JP2006522801A - カルボニル化方法 - Google Patents
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Abstract
本発明によると、カルボニル化方法は、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有する脂肪族部位を有する化合物の形態の少なくとも1種の不飽和反応体、一酸化炭素および求核補助反応体を第VIII族金属触媒の存在下で反応させることにより単一単位の反応形態の該不飽和反応体を含む生成物を生成させることを含む。触媒は、第VIII族金属の供給源、第VIII族金属に配位する配位化合物であって、リン、ヒ素およびアンチモンから選択される少なくとも1つの原子を含む配位化合物、および一般式(II):
【化14】
(式中、R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、それぞれが有機基を含む)のアニオンまたはその供給源の反応により調製されるものである。
【化14】
(式中、R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、それぞれが有機基を含む)のアニオンまたはその供給源の反応により調製されるものである。
Description
本発明は、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有する脂肪族部位を有する化合物の形態の不飽和反応体のカルボニル化方法に関するものであり、具体的には該不飽和反応体を、カルボニル化触媒の存在下で、一酸化炭素および求核補助反応体と反応させることにより単一単位の反応形態の該不飽和反応体を含む生成物を生成させることを特徴とするカルボニル化方法に関する。
オレフィン系不飽和化合物やアセチレン系不飽和化合物等の不飽和化合物のカルボニル化反応は、本技術分野で周知である。オレフィンのカルボニル化は、数多くの欧州特許および特許出願、例えば、EP−A−0495548、EP−A−0227160、EP−A−0495547、EP−A−0489472、EP−A−0282142、EP−A−04489472、EP−A−0106379およびEP−A−0799180に記載されている。アセチレン系不飽和化合物のカルボニル化の例は、EP−A−0499329、EP−A−0441447およびWO9515938に見られる。
上記補助反応体の性質に応じて、上記不飽和化合物を、エステル、酸、無水物、チオエステル、アミド等に変換してもよい。第VIII族金属触媒の存在下におけるオレフィンの求核化合物によるカルボニル化は、テキストブック年ew Syntheses with Carbon Monoxide Ed. J. Falbe (Springer-Verlag 1980)に包括的に記載されている。カルボニル化反応は、有機配位子と配位錯体状態の1つ以上の第VIII族金属カチオンと適当なアニオンとを含む活性触媒系の影響下で進行すると考えられる。
適切な有機配位子は、通常、単座または二座配位子から選択される。
アニオンの供給源は、通常、プロトン酸である。特に好ましいのは、非配位アニオンまたは弱配位アニオンの供給源である。ハロゲン化物アニオン、特に塩化物アニオンは、パラジウム(第VIII族金属)とかなり強く配位する傾向にあるので、アニオンは、好ましくは、ハロゲン化水素酸を除く強酸から誘導されるものである。
上記カルボニル化反応の主な欠点は、有機ホスフィンなどの配位子が、触媒中間体および/または反応生成物および/または試薬および/または反応希釈剤と反応して不活性ホスホニウム塩を形成する傾向にあることである(例えば、R. P. Tooze et al. J. Chem. Soc., Dalton Trans.; (2000); 3441を参照)。安定化配位子の濃度の低下により生じる触媒活性および安定性の低下は、これらの反応を商業的観点から見て好ましくないものにしている。
このような場合の具体的な例は、酸助触媒(これはアニオンの供給源である)がアルコール(もっとも顕著なのは補助反応体がメタノールの場合)と反応してエステル化された酸の画分をもたらし得るヒドロエステル化反応(不飽和反応体と、求核補助反応体としてのアルコールとのカルボニル化反応)における場合である。この副反応の生成物は、後に遊離の配位子(もっとも顕著なのはトリオルガノホスフィン配位子)と溶液中で反応し、該配位子の不活性ホスホニウム塩を形成する強力なアルカリ化剤として作用し得ると考えられる。このようにして、かなりの量のアニオンおよび配位子が反応媒質から失われる。これは、触媒活性の低下をもたらし、時間とともに、めっきによる金属パラジウムの損失をもたらす。
二座配位子の使用は、単座配位子の場合と比べ、金属カチオンの安定化に必要とされる二座配位子の濃度がかなり低いことにより、触媒作用の過程において形成される不活性配位子種の形成を一部低減すると一般的に理解されている。脂肪族ジホスフィンの形態のかかる二座配位子の例は、EP−A−0227160、EP−A−0495547、EP−A−0495548およびWO9619434に開示されている。
