JP2006523091A - ヒト胚性幹細胞の心筋細胞への分化 - Google Patents

ヒト胚性幹細胞の心筋細胞への分化 Download PDF

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Abstract

hES細胞の心筋細胞分化を誘導する方法であって、hES細胞を、少なくとも1つの心筋細胞分化誘導因子を排出する細胞と、またはそれから得られる細胞外培地と、分化を誘導する条件下で共培養することを含む方法、そのようにして産生される細胞および細胞集団、ならびにそれらの細胞の使用。

Description

本発明はヒト胚性幹細胞(hES)およびそれらの分化に関する。hES細胞は、マウス胚性幹(mES)細胞由来の心筋細胞または成体マウスもしくは胎児マウス由来の初代心筋細胞よりも、ヒト生理学を研究するためのモデルとして優れた心筋細胞を生じさせることができる。hES細胞は、ヒト心疾患の研究に関連するモデルとなる心筋細胞を生じさせることができる。hES細胞は薬物の試験に適した正常心筋細胞および変異心筋細胞を生じさせることができる。
心筋細胞は、心筋梗塞後にまたは心不全時に心臓機能を回復させる潜在能力を持っている。ヒト胚性幹(hES)細胞は移植可能な心筋細胞の潜在的供給源であるが、hES由来の心筋細胞と初代ヒト心筋細胞とを詳細に比較しなければ、患者への移植は実行できるようにならない。
虚血性心臓疾患は西洋世界では主たる死亡原因である。酸素欠乏とそれに続く再灌流は、不可逆的な細胞損傷を惹起し、最終的には広範な細胞死および機能喪失をもたらす。損傷した心組織を心筋細胞移植によって再生させる戦略により、梗塞後心不全を予防または制限しうる。以前、本発明者らは、臓側内胚葉(VE:visceral endoderm)様細胞株により、未分化マウスP19胚性癌腫(EC:embryonal carcinoma)細胞およびマウス胚性幹(mES)細胞が共培養時に自発的に集合し、拍動筋を含有する培養物へと1週間以内に分化することを示した(1〜3)。この誘導能力はVE様細胞に特異的であり、P19EC細胞の集合体をVE様細胞株END−2から得た条件培地中で成長させた場合にも観察された。さらにDyerら(4)は、END−2細胞がマウス胚由来の胚盤葉上層細胞の分化を誘導することで、造血および脈管形成を起こし、予定神経外胚葉細胞運命を再指定することができるということを示した。この効果は、主として、マウス胚のEND−2細胞およびVEによって分泌される因子インディアン・ヘッジホッグ(Indian hedgehog:Ihh)に帰することができた。
発生に際して胚中胚葉からの心筋細胞の指定および最終分化につながる分子経路はまだ不明である。ニワトリおよび両生類から得られたデータは、心筋分化が起こるには、心臓前駆体が、前方内胚葉およびおそらくは形成体と相互作用する必要があることを示唆した(5〜7)。さらに最近になって、原条および臓側胚内胚葉は、妊娠E7.5時点で最終分化を完了する能力を心臓前駆細胞が獲得するための多段階誘導にとって重要であることが、マウスで示された(8)。
内胚葉を欠くゼブラフィッシュ変異体は重篤な心臓異常を示し(9)、一方、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)における内胚葉の切除は、一般筋マーカーの発現は保たれるものの、心臓特異的心筋トロポニンIの喪失をもたらす(10)。このデータは、心筋細胞分化における内胚葉−中胚葉相互作用の重要な役割、さらには不可欠な役割を示している。
発明の説明
マウス臓側内胚葉(VE)様細胞と共培養されたヒト胚性幹細胞は、心特異的な筋節タンパク質およびイオンチャネルを発現する拍動筋細胞を形成する。電気生理学的応答の直接比較により、大多数はヒト胎児培養心室細胞と似ており、心房表現型を有するものは少数であることが実証された。胎児由来培養心筋細胞とhES由来培養心筋細胞はどちらもギャップジャンクションを介して機能的に結合していた。これは、自発的には心発生(cardiogenesis)を起こさないhES細胞における心筋細胞分化の誘導を、初めて実証したものである。
本発明者らは、多能性hES細胞株をEND−2細胞と共培養すると、異なる系統に属する2つの特徴的細胞タイプへの大規模な分化が誘導されることを、ここに実証する。一つは上皮細胞タイプであり、アルファ−フェトプロテインについて陽性に染色される大きな嚢胞構造を形成し、おそらくは胚外臓側内胚葉である。もう一つは、高い局所密度を有する領域内に集まって、自発的に拍動する。本発明者らはこれらの拍動細胞が心筋細胞であることを示す。hES細胞の心筋細胞への分化は以前に記載されているが(11〜13)、使用されたhES細胞株は、mES細胞によって形成されるものとよく似た胚様体中の体細胞誘導体へと自発的に分化する(14)。したがって本研究は、高い局所細胞密度でさえ自発的心発生を起こさない、hES細胞における心筋細胞分化の誘導を初めて記載するものであり、またhES由来心筋細胞と初代ヒト胎児培養心筋細胞との初めての直接的な電気生理学的比較でもある。
第1の態様として、本発明は、ヒト胚性幹細胞(hES)の心筋細胞分化を誘導する方法であって、hES細胞を、少なくとも1つの心筋細胞分化誘導因子を排出する細胞と、またはそれから得られる細胞外培地と、分化を誘導する条件下で共培養することを含む方法を提供する。通例、前記細胞は、マウスVE様細胞がもたらすものと少なくとも実質的に同様のタンパク質排出プロファイルをもたらす。
本方法での使用に適した幹細胞は患者自身の組織に由来することができる。これは、幹細胞に由来する分化組織移植片の、患者との適合性を高めるだろう。この場合、hES細胞は患者自身の組織に由来する成体幹細胞を含みうることに注意すべきである。胚細胞または胚細胞から得られる細胞外培地へのそれらのばく露前、ばく露中またはばく露後に分化状態を制御しうる遺伝子を導入することによって、ヒト幹細胞は、その使用に先立ち、遺伝子改変することができる。ヒト幹細胞は、Oct−4などの幹細胞特異的プロモーターの制御下で選択可能マーカーを発現させるベクターの導入によって遺伝子改変することができる。幹細胞は、マーカーにより、当該マーカーが任意の培養段階に伝達されるように、任意の段階で遺伝子改変することができる。このマーカーは、任意の培養段階で分化幹細胞集団または未分化幹細胞集団を精製するために使用することができる。
分化因子を提供する細胞は、胚から単離された臓側内胚葉組織(visceral endoderm tissue)または臓側内胚葉様組織(visceral endoderm like tissue)に由来する胚細胞であることができる。好ましくは、臓側内胚葉は、初期原腸形成後胚(early postgastrulation embryo)、例えばマウス胚(E7.5)などから単離することができる。臓側内胚葉または臓側内胚葉様組織は、Roelen et al.,1994 Dev.Biol.166:716-728に記載されているように単離することができる。特質上、臓側内胚葉は、アルファフェトプロテインおよびサイトケラチンENDO−Aの発現によって同定することができる。胚細胞は胚性癌腫細胞(embryonal carcinoma cell)(好ましくは臓側内胚葉特性を有するもの)であることができる。
