JP2006520768A - 金属イオンのキレート化剤として有用な窒素含有多環式誘導体およびそれらの用途 - Google Patents

金属イオンのキレート化剤として有用な窒素含有多環式誘導体およびそれらの用途 Download PDF

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Abstract

本発明は神経変性疾患の治療用の薬物を製造するための窒素含有多環式誘導体およびそれらの遷移金属との錯体の使用に関し前記誘導体は式(I)を有する。
Figure 2006520768

ここでRnはR1、R2、R3およびR4であり同一または異なってHまたは1以上の基を示し該基は−OH、アルキル、−O−アルキル、−NH、−NH−アルキル、−N(R5,R6)およびハロゲンからなる群から選択され該アルキルはC1−C6アルキルでありYは両側にピリジンを有するフェニルを形成し該フェニルは場合によりR5によりオルト置換されるかまたはR5およびR6によりオルト置換され該置換基は同一または異なってアルキル、−O−アルキル、−NH、−N(R5,R6)およびハロゲンから選択され該アルキルはC1−C6アルキルであるかまたは−(CHm1−W−(CHm1を示しm1およびm2は0、1または2でありWは−CH−、−CH(R7)−、OまたはN(R8,R9)の基でありR7、R8およびR9は同一または異なってC1−C3アルキル基またはHであり−Zは−A−(CH)m−U−(CH−A−でありA=OまたはNでありU=−(CHn1−、−N(R1,R2)、−COOH、−OHでありnは2〜6であり、n1は0または1である。

Description

本発明は、神経変性疾患の治療用の薬物を製造するための窒素含有多環式誘導体の使用に関する。前記誘導体は、遷移金属と錯体を形成するリガンドとして有用であり、本発明はまた、リガンドを含むこのような誘導体の有効成分としての使用に関する。
最近になって、多くの研究は、タンパク質の折り畳みまたは凝集を改変し、その後に深刻な病状に至る際における金属イオン(銅、亜鉛、鉄、...)の主要な役割を示した。いくつかの神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソンおよびハンチントン病、海綿状脳症、...)は、金属イオンとタンパク質との間にこれらの悲惨な所望でない相互作用を伴う。
アルツハイマー病の場合には、病状は、アミロイドプラークの形成に至る、脳内のβタイプのアミロイドペプチドの凝集と関連する。これらのアミロイドプラークにおける酸化還元活性金属イオンの蓄積が、知的能力の不可逆的な損失もたらす脳内のニューロンの障害を誘導する酸化的ストレスの原因になると考えられている。
クリオキノールのような金属イオンのリガンドの使用は、アルツハイマー病における改善につながり、これは、神経変性疾患において金属イオンキレート化剤による治療アプローチが可能であることを示している。
フェナントロリン誘導体(「Phen」が1,10−フェナントロリンを示すために用いられることになる)に関する本発明者らの最近の成果は、互いに結合された2つのフェナントロリン・リガンドで銅を錯体化することの利点を立証した。したがって、病原体タンパク質中に過剰に存在する金属イオン(優先的には銅)と配位結合し始めるために関門(最初に腸関門次いで血液脳関門)を越えることが可能な小さくかつ十分に疎水性の、「Cyclo−Phen」と呼ばれる新しい環式非電荷リガンドを合成することが決定された。
したがって、本発明は、神経変性疾患の治療用の薬物を製造するための窒素含有多環式誘導体および遷移金属、特には銅、亜鉛または鉄を有するそれらの錯体の使用に関し、前記誘導体は、下記化学式を有する。
Figure 2006520768
ここで、
−Rnは、R1、R2、R3およびR4のいずれかであり、同一または異なって、Hを示すか、または、1または複数の基を示し、該基は、−OH、アルキル基、−O−アルキル基、−MH、NH−アルキル、−N(R5,R6)、またはハロゲンからなる群から選択され、該アルキルは、前記単数または複数の基においてC1−C6アルキルであり、ハロゲンは、F、ClおよびBrからなる群から選択され、