カルボニル化反応における配位子損失の問題は、WO97/03943に開示されているように、より弱いカルボン酸をアニオンの供給源(助触媒としても知られる)として使用することによっても低減され得る。不活性ホスホニウム塩の形成は、実際に低減されたが、メタンスルホン酸などの強酸助触媒と比較すると、後に全体的な触媒活性の低下を伴う。この問題を解決するため、立体障害性カルボン酸の使用がEP−A−0495547に開示されている。バルキーな置換基の使用は、誘導体化アニオンが金属カチオンと配位する傾向を最小限に抑える傾向にあり、それにより、より活性な触媒が形成される。しかしながら、弱酸は、強酸よりも求核補助反応体と急速に不可逆的に反応する傾向にあり、それにより、不純物含量が増加し、この方法の魅力を低下させている。
EP−A−0121965には、第VIII族金属カチオンを含有するカルボニル化触媒、二座配位子および酸助触媒の存在下でのアルケンと一酸化炭素との共重合(pKaは2未満)が記載されている。この特許は、共重合条件下におけるメタンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸のような強酸の存在下での配位子の塩形成についてはなんら開示していない。実質的に非配位性のアニオンを供給する強酸助触媒の使用が活性カルボニル化触媒の形成には必須であることが分かる。残念ながら、単一単位の反応形態の不飽和反応体を含む生成物を生成させるための不飽和反応体のカルボニル化反応におけるメタンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸等の強酸助触媒の使用と配位子の塩形成の増大との間には直接的な相関性があるようである。
下記一般式(I)を有する助触媒として機能するある種のホウ素含有酸(アニオンの供給源として)の使用が、EP−A−0396268、EP−A−0391579、EP−A−0315318およびEP−A−0314309に記載されており、具体的には、オレフィンおよび一酸化炭素からのポリケトンの調製に関するものである。かかるポリケトンは、多数の単位の反応形態の不飽和反応体(オレフィン)を含むことが理解される。これらのホウ素含有助触媒は高度に活性なパラジウム触媒を生成するのに十分強い酸である。
(式中、Rはこれらの特許出願中において規定されている有機基である。)
本発明者らは、不飽和反応体のカルボニル化反応において既知の有機強酸助触媒(例えばメタンスルホン酸)に代えて上記式(I)のアニオンを使用して単一単位の反応形態の不飽和反応体を含む生成物を生成させると、遊離配位子の不活性塩の形成が十分低減されることを見出した。これらアニオンは適切な金属カチオンを活性化し、比較的高い触媒活性を有するカチオン錯体を形成することができた。この利点は先行技術には示されておらず、この結果は全く予想外なものであった。
本発明によると、カルボニル化方法は、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有する脂肪族部位を有する化合物の形態の少なくとも1種の不飽和反応体、一酸化炭素および求核補助反応体を第VIII族金属触媒の存在下で反応させることにより単一単位の反応形態の不飽和反応体を含む生成物を生成することを含み、ここで触媒は、
i)第VIII族金属の供給源;
ii)第VIII族金属に配位する配位化合物であって、リン、ヒ素およびアンチモンから選択される少なくとも1つの原子を含む配位化合物;および
iii)一般式(II):
i)第VIII族金属の供給源;
ii)第VIII族金属に配位する配位化合物であって、リン、ヒ素およびアンチモンから選択される少なくとも1つの原子を含む配位化合物;および
iii)一般式(II):
(式中、R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、それぞれが有機基を含む)のアニオンまたはその供給源の反応により調製されるものである。
<アニオンまたはその供給源>
上記式(II)におけるR1およびR2はそれぞれヒドロカルビルまたはヘテロヒドロカルビルを含むことができる。
上記式(II)におけるR1およびR2はそれぞれヒドロカルビルまたはヘテロヒドロカルビルを含むことができる。
本発明の好ましい実施形態においては、R1およびR2の少なくとも一方、好ましくは双方が芳香族化合物または複素芳香族化合物を含む。本発明の好ましい実施形態において、R1およびR2は独立的に、C1〜C6アルキレン、オルトフェニレン、ビフェニレン、下記一般式(III)の部位、下記一般式(IV)の部位
およびこれら各化合物の置換誘導体よりなる群から選ばれる化合物である。置換誘導体は、例えば上記化合物の1つの少なくとも1つのHが、例えばハロゲン、アルキル、アミン、またはニトロ部位で置換されたものを含むことができる。好ましくは、R1とR2とは同一である。
