JP2006520791A - 1α,24(S)−ジヒドロキシビタミンD2の調製及び使用方法 - Google Patents

1α,24(S)−ジヒドロキシビタミンD2の調製及び使用方法 Download PDF

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Abstract

抗増殖性量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2で細胞を治療することを含む悪性又は新生細胞の過剰増殖を阻害する方法。この方法はまた、細胞傷害剤と1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2との同時投与を含む。

Description

関連出願との相互関係
本出願は、2001年6月26日に出願された米国特許願第09/891,963号の部分継続出願であり、この出願は米国特許願第09/211,991号(現在は米国特許第6,251,883号)の部分継続出願であり、この出願は米国特許願第08/515,801号の部分継続出願であり、この出願は米国特許願第08/275,641号の継続出願であり、この出願は米国特許願第07/940,246号の継続出願であり、この出願は1991年1月8日に出願された米国特許願第07/637,867号、及び1992年1月7日に出願された米国を指定した国際特許願第PCT/US92/00313号の部分継続出願である。
連邦政府後援研究又は開発に関する声明 非適用
本発明は、ホルモン活性のある、天然の代謝産物である1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2及びこの代謝物質及び非生物学的エピマー1α,24(R)-ジヒドロキシビタミンD2の調製法に関する。本発明はまた、薬学的に有効量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む製薬組成物、薬学的に有効量の化合物を投与することによる異常なカルシウム代謝を制御する方法、及び前記化合物の投与による過剰増殖性疾患の治療方法に関する。
ビタミンD及びその活性代謝産物は、動物及びヒトにおけるカルシウム代謝の調節に重要であることが知られている。動物及びヒトにおいて自然発生するビタミンDの形はビタミンD3である。ヒトを含む動物においては、ビタミンD3は肝臓においてC25位がヒドロキシル化され、次いで腎臓において1α-ヒドロキシル化されることにより活性化されてホルモン1α,25-ジヒドロキシビタミンD3[“1α,25-(OH)2D3”]を生成することが知られている。米国特許第3,880,894号を参照されたい。ビタミンD3代謝産物、25-ヒドロキシビタミンD3及び1α,25-(OH)2D3の異化の主要な生理学的経路はC24-酸化により開始される。Holick, M.F., Kleiner-Bossallier, A., Schnoes, H.K., Kasten, P.M., Boyle, I.T., and DeLuca, H.F., J. Biol. Chem., 248, 6691-6696(1973)。
他方、ビタミンD2は、植物に見いだされる主要な自然発生するビタミンDの形である。ビタミンD2は、C24位にメチル基を有し、C22及びC23間に二重結合を有するので、ビタミンD3とは構造的に異なる。
それらの発見後すぐに、ビタミンD2及びビタミンD3は、生物学的活性が等しくなくても類似していることが明らかになった。また、通常、ビタミンD2の代謝(すなわち、活性化及び異化)はビタミンD3に関するそれと同一であるとされている。E. Braunwald, K.J.Isselbacher, R.G. Petersdorf, J.D. Wilson, J.B. Martin and H.S. Fauci(eds.), Calcium, Phosphorus and Bone Metabolism: Calcium Regulating Hormones, McGraw-Hill, New York, pp. 1860-1865における Harrison's Principles of Internal Medicine: Part Seven, “Disorders of Bone and Mineral Metabolism: Chap. 35,”を参照されたい。このことに関連して、ビタミンD2の活性な形は1α,25-ジヒドロキシビタミンD2[“1α,25-(OH)2D2”]とされている。更に、25-ヒドロキシビタミンD2及び1α,25-(OH)2D2の24-ヒドロキシ誘導体、すなわち24,25-ジヒドロキシビタミンD2及び1α,24,25-トリヒドロキシビタミンD2は公知であり、ビタミンD3と同様なビタミンD2の異化が同一のC24-酸化工程により進行することが示唆されている。Jones, G., Rosenthal, D., Segev, D., Mazur, Y., Frolow, F., Halfon, Y., Robinavich, D.and Shakked, Z., Biochemistry, 18:1094-1101(1979)を参照されたい。
しかしながら近年、ビタミンD2の活性類似物1α-ヒドロキシビタミンD2[“1α-(OH)D2”]が、ビタミンD3の対応物、1α-ヒドロキシビタミンD3[“1α-(OH)D3”]により示される薬理学的性質とは極めて異なる薬理学的性質を有することが見いだされた。米国特許第5,104,864号には、1α-(OH)D2が2.0μg/日以上投与されると、ヒトの骨粗鬆症患者における骨量の損失が逆転することが開示されている。1α-(OH)D3の場合には、毒性のために2.0μg/日以上の投薬量は安全ではない。
そのような識別可能な薬理学的性質は、ヒトに投与された1α-(OH)D2は、生物学的に活性な1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2[“1α,24(S)-(OH)2D2”]にある程度代謝されるという本発明者の発見により、十分に、又はある程度説明されうる。以下で更に詳細に説明するように、1-ヒドロキシル化ビタミンD2分子のC-24位におけるヒドロキシル化はビタミンD2分子特有の活性化経路を表す。
1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD3及び1α,24(R)-ジヒドロキシビタミンD3 [“1α,24(R/S)-(OH)2D3”]は化学的に合成される(米国特許第4,022,891号)けれども、どちらが生体系において見いだされる天然の化合物であるかは証明されていない。更に、本発明者は、1α,24(S)-(OH)2D2が、1α,24(R/S)-(OH)2D3により示される生物学的活性とは非常に異なる生物学的活性を有することを発見した。例えば、Ishizukaらは、1α,24(R)-(OH)2D3が、1α,25-(OH)2D3自体より1α,25-(OH)2D3受容体サイトと固く結合することを見いだした。Ishizuka, S., Bannai, K., Naruchi, T. and Hashimoto, Y., Steroids, 37:1,33-42(1981)及び Ishizuka, S., Bannai, K., Naruchi, T. and Hashimoto, Y., Steroids, 39:1,53-62(1982)を参照されたい。同様な分析を用いて、本発明者は、1α,24(S)-(OH)2D2が、1α,25-(OH)2D3より1α,25-(OH)2D3受容体サイトとの結合において2倍未満の競争力であることを見いだした。本発明者はまた、1α,24(S)-(OH)2D2が、ビタミンD血清結合たんぱく質に対して比較的不十分な結合親和性を示すこと(このことは低毒性を表すかなり短い半減期の証拠である)を見いだした。
本発明者は、1α-(OH)D2を投与されたヒトにおいて循環する1α,24(S)-(OH)2D2の存在を明らかにした。このことは、動物及びヒトにおいて、ビタミンD2が自然に1α,25-(OH)2D2及び1α,24(S)-(OH)2D2の両方に代謝されていることを示す。2種のビタミンD2ホルモンの相対比は、前駆物質及びC24経路に提供された前駆物質の量に基づいて変化すると思われる。したがって、1α-(OH)D2の投薬量が増大するにしたがって、1α,24(S)-(OH)2D2の1α,25-(OH)2D2に対する比が増大する。
以下に更に詳細に記載するこれらの結果は、1α,24(S)-(OH)2D2が低毒性で生物学的活性の高い望ましい特徴を有することを示す。薬理学的有効量の1α,24(S)-(OH)2D2が投与される場合には、1α,24(S)-(OH)2D2は有意な代謝産物であるという事実は、1α,24(S)-(OH)2D2が1α-(OH)D2の望ましい薬理学的効果を仲介し、カルシウム代謝を含む種々の疾患の治療に有用な治療薬であることを示す。
過去20年間の広範囲の研究により、骨及び鉱質代謝における古典的な役割とは別の、ビタミンDの重要な生物学的役割が確立された。ホルモン活性のビタミンDの形である1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の特異性核受容体は、カルシウム恒常性に含まれない多様な器官の細胞内に存在する。例えば、特異性の生物学的に活性なビタミンD受容体は、ヒトの前立腺癌細胞株、LNCaPにおいて示された(Miller et al., 52 Cancer Res. (1992)515-520)。ビタミンD受容体はまた、例えば、乳癌及び結腸癌のような多くのその他の新生細胞に関して記載されている。
ある種のビタミンD化合物及び類似物は、強力な抗増殖剤及び分化促進剤であることが示された。例えば、Sudaらによる米国特許第4,391,802号には、1α-ヒドロキシビタミンD化合物、特に1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及び1α-ヒドロキシビタミンD3が、悪性細胞(特に白血病細胞)の非悪性マクロファージ(単核白血球)への分化を誘発することによる強力な抗白血病活性を有し、白血病の治療に有用であることが開示されている。1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及びその他のビタミンD3類似物の抗増殖及び分化作用はまた、前立腺癌細胞株に関して報告されている。更に近年、ビタミンD受容体が前立腺癌の発生、及び治療において役割を有することを示す、ビタミンD受容体遺伝子多形と前立腺癌の危険性との間の関連性が報告された。
これらの以前の研究はもっぱらビタミンD3化合物のみに集中していた。たとえこれらの化合物が培養基において悪性細胞における分化の促進に非常に効果的であっても、カルシウム代謝に影響を及ぼす薬剤としての有効性も等しく高いので、抗癌剤として分化治療に実際にこれらを使用することは非常に限定される。例えば、抗白血病薬のような効果的な使用のために生体内で必要とされる量においては、その固有のカルシウム血性活性によりこれらの化合物は著しく高い、危険の可能性がある血中カルシウム濃度を誘発しうる。すなわち、抗癌剤としての1α,25-ジヒドロキシビタミンD3及びその他のビタミンD3類似物の治療的使用は、高カルシウム血症及び高カルシウム尿症を含むそれらの副作用により不可能であるか、又は非常に限定される。
このことは、特異性活性及び作用の選択性がより大きい化合物、すなわち、抗増殖及び分化促進効果を有するがカルシウム血性活性の低いビタミンD化合物の必要性を示す。そのような化合物は“低カルシウム血性” ビタミンD化合物である。新生物及び過剰増殖性疾患の治療においては、そのような化合物の必要性はそれより大きいものはない。
本発明は、生物学的に製造されるビタミンD2の活性の形である合成1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2 [1α,24(S)-(OH)2D2]を提供する。生物学的な形はまた1α,24(S)-ジヒドロキシエルゴカルシフェロールとも呼ばれ、以下に示す構造により表される。生物学的な形の化合物は、強力な生物学的活性及び迅速な全身的クリアランスを示し、低毒性である。
本発明はまた、出発物質としてエルゴステロールを用い、24-ヒドロキシビタミンD2の形成及び次いで24-ヒドロキシ化合物の1α-ヒドロキシル化及び1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2エピマーの1α,24(R)-ジヒドロキシビタミンD2エピマーとの分離を伴う、1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の新規製造方法を含む。この合成経路においては、新規中間体も製造される。更に、結晶質の形の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2は、驚いたことに安定であり、白色粉末の形の化合物より生物学的活性が良好であることが見いだされた。
