JP2006520799A - 平滑筋調節因子およびα2δサブユニットカルシウムチャネル調節因子を用いた、下部尿路障害を処置するための方法 - Google Patents

平滑筋調節因子およびα2δサブユニットカルシウムチャネル調節因子を用いた、下部尿路障害を処置するための方法 Download PDF

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Abstract

正常な患者および脊髄損傷患者において、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または緩和するための、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子、またはαδカルシウムチャネルサブユニットと相互作用する他の成分を、平滑筋調節効果を有する1種以上の化合物と組み合わせて使用する方法が提供される。本発明によれば、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としては、GABAアナログ(例えば、ギャバペンチンおよびプレギャバリン)、ギャバペンチンの縮合二環式もしくは三環式のアミノ酸アナログ、およびアミノ酸化合物が挙げられる。平滑筋調節効果を有する化合物としては、抗ムスカリン作用薬、β3アドレナリン作動性アゴニスト、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニストおよび一酸化窒素供与体が挙げられる。

Description

本発明は、正常な患者および脊髄損傷患者において、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または緩和するための、GABAアナログ(例えば、ギャバペンチンおよびプレギャバリン)、ギャバペンチンの縮合二環式もしくは三環式のアミノ酸アナログ、アミノ酸化合物、およびαδカルシウムチャネルサブユニットと相互作用する他の化合物を含むαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を、平滑筋調節因子と組合せて使用する方法に関する。
(発明の背景)
下部尿路障害は、毎年米国において百万人という男女の生活の質に影響する。下部尿路の障害としては、過活動膀胱、前立腺炎、および慢性非細菌性前立腺疼痛症候群(prostadynia)、間質性膀胱炎、良性前立腺肥大、および関連する刺激症状、または閉塞症状、ならびに脊髄損傷患者においては、痙性膀胱が挙げられる。
過活動膀胱は、米国では1700万〜2000万の人に影響すると見積もられる処置可能な医学的状態である。過活動膀胱に対する現在の処置としては、投薬、食餌の変更、膀胱トレーニングプログラム、電気的刺激および外科手術が挙げられる。現在のところ、抗ムスカリン作用薬(抗コリン作用薬の一般的クラスのサブタイプである)が、過活動膀胱の処置のために用いられる一次治療である。この処置は、有効性が限定されており、そして口渇、ドライアイ、膣乾燥、動悸、眠気および便秘のような、ある個体にとっては許容することが困難であることが判明している副作用を被る。
近年では、OABは、尿の明白な減少のない尿意逼迫および尿の減少を伴う尿意逼迫に分けることができるということが当業者には理解されている。例えば、近年の研究では、米国の集団のうちある社会集団に基づいたサンプルの生活の質に対する全てのOAB症候群の影響を評価した(Libermanら(2001)Urology 57:1044〜1050)。この研究によって、尿の明白な減少のないOABに罹患している個体群は、コントロールに比較して生活の質が損なわれていることが実証された。さらに、尿意逼迫のみを有する個体は、コントロールと比較してクオリティーオブライフが損なわれている。
前立腺炎および慢性非細菌性前立腺疼痛症候群(prostadynia)は、成人男性集団の約2〜9%に影響すると示唆されている他の下部尿路障害である(Collins M Mら(1998)J.Urology,159:1224〜1228)。現在のところ、前立腺炎および慢性非細菌性前立腺疼痛症候群に対する確立された処置はない。多くの場合、抗生物質が処方されるが、有効性は乏しいことが証明されている。COX−2選択性インヒビターおよびα−アドレナリンブロッカーが、処置について示唆されているが、その有効性は確立されていない。ある程度の症状の緩和を提供するために、熱い座浴および抗コリン薬も使用されている。
間質性膀胱炎は、若齢および中年の女性に主に影響するが男性および小児にも影響し得る、病因が未知の別の下部尿路障害である。間質性膀胱炎に対する過去の処置としては、抗ヒスタミン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム(sodium pentosanpolysulfate)、ジメチルスルホキシド、ステロイド、三環系抗うつ薬、および麻薬アンタゴニストの投与が挙げられているが、これらの方法は一般に成功していない(Sant,G.R.(1989)Interstitial cystitis:pathophysiology,clinical evaluation and treatment.Urology Annal 3:171〜196)。
良性前立腺肥大(BPH)は、40歳を超える男性では極めて一般的な前立腺の非悪性の拡大である。良性前立腺肥大の刺激症状としては、尿意逼迫、頻尿および夜間多尿が挙げられる。良性前ッ率線肥大に関する閉塞症状としては、尿の力および尿流速度の減少が挙げられる。BPHに対する侵襲性の処置としては、前立腺の経尿道切除術、前立腺の経尿道切開、前立腺のバルーン拡張、前立腺ステント、マイクロ波療法、レーザー前立腺摘除術、経直腸高強度集束超音波治療(transrectal high−intensity focused ultrasound therapy)および前立腺の経尿道ニードルアブレーションが挙げられる。しかし、これらの処置のうちのいくつかの使用を介して、逆行性射精、インポテンス、術後尿路感染およびある程度の失禁を含む合併症が生じ得る。BPHに対する非侵襲性の処置としては、アンドロゲン枯渇療法、ならびに5α−リダクターゼインヒビターおよびα−アドレナリンブロッカーの使用が挙げられる。しかし、これらの処置は、ある患者では効果がほとんどないか中程度であることが証明されている。
下部尿路障害は特に、脊髄損傷を被っている個体では問題である。脊髄損傷後に、膀胱は一般に、以下の2つの状態のうちの1つに影響される:1)膀胱が尿で満たされて、反射が自動的に膀胱を空にするように誘引する、「痙攣性(spastic)」もしくは「反射性(reflex)」の膀胱;または2)膀胱筋の反射がないか、または遅い「弛緩性(flaccid)」もしくは「非反射性(non−reflex)」の膀胱。これらの障害についての処置の選択肢としては一般に、間欠的カテーテル法、留置カテーテル法またはコンドームカテーテル法が挙げられるが、これらの方法は、侵襲性であり、不都合であることが多い。尿路括約筋も、脊椎損傷で影響を受けるかもしれず、これによって、膀胱が収縮した場合に、尿路括約筋が弛緩することができなくなる(「協調障害(dyssynergia)」)。協調障害に対する伝統的な処置としては、有効性または外科手術においていくらか矛盾している治療が挙げられる。
正常な患者および脊髄損傷患者における下部尿路障害および関連する刺激性の症状の既存の治療および処置は、有効性に制限があり、患者のコンプライアンスを減らす副作用を伴うので、本発明は、有効性を増加させ、副作用を減少することにより、これらの治療に対して有意な利点を提示する。有害な副作用が軽減されるので、本発明はまた、患者のコンプライアンスを改善する利点を有する。
(発明の要旨)
正常な患者および脊髄損傷患者において、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または緩和するための組成物および方法が提供される。本発明の組成物は、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を、平滑筋調節効果を有する1種以上の化合物と組合せて含む。本発明によれば、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としては、GABAアナログ(例えば、ギャバペンチンおよびプレギャバリン)、ギャバペンチンの縮合二環式もしくは三環式のアミノ酸アナログ、およびアミノ酸化合物が挙げられる。平滑筋調節効果を有する化合物としては、抗ムスカリン作用薬、β3アドレナリン作動性アゴニスト、鎮痙薬、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニストおよび一酸化窒素供与体が挙げられる。本発明の組成物は、上記の化合物、ならびにその薬学的に受容可能であり、かつ、薬理学的に活性な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および他の誘導体の組み合わせを含む。
この組成物は、このような投与を必要とする患者に、正常な患者および脊髄損傷患者における疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または緩和するための治療有効量で投与される。この組成物は、正常な患者および脊髄損傷患者における下部尿路障害に関連する疼痛性および非疼痛性の症状に関連する症状を処置および/または緩和するための有効量が送達されさえすれば、任意の手段の投与方法により投与され得ることが認識される。この組成物は、例えば、徐放性投与、連続投与または必要に応じた投与のために処方され得る。
本発明の1つの利点は、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子または平滑筋調節因子の単回投与に関連する少なくとも1つの有害な副作用が、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を平滑筋調節因子と共に同時に投与することによって軽減されるという点である。αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子が、平滑筋調節因子と組合せて投与される場合、より少ない量の各薬剤が治療効果の達成のために必要とされる。疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に対する同時処置は、有効性に制限があり、患者のコンプライアンスを減らす副作用を伴うので、本発明は、有効性を増加させ、副作用を減少することにより、これらの治療に対して有意な利点を提示する。有害な副作用が減少されるので、本発明はまた、患者のコンプライアンスを改善する利点を有する。
(発明の詳細な説明)
(概要および定義)
本発明は、正常な患者および脊髄損傷患者において、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または緩和するための組成物および方法を提供する。本発明の下部尿路障害としては、以下のような障害が挙げられるがこれらに限定されない:疼痛性および非疼痛性の過活動膀胱、前立腺炎および慢性非細菌性前立腺疼痛症候群(prostadynia)、間質性膀胱炎、良性前立腺肥大、および脊髄損傷患者における、痙攣性膀胱。これらの障害の刺激性の症状としては、尿意逼迫、頻尿および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状が挙げられる。この組成物は、治療有効用量のαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子(ギャバペンチンおよびプレギャバリンを含む)を、平滑筋調節効果を有する1種以上の化合物(抗ムスカリン作用薬(特に、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オール骨格内に組み込まれたアミンを有さないもの)、β3アドレナリン作動性アゴニスト、鎮痙薬、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニストおよび一酸化窒素供与体を含む)と組合せて含む。この方法は、有効量のαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および/またはαδサブユニット含有カルシウムチャネルと相互作用する他の化合物を含む種々の組成物および処方物を、平滑筋調節効果を有する1種以上の化合物と組み合せて投与することによって達成される。
本発明は開示された特定の実施形態に限定されるべきではないこと、ならびに改変および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に包含されることを意図することが理解されるべきである。本明細書中においては特定の用語を使用しているが、それらは、一般的かつ記述的な意味でのみ用いられており、限定を目的とはしない。
本明細書および添付の実施形態において用いられる場合、単数形「1つの(a、an)」および「この、その(the)」とは、文脈が明確に他を示すのでない限り、複数の参照物を含むことが注意されるべきである。従って、例えば、「活性因子(an active agent)」または「薬学的に活性な因子(a pharmacologically active agent)」とは、単独の活性因子と同じく2つ以上の異なる活性因子の組み合わせを含み、「キャリア(a carrier)」という言及は、2つ以上のキャリアの混合物および単独のキャリアを含む、などとなる。
「非疼痛性(non−painful)」とは、患者が、疼痛を生じることも疼痛につながることもないと主観的に述べる、軽度のまたは全身的な不快感を含む感覚または症状を意図する。このような症状は、処置される障害に依存して変化し得るが、一般的には、尿意逼迫、失禁、急迫性失禁、緊張性失禁、頻尿、夜間多尿などが挙げられる。良性前立腺肥大については、非疼痛性の刺激性症状としては、頻尿、切迫、および夜間多尿が挙げられるが、非疼痛性の閉塞性症状としては、尿の力および流速の減少が挙げられる。
「疼痛性(painful)」とは、患者が、疼痛を生じるか、または疼痛につながると主観的に述べる、感覚または症状を意図する。
「下部尿路(lower urinary tract)」とは、腎臓を除く尿路系の全ての部分を意図する。「下部尿路障害(lower urinary tract disorder)」とは、限定はしないが、過活動膀胱、前立腺炎、間質性膀胱炎、良性前立腺肥大、および脊髄損傷患者においては痙性膀胱を含む下部尿路に関与する任意の障害を意図する。「非疼痛性下部尿路障害(non−painful lower urinary tract disorder)」とは、患者が、疼痛が生じることも疼痛につながることもないと主観的に述べる、軽度のまたは全身的な不快感を含む感覚または症状に関与する任意の下部尿路障害を意図する。「疼痛性下部尿路障害(painful lower urinary tract disorder)」とは、患者が、疼痛が生じるかまたは疼痛につながると主観的に述べる、感覚または症状に関与する任意の下部尿路障害を意図する。
「膀胱障害(bladder disorder)」とは、尿路膀胱に関与する任意の状態を意図する。「非疼痛性膀胱障害(non−painful bladder disorder)」とは、患者が、疼痛が生じることも疼痛につながることもないと主観的に述べる、軽度のまたは全身的な不快感を含む感覚または症状に関与する任意の膀胱障害を意図する。「疼痛性膀胱障害(painful bladder disorder)」とは、患者が、疼痛が生じるかまたは疼痛につながると主観的に述べる、感覚または症状に関与する任意の膀胱障害を意図する。
「過活動膀胱(overactive bladder)」とは、完全性でも偶発性でもよく、随意の制御の損失が部分的から全体におよび、尿の減少(失禁)は有無のいずれでもよい、排尿頻度または排泄の欲求の増大によって特徴付けられる下部尿路障害の任意の形態を意図する。「疼痛性過活動膀胱(painful overactive bladder)」とは、患者が、疼痛が生じるか疼痛につながると主観的に述べる、感覚または症状に関与する、上記のような任意の形態の過活動膀胱を意図する。「非疼痛性過活動膀胱(non−painful overactive bladder)」とは、患者が、疼痛が生じることも疼痛につながることもないと主観的に述べる、軽度のまたは全身的な不快感を含む感覚または症状に関与する、上に定義される、任意の形態の過活動膀胱を意図する。非疼痛性症候群としては、尿意逼迫、失禁、切迫失禁、緊張性失禁、頻尿および夜間多尿が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される「OABウェット(OAB wet)」とは、失禁を有する患者における過活動膀胱を記載するが、本明細書において使用される「OABドライ(OAB dry)」とは、失禁のない患者における過活動膀胱を指す。
「尿意逼迫(urinary urgency)」とは、排尿を先送りする機会がほとんどないかまたは全くない、突然の強力な排尿の律動を意図する。「失禁(incontinence)」とは、排尿を含む、排泄機能を制御することができないこと(失禁)を意味する。「切迫失禁(urge incontinence)」または「尿の切迫失禁(urinary urge incontinence)」とは、急激かつ強力な排泄の欲求を伴う尿の不随意的な減少を意図する。「緊張性失禁(stress incontinence)」または「尿の緊急性失禁(urinary stress incontinence)」とは、人が咳をしたり、くしゃみをしたり、笑ったり、運動したり、重いものを持ち上げたりまたは膀胱に圧力をかける何かをしたときに尿を漏らす医学的状態を意図する。「頻尿(urinary frequency)」とは、患者が望むよりも排尿が頻繁であることを意図する。個体が正常に排尿することを予想する1日の回数には人の間でかなりのばらつきがあるので、「患者が望むよりも高頻度(more frequently than the patient desires」とはさらに、患者の病歴上のベースラインよりも1日あたりの回数が多いとして規定される。「病歴上のベースライン(historical baseline)」とはさらに、正常なまたは所望の期間の間に1日あたり患者が排尿する回数の中央値として規定される。「夜間多尿(nocturia)」とは、睡眠から覚醒していて患者が望むよりも高頻度に排尿することを意図する。
「神経因性膀胱(neurogenic bladder)」または、「神経因性過活動膀胱(neurogenic overactive bladder)」とは、限定はされないが、脳卒中、パーキンソン病、糖尿病、多発性硬化症、末梢神経障害または脊髄病変を包含する、障害に起因する神経障害の結果として生じる、本明細書においてさらに記載されるような過活動膀胱を意図する。
「不安定膀胱(detrusor hyperreflexia)」とは、患者がある種類の神経学的障害を有する、阻害されていない排尿筋によって特徴付けられる状態を意図する。「排尿筋不安定性(detrusor instability)」または「不安定な排尿筋(unstable detrusor)」とは、神経学的異常のない状態を意図する。
「前立腺炎(prostatitis)」とは、慢性細菌性前立腺炎および慢性非細菌性前立腺炎を含む、前立腺の炎症に関連する任意のタイプの障害を意図する。「非疼痛性前立腺炎(non−painful prostatitis)」とは、患者が、疼痛が生じることも疼痛につながることもないと主観的に述べる、軽度のまたは全身的な不快感を含む感覚または症状に関与する前立腺炎を意図する。「疼痛性前立腺炎(painful prostatitis)」とは、患者が、疼痛が生じるか疼痛につながると主観的に述べる、感覚または症状に関与する前立腺炎を意図する。
「慢性細菌性前立腺炎(chronic bacterial prostatitis)」とは、その従来の意味で使用されており、前立腺の炎症、ならびに尿および前立腺分泌物の陽性細菌培養を含む、症状に関連する障害を指す。「慢性非細菌性前立腺炎(chronic non−bacterial prostatitis)」とは、その従来の意味で使用され、前立腺の炎症、ならびに尿および前立腺分泌物の陰性細菌培養を含む、症状に関連する障害を指す。「慢性非細菌性前立腺疼痛症候群(prostadynia)」とは、その従来の意味で使用されており、前立腺の炎症のない、上に定義されるような慢性非細菌性前立腺の疼痛性の症状に一般的に関連する障害を指す。
「間質性膀胱炎(interstitial cystitis)」とは、その従来の意味で使用されており、刺激性排尿症状、頻尿、尿意促迫、夜間多尿症、ならびに排尿に関連し、排尿によって軽減される恥骨上または骨盤の疼痛を含む症状をともなう障害を指す。
「良性前立腺肥大(benign prostatic hyperplasia)」とは、その従来の意味で使用され、前立腺の良性の肥大をともなう障害を指す。「良性前立腺肥大の刺激性症状」とは、尿意逼迫、頻尿および夜間多尿を意図する。「良性前立腺肥大の閉塞性症状」とは、尿の力および流速の減少を意図する。
「痙性膀胱(spastic bladder)」または「反射性膀胱(reflex bladder)」とは、その従来の意味で使用され、膀胱が空になることが予測できない脊髄損傷後の状態を指す。
「弛緩性膀胱(flaccid bladder)」または「非反射性膀胱(non−reflex bladder)」とは、その従来の意味で使用され、膀胱筋の反射が存在しないかまたは遅い、脊髄損傷後の状態を指す。
「共同運動障害(dyssynergia)」とは、その従来の意味で使用され、膀胱が収縮する場合、尿路括約筋が弛緩できないことによって患者が特徴付けられる脊髄損傷後の状態を指す。
「刺激性症状」とは一般に、尿意逼迫、失禁、急迫性失禁、頻尿、夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を意図する。「良性前立腺肥大の刺激性症状」とは、尿意逼迫、頻尿および夜間多尿を意図する。
「活性因子」および「薬理学的に活性な因子」という用語は、本明細書中で交換可能に使用され、所望の効果(すなわち、この場合、正常な患者および脊髄損傷患者において、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害および関連する刺激性症状に関連する症状を処置および/または緩和すること)を誘導する、化合物を指す。本明細書中の主な活性因子は、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および/または平滑筋弛緩剤である。本発明は、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を1種以上の平滑筋調節因子と共に投与する、併用療法を含む。このような併用療法は、単一の組成物内で異なる活性因子を投与するか、別の組成物内で異なる活性因子を同時に投与するか、または、異なる活性因子を連続的に投与することによって、実施され得る。併用療法はまた、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子または平滑筋調節因子が既に患者に投与されており、さらなる成分が、患者の薬物レジメンに追加され、さらに、別の個人(例えば、医師または他の医療専門家)が患者に、この組み合わせの別の成分を投与する状況を含み得る。また、所望の効果を誘導する、特別に言及された化合物または化合物のクラスの、誘導体およびアナログも含まれる。
本明細書中で使用される場合、「αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子」という用語は、カルシウムチャネルのαδサブユニットと相互作用(結合現象を含む)して生理学的効果(例えば、チャネルの開口、閉鎖、ブロック、機能的発現のアップレギュレーション、機能的発現のダウンレギュレーション、または脱感作)を生じ得る薬剤(Klugbauerら(1999)J.Neurosci.19:684−691に開示されるようなαδカルシウムチャネルサブユニットのサブタイプを含む)をいう。他に示されない限り、「αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子」という用語は、GABAアナログ(例えば、ギャバペンチンおよびプレギャバリン)、ギャバペンチンの縮合二環式もしくは三環式のアミノ酸アナログ、アミノ酸化合物、および本明細書中にさらに開示されるような、αδカルシウムチャネルサブユニットと相互作用する他の化合物、ならびに、これらの酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体を含むことが意図される。さらに、任意の塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物または他の誘導体は、薬学的に受容可能であり、かつ、薬理学的に活性であることが理解される。
「ペプチド模倣物(peptidomimetic)」という用語は、従来の意味で用いて、ペプチドの生物学的活性を模倣するが、化学的性質においてもはやペプチドではない分子を指し、この分子としては、アミノ酸の間のアミド結合を欠く分子、ならびに偽ペプチド(pseudo−peptide)、半ペプチド(semi−peptide)およびペプトイドが挙げられる。本発明によるペプチド模倣物は、ペプチド模倣物が基づくペプチド中の活性基の三次元的配置を綿密に模倣する、反応性化学部分の空間的配置を提供する。この類似の活性部位の幾何の結果として、ペプチド模倣物は、生物学的な系に対するペプチドの生物学的活性に類似の影響を有する。
本明細書中で使用される場合、「平滑筋調節因子」という用語は、平滑筋の収縮を阻害またはブロックする任意の化合物をいい、これらとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:抗ムスカリン作用薬、β3アドレナリン作動性アゴニスト、鎮痙薬、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニストおよび一酸化窒素供与体。平滑筋調節因子は、「直接的」(また、「向筋肉性」としても公知)、または「間接的」(また、「向神経性」としても公知)であり得る。「直接的平滑筋調節因子」は、平滑筋内の収縮機構(アクチンとミオシンとの間の相互作用の調節が挙げられるがこれらに限定されない)を阻害またはブロックすることにより機能する、平滑筋調節因子である。「間接的平滑筋調節因子」は、平滑筋の収縮を生じる神経伝達(平滑筋内で終結する運動ニューロンの軸索終末における、アセチルコリンの放出のシナプス前促進の遮断が挙げられるがこれらに限定されない)を阻害またはブロックすることにより機能する平滑筋調節因子である。
本明細書において用いる場合、「抗コリン作用性薬剤」という用語は、任意のアセチルコリンレセプターアンタゴニストをいい、これには、ニコチン性および/またはムスカリン性のアセチルコリンレセプターのアンタゴニストが挙げられる。本明細書において用いる場合、「抗ニコチン性薬剤」という用語は、任意のニコチン性アセチルコリンレセプターアンタゴニストを意図する。本明細書において用いる場合、「抗ムスカリン性薬剤」という用語は、任意のムスカリン作用性アセチルコリンレセプターアンタゴニストを意図する。他に示さない限り、「抗コリン作用性薬剤」、「抗ニコチン性薬剤」および「抗ムスカリン性薬剤」という用語は、本明細書にさらに開示されるような、抗コリン作用因子、抗ニコチン性薬剤および抗ムスカリン性薬剤、ならびにそれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および他の誘導体を包含することを意図する。さらに、任意の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝産物または誘導体が、薬学的に受容可能であり、そして薬理学的に活性であることが理解される。
「β3アドレナリン作動性アゴニスト」という用語は、その従来の意味で用いて、β3アドレナリン作用性レセプターをアゴナイズする化合物を指す。他に示さない限り、「β3アドレナリンアゴニスト」とは、本明細書にさらに開示されるようなβ3アドレナリン作動性アゴニスト因子、ならびにそれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物および誘導体を包含することを意図する。さらに、任意の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝産物または誘導体が、薬学的に受容可能であり、そして薬理学的に活性であることが理解される。
「鎮痙薬」(「抗痙攣薬」としても公知)という用語は、その従来の意味で用いて、筋肉、特に平滑筋の痙攣を軽減するかまたは予防する化合物を指す。他に示さない限り、用語「鎮痙薬」とは、本明細書にさらに開示されるような鎮痙剤、ならびにそれらの塩、エナンチオマー、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝産物および誘導体を包含することを意図する。さらに、任意の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝産物または誘導体が、薬学的に受容可能であり、そして薬理学的に活性であることが理解される。
「ニューロキニンレセプターアンタゴニスト」という用語は、その従来の意味で用いて、ニューロキニンレセプターをアンタゴナイズする化合物を指す。他に示さない限り、用語「ニューロキニンレセプターアンタゴニスト」とは、本明細書にさらに開示されるようなニューロキニンレセプターアンタゴニスト因子、ならびにそれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物および他の誘導体を包含することを意図する。さらに、任意の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝産物または誘導体が薬学的に受容可能であり、そして薬理学的に活性であることが理解される。
「ブラジキニンレセプターアンタゴニスト」という用語は、その従来の意味で用いて、ブラジキニンレセプターをアンタゴナイズする化合物を指す。他に示さない限り、用語「ブラジキニンレセプターアンタゴニスト」とは、本明細書にさらに開示されるようなブラジキニンレセプターアンタゴニスト因子、ならびにそれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および他の誘導体を包含することを意図する。さらに、任意の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝産物または誘導体が、薬学的に受容可能であり、そして薬理学的に活性であることが理解される。
「一酸化窒素供与体(nitric oxide donor)」という用語は、その従来の意味で用いて、患者に投与された場合、遊離一酸化窒素を放出する化合物を指す。他に示さない限り、「一酸化窒素供与体」という用語は、本明細書にさらに開示されるような一酸化窒素供与体因子、ならびにそれらの塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および他の誘導体を包含することを意図する。さらに、任意の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝産物または誘導体が、薬学的に受容可能であり、そして薬理学的に活性であることが理解される。
本明細書において用いる場合、「処置する(treating)」および「処置(treatment)」という用語は、正常な患者および脊髄を損傷した患者において、本明細書中に記載されるような、下部尿路に関連する障害を含む、疼痛性もしくは非疼痛性の症状を軽減することをいう。
薬物または薬理学的に活性な因子の「有効な」量または「治療上有効な量」とは、毒性ではないが、所望の効果(すなわち、上記で説明されるような、正常な患者および脊髄損傷患者において、下部尿路障害に関連する疼痛性および非疼痛性の症状(刺激性を含む)の軽減)を得るのに十分な量の薬物または因子を意味する。薬物または薬理学的に活性な因子の有効量は、投与経路、選択された化合物、およびこの薬物または薬理学的に活性な因子が投与される種、ならびに、この薬物または薬理学的に活性な因子が投与される個体の年齢、体重および性別に依存して変化することが認識される。当業者は、代謝、バイオアベイラビリティ、および、薬物もしくは薬理学的に活性な因子が、本明細書中でさらに種々の投与経路について開示される単位用量範囲内で投与された後の血漿レベルに影響を及ぼす他の因子を考慮することによって、適切な有効量を決定することがまた認識される。
「薬学的に受容可能なキャリア」または「薬学的に受容可能な酸付加塩」の詳述におけるような、「薬学的に受容可能な」とは、生物学的にも他の点でも所望されなくはない物質を意味する、すなわちこの物質は、所望されない生物学的効果を生じることも、その物質が含まれる組成物の任意の他の成分と有害な様式で相互作用することもなく、患者に投与される薬学的組成物中に組み込まれ得る。「薬理学的に活性な」(または単に「活性な」)とは、「薬理学的に活性な」誘導体または代謝産物における場合、親の化合物と同じタイプの薬理学的活性を有する誘導体または代謝産物をいう。活性因子の誘導体(例えば、塩またはアナログ)を指すために「薬理学的に受容可能な」という用語を用いる場合、この化合物もまた薬理学的に活性である。すなわち、正常な患者および脊髄損傷患者において、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または緩和するのに治療上有効であることが理解されるべきである。
「継続、連続、持続(continuous)」投薬とは、選択された活性因子の慢性投与を意味する。
「必要に応じた」投薬とは、「必要に応じた(pro re nata)」、「必要に応じた(prn)」投薬および「必要時(on demand)」投薬または投与としても公知であるが、正常な患者および脊髄を損傷した患者において、下部尿路障害の疼痛性もしくは非疼痛性の症状の抑制が所望される活性の開始の前のある時点での単回用量の活性因子の投与を意味する。投与は、このような活性の直前であってもよく、直前とは、処方次第で、このような活性の約0分前、約10分前、約20分前、約30分前、約1時間前、約2時間前、約3時間前、約4時間前、約5時間前、約6時間前、約7時間前、約8時間前、約9時間前、または約10時間前が挙げられる。
「短時間」とは、薬物投与後、最大で約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、約40分、約20分、または約10分以下を含む任意の時間を意図する。
「急速消失(rapid−offset)」とは、薬物投与後、最大で約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、約40分、約20分、または約10分以下を含む任意の時間を意図する。
「徐放性」という用語は、薬物の放出が即時的ではない任意の薬物を含有する処方物を指すことを意図する。すなわち、「徐放性」の処方物により、経口投与は吸収プールへのこの薬物の即時的な放出を生じない。この用語は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第20版(Philadelphia,Pa:Lippincott Williams & Wilkins,2000)に規定されるとおり、「非即時型の放出」と交換可能に用いられる。
「吸収プール」とは、特定の吸収部位に投与された薬物の溶液を表し、そしてk、kおよびkはそれぞれ、1)この処方物からの薬物の放出;2)吸収;および3)排出:の一次速度定数である。即時放出投薬形態については、薬物放出の速度定数kは、吸収速度定数kよりもかなり大きい。徐放性処方物については、逆も真であり、すなわちk<<<kであり、その結果この投薬形態からの薬物の放出の速度は、標的領域へのこの薬物の送達の律速段階である。「徐放性」という用語は、本明細書において用いる場合、持続放出処方物、遅延放出処方物および周期(パルス)放出処方物を含む(しかしこれらに限定されない)、任意の非即時型の放出処方物を包含する。
