性Co/アクリル樹脂系中にドープすることが好ましい。実施例9および10に関連して以下で検討するように、モノマーまたはポリマーホスト媒体中への染料のドーピングについて記載する。
実施例9
ビス(メチルトリオクチルアンモニウム)テトラブロモコバルテート(2.24g)およびメチルトリオクチルアンモニウムブロミド(0.18g)を褐色ガラス瓶に入れた。次に、3種のアクリルモノマー、すなわち2−ヒドロキシエチルメタクリレート(1.94g)、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(4.48g)およびメタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シロキサン(1.05g)を加えた。得られた混合物を、均一化するまで室温で撹拌した。最後に、ベンジルジメチルケタール光開始剤(0.1g)を、暗所(または黄色灯下)で該溶液に溶解した。その後、最終混合物をガラス基材の間に挟み(隙間4mil)、窒素下で3分間UV(300WのUV灯を用いて)に暴露すると、透明な青緑色の膜が得られた。
実施例10
ビス(メチルトリオクチルアンモニウム)テトラブロモコバルテート(2.22g)およびメチルトリオクチルアンモニウムブロミド(0.18g)を褐色ガラス瓶に入れた。次に、3種のアクリルモノマー、すなわち2−ヒドロキシエチルメタクリレート(1.94g)、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート(4.47g)およびメタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シロキサン(1.06g)を加えた。得られた混合物を、均一化するまで室温で撹拌した。最後に、ベンジルジメチルケタール光開始剤(0.13g)を暗所(または黄色灯下)で該溶液に溶解した。その後、最終混合物をガラスの間に挟み(隙間4mil)、窒素下で3分間UV(300WのUV灯を用いて)に暴露すると、透明な青緑色の膜が得られた。
図1および2に関連し、システム10は、単一モードまたは二重モードディスプレイシステム、例えば二重モードAMLCDシステムまたは単一モードAMLCDシステムとして実行することができる。システム10は、蛍光灯もしくはLEDアレイのいずれかまたは発光ディスプレイスクリーンさえも利用することができる。フィルター15のための染料に基づくフィルター材料は、実施例1〜10に記載した材料のいずれかを包含しポリエステル膜のサンドイッチ中に提供されることができ、発光源またはスクリーン上にコーティングされることができ、あるいは別の方法でシステム10に提供されて、近赤外または赤外領域で光を減衰させることができる。好ましくは、フィルター15はNVISフィルターとして使用するために構成される。フィルター15のための材料は、染料でドープされたモノマーまたはポリマーホストを包含する。好ましくは、染料材料は、熱安定性、鋭いスペクトルカットオフ領域、および自動分注機に適合する粘性を達成する。鋭いスペクトルカットオフは、25nmを隔てての透過率80%から透過率10%未満までの低下、すなわち25nm以下を隔てての70%以上の透過率の降下(例えば、1nmあたりの透過率で少なくとも4.5%の降下)であることができる。鋭いスペクトルカットオフの勾配は、1nmあたり約0.0263パーセントの透過率(%T/nm)であることができる。他の態様において、鋭いスペクトルカットオフは、50nm未満の隔たりにおける50%を超える透過率から15%未満の透過率までの低下としてより広く定義することができる。モノマーまたはポリマーに包含される場合、染料およびモノマーの平均屈折率は、隣接する基材の屈折率と調和するように適応させることが好ましい。
染料のためのモノマーまたはポリマーホストは、多くの適切な化学物質を包含することができる。一態様に従って、ポリ(メチルメタクリレート−コ−ブチルメタクリレート)またはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などのポリマーを、ホスト材料として利用することができる。他の態様において、染料の対イオンは、ベンジル基などのアラルアルキル基、例えばベンジルトリアルキルアンモニウムイオンを含有することができる。他の態様において、上記染料と適合する紫外線硬化性アクリル組成物を利用することができる。一態様において、ホストに対する染料のパーセンテージは30%〜70%であることができる。
染料に基づくフィルター15を用いることにより、出願人らは、単一モードおよび二重モードの両方のディスプレイシステムについて著しい利益を達成した。例えば、フィルター15は、システム10が、より良好な空間および出力効率、経費削減、ならびに、特に赤色領域において、改善された輝度および改善された色度を達成することを可能にすることができる。これらの利点は、非常に鋭いスペクトルカットオフを有する吸収フィルターを加工することにより実現される。さらに、システム10を、エッジリット導波管システム、複雑なアセンブリープロセスを用いずに、そして外周空間を増大させることなく、設計することができる。システム10は、Rockwell Collins,Incにより製造されている5ATIディスプレイ、MFD268ディスプレイ、またはDU9802ディスプレイなどの航空電子工学的ディスプレイとして利用することができる。
ディスプレイシステム10は、視覚的情報の提示を包含するあらゆるタイプの用途に利用することができる。ディスプレイシステム10は、特定周波数の電磁波を強調または減衰させることが望ましい軍隊、輸送、通信またはスポーツの用途に利用することができる。
ディスプレイシステム10は、航空電子工学的または地上車の操縦席で用いられる点灯スイッチ、ボタンまたはベゼルキーであることができる。ディスプレイシステム10は、航空電子工学的ディスプレイ、例えば主要フライトディスプレイ(primary flight display)、レーダーディスプレイ、気象ディスプレイ、標的ディスプレイなどであることができる。ディスプレイ10はまた、軍事的用途、通信的用途、またはカットオフフィルターが必要な他の視覚的システムであることができる。フィルター15を利用すると、フィルター15の減衰領域中の電磁発光から成分を保護することができる。
図1〜4に示すように、観察者に提供される光は一般に、図の左側においてシステム10から提供される。