−Yは、
・両側にピリジンを有する(両側でピリジン環と縮合している)フェニル基を形成し、場合によっては、置換基R5によってオルト置換されるか、または、置換基R5およびR6によってオルト置換され、該置換基は、同一または異なって、アルキル基、−O−アルキル基、−NH、−NH−アルキル、−N(R5,R6)およびハロゲンからなる群から選択され、該アルキルは、該1または複数の基においてC1−C6アルキルであり、該ハロゲンは、F、ClおよびBrからなる群から選択されるか、または、
・−(CHm1−W−(CHm1−の基を示し、m1およびm2は0、1または2であり、Wは、−CH−、−CH(R7)、OまたはN(R8,R9)の基であり、R7、R8およびR9は、同一または異なって、C1−C3アルキル基であるか、またはHであり、
−Zは、式−A−(CH−U−(CH−A−の結合鎖部であり、
・AはOまたはNHであり、そして、
・Uは、−(CHn1−、−N(R1,R2)、COOHおよびOHからなる群から選択され、
nは2〜6、好ましくは2〜4の数であり、n1は0または1である。
本発明の一実施形態によれば、前記誘導体は、2環部分を含む。
本発明の別の実施形態によれば、前記誘導体は、3環部分を含む。
さらに別の実施形態によれば、前記誘導体は、4環部分を含む。
好ましくは、環部分は、「Phen」部分からなる。
本発明は、特に、下記化学式(II)を有する多環式Phen誘導体の使用に関する。
Figure 2006520768
本発明は、特に、2、3または4のPhen部分を有する誘導体の使用に関する。
本発明はまた、前記誘導体を合成するための方法に関する。
本発明の方法は、
− 化学式(III)のジヒドロキシビピリジン誘導体を
Figure 2006520768
− 化学式(IV)のジトシル誘導体
Figure 2006520768
と反応させる工程からなる。
ここで、Rn、YおよびZは、上記定義の通りである。
反応は、オリゴマー化を制限するために高希釈度条件で行われる。
化学式(III)の前駆体は、好ましくは、DMSO等の極性溶媒中で0.1〜20mMの濃度で用いられる。
β脱離反応を避けるために、炭酸セリウムのような弱塩基が用いられる。
本発明の誘導体の分子量は低く(Cyclo−bi−PhenのMWは504である)、かつ荷電性が低い。したがって、それらは、両方向に血液脳関門を越えることができる(病原タンパク質に過剰に存在する金属イオンは、キレート化される必要があり、結果として生じた錯体は、最終的には排出に導く血液循環に輸送される必要がある)。
それらの構造は、特定の金属イオンをターゲットにするためにキレート形成選択性を調節するように変更され得る。
それは、新たな活性スペクトルを有する前記誘導体により行われる薬理学的研究の結果として生じ、上記の神経変性疾患の治療に特に適している。
本発明は、アルツハイマー、パーキンソン、ハンチントン病を含む変性疾患の治療用の薬物を製造するための前記誘導体の使用に関する。
前記薬物は、少なくとも1種の上記誘導体の有効量を、医薬的に不活性な賦形剤と共に含む。
前記薬物は、経口、筋肉内または静脈内のルートにより投与される。
経口投与については、薬物は、錠剤、丸剤、カプセル剤またはドロップ、パッチ、スプレーの形態で与えられる。
注射による投与については、薬物は、無菌溶液または無菌化可能な溶液または懸濁液または乳濁液から作られた静脈内、皮下または筋肉内ルートによる注射のための溶液の形態にある。
本発明はまた、前記窒素含有多環式誘導体の、遷移金属のキレート化剤としての使用に関する。
本発明の他の特徴および利点は、例示の目的で与えられた下記実施例において与えられる。
(Cyclo−Phenの合成)