「持続放出(sustained release)」という用語は、その従来の意味で用いて、長時間にわたって薬物を徐々に放出し、好ましくは、必須ではないが、薬物投与後長時間(例えば、約72時間まで、約66時間まで、約60時間まで、約54時間まで、約48時間まで、約42時間まで、約36時間まで、約30時間まで、約24時間まで、約18時間まで、約12時間まで、約10時間まで、約8時間まで、約7時間まで、約6時間まで、約5時間まで、約4時間まで、約3時間まで、約2時間まで、または約1時間まで)にわたって、実質的に一定の薬物の血液レベルを生じる、薬物処方物を指す。
「遅延放出」という用語は、その従来の意味で用いて、薬物投与後ある程度の遅延の後に薬物の放出を開始し、そして好ましくは、必須ではないが、約10分まで、約20分まで、約30分まで、約1時間まで、約2時間まで、約3時間まで、約4時間まで、約5時間まで、約6時間まで、約7時間まで、約8時間まで、約9時間まで、約10時間まで、約11時間までまたは約12時間までの遅延を包含する、薬物処方物を指す。
「周期性(パルス)放出(pulsatile release)」という用語は、その従来の意味で用いて、薬物投与後、この薬物の拍動性(周期性)の血漿プロフィールを生じるような方法でこの薬物を放出する、薬物処方物を指す。「即時放出」という用語は、その従来の意味で用いて、薬物投与後、直ちにこの薬物を放出する、薬物処方物を指す。
「即時放出」という用語は、その従来の意味で用いて、薬物投与後、直ちにこの薬物を放出する、薬物処方物を指す。
「経皮的な」薬物送達という用語とは、皮膚または粘膜組織を通じた血流中への薬物の通過による送達を意味する。
「局所投与(topical administration)」という用語は、その従来の意味で用いて、皮膚または粘膜への、局所的な薬物または薬理学的に活性な因子の送達を意味する。
「経口投与」という用語とは、その従来の意味で用いて、胃および消化管を通じた口および経口摂取を通じた、薬物の送達を意味する。
「吸入投与」という用語は、その従来の意味で用いて、肺の壁を通じた薬物の吸入および通過の間の、鼻または口を通じた通過による、薬物のエアロゾル型の送達を意味する。
「膀胱内投与」という用語は、その従来の意味で用いて、膀胱への直接の薬物送達を意味する。
「非経口的」薬物送達という用語とは、消化管(alimentary canal)も消化管(digestive tract)も最初に通過する必要なく、血流に薬物を通過させることによる送達を意味する。非経口的な薬物送達は、「皮下」であってもよく、これは皮膚の下における投与による薬物の送達をいう。非経口的薬物送達の別の形態は、「筋肉内」であって、これは筋組織への投与による薬物の送達をいう。非経口的薬物送達の別の形態は、「皮内」であって、これは皮膚内への投与による薬物の送達をいう。非経口的薬物送達のさらなる形態は、「静脈内」であって、これは静脈内への投与による薬物の送達をいう。非経口的薬物送達のさらなる形態は、「動脈内」であって、これは動脈内への投与による薬物の送達をいう。非経口的薬物送達の別の形態は、「経皮」であって、これは皮膚を通じた血流への薬物の通過による薬物の送達をいう。非経口的薬物送達の別の形態は、「くも膜下腔内」であって、これは、くも膜下腔内空間(流体が脊髄の周囲を流動している)への薬物の直接的な送達をいう。
非経口的薬物送達のさらに別の形態は、「経粘膜」であって、これは薬物が粘膜組織を通過して、個体の血流にはいるような、個体の粘膜表面への薬物の投与をいう。経粘膜的な薬物送達は、「口腔内」であっても、または「経口腔内」であってもよく、これは個体の口腔粘膜を通じた血流への通過による薬物の送達をいう。本明細書における経粘膜的な薬物送達の別の形態は、「舌の(lingual)」薬物送達であり、これは個体の舌の粘膜を通じた血流への薬物の通過による薬物の送達をいう。本明細書における経粘膜的な薬物送達の別の形態は、「舌下」薬物送達であり、これは個体の舌下粘膜を通じた血流への薬物の通過による薬物の送達をいう。別の形態の経粘膜的な薬物送達は、「鼻の(nasal)」または「鼻腔内」薬物送達であり、これは個体の鼻粘膜を通じた血流への薬物の送達をいう。本明細書における経粘膜的な薬物送達の別の形態は、「直腸の(rectal)」または「経直腸」薬物送達であり、これは個体の直腸の粘膜を通じた血流への薬物の通過による薬物の送達をいう。経粘膜的な薬物送達の別の形態は、「尿道の(urethral)」または「経尿道」送達であり、これは尿道の壁にこの薬物が接触して通過するような尿道への薬物の送達をいう。経粘膜的な薬物送達のさらなる形態は、「膣の(vaginal)」または「経膣」送達であり、これは個体の膣の粘膜を通じた血流への薬物の通過による薬物の送達をいう。経粘膜的な薬物送達のさらなる形態は、「膣周囲の(perivaginal)」送達であり、これは膣陰唇組織を通じた血流への薬物の送達をいう。
本発明の方法を行なうために、選択した活性因子は、正常な患者または脊髄を損傷した患者において、疼痛性または非疼痛性、または関連する刺激性の症状に罹患している患者に投与される。治療上有効な量の活性因子は、経口的に、静脈内に、皮下に、経粘膜的に(口腔内、舌下、経尿道および直腸を含む)、局所的に、経皮的に、吸入によって、膀胱内に投与してもよいし、または任意の他の投与経路を用いて投与してもよい。
(下部尿路障害)
本発明の組成物および方法は、毎年米国において数百万人の男女の生活の質に影響する下部尿路障害を処置するのに有用である。腎臓は血液を濾過して尿を生成するが、下部尿路は、この廃液の貯蔵および排出に関連しており、腎臓以外の尿路の他の全ての部分を含む。一般に、下部尿路は、尿管、膀胱および尿道を包含する。下部尿路の障害としては、疼痛性および非疼痛性の過活動膀胱、前立腺炎および慢性非細菌性前立腺疼痛症候群(prostadynia)、間質性膀胱炎、良性前立腺肥大、そして脊髄損傷患者においては、痙攣性膀胱および弛緩性膀胱が挙げられる。
過活動膀胱は、米国では1700万〜2000万の人に影響すると見積もられる治療可能な医学的状態である。過活動膀胱の症状としては、頻尿、尿意促迫、夜間多尿症(排尿の必要性による夜間睡眠の障害)および排尿の突然かつ停止できない必要性に起因する切迫失禁(尿の偶発性の減少)が挙げられる。尿の減少が咳、くしゃみ、運動などの身体的活動に関連している腹圧性失禁とは対照的に、切迫性失禁は一般に過活動性の排尿筋(収縮して膀胱を空にさせる膀胱の平滑筋)に関連している。
過活動膀胱には単独の病因はない。神経性の過活動膀胱(または、神経性膀胱)は、脳卒中、パーキンソン病、糖尿病、多発性硬化症、末梢神経障害または脊髄病変のような障害に起因する神経学的障害の結果として生じる。これらの場合、排尿筋の過活動性は、排尿筋反射亢進と呼ばれる。対照的に、非神経性過活動膀胱は、膀胱結石、筋疾患、尿路感染または薬物副作用を含む非神経性異常から生じ得る。
排尿(排尿の作用)の極端な複雑性のため、過活動膀胱を生じる正確な機構は不明である。過活動膀胱は、炎症性状態、ホルモン不均衡および前立腺肥大を含む種々の要因から起こる膀胱の感覚神経の過敏性から生じ得る。脊髄の仙骨部に対する挫滅外傷、または脊髄に入る後根線維に対する損傷を生じる疾患のいずれかに由来する感覚神経線維の破壊も、過活動膀胱をもたらし得る。さらに、伝達されたシグナルの妨害を生じる脊髄または脳幹に対する損傷が、排尿の異常を生じ得る。従って、末梢機構および中枢機構の両方が、過活動膀胱の活動の変化の媒介に関与し得る。
中枢もしくは末梢の機構、またはその両方の機構が、過活動膀胱に関与するか否かに関して不確実であるにもかかわらず、提唱された多くの機構は、非疼痛性の内臓感覚を媒介するニューロンおよび経路に関わっている。疼痛は、有害または不快な感覚の知覚であり、種々の提唱された機構を通じて生じ得る。これらの機構としては、組織傷害(侵害性疼痛)に関するか、または糖尿病のような疾患、外傷もしくは毒性用量の薬物から生じる神経損傷(神経性疼痛)を通じた情報を提供する、特定の感覚受容器の活性化が挙げられる(例えば、A.I.BasbaumおよびT.M.Jessell(2000)The perception of pain.In Principles of Neural Science、第4版;Beneventoら(2002)Physical Therapy Journal 82:601〜12を参照のこと)。侵害受容は、疼痛に対して生じ得るが、侵害受容器を活性化する全ての刺激が疼痛として受け取られるわけではない(A.I.BasbaumおよびT.M.Jessell(2000)The perception of pain.In Principles of Neural Science、第4版)。膀胱からの体性感覚情報は、後根神経節(DRG)を介して脊髄に入り、二次または三次のニューロンを介して脳幹および視床に投射する、侵害性のAδ線維およびC線維によって中継される(Andersson(2002)Urology 59:18〜24;Andersson(2002)Urology 59:43〜50;Morrison,J.,Steers,W.D.Brading,A.,Blok,B.,Fry,C.,de Groat,W.C.,Kakizaki,H.,Levin,R.,およびThor,K.B.,「Basic Urological Sciences」In:Incontinence(第2巻)Abrams,P.Khoury,S.,およびWein,A(編)Health Publications,Ltd.,Plymbridge Distributors,Ltd.,Plymouth,UK.,(2002))。感覚求心性ニューロンの多数の異なるサブタイプは、下部尿路からの神経伝達に関与し得る。これらは、小径、中径、大径、有髄、無髄、仙髄、腰部、ペプチド作用性、非ペプチド作用性、IB4陽性、IB4陰性、C線維、Aδ線維、高閾値ニューロンまたは低閾値のニューロンに分類され得るが、これらに限定されない。DRGへの侵害性入力は、脊髄視床路、脊髄網様体路、脊髄中脳路、頚髄路、およびいくつかの場合には、後柱/内側毛帯路を含むいくつかの上行性経路に沿って脳に運ばれると考えられる(A.I.BasbaumおよびT.M.Jessell(2000)The perception of pain.In Principles of Neural Science,第4版)。完全には理解されていない中枢の機構が、全てではないが、いくつかの侵害性情報を疼痛性の感覚知覚に変換すると考えられる(A.I.BasbaumおよびT.M.Jessell(2000)The Perception of pain.In Principles of Neural Science,第4版)。
過活動膀胱に対する現行の処置としては、投薬、食餌の改変、膀胱トレーニングプログラム、電気的刺激および外科手術が挙げられる。現在のところ、抗ムスカリン性薬剤(抗コリン作用性薬剤の一般的クラスのサブタイプである)が、過活動膀胱の処置のために用いられる主な医薬である。この処置は、有効性が限定されており、そして口渇、ドライアイ、膣乾燥、動悸、眠気および便秘のような、一部個体にとっては耐容することが困難であることが判明している副作用を被る。
多くの化合物が、膀胱または骨盤内臓器官の疼痛に関する障害のための処置として探索されているが、比較的わずかな研究しか、過活動膀胱のような膀胱障害に関連する非疼痛性感覚症状の処置に向けられていない。過活動膀胱に対する現行の処置としては、投薬、食餌の改変、膀胱トレーニングプログラム、電気的刺激および外科手術が挙げられる。現在のところ、抗ムスカリン性薬剤(抗コリン作用性薬剤の一般的クラスのサブタイプである)が、過活動膀胱の処置のために用いられる主な医薬である。この処置は、有効性が限定されており、そして口渇、ドライアイ、膣乾燥、動悸、眠気および便秘のような、一部個体にとっては耐容することが困難であることが判明している副作用を被る。
過活動膀胱(またはOAB)は、失禁の有無を伴って発生する。近年では、OABの主な症状は、尿の証明可能な減少のない尿意逼迫であるということが当業者には理解されている。例えば、近年の研究では、米国の集団のうちある社会集団のサンプルのクオリティーオブライフに対する全てのOAB症候群の影響を評価した(Libermanら(2001)Urology 57:1044〜1050)。この研究によって、尿の証明可能な減少のないOABに罹患している個体群はコントロールに比較してクオリティーオブライフが障害されていることが実証された。さらに、尿意逼迫のみを有する個体は、コントロールに比較してクオリティーオブライフが障害されている。
尿意逼迫は、現在、OABの主な症状であると考えられるが、現在までこれは臨床研究では定量的方法で評価されていない。しかし、OABのこの新規な理解に対応してOABウェット(OAB Wet)(失禁を伴う)およびOABドライ(OAB Dry)(失禁を伴わない)という用語が、これらの異なる患者集団を述べるために提唱される(例えば、WO03/051354を参照のこと)。OABウェットおよびOABドライの有病率は、男女で同様であると報告されており、米国での有病率は16.6%である(Stewartら「Prevalence of Overactive Bladder in the United States:Results from the NOBLE Program」、Abstract Presented at the Second International Consultation on Incontinence,July 2001,Paris,France)。
前立腺炎および慢性非細菌性前立腺疼痛症候群(prostadynia)は、成人男性集団の約2〜9%に影響すると示唆されている他の下部尿路障害である(Collins M Mら(1998)「How common is prostatitis? A national survey of physician visits」Journal of Urology,159:1224〜1228)。前立腺炎は前立腺の炎症に関連しており、慢性の細菌性前立腺炎および慢性の非細菌性前立腺炎に小分類できる。慢性細菌性前立腺炎は、細菌感染から生じると考えられ、そして一般に前立腺の炎症、前立腺液中の白血球の存在および/または疼痛のような症状に関連する。慢性の非細菌性前立腺炎とは、明確な尿路感染がなく、尿および前立腺分泌物の細菌培養が陰性であるにもかかわらず、前立腺分泌の過剰な炎症性細胞によって特徴付けられる、疫学が未知である炎症性かつ疼痛性の状態である。慢性非細菌性前立腺疼痛症候群(prostadynia)(慢性の骨盤疼痛症候群)とは、前立腺の炎症のない、慢性の非細菌性の前立腺炎の疼痛性症状を伴う状態である。
現在、前立腺炎および慢性非細菌性前立腺疼痛症候群(prostadynia)の確立された処置はない。抗生物質がしばしば処方されるが、有効性は乏しいことが証明されている。COX−2選択性阻害薬(インヒビター)およびαアドレナリン遮断薬(ブロッカー)が、処置について示唆されているが、その有効性は確立されていない。腰湯の浴槽および抗コリン薬を使用した場合もある程度の症状の緩和が得られている。
間質性膀胱炎症は、若齢および中年の女性に主に影響するが男性および小児にも影響し得る、疫学が未知の別の下部尿路障害である。間質性膀胱炎の症状としては、刺激性排尿症候群、頻尿、尿意逼迫、夜間多尿症、ならびに排尿に関連し、排尿によって軽減される恥骨上または骨盤の疼痛を挙ることができる。多くの間質性膀胱炎の患者は、頭痛、ならびに胃腸および皮膚の問題も被っている。ある極端な場合には、間質性膀胱炎は潰瘍または膀胱の瘢痕も伴っているかもしれない。
間質性膀胱炎のための過去の処置としては、抗ヒスタミン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム(sodium pentosanpolysulfate)、ジメチルスルホキシド、ステロイド、三環系抗うつ薬、および麻薬拮抗薬の投与が挙げられているが、これらの方法は一般に成功していない(Sant,G.R.(1989)Interstitial cystitis:pathophysiology,clinical evaluation and treatment.Urology Annal 3:171〜196)。
良性前立腺肥大(BPH)は、40歳を超える男性では極めて一般的な前立腺の非悪性の肥大である。BPHは、前立腺の腺要素および基質成分の両方の過剰な細胞増殖に起因すると考えられる。良性前立腺肥大の刺激性の症状としては、尿意逼迫、頻尿および夜間多尿が挙げられる。良性前立腺肥大に関連する閉塞性の症状は、尿の力および流速の低下を特徴とする。
BPHの侵襲性の処置としては、前立腺の経尿道切除術、前立腺の経尿道切開、前立腺のバルーン拡張、前立腺ステント、マイクロ波療法、レーザー前立腺摘除術、経直腸高強度集束超音波治療(transrectal high−intensity focused ultrasound therapy)および前立腺の経尿道ニードルアブレーションが挙げられる。しかし、これらの処置のうちのいくつかの使用では、逆行性射精、インポテンス、術後尿路感染およびある程度の失禁を含む合併症が生じ得る。BPHの非侵襲性の処置としては、アンドロゲン枯渇療法、ならびに5αリダクターゼ阻害薬(インヒビター)およびαアドレナリン遮断薬(ブロッカー)の使用が挙げられる。しかし、これらの処置は、ある患者では効果が極わずかであるか中程度であることが証明されている。
下部尿路障害は、脊髄損傷に罹患する個体において特に問題である。脊髄損傷後、腎臓は尿を生成し続け、そして尿は尿管および尿道を通じて流れ続け得る。なぜなら、それらは、平滑筋に対する膀胱の共同障害が存在する状態を除いて、不随意性の神経および筋肉の制御の対象であるからである。対照的に、膀胱および平滑筋はまた随意の神経および筋肉の制御を受けやすく、このことは、脊髄を通る脳からの下行性の入力は、膀胱および括約筋を駆動して膀胱を完全に空にさせるということを意味する。脊髄損傷後に、このような下行性の入力は、崩壊され得、その結果個体はもはや、その膀胱および括約筋の随意的な制御を有さないかもしれない。脊髄損傷はまた、脳に上る感覚シグナルを破壊し得、これによってこのような個体の膀胱が満ちたとき、排尿の切迫感を感じることができないようにする。
本発明の組成物および方法は、良性前立腺肥大の刺激性の症状および/または閉塞性の症状の軽減または減少において用途を見出し、そして、他のより侵襲性の処置に対する必要性を減らし得る。
脊髄損傷後、膀胱は一般に、2つの状態のうちの1つで影響される。第一は、膀胱が尿で満たされて、反射が自動的に膀胱を空にするように誘引する、「痙攣性(spastic)」または「反射性(reflex)」膀胱と呼ばれる状態である。これは、通常、損傷がT12レベルより上である場合に生じる。痙攣性膀胱の個体は、膀胱がいつ空になるか、または空になったかどうかを決定することができない。第二は、膀胱筋の反射がないか、または遅い「弛緩性(flaccid)」または「非反射性(non−reflex)」膀胱である。これは、通常、損傷がT12/L1レベルより下である場合に生じる。弛緩性膀胱の個体は、過剰に膨張したか、または伸展した膀胱、そして尿管を通じた腎臓への尿の「逆流(reflux)」を経験するかもしれない。これらの障害についての処置の選択肢としては一般に、間欠的なカテーテル法、留置カテーテル法またはコンドームカテーテル法が挙げられるが、これらの方法は、侵襲性であり、不都合であることが多い。
尿路括約筋も、脊椎損傷で影響を受けるかもしれず、これによって、(「共同障害(dyssynergia)」)として公知の状態が生じる。共同障害は、膀胱収縮に対する応答の能動的収縮を含む、膀胱が収縮したときに、尿路括約筋が弛緩することができないことに関係しており、尿管を通じて尿が流れることを妨げ、膀胱が完全に空にならないようにし、そして腎臓への尿の「逆流」を生じる。共同障害の伝統的な処置としては、有効性または外科手術においていくらか矛盾している医療が挙げられる。
(末梢効果対中枢効果)
哺乳動物の神経系は、中枢神経系(脳および脊髄を含む、CNS)、および末梢神経系(交感神経系、副交感神経、感覚神経、運動神経、ならびに脳および脊髄以外の腸神経を含む、PNS)を含む。本発明による活性因子が中枢的に作用する(すなわち、CNSにおけるニューロンに対する作用を介してその効果を発揮する)ことを意図する場合、この活性因子は、CNS中に直接投与されるか、または血液脳関門を迂回もしくは通過できなければならない。血液脳関門は、毛細血管壁構造であり、血液中に存在する選択されたカテゴリーの物質の全てを効率的にスクリーニングして、それらがCNSに通過することを妨げる。血液脳関門を構成している脳毛細管の固有の形態学的特徴は、1)CNSの血液脳関門領域内で脳毛細管の全ての内皮を完全に固定する、上皮様の高い抵抗性の密着結合;および2)末梢器官の内皮には豊富である、乏しい飲作用または経内皮チャネル:である。血液脳関門の固有の特徴に起因して、身体の他の組織に容易に接近する多くの親水性薬物およびペプチドは、脳への進入を禁じられるか、その進入速度が極めて遅い。
血液脳関門は、脳への活性因子の直接注入によって、または嗅覚ニューロンによる活性因子の取り込みおよび逆行性輸送のために適切な処方物の経鼻投与もしくは吸入によって効率的に迂回され得る。
CNSへの直接投与のための最も一般的な手順は、脳室系またはクモ膜下腔へのカテーテルの埋め込みである。あるいは、活性因子は、血液脳関門をその輸送が横切ることを増強するように修飾され得る。これは一般に、液体中の薬物のある程度の可溶性、または当業者に公知の他の適切な修飾を必要とする。例えば、活性因子は、短縮されても、誘導体化されても、潜在性にされても(親水性薬物から脂溶性薬物へ変換)、親油性部分もしくは血液脳関門を横切って能動的に輸送される物質に結合されても、または当業者に公知の標準的な手段を用いて改変されてもよい。例えば、Pardridge,Endocrine Reviews 7:314〜330(1986)および米国特許第4,801,575号を参照のこと。
本発明による活性因子が排他的に末梢で作用する(すなわち、PNSのニューロンに対して、または標的組織上に直接、作用を介してその効果を発揮する)ことを意図する場合、本発明の化合物が血液脳関門を通過しないように、その化合物を修飾することが所望され得る。従って、血液脳関門透過性の原理を用いて、末梢標的に対する選択的力価を有する活性因子を設計することができる。一般に、脂質不溶性薬物は、血液脳関門を通過せず、CNSに対する効果を生じない。神経系に対して作用する塩基性の薬物は、薬物の四級化により選択性の末梢効果を生じるように変更してもよく、これによってその脂溶性を低下させ、CNSへの移行が実質的に不可能になる。例えば、荷電された抗ムスカリン作用薬である臭化メトスコポラミンは、末梢性効果を有するが、未荷電の抗ムスカリン作用薬であるスコポラミンは中枢的に作用する。当業者は、本発明の活性因子を選択して、周知の標準的な化学合成技術を用いて、四級アミン、硫酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩またはスルホニウムのような脂質不浸透性官能基を付加して修飾し、血液脳関門を横切る輸送を妨げることができる。このような修飾は、本発明の活性因子が血液脳関門に浸透できないように修飾できる唯一の方法では決してない;他の周知の薬学的技術が存在して、本発明の範囲内におさまるとみなされる。
(因子)
本発明において有用な化合物としては、本明細書のいずれかに規定される任意の活性因子が挙げられる。このような活性因子としては、例えば、本明細書のいずれかに規定されるαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子(GABAアナログ(例えば、ギャバペンチンおよびプレギャバリン)を含む)、ならびに、本明細書のいずれかに規定される平滑筋調節因子(抗ムスカリン作用薬、β3アドレナリン作動性アゴニスト、鎮痙薬、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニストおよび一酸化窒素供与体を含む)が挙げられる。
電圧ゲート化カルシウムチャネル(電圧依存性カルシウムチャネルとしても公知)は、複数のサブユニットの膜貫通タンパク質であり、これは、細胞外環境から細胞の内側へのカルシウムの制御された流入を可能にする。電圧ゲート化カルシウムチャネルの開放および閉鎖(ゲート化)は、電荷アミノ酸を含むタンパク質の電圧感受性領域により制御される。これらの荷電基の移動は、導電性(開放/活性化)または非導電性(閉鎖/不活性化)の状態を生じるチャネルの構造の立体構造の変化をもたらす。
電圧ゲート化カルシウムチャネルは、種々の組織に存在し、動物におけるいくつかの重要なプロセスに関与している。これらのカルシウムチャネルにより媒介されるカルシウムの細胞内流入の変化は、種々のヒト疾患(癲癇、脳卒中、脳の外傷、アルツハイマー病、他の分類の痴呆、Korsakoff病、ウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルスなど)感染により生じるニューロパシー、癲癇発作、ハンチントン病、健忘症または酸素供給の減少、毒もしくは他の毒性物質により生じる神経系の障害)に関与している(例えば、米国特許第5,312,928号を参照のこと)。
γアミノ酪酸(GABA)アナログは、GABAに由来するか、またはGABAに基づく化合物である。GABAアナログは、容易に入手可能であるか、または当業者に公知の方法を使用して容易に合成される。例示的なGABAアナログとしては、ギャバペンチンおよびプレギャバリンが挙げられる。
ガパペンチン(ニューロンチンまたは1−(アミノメチル)シクロヘキサン酢酸)はいくつかのカルシウムチャンネルサブユニットに高い結合親和性を有する抗痙攣薬(anticonvulsant)であり、以下の構造式:
Figure 2006520799
で示される。
ギャバペンチンは、以下の構造式:
Figure 2006520799
の一連の化合物のうちの1つであり、ここでRは水素または低級アルキルラジカルであり、nは4、5または6である。ギャバペンチンは攣縮を処置するGABA模倣化合物としてもともと開発されたが、ギャバペンチンは直接のGABA作用は有さず、GABA取り込みも代謝もブロックしない(概説については、Roseら(2002)Analgesia 57:451〜462を参照のこと)。しかし、ギャバペンチンは、他の抗痙攣薬に抵抗性である患者における部分発作の防止のための有効な処置であることが見出されている(Chadwick(1991)Gabapentin,In Pedley T A,Meldrum B S(編),Recent Advances in Epilepsy,Churchill Livingstone,New York,211〜222頁)。ギャバペンチンおよび関連の薬物であるプレギャバリンは、カルシウムチャネルのαδサブユニットと相互作用する(Geeら(1996)J.Biol.Chem.271:5768〜5776)。
公知の抗痙攣性効果に加えて、ギャバペンチンはホルマリンおよびカラギナンによって誘導される痛覚の強直期をブロックし、そして機械的な痛覚過敏および機械的な/熱的な異痛症の神経障害性疼痛モデルにおいて阻害性効果を発揮することが示されている(Roseら(2002)Analgesia 57:451〜462)。二重盲検プラシーボコントロール試験によって、ギャバペンチンは糖尿病性末梢神経障害と関連する疼痛症状、疱疹後神経痛および神経障害性疼痛について有効な処置であることが示されている(例えば、Backonjaら(1998)JAMA 280:1831〜1836;Mellegersら(2001)Clin.J.Pain 17:284〜95を参照のこと)。
プレギャバリン、(S)−(3−アミノメチル)−5−メチルヘキサン酸または(S)−イソブチルGABAは、その抗痙攣薬としての使用が研究されている別のGABAアナログである(Bryansら(1998)J.Med.Chem.41:1838〜1845)。プレギャバリンは、カルシウムチャネルのαδサブユニットにギャバペンチンよりもさらに高い結合親和性を保有することが示されている(Bryansら(1999)Med.Res.Rev.19:149〜177)。
本発明に有用な、例示的なGABAアナログおよびギャバペンチンの縮合二環式もしくは縮合三環式アミノ酸アナログとしては以下が挙げられる:
1.ギャバペンチン、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体;
2.プレギャバリン、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体;
3.米国特許第4,024,175号に記載される以下の構造によるGABAアナログ、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体
Figure 2006520799
ここで、Rは水素また低級アルキルラジカルであり、nは4、5または6である;
4.米国特許第5,563,175号に記載される以下の構造によるGABAアナログ、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体
Figure 2006520799
ここで、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、フェニル、または3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;Rは、水素もしくはメチルであり;そしてRは水素、メチルもしくはカルボキシルである;
5.米国特許第6,316,638号に記載される以下の構造による置換アミノ酸、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体
Figure 2006520799
Figure 2006520799
ここで、R〜R10は、各々独立して、水素または1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、ベンジルまたはフェニルから選択され;mは、0〜3の整数であり;nは1〜2の整数であり;oは0〜3の整数であり;pは1〜2の整数であり;qは0〜2の整数であり;rは1〜2の整数であり;sは1〜3の整数であり;tは0〜2の整数であり;およびuは0〜1の整数である
6.PCT公開番号WO 93/23383に開示されるGABAアナログ、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体;
7.Bryansら、(1998)J. Med. Chem. 41:1838−1845に開示されるGABAアナログ、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体;
8.Bryansら、(1999)Med. Res. Rev. 19:149−177に開示されるGABAアナログ、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体;
9.米国出願番号20020111338に記載される以下の構造によるアミノ酸化合物、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体
Figure 2006520799
ここで、RおよびRは、独立して、水素またはヒドロキシから選択され;Xは、ヒドロキシまたはQ−G−からなる群より選択され、ここで:
Gは−O−、−C(O)O−または−NH−であり;
は、第1部分Dを含み、さらに、1〜3個のアミノ酸を含む直鎖オリゴペプチドに由来する基であり、ここで、この基は、生理学的条件下でアミノ酸化合物から切断され;
Dは、GABAアナログ部分であり;
Zは、以下からなる群より選択され;
(i)生理学的pHにおいて負電荷を有する、−COOH、−SOH、−SOH、−P(O)(OR16)(OH)、−OP(O)(OR16)(OH)、−OSOHなどからなる群より選択される部分を含む置換アルキル基であって、R16は、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールからなる群より選択される;ならびに
(ii)式−M−Qx’の基であって、Mは、−CHOC(O)−および−CHCHC(O)−からなる群より選択され、Qx’は、第1の部分D’を含み、さらに、1〜3個のアミノ酸を含む直鎖オリゴペプチドに由来する基であり、ここで、上記基は、生理学的条件下で切断可能であり;D’はGABAアナログ部分であるか;またはその薬学的に受容可能な塩であり;ただし、Xがヒドロキシである場合、Zは、式−M−Qx’の基である;
10.PCT公開番号WO 99/08670に開示される環状アミノ酸化合物、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体;
11.PCT公開番号WO99/21824に開示される以下の構造による環状アミノ酸、またはその塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物もしくは誘導体
Figure 2006520799
ここで、Rは水素または低級アルキルであり;R〜R14は、各々独立して、水素、1〜6個の炭素の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、フェニル、ベンジル、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アミノ、アミノメチル、トリフルオロメチル、−COH、−CO15、−CHCOH、−CHCO15、−OR15から選択され、ここでR15は、1〜6個の炭素の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、フェニルまたはベンジルであり、そして、R〜Rは、同時に水素ではない;
12.公開された米国特許出願番号60/160725に開示される以下の構造による二環式アミノ酸、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体、
Figure 2006520799
13.英国特許出願GB 2 374 595に開示される以下の構造による二環式アミノ酸アナログならびに、その酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体
Figure 2006520799
Figure 2006520799
本発明に有用な他の因子としては、カルシウムチャネルのαδサブユニットに結合する任意に化合物が挙げられる。カルシウムチャネルのαδサブユニットに対する結合親和性を示し、従って、本発明に有用なGABAアナログとしては、限定はしないが、cis−(1S,3R)−(1−(アミノメチル)−3−メチルシクロヘキサン)酢酸、cis−(1R,3S)−(1−(アミノメチル)−3−メチルシクロヘキサン)酢酸、1α,3α,5α−(1−アミノメチル)−(3,5−ジメチルシクロヘキサン)酢酸、(9−(アミノメチル)ビシクロ[3.3.1]ノン−9−イル)酢酸、および(7−(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル)酢酸(Bryansら、(1998)J. Med. Chem. 41:1838−1845;Bryansら、(1999)Med. Res. Rev. 19:149−177)が挙げられる。
カルシウムチャネル調節因子として同定された他の化合物としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:米国特許第6,316,638号、米国特許第6,492,375号、米国特許第6,294,533号、米国特許第6,011,035号、米国特許第6,387,897号、米国特許第6,310,059号、米国特許第6,294,533号、米国特許第6,267,945号、PCT公開番号WO01/49670、PCT公開番号WO01/46166およびPCT公開番号WO01/45709に記載されるもの。これらの化合物がカルシウムチャネルのαδサブユニットに対して結合親和性を有することの同定は、Geeら(Geeら、(1996)J. Biol. Chem. 271:5768−5776)に記載されるようなαδ結合親和性研究を実施することにより決定され得る。カルシウムチャネルのαδサブユニットに対する結合親和性を示す、他のGABAアナログを含むなおさらなる化合物の同定はまた、Geeら(Geeら、(1996)J. Biol. Chem. 271:5768−5776)に記載されるようなαδ結合親和性研究を実施することにより決定され得る。