ある実施形態では、分化因子を産生する細胞が、マウスVE様細胞またはそれに由来する細胞である。この実施形態の好ましい一形式では、細胞がEND−2細胞である。
胚性幹細胞は細胞株(cell line)または培養細胞に由来することができる。胚細胞は胚細胞株、好ましくは臓側内胚葉の特徴を有する細胞株、例えばEND−2細胞株に由来することができる(Mummery et al.,1985,Dev Biol.109:402-410)。END−2細胞株は、懸濁状態の集合体としてレチノイン酸で処理された後、再播種された、P19EC細胞の培養物からのクローニングによって樹立された(Mummery et al.,1985,Dev Biol.109:402-410)。END−2細胞株は臓側内胚葉(VE)の特徴を持ち、アルファ−フェトプロテイン(AFP)および細胞骨格タンパク質ENDO−Aを発現させる。
もう一つの実施形態では、細胞が肝実質細胞である。この実施形態の好ましい形式では、肝実質細胞がHepG2である。
ヒト胚性幹細胞は胚に直接由来するか、または胚性幹細胞の培養物に由来しうる(例えばReubinoff et al.,Nature Biotech.16:399-404 2000参照)。幹細胞は胚細胞株または胚組織に由来することができる。胚性幹細胞は、培養され未分化状態で維持されている細胞であることができる。
hES細胞は、自発的には心発生を起こさないhES細胞(hES cell which do not undergo cardiogenesis spontaneously)であることができる。
第2の態様として、本発明は、自発的には心発生を起こさないhES細胞から産生される分化心筋細胞を提供する。
本発明は、本発明の第1の態様に従う方法によって産生される心筋細胞も提供する。
分化心筋細胞は、心特異的筋節タンパク質を発現させ、心筋細胞に特有な変時応答(chronotropic response)、イオンチャネルの発現および機能を示しうる。
好ましくは、分化心筋細胞はヒト胎児培養心室細胞に似ている。
もう一つの好ましい形式では、分化心筋細胞がヒト胎児培養心房細胞に似ている。
もう一つの好ましい形式では、分化心筋細胞が、ヒト胎児培養ペースメーカー細胞に似る。
これら胎児細胞との類似点が、必ずしも、これら胎児細胞と同じ成熟レベルを有することにまで及ぶわけではないことは理解されるだろう。
第3の態様として、本発明は、結合している複数の、本発明にかかる分化心筋細胞を提供する。この結合は機能的結合であっても物理的結合であってもよい。
ある実施形態では、上記結合がギャップジャンクションによる結合である。
もう一つの実施形態では、上記結合がアドヘレンスジャンクションによる結合である。
さらにもう一つの実施形態では、上記結合が電気的結合である。
第4の態様として、本発明は、本発明の分化心筋細胞から拍動領域を解離することによって産生される分化心筋細胞のコロニーを提供する。
通例、解離した細胞は再播種される。好ましくはそれらは二次元的形態をとる。
第5の態様として、本発明は、本発明の分化心筋細胞を含む、ヒト培養心筋細胞の研究モデルを提供する。このモデルは心筋細胞移植療法の開発に役立つ。
第6の態様として、本発明は、本発明の分化心筋細胞を含む、心血管薬試験用のインビトロ系を提供する。
第7の態様として、本発明は、変異hES細胞から調製される変異型の本発明分化心筋細胞を提供する。細胞に変異を導入する方法が当技術分野で周知であることは理解されるだろう。
第8の態様として、本発明は、心筋細胞の分化および機能(電気生理学)を研究する方法であって、第7態様の変異型分化心筋細胞を使用することを含む方法を提供する。
第9の態様として、本発明は、第7態様の変異型分化心筋細胞を含む、心血管薬試験用のインビトロ系を提供する。
第10の態様として、本発明は、心血管薬試験のインビトロ法であって、第7態様の変異型分化心筋細胞を試験細胞として使用することを含む方法を提供する。
本発明は、hES由来の心筋細胞中に存在する遺伝子およびタンパク質を記述する。イオンチャネルは心筋細胞機能に重要な役割を果たしている。どのチャネルが発現されるかがわかれば、特定のイオンチャネルを欠くhES細胞を作製し、心臓の分化および機能に対するその影響を(電気生理学を使って)研究することができる。さらに、心イオンチャネルに特異的な薬物を、心筋細胞機能に関して(活動電位、拍動頻度、および形態学的外観などの指標に注目して)試験することもできる。
未分化hES細胞で、またEND−2細胞との共培養を開始してから8日後および15日後の分化細胞で、心特異的イオンチャネルの発現を決定した(図3)。他の研究者が先に示したように(12)、拍動hES由来心筋細胞の領域は、ANFを発現させる。心特異的L型カルシウムチャネルのαサブユニット(α1c)および一過性外向きカリウムチャネル(Kv4.3)の発現も検出され、Kv4.3の発現は拍動の開始より数日早かった。遅延整流カリウムチャネルKvLQT1のRNAは未分化細胞に見いだされたが、初期分化中は転写物が消失し、後期になると再び現われた。
リアノジンまたは抗細胞表面α1cイオンチャネルの抗体を用いた生体蛍光染色により、混合培養物中で、本発明の分化心筋細胞を同定することができた。これは、遺伝子操作を行ったり、その生存能を損なったりすることなく、移植用に心筋細胞を単離する手段となりうる。
本発明の細胞は適切な担体と共に製剤化することができる。
本発明は、本発明の方法によって産生される分化細胞であって、移植、細胞療法または遺伝子療法に使用することができる細胞も提供する。好ましくは、本発明は、本発明の方法によって産生される分化細胞であって、治療目的で使用することができる細胞、例えば、心臓疾患または心臓状態を患っている対象における心機能を回復させる方法などに使用することができる細胞を提供する。
本発明のもう一つの態様は、ある心疾患または心状態を処置または予防する方法であって、本発明の単離された分化心筋細胞および/または本発明の第1態様の方法に従って処理した場合に心筋細胞に分化する能力を有する細胞を、対象の心組織に導入するステップを含む方法である。単離された心筋細胞は、好ましくは、対象の損傷した心組織に移植される。より好ましくは、本方法は、対象における心機能の回復をもたらす。
本発明のさらにもう一つの態様として、心組織を修復する方法であって、本発明の単離された心筋細胞および/または本発明の第1態様の方法に従って処理した場合に心筋細胞に分化する能力を有する細胞を、対象の損傷した心組織に導入するステップを含む方法が提供される。
上記対象は、心疾患または心状態を患っていることが好ましい。本発明の方法において、単離された心筋細胞は、好ましくは、対象の損傷した心組織に移植される。より好ましくは、本方法は対象の心機能の回復をもたらす。
本発明は、好ましくは、心筋細胞に分化した幹細胞の心機能回復能力を試験するための心筋モデルも提供する。
本発明は、さらに、本発明の分化細胞と担体とを含む細胞組成物を提供する。