3,8−ジヒドロキシ−1,10−フェナントロリンの臭化水素酸塩(bromydrate)は、研究所において最適化された方法(C.Boldron,M.Pitie and B.Meuner,Synlett.,2001,1629-1631)により合成された。全ての他の商業的に入手可能な試薬および溶媒は、さらに精製することなく用いられた。NMRスペクトルは、Bruker 250MHz装置を用いて記録された。用いられた質量分析計は、Perkin−Elmer SCTEX API 365のものであり、分析は、ポジティブモードでなされた。UV−可視光スペクトルは、Perkin−Elmer Lambda 35分光光度計により記録された。合成のモニタリングは、薄層シリカクロマトグラフィー(MERCK 60 F254 TLC アルミニウムシート)を用い、濃縮アンモニア水溶液(30%)が1%加えられたCHCl/CHOH(9/1,v/v)により溶離させ、スポットをUV光(254nmで青紫色スポット)下にモニタリングすることにより行った。
(Cyclo−Phenの合成)
2.22g(6.83mmol)の炭酸セシウムが、310mLの無水ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解された0.40g(1.37mmol)の3,8−ジヒドロキシ−1,10−フェナントロリン臭化水素塩の溶液に加えられた。次に、無水DMSOの80mL中の0.53g(1.37mmol)の1,3−プロパンジオール ジ−パラ−トシレートの溶液が1時間にわたって加えられ、その後、この混合物を窒素下に激しく攪拌しながら50℃で48時間にわたり加熱した。容積が100mLに低減され、次に、40mLの30%アンモニア水が加えられ、環化された生成物が、2倍容積のCHClにより抽出された。有機相がアンモニア水溶液(pH=10)により洗浄され、その後、溶媒留去の後、減圧下に乾燥させた。シリカゲルを用いたクロマトグラフィ(溶離液:CHCl中の1%トリエチルアミン(TEA))によって、Cyclo−bi−Phenを白色粉体として得た(31mg,0.06mmol,収率:9%)。次いで、Cyclo−tri−PhenおよびCyclo−tetra−Phenの混合物が、CHCl/TEA/CHOH(94/5/1(v/v/v/))によりカラムから溶離された。溶媒留去後、2つの生成物がCHCl/CHOH(9/3)中に溶解され、次いで、6倍容積のCHOHを加えることによってCyclo−tri−Phenを析出させた。上澄みが留去され、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィ(溶離液:CHCl中の1%TEA)により、Cyclo−tetra−Phenを白色粉体として得た(14mg,0.013mmol,収率:3%)。純粋なCyclo−tetra−Phenは、熱CHCl/CHOH(3/1)による再結晶から白色結晶として得られた(10mg,0.01mmol,収率:3%)。
(Cyclo−bi−Phen):H NMR(250MHz:CDC1/CDOD:3/1中)δ ppm:2.12(m,4H)、4.15(m,4H)、4.35(m,4H)、6.98(d,J=3Hz,4H)、7.19(s,4H)、8.21(d,J=3Hz,4H).13C NMR(62.9MHz(CDC1/CDOD:3/1))δppm:153.3,141.9,138.2,127.1,126.6,115.4,63.4,30.4.質量分析,エレクトロスプレー,m/z:505(MH).元素分析:C3024・0.6HO:理論値%:C 69.92,H 4.93,N 10.87;測定値%:C 70.01,H 4.94,N 10.53.UV−可視光(HO/CHOH:9/1):237nm(ε=105000mol−1cm−1),281(29500),301(18500),319(15000),338(9300),355(7200).
Cyclo−tri−Phen:H NMR(250MHz,CDCl/CDOD=3/1中)δ ppm:2.21(quint,J=5Hz,6H),4.20(t,J=5Hz,12H),7.26(d,J=3Hz,6H),7.36(s,6H),8.50(d,J=3Hz,6H).質量分析,エレクトロスプレー,m/z:757(MH).元素分析:C4536・CHCl:理論値(%):C 63.05,H 4.23,N 9.59;測定値(%):C 62.61,H 4.57,N 9.01.UV−可視光(HO/CHOH:1/9):241nm(ε=147000mol−1cm−1),280(44000),300(28500),313(23000),339(11500),355(11000).
