JP2006515001A - 第1のエマルション及び第2のエマルションを含むスキンケア組成物 - Google Patents
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Abstract
(b)非イオン性界面活性剤類を含む第2の界面活性剤系;第2の油性構成成分は、香料類、テルペン化合物類を含有する疎水性植物抽出物類、疎水性ビタミン類、及びこれらの混合物から成る群から選択される;並びに第2の水性キャリアを含む第2のエマルションであって、第2の油性構成成分を含み、第2の界面活性剤系と第2の油性構成成分との重量比は約20:1〜約3:1である、第2のエマルション;並びに
(c)第3の水性キャリア
を含むスキンケア組成物が開示されている。
Description
組成物の透明性、保湿性、滑らかさ、及び柔らかさを低下させることなしに、透明形態のローション及びエマルションに香料類、疎水性植物抽出物類、及び疎水性ビタミン類のような物質を組み込むことが所望されている。
既存の技術には、本発明の利点及び効果のすべてを提供するものは存在しない。
(a)第1の界面活性剤系、第1の油性構成成分、及び第1の水性キャリア(aqueous carrier)を含む第1のエマルションであって、前記第1の界面活性剤系は、C12〜18のアルキル置換基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油類、及び直鎖若しくは分枝状モノ−又はトリアキルグリセリド類から成る群から選択される2以上の非イオン性界面活性剤を含み、前記第1の油性構成成分は皮膚軟化剤類、シリコーンオイル類、及びこれらの混合物から成る群から選択され、前記第1の界面活性剤系と前記第1の油性構成成分との重量比は約5:1〜約1:1である第1のエマルション;
(b)第2の界面活性剤系、第2の油性構成成分、及び第2の水性キャリアを含む第2のエマルションであって、前記第2の界面活性剤系は、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油類、C10〜20のアルキル置換基を有するポリグリセリンアルキルエステル類、ポリソルベート類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリオキシエチレン硬化ステロール類、ヒドロキシル化レシチン(hydroxylated lecithin)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート類及びこれらの塩類、並びにグリセレスー25PCAイソステアレート(glycereth−25 PCA isostearate)から成る群から選択される1以上の非イオン性界面活性剤を含み、前記第2の油性構成成分は香料類、テルペン化合物類を含有する疎水性植物抽出物類、疎水性ビタミン類、及びこれらの混合物から成る群から選択され、前記第2の界面活性剤系と前記第2の油性構成成分との重量比は約20:1〜約3:1である第2のエマルション、並びに
(c)第3の水性キャリア
を含むスキンケア組成物に関する。
引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。
本発明の組成物はヒトの体の皮膚に局所的に使用するのに好適であリ、特に顔の皮膚に適している。この組成物は透明から半透明の外観を有しており、このため、クリアローション製品に特に適している。典型的には、塗布は約1日1回でかなり長期に渡りなされ得るが、塗布の度合いは約1日3回まで又はそれ以上とすることもできる。
本発明の組成物は第1のエマルションを含む。第1のエマルションは第1の界面活性剤系、第1の油性構成成分、及び第1の水性キャリアを含む。第1のエマルションはベンジルアルコールのような防腐剤を更に含有してもよい。
第1の界面活性剤系は、C12〜18のアルキル置換基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油類、及び直鎖若しくは分枝状モノ−又はトリアキルグリセリド類から成る群から選択される2種以上の非イオン性界面活性剤を含む。
本明細書で有用なモノ−又はトリアルキルグリセリドの例としては、グリセリルモノステアレート、グリセリルオレエート、及びトリグリセリルジイソステアレートが挙げられ、好ましくは、トリグリセリルジイソステアレートが挙げられる。
第1の界面活性剤系の親水性−親油性バランス(HLB)は、当業者により、第1の油性構成成分の量及び種類を考慮して選択される。好ましくは、第1の界面活性剤系の全体としてのHLBは約10よりも高い。好ましくは、第1の界面活性剤系に使用される界面活性剤類のうち、少なくとも1種の界面活性剤は10超過のHLBを有し、少なくとも1種の界面活性剤は10未満のHLBを有する。より好ましくは、高HLB界面活性剤類の量は低HLB界面活性剤類よりも多い。理論に束縛されないが、高HLB界面活性剤及び低HLB界面活性剤の両方を使用することにより、できるだけ低い濃度の界面活性剤で安定なエマルションを製造することができる。特に好ましい実施形態では、少なくとも3種の界面活性剤を使用し、これらの界面活性剤はそれぞれ異なるHLBを有する。