さらに、GABAアナログ、およびギャバペンチンの環状アミノ酸アナログを含み、本発明に有用な組成物および処方物としては、以下が挙げられる:PCT公開番号WO 99/08670、米国特許第6,342,529号に記載される組成物、米国出願番号20020119197および米国特許第5,955,10号3に開示される制御放出処方物、ならびに、PCT公開番号WO 02/28411、PCT公開番号WO 02/28881、PCT公開番号WO 02/28883、PCT公開番号WO 02/32376、PCT公開番号WO 02/42414、米国出願番号20020107208、米国出願番号20020151529および米国出願番号20020098999に開示される持続放出化合物および処方物。
アセチルコリンは、全ての動物の神経系における化学的な神経伝達物質である。「コリン作用性神経伝達(cholinergic neurotransmission)」とは、アセチルコリンに関与しており、運動性、消化、心拍数、「戦いまたは飛行(fight or flight)」応答、ならびに学習および記憶のような多様な機能の制御に関与している神経伝達をいう(Salvaterra(2000年2月)Acetylcholine.In Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:www/els.net)。アセチルコリンのレセプターは、1)ニコチン(ニコチン結合);または2)抗ムスカリン(ムスカリン結合):に優先的に結合する、植物アルカロイドに基づいて2つの一般的なカテゴリーに分類される(例えば、Salvaterra,Acetylcholine(前出)を参照のこと)。
アセチルコリンレセプターの2つの一般的なカテゴリーは、薬理学的および電気生理学的な特性における相違に基づいてサブクラスにさらに分類され得る。ニコチンレセプターは、以下のサブクラスを同定するために用いられる種々のサブユニットからなる、リガンド開口型イオンチャネルである:1)筋のニコチン性アセチルコリンレセプター;2)ヘビ毒αブンガロトキシンに結合しない神経のニコチン性アセチルコリンレセプター;および3)ヘビ毒αブンガロトキシンに結合しない神経ニコチン性アセチルコリンレセプター(Daniら(1999年7月)Nicotinic Acetylcholine Receptors in Neurons.In Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net;Lindstrom(2001年10月)Nicotinic Acetylcholine Receptors.In Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net)。対照的に、ムスカリンレセプターは、M〜Mと表示される5つのサブクラスに分類可能であり、そして特定のGタンパク質と優先的に結合する(M、MおよびMはGと;MおよびMはG/Gと)(Nathanson(1999年7月)Muscarinic Acetylcholine Receptors.In Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net)。一般に、ムスカリンレセプターは、平滑筋機能に関与している(例えば、Appell(2002)Cleve.Clin.J.Med.69:761〜9;Dioufら(2002)Bioorg.Med.Chem.Lett.12:2535〜9;Crandall(2001)J.Womens Health Gend.Based Med.10:735〜43;Chapple(2000)Urology 55:33〜46を参照のこと)。
本発明に有用な他の因子としては、任意の抗ムスカリン作用薬、特に、任意の抗ムスカリン作用薬が挙げられる。本発明の方法において特に有用なのは、4−ジエチルアミノ−2−ブチニルフェニルシクロヘキシグリコレートとしても公知のオキシブチニンである。これは、以下の構造を有する:
Figure 2006520799
Ditropan(登録商標)(塩酸オキシブチニン)は、上記化合物のd,lラセミ混合物であり、平滑筋に対して抗収縮効果を発揮し、平滑筋に対するアセチルコリンのムスカリン性作用を阻害することが知られている。オキシブチニンの代謝産物およびアイソマーもまた、本発明に従う有用な活性を有することが示されている。例としては、N−デセチル−オキシブチニンおよびS−オキシブチニンが挙げられるがこれらに限定されない(例えば、米国特許第5,736,577号および同第5,532,278号を参照のこと)。
抗ムスカリン薬として同定され本発明において有用なさらなる化合物としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:
a.ダリフェナシン(Daryon(登録商標))またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
b.ソリフェナシンまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
c.YM−905(コハク酸ソリフェナシン)またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
d.オキシブチニン(Ditropan(登録商標))またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
d.ソリフェナシン一塩酸塩またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
e.トルテロジン(Detrol(登録商標))またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
f.プロピベリン(Detrunorm(登録商標))またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
g.臭化プロパンテリン(Pro−Banthine(登録商標))またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
h.硫酸ヒヨスチアミン(Levsin(登録商標)、Cystospaz(登録商標))またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
i.塩酸ジシクロミン(Bentyl(登録商標))またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
j.塩酸フラボキセート(Urispas(登録商標))またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
k.d,l(ラセミ)4−ジエチルアミノ−2−ブチニルフェニルシクロヘキシルグリコレートまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
l.(R)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパンアミンL−酒石酸水素またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
m.(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートモノコハク酸またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
n.α(+)−4−(ジメチルアミノ)−3−メチル−1,2−ジフェニル−2−ブタノールプロプリオネートまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
o.1−メチル−4−ピペリジニルジフェニルプロポキシアセテートまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
p.3”−ヒドロキシスピロ[1”H,5”H−ノルトロパン−8,1’−ピロリジニウムベンジレートまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
q.Dioufら(2002)Bioorg.Med.Chem.Lett.12:2535〜9に開示されるような4アミノ−ピペリジン含有化合物またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
r.ピレンゼピン(pirenzipine)またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
s.メトクトラミンまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
t.4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジンメチオジドまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
u.トロピカミドまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
v.(2R)−N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−(2−[(1R)−3,3−ジフルオロシクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミドまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
w.PNU−200577((R)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)−3−フェニルプロパンアミン)またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
x.KRP−197 (4−(2−メチルイミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチラミド)またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
y.フォソテロジンまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
z.SPM 7605(フォソテロジンの活性代謝産物)、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体。
抗ムスカリン作用活性を有し、従って本発明におけるさらなる活性因子として有用であるさらなる化合物の同定は、Nilvebrant(2002)Pharmacol.Toxicol.90:260〜7に記載されるようなムスカリンレセプター結合特性研究、またはModiriら(2002)Urology 59:963〜8に記載されるような膀胱内圧測定研究を行なうことによって決定できる。
アドレナリン作用性レセプターは、2つの主なカテコールアミンホルモンおよび神経伝達物質:ノルアドレナリンおよびアドレナリンについての細胞表面レセプターである(Malbonら(2000年2月)Adrenergic Receptors.In Encyclopedia of Life Sciences.London:Nature Publishing Group,http:/www.els.net)。アドレナリン作用性レセプターは、血圧制御、心筋および平滑筋の収縮性、肺機能、代謝および中枢神経系活性を含む、重要な生理学的プロセスに関わっている(例えば、Malbonら、Adrenergic Receptors(前出)を参照のこと)。2つのクラスのアドレナリン作用性レセプターである、3つの主なファミリー(α1、α2およびβ)にさらに小分類され得るαおよびβが同定されており、これらの各々には異なるアゴニストおよび分子クローニング技術に対する結合特性に基づいて、少なくとも3つのサブタイプ(α1A、BおよびD;α2A、BおよびC;ならびにβ1、β2およびβ3)がある。(例えば、Malbonら、Adrenergic Receptors,(前出)を参照のこと)。β3アドレナリン作用性レセプターが排尿筋において発現されること、およびこの排尿筋がβ3アゴニストで弛緩すること(Takeda,Mら(1999)J.Pharmacol.Exp.Ther.288:1367〜1373)、そして一般にはβ3アドレナリン作用性レセプターは膀胱機能に関与していること(例えば、Takedaら(2002)Neuourol.Urodyn.21:558〜65;Takedaら(2000)J.Pharmacol.Exp.Ther.293:939〜45)が示されている。
本発明において有用な他の因子としては、任意のβ3アドレナリン作用性レセプターアゴニスト因子が挙げられる。β3アドレナリン作用性レセプターアゴニスト因子として同定されており、本発明において有用である化合物としては、限定はしないが:
a.米国特許第6,069,176号、PCT公開番号WO97/15549号に開示され、三菱ウェルファーマ(株)(Mitsubishi Pharma Corp.)から入手可能な、TT−138およびフェニルエタノールアミン化合物またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
b.米国特許第6,495,546号および同第6,391,915号に開示され、そして藤沢薬品工業(Fujisawa Pharmaceutical Co.)から入手可能なFR−149174およびプロパノールアミン誘導体またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
c.キッセイ薬品工業(Kissei Pharmaceutical Co.)から入手可能なKUC−7483またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
d.Tanakaら(2003)J.Med.Chem.46:105〜12に開示されるような2−2−クロロ−4−(2−((1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ)エチル)フェノキシ酢酸のような4’−ヒドロキシノルエフェドリンまたはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
e.2−アミノ−1−フェニルエタノール化合物、例えば、BRL35135(1988年の日本国特許公開番号26744および欧州特許公開番号23385に開示されるような(R)−(.+−.)−[4−[2−[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキ(ydroxy)シエチルアミノ]プロピル]フェノキシ]酢酸メチルエステルヒドロキシブロミド塩)、およびSR58611A(1989年の日本公開特許公報第66152号および欧州特許公開公報第255415号に開示される(RS)−N−(7−エトキシカルボニルメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イル)−2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエタンアミン塩酸塩)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
f.Iizukaら(1998)J.Smooth Muscle Res.34:139〜49に開示される、GS332(ナトリウム(2R)−[3−[3−[2−(3クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]シクロヘキシル]フェノキシ]アセテート)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
g.Tsujiiら(1998)Physiol.Behav.63:723〜8に開示され、Glaxosmithklineから入手可能な、BRL−37,344(4−[−[(2−ヒドロキシ−(3−クロロフェニル)エチル)−アミノ]プロピル]フェノキシアセテート)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
h.Takahashiら(1992)Jpn Circ.J.56:936〜42に開示されており、Glaxosmithklineから入手可能である、BRL−26830Aまたはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
i.Tavernierら(1992)J.Pharmacol.Exp.Ther.263:1083〜90に記載されており、Ciba−Geigyから入手可能な、CGP 12177(4−[3−t−ブチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンズイミダゾール−2−オン)(β3アドレナリン作用性レセプターについてのアゴニストとして作用することが報告されているβ1/β2アドレナリン作用性レセプターアンタゴニスト)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
j.Berlanら(1994)J.Pharmacol.Exp.Ther.268:1444〜51に開示されるCL 316243(R,R,−5−[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1,3−ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボキシレート)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
k.米国特許出願第20030018061号に開示されるβ3アドレナリン作用活性を有する化合物またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
l.Howe(1993)Drugs Future 18:529に開示されており、AstraZeneca/ICI Labsから入手可能である、ICI215,001 HCl((S)−4−[2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアミノエトキシ]フェノキシ酢酸塩酸塩またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
m.Howe(1993)Drugs Future 18:529に開示されており、AstraZeneca/ICI Labsから入手可能である、ZD 7114HCl(ICI D7114;(S)−4−[2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアミノエトキシ]−N−(2−メトキシエチル)フェノキシアセトアミドHCl)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
n.Blinら(1994)Mol.Pharmacol.44:1094に開示されている、ピンドロール(1−(1H−インドール−4−イルオキシ)−3−[(1−メチルエチル)アミノ]−2プロパノール)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
o.Walterら(1984)Naunyn−Schmied.Arch.Pharmacol.327:159およびKalkman(1989)Eur.J.Pharmacol.173:121に開示される、(S)−(−)−ピンドロール((S)−1−(1H−インドール−4−イルオキシ)−3−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−プロパノール)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
p.Manaraら(1995)Pharmacol.Comm.6:253およびManaraら(1996)Br.J.Pharmacol.117:435に開示されており、Sanofi−Midyから入手可能である、SR 59230A HCl(1−(2−エチルフェノキシ)−3−[[(1S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル]アミノ]−(2S)−2−プロパノール塩酸塩)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;ならびに
q.Gauthierら(1999)J.Pharmacol.Exp.Ther.290:687〜693に開示され、Sanofi Researchから入手可能な、SR 58611(N[2s)7−カルボ−エトキシメトキシ−1,2,3,4−テトラ−ヒドロナフト]−(2r)−2−ヒドロキシ−2(3−クロロフェニル)エタミン塩酸塩)またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体;
r.山之内製薬株式会社から入手可能なYM178、またはその酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および他の誘導体。
β3アドレナリン作用活性を有しており、従って本発明に有用であるさらなる化合物の同定は、Zilberfarbら(1997)J.Cell Sci.110:801〜807;Takedaら(1999)J.Pharmacol.Exp.Ther.288:1367〜1373;およびGauthierら(1999)J.Pharmacol.Exp.Ther.290:687〜693に記載のように、放射性リガンド結合アッセイ、および/または収縮性研究を行うことによって決定できる。
鎮痙薬は、筋収縮、特に、平滑筋の収縮を軽減または防止する化合物である。一般に、鎮痙薬は、膀胱障害の処置に効力を有することが示唆されている(例えば、Takedaら、(2000)J. Pharmacol. Exp. Ther. 293: 939−45を参照のこと)。
任意の鎮痙剤がまた、本発明におけるさらなる活性因子として有用である。鎮痙剤として同定されており、本発明におけるさらなる活性剤として有用である化合物としては、限定はしないが:
a.米国特許第5,897,875号に開示されるようなα−α−ジフェニル酢酸−4−(N−メチル−ピペリジル)エステルまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
b.米国特許第5,783,416号に開示されるような、ヒトおよびブタの鎮痙ポリペプチドのグルコシル化型およびその改変体またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
c.米国特許第4,965,259号に開示されるようなジオキサゾシン誘導体またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
d.米国特許第4,608,377号に開示されるような四級6,11−ジヒドロ−ジベンゾ−[b,e]−チエピン−11−N−アルキルノルスコピンエーテルまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
e.米国特許第4,594,190号に開示されるような、ジベンゾ[1,4]ジアゼピノン、ピリド−[1,4]ベンゾジアゼピノン,ピリド[1,5]ベンゾジアゼピノンの四級塩またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
f.米国特許第4,558,054号に開示されるようなエンド−8,8−ジアルキル−8−アゾニアビシクロ(3.2.1)オクタン−6,7−エキソ−エポキシ−3−アルキル−カルボン酸塩またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
g.米国特許第4,370,317号に開示されるような膵臓鎮痙ポリペプチドまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
h.米国特許第4,203,983号に開示されるようなトリアジノンまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
i.米国特許第4,185,124号に開示されるような2−(4−ビフェニリル)−N−(2−ジエチルアミノアルキル)プロピオンアミドまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
j.米国特許第4,166,852号に開示されるようなピペラジノ−ピリミジンまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
k.米国特許第4,163,060号に開示されるようなアラルキルアミノカルボン酸またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
l.米国特許第4,034,103号に開示されるようなアラルキルアミノスルホンまたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
m.米国特許第6,207,852号に開示されるような平滑筋鎮痙剤またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体;および
n.パパベリン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体である。
鎮痙活性を有しており、従って本発明におけるさらなる活性因子として有用であるさらなる化合物の同定は、米国特許第6,207,852号;Noronha−Blobら(1991)J.Pharmacol.Exp.Ther.256:562〜567;および/またはKachurら(1988)J.Pharmacol.Exp.Ther.247:867〜872に記載されるような膀胱小片の収縮性研究を行なうことによって決定できる。
タキキニン(TK)は、サブスタンスP、ニューロキニンA(NKA)およびニューロキニンB(NKB)を含む構造的に関連するペプチドのファミリーである。ニューロンは、末梢におけるTKの主な供給源である。TKの重要な一般的効果は、ニューロン刺激であるが、他の効果としては内皮細胞依存性血管拡張、血漿タンパク質血管外遊走、肥満細胞補充および脱顆粒および炎症性細胞の刺激が挙げられる(Maggi,C.A.(1991)Gen.Pharmacol.22:1〜24を参照のこと)。一般的に、タキキニンレセプターは、膀胱の機能に関与している(例えば、Kamoら(2000)Eur.J.Pharmacol.401:235〜40およびOmhuraら(1997)Urol.Int.59:221〜5を参照のこと)。
サブスタンスPは、NKと呼ばれるニューロキニンレセプターサブタイプを活性化する。サブスタンスPは、感覚神経末端に存在するウンデカペプチドである。サブスタンスPは、C線維活性化の後、血管拡張、血漿血管外遊走および肥満細胞の脱顆粒を含む、末梢において炎症および疼痛を生じる複数の作用を有することが公知である(Leveine,J.D.ら(1993)J.Neurosci.13:2273)。
ニューロキニンAは、サブスタンスPと感覚ニューロンにおいて共存して、また炎症および疼痛も生じるペプチドである。ニューロキニンAは、NKと呼ばれる特異的なニューロキニンレセプターを活性化する(Edmonds−Alt、Sら(1992)Life Sci.50;PL101)。尿路では、TKは、ヒトの膀胱ならびにヒトの尿道および尿管におけるNKレセプターのみを通じて作用する強力な収縮因子である(Maggi,C.A.(1991)Gen.Pharmacol.22:1〜24)。
本発明において有用な他の因子としては、任意のニューロキニンレセプターアンタゴニストが挙げられる。NKレセプターに作用する、本発明における使用に適切なニューロキニンレセプターアンタゴニストとしては、限定はしないが:1−イミノ−2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル)−7,7−ジフェニル−4−ペルヒドロイソインドロン(3aR,7aR)(「RP67580」);2S,3S−シス−3−(2−メトキシベンジルアミノ)−2−ベンズヒドリルキヌクリジン(「CP96,345」);および(aR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−6,13−ジオン)(「TAK−637」)が挙げられる。NKレセプターに作用する、本発明における使用に適切なニューロキニンレセプターアンタゴニストとしては、限定はしないが:((S)−N−メチル−N−4−(4−アセチルアミノ−4−フェニルピペリジノ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)ブチルベンズアミド(「SR 48968」);Met−Asp−Trp−Phe−Dap−Leu(「MEN 10,627」);およびcyc(Gln−Trp−Phe−Gly−Leu−Met)(「L659,877」)が挙げられる。ニューロキニンレセプターアンタゴニスト活性を有しており、従って本発明において有用であるさらなる化合物の同定は、Hopkinsら(1991)Biochem.Biophys.Res.Comm.180:1110〜1117;およびAharonyら(1994)Mol.Pharmacol.45:9〜19に記載される結合アッセイ研究を行なうことによって決定できる。
ブラジキニンレセプターは一般に、ブラジキニン(B)およびブラジキニン(B)サブタイプに分けられる。ブラジキニンによって生じる、急性の末梢性の疼痛および炎症が、Bサブタイプによって媒介されるが、慢性炎症の設定におけるブラジキニン誘導性疼痛はBサブタイプを介して媒介されることが研究によって、示されている(Perkins,M.N.ら(1993)Pain 53:191〜97);Dray,Aら(1993)Trends Neurosci.16:99〜104)。一般に、ブラジキニンレセプターは、膀胱機能に関与している(例えば、Meiniら(2000)Eur.J.Pharmacol.388:177〜82およびBelichardら(1999)Br.J.Pharmacol.128:213〜9を参照のこと)。
本発明において有用な他の因子としては、任意のブラジキニンレセプターアンタゴニストが挙げられる。Bレセプターに作用する、本発明における使用に適切なブラジキニンレセプターアンタゴニストとしては、限定はしないが:des−arg10HOE140(Hoechst Pharmaceuticalsから入手可能)およびdes−Argブラジキニン(DABK)が挙げられる。Bレセプターに作用する、本発明における使用に適切なブラジキニンレセプターアンタゴニストとしては、限定はしないが:D−Phe−BK;D−Arg−(Hyp−Thi5,8−D−Phe)−BK(「NPC349」);D−Arg−(Hyp−D−Phe)−BK(「NPC567」);D−Arg−(Hyp−Thi−D−Tic−Oic)−BK(「HOE140」);H−DArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−c(Dab−DTic−Oic−Arg)c(7γ−10α)(「MEN11270」);H−DArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−DTic−Oic−Arg−OH(「Icatibant」);(E)−3−(6−アセトアミド−3−ピリジル)−N−[N−2,4−ジクロロ−3−[(2−メチル−8−キノリニル)オキシメチル]フェニル]−N−メチルアミノカルボニルメチル]アクリルアミド(「FR173567」);およびWIN64338、が挙げられる。これらの化合物は、Perkins,M.N.ら、Pain(前出);Dray,Aら、Trends Neurosci(前出);およびMeiniら(2000)Eur.J.Pharmacol.388:177〜82にさらに詳細に記載されている。ブラジキニンレセプターアンタゴニスト活性を有しており、従って本発明において有用であるさらなる化合物の同定は、Manningら(1986)J.Pharmacol.Exp.Ther.237:504および米国特許第5,686,565号に記載されるような結合アッセイ研究を行なうことによって決定できる。
一酸化窒素供与体は、特にその鎮痙活性のために本発明に含まれ得る。一酸化窒素(NO)は、血管拡張および正常な血管緊張の調節を含む、多くの生理学的過程の分子媒介物として重要な役割を果たす。NOの作用は、内因性の局所血管拡張機構に関与する。NOは、公知の最小の生物学的に活性な分子であり、広い範囲の生理学的プロセスの媒介物である(Nathan(1994)Cell 78:915〜918;Thomas(1997)neurosurg.Focus 3:Article 3)。NOはまた、アンジオテンシンIIの少なくとも10倍の血管収縮力を有する、最も強力な哺乳動物の血管収縮因子であるエンドセリン−1の公知の生理学的アンタゴニストである(Yanagisawaら(1988)Nature 332:411〜415;Kasuyaら(1993)J.Neurosurg.79:892〜898;Kobayashiら(1991)Neurosurgery 28:673〜679)。NOの生物学的半減期は、極めて短い(Morrisら(1994)Am.J.Physiol.266:E829〜E839;Nathan(1994)Cell 78:915〜918)。NOは、内皮由来弛緩因子(EDRF)の生物学的効果を完全に説明し、血管拡張に影響するcGMP依存性タンパク質キナーゼの作用を通じて作用すると考えられる極めて強力な血管拡張因子である(Henryら(1993)FASEB J.7:1124〜1134;Nathan(1992)FASEB J.6:3051〜3064;Palmerら(1987)Nature 327:524〜526;Snyderら(1992)Scientific American 266:68〜77)。
内皮細胞内では、NOシンターゼ(NOS)として公知の酵素がNOへのL−アルギニンの変換を触媒して、NOが拡散性の第二メッセンジャーとして作用し、隣接する平滑筋細胞における応答を媒介する。NOは連続して形成されて、収縮を阻害して、基本的な冠動脈の緊張を制御する基本的な条件下で血管内皮によって放出され、そして種々のアゴニスト(例えば、アセチルコリン)および他の内皮依存性血管拡張因子に応答して内皮中で生成される。従って、NOS活性の調節および得られたNOのレベルは、血管緊張を制御する重要な分子標的である(Muramatsuら(1994)Coron.Artery Dis.5:815〜820)。
本発明において有用な他の因子としては、任意の一酸化窒素供与体因子が挙げられる。本発明の実施に適切な一酸化窒素供与体としては、限定はしないが:
a.ニトログリセリン;たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体
b.ニトロプルシド・ナトリウムたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
c.FK409(NOR−3)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
d.FR 144420(NOR−4)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
e.3−モルホリノシドノンイミンたはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