図2に関連し、ディスプレイシステム10は、光源20、染料に基づくフィルター15、および光学的シャッター25を包含する。光源20はLED、LEDアレイ、白熱灯、蛍光灯、またはディスプレイシステム10用の他の光発生器であることができる。光源20は、2種以上の光源、すなわち昼光および夜間モードのための二重光源を包含することができる。
光源20は、アレイに配列された超明白色(super-bright white)LEDを包含することが好ましい。あるいは、他のタイプまたは色のLEDを利用してもよい。光源20からの光は、染料に基づくフィルター15に通して光学的シャッター25に提供される。光学的シャッター25は、ディスプレイシステム10上で見る像を提供するための任意のディスプレイ要素であることができる。
一態様において、光学的シャッター25は活性マトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD)である。フィルター15は、光源20とシャッター25の間に提供される。シャッター25は、変動しうる像を提供するための任意のデバイスであることができる。あるいは、光学的シャッター25はまた、固定された視覚的像を提供するためのプレート、スイッチまたは制御装置であってもよい。
図3に関連して、システム10の別の態様は、光学的シャッター25の後に染料に基づくフィルター材料を提供する。図3中の光学的シャッター25は、光源20と染料に基づくフィルター材料15の間に提供されている。
図4に関連して、システム10は、軟質OLEDディスプレイのような発光ディスプレイを包含するものとして具体化されている。この態様において、染料に基づくフィルター15は、発光ディスプレイ35と観察者の間に提供される。あるいは、発光ディスプレイはCRTであることができる。発光ディスプレイのスクリーンは、硬質または軟質で、平坦または湾曲していることができる。
図5に関連して、光源20は特定のLED52(例えばLED54)上のディスプレイフィルター15を包含する。LED52および54は、回路基板58上に提供されると有利である。回路基板58は、LEDを収容するための軟質または硬質回路基板であることができる。
好ましい態様において、LED52および54のマトリックスは、990個のLEDの33×30個のマトリックスである。一態様では、1列おきに1個おきのLEDを染料に基づくフィルター材料でコーティングして、赤外領域における放射線を減衰させる(LED54として示す)。他の代替法では、あらゆるLEDを染料に基づくフィルター材料でコーティングする。染料コーティングに加えて、ポリマーまたはモノマーのオーバーコートが、環境から染料を密封するために望ましい。適切なオーバーコートは、UV硬化性接着剤またはPMMAポリマーである。
図6にLEDの第4列を示す。これは、染料に基づくフィルター材料でコーティングされたLED54(該列の1個おきのLED)を有する。この態様では、システム10を、コーティングされていないLED52を昼光モードで操作し、コーティングされたLED54のみを夜間モードで操作する、二重モードで操作することができる。図5および6に、LED54のコーティングを太線で表す。
このような二重モードのアプローチにより、従来の二重モード設計に付随する不利な点が克服される。さまざまな構成を利用して、LED52に付随するレンズまたはカバーをコーティングすることができる。他の態様では、染料に基づく材料を包含する膜をLED52上に提供することができる。単一モードのアプローチでは、すべてのLED52をLED54と同様にコーティングすることができ、または、染料に基づく材料を基材間に密封することができる。他の態様において、LEDのレンズは染料に基づく材料を包含することができる。フィルター15の優れたスペクトルカットオフ特性により、単一モードのアプローチに適したディスプレイパラメーターが確実になる。染料に基づく材料を密封すると、適用後に該材料を環境から保護することができる。
図7において、染料に基づくフィルター15は、ポリエステル膜92と染料に基づく材料96を包含するポリエステル膜94とを包含する。染料に基づく材料96は、図1および実施例1〜10に関して検討したような材料であることが好ましい。実施例9〜10はUVAを包含する。
一態様において、フィルター15は、抗反射および/または抗グレア処理層95、電磁妨害減衰層91、基材または膜92、染料材料96、基材または膜94、ならびに長波長遮断フィルター99を包含する。層95は、入射角の幅広い領域にわたり分光学的正反射率を最小限に抑え、反射像の空間的コヒーレンスを最小限に抑える。層91はディスプレイシステム10からの高周波電磁放射線を減衰させ、任意のタイプの伝導性コーティングであることができる。膜92は硬質または軟質であることができる。一態様において、フィルター15は、湾曲面を有する発光ディスプレイ上に適用するように設計されている。好ましくは、膜92は1.3〜1.8の反射指数(reflective index)を有し、材料96の屈折率に合わせられている。好ましくは、層92の内部透過率は、420nm〜630nmの波長において80%を超える。
層95は、ポリカーボネートのバルク、ポリエステルのバルク、または型押されたミクロ構造ディフューザーであることができる。層91は、EMI高効率抗反射性伝導性コーティングであることができる。層95と91の組合わせは、抗フレア(anti-flare)HEACCであることができる。
上記のように、層96は、630nmに50%透過率を伴う610nm付近の鋭いスペクトルカットオフと、630nm〜750nmの波長における最小限に抑えられたディスプレイ発光を提供する。層94は層92と同様である。層99は、745nm〜1000nmの領域においてディスプレイ発光の減衰を提供する。層95、91および92の機能性を組み合わせることができ、94と99の機能性も組み合わせることができる。層99に付随するスペクトルの望ましい機能性は、多層、吸収層または反射性材料を用いて達成することができる。一態様において、層99は薄い誘電性スタックである。
膜92はまた、直線または円偏光子であることができる。ある種の用途において、フィルター15は発光ディスプレイの前で用いられ、膜92は円偏光子である。このように用いる場合、発光ディスプレイからの正反射は最小限に抑えられ、高い周囲コントラスト比(ambient contrast ratio)は改善される。膜92が直線状または円形である場合、45%を超える内部透過率を有することが好ましい。