本発明の一実施形態において、アニオンは化合物(V):
またはその置換誘導体を含むことができる。置換誘導体は、例えば上記化合物の少なくとも1つのHが、例えばハロゲン、アルキル、アミンまたはニトロ部位で置換されたものを含むことができる。
本発明の別の実施形態においては、アニオンは、化合物(VI):
またはその置換誘導体を含むことができる。置換誘導体は、例えば上記化合物の少なくとも1つのHが、例えばハロゲン、アルキル、アミンまたはニトロ部位で置換されたものを含むことができる。
好ましくは、アニオンの供給源は該アニオンの共役酸である。
本発明の一実施形態において、アニオンまたはその供給源はその場(in situ)で調製されたものであることができる。ホウ酸とR1およびR2の適当な前駆物質との間の縮合反応によって調製されたものであってもよい。化合物(V)の場合、R1およびR2の前駆物質はカテコールであることができる。化合物(VI)の場合、R1およびR2の前駆物質はサリチル酸であることができる。
本発明の別の実施形態において、アニオンの供給源は予備形成したものであってもよい。
<カルボニル化方法および補助反応体>
本発明の好ましい一実施形態において、カルボニル化方法は、エステルまたはカルボン酸の調製のためのものであることができる。かかる場合において、求核補助反応体はヒドロキシルの供給源を含む。
本発明の好ましい一実施形態において、カルボニル化方法は、エステルまたはカルボン酸の調製のためのものであることができる。かかる場合において、求核補助反応体はヒドロキシルの供給源を含む。
かかる場合において、反応条件は、ポリケトンの代わりにエステルまたはカルボン酸が形成されるように選択されることは認識されよう。これらの適当な反応条件は、本技術分野において周知であり、トリフェニルホスフィンなどの単座配位子、1,3−ビス(ジ−第3級ブチルホスフィノ)プロパンなどの二座配位子、またはこれらの1種以上の組合せの使用を含むことができる。
本発明の好ましい実施形態において、本発明方法は、エステルを調製するためのものであることができ、この場合、求核補助反応体はアルコールを含む。こ場合、この反応は、ヒドロエステル化反応として知られている。メタノール、エタノール、プロパノール、ジオール、多価アルコールおよびフェノールなどの任意の適当なアルコールを使用することができるが、好ましくはメタノールである。
エステルは、好ましくは、脂肪族エステルを含む。エステルは、非分岐生成物を含むことができ、本発明の好ましい一実施形態においてはプオピオン酸メチルを含む。本発明の好ましい一実施形態において、本発明方法は、プロピオン酸メチルの調製方法であって、不飽和反応体がエチレンを含み、かつアルコールがメタノールを含むことができる。この場合、プロピオン酸メチルは、反応形態の不飽和反応体である単一単位のエチルを含むことは理解されよう。
<不飽和反応体>
少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有する脂肪族部位を有する少なくとも1種の不飽和反応体は、オレフィンの形態のオレフィン系化合物またはオレフィン系部位を含む化合物を含むことができる。本発明の好ましい一実施形態において、オレフィン系化合物はオレフィンを含む。しかしながら、オレフィン化合物は、エステル、亜硝酸エステル(nitrite)、アルコール、エーテルおよびアセトール等の官能基を1つ以上含むことができる、オレフィン系部位を含む化合物を包含される。
少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有する脂肪族部位を有する少なくとも1種の不飽和反応体は、オレフィンの形態のオレフィン系化合物またはオレフィン系部位を含む化合物を含むことができる。本発明の好ましい一実施形態において、オレフィン系化合物はオレフィンを含む。しかしながら、オレフィン化合物は、エステル、亜硝酸エステル(nitrite)、アルコール、エーテルおよびアセトール等の官能基を1つ以上含むことができる、オレフィン系部位を含む化合物を包含される。
該少なくとも1つのオレフィンは、好ましくは、ただ1つのオレフィンからなり、該オレフィンは1個の二重結合を含むことができる。該オレフィンは、α−オレフィンからなるものであることができるが、好ましくはエチレンからなる。
<一酸化炭素>
一酸化炭素は、あらゆる適当な一酸化炭素供給源に由来するものであることができる。
一酸化炭素は、あらゆる適当な一酸化炭素供給源に由来するものであることができる。
<触媒>
第VIII族金属触媒は、好ましくは、パラジウム触媒を含む。触媒は、完全に予備形成したものや部分的に予備形成したものであってもよい。例えば、パラジウムの供給源を、別途、配位子と反応させて予備形成した触媒前駆物質化合物を得、これをさらにその場で反応させて活性触媒を調製してもよい。