f.リンシドミン・クロロハイドレート(Linsidomine chlorohydrate)(「SIN−1」)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
g.S−ニトロソ−N−アセチルペニシルアミン(「SNAP」)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
h.AZD3582(NicOx S.A.から入手可能な、CINODリード化合物)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
i.NCX4016(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
j.NCX701(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
k.NCX1022(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
l.HCT1026(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
m.NCX1015(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
n.NCX950(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
o.NCX1000(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
p.NCX1020(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
q.AZD4717(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
r.NCX1510/NCX1512(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
s.NCX2216(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
t.NCX4040(NicOx S.A.から入手可能)たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
u.米国特許第5,155,137号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
v.米国特許第5,366,997号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
w.米国特許第5,405,919号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
x.米国特許第5,650,442号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
y.米国特許第5,700,830号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
z.米国特許第5,632,981号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
aa.米国特許第6,290,981号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
bb.米国特許第5,691,423号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
cc.米国特許第5,721,365号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
dd.米国特許第5,714,511号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
ee.米国特許第6,511,911号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体;
ff.米国特許第5,814,666号に開示される一酸化窒素供与体たはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物および誘導体、が挙げられる。
一酸化窒素供与体活性を有し、従って本発明において有用であるさらなる化合物の同定は、遊離プロフィールによって決定可能であり、そして/または米国特許第6,451,337号および同第6,358,536号、ならびにMoon(2002)IBJU Int.89:942〜9およびFathian−Sabetら(2001)J.Urol.165:1724〜9に記載される、血管攣縮研究によって導かれ得る。
(エナンチオマーおよびジアステレオマー)
多くの有機化合物は、任意の活性形態にある、すなわち、これらは、平面偏光の平面を回転する能力を有する。任意の活性な化合物を記載する場合、接頭語RおよびSは、そのキラル中心の周りの分子の絶対的な立体配置を示すために使用される。接頭語DおよびL、または(+)もしくは(−)は、化合物による平面偏光の平面の回転の印を示し、Lまたは(−)は、化合物が左旋性であることを意味する。対照的に、Dまたは(+)が先につく化合物は、右旋性である。絶対的な立体化学についての命名法と、エナンチオマーの回転についての命名法との間には関係はない。従って、D−乳酸は、(−)−硫酸と同じであり、L−乳酸は、(+)−乳酸と同じである。所定の化学構造について、一対のエナンチオマーの各々は、互いに重なることのない鏡像である場合を除いて、同一である。特定の鏡像異性体はまた、エナンチオマーと呼ばれ、このようなアイソマーの混合物は、しばしば、エナンチオマー性もしくはラセミの混合物と呼ばれる。
立体化学的な純度は、薬学的分野においては重要であり、多くのしばしば処方される薬物のほとんどは、キラリティーを示す。例えば、βアドレナリン遮断剤であるプロプラのロールのL−エナンチオマーは、そのD−エナンチオマーよりも100倍以上の能力を有することが知られている。さらに、光学純度は、薬学的な薬物の分野において重要である。なぜならば、特定の異性体が、有利な作用もしくは不活性な作用ではなく、有害な作用を付与することが見出されているからである。例えば、サリドマイドのD−エナンチオマーは、妊娠期の病気をモニター制御するために処方される安全かつ有効な鎮痛薬であるが、対応するL−エナンチオマーは、強力な催奇形因子であると考えられている。
1つの分子に2つのキラル中心が存在する場合、4つの立体異性体:(R,R)、(S,S)、(R,S)および(S,R)が可能である。もちろん、(R,R)および(S,S)は、一対のエナンチオマーの一例(互いに鏡像である)であり、代表的には、任意の他のエナンチオマー対のように、化学的性質および融点を共有する。しかし、(R,R)および(S,S)の鏡像は、(R,S)および(S,R)とは重ならない。この関係を、ジアステレオ性と呼び、(S,S)分子は(R,S)分子のジアステレオマーであり、(R,R)分子は(S,R)分子のジアステレオマーである。
2つのキラル中心を有する化合物の例は、抗ムスカリン作用薬であるソリフェナシンである。ソリフェナシンは、米国特許第6,174,896号に記載され、以下の化学式により表される:
Figure 2006520799
ソリフェナシンは2つのキラル中心を有するので、この分子については、ジアステレオマーおよびエナンチオマーが存在する(米国特許第6,174,896号を参照のこと)。コハク酸ソリフェナシン(開発番号YM−905)は、山之内製薬(Yamanouchi Pharma Americaから)およびGlaxoSmithKlineによりVesicare(登録商標)として協同開発されている、ソリフェナシンの塩形態である。これは、膀胱の平滑筋にあるレセプターに作用すると考えている、治験中のムスカリン性アンタゴニストである。ソリフェナシンは、山之内製薬により発見および開発され、コハク酸ソリフェナシンについてのNew Drug Applicationが、2002年12月に、YPAにより、U.S. Food and Drug Administrationに申請された。Vesicare(登録商標)に対する市販の承認申請は、欧州において2003年1月に提出されており、山之内製薬は、Vesicare(登録商標)の第III相治験を日本で開始している。ソリフェナシンの他の塩形態はまた、山之内製薬により具体的に記載されており、これは、ソリフェナシン一塩酸塩(開発番号YM−53705)を含む。
本発明における用途のために、本明細書中に開示される活性因子の任意のジアステレオマーもしくはエナンチオマーが、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害、ならびに関連する刺激性の症状を処置するために投与され得る。
(処方物)
本発明の処方物としては、持続性処方物、随時処方物、短期処方物、迅速相殺(rapid−offset)処方物、制御放出処方物、持続放出処方物、遅延放出処方物およびパルス放出処方物が挙げられ得る。
本発明の組成物は、1種以上の平滑筋調節作用を有する化合物(抗ムスカリン作用薬、β3アドレナリン作動性アゴニスト、鎮痙薬、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニストおよび一酸化窒素供与体を含む)と組合せてαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を含む。この組成物は、正常および脊髄障害患者において、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害を処置することが必要な患者に対して、その処置に治療上有効な量で投与される。この組成物は、下部尿路障害に関連する疼痛性および非疼痛性の症状の処置に有効な量が送達される限り、任意の投与手段で投与されてもよいことが理解される。
上記の活性因子のうちのいずれもが、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、誘導体などの形態で投与されてもよいが、これはこの塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは誘導体が本発明の方法において薬理学的に適切(すなわち有効)である場合に限る。この活性因子の塩、エステル、アミド、プロドラッグ、および他の誘導体は、合成有機化学の当業者に公知であり、例えばJ.March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure,第4版(New York:Wiley−Interscience,1992)によって記載される標準的な手順を用いて調製されてもよい。例えば、酸付加塩は、従来の方法論を用いて遊離の塩基から調製され、適切な酸との反応に関与する。酸付加塩を調製するのに適切な酸としては、有機酸と無機酸の両方が挙げられ、有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などであり、無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などである。酸付加塩は、適切な塩基での処理によって遊離の塩基に再変換され得る。本明細書の活性因子の特に好ましい酸付加塩は、有機酸で調製した塩である。逆に、活性因子上に存在し得る酸部分の塩基性塩の調製は、薬理学的に受容可能な塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミンなど)を用いて同様の方式で調製される。
エステルの調製は、この薬物の分子構造内に存在し得るヒドロキシル基(水酸基)および/またはカルボキシル基の官能化に関与する。このエステルは代表的には、遊離のアルコール基のアシル置換誘導体(すなわち、式RCOOHのカルボン酸(Rがアルキルであり、好ましくは低級アルキルである)に由来する部分)である。エステルは必要に応じて、従来の水素化分解または加水分解手順を用いることによって、遊離の酸に再変換されてもよい。アミドおよびプロドラッグはまた、当業者に公知であるかまたは関連文献に記載されている技術を用いて調製され得る。例えば、アミドは、適切なアミン反応物質を用いてエステルから調製されてもよいし、またはアンモニアもしくは低級アルキルアミンとの反応によって無水物もしくは酸塩化物から調製されてもよい。プロドラッグは、代表的には、個体の代謝系によって修飾されるまで治療上不活性である化合物を生じる部分の共有結合によって調製される。
ギャバペンチンのための1セットの処方物は、Pfizer Inc.より、Neurontin(登録商標)、Neurontin(登録商標)カプセル、Neurontin(登録商標)錠およびNeurontin(登録商標)の商品名で市販されているものである。
経口溶液は、100mg、300mgおよび400mgのギャバペンチンを含む烙印された硬シェルカプセル、600mgおよび800mgのギャバペンチンを含む腸溶性フィルムコーティング錠、または250mg/5mLのギャバペンチンを含む経口用溶液として供給される。カプセルのための不活性な賦形剤は、ラクトース、トウモロコシデンプン、およびタルクである。100mgのカプセルシェルは、ゼラチンおよび二酸化チタンを含む。300mgのカプセルシェルは、ゼラチン、二酸化チタンおよび鉄黄を含む。400mgのカプセルシェルは、ゼラチン、弁柄、二酸化チタンおよび鉄黄を含む。錠剤のための不活性な賦形剤は、ポロキサマー407、コポリビドナム、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、カンデリラ蝋および精製水である。経口溶液のための不活性成分は、ゼラチン、キシリトール、精製水および人工清涼ストロベリーアニス香味料(artificial cool strawberry anise flavor)である。これらの処方物に加え、ギャバペンチンおよび処方物は、一般に、以下の特許に記載されている:米国特許第6,683,112号;米国特許第6,645,528号;米国特許第6,627,211号;米国特許第6,569,463号;米国特許第6,544,998号;米国特許第6,531,509;6,495,669号;米国特許第6,465,012号;米国特許第6,346,270号;米国特許第6,294,198号;米国特許第6,294,192号;米国特許第6,207,685号;米国特許第6,127,418号;米国特許第6,024,977号;米国特許第6,020,370号;米国特許第5,906,832号;米国特許第5,876,750号;および米国特許第4,960,931号。
オキシブチニンのための1セットの処方物は、Ortho−McNeil Pharmaceuticals, Incより、Ditropan(登録商標)の商品名で市販されるものである。Ditropan(登録商標)錠は、5mg/錠の活性成分である塩化オキシブチニン、不活性成分である、無水乳酸、微結晶性セルロース、ステアリン酸カルシウムおよびFD&C blue #1 lakeを含んで供給される。Ditropan(登録商標)シロップは、5mg/5mLの活性成分である塩化オキシブチニン、不活性成分であるクエン酸、FD&C green #3、香味料、グリセリン、メチルパラベン、クエン酸ナトリウム、ソルビトール、スクロースおよび水を含んで供給される。Ditropan XL(登録商標)は、Ditropan(登録商標)の延長放出錠剤であり、5mg(淡黄色)の塩化オキシブチニン、10mg(ピンク色)の塩化オキシブチニン、または15mg(灰色)の塩化オキシブチニンのいずれかを含んで供給される。不活性成分は、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、合成酸化鉄、二酸化チタン、ポリソルベート80、塩化ナトリウム、および酪酸ヒドロキシトルエンである。
オキシブチニンはまた、Oxytrol(登録商標)(オキシブチニンの経皮系)の商品名でWatson Pharmaceuticalsより供給されている。Oxytrol(登録商標)は、3〜4日間隔で、連続的にそして一貫してオキシブチニンを送達するように設計された経皮パッチである。これは、36mgのオキシブチニンを含む39cmのパッチとして供給され、3.9mg/日で送達するように設計されている。このパッチは、連続して装着され、新しいパッチは、3〜4日ごとに貼付される。
本発明に有用な処方物は、ギャバペンチンおよび塩化オキシブチニンの組合せを含む。組合せは、本明細書中に記載される種々の薬学的組成物および投薬形態で供給され得る。組合せを供給するための一つの処方物は、錠剤処方物である。本発明の組合せのための、カプセル、シロップなどのようなさらなる処方物はまた、組合せの送達のために意図され、そして、錠剤処方物の任意の説明は、決して、本発明の組合せのための可能な送達様式を限定することは意味しない。
本発明に有用なギャバペンチン/オキシブチニンの組合せを供給するための錠剤処方物は、活性成分に加えて、機能的な賦形剤を組合せて含み得る。錠剤処方物である薬学的組成物を調製するのに有用なこのような賦形剤は、当該分野で公知であり、充填剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、希釈剤、コーティング剤、グリダント、圧縮助剤、安定剤、甘味料、可溶化剤および製剤分野の当業者に公知の他の賦形剤として有用であることが公知の化合物が挙げられる。
本発明に有用な組合せの活性成分(ギャバペンチンおよびオキシブチニン)は、特に錠剤の形態で、本明細書中に提供される比に従って組合され得る。本発明における用途のための組合せの活性成分の相対比は、約1:1〜約1:800のオキシブチニンおよびギャバペンチン、より好ましくは、約2.5:200〜2.5:800のオキシブチニンおよびギャバペンチンである。一般に、組合せにおけるオキシブチニンのギャバペンチンに対する比は、約2.5:50、約2.5:100、約2.5:150、約2.5:200、約2.5:250、約2.5:300、約2.5:350、約2.5:400、約2.5:450、約2.5:500、約2.5:550、約2.5:600、約2.5:650、約2.5:700、約2.5:750または約2.5:800である。あるいは、組合せにおけるオキシブチニンのギャバペンチンに対する比は、約1.25:50、約1.25:100、約1.25:150、約1.25:200、約1.25:250、約1.25:300、約1.25:350、約1.25:400、約1.25:450、約1.25:500、約1.25:550、約1.25:600、約1.25:650、約1.25:700、約1.25:750, or 約1.25:800である。あるいは、組合せにおけるオキシブチニンのギャバペンチンに対する比は、約5:50、約5:100、約5:150、約5:200、約5:250、約5:300、約5:350、約5:400、約5:450、約5:500、約5:550、約5:600、約5:650、約5:700、約5:750または約5:800である。本発明における使用に適切な組合せ中にギャバペンチンおよびオキシブチニンを含む錠剤を調製するための処方物の例は、以下の表1および2に提供される。
Figure 2006520799
Figure 2006520799
上記処方物に従う錠剤は、多数の可能な方法に従って調製され得る。上に提供される処方物を含む錠剤を調製する際に使用される1つの方法は、以下の工程を包含する:
(1)成分を20メッシュ篩に通して、インペラーおよびチョッパーを備える造粒機に移し、5分間混合する;
(2)結合剤溶液(例えば、ポビドンまたはメトセル)と成分とを混合した顆粒を湿らせる;
(3)湿らせた顆粒を、流動床ドライヤに移し、%LOD値が1〜2.5%の範囲内になるまで乾燥させる;
(4)乾燥した顆粒を、粉砕する;
(5)粉砕した顆粒を(例えば、ステアリン酸マグネシウムを用いて)、混合機中で滑沢させる;
(6)錠剤に圧縮する。
この活性因子の他の塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物および誘導体は、合成有機化学の当業者に公知の標準的技術を用いて調製されてもよく、または関連文献を参照して推論され得る。さらに、キラル活性因子は、異性体として純粋な形態であってもよいし、異性体のラセミ混合物として投与されてもよい。
(薬学的組成物および投薬形態)
適切な組成物および投薬形態としては、錠剤、カプセル、カプレット、丸剤、ジェルカプセル(ジェルキャップ)、トローチ、分散物、懸濁液、溶液、シロップ、経皮パッチ、ゲル、粉末、マグマ(magma)、ロゼンジ、クリーム、ペースト、硬膏剤、ローション、ディスク、坐剤、経鼻投与または経口投与のための液体スプレー、吸入のための乾燥粉末またはエアロゾル化処方物、膀胱内投与のための組成物および処方物などが挙げられる。さらに、当業者は、これらの組成物および投薬形態を含む適切な処方物(本明細書においていずれかに記載されるような処方物を含む)を容易に推測し得る。
(経口投薬形態)
経口投薬形態としては、錠剤、カプセル、カプレット、溶液、懸濁物および/またはシロップが挙げられ、そしてこれはカプセル化されてもされなくてもよいが、複数の顆粒、ビーズ、粉末またはペレットも含んでもよい。このような投薬形態は、薬学的処方物の分野の当業者にとって公知であり、かつ関連テキスト(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出))に記載される従来の方法を用いて調製される。錠剤およびカプセルは、最も便利な経口投薬形態を呈し、この場合、固体の薬学的キャリアが使用される。
錠剤は、標準的な錠剤処理手順および装置を用いて製造され得る。錠剤を形成するための1方法は、活性因子(単数または複数)を含む粉末化組成物、結晶組成物または顆粒組成物を、単独でか、または1つ以上のキャリア、添加物などと組み合わせて、直接圧縮することによる。直接の圧縮の代わりに、錠剤は、湿式顆粒形成プロセスまたは乾式顆粒形成プロセスを用いて調製され得る。錠剤はまた、湿っているかそうでなければ取り扱いやすい物質で開始して、圧縮されるのではなく成型されてもよい;しかし、圧縮および顆粒形成技術が好ましい。
次いで、この活性因子(単数または複数)に加えて、本発明の方法を用いて経口投与のために調製された錠剤は一般に、他の物質(例えば、結合剤、希釈剤、潤滑剤、崩壊剤、充填剤、安定化剤、界面活性剤、防腐剤、着色剤、矯味矯臭剤など)を含む。結合剤を用いて、錠剤に対して付着特性を付与して、これによって圧縮後に錠剤が完全性を保持することを確実にする。適切な結合物質としては、限定はしないが、デンプン(コーンスターチおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックス、ならびに天然および合成のガム、例えば、アカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系ポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを含む)およびVeegumが挙げられる。希釈剤は、代表的には、実際的なサイズの錠剤が最終的に得られるように、かさを増大するために必要である。適切な希釈剤としては、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉末の糖が挙げられる。潤滑剤を用いて、錠剤製造を促進する;適切な潤滑剤の例としては、例えば、植物油、例えば、ピーナツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブオイル、コーン油およびカカオの油、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸が挙げられる。ステアリン酸塩は、もし存在すれば、好ましくは約2重量%以下の薬物含有コアを示す。崩壊剤を用いて錠剤の崩壊を促進し、これは一般的には、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ガムまたは架橋されたポリマーである。充填剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、滑石、カオリン、粉末セルロースおよび微結晶性セルロースのような物質、ならびにマンニトール、尿素、スクロース、ラクトース、デキストロース、塩化ナトリウムおよびソルビトールのような可溶性物質が挙げられる。安定化剤を用いて、例えば、酸化反応を含む、薬物分解反応を阻害または遅延させる。界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両親媒性または非イオン性の界面活性剤であってもよい。
投薬形態はまた、カプセルであってもよく、この場合、この活性因子を含む組成物は、液体または固体の形態(顆粒、ビーズ、粉末またはペレットのような微粒子を含む)でカプセル化されてもよい。適切なカプセルは、硬質または軟質のいずれであってもよく、そして一般にはゼラチン、デンプンまたはセルロース系物質で作製され、ゼラチンカプセルが好ましい。2片の硬質ゼラチンカプセルは、好ましくは、ゼラチンバンドなどを用いて密閉される(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)(これは、カプセル化された薬剤を調製するための物質および方法を記載する)を参照のこと)。活性因子含有組成物がカプセル内に液体形態で存在する場合、液体キャリアは活性因子(単数または複数)を溶解するのに必要である。このキャリアは、カプセル物質および薬学的組成物の全ての成分と適合性でなければならず、そして摂取に適切でなければならない。
固体投薬形態は、錠剤、カプセル、カプレットまたは微粒子のいずれかであり、必要に応じて、遅延放出を得るためにコーティングされてもよい。遅延放出コーティングを有する投薬形態は、標準的なコーティング手順および装置を用いて製造されてもよい。このような手順は、当業者に公知であり、関連テキストにおいて記載される(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)を参照のこと)。一般には、固体投薬形態の調製後、遅延放出コーティング組成物は、コーティングパン、エアレス噴霧技術、流動床コーティング装置などを用いて適用される。遅延放出コーティング組成物は、ポリマー物質、例えば、酪酸フタル酸セルロース、フタル酸水素セルロース、プロピオン酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ジオキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、それらのアクリル酸、メタクリル酸および/またはエステルから形成されたポリマーおよびコポリマーを含む。
徐放性投薬形態によって、長時間にわたって薬物放出が得られ、これは、遅延放出であってもなくてもよい。一般には、当業者に理解されるように、徐放性投薬形態は、徐々に生体侵食性(bioerosible)(加水分解性)の物質(例えば不溶性プラスチック、親水性ポリマーもしくは脂肪化合物)のマトリックス内に薬物を分散することによって、またはこのような物質を用いて固体の薬物含有投薬物をコーティングすることによって、処方される。不溶性プラスチックマトリックスは、例えば、ポリ塩化ビニルまたはポリエチレンから構成されてもよい。徐放性コーティングまたはマトリックスセルロース系ポリマーを得るために有用な親水性ポリマーとしては、限定はしないが:セルロース系ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、ヘキサヒドロフタル酸セルロース、酢酸ヘキサヒドロフタル酸セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);好ましくはアクリル酸から形成される、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルなど、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸エチルと、好ましくはアクリル酸エチル、メタクリル酸メチルおよび塩化メタクリル酸トリメチルアンモニオエチル(Eudragit RSの商品名で販売)とのコポリマー;ビニルポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、フタル酸ポリ酢酸ビニル、クロトン酸酢酸ビニルコポリマーおよびエチレン−酢酸ビニルコポリマー);ゼインおよびシェラック(shellac)、アンモニア化シェラック、シェラック−アセチルアルコールおよびステアリン酸シェラックn−ブチルが挙げられる。徐放性マトリックス物質としての使用のための脂肪化合物としては、限定はしないが、ワックス、一般的に(例えば、カルナバワックス)およびトリステアリン酸グリセリルが挙げられる。
(経粘膜組成物および投薬形態)
本組成物は、経口的に投与されてもよいが、他の方式の投与も適切である。例えば、有利には経粘膜投与を使用してもよい。経粘膜投与は、粘膜組織に対する適用に適切な任意の型の処方物または投薬単位を用いて行なわれる。例えば、選択された活性因子は、接着性の錠剤またはパッチとして口腔内粘膜に投与してもよいし、舌下に固体投薬形態を置くことによって舌下に投与してもよいし、舌の上に固体投薬形態を置くことによって舌側に投与してもよいし、液滴または経鼻スプレーとして鼻に投与してもよいし、エアロゾル処方物、非エアロゾル液体処方物、または乾燥粉末の吸入によって投与してもよいし、直腸の中または近位においてもよいし(「経直腸」処方物)、または坐剤、軟膏などとして尿道に投与してもよい。
好ましい口腔内投薬形態は代表的には、治療上有効な量の活性因子、および口腔内粘膜に対してこの投薬形態を接着するように働き得る生体侵食性(加水分解性)ポリマーキャリアを含む。口腔内投薬単位は、薬物送達が本質的に全体にわたって得られる所定の期間にわたって侵食するように製造される。この期間は代表的には、約1時間〜約72時間の範囲である。好ましい口腔内送達は好ましくは、約2時間〜約24時間の期間にわたって生じる。短期間使用のための口腔内薬物送達は好ましくは、約2時間から約8時間の期間にわたって、さらに好ましくは約3時間から約4時間の期間にわたって生じるべきである。必要に応じて、口腔内薬物送達は好ましくは、約1時間〜約12時間、さらに好ましくは約2時間から約8時間の期間、最も好ましくは約3時間から約6時間の期間にわたって生じる。持続放出性口腔内薬物送達は好ましくは、約6時間〜約72時間、より好ましくは、約12時間から約48時間、最も好ましくは約24時間から約48時間の期間にわたって生じる。口腔内薬物送達は、当業者に理解されるように、経口薬物投与によって生じる不利な点(例えば、緩徐な吸収、胃腸管に存在する液体によるこの活性因子の分解、および/または肝臓における初回通過不活性化)を回避する。
口腔内投薬単位における活性因子の「治療上有効な量(therapeutically effective amount)」は当然ながら、その因子の力価に依存し、意図される投薬量は、それによって、処置を受けている特定の個体、特定の適応などに依存する。口腔内投薬単位は一般に、約1.0重量%〜約60重量%の活性因子、好ましくは約1重量%〜約30重量%という量の活性因子を含む。生分解性(加水分解性)のポリマーキャリアに関して、所望の薬物放出プロフィールが損なわれず、このキャリアが、投与されるナトリウムチャネル修飾因子、特にテトロドトキシン耐性(TTX−R)ナトリウムチャネル修飾因子および/または活性依存性ナトリウムチャネル修飾因子と適合性である限り、実質上任意のこのようなキャリア、および口腔内投薬単位の任意の他の成分が用いられ得ることが理解される。一般的に、ポリマーキャリアは、口腔内粘膜の湿潤表面に固着する、親水性(水溶性および水膨張性)ポリマーを含む。本明細書において有用なポリマーキャリアの例としては、アクリル酸ポリマー、およびコポリマー(例えば、「カルボマー(carbomer)」(B.F.Goodrichから入手できるCarbopol(登録商標)がこのようなポリマーの1つ)として公知のコポリマー)が挙げられる。他の適切なポリマーとしては、限定はしないが:加水分解されたポリビニルアルコール;ポリエチレンオキシド(例えば、Union Carbideから入手可能なSentry Polyox(登録商標)水溶性樹脂);ポリアクリレート(例えば、GAFから入手できるGantrez(登録商標));ビニルポリマーおよびコポリマー;ポリビニルピロリドン;デキストラン;グアーガム;ペクチン;デンプン;およびセルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Dow Chemical Companyから入手可能なMethocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、これもDowから入手可能なKlucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えば、Aldermanの米国特許第4,704,285号を参照のこと)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロースなどが挙げられる。
他の成分も、本明細書に記載の口腔内投薬形態に組み込んでもよい。さらなる成分としては、限定はしないが、崩壊剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、着色料、防腐剤などが挙げられる。用いることができる崩壊剤の例としては、限定はしないが、架橋ポリビニルピロリドン(例えば、クロスポビドン(例えば、GAFから入手可能な、Polyplasdone(登録商標)XL))、架橋カルボキシメチルセルロース(例えば、クロスカルメロース(例えば、FMCから入手可能なAc−di−sol(登録商標))、アルギン酸およびカルボキシメチルスターチナトリウム(例えば、Edward Medell Co.,Inc.から入手可能なExplota(登録商標))、メチルセルロース、寒天ベントナイトおよびアルギン酸が挙げられる。適切な希釈剤は、一般に、圧縮技術を用いて調製される薬学的組成物において有用であるもの(例えば、リン酸二カルシウム二水和物(例えば、Staufferから入手可能な、Di−Tab(登録商標))、デキストリンとの同時結晶化によって処理されている糖(例えば、Amstarから入手可能な、Di−Pak(登録商標)のような同時結晶化されたスクロースおよびデキストリン)、リン酸カルシウム、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、粉末の糖)である。結合剤は、使用される場合、結合を増強するものである。このような結合剤の例としては、限定はしないが、デンプン、ゼラチンおよび糖、例えば、スクロース、デキストロース、糖蜜(molasses)およびラクトースが挙げられる。特に好ましい滑沢剤は、ステアリン酸塩およびステアリン酸であり、そして最適の滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
舌下および舌の投薬形態としては、錠剤、クリーム、軟膏、トローチ剤(lozenge)、ペースト、および活性成分が崩壊性マトリックス中に混合されている任意の他の固体投薬形態が挙げられる。舌下または舌の送達のための、この錠剤、クリーム、軟膏またはペーストは、治療上有効な量の選択された活性因子、および舌下または舌の薬物投与のために適切な、1つ以上の従来の非毒性キャリアを含む。本発明の舌下および舌の投薬形態は、従来のプロセスを用いて製造され得る。舌下および舌の投薬単位は、迅速に分解するように製造される。この投薬単位の完全な分解のための期間は代表的には、約10秒〜約30分の範囲であり、最適には5分未満である。