本発明の化合物は、ビタミンD欠乏症及び種々の骨減少疾患を特徴とする種々の病気の治療、特に高カルシウム血症又は高カルシウム尿症を伴わない治療に有用である。本発明の化合物は、骨量又は骨の鉱質含量を損失しやすい人々におけるそのような損失を逆転させるか防ぐために、及び腎性骨ジストロフィーに苦しむ人々における骨密度の安定化のために、ビタミンD欠乏症疾患の製薬組成物の活性成分として有利に使用される。
本発明の化合物はまた、ある種の皮膚疾患の局所的及び経口的薬剤として有用である。本発明の化合物は、たとえば、皮膚疾患を改善しうるその他の薬剤も含む局所的組成物の活性成分として有利に使用される。
本発明の化合物はまた、癌及びその他の過剰増殖性疾患の治療において抗増殖及び分化促進剤として有利である。化合物はまた、細胞消滅を誘導して血管形成を阻害するように作用する。
本発明のその他の利点及び特定の適用のよりよい認識、構成の変化、及び物理的及び化学的特質は、添付図面とともに本発明の以下の詳細な記載を吟味することにより得られるであろう。
本発明を図面と関連して以下に記載しよう。図中では同様な記号は同様な要素を言及する。
本明細書において使用されている“生物学的活性”、“生物学的に活性な”、“生物活性の”、“生物学的効能のある”という用語は、例えば、血中カルシウム濃度に影響を及ぼすような代謝に影響を及ぼすこと、又は、例えば、ビタミンD受容体蛋白質と結合するような適する受容体蛋白質と結合することのような化合物の生物学的性質を言及することを意味する。化合物又は物質に関して“実質的に純粋な”という用語は、90%以上の純度を意味する。
ビタミンDに関して“活性な”又は“活性化された”という用語は、C1、C25又はC24位の一以上においてヒドロキシル化されているビタミンD化合物を言及する。
本発明の面の一においては、本発明は、式(I)の生物学的に活性な化合物、すなわち1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む。
Figure 2006520791
別の面においては、本発明は1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の調製を含む。1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の合成は、図1及び2に示されるスキームに従ってなされる。以下において24-ヒドロキシ化合物が言及される場合には、特に明記されなければ、化合物はR及びSのエピマー混合物であると仮定されるであろう。図1に見られるように、合成は出発物質としてエルゴステロールを使用する。エルゴステロールを5工程により24-ヒドロキシエルゴステロール(5,7,22-エルゴスタトリエン-3β,24-ジオール(7))に変換する。次いで24-ヒドロキシエルゴステロールを当業者に公知の方法により照射及び熱的に変換して24-ヒドロキシビタミンD2を生成する。図2に見られるように、次いで、Paaren, et al., J. Org. Chem., vol. 45, p. 3253(1980)に記載されている方法と同様な方法で、24-ヒドロキシビタミンD2を5工程でヒドロキシル化して1α,24-ジヒドロキシビタミンD2のを生成し、それからエピマーを分割する。
詳細には、エルゴステロールをアセチル化して3β-アセテート(2)を形成する。次いで、3β-アセテートとトリアゾリンジオンとの反応によりエルゴステロール構造のB-環を有する付加物(3)を形成する。次いで、付加物(3)をオゾン化して側鎖を切断し、C-21アルデヒド(4)を形成する。得られたアルデヒドと適するケト-化合物との反応により側鎖を再び形成して,24-エノン(5)を生成する。次いでエノンを24-メチル, 3β,24-ジヒドロキシ付加物(6)に変換する。次いでこの付加物を水素化アルミニウムリチウムと反応させて付加物を脱保護し,24-ヒドロキシエルゴステロール(7)を生成する。次いで24-ヒドロキシエルゴステロールを照射及び熱的に処理して24-ヒドロキシビタミンD2を形成する。次いで24-ヒドロキシビタミンD2をトシル化して、24-ヒドロキシビタミンD2の3β-トシレートを生成する。トシレートを加溶媒分解により置換して6-メトキシ-24-ヒドロキシ-3,5-シクロビタミンD2を生成する。シクロビタミンD2をアリル酸化させて1α,24-ジヒドロキシシクロビタミン誘導体を形成する。次いで1α,24-ジヒドロキシシクロビタミン誘導体を加溶媒分解してDiels-Alderタイプの反応により6-メトキシ基を除去し、5,6trans1α,24-ジヒドロキシビタミンD2から1α,24-ジヒドロキシビタミンD2(5,6cis)を分離する。
1α,24-(OH)2D2を逆相高圧液体クロマトグラフィーにより2種のエピマーに分割し、本発明のエピマーの形である1α,24(S)-(OH)2D2を回収する。
本発明の化合物は種々の臨床及び獣医分野に適用でき、カルシウム及び燐の異常な代謝の治療に特に有用である。特に、1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2は、例えば、オステオカルシンの血中濃度により測定される骨芽細胞活性を刺激するのに使用することを意図する。オステオカルシンは、骨基質中の主要な蛋白質の一である。1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2は、1α,25-(OH)2D3より弱くビタミンD血清結合蛋白質と結合し、迅速な浄化及び低毒性を示すので、その薬学的性質を増大させる。
更なる面においては、本発明は、例えば、肝不全、腎不全、胃腸障害等により引き起こされる異常なカルシウム代謝を治療するためのようなカルシウム代謝を制御する方法を含む。1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2は、例えば、腎性骨ジストロフィー、脂肪便症、抗痙攣骨軟化症、低リン酸塩血性ビタミンD抵抗性くる病、骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、ステロイド骨粗鬆症、及びその他の骨量の損失を特徴とする病気を含む)、偽欠乏(ビタミンD依存性)くる病、栄養性及び吸収不良性くる病、上皮小体機能低下症の続発性骨軟化症及びオステオペニア、術後の上皮小体機能低下症、特発性甲状腺機能低下症、偽上皮小体機能低下症、及びアルコール依存症のようなビタミンD欠乏症及び関連する疾患を予防的又は治療的に治療するのに使用しうる。
1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2はまた、乾癬、湿疹、適度な皮膚の堅さ、皮膚の水和、及び皮脂の分泌の欠乏のような過剰増殖性皮膚疾患の治療に有用である。
式(I)の化合物は、乳癌及び結腸癌、膵臓癌、子宮内膜癌、肺の小細胞及び非小細胞癌(扁平上皮細胞、adneo癌及び大細胞タイプを含む)、頭頸部の扁平上皮細胞癌、膀胱、卵巣及び子宮頸癌、肝癌、髄様甲状腺癌、黒色腫、網膜芽細胞腫、及び軟組織及び骨の肉腫のようなその他の腫瘍並びに急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ腫及び骨髄異形成症候群のような種々のhemotologic新生物の治療に更に有用である。式(I)の化合物は更に、血清M成分を製造する細胞の単一のクローンの増殖を含む新生物の病気の治療に有用である。このグループの病気は、プラズマ細胞疾患と定義され、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重鎖病、良性単クローン性免疫グロブリン血症、及び免疫細胞アミロイド症のような新生物の病気を含む。式(I)の化合物は、腫瘍又は新生物を有する患者における血中ビタミンD濃度を、高カルシウム血症を引き起こさずに腫瘍又は新生物の分化又は退縮を引き起こすのに十分な時間、生理的な量以上に上昇させる量を投与する。式(I)の化合物は、低カルシウム血性であり、そのような生理学的な量以上の量を許容する。
式(I)の化合物は、毎日の用量又は、例えば、2〜6日毎に1回又は1週間に1回のような散発的な用量で提供されうる。毎日の用量は単一の投与でもよいし、すべての用量が提供されるまで別々の時間に提供しうるように2〜4回に分けてもよい。
本発明によれば、有効量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の類似物を腫瘍又は新生物を有する患者に投与すると、同一量の活性化されたビタミンD3(すなわち、1α-(OH)D3又は1α,25-(OH)2D3)を既知の処方で投与した後に観察される場合より、癌細胞の血管形成が阻害され、腫瘍細胞が退縮し、癌細胞が細胞消滅し、高カルシウム血症が軽減され、PTHrP血中濃度が低下し、異常細胞の増殖活性が阻害、保持、又は緩和され、かつ細胞分化が誘発、促進又は増大され、高カルシウム血症及び高カルシウム尿症が有意に軽減された。したがって、本発明による化合物は、活性な形のビタミンD3の類似物と比較して向上した治療指数を有する。
悪性の状態の治療には、本発明によるビタミンDを、製薬組成物中の活性成分として単独で、又は他の治療剤及び/又は単クローン抗体治療と組み合わせて投与するのが適する。
別の面においては、本発明は、本発明によるビタミンD化合物、及び(i)細胞傷害剤、(ii)骨剤、(iii)分化剤、(iv)血管形成阻害剤、(v)生物学的調節剤又はそれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤、及び生理学的に許容しうるキャリヤー、を含む製薬組成物である。
更に、本発明の範囲内には、式(I)のビタミンDと細胞傷害又は抗癌剤との同時投与方法が含まれる。そのような薬剤には、代謝拮抗物質(例えば、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキサート、フルダラビン(fludarabine))、抗微小管剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル(docetaxel)のようなタキサン(taxane))、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、バイオコロエチルニトロスウレア(biochoroethylnitrosurea)、ヒドロキシウレア)、プラチナ剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216、CI-973)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン)、抗生物質(例えば、マイトマイシン、イダルバイシン(idarubicin)、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド(etoposide)、カンプトセシン)、又はその他の抗新生物薬(エストラムスチンホスフェート、プレドニムスチン(prednimustine))が含まれる。これらの同時投与される抗癌剤の可能な投与量範囲は約0.1乃至20mg/kg/日である。
本発明の範囲内には、式(I)のビタミンDと分化剤との同時投与方法も含まれる。そのような薬剤には、すべてがtransのレチノイン酸(ATRA)が含まれる。ATRAは、難治性又はアントラサイクリン化学療法が禁忌である患者の急性前骨髄性白血病の寛解の誘導に使用するのに適する。ATRAは、最大90日間、1日に約45mg/m2の用量で投与されるのが適する。
本発明はまた、式(I)のビタミンDと血管形成阻害剤との同時投与方法も含む。そのような薬剤には、メルファラン、プレドニゾン、及びサリドマイドが含まれる。サリドマイドは、50乃至数百mg/日の範囲で投与されるのが適する。
本発明の範囲内には、式(I)のビタミンDと生物学的調節剤との同時与方法が更に含まれる。そのような薬剤には、ポリクローナル抗体、単クローン抗体、ワクチン、コロニー刺激因子(CSF)、及びサイトカインが含まれる。単クローン抗体Rituximab及びTrastuzumabを使用するのが適する。Rituximabは、種々の癌の治療に有用であるが、しばしば、再発した又は難治性の、軽度又は濾胞性の、CD20-陽性、B-細胞非ホジキンリンパ腫の患者の治療に利用される。Rituximabは、1週間に1回、375mg/m2の静脈への注入を4又は8投与量、投与するのが適する。Trastuzumabは、種々の癌の治療に有用であるが、しばしば、その腫瘍がHER2蛋白質である患者における乳癌の治療に利用される。負荷量は、90分の注入として4mg/kgであるのが適する。適する維持量は、30分の注入として2mg/kgである。