第VIII族金属触媒は、好ましくは、パラジウム触媒を含む。触媒は、完全に予備形成したものや部分的に予備形成したものであってもよい。例えば、パラジウムの供給源を、別途、配位子と反応させて予備形成した触媒前駆物質化合物を得、これをさらにその場で反応させて活性触媒を調製してもよい。
本発明の好ましい一実施形態においては、パラジウム触媒をその場で調製する。
パラジウムの(有機または無機)塩、例えば、カルボン酸塩および硝酸塩などのあらゆる適当なハロゲン化物無含有パラジウム供給源を使用し得ることができる。本発明の一実施形態においては、パラジウムの供給源は、酢酸パラジウムを含むことができる。
二座配位子も使用することができるが、本発明の好ましい実施形態においては、配位子は単座配位子からなる。配位化合物は、第VA族の中心原子を有する化合物、例えば、有機ホスフィン、有機アルシンおよび有機スチビンを含むことができる。好ましくは、配位化合物は有機ホスフィンを含む。本発明の一実施形態においては、一般式(VII):
P(R3R4R5) ・・・(VII)
(式中、R3、R4およびR5は同一でも異なっていてもよく、独立的にオルガニル基である)の化合物が含まれる。
P(R3R4R5) ・・・(VII)
(式中、R3、R4およびR5は同一でも異なっていてもよく、独立的にオルガニル基である)の化合物が含まれる。
本発明の一実施形態においては、配位化合物はPPh3を含む。
<溶媒>
本反応は、好ましくは、溶媒中で行なう。溶媒としては、アルコールが含まれるが、特に水が補助反応体であってヒドロキシルの供給源として機能する場合にはあらゆる他の溶媒もまた使用することができる。
本反応は、好ましくは、溶媒中で行なう。溶媒としては、アルコールが含まれるが、特に水が補助反応体であってヒドロキシルの供給源として機能する場合にはあらゆる他の溶媒もまた使用することができる。
<反応条件>
触媒系の使用量は、通常は臨界的なものではなく、広い範囲内で変え得る。本発明の触媒系の調製においては、配位子の量は、第VIII族金属の原子1モルあたり配位子のモル数で示した場合、一般には第VIII族金属の量よりもいくぶん過剰に使用される。典型的には、配位子の量は、金属(好ましくはパラジウム)原子1モルあたり1.5〜500モルの範囲内の配位子が存在するように選択される。アニオン供給源の量は、金属カチオン1モルあたり1〜500モルの範囲であることができる。
触媒系の使用量は、通常は臨界的なものではなく、広い範囲内で変え得る。本発明の触媒系の調製においては、配位子の量は、第VIII族金属の原子1モルあたり配位子のモル数で示した場合、一般には第VIII族金属の量よりもいくぶん過剰に使用される。典型的には、配位子の量は、金属(好ましくはパラジウム)原子1モルあたり1.5〜500モルの範囲内の配位子が存在するように選択される。アニオン供給源の量は、金属カチオン1モルあたり1〜500モルの範囲であることができる。
本発明の方法は、好ましくは、20℃〜250℃、特に50℃〜150℃、より特別には75℃〜120℃の温度で行なわれる。
本発明方法は5〜70バールの全圧下で行なうことができる。より高圧を使用してもよい。
本発明の別の一態様によれば、一般式(II):
(式中、R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、それぞれが有機基を含む)のアニオンまたはその供給源のカルボニル化における使用方法であって、該カルボニル化が、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有する脂肪族部位を有する化合物の形態の少なくとも1種の不飽和反応体と、一酸化炭素と、求核補助反応体とを第VIII族金属触媒の存在下で反応させることにより単一単位の反応形態の該不飽和反応体を含む生成物を生成させることを含み、該触媒が、
i)第VIII族金属の供給源;
ii)該第VIII族金属に配位する配位化合物であって、リン、ヒ素およびアンチモンから選択される少なくとも1つの原子を含む配位化合物;および
iii)該一般式(II)のアニオンまたはその供給源
の反応により調製され、それにより該配位化合物の不活性な塩の形成を低減することを特徴とする使用方法が提供される。
i)第VIII族金属の供給源;
ii)該第VIII族金属に配位する配位化合物であって、リン、ヒ素およびアンチモンから選択される少なくとも1つの原子を含む配位化合物;および
iii)該一般式(II)のアニオンまたはその供給源
の反応により調製され、それにより該配位化合物の不活性な塩の形成を低減することを特徴とする使用方法が提供される。
上記の配位化合物の不活性塩の形成の低減は、アニオンの供給源またはアニオンをメタンスルホン酸などの有機強酸に置き換えた以外は同一条件下での同様の反応における低減に匹敵し得る。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は以下の実施例には何ら限定されない。