他の成分も本明細書に記載の舌下および舌の投薬形態に組み込まれ得る。さらなる成分としては、限定はしないが結合剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤などが挙げられる。用いられ得る結合剤の例としては、水、エタノール、ポリビニルピロリドン;デンプン溶液ゼラチン溶液などが挙げられる。適切な崩壊剤としては、乾燥デンプン、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、ラクトースなどが挙げられる。湿潤剤は、使用される場合、これには、グリセリン、デンプンなどが挙げられる。特に好ましい滑沢剤は、ステアリン酸塩およびポリエチレングリコールである。舌下および舌の投薬形態に組み込まれ得るさらなる成分は公知であるか、または当業者には明白である(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)を参照のこと)。
経尿道投与のためには、この処方物は、活性因子および1つ以上の選択されたキャリアまたは賦形剤、例えば、水、シリコーン、ワックス、ワセリン(petroleum jelly)、ポリエチレングリコール(「PEG」)、プロピレングリコール(「PG」)、リポソーム、糖(例えば、マンニトールおよびラクトース)および/または種々の他の物質を含む尿道投薬形態を含み、ポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体が特に好ましい。
投与される特定の活性因子に依存して、尿道投薬形態に経尿道浸透増強因子を組み込むことが所望され得る。適切な経尿道浸透増強因子の例としては、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、N,N−ジメチルアセトアミド(「DMA」)、ジシクロメチルスルホキシド(「C10MSO」)、ポリエチレングリコールモノラウレート(「PEGML」)、グリセロールモノラウレート、レシチン、1−置換アザシクロヘプタン−2−オン(特に1−n−ドデシルシクロアザシクロヘプタン−2−オン(Nelson Research & Development Co.,Irvine,CalifからAzone(登録商標)の商品名で入手可能))、SEPA(登録商標)(Macrochem Co.,Lexington,Massから入手可能)、上で考察したような界面活性剤(例えば、Tergitol(登録商標)、Nonoxynol−9(登録商標)およびTWEEN−80(登録商標)を含む)、ならびに低級アルカノール(例えば、エタノール)が挙げられる。
経尿道薬物投与は、米国特許第5,242,391号、同第5,474,535号、同第5,686,093号および同第5,773,020号に説明されるとおり、種々の尿道投薬形態を用いて多数の異なる方法で行なうことができる。例えば、薬物は、可塑性のチューブ、スクイーズボトル、ポンプまたはエアロゾルスプレーから尿道中に導入されてもよい。この薬物はまた、尿道において吸着されるか、融解されるかまたは生分解される、コーティング、ペレットまたは坐剤に含まれてもよい。特定の実施形態では、この薬物は、陰茎挿入物の外面上のコーティングに含まれる。必須ではないが、この薬物は尿道に少なくとも約3cm、そして好ましくは尿道に少なくとも約7cmから送達されるのが好ましい。一般に、尿道へ少なくとも約3cmから約8cmの送達によって、本発明と関連した有効な結果が得られる。
PEGまたはPEG誘導体を含む尿道坐剤処方物は、当業者には明らかであり、そして該当の文献および薬学的なテキストに記載されているとおり、従来の技術(例えば、圧縮成型、熱成型など)を用いて簡便に処方されてもよい(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)を参照のこと)。これは、薬学的組成物を尿道坐剤の形態に調製する代表的な方法を開示している。PEGまたはPEG誘導体は好ましくは、約200〜約2,500g/モルの範囲、さらに好ましくは、約1,000〜約2,000g/モルの範囲の分子量を有する。適切なポリエチレングリコール誘導体としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールモノステアレート)、ポリエチレングリコールソルビタンエステル(例えば、ポリソルベート)などが挙げられる。特定の活性因子次第では、PEGまたは他の経尿道ビヒクルにおいて活性因子の溶解度を増大させるのに有効な1つ以上の可溶化因子を尿道坐剤が含むことも好ましくあり得る。
この活性因子の徐放性または持続放出を提供する尿道投薬形態中にこの活性因子を送達することが所望され得る。このような場合、この投薬形態は、生体適合性、生体分解性の物質、代表的には生分解性ポリマーを含む。このようなポリマーの例としては、ポリエステル、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、アルブミン、ゼラチンおよびデンプンが挙げられる。例えば、PCT公開番号WO96/40054に説明されるように、これらおよび他のポリマーを用いて、徐放性および持続放出性の薬物砲術を可能にして、これによって必要な投薬頻度を最小にする、生分解性の微小粒子を得ることができる。
尿道投薬形態は好ましくは、約2〜約20mmのという長さ、好ましくは約5〜10mmという長さ、そして約5mm未満の幅、好ましくは約2mm未満の幅の坐剤を含む。坐剤の重量は代表的には、約1mg〜約100mgの範囲、好ましくは約1mg〜約50mgの範囲である。しかし、この坐剤のサイズは、薬物の力価、処方物の性質および他の要因に依存して、変化してもよいということが当業者には理解される。
経尿道薬物送達は、イオン泳動、エレクトロポレーションまたは光泳動法(phonophoresis)のような「能動的な(active)」送達機構を包含し得る。この方法で薬物を送達するための装置および方法は、当該分野では周知である。イオン泳動補助薬物送達(iontophoretically assisted drug delivery)は、例えば、上記のPCT公開番号WO96/40054に記載される。要するに、この活性因子は、外部電極から、尿道プローブ内に含まれるかまたはそれに固定された第二の電極に流された電流によって、尿道壁を通じて駆動される。
好ましい経直腸投薬形態としては、直腸坐剤、クリーム、軟膏および液体処方物(浣腸)が挙げられる。経直腸送達のためのこの坐剤、クリーム、軟膏または液体処方物は、治療上有効な量の選択されたホスホジエステラーゼインヒビター、および経直腸薬物投与に適切な1つ以上の従来の非毒性キャリアを含む。本発明の経直腸投薬形態は、従来のプロセスを用いて製造され得る。経直腸投薬単位は、急速にまたは数時間にわたって分解されるように製造され得る。完全な分解のための期間は好ましくは、約10分から約6時間の範囲であり、最適には、約3時間未満である。
他の成分も、本明細書に記載の経直腸投薬形態に組み込まれてもよい。このさらなる成分としては、限定はしないが、硬化剤、抗酸化剤、防腐剤などが挙げられる。用いられ得る硬化剤の例としては、例えば、パラフィン、白蝋および黄蝋が挙げられる。好ましい抗酸化剤は、用いられる場合、亜硫酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
好ましい膣または膣周囲投薬形態としては、膣坐剤、クリーム、軟膏、液体処方物、ペッサリー、タンポン、ジェル、ペースト、泡状物またはスプレーが挙げられる。この膣または膣周囲送達のための坐剤、クリーム、軟膏、液体処方物、ペッサリー、タンポン、ジェル、ペースト、泡状物またはスプレーは、治療上有効な量の選択された活性因子、および膣または膣周囲の薬物投与に適切な1つ以上の従来の非毒性のキャリアを含む。本発明の膣または膣周囲の形態は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)に開示されるような従来のプロセスを用いて製造できる(米国特許第6,515,198号;同第6,500,822号;同第6,417,186号;同第6,416,779号;同第6,376,500号;同第6,355,641号;同第6,258,819号;同第6,172,062号;および同第6,086,909号に適合されるような薬物処方物も参照のこと)。膣または膣周囲の投薬単位は、急速にまたは数時間にわたって分解されるように製造され得る。完全な分解のための期間は、好ましくは、約10分から約6時間の範囲であり、最適には、約3時間未満である。
他の成分も、本明細書に記載の膣または膣周囲投薬形態に組み込まれてもよい。このさらなる成分としては、限定はしないが、硬化剤、抗酸化剤、防腐剤などが挙げられる。用いられ得る硬化剤の例としては、例えば、パラフィン、白蝋および黄蝋が挙げられる。好ましい抗酸化剤は、用いられる場合、亜硫酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
この活性因子はまた、経鼻的にまたは吸入によって投与され得る。経鼻投与のための組成物は一般には、スプレーとして、または液滴の形態での投与のための液体処方物であるが、経鼻投与のための粉末処方物(例えば、吸入剤)も公知であり、経鼻ジェル、クリーム、ペーストまたは軟膏も同様である。液体処方物のためには、活性因子は溶液、例えば、水または等張性の生理食塩水中に処方されてもよく、緩衝化されてももしくは緩衝化されなくてもよく、または懸濁剤として処方されてもよい。好ましくは、このような溶液または懸濁液は、鼻の分泌物に対して等張性であり、ほぼ同じpH、例えば、約pH4.0〜約pH7.4、または約pH6.0〜約pH7.0という範囲である。緩衝液は、生理学的に適合性でなければならず、そして単に一例としてはリン酸緩衝液が挙げられる。さらに、小滴、液滴およびスプレーの生成のためには、点滴器、スクイーズボトル、ならびに手動および電力の経鼻ポンプディスペンサーを含む、当該分野における種々のデバイスが利用可能である。活性因子含有鼻腔内キャリアとしてはまた、鼻腔粘膜表面との所望される持続性の接触に依存して、例えば約10〜約6500cps以上の粘稠性を有する、鼻腔のジェル、クリーム、ペーストまたは軟膏が挙げられる。このようなキャリア粘稠性処方物は、単なる例として、アルキルセルロースおよび/または当該分野で周知の高い粘稠性の他の生体適合性キャリアに基づき得る(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)を参照のこと)。他の成分(例えば、当該分野で公知の防腐剤、着色剤、潤滑剤または粘稠性鉱物または植物油、香料、天然または合成の植物抽出物(例えば、芳香族オイル)および保湿剤および増粘剤(例えば、グリセロール))も、この処方物にさらなる粘稠性、湿度保持および優れた質感および匂いを提供するために含んでもよい。
吸入のための処方物は、エアロゾル(活性因子がキャリア(噴霧剤)に溶解されている溶液エアロゾル、または活性因子がキャリアおよび任意の溶媒の全体にわたって懸濁もしくは分散されている分散エアロゾルのいずれか)として調製されてもよい。吸入のための非エアロゾエル処方物は、液体、代表的には水性懸濁液の形態をとってもよいが、水溶液も同様に用いることができる。このような場合、キャリアは代表的には、この処方物が通常の体液に対して等張性であるような濃度を有する塩化ナトリウム溶液である。キャリアに加えて、液体処方物は、水および/または賦形剤を含んでもよく、これには抗菌防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、チメロサールおよびそれらの組み合わせ)、緩衝化剤(例えば、クエン酸、メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせ)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノパルミテートおよびそれらの組み合わせ)、および/または懸濁剤(例えば、寒天、ベントナイト、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トラガガント、Veegumおよびそれらの組み合わせ)が挙げられる。吸入のための非エアロゾル処方物はまた、乾燥粉末処方物(特に吸入剤)を含んでもよく、ここでこの粉末は約0.1μm〜約50μm、好ましくは約1μm〜約25μmという平均粒子サイズを有する。
(局所処方物)
局所処方物は、体表に対する塗布に適切な任意の形態であってもよく、そして例えば、軟膏、クリーム、ジェル、ローション、溶液、ペーストなどを含んでもよく、そして/またはリポソーム、ミセルおよび/またはマイクロスフェアを含むように調製されてもよい。本明細書において好ましい局所処方物は、軟膏、クリームおよびジェルである。
軟膏は薬学的処方物の当該分野で周知のとおり、代表的にはペトロラタム(petrolatum)または他の石油誘導体に基づく半固体調製物である。用いられる特定の軟膏基剤は、当業者によって理解されるとおり、最適の薬物送達を提供し、好ましくは、同様に他の所望の特徴(例えば、柔軟化など)を提供するものである。他のキャリアまたはビヒクルと同様に、軟膏基剤は、不活性、安定、非刺激性および非感作性でなければならない。Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)に説明されるとおり、軟膏基剤は、4つのクラス:脂肪性基剤;乳化可能基剤;エマルジョン基剤;および水溶性基剤、に分類できる。脂肪性軟膏基剤としては、例えば、植物油、動物から得られる脂肪、および石油から得られる半固体の炭化水素が挙げられる。吸収性軟膏基剤としても公知の乳化可能軟膏基剤は、水をほとんどまたは全く含まず、そして例えば、ヒドロキシステアリン硫酸、無水ラノリンおよび親水性ペトロラタムを含む。エマルジョン軟膏基剤は、油中水型(W/O)エマルジョンまたは水中油型(O/W)エマルジョンのいずれでもよく、そして例えば、セチルアルコール、グリセリルモノステアレート、ラノリンおよびステアリン酸を含む。好ましい水溶性軟膏基剤は、種々の分子量のポリエチレングリコールから調製される(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)を参照のこと)。
クリームも当該分野で周知であり、水中油型または油中水型のいずれかの、粘稠性の液体または半固体のエマルジョンである。クリーム基剤は水で洗浄可能であり、油相、乳化剤および水相を含む。油相はまた、「内部(internal)」相とも呼ばれるが、一般にはペトロラタムおよび脂肪アルコール、例えばセチルまたはステアリルアルコールからなる。水相は一般に、必須ではないが、体積で油相を超えており、一般には保湿剤を含む。クリーム処方物の乳化剤は一般に、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両親媒性の界面活性剤である。
薬学的処方物の分野の研究者に明らかであるとおり、ゲルは半固体の懸濁型の系である。単層のゲルは、キャリアの液体全体にわたって実質的に均一に分布された有機高分子を含む。これらの有機高分子は、代表的には水性であるが、また好ましくはアルコールおよび必要に応じてオイルも含む、好ましい「有機高分子(organic macromolecules)」、すなわち、ゲル化剤は、架橋されたアクリル酸ポリマー(例えば、「カルボマー(carbomer)」ファミリーのポリマー(例えば、Carbopol(登録商標)の商標で市販されているカルボキシポリアルキレン))である。また好ましいのは、親水性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーおよびポリビニルアルコール);セルロース系ポリマー(例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびメチルセルロース);ガム(例えば、トラガカントガムおよびキサンタンガム);アルギン酸ナトリウム;ならびにゼラチンである。均一なゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンのような分散剤が添加されてもよく、またはゲル化剤は、倍散、機械的混合、および/または撹拌によって分散されてもよい。
当業者に公知の種々の添加物が、局所処方物に含まれてもよい。例えば、可溶化剤が特定の活性因子を可溶化するために用いられ得る。皮膚または粘膜組織を通じた異常に低速の浸透を有する薬物のためには、処方物中に浸透増強因子を含むことが所望され得る;適切な増強因子は、本明細書のいずれかに記載される。
(経皮投与)
本発明の化合物はまた、皮膚に対して薬物送達デバイスを固定するように機能する、重層構造(代表的には、経皮「パッチ(patch)」と呼ばれる)内に因子が含まれる、従来の経皮薬物送達系を用いて皮膚または粘膜の組織を通じて投与され得る。経皮薬物送達は、受動的拡散を含んでもよいし、または電気的輸送(例えば、イオン泳動)を用いて促進されてもよい。代表的な経皮「パッチ」では、薬物組成物は、上部の裏打ち層の下にある、層または「リザーバ(reservoir)」に含まれる。重層構造は、単独のリザーバを含んでもよいし、または複数のリザーバを含んでもよい。「モノリシック(monolithic)」系とも呼ばれる1タイプのパッチでは、このリザーバは、薬物送達の間に皮膚にこの系を固定するように働く、薬学的に受容可能な接触固定物質のポリマーマトリックスから構成される。適切な皮膚接触固定物質の例としては、限定はしないが、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、ポリウレタンなどが挙げられる。あるいは、薬物含有リザーバおよび皮膚接触固定剤は、隔てられた別個の層であり、このリザーバの下に接着層があり、リザーバは、この場合、上記のようなポリマーマトリックスであってもよいし、または液体もしくはヒドロゲルリサーバであってもよいし、またはいくつかの他の形態をとってもよい。
デバイスの上面として機能する、これらの層における裏打ち層は、重層構造の主な構造的要素として機能して、そのデバイスにかなりの可塑性を与える。裏打ち物質のために選択される物質は、活性因子および存在する任意の他の物質に対して実質的に不浸透性であるように、選択されるべきであり、裏打ちは好ましくは可塑性の弾性物質のシートまたはフィルムから作製される。裏打ち層に適切であるポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが挙げられる。
貯蔵中および使用前に、重層構造は、剥離ライナーを備える。使用の直前に、このライナーをデバイスから外してその底部表面、薬物リザーバまたは離れた接触固定相のいずれかを曝し、これによってこの系は皮膚に固定され得る。この剥離ライナーは、薬物/ビヒクル不浸透性の物質から作製されるべきである。
経皮薬物送達系は、皮膚浸透増強因子をさらに含んでもよい。すなわち、いくつかの薬物に対する皮膚の固有の浸透性は、破壊されていない皮膚の合理的にサイズ決めされた領域を通じてこの薬物の治療レベルが通過することを可能にするのには低すぎるかもしれないので、皮膚浸透増強因子とこのような薬物とを同時投与する必要がある。適切な増強因子は当該分野で周知であり、例えば、経粘膜組成物中に上記の増強因子を含む。
(非経口投与)
非経口投与は、用いられる場合、一般には注射によって特徴付けられ、注射には、筋肉内注射、腹腔内注射、静脈内(IV)注射および皮下注射が挙げられる。注射用処方物は、従来の形態で、液体の溶液または懸濁液;注射前の液体中の溶液または懸濁液に適切な固体形態として、またはエマルジョンとして調製され得る。好ましくは、無菌注射用懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて当該分野で公知の技術に従って処方される。無菌注射処方物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中における、無菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。なかでも、使用できる受容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の不揮発性油が溶媒または懸濁培地として従来どおり使用される。非経口投与のためのさらに近年改訂されたアプローチは、徐放性の放出または持続放出の系の使用を包含する(例えば、米国特許第3,710,795号を参照のこと)。
(膀胱内投与)
膀胱内投与は、使用される場合、一般には膀胱への直接投与によって特徴付けられ、本明細書においていずれかに記載されるような方法を包含し得る。膀胱内投与の他の方法は、米国特許第6,207,180号および同第6,039,967号に記載される方法、ならびに当業者に公知である他の方法を包含し得る。
(クモ膜下投与)
クモ膜下投与は、用いられる場合、クモ膜下腔(ここでは流体が脊髄の周りに流れる)への直接投与によって特徴付けられる。
クモ膜下投与のために利用される1つの一般的システムは、Medtronic,Inc.から入手可能なAPT Intrathecal処置システムである。APT Intrathecalは、クモ膜下腔へ薬剤を直接送達するために腹部の皮膚下に外科的に配置される小型のポンプを使用する。この薬剤は、カテーテルと呼ばれる小径のチューブを通して送達され、これもまた外科的に配置される。次いでこの薬剤は、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害の処置に関連する感覚および運動のシグナルを伝達するのに関与する、脊髄中の細胞に直接投与され得る。
クモ膜下投与に通常利用されるMedtronicから入手可能な別のシステムは、完全に移植可能でプログラム可能なSynchroMed(登録商標)Infusion Systemである。SynchroMed(登録商標)Infusion Systemは、2つの部分(カテーテルおよびポンプ)を有し、その両方が手術手順の間に身体に置かれる。カテーテルは小径の軟性チューブである。一端がポンプのカテーテルポートに接続され、他端がクモ膜下腔に配置される。ポンプは約1インチ(2.5cm)厚、3インチ(8.5cm)径で、重量約6オンス(205g)の丸い金属デバイスであり、所定量の薬剤を貯蔵してクモ膜下腔に直接放出する。これは軽量の医療用等級の金属のチタンから形成される。このリザーバは薬剤を保持するポンプの内側の空隙である。この充填ポートは、ポンプの隆起した中央部分であって、これを通してポンプは再充填される。医師または看護士は、患者の皮膚およびこの充填ポートを通してニードルを挿入してポンプを充填する。いくつかのポンプは側方カテーテルアクセスポートを有し、それによって医師が他の薬剤または滅菌溶液を、ポンプを迂回してカテーテルに直接注射することが可能になる。
SynchroMed(登録商標)ポンプは制御された量の薬剤を、カテーテルを通して、最も有効である脊髄の周囲のクモ膜下腔に自動的に送達する。医師によって指示される正確な投薬量、速度およびタイミングは、ポンプのメモリーを制御する外部コンピューター様デバイスであるプログラマーを用いてポンプに入力される。患者の処方に関する情報は、ポンプのメモリーに記憶される。医師はプログラマーを用いることによってこの情報を容易に再検討し得る。プログラマーは無線信号によってポンプと連絡し、この信号はこのポンプが任意の所定の時点でどのように作動しているかを医師に伝えることを可能にする。医師はまた、薬剤の投薬量を変化するようにこのプログラマーを使用し得る。
クモ膜下投与の方法は、Medtronicから入手可能な上記の方法、および当業者に公知の他の方法を包含し得る。
(さらなる投薬処方物および薬物送達システム)
従来の薬物送達アプローチと比較して、いくつかの徐放性の技術は、高分子および合成低分子の両方の薬剤に依存して、それらが身体に受動的に吸収されるのではなく能動的に吸収されることを可能にする。例えば、XenoPort Inc.は、既存の分子を取得し、それらを再操作して、1)薬物の短い半減期を長くするように;2)吸収の乏しさを克服するように;そして/または3)標的組織に対する薬物の分布の乏しさに対処するように、薬理学的特性が改善されている新しい化学物質(固有の分子)を作製する技術を利用する。薬物の短時間の半減期を長くする技術としては、長時間にわたって薬物を放出する緩徐な切断速度を有するか、または経口の持続送達系の使用を可能にする小腸および大腸における輸送に関与するプロドラッグ、ならびに能動的な輸送系に関与する薬物の使用が挙げられる。このような徐放性の処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達系、ならびに本発明での使用に適切な処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達系の例は、Xenoport Inc.に対する以下の公開された米国特許出願およびPCT特許出願に記載されている:US20030158254;US20030158089;US20030017964;US2003130246;WO02100172;WO02100392;WO02100347;WO02100344;WO0242414;WO0228881;WO0228882;WO0244324;WO0232376;WO0228883;およびWO0228411。特に、XenoportのXP13512は、小腸および大腸の両方に局在する高い能力の輸送機構を利用し、体内に一度にギャバペンチンが迅速に移されるように加工されたギャバペンチンの輸送型プロドラッグである。ギャバペンチン自体とは対照的に、XP13512は、前臨床および臨床での研究において、広範な経口用量にわたってギャバペンチンの用量に比例する血中レベルを生じ、かつ、大腸から効率的に吸収されることが示された。
いくつかの他の徐放性の技術は、Depomed Inc.によって開発されたような胃での保持を促進または増強する方法に依存する。多くの薬物が胃および小腸の上部に最もよく吸収されるので、Depomedは、食後または摂食様式の間に胃で膨張して、その結果未消化の食物のように処置される錠剤を開発している。従ってこれらの錠剤は、6時間、8時間またはそれ以上、胃に安全かつ中性に留まって、胃腸の上部に所望の速度および時間で薬物を送達する。この領域における特定の技術としては:1)胃液中で緩徐に侵食して、ほぼ一定の速度で薬物を送達する錠剤(高度に不溶性の薬物に特に有用);2)異なる特徴を有する薬物を組み合わせて単一の錠剤にする二層式の錠剤(例えば、両方の持続放出のための、侵食層における高度に不溶性の薬物および拡散層における可溶性薬物);ならびに3)所望の期間にわたって同時にまたは連続してのいずれかで薬物を送達し得る組み合わせ錠剤(即効性薬物の最初のバーストに続く別の薬物の緩徐送達および持続送達を含む)が挙げられる。本発明での使用に適切であり、食後または摂食様式の間の胃での保持に依存する、このような徐放性処方物の例としては、Depomed Inc.に対する以下の米国特許の錠剤、投薬形態および薬物送達系が挙げられる:米国特許第6,488,962号;米国特許第6,451,808号;米国特許第6,340,475号;米国特許第5,972,389号;米国特許第5,582,837;および米国特許第5,007,790号。本発明での使用に適切であり、食後または摂食様式の間の胃での保持に依存する、このような徐放性処方物の例としては、Depomed Inc.に対する以下の公開された米国特許出願およびPCTの特許出願の錠剤、投薬形態および薬物送達系が挙げられる:US20030147952;US20030104062;US20030104053;US20030104052;US20030091630;US20030044466;US20030039688;US20020051820;WO0335040;WO0335039;WO0156544;WO0132217;WO9855107;WO9747285;およびWO9318755。
他の徐放性システムとしては:1)経口送達のための浸透圧技術;2)パッチを介する経皮送達;3)静脈内注射を介するリポソーム送達;4)インプラントを介する長期送達のための浸透圧技術;および5)数日から1ヶ月の期間にわたって薬剤を送達するように設計されたデポー技術、に基づいてALZA Corporationによって開発されたシステムが挙げられる。ALZA経口送達システムとしては、溶解度の劣る薬物および高度に溶解性の薬物の両方について24時間まで、正確な徐放性の薬物送達を提供する浸透圧を使用するシステム、ならびに高い薬物負荷要件を満たす高い薬物用量を送達するシステムが挙げられる。ALZA制御型経皮送達システムは、薬物吸収を改善して一定量の薬物を経時的に血流に送達する単一の適用を用いて、1週間の間、インタクトな皮膚を通して薬物送達を提供する。ALZAリポソーム送達システムは、その特有のポリエチレングリコール(PEG)コーティングが理由で免疫系による認識を避ける脂質のナノ粒子を含み、それによって身体の疾患特異的領域に対する薬物の正確な送達が可能になる。ALZAはまた、全身治療または組織特異的治療のために1年間にわたって小さな薬物、ペプチド、タンパク質、DNAおよび他の生体活性高分子の連続的な送達を可能にする浸透圧駆動システムを開発している。最終的に、ALZAデポー注射療法は、高分子の安定化および固有の送達プロフィールのための非水性ポリマー溶液を用いて、生物製剤因子および低分子を数日から1ヶ月の期間にわたって送達するように設計されている。
本発明での使用に適切である徐放性処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達システムの例は、ALZA Corporationに対する以下の米国特許に記載されている:米国特許第4,367,741号;米国特許第4,402,695号;米国特許第4,418,038号;米国特許第4,434,153号;米国特許第4,439,199号;米国特許第4,450,198号;米国特許第4,455,142号;米国特許第4,455,144号;米国特許第4,484,923号;米国特許第4,486,193号;米国特許第4,489,197号;米国特許第4,511,353号;米国特許第4,519,801号;米国特許第4,526,578号;米国特許第4,526,933号;米国特許第4,534,757号;米国特許第4,553,973号;米国特許第4,559,222号;米国特許第4,564,364号;米国特許第4,578,075号;米国特許第4,588,580号;米国特許第4,610,686号;米国特許第4,612,008号;米国特許第4,618,487号;米国特許第4,627,851号;米国特許第4,629,449号;米国特許第4,642,233号;米国特許第4,649,043号;米国特許第4,650,484号;米国特許第4,659,558号;米国特許第4,661,105号;米国特許第4,662,880号;米国特許第4,675,174号;米国特許第4,681,583号;米国特許第4,684,524号;米国特許第4,692,336号;米国特許第4,693,895号;米国特許第4,704,119号;米国特許第4,705,515号;米国特許第4,717,566号;米国特許第4,721,613号;米国特許第4,723,957号;米国特許第4,725,272号;米国特許第4,728,498号;米国特許第4,743,248号;米国特許第4,747,847号;米国特許第4,751,071号;米国特許第4,753,802号;米国特許第4,755,180号;米国特許第4,756,314号;米国特許第4,764,380号;米国特許第4,773,907号;米国特許第4,777,049号;米国特許第4,781,924号;米国特許第4,783,337号;米国特許第4,786,503号;米国特許第4,788,062号;米国特許第4,810,502号;米国特許第4,812,313号;米国特許第4,816,258号;米国特許第4,824,675号;米国特許第4,834,979号;米国特許第4,837,027号;米国特許第4,842,867号;米国特許第4,846,826号;米国特許第4,847,093号;米国特許第4,849,226号;米国特許第4,851,229号;米国特許第4,851,231号;米国特許第4,851,232号;米国特許第4,853,229号;米国特許第4,857,330号;米国特許第4,859,470号;米国特許第4,863,456号;米国特許第4,863,744号;米国特許第4,865,598号;米国特許第4,867,969号;米国特許第4,871,548号;米国特許第4,872,873号;米国特許第4,874,388号;米国特許第4,876,093号;米国特許第4,892,778号;米国特許第4,902,514号;米国特許第4,904,474号;米国特許第4,913,903号;米国特許第4,915,949号;米国特許第4,915,952号;米国特許第4,917,895号;米国特許第4,931,285号;米国特許第4,946,685号;米国特許第4,948,592号;米国特許第4,954,344号;米国特許第4,957,494号;米国特許第4,960,416号;米国特許第4,961,931号;米国特許第4,961,932号;米国特許第4,963,141号;米国特許第4,966,769号;米国特許第4,971,790号;米国特許第4,976,966号;米国特許第4,986,987号;米国特許第5,006,346号;米国特許第5,017,381号;米国特許第5,019,397号;米国特許第5,023,076号;米国特許第5,023,088号;米国特許第5,024,842号;米国特許第5,028,434号;米国特許第5,030,454号;米国特許第5,071,656号;米国特許第5,077,054号;米国特許第5,082,668号;米国特許第5,104,390号;米国特許第5,110,597号;米国特許第5,122,128号;米国特許第5,125,894号;米国特許第5,141,750号;米国特許第5,141,752号;米国特許第5,156,850号;米国特許第5,160,743号;米国特許第5,160,744号;米国特許第5,169,382号;米国特許第5,171,576号;米国特許第5,176,665号;米国特許第5,185,158号;米国特許第5,190,765号;米国特許第5,198,223号;米国特許第5,198,229号;米国特許第5,200,195号;米国特許第5,200,196号;米国特許第5,204,116号;米国特許第5,208,037号;米国特許第5,209,746号;米国特許第5,221,254号;米国特許第5,221,278号;米国特許第5,229,133号;米国特許第5,232,438号;米国特許第5,232,705号;米国特許第5,236,689号;米国特許第5,236,714号;米国特許第5,240,713号;米国特許第5,246,710号;米国特許第5,246,711号;米国特許第5,252,338号;米国特許第5,254,349号;米国特許第5,266,332号;米国特許第5,273,752号;米国特許第5,284,660号;米国特許第5,286,491号;米国特許第5,308,348号;米国特許第5,318,558号;米国特許第5,320,850号;米国特許第5,322,502号;米国特許第5,326,571号;米国特許第5,330,762号;米国特許第5,338,550号;米国特許第5,340,590号;米国特許第5,342,623号;米国特許第5,344,656号;米国特許第5,348,746号;米国特許第5,358,721号;米国特許第5,364,630号;米国特許第5,376,377号;米国特許第5,391,381号;米国特許第5,402,777号;米国特許第5,403,275号;米国特許第5,411,740号;米国特許第5,417,675号;米国特許第5,417,676号;米国特許第5,417,682号;米国特許第5,423,739号;米国特許第5,424,289号;米国特許第5,431,919号;米国特許第5,443,442号;米国特許第5,443,459号;米国特許第5,443,461号;米国特許第5,456,679号;米国特許第5,460,826号;米国特許第5,462,741号;米国特許第5,462,745号;米国特許第5,489,281号;米国特許第5,499,979号;米国特許第5,500,222号;米国特許第5,512,293号;米国特許第5,512,299号;米国特許第5,529,787号;米国特許第5,531,736号;米国特許第5,532,003号;米国特許第5,533,971号;米国特許第5,534,263号;米国特許第5,540,912号;米国特許第5,543,156号;米国特許第5,571,525号;米国特許第5,573,503号;米国特許第5,591,124号;米国特許第5,593,695号;米国特許第5,595,759号;米国特許第5,603,954号;米国特許第5,607,696号;米国特許第5,609,885号;米国特許第5,614,211号;米国特許第5,614,578号;米国特許第5,620,705号;米国特許第5,620,708号;米国特許第5,622,530号;米国特許第5,622,944号;米国特許第5,633,011号;米国特許第5,639,477号;米国特許第5,660,861号;米国特許第5,667,804号;米国特許第5,667,805号;米国特許第5,674,895号;米国特許第5,688,518号;米国特許第5,698,224号;米国特許第5,702,725号;米国特許第5,702,727号;米国特許第5,707,663号;米国特許第5,713,852号;米国特許第5,718,700号;米国特許第5,736,580号;米国特許第5,770,227号;米国特許第5,780,058号;米国特許第5,783,213号;米国特許第5,785,994号;米国特許第5,795,591号;米国特許第5,811,465号;米国特許第5,817,624号;米国特許第5,824,340号;米国特許第5,830,501号;米国特許第5,830,502号;米国特許第5,840,754号;米国特許第5,858,407号;米国特許第5,861,439号;米国特許第5,863,558号;米国特許第5,876,750号;米国特許第5,883,135号;米国特許第5,840,754号;米国特許第5,897,878号;米国特許第5,904,934号;米国特許第5,904,935号;米国特許第5,906,832号;米国特許第5,912,268号;米国特許第5,914,131号;米国特許第5,916,582号;米国特許第5,932,547号;米国特許第5,938,654号;米国特許第5,941,844号;米国特許第5,955,103号;米国特許第5,972,369号;米国特許第5,972,370号;米国特許第5,972,379号;米国特許第5,980,943号;米国特許第5,981,489号;米国特許第5,983,130号;米国特許第5,989,590号;米国特許第5,995,869号;米国特許第5,997,902号;米国特許第6,001,390号;米国特許第6,004,309号;米国特許第6,004,578号;米国特許第6,008,187号;米国特許第6,020,000号;米国特許第6,034,101号;米国特許第6,036,973号;米国特許第6,039,977号;米国特許第6,057,374号;米国特許第6,066,619号;米国特許第6,068,850号;米国特許第6,077,538号;米国特許第6,083,190号;米国特許第6,096,339号;米国特許第6,106,845号;米国特許第6,110,499号;米国特許第6,120,798号;米国特許第6,120,803号;米国特許第6,124,261号;米国特許第6,124,355号;米国特許第6,130,200号;米国特許第6,146,662号;米国特許第6,153,678号;米国特許第6,174,547号;米国特許第6,183,466号;米国特許第6,203,817号;米国特許第6,210,712号;米国特許第6,210,713号;米国特許第6,224,907号;米国特許第6,235,712号;米国特許第6,245,357号;米国特許第6,262,115号;米国特許第6,264,990号;米国特許第6,267,984号;米国特許第6,287,598号;米国特許第6,289,241号;米国特許第6,331,311号;米国特許第6,333,050号;米国特許第6,342,249号;米国特許第6,346,270号;米国特許第6365183号;米国特許第6,368,626号;米国特許第6,387,403号;米国特許第6,419,952号;米国特許第6,440,457号;米国特許第6,468,961号;米国特許第6,491,683号;米国特許第6,512,010号;米国特許第6,514,530号;米国特許第6534089号;米国特許第6,544,252号;米国特許第6,548,083号;米国特許第6,551,613号;米国特許第6,572,879;および米国特許第6,596,314号。