種々の抗癌剤と組み合わせて使用される式(I)のビタミンDは、癌細胞に及ぼす細胞傷害効果を有意に増大して、治療効果を増大させうることが予想される。特に、薬剤を単独で使用する治療計画より低濃度の抗癌剤を用いた前述の開示された組み合わせの場合には有意に増大した増殖抑制効果が得られるので、単独で大量に使用される抗癌剤の場合に通常観察されるより抗癌剤の副作用がかなり減少する治療を提供する可能性がある。
“同時投与”という用語は、2種以上の薬剤を患者又は被験者に投与する投与手段を言及することを意味する。例えば、薬剤は一緒に、又は相互に前後して投与されうる。薬剤は異なる経路で投与されてもよく、例えば、第一の薬剤が静脈内投与され、第二の薬剤が筋肉内、静脈内又は経口投与されてもよい。両方の薬剤が体内で有効濃度に達するのに十分な方法であれば、薬剤は同時又は順次投与しうる。薬剤はまた、たとえば単一の錠剤のような混合物でもよい。連続投与においては、一方の薬剤を他方の薬剤の投与の直後に投与してもよいし、両方の薬剤を散発的に投与してもよい。例えば一方の薬剤を投与した後、他方の薬剤をその後になって、典型的には1週間以内に投与してもよい。
本発明の範囲内には、ホルモン又はその他の薬剤、例えば、骨の病気又は疾患を改善することが知られているエストロゲンの投与と組み合わせた有効投与量の式(I)の化合物の同時投与も含まれる。例えば、前立腺癌はしばしば骨に転移して、骨の損失及びそれに伴う痛みを引き起こす。そのような骨の薬剤には、抱合卵胞ホルモン又はその等価物、カルシトニン、ビスホスフェート、カルシウム補助食品、コバラミン、百日咳毒素及びホウ素が含まれる。
1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2は、例えば、カルシウムの異常代謝により誘発される病気又は過剰増殖性の病気又は新生物の病気に使用される場合に、ビタミンD3の活性な形の公知の類似物と比較して副作用の低下した低毒性の製薬組成物における活性化合物として有用である。これらの製薬組成物は本発明の別の面を構成する。
本発明の薬理学的に活性な化合物は、患者、例えば、ヒトを含む哺乳動物に経腸的、非経口的又は局所的に投与する薬剤を製造する製薬学の従来の方法に従って加工しうる。例えば、1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2は、従来の賦形剤、例えば、活性化合物とは悪影響を及ぼすようには反応しない、経腸的(例えば、経口的)、非経口的又は局所的投与に適するに薬学的に許容しうるキャリヤー物質との混合物で使用しうる。
適する薬学的許容しうるキャリヤーには、限定するわけではないが、水、食塩水、アルコール、アラビアゴム、植物油(例えば、アーモンドオイル、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、ココナッツ油)、鉱油、魚の肝油、Polysorbate 80のような油状エステル、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(例えば、ラクトース、アミロース又はでんぷん)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、珪酸、粘性パラフィン、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が含まれる。
製薬組成物は滅菌され、所望に応じて助剤、例えば、潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝液、着色料、香料及び/又は1種以上のその他の化合物、例えば、ビタミンD3及びその1α-ヒドロキシル化代謝産物、抱合卵胞ホルモン又はその等価物、抗エストロゲン、カルシトニン、ビホスフェート、カルシウム補助食品、コバラミン、百日咳毒素及びホウ素と混合されうる。
非経口投与の場合には、注射用滅菌溶液、好ましくは油性又は水性溶液、並びに懸濁液、乳濁液、又は座薬を含む埋没物が特に適する。非経口投与には、好ましくは皮下、筋肉内、又は静脈内注射、鼻咽頭又は粘膜吸収、又は経皮吸収が含まれる。必要とされる場合には、本発明による化合物は、腫瘍、例えば上皮小体腺腫への直接の注射、又は、例えば動脈内送達又は門静脈による送達による局所的な送達により使用される。局所的な送達は、肝臓癌の治療に特に適する。アンプルは便利な単位調剤である。
経腸的投与の場合には、錠剤、糖衣錠、液体、ドロップ、座薬、トローチ剤、粉末、又はカプセルが特に適する。甘くした賦形剤が望ましい場合には、シロップ、エリキシル剤等を使用しうる。
局所的投与の場合には、局所的投与に適合する、好ましくは水より大きい動的粘度を有するキャリヤー、例えば、鉱油、アーモンドオイル、自己乳化性の蜜蝋、植物油、白色軟質パラフィン、及びプロピレングリコールを含む、適する噴霧不可能な粘性、半固体又は固体の形が使用されうる。適する配合物には、限定するわけではないが、クリーム、軟膏、ローション、溶液、懸濁液、乳濁液、粉末、湿布薬、軟膏、エーロゾル剤、経皮貼布等が含まれ、それらは、所望であれば滅菌されていたり、例えば、防腐剤、安定剤、乳化破壊剤、湿潤剤のような助剤と混合されている。本発明によるクリーム製剤には、例えば、水、アーモンドオイル、鉱油及び自己乳化性蜜蝋の混合物が含まれるのが適し、軟膏製剤には、例えば、アーモンドオイル及び白色軟質パラフィンが含まれるのが適し、ローション製剤には、例えば、乾燥プロピレングリコールが含まれるのが適する。
皮膚疾患の治療に有用な本発明による化合物の局所的製剤には、レチノイド(例えば、ビタミンA)のような上皮形成誘導剤、ビタミンEのようなクロマノール、イソプロテレノール又は環状アデノシン一リン酸(cAMP)のようなβ-作用薬、コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン又はそのアセテート、又はデキサメタゾン)のような抗炎症剤及びコールタール又はアントラリンのような角質可塑化剤(keratoplastic agent)も含まれうる。そのような薬剤の有効量は、例えば、組成物の約0.003乃至約0.3質量%のビタミンA、約0.1乃至約10%のビタミンE、約0.1乃至約2%のイソプロテレノール、約0.1乃至約1%のcAMP、約0.25乃至約5%のヒドロコルチゾン、約0.1乃至約20%のコールタール、及び約0.05乃至約2%のアントラリンである。
直腸投与の場合には、化合物は、カカオ脂又はその他のトリグリセリドのような座薬基剤を含む製薬組成物に形成される。貯蔵寿命を延ばすためには、組成物は、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール又はヒドロキノンのような酸化防止剤を含むのが有利である。
カルシウム代謝疾患の治療の場合には、本発明の製薬組成物の経口投与が好ましい。一般的には、本発明の化合物は、単位調剤あたり薬学的に許容しうるキャリヤー中に約0.5乃至約25μgを含む単位調剤の形に調合される。本発明による化合物の用量は、約0.01乃至約1.0μg/kg/日、好ましくは約0.04乃至約0.3μg/kg/日である。癌及び新生物及びその他の過剰増殖性疾患の治療のための経口投与量は、一般的には約10乃至約200μg/日である。
皮膚疾患の局所的治療の場合には、局所用組成物中の本発明の化合物の用量は、一般的には組成物1gあたり約0.01乃至約50μgである。癌の治療の場合には、局所的に使用される組成物中の1α,24(S)-(OH)2D2の用量は、一般的には組成物1gあたり約0.01乃至約100μgである。
前述のように、本発明による化合物の投与は散発的でもよく、その場合にはより高い用量を使用しうるが、一般的には約20乃至約200μgが2乃至7日に1回投与される。
当業者は、良好な医療行為及び個々の患者の臨床状態により決定される有効投与量及び同時投与の処方計画を容易に最適化するであろう。投与方法とは関係なく、特定の場合の活性化合物の実際の好ましい量は、使用する特定の化合物の有効性、配合される特定の組成物、投与様式、及び治療する特定のサイト及び器官に依存して変化するであろう。例えば、特定の患者の特定の投与量は、年齢、体重、一般的な健康状態及び性、食生活、投与の時間及び様式、排泄速度、及び組み合わせて使用する薬剤及び治療が適用される患者の疾患の重大性に依存する。所与のホストの投与量は、従来の考慮すべき事項を用い、例えば、適する従来の薬理学的実験記録によるような対象化合物及び公知の薬剤の異なる活性の通例の比較により決定されうる。
更なる別の面においては、本発明の化合物はまた、例えば、家畜の低カルシウム血症の治療又は予防のための飼料組成物のような家畜用の組成物に有利に使用されうる。一般的には、本発明の化合物は、動物の飼料の通常の消費により動物に約0.01乃至約1.0μg/kg/日提供するように飼料に調合される。
以下の実施例は、単に実例とみなされるべきであり、いずれにしても開示の残りの限定とみなされるべきではない。以下の実施例において、プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、内部基準としてCHCl3を用い、CDCl3溶液中で、aspect 3000 Computerを具備するBruker AM-400(400 MHz)で記録された。化学シフトはppm単位で記録する。紫外スペクトルは、エタノール溶液を用い、Hitachi U-2000 Spectrophotometerで記録して報告する。
1α-(OH)D2を培養したヒトの肝細胞における1α,24(?)-(OH)2D2の生成、精製及び確認
実質的に純粋な1α-(OH)D2は、ウィスコンシン州マディソンのBone Care International, Inc.から入手した。当業者に公知の方法を用い、ウシ胎児血清を欠いている培地中で、ヒトの肝臓癌から誘導された細胞、Hep 3Bとともに1α-(OH)D2を48時間培養した。
一緒にした培地及び細胞の脂質抽出物は、当業者に公知の方法により生成させ、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によりヘキサン/イソプロパノール/メタノール(91:7:2)を用いてZorbax-SIL上に展開させた。推定される1α,24(?)-(OH)2D2代謝産物がもとの1α-(OH)D2及び標準1α,25-(OH)2D2(これもまたウィスコンシン州マディソンのBone Care International, Inc.から入手した)間に溶離した。(本明細書において使用されている“1α,24(?)-(OH)2D2”という用語は、エピマーの形が確認されていないこと示すことを意図する。) 1α,24(?)-(OH)2D2は、質量スペクトル分析を用いて代謝産物の確認をする前にこのHPLCにより更に精製した。
精製された代謝産物は、出発物質、1α-(OH)D2より極性であったので、ジヒドロキシビタミンD2代謝産物であると暫定的に推論した。この代謝産物はまたビタミンD発色団を有し、ビタミンDのcis-trans系の保持を示す。代謝産物は1α-(OH)D2から誘導されるので、その構造は1α,X-(OH)2D2(式中、“X”は第二のヒドロキシル基の位置を示す)であった。
1α,X-(OH)2D2のトリメチルシリル誘導体を当業者に公知の方法にしたがって調製し、TMS-誘導体及び天然の化合物について質量スペクトル分析を実施した。TMS-誘導体をGC-MSにより分析し、確認は主として高温代謝産物のフラグメント化パターンの解釈から誘導された。分子イオンは644のm/zを有し、216単位の付加質量を説明する3個のTMS基の付加したジヒドロキシビタミンD2を示した。1α-(OH)D2は3β-及び1α-基を有するので、推定される代謝産物は1個の追加のヒドロキシル基を有し、全部で3個のヒドロキシル基が誘導された。顕著なフラグメントは、フラグメント単独の43質量単位のフラグメントの損失又は更に各々90単位のTMS基の1、2又は3個の損失を表す601、511、421、331のm/zに見いだされた。このパターンは、C-24〜C-25結合の切断による43質量単位を説明するC3H7の損失により最も適切に説明された。このことは、C26-C25-C27フラグメントの損失を表す。更に、質量スペクトルは、すべての25-ヒドロキシル化ビタミンD化合物を特色づけるm/z131のフラグメントを欠いた。
