JP2006519659A - アルギネート硬膜シーラントの組成物および使用方法 - Google Patents

アルギネート硬膜シーラントの組成物および使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】神経外科処置の部位を密閉する方法であって、所与の哺乳類動物における神経外科処置の部位に精製されたアルギネートの溶液を供給する処理と、所与のポリマーを形成するために塩化カルシウムの溶液を添加する処理と、を含む方法。
【解決手段】本発明は、種々の神経プロテーゼ装置の移植を含むがこれらに限定されない、哺乳類動物の神経外科処置に関連するアルギネートの硬膜シーラントの組成物および使用方法を含む。

Description

開示の内容
〔発明の分野〕
本発明は神経外科処置に関連する改善されたシーラントの組成物および使用方法に関連している。
〔発明の背景〕
神経プロテーゼの装置またはプローブは脳または神経系の病状を治療または調査するために用いられる場合が多い。最適化された神経プロテーゼ装置の開発において、外科技法は皮質に移植可能な微小電極アレイの成功率に相当な貢献をしている。これらの処置を最適化して電極移植片の寿命を延ばすためにこの20年間にわたり多くの開発が行なわれている。
外科技法は臨床的に移植される皮質神経プロテーゼ装置と共に何らかの一般的な神経外科手術後の硬膜の密閉において達成される成功の高さに対して重要な貢献をしている。これらの進歩にかかわらず、露出している脳および硬膜の取り扱い、種々の移動からの電極の分離、および感染に対する経路の最小化等のような問題が電極移植処置の完了後に重要な問題として残っている。多くの異なる因子が硬膜の切開および/または移植した装置による脳の表面の刺激の量に影響する可能性がある。これらの因子は、とりわけ、種々の機械的な刺激、感染性の病原体、および硬膜の再成長を含む。
現在において、一部の臨床医および研究者は開頭術後の外科部位を閉じるために精製したブタの皮膚のゼラチン/水の混合物(例えば、ゲルフォーム(Gelform)(登録商標)(ファーマシア・アンド・アップジョン・カンパニー(Pharmacia & Upjohn Co.))により調製されている組成物等のような材料を使用できる。これらの材料は水に不溶性で、灰白色の、多孔質な、非弾性にすることができ、これらの供給は極めて時間がかかる可能性がある。加えて、幾つかの別の問題が残る可能性もある。一部の例として、前記材料の多孔質な性質はその周囲の骨に対して気密な密閉状態を生じることができず、脳に対する種々の毒素および感染性の病原体のための通り口を与える可能性がある。さらに、前記材料の吸収性の性質は硬膜の再成長のための基質を与える可能性があり、この再成長は、さらに進展すると、皮質に移植した電極の主な不良モードとなり、これらの電極をその脳から抜き出す可能性がある。前記材料はまた十分な機械的強度を与えることができない。加えて、柔軟な電極を使用する場合に、その脳は、頭蓋内の圧力のために、その開頭術部分から膨れ出る傾向がある。このような膨れを遅らせるか止めるための手段が全く無ければ、極端な水腫が生じて、その神経組織の大きなヘルニア形成を生じる。前記材料はまた極めて圧縮可能でもあり、脳が、アクリルのヘッド−キャップ等のような、ある剛性材料により停止されるまで、その開頭術部分の中に膨れることを可能にする。
従って、前記問題の1個以上に対処するシーラント材料に対して相当な要望が残っている。
〔発明の概要〕
本発明は哺乳類動物の神経外科処置に関連するアルギネート硬膜シーラントの組成物および使用方法を含む。本発明の実施形態により、本発明者はアルギン酸カルシウムが硬膜シーラントとして用いられる場合に生体適合性で機械的に安定な材料であることを示している。本発明は供給の容易さ、生体適合性、高い機械的安定性、および硬膜シーラントの透明性を高めて提供することにより既存の技術における満たされていない要望に対処している。本発明はまた硬膜の再成長および神経プローブ等のような移植した装置の組織による包み込みも抑制して、持続した長期間の神経の記録を実現する。従って、本発明はアルギン酸カルシウムによる電極移植の安定化のための新規な方法を含み、この方法は、移植片を保護および可視化することを含むがこれらに限定されない、有益である多くの固有の特性を有している。
本発明の別の種々の態様および実施形態が各図面および以下の詳細な説明を参照した後に当業者において明らかになるであろう。
〔詳細な説明〕
一部の実施形態において、限定を伴わずに、本発明はアルギン酸カルシウムのヒドロゲル・ポリマーの形態の改善された硬膜シーラント材料を含む。