図8において、染料に基づく材料15は、層120中に提供されている。層120は、好ましくはガラス基材115とガラス基材125の間に提供されている。ガラス基材115および125はCorning,Incにより製造されることができる。薄い誘電性コーティングまたは遮断フィルター130は、基材125の下に提供することができる。フィルター130は、700nmを超える波長を遮断するための安価なフィルターであることが好ましい。
ディフューザー105は、好ましくは感圧接着剤110により基材115に付着されている。フィルター130は、層120を使用するため、正確なカットオフ周波数を有する必要はない。好ましくは、カットオフ周波数は、層120に付随するカットオフ周波数より小さい。このように、安価なフィルター130を付着させて、NVISフィルターを完成させることができる。
出願人らは、図8に従ったフィルターをLEDアレイの二分の一の前に、従来のNVISフィルターをアレイの他の半分の前に適用した。出願人らは、図8のフィルターにより覆われたディスプレイの半分が、従来のフィルターにより覆われたLEDアレイ部分より高い赤色の色度および明度を提供することを見いだした。これに加えて、出願人らは、図8のフィルターにより覆われたディスプレイの半分が、従来のフィルターにより覆われたLEDアレイ部分と同等またはそれより良好なNVIS性能を有することを見いだした。
図17および18に関連して、取付具175を用いて、フィルター15、例えば図7および8に関連して記載したフィルター15を製造することができる。図18に関連して、取付具175は、カバー183およびキャリヤーまたは取付メンバー185を包含する。取付メンバー185は半透明プレート197を受ける。
プレート195は、プレート195と197の間にスペーサー187を伴ってプレート197に隣接して提供される。ピン189は、プレート197の開口部を通って取付メンバー185中に提供される。10トル以下の適切な真空容量を有するガラス鐘を、フィルター15の加工中に利用することができる。
スペーサー187は、厚さ0.10インチのスプリットワッシャー(split washer)または等価物であることができる。プレート195および197はさまざまなサイズのガラス材料であることができ、一例は8.5インチ×6.325インチの寸法を有する。スペーサー187は、厚さの許容度がより厳密なスプリットワッシャーであってもよい。
フィルター材料のための混合物は、ビス(メチルトリオクチルアンモニウム)テトラブロモコバルテート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シロキサン、メチルトリオクチルアンモニウムブロミド、ベンジルジメチルケタールからなる予備混合材料を用いて調製する。予備混合材料を、マグネティックスターラーまたは同等の撹拌デバイスを用いて混合し、約16.0〜16.5gの材料(例のサイズの場合)を別個の容器に秤量する。材料を入れた容器を、安定性が達成するまで排気する(典型的には、16〜16.5gの材料の場合、約3〜5分間排気する)。
プレート197を取付具185内に置く。スペーサー187のような少なくとも4個のスペーサーを、取付要素185上のピンを覆ってプレート197の各角に置き、プレート197に完全に固定する。排気した材料を、均一性を達成するパターンでプレート197の清浄な表面上に注ぐ。取付具185を操作して、材料の流れを基材またはプレート197の全体にわたって導く。流出を最小限に抑えるように予防措置を執り、貯まった材料をプレート197の長い縁に沿って提供する。清浄な基材またはプレート195を取付具の長い縁に沿って取り付け、そのまま4個のスペーサー187すべてに対し徐々に沈降させる。気泡の形成を最小限に抑え、均一な接着剤層が形成するのを可能にするために、材料の流れをモニタリングしなければならない。
カバー183を慎重に適用し、接着剤層を5〜8分間そのまま安定化させる。その後、蓋またはカバー183を取り外し、接着剤層を乱すことなくシムを慎重に取り外す。取付要素185を、取付具187を覆って酸素による縁の硬化の汚染を排除する適切な窒素流を含む乾燥箱中に置く。UVランプを、約15〜20分間硬化するために提供する。その後、基材が割れたり接着剤層に応力が加わるのを防止するために、要素185をプレート195および197のアセンブリーから慎重に取り出す。
その後、層195および197のアセンブリーを80°Fのオーブンに最低1時間入れて、光学的性質を安定化させる。あるいは、安定化は、室温で最低約72時間後に起こることができる。
図14に関連し、グラフ200は、フィルター15のバリエーション1を表す線202、フィルター15のバリエーション2を表す線204、フィルター15のバリエーション3を表す線206、およびフィルター15のバリエーション4を表す線208を包含する。グラフ200のX軸は380nm〜900nmの波長を表し、Y軸は等分目盛りで100%〜0%の透過率を表す。
バリエーション1は、二次NVIS薄膜(secondary NVIS thin film)(図8の膜130参照)を伴い厚さ0.01インチを有する配合物AのNVISフィルターである。配合物Aについては、実施例9に記載されている。バリエーション2は、0.0125の厚さおよび二次NVIS薄膜(130)を伴う配合物BのNVISフィルターである。配合物Bの染料については、実施例5に記載されている。配合物BのUVAは、実施例10に詳述したものと同じUVAである。
バリエーション3は、0.0105インチの厚さを有し配合物Aを有するNVISフィルターである。バリエーション4は、配合物Aを有し0.012インチの厚さを有するNVISフィルターである。
フィルター15は、光吸収を支配する指数法則に従って設計することができる。
T(λ)=exp{α(λ)・d/cos(θ)}
式中:
・T(λ)は波長の関数としての内部透過率である。
・α(λ)は波長の関数としての材料の吸収係数である。
・dは正常方向(normal direction)におけるフィルターの厚さである。
・θは正常方向から測定した入射角である。
テトラブロモコバルト組成物をPMMAまたはUVAのようなホスト材料に加える場合(実施例1〜10)、吸収係数は、以下の式を有する重量平均値である。
(λ)=C・αCoBr(λ)+(1−C)・αHost(λ)
ここにおいて、Cは濃度を表す0〜1の数字である。
テトラブロモコバルトフィルターが610nmで開始する独特の鋭いまたは急勾配のカットオフを有する原因は、610nm〜750nmで吸収係数αCoBr(λ)が非常に大きな数まで急激に増大することである。αCoBr(λ)の急激な転移も同じ要因であり、これは、視覚全体にわたるスペクトル(色)のシフトを最小限に抑える。