Cyclo−tetra−Phen:H NMR(250MHz,CDC1/CDOD=3/1中)δ ppm:2.31(m,8H),4.20(m,16H),7.37(d,J=3Hz,8H),7.49(s,8H),8.54(d,J=3Hz,8H).質量分析,エレクトロスプレー,m/z:1009(MH).元素分析:C6048・2CHC1:理論値(%):C 59.68,H 4.04,N 8.98;測定値(%):C 59.78,H 3.62,N 8.56.UV−可視光(HO/CHOH=9/1+4HC1):240nm(ε=140000mol−1cm−1),283(53000),301(shoulder,41000),340(16000),356(14500).
(CuCl存在下でのCyclo−bi−Phen、Cyclo−tri−PhenおよびCyclo−tetra−Phen誘導体の錯形成反応特性)
錯体は、UV−可視光分光光度計およびエレクトロスプレー質量分析計によって研究された。
金属錯体の形成は、金属イオンおよびリガンドの吸収スペクトルの変化に帰着する。
各Cyclo−Phenは、実験条件下に形成されたCu錯体の最大化学当論量を決定するためにCuClによって滴定された。
研究は、リガンドの軌道(orbital)を含む波長200〜400nmで行われた。3のリガンドが、HO/MeOH中、10〜20μMで用いられた。初期容積の10%を超える容積の変動を避けるために2mMのCuCl溶液が用いられた。
Cyclo−bi−Phenは、メタノール/水=9/1に14μMの濃度で溶解させられた。237nmにおけるリガンドの最大吸収帯域が、錯体形成反応中に深色効果および淡色効果に提示され、345nmに最大吸収を有する帯域が形成された。CuClとの錯体形成反応は、CuClを添加する間の種々の錯体の形成に帰着する。
Cyclo−tri−Phenは、メタノール/水=9/1中に20μMの濃度で溶解させられた。
227、248、283、297および320nmの5つに等吸収点が観察された。
(マウスについての3の異なるキレート化剤を用いる予備的な毒性研究)
3−プロピル−Clip−Phen(M=432Da;C.Boldron et al., Synlett,2001,1629-1631に従い合成)、Cyclo−bi−Phen(M=504Da;本発明明細書に記載されたようにして合成)およびクリオキノール(M=305;5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、Sigmaから購入)。
これらの3の化合物が、25グラムの平均体重を有する野生型雄性FVBマウスについて10mg/kgの腹腔内(i.p.)注射を3日連続して行うことにより試験された。第4日に動物は屠殺され、可能性のある解剖学的問題についてチェックされた。薬物は、最初に、2.6当量のHClの存在下にDMSO中に溶解させられ、次いで、水で希釈された。
10mg/kgでは、全てのマウスは第4日に生存しており、胃、脾臓、腎臓、肝臓、心臓、肺および腹膜において解剖学的問題は観察されなかった。
Figure 2006520768
(これらの3のキレート化剤を用いたアルツハイマー病(AD)のダブルトランスジェニックマウスモデルによる実験)
ロンドン突然変異(Londom mutation)(V717I)に伴うヒトAPPおよびA242E突然変異を帯びたヒトPS1を過剰発現しているマウス(APPおよびPS1はアミロイドタンパク質前駆体およびプレセニリン1をそれぞれ表す)が用いられた。これらの動物は、アミロイドプラークの過剰沈着、神経炎性ジストロフィーおよびアストログリオシス(astroglyosis)を含むADの病理学上の特徴の多くを発生させている(動物はB.Permanneらによって行われた研究(FASEB J.,2002,vol.16,860-862)において用いられたものと同一である)。
3種の分子:3−プロピル−Clip−Phen(下記ヒストグラム中の分子B)、Cyclo−bi−Phen(分子G)およびクリノキノール(分子W)がこれらのダブルトランスジェニックマウス(生後6月)を用いて評価された(Cは、水に希釈されたDMSOのみのコントロールを表す)。クリノキノールは、Chernyら(Neuron,2001,vol.30,665-676)によってトランスジェニックマウスのAD治療において既に用いられている。