アルギン酸カルシウムは海草から抽出される天然の糖を基材とするポリマーである。このポリマーは水に可溶であるので、細胞毒性のある種々の有機溶媒に対する必要性を排除する。このアルギン酸カルシウムは種々の構成におけるマンヌロン(M)酸(mannuronic acid)およびグルロン(G)酸(guluronic acid)のブロックから成るコポリマーであり(図1A)、多様な分子量を生じている。アルギネート(Alginate)はグルロン(G)酸(guluronic acid)およびマンヌロン(M)酸(mannuronic acid)の各基により作成されているポリサッカリド(polysaccharide)のコポリマーである。このG酸の立体化学は反応性のカルボン酸の部位を与えている。一方、前記M酸は反応性ではない。また、前記グルロン酸の部位は活性であり、ナトリウムおよびカルシウム等のような、一価および二価のイオンに対して、それぞれ、反応できる。例えば、ナトリウムに対して反応する場合に、このイオンはグルロン酸のブロックに結合して安定で無反応性のアルギネートを形成する。しかしながら、二価のカルシウム・イオンの存在下においては、その比較的に高い自由エネルギーのカルシウムがカルボキシルの部位におけるナトリウムとイオンの状態で置換する。さらに、別のアルギネートのストランドもその二価のカルシウム・イオンに結合可能であり、そのCaイオンが2本のアルギネートのストランドを一体に結合している連結状態を形成する(図1B)。この結果、固体のゲル基質を形成するカルシウムにより結合したアルギネート・ストランドの鎖状構造が形成される。この結果として生じるアルギネート・ゲルは非接着性で組織に類似した機械特性を有しており、95重量%以上が水である。
前記アルギネートと塩化カルシウムとのイオン反応の副産物は塩水(ナトリウムおよび塩素のイオン)であり、この塩水は容易に人体に許容される。前記GおよびMの各酸の濃度(G/Mの比率)は多様な構造および生体適合性の特性に寄与する。すなわち、前記アルギネートの不活性な組織に類似した特性は有効な治療を最大にして付着の可能性および組織の毒性を最小にする。
アルギン酸カルシウムの機械的な安定性は水中に溶解している高められた液体のアルギン酸カルシウムの濃度により高めることができる。しかしながら、このアルギネートの液体の粘度はアルギン酸カルシウムの分子量および濃度により指数関数的に増加し、これにより、通常の熟練者において知られている小孔の針または比較的に小形の手段により供給できる液体のアルギン酸カルシウムの濃度を制限している。それゆえ、一部の実施形態において、限定を伴わずに、液体のアルギン酸カルシウムがゲルの安定性を最大にして注入のための粘度を最小にするために、100cP乃至150cPの粘度の範囲を伴って作成されている。アルギン酸カルシウムの濃度は使用するアルギン酸カルシウムの分子量に応じて1重量%乃至2.5重量%の範囲で変更できる。この場合に、同様の粘度であるが変化している濃度のアルギン酸カルシウムは依然として同様の安定性を有する。また、アルギン酸カルシウムは20kPa乃至60kPaの圧縮強さおよび疲れ強さを有する。一部の実施形態において、限定を伴わずに、10重量%(0.68M)の濃度を有する塩化カルシウムがアルギン酸カルシウムを固化するために用いられている。さらに、1重量%乃至30重量%の範囲の塩化カルシウムの溶液も使用可能である。一部の実施形態において、本発明は、単に一例としてであり、限定を伴わずに、アルギン酸ナトリウム等のような、液体のアルギネートにより開頭術またはその他の神経外科手術の部位を充填した後に、無毒性の反応性の成分である塩化カルシウムを添加することによる、アルギン酸カルシウムの組成物の供給を含む。この場合に、液体のアルギン酸ナトリウムは濃縮された塩化カルシウムに接触するまで無反応性の状態を維持する。
本発明者はアルギネートの生体適合性も試験している。すなわち、それぞれ300±50gの体重を有する32匹のラットの腎臓の周囲の脂肪の被膜の中にアルギン酸カルシウムを注入することにより、短期間および長期間の組織の反応性を試験した。まず、これらのラットを1個の動物体当たりに0.5ml乃至1mlの投与量でケタミン・カクテル(50mgのケタミン(ketamine)、5mgのキシラジン(Xylazine)、1mgのプロムエース(PromAce))により麻酔をかけた。その後、腹部の左側に3cmの切開部分を作成した。次に、左側の腎臓の周囲の脂肪の被膜が分離した。さらに、所与のポケットをその被膜、次にその腎臓、の中に作成して、約0.5mlのアルギネートおよび0.68MのCaCl2 ・2H2 Oを、1:1の容量比率で、注入して重合させた。この場合に、所定時間の期間における組織反応の有意差を決定するために、4種類の表示されているポリマー種(表1)のそれぞれを2匹の別々のラット(1回の期間当たりに合計で8匹のラット)の腎臓の中に注入した。また、それぞれのラットの別の腎臓は手を触れずに対照として役立てた。