Figure 2006523863
図14に示すように、線202、206および208は、フィルター15では約630nmにおいて50%透過が達成されることを示している。バリエーション3および4では、640nm〜750nmの波長において透過率は10%未満である。バリエーション2は約615nmにおいて50%透過を有する。バリエーション3および4は、薄膜NVISフィルター(膜130)がないため、740nmを超える波長においてより高い分光透過を達成する。図7に示すように、660nmを超え740nmに満たないどこかにカットオフ波長を有する二次NVISフィルター(130)を用いると、フィルター全体に関し740nmを超える波長における低い透過率を保持することができる。上記表1に、二次NVISフィルター(膜130)についての典型的な要件を提供する。
図15に関連し、グラフ220は、380nm〜900nmの波長を有するX軸と、アルゴリズム目盛りで1〜0.00001の透過率を示すY軸を示している。線222はバリエーション1に関する透過率を示し、線224はバリエーション2に関する透過率を示し、線226はバリエーション3に関する透過率を示し、そして線228はバリエーション4に関する透過率を示す。グラフ220は、660〜740nmの波長におけるフィルター15のバリエーション1〜4の非常に優れた性能を示している。
図16に関連し、グラフ230は、ディスプレイシステム10(図2)に付随する分光学的成分を例示している。y軸244は、線232、234および236についての相対的等分目盛りを提供する。第2のY軸244は線238についての相対的等分目盛りを提供する。線232は、図2に具体化したようなディスプレイシステム10からのスペクトル発光を表す。線232は、光源20、染料に基づくNVISフィルター15および光学的シャッター25の組合わせにより与えられる。光源20は、軟質回路基板および冷却用放熱器上に取り付けられた白色および赤色LEDのアレイである。染料に基づくNVISフィルター15の構造の態様を図8に例示する。この例における染料に基づくNVISフィルター15の分光学的特徴を、図16の線234により示す。
光学的シャッター25は、全視野白色フォーマットを表示するLCDである。結果はスペクトル線232であり、これは、白色+赤色LEDアレイ20から放射され、図8に具体化されているような複合型の吸収性/反射性NVISフィルターによりフィルタリングされた後、LCD25によりフィルタリングおよび調節される光から与えられるものである。スペクトル線232の独特で有利な特色は、610nmにおける強い赤色発光と640nmを超える波長でのわずかな発光である。
線236は、NVIS Bゴーグルの応答を示している。該ゴーグルの応答は、630nmより長波長で急激に増大する。ディスプレイシステム10のスペクトル出力232にNVIS Bゴーグルの応答236を適用すると、線238が与えられる。線238の下の区域は、ディスプレイシステム10がNVIS Bゴーグルを刺激する(輝かせる)強さを定義する。線238の下の区域は、NVIS放射輝度(NRb)とよばれる。ディスプレイシステム10に関するNRbの結果を表2に提供する。結果は許容度を大きく下回り、赤色フォーマットの非常に良好な飽和を保持しつつフィルター15で達成しうる優れたNVISの性能を例示している。
Figure 2006523863
フィルター15は、さまざまな周波数領域において強調または減衰を提供することができる。好ましい態様を赤外周波数領域に関連して記載するが、あらゆる周波数領域を以下に記載する原理に適用することができる。好ましい態様に従って、フィルター15は640nmの波長を超える放射線を著しく減衰させ、630nm未満の波長の放射線をあまり減衰させない。あるいは、フィルター15は、とりわけ中間領域への減衰を有するバンドパスフィルターとして操作することができる。システム10に利用されるフィルターのタイプを、限定的な方法では記載しない。
他の態様において、光源20およびシャッター25を、ブラウン管(CRT)、LEDディスプレイ、または他の光源により置き換えることができる。そのような態様では、フィルター15を、CRT、LEDディスプレイまたは他の光源の前に提供することができる。
特定タイプのディスプレイシステム10(図2)を、航空電子工学的ディスプレイシステムとして具体化することができる。航空電子工学的ディスプレイシステムは、光学的シャッターまたは液晶ディスプレイ(LCD)、ディフューザー、導光器およびフィルター15を包含することができる。該システムはまた、暗視モードの光源および非暗視光源を含む光源を包含することができる。該システムは、暗視モード(NVISモード)および非暗視モード(昼間モード)で操作するように構成されることが好ましい。
好ましい態様および具体例を与えているが、これらは例示のために過ぎず、開示した厳密な詳細に限定するものではないことは理解される。例えば、具体的波長の光について検討しているが、他のタイプの光を利用することができる。さまざまなカットオフ特性を達成することができる。さらに、航空電子工学的ディスプレイシステムについて検討しているが、染料に基づくフィルターを必要とする他のディスプレイシステムに本発明の原理を利用することができる。さらに、光を処理する用途、例えばスイッチパネル、点灯スイッチ、ベゼルキー、閃光およびレーザーに対する目の保護具に、本発明の原理を利用することができる。さまざまな修正を、請求されている範囲から逸脱することなく、請求項の等価物の範囲および領域内で、細部に加えることができる。
