JP2006516896A - ePAD、卵母細胞特異的タンパク質 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ePADタンパク質の活性なアンタゴニストを同定するための、ヒト卵細胞特異的タンパク質(ePAD)、ヒト卵細胞特異的タンパク質に対する特異的抗体および該ePADタンパク質の使用を目的とする。ePAD活性のアンタゴニストは、雌の避妊薬として有用性を持つことが期待されている。
Description
米国政府の権利
本発明は、国立健康研究所によって授与された、助成金番号HD38353およびU54 29099のもとに、米国政府の援助によりなされたものである。米国政府は本発明に関して一定の権利を持つ。
本発明は、国立健康研究所によって授与された、助成金番号HD38353およびU54 29099のもとに、米国政府の援助によりなされたものである。米国政府は本発明に関して一定の権利を持つ。
関連出願
本願は、35 U.S.C.§119(e)の下で、2003年1月10日に出願した米国仮特許出願60/439,170号および2003年1月19日に出願した同60/480,774号の優先権を主張するものである。なお、両出願の開示内容は、出典明示により本明細書の一部とする。
本願は、35 U.S.C.§119(e)の下で、2003年1月10日に出願した米国仮特許出願60/439,170号および2003年1月19日に出願した同60/480,774号の優先権を主張するものである。なお、両出願の開示内容は、出典明示により本明細書の一部とする。
背景技術
動物およびヒトに使用するための新規避妊薬の開発は非常に注目されてきた。1つのストラテジーは、受精過程に直接関連する抗原を特異的に標的とする有効な避妊薬ワクチンを開発することである。現在、精子卵融合工程の過程に直接関連している卵タンパク質を標的とするワクチン製剤はない。従って、本発明の一態様は、卵細胞特異的タンパク質に基づく避妊薬組成物および避妊方法を目的とする。
動物およびヒトに使用するための新規避妊薬の開発は非常に注目されてきた。1つのストラテジーは、受精過程に直接関連する抗原を特異的に標的とする有効な避妊薬ワクチンを開発することである。現在、精子卵融合工程の過程に直接関連している卵タンパク質を標的とするワクチン製剤はない。従って、本発明の一態様は、卵細胞特異的タンパク質に基づく避妊薬組成物および避妊方法を目的とする。
成長中、卵母細胞は、初期発生に必要な母方の遺伝子産物および細胞小器官のプールを蓄積する。十分に成長した卵において、転写のメカニズムはサイレントであり、排卵後、最終的に分化した卵は、精子と結合および融合しない場合に死滅する。しかし、受精がおこると、母方の遺伝子産物は、数時間以内で分化全能性の接合体へと卵の形質転換を編成する。配偶子融合後に、卵細胞質に伝搬されるカルシウム過渡物は、初期胚の後生的イベント、例えば、皮膚細胞骨格の改造化、皮膚の顆粒エキソサイトーシス、減数分裂の完了、極性体放出、および雄および雌の前核形成を媒介すると考えられるシグナル伝達カスケードの活性化へと導く。親クロマチンのプログラム再合成も、受精直後に起こると考えられ、2細胞期までに、母方翻訳物は胚性翻訳物によって置換され始め、胚ゲノムの完全な活性化に導く。しかし、母方ファクターは、少なくとも発生の桑実期までは、初期の胚中に継続しつづけている。
初期の胚において生理学的変化を媒介する構造的および分子的メカニズムの多くは、いまだ完全には特徴付けられていない。哺乳類の卵細胞の最も多い細胞骨格成分の1つは、細胞質シートと呼ばれる中間体フィラメントの繊維様網状組織である。これらの細胞小器官は、卵黄血小板(york plateles)あるいはリボゾーム貯蔵部位のいずれかであると以前は考えられていたが、電子顕微鏡試験により、高度に配列したシートが〜10nmファイバーのパラレルアレイを含んでなることが示された。この繊維様ネットワークは、架橋により安定化され、緊密に詰め込まれた粒状物質と共にかさなる。溶解性および免疫学的試験は、Tween-20不溶性架橋ファイバーがケラチン(ビメンチンやチューブリンではない)を含有しており、可溶性画分は、同定されていない「69kDaタンパク質」を主に含むことを示した。可溶性プロテインキナーゼCは、細胞質シート、リン酸化ケラチンおよび〜69kDa可溶性タンパク質と関連しており、これらのシートが受精時におこす空間的再編成における変化を開始することに関与し得る。卵母細胞発生中に生じる細胞質シートは、卵および初期胚に独特であり、哺乳類内で保存され、受精、緊密化および胞胚形成の決定的な発生経過中の広範な空間的再編成をうける。
ペプチジル・アルギニン・デイミナーゼ(PAD)は、タンパク質中のアルギニン残基をシトルリンに変換するカルシウム依存性メルカプト基酵素のファミリーを示す。PAD活性は、多様なエストロゲン様化合物によって上流調節されることがあきらかになっており、現在までに4つの型のPADが、基質特異性および組織分布のそのパターンのそれぞれの違いにより特徴分析されている。例えば、広く分布し、十分に特徴分析されたII型PADは、特に筋肉や脳内に豊富であり、ミエリン塩基性タンパク質の脱イミン化と関連する。顆粒球-分化したHL−60細胞で見出されたPADVは、脊髄細胞分化に機能すると考えられ、ヌクレオホスミンや脱イミン化に対してヒストンコアタンパク質を標的にするようである。IおよびIII型PADは、表皮において特徴付けられている;III型PADにより、毛胞中の毛硝子質を脱イミン化することがわかり、I型PADは、表皮分化中にケラチンおよびフィラグリンを脱イミノ化する。ケラチンおよびフィラグリンの脱イミノ化が、ケラチノサイト成熟中のフィラメントの仲立ちとなるケラチンの空間的編成における変化を誘導することが示唆されてきた。脱イミン化ケラチンは、18日目の胚で同定されたが、発生の初期段階で脱イミン化されたケラチンの存在は調べられていなかった。
卵母細胞の特異的なペプチジル・アルギニン・デイミナーゼ様タンパク質は2001年1月19日に提出された国際出願番号PCT/US01/01718(本開示は出典明示により本明細書の一部とする)に開示されていた。該ペプチジル・アルギニン・デイミナーゼ酵素のファミリーと該タンパク質との40%の同一性のために、該タンパク質は、卵および胚に豊富なPADということでePADと呼ばれてきた。このタンパク質は、第一次卵母細胞で発現され、少なくとも発生の胚盤胞期まで存続する。
超微細構造レベルでは、ePADは卵細胞質シートに局在することが見出された。すなわち、出願人は、サイトケラチンあるいは他のタンパク質に対して指向するePADに関連するアルギニン・デイミナーゼ反応が、初期発生中の細胞骨格の再編をもたらすと考える。このePAD機能によれば、このタンパク質は、その活性と干渉する避妊薬剤を単離するための魅力的な標的となる。
さらに、ヒストンのアミノ末端の翻訳後の修飾は、クロマチンの構造および機能のコントロールにおける中心的役割を担うと長い間考えられてきた。特に、ヒストンタンパク質およびその関連のある共有電子対の修飾がクロマチン構造を変化させ得るメカニズムに寄与するという証拠が出てきており、それによって、分化した高次に並んだ構造(国際出願番号PCT/US01/26283を参照されたい。また、この開示物は出典明示により本明細書の一部とする)を明確にすることによって、転写の「オン−オフ」状態で遺伝する相違または後生的情報の安定な伝搬へと導く。ヒストン修飾を介する親のクロマチンのプログラムの再生は、受精直後におこると考えられる。1つの主な予測は、該ヒストンの「マーク」が、胚の分化全能性を回復するために、胚形成前に消去されることである。ヒストンコードをリセットするためのメカニズムは知られていないが、本明細書に記載したように、ePADがこのようなメカニズムに一つの機能をはたすことが予測される。
本発明の様々な実施態様の要約
本発明は、ヒト卵細胞特異的タンパク質(ePAD)、ヒト卵細胞特異的タンパク質に特異的な抗体および該タンパク質をコードしている核酸配列、さらにかかる化合物を含有する組成物を指向する。ある実施態様において、ePADタンパク質および核酸配列は、避妊薬ワクチン中の成分として使用される。本発明の、アミノ酸、核酸または抗体を含む組成物は、受精の診断用インジケーターとして本発明に従って使用され得る。
本発明は、ヒト卵細胞特異的タンパク質(ePAD)、ヒト卵細胞特異的タンパク質に特異的な抗体および該タンパク質をコードしている核酸配列、さらにかかる化合物を含有する組成物を指向する。ある実施態様において、ePADタンパク質および核酸配列は、避妊薬ワクチン中の成分として使用される。本発明の、アミノ酸、核酸または抗体を含む組成物は、受精の診断用インジケーターとして本発明に従って使用され得る。
(実施態様の詳細な説明)
定義
本発明の説明および請求項において、下記技術用語は、下記の定義に従って使用される。