その後、8匹のラットの別々のグループを1日後、1週間後、3週間後、および9週間後にそれぞれ犠牲にして、合計で32匹のラットを全体の調査のために用いた。この場合に、両方の腎臓をそれぞれのラットから採収した。組織の反応性を視覚検査により最初に分類した。例えば、ポリマーの被包、器官および組織の癒着、および組織の壊死はポリマーの非適合性の有力な指示手段である。さらに、視覚による状況の深刻さの程度の分類がポリマー組織の相互作用および刺激の非特異的な短期間ASTM基準試験から採用および改良されており、この分類は0乃至4のスケールにおける前記の腎臓および周囲の組織の反応性の等級付けにより構成されており、0乃至1はほとんどまたは全く反応、癒着、または被包がないことを示し、4は大きな癒着、被包、および/または組織の壊死を示す。
天然のままのまたは未精製のアルギネートは精製したアルギネートよりも相当に高い反応性を示し、高濃度の前記M酸のゲルは高濃度の前記G酸のゲルよりも速い免疫応答を誘発する(表1)。また、未精製のアルギネートの全体の反応性は酸の含有量にかかわらず一貫して高い(3乃至4の深刻さの程度)。一方、精製したアルギネートは相当に低い免疫応答を示す。さらに、全体の反応性は前記2種類のアルギン酸の濃度の間において一貫性を保ち(1乃至2の深刻さの程度)、高いM酸の含有量のアルギネートはこの場合においても比較的に速い免疫応答を示す。
Figure 2006519659
さらに、前記の調査は結果として生じる機械的な強度および生体適合性におけるアルギネートの構造および純度の影響を決定するために拡張されている。この結果、高いグルロン酸の含有量(G/Mの比率>60/40)を有するアルギネートが最適な強度、ポリマー収率、および生体適合性を有することが見出されている。また、50,000g/モル乃至200,000g/モルの分子量範囲を有するアルギネートが最適であり、硬膜のシーラントとして有用である。
一部の実施形態において、本発明は、脳および脊髄を含むがこれらに限定されない、哺乳類動物の神経系を含む種々の外科処置に関連して硬膜または軟膜を密閉する方法を含む。単に一例として、開頭処置は下層の内容物を露出させるために頭蓋骨に所与の開口部を形成する処理を含む。この場合に、臨床医または研究者は手術部位における頭皮に切開を行ない、その下層の骨を可視化するためにその頭皮が移動される。1個以上の開口部が種々の特殊化された器具によりその頭蓋骨に作成される。次に、その骨の板またはプレートが除去されて、脳組織を覆っている硬膜が露出される。さらに、この処置の性質により、その硬膜が切断されて、軟膜を含む脳の表面が露出される場合があり得る。その後、選択された処置が完了するまで進行する。例えば、臨床医は所与の微小電極またはその他の神経プロテーゼ装置を中に配置した後に、その手術部位を閉じる処理に進むことができる。本発明によれば、所与の被膜を形成し、前記部位の中または外への流体または組織の移動を阻止および防止し、感染性の物質による侵入を防ぐために、さらに、本発明に一貫しているその他の種々の目的のために、アルギン酸カルシウムのシーラントが供給されている。なお、前記硬膜は縫合糸またはその他の手段により閉じることも可能であり、あるいは、閉じなくてもよく、前記骨のプレートまたは板は交換可能である。
本発明者はアルギン酸カルシウム(移植したミシガン(Michigan)プローブ(CNCT、ミシガン大学)と共に使用した、単に一例としてであり限定を伴わない、アルゲル(ALGEL)(登録商標))が脳の皮質と開頭術部分との間に適当な界面を形成することを発見している。一部の実施形態において、アルギン酸カルシウムは脳の中への透明な「ウインドウ(window)」として作用し、長期間の皮質の可視化のための機会を与えている。この様式において、長期に移植されるプローブの寿命および有効性を高めて延ばすことが可能になる。
一部の実施形態において、とりわけ、本発明は改善された供給の容易さを伴って哺乳類動物の神経外科手術部位にアルギン酸カルシウムのシーラントを供給するための方法を含む。例えば、ゲルフォーム(Gelfoam)を用いる既存の技術は供給のための相当な量の時間を含む。この場合に、それぞれの材料片を個々に分けてあらゆる隙間に充填するために正確に配置する必要がある。一方、脳の表面が露出している時間は極めて重要であり、その膨れおよび脱水を避けるために最短にする必要がある。
