JP2006512085A - 植物および植物部分を処理する方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】植物および植物部分に対して様々な有益性をもたらすために修飾レシチンを使用する方法が開示される。成長中の植物に塗布させた修飾レシチンは、経済上重要な果物および野菜において、果実および植物の強固さ、大きさ、色彩および安定性の改善をもたらすことができる。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2003年1月3日に出願された米国仮出願第60/438,016号および2003年7月10日に出願された同第60/486,275号に対する有益性を主張する。
連邦政府により後援を受けている研究または開発に関する記述
適用なし。
発明の背景
植物および植物部分の多くは、人々にとって非常に経済的に重要である。果物、野菜、食用塊茎および切り花ビジネスはすべて、世界的に数十億ドル規模の産業である。芝草は、また別の数十億ドル規模の産業である。長い年月をかけて、人々は、様々な経済的に重要な植物および植物部分の生産を増加することを習得してきた。化学薬剤を植物に塗布して、例えば木からの落果を阻止することにより、果実の市場向きの収穫高を増加させている。さらに、人々は、収穫後の貯蔵および市場取引の期間中に、経済的に重要な植物部分の損失を低減させることを習得してきた。これに関しては、様々な化学薬剤を使用して、果物、野菜および切り花の貯蔵寿命(storage)および保管寿命(shelf life)を延長させている。しかしながら、生産高を増加させる薬剤の多くは、果物および野菜を柔らかくさせる望ましくない影響を有し、したがって、乏しい貯蔵寿命および保管寿命をもたらす。さらに、収穫高を増加させ、かつ貯蔵寿命および保管寿命を延長させる薬剤の多くは、毒物学的問題および環境的問題を有する。代わりの薬剤を見つけ出すことは、植物産業において非常に興味深い。
植物産業に対する別の主要な挑戦は、非生物的および生物的ストレスに関連する損傷からの経済的に重要な植物の保護に関する。具体的には、1940年代後半から1990年代後半にかけての米国における作物の損失の60%以上が、非生物的ストレスに起因した(USDA Agricultural Statistics, 1998を参照)。非生物学的ストレスとしては、冷害、凍結、干ばつ、暑さおよび他の環境的要因が挙げられる。昆虫、線虫、カタツムリ、ダニ、雑草、病原体(例えば、真菌、細菌およびウイルス)により引き起こされるもの、ならびにヒトおよびヒト以外の動物により引き起こされる物理的損害を含む生物学的ストレスもまた、米国においてかなりの作物の損失を招いた。したがって、ストレス損傷を防止または軽減し、またストレス損傷後の回復を加速させるのに使用することができる技術を見つけ出すことは、植物産業において非常に興味深い。
近年、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)のようなある特定のリン脂質が、様々な経済的に重要な植物および植物部分に対して幾つかの有益な効果(ストレスに関連した損傷から植物を保護すること(WO01/721330号、およびUS2003/0064893号を参照)ならびに貯蔵寿命および保管寿命を延長させること、ならびに植物部分の成熟を加速させること(Frag, K.M. et al., Physiol. Plant, 87:515-524 (1993)、Farag, K.M. et al., HortTech, 3:62-65 (1993)、Kaur, N., et al., HortScience, 32:888-890 (1997)、Ryu, S.B., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 94: 12717-12721 (1997)、米国特許第5,126,155号および同第5,110,341号、ならびにWO99/23889号を参照)を含む)をもたらすことが可能であることがわかってきた。しかしながら、大規模な用途に関しては、これらのリゾリン脂質は、現在は比較的高価である。リゾリン脂質によりもたらされるのと同じかまたはそれ以上の効果を費用効率よくもたらす潜在力を有する代わりの薬剤が、当該技術分野で切望されている。
発明の概要
本発明は、植物または植物部分の健康状態、成長またはライフサイクルを変化させるのに有効量の修飾レシチンで植物または植物部分を処理することにより、植物または植物部分に様々な有益な効果をもたらす方法を提供する。
ある態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物部分またはその相当する植物を処理することにより、植物部分の品質(例えば、果物、野菜、花または塊茎の品質)を改善させる方法に関する。例えば、上記方法は、果物および野菜の膨らみ、色彩および風味を改善させるのに、ならびに裂果を低減させるのに使用することができる。本発明の方法に使用することができる修飾レシチンとしては、酵素修飾レシチン(EML)および化学修飾レシチン(例えば、アセチル化レシチン(ACL)およびヒドロキシル化レシチン(HDL))が挙げられる。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物部分またはその相当する植物を処理することにより、植物部分における老化を遅延させる方法に関する。老化の遅延は、果物、野菜、花および塊茎のような各種製品に関して貯蔵寿命および保管寿命の延長をもたらすことができる。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物部分またはその相当する植物を処理することにより、植物部分(例えば、果物)の大きさ、重量またはその両方を増加させる方法に関する。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物または植物部分を処理することにより、植物または植物部分の成長を刺激する方法に関する。この方法は、切り枝上の根の根形成および発達を増強するのに、塊茎形成を増強するのに、また芝草の成長を刺激するのに使用することができる。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物または植物部分を処理することにより、植物または植物部分の美的特性を改善させる方法に関する。美的特性が改善された植物または植物部分は、常連客にとってより魅力的に見えるであろう。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物またはその適切な部分を処理することにより、植物になる果実を増加させる方法または落果を低減させる方法に関する。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物または植物部分を処理することにより、ストレスに関連した損傷から植物または植物部分を保護する方法に関する。