本明細書中で用いるとき、用語「精製した」および同様の語は、本来の環境において分子または化合物と通常付随する他成分に比して、分子または化合物が豊富になることに関連する。該用語「精製した」は、特定分子の完全な純度が該過程中で達成されていることを必ずしも意味するものではない。本明細書中で用いるときに、「高度に精製した」化合物は、90%以上純粋である化合物を示す。
定義
本発明の説明および請求項において、下記技術用語は、下記の定義に従って使用される。
本明細書中で用いるとき、用語「精製した」および同様の語は、本来の環境において分子または化合物と通常付随する他成分に比して、分子または化合物が豊富になることに関連する。該用語「精製した」は、特定分子の完全な純度が該過程中で達成されていることを必ずしも意味するものではない。本明細書中で用いるときに、「高度に精製した」化合物は、90%以上純粋である化合物を示す。
本明細書中で用いるとき、用語「医薬的に許容し得る担体」は、あらゆる標準的な医薬的担体、例えば、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、油/水型または水/油型などのエマルジョン、および種々の型の湿潤剤を包含する。該用語は、米国連邦政府の管理機関によりヒトを包含する動物に使用するために使用を認可されたあらゆる薬剤や、米国局方に列挙されたあらゆる剤を包含する。
ポリリンカーは、連続した3つ以上の接近して区切られた制限エンドヌクレアーゼ認識配列を含む核酸配列である。
「作動可能に結合した」は、該成分がそれらの通常の機能を行うように配置された並置を示す。すなわち、コード化配列に作動可能に結合したコントロール配列またはプロモーターは、コード化配列の発現を有効にし得る。
「作動可能に結合した」は、該成分がそれらの通常の機能を行うように配置された並置を示す。すなわち、コード化配列に作動可能に結合したコントロール配列またはプロモーターは、コード化配列の発現を有効にし得る。
本明細書中で用いるとき、「核酸」「DNA」および同様の語は、核酸アナログ、すなわちホスホジエステル以外のバックボーンを有するアナログを包含する。例えば、当分野では既知であり、バックボーンにホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有するいわゆる「ペプチド核酸」は、本発明の範囲内であると考えられる。
用語「ペプチド」は、3以上のアミノ酸の配列を包含し、この場合、当該アミノ酸は、天然または合成の(非天然)アミノ酸である。ペプチド擬態は1以上の下記の修飾を有するペプチドを包含する:
1.1以上のペプチジル−C(O)NR−結合が、例えばCH2カルバメート結合(−CH2OC(O)NR−)、ホスホン酸塩結合、CH2スルホンアミド(−CH2S(O)2NR−)結合、尿素(−NHC(O)NH−)結合、−CH2−二次アミン結合のような非ペプチジル結合によって置換されるか、またはアルキル化ペプチジル結合(−C(O)NR−)(RはC1−C4アルキルである)によって置換されている、ペプチド:
2.N末端が、−NRR1基、-NRC(O)R基、-NRC(O)OR基、-NRS(O)2R基、-NHC(O)NHR基、式中、RおよびR1は水素またはC1−C4アルキルであるが、但しRおよびR1両方が水素ではない、に誘導されているペプチド;
3.C末端が、−C(O)R2(式中、R2はC1-C4アルコキシからなる群から選択される)、NR3R4(式中、R3およびR4は、水素およびC1−C4アルキルからなる群から独立して選択される)に誘導される、ペプチド。
1.1以上のペプチジル−C(O)NR−結合が、例えばCH2カルバメート結合(−CH2OC(O)NR−)、ホスホン酸塩結合、CH2スルホンアミド(−CH2S(O)2NR−)結合、尿素(−NHC(O)NH−)結合、−CH2−二次アミン結合のような非ペプチジル結合によって置換されるか、またはアルキル化ペプチジル結合(−C(O)NR−)(RはC1−C4アルキルである)によって置換されている、ペプチド:
2.N末端が、−NRR1基、-NRC(O)R基、-NRC(O)OR基、-NRS(O)2R基、-NHC(O)NHR基、式中、RおよびR1は水素またはC1−C4アルキルであるが、但しRおよびR1両方が水素ではない、に誘導されているペプチド;
3.C末端が、−C(O)R2(式中、R2はC1-C4アルコキシからなる群から選択される)、NR3R4(式中、R3およびR4は、水素およびC1−C4アルキルからなる群から独立して選択される)に誘導される、ペプチド。
ペプチド中の天然アミノ酸残基は、下記のように、IUPAC IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されているとおりに略される:フェニルアラニンはPheまたはFである;ロイシンはLeuまたはLである;イソロイシンはIleまたはIである;メチオニンはMetまたはMである;ノルロイシンはNleである;バリンはValまたはVである;セリンはSerまたはSである;プロリンはProまたはPである;スレオニンはThrまたはTである;アラニンはAlaまたはAである;チロシンはTyrまたはYである;ヒスチジンはHisまたはHである;グルタミンはGlnまたはQである;アスパラギンはAsnまたはNである;リシンはLysまたはKである;アスパラギン酸はAspまたはDである;グルタミン酸はGluまたはEである;システインはCysまたはCである;トリプトファンはTrpまたはWである;アルギニンはArgまたはRである;グリシンはGlyまたはGである、そしてXは任意のアミノ酸である。他の天然アミノ酸は、実施例4の方法では、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシリシンおよび類似物を包含する。
合成または非天然アミノ酸は、イン・ビボで天然に存在しないアミノ酸のことをいうが、いうまでもなく、本明細書に記載のペプチド構造に導入され得るアミノ酸である。得られる「合成ペプチド」は、ペプチドの1、2またはそれ以上の位置でアミノ酸を遺伝的にコードした、20個の天然アミノ酸以外のアミノ酸を含有する。例えば、ナフチルアラニンはトリプトファン(trytophan)に置換されて、合成を促進し得る。ペプチド内で置換され得る他の合成アミノ酸は、L-ヒドロキシプロピル、L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニル、α-アミノ酸、例えばL-α-ヒドロキシリシル(hydroxylysyl)およびD-α-メチルアラニル、L-α-メチルアラニル、β-アミノ酸およびイソキノリルを包含する。D-アミノ酸および非天然合成アミノ酸もまた、ペプチドに導入され得る。他の誘導体は、20個の遺伝的にコードされたアミノ酸(または、あらゆるLまたはD-アミノ酸)の天然側鎖と別の側鎖との置換を包含する。
本明細書中で用いるとき、用語「保存アミノ酸置換」は、下記5つの群のうちの1つの中のアミノ酸交換として、本明細書中に定義される:
I.小分子脂肪族(small aliphatic)、非極性または弱い極性残基:
Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性、陰性荷電残基およびそれらのアミド:
Asp、Asn、Glu、Gln;
III.極性、陽性荷電残基:
His、Arg、Lys;
IV.大分子脂肪族、非極性残基:
Met、Leu、Ile、Val、Cys
V.大分子芳香族基:
Phe、Tyr、Trp
I.小分子脂肪族(small aliphatic)、非極性または弱い極性残基:
Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性、陰性荷電残基およびそれらのアミド:
Asp、Asn、Glu、Gln;
III.極性、陽性荷電残基:
His、Arg、Lys;
IV.大分子脂肪族、非極性残基:
Met、Leu、Ile、Val、Cys
V.大分子芳香族基:
Phe、Tyr、Trp
本明細書中で用いるとき、用語「抗体」は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体またはその結合フラグメント、例えばFab、F(ab’)2およびFvフラグメントをいう。
本明細書中で用いるとき、用語「ePAD抗体」は、配列番号:1または配列番号3のアミノ酸配列に特異的に結合する抗体をいう。
本明細書中で用いるとき、用語「ePAD抗体」は、配列番号:1または配列番号3のアミノ酸配列に特異的に結合する抗体をいう。
本明細書中で用いるとき、用語のePADポリペプチドの「生物学的に活性なフラグメント」または「生物活性フラグメント」は、完全長タンパク質の天然または合成の一部を包含し、それら天然リガンドに特異的に結合し得る。
本明細書中で用いるとき、用語「非天然プロモーター」は、コード化配列およびプロモーターが天然に関連していない(すなわち、組換え体プロモーター/コード化配列構築体)コード化配列に作動可能に結合したあらゆるプロモーターをいう。