これに対して、本発明は、混合されると、ゲル様のポリマーを形成する、2液型のアルギン酸カルシウムの組成物を含む。従って、供給時間は相当に短縮される。このポリマーはその未反応状態の液体の形態において所与の低い粘度を有しており、それゆえ、2個以上の異なる微量注射器の中に別々に入れることができる。本明細書において記載されているように、それぞれの注射器から少量の、例えば、単に一例として、数滴が、本発明による前記ポリマーの適当な量を製造するために十分である。さらに、拡散が完全な混合を可能にし、重合はほとんど瞬時に生じる。さらに、望まれる場合に、混合する各容積の正確な測定は決定的ではない。また、未重合状態の流体は、例えば、小形のコットン・ボールまたはガーゼ片等の、適当な手段により吸い取ることができる。このようにして、過剰な流体を吸い取った後に、前記ポリマーの所望の厚さが確立されるまで、さらに多数回の供給を行なうことができる。これにより、数回の短い工程および数分の時間内に、本発明のアルギン酸カルシウムのシーラントが完全に供給できる。
本発明はまた生体適合性の材料の使用も含む。外科処置に対する身体の反応が基本的な問題であるので、脳に直接的に接触して配置される材料は注意深く考慮される必要がある。アルギン酸カルシウムの短期間および長期間の組織の反応性および生体適合性は既に特徴付けられていて、生物学的な組織内において安全であることが示されている。アルギン酸カルシウムの生体適合性の特性はこの材料を、脳に対する直接的な接触のための、さらに、外部環境に対するバリアとしての、適当な候補にしている。この液体のアルギン酸カルシウムが重合すると、感染性の種々の病原体または毒素に対する直接的な経路が排除される。このことは汚染物質である毒素の拡散を含む。さらに、要望に応じて、歯科用のアクリル樹脂による溶媒が供給できる。この結果として、高い毒性の歯科用のアクリル樹脂が悪影響を伴わずにアルギン酸カルシウムに直接的に接触して配置できる。
加えて、本発明のポリマーは微小に多孔質なゲルであり、宿主の組織の内部成長に対して好適ではない。これに対して、ゲルフォーム(Gelfoam)等のような、多孔質基質様の材料である、既存の材料は組織の応答を高めて、移植した電極に対して有害になる可能性のある大量の瘢痕組織の成長または増殖をその移植部位の周囲に生じる可能性がある。一方、本発明のアルギン酸カルシウムを使用することにより、硬膜の成長はそのポリマーの周囲において固定されて、電極の方向には成長しない。
本発明者は本発明のアルギン酸カルシウムの組成物が神経移植片の開頭術部位を閉鎖するための典型的な機械的特性を有することを見出している。この機械的な強度はアルギン酸カルシウム濃度の増加に伴って増加する。一部の実施形態において、限定を伴わずに、使用するアルギン酸カルシウムの濃度は水中において約1.00重量%乃至約2.5重量%(精製した高いグルロン酸の含有量のアルギネート、約20mPas乃至200mPasの見かけの粘度)にすることができる。このような液体のアルギン酸カルシウムが重合すると、その機械的な特性は、脳の膨れを避けるために一定の圧力を供給するための強度において十分であるが、電極が「柔軟な状態(flexible)」を維持することを可能にするために十分に弾性である。
本発明者は、一部の実施形態において、本発明が種々の電極の移植を含む神経外科処置のために適している別の機械的な特性を含むことを発見している。単に一例として、本発明のアルギン酸カルシウムは、開頭術部位の周辺の引っ張られている骨の形状に、および正確に電極の形状の周囲に、重合する。この結果として生じるゲルはそのアルギン酸カルシウムを周囲の骨に対しておよび電極に対して固定する機械的な結合性の界面を形成する。この界面は脳に対する電極のあらゆる付加的な移動を阻止する。さらに、この様式において、前記アルギン酸カルシウムの機械的な安定性は電極が組織から抜き出ることも阻止する。これまでの研究または調査は電極が過度に柔軟であると、その電極は脳から脱出しやすくなることを示している。このことは脳の相当な反復性の微小移動による可能性が最も高い。
本発明はまたアルギネートを基材とする種々の組成物、および脳の表面の脈動を抑制する方法も含む。肺および循環系の作用により、脳の血管内に流れている血液は皮質の表面を周期的なパタンで脈動させる。この動作は、硬膜が無傷の状態に維持されている場合に、極めて小さく通常において知覚されない。しかしながら、硬膜が除去されていて脳が拡張および収縮するための余地を持っていると、前記の動作は相当に大きくなる。一方、本発明に従って形成される場合に、アルギン酸カルシウムは、硬膜が除去された後に顕著になる大きな脳表面の脈動を最小にする。すなわち、このアルギン酸カルシウムは脳の露出した表面に一定の圧力を加えて、周期的な動作を減少して無傷の硬膜に似た状態にする。