本明細書で使用する「分化を誘導する」という用語は、幹細胞に対する直接的または意図的影響の結果として、幹細胞を特定の分化細胞タイプに発達させることを意味すると解釈される。影響する因子には、例えば、イオン流入などの細胞パラメータ、pH変化および/または細胞外因子、例えば分泌タンパク質など(例えば分化を調節しトリガーする成長因子およびサイトカインなどであるが、これらに限らない)を含めることができる。これは細胞をコンフルエントに培養することを含むことができ、細胞密度による影響を受けうる。
好ましくは、hES細胞と、分化因子を提供する細胞とを、インビトロで共培養する。これは、通例、培養胚細胞の増殖によって生成した胚細胞の単層に、幹細胞を導入することを伴う。好ましくは、胚細胞単層を実質上コンフルエントに成長させ、胚細胞の細胞外培地の存在下で、幹細胞の特定細胞タイプへの分化を誘導するのに十分な時間、幹細胞を成長させる。あるいは、胚細胞の細胞外培地を含有するが、胚細胞は存在しない培養中で、幹細胞を成長させてもよい。胚細胞と幹細胞は、フィルターにより、または寒天などの非細胞マトリックスにより、互いに分離することができる。
一般に、幹細胞を分化させるには、幹細胞を胚細胞の単層上に播種し、培養成長させることで、幹細胞の分化を誘導することができる。
分化胚性幹細胞を取得するための条件は、通例、幹細胞の再生を許容しないが、幹細胞を殺すことも、幹細胞をもっぱら胚外系統に分化させることもないような条件である。幹細胞成長に最適な条件からの漸進的離脱(gradual withdrawal)が、特定細胞タイプへの幹細胞の分化に有利に働く。好適な培養条件には、分化速度および/または分化効率を増加させうるDMSO、レチノイン酸、FGFまたはBMPの共培養への添加を含めることができる。
胚細胞層の細胞密度は、通例、その安定性および性能に影響を及ぼす。胚細胞は通例、コンフルエントである。通例、胚細胞をコンフルエントに成長させた後、細胞のさらなる分裂を防ぐ薬剤、例えばマイトマイシンCなどにばく露する。胚単層の層は通例、幹細胞を添加する2日前に樹立される。幹細胞は通例、分散させてから、胚細胞の単層に導入される。通例、幹細胞と胚細胞とを、幹細胞の実質的部分が分化し終えるまで、2〜3週間にわたって共培養する。
本明細書で使用する「細胞外培地」という用語は、胚細胞によって産生される分泌タンパク質などの細胞外因子が条件培地中に存在するように、本明細書に記載する胚細胞をある期間、培地中で成長させることによって産生される、条件培地を意味すると解釈される。培地は細胞の成長を助長する成分、例えばダルベッコ最小必須培地、ハムF12、またはウシ胎仔血清などの基礎培地を含むことができる。
本発明の心筋細胞は好ましくは拍動する。心筋細胞は筋表現型を確認するために、固定して、α−アクチニン抗体で染色することができる。α−トロポニン、α−トロポマイシン(tropomysin)およびα−MHC抗体も、特徴的な筋染色を与える。好ましくは、当業者に知られている方法に従って、心筋細胞を固定する。より好ましくは、パラホルムアルデヒドを使って、好ましくは約2%〜約4%パラホルムアルデヒドを使って、心筋細胞を固定する。筋細胞のイオンチャネル特徴および活動電位は、パッチクランプ法、電気生理学およびRT−PCRによって決定することができる。
心筋細胞の由来源となるべき幹細胞は、例えばイオンチャネル中に変異を有するように(これはヒトの突然変死を引き起こす)、遺伝子改変することができる。したがって、これらの改変幹細胞に由来する心筋細胞は異常であり、欠陥イオンチャネルに関係する心臓病の培養モデルになるだろう。これは基礎研究および医薬品の試験に役立つだろう。同様に、他の遺伝的基礎を有する心疾患の培養モデルも作出することができる。本発明の心筋細胞は、移植および心臓機能の回復にも使用することができる。
例えば西洋世界では虚血性心臓疾患は罹患および死亡の主原因である。酸素欠乏とそれに続く酸素再灌流は、不可逆的な細胞損傷を惹起し、最終的には広範な細胞死および機能喪失をもたらす。損傷した心組織を心筋細胞移植によって再生させる戦略により、梗塞後心不全を予防または制限しうる。幹細胞の心筋細胞への分化を誘導する上述の方法は、そのような心臓疾患の処置に役立つだろう。本発明の心筋細胞は、心機能回復能力を試験するため心筋梗塞モデルに使用することもできる。
本発明は、好ましくは、心筋細胞に分化した幹細胞の心機能回復能力を試験するための心筋モデルを提供する。インビボでの心筋細胞移植の有効性を試験するには、再現性のある動物モデルと、心機能の測定可能なパラメータとを有することが重要である。使用するパラメータは、移植の効果を適切に決定できるように、対象動物と実験動物とを明確に識別すべきである(例えばPalmenら(2001)Cardiovasc.Res.50,516-524参照)。PV関係は心臓の排出量の尺度であり、移植後の変化した心機能の読み取り値として使用することができる。
例えば免疫不全マウスをはじめとするホスト動物を、種々の供給源に由来する心筋細胞の「汎用レシピエント」として使用することができる。心筋細胞は本発明の方法によって産生される。
本発明の心筋モデルは、好ましくは、心筋細胞または適切な前駆体を適切なホスト動物に移植した後の心修復の程度を評価するために設計される。より好ましくは、ホスト動物は、分化心筋細胞の汎用レシピエントとして用いられる、梗塞後の心筋変性のモデルとして作出された免疫不全動物である。この動物は、例えばネズミ、ヒツジ、ウシ、イヌ、ブタおよび任意の非ヒト霊長類などを含む任意の種であることができる。これらの動物における心修復を測定するために用いるパラメータには、例えば心臓組織の電気生理学的特徴または種々の心臓機能などがあるが、これらに限るわけではない。例えば、収縮機能は、心臓の体積および圧力変化から評価することができる。好ましくは心室収縮機能を評価する。心臓機能および心組織特徴を評価する方法は、当業者にも知られている技術を伴うだろう。
さらに本発明は、本発明の分化細胞と担体とを含む細胞組成物も提供する。担体は、細胞を維持する生理的に許容できる任意の担体であることができる。これはPBSまたは当業者に知られる他の最小必須培地であることができる。本発明の細胞組成物は、生物学的解析または移植などの医学的目的に使用することができる。
本発明の細胞組成物は、疾患または状態、例えば心疾患または組織損傷が起こっている状態などを修復または処置する方法に使用することができる。処置には、例えば患者への細胞または細胞組成物(部分的にまたは完全に分化したもの)の投与などがあるが、これらに限るわけではない。これらの細胞または細胞組成物は、動物モデルを使って上に開示した機能の回復による、その状態の逆転をもたらすだろう。
本明細書の説明および特許請求の範囲の全体を通して、「を含む(compriseならびにその変形、例えばcomprisingおよびcomprises)」という単語は、他の添加物、成分、整数またはステップを排除するものではない。文書、行為、材料、装置、記事などの議論は、単に本発明の背景を記述する目的で記載するに過ぎない。これらのものは、いずれかまたはすべてが先行技術の基礎を形成していたこと、もしくはそれらが、本願各請求項の優先日前にオーストラリアに存在した本発明に関連する技術分野の通常の一般的知識であったことを、示唆したり表したりするわけではない。
以下に、添付の図面および実施例に関して、本発明をさらに詳しく説明する。しかし、以下の説明は単なる例示であって、決して、上述した本発明の一般論に対する制限であると解釈してならない。