第1の油性構成成分は、(i)皮膚軟化剤類、(ii)シリコーンオイル類、及びこれらの混合物から成る群から選択される1以上のものを含む。本明細書で有用な第1の油性構成成分は、皮膚に潤いを与える効果を提供する。
第1のエマルションに包含される第1の油性構成成分は、好ましくは組成物の約0.02重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%の濃度で組成物に含有され得る。
本明細書で有用な皮膚軟化油は、約25℃以下の融点を有するものであり、皮膚に皮膚軟化効果を提供する。本明細書で有用な皮膚軟化油としては、エステル類及び炭化水素類が挙げられる。低粘度、低分子量、又は分枝状構造の皮膚軟化油類が極めて好ましい。驚くべきことに、こうした油類を使用することにより、皮膚に対するべとついた油っぽい感触を軽減することができることが、見出された。
本明細書で有用なシリコーン構成成分には、皮膚に使用するのに好適な不溶性シリコーン類がある。不溶性とは、シリコーンがキャリアと分離した不連続相を、例えばシリコーン液滴のエマルション又は懸濁液の形態で形成することを意味する。本明細書におけるシリコーン構成成分は、エマルション重合を含む、当該技術分野で既知の好適ないかなる方法でも製造することができる。シリコーン構成成分は、機械的混合による、又はエマルション重合による合成段階で、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤の助けを借りて又は助けなしで製造されるエマルションの形態で、本発明の組成物に更に組み入れられることができる。高分子量のシリコーン構成成分は、エマルション重合によって製造されることができる。
本発明の組成物は、第2のエマルションを含む。第2のエマルションは、第2の界面活性剤系、第2の油性構成成分、及び第2の水性キャリアを含む。好ましくは、第2のエマルションはポリオール・キャリア(polyol carrier)を更に含有する。第2のエマルションの粒径は、好ましくは約50nm以下、より好ましくは約30nm以下の範囲であることができる。
第2の界面活性剤系と第2の油性構成成分との重量比は約20:1〜約3:1であり、好ましくは約15:1〜5:1である。
第2の界面活性剤系は、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油類、C10〜20のアルキル置換基を有するポリグリセリンアルキルエステル類、ポリソルベート類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリオキシエチレン硬化ステロール類、ヒドロキシル化レシチン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート類及びこれらの塩類、並びにグリセレス−25PCAイソステアレートから成る群から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤を含む。好ましくは、第2の界面活性剤系は上記の種から選択される2種以上の非イオン性界面活性剤を含む。
第2の界面活性剤系の親水性−親油性バランス(HLB)は、当業者により、第2の油性構成成分の量及び種類を考慮して選択される。好ましくは、第2の界面活性剤系の全体としてのHLBは、約8よりも高く、より好ましくは約10よりも高い。好ましくは、第2の界面活性剤系は8以上の、より好ましくは10以上のHLBを有する非イオン性界面活性剤類から本質的に成る。理論に束縛されないが、高HLBの界面活性剤のみを用いることによって、第2のエマルションは、その透明性を低下させることなしに、本組成物に含有されることができる。
第2の油性構成成分は、香料類、テルペン化合物類を含有する疎水性植物抽出物類、疎水性ビタミン類、及びこれらの混合物から成る群から選択される1以上のものを含む。
本組成物では、第2の油性構成成分は第1の油性構成成分とは別に乳化され、好ましくは約20〜40℃の温度で乳化される。好ましくは、本組成物においては、第2の油性構成成分、特に香料類は、第2のエマルションのみの形態で存在する。第2の油性構成成分を第2のエマルションの形態で組成物中に組み込むことによって、この組成物は改善された安定性を有することができると考えられる。第2の油性構成成分、特に香料類を、その第2の油性構成成分を包含する第2のエマルションを調製しないで組成物に組み込むと、その油性構成成分が組成物の透明性又は半透明性を低下させる、すなわち、組成物は、特に50℃以上の温度での貯蔵中に不透明又は乳白状となることを、本発明者らは見出した。
本明細書で有用な疎水性ビタミン類としては、例えば、ビタミンAとその誘導体類、例えばビタミンAパルミテート及びビタミンAプロピオネート、並びにビタミンD及びその誘導体類が挙げられる。