質量スペクトルはm/z513のフラグメントを示し、これもまたビタミンD化合物の特徴である、C2-C3-C4の損失を伴うA-環の開裂ための131質量単位の損失を示した。質量スペクトルはまた、たぶんC-23〜C-24開裂及びメチル基の損失によるm/z143を含有した。C23-C24開裂によるフラグメントの損失を伴って結合したC24-C25の脆弱性を示す通常ではない43単位の損失は、1α,X-(OH)2D2における追加のヒドロキシルがC-24であることを示した。したがって、構造は1α,24(?)-(OH)2D2であることが確認された。
天然の代謝産物は、直接プローブ質量スペクトルにより分析した。この分析は24位におけるヒドロキシルと一致し、前述のTNS-誘導体のGC-MS分析とも一致した。天然の代謝産物は、m/zが428の予想された分子イオン及びm/zが367の顕著なフラグメントを示し、1個の水と43質量単位のC25-C26-C27フラグメントの損失を示した。
1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の合成
(22E)-5,7,22-エルゴスタトリエン-3β-イルアセテート(2)
50g(0.13モル)のエルゴステロール(1)を300mLの無水ピリジンに溶解させた溶液に、33.3mL(0.35モル)の無水酢酸を添加した。混合物を室温において一晩攪拌し、次いで600mLの水を添加した。沈殿物を濾過して200mLのアセトニトリルで3回洗浄し、次いで空気乾燥させると42.0g(74%)の(2)が得られた。
22-oxo-5α,8α-(4-フェニル-3,5-ジオキソ-1,2,4-トリアゾリジン-1,2-ジイル)-23,24-ジノル-6-コレン-3β-イルアセテート(4)
33.0g(0.075モル)のエルゴステロールアセテート(2)を1000mLのクロロホルムに溶解させた溶液に、13.2g(0.075モル)の4-フェニル-1,2,4-トリアゾリン-3,5-ジオンを添加した。このようにして形成した(3)の溶液を室温において30分間攪拌し、次いで5mLのピリジンを添加した。溶液を−78℃に冷却し、−78℃において2時間オゾン−酸素混合物で処理し、次いで窒素で十分にパージした。次いで50mLのジメチルスルホキシドを添加し、混合物を300mLの水、次いで200mLの2N HClで2回、最後に300mLの水で洗浄した。有機層を分離し、無水MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して乾燥させた。酢酸エチルの30%ヘキサン溶液を用いシリカゲルカラムで残留物を精製すると泡沫状固体として16.0g(39%)の表題化合物が得られた。
1H NMR: (400MHz; CDCl3): δppm 0.85(3H, s, 18-CH3), 1.10(3H, s, 19-CH3), 1.15(3H, d, 21-CH3), 1.99(3H, s, 3β-CH3CO), 5.45(1H, m, 3α-H), 6.26(1H, d, 7-H), 6.40(1H, d, 6-H), 7.42(5H, m, Ph), 9.58(1H, d, HCO)。
(22E)-5α,8α-(4-フェニル-3,5-ジオキソ-1,2,4-トリアゾリジン-1,2-ジイル)コレスタ-6,22-ジエン-24-オン-3β-イルアセテート(5)
ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液8.94mL、0.014モル)を窒素雰囲気下で攪拌した、ジイソプロピルアミン(1.45g、0.014モル)の乾燥テトラヒドロフラン(20mL)冷却(0℃)溶液に添加した。3-メチルブタン-2-オン(1.23g、0.014モル)の乾燥テトラヒドロフラン(6mL)溶液を0℃において15分間にわたって滴下した。溶液を0℃において1時間以上攪拌し、次いで−70℃に冷却し、アルデヒド(4)(6.0g、0.011モル)の乾燥テトラヒドロフラン(60mL)溶液を添加した。温度を20℃に上昇させ、この温度に3時間保持した。氷酢酸(20mL)を−20℃において添加し、溶液を室温にした。エーテル(800mL)及び水(400mL)を添加し、有機層を分離して10%の塩酸(2×300mL)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×300mL)、及び水(2×300mL)で洗浄した。濃縮すると粗生成物(7.5g)が得られ、このものを、1.5Nの塩酸(12mL)を含むテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させた。1.5時間還流した後、混合物をエーテル(600mL)で希釈し、5%の炭酸ナトリウム溶液(2×200mL)及び水(2×200mL)で洗浄して乾燥させた(無水MgSO4)。減圧下で濃縮すると粗生成物(7.0g)が得られた。シリカゲルを充填したクロマトグラフィー(酢酸エチルの50%ヘキサン溶液)により精製するとエノン(5)が4.0g(59%)得られた。
1H NMR: (400MHz): δppm 0.83(3H, s, 18-CH3), 0.99(3H, s, 19-CH3), 1.09(6H, dd, 26及び27-CH3), 1.12(3H, d, 21-CH3), 2.0(3H, s, 3β-CH3CO), 2.84(1H, m, 25-H), 5.45(1H, m, 3α-H), 6.06(1H, d, 23-H), 6.24(1H, d, 7-H), 6.39(1H, d, 6-H), 6.71(1H, dd, 22-H), 7.42(5H, m, Ph)。
(22E)-5α,8α-(4-フェニル-3,5-ジオキソ-1,2,4-トリアゾリジン-1,2-ジイル)-6,22-エルゴスタジエン-3β,24-ジオール(6)
エノン(5)(3.5g、5.7ミリモル)の乾燥エーテル(100mL)溶液を0℃に冷却し、メチルマグネシウムブロマイド(3.0Mエーテル溶液6.8mL、0.02モル)を滴下した。1時間後、0℃において飽和塩化アンモニウム(100mL)を添加した。有機層を分離した。水性層をエーテル(2×200mL)で抽出した。一緒にしたエーテル層を無水MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して乾燥させると(6)の粗生成物が3.9g(90%)得られた。
(22E)-5,7,22-エルゴスタトリエン-3β,24-ジオール(7)
3.0g(5.1ミリモル)の(6)の乾燥テトラヒドロフラン(250mL)溶液に3.6g(0.09モル)の水素化アルミニウムリチウムを添加した。混合物を加熱して3時間還流し、氷水浴で冷却して、氷水(5mL)を注意深く滴下することにより反応混合物を分解した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して大部分のテトラヒドロフランを除去した。残留物を200mLの酢酸エチルに溶解させ、飽和NaCl溶液(2×200mL)で2回洗浄して無水MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。酢酸エチルの30%ヘキサン溶液を用い残留物をシリカゲルカラムで精製すると(7)が1.5g(71%)得られた。
1H NMR: (400MHz; CDCl3): δppm 0.64(3H, s, 18-CH3), 0.88(6H, dd, 26及び27-CH3), 0.93(3H, s, 19-CH3), 1.06(3H, d, 21-CH3), 1.19(3H, s, 28-CH3), 3.55(1H, m, 3α-H), 5.36(1H, d, 7-H), 5.42(2H, m, 22及び23-H), 5.52(1H, d, 6-H)。UV(エタノール)λmax: 282nm。
24-ヒドロキシビタミンD2(8)
1g(2.4ミリモル)の(7)を250mLのエーテル及びベンゼン(4:1)に溶解させ、水冷石英浸漬浴中窒素雰囲気下で攪拌しながらHanovia中圧UVランプを用い2時間照射した。溶液を減圧下で濃縮し、100mLのエタノールに再び溶解させ、加熱して一晩還流した。溶液を減圧下で濃縮して乾燥させ、酢酸エチルの30%ヘキサン溶液を用い残留物をシリカゲルカラムで精製すると(8)が0.55g(55%)得られた。
1H NMR: (400MHz; CDCl3): δppm 0.57(3H, s, 18-CH3), 0.92(6H, dd, 26及び27-CH3), 1.06(3H, d, 21-CH3), 1.20(3H, s, 28-CH3), 3.93(1H, m, 3-H), 4.79(1H, m,(鋭い), 19-H), 5.01(1H, m,(鋭い), 19-H), 5.43(2H, m, 22及び23-H), 6.02(1H, d, 7-H), 6.22(1H, d, 6-H)。UV(エタノール)λmax: 265nm。
24-ヒドロキシビタミンD2トシレート(9)
0.55g(1.3ミリモル)の(8)を5mLの無水ピリジンに溶解させた溶液に、0.6g(3.2ミリモル)のトシルクロライドを添加した。混合物を窒素雰囲気下5℃において20時間攪拌した。反応混合物を100mLの冷たい飽和NaHCO3溶液に注ぎ、エーテル(3×100mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を、5%のHCl溶液(2×200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×200mL)及び飽和NaCl溶液(2×200mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させて減圧下で濃縮すると0.62g(84%)の(9)が得られた。
1H NMR: (400MHz; CDCl3): δppm 0.57(3H, s, 18-CH3), 0.92(6H, dd, 26及び27-CH3), 1.08(3H, d, 21-CH3), 1.24(3H, s, 28-CH3), 2.43(3H, s, CH3(トシレート)), 4.69(1H, m, 3-H), 4.77(1H, m,(鋭い), 19-H), 5.0(1H, m,(鋭い), 19-H), 5.42(2H, m, 22及び23-H), 6.03(1H, d, 7-H), 6.25(1H, d, 6-H), 7.31及び7.83(4H, d, 芳香族)。
24-ヒドロキシ-3,5-シクロビタミンD2(10)
0.6g(1.06ミリモル)の(9)を50mLの無水メタノールに溶解させた溶液に、4.0g(0.047モル)の炭酸水素ナトリウムを添加した。混合物を加熱して6時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮した。水(100mL)を添加した後エーテル(2×200mL)で抽出した。一緒にしたエーテル抽出物を無水MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して乾燥させると、オイルとして450mg(100%)の(10)が得られた。
1α,24-ジヒドロキシ-3,5-シクロビタミンD2(11)
73mg(0.66ミリモル)の二酸化セレンを50mLの無水ジクロロメタンに懸濁させたものに、窒素雰囲気下でtert-ブチルヒドロペルオキシド(870μL(2.61ミリモル);3Mトルエン溶液)を添加した。混合物を窒素雰囲気下室温において3時間攪拌した。次いで0.1mLの無水ピリジン、その後450mg(1.06ミリモル)の(10)を15mLの無水ジクロロメタンに溶解させた溶液を添加した。混合物を窒素雰囲気下室温において10分間攪拌し、次いで25mLの10%のNaOH溶液を添加し、混合物をエーテル(3×100mL)で抽出した。一緒にしたエーテル抽出物を、10%のNaOH溶液(2×100mL)、水(2×100mL)、飽和塩化ナトリウム溶液(2×100mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して乾燥させた。ヘキサン中に30%の酢酸エチルを含む混合物を用い、残留物をシリカゲルカラムで精製すると110mg(24%)の(11)が得られた。
1H NMR: (400MHz; CDCl3): δppm 0.55(3H, s, 18-CH3), 0.90(6H, dd, 26及び27-CH3), 1.03(3H, d, 21-CH3), 1.19(3H, s, 28-CH3), 3.25(3H, s, -OCH3), 4.19(1H, d, 6-H), 4.19(1H, m, 1-H), 4.92(2H, d, 7-H), 5.15(1H, m,(鋭い), 19-H), 5.2(1H, m,(鋭い), 19-H), 5.42(2H, m, 22及び23-H)。
5,6-cis及び5,6-trans-1α,24-ジヒドロキシビタミンD2(12,13)