[方法および結果の要約]
hES細胞を、マウスから得た臓側内胚葉(VE)様細胞と共培養した。これにより、拍動筋への分化が惹起された。筋節マーカータンパク質、変時応答ならびにイオンチャネルの発現および機能は、心筋細胞に典型的なものだった。電気生理学により、ほとんどの細胞はヒト胎児心室細胞に似ており、心房様応答は少数集団に見られることが、実証された。リアルタイム細胞内カルシウム測定、ルシファーイエロー注入およびコネキシン43発現により、胎児心筋細胞およびhES由来心筋細胞は、培養中では、ギャップジャンクションによって結合していることが実証された。抗体染色およびベラパミルによる電気的応答の阻害により、機能的なα1cカルシウムイオンチャネルの存在が実証された。
[結論]
これは、自発的心発生を起こさないhES細胞における心筋細胞分化の誘導を初めて実証したものである。これはヒト培養心筋細胞の研究モデルになり、したがって心筋細胞移植療法の開発に役立つ。
[方法]
〔細胞培養〕
END−2細胞およびhES2細胞を、既述のように培養した(1、15、16)。共培養を開始するために、マイトマイシンC(mit.C;10μg/ml)で3時間処理した分裂促進的に不活性なEND−2細胞培養物で、hES細胞の支持細胞(feeder cell)であるマウス胚線維芽細胞(MEF)を置き換えた。次に、共培養物を6週間まで成長させ、5日目以降、拍動筋領域の存在についてスコアリングした。肝実質細胞に似た癌腫細胞株であるHepG2細胞(17)をDMEM+10%ウシ胎仔血清(FCS)中で培養し、週に2回継代した。END−2細胞の場合と同様に共培養を開始した。電気生理学用に、拍動集合体をコラゲナーゼを使って解離し、ゼラチン被覆カバースリップ上に再播種した。
〔免疫組織化学〕
細胞を3.0%パラホルムアルデヒドで固定した後、0.1%トリトンX100で透過処理した。次に、抗oct4(Sigma)を使って未分化hESコロニーを4℃で一晩染色し、ABC複合体/HPRキット(DAKO)とファスト(Fast)3,3''−ジアミノベンジジンタブレットセット(Sigma)とを使って可視化した。免疫蛍光法のために、α−アクチニン、トロポミオシンおよびパンカドヘリン(Sigma)、MLC2aおよび2v(K.Chien博士から贈与)、α1CおよびCav1.2a(Alomone labs、イスラエル)、コネキシン43(Transduction Labs、米国)およびファロイジン−Cy3(Sigma)に対する抗体を、蛍光コンジュゲート二次抗体(Jackson Laboratories、米国)と組み合わせて使用した。共焦点像(Leica Systems)を2D投影Zシリーズから作成した(63倍対物レンズ)。
〔初代ヒト成体および胎児心筋細胞〕
初代組織は、標準的なインフォームドコンセント手続を用いた個別の同意と、大学医療センター(University Medical Center)(ユトレヒト)の倫理委員会による承認とを得た上で、心臓外科中または妊娠中絶後に取得した。成体心筋細胞は、先に報告されているように(3)、単離し、培養した。胎児心筋細胞は、ランゲンドルフ法によって灌流した胎児心臓から単離し、ガラス製カバースリップ上で培養した。(パッチクランプ)電気生理学用に、低Ca2+濃度のタイロード緩衝液中に細胞を収集した(18)。
〔RT−PCR〕
Ultraspec(Biotecx Laboratories)を使ってRNAを単離し、既述のように逆転写した(全RNA 500ng)(19)。プライマー配列およびPCR条件を表1に示す。臭化エチジウム染色した1.5%アガロースゲル上で産物を解析した。β−アクチンおよびβ−チューブリンをRNA投入量の対照として使用した。
Figure 2006523091
の電気生理学〕
Axopatch 200B増幅器(Axon Instruments Inc.、米国カリフォルニア州フォスターシティー)を使って、自発的拍動領域で、33℃の細胞からデータを記録した。ホールセル電圧固定モードでセルアッタチトパッチを作製した。ピペットオフセット、シリーズ抵抗およびトランジエントキャンセレーション(transient cancellation)を補償した後、200B増幅器の電流固定モードに切り替えることにより、活動電位を記録した。AD/DAC LAB PC+収集ボード(National Instruments、米国テキサス州オースチン)を装着したPentium (登録商標)IIIを使って、出力信号を4kHzでデジタル化した。1〜3MΩの抵抗を有するパッチピペットを使用した。槽媒質は、NaOHでpH7.45に調節した140mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのCaCl2、10mMのHEPESである。ピペット組成:KOHでpH7.30に調節した145mMのKCl、5mMのNaCl、2mMのCaCl2、4mMのEGTA、2mMのMgCl2、10mMのHEPES。ベラパミルは、表示のとおり、5μMで使用した。
〔カルシウム測定〕
細胞を10μMのfura2-AMにより37℃で15分間標識した。2つの励起モノクロメータ(SPEXフルオロログ、SPEX Industries、米国ニュージャージー州エジソン)からの光を340(8)nmと380(8)nmの間で素早く交替させ、UV光ファイバーで顕微鏡に接続した。蛍光強度像を生細胞から最大速度120ms/ペアで記録し、背景蛍光について補正した。較正には5μg/mlイノマイシンおよび4mMのEGTA(pH8)を細胞に添加した後の最小比(Rmin)および5μg/mlイノマイシンおよび10mMのCaCl2を添加した後の最大比(Rmax)を用いた。カルシウム濃度を以下のように計算した:(R−Rmin)/(Rmax−R)×sf2/sb2×Kd(20)。
〔ダイカップリング(dye coupling)〕
3%w/vルシファーイエローリチウム塩(Molecular Probes、オランダ・ライデン)/150mMのLiClの濾過溶液を、Quickfillガラス微小電極(Clark Electromedical Instruments、英国パングボーン)を通して微量注入した。色素は、1Hz方形波(デューティサイクル50%)、振幅5×10-9Aにより、自発的に拍動する細胞群の一つに注入した。注入後直ちに、注入した領域の共焦点レーザー走査顕微鏡像を作成した。
[結果]
〔ヒトES細胞の心筋細胞分化〕