第2の油性構成成分は、好ましくは組成物の約0.001重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約0.5重量%の濃度で本組成物中に含有され得る。
好ましくは、第2のエマルションはポリオール・キャリアを更に含有する。本明細書で有用なポリオール・キャリアとしては、例えば、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ペンチレングリコール、及びプロピレングリコールが挙げられる。これらのポリオール・キャリアの幾つかはまた、後述する「水溶性湿潤剤」としても用いることができる。
ポリオール・キャリアは、好ましくは組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約6重量%の濃度で本組成物中に含有され得る。ポリオール・キャリアと第2の界面活性剤系との重量比は、好ましくは約5:1〜約1:5、より好ましくは約3:1〜約1:3である。
ポリオール・キャリアは、第2の界面活性剤系を溶解することで第2のエマルションの形成に役立つと考えられる。本発明の組成物を調製する好ましい方法では、初めにポリオール・キャリアを第2の界面活性剤系及び第2の油性構成成分と混合し、この混合物を第2の水性キャリアに加える。
本発明の組成物は水性キャリアを含む。このキャリアの濃度と種類は、他の構成成分との適合性及び当該製品の他の所望の特質により選択される。
好ましくは、水性キャリアは実質的に水である。脱イオン水を使用するのが好ましい。製品の所望の特質に応じて、ミネラル陽イオンを含む天然供給源からの水を使用することもできる。
一般に、本発明の組成物は、水性キャリアを合計で組成物の約10重量%〜約99重量%、好ましくは約50重量%〜約95重量%、より好ましくは約60重量%〜約90重量%含む。
本発明の組成物は、約0.01%〜約5%、好ましくは約0.04%〜約1%のカルボン酸/カルボキシレートコポリマーを含む。
理論に束縛されないが、カルボン酸/カルボキシレートコポリマーは、本組成物にずり減粘特性を与えると考えられる。ずり減粘特性とは、手で皮膚に塗布できる典型的なせん断応力内に降伏点が存在し、その降伏点を超えると組成物の粘度が消費者にわかる程著しく減少することを意味する。好ましい実施形態では、本組成の組成物は、せん断力を適用する前には、好適な粘度、好ましくは約100mPa・s〜約6000mPa・s、より好ましくは約500mPa・s〜約4500mPa・s、更に好ましくは約700mPa・s〜約4000mPa・sの粘度を有する。本明細書での粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)LVにより、組成物の粘度及び特質に応じてスピンドル#4、5、6又は7を用いて、25℃において2rad/s(20rpm)で好適に測定することができる。極めて好ましい実施形態においては、降伏点を超えた粘度は水の粘度に近い。ずり減粘特性により、直接使用する際に低粘度の組成物が得られ、それにより皮膚に水を塗布しているような感触を与える組成物がもたらされる。
カルボン酸/カルボキシレートコポリマーはまた、組成物を比較的透明に維持し、また使用時に組成物をべとつかせたり油っぽくすることなしに好適な粘度に維持する。
本発明の組成物は、好ましくは約0.01%〜約5%、より好ましくは約0.04%〜約1%の濃度で、追加の水溶性ポリマーを更に含んでもよい。本明細書の追加の水溶性ポリマー類は水溶性又は水混和性ポリマー類であり、カルボン酸/カルボキシレートコポリマー類と適合性である。理論に束縛されないが、組成物中における制御された量の追加の水溶性ポリマー類は、望ましくない粘着性やべたつきの感触を与えることなく皮膚に改善された保湿性及び滑らかさを与えるものと考えられる。
本明細書で有用な追加の水溶性ポリマー類には、陰イオン性ポリマー類及び非イオン性ポリマー類がある。本明細書で有用なものとしては、例えば、CTFA名カルボマー(Carbomer)の架橋アクリル酸ポリマー類のようなビニルポリマー類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体類及び変性セルロースポリマー類;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、及びキサンタンガムのようなガム類;デキストラン及びサクシノグルカンのような微生物ポリマー類;カルボキシメチルデンプン及びメチルヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプンベースのポリマー類;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、及びポリアクリルアミドのようなアクリレートポリマー類が挙げられる。約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコール類もまた本明細書で有用である。更にまた本明細書で有用な追加の水溶性ポリマー類には、ポリクアテルニウム22、ポリクアテルニウム39、ポリクアテルニウム47、及びオクチルアクリルアミン/アクリレート類/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー類のような両性ポリマー類がある。