他の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物または植物部分を処理することにより、植物または植物部分における過敏応答を排除する方法(これは、植物または植物部分においてフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)、ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)、ペルオキダーゼ(POD)およびインドール−3−酢酸オキシダーゼ(IAAオキシダーゼ)のような1種類またはそれ以上の酵素の総活性の増加を測定することにより検出することができる)、および植物または植物部分におけるリグニン合成を増加させる方法に関する。
別の態様では、本発明は、非生物学的または生物学的ストレスにより引き起こされるストレスに関連した損傷から植物または植物部分を保護する方法に関する。上記方法は、植物または植物部分に塗布することが意図される農薬に、有効量のレシチンを添加することを包含する。
発明の詳細な説明
比較的低コストのEML、ACLおよびHDLを含む修飾レシチンは、植物または植物部分の健康状態、成長またはライフサイクルを変化させることにより、植物または植物部分に塗布されると、様々な有益な効果をもたらすことができることが開示される。「ライフサイクル」という用語は、植物または植物部分の収穫前および収穫後の両方の段階を包含するように本明細書中では広範囲に使用される。概して、修飾レシチンは、植物または植物部分において、品質および全体の健康状態を改善し、成長を刺激し、また老化プロセスを遅延させることができる。修飾レシチンはまた、結実を増加させ、落果を減少させ、またストレスに関連した損傷から植物または植物部分を保護することもできる。これらの特性に基づいて、修飾レシチンは多くの異なる方法で塗布させて、植物産業に利益を与えることができる。例えば、修飾レシチンを塗布させて、膨らみ、色彩、風味および香りに関して、果物、野菜、塊茎および切り花の品質を改善させ、また裂果を低減させることができる。また、修飾レシチンを塗布させて、植物部分において老化プロセスを遅延または延期させることにより、果物、野菜、塊茎および切り花のような様々な植物部分の貯蔵寿命および保管寿命を延長させることができる。修飾レシチンの成長刺激活性を利用することにより、果物、野菜および塊茎の大きさおよび/または重量を増加させ、芝草の成長を刺激し、また塊茎、根および芽の数を増加させることができる。また、修飾レシチンを使用して、植物または植物部分の全体的な健康状態を改善させることにより、植物または植物部分を消費者にとってより魅力的にさせることができる。さらに、修飾レシチンを塗布させて、結実を増加させ、また落果を低減させることにより、果実生産を増加させることができる。さらに、修飾レシチンを用いて、ストレスに関連した損傷により引き起こされる作物の損失を低減させることができる。本明細書中に開示される有益な効果は、商業価値を有する植物または植物部分すべて(例えば、果実、花、葉、根および茎)に適用可能である。好ましくは、本発明は、果物、野菜、塊茎、切り花およびそれらの相当する植物で実施される。本発明はまた、好ましくは芝草、花壇用植物ならびに他の機能的植物および観葉植物に実施される。
生理学的レベルで、EMLは、PAL、PODおよびPPOを含むリグニン合成酵素のような各種酵素の誘導を特徴とする植物における過敏反応のカスケードを誘発することができ、植物の細胞壁へのさらなるリグニンの合成および堆積をもたらすことを本発明者等は発見した(以下の実施例を参照)。この応答は、応答を誘導する1つまたはそれ以上の誘発因子を分泌する病原体(例えば、真菌、細菌またはウイルス)により感染された植物において見られる自己防衛過敏応答に類似している。PAL、POD、PPOおよび他の酵素の誘導により、誘発因子誘導性の過敏応答は、炭素フラックスの方向に影響を与え(例えば、フェニルプロパノイド、イソプレノイドおよびフィトアレキシン生産を増加させ)、続いて栄養器官および生殖器官の成長、色彩の発達およびストレスの軽減のような様々な生理学的応答を引き起こすことが知られている(Hammond-Kosack K., and Jones J 2000 Responses to Plant Pathogens, In: Biochemistry & Molecular Biology of Plants, Buchanan BB, Gruissem W, and Jones RL eds. American Society of Plant Biologists, Rockville, MD)。ストレスの軽減に関する最終結果の1つは、感染した植物組織の崩壊であり、病原体を捕捉して、したがって病原体が植物の他の部分に感染するのを防ぐ。理論に限定されることを意図しないが、本発明者等は、物理的創傷の非存在下で見られるEMLにより誘発される過敏応答は、病原体からの誘発因子により誘発されるものほど劇的でなく、したがって組織崩壊を引き起こさないし、また正常な組織機能を妨げもしないと考える。しかしながら、細胞壁に堆積したさらなる限定量のリグニンは、細胞壁を補強するのに十分であり、植物組織に対してさらなる構造的完全性を提供する。結果として、植物または植物部分は、水、栄養分および他の必須構成成分をより良好に保持することができ、より良好な全体的な品質および健康状態につながる。収穫した植物部分(例えば、果物、野菜、塊茎および切り花)に関して、このことはまた、老化プロセスの遅延または延期をもたらし、したがってそれらの貯蔵寿命および保管寿命を延長させる。生存植物および植物部分に関して、このことにより、より良好に成長することができるようになり、例えば、より大きくかつより重い製品をもたらすことができる。さらに、改善された構造的完全性および重要な構成成分を保持する能力は、結実の増加および落果の低減をもたらすことができる。さらに、植物または植物部分は、様々なストレス状況により良好に抵抗することができる。