1α,24-ジヒドロキシ-3,5-シクロビタミンD2(11)110mg(0.25ミリモル)を2.0mLのジメチルスルホキシド及び1.5mLの酢酸に溶解させ、窒素雰囲気下において50℃に1時間加熱した。溶液を氷及び50mLの飽和NaHCO3溶液上に注いだ。混合物をエーテル(3×100mL)で抽出した。一緒にしたエーテル抽出物を、飽和NaHCO3溶液(3×100mL)、水(2×100mL)、飽和NaCl溶液(2×100mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、(12)及び(13)の粗生成物100mg(93%)が得られた。
5,6-cis-1α,24-ジヒドロキシビタミンD2(12)
(12)及び(13)を5mLの酢酸エチルに溶解させた溶液に20mg(0.2ミリモル)の無水マレイン酸を添加し、混合物を窒素雰囲気下35℃において24時間攪拌した。溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。酢酸エチルの50%ヘキサン溶液を用い、残留物をシリカゲルカラムで精製すると、20mg(22%)の(12)が得られた。
1H NMR: (400MHz; CDCl3): δppm 0.57(3H, s, 18-CH3), 0.89(6H, dd, 26及び27-CH3), 1.04(3H, d, 21-CH3), 1.21(3H, s, 28-CH3), 4.23(1H, m, 3-H), 4.40(1H, m, 1-H), 5.0(1H, m,(鋭い), 19-H), 5.33(1H, m,(鋭い), 19-H), 5.44(2H, m, 22及び23-H), 6.01(1H, d, 7-H), 6.73(1H, d, 6-H)。UV(エタノール)λmax:265nm。
1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2(14)
アセトニトリル:水(60:40)の溶剤系を10mL/分の速度で用いる逆相Supelco C-8 prep.カラム(25cm×21.2mm;粒度12μm)を用いたWaters機器で実施される高圧液体クロマトグラフィーにより1α,24-(OH)2D2の24エピマーを分割した。エピマーは、エピマー1及びエピマー2と示された。これらの条件下において、エピマー1の保持時間は63分であり、エピマー2の保持時間は71分であった。X線結晶学を用い、エピマー2の立体化学は1α,24(R)-(OH)2D2であることが決定された。したがって、エピマー1は1α,24(S)-(OH)2D2であると考えられる。
化学的に合成されたエピマー、1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2との比較による生物学的に誘導された1α,24(?)-(OH)2D2代謝産物の立体化学の確認
前述の実施例1に記載したようにして得られた生物学的に生成させた代謝産物の立体化学を、高圧液体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーにより、前述の実施例2に記載したようにして化学的に合成したエピマーと比較した。これらの比較に基づいて、生物学的に製造された代謝産物は、1α,24(S)-(OH)2D2の構造を有することが決定された。図3は、この比較を実施する高圧液体クロマトグラフィー実験の分析を示す。図3においては、エピマー1は化学的に合成された1α,24(S)-(OH)2D2である。
(a)高圧液体クロマトグラフィーの比較は、2種の異なるカラム及び溶剤系を使用した。溶剤系、アセトニトリル:水(60:40)、1mL/分を用いる逆相カラムZorbax-ODS(Dupont Instruments; 3μ; 6.2mm×8cm)においては、14.3分で生物学的代謝産物が出現し、1α,24(S)-(OH)2D2は14.2分であった。しかしながら、1α,24(R)-(OH)2D2は15.7分であった。
溶剤系、ヘキサン:イソプロパノール:メタノール(94:5:1)、1mL/分を用いる通常の相のカラムZorbax-SIL(Dupont Instruments; 3μ; 6.2mm×8cm)においては、22.4分で生物学的代謝産物が出現し、1α,24(S)-(OH)2D2は22.4分であった。しかしながら、1α,24(R)-(OH)2D2は22.8分であった。
(b)ガスクロマトグラフィーの場合には、1α,24(S)-(OH)2D2は、生物学的に生成した化合物と同時に移動したが、1α,24(R)-(OH)2D2の保持時間はかなり異なっていた(表1)。
Figure 2006520791
1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2の生物学的活性の比較
ビタミンD-応答性要素(VDRE)の制御条件下においてビタミンD受容体(VDR)を呈するプラスミドpSG5-hVDR1/3及び成長ホルモン(GH)-遺伝子を含むプラスミドp(CT4)4TKGHがサバンナモンキーの腎臓、COS-1細胞に同時トランスフェクションされるビタミンD-依存性転写活性化モデル系を用い、化学的に合成された1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2の生体外における生物学的活性を測定した。これら2種の媒介体のDNAは、アリゾナ州トゥーソンにあるアリゾナ大学生化学科のDr. Mark Haussler により提供された。
トランスフェクションされた細胞でビタミンD代謝産物を培養し、成長ホルモンの産生を測定した。表2に示されるように、1α,24(S)-(OH)2D2は、この系において1α,24(R)-(OH)2D2より有意に高い活性を有した。
Figure 2006520791
ビタミンD受容体(VDR)に対する1α,24(S)-(OH)2D2の親和性
哺乳類のビタミンD受容体(VDR)に対する1α,24(S)-(OH)2D2の親和性は、Incstar(ミネソタ州スティルウォーター)から市販されているウシの胸腺VDR及び標準1α,25-(OH)2D3溶液のセットを用いて評価した。精製した1α,24(S)-(OH)2D2を光ダイオード整列分光測光法により測定し、放射受容体測定分析により評価した。1α,24(S)-(OH)2D2の最大結合の半分は約150pg/mLであるが、1α,25-(OH)2D3のそれは80pg/mLであった。したがって、1α,24(S)-(OH)2D2は、ウシの胸腺VDRに対して1α,25-(OH)2D3の2倍より低い親和性を有し、1α,24(S)-(OH)2D2が強力な生物学的活性を有することを示す。
ビタミンD受容体に対する1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2の相対的親和性
ビタミンD受容体(VDR)に対する1α,24(R)-(OH)2D2及び1α,24(S)-(OH)2D2の相対的親和性は、Incstar(ミネソタ州スティルウォーター)から市販されているウシの胸腺VDR及び標準1α,25-(OH)2D3溶液の試薬を用いて評価した。精製した1α,24(R)-(OH)2D2及び1α,24(S)-(OH)2D2エピマーをUVスペクトルにより測定した。図4に示されるように、受容体からの3H-1α,25-(OH)2D3トレーサーと同一の置換を生成するのに必要な1α,24(R)-(OH)2D2の濃度は、1α,24(S)-(OH)2D2に関して必要とされる濃度の20乃至30倍であった。これらのデータは、1α,24(S)-(OH)2D2エピマーの活性が1α,24(R)-(OH)2D2エピマーのそれより有意に大きいことを示す。
ビタミンD血清結合蛋白質(DBP)に対する1α,24(S)-(OH)2D2の親和性
ビタミンD血清結合蛋白質(DBP)に対する1α,24(S)-(OH)2D2の親和性は、当業者に公知の方法にしたがってビタミンDが欠乏しているラットの血清を用いて評価した。データは、1α,24(S)-(OH)2D2のDBPとの結合が25-OH-D3のそれより少なくとも1000倍弱いことを示した。1α,24(S)-(OH)2D2のVDRに対する強い結合及びDBPに対する弱い結合を考えると、この化合物は標的細胞により取り込まれる傾向があり、強力な生物学的活性を有するであろう。更に、DBPとの弱い結合は迅速な浄化を示し、低毒性という効果がある。
したがって、前述の分析評価は、新規1α,24(S)-(OH)2D2が明確で独特な活性、つまり先行技術の化合物及び24(R)エピマーとは明確に異なる生物学的な有効性及び低毒性を示すことを明らかにした。
ビタミンD2及び24-OH-D2からの1α,24(S)-(OH)2D2の生成
ビタミンDが欠乏しているラットにビタミンD2又は24-OH-D2を投与した(経口的又は腹膜内補足)。標準生物学的1α,24-(OH)2D2を合成するために以下に記載したHorstらの方法(Horst, R. L., Koszewski, N. J. and Reinhardt, T. A., Biochem., 29:578-82(1990))により、血漿の脂質抽出物を調製し、代謝産物を精製した。
標準生物学的1α,24-(OH)2D2は、ビタミンDが欠乏しているヒヨコから製造された20%の腎臓のホモジェネートを5mL含むフラスコ中で10μgの24-OH-D2を培養することにより24-OH-D2から生体外で合成した。この反応の生成物をHPLCにより単離し、質量スペクトルで確認した。ビタミンD2又は24-OH-D2を投与したビタミンDが欠乏しているラットからの血漿の脂質抽出物においては、単離された一代謝産物が標準1α,24-(OH)2D2と同時に移動し、1α,24-(OH)2D2がビタミンD2の天然の代謝産物であることを示した。これに対し、ビタミンD3を投与した比較ラットには24-OH-D3が検出されなかった。
生体外における基質濃度の増大に伴う1α,24(S)-(OH)2D2の優先的生成
前述のようにして、1、10、又は100nM(実験1)、及び1又は10μM(実験2)の最終濃度で1α-OH-D2をHep 3B細胞で培養し、1α,24(S)-(OH)2D2を抽出して精製した。発見された放射性同位体ラベル(実験1)又は光ダイオード整列分光測光法(実験2)により1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,25-(OH)2D2の代謝産物の量を測定した。表3に示されるように、基質濃度の増大に伴って、1α,24(S)-(OH)2D2の量は1α,25-(OH)2D2の量に対して増大した。このことは、この系においては、基質濃度が高いほど1α,24(S)-(OH)2D2が1α-OH-D2の支配的な天然の活性代謝産物であったことを示す。











Figure 2006520791
1α-OH-D2を投与された骨粗鬆症の婦人における1α,24(S)-(OH)2D2の産生
1α,25-(OH)2D2に対する1α,24(S)-(OH)2D2の産生の増大は、骨粗鬆症の治療用の薬剤の研究の一環として1α-OH-D2を受容したヒト(女性)においても本発明者により観察された。2μgの1α-OH-D2を1回だけ又は8μg/日を毎日1週間投与したのち、血液を回収して代謝産物1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,25-(OH)2D2について分析した。血液から脂質を抽出し、標準的な方法を用いHPLCにより代謝産物を精製し、Incstar(ミネソタ州スティルウォーター)により製造された放射受容体測定により測定した。単一の2μgの投与の一日後には、1α,24(S)-(OH)2D2の量は検出できなかったが、1α,25-(OH)2D2の量は約11pg/mLであった。これに対し、最後の8μgの投与の一日後には、1α,24(S)-(OH)2D2の量は平均して9pg/mLとなり、1α,25-(OH)2D2の量は平均して30pg/mLとなった。
閉経後骨粗鬆症の婦人における投与量範囲の研究
20人の閉経後骨粗鬆症の婦人を開放標識研究に集める。選択された患者の年齢は55乃至75歳であり、LUNAR Bone Densitometer(ウィスコンシン州マディソンにあるLunar Corporation)を用いた測定により決定されたL2-L3椎骨鉱質密度は0.7乃至1.05g/cm3である。
研究の承認においては、すべての患者が400乃至600gのカルシウムを含む日々の食生活を選択することについて指導を受ける。この食生活の順守は、24時間の食物の記録及び各患者との面接により毎週確認する。
すべての患者が1週間の基本期間、5週間の治療期間、及び1週間の治療後の観察期間を終える。治療期間中には、患者は、最初の1週間には0.5μg/日の初期用量、その後の4週間の各々には1.0、2.0、4.0、及び8.0μg/日の連続的に高くなる用量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を経口的に自己投与する。すべての用量は朝食前に投与する。