FCS含有培地中でmit.C処理MEFとの共培養によって維持された未分化hES細胞の場合(3)(図1A)、細胞の約60%はoct−4について核染色を示し、扁平な細胞については陰性だった(図1B)。このようにoct−4発現は未分化細胞の表現型特徴と相関した。未分化細胞の小さい塊を新しいMEFに移すか、END−2細胞のコンフルエント培養物に移すことによって、hES細胞を継代培養した。約5日後に上皮細胞が明白になり、それは徐々に液体で満たされた嚢胞になった(図1C)。これらはアルファフェトプロテインについて染色されたことから(図1H)、これらが胚外臓側内胚葉を表すことが示唆される。MEF上の対照hES細胞は図1Aに示すとおりだった。hES−ENS−2共培養物では、10日目までに、より堅固な集合体中の律動的に収縮する細胞の領域が明白になり(図1C、矢印)、全体としては様々な形態を示した(図1D)。12穴プレート中のウェルの35±10%(n=30)は拍動領域を含有し、各領域を解離して、再播種することにより、3D形態ではなく2D形態を有する最高12個の新しい拍動細胞コロニーを得ることができた(図1G)。これにより、パッチクランプ電気生理学による特徴付けを行うための細胞へのアクセスが容易になった。MEF上の対照培養物は、拍動筋の証拠も、広範な嚢胞形成も示さなかったが、コロニーの縁部に多くの扁平細胞を有する非常に大きいコロニーを形成した(図示せず)。これに対して、HepG2細胞上のhESは、図1CおよびDに示すような拍動筋の領域を形成せず、通常はHepG2細胞コロニーに付着した。解離前および解離後に、hES由来心筋細胞は、毎分35〜90回拍動する(表2)。心筋細胞コロニーは凍結することができ、融解すると時には拍動を再開した。心筋細胞をさらに特徴づけるために、本発明者らは、筋小胞体中のリアノジン受容体の生体染色剤としてBIDOPY-リアノジンを使用して(図2O、P)、筋節タンパク質に関する免疫蛍光染色を行い(図2A〜G)、RT−PCRによってイオンチャネルの発現を解析した(図3)。それぞれについて、本発明者らは、初代ヒト胎児(16〜17週)および成体心房および/または心室組織を対照として使用した。そのデータから、αアクチニンで染色するとhES由来心筋細胞が、分離した束状に組織化した筋節横紋を示すことがわかった(図2E、F)。これらは、ヒト胎児心筋細胞に観察される束によく似ているが(図2H、K)、個々の筋節はそれほど明確ではなかった。この形態は成人心臓の生検から得られる細胞に観察される高度に組織化した平行な束とはかなり異なっていた(図2M、N)。hES由来心筋細胞はミオシン軽鎖2a、MLC−2v(図示せず)およびトロポミオシン(図2G)でも染色されたが、この場合も筋節はヒト胎児および成体心筋細胞ほどには明白でなかった(図2I、J)。
〔hES/END−2共培養物における心イオンチャネルおよび幹細胞/筋節マーカーの発現〕
未分化hES細胞における心特異的イオンチャネルの発現、ならびにEND−2細胞との共培養を開始してから8日後および15日後の分化細胞における心特異的イオンチャネルの発現を、決定した(図3)。他の研究者が先に示したように(12)、拍動するhES由来心筋細胞の領域はANFを発現させる。心特異的L型カルシウムチャネルのα−サブユニット(α1c)および一過性外向きカリウムチャネル(Kv4.3)も検出され、Kv4.3の発現は拍動の開始より数日早かった。遅延整流カリウムチャネルKvLQT1のRNAは未分化細胞に見いだされたが、初期分化中は転写物が消失し、後期になると再び現われた。
同様の時間経過で、oct−4の発現量が減少し、その間に、抗体染色の結果を反映してアクチニン、MLC−2aおよびMLC−2vの転写物が検出可能になった。
〔電気生理学〕
解離したhES心筋細胞でのパッチクランプ電気生理学は、異なる(電気的)表現型が存在することを示した(図4A)。心室様活動電位が優勢だったが(33中28;表2)、心房様(n=2)、ペースメーカー様(n=1)および血管平滑筋様細胞(n=2)も見いだされた。細胞は拍動していないが、拍動領域と区別がつかない形態をとっている領域では(図1F)、反復活動電位および持続的同期律動収縮を誘導するのに、電流注入で十分だった。非拍動心筋様領域では、RTPCRにより、MLC−2vの転写物も検出された(図示せず)。したがって拍動筋のスコアリングでは、培養中に存在する心筋細胞の数を過小評価する可能性がある。心室様細胞の立ち上がり速度(V/s)は低かったが(8V/s)、培養ヒト胎児心室心筋細胞に匹敵した(ただし付帯的ピーク値が認められた)(表2)。α1−アドレノセプター、β1アドレノセプター(cAMP依存的機序によって調節される)およびニコチン性アセチルコリン受容体は、心機能に影響を及ぼすことが知られている。培養解離hES心筋細胞に対するフェニレフリン、イソプレナリンおよびカルバコールの効果を試験し、培養ヒト胎児心室細胞と比較した(図4B)。カルバコール添加はhES由来心筋細胞およびヒト胎児心室細胞の拍動数を減少させたが、どちらの細胞タイプでもフェニレフリンおよびイソプレナリンに対しては増加が観察された。同様の効果がmES由来心筋細胞(21)およびマウス胎児細胞(22)で報告されている。
Figure 2006523091
測定平均値および平均の標準誤差(S.E.M.)を示す。立ち上がり速度(V/s)は、時間方向を最大に拡大した記録を使って、立ち上がり軌跡の直線部分で測定した。
〔分化hES細胞における[Ca2+iトランジエント〕
解離した自発拍動性hES心筋細胞群で、カルシウム振動を記録した(図5)。5Cにおける鉛直線と比較して図5Bにおける左右方向の反復ラインスキャンの連続的特徴は、図4Aでの活動電位がトップダウン方向に伝播することを示している。この連続的様相は、この同期収縮細胞群における緊密に発達した細胞−細胞結合も示している。[Ca2+iの規則正しい反復振動が単一hES心筋細胞に見いだされる(図5E)。細胞間の結合を単一細胞へのルシファーイエロー注入によって確認したところ、hES由来心筋細胞(図6E)でも初代胎児心筋細胞(図示せず)でも、色素は数分以内にその群内の他の細胞に拡がること、そして個々の細胞間にギャップジャンクションの存在を示すCx43染色が存在すること(図6B、D)がわかった。パンカドヘリン抗体を使った染色により、胎児初代心筋細胞群内およびhES由来細胞群内の細胞間にアドヘレンスジャンクションが存在することも示された(図6A、C)。
L型カルシウムチャネルは心筋細胞へのカルシウム進入の最も有力な経路を構成し、興奮収縮連関における重要成分である。主要な心特異的アイソフォームはα1Cである(23)。特異的α1C抗体(24)を使って、本発明者らは、分化hES培養物(図5F)にも、ヒト胎児心室細胞(図5G)にも、陽性心筋細胞を観察した。これはRT−PCRデータ(図2)と合致している。
[考察]
hES細胞を臨床的に応用する前に、その成長および分化を制御することが重要である。マウスから得られる胚性幹細胞および成体幹細胞はどちらも、マウス胚内のきっかけ(cue)に応答して、(事実上)全ての体組織に分化するようである(25に総説がある)。これらのきっかけおよびそれらが活性化するシグナル伝達系路を同定することができれば、その知識を、培養内および生体内で幹細胞の分化を制御する際に利用することができる。ここに本発明者らは、(臓側)内胚葉が、ヒトES細胞を胎児心室、心房またはペースメーカー細胞の特徴を有する心筋細胞に分化させるシグナルの細胞供給源であることを同定した。内胚葉様の特性を有する細胞がマウスESおよびEC細胞に対してこの効果を有することは様々な研究によって示されてきたが(1、3、26−28)、ヒトES細胞に心筋細胞を形成させるシグナルの誘導細胞供給源が同定されたのは、これが初めてである。VE細胞(END−2)および肝実質細胞(HepG2)は、互いによく似たタンパク質分泌プロファイルを有するので、ES細胞でそれらが同等な応答を誘導する能力を有することは驚くには当たらない。