代表的態様に従った染料に基づくフィルターを包含するディスプレイシステムの一般的概略構成図である。 図1に例示した染料に基づくフィルターを包含する航空電子工学的ディスプレイの一般的概略構成図である。図中、染料に基づくフィルターは、他の代表的態様に従って光学的シャッターの後に置かれている。 図1に例示した染料に基づくフィルターを包含する航空電子工学的ディスプレイの一般的概略構成図である。図中、染料に基づくフィルターは、さらに他の代表的態様に従って光学的シャッターの前に置かれている。 図1に例示した染料に基づくフィルターを包含する航空電子工学的ディスプレイの一般的概略構成図である。図中、染料に基づくフィルターは、さらに他の代表的態様に従って発光ディスプレイの前に置かれている。 さらに他の代表的態様に従った、図1〜3に例示したディスプレイシステムに使用するための光源およびフィルターの上面図である。 図5に例示した光源およびフィルターの線6−6について取り出した横断面図である。 さらに他の代表的態様に従った、図1に例示した染料に基づくフィルターの一態様のより詳細な側面図である。 さらに他の代表的態様に従った、図1に例示した染料に基づくフィルターの他の態様のより詳細な側面図である。 図1に例示した染料に基づくフィルターのための実施例1の染料に関する分光透過率を示すグラフである。 図1に例示した染料に基づくフィルターのための実施例2の染料の分光透過率を示すグラフである。 図1に例示した染料に基づくフィルターのための実施例3および4の染料に関する分光透過率を示すグラフである。 図1に例示した染料に基づくフィルターのための実施例5および6の染料に関する分光透過率を示すグラフである。 図1に例示した染料に基づくフィルターのための実施例7および8の染料に関する分光透過率を示すグラフである。 図1に例示した染料に基づくフィルターの態様に関する分光透過率を示すグラフである。 図1に例示した染料に基づくフィルターの態様の対数目盛での分光透過率を示すグラフである。 図1に例示した染料に基づくフィルターを包含する航空電子工学的ディスプレイの分光および発光応答を示すグラフである。 さらに他の代表的態様に従った、図1に例示したフィルターを製造するための取付具の上面図である。 さらに他の代表的態様に従った、図1に例示したフィルターと図17に例示した取付具のための一対の膜の拡大図である。

Claims (53)

  1. ポリマーホストと、Co+2化合物、Ni+2化合物またはそれらの混合物を包含する染料とを含むフィルター材料であって、該フィルター材料が500nmで少なくとも80%の透過率および650〜700nmで10%以下の透過率を有し、そして該染料が、室温を大きく下回る温度以下の融点を有する、前記フィルター材料。
  2. 前記フィルター材料が600〜640nmに鋭いカットオフを有する、請求項1に記載のフィルター材料。
  3. 前記フィルター材料が非光輝性である、請求項1に記載のフィルター材料。
  4. 染料が、Co+2XnYz(A+)2化合物[式中、XはClであり;YはBrであり;nおよびzは少なくとも0であり;n+z=4であり;そして、A+はテトラアルキルアンモニウムカチオンである]を含む、請求項1に記載のフィルター材料。
  5. A+が、少なくとも15個の炭素原子を有するテトラアルキルアンモニウムカチオンである、請求項1に記載のフィルター材料。
  6. A+がメチルトリアルキルアンモニウムカチオンである、請求項1に記載のフィルター材料。
  7. さらに、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを含む、請求項4に記載のフィルター材料。
  8. 染料が、Ni+2XnYz(A+)2化合物[式中、XはClであり;YはBrであり;nおよびzは少なくとも0であり;n+z=4であり;そして、A+はテトラアルキルアンモニウムカチオンである]を含む、請求項1に記載のフィルター材料。
  9. 染料がさらにTOMAを含む、請求項1に記載のフィルター材料。
  10. 染料がCo(OPAr2+化合物を含む、請求項1に記載のフィルター材料。
  11. Co(OPAr2+化合物が、Co(OPPh 2+塩、Co(OAc)(OPPhまたはそれらの混合物を含む、請求項1に記載のフィルター材料。
  12. 染料がCo(OP(O)(Oアルキル)化合物を含む、請求項1に記載のフィルター材料。
  13. ポリマーホストと、600〜800nmでの吸収極大および約60℃以下の融点を有する非光輝性染料材料とを含むフィルター材料であって、該染料材料が、Co+2化合物、Ni+2化合物またはそれらの混合物を含む、前記フィルター材料。
  14. ポリマーホストが、アクリレートポリマー、メタクリレートポリマーまたはそれらの混合物を含む、請求項13に記載のフィルター材料。
  15. メタクリレートポリマーが、PMMA、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレートコポリマーまたはそれらの混合物を含む、請求項13に記載のフィルター材料。
  16. ポリマーホストが、架橋アクリレートポリマー、架橋メタクリレートポリマーまたはそれらの混合物を含む、請求項13に記載のフィルター材料。
  17. モノマー成分と、600〜800nmでの吸収極大および約60℃以下の融点を有する非光輝性染料とを含むフィルター前駆材料であって、該染料が、Co+2化合物、Ni+2化合物またはそれらの混合物を包含し、そして該モノマー成分が、重合して、染料でドープされたポリマーホストを形成することができる、前記フィルター前駆材料。
  18. モノマー成分が、(a)アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、またはそれらの混合物;(b)ジアクリレートモノマー、ジメタクリレートモノマー、トリアクリレートモノマー、トリメタクリレートモノマー、またはそれらの混合物;および(c)光開始剤を包含する、請求項17に記載のフィルター前駆材料。
  19. モノマー成分が、(a)ヒドロキシ官能性モノマー;および(b)少なくとも2個の重合性官能基を包含するモノマーを包含する、請求項17に記載のフィルター前駆材料。
  20. モノマー成分が、(a)ヒドロキシ官能性α,β−不飽和エステルモノマー;および(b)少なくとも2個のα,β−不飽和エステル官能基を包含するモノマーを包含する、請求項17に記載のフィルター前駆材料。
  21. さらに、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを含む、請求項17に記載のフィルター前駆材料。
  22. 非光輝性染料が(TOMA)CoX塩[式中、Xは、ハロゲン化物イオンまたはハロゲン化物イオンの混合物である]を含む、請求項17に記載のフィルター前駆材料。
  23. 600〜800nmでの吸収極大および約72℃以下の融点を有する非光輝性染料材料であって、前記染料材料が、M+2XnYz(A+)2化合物[式中、M+2は、Co+2、Ni+2またはそれらの混合物であり;XおよびYはハロゲン化物であり;nおよびzは少なくとも0であり、n+z=4であり;そして、A+はテトラアルキルアンモニウムカチオンである]を含む、前記非光輝性染料材料。