本発明の組成物は、約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約15%の水溶性湿潤剤を含む。本明細書で有用な水溶性湿潤剤類としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシン(adenosin)リン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物のような多価アルコールが挙げられる。
本発明の組成物は、約0.1%〜約10%、好ましくは約1%〜約5%の皮脂吸収剤を含有してもよい。本明細書で有用な皮脂吸収剤類には、毛穴から離れた皮脂を実際に吸収し、本発明の水性組成物と適合性であるものが挙げられる。水溶性であるか、水膨潤性であるか、又は高い乳化能を有する構成成分は、組成物に配合された場合にもはや皮脂吸収能を有さないので、本明細書においては好適ではない。
本発明の組成物は約0.5%〜約10%、好ましくは約1%〜約5%の粘着性皮膚処置剤を含有してもよい。本明細書で有用な皮膚処置剤類は、表皮の天然の湿分バリア機能を修復及び補充するのを助け、それによって質感の改善などの皮膚効果を与えるものである。こうした剤は、常習的に使用された場合に皮膚に有用な効果を与えるが、それらはまたそれだけで塗布された場合には、使用時に好ましくない肌触りを与える傾向があることが一般に知られている。
本発明の組成物は約0.001%〜約5%、より好ましくは約0.05%〜約1%の皮脂抑制植物抽出物を更に含んでもよい。本明細書で有用な植物抽出物類は、毛穴のサイズを減少させる収れん剤型の効果又は5−α−レダクターゼの阻害効果を有するものであり、本組成物の水性形態と適合性があるもの、好ましくは本組成物の透明又は半透明な外観を変えないものである。水溶性の植物抽出物類が好ましい。本明細書で有用な植物抽出物類には、クローブ(丁子)抽出物、ジュズダマ(ヨクイニン)抽出物、ウィッチヘーゼル(ハマメリス)抽出物、及びこれらの混合物が挙げられる。このような植物抽出物類はイワセ(Iwase)より入手可能である。
本発明の組成物は、約1%〜約10%、より好ましくは約3%〜約9.5%のUV防止剤を更に含んでもよい。UV防止剤類は、一般に紫外光暴露による角質層の過剰な落屑及び質感の変化を防ぎ、本発明のエマルションに加えられてもよい。好適なUV防止剤類は、有機であっても又は無機であってもよい。疎水性及び非水溶性UV防止剤類は、制御された濃度で使用されてもよい
多種多様な、従来のUV防止剤が、本明細書に用いるのに好適である。エマルションにおいて有用であるこれらのUV防止剤の中で、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート(パーソル(PARSOL)MCXとして市販)、ブチルメトキシジベンゾイル−メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ−フェノン、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、オクトクリレン、2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−p−アミノベンゾエート、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、オクトクリレン、オキシベンゾン、ホモメンチルサリチラート、オクチルサリチラート、4,4’−メトキシ−t−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンカンファー、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、テイカ(Tayca)より入手可能なMT100のような二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、酸化鉄、ユーソレックス(Eusolex)(商標)6300、オクトクリレン、パーソル(Parsol)1789、及びこれらの混合物から選択されるものが好ましい。
本発明の組成物は、約0.001%〜約10%、より好ましくは約0.1%〜約5%の白色化剤を更に含んでもよい。本明細書で有用な白色化剤類は、本組成物の水性形態と適合性であるものである。水溶性の白色化剤類が好ましい。本明細書で有用な白色化剤とは、皮膚の外観を改変するだけでなく、処置前と比較して、異常な色素沈着を更に改善する活性成分を指す。