本発明での使用に適切な徐放性の処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達システムの他の例は、ALZA Corporationに対する、以下の公開された米国特許出願およびPCT出願に記載されている:US20010051183;WO0004886;WO0013663;WO0013674;WO0025753;WO0025790;WO0035419;WO0038650;WO0040218;WO0045790;WO0066126;WO0074650;WO0119337;WO0119352;WO0121211;WO0137815;WO0141742;WO0143721;WO0156543;WO3041684;WO03041685;WO03041757;WO03045352;WO03051341;WO03053400;WO03053401;WO9000416;WO9004965;WO9113613;WO9116884;WO9204011;WO9211843;WO9212692;WO9213521;WO9217239;WO9218102;WO9300071;WO9305843;WO9306819;WO9314813;WO9319739;WO9320127;WO9320134;WO9407562;WO9408572;WO9416699;WO9421262;WO9427587;WO9427589;WO9503823;WO9519174;WO9529665;WO9600065;WO9613248;WO9625922;WO9637202;WO9640049;WO9640050;WO9640139;WO9640364;WO9640365;WO9703634;WO9800158;WO9802169;WO9814168;WO9816250;WO9817315;WO9827962;WO9827963;WO9843611;WO9907342;WO9912526;WO9912527;WO9918159;WO9929297;WO9929348;WO9932096;WO9932153;WO9948494;WO9956730;WO9958115;およびWO9962496。
Andrx Corporationもまた、本発明における使用に適切な薬物送達技術を開発しており、これには、1)ペレット化脈動性送達システム(pelletized pulsatile delivery system)(「PPDS」);2)単一組成物浸透圧錠剤システム(single composition osmotic tablet system)(「SCOT」);3)溶解度調節ヒドロゲルシステム(「SMHS」);4)遅延型脈動性ヒドロゲルシステム(delayed pulsatile hydrogel system)(「DPHS」);5)安定化ペレット送達システム(stabilized pellet delivery system)(「SPDS」);6)顆粒化調節ヒドロゲルシステム(granulated modulating hydrogel system)(「GMHS」);7)ペレット化錠剤システム(pelletized tablet system)(「PELTAB」);8)多孔性錠剤システム(porous tablet system)(「PORTAB」);および9)安定化錠剤送達システム(stabilized tablet delivery system)(「STDS」)が挙げられる。PPDSは、マイクロカプセル化された薬物の放出速度を制御する特定のポリマーおよび因子でコーティングされているペレットを用い、脈動性放出を要する薬物での使用のために設計されている。SCOTは、種々の浸透圧調節因子およびポリマーコーティングを利用してゼロオーダーの薬物放出を提供する。SMHSは、ヒドロゲルベースの投薬システムを利用し、これによって他の持続放出ヒドロゲル処方物で通常観察される「初回バースト効果(initial burst effect)」を回避して、製造のコストを増やす特別なコーティングも構造も用いる必要のない持続放出を提供する。DPHSは、遅延型脈動を達成するための選択されたヒドロゲルポリマーの結合によって達成される、急速放出の後の初回のゼロ程度の薬物放出によって特徴付けられるヒドロゲルマトリックス産物での使用のために設計される。SPDSは、薬物のペレット状コアおよび防御ポリマーの外層を組み込んでおり、不安定な薬物のために特に設計されているが、GMHSは、薬物とともにヒドロゲルおよび結合ポリマーを組み込み、そして錠剤型に圧縮される顆粒を形成する。PELTABは、水不溶性ポリマーを用いることによって徐放性を得て、別個の薬物結晶またはペレットをコーティングして、胃腸における体液の作用に抵抗することができるようにし、次いでこれらのコーティングされたペレットを錠剤に圧縮する。PORTABでは、浸透圧性のコアを連続的なポリマーコーティングおよび水溶性成分とともに組み込み、これがコアを膨張させて微小細孔チャネルを作製し、これを通じて薬物が放出されることによって徐放性が得られる。最後に、STDSは、二重層コーティング技術を備え、これによってオメプラゾールコアから腸溶性コーティング層を隔てるコーティング層を用いる必要がなくなる。
本発明での使用に適切である、徐放性の処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達系の例はAndrx Corporationに対する以下の米国特許に記載される:米国特許第5,397,574号;米国特許第5,419,917号;米国特許第5,458,887号;米国特許第5,458,888号;米国特許第5,472,708号;米国特許第5,508,040号;米国特許第5,558,879号;米国特許第5,567,441号;米国特許第5,654,005号;米国特許第5,728,402号;米国特許第5,736,159号;米国特許第5,830,503号;米国特許第5,834,023号;米国特許第5,837,379号;米国特許第5,916,595号;米国特許第5,922,352号;米国特許第6,099,859号;米国特許第6,099,862号;米国特許第6,103,263号;米国特許第6,106,862号;米国特許第6,156,342号;米国特許第6,177,102号;米国特許第6,197,347号;米国特許第6,210,716号;米国特許第6,238,703号;米国特許第6,270,805号;米国特許第6,284,275号;米国特許第6,485,748号;米国特許第6,495,162号;米国特許第6,524,620号;米国特許第6,544,556号;米国特許第6,589,553号;米国特許第6,602,522;および米国特許第6,610,326号。
本発明での使用に適切である、徐放性の処方物、錠剤、投薬形態および薬物送達系の例はAndrx Corporationに対する以下の公開された米国特許出願およびPCTの特許出願に記載される:US20010024659;US20020115718;US20020156066;WO0004883;WO0009091;WO0012097;WO0027370;WO0050010;WO0132161;WO0134123;WO0236077;WO0236100;WO02062299;WO02062824;WO02065991;WO02069888;WO02074285;WO03000177;WO9521607;WO9629992;WO9633700;WO9640080;WO9748386;WO9833488;WO9833489;WO9930692;WO9947125;およびWO9961005。
薬物送達アプローチのいくつかの他の例は、タンパク質、ペプチドおよび低分子の非経口的、系粘膜的および局所的送達を提供する、非経口薬物送達に集中している。例えば、Atrix Laboratories Inc.によって市販されているAtrigel(登録商標)薬物送達システムは、生分解性抱合糸に用いられるのと同様で、生体適合性キャリアに溶解されている生分解性のポリマーを含む。これらの製剤は、製造の時点で液体送達系に混合されてもよいし、または産物に応じて、後に使用の時点で医師によって加えられてもよい。小径のゲージのニードルを通じた皮下または筋肉内への液体産物の注射、またはカニューレを通じた接近可能な組織部位への配置によって、キャリアが組織液中の水で置換され、引き続き沈殿によるポリマーから固体フィルムまたはインプラントへの形成が生じる。次いで、このインプラント内にカプセル化されている薬物は徐放性の方式で遊離され、それにつれてポリマーマトリックスが数日から数ヶ月におよぶ期間にわたって生物分解する。このような薬物送達システムの例としては、Atrix’s Eligard(登録商標)、Atridox(登録商標)/Doxirobe(登録商標)、Atrisorb(登録商標)FreeFlowTM/Atrisorb(登録商標)−D FreeFlow、骨増殖産物、およびAtrix Laboratories Inc.に対する以下の公開されたUS特許出願およびPCTの特許出願に記載されるその他のものなどが挙げられる:US RE37950号;米国特許第6,630,155号;米国特許第6,566,144号;米国特許第6,610,252号;米国特許第6,565,874号;米国特許第6,528,080号;米国特許第6,461,631号;米国特許第6,395,293号;米国特許第6,261,583号;米国特許第6,143,314号;米国特許第6,120,789号;米国特許第6,071,530号;米国特許第5,990,194号;米国特許第5,945,115号;米国特許第5,888,533号;米国特許第5,792,469号;米国特許第5,780,044号;米国特許第5,759,563号;米国特許第5,744,153号;米国特許第5,739,176号;米国特許第5,736,152号;米国特許第5,733,950号;米国特許第5,702,716号;米国特許第5,681,873号;米国特許第5,660,849号;米国特許第5,599,552号;米国特許第5,487,897号;米国特許第5,368,859号;米国特許第5,340,849号;米国特許第5,324,519号;米国特許第5,278,202号;米国特許第5,278,201;US20020114737, US20030195489;US20030133964;US 20010042317;US20020090398;US20020001608;およびUS2001042317。
Atrix Laboratories Inc.はまた、数分から数時間の期間にわたる薬物の非経口的経粘膜送達の技術を市販している。例えば、Atrix’s BEMATM(Bioerodible Muco−Adhesive Disc)薬物送達システムは、局所送達または全身送達のための予め形成された生分解性ディスクを備える。このような薬物送達システムの例としては、米国特許第6,245,345号に記載されるようなシステムが挙げられる。
Atrix Laboratories Inc.から市販されている他の薬物送達システムは、局所的な薬物送達に集中する。例えば、SMPTM(Solvent Particle System)によって、高度に水溶性の薬物の局所送達が可能になる。この製品は、薬物の微小粒子懸濁液と溶解された薬物との組み合わせによって、制御された量の溶解された薬物が皮膚の上皮層に浸透することを可能にする。このSMPTMシステムは、1)この製品が皮膚表面に対して塗布される;2)毛包の付近の製品が皮膚細孔に集中する;3)この薬物が皮脂に容易に分配する;そして4)この薬物がこの領域全体に拡散する、という段階で作用する。対照的にMCA(登録商標)(Mucocutaneous Absorption System)は、持続性の薬物送達を提供する耐水性局所ゲルである。MCA(登録商標)は、湿性または乾性のいずれかの表面に頑強なフィルムを形成し、ここで、1)この製品は皮膚または粘膜表面に塗布され;2)この製品は頑強な湿度耐性フィルムを形成し;そして3)この固着したフィルムによって数時間から数日の期間にわたる薬物の持続放出が得られる。さらに別の製品であるBCPTM(Biocompatible Polymer System)は、非細胞毒性ゲルまたは液体を提供し、これを創傷治癒のための防御フィルムとして与える。これらのシステムの例としては、Orajel(登録商標)−Ultra Mouth Sore Medicine、ならびに、Atrix Laboratories Inc.に対する以下の公開された米国の特許および出願に記載されるシステムが挙げられる:米国特許第6,537,565号;米国特許第6,432,415号;米国特許第6,355,657号;米国特許第5,962,006号;米国特許第5,725,491号;米国特許第5,722,950号;米国特許第5,717,030号;米国特許第5,707,647号;米国特許第5,632,727;およびUS20010033853。
ギャバペンチンを含み、本発明において有用なさらなる処方物および組成物は、Teva Pharmaceutical Industries Ltd.,Warner Lambert & Co.およびGodecke Aktiengesellshaftから入手可能であり、以下の公開された米国の特許および出願に記載されるものが挙げられる: 米国特許第6,531,509号;米国特許第6,255,526号;米国特許第6,054,482;US2003055109;US2002045662;US2002009115;WO 01/97782;WO 01/97612;EP 2001946364;WO 99/59573;およびWO 99/59572。
オキソブチニンを含み、本発明において有用なさらなる処方物および組成物は、以下の公開された米国の特許および出願に記載されるものが挙げられる:米国特許第5,834,010号;米国特許第5,601,839;および米国特許第5,164,190号。
(投薬および投与)
上述の投薬形態および組成物のいずれかの活性因子の濃度は、大いに変化してもよく、そして組成物または投薬形態のタイプ、投与の対応する形態、特定の活性因子の性質および活性、ならびに意図する薬物放出プロフィールを含む種々の要因に依存する。好ましい投薬形態は、単位用量の活性因子、すなわち、単回の治療有効量を含む。クリーム、軟膏などについて、「単位用量(unit dose)」は、適用される処方物の特定の量で単位用量を提供する活性因子濃度を要する。
本発明の活性因子(平滑筋調節作用を有する化合物と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を含む)について、経口投与、経粘膜投与、局所投与、経皮投与および非経口投与のための単位用量は、約1ng〜約10,000mg、約5ng〜約9,500mg、約10ng〜約9,000mg、約20ng〜約8,500mg、約30ng〜約7,500mg、約40ng〜約7,000mg、約50ng〜約6,500mg、約100ng〜約6,000mg、約200ng〜約5,500mg、約300ng〜約5,000mg、約400ng〜約4,500mg、約500ng〜約4,000mg、約1μg〜約3,500mg、約5μg〜約3,000mg、約10μg〜約2,600mg、約20μg〜約2,575mg、約30μg〜約2,550mg、約40μg〜約2,500mg、約50μg〜約2,475mg、約100μg〜約2,450mg、約200μg〜約2,425mg、約300μg〜約2,000、約400μg〜約1,175mg、約500μg〜約1,150mg、約.5mg〜約1,125mg、約1mg〜約1,100mg、約1.25mg〜約1,075mg、約1.5mg〜約1,050mg、約2.0mg〜約1,025mg、約2.5 mg to 1,000mg、約3.0mg〜約975mg、約3.5mg〜約950mg、約4.0mg〜約925mg、約4.5mg〜約900mg、約5mg〜約875mg、約10mg〜約850mg、約20mg〜約825mg、約30mg〜約800mg、約40mg〜約775mg、約50mg〜約750mg、約100mg〜約725mg、約200mg〜約700mg、約300mg〜約675mg、約400mg〜約650mg、約500mg、または約525mg〜約625mgの範囲である。
あるいは、本発明の活性因子(平滑筋調節作用を有する化合物と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を含む)について、経口投与、経粘膜投与、局所投与、経皮投与および非経口投与のための単位用量は、約1ng、約5ng、約10ng、約20ng、約30ng、約40ng、約50ng、約100ng、約200ng、約300ng、約400ng、約500ng、約1μg、約5μg、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約.5mg、約1mg、約1.25mg、約1.5mg、約2.0mg、約2.5mg、約3.0mg、約3.5mg、約4.0mg、約4.5mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、約750mg、約775mg、約800mg、約825mg、約850mg、約875mg、約900mg、約925mg、約950mg、約975mg、約1000mg、約1025mg、約1050mg、約1075mg、約1100mg、約1125mg、約1150mg、約1175mg、約1200mg、約1225mg、約1250mg、約1275mg、約1300mg、約1325mg、約1350mg、約1375mg、約1400mg、約1425mg、約1450mg、約1475mg、約1500mg、約1525mg、約1550mg、約1575mg、約1600mg、約1625mg、約1650mg、約1675mg、約1700mg、約1725mg、約1750mg、約1775mg、約1800mg、約1825mg、約1850mg、約1875mg、約1900mg、約1925mg、約1950mg、約1975mg、約2000mg、約2025mg、約2050mg、約2075mg、約2100mg、約2125mg、約2150mg、約2175mg、約2200mg、約2225mg、約2250mg、約2275mg、約2300mg、約2325mg、約2350mg、約2375mg、約2400mg、約2425mg、約2450mg、約2475mg、約2500mg、約2525mg、約2550mg、約2575mg、約2600mg、約3,000mg、約3,500mg、約4,000mg、約4,500mg、約5,000mg、約5,500mg、約6,000mg、約6,500mg、約7,000mg、約7,500mg、約8,000mg、約8,500mg、約9,000mg、または約9,500mg以上である。
本発明の活性因子(平滑筋調節作用を有する化合物と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を含む)について、くも膜下腔内投与のための単位用量は、約1fg〜約1mg、約5fg〜約500μg、約10fg〜約400μg、約20fg〜約300μg、約30fg〜約200μg、約40fg〜約100μg、約50fg〜約50μg、約100fg〜約40μg、約200fg〜約30μg、約300fg〜約20μg、約400fg〜約10μg、約500fg〜約5μg、約1pg〜約1μg、約5pg〜約500ng、約10pg〜約400ng、約20pg〜約300ng、約30pg〜約200ng、約40pg〜約100ng、約50pg〜約50ng、約100pg〜約40ng、約200pg〜約30ng、約300pg〜約20ng、約400pg〜約10ng、約500pg〜約5ngの範囲である。
あるいは、本発明の活性因子(平滑筋調節作用を有する化合物と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を含む)について、くも膜下腔内投与のための単位用量は、約1fg、約5fg、約10fg、約20fg、約30fg、約40fg、約50fg、約100fg、約200fg、約300fg、約400fg、約500fg、約1pg、約5pg、約10pg、約20pg、約30pg、約40pg、約50pg、約100pg、約200pg、約300pg、約400pg、約500pg、約1ng、約5ng、約10ng、約20ng、約30ng、約40ng、約50ng、約100ng、約200ng、約300ng、約400ng、約500ng、約1μg、約5μg、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400 μg、または約500μg以上である。
本発明はまた、オキシブチニンを含む薬学的処方物を包含し、この処方物において、オキシブチニンの経口投与、経粘膜投与、局所投与、経皮投与および非経口投与のための単位用量は、約5mg、約4.5mg、約4mg、約3.5mg、約3mg、約2.5mg、約2mg、約1.5mg、約1.25mg、約1.0mg、または約5mg未満である。平滑筋調節因子と組合される場合のαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の相乗作用に起因して、当該分野で公知であるか、または、正常な患者および脊髄を損傷した患者において疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または軽減する効果が予測されていない、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および平滑筋調節因子の投薬は、本発明の方法に従って投与される場合に有効である。
所定の個体に投与される特定の活性因子の治療有効量は、当然、特定の活性因子の濃度、組成物もしくは投薬形態、選択される投与様式、処置される個体の年齢および全身状態、個体の性別、個体の状態の感受性、ならびに処方医に公知の他の要因を含む、多数の要因に依存し得る。
好ましい実施形態において、薬物投与は、必要に応じて行なわれ、慢性的な薬物の投与は含まない。即時放出投薬形態を用いる、必要に応じた投与は、過活動膀胱の症状の抑制が所望される活動の開始直前の薬物投与を含み得るが、一般には、このような活動の約0分〜約10時間前、好ましくは、このような活動の約0分〜約5時間前、最も好ましくは、このような活動の約0分〜約3時間前である。
持続放出投薬形態に関して、単回用量は、処方に依存して、約1時間〜約72時間、代表的には、約8時間〜約48時間の範囲の延長された時間にわたって治療効果を提供し得る。すなわち、放出時間は、特定の持続放出ポリマーの選択および相対的な品質により変化し得る。しかし、必要な場合、薬物投与は、進行中の投薬レジメン(すなわち、1週間に1度、1週間に2度、毎日など)の文脈内で実施され得る。別の好ましい実施形態において、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子または平滑筋調節因子の単回投与に関連する少なくとも1つの有害な副作用は、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を平滑筋調節因子と同時に投与することにより軽減される。例えば、抗ムスカリン作用性平滑筋調節因子であるオキシブチニンについての副作用としては、口渇、明光に対する感受性、視力障害、ドライアイ、発熱の減少、顔面紅潮、胃のむかつき、便秘および眠気が挙げられる。しかし、ギャバペンチンのようなαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と組合せて投与される場合、治療効果を達成するためには、各々の因子の有意な減少が必要である(例えば、米国で現在市販されている5mg用量のオキシブチニン、そしてまた、欧州で現在市販されている2.5mg未満用量のオキシブチニン)。有害な副作用が軽減されるので、本発明はまた、患者のコンプライアンスを改善する利点も有する。
(包装キット)
別の実施形態において、投与される薬学的処方物を含む包装キットが提供される。このキットはすなわち、正常な患者および脊髄を損傷した患者において疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または軽減するための1つ以上の平滑筋調節作用を有する化合物と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の治療有効量、保存中および使用前に処方物を収納するための好ましくはシールされた容器、および正常な患者および脊髄を損傷した患者において疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または軽減するための有効な様式で薬物投与を実施するための説明書を含む。この説明書は代表的に、パッケージの挿入物および/またはラベル上の文書である。処方の型および意図される投与様式に依存して、キットはまた、処方物を投与するためのデバイスを備え得る。処方物は、本明細書中に記載される任意の適切な処方物であり得る。例えば、処方物は、選択された活性因子の単位投薬形態を含む経口投薬形態であり得る。
このキットは、同じ因子の異なる投薬量の複数の処方物を含み得る。このキットはまた、異なる活性因子の複数の処方物を含み得る。このキットは、下部尿路障害に関連する症状を処置および/または軽減する際の、連続的、別個および/または同時の使用に適切な処方物、処方物が下部尿路障害に関連する症状を処置および/または軽減する際に、連続的、別個および/または同時に投与される薬物投与を実施するための説明書を含み得る。このキットはまた、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および平滑筋調節因子から選択される少なくとも1つの成分;保存の間および投与前に該成分を収納する容器;ならびに該下部尿路障害を処置するための有効な様式で、平滑筋調節因子と共にαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の薬物投与を実行するための説明書を備え得る。このようなキットは、例えば、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子または平滑筋調節因子が既に患者に投与されており、さらなる成分が患者の薬物レジメンに追加されなければならない場合に有用であり得る。このようなキットはまた、異なる個体(例えば、医師または他の医療従事者)が本発明の組合せの別個の成分を投与する場合に有用であり得る。
このキットの一部は、ビン、シリンジ、プレート、ウェル、ブリスターパック、または任意の他の型の製薬パッケージのような1つ以上の容器内で別個に保持され得る。
(保険金請求)
一般に、所定の医学的処置または薬物治療の適用範囲についての保険金請求の処理は、医学的処置または薬物治療が行なわれる請求の領域に対して保険証書を発行している保険会社または任意の他の団体の告知に関与する。次いでこの決定によって、行なわれる医学的処置または薬物治療が、この保険証書の条件下でカバーされるか否かを決める。カバーされる場合、次いでこの請求が処理されるが、この請求とは支払い、償還または免責金額の申請を含み得る。
本発明は、下部尿路障害に関連する症状の処置および/または軽減において用いられる、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および抗ムスカリン作用薬、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝物についての保険証書のもとで、保険金請求を処理するための方法を包含する。上記αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および抗ムスカリン作用薬、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝物は、異なる組成物において連続的に、または同時に投与される。この方法は、1)αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および抗ムスカリン作用薬、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝物を用いる下部尿路障害の処置が行なわれるという告知の受領か、または下部尿路障害を処置するためのこのようなナトリウムチャネル修飾因子についての処方の告知の受領;2)αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および抗ムスカリン作用薬、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝物を用いるこのような処置がこのような保険証書のもとでカバーされるか否かを決定すること;ならびに3)αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および抗ムスカリン作用薬、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝物を用いる処置についてのこのような請求であって、支払い、償還または免責金額に対する申請を含む請求を処理すること、含む。この方法における使用のために、特に好ましいαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子はギャバペンチンであり、特に好ましい抗ムスカリン作用薬はオキシブチニンである。この方法はまた、下部尿路障害に関連する症状を処置および/または軽減するために、別個にもしくは同時に処方される場合のαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子(特にギャバペンチン)、または抗ムスカリン作用薬(特にオキシブチニン)についての請求項を包含する。
本明細書に記載される本発明の多くの改変および他の実施形態は、これらの発明が属する当業者に思い当たるものであり、前述の説明および添付の図面において提示される教示の利点を有する。従って、本発明は開示される特定の実施形態には限定されないこと、ならびに改変および他の実施形態を添付の実施形態の範囲内に包含することを意図することが理解されるべきである。特定の用語が本明細書において使用されるが、それらは一般的な意味および記述的な意味でのみ用いられるものであり、限定の目的ではない。
平滑筋調節因子と共にαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子を使用して、下部尿路障害に関連する症状を処置および/または軽減するための方法
本発明は、以下の実施例においてさらに記載されるが、これらは、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を制限しない。以下の実施例は、刺激された膀胱モデルにおける膀胱能に対する、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および平滑筋調節因子の組合せの投与の効果を例示する。これらの結果は、本明細書中に記載されるような、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害に関連する症状を処置および/または軽減するための、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および平滑筋調節因子の組合せの効力を実証することが期待される。
これらの方法は、Sasakiら(2002)J.Urol.168:1259−64、ならびにThorおよびKatofiasc(1995)J.Pharmacol.Exptl.Ther.274:1014−24に記載されるように、酢酸の静脈内投与を使用して、膀胱に関する尿路障害の十分に認められたモデルの使用を包含し得る。脊髄を損傷した患者を処置する効率は、Yoshiyamaら(1999)Exp.Neurol.159:250−7に記載される方法を使用して試験され得る。
本発明は、アトロピン、スコポラミンおよび塩化トロスピウムを除く抗ムスカリン作用薬の使用を包含する。これらの化合物の各々は、全て、8−アザビシクロオクタン−3−オール骨格内に埋め込まれたアミンを含むことに注意されたい。