本明細書中で使用する場合、「修飾レシチン」という用語は、植物成長を改質させる化合物のその支持物質を濃縮するように修飾されたレシチンを意味し、具体的にEML、ACL、HDLならびに特定の修飾レシチンであるEML、ACLおよびHDLに関して本明細書中に開示する植物成長の有益な効果を有する他の類似の修飾レシチンを含む。以下の実施例としてEML、ACLおよびHDLに関して記載する効果を用いて、当業者は、本明細書中に記載する技法を使用して、本明細書中に開示し、また以下の実施例で実証される有益な効果に関して、他の修飾レシチンを試験することができる。特定の修飾レシチンの正確な有効性が以下の実施例で実証されない程度まで、実施例に記載する系または当業者が精通する他の系を用いて、ルーチンな実験により当業者は有効性を容易に確定することができる。例えば、当業者は、実施例1に記載するダイコンの子葉の系を使用して、リグニン堆積、またはPAL、POD、PPOおよびIAAオキシダーゼ酵素活性の少なくとも1つのいずれかを測定することができる。修飾レシチンが測定したリグニン堆積または酵素活性を増加させる場合、修飾レシチンは、本発明の範囲内である。
商業上、レシチンは、各種商業製品において湿潤剤および乳化剤として一般的に使用される動物組織または植物組織に由来する複合生成物を指し、通常植物において生物学的効果を有すると予測されていない。レシチンは、アセトン不溶性リン脂質(ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファジン酸(PA)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルセリン(PS)および他のリン脂質を含む)、糖質、糖脂質、ならびにトリグリセリド、脂肪酸およびコレステロールのような幾つかの他の物質を含有する。精製等級のレシチンは、使用する分画のタイプに応じて、様々な割合でこれらの構成成分のいずれか、および組合せを含有してもよい。その油を含まない形態では、多数のトリグリセリドおよび脂肪酸が除去され、生成物は、総ホスファチド複合体のすべてのまたはある特定の分画を表す90%以上のホスファチドを含有する。天然の等級および精製等級の両方のレシチンの粘稠性は、遊離脂肪酸および油含有量、ならびに他の希釈剤の存在または非存在に応じて、プラスチックから液体まで多様であり得る。その色彩は、供給源および(通常過酸化水素および過酸化ベンゾイルにより)漂白されているか否かに応じて、淡黄色から褐色まで多様である。レシチンは、水中では単に部分的に可溶性であるが、容易に水和して、エマルジョンを形成する。油を含まないホスファチドは脂肪酸中に可溶性であるが、固定油中には事実上不溶性である。ホスファチド分画すべてが存在する場合、レシチンは、アルコール中に部分的に可溶性であり、アセトン中には事実上不溶性である。本発明の好ましい実施形態では、食品等級のレシチンを出発材料として使用して、修飾レシチンを作製する。これにより、修飾レシチンを食品に塗布させることに関する安全性および環境問題を最低限に抑える。しかしながら、非食品等級のレシチンもまた使用することができる。現在の定義では、食品等級のレシチン(CAS:8002−43−5)は、以下の特性を有する:(1)アセトン不溶物(ホスファチド)は50%以上である、(2)酸価は36以下である、(3)重金属(Pbのような)は0.002%以下である、(4)ヘキサン不溶物は0.3%以下である、(5)鉛は10mg/kg以下である、(6)過酸化物価は100以下である、および(7)水は1.5%以下である。
EMLは、(例えば、ホスホリパーゼA2またはパンクレアチンにより)酵素修飾したレシチンを指し、修飾は、レシチンの界面活性剤特性または乳化特性を増強するようになされる。ホスホリパーゼA2により行われる修飾と類似の修飾を行うために、化学的手順もまた使用することができる。好ましい実施形態では、食品等級のEMLを本発明で使用して、安全性および環境問題を最小限に抑える。しかしながら、非食品等級のEMLもまた使用することができる。現在の定義では、食品等級のEMLは、以下の特性を有する:(1)アセトン不溶物(ホスファチド)は50%以上である、(2)酸価は40%以下である、(3)鉛は、原子吸光分光分析法により決定する場合に1ppm以下である、(4)重金属(Pbのような)は20ppm以下である、(5)ヘキサン不溶物は0.3%以下である、(6)過酸化物価は20以下である、(7)水は4%以下である、および(8)リゾレシチンは、「Determination of Lysolecithin Content of Enzyme-Modified Lecithin: Method I (1985)」(これは、その全体が参照により援用される)により決定される場合にホスファチド50〜80モル%である。
化学的に修飾したレシチンの例としては、ACLおよびHDLが挙げられる。これらの化学的修飾もまた、レシチンの界面活性剤特性または乳化特性を増強するように意図された。ACLは、酢酸無水物でレシチンを処理することにより調製することができる。アセチル化は主として、リン脂質をN−アセチルリン脂質へと修飾する。HDLは、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、乳酸および水酸化ナトリウムで、あるいは過酸化水素、酢酸および水酸化ナトリウムでレシチンを処理して、出発材料のヨウ素価よりも好ましくは10%低いヨウ素価を有するヒドロキシル化生成物を生産することにより調製することができる。同様に好ましくは、得られた生成物の分離した脂肪酸分画は、約30〜約38のアセチル価を有する。