血液及び尿成分は研究中毎週追跡する。重要な血液成分には、カルシウム、燐、オステオカルシン、クレアチニン、及び血液尿素窒素の空腹時血中濃度が含まれる。重要な尿成分には、カルシウム、燐、及びクレアチニンの24時間排泄が含まれる。
この臨床研究からの血液及び尿素の研究は、クレアチニンクリアランス及び尿素窒素の血中濃度により判断されるようにこの化合物が腎臓の機能に悪影響を及ぼさないことを示す。また、ヒドロキシプロリンの尿中排泄が増大せず、このことは骨吸収にいかなる促進効果もないことを示す。化合物は定期的に追跡された血清パラメータにいかなる影響も及ぼさず、このことは代謝に悪影響を及ぼさないことを示す。
カルシウムの恒常性に及ぼす1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2のプラス効果は、化合物が腸内カルシウム吸収を増大させることを支持する24時間尿中カルシウム濃度の緩やかな増大、及び化合物が骨芽細胞を刺激することを示す血中オステオカルシン濃度の増大から明らかである。
閉経後骨粗鬆症の婦人における骨量損失の予防的治療
臨床研究は、55乃至75歳の閉経後骨粗鬆症の外来患者に実施する。研究は、ランダムに3群の治療グループに分けられた120人以下の患者に24乃至36ヶ月継続する。2群の治療グループには一定の用量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2(u.i.d.;1.0μg/日以上の2種類の異なる用量)を、他のグループには適合する偽薬を投与する。すべての患者は食事性カルシウムの標準の摂取(500乃至800mg/日)を保持し、カルシウム補助食品の使用は避ける。効果は、二重光子吸光光度分析法(DPA)又は二重エネルギーX線吸光光度分析法(DEXA)により測定された(a)全身のカルシウム保持、及び(b)橈骨及び背骨の鉱質密度に関して患者群の治療前後を比較することにより評価する。安全性は、尿ヒドロキシプロリン排泄、血中及び尿中カルシウム濃度、クレアチニンクリアランス、血液尿素窒素、及びその他の定期的な測定により評価する。
結果は、1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2で治療した患者のほうが偽薬で治療した患者より有意に高い全身のカルシウム、及び橈骨及び背骨の密度を示す。追跡した安全性のパラメータは、1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2治療に関して、高カルシウム血症又は高カルシウム尿症、又はその他の代謝障害が有意には示されないことを確認する。
閉経後骨量損失の予防
臨床研究は、55乃至60歳の健康な閉経後の婦人に実施する。研究は、ランダムに2群の治療グループに分けられた80人以下の患者に24乃至36ヶ月継続する。一方の治療グループには一定の用量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2(u.i.d.;1.0μg/日以上の用量)を、他方には適合する偽薬を投与する。研究は実施例12に記載したようにして実施する。
結果は、1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2で治療した患者が基準値より低い全身のカルシウム、及び橈骨及び背骨の密度の損失を示すことを明らかにする。これに対し、偽薬で治療した患者は基準値に対してこれらのパラメータの有意な損失を示す。追跡した安全性のパラメータは、この投与量での長期間にわたる1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の投与の安全性を確認する。
長期にわたる血液透析患者における高カルシウム血症及びその後の代謝性骨疾患の管理
12ヶ月の二重盲式偽薬制御臨床試験を、長期にわたって血液透析を受けている腎臓病の30人の男女に実施する。すべての患者は維持量のビタミンD3(400IU/日)が投与される8週間の対照期間に入る。この対照期間の後、患者をランダムに2群の治療グループに分ける。すなわち一方のグループには一定用量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2(u.i.d.;3.0μg/日より多い投与量)が、他方のグループには適合する偽薬が投与される。研究は実施例12に記載したようにして実施する。両方の治療グループは維持量のビタミンD3が投与され、食事性カルシウムの標準の摂取を保持し、カルシウム補助食品の使用は避ける。効果は、(a)腸管カルシウム吸収の直接測定、(b)全身のカルシウム保持、(c)橈骨及び背骨の鉱質密度、又は(d)血中カルシウム濃度の測定に関して2つの患者群の治療前後を比較することにより評価する。安全性は、血中カルシウム濃度の定期的な追跡により評価する。
二重アイソトープ技術を用いた直接測定により測定されるように、臨床データの分析は1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が腸管カルシウム吸収を有意に増大させることを示す。この化合物で治療した患者は、基準値に対して正常化された血中カルシウム濃度、全身カルシウムの安定な値、及び安定な橈骨及び背骨密度を示す。これに対し、偽薬で治療した患者は、常習的な高カルシウム血症、全身カルシウム及び橈骨及び背骨密度の有意な低下を示す。治療したグループには有意ではない高カルシウム血症の発生しか観察されない。
薬剤の調剤
1.0mgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を1gのアーモンドオイルに溶解させることにより塗り薬を調製する。この溶液に40gの鉱油及び20gの自己乳化性蜜蝋を添加する。混合物を加熱して液化する。40mLの熱水の添加後、混合物を十分に混合する。得られるクリームは、クリーム1gあたり約10μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む。
1.0mgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を30gのアーモンドオイルに溶解させることにより軟膏を調製する。この溶液に70gの白色軟質パラフィンを添加し、このものを液化するまで暖めた。軟膏を十分に混合し、冷却する。この軟膏は、軟膏1gあたり約10μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む。
実施例16の軟膏に、最少量のジメチルスルホキシドに溶解させた0.5gのアデノシン及び2.0gのパパベリン基剤を十分に混合しながら添加する。追加の成分は、約0.5質量%(アデノシン)及び2質量%(パパベリン基剤)存在する。
実施例16の軟膏に、最少量の植物油に溶解させた10,000UのビタミンAを十分に混合しながら添加する。得られる軟膏は、軟膏1gあたり約100UのビタミンAを含む。
1.0mgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を100gの乾燥プロピレングリコールに溶解させることにより皮膚用ローションを調製する。ローションは褐色瓶内で冷蔵庫に貯蔵され、ローション1gあたり約10μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む。
1gのアーモンドオイルに0.2mgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を溶解させる。溶液に40gの鉱油及び20gの自己乳化性蜜蝋を添加した後、40mLの熱水を添加する。混合物を十分に混合して、クリーム1gあたり約2.0μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む化粧用クリームを製造する。
実施例20にしたがって調製した化粧用クリームに100mgのアデノシンを添加する。クリームは十分に混合され、約0.1質量%のアデノシンを含む。
100μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を30gのアーモンドオイルに溶解させることにより軟膏を調製する。このようにして製造された溶液に70gの白色軟質パラフィンを添加し、このものを液化するまで暖めた。軟膏を十分に混合し、冷却する。このようにして製造された軟膏は、軟膏1gあたり約1.0μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む。
実施例22の化粧用軟膏に、最少量の植物油に溶解させた200U/gのビタミンAを十分に混合しながら添加する。
300μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を100gの乾燥プロピレングリコールに溶解させることにより化粧用ローションを調製する。ローションは褐色瓶内で冷蔵庫に貯蔵され、ローション1gあたり約3.0μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む。
皮膚用試験
1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む組成物を、皮膚炎の局所的治療における組成物の治療的有効性について評価する(接触及び異所性)。評価した組成物は、ワセリン及びアーモンドオイルを基剤とする軟膏1gあたり10μgの1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含む軟膏である。対照組成物は、活性剤1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を含まないこと以外は同一である。患者は外来で治療する。彼らには1日に2回調剤を使用するように指導する。
軟膏は、できるだけ単一の病変、又はひとつの疾患領域に塗布する。軟膏及びその容器は、治療開始前に秤量し、治療後には再秤量のために未使用の内容物を戻す。
治療した病変領域を評価して記録し、病変は、必要であれば適する“対照”病変とともに写真に撮る。後者は、好ましくは治療した病変付近又は対称的に反対側に起こる同様な寸法及び段階の病変である。写真撮影手段に関連する詳細は、病変を次に写真撮影するときに再現するために記録する(距離、絞り、角度、背景など)。軟膏は1日に2回塗布し、好ましくは暴露しておく。“対照”病変は治療しないでおくが、不可能であれば、それに使用した治療を記録しておく。
紅斑、鱗屑、及び厚さの評価は、0乃至3で等級づけした病変の重症度を用いて1週間間隔で医師により実施される。最終の評価は、通常治療の4乃至6週間後に実施される。1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2で治療した病変は、対照病変より低い等級である。この場合もまた、有意ではない高カルシウム血症の発生しか観察されない。
表皮細胞の分化及び増殖試験
ヒトのケラチン生成細胞を、はじめにRheinwald及びGreenにより記載された(Cell, vol. 6, p. 331(1975)) 公知の系の変更に従って培養する。エタノールに溶解させた1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を細胞に添加し、0.5体積%を超えないエタノール濃度で、0.05乃至5μg/mLの種々の濃度とした。対照培養は、0.5体積%の最終濃度でエタノールを補う。培養における表皮細胞の分化及び増殖は、以下により調べる。
1.角質化外皮の定量、
2.円板に結合した細胞の細胞密度の定量、
3.トランスグルタミナーゼ活性の追跡、又は
4.3H-チミジンの取込み反応によるDNA合成の追跡。
1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を添加した培養は、対照培養より角質化した外皮が多く、結合した細胞が少なく、トランスグルタミナーゼ活性が高く、DNA合成が低かった。
本発明はやや特異的に記載され例示されているけれども、当業者は、記載されていることになしうる変化、追加、及び削除を含む種々の変更を認めるであろう。したがって、これらの変更もまた本発明に含まれ、本発明の範囲は法的に特許請求の範囲と一致しうる最も幅広い解釈によってのみ限定されることを意図する。
HL-60細胞分化分析における1α,24(S)-(OH)2D2の活性