本明細書中で用いるとき、用語「非天然プロモーター」は、コード化配列およびプロモーターが天然に関連していない(すなわち、組換え体プロモーター/コード化配列構築体)コード化配列に作動可能に結合したあらゆるプロモーターをいう。
本明細書中で用いるとき、トランスジェニック細胞は、導入された核酸配列によりコードされた遺伝子の発現を可能にする様式で、該細胞に導入される核酸配列を含む、あらゆる細胞である。
本明細書中で用いるとき、用語「処置する」は、特定の異常または病状に関連する徴候を緩和すること、および/または該徴候を予防または除去することを包含する。例えば、癌を処置することは、癌細胞の増殖および/または分裂を予防または遅延させること、さらに癌細胞を死滅させることを包含する。
本明細書中で用いるとき、用語「処置する」は、特定の異常または病状に関連する徴候を緩和すること、および/または該徴候を予防または除去することを包含する。例えば、癌を処置することは、癌細胞の増殖および/または分裂を予防または遅延させること、さらに癌細胞を死滅させることを包含する。
実施態様
国際出願番号PCT/US01/01718(本開示物を出典明示により本明細書の一部とする)に開示されたように、ePADは、マウスの卵においてこれまで特徴分析されている最も豊富なタンパク質の一つである。この非常に豊富な卵および胚タンパク質は、卵形成の第一次卵母細胞期から少なくとも発生の胚盤胞期まで発現される。超微細構造レベルで、ePADは卵細胞質シート、即ち、初期発生中でそれらの構造において変化を起こすことが知られるケラチンを含有する構造に局在する。
国際出願番号PCT/US01/01718(本開示物を出典明示により本明細書の一部とする)に開示されたように、ePADは、マウスの卵においてこれまで特徴分析されている最も豊富なタンパク質の一つである。この非常に豊富な卵および胚タンパク質は、卵形成の第一次卵母細胞期から少なくとも発生の胚盤胞期まで発現される。超微細構造レベルで、ePADは卵細胞質シート、即ち、初期発生中でそれらの構造において変化を起こすことが知られるケラチンを含有する構造に局在する。
ヒトおよびマウスePADの核酸配列は、各々配列番号:2および配列番号:4に示されており、導き出されたヒトおよびマウスアミノ酸配列は、各々配列番号:1および配列番号3として示される。Blast相同性探索では、マウスePADが、酵素のペプチジル・アルギニン・デイミナーゼ(PAD)ファミリーと最も類似している(40%同一性、60%陽性、5%ギャプ)ことを示す。PADは、カルシウムの存在下でタンパク質のアルギニン残基をシトルリン残基に変換する翻訳後修飾酵素である(図1を参照されたい)。ヒトおよびマウスのePAD遺伝子は、それらの各ゲノムにおいて1つのコピー遺伝子として両方存在しており、マウスおよびヒトタンパク質は、約61%配列同一性と76%の保存された配列同一性を共有する。
本発明の1つの実施態様に従って、配列番号:1のアミノ酸配列、または1以上の保存アミノ酸置換による配列番号:1とは異なるアミノ酸配列を含む精製したポリペプチドが提供される。本発明のポリペプチドは、組換え的に産生したポリペプチドの安定化および/または精製においてアシストするためにさらなるアミノ酸配列を包含し得る。これらのさらなる配列は、当業者には既知の細胞間または細胞内の標的ペプチドまたは多様なペプチドタグを包含する。ある実施態様において、精製したポリペプチドは、配列番号:1のアミノ酸およびペプチドタグを包含する(ここで、該ペプチドタグはePADペプチド配列に結合される)。このような融合タンパク質および適当なペプチドタグを発現するための適当な発現ベクターは、当業者には既知であり、市販購入し得る。ある実施態様において、該タグはHisタグを包含する。
また、本発明は、ヒトePADをコードする核酸配列を包含する。ある実施態様において、配列番号:2またはそのフラグメントの配列を含む精製した核酸配列が提供される。本発明は、組換え体ヒトePAD遺伝子構築体を包含する。ある実施態様において、組換え体遺伝子構築体は、配列番号:2を含む核酸配列と作動可能に結合した非天然プロモーターを含む。非天然プロモーターは、予め決定された宿主細胞中で発現を可能にする強力な構成プロモーターが好ましい。これらの組換え体遺伝子構築体は、宿主細胞に導入され、ePAD遺伝子産物を合成するトランスジェニック細胞系を作成する。宿主細胞は、広範で多様な真核生物および原核生物から選択され、2つの好ましい宿主細胞はE.coliおよび酵母細胞であり得る。
1つの実施態様に従って、配列番号:2を含む核酸配列は、該遺伝子配列を適切な調節配列に作動可能に結合し、ヒトePADが真核生物または原核生物宿主細胞において発現されるような様式で、真核生物由来または原核生物的発現ベクター中に挿入される。ある実施態様において、該遺伝子構築体は、真核生物プロモーターに作動可能に結合する配列番号:2または配列番号:4の核酸配列を含む。適当な真核生物宿主細胞およびベクターは、当業者には既知である。また、バキュロウイルス系は、トランスジェニック細胞を産生するため、および発明のePAD遺伝子を合成するために適当である。本発明の一態様は、ヒトePADおよびヒトePADコード化配列のフラグメントを発現する組換え遺伝子を含有するトランスジェニック細胞系を目的とする。本明細書中で用いるとき、トランスジェニック細胞は、外来的に導入された核酸配列を含むあらゆる細胞である。
ある実施態様において、導入された核酸は、トランスジェニック細胞(すなわち、細胞ゲノム中に伝わるか、あるいは高複製プラスミドに存在する)において充分安定であり、後代細胞に伝搬される。該細胞は、標準的細胞培養方法か、別の実施態様を用いてイン・ビトロで伝搬され得る。該宿主細胞は、真核生物細胞であり、例えば、非ヒトトランスジェニック動物を包含する非ヒト動物の一部分として伝搬される。ある実施態様において、該トランスジェニック細胞は、イン・ビトロで伝搬されたヒト細胞であり、配列番号:2の核酸配列を含む。
また、本発明は、ヒトおよびマウスePADを産生するための方法を包含する。該方法は、宿主細胞内にヒトまたはマウスePADをコードする配列を含む核酸配列を導入し、導入されたヒトePAD遺伝子の発現を可能にする条件下で宿主細胞を培養する工程を含む。一つの実施態様において、該プロモーターは、条件的もしくは誘導性プロモーターであり、あるいは該プロモーターは、組織特異性または暫定的に制限されたプロモーター(すなわち、作動可能に結合された遺伝子は、特異的組織または特定時期においてのみ発現する)であってもよい。合成されたePADは、標準的技術を用いて精製され得、ePAD活性の阻害剤を識別するためにハイ・スループット・スクリーンに使用され得る。一方、一つの実施態様において、組換え的に産生されたePADポリペプチド、またはそのフラグメントは、ヒトまたはマウスePADに対する抗体を産生するために使用される。組み換え的に産生したePADタンパク質は結晶構造を得るために使用され得る。かかる構造は、ePAD機能を阻害するための特異的な薬物の設計へと導く結晶学的分析を可能にする。
完全なマウスcDNA配列を用いて、COC、卵巣、心臓、脳、脾臓、肺、肝臓、小腸、腎臓および精巣由来のポリ(A)+mRNAを含有するノーザン・ブロットをプローブした。卵丘卵母細胞複合体(COC)のレーンは、排卵された卵から単離されたmRNAを示しており、最近排卵した卵と関連のある支持細胞および組織を包含する。該ノーザン・ブロット分析は、マウスePADmRNAが卵巣で豊富に発現し、そしてノーザン・ブロットePADのmRNA発現に関する長期暴露により、非常に少ない程度であるが精巣中でも検出されたことを示した。
ヒト卵および8つの細胞ヒト胚におけるePADの免疫蛍光局在性は、マウス組換え体ePAD(実施例1および2を参照されたい)に対する抗体を用いて行った。細胞質染色は、ePADIgGとインキュベートした分裂中期IIの卵と8細胞胚で観察され、卵/胚が前免疫IgGとインキュベートされた場合、染色は顕性ではなかった。さらに、一次卵胞の細胞染色は、ePAD血清とインキュベートした卵巣断面において見られた。また、染色は卵巣断面を前免疫血清とインキュベートした場合には見られなかった。すなわち、間接的な免疫蛍光により、ePADはヒト卵母細胞および胚の細胞質中に豊富に存在しており、ヒト卵巣組織中の一次卵胞に存在することが明らかになった。
ヒトePADの発生的発現パターンと卵細胞質シートとの関連は、このタンパク質が、細胞の細胞構造においてある機能を果たしており、そのため、避妊薬剤を同定するための標的として役立つことを示唆する。以前の実験では、細胞質シートが、Tween-20 洗剤の可溶性タンパク質成分で被覆されるTriton X-100 洗剤での不溶性中間体フィラメントの高度に交差したネットワークからなることを示している。シートの最も豊富な可溶性成分は、分子レベルで特徴分析されていない〜69kDaタンパク質である。細胞骨格シートに対するePADの局在化、その溶解特性およびその分子量(75vs.69kDa)から、ePADが前記文献に記載の可溶性の〜69kDaタンパク質であると推測される。不溶性成分の分子的性質は、一部特徴付けられており、サイトケラチンを含有すると示される。ケラチンは表皮細胞において充分特徴分析されたPAD基質のようなものであるため、卵および胚においてePADに対する基質であると考えられる。