EML、ACLおよびHDLは、湿潤剤または乳化剤として一般的に使用され、通常植物において生物学的に活性であるとは予測されない。本発明者等は、EML、ACLおよびHDLが以下の実施例に記載するように、様々な生物学的効果をもたらすことができることを初めて実証した。未修飾レシチンは同じ効果を引き起こさないことに留意されたい。LPEのような純粋なリゾリン脂質は、本明細書中に開示するEML誘導性の効果の幾つかを引き起こすことができることが当該技術分野で既知である。しかしながら、EMLと同じ効果は、EML中に含有されるリゾリン脂質では説明することはできなかった。純粋なリゾリン脂質と対比して、EMLは、多くの他のタイプの分子を含有するかなり複雑な生成物であり、その成分ならびに化学的特徴および物理的特徴に関して、EMLを全体的に、純粋なリゾリン脂質と異なる生成物となっている。以下の実施例に記載するダイコンの子葉のバイオアッセイでは、20mg/L EML中のリゾリン脂質の総量が20mg/L LPE中の総量よりもかなり少ないのにもかかわらず、20mg/L EMLは、酵素PPOおよびIAAオキシダーゼの活性化の観点で、過敏応答の誘導に関して、20mg/L LPEより効果的あった。これらのデータは、EMLの1つまたはそれ以上の非リゾリン脂質構成成分あるいは化学/物理特性が、観察される効果にとって重要であることを示す。さらに、リゾリン脂質に富んでいないACLおよびHDLも、IAAオキシダーゼの活性を誘導することが可能であったという事実は、修飾レシチンが純粋なリゾリン脂質とは異なって作用するという見解と一致する。
レシチンは、卵黄、大豆、ヒマワリ、ピーナッツ、ゴマおよびカノーラを含む様々な動物供給源および植物供給源から得ることができる。レシチンを生産するための供給源および方法、ならびにレシチンを酵素的に(例えば、ホスホリパーゼA2)または化学的に修飾する方法が当該技術分野で既知である。さらに、レシチン、EML、ACLおよびHDLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)のような様々な供給業者から市販されている。本発明で使用することができるEMLおよび化学的に修飾したレシチンの例は、Food Chemicals Codex, 4th ed. 1996, pages 198-221ならびに21 C.F.R. sec.184.1063、sec.184.1400およびsec.172.814(これらはともに、それらの全体が参照により本明細書中に援用される)に見出すことができる。
1つの態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物部分を処理することにより、果物、野菜、花および塊茎のような収穫した植物部分の品質を改善する方法に関する。関連態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物部分を処理することにより、収穫した植物部分の老化を遅延し、また貯蔵寿命および保管寿命を増強する方法に関する。これらの用途では、修飾レシチンは、植物部分を収穫する前または後に植物部分に塗布することができる。上述のように、植物部分の品質、老化ならびに貯蔵寿命および保管寿命に対する修飾レシチンの効果は、細胞壁を補強し、また植物組織に対してさらなる構造的完全性を提供するその能力に関すると考えられる。収穫した植物部分は通常、水、栄養分および収穫時に存在したその構造的構成成分を含む他の必須分子に限定される。時間が経つと、これらの分子および構成成分を損失しながら、植物部分は老化プロセスを受けて、植物部分の腐敗および分解を招く。細胞壁を補強し、またより大きな構造的完全性を提供することにより、修飾レシチンは、植物部分が上述の分子および構成成分をより良好に保存することを可能にし、したがって植物部分の品質を改善するのを可能にする。さらに、分解および老化プロセスは、結果として遅延させることができ、植物部分の貯蔵寿命および保管寿命を延長させることができる。茎を水または数種の栄養分溶液中に浸漬させる場合が多い切り花に関しては、処理溶液中に修飾レシチンを含ませることにより、品質をさらに改善されることができ、保管寿命を延長させることができる。
本明細書中で使用する場合、「植物部分の品質」の意味は、問題となる植物部分に依存し、以下の:植物部分の強固さ(膨らみ)、色彩、風味、香りおよび亀裂の少なくとも1つを指す。植物部分がより強固である(より膨らんでいる)場合、かつ/または平均的な消費者にとってより望ましい色彩、風味または香りを有する場合に、植物部分の品質は改善されているとみなされる。果実に関しては、亀裂の低減がまた、品質の改善とみなされる。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで生存植物またはそれらの植物部分を処理することにより、植物部分の大きさ、重量またはその両方を増加する方法に関する。植物部分の大きさは、その容量を指す。当業者は、特定の植物部分の大きさを測定および比較する方法を理解している。例えば、実質的に丸い果実では、直径を果実の大きさの尺度として使用することができる。同様の厚さを有する葉に関しては、表面積を葉の大きさの指標として使用することができる。本発明は、様々な果実、葉、花および塊茎の大きさ、重量またはその両方を増加させるのに特に有用である。以下の実施例で示されるように、大きさの増加の結果として、リンゴの木からの市場向きのリンゴの数が増加した。
関連態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで切り枝を処理することにより、切り枝上の根の根形成および発達を増強する方法に関する。切り枝上の根の根形成および発達を増強することは、修飾レシチンが、根の数、根の全体的な長さまたはその両方を増加させることができることを意味する。根がそれ自体商業製品である場合、上記方法を用いて、根の生産を増加させることができる。そうでなくても、本発明の方法を用いて、植物の成長率および発達度を刺激することができる。特に、修飾レシチンを鉢植え用の土壌培地に添加して、根形成および発達を促進することができる。
別の関連態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで塊茎植物またはその塊茎を処理することにより、塊茎形成を増強する方法に関する。塊茎形成を増強することは、修飾レシチンが塊茎の数を増加させることができることを意味する。
別の関連態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで芝草を処理することにより、芝草の成長を刺激する方法に関する。芝草の成長率は、当業者に精通した任意の方法により測定することができる。例えば、芝草の乾燥重量またはバイオマスを測定することができる。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物または植物部分を処理して、植物または植物部分の全体的な健康状態を改善させることにより、植物または植物部分の美的特性を改善させる方法に関する。理論により限定されることを意図しないが、本発明者等は、修飾レシチンが、植物細胞壁を補強し、また植物組織に対してより大きな構造的完全性を提供することによりこの効果を達成すると考える。修飾レシチンのこの活性は、芝草、花壇用植物ならびに他の機能的植物および観葉植物を消費者にとってより魅力的なものとするのに特に有用である。