300ml容のHasteloy Cオートクレーブに、メタノール120ml、Pd(OAc)20.0538g(0.239ミリモル)、PPh33.147g(11.99ミリモル)、B(OH)31.483g(24ミリモル)およびサリチル酸6.629g(48ミリモル)を装入した。次いで、1100rpmで攪拌しながら反応器を20分かけて110℃まで加熱した。温度が安定したら、反応器を、CO:C2H4の1:1混合物で全圧20バールまで加圧した。次いで、ガスの供給を1L容バラスト槽に切り替え(同じガス混合物)、反応の進行を、バラスト槽内の圧力低下により追跡した。1時間につき、パラジウム1モルあたり1020モルのプロピオン酸メチル形成の初期反応速度が観測された。触媒を約1000触媒サイクル作用させた後、反応器からサンプルを取り出し、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネートの量を、内部標準として(Bu)3P(O)を用い、31P−NMRにより定量した。31P−NMRスペクトルにより、溶液中に、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネート(不活性ホスホニウム塩)が存在しないことが示された。(すべての反応において形成された少量のトリフェニルホスフィンオキシドは、ホスフィン分解によるホスホニウム塩とはみなさなかった。トリフェニルホスフィンの同時酸化を伴う酢酸パラジウムの化学量論的還元は以前に報告されている(C. Amatore et al. Organometallics.; (1992); 11; 3009参照)。反応混合物の同じサンプルのGC解析により、プロピオン酸メチルに対する98%の選択性が示された。
別々の量のB(OH)3およびサリチル酸に代え、反応混合物に予備形成ボロサリチル酸(borosalicylic acid)6.693gを添加して実施例1を繰り返した。1時間につき、パラジウム1モルあたり886モルのプロピオン酸メチル形成の初期反応速度が観測された。触媒を約1000触媒サイクル作用させた後、反応器からサンプルを取り出し、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネートの量を、内部標準として(Bu)3P(O)を用い、31P−NMRにより定量した。31P−NMRスペクトルにより、溶液中に、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネートが存在しないことが示された。反応混合物の同じサンプルのGC解析により、プロピオン酸メチルに対する98%の選択性が示された。
実施例1および2の双方において、配位化合物(トリフェニルホスフィン)の損失は、形成されたエステル(プロピオン酸メチル)1グラムあたり、1%未満(質量基準)まで低減された。
(比較実験)
比較実験として、ボロサリチル酸に代え、反応混合物にメタンスルホン酸1.557ml(24ミリモル)を添加して実施例1を繰り返した。1時間につき、パラジウム1モルあたり2144モルのプロピオン酸メチル形成の初期反応速度が観測された。触媒を約1000触媒サイクル作用させた後、反応器からサンプルを取り出し、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネートの量を、内部標準として(Bu)3P(O)を用い、31P−NMRにより定量した。31P−NMRスペクトルにより、溶液中で、トリフェニルホスフィンの72%がメチルトリフェニルホスホニウムスルホネートに変換されたことが示された。反応混合物の同じサンプルのGC解析により、プロピオン酸メチルに対する98%の選択性が示された。
比較実験として、ボロサリチル酸に代え、反応混合物にメタンスルホン酸1.557ml(24ミリモル)を添加して実施例1を繰り返した。1時間につき、パラジウム1モルあたり2144モルのプロピオン酸メチル形成の初期反応速度が観測された。触媒を約1000触媒サイクル作用させた後、反応器からサンプルを取り出し、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネートの量を、内部標準として(Bu)3P(O)を用い、31P−NMRにより定量した。31P−NMRスペクトルにより、溶液中で、トリフェニルホスフィンの72%がメチルトリフェニルホスホニウムスルホネートに変換されたことが示された。反応混合物の同じサンプルのGC解析により、プロピオン酸メチルに対する98%の選択性が示された。
(比較実験)
比較実験として、ボロサリチル酸に代え、反応混合物にトリフルオロ酢酸2.616g(24ミリモル)を添加して実施例1を繰り返した。1時間につき、パラジウム1モルあたり572モルのプロピオン酸メチル形成の初期反応速度が観測された。触媒を約1、000触媒サイクル作用させた後、反応器からサンプルを取り出し、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネートの量を、内部標準として(Bu)3P(O)を用い、31P−NMRにより定量した。31P−NMRスペクトルにより、溶液中で、トリフェニルホスフィンの24%がメチルトリフェニルホスホニウムスルホネートに変換されたことが示された。反応混合物の同じサンプルのGC解析により、プロピオン酸メチルに対する90%の選択性が示された。