(実施例1 希酢酸モデル:ギャバペンチンおよびオキシブチニン)
(目的および原理)
本研究の目的は、希酢酸の連続注入(過活動膀胱の一般に使用されるモデル)の後に見られる膀胱能の減少を逆転する、平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力を決定することである。特に、本研究は、例示的なαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としてギャバペンチンを、そして例示的な平滑筋調節因子としてオキシブチニンを利用した。
(材料および方法)
ウレタン麻酔(1.2g/kg)した正常な雌性ラットを、本研究において利用した。ラットの群を、オキシブチニン単独(n=13)、ギャバペンチン単独(n=11)、ならびにそれぞれの用量にマッチしたオキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(n=11)で処理した。続いて、顕著に低い用量かつ異なる用量比の3つのシリーズを、アイソボログラムの構成の目的で実施した(n=4/群)。全ての研究について半対数増殖を用いて、蓄積性の用量−応答プロトコールを利用した。
(薬物および調製)
薬物を、オキシブチニンにつき1、3および10mg/mlで、そしてにギャバペンチンつき30、100および300mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。これらの研究において、個々の用量および組合せは、低、中および高と連続的に称され得る。
アイソボログラムの構成を目的とするその後の研究を、以下の表に示すように、用量組合せにおいて薬物と組合せた(各薬物について、低、中および高の用量を対にした)。動物には、注射容積=体重(kg)で投薬した。
Figure 2006520799
(インビボモデルでの急性麻酔)
(動物の調製)
雌性ラット(250〜300gの体重)を、ウレタン(1.2g/kg)で麻酔し、生理食塩水を充填したカテーテル(PE−50)を、静脈内薬物投与のために、頚動脈内に挿入した。中心線の下部腹部切開により、フレア先端のPE50カテーテルを膀胱ドームに挿入し、膀胱を充填および圧力を記録した。空にする目的で膀胱へのアクセスを維持するために、腹腔を、生理食塩水で湿らせ、薄いプラスチックシートで覆うことにより閉じた。5つの銀製またはステンレス鋼製のワイヤ電極を、筋電図(EMG)のために経皮的に外側尿道括約筋に挿入した。
(実験の設計)
生理食塩水を、膀胱に埋めたカテーテルを介して、0.055ml/分の速度で、60分間にわたって注入し、下部尿路活性のベースラインを得た(連続膀胱内圧測定;CMG)。コントロールの期間の後、生理食塩水中0.25%の酢酸溶液を同じ流速で膀胱に注入して、膀胱刺激を誘導した。もしあれば、30分のAA注入の後、20分間隔で3回のビヒクル注射を行い、ビヒクルの効果を決定した。その後、蓄積性の用量−応答の関係性を構成するために、選択された活性因子、または因子の組合せの増加用量を、半対数増加にて、30分間隔で静脈内投与した。コントロールの生理食塩水の膀胱内圧測定期間の終わりに、そして、その後の各々の処理の20分後に、注入ポンプを停止し、刺激プロトコールおよびその後の静脈内薬物投与により生じた膀胱能の変化を決定するために、膀胱を、注入カテーテルを介して流体を引くことによって空にし、同じ流速で単回充填の膀胱内圧測定を実施した。
(データ分析)
各動物についての膀胱能データを、「%刺激からの回復」に対して標準化し、そしてこの指数を、効力の指標として使用した。各薬物を単独で投与した実験からのデータを利用して、各用量(低、中および高)についての加算効果の理論上の母集団を作製し、そして、これらを、片側t検定(個々の用量の比較)および2元ANOVA(用量間)により、実際の組合せ薬物データと比較した。各個々の処置の「用量適合性」(低、中および高)の応答の平均および標準偏差を互いに加算して、組合せ実験から得られた実際のデータと比較するための、理論上の加算母集団の平均および標準偏差を推定した。理論上の加算効力母集団は、N=(N抗ムスカリン作用薬+Nα2δサブユニット調節因子)−1であった。P<0.050を有意であるとみなした。予め刺激した生理食塩水コントロールの値と比較して、3回目のビヒクル測定において50〜90%の間の膀胱能の減少を示したラットだけを、数値分析に利用した。
アイソボログラムの構成は、同じデータを利用するが、群平均または個々の応答のいずれかの結果をプロットする、2つの方法から構成される。群平均のデータを利用する場合、上の表に列挙する薬物単独および組合せの両方により達成される共通する最大効果は、生理食塩水の膀胱能値の43%まで戻った。上の表に列挙する薬物単独および組合せの両方について、個々の応答を利用する場合、標的とする値は、生理食塩水の31%であった。これらの低い値は、オキシブチニンおよびギャバペンチン単独による穏やかな有効性を反映している。統計学的な目的について、データは、単独であるか、組合せであるかに関わらず、各薬物について比較して分析した。
(結果および結論)
膀胱能に対する、オキシブチニン(n=13)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量 1は、30mg/kg ギャバペンチン+1mg/kg オキシブチニンであった;n=11)の蓄積性の用量の増加の効果を、図1に図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するオキシブチニン(n=13)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、30mg/kg ギャバペンチンおよび1mg/kg オキシブチニンであった;n=11)の蓄積性の用量の増加の効果を、図2に図示する。薬物の組合せが、希酢酸に対する連続的な静脈内曝露により生じる膀胱能の減少について、低用量(P=0.0031)および中用量(P=0.0403)で、加算効果よりも高い効果を生じたことに注意されたい。相乗はまた、加算と組合せ効果との間の2元ANOVAによる有意差によっても示唆される(P=0.0046)。データは、平均±SEMとして示す。
有効用量を決定するために群平均を利用して決定された、アイソボログラム研究の結果を、図3に図示する。この技術を用いて、いずれかの薬物単独についての共通する最大効果は、生理食塩水コントロールの43%まで回復した。各薬物単独についての有効用量における2つの軸をつなぐ線は、理論上の加算を表す。加算の線より下の、グラフの左下の領域にクラスター形成する3つの別個の点は、低用量の比の薬物の組合せを利用した3つの実験のセットからの用量範囲を表す。このアイソボログラムにより容易に可視化され得るように、いずれかの薬物単独での同じエンドポイントを達成するためには、組合せにおいて、両方の薬物の劇的に低い用量が必要であった。
個々の動物の共通する最大効果を決定した(生理食塩水コントロールの値の31%までの回復;図4)。このアプローチを使用すれば、オキシブチニン単独の用量と、標準偏差の点から、アイソボログラムの組合せ研究において使用した用量との間には重なりが存在せず、そして、オキシブチニンンの全ての有効な組合せ範囲は、オキシブチニン単独の範囲よりも有意に低いことを示すことが可能であった。同様に、組合せにおいて使用したギャバペンチンの有効範囲は、ギャバペンチンを単独で使用した場合よりも有意に低かった。データを、平均±SDとして表す。
酢酸刺激により誘導した膀胱能の減少の劇的な逆転を生じる平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力は、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害、ならびに関連する刺激性の症状の哺乳動物の形態において、強く効力を示唆する。さらに、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と平滑筋調節因子との組合せは、効果を単純に加算した場合に予測されるものよりも大きな相乗効果を生じ、そしてまた、この因子が単独で投与される場合の効果を生じるために予測されるよりも、より低い量の個々の因子を使用して、効力が実証された。
(実施例2 薬物動態学分析:ギャバペンチンおよびオキシブチニン)
(目的および原理)
本研究の目的は、3mg/kg オキシブチニン、100mg/kg ギャバペンチン、または同じ用量でのこれら2つの薬物の組合せのいずれかの後2時間にわたる、ラットの血漿サンプル中のギャバペンチン、オキシブチニンおよびドセチルオキシブチニンの濃度を、タンデム質量分析検出(LC/MS/MS)法を用いる液体クロマトグラフィーを使用して決定することであった。
(材料および方法)
ウレタン麻酔(1.2g/kg)した正常な雌性ラットを、本研究において利用した。ラットの群を、オキシブチニン単独(n=6)、ギャバペンチン単独(n=8)、およびそれぞれの用量にマッチしたオキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(n=8)で処理した。
(薬物および調製)
薬物を、オキシブチニンにつき3mg/mlで、そしてギャバペンチンにつき100mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。動物には、注射容積=体重(kg)で投薬した。
(インビボでの調製の薬物動態学)
(動物の調製)
雌性ラット(250〜300gの体重)を、ウレタン(1.2g/kg)で麻酔し、生理食塩水を充填したカテーテル(PE−50)を、静脈内薬物投与のために、頚動脈内に挿入した。
(実験の設計)
静脈内薬物投与の後、4つの時点(15分、30分、60分および120分)で、血漿サンプル(200μl;K3 EDTA)を氷上に採った。サンプルを1600 RPMにて7分間スピンダウンし、血漿を除いて、クロマトグラフィー分析まで、−80℃にて保存した。
(薬物動態学によるクロマトグラフィー分析)
(内部標準)
オキシブチニン−D11塩化物および曝露フェンを内部標準として使用した。
Figure 2006520799
全てのストック溶液および作業内部標準を、2〜8℃にて保存した。初期標準は、およそ−20℃にて凍結保存した。
Figure 2006520799
(計算)
計算を、Excel Version 8.0eを使用して実施した。いくつかの報告した値は、適用された丸めに起因して、報告した表から直接計算した値と報告した最終桁が異なり得る。
(薬物動態学分析)
ラット血漿中の最大濃度(Cmax)および最大濃度に達する時間(Tmax)を、生データを目で見て得た。計算した薬物動態学的パラメータは、半減期(t1/2)、最大血漿濃度までの時間(Tmax)、時間0から時間の最終点までの濃度−時間曲線の下の面積(AUC0−t)、0〜無限大の濃度−時間曲線の下の面積(AUC0−\)、分布容積(V)、およびクリアランス(CL)を含んだ。薬物動態学的パラメータは、WinNonlin Professional Edition(Pharsight Corporation,Version 3.3)を使用して計算した。
(結果および結論)
ギャバペンチン(表2)について、濃度 対 時間プロフィールの排泄相は、十分に明らかにされなかった。CmaxデータとAUC0−tデータとの比較に基づいて、オキシブチニン(Oxy)群と組合せ(Com)群との間には、目に見える差はないようであった。オキシブチニンとギャバペンチンとの間の薬物−薬物相互作用の証拠は、この研究設計では見出されなかった。
オキシブチニン(表3)について、組合せ(Com)群から得た薬物動態学的パラメータ(Cmax、AUC0−t、AUC0−\、t1/2、VおよびCL)は、オキシブチニン(Oxy)群から得たものと目に見える差はないようであった。オキシブチニンとギャバペンチンとの間の薬物−薬物相互作用の証拠は、この研究設計では見出されなかった。
デセチルオキシブチニン(表4)について、濃度 対 時間プロフィールの排泄相は、十分に明らかにされなかった。しかし、CmaxデータとAUC0−tデータとの比較に基づいて、オキシブチニン(Oxy)群と組合せ(Com)群との間には、目に見える差はないようであった。
薬物動態学的研究の結果は、一方の薬物の、他方の薬物に対する薬物動態学的影響は、実施例1に見られるようなオキシブチニン−ギャバペンチンの組合せの相乗的性質を考慮しないことを示唆する。つまり、下部尿路障害に対する組合せの正の効果の相乗的性質は、いくつかの薬物動態学的相互作用に基づくものではない。
Figure 2006520799
Figure 2006520799
Figure 2006520799
(実施例3 希酢酸モデル:プレギャバリンおよびオキシブチニン)
(目的および原理)
本研究の目的は、希酢酸の連続注入(過活動膀胱の一般に使用されるモデル)の後に見られる膀胱能の減少を逆転する、平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力を決定することである。特に、本研究は、例示的なαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としてプレギャバリンを、そして例示的な平滑筋調節因子としてオキシブチニンを利用した。
(材料および方法)
ウレタン麻酔(1.2g/kg)した正常な雌性ラットを、本研究において利用した。ラットの群を、オキシブチニン単独、プレギャバリン単独、およびそれぞれの用量に適合したオキシブチニンおよびプレギャバリンの組合せで処理した。
(薬物および調製)
1つのシリーズの研究において、薬物を、オキシブチニンにつき1、3および10mg/mlで、そしてプレギャバリンにつき10、30および100mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。これらの研究において、個々の用量および組合せは、低、中および高と連続的に称され得る。動物には、注射容積=体重(kg)で投薬した。
別のシリーズの研究において、薬物を、オキシブチニンにつき0.625、1.25、2.5、5.0および10mg/mlで、そしてプレギャバリンにつき3.75、7.5、15、30および60mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。これらの研究においては、個々の用量および組合せは、低、中低、中、中高および高と連続的に称され得る。動物には、注射容積=体重(kg)で投薬した。
(インビボモデルでの急性麻酔)
(動物の調製)
雌性ラット(250〜300gの体重)を、ウレタン(1.2g/kg)で麻酔し、生理食塩水を充填したカテーテル(PE−50)を、静脈内薬物投与のために、頚動脈内に挿入した。中心線の下部腹部切開により、フレア先端のPE50カテーテルを膀胱ドームに挿入し、膀胱を充填および圧力を記録した。空にする目的で膀胱へのアクセスを維持するために、腹腔を、生理食塩水で湿らせ、薄いプラスチックシートで覆うことにより閉じた。5つの銀製またはステンレス鋼製のワイヤ電極を、筋電図(EMG)のために経皮的に外側尿道括約筋に挿入した。
(実験の設計)
生理食塩水を、膀胱に埋めたカテーテルを介して、0.055ml/分の速度で、60分間にわたって注入し、下部尿路活性のベースラインを得た(連続膀胱内圧測定;CMG)。コントロールの期間の後、生理食塩水中0.25%の酢酸溶液を同じ流速で膀胱に注入して、膀胱刺激を誘導した。もしあれば、30分のAA注入の後、20分間隔で3回のビヒクル注射を行い、ビヒクルの効果を決定した。その後、蓄積性の用量−応答の関係性を構成するために、選択された活性因子、または因子の組合せの増加用量を、半対数増加にて、30分間隔で静脈内投与した。コントロールの生理食塩水の膀胱内圧測定期間の終わりに、そして、その後の各々の処理の20分後に、注入ポンプを停止し、刺激プロトコールおよびその後の静脈内薬物投与により生じた膀胱能の変化を決定するために、膀胱を、注入カテーテルを介して流体を引くことによって空にし、同じ流速で単回充填の膀胱内圧測定を実施した。
(データ分析)
各動物についての膀胱能データを、「%刺激からの回復」に対して標準化し、そしてこの指数を、効力の指標として使用した。各薬物を単独で投与した実験からのデータを利用して、各用量(低、中および高)についての加算効果の理論上の母集団を作製し、そして、これらを、片側t検定(個々の用量の比較)および2元ANOVA(用量間)により、実際の組合せ薬物データと比較した。各個々の処置の「用量適合性」(低、中および高)の応答の平均および標準偏差を互いに加算して、組合せ実験から得られた実際のデータと比較するための、理論上の加算母集団の平均および標準偏差を推定した。理論上の加算効力母集団は、N=(N抗ムスカリン作用薬+Nα2δサブユニット調節因子)−1であった。P<0.050を有意であるとみなした。予め刺激した生理食塩水コントロールの値と比較して、3回目のビヒクル測定において50〜90%の間の膀胱能の減少を示したラットだけを、数値分析に利用した。
(結果および結論)
膀胱能に対する、オキシブチニン(n=13)、プレギャバリン(n=7)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg プレギャバリンおよび1mg/kg オキシブチニンであった;n=9)の蓄積性の用量の増加の効果を、図5に図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するオキシブチニン(n=13)、プレギャバリン(n=7)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg プレギャバリンおよび1mg/kg オキシブチニンであった;n=9)の蓄積性の用量の増加の効果を、図6に図示する。データは、平均±SEMとして示す。希酢酸に対する連続的な静脈内曝露により生じる膀胱能の減少に対して、薬物の組合せが、低用量(P=0.0386)、中用量(P=0.0166)および高用量(P=0.0098)において、加算効果よりも高い効果を生じたことに注意されたい。相乗はまた、加算と組合せ効果との間の2元ANOVAによる有意差によっても示唆される(P<0.0004)。
膀胱能に対する、オキシブチニン(n=4)、プレギャバリン(n=7)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、3.75mg/kg プレギャバリンおよび0.625mg/kg オキシブチニンであった;n=4)の蓄積性の用量の増加の効果を、図7に図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対する、オキシブチニン(n=4)、プレギャバリン(n=7)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、3.75mg/kg プレギャバリンおよび0.625mg/kg オキシブチニンであった;n=4)の蓄積性の用量の増加の効果を、図8に図示する。データは、平均±SEMとして示す。また、希酢酸に対する連続的な静脈内曝露により生じる膀胱能の減少に対して、薬物の組合せが、中高用量(P=0.0.4)および高用量(P=0.004)において、加算効果よりも高い効果を生じたことに注意されたい。相乗はまた、加算と組合せ効果との間の2元ANOVAによる有意差によっても示唆される(P=0.0037)。
酢酸刺激により誘導した膀胱能の減少の劇的な逆転を生じる平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力は、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害、ならびに関連する刺激性の症状の下部尿路障害の哺乳動物の形態において、強く効果を示唆する。さらに、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と平滑筋調節因子との組合せは、効果を単純に加算した場合に予測されるものよりも大きな相乗効果を生じた。
(実施例4 希酢酸モデル:ギャバペンチンおよびトルテロジン)
(目的および原理)
本研究の目的は、希酢酸の連続注入(過活動膀胱の一般に使用されるモデル)の後に見られる膀胱能の減少を逆転する、平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力を決定することである。特に、本研究は、例示的なαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としてギャバペンチンを、そして例示的な平滑筋調節因子としてトルテロジンを利用した。
(材料および方法)
ウレタン麻酔(1.2g/kg)した正常な雌性ラットを、本研究において利用した。ラットの群を、トルテロジン単独(n=9)、ギャバペンチン単独(n=11)、および低用量のギャバペンチンと一緒にした、トルテロジン(中および高)の単回初期用量と、次いで、ギャバペンチン単独の中用量および高用量(それぞれ、n=4およびn=3)によって特徴付けられる2つの組合せ研究で処理した。
(薬物および調製)
薬物を、トルテロジンにつき1、3および10mg/mlで、そしてギャバペンチンにつき10、30および100mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。これらの研究において、個々の用量は、低、中および高と連続的に称され得る。組合せを、3mg/kg Tolt.組合せおよび10mg/kg Tolt.組合せと称した。動物には、注射容積=体重(kg)で投薬した。
(インビボモデルでの急性麻酔)
(動物の調製)
雌性ラット(250〜300gの体重)を、ウレタン(1.2g/kg)で麻酔し、生理食塩水を充填したカテーテル(PE−50)を、静脈内薬物投与のために、頚動脈内に挿入した。中心線の下部腹部切開により、フレア先端のPE50カテーテルを膀胱ドームに挿入し、膀胱を充填および圧力を記録した。空にする目的で膀胱へのアクセスを維持するために、腹腔を、生理食塩水で湿らせ、薄いプラスチックシートで覆うことにより閉じた。5つの銀製またはステンレス鋼製のワイヤ電極を、筋電図(EMG)のために経皮的に外側尿道括約筋に挿入した。
(実験の設計)
生理食塩水を、膀胱に埋めたカテーテルを介して、0.055ml/分の速度で、60分間にわたって注入し、下部尿路活性のベースラインを得た(連続膀胱内圧測定;CMG)。コントロールの期間の後、生理食塩水中0.25%の酢酸溶液を同じ流速で膀胱に注入して、膀胱刺激を誘導した。もしあれば、30分のAA注入の後、20分間隔で3回のビヒクル注射を行い、ビヒクルの効果を決定した。その後、蓄積性の用量−応答の関係性を構成するために、選択された活性因子、または因子の組合せの増加用量を、半対数増加にて、30分間隔で静脈内投与した。コントロールの生理食塩水の膀胱内圧測定期間の終わりに、そして、その後の各々の処理の20分後に、注入ポンプを停止し、刺激プロトコールおよびその後の静脈内薬物投与により生じた膀胱能の変化を決定するために、膀胱を、注入カテーテルを介して流体を引くことによって空にし、同じ流速で単回充填の膀胱内圧測定を実施した。
(データ分析)
各動物についての膀胱能データを、「%刺激からの回復」に対して標準化し、そしてこの指数を、効力の指標として使用した。各薬物を単独で投与した実験からのデータを利用して、各用量(低、中および高)についての加算効果の理論上の母集団を作製し、そして、これらを、片側t検定(個々の用量の比較)および2元ANOVA(用量間)により、実際の組合せ薬物データと比較した。各個々の処置の「用量適合性」(低、中および高)の応答の平均および標準偏差を互いに加算して、組合せ実験から得られた実際のデータと比較するための、理論上の加算母集団の平均および標準偏差を推定した。理論上の加算効力母集団は、N=(N抗ムスカリン作用薬+Nα2δサブユニット調節因子)−1であった。P<0.050を有意であるとみなした。予め刺激した生理食塩水コントロールの値と比較して、3回目のビヒクル測定において50〜90%の間の膀胱能の減少を示したラットだけを、数値分析に利用した。
(結果および結論)
膀胱能に対する、トルテロジン(n=9)、ギャバペンチン(n=11)および試験した2つの組合せ(例えば、組合せ1についての用量1は、30mg/kg ギャバペンチンおよび3mg/kg トルテロジンであった;3mg/kgおよび10mg/kg トルテロジンにつき、それぞれn=4および3)の蓄積性の用量の増加の効果を、図9に図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対する、トルテロジン(n=9)、ギャバペンチン(n=11)および2つの組合せ(例えば、組合せについての用量1は、30mg/kg ギャバペンチンおよび3mg/kg トルテロジンであった;3mg/kgおよび10mg/kg トルテロジンにつき、それぞれn=4および3)の蓄積性の用量の増加の効果を、図10に図示する。データは、平均±SEMとして示す。薬物の組合せが、3mg/kg Tolt.組合せ(P=0.0099)および10mg/kg Tolt.組合せ(P=0.0104)に対する加算効果よりも大きい効果を生じたことに注意されたい。
酢酸刺激により誘導した膀胱能の減少の劇的な逆転を生じる平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力は、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害、ならびに関連する刺激性の症状の哺乳動物の形態において、強く効力を示唆する。さらに、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と平滑筋調節因子との組合せは、効果を単純に加算した場合に予測されるものよりも大きな相乗効果を生じた。
(実施例5 希酢酸モデル:プレギャバリンおよびトルテロジン)
(目的および原理)
本研究の目的は、希酢酸の連続注入(過活動膀胱の一般に使用されるモデル)の後に見られる膀胱能の減少を逆転する、平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力を決定することである。特に、本研究は、例示的なαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としてプレギャバリンを、そして例示的な平滑筋調節因子としてトルテロジンを利用した。
(材料および方法)
ウレタン麻酔(1.2g/kg)した正常な雌性ラットを、本研究において利用した。ラットの群を、トルテロジン単独(n=9)、プレギャバリン単独(n=7)、そしてそれぞれの用量に適合したの組合せトルテロジンおよびプレギャバリン(n=9)で処理した。
(薬物および調製)
薬物を、トルテロジンにつき1、3および10mg/mlで、そしてプレギャバリンにつき10、30および100mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。これらの研究において、個々の用量および組合せは、低、中および高と連続的に称され得る。動物には、注射容積=体重(kg)で投薬した。
(インビボモデルでの急性麻酔)
(動物の調製)
雌性ラット(250〜300gの体重)を、ウレタン(1.2g/kg)で麻酔し、生理食塩水を充填したカテーテル(PE−50)を、静脈内薬物投与のために、頚動脈内に挿入した。中心線の下部腹部切開により、フレア先端のPE50カテーテルを膀胱ドームに挿入し、膀胱を充填および圧力を記録した。空にする目的で膀胱へのアクセスを維持するために、腹腔を、生理食塩水で湿らせ、薄いプラスチックシートで覆うことにより閉じた。5つの銀製またはステンレス鋼製のワイヤ電極を、筋電図(EMG)のために経皮的に外側尿道括約筋に挿入した。
(実験の設計)
生理食塩水を、膀胱に埋めたカテーテルを介して、0.055ml/分の速度で、60分間にわたって注入し、下部尿路活性のベースラインを得た(連続膀胱内圧測定;CMG)。コントロールの期間の後、生理食塩水中0.25%の酢酸溶液を同じ流速で膀胱に注入して、膀胱刺激を誘導した。もしあれば、30分のAA注入の後、20分間隔で3回のビヒクル注射を行い、ビヒクルの効果を決定した。その後、蓄積性の用量−応答の関係性を構成するために、選択された活性因子、または因子の組合せの増加用量を、半対数増加にて、30分間隔で静脈内投与した。コントロールの生理食塩水の膀胱内圧測定期間の終わりに、そして、その後の各々の処理の20分後に、注入ポンプを停止し、刺激プロトコールおよびその後の静脈内薬物投与により生じた膀胱能の変化を決定するために、膀胱を、注入カテーテルを介して流体を引くことによって空にし、同じ流速で単回充填の膀胱内圧測定を実施した。
(データ分析)
各動物についての膀胱能データを、「%刺激からの回復」に対して標準化し、そしてこの指数を、効力の指標として使用した。各薬物を単独で投与した実験からのデータを利用して、各用量(低、中および高)についての加算効果の理論上の母集団を作製し、そして、これらを、片側t検定(個々の用量の比較)および2元ANOVA(用量間)により、実際の組合せ薬物データと比較した。各個々の処置の「用量適合性」(低、中および高)の応答の平均および標準偏差を互いに加算して、組合せ実験から得られた実際のデータと比較するための、理論上の加算母集団の平均および標準偏差を推定した。理論上の加算効力母集団は、N=(N抗ムスカリン作用薬+Nα2δサブユニット調節因子)−1であった。P<0.050を有意であるとみなした。予め刺激した生理食塩水コントロールの値と比較して、3回目のビヒクル測定において50〜90%の間の膀胱能の減少を示したラットだけを、数値分析に利用した。
(結果および結論)
膀胱能に対するトルテロジン(n=9)、プレギャバリン(n=7)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg プレギャバリンおよび1mg/kg トルテロジンであった;n=9)の蓄積性の用量の増加の効果を図11に図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するトルテロジン(n=9)、プレギャバリン(n=7)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg プレギャバリンおよび1mg/kg トルテロジンであった;n=9)の蓄積性の用量の増加の効果を、図12に図示する。データは、平均±SEMとして示す。希酢酸に対する連続的な静脈内曝露により生じる膀胱能の減少に対して、薬物の組合せが、中用量(P=0.0353)において加算効果よりも大きい効果を生じたことに注意されたい。相乗はまた、加算と組合せ効果との間の2元ANOVAによる有意差によっても示唆される(P<0.0234)。
酢酸刺激により誘導した膀胱能の減少の劇的な逆転を生じる平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力は、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害、ならびに関連する刺激性の症状の哺乳動物の形態において、強く効力を示唆する。さらに、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と平滑筋調節因子との組合せは、効果を単純に加算した場合に予測されるものよりも大きな相乗効果を生じた。
(実施例6 希酢酸モデル:ギャバペンチンおよびプロピベリン)
(目的および原理)
本研究の目的は、希酢酸の連続注入(過活動膀胱の一般に使用されるモデル)の後に見られる膀胱能の減少する、平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力を決定することである。特に、本研究は、例示的なα2δサブユニットカルシウムチャネル調節因子としてギャバペンチンを、そして例示的な平滑筋調節因子としてプロビベリンを利用した。
(材料および方法)
ウレタン麻酔(1.2g/kg)した正常な雌性ラットを、本研究において利用した。ラットの群を、プロピベリン単独(n=7)、ギャバペンチン単独(n=11)、そしてそれぞれの用量に適合したの組合せプロピベリンおよびギャバペンチン(n=10)で処理した。
(薬物および調製)
薬物を、プロピベリンにつき3、10および30mg/mlで、そしてギャバペンチンにつき10、30および100mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。これらの研究において、個々の用量および組合せは、低、中および高と連続的に称され得る。動物には、注射容積=体重(kg)で投薬した。
(インビボモデルでの急性麻酔)
(動物の調製)
雌性ラット(250〜300gの体重)を、ウレタン(1.2g/kg)で麻酔し、生理食塩水を充填したカテーテル(PE−50)を、静脈内薬物投与のために、頚動脈内に挿入した。中心線の下部腹部切開により、フレア先端のPE50カテーテルを膀胱ドームに挿入し、膀胱を充填および圧力を記録した。空にする目的で膀胱へのアクセスを維持するために、腹腔を、生理食塩水で湿らせ、薄いプラスチックシートで覆うことにより閉じた。5つの銀製またはステンレス鋼製のワイヤ電極を、筋電図(EMG)のために経皮的に外側尿道括約筋に挿入した。
(実験の設計)
生理食塩水を、膀胱に埋めたカテーテルを介して、0.055ml/分の速度で、60分間にわたって注入し、下部尿路活性のベースラインを得た(連続膀胱内圧測定;CMG)。コントロールの期間の後、生理食塩水中0.25%の酢酸溶液を同じ流速で膀胱に注入して、膀胱刺激を誘導した。もしあれば、30分のAA注入の後、20分間隔で3回のビヒクル注射を行い、ビヒクルの効果を決定した。その後、蓄積性の用量−応答の関係性を構成するために、選択された活性因子、または因子の組合せの増加用量を、半対数増加にて、30分間隔で静脈内投与した。コントロールの生理食塩水の膀胱内圧測定期間の終わりに、そして、その後の各々の処理の20分後に、注入ポンプを停止し、刺激プロトコールおよびその後の静脈内薬物投与により生じた膀胱能の変化を決定するために、膀胱を、注入カテーテルを介して流体を引くことによって空にし、同じ流速で単回充填の膀胱内圧測定を実施した。
(データ分析)
各動物についての膀胱能データを、「%刺激コントロール」に対して標準化し、そしてこの指数を、効力の指標として使用した。各薬物を単独で投与した実験からのデータを利用して、各用量(低、中および高)についての加算効果の理論上の母集団を作製し、そして、これらを、片側t検定(個々の用量の比較)および2元ANOVA(用量間)により、実際の組合せ薬物データと比較した。各個々の処置の「用量適合性」(低、中および高)の応答の平均および標準偏差を互いに加算して、組合せ実験から得られた実際のデータと比較するための、理論上の加算母集団の平均および標準偏差を推定した。理論上の加算効力母集団は、N=(N抗ムスカリン作用薬+Nα2δサブユニット調節因子)−1であった。P<0.050を有意であるとみなした。予め刺激した生理食塩水コントロールの値と比較して、3回目のビヒクル測定において50〜90%の間の膀胱能の減少を示したラットだけを、数値分析に利用した。
(結果および結論)
膀胱能に対するプロピベリン(n=7)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg ギャバペンチンおよび3mg/kg プロピベリンであった;n=10)の蓄積性の用量の増加の効果を、図13に図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するプロピベリン(n=7)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg ギャバペンチンおよび3mg/kg プロピベリンであった;n=10)の蓄積性の用量の増加の効果を、図14に図示する。データは、平均±SEMとして示す。希酢酸に対する連続的な静脈内曝露により生じる膀胱能の減少に対して、薬物の組合せが、低用量(P=0.0087)および中用量(P=0.0253)において加算効果よりも高い効果を生じたことに注意されたい。相乗はまた、加算と組合せ効果との間の2元ANOVAによる有意差によっても示唆される(P<0.0067).