別の態様では、本発明は、有効量の修飾レシチンで植物またはその適切な部分を処理することにより、結実を増加し、または落果を低減させる方法に関する。好ましくは、植物全体に修飾レシチンを含有する溶液を噴霧する。結実を増加させることにより、収穫に応じることが可能な果実の数を増加することができる。落果を低減させることにより、果実の損失を低減し、さらに果実の大きさを潜在的に増加させることが可能である。上記方法は、比較的多数の果実が収穫前に落下する傾向にあるリンゴのような果実に関して特に有用である。
別の態様では、本発明は、ストレスに関連した損傷から植物または植物部分を保護する方法に関する。上記方法は、有効量の修飾レシチンを植物または植物部分に塗布させることを包含する。ストレスに関連した損傷から植物または植物部分を保護することは、以下の:(1)損傷の完全な防止、(2)損傷の重症度の低減、(3)より高度な損傷からの回復、および(4)損傷からのより迅速な回復のうちの1つまたはそれ以上を意味する。
本明細書中で使用する場合、「ストレスに関連した損傷」という用語は、非生物的および/または生物的ストレスに起因する損傷を指す。「非生物的ストレス」は、植物または植物部分に1ケ所またはそれ以上の損傷を引き起こすことができる非生存物質または環境因子を指す。非生物的ストレスの例としては、冷害、凍結、風、霰、水害、干ばつ、暑さ、土壌圧縮、土壌痂皮および農薬(例えば、殺虫剤、防虫剤、殺真菌剤、除草剤および肥料)が挙げられるが、これらに限定されない。「生物的ストレス」は、植物または植物部分に1ケ所またはそれ以上の損傷を引き起こす生存物質を指す。生物的ストレスの例としては、病原体(例えば、真菌、細菌およびウイルス)、昆虫、線虫、カタツムリ、ダニ、雑草、ならびにヒトおよびヒト以外の動物により引き起こされる物理的損害(例えば、牧草を食すること、および踏みつけること)が挙げられるが、これらに限定されない。ストレスに関連した損傷から植物または植物部分を保護するために、以下の段階:(1)ストレスに曝露させる前、(2)ストレスに曝露中、および(3)ストレスに曝露した後の1つまたはそれ以上で、修飾レシチンを塗布させることができる。さらに、修飾レシチンは、植物成長調節因子、殺虫剤、防虫剤、殺真菌剤、除草剤、肥料および人々が一般的に植物に使用する他の農薬(ここで、使用することにより植物にストレスをもたらし得る)用の補助剤として使用することができる。
本発明を実施する際に、当業者は、修飾レシチンをある特定の植物部分のみまたは植物全体に塗布するかどうかを容易に決定することができる。例えばストレスに関連した損傷保護を使用して、ストレス状態がある特定の植物部分のみに影響を及ぼし、その特定部分を保護することが目標である場合、その特定の植物部分を修飾レシチンで処理すれば十分であり得る。
植物または植物部分を修飾レシチンで処理する任意の適した方法を本発明で使用することができ、当業者はこれらの方法に精通している。好ましくは、植物または植物部分は、修飾レシチンを含有する溶液で処理される。本発明の目的で修飾レシチンに好ましい溶媒は水である。しかしながら、有機溶媒のような他の適した溶媒もまた使用することができる。修飾レシチンを含有する溶液で植物または植物部分を処理するためには、植物または植物部分に溶液を噴霧することができるか、あるいは植物または植物部分を溶液に漬けるかまたは浸すことができる。植物または植物部分を修飾レシチンに曝露させる他の適切な方法もまた使用することができる。特に切り花に関して、植物または植物部分は、修飾レシチン含有溶液中に茎の切断末端を漬けることにより処理することができる。地下の根または塊茎を処理する場合、修飾レシチンを土壌に含ませることができる。
特定の用途に関して塗布されるべき修飾レシチンの投与量および処理期間は、処理される植物または植物部分のタイプ、修飾レシチンを塗布する方法、処理目的および他の要因に依存する。当業者は、適切な処理条件を容易に決定することができる。一般的に言えば、EMLのような修飾レシチンが溶液中で標的植物または植物部分に送達される場合、その濃度は、約1ppm〜約20,000ppm、約10ppm〜約10,000ppm、あるいは約25ppm〜約5,000ppmの範囲であり得る。「約」という用語は、明細書および特許請求の範囲において、列挙した濃度からわずかに逸脱するが、列挙した濃度の本質的な機能を保持する濃度を網羅するのに使用される。
修飾レシチンのほかに、湿潤性、修飾レシチンの取り込みおよび有効性を増強する1つまたはそれ以上の添加剤を、本発明を実施する際に修飾レシチンと一緒に使用することができる。本発明の方法で使用することができる添加剤の例としては、エタノールおよび農業補助剤(例えば、Tactic(商標)(Loveland Industries, Inc., Greeley, CO))が挙げられるが、これらに限定されない。添加剤は、処理組成物または配合物中で約0.005%〜約5%(v/v)、約0.025%〜約1%(v/v)、または約0.03%〜約0.5%(v/v)の量で存在し得る。
例として、本発明の実施例を以下に記載するが、これらに限定されない。
子葉の展開および過敏応答酵素に対するEMLの効果
材料および方法
この実施例で使用する大豆EML(Precept(商標)8160(商標))、ACL(Precept(商標)8140(商標))およびHDL(Precept(商標)8120(商標))は、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から購入した。卵EMLは、Primera Foods, Cameron, WIから購入した。