比較実験として、ボロサリチル酸に代え、反応混合物にトリフルオロ酢酸2.616g(24ミリモル)を添加して実施例1を繰り返した。1時間につき、パラジウム1モルあたり572モルのプロピオン酸メチル形成の初期反応速度が観測された。触媒を約1、000触媒サイクル作用させた後、反応器からサンプルを取り出し、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネートの量を、内部標準として(Bu)3P(O)を用い、31P−NMRにより定量した。31P−NMRスペクトルにより、溶液中で、トリフェニルホスフィンの24%がメチルトリフェニルホスホニウムスルホネートに変換されたことが示された。反応混合物の同じサンプルのGC解析により、プロピオン酸メチルに対する90%の選択性が示された。
6.629gのサリチル酸に代え、5−クロロサリチル酸8.136g(24ミリモル)を添加して実施例1を繰り返した。1時間につき、パラジウム1モルあたり780モルのプロピオン酸メチル形成の初期反応速度が観測された。触媒を約1、000触媒サイクル作用させた後、反応器からサンプルを取り出し、メチルトリフェニルホスホニウムスルホネートの量を、内部標準として(Bu)3P(O)を用い、31P−NMRにより定量した。31P−NMRスペクトルにより、溶液中で、トリフェニルホスフィンの3%がメチルトリフェニルホスホニウムスルホネートに変換されたことが示された。反応混合物の同じサンプルのGC解析により、プロピオン酸メチルに対する98%の選択性が示された。
本発明の趣旨から逸脱することなく、詳細における多くの変形が可能であることは、認識されよう。
Claims (17)
- 少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有する脂肪族部位を有する化合物の形態の少なくとも1種の不飽和反応体;一酸化炭素;および求核補助反応体を第VIII族金属触媒の存在下で反応させることにより単一単位の反応形態の該不飽和反応体を含む生成物を生成させるカルボニル化方法であって、該触媒が、
i)第VIII族金属の供給源;
ii)該第VIII族金属に配位する配位化合物であって、リン、ヒ素およびアンチモンから選択される少なくとも1つの原子を含む配位化合物;および
iii)一般式(II):
- R1およびR2の双方が芳香族化合物または複素芳香族化合物を含む請求項1記載のカルボニル化方法。
- 前記アニオンまたはその供給源を、ホウ酸とR1およびR2の適当な前駆物質との間の縮合反応によりその場で調製する請求項1〜5のいずれか一項に記載のカルボニル化方法。
- エステルを調製するための方法であって、前記求核補助反応体がアルコールを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のカルボニル化方法。
- プロピオン酸メチルを調製するための方法であって、前記不飽和反応体がエチレンを含み、かつ前記アルコールがメタノールを含む請求項7記載のカルボニル化方法。
- 前記第VIII族金属がパラジウムを含む請求項1〜8のいずれか一項記載のカルボニル化方法。
- 前記触媒をその場で調製する請求項9記載のカルボニル化方法。
- 前記配位化合物が、一般式(VII):
P(R3R4R5) ・・・・・(VII)
(式中、R3、R4およびR5は同一でも異なっていてもよく、独立的にオルガニル基である)の化合物を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のカルボニル化方法。 - 前記配位化合物がPPh3を含む請求項11記載のカルボニル化方法。
- 溶媒中で行う請求項1〜12のいずれか一項に記載のカルボニル化方法。
- 一般式(II):
i)第VIII族金属の供給源;
ii)該第VIII族金属に配位する配位化合物であって、リン、ヒ素およびアンチモンから選択される少なくとも1つの原子を含む配位化合物;および
iii)該一般式(II)のアニオンまたはその供給源
の反応により調製され、それにより該配位化合物の不活性な塩の形成を低減することを特徴とする使用方法。 - 前記の配位化合物の不活性塩の形成の低減が、前記アニオン供給源または前記アニオンをメタンスルホン酸に置き換えた以外は同一条件下での同様の反応における低減に匹敵する請求項14記載の使用方法。
- 実質的に本明細書の実施例1、2および5に記載したカルボニル化方法。
- 実質的に本明細書の実施例1、2および5に記載したカルボニル化におけるアニオンの使用方法。
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