表皮細胞において、ケラチンおよびフィラグリンにおいて特異的なアルギニン残基の脱イミン化は、予め存在する細かいサイトケラチンネットワークを、より緊密な塊の線状フィラメント様構造に変換することに関与すると知られている。この再編成は、非有精卵において先在している多重ラメラ、渦巻様パターンが、受精接合体内でより線状に配置されるようになるその卵中の細胞骨格シートにおいて説明されてきた変化を暗示(reminiscent)するものである。簡単にいうと、該シートは、各割球内で一方は頂部原形質膜に固定され、各割球内の基底側表面に対して下方に伸張され、高度な極性化構造として現れる。ePADのタンパク質発現に伴い、発生の胚盤胞期までにシート密度が減少し始める。栄養外胚葉において、このシートは原形質層の近傍に局在するが、一方で内部細胞において多数の卵割球シートはより中心に局在する傾向となる。
PADがカルシウム依存性の酵素であるために、大きなカルシウム過渡物が精子卵融合後に生じると知られてから、受精は潜在的ePAD活性について特に興味のある発生段階を示す。受精後、カルシウム過渡物がePADを活性化し、次いでケラチンを脱イミン化し、観察された細胞骨格シート再編成を起こすことが想像でき、そのため、かかる再編成は精子の内在化や極性体の放出に重要であり得る。
細胞骨格シートのケラチンに加え、他のタンパク質は、受精でのePAD候補脱イミノ化標的を示す。例えば、プロタミン、アルギニン富化(〜60%アルギニン残基)精子-特異的ヒストン様タンパク質が、PADについて優れたイン・ビトロ基質であると知られている(Sugawara et al., 1982, J. Biochem (Tokyo) 99, 1417-24)。基質の脱イミノ化が、二次構造における変化を与えると、ePADによる精子のプロタミンの脱イミノ化に続く配偶子融合が、核の脱凝縮を促進する。実際、本明細書で報告したように、市販購入し得る骨格筋肉PADは、イン・ビトロで精子クロマチンを容易に脱凝縮する。さらに、ヒストンがPADに対する基質であるので、ePADも配偶子ヒストンと特異的に相互作用することが予測される、すなわち卵と精子の融合に対する雄核の脱凝縮に関連が有り得る。
従って、本発明の一態様は、ePAD活性を阻害する薬剤、すなわち避妊薬剤として働く物質の薬剤の単離を指向する。一つの実施態様に従って、ヒトおよびマウスePAD遺伝子産物を用いて、ePADの酵素活性(例えば、ePADデイミナーゼ活性の阻害)の特異的阻害剤についてスクリーンする。これらの阻害剤は、意図しない妊娠を予防するために、本発明に従って単独または他の避妊薬剤と組合せて用いられる。
一つの実施態様に従って、ePADの酵素活性を阻害する化合物を同定するための方法が提供される。一つの実施態様において、該方法は、ePAD阻害剤候補物質の存在下に、ヒトePADタンパク質をメチル化ペプチド基質と予め決められた時間接触すること、産生される脱メチル化ペプチドの量を測定すること(残存メチル化ペプチドと対比させること)、その量をePAD阻害剤候補非存在下で、基質がヒトePADタンパク質と接触する場合に産生される脱メチル化ペプチドの量と比較する工程を含む。基質をePADタンパク質と接触する時間の長さは、基質濃度に対してサンプル中に存在するePADタンパク質の量に依存する。通常、予め決められる時間の長さは、阻害剤の非存在下かつ至適条件(温度、pHなど)下で、75%以上の基質が設定時間後に脱メチル化されるように選択される。脱メチル化ペプチドの相対量は、標識されたメチル化基質の使用(ここで、脱メチル化により標識が除去される)またはメチル化または非メチル化ペプチドに特異的である抗体を使用することにより決定され得る。ある実施態様において、メチル化ペプチド基質は、SGR*GKGGKGC(配列番号:6)、ARTK*QTAR(配列番号:7)およびQTARK*STGV(配列番号:8)から選択されるペプチドを含む(ここで、*はメチル化残基を示す)。メチル化ペプチドに対して特異的である抗体は、PCT/US01/26283に開示されており、本開示物を出典明示により本明細書の一部とする。
別の実施態様において、ePAD活性の阻害剤は、ペプチジル・アルギニンのシトルリンへの変換を測定することによって同定され得る。この実施態様に従って、該方法は、予め決められた時間、潜在的ePAD阻害剤の存在下、ヒトePADタンパク質をペプチジル・アルギニンペプチド基質と接触させ、そして産生されるシトルリンペプチドの量を測定する工程を含む。潜在的阻害剤の存在下で生成されるシトルリンの量は、該基質が潜在的ePAD阻害剤の非存在下でヒトePADタンパク質と接触される場合に生成されるシトルリンペプチドの量と比較される。
本発明の別の実施態様に従って、配列番号:1の精製したアミノ酸配列またはその抗原性フラグメントを含む抗原組成物が提供される。該組成物は、医薬的に許容し得る担体またはアジュバンドと組合せて、雌哺乳類に投与して免疫応答を誘導する。かかる組成物は、ePADタンパク質に対する抗体を生成するための利便性を持ち、一つの実施態様においては避妊薬ワクチン製剤として使用される。本発明のワクチンは、多価または一価であり得る。多価ワクチンは、1つ以上の抗原の発現を指向する組換え体ウイルス/ベクターから作成される。
本発明の一つの実施態様において、活性な免疫応答を導くために、配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはその抗原性フラグメントは、対象に送達される。抗原組成物によって誘導された免疫応答は、ePADタンパク質の機能に関する一時的かつ可逆的アンタゴニストとして作用する。例えば、かかる抗原組成物は、対象の能動免疫化に使用され、抗体応答をおこして、卵子抗原への精子の接近を一時的に阻害する。本発明の一つの実施態様において、抗原は、月の一定期間、例えば雌対象の排卵中に投与し、受精を妨害し得る。
本発明の別の態様において、配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその抗原性フラグメントは、対象の永続性不妊用ワクチンとして使用される。かかるワクチンは、オトリティック効果(othoritic effect)を有し、不可逆的不妊方法として有用な、卵へのT細胞媒介アタックを誘起するために使用されうる。T細胞特異的応答を発生させる方法、例えば、養子免疫治療のための方法は、当業者にはよく知られている(例えば、Vaccine Design, Michael F. Powell および Mark J. Newman Eds., Plenum Press, New York, 1995, pp 847-867を参照されたい)。このような技術は、単回用量の予防接種が望まれる場合、獣医用避妊薬または不妊目的のためには特に有用であり得る。
ワクチンの適当な調製物には、液体溶液または懸濁液のいずれかの注射可能薬物を含む;注射の前に液体中の溶液(または懸濁液)に適当な固体形態もまた調製され得る。該調製物は乳化され得るか、該ポリペプチドはリポソームに封入され得る。活性な免疫原成分は、医薬的に許容し得、かつ活性成分と相溶性の賦形剤と混合されることが多い。適当な賦形剤は、例えば、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組合せ物である。さらに、所望であれば、ワクチン調製物は、少量の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤および/またはワクチンの有効性を増強するアジュバンドも含み得る。
有効であり得るアジュバンドの例には、無機性ゲル、例えば水酸化アルミニウム、界面活性剤、例えばリゾレシチン、プルロニックポリオール;ポリアニオン;ペプチド;油性エマルジョン;アルムおよびMDP;N−アセチル-ムラミル-L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル-ノル-ムラミル-L−アラニル−D−イソグルタミン、N−アセチルムラミル-L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン-2-(1'−2'-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン、水酸化アルミニウムを包含するが、これに限定するものではない。
アジュバンドの有効性は、配列番号:1のタンパク質由来の配列を含む免疫原ポリペプチドに対する抗体と、多様なアジュバンドを含む組成物中のこのポリペプチドの投与により生じる抗体とを比べて、該誘導を測定することによって決定されうる。本発明のワクチンの有効用量(免疫化する量)は、動物モデル試験系から誘導された用量応答曲線から推定され得る。