本明細書の組成物は他の追加的な構成成分を更に含有してもよく、それは最終製品の所望の特質によって当業者により選択されてよく、組成物をより美容的又は審美的に許容可能なものにしたり、付加的な使用効果を組成物に提供するのに好適なものである。本明細書で有用な構成成分は、特定の効果又はそれらの要求される作用様式により便利に分類されるが、所与の分類はその使用を制限していない。更に、1つの構成成分が複数の効果を提供する場合があることが理解される。
酸化防止剤類及びラジカルスカベンジャー類は、角質層における落屑の増加又は質感の変化を引き起こし得る紫外線、及び皮膚の損傷を引き起こし得るその他の環境要因に対する保護をもたらすのに特に有用である。好ましい酸化防止剤類/ラジカルスカベンジャー類としては、例えば、トコフェロールソルベート及びトコフェロールのその他のエステル類が挙げられ、より好ましくはトコフェロールソルベートである。例えば、局所エマルションにおけるトコフェロールソルベートの使用、及び本発明に適用できるトコフェロールソルベートの使用については、米国特許第4,847,071号(ビセット(Bissett)ら、1989年7月11日発行)に記載されている。
抗炎症剤類は、例えば、均一性並びに許容可能な皮膚の色調及び/又は色に寄与することにより、皮膚の外観に関する効果を高める。好ましくは、抗炎症剤には、ステロイド性抗炎症剤及び非ステロイド性抗炎症剤が含まれる。使用に好ましいステロイド性抗炎症剤は、ヒドロコルチゾンである。いわゆる「天然の」抗炎症剤もまた有用である。例えば、α−ビサボロール、アロエベラ、マニスタ(Manjistha)(ルビア(Rubia)属の植物、特にルビア・コーディフォリア(Rubia Cordifolia)からの抽出物)、及びグガル(Guggal)(コミフォラ(Commiphora)属の植物、特にコミフォラ・ムクル(Commiphora Mukul)からの抽出物)、コーラノキ抽出物、カモミール、及びムチヤギ抽出物を使用してもよい。
使用されるとき、「抗菌剤類」とは、微生物を壊滅させ、微生物の発育を妨げ、又は微生物の発病作用を防止することができる化合物を意味する。抗菌剤類は、例えばにきびを抑制するのに有用である。本発明に有用な好ましい抗菌剤類は、過酸化ベンゾイル、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クリンダマイシン、アゼライン酸、スルファレゾルシノール(sulfur resorcinol)、フェノキシエタノール、及びイルガサン(Irgasan)(登録商標)DP300(チバ・ガイギー社(Ciba Geigy Corp.)、米国)である。安全且つ有効な量の抗菌剤は、本発明のエマルションに、好ましくは約0.001%〜約10%、より好ましくは約0.01%〜約5%、更により好ましくは約0.05%〜約2%加えられてよい。
本明細書で使用するとき、「キレート化剤」とは、金属イオンが容易に化学反応に加わったり、又は化学反応を触媒したりできないように、錯体を形成することによって系から金属イオンを除くように反応する化合物のことを指す。キレート化剤を含むことは、過剰な落屑又は皮膚の質感の変化に寄与し得る紫外線に対する、また皮膚の損傷を引き起こし得るその他の環境要因に対する、保護を与えるためにとりわけ有用である。本明細書で有用な代表的なキレート化剤類は、米国特許第5,487,884号(ビセット(Bissett)ら、1996年1月30日発行)、PCT特許出願91/16035及び91/16034(ブッシュ(Bush)ら、1995年10月31日公開)に開示されている。好ましいキレート化剤類は、フリルジオキシム及びその誘導体類である。
上述の構成成分に加えて、本発明の組成物は、ゲルマル(Germall)115、ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピル、及びブチルエステル類、ベンジルアルコール、イミダゾリジニル尿素、EDTA及びその塩類、ブロノポール(Bronopol)(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)及びフェノキシプロパノールを含む水溶性又は可溶化性防腐剤のような防腐剤及び防腐向上剤;消泡剤;結合剤;生物学的添加物;充填剤;着色剤;精油及びその可溶化剤;その他の天然抽出物;コラーゲンの生成を促す化合物;酵母発酵ろ液、並びにその他を更に含んでもよい。
好ましくは、本発明の組成物は:
(a)以下の工程を含む、第1の混合物を調製する工程:
(a1)温度約70〜80℃において第1の油性構成成分を第1の界面活性剤系及び第1の水性キャリアと混合して第1のエマルションを形成する工程であって、第1の水性キャリアの量は第1の油性構成成分及び第1の界面活性剤系の総重量の約0.5〜約10倍である工程;
(a2)(a1)の混合物を約50℃に冷却する工程;
(a3)(a2)の混合物を第3の水性キャリアに加える工程であって、第3の水性キャリアの温度は、得られる混合物を40℃以下の温度に直ちに冷却するのに十分なだけ低温である工程;
(b)以下の工程を含む、第2の混合物を調製する工程:
(b1)温度約20〜40℃において第2の油性構成成分を第2の界面活性剤系及び第2の水性キャリアと混合して第2のエマルションを形成する工程であって、第2の水性キャリアの量は第2の油性構成成分及び第2の界面活性剤系の総重量の約0.5〜約20倍である工程;
(c)前記第1の混合物と前記第2の混合物とを混合する工程
を含む調製方法により調製される。
*1メドウフォーム種子油:クロピュア(Cropure)MDF、クローダ(Croda)より入手可能
*2グリセリルポリメタクリレート及びプロピレングリコール及びPVM/MAコポリマー:ルブラジェルオイル(Lubrajel Oil)、ガーディアン・ラボ(Guardian Lab)より入手可能
*3香料:リモネン(limonene)含有
*4茶木油:テルピネン−4−オール及びε−テルピネンを含有、サザン・クロス・ボタニカルズ(Southern Cross Botanicals)より入手可能
*5アクリル酸/アルキルアクリレートコポリマー 1:ペミュレン(PEMULEN)TR−1、B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)より入手可能
*6アクリル酸/アルキルアクリレートコポリマー 2:ペミュレン(PEMULEN)TR−2、B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)より入手可能
*7ジメチコン/ジメチコノール:DCQ2−1403、ダウ・コーニング(Dow Corning)より入手可能
*8シクロメチコン/ジメチコノール:DCQ2−1401、ダウ・コーニング(Dow Corning)より入手可能
*9キサンタンガム:ケルトロール(Keltrol)T、ケルコ(Kelco)より入手可能
*10カルボマー:カーボポール(Carbopol)981、B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)より入手可能
*11ヒアルロン酸ナトリウム:チッソ社(Chisso corp.)より入手可能
*12パンテノール:ロシェ(Roche)より入手可能
*13ナイアシンアミド:ロシェ(Roche)より入手可能
*14ナツメ果実抽出物:イチマル・ファルコス(Ichimaru Pharcos)より入手可能
*15ウィッチヘーゼル抽出物:ハマメリス液(Hamamerisu Liquid)、イワセ(Iwase)より入手可能
*16クローブ抽出物:丁子抽出物(Choji Extract)BG、イワセ(Iwase)より入手可能
*17二酸化チタン:二酸化チタン(Titanium Dioxide)MT−100、テイカ(Tayca)より入手可能
*18セルロース粉末:セルフロー(Celluflow)C−25、チッソ社(Chisso corp.)より入手可能
*19ビニルジメチコーン/メチコーンシルセスキオキサン(Silsesqueioxane)クロスポリマー:KSP−100、信越化学(Shinetsu Chemical)より入手可能
(a1)フェーズ01を約80℃に加熱する。フェーズ02を約78℃に加熱する。フェーズ01をフェーズ02に加えて混合することにより乳化させる。
(a2)(a1)の混合物を約10〜約20分間以内に約50℃まで冷却する。
(a3)フェーズ03が室温である状態で、(a2)の混合物をフェーズ03に加える。
(b1)約25℃においてフェーズ04をフェーズ05に加えることにより乳化させる。
(c)工程(a3)の混合物と工程(b1)の生成物とを混合する。
(d1)含まれる場合、フェーズ06を約80℃に加熱して、フェーズ06を高速攪拌器を用いて523rad/s(5000rpm)以下で均質になるまで混合する。
(d2)フェーズ06を約80℃のフェーズ07に加え、この混合物を約45℃に冷却する。
(d3)フェーズ09を(d2)の混合物に加える。
(d4)フェーズ08を(d4)の混合物に加える。
(d5)フェーズ10を約80℃に加熱し、フェーズ10を高速攪拌器を用いて523rad/s(5000rpm)以下で均質になるまで混合する。フェーズ10を(d4)の混合物に加える。
(d6)フェーズ11を高速攪拌器を用いて523rad/s(5000rpm)以下で均質になるまで混合する。フェーズ11を(d5)の混合物に加える。
最後に、工程(c)の混合物と工程(d6)の混合物とを混合する。
Claims (13)
- (a)第1の界面活性剤系、第1の油性構成成分、及び第1の水性キャリア(aqueous carrier)を含む第1のエマルションであって、前記第1の界面活性剤系は、C12〜18のアルキル置換基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油類、及び直鎖若しくは分枝状モノ−又はトリアルキルグリセリド類から成る群から選択される2以上の非イオン性界面活性剤を含み、前記第1の油性構成成分は、皮膚軟化剤類、シリコーンオイル類、及びこれらの混合物から成る群から選択され、前記第1の界面活性剤系と前記第1の油性構成成分との重量比は約5:1〜約1:1である第1のエマルション;