マウスES細胞とは異なり、我々の場合、ヒトES細胞は集合体として成長させても容易には胚様体を形成せず、過成長物での高細胞密度でさえ心筋細胞への「自発的な」分化は決して示さない。これは、hES細胞が心筋細胞を含有する胚様体を形成する他の報告(11〜13)とは対照的である。それでも、再現性のある誘導シグナル供給源の同定は、骨髄ストローマ細胞または卵黄嚢内皮細胞との共培養によって起こるhES細胞の造血細胞への分化を示す最近の報告に匹敵する重要な進歩である(29)。上述のアフリカツメガエル(Xenopus)およびニワトリならびに変異ゼブラフィッシュでの組織組換え実験において、その効果の原因となりうる内胚葉から生じる心原性シグナルのなかで、BMP、FGFおよびwntシグナル伝達の抑制因子は、最も重要でありうることが示唆されている(Olson 30に総説がある)。マウス胚内の内胚葉はBMP2(31)とwntシグナル伝達の阻害因子(32、33)とを発現させる。しかし、hES細胞にBMP2を直接添加しても、心筋細胞分化は起こらず、それどころか、胚外内胚葉を形成するらしかった(図示せず)。したがって、BMPシグナル伝達系路の活性化が、END−2/hES細胞共培養によって惹起される一次事象である可能性は低いと、本発明者らは考える。同様に本発明者らはFGFにも明白な効果を認めなかった。ただしこれらのシグナルは、後段階で、初期中胚葉の心筋芽細胞への分化に関与する可能性はあり、ここに記載する分化を増進するためにBMP、FGFおよびwntアンタゴニストを使用することは考えられることを注記する。発生中の胚様体に脱メチル化剤5−アザシチジンを遅い時期に添加すると、早期に添加した場合より有効であることも示されている(13)。hES細胞分化の注意深い段階的解析と、胚内の内在シグナルを再現または模倣するアプローチとは、特定系統へのhES分化の効率を増加させる可能性が最も高い。また、ホスト細胞と機能的ジャンクションを形成する能力を保っている、約束されてはいる(committed)が未成熟な細胞の移植は、不整脈を持ち込む可能性が最も低いだろう。
筋節組織化は、主に機械的な力によって決定され、それは培養中では完全な心臓と比べて比較的微小である。これは、ここで観察された染色が明確でなく、拍動の維持にもかかわらず6週間にわたって変化がなかったことの説明になりうる(図示せず)。同様に、ジャンクションタンパク質に関する染色でも、hES由来心筋細胞は極めて未成熟であることが示されたが、細胞内Ca2+濃度のリアルタイム決定は、これらの細胞が電気的に結合していることを明確に示した。
Kehatら(11)は、最近、独立して誘導したhES心筋細胞における類似の知見を報告している。
成体哺乳動物心筋では、細胞Ca2+進入が交感神経系によって調節される。L型Ca2+チャネル電流は、心拍数および心臓の収縮活性に寄与するベータ−アドレナリン(ベータ−A)作動薬によって、著しく増加する。
発生中の哺乳類心臓では、この酵素カスケードによるCa2+進入の調節が、明確には樹立されていない。なぜなら、発生が進行するにつれて、受容体密度およびシグナル伝達カスケードの下流要素との結合の変化が起こるからである。本発明者らのデータは、hES由来心筋細胞および胎児心筋細胞におけるL型Ca2+チャネルが、アドレナリン性刺激に応答したことを示しており、これは完全に発達し連結された下流経路を示している。L型Ca2+チャネルを特異的に遮断するベラパミルは、予想どおり、胎児心筋細胞およびhES由来心筋細胞における活動電位を抑制した。これは、L型Ca2+チャネルが存在するにもかかわらず初期細胞が非応答性であったマウス胎児筋細胞およびmES由来心筋細胞とは対照的である。この場合は、cAMP依存性プロテインキナーゼの欠如が制限因子であるらしかった(14、22)。したがって、hES由来心筋細胞および初期ヒト胎児心筋細胞は初期マウス心筋細胞の特徴をいくつか示すものの、それらのカルシウムチャネル調整は、成体マウスのものに似ている。したがってhES細胞は、マウスの場合とはかなり異なるらしい初期ヒト発生中のカルシウムチャネル機能の変化を研究するための優れた系になりうる。さらに、適当なカルシウム操作により、細胞は、移植にとって、より適切なものになる。胎児心房培養物にプラトー型活動電位および非プラトー型活動電位を有する細胞が観察されたことは興味深い。これらは完全な胎児心臓の心房全体に散在することが記載されており(34)、その有意性は明確でないものの、心房筋線維の特殊化(specialization)の指標になりうるとみなされている。非プラトー型はhES由来心筋細胞には観察されなかった。
最後に、本発明者らは、リアノジンまたは抗細胞表面α1cイオンチャネル抗体を使って生体蛍光染色を行うと、混合培養中でこれらの細胞を同定できることを明らかにした。これは、遺伝的操作を行ったり、その生存能を損なったりすることなく、移植用に心筋細胞を単離する手段となりうる。
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END−2細胞との共培養によるhES細胞の分化の誘導。A.MEF「支持細胞」上の未分化hES細胞コロニー。B.Aに示すコロニー領域にある未分化細胞の核oct−4染色。C.END−2細胞と11日間共培養した後の、拍動集合体(矢印)を伴うhES細胞。D.拍動筋集合体の様々な形態。E.hES/END−2共培養中の拍動筋領域を示す位相差像。F.心筋細胞形態を有する非拍動領域の位相差像。G.解離したhES集合体、再播種したもので拍動性、電気生理学に使用したもの。H.アルファフェトプロテインで染色した嚢胞構造。 初代ヒト胎児および成体心筋細胞と比較したhES/END2共培養物中の心筋細胞マーカー。A〜G、O.hES由来心筋細胞。H〜J、P.ヒト胎児心室心筋細胞。K、L.ヒト胎児心房心筋細胞、M.成人心室心筋細胞。N.成人心房心筋細胞。細胞をヘキスト(A、C、M、N)、抗α−アクチニン(緑)(B、E、F、H、M、N)、抗MLC−2a(赤)(N)、抗MLC−2v(赤)(M)および抗トロポミオシン(緑)(D、G、I、J、L)で染色した。hES由来心筋細胞(O)およびヒト胎児心室心筋細胞(P)におけるリアノジン受容体の生体染色。 RT−PCRによるhESおよびEND−2細胞の共培養物での心筋細胞マーカーおよびイオンチャネルmRNAの発現。END−2細胞と8日間にわたって共培養したhES細胞(8d+END−2)、hES拍動筋(BM)、成人心臓でのRT−PCR、およびRNAに直接実行したもの(−RT)。 活動電位および変時応答。A.hES由来拍動心筋細胞ならびに単離ヒト胎児心室および心房細胞における活動電位。B.hES由来心筋細胞および初代ヒト胎児心筋細胞(hfetal)における活動電位に対するベラパミルの効果。C.様々な刺激に対するhESおよびヒト胎児心筋細胞の変時応答;平均拍動頻度±S.E.M。 カルシウムトランジエントおよびL型カルシウムチャネル。A.7つの細胞からなる群の画像スタック(100画像、総時間30秒)の第1画像。線は、画像スタックにおける時間内のラインスキャンを示す。B.時間的に画像スタックに沿った水平線の強度プロット(時間は上から下に流れている)。C.画像からの鉛直線の強度プロット(時間は左から右に流れている)。D.時間順に並べた最初の36画像のイメージスタンプ。E.Aの画像の右上からの単一細胞におけるカルシウムトランジエント。点は画像スタック中の各スライス内の1細胞における同じ関心領域の平均値である。FおよびG.hES(F)およびヒト胎児心室心筋細胞(G)におけるα−アクチニン(緑)およびα1C(赤)陽性細胞の共焦点像。 hES由来心筋細胞およびヒト胎児心筋細胞におけるジャンクション連絡。A、B.ヒト心室胎児心筋細胞。C、D.hES由来細胞。ファロイジン(赤)および抗パンカドヘリン(緑)(A、C)または抗Cx43(緑)(B、D)の二重染色。E.2D投影Zシリーズによって決定すると(上図左から右)、ある拍動hES由来心筋細胞群内の単一細胞(矢印)へのルシファーイエローの注入は、数分以内に複数の細胞(矢じり、左下;位相差、右下)への色素の伝播をもたらす。