ポリペプチドは、中性のまたは塩形態としてワクチン中に処方され得る。薬学的に許容される塩は、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基で形成された)であり、これは例えば、塩化水素またはリン酸などの無機酸、あるいは有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸および類似物などと共に形成される。遊離カルボキシル基と形成される塩は、無機塩基、それ自身、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化鉄や例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基からも誘導され得る。
本発明は、本発明の抗原組成物を含有するePADの有効な免疫化用量を動物に投与することを含めて動物を免疫化する方法を提供する。ある実施態様において、抗原組成物は、配列番号:1のアミノ酸配列それ自体、または他の卵細胞特異的抗原との組合せを含む。また、免疫原は、ワクチン製剤における使用のために、リポソーム中に導入され得るか、またはポリサッカライドおよび/または他のポリマーと接合され得る。例えば、組換え体抗原がハプテン、即ち免疫応答を誘起することはできないという点で免疫原ではないが同種抗体と選択的に反応し得る点で抗原性である分子である場合、該ハプテンは担体または免疫原分子に共有結合し得る;例えば、大きなタンパク質、例えば血清アルブミンは、それに結合したハプテンに免疫原性を付与する。ワクチンが投与される患者は、好ましくは哺乳類、もっとも好ましくはヒト、非ヒトも包含するが、動物、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、トリ(例えば、ニワトリ)、ヤギ、ネコ、イヌ、ハムスター、マウスおよびラットを包含するが、これに限定しない。
また、本発明は、ヒトePADの発現または活性を阻害する(すなわち、転写ファクター阻害剤、アンチセンス、干渉性オリゴヌクレオチドおよびリボザイム分子、または遺伝子または調節配列置換構築体)化合物またはヌクレオチド構築体、さらにePADの活性と干渉する抗体を包含するアンタゴニストおよびアゴニストを含む。該ヒトePAD(HePAD)遺伝子は、配列番号:2の配列に加えて他のヒト遺伝子ファミリーメンバーまたはそれらの誘導体を含む核酸を包含する。
本発明の一つの実施態様によれば、ヒトおよび/またはマウスePADポリペプチドに特異的に結合する抗体が提供される。ある実施態様に従って、配列番号:1のポリペプチドに特異的に結合する抗体が提供される。本発明に従って生成された抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ(すなわち、「ヒト化」抗体)、1本鎖(組換え体)、FabフラグメントおよびFab発現ライブラリーによって産生されるフラグメントを包含するが、これに限定されない。これらの抗体は、ePADの適切な発現または過剰発現によって特徴付けられる症状または疾患を診断するための診断剤として、またはePADアゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤の有効性をモニターするためのアッセイにおいて使用され得る。該抗体は、修飾をするか、または修飾しないで使用され得、そしてレポーター分子と、共有結合または非共有結合のいずれかで、それらを結合することによって標識され得る。さらに、該抗体は、標準的担体を用いて処方されるか、所望により治療用または診断用組成物を調製するために標識される。
一つの実施態様に従って、別のヒトエピトープ(別のヒトPADを包含する)に結合しないでヒトePADに結合する抗体が提供され、一つの実施態様において、配列番号:3のマウスePAD配列に結合しないで配列番号:1のアミノ酸配列に特異的に結合する抗体が提供される。特に、配列番号:1のアミノ酸配列、またはアナログまたはそれらのフラグメントは、免疫原として使用され、かかる免疫原を免疫特異的に結合する抗体を産生し得る。本発明の一つの実施態様において、抗原化合物は、抗体産生のために提供され、該化合物はEPFGAQRSSSQSFVPLLPVSEVSQAQEA(配列番号5) のアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む。ヒトePADに対して生じた抗体は、標準的技術を用いて生成され、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、一本鎖、Fabフラグメント、およびFab発現ライブラリーを包含するが、これに限定しない。生成された抗体は、標準的担体を用いて処方され、所望により治療用または診断用組成物を調製するために標識され得る。一つの実施態様において、ePAD特異的抗体および医薬的に許容し得る担体を含む組成物が提供される。一つの実施態様において、該組成物は、界面活性剤、アジュバンド、賦形剤または安定剤をさらに包含する。一般的には、水、生理食塩水、水性デキストロース、および関連のある糖溶液、およびグリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールが液体担体として、特に注射可能溶液が好まれる。
当業者には既知の様々な方法が、ヒトePADまたは誘導体またはそれらのアナログに対するポリクローナル抗体の製造のために用いられ得る。抗体製造のために、多様な宿主動物(ここで、該宿主動物は、ウサギ、マウス、ラットなどを包含するが、これに限定しない)は、配列番号:1のポリペプチド、または合成形式、またはそれらの誘導体(例えば、フラグメント)を用いて注射により免疫化される。多様なアジュバンドは、宿主種に依存して、免疫学的応答を増加させるために使用され得、そしてフロイントの(完全なおよび不完全な)アジュバンド、無機ゲル、例えば水酸化アルミニウム、界面活性剤、例えばリゾレシチン、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、スカシ貝ヘモシアニン、ジニトロフェノール、そして潜在的に有用なヒトアジュバンド、例えばBCG(bacille Calmette-Guerin)およびcorynebacterium parvumを包含するが、これに限定しない。
配列番号:1の配列、またはそのフラグメントに対して指向するモノクローナル抗体の製造のために、培養のセルライン系によって抗体分子の製造のために提供されるあらゆる技術が用いられ得る。例えば、ハイブリドーマ技術は、ヒトモノクローナル抗体を産生するために、当初、KohlerおよびMilstein(1975, Nature 256:495-497)、さらにトリオーマ(trioma)技術、ヒトB−細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al., 1983, Immunology Today 4:72)およびEBV−ハイブリドーマ技術によって開発された(Cole et al., 1985, in Monoclonal antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96)。本発明の別の実施態様において、モノクローナル抗体は、最近の技術(PCT/US90/02545)を利用して無菌動物中で作成されうる。本発明に従って、ヒト抗体を用いて、ヒトハイブリドーマ(Cote et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:2026-2030)を用いるか、これはヒトB細胞をEBVウイルス(Cole et al., 1985, in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, pp. 77-96)を用いてイン・ビトロで形質転換することによって得ることができる。一つの実施態様において、SLLPポリペプチドのエピトープに特異的なマウス抗体分子由来の遺伝子を、適切な生物学的活性のヒト抗体分子由来の遺伝子と共にスプライシングすることにより、"キメラ抗体"の製造のために開発された技術(Morrison et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:6851-6855; Neuberger et al., 1984, Nature 312:604-608; Takeda et al., 1985, Nature 314:452-454)を用い得る;例えば"ヒト化”抗体は本発明の範囲内である。