ダイコン(Raphanus sativus L. cv.Cherry-Blue)の種子を、蒸留水で湿らせた濾紙を含んだペトリ皿中で、24℃で40時間、暗所にて発芽させた。2つの子葉のうちの小さい方を切除して、生重量を決定して、10枚の子葉を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、2mM、pH6.0)7.5mLおよび20mg/Lで試験されるべき化合物を含有するペトリ皿中の濾紙上に葉の表側を下にして置いた。続いて、24℃または25℃で最大72時間、連続照明下で子葉をインキュベートして、生重量の増加を確実にした。クロロフィル含有量は、Lichtenthaler, HK(Methods in Enzymology 148:350-382, 1987)によって記載されるように、80%EtOH(ブチル化ヒドロキシトルエン10mg/Lを含有する)へ組織を抽出した後決定し、方程式Chl a=(13.95A663)−(6.88A647)およびChl b=(24.96A652)−(7.32A663)を用いて定量化した。IAAオキシダーゼ、PAL、PPOおよびPOD活性は、Kato, M. et al. (Plant and Cell Physiology 41:440-447, 2000)およびLi. X et al.(Plant Science 164:549-556, 2003)によって記載されるように決定した。
結果
おそらく子葉中の根由来のサイトカインの濃度の一時的変化に起因したバイオアッセイ由来のばらつきを除去するために、バックグラウンドにおいて0.2mg/L(およそ1μM)カイネチンを日常的に含むようにバイオアッセイ手順を変更させた。
子葉展開成長率:展開成長率に対するカイネチン存在下での大豆EMLの効果を研究し、結果を表1に示す。カイネチン存在下では、大豆EMLは、対照に対して、子葉展開成長率の増加をもたらした。
Figure 2006512085
キュウリの子葉を用いた類似の実験では、子葉展開成長率に対するEMLの効果を、大豆EMLおよび卵EMLの両方で試験した。表2に示すように、大豆EMLおよび卵EMLはともに、子葉展開成長率を増加させた。
Figure 2006512085
別の実験で、子葉展開成長率に対するEML、ACLおよびHDLの影響を試験した。これらの修飾レシチンはすべて、子葉展開成長率を増加させた(表3)。
Figure 2006512085
PAL(EC 4.3.1.5)活性:エチレンは、創傷を含む各種ストレスに応答して植物により生産される(Kato, M et al. Plant and Cell Physiology 41: 440-447, 2000)。ストレスが十分な強度および期間であると仮定すれば、植物はまた老化の徴候を示し始める。これにもかかわらず、ストレスは、植物の成長および発達の一般的な日常的な特徴であり、植物は一般的に不動であるため、植物が「標準的な」日々のストレスに対処するためのメカニズムを必要とする。これは、本来備わっている防御メカニズムの系により達成される。これらの系の1つは、PAL(EC 4.3.5.1)を包含し、この酵素の活性は、植物が傷付けられるか、あるいは病原体および/または誘発因子に曝露されると増加する。PALの活性はまた光によって調節され、したがって暗所で成長させた苗を明所に移すことにより、効果活性が増加すると予測される。EMLが過敏型応答において誘発因子として作用するかどうかを決定するために、大豆EMLへの曝露後のダンコンの子葉におけるPALの活性を研究し、結果を図1に示す。
EMLは、カイネチン処理した子葉で観察されるのと同様に、タンパク質含有量の迅速であるが、一過性の増加を引き起こした。この処理では、タンパク質含有量は、6時間後に減少し始めた。ACC処理子葉では、タンパク質の蓄積は遅れ、光に曝露した24時間後にやっと最大限に達した。すべての場合において、タンパク質の蓄積は、PAL活性の増加を伴った。
EML処理した子葉では、PAL活性の増加は急激であったのに対して、ACC、対照およびカイネチン処理した子葉では、PAL活性の増加は、漸次遅延した。この観察は、PALを刺激することが可能な誘発因子としてのEMLの役割に関する強力な徴候を提供する。
大豆EMLによるPAL誘導の短期間の動態により、PAL活性がEML処理子葉で増加されたことが確認される(図2)。したがって、EMLは、PALを活性化し、成長中のダイコンの子葉のフェニルプロパノイド含有量を増加させる可能性が高い。したがって、リグニン堆積の増加を予測することができ、クロロフィル蓄積に影響を及ぼすことなく、展開成長の遅延をもたらす。この可能性を試験するために、EMLと一緒にカイネチンを子葉に供給し(展開を促進するため)、リグニン含有量を決定した。リグニンは、Chen, M and McClure, JW(Phytochemistry 53: 365-370, 2000)によって記載されるように、EMLで処理した子葉または未処理の子葉から調製される抽出なしの組織サンプル中のリグノチオグリコール酸(LTGA)の量を測定することにより定量化した。図3の結果は、72時間までにEML処理した子葉が実質的により多くのLTGAを含有したことを示す。
これらの結果は、PAL(図1および図2)およびPOD(図4)活性を誘導すると共にに、EMLは誘発因子として作用し、組織のフェノール性エステルおよびリグニンの生合成を増加させるという見解を支持する。
POD(EC 1.11.1.7)活性:POD(EC 1.11.1.7)は、モノリグノールの重合の工程でのリグニン形成(Grisebach, H, Lignins, In: The Biochemistry of Plants Vol 7, Secondary Plant Products, Conn EE (ed) Academic Press, New York, pp 457-478, 1981)を示し、かつ創傷に引き続きPOD活性を誘導することで、多数の種に関して実証された後の(Kato, M et al., Plant and Cell Physiology 41:440-447, 2000、およびそこに含まれる参照文献)に関与している。PODの導入に対するEMLの効果を決定するために、大豆EML(20mg/l)への曝露後の72時間のインキュベーション期間中、この酵素の活性をモニタリングして、結果を図4に示す。EMLは、インキュベーションの最初の6時間以内におよそ15%(対照に対して)POD活性を増加させた。その後、POD活性は、すべての処理において減少した。48時間および72時間でのPOD活性の増加は、展開成長において標準的な事象であり、器官の成熟の開始および老化の始まりを示す。この発達段階で、POD活性は、カイネチン処理した子葉で最低であり、その後EMLで処理した子葉が続いた。最高のPOD活性は、対照およびACC処理した子葉で測定された。これは、EMLが子葉の葉の発達の老化段階への進行を遅らせることができることを示唆する。