本発明はまたアルギネートを基材とする種々の組成物、および、一部の実施形態において、移植した電極の組織学的な分析を最適化できる方法も含む。特に、限定を伴わずに、アルギン酸カルシウムの機械的特性は組織学的な種々の評価を伝達するために適している。一例として、前記動物を犠牲にしてその脳を頭蓋から除去した後に、電極の移植した部分が脳に対して触れないように、その電極をそのリボン・ケーブル(薄膜の柔軟な電極の場合)に沿って切断する必要がある。この場合に、歯科用のアクリル樹脂により密閉されている電極は容易に切断できない中実のバリアを形成している。しかしながら、本発明のアルギン酸カルシウムが脳とそのアクリル樹脂との間に用いられている場合には、出入り可能なキャビティが形成されている。このキャビティは、例えば、前記電極を切断するための微細な硬膜はさみの対により侵入可能である。さらに、前記ポリマーは硬膜はさみがこのポリマーを容易に切断できる程度に十分に柔らかい。また、この処置は電極のあらゆる微小な移動を避けるように極めて慎重に行なわれる。
一部の実施形態において、本発明は透明性を有するアルギネート基材型の神経シーラントを含む。多くの神経外科処置において、電極移植部位の可視化がその処置において重要な要素である。一般的に、図6において示されているように、多数の静止画像が電極の移植後において撮影される。これらの画像は、皮質における標識の血管に対して、電極が移植されている場所を具体的に示す。これらの可視化はまた移植が如何に十分に行なわれているかも示す。例えば、脳が調製中に損傷していたり、何らかの出血が生じている場合には、画像がその後の参考のためにその情報を捕らえる。本発明によれば、アルギン酸カルシウムにより、挿入部位を可視化された状態に継続できる。すなわち、組織学的な調査または研究はアルギン酸カルシウムが3ヶ月を超える期間にわたり完全に透明で無色の状態を維持することを示している。それゆえ、ビデオまたは静止の画像がアルギン酸カルシウムを重合した後でも撮影可能である。これに対して、例えば、ゲルフォーム(Gelfoam)等のような、多くの既存の材料による場合には、開頭術部位を充填した後に、ほとんどまたは全く視覚情報が利用できなくなる。また、一部の外科処置において、閉鎖後に出血が生じるが、組織学的な調査が行なわれるまで具現化されない可能性がある。さらに、脳の表面における大量の出血はその近くの神経組織に対して損傷を生じる可能性がある。一方、前記アルギン酸カルシウムの使用は外科医が脳を完全に「密閉」した後に出血の存在が全くないことを確認することを可能にする。
さらに、長時間の期間にわたり完全に透明な状態を維持するアルギン酸カルシウムにより、新しい組み合わせの実験を適当な宿主の中において随意的に行なうことが可能になる。例えば、透明なガラス板と共にアルギン酸カルシウムを供給することにより、脳の中への所与の「ウインドウ(window)」を備えることができる。この「ウインドウ」は、例えば、動電気性色素の使用による特定の神経の活性の画像化、超音波またはレーザー・ドップラー式の流量測定の使用による局所的な脈管内の血流、および三次元型共焦点顕微鏡の使用による移植した微小電極の周囲の局所的な組織の応答等のような、生体内の調製における皮質からの新しい種類のデータ収集を可能にする。種々の調査または研究は移植部位の中を良く見るためのアルギン酸カルシウム−カバースリップの界面の形成を含んでいる。これらの場合に、前記ウインドウは9週間以上にわたり(図7は28日までの例である)完全に透明で画像化可能な状態を維持している。この場合に、限定的な因子は前記のカバースリップであり、このカバースリップは傷ついて、詳細部分を高水準に可視化することを困難にする。しかしながら、この可視化の間に、移植片の周囲の脳の組織応答がモニター可能であり(20倍)、表面の血管の中に流れる個々の赤血球を可視化できる(50倍)。
さらに、本発明のアルギン酸カルシウムは生体適合性をさらに高めるために使用できる種々の抗炎症性の薬物と共に注入可能である。単に一例として、デキサメタゾン(dexamethazone)の全身系的な注入の結果は移植した装置に対する減少された免疫応答を示している。さらに、全身系的な薬物配給(高い投薬量、非特異的な組織標的性)に伴う困難さの一部は移植の開頭術部位からの直接的な薬物の配給により軽減できる。従って、一部の実施形態において、本発明のアルギン酸カルシウムのポリマーは硬膜シーラントおよび薬物配給移植片の両方を含む。
〔実施例〕
それぞれが手術時において約300グラムの体重であった25匹のスプラグ・ドーリー・ラット(Sprague Dawley Rats)を評価した。開頭術の位置は皮質の3種類の異なる領域、聴覚部位、胴体、および運動皮質部に及んでいる。まず、麻酔剤を麻酔カクテル(それぞれが100mg/mlの濃度および5:0.5:1のそれぞれの混合比率を有している、ケタミン(Ketamine)、キシラジン(Xylazine)、およびアセプロマジン(Acepromazine)により構成されている)の腹膜内注射により投与した。この初期の投与量は1.5ml/100mg(体重)であった。この処理の後に、60分ごとに純粋なケタミン(Ketamine)(初期の注入量の1/4)の規則的な補給を行なうか、必要に応じて、動物体を無反射状態に維持した。その後、開頭術を当該技術分野において知られている技法に従って施した。これらの形成した開頭術部位は形状が三角形であり、腹側−背側の方向に約3mmに及び、内側−外側の方向に2mmに及んでいる。次に、電極を手で挿入して、アルギン酸カルシウムを供給した。