本発明に従って、1本鎖抗体の製造のために記載された技術(米国特許4,946,778)は、ヒトePAD1本鎖抗体を産生するために適用し得る。本発明のさらなる実施態様は、Fab発現ライブラリーの構築のために記載された技術を利用して(Huse et al., 1989, Science 246:1275-1281)、ヒトePAD、誘導体またはアナログに対して所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ簡単な同定を可能にする。
分子の遺伝子型を含有する抗体フラグメントは、既知の技術によって生成され得る。例えば、かかるフラグメントは、抗体分子のペプシン消化によって産生され得るF(ab')2フラグメント;F(ab')2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成されうるFab'フラグメント、パパインおよび還元剤で抗体分子を処置することによって生成され得るFabフラグメントおよびFvフラグメントを包含するが、これに限定するものではない。
抗体の製造において、所望の抗体についてのスクリーニングは、当業者の技術、例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)によって達成され得る。例えば、ヒトePADの特異的ドメインを認識する抗体を選択するために、当業者は、かかるドメインを含有するペプチドに結合する生成物に対して、生成したハイブリドーマをアッセイし得る。マウスePADに特異的に結合しないがヒトePADを特異的に結合する抗体の選択のために、当業者は、ヒトePADに陽性的に結合し、そしてマウスePADへの結合しないことを基準に選択され得る。さらに、ヒトePAD配列に特異なペプチド抗原フラグメントが、ヒト特異的ePAD抗体を生成する見込みを高めるために選択され得る。
前記抗体は、ヒトePADの局在性および活性に関連する当業者には既知の方法、例えば、これらのタンパク質を画像化するため、適切な生理学的サンプル中のそれらのレベルを測定するため、診断方法などに使用され得る。ePAD抗原に対して生じた抗体は、避妊薬または不妊薬(すなわち、受動免疫治療)として使用され得るか、診断用イムノアッセイにおいてまたは抗遺伝子型抗体の生成のために使用され得る。例えば、一つの実施態様において、ePAD抗体は単離されて(例えば、免疫アフィニティクロマトグラフィー、遠心分離、沈殿など)診断用イムノアッセイに使用されるか、または該抗体は処置および/または疾患進行をモニターするために使用され得る。例えば上掲のような当業者に既知のあらゆるイムノアッセイ系は、この目的のために使用され、該系には、例えばラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素-結合免疫吸着剤アッセイ)、"サンドイッチ"イムノアッセイ、沈降反応、ゲル核酸沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体-固定アッセイ、免疫放射定量測定法、蛍光イムノアッセイ、タンパク質Aイムノアッセイおよび免疫電気泳動アッセイを用いる拮抗および非拮抗アッセイ系を包含するが、これに限定しない。
一つの実施態様において、ePADに対して生成される抗体は、避妊手段として受動免疫治療に使用される。一つの実施態様において、該抗体は、配列番号:1を含むアミノ酸配列、またはそのフラグメント(例えば配列番号:5も含まれる)に対して特異的である。一つの実施態様において、該抗体は、当業者には既知の標準的技術を用いてヒト化される。有利なことには、この方法は、ePADに対して予め形成された抗体の投与により得られる短期間の避妊薬の効果を提供する。ePAD抗体は、抗遺伝子型抗体の製造において使用され得る。次いで、抗遺伝子型抗体は、ePADの天然のリガンドを結合する抗体の部分集団を製造するために順に免疫化に使用される(Jerne, 1974, Ann. Immunol. (Paris) 125c:373; Jerne, et al., 1982, EMBO J. 1:234)。
本発明のワクチンおよび受動免疫製剤は、各々に、有効に免疫化する量のePAD抗原または抗ePAD抗体、および医薬的に許容し得る担体または賦形剤を含む。一つの実施態様において、該抗原は配列番号:1のアミノ酸配列を含むペプチドである。医薬的に許容し得る担体は、当業者にはよく知られ、そして生理食塩水、生理緩衝溶液、デキストロース、水、グリセロール、滅菌浸透圧緩衝水溶液およびそれらの組合せ物を包含するが、これに限定するものではない。このような許容し得る担体の1つの例は、1以上の安定化剤、例えば安定化された加水分解タンパク質、ラクトースなどを含有する生理学的に安定した培養液である。該担体は、好ましくは滅菌したものである。該製剤は、投与様式に適合しなければならない。
該組成物は、所望により、少量の湿潤化剤または乳化剤、あるいはpH緩衝剤を含有し得る。該組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、ピル、カプセル、徐放製剤または粉末であり得る。経口製剤は、標準的担体、例えば医薬等級のマンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを包含し得る。
一般的に、該成分は、例えば、活性な薬剤の量を示すアンプルや小袋のような密閉容器中に乾燥された凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として、単位用量形態で、別々にまたは一緒に混合して供給される。該組成物が注射により投与される場合、滅菌希釈剤のアンプルは、該成分の投与前に混合され得るように提供され得る。
製剤に用いるべき避妊薬組成物の正確な用量は、投与経路および患者の性質に依存しており、標準的臨床技術に従って医師の判断や各患者の環境によって決定されるべきである。有効な免疫化量は、ワクチン製剤が投与される宿主中の抗原に対して免疫応答を生じさせるに十分な量である。
卵抗原に基づいた避妊薬ワクチンの開発は、ワクチンの有効性を迅速かつ簡易に評価する手段を必要とする。卵分子に対する免疫応答を具体的に測定し得るアッセイは、間接的ではあるが、ワクチンを受容した個体の受精状態を評価するのに有用である。個体の卵特異的抗体力価のレベルをアッセイするためのかかる試験は、単回または複数回の抗原ワクチンの両方について有効である。一つの実施態様において、組換え体ePAD分子は、自己抗体の検出に基づく不妊の特異的形態についての診断試験を開発するのに使用される。
本発明の別の実施態様は、雌哺乳類の受精能力を低下させるために、ePADの小分子阻害剤およびその使用を指向とする。一つの実施態様において、ヒトePADの活性を阻害する工程を含む雌の避妊法を提供する。一つの実施態様において、雌哺乳類の受精能力は、ePAD活性と特異的に干渉する薬剤を含む医薬組成物の投与によって低下される。一つの実施態様において、受精能力阻害性組成物は、ePAD活性脱メチル化活性を特異的に阻害する化学的性質を含む。別の実施態様において、該阻害性組成物は、ePADに特異的な抗体を含み、一つの実施態様において、該抗体は、配列番号:1のアミノ酸配列に特異的に結合する。一方、該組成物は、動物においてePADの発現または活性を防止するか崩壊させるアンチセンスまたは干渉RNAを含み得る。一つの実施態様に従って、受精能力阻害性組成物は、小分子阻害剤、抗体、アンチセンスRNAおよび干渉核酸配列からなる群から選択される1以上の活性剤を含む。
哺乳類系における干渉RNAは、19−22nt 二本鎖RNA分子からなる短い干渉RNA(siRNA)、またはループ配列によって結合した19−29ntパリンドローム配列からなるshRNAの存在を必要とする。遺伝子発現のダウン・レギュレーションは、相同性siRNAおよび標的RNAの間の対合によって配列特異的様式で達成される。siRNAまたはshRNAの安定な発現についての系を利用して、トランスジェニック動物を生成し(Hasuwa et al. FEBS Lett 532, 227 30 (2002), Rubinson et al. Nat Genet 33, 401 6 (2003) および Carmell et al. Nat Struct Biol 10, 91 2 (2003))、そして受精能力が調節され得る動物を作成するために本発明に従って使用され得る。条件的干渉RNAを基にしたトランスジェニック系は、該動物の生存期間であればいつでも与えられる段階で遺伝子発現のレベルを制御し得るさらなる価値を提供する。
近年、生物学的理論は進化しており、ヒストン修飾の組合せ性質が、情報貯蔵メカニズムを有糸分裂的かつ減数分裂的に遺伝し得る、すなわち基礎となるDNAへの接近を調節することによって生物中の正確な空間的かつ一時的な遺伝子発現パターンを指示する"ヒストンコード"を提供すると仮定している。コアヒストンN末端尾部の翻訳後修飾は、アセチル化、リン酸化、ポリ(ADP−リボシル化)、ユビキチン化およびメチル化を包含する。