DeLuca及びOstromにより記載されている(DeLuca, H. F. and Ostrom, V. K., Prog. Clin. Biol. Res., vol. 259, pp. 41-55(1988))ようなHL-60細胞分化分析において、1α,24(S)-(OH)2D2を用い用量反応研究を実施する。この研究においては、プラスの対照として1α,25-(OH)2D3を使用し、マイナスの対照として適する溶剤を使用する。以下の変数、すなわち、非特異性酸エステラーゼ活性、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還元、及びチミジン取込みを評価する。結果は、HL-60前骨髄球の単球への分化の促進において1α,24(S)-(OH)2D2が強い活性を有することを示す。
ヒトの癌細胞株における1α,24(S)-(OH)2D2の抗増殖活性
ヒトの癌細胞株群における1α,24(S)-(OH)2D2の用量反応研究を実施する。Shieh, H. L. et al. Chem. Biol. Interact., vol. 81, pp. 35-55(1982)に記載されているように、これらの細胞株には、限定するわけではないが、BCA-1又はZR-75-1(乳房)及びCOL-1(結腸)が含まれる。この研究においては、マイナスの対照として適する溶剤を使用する。結果は、チミジン取込みの阻害により判断されるように、1α,24(S)-(OH)2D2が強い(及び可逆性の)抗増殖活性を有することを示す。
化学的安定性試験
約5mgの結晶質又は粉末状の1α,24(S)-(OH)2D2の試料を、各々5mLの容量フラスコに入れた。フラスコを、熱及び光を変化させた同一の環境条件に暴露させた。熱及び光は、ビタミンD化合物の完全な状態に負の影響を及ぼすことが知られている環境パラメータである。
1週間後に、フラスコの内容物を目で検査した。粉末状の試験片は、結晶質の試験片と比較するとわずかに黄色であるように見えた。5mLのエタノールを各試料に添加し、各試験片を溶解させた。これらの溶液を、200乃至320nmの紫外線吸収について分析した。同一濃度でエタノールに溶解させ、同一時間冷蔵庫に貯蔵した対照標準1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を同様に分析した。
対照標準1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2は、ビタミンD構造のトリエン官能基を診断する紫外線スペクトル、すなわち、265nmのλmax及び228nmのλmaxを示した。結晶質試験片は、265nmのλmax及び228nmのλmaxの特性を保持した。これに対し、粉末状試験片は、別の存在物への変換が起こっていることを示す255nmのλmax及び228nmのλmaxを有する。265nmにおける吸収は、ベールの法則に従って濃度と比例関係がある。対照標準は吸収を100%保持したので、濃度を100%保持した。熱及び光に暴露させた結晶質試験片は吸収を93%保持した。これに対し、粉末状試験片は元の吸収/濃度を45%しか保持しなかった。
結晶質及び粉末状の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2のエタノール溶液を更に、以下の条件下の高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。
NovaPac C18カラム: 3.9mm×15cm
移動層: 50:50水:アセトニトリル
流速: 0.5mL/分
検出: 265nmにおける光ダイオード整列
kPa(psi) 9032(1310)
注入体積 10μL
対照標準及び結晶質1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2のHPLC追跡は同一であり、標準のUV吸収物質の96%が1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2であり、結晶質物質の95%が1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2であった。これらのデータは、結晶質1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を熱及び光に暴露させた後に88%より多くの化合物がそのまま残存することを示す。
これに反し、粉末状の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2のHPLC分析は、UV吸収物質の78%のみが1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2であり、全体の保持率がわずか35%化合物であることを示した。HPLC追跡における1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2のピーク面積の質量に基づく正規化によれば、対照標準の構造の100%保持、結晶質試験片の93%及び粉末状試験片の23%を示した。1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の保持時間より短い保持時間の2つのHPLCピークが粉末状試験片には現れたが、対照にも結晶質試験片にも現れなかった。
これらのデータは、環境的に暴露させた結晶質の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、粉末状の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2と比較して驚くほど安定であることを示す。
結晶質及び白色粉末の形の1α,24(S)-(OH)2D2のビタミンD受容体結合分析
環境的に暴露させた化合物、結晶質1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2及び粉末状1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の、ビタミンD受容体(VDR)に対する結合親和性は、例えば、実施例6に記載されているような当業者に公知の方法を用いて評価された。結晶質1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の結合親和性は、対照標準1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2のそれとほぼ同じであるが、粉末の形はかなり低いことが分かった。結合%対化合物の量(単位、pg/管)は図5に図示されている。
図5に示されるように、受容体からの3H-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3トレーサーと同一の置換を生成するのに必要な結晶質1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の濃度は、実質的に標準1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2に関して必要なそれと同じであるが、同一条件に暴露させた粉末状物質は25%未満であった。標準及び結晶質物質のED50(結合3H-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の50%を置換する物質の量)は約10pg/管である。粉末状物質のED50は約40pg/管である。これらのデータは、環境的に暴露させた粉末状物質の生物学的活性が有意に低いことを示す。換言すれば、結晶質物質は、環境的に暴露させた後に白色粉末物質より生物学的に活性な物質を保持する。
細胞増殖の阻害
細胞増殖の阻害は、ともに参考として本明細書に導入されているSkowronski et al., 132 Endocrinology(1993)1952-1960及び136 Endocrinology(1995)20-26の技術を用いて明らかにされる。ヒトの前立腺腺癌から誘導される細胞株、LNCaP及びPC-3を、約50,000細胞/プレートの密度で6穴組織培養プレートにまく。細胞が着床して安定化した約2〜3日後に、培地に、溶剤又は10-11M乃至10-7Mの濃度の活性ビタミンD類似物1α,24-(OH)2D2を含む培地を補充する。試験類似物又は溶剤を含む培地は3日毎に置換する。6〜7日後に培地を除去し、細胞をすすぎ、冷たい5%のトリクロロ酢酸で沈殿させ、冷たいエタノールで洗浄する。細胞を0.2Nの水酸化ナトリウムで可溶化し、標準的な方法でDNAの量を決定する。結果は、本発明による1α,24-(OH)2D2を培養した培養物が対照培養物より有意に少ない細胞を有することを示す。
細胞分化
ともに参考として本明細書に導入されているSkowronski et al., 132 Endocrinology(1993)1952-1960及び136 Endocrinology(1995)20-26の技術を用い、ヒトの転移性前立腺腺癌から誘導される明白なPSAとして知られている細胞株、LNCaPの細胞を、約50,000細胞/プレートの密度で6穴組織培養プレートにまく。細胞が着床して安定化した約2〜3日後に、培地に、溶剤又は10-11M乃至10-7Mの濃度の活性ビタミンD類似物1α,24-(OH)2D2を含む培地を補充する。6〜7日後に培地を除去し、前立腺特異抗原(PSA)分析のために−20℃において貯蔵する。
平行した培養物からの細胞をすすぎ、沈殿させ、標準的な方法でDNAの量を決定する。PSAは標準的な公知の方法により測定する。PSAの質量/細胞で表すと、1α,24-(OH)2D2を培養した培養物は、対照培養物より有意に多いPSAを有する。
癌の一般的な治療
公知のビタミンD受容体陽性腫瘍(例えば、前立腺、乳房、肺、結腸又は膵臓の腺癌、又は膀胱の移行上皮癌、又は黒色腫)を有する患者が1α,24-(OH)2D2の開放標識研究に参加する。患者は、腸の吸収を最少化するのを助け、更に高い用量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を許容するために、治療前にカルシウムの少ない食餌療法に入る。このカルシウムの少ない食餌療法は、治療期間、及び1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の最後の投与後の1週間に継続してもよい。食餌療法は、理想的には毎日のカルシウムの摂取を400〜500mgに制限する。患者はまた、いずれかのビタミン補助食品又はビタミンD代償療法の使用を中断する。各患者にはまた、適切な経口的水分補給を確保するために通常の摂取より多い4〜6杯の流体を飲むように求める。
各患者は、規則的な間隔で、(1)高カルシウム血症、高リン酸塩血症、高カルシウム尿症、高リン酸塩尿症、及びその他の毒性;(2)転移性の疾患の進行における変化の証拠;及び(3)所定の試験薬剤の投与量への追従、について追跡する。
投薬計画は、典型的には、10又は20μg/日乃至約100μg/日の毎日の投与で24ヶ月である。あるいは、毎日の投与でなくてもよく、例えば、隔日に40μg、1週間に1度100μgでもよい。投薬経路は、経口から局所送達のための静脈内(例えば、門脈からの動脈注入)まで変化しうる。もちろん、経口が最も容易であり、最も費用効果の高い経路である。局所送達は高用量を許容し、一般的には高カルシウム血症の発生を回避する。けれども、本発明の化合物の場合には、化合物は実質的に低カルシウム血性である。
18ヶ月の治療の後、比較的低用量で治療した多くの患者における転移性の病気の進行又は部分的な寛解、及び比較的高用量で治療した多くの患者における安定な病状及び部分的又は完全な寛解を評価するために、CATスキャン、X線及び骨のスキャンを使用した。
前立腺癌の治療
進行したアンドロゲン非依存性前立腺癌の患者が1α,24-(OH)2D2の開放標識研究に参加する。参加資格のある患者の年齢は40歳以上で、前立腺の腺癌の組織学的証拠を提出し、すでにホルモン関与に応答した進行性疾患であることを示す。研究の開始時に、患者は、カルシウム補助食品、ビタミンD補助食品、及びビタミンDホルモン置換治療のいずれの使用も中断しつつ、一連の26週間の経口的1α,24-(OH)2D2を用いた治療を開始する。治療中、患者は、規則的な間隔で、(1)高カルシウム血症、高リン酸塩血症、高カルシウム尿症、高リン酸塩尿症及びその他の毒性;(2)転移性の疾患の進行における変化の証拠;及び(3)所定の試験薬剤の投与量への追従、について追跡する。
研究は、2つの面において実施する。第一の面においては、毎日の経口的1α,24-(OH)2D2の最大許容投与量(MTD)を、一連の患者群に徐々に投与量を増大させることにより決定する。すべての投与量は、朝、朝食前に投与される。第一群の患者は、25.0μg/日の1α,24-(OH)2D2で治療する。次の群の患者は、50.0、75.0及び100.0μg/日で治療する。投与は、血中カルシウムが11.6mg/dLを超えるか、グレード3又は4(NCI Common Toxicity Criteria)のその他の毒性が観察されるまで研究を中断せず続けるが、その場合には観察された毒性効果が解決するまで投与を一時中止して、10.0μgに減少させた段階から再開する。