  24. 600〜640nmに鋭いカットオフを有する、請求項23に記載の染料材料。
  25. XがClであり;YがBrである、請求項23に記載の染料材料。
  26. M+2がCo+2である、請求項23に記載の染料材料。
  27. A+が、少なくとも15個の炭素原子を有するテトラアルキルアンモニウムカチオンである、請求項23に記載の染料材料。
  28. A+がメチルトリアルキルアンモニウムカチオンである、請求項23に記載の染料材料。
  29. A+がメチルトリオクチルアンモニウムカチオンである、請求項23に記載の染料材料。
  30. さらに、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを含む、請求項23に記載の染料材料。
  31. M+2XnYz(A+)2化合物が、CO+2XnYz(A+)2化合物[式中、XはClであり、YはBrであり;そして、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムは、塩化テトラアルキルアンモニウム、臭化テトラアルキルアンモニウム、またはそれらの混合物である]を含む、請求項30に記載の染料材料。
  32. A+がメチルトリアルキルアンモニウムカチオンであり;そして、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムが、塩化メチルトリアルキルアンモニウム、臭化メチルトリアルキルアンモニウム、またはそれらの混合物である、請求項30に記載の染料材料。
  33. 前記染料材料が、Co+2Br4(A+)2化合物を含み;そして、A+が、少なくとも15個の炭素原子を有するメチルトリアルキルアンモニウムカチオンである、請求項30に記載の染料材料。
  34. 非光輝性の四面体配位CO(II)化合物、四面体配位Ni(II)化合物またはそれらの混合物を包含する染料を含むフィルター材料であって、該フィルター材料が、500nmでの少なくとも80%の透過率と、10%以下の透過率を伴うより長波長での急勾配のカットオフ吸収バンドとを有する、前記フィルター材料。
  35. 染料が、低い結晶化傾向および/またはマトリックスへの高い溶解度を有する、請求項34に記載のフィルター材料。
  36. 染料が、Co2+ 化合物[式中、XはClであり;YはBrであり;nおよびmは少なくとも0であり;n+m=4であり;そして、Aはカチオンである]を含む、請求項34に記載のフィルター材料。
  37. Aが、第四級アンモニウムまたはホスホニウムカチオンあるいはそれらの混合物である、請求項36に記載のフィルター材料。
  38. Aがメチルトリアルキルアンモニウムカチオンである、請求項36に記載のフィルター材料。
  39. さらに、ハロゲン化第四級アンモニウムを含む、請求項36に記載のフィルター材料。
  40. 染料が、Ni2+ 化合物[式中、XはClであり;YはBrであり;nおよびmは少なくとも0であり;n+m=4であり;そして、Aはカチオンである]を含む、請求項34に記載のフィルター材料。
  41. 染料が、Co(OPR 2+化合物[式中、Rはアルキル、アリール、アルカリルまたはそれらの混合物である]を含む、請求項34に記載のフィルター材料。
  42. Co(OPR 2+化合物が、Co(OPPh 2+塩[式中、Phはフェニルである]を含む、請求項41に記載のフィルター材料。
  43. 染料が、Co[OP(O)(OR)化合物[式中、Rはアルキル、アリール、アルカリルまたはそれらの混合物である]を含む、請求項34に記載のフィルター材料。
  44. ポリマーホストと、600〜800nmに極大を伴う急勾配のカットオフ吸収を有する非光輝性染料材料とを含むフィルター材料であって、該染料材料が、Co(II)化合物、Ni(II)化合物またはそれらの混合物を含む、前記フィルター材料。
  45. ポリマーホストが、アクリレートポリマー、アクリレートコポリマーまたはそれらの混合物を含む、請求項44に記載のフィルター材料。
  46. アクリレートポリマーが、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレートコポリマーまたはそれらの混合物を含む、請求項44に記載のフィルター材料。
  47. モノマー成分と、600〜800nmに極大を伴う急勾配のカットオフ吸収を有する非光輝性染料とを含むフィルター前駆材料であって、該染料が、Co(II)化合物、Ni(II)化合物またはそれらの混合物を包含し、そして、該モノマー成分が、重合して、染料でドープされたポリマーホストを形成することができる、前記フィルター前駆材料。
  48. さらに、ハロゲン化第四級アンモニウムを含む、請求項47に記載のフィルター前駆材料。
  49. 600〜800nmに極大を伴う急勾配のカットオフ吸収を有する非光輝性染料材料であって、前記染料材料が、M2+ 化合物[式中、Mは、Co2+、Ni2+またはそれらの混合物であり;XおよびYはハロゲン化物イオンであり;mおよびnは少なくとも0であり、m+n=4であり;そして、Aは第四級アンモニウムカチオンである]を含む、前記非光輝性染料材料。
  50. XがClであり;YがBrである、請求項49に記載の染料材料。
  51. 2+がCo2+である、請求項49に記載の染料材料。
  52. 2+ 化合物が、Co2+ 化合物[式中、XはClであり、YはBrであり;そして、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムは、塩化テトラアルキルアンモニウム、臭化テトラアルキルアンモニウム、またはそれらの混合物である]を含む、請求項49に記載の染料材料。
  53. 前記染料材料がCo2+ 化合物を含み;そして、Aが、少なくとも25個の炭素原子を有するメチルトリアルキルアンモニウムカチオンである、請求項49に記載の染料材料。
JP2006509196A 2003-03-14 2004-03-05 フィルター材料用組成物 Pending JP2006523863A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/389,347 US7481954B2 (en) 2003-03-14 2003-03-14 Composition for a light filtering material
PCT/US2004/006860 WO2004082360A2 (en) 2003-03-14 2004-03-05 Composition for filter material