配偶子分化中にクロマチン上に蓄積するヒストン修飾は、胚ヒストン修飾により除去され、置換されて、好結果をもたらす再プログラミングを可能にするに違いない。もし、ヒストンコードが示唆するように、各ヒストン修飾が先の修飾に対して偶然的であるなら、次の初期胚中での最初の修飾が、続いておこる胚、胎児おそらく成熟期における修飾に影響を与えるようである。そのため、これらの最初のヒストン修飾に影響を与える内生および環境ファクターが、ヒトの健康に対して重大な影響力を有し得る。
動物クローニング実験は、体細胞核の再プログラミングに関与する母方のファクターが卵細胞質に局在することを示した。この観察を基にすると、卵細胞質に最も影響したクロマチン修飾が、再プログラミング事象にもっとも適切であることを証明していると考えられるかもしれない。この仮定を試験するために、本出願人は間接的な免疫蛍光によって卵および初期胚においてヒストン修飾の包括的な変化を調査し、そしてセリン1H4 リン酸化、リシン4H3メチル化、リシン 9 H3メチル化、およびポリリシン H4アセチル化とは反対に、メチル化したアルギニン3 H4およびアルギニン17 H3についての染色は、卵細胞および初期胚の中期では存在しないことがわかった。
DNAのメチル化は、胚細胞および初期胚においてゲノム中の再プログラミングを行うことが知られているクロマチン修飾の1つのタイプを示す。しかし、脱メチル化酵素は、いまだ同定されていない。本出願人は、ePADが脱メチル化酵素として機能していると考える根拠を持っている。ePADは、哺乳類の卵および初期胚の細胞質に独特なフィラメント構造を媒介する豊富なサイトケラチンに主に局在するが、しかしながらePADは細胞核ではより少ない程度に局在する。PADはカルシウム依存性メルカプト基酵素であり、この既知のイン・ビボ基質にはケラチン、より近年ではコアヒストンタンパク質H2A、H3およびH4が包含される。
PRMT1によって触媒されて、アルギニン3 H4メチル化は、核のレセプターの活性化および細胞性分化と関連する、稀なヒストン修飾を示す。PRMT1の基質特異性とサイトケラチンを脱イミン化すると知られる上皮細胞PADとの比較から、両酵素の活性が、多重グリシン残基の側面にあるアルギニン残基のグアニジノ基に対して特異的に指向することが明らかとなった。特に、ケラチンにおけるペプチジル・アルギニン・デイミナーゼの脱イミノ化の基質配列は、HPLCによって確認され、下記に示される(脱イミン化されたアルギニンは下線をひいた):
マウスケラチンK1のC末端尾部
SGGSYGGSSGGGRGGSSSGGGGVK (配列番号:10)。この知見から、出願人は、ePADが強力なサイトケラチン脱イミナーゼ活性に加えてヒストンアルギニン脱メチル化酵素活性を有するとの考えを導いた。
SGGSYGGSSGGGRGGSSSGGGGVK (配列番号:10)。この知見から、出願人は、ePADが強力なサイトケラチン脱イミナーゼ活性に加えてヒストンアルギニン脱メチル化酵素活性を有するとの考えを導いた。
かかる活性を確認するために、ヒストン H4上のメチル化アルギニン3を脱メチル化する市販購入し得る骨格筋肉PADの能力が、ウェスタンブロット分析によって調査された。この修飾に対する抗体による染色の完全な消失は、PAD処置の後に観察された。これらおよび他の予備試験の結果は、PADが一般に脱メチル化酵素として機能し得る仮説を支持するものである。より具体的には、ePADは、ケラチンおよびコアヒストンタンパク質 H4およびH2Aで見出されたgly−arg−glyモチーフに対して脱イミン化および潜在的脱メチル化活性を有するペプチジル・アルギニン・デイミナーゼであると考えらえる。このようにして、ePADは、初期発生の顕著な母方の後生的レギュレーターであることを示し得る。
本発明の一つの実施態様に従って、イン・ビボのコアヒストンタンパク質のN末端から翻訳後のマークを除去するための方法が提供される。より具体的には、一つの実施態様において、該方法は、コアヒストンタンパク質 H4およびH2AのN末端に位置するアルギニン残基から、またはH3およびH4のN末端に位置するリシン残基からのメチル基の除去をもたらす。該方法は、標的細胞中にPAD活性を導入する工程をふくむ。一つの実施態様において、PADタンパク質をコードする組換え体の核酸配列、好ましくは配列番号:1または3のePADポリペプチドが該細胞に導入される。該細胞が一時的に形質転換されるか、または該構築体が細胞ゲノム中に導入され得る。該PADタンパク質は、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターの使用によって発現され得る。細胞への核酸配列を導入するための手段は当業者には既知である。
一方、PADタンパク質それ自体は、細胞中に導入され得る。さらに、Ca++は、該細胞を外来Ca++と接触すること、Ca++の直接注入またはCa++の細胞取り込みを刺激する剤と該細胞を接触させることによって、該細胞に導入され得る。タンパク質を細胞に導入するための方法は、マイクロインジェクション、エレクトロポーレーション、塩化カルシウム透過処理、ポリエチレングリコール透過処理、プロトプラスト融合またはカチオン性リピド透過処理を包含するが、これに限定するものではない。一つの実施態様において、タンパク質は、バイオポーター(Bioporter)タンパク質送達系(GeneTherapy Systems, Inc. San Diego, CA)の使用によって該細胞に導入される。一つの実施態様に従って、ePAD活性は、翻訳後のマークを細胞ゲノムから除去するために一次細胞培養または細胞系に導入され、そうして分割するための細胞能力を増強し、細胞の分化全能性を増強する。
配偶子の遺伝子発現パターンをコードする蓄積された共有結合ヒストン尾部修飾は、胚性遺伝子発現パターンを指示するヒストン修飾によって特異的に排除され、置換されるべきであるという仮説をさらに試験するために、卵細胞質の体細胞ヒストン修飾に対する効果が調べられた。より具体的には、体細胞核は、分化組織の細胞から単離され、マウス卵母細胞中にミクロ注入された。該卵は、様々な時点で固定され、次いで抗修飾ヒストン抗体パネルで染色された。卵母細胞のDNA染色により、ミクロ注入された核酸の存在を確認した。卵丘細胞核を、マウス卵母細胞にミクロ注入しインキュベートに供した場合、SGR*GKGGKGC(配列番号6;H4R3M2抗体)に対する特異的な抗体を用いて染色すると、2時間以上インキュベートした細胞中でシグナルが消失することがわかった。コントロールとしての、リン酸化(PS−1抗体)エピトープS*GRGKGGKGC(配列番号9)(ここではセリン残基)に対する特異的な抗体についての染色パターンは、該細胞のインキュベーション2時間後に変化しないということがわかった。すなわち、クロマチンの修飾は末端のヒストンアミノ酸の除去に影響しない。同様に、該ペプチドのSGR*GKGGKGC(配列番号:6)およびS*GRGKGGKGC(配列番号:9)を卵細胞に注射した場合、該染色が配列番号:9に対する抗体(PS−1)について残っているにもかかわらず、H4メチル化アルギニン修飾は1時間以内に除去された。
本発明の1つの態様に従って、ePADは、ヒストンからの翻訳後修飾を除去するために機能すると考えられ、分化全能性を胚に回復させることに関与している。この活性は、細胞系を回復させるのに使用され、それらを刺激し、分裂させて、本当の幹細胞のようにふるまう。該方法は、細胞にePAD活性を導入すること、およびCa++の存在下で細胞を培養することを含む。
PAD酵素は、転写およびDNA合成活性に順番に影響を与えるヒストンの翻訳後の修飾を変更させるように機能すると考えられているので、これらの酵素が、ある種の癌に関与し得ることが予測される。従って、本発明の一つの実施態様は、PAD、特にePADの使用は、新生物疾患、例えば癌のための診断用マーカーとしての使用を指向する。該方法は、体組織中のePADの発現を包含する、PADの高いレベルまたは不適切な発現についてのスクリーニングの工程を含む。
実施例1
ePADは、間接的免疫蛍光を用いるとヒト卵母細胞および胚中に存在する
マウス組換え体ePADに対する抗体を用いて、ヒト卵および8細胞ヒト胚中のePADの免疫蛍光局在性を調べた。
ePADは、間接的免疫蛍光を用いるとヒト卵母細胞および胚中に存在する
マウス組換え体ePADに対する抗体を用いて、ヒト卵および8細胞ヒト胚中のePADの免疫蛍光局在性を調べた。
方法:
成熟、分裂中期II卵細胞および8細胞胚を、Human Gaemte and Embryo 研究室から得て、4%パラホルムアルデヒド中20分間室温で固定した。次いで、卵細胞を洗浄し、0.5% Triton X-100において20分間室温で浸透性にし、洗浄し、1%BSAおよび5%ヤギ血清を含有するPBSで30分間ブロックした。次いで、卵細胞および胚を洗浄し、20μg/mlの精製抗-ePADIgG抗体か前免疫IgGのいずれかを用いて、2時間室温でインキュベートした。次いで、卵細胞および胚を洗浄し、1:300希釈のTexas Red標識ヤギ抗ギニア豚IgGと共に1時間インキュベートした。