分子は、まず、2.6当量のHClの存在下にDMSOに、次いで、水に希釈され、動物は、i.p.注射によって2種のPhen誘導体については5mg/kgでまたクリノキノールについては10mg/kgで、週当たり3回(月曜、水曜および金曜)9週間連続で治療された。各薬物につき9匹の動物が治療された(コントロールも9匹の動物を含んでいた)。9週間の間に、各治療群において1匹の動物が失われ、コントロール群では動物は失われなかった。
9週の治療の後、動物は屠殺され、脳部分に負荷をかけているアミロイドプラークが、K.R.Balesらによって記載されたプロトコル(Nature Genetics,1997,vol.17,263-264)に従ってチオフラビンSで染色することによって分析された。この方法は、「古い」プラークを定量するために用いられた。
下記ヒストグラムが示しているのは、一方のPhen誘導体である3−プロピル−Clip−Phenは負の効果を有しており、負荷をかけているプラークが16%増加されたのに対し、Cyclo−bi−Phenは負荷をかけているプラークを38%低減させることができるということである。同一の条件において、クリノキノールの低減は、28%に過ぎなかった。これらの2種のキレート化剤の分子量の相違(Cyclo−bi−Phenについては504、クリノキノールについては305)を考慮に入れると、38%の低減は、Cyclo−bi−Phenを用いると9.9ミクロモル/kg、クリノキノールを用いると32.8ミクロモル/kgで得られ、薬物の投入量が3.3倍より高かった。
チオフラビン−Sによって染色されたアミロイド沈着物の低減に関して得られたこれらのデータが特に興味深いのは、これらのチオフラビン染色プラークがここでは選択的に神経毒性であると考えられたからである(B.Urbancらの「PNAS,2002,vol.99,13990-13995を参照のこと)。
Cyclo−bi−Phenにより観察された負荷をかけているプラークのこの有意な低減が明らかに示していることは、脳における金属イオンの過剰負荷が、アルツハイマー病、パーキンソン病等の病状および金属が関連するタンパク質のミスフォールドに関連する任意の他の病状(ハンチントン病および海面状脳症)の主要な要因一つとして引き起こされる場合に、Cyclo−Phen誘導体が神経変性疾患の治療における薬物候補である考えられ得るということである。
各誘導体B、C、G、Wによるプラーク負荷の結果を示すヒストグラムである。
ここで、
−m=1、2または3であり、
−Rnは、R1、R2、R3およびR4のいずれかであり、同一または異なって、Hを示すか、または、1または複数の基を示し、該基は、H、アルキル基、−アルキル基、、NH−アルキル、(R5,R6)、またはハロゲンからなる群から選択され、該アルキルは、前記単数または複数の基においてC1−C6アルキルであり、R5およびR6は、C1−C3アルキル基であり、ハロゲンは、F、ClおよびBrからなる群から選択され、
−Yは、
・両側にピリジンを有する(両側でピリジン環と縮合している)フェニル基を形成し、場合によっては、置換基Rによってオルト置換されるか、または、置換基RおよびRによってオルト置換され、該置換基は、同一または異なって、アルキル基、−アルキル基、H−アルキル、(R5,R6)およびハロゲンからなる群から選択され、該アルキルは、該1または複数の基においてC1−C6アルキルであり、R5およびR6は上記定義の通りであり、該ハロゲンは、F、ClおよびBrからなる群から選択されるか、または、
・−(CHm1−W−(CH −の基を示し、m1およびm2は0、1または2であり、Wは、、CH(R)、OまたはN(R10)の基であり、RおよびR10は、C1−C3アルキル基であるか、またはHであり、
−Zは、式−A−(CH−U−(CH−A−の結合鎖部であり、
・AはOまたはNHであり、そして、
・Uは、CHn1CHN(R5,R6)CHCOOHおよびCHOHからなる群から選択され、