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006523863A true JP2006523863A (ja) 2006-10-19
JP2006523863A5 JP2006523863A5 (ja) 2007-04-26

Family

ID=32962254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006509196A Pending JP2006523863A (ja) 2003-03-14 2004-03-05 フィルター材料用組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7481954B2 (ja)
EP (1) EP1604232A2 (ja)
JP (1) JP2006523863A (ja)
WO (1) WO2004082360A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012508464A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 アイディディ エアロスペイス コーポレイション 照明システム

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1624324B1 (en) * 2004-08-04 2008-05-28 Agfa HealthCare NV Device provided with a near infrared absorbing dye filter
GB0423506D0 (en) * 2004-10-22 2004-11-24 Univ Belfast Light emitting complex salts
US7307805B1 (en) * 2005-04-21 2007-12-11 Rockwell Collins, Inc. Flexible NVIS filter
US7924371B1 (en) * 2008-08-29 2011-04-12 Rockwell Collins, Inc. Multimode display for NVIS compatible operation
KR101370917B1 (ko) * 2009-08-14 2014-03-24 엘지전자 주식회사 조명 장치
US10642087B2 (en) * 2014-05-23 2020-05-05 Eyesafe, Llc Light emission reducing compounds for electronic devices
GB2542802A (en) * 2015-09-30 2017-04-05 Cambridge Display Tech Ltd Organic-based fluorescence sensor with low background signal
CN107430225B (zh) 2015-12-01 2019-11-08 Agc株式会社 光学滤波器和摄像装置
US11592701B2 (en) 2018-11-28 2023-02-28 Eyesafe Inc. Backlight unit with emission modification
US11810532B2 (en) 2018-11-28 2023-11-07 Eyesafe Inc. Systems for monitoring and regulating harmful blue light exposure from digital devices
US11126033B2 (en) 2018-11-28 2021-09-21 Eyesafe Inc. Backlight unit with emission modification
US10955697B2 (en) 2018-11-28 2021-03-23 Eyesafe Inc. Light emission modification
US10971660B2 (en) 2019-08-09 2021-04-06 Eyesafe Inc. White LED light source and method of making same

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4028462A (en) * 1972-08-28 1977-06-07 Corporacion De Fomento De La Produccion, Represented By Comite De Investigaciones Technologicas Method of extraction involving the use of solvents and new combination of reactors used
US3928870A (en) * 1973-12-14 1975-12-23 Eastman Kodak Co Magneto-optical processes and elements using tetrahedrally coordinated divalent cobalt-containing magnetic material
US4859876A (en) * 1985-09-16 1989-08-22 AT&T Bell Laboratories American Telephone and Telegraph Company Nonlinear optical materials and devices
FR2626981B1 (fr) 1988-02-04 1992-02-14 Lefevre Anne Marie Filtre optique a coupure franche et a tres faible coefficient de transmission au-dela
US5013634A (en) * 1988-10-12 1991-05-07 Ricoh Company, Ltd. Optical information recording medium and nickel complex compounds employed in the same