上述の結果は、EMLによる過敏応答経路の構成成分の誘導を指摘するが、上述の結果は、全身性メカニズムの兆しを付与しない。事実上応答が全身性であるかどうかを決定するために、EML溶液を蒸散流によりグリーンビーンズの苗に供給し、最大72時間インキュベートして、子葉の葉のPAL活性を決定した。図5の結果は、蒸散流によりグリーンビーンズの苗をEMLで処理しても、葉におけるPAL活性は変化しなかったことを示す。したがって、本発明者等は、EMLは、典型的な全身型応答を誘導しないと結論付けることができる。
PPO(EC 1.14.18.1):PALおよびPODと同様に、PPOは、植物においてリグニン生合成を触媒する重要な酵素である。ダイコン系では、PALおよびPODは、大豆EMLへの曝露により誘導され、図6に示すように、PPOもまた誘導され、活性は、処理の48時間後に最大であった。対比して、LPEは、EMLほどPPO活性を誘導せず、ACCは、PPO活性を抑制するようであった。未処理の子葉およびカイネチン処理した子葉では、酵素活性は、経時的に徐々に増加するようであった。
IAAオキシダーゼ活性:IAA恒常性は、植物の成長率および発達の相関的な制御に寄与する重要なプロセスである。概して、IAAは、頂部および芽で合成され、頂部に由来するIAAが底部に輸送される。IAAの底部への移動は、頂芽優勢、異常な位置に生じた発芽、屈性応答等のようなプロセスを調節する。大豆EMLの存在下では、IAAオキシダーゼの活性は増加するのに対して、LPEは、この活性に対して明らかな効果が見られない。
POD活性およびIAAオキシダーゼは、それぞれリグニン生合成およびオーキシン代謝に関与する。多数の成長遅延剤が、PODおよびIAAオキシダーゼ活性に影響を与えることにより伸長成長を低減させることが示されている。さらに、IAAオキシダーゼ活性の増加が、病原体に曝露させた組織で観察されている。したがって、図7のデータは、EMLが誘発因子として作用し、おそらく増加されたフェノール酸生産および/または木質化に寄与し、IAAオキシダーゼに影響を及ぼすことにより内因性IAAを調節することを示す。この効果が親レシチンの酵素修飾に起因したかどうかを決定するために、未修飾(大豆レシチン)および修飾(EML、ACLおよびHDL)レシチンを比較した。
図8のデータは、EML、ACLおよびHDLが、IAAオキシダーゼ活性の非常に有効な誘導物質であったことを示す。未修飾レシチンはほとんど、またはまったくIAAオキシダーゼ活性に影響を及ぼさなかったようだ。
ブドウおよびリンゴの強固さ(膨らみ)に対するEMLの影響
この実施例で使用するEMLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から入手した大豆EML(Precept(商標)8160(商標))であった。
図9は、2000ppmの大豆EML水溶液の、収穫前に塗布した場合のブドウの果実の強固さを改善する能力を示す。2000ppmの大豆EMLの塗布は、流れ落ちることなく果実にしっかりと付着する小滴によりブドウの房を完全に覆うように手動ミストボトル噴霧を用いて2003年の4月に行った。収穫は、塗布のおよそ2週後に行った。各房から25個の実を、花軸(ステムキャップがついたまま)の所定の領域から取り出し、Firmtech強固さおよび直径分析器(BioWorks, Stillwater, Oklahoma)を用いて強固さを測定した。図9に示すように、EML処理は、ブドウの強固さを増加させた。
図10は、2000ppmの大豆EML水溶液の、収穫前に塗布した場合のリンゴの果実の強固さを改善する能力を示す。2000ppmの大豆EMLの塗布は、流れ落ちることなく果実にしっかりと付着する小滴によりリンゴの房を完全に覆うように市販用エアブラスト噴霧機を用いて2003年9月18日に行った。収穫は、塗布のおよそ2週後に行った。収穫した房から20個のリンゴを無作為に選択し、Firmtech強固さおよび直径分析器(BioWorks, Stillwater, Oklahoma)を用いて強固さを測定した。図10に示すように、EML処理は、リンゴの強固さを増加させた。
トマトの貯蔵寿命に対するEMLの影響
この実施例で使用するEMLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から入手した大豆EML(Precept(商標)8160(商標))であった。
図11は、1,000ppmの大豆EML水溶液の、収穫前に塗布した場合の完熟トマトの果実の貯蔵を改善する能力を示す。1,000ppmの大豆EMLの塗布は、流れ落ちることなく果実にしっかりと付着する小滴によりトマトの果実を完全に覆うようにCO2バックパック噴霧機噴霧を用いて成熟した青いトマトに、2003年7月に行った。収穫は、塗布のおよそ7日後に行った。完熟した果実を収穫後20日間、光条件および室温下にとどめ、専門家が市場に不向きの果実(水浸状態、酸腐敗臭のある腐敗および/またはかびを示す果実)を除去した。図11に示すように、EML処理は、総市場向き果実の割合を増加させた。
果物および野菜の大きさ、色彩ならびに重量に対するEMLの効果
この実施例で使用するEMLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から入手した大豆EML(Precept(商標)8160(商標))であった。
図12〜図16は、サマースイートピーチに対する、カリフォルニア州ファウラーで収穫するおよそ2週前に塗布した大豆EMLのサイジングおよび色彩への影響を示す。1,000ppmの水溶液を、果実を完全に覆うように手動ミストボトル噴霧機を用いて塗布した。塗布は、2003年6月25日に行い、2003年7月8日に収穫した。色彩および大きさの測定は、カリフォルニア州フレズノのUC-Davis Kearney Agricultural Stationにある光学的分別ラインを用いて決定した。
これは、単一ラテン方格法であり、各処理は、1度だけ各利用可能な処理位置を占有した。1つのスカフォールドまたは大枝を処理に割り当てた。処理はすべて、4本の木それぞれに対して1度行われた。処理は、夕方近くに行われた。収穫は、2003年7月8日に行った。収穫者は、各スカフォールドから処理した果実すべてを取り出し、それらをカリフォルニア州フレズノのthe Kearney Agricultural Stationに輸送した。光学的分別ラインによりそれぞれ繰り返し実施して、色彩および大きさで果実を分けた。大きさは、1〜10の範囲に及び、1が最小であり、直径がおよそ1.5インチのほとんど市場に不向きの果実であり、10が最大であり、直径が3.5インチを上回る。