(b)第2の界面活性剤系、第2の油性構成成分、及び第2の水性キャリアを含む第2のエマルションであって、前記第2の界面活性剤系は、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油類、C10〜20のアルキル置換基を有するポリグリセリンアルキルエステル類、ポリソルベート類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリオキシエチレン硬化ステロール類、ヒドロキシル化レシチン(hydroxylated lecithin)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート類及びこれらの塩類、並びにグリセレス−25PCAイソステアレート(glycereth−25 PCA isostearate)から成る群から選択される1以上の非イオン性界面活性剤を含み、前記第2の油性構成成分は、香料類、テルペン化合物類を含有する疎水性植物抽出物類、疎水性ビタミン類、及びこれらの混合物から成る群から選択され、前記第2の界面活性剤系と前記第2の油性構成成分との重量比は約20:1〜約3:1である第2のエマルション;並びに
(c)第3の水性キャリア
を含むことを特徴とするスキンケア組成物。 - 構成成分(a)〜(c)から本質的に成る基礎組成物(base composition)は、波長340nmで約2以下の吸光度を有することを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 前記第1の油性構成成分は皮膚軟化剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 前記マイクロエマルションは約100nm未満の平均粒径を有することを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 前記第1の界面活性剤系は10以上のHLBを有することを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 前記第1の系は、10以上のHLBを有する非イオン性界面活性剤を少なくとも1種と、10未満のHLBを有する非イオン性界面活性剤を少なくとも1種含むことを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 前記第2の界面活性剤系は8以上のHLBを有することを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 前記第2の界面活性剤系は、8以上のHLBを有する非イオン性界面活性剤類から本質的に成ることを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 前記第2のエマルションはポリオール・キャリア(polyol carrier)を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- カルボン酸/カルボキシレートコポリマーを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 追加の水溶性ポリマーを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- 追加の水溶性湿潤剤を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物。
- (a)以下の工程を含む、第1の混合物を調製する工程:
(a1)温度約70〜80℃において前記第1の油性構成成分を前記第1の界面活性剤系及び前記第1の水性キャリアと混合して前記第1のエマルションを形成する工程であって、前記第1の水性キャリアの量は前記第1の油性構成成分及び前記第1の界面活性剤系の総重量の約0.5〜約10倍である工程;
(a2)(a1)の混合物を約50℃に冷却する工程;
(a3)(a2)の混合物を前記第3の水性キャリアに加える工程であって、前記第3の水性キャリアの温度は、得られる混合物を40℃以下の温度に直ちに冷却するのに十分なだけ低温である工程;
(b)以下の工程を含む、第2の混合物を調製する工程:
(b1)温度約20〜40℃において前記第2の油性構成成分を前記第2の界面活性剤系及び前記第2の水性キャリアと混合して前記第2のエマルションを形成する工程であって、前記第2の水性キャリアの量は前記第2の油性構成成分及び前記第2の界面活性剤系の総重量の約0.5〜約20倍である工程;
(c)前記第1の混合物と前記第2の混合物とを混合する工程
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のスキンケア組成物の調製方法。
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