成熟、分裂中期II卵細胞および8細胞胚を、Human Gaemte and Embryo 研究室から得て、4%パラホルムアルデヒド中20分間室温で固定した。次いで、卵細胞を洗浄し、0.5% Triton X-100において20分間室温で浸透性にし、洗浄し、1%BSAおよび5%ヤギ血清を含有するPBSで30分間ブロックした。次いで、卵細胞および胚を洗浄し、20μg/mlの精製抗-ePADIgG抗体か前免疫IgGのいずれかを用いて、2時間室温でインキュベートした。次いで、卵細胞および胚を洗浄し、1:300希釈のTexas Red標識ヤギ抗ギニア豚IgGと共に1時間インキュベートした。
次いで、胚および卵母細胞を洗浄し、1%BSAと共に0.4 mg/ml RNAseのPBS溶液中で30分間静置し、20nM Sytox クロマチン染色(Molecular Probes, Eugene, OR)とともに、10分間インキュベートした。次いで、胚および卵母細胞を十分洗浄し、スロー・フェード(slow fade)(Molecular Probes, EugeneOR)平衡培地に約1分間置き、次いでスロー・フェード固定媒質中でスライド上に固定した。
画像を、Zeiss 410 Axiovert 100 microsystems LSM共焦点顕微鏡で得た。各パネルについて、アテニュエーション、コントラスト、明度およびピンホール装置を一定にした。4秒間のスキャンを、一定にした2つの倍率およびアテニュエーション、コントラスト、明度およびピンホール装置を装備した63xオイルレンズを用いて、ラインあたり4回の平均をとった。
結果:
細胞質染色は、ePADIgGとインキュベートした分裂中期のIIの卵細胞および8細胞胚で見られた。卵/胚が前免疫IgGとインキュベートした場合には、該染色は顕性ではなかった。
細胞質染色は、ePADIgGとインキュベートした分裂中期のIIの卵細胞および8細胞胚で見られた。卵/胚が前免疫IgGとインキュベートした場合には、該染色は顕性ではなかった。
結論:
間接的免疫蛍光により明示されるように、ePADはヒト卵母細胞および胚の細胞の細胞質中に豊富であった。
間接的免疫蛍光により明示されるように、ePADはヒト卵母細胞および胚の細胞の細胞質中に豊富であった。
実施例2
ePADはパラホルムアルデヒド固定化ヒト卵巣断面試片に存在する
方法:
正常ヒト卵巣のパラホルムアルデヒドで固定化した10ミクロンの断面試片(Innogenex, San Ramon, CA 94583)を、間接的免疫蛍光のために処理した。スライドをキシレン/エタノールの連続希釈物に浸し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。スライドを、1:10希釈の正常ヤギ血清を含有する3%牛血清アルブミン(BSA)/PBSの100ulの液滴で、60分間室温でブロックした。1:50倍希釈の一次抗血清(ギニア豚抗-ePAD血清か前免疫血清のいずれか)の3%BSA/PBS溶液を、100ul 小滴中の各卵巣断面に添加し、次いで4℃で一晩インキュベートした。スライドをPBS−Tween 20の後にPBSで洗浄した。次いで、100ulのヤギ抗-ギニア豚IgG−FITC (3%のBSA/PBSで1:200希釈)を各卵巣断面上におき、暗所室温で90分間インキュベートした。スライドをPBSで洗浄し、次いでSlo Fade マウント媒体(Molecular Probes, EugeneOR)で固定し、視覚化するまで4℃で貯蔵した。スライドを、Zeiss 倒立型蛍光位相差顕微鏡を用いて観察した。
ePADはパラホルムアルデヒド固定化ヒト卵巣断面試片に存在する
方法:
正常ヒト卵巣のパラホルムアルデヒドで固定化した10ミクロンの断面試片(Innogenex, San Ramon, CA 94583)を、間接的免疫蛍光のために処理した。スライドをキシレン/エタノールの連続希釈物に浸し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。スライドを、1:10希釈の正常ヤギ血清を含有する3%牛血清アルブミン(BSA)/PBSの100ulの液滴で、60分間室温でブロックした。1:50倍希釈の一次抗血清(ギニア豚抗-ePAD血清か前免疫血清のいずれか)の3%BSA/PBS溶液を、100ul 小滴中の各卵巣断面に添加し、次いで4℃で一晩インキュベートした。スライドをPBS−Tween 20の後にPBSで洗浄した。次いで、100ulのヤギ抗-ギニア豚IgG−FITC (3%のBSA/PBSで1:200希釈)を各卵巣断面上におき、暗所室温で90分間インキュベートした。スライドをPBSで洗浄し、次いでSlo Fade マウント媒体(Molecular Probes, EugeneOR)で固定し、視覚化するまで4℃で貯蔵した。スライドを、Zeiss 倒立型蛍光位相差顕微鏡を用いて観察した。
結果:
一次卵胞の細胞質染色は、ePAD血清とインキュベートした卵巣断面試片において見られた。前免疫血清を用いて卵巣断面をインキュベートした場合には、可視できる染色はなかった。
一次卵胞の細胞質染色は、ePAD血清とインキュベートした卵巣断面試片において見られた。前免疫血清を用いて卵巣断面をインキュベートした場合には、可視できる染色はなかった。
結論:
間接的免疫蛍光により明示されるように、ePADはヒト卵巣組織における一次卵胞中に存在する。
間接的免疫蛍光により明示されるように、ePADはヒト卵巣組織における一次卵胞中に存在する。
Claims (21)
- ePADポリペプチドに特異的に結合する抗体。
- 該抗体が配列番号:1のポリペプチドに特異的に結合する、請求項1記載の抗体。
- 該抗体がモノクローナル抗体である、請求項1記載の抗体。
- 請求項1記載の抗体および医薬的に許容し得る担体を含む組成物。
- ePAD活性のアンタゴニストを同定するための方法であって、
ePADタンパク質をメチル化ペプチド基質およびePADアンタゴニスト候補と接触させて、アッセイ組成物を形成すること、
該アッセイ組成物を、ePAD阻害剤非存在下でePAD脱メチル化酵素活性について許容し得る条件下でインキュベートすること、
ePADの脱メチル化酵素活性を低下させる該ePADアンタゴニスト候補の能力を基準にして、ePAD活性に関するアンタゴニストを同定すること、
を含む方法。 - 該アンタゴニスト活性が、脱メチル化ペプチド基質またはメチル化基質のいずれかに特異的に結合する抗体の使用により検出される、請求項5記載の方法。
- ePADタンパク質およびメチル化基質を含むが、ePADアンタゴニスト候補を欠くコントロールアッセイ組成物を調製し、
該同定工程が、該インキュベーション工程後のコントロールアッセイ組成物と比較して、アッセイ組成物中に存在するメチル化基質の相対量を決定することを含み、
該コントロールアッセイ組成物と比べてアッセイ組成物中により高い量のメチル化基質が存在した場合にePADのアンタゴニストであると同定する、請求項5記載の方法。 - 該ePADタンパク質が配列番号:1のアミノ酸配列を含む、請求項5記載の方法。
- 該メチル化ペプチド基質が配列番号:6のアミノ酸配列を含む、請求項8記載の方法。
- 雌哺乳類の受精を低下させる方法であって、ePAD活性の阻害剤を含む組成物を投与する工程を含む方法。
- 該投与組成物がePADに特異的に結合する抗体を含む、請求項10記載の方法。
- 該投与組成物が配列番号:1またはそのフラグメントのアミノ酸配列を含む、請求項10記載の方法。
- 該投与組成物が配列番号:1のポリペプチドに特異的に結合する抗体を含む、請求項10記載の方法。
- 組換えヒトePAD遺伝子構築体であって、配列番号:2の核酸配列と操作可能に結合する非天然プロモーターを含む、構築体。
- 請求項14記載の構築体を含むトランスジェニック細胞。
- ヒト治療剤候補をスクリーニングする方法であって、
配列番号:1のアミノ酸配列を含むヒトePADポリペプチドを、生理学的条件下で候補化合物と接触させること、
ヒトePADポリペプチドを洗浄して、非結合物および非特異的結合物質を除去すること、そして
ヒトePADポリペプチドとの結合を維持する化合物を単離すること、
を含む方法。 - ヒトePADポリペプチドが固体表面上に固定され、該候補化合物が標識される、請求項16記載の方法。
- 該候補化合物が他のPADポリペプチドと比べて該ePADポリペプチドと選択的に結合するかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項17記載の方法。
- 配列番号:1を含むアミノ酸配列またはその抗原性フラグメントおよび医薬的に許容し得る担体を含む、抗原組成物。
- アジュバンドをさらに含む、請求項19記載の組成物。
- 該抗原性フラグメントが配列番号:5またはそのフラグメントからなる、請求項20記載の組成物。
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