第一の面の研究の結果は、1α,24-(OH)2D2のMTDは20.0μg/日より多く、1α,25-(OH)2D3の場合より10乃至40倍多いことを示す。参加している患者から規則的な間隔で回収された血液試料の分析によれば、循環する1α,24-(OH)2D2の量は投与された量に比例して増大し、最も高い投与量においては100pg/mLより高い最大量に上昇し、循環する1α,25-(OH)2D3の量はしばしば検出できない程度に低下する。血中及び尿中カルシウムは用量に応答して上昇する。6ヶ月以上1α,24-(OH)2D2のMTDで治療した患者は、転移性疾患に伴う骨の痛みが有意に減少すると報告する。
第二の面においては、MTDの0.5及び1.0倍で24ヶ月間1α,24-(OH)2D2を用いて患者を治療する。1年及び2年の治療の後、比較的低用量で治療した多くの患者における転移性の疾患の進行又は部分的な寛解、及び比較的高用量で治療した多くの患者における安定な病状及び部分的又は完全な寛解を評価するために、CATスキャン、X線及び骨のスキャンを使用した。
黒色腫の治療
例えば、顎の転移性の悪性黒色腫の患者の治療に、実施例33及び34の方法を用いる。18ヶ月の治療後、転移性疾患の進行は安定な病状又は部分的な寛解を示す。
網膜芽腫の治療
転移性の網膜芽腫の患者の治療に、実施例33及び34の方法を用いる。18ヶ月の治療後、転移性疾患の進行は安定な病状又は部分的な寛解を示す。
肝臓癌の治療
肝臓癌の患者の治療に、実施例33及び34の方法を用いる。本発明による化合物の局所的送達、すなわち動脈注入を用いる。18ヶ月の治療後、転移性疾患の進行は安定な病状又は部分的な寛解を示す。
急性リンパ芽球性白血病の治療
急性リンパ芽球性白血病の患者の治療に、実施例33及び34の方法を用いる。18ヶ月の治療後、転移性疾患の進行は安定な病状又は部分的な寛解を示す。
急性骨髄性白血病の治療
急性骨髄性白血病の患者の治療に、実施例33及び34の方法を用いる。18ヶ月の治療後、転移性疾患の進行は安定な病状又は部分的な寛解を示す。
慢性リンパ性白血病の治療
慢性リンパ性白血病の患者の治療に、実施例33及び34の方法を用いる。18ヶ月の治療後、転移性疾患の進行は安定な病状又は部分的な寛解を示す。
慢性骨髄性白血病の治療
慢性骨髄性白血病の患者の治療に、実施例33及び34の方法を用いる。18ヶ月の治療後、転移性疾患の進行は安定な病状又は部分的な寛解を示す。
プラズマ細胞疾患の治療
プラズマ細胞疾患の患者の治療に、実施例33及び34の方法を用いる。18ヶ月の治療後、転移性疾患の進行は安定な病状又は部分的な寛解を示す。
骨髄異形成症候群(MDS)の治療
参考として本明細書に導入されているMellibovsky L. et al.,Br. J. Haematol. 1998; 100: 516-520に記載されているような方法論を用い、骨髄異形成症候群の患者に0.25乃至0.75mg/日の1α,24(S)-(OH)2D2を投与する。26ヶ月の治療後、患者の顆粒球又は血小板算定の50%増大及び/又はヘモグロビンの1〜5g/dL増大及び/又は輸血の必要性の50%低下がみられた。これらの投与量における副作用は最小で、高カルシウム血症はない。
24-ヒドロキシビタミンD2の合成の調製工程を示す。 24-ヒドロキシビタミンD2を出発物質とする1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2の合成の調製工程を示す。 生物学的1α,24-ジヒドロキシビタミンD2及び合成1α,24-ジヒドロキシビタミンD2のR及びSエピマーの逆相高圧液体クロマトグラフィーの分析図を示す。 1α,24(S)-(OH)2D2及び1α,24(R)-(OH)2D2の相対的な結合親和性を示す図である。 結晶質1α,24-(OH)2D2及び粉末状1α,24-(OH)2D2の相対的な結合親和性を示す図である。

Claims (55)

  1. 抗増殖性量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2で細胞を治療することを含む悪性又は新生細胞の過剰増殖を阻害する方法において、前記細胞が急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病及びプラズマ細胞疾患の癌であることを特徴とする方法。
  2. 悪性又は新生細胞の過剰増殖活性に苦しむ患者に抗増殖性量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2を投与することを含む悪性又は新生細胞の過剰増殖活性を阻害する方法において、前記細胞が急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病及びプラズマ細胞疾患の癌であることを特徴とする方法。
  3. 1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、毎日の投与計画又は散発的投与計画で投与される請求項2記載の方法。
  4. 前記散発的投与計画が、2乃至7日に1度の投与である請求項3記載の方法。
  5. 1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、毎日約1乃至100μg/日の用量で投与される請求項3記載の方法。
  6. 1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、経口的に投与されるか、静脈内に投与されるか、癌サイトに直接注入されるか又は癌サイトに局所的に送達される請求項2記載の方法。
  7. 1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、経口的に投与される請求項6記載の方法。
  8. 1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、細胞傷害剤とともに同時投与される請求項2記載の方法。
  9. 前記細胞傷害剤が、代謝拮抗物質、抗微小管剤、アルキル化剤、プラチナ剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼ阻害剤、又は抗生物質である請求項8記載の方法。
  10. 前記代謝拮抗物質が、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキサート又はフルダラビンである請求項9記載の方法。
  11. 前記抗微小管剤が、ビンクリスチン、ビンブラスチン又はタキサンである請求項9記載の方法。
  12. 前記タキサンが、パクリタキセル又はドセタキセル請求項11記載の方法。
  13. 前記アルキル化剤が、シクロホスファミド、メルファラン、バイオコロエチルニトロスウレア又はヒドロキシウレアである請求項9記載の方法。
  14. 前記プラチナ剤が、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216又はCI-973である請求項9記載の方法。
  15. 前記アントラサイクリンが、ドキソルビシン又はダウノルビシンである請求項9記載の方法。
  16. 前記抗生物質が、マイトマイシン、イダルバイシン、アドリアマイシン又はダウノマイシンである請求項9記載の方法。
  17. 前記トポイソメラーゼ阻害剤が、エトポシド又はカンプトセシンである請求項9記載の方法。
  18. 前記細胞傷害剤が、エストラムスチンホスフェート又はプレドニムスチンである請求項9記載の方法。
  19. 前記細胞傷害剤の抗増殖性有効量が、単独で投与される場合の細胞傷害剤の抗増殖性有効量より低い請求項8記載の方法。
  20. 有効量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2をヒトに投与することを含む、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、プラズマ細胞疾患及び骨髄異形成症候群の病的な状態を軽減するためにヒトを治療する方法。
  21. 分化促進量の1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2で細胞を治療することを含む、骨髄異形成症候群に苦しむ患者において分化を誘発する方法。
  22. 前記プラズマ細胞疾患が、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重鎖病、良性単クローン性免疫グロブリン血症、及び免疫細胞アミロイド症からなる群から選択される請求項1記載の方法。
  23. 前記プラズマ細胞疾患が、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重鎖病、良性単クローン性免疫グロブリン血症、及び免疫細胞アミロイド症からなる群から選択される請求項2記載の方法。
  24. 前記プラズマ細胞疾患が、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重鎖病、良性単クローン性免疫グロブリン血症、及び免疫細胞アミロイド症からなる群から選択される請求項20記載の方法。
  25. 前記プラズマ細胞疾患が、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症である請求項22記載の方法。
  26. 前記プラズマ細胞疾患が、重鎖病である請求項22記載の方法。
  27. 前記プラズマ細胞疾患が、良性単クローン性免疫グロブリン血症である請求項22記載の方法。
  28. 前記プラズマ細胞疾患が、免疫細胞アミロイド症である請求項22記載の方法。
  29. 前記プラズマ細胞疾患がワルデンシュトレームマクログロブリン血症である請求項23記載の方法。
  30. 前記プラズマ細胞疾患が、重鎖病である請求項23記載の方法。
  31. 前記プラズマ細胞疾患が、良性単クローン性免疫グロブリン血症である請求項23記載の方法。
  32. 前記プラズマ細胞疾患が、免疫細胞アミロイド症である請求項23記載の方法。
  33. 前記プラズマ細胞疾患が、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症である請求項24記載の方法。
  34. 前記プラズマ細胞疾患が、重鎖病である請求項24記載の方法。
  35. 前記プラズマ細胞疾患が、良性単クローン性免疫グロブリン血症である請求項24記載の方法。
  36. 前記プラズマ細胞疾患が、免疫細胞アミロイド症である請求項24記載の方法。
  37. 前記癌が、急性リンパ芽球性白血病である請求項1記載の方法。
  38. 前記癌が、急性骨髄性白血病である請求項1記載の方法。
  39. 前記癌が、慢性リンパ性白血病である請求項1記載の方法。
  40. 前記癌が、慢性骨髄性白血病である請求項1記載の方法。
  41. 前記癌が、急性リンパ芽球性白血病である請求項2記載の方法。
  42. 前記癌が、急性骨髄性白血病である請求項2記載の方法。
  43. 前記癌が、慢性リンパ性白血病である請求項2記載の方法。
  44. 前記癌が、慢性骨髄性白血病である請求項2記載の方法。
  45. 1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、分化剤とともに同時投与される請求項2記載の方法。
  46. 前記分化剤が、オールトランスレチノイン酸である請求項45記載の方法。
  47. 1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、血管形成阻害剤とともに同時投与される請求項2記載の方法。
  48. 前記血管形成阻害剤が、メルファランである請求項47記載の方法。
  49. 前記血管形成阻害剤が、プレドニゾンである請求項47記載の方法。
  50. 前記血管形成阻害剤が、サリドマイドである請求項47記載の方法。
  51. 1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2が、生物学的調節剤とともに同時投与される請求項2記載の方法。
  52. 前記生物学的調節剤が、抗体、単クローン抗体、ワクチン、コロニー刺激因子又はサイトカインである請求項51記載の方法。
  53. 前記生物学的調節剤が、単クローン抗体である請求項52記載の方法。
  54. 前記単クローン抗体が、Rituximabである請求項53記載の方法。
  55. 前記単クローン抗体が、Trastuzumabである請求項53記載の方法。
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