図2は典型的な手術移植の構成を例示しており、この図は、3個の骨ねじと共に、ラットの頭蓋の上面を示しており、1個のねじはオムネテイクス(Omnetics)(登録商標)コネクタ(オムネテイクス社(Omnetics)、ミネアポリス、ミネソタ州、米国)を骨に固定するために用いられており、他の1個のねじは接地電線を取り付けるために用いられている。この例示されている開頭術部位は所与のミシガン(Michigan)電極が移植されており、適当量のアルギン酸カルシウム(単に一例として、限定を伴わずに、アルゲル(ALGEL)(登録商標)(ニューラル・インターベンション・テクノロジーズ社(Neural Intervention Technologies)、アン・アーバー、ミシガン州)により充填されている。
前記アルギン酸カルシウムが二成分系のポリマーであるので、これらの成分は、単に一例として、2個の別々の1ccのツベルクリン注射器を用いて、投与または供給できる。さらに、アルギン酸カルシウムまたは塩化カルシウムの溶液の供給の別の手段が当業者において知られるであろう。前記実施例において、1個の注射器は約0.2ccの液体のアルギン酸カルシウムにより充填されていて、別の注射器は同量の塩化カルシウムにより充填されている。前記ポリマーを投与する場合に、1滴乃至2滴の液体のアルギン酸カルシウムが配給され、その直後に同数の液滴の塩化カルシウムが配給される。このアルギン酸カルシウムの重合はほとんど同時に生じるその液体のアルギン酸カルシウム中へのカルシウム・イオンの単純な拡散により生じる。なお、重合しないあらゆる溶液はガーゼの小片により即時に吸い取られる。この処理が行なわれた後に、その開頭術部位を完全に充填する幾つかの(2個乃至5個の)重合したアルギン酸カルシウムの層が存在するようになるまで、前記の処理を繰り返すことができる。図6は移植したミシガン(Michigan)電極へのアルギン酸カルシウムの薄層の投与の直後において外科顕微鏡により撮影した写真である。このようにして、所望の厚さが達成されると、前記装置を頭蓋にさらに固定するために、ポリメチル・メタクリレート(polymethyl methacrylate)(コ−オーラル−イテ・デンタル・マニュファクチュアリング・カンパニー(Co-Oral-Ite Dental Mfg. Co.))が供給される。
前記アルギン酸カルシウムの使用は長時間の期間にわたり機械的に安定で生体適合性でることが示されている。なお、本発明者はラットの中における微小電極の移植片に関連してアルギン酸カルシウムの供給を説明しているが(420日間)、このアルギン酸カルシウムはギニア・ブタ(90日間)および1匹のネコ(100日間)における前記と同様の供給のためにも用いられている。加えて、アルギン酸カルシウムはラビット、ヒツジおよびイノシシを含む幾つかの別の種における別の供給についても評価されている。この結果、アルギン酸カルシウムはこれらの記載されている場合のいずれにおいてもいずれの種類の有害な反応または組織の応答も示さなかった。
図3A乃至図3Cは、プローブ移植部位またはその近くにおいて最小の組織反応を伴って、本発明によるアルギン酸カルシウムのシーラントにより保護されているラットの皮質の組織学的な画像をそれぞれ示している(それぞれ、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月にわたり移植されているラット)。図3Aは残留しているアルギネート層の痕跡を伴う正常な軟膜の表面を示している(3ヶ月の移植)。図3Bは有害な組織応答を全く伴わずに見える移植プローブの跡および軟膜層を示している(6ヶ月の移植)。この皮質表面は完全であり、軟膜は肥厚化または反応を全く示していない。また、図3Cは9ヶ月の移植後においても依然として完全である軟膜層および皮質を示している。