【配列表】
Figure 2006523091
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Claims (89)

  1. ヒト胚性幹(hES)細胞の心筋細胞分化を誘導する方法であって、hES細胞を、少なくとも1つの心筋細胞分化誘導因子を排出する細胞と、またはそれから得られる細胞外培地と、分化を誘導する条件下で共培養するステップを含む方法。
  2. 前記少なくとも1つの心筋細胞分化誘導因子を排出する細胞が、マウスVE様細胞がもたらすものと少なくとも実質的に同様のタンパク質排出プロファイルをもたらす、請求項1に記載の方法。
  3. 前記hES細胞が患者自身の組織に由来する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの心筋細胞分化誘導因子を排出する細胞、胚細胞またはそれから得られる細胞外培地へのばく露前、ばく露中またはばく露後に分化状態を制御する遺伝子を導入することによって、前記hES細胞が、その使用に先立ち遺伝子改変されている、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 幹細胞特異的プロモーターの制御下で選択可能マーカーを発現させるベクターを導入することによって、前記hES細胞が遺伝子改変されている、請求項4に記載の方法。
  6. 前記幹細胞特異的プロモーターがOct−4である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記hES細胞が、マーカーにより、前記マーカーが培養を通じて伝達されるように遺伝子改変されている、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記マーカーが、分化hES細胞の集団または未分化hES細胞の集団を培養中に精製するために用いられる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの心筋細胞分化誘導因子を排出する細胞が、胚から単離された臓側内胚葉組織または臓側内胚葉様組織由来の胚細胞である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記臓側内胚葉組織が、初期原腸形成後胚から単離される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記初期原腸形成後胚が、マウス胚(E7.5)である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記胚細胞が、胚性癌腫細胞である、請求項9に記載の方法。
  13. 前記胚性癌腫細胞が臓側内胚葉特性を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記少なくとも1つの心筋細胞分化誘導因子を排出する細胞が、マウスVE様細胞またはそれに由来する細胞である、請求項9に記載の方法。
  15. 前記細胞がEND−2細胞である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記胚細胞が、細胞株または培養細胞に由来する、請求項9に記載の方法。
  17. 前記胚細胞が胚細胞株に由来する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記胚細胞株が、臓側内胚葉の特徴を有する細胞株である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記胚細胞株がEND−2細胞株である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記少なくとも1つの心筋細胞分化誘導因子を排出する細胞が、肝実質細胞である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記肝実質細胞がHepG2である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記hES細胞が、胚に直接由来するか、または胚性幹細胞の培養物に由来する、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記hES細胞が、胚細胞株または胚組織に由来する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記hES細胞が、培養され未分化状態で維持されている、請求項23に記載の方法。
  25. 前記hES細胞が、自発的には心発生を起こさない、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 前記心筋細胞分化誘導因子が分泌タンパク質である、請求項1〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記分泌タンパク質が、分化を調節しトリガーする成長因子またはサイトカインである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記hES細胞と、前記分化因子を提供する細胞とが、インビトロで共培養される、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
  29. 培養胚細胞の増殖によって生成された胚細胞の単層に前記hES細胞を導入するステップを含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記胚細胞の単層が実質上コンフルエントに成長しており、前記胚細胞の細胞外培地の存在下で、前記hES細胞の特定の細胞タイプへの分化を誘導するのに十分な時間、前記hES細胞を成長させる、請求項29に記載の方法。
  31. 胚細胞の細胞外培地を含有するが、胚細胞は存在しない培養物中で、前記hES細胞を成長させる、請求項30に記載の方法。
  32. 前記胚細胞と前記hES細胞とが、フィルターにより、または寒天などの非細胞マトリックスにより、互いに分離されている、請求項31に記載の方法。
  33. 分化hES細胞を取得するための条件が、幹細胞の再生は許容しないが、幹細胞を殺すことも、幹細胞をもっぱら胚外系統に分化させることもないような条件である、請求項1〜32のいずれかに記載の方法。