nは〜6、好ましくは2〜4の数であり、n1は0または1である。

Claims (15)

  1. 神経変性疾患の治療用の薬物を製造するための、化学式(I)を有する窒素含有多環式誘導体およびそれらの遷移金属、特に銅、亜鉛または鉄との錯体の使用。
    Figure 2006520768
    (ここで、
    −Rnは、R1、R2、R3およびR4のいずれかであり、同一または異なって、Hを示すか、または、1または複数の基を示し、かつ、−OH、アルキル基、−O−アルキル基、−NH、−NH−アルキル、−N(R5,R6)およびハロゲンからなる群から選択され、該アルキルは該1または複数の基においてC1−C6アルキルであり、該ハロゲンはF、ClおよびBrからなる群から選択され、
    −Yは、
    ・両側にピリジンを有するフェニル基を形成し、置換基R5によってオルト置換されるか、置換基R5およびR6によってオルト置換されてよく、該置換基は、同一または異なって、アルキル基、−O−アルキル基、−NH、−NH−アルキル、−N(R5,R6)およびハロゲンからなる群から選択され、該アルキルは該1または複数の基においてC1−C6アルキルであり、該ハロゲンは、F、ClおよびBrからなる群から選択されるか、または、
    ・−(CHm1−W−(CHm1−の基を示し、m1およびm2は0、1または2であり、Wは−CH−、−CH(R7)、O、またはN(R8,R9)であり、R7、R8およびR9は、同一または異なって、C1−C3アルキル基であるかまたはHであり、
    −Zは、式−A−(CH−U−(CH−A−の結合鎖であり、
    ・AはOまたはNHであり、かつ、
    ・Uは、−(CHn1−、−N(R1,R2)、−COOHおよび−OHからなる群から選択され、
    nは2〜6、好ましくは2〜4の数であり、n1は0または1である)
  2. 前記誘導体類は、二環部分を含む、請求項1に記載の使用。
  3. 前記誘導体類は、三環部分を含む、請求項1に記載の使用。
  4. 前記誘導体類は、四環部分を含む、請求項1に記載の使用。
  5. 前記誘導体類において、環部分はPhen部分からなる、請求項1〜4のいずれか1つに記載の使用。
  6. 前記誘導体は、化学式(II)を有するCyclo−poly−Phenである、請求項5に記載の使用。
    Figure 2006520768
  7. アルツハイマー病、パーキンソン病またはハンチントン病を含む神経変性疾患を治療するための、請求項1〜6のいずれか1つに記載の使用。
  8. 薬物は、請求項1〜6のいずれか1つにおいて定義された少なくとも1種の誘導体の有効量を、医薬的に不活性な賦形剤と共に含む、請求項1〜7のいずれか1つに記載の使用。
  9. 薬物は、経口、筋肉内または静脈内ルートによって投与される、請求項8に記載の使用。
  10. 経口投与のために、薬物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、ドロップ、パッチまたはスプレーの形態である、請求項9に記載の使用。
  11. 注射による投与のために、薬物は、無菌溶液または無菌化可能な溶液または懸濁液または乳濁液から作られた静脈内、皮下または筋肉内ルートによる注射用溶液の形態である、請求項9に記載の使用。
  12. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の誘導体を合成するための方法であって、
    −化学式(III)のジヒドロキシビピリジン誘導体を
    Figure 2006520768
    化学式(IV)のジトシル誘導体
    Figure 2006520768
    と反応させる工程を包含する、方法(ここで、Rn、YおよびZは請求項1に定義された通りである)。
  13. 反応は高希釈条件で行われる、請求項12に記載の方法。
  14. 炭酸セシウムの使用を含む、請求項12または13に記載の方法。
  15. 請求項1〜6のいずれか1つに規定された誘導体類の遷移金属のキレート化剤としての用途。
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