さらに、EEGのデータは本発明のアルギン酸カルシウムおよび塩化カルシウムが脳の表面に置かれる場合に異常な神経の活性を顕在化しないことを示している。すなわち、アルギネートの硬膜シーラントにより処理されてモニターされた15匹のラットは制御された量の麻酔に対応している予測可能なずれを生じるEEG波(図4)を示している。この場合に、アルギネートおよび塩化カルシウムの皮質表面への直接的な供給の後に異常な神経の活性は全く見られなかった。一方、1匹のラットが発作の対照として採用されていて、皮質に対して局所的に供給されるかフィブリン・シーラントとの組み合わせにおいて供給される場合にネコおよびラットにおいて発作を誘発することが知られている薬品である、トラネキサム酸(tranexamic acid)(tAMCA)により処理されている。この場合に、そのtAMCAの供給の5分後に、痙攣性の行動および筋肉の痙動が左側のHL(心臓および肺)において最初に顕著になり、その後、胴部の左側に進展し、さらに、前足(FL)、頭部、および左側全体を含むまでに広がった(図5)。この発作の間に、その動物体は硬直した姿勢を続けながら、その頭部およびFL(前足)は不規則な痙攣および振るえを示していた。さらに、この発作は左側胴部、HL(心臓および肺)、および頭部の強い痙動を伴って続いた。これに対応するEEGはその発作期間中に相当な振幅の増加を示している(図5)。これに対して、本発明の使用に関して、前記の振幅の増加または異常なEEG信号は全く見られなかった。すなわち、異常なEEGの振幅の増加、ひきつり、または痙攣性の行動は、2時間のEEGの記録中において、アルギネートにより処理した前記15匹のラットにおいてはいずれの時間においても全く見られなかった。従って、本発明は改善された材料特性および生体適合性の特性を有する有効な人工的な硬膜材料を含む。
上記の好ましいおよび代替的な幾つかの実施形態に基づいて本発明が特定的に図示および説明されているが、これらの図示および説明が例示のためであって限定を目的としていないこと、および本明細書において説明されている本発明の実施形態に対する種々の変形例が以下の特許請求の各項において定められているような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく本発明を実施することにおいて使用可能であって、その趣旨および範囲は従来技術が容認する程度に広く解釈されるべきであること、を理解するべきである。
〔実施の態様〕
(1)神経外科処置の部位を密閉する方法であって、
所与の哺乳類動物における神経外科処置の部位に精製されたアルギネートの溶液を供給する処理と、
所与のポリマーを形成するために塩化カルシウムの溶液を添加する処理と、を含む方法。
(2)実施態様1に記載の方法であって、前記神経外科処置が神経プローブの移植を含む、方法。
(3)実施態様1に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が中枢神経系である、方法。
(4)実施態様1に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が脳である、方法。
(5)実施態様1に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が脊髄である、方法。
(6)実施態様1に記載の方法であって、前記哺乳類動物が人間である、方法。
(7)実施態様1に記載の方法であって、前記精製されたアルギネートの溶液が約50,000g/モル乃至約200,000g/モルの分子量の範囲を有するアルギネートにより構成されている、方法。
(8)実施態様1に記載の方法であって、前記精製されたアルギネートの溶液中の精製されたアルギネートの濃度が約1.00重量%乃至約2.5重量%である、方法。
(9)実施態様1に記載の方法であって、前記精製されたアルギネートが約20mPas乃至約200mPasの見かけの粘度を有する精製された高含有量のグルロン酸(guluronic acid)のアルギネートである、方法。
(10)実施態様1に記載の方法であって、前記精製されたアルギネートの溶液が1種類以上の治療用の薬物をさらに含む、方法。
(11)実施態様1に記載の方法であって、前記塩化カルシウムの溶液中の塩化カルシウムの濃度が約1.00重量%乃至約30.0重量%である、方法。
(12)神経外科処置の部位を可視化する方法であって、
所与の哺乳類動物における神経外科処置の部位に精製されたアルギネートの溶液を供給する処理と、
所与のポリマーを形成するために塩化カルシウムの溶液を添加する処理と、を含む方法。
(13)実施態様12に記載の方法であって、前記神経外科処置が神経プローブの移植を含む、方法。
(14)実施態様12に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が中枢神経系である、方法。
(15)神経外科処置の部位において移植されている神経プローブを安定化する方法であって、
所与の哺乳類動物における神経外科処置の部位に精製されたアルギネートの溶液を供給する処理を含み、前記神経外科処置が神経プローブの移植を含み、さらに
所与のポリマーを形成するために塩化カルシウムの溶液を添加する処理、を含む方法。