EP0379277A3 (en) * 1989-01-17 1991-05-29 Teijin Limited Napthtalocyanine based compound and optical recording medium containing the same
GB9113684D0 (en) 1991-06-25 1991-08-21 Smiths Industries Plc Display filter arrangements
JP2633170B2 (ja) 1992-08-20 1997-07-23 呉羽化学工業株式会社 光学フィルター
EP0718375B1 (en) 1994-12-21 2000-07-05 Mitsui Chemicals, Inc. Near infrared absorber, preparation process thereof and use thereof
JPH10221523A (ja) 1996-12-06 1998-08-21 Kureha Chem Ind Co Ltd 光学フィルターおよびこれを備えた装置、眼鏡レンズ、熱線吸収フィルター並びに光ファイバー
US6217796B1 (en) * 1998-11-17 2001-04-17 Nisshinbo Industries, Inc. Near infrared absorption composition
WO2000077547A1 (en) 1999-06-14 2000-12-21 Litton Systems, Inc. Night vision filter glass
JP3389561B2 (ja) * 1999-11-19 2003-03-24 山陽色素株式会社 光選択吸収性フィルター及び該フィルターを備えたカラー表示装置
US20030040436A1 (en) * 2000-10-23 2003-02-27 Emerson Ralph W. Use of benzyl ester compositions for controlling non-arthropod pest populations

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012508464A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 アイディディ エアロスペイス コーポレイション 照明システム

Also Published As

Publication number Publication date
EP1604232A2 (en) 2005-12-14
WO2004082360A3 (en) 2005-01-27
WO2004082360A2 (en) 2004-09-30
US20040181006A1 (en) 2004-09-16
US7481954B2 (en) 2009-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7081991B2 (en) Dye-based filter
JP6504226B2 (ja) 近赤外線カットフィルタおよび固体撮像装置
CN102307724B (zh) 光控膜和多层光学膜叠堆
US7481954B2 (en) Composition for a light filtering material
CN101542329B (zh) 补色滤色器、图像显示装置及液晶显示装置
US7294303B2 (en) Broad band-cholesteric liquid crystal film and process for producing the same, circularly polarizing plate, linearly polarizing element, illuminator, and liquid-crystal display
CN106094322B (zh) 一种彩膜基板及其制作方法
CN1430097A (zh) 选择反射
GB2579370A (en) Display device
CN112859426B (zh) 显示面板及显示装置
CN107924060A (zh) 平视显示装置以及反射光学系统
WO2019088290A1 (ja) 偏光部材及びそれを備えたヘッドアップディスプレイ装置
US20230393440A1 (en) Optical filter materials and devices
KR100789864B1 (ko) 콜레스테릭 액정 고분자, 이를 포함하는 근적외선 차단필름과 근적외선 차단 필터, 및 상기 근적외선 차단 필름또는 필터를 구비하는 표시소자
US20230140492A1 (en) Optical structure including half-silvered mirror and selective reflection film in combination
JP6943509B2 (ja) 光学フィルム、光学素子および映像装置
EP3667396A1 (en) Display device
US4213153A (en) Process for the optical display of information using lasers
WO2021193614A1 (ja) ヘッドアップディスプレイ
US20200087521A1 (en) Photochromic mixture, formation method and application of photochromic device
JP2004045887A (ja) 光学フィルター
WO2024090167A1 (ja) 発光装置
JP2019137085A (ja) 表示装置
EP2932316B1 (en) Optical component, glass and liquid crystal display
KR102481311B1 (ko) 조성물, 유기 일렉트로 루미네선스 표시 소자용 위상차막, 유기 일렉트로 루미네선스 표시 소자용 위상차막의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070305

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091029

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100122

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100422