  34. hES細胞成長に最適な条件からの漸進的離脱が、hES細胞の特定の細胞タイプへの分化に有利に働く、請求項33に記載の方法。
  35. 好適な培養条件が、分化速度および/または分化効率を増加させうるDMSO、レチノイン酸、FGFまたはBMPの共培養への添加を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記胚細胞をコンフルエントに成長させ、その後、前記細胞のさらなる分裂を防ぐ薬剤にばく露する、請求項30に記載の方法。
  37. 前記薬剤がマイトマイシンCである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記胚単層の層が、前記hES細胞を添加する2日前に樹立される、請求項36に記載の方法。
  39. 前記hES細胞を分散させ、その後、胚細胞の単層に導入する、請求項38に記載の方法。
  40. 前記hES細胞と前記胚細胞とが、前記hES細胞の実質的部分が分化するまで、2〜3週間にわたって共培養される、請求項39に記載の方法。
  41. 自発的には心発生を起こさないhES細胞から産生された分化心筋細胞。
  42. 請求項1〜40のいずれかに記載の方法によって産生された分化心筋細胞。
  43. 心特異的筋節タンパク質を発現し、心筋細胞に特有な変時応答、イオンチャネルの発現および機能を示す、請求項41または請求項42に記載の分化心筋細胞。
  44. ヒト胎児培養心室細胞に似ている、請求項41または請求項42に記載の分化心筋細胞。
  45. ヒト胎児培養心房細胞に似ている、請求項41または請求項42に記載の分化心筋細胞。
  46. ヒト胎児培養ペースメーカー細胞に似ている、請求項41または請求項42に記載の分化心筋細胞。
  47. 結合している、複数の、請求項41〜46のいずれかに記載の分化心筋細胞。
  48. 前記結合が機能的である、請求項47に記載の複数の分化心筋細胞。
  49. 前記結合が物理的である、請求項47に記載の複数の分化心筋細胞。
  50. 前記結合が、ギャップジャンクションによる結合である、請求項47に記載の複数の分化心筋細胞。
  51. 前記結合が、アドヘレンスジャンクションによる結合である、請求項47に記載の複数の分化心筋細胞。
  52. 前記結合が電気的結合である、請求項47に記載の複数の分化心筋細胞。
  53. 請求項41に記載の分化心筋細胞のコロニー。
  54. 請求項41に記載の分化心筋細胞から拍動領域を解離することによって産生された分化心筋細胞のコロニー。
  55. 請求項1〜40のいずれかに記載の方法によって産生された分化心筋細胞から拍動領域を解離することによって産生された分化心筋細胞のコロニー。
  56. 前記解離した細胞が再播種される、請求項53〜55のいずれかに記載のコロニー。
  57. 前記解離した細胞が二次元的形態をとる、請求項56に記載のコロニー。
  58. 請求項41〜46のいずれかに記載の分化心筋細胞を含む、ヒト培養心筋細胞の研究モデル。
  59. 心筋細胞移植療法の開発における請求項58に記載のモデルの使用。
  60. 心機能の研究における請求項58に記載のモデルの使用。
  61. 電気生理学の研究における請求項58に記載のモデルの使用。
  62. 初期ヒト発生中の心筋細胞機能の変化の研究における請求項58に記載のモデルの使用。
  63. イオンチャネル機能の研究における請求項58に記載のモデルの使用。
  64. 初期ヒト発生中のカルシウムチャネル機能の変化の研究における請求項58に記載のモデルの使用。
  65. 心房筋線維の特殊化の研究における請求項58に記載のモデルの使用。
  66. 請求項41〜46のいずれかに記載の分化心筋細胞を含む、心血管薬試験用のインビトロ系。
  67. 変異hES細胞に対して行われた、請求項41〜46のいずれかに記載の変異型分化心筋細胞。
  68. 請求項67に記載の変異型分化心筋細胞を使用するステップを含む、心筋細胞の分化および電気生理学の研究方法。
  69. 請求項67に記載の変異型分化心筋細胞を含む、心血管薬試験用のインビトロ系。
  70. 請求項67に記載の変異型分化心筋細胞を試験細胞として使用するステップを含む、心血管薬試験のインビトロ法。
  71. 混合培養中の請求項41〜46のいずれかに記載の分化心筋細胞を同定するための、リアノジンまたは抗細胞表面α1cイオンチャネル抗体を用いる生体蛍光染色の使用。
  72. 移植のための心筋細胞の単離における、請求項71に記載のリアノジンまたは抗細胞表面α1cイオンチャネル抗体を用いる生体蛍光染色の使用。
  73. 適切な担体と共に製剤化された、請求項41〜46のいずれかに記載の分化心筋細胞。
  74. 移植、細胞療法または遺伝子療法への、請求項41〜46のいずれかに記載の分化心筋細胞の使用。
  75. 心臓疾患または心臓状態を患っている対象の心機能を回復させる方法における、請求項41〜46のいずれかに記載の分化心筋細胞の使用。
  76. 心疾患または心状態を処置または予防する方法であって、請求項41〜46のいずれかに記載の単離された分化心筋細胞および/また請求項1〜40のいずれかに記載の方法に従って処理した場合に心筋細胞に分化する能力を有する細胞を、対象の心組織に導入するステップを含む方法。
  77. 前記単離された心筋細胞が対象の損傷した心組織に移植される、請求項76に記載の方法。
  78. 対象における心機能の回復をもたらす、請求項77に記載の方法。
  79. 心組織を修復する方法であって、請求項41〜46のいずれかに記載の単離された心筋細胞および/または請求項1〜40のいずれかに記載の方法に従って処理した場合に心筋細胞に分化する能力を有する細胞を、対象の損傷した心組織に導入するステップを含む方法。
  80. 前記対象が心疾患または心状態を患っている、請求項79に記載の方法。
  81. 前記対象における心機能の回復をもたらす、請求項79または80に記載の方法。
  82. 請求項41〜46のいずれかに記載の分化心筋細胞と担体とを含む細胞組成物。
  83. 心機能回復能力を試験するための心筋梗塞モデルにおける請求項41〜46のいずれかに記載の心筋細胞の使用。
  84. 心筋細胞または適切な前駆体を適切なホスト動物に移植した後の心修復の程度を評価するために設計された心筋モデルにおける請求項41〜46のいずれかに記載の心筋細胞の使用。
  85. 前記ホスト動物が、分化心筋細胞の汎用レシピエントとして用いられる、梗塞後の心筋変性のモデルとして作出された免疫不全動物である。請求項84に記載の心筋モデル
  86. 前記動物が、ネズミ、ヒツジ、ウシ、イヌ、ブタまたは非ヒト霊長類である、請求項85に記載の心筋モデル。
  87. 心臓組織の電気生理学的特徴または心臓機能が、これらの動物における心修復を測定するために用いられる、請求項86に記載の心筋モデル。
  88. 収縮機能が、心臓の体積および圧力変化から評価される、請求項87に記載の心筋モデル。
  89. 心室収縮機能が評価される、請求項87に記載の心筋モデル。
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