(16)実施態様15に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が中枢神経系である、方法。
アルギネートの構造および反応機構の図である。 二価のカルシウム・イオンの存在下における一般的な化学反応の図であり、カルシウムがカルボキシルの部位においてイオンの状態で置換されている。 典型的な外科的な調製の図である。 アルギン酸カルシウムにより保護されているラットの皮質の組織学的な画像である。 アルギン酸カルシウムにより保護されているラットの皮質の組織学的な画像である。 アルギン酸カルシウムにより保護されているラットの皮質の組織学的な画像である。 アルギン酸カルシウムを硬膜シーラントとして用いる場合の正常なEEGの一例を示している。 発作の応答を引き起こすことが知られている薬品であるtAMCAによる発作の管理の一例である。 移植した長期用のミシガン(Michigan)電極に対するアルギン酸カルシウムの薄層の投与の直後に外科顕微鏡により撮影した写真である。 アルゲル(ALGEL)インターフェイスおよびガラス・カバースリップにより構成されている開頭術部位の「ウインドウ(window)」の画像であり、28日間を通して透明性を示している。

Claims (16)

  1. 神経外科処置の部位を密閉する方法であって、
    所与の哺乳類動物における神経外科処置の部位に精製されたアルギネートの溶液を供給する処理と、
    所与のポリマーを形成するために塩化カルシウムの溶液を添加する処理と、を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記神経外科処置が神経プローブの移植を含む、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が中枢神経系である、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が脳である、方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が脊髄である、方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記哺乳類動物が人間である、方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記精製されたアルギネートの溶液が約50,000g/モル乃至約200,000g/モルの分子量の範囲を有するアルギネートにより構成されている、方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記精製されたアルギネートの溶液中の精製されたアルギネートの濃度が約1.00重量%乃至約2.5重量%である、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記精製されたアルギネートが約20mPas乃至約200mPasの見かけの粘度を有する精製された高いグルロン酸(guluronic acid)の含有量のアルギネートである、方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、前記精製されたアルギネートの溶液が1種類以上の治療用の薬物をさらに含む、方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記塩化カルシウムの溶液中の塩化カルシウムの濃度が約1.00重量%乃至約30.0重量%である、方法。
  12. 神経外科処置の部位を可視化する方法であって、
    所与の哺乳類動物における神経外科処置の部位に精製されたアルギネートの溶液を供給する処理と、
    所与のポリマーを形成するために塩化カルシウムの溶液を添加する処理と、を含む方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記神経外科処置が神経プローブの移植を含む、方法。
  14. 請求項12に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が中枢神経系である、方法。
  15. 神経外科処置の部位において移植されている神経プローブを安定化する方法であって、
    所与の哺乳類動物における神経外科処置の部位に精製されたアルギネートの溶液を供給する処理を含み、前記神経外科処置が神経プローブの移植を含み、さらに
    所与のポリマーを形成するために塩化カルシウムの溶液を添加する処理、を含む方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記神経外科処置の部位が中枢神経系である、方法。
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