酢酸刺激により誘導した膀胱能の減少の劇的な逆転を生じる平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力は、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害、ならびに関連する刺激性の症状の哺乳動物の形態において、強く効力を示唆する。さらに、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と平滑筋調節因子との組合せは、効果を単純に加算した場合に予測されるものよりも大きな相乗効果を生じた。
(実施例7 希酢酸モデル:ギャバペンチンおよびソリフェナシン)
(目的および原理)
本研究の目的は、希酢酸の連続注入(過活動膀胱の一般に使用されるモデル)の後に見られる膀胱能の減少を逆転する、平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力を決定することである。特に、本研究は、例示的なαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としてギャバペンチンを、そして例示的な平滑筋調節因子としてソリフェナシンを利用した。
(材料および方法)
ウレタン麻酔(1.2g/kg)した正常な雌性ラットを、本研究において利用した。ラットの群を、ソリフェナシン単独(n=7)、ギャバペンチン単独(n=11)、そしてそれぞれの用量に適合したの組合せソリフェナシンおよびギャバペンチン(n=10)で処理した。
(薬物および調製)
薬物を、ソリフェナシンにつき1、3および10mg/mlで、そしてギャバペンチンにつき10、30および100mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。これらの研究において、個々の用量および組合せは、低、中および高と連続的に称され得る。動物には、注射容積=体重(kg)*1.5で投薬した。
(インビボモデルでの急性麻酔)
(動物の調製)
雌性ラット(250〜300gの体重)を、ウレタン(1.2g/kg)で麻酔し、生理食塩水を充填したカテーテル(PE−50)を、静脈内薬物投与のために、頚動脈内に挿入した。中心線の下部腹部切開により、フレア先端のPE50カテーテルを膀胱ドームに挿入し、膀胱を充填および圧力を記録した。空にする目的で膀胱へのアクセスを維持するために、腹腔を、生理食塩水で湿らせ、薄いプラスチックシートで覆うことにより閉じた。5つの銀製またはステンレス鋼製のワイヤ電極を、筋電図(EMG)のために経皮的に外側尿道括約筋に挿入した。
(実験の設計)
生理食塩水を、膀胱に埋めたカテーテルを介して、0.055ml/分の速度で、60分間にわたって注入し、下部尿路活性のベースラインを得た(連続膀胱内圧測定;CMG)。コントロールの期間の後、生理食塩水中0.25%の酢酸溶液を同じ流速で膀胱に注入して、膀胱刺激を誘導した。もしあれば、30分のAA注入の後、20分間隔で3回のビヒクル注射を行い、ビヒクルの効果を決定した。その後、蓄積性の用量−応答の関係性を構成するために、選択された活性因子、または因子の組合せの増加用量を、半対数増加にて、30分間隔で静脈内投与した。コントロールの生理食塩水の膀胱内圧測定期間の終わりに、そして、その後の各々の処理の20分後に、注入ポンプを停止し、刺激プロトコールおよびその後の静脈内薬物投与により生じた膀胱能の変化を決定するために、膀胱を、注入カテーテルを介して流体を引くことによって空にし、同じ流速で単回充填の膀胱内圧測定を実施した。
(データ分析)
各動物についての膀胱能データを、「%刺激からの回復」に対して標準化し、そしてこの指数を、効力の指標として使用した。各薬物を単独で投与した実験からのデータを利用して、各用量(低、中および高)についての加算効果の理論上の母集団を作製し、そして、これらを、片側t検定(個々の用量の比較)および2元ANOVA(用量間)により、実際の組合せ薬物データと比較した。各個々の処置の「用量適合性」(低、中および高)の応答の平均および標準偏差を互いに加算して、組合せ実験から得られた実際のデータと比較するための、理論上の加算母集団の平均および標準偏差を推定した。理論上の加算効力母集団は、N=(N抗ムスカリン作用薬+Nα2δサブユニット調節因子)−1であった。P<0.050を有意であるとみなした。予め刺激した生理食塩水コントロールの値と比較して、3回目のビヒクル測定において50〜90%の間の膀胱能の減少を示したラットだけを、数値分析に利用した。
(結果および結論)
膀胱能に対するソリフェナシン(n=4)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg ギャバペンチンおよび3mg/kg ソリフェナシンであった;n=12)の蓄積性の用量の増加の効果を、図15に図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能(%刺激コントロールに対して標準化)に対する、ソリフェナシン(n=4)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg ギャバペンチンおよび3mg/kg ソリフェナシン;n=12)の蓄積性の用量の増加の効果を、図16に図示する。データは、平均±SEMとして示す。希酢酸に対する連続的な静脈内曝露により生じる膀胱能の減少に対して、薬物の組合せが、低用量(P<0.05)および高用量(P<0.05)において加算効果よりも高い効果を生じたことに注意されたい。相乗はまた、加算と組合せ効果との間の2元ANOVAによる有意差によっても示唆される(P<0.0022).
酢酸刺激により誘導した膀胱能の減少の劇的な逆転を生じる平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力は、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害、ならびに関連する刺激性の症状の哺乳動物の形態において、強く効力を示唆する。さらに、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と平滑筋調節因子との組合せは、効果を単純に加算した場合に予測されるものよりも大きな相乗効果を生じた。
(実施例8 ネコにおける希酢酸モデル:ギャバペンチンおよびオキシブチニン)
(目的および原理)
本研究の目的は、ネコモデル(過活動膀胱の一般に使用されるモデル)において希酢酸の連続注入後に見られる膀胱能の減少を逆転する、平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力を決定することである。特に、本研究は、例示的なαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としてギャバペンチンを、そして例示的な平滑筋調節因子としてオキシブチニンを利用した。
(材料および方法)
αクロラローズで麻酔した(50〜100mg/kg)正常な雌性ネコ(2.5〜3.5kg;Harlan)を本研究において利用した。ネコの群を、オキシブチニン単独(n=5)、ギャバペンチン単独(n=5)、そして、オキシブチニンおよびギャバペンチンの用量を適合した、選択された組合せ(n=6)で処理した。
(薬物および調製)
薬物を、オキシブチニンにつき0.01、0.03、0.1、0.3、1.0、3.0および10mg/mlで、そしてギャバペンチンにつき3.0、10、30、100および300mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。組合せは、0.1mg/kg オキシブチニン+3mg/kg ギャバペンチン(低)、0.3mg/kg オキシブチニン+10mg/kg ギャバペンチン(中)、そして1.0mg/kg オキシブチニン+30mg/kg ギャバペンチン(高)を対とした。動物には、注射容積=体重(kg)で投薬した。
(インビボモデルでの急性麻酔)
実験の一晩前に、雌性ネコ(2.5〜3.5kg;Harlan)から、食餌を取り除いた。翌朝、ネコをイソフルランで麻酔し、無菌技術を使用して外科手術のために準備した。ポリエチレンカテーテルを、外科的に配置して膀胱圧、尿道圧、動脈圧、呼吸速度ならびに薬物送達の測定を可能にした。5つのワイヤ電極を外尿道肛門括約筋に平行して移植した。外科手術の後、これらのネコを、ガス麻酔のイソフルラン(2〜3.5%)からαクロラロース(50〜100mg/kg)に徐々に切り替えた。コントロールの膀胱内圧測定の間、生理食塩水を1時間にわたって、膀胱内にゆっくりと注入した(0.5〜1.0ml/分)。実験期間に、コントロールの膀胱内圧測定の後に、生理食塩水中0.5%の酢酸を続けた。これらのベースライン条件下で膀胱内圧変数を評価した後、排尿に対する試験薬物の効果を、3〜5点の用量応答プロトコールにより決定した。
(データ分析)
全てのデータを同時に使用して相乗を評価する目的で、各動物についての膀胱能のデータを、刺激からの回復%に対して標準化し、そしてこの指数を、効力の指標として使用した。各々の薬物を単独で投与した実験からのデータを利用して、各用量についての加算効果の理論上の母集団(低、中および高)を使用し、これらを、片側t検定(個々の用量の比較)および2元ANOVA(用量間)により、実際の組合せ薬物データと比較した。これらの目的のために、各個々の処理の「用量適合した」(低、中および高)応答の平均および標準偏差を、互いに加算して、組合せ実験から得られた実際のデータと比較するための、理論上の加算母集団の平均および標準偏差を推定した。理論上の加算効力母集団は、N=(N抗ムスカリン作用薬+Nα2δサブユニット調節因子)−1であった。ギャバペンチン単独は、3.0mg/kgおよび10.0mg/kgの用量において試験しなかったので、そして、30mg/kg用量のギャバペンチン単独で有意な効果がなかったので、30mg/kgにおける応答を、理論上の加算母集団を計算するために、3.0mg/kgおよび10.0mg/kgの応答のための代理として使用した。P<0.050を有意であるとみなした。さらに、%排尿効率を、オキシブチニン単独、ギャバペンチン単独および組合せについて、以下の式により決定した:(排尿容積/(排尿容積+残留容積))100。
(結果および結論)
膀胱能に対するオキシブチニン(n=5)、ギャバペンチン(n=5)およびその適合した組合せ(n=6)の蓄積性の用量の増加の効果を、図17に図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するオキシブチニン(n=5)、およびギャバペンチン(n=5)、ならびにその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、3mg/kg ギャバペンチンおよび0.1mg/kg オキシブチニンであった;n=6)の蓄積性の用量の増加の理論上の加算効果を、図18に図示する。データは、平均±SEMとして示す。希酢酸に対する連続的な静脈内曝露により生じる膀胱能の減少に対して、薬物の組合せが、中用量(P=0.0490)において加算効果よりも高い効果を生じたことに注意されたい。
排尿効率に対するオキシブチニン(n=5)、ギャバペンチン(n=5)の蓄積性の用量の増加の効果を、図19に図示する(オキシブチニン(図19A)、ギャバペンチン(図19B))。オキシブチニンにより生じる排尿効率の用量依存性の減少に注意すること。また、ギャバペンチンは効果がなかったことに注意すること。
排尿効率に対する、組合せたオキシブチニンおよびギャバペンチン(n=6)の蓄積性の用量の増加の効果を、図20に図示する。オキシブチニンにより生じる排尿効率の用量依存性の減少が、ギャバペンチンの同時投与により実質的に防止されることに注意すること。
ネコにおいて試験した、最も高い用量のオキシブチニン(1mg/kg)およびギャバペンチン(30mg/kg)の組合せにおいて、排尿効率は、わずか16.7%減少した。このことは、同じ用量でのオキシブチニン単独の効果とは異なり、顕著なものであり、排尿効率の78.4%の減少を生じた。ギャバペンチンの追加(この用量において単独では、排尿効率の10.1%の増加を生じた)は、排尿効率に対するオキシブチニンの所望でない負の効果を相殺し、一方で、膀胱能の増加に対して、正の所望の相乗効果を提供すると結論付けられる。
酢酸刺激により誘導した膀胱能の減少の劇的な逆転を生じる平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力は、正常な患者および脊髄を損傷した患者における、疼痛性および非疼痛性の下部尿路障害、ならびに関連する刺激性の症状の哺乳動物の形態において、強く効力を示唆する。さらに、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と平滑筋調節因子との組合せは、効果を単純に加算した場合に予測されるものよりも大きな相乗効果を生じた。さらにαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の、膀胱過活性に対する相乗的な正の効果を同時に提供しながら、平滑筋調節因子の負の副作用を相殺する能力は、良性前立腺肥大および関連する刺激性症状に苦しむ患者のような、膀胱出口が閉塞されている患者における排尿効率を損ねることなく、刺激性の症状を軽減する能力を強く示唆する。
(実施例9 脊髄損傷モデル:ギャバペンチンおよびオキシブチニン)
(目的および原理)
本研究の目的は、脊髄を損傷した(SCI)ラット(神経性膀胱の一般に使用されるモデル)において膀胱能を増加する能力に対する、平滑筋調節因子と組合せたαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の能力を決定することである。特に、本研究は、例示的なαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子としてギャバペンチンを、そして例示的な平滑筋調節因子としてオキシブチニンを利用した。
(材料および方法)
覚醒している抑制SCI雌性ラットを、オキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せで処理した(n=3)。全ての研究について半対数増殖を用いて、蓄積性の用量−応答プロトコールを利用した。
(薬物および調製)
薬物を、オキシブチニンにつき1、3および10mg/mlで、そしてギャバペンチンにつき30、100および300mg/mlで、標準的な生理食塩水に溶解した。これらの研究において、組合せは、低、中および高と連続的に称され得る。
(覚醒した抑制SCIのインビボモデル)
(動物の調製)
雌性ラット(体重250〜300g)を4%イソフルラン(2%を維持)で麻酔し、T9〜T10の脊髄レベルで椎弓切除を行なった。脊髄を完全に切断し、傷を層で閉じた。直後に、そして、最後の実験の日まで、回復の間に、3日おきに動物に抗生物質(100mg/kg アンピシリン)を与えた。SCIラットは、排尿機能の改善の証拠が見られるまで、2〜3週間1匹飼いを維持した。実験の日に、動物を4%イソフルラン(2%を維持)で麻酔し、静脈内約b通投与のために、頸静脈に生理食塩水を充填したカテーテル(PE−50)を挿入した。このカテーテルは、肩甲骨の中央の領域から外に出て、腹側の創傷は、シルク糸で閉じた。中心線の下部腹部切開により、フレア先端のPE50カテーテルを膀胱ドームに挿入し、膀胱を充填および圧力を記録した。腹腔を層で閉じ、膀胱のカテーテルを創傷の先端で出した。5つの銀製またはステンレス鋼製のワイヤ電極を、筋電図(EMG)のために経皮的に外側尿道括約筋に挿入した。この動物を、Ballman抵抗性ケージに入れ、コントロールデータを回収する前1時間にわたって、麻酔から外した。
(実験の設計)
生理食塩水を、膀胱に埋めたカテーテルから、60分間にわたって、0.100ml/分の速度で連続注入し、下部尿路活性のベースラインを得た(連続膀胱内圧測定;CMG)。コントロール期間の後に、3つのビヒクル注射を20分間隔で行い、存在する場合、ビヒクルの効果を決定した。その後、蓄積性の用量−応答の関係性を構成するために、選択された活性因子、または因子の組合せの増加用量を、半対数増加にて、30分間隔で静脈内投与した。コントロール膀胱内圧測定期間の後、3回目のビヒクル(Veh 3)後、そして、その後の各処理の20分後に、注入ポンプを停止し、注入カテーテルから流体を除いて膀胱を空にし、同じ流速にて単回の充填膀胱内圧測定を実施し、膀胱能の変化を決定した(薬物の静脈内投与により生じた、排尿収縮により決定)。
(データ分析)
各動物についての膀胱能データを、Veh 3%に対して標準化し、そして、ノンパラメトリックな繰り返し指標である1元ANOVA(Friedman検定)を使用してデータを分析した。P<0.05を有意であるとみなした。
(結果および結論)
慢性SCIラットにおける膀胱能に対する、オキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(例えば、組合せについての用量1は、30mg/kg ギャバペンチンおよび1mg/kg オキシブチニンであった;n=3)の蓄積性の用量の増加の効果を、図21に図示する。膀胱能の顕著な用量依存性の増加に注意されたい(P=0.0278)。データを、ビヒクルコントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。
膀胱能に対する、オキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(n=3)の蓄積性の用量の増加の効果(8cm HOより大きい排尿収縮なしの数における有意な減少により測定(P=0.0174))を、図22に図示する。データは、平均±SEMとして示す。
膀胱不安定性に対するオキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(n=3)の蓄積性の用量の増加の効果(排尿収縮なしのようである潜伏期における有意な増加により測定(P=0.0017))を、図23に図示する。データは、平均±SEMとして示す。
αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子と平滑筋調節因子との組合せは、膀胱能をほぼ2倍にし得、そして、神経性膀胱のラットモデルにおける膀胱不安定性を有意に減少した。この知見は、カプサイシンのような、SCIラットにおける膀胱の不安定性の減少を示すが、排尿に対しては、膀胱能に効果がない、バニロイド剤の効果とは対照的である(Chengら、1995,Brain Res.678:40−48)。脊髄損傷および良性前立腺肥大の両方が、出口の梗塞、膀胱肥大および膀胱の不安定性により特徴付けられるので、これらの知見は、良性前立腺肥大に関連する刺激性の症状および/または閉塞性の症状を含む、脊髄損傷および良性前立腺肥大の両方に対する効力を強く示唆する。
明細書において言及された全ての刊行物および特許出願は、本発明が属する分野の当業者のレベルの指標である。全ての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願の各々が、具体的かつ個々に参考として援用されるように示される程度まで、本明細書中に参考として援用される。
図1は、膀胱能に対するオキシブチニン(n=13)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、30mg/kg ギャバペンチンおよび1mg/kg オキシブチニン;n=11)の蓄積性の用量の増加の効果を示す。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図2は、膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するオキシブチニン(n=13)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、30mg/kg ギャバペンチンおよび1mg/kg オキシブチニン;n=11)の蓄積性の用量の増加の効果を示す。データは、平均±SEMとして示す。 図3は、有効用量を決定するために、群平均を利用して毛呈した、アイソボログラム研究の結果を図示する。いずれかの薬物単独についての共通する最大効果は、生理食塩水コントロールの43%であった。各薬物単独に対する有効用量における2つの軸を結ぶ線は、理論上の加算を示す。 図は、生理食塩水コントロール値の31%までの回復を用いて個々の動物に共通する最大効果を使用する、アイソボログラム研究の結果を図示する。データは、平均±SDとして表す。 図5は、膀胱能に対するオキシブチニン(n=13)、プレギャバリン(n=7)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10 mg/kg プレギャバリンおよび1mg/kg オキシブチニン;n=9)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図6は、膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するオキシブチニン(n=13)、プレギャバリン(n=7)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10 mg/kg プレギャバリンおよび1mg/kg オキシブチニン;n=9)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。 図7は、膀胱能に対するオキシブチニン(n=4)、プレギャバリン(n=7)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、3.75mg/kg プレギャバリン+0.625mg/kg オキシブチニン;n=4)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図8は、膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するオキシブチニン(n=4)、プレギャバリン(n=7)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、3.75mg/kg プレギャバリン+0.625mg/kg オキシブチニン;n=4)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、平均±SEMとして示す。 図9は、膀胱能に対するトルテロジン(n=9)、ギャバペンチン(n=11)および試験した2つの組合せ(例えば、組合せ1についての用量1は、30mg/kg ギャバペンチン+3mg/kg トルテロジンであった;3および10mg/kg トルテロジンについて、それぞれn=4および3)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図10は、膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するトルテロジン(n=9)、ギャバペンチン(n=11)および試験した2つの組合せ(例えば、組合せ1についての用量1は、30mg/kg ギャバペンチン+3mg/kg トルテロジンであった;3および10mg/kg トルテロジンについて、それぞれn=4および3)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。 図11は、膀胱能に対するトルテロジン(n=9)、プレギャバリン(n=7)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg プレギャバリンおよび1mg/kg トルテロジンであった;n=9)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図12は、膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するトルテロジン(n=9)、プレギャバリン(n=7)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg プレギャバリンおよび1mg/kg トルテロジンであった;n=9)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。 図13は、膀胱能に対するプロピベリン(n=7)、ギャバペンチン(n=11)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg ギャバペンチン+3mg/kg プロピベリンであった;n=10)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図14は、膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するプロピベリン(n=7)、ギャバペンチン(n=11)および適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg ギャバペンチン+3mg/kg プロピベリンであった;n=10)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、平均±SEMとして示す。 図15は、膀胱能に対するソリフェナシン(n=4)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg ギャバペンチン+3mg/kg ソリフェナシンであった;n=12)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図16は、膀胱能(%刺激コントロールに対して標準化)に対するソリフェナシン(n=4)、ギャバペンチン(n=11)およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、10mg/kg ギャバペンチン+3mg/kg ソリフェナシンであった;n=12)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、平均±SEMとして示す。 図17は、膀胱能に対するオキシブチニン(n=5)、ギャバペンチン(n=5)およびその適合した組合せ(n=6)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、生理食塩水コントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図18は、膀胱能(刺激からの回復%に対して標準化)に対するオキシブチニン(n=5)およびギャバペンチン(n=5)、およびその適合した組合せ(例えば、組合せについての用量1は、3mg/kg ギャバペンチン+0.1mg/kg オキシブチニンであった;n=6)の蓄積性の用量の増加の理論上の加算効果を図示する。データは、平均±SEMとして示す。 図19は、排尿効率に対するオキシブチニン(n=5;図19A)、ギャバペンチン(n=5;図19B)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。 図20は、排尿効率に対するオキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(n=6)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。 図21は、慢性SCIラットにおける膀胱能に対するオキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(例えば、組合せについての用量1は、30mg/kg ギャバペンチンおよび1mg/kg オキシブチニンであった;n=3)の蓄積性の用量の増加の効果を図示する。データは、ビヒクルコントロールに対して標準化し、平均±SEMとして示す。 図22は、オキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(n=3)の用量を増加させて、8cm HOより大きい排尿収縮なしの数の減少により測定した、用量依存性の膀胱不安定性の減少を図示する。データは、平均±SEMとして示す。 図23は、オキシブチニンおよびギャバペンチンの組合せ(n=3)の用量を増加させて、排尿収縮なしのようである潜伏期により測定した、用量依存性の膀胱不安定性の減少を図示する。データは、平均±SEMとして示す。

Claims (43)

  1. 頻尿、尿意逼迫および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を有することにより特徴付けられる下部尿路障害を処置するための方法であって、該方法は、このような投与を必要とする個体に、治療有効量の第1の成分を第2の成分と組み合わせて投与する工程を包含し、該第1の成分はαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子であり、該第2の成分は、平滑筋調節因子である、方法。
  2. 前記第1の成分および前記第2の成分が、単一の薬学的処方物内に含まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の成分および前記第2の成分が、別個の薬学的処方物内に含まれる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の成分および前記第2の成分が、同時に投与される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1の成分および前記第2の成分が、連続的に投与される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子がGABAアナログである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記GABAアナログが、ギャバペンチン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、もしくは誘導体である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記GABAアナログが、プレギャバリン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、もしくは誘導体である、請求項6に記載の方法。
  9. 前記平滑筋調節因子が、抗ムスカリン作用薬、β3アドレナリン作動性アゴニスト、鎮痙薬、ニューロキニンレセプターアンタゴニスト、ブラジキニンレセプターアンタゴニストおよび一酸化窒素供与体からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記平滑筋調節因子が抗ムスカリン作用薬である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記抗ムスカリン作用薬が、オキシブチニン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、もしくは誘導体である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記抗ムスカリン作用薬が、トルテロジン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、もしくは誘導体である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記抗ムスカリン作用薬が、プロピベリン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、もしくは誘導体である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記抗ムスカリン作用薬が、ソリフェナシン一塩酸塩、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、もしくは誘導体である、請求項10に記載の方法。
  15. 前記αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子が、ギャバペンチン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体であり、かつ、前記平滑筋調節因子が、オキシブチニン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子が、プレギャバリン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体であり、かつ、前記平滑筋調節因子が、オキシブチニン、またはその酸、塩、エナンチオマー、アナログ、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、および誘導体である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記第1の成分および前記第2の成分が、必要に応じて投与される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記第1の成分および前記第2の成分が、下部尿路障害の症状の抑制が所望される活動の開始前に投与される、請求項1に記載の方法。
  19. 前記第1の成分および前記第2の成分が、前記症状の抑制が所望される活動の開始の約0〜約3時間前に投与される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第1の成分および前記第2の成分が、経口、経粘膜、舌下、口腔内、鼻腔内、経尿管、直腸、吸入、局所、経皮、非経口、くも膜下腔内、膣内、または膣周囲に投与される、請求項1に記載の方法。
  21. 前記第1の成分および前記第2の成分が、過活動膀胱、または良性前立腺肥大の刺激性もしくは閉塞性の症状を処置するために投与される、請求項1に記載の方法。
  22. 前記第1の成分および前記第2の成分が、頻尿を処置するために投与される、請求項1に記載の方法。
  23. 前記第1の成分および前記第2の成分が、尿意逼迫を処置するために投与される、請求項1に記載の方法。
  24. 前記第1の成分および前記第2の成分が、夜間多尿を処置するために投与される、請求項1に記載の方法。
  25. 前記第1の成分の単回投与、または前記第2の成分の単回投与に関連する少なくとも1つの有害な副作用が、該第1の成分および該第2の成分の同時投与により減少される、請求項1に記載の方法。
  26. 前記第1の成分および前記第2の成分が、過活動膀胱、または良性前立腺肥大の刺激性もしくは閉塞性の症状を処置するために投与される、請求項25に記載の方法。
  27. 頻尿、尿意逼迫および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を有することにより特徴付けられる下部尿路障害を処置するための方法であって、該方法は、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および平滑筋調節因子から選択される少なくとも1つの成分の治療有効量を、このような投与を必要とする個体に投与する工程を包含する、方法。
  28. 第1の成分を、第2の成分と組み合わせて含む薬学的組成物であって、該第1の成分は、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子であり、該第2の成分は平滑筋調節因子であり、該第1の成分および該第2の成分が、頻尿、尿意逼迫および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を有することにより特徴付けられる下部尿路障害を処置するために有効な量である、薬学的組成物。
  29. 第1の成分を、第2の成分と組み合わせて含む薬学的組成物であって、該第1の成分は、ギャバペンチン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、該第2の成分はオキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、該第1の成分および該第2の成分が、頻尿、尿意逼迫および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を有することにより特徴付けられる下部尿路障害を処置するために有効な量である、薬学的組成物。
  30. 前記第1の成分が、約50mg〜約2400mgの量で存在し、前記第2の成分が、約5mg以下の量で存在する、請求項29に記載の薬学的組成物。
  31. 前記第1の成分が、約200mgの量である、請求項30に記載の薬学的組成物。
  32. 前記第2の成分が、約2.5mgの量である、請求項30に記載の薬学的組成物。
  33. 前記第2の成分が、約1.25mgの量である、請求項30に記載の薬学的組成物。
  34. 第1の成分を、第2の成分と組み合わせて含む薬学的組成物であって、該第1の成分は、プレギャバリン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、該第2の成分はオキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、該第1の成分および該第2の成分が、頻尿、尿意逼迫および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を有することにより特徴付けられる下部尿路障害を処置するために有効な量である、薬学的組成物。
  35. 頻尿、尿意逼迫および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を有することにより特徴付けられる下部尿路障害の処置のための薬学的組成物であって、該組成物は、第1の成分を、第2の成分と組み合わせて含み、該第1の成分は、ギャバペンチン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、該第2の成分はオキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、該第1の成分および該第2の成分が、それぞれ、その各々のED50値の比に基づいて、約1:1〜約800:1または約1:1〜約1:800の範囲で存在する、薬学的組成物。
  36. 頻尿、尿意逼迫および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を有することにより特徴付けられる下部尿路障害の処置のための組み合わせであって、該組み合わせは、第1の成分を、第2の成分と組み合わせて含み、該第1の成分は、ギャバペンチン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、該第2の成分はオキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、該第1の成分および該第2の成分が、それぞれ、約1:1〜約800:1または約1:1〜約1:800の重量/重量比で存在する、組み合わせ。
  37. オキシブチニンを含む薬学的組成物であって、該オキシブチニンは、約2.5mg未満の量である、薬学的組成物。
  38. 頻尿、尿意逼迫および夜間多尿からなる群より選択される少なくとも1つの症状を有することにより特徴付けられる下部尿路障害の処置において、患者が使用するための包装キットであって、該キットは、αδサブユニットカルシウムチャネル調節因子および平滑筋調節因子から選択される少なくとも1つの成分;保存の間および投与前に該成分を収納する容器;ならびに該下部尿路障害を処置するための有効な様式で、平滑筋調節因子と共にαδサブユニットカルシウムチャネル調節因子の薬物投与を実行するための説明書を備える、キット。
  39. 前記第1の成分および前記第2の成分が、同じ薬学的処方物内に含まれる、請求項38に記載の包装キット。
  40. 前記第1の成分が、ギャバペンチン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、前記第2の成分が、オキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物である、請求項39に記載の包装キット。
  41. 前記第1の成分および前記第2の成分が、別個の薬学的処方物内に含まれる、請求項38に記載の包装キット。
  42. 前記説明書が、前記第1の成分および前記第2の成分の連続的または同時の薬物投与を実行するための指示を備える、請求項41に記載の包装キット。
  43. 前記第1の成分が、ギャバペンチン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物であり、前記第2の成分が、オキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な酸、塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは活性代謝産物である、請求項42に記載の包装キット。
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