大きさ3、大きさ6〜7、および大きさ9のピーチの割合に対する大豆EMLの効果を、それぞれ図12、図13および図14に示す。処理した果実は、低い大きさカテゴリー(#3)においてより少ない割合、およびより大きな大きさカテゴリー(#6−9)において非常に多い割合を示した。特に#6〜7の中程度から大きな範囲の範疇にある場合、より大きな果実はより有価である。色彩もまた市場性を決定する。処理した果実は、中程度の赤み(40〜100%)(図15)表面および高度な赤み(60〜80%)(図16)表面を有する果実の高い割合を示す。
図17〜図19は、赤ピーマンに対する、2003年7月23日にカリフォルニア州メンドタにおいておよそ10%の色割れに塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。500ppmの水溶液を、果実を完全に覆うように手動ミストボトル噴霧機を用いて塗布した。これは、8回の反復実験を伴った完全乱塊法であった。塗布は、日の出後の早朝に行った。温度は、およそ72°Fであり、湿度はおよそ50%であった。小滴滞留時間は30分を超えた。図17〜図19からわかるように、処理した果実は、対照果実よりも長く、幅広く、かつ重かった。
図20および図21は、ウィスコンシン州ゲイズミルズにおけるマッキントッシュリンゴに対する、収穫するおよそ3週前に塗布した大豆EMLの重量およびサイジングの影響を示す。1,000ppmの水溶液を、果実を完全に覆うように手動ミストボトル噴霧機を用いて塗布した。塗布は、2003年9月9日に行い、2003年9月30日に収穫した。これは、単一ラテン方格法であり、各処理は、木における4回の反復それぞれにおいてただ1つの四分円を占有して行った。
塗布は、空気温度およそ68°Fおよび晴天で、昼下がりに行った。小滴滞留時間は30分を超えた。処理した果実は、対照果実よりも大きく(より大きな直径を有し)かつ重かった。それぞれ図20および図21に示されるように、大豆EML処理は、マッキントッシュリンゴの重量および直径の増加をもたらした。
EMLは、塊茎の大きさおよび収量を高める
この実施例で使用するEMLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から入手した大豆EML(Precept(商標)8160(商標))であった。
ジャガイモの塊茎の大きさおよび収量に対するEMLの効果を決定するために、現地試験を行った。ウィスコンシン州ミルズ湖付近の黒泥土上でMuck Farmsにて成長させたダーク・レッド・ノーランドジャガイモ植物に3倍レベルのEML水溶液を噴霧した。噴霧塗布時、つるが枯れる2週前および収穫の4週間後の作物の成長は優れていた。塊茎は、栄養分の迅速な蓄積の段階にあり、大きさが迅速に増幅していた。
現地プロットデザイン:道路または他の交通から離れた現地の一様な場所をこれらの実験に関して選択した。20フィート長の単一の行プロットを使用した。各処理に関して5回の反復が存在し、プロットは、単一の未処理行で分けて、任意のスプレーのドリフトを回避した。
試験したEMLレベルおよびスプレーパラメータ:3つのEMLレベル、すなわちEML100ppm、250ppmおよび1,000ppmを植物の葉に塗布した。補助剤は使用しなかった。スプレー塗布は2回行った。最初の塗布は、つるが枯れる約2週前であり、ここで第2の塗布は、この10日後、つるが枯れるほんの5日前であった。
微細小滴サイズを提供するノズルを用いたCO2を動力としたバックパック噴霧機を使用した。液体を20ガロン/エーカーで塗布した。それにより良好な葉の被覆率が可能であった。
つる枯れ:収穫の約2週前に、植物にParaquat除草剤を噴霧して、つるを枯らして、収穫の準備をした。
収穫:各プロットの中心の15フィートを手で収穫して、ジャガイモの収量を決定した。塊茎はすべて収集し、ほこりを払って、秤量した。洗浄および乾燥後、それらの大きさに基づいて、ジャガイモを4オンス未満、4〜10オンス、および10オンス超過に分類した。大きさの各クラスをさらに、それらの皮の色彩に基づいて、優(premium)、良(acceptable)および可(poor)に視覚的に分けた。各クラスのジャガイモを計数して、秤量した。次に、任意の腐敗または損傷したジャガイモを廃棄した。
表4に示すように、試験した3つのEMLレベルはすべて、ジャガイモの塊茎の収量を増加させた。EML100ppmは、最大の市場向き収量の増加36.8%を提供した。
表5に示すように、試験した3つのEMLレベルはすべて、ジャガイモの塊茎の大きさを増加させた。EML100ppmは、最大の増加を提供した。
Figure 2006512085
Figure 2006512085
EMLは、根塊数を高める
この実施例で使用するEMLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から入手した大豆EML(Precept(商標)8160(商標))であった。
この実施例は、EMLの、水栽培状況に置く前に芝土に組み込んだ場合の根の成長を促進する能力を示す。2003年7月12日に、芝マットからの3つの同様な6インチ×12インチの断面スライスを、粉末状大豆EML床上に入れて、根塊を被覆した。つづいて、マットを1/2強度のHoagland溶液を有する水栽培溶液中に、通気しながら14日間入れた。14日後、マットを溶液から取り出して、3つの1インチスライスを、各マットの中央部分から取り出した。土壌を根から洗い流し、根部分のみが残されるように、根と芽の境界面で芽部分を刈った。根塊を風乾燥した後、重量を計った。結果を表6に示した。
表6では、各反復実験は、水栽培溶液中の6インチ×12インチのマットからの芝の3つの1インチ×6インチの断面スライスから構成される。各反復実験の数字は、芝の6インチ四方のグラムでの根塊の生データの平均である。3つの反復実験すべてにおいて、EML処理は、芝の根塊を増加させた。
Figure 2006512085
根形成に対するEMLの影響
この実施例で使用するEMLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から入手した大豆EML(Precept(商標)8160(商標))であった。
図22〜図24は、グリーンビーンズの根形成に対する20ppmの大豆EML溶液の影響を示す。3.5cmの切り枝を、溶液を含有する6インチの試験管中に、定常光およびおよそ70°F下で4日間入れた。4日後、新たに形成した根を計数した。続いて、反復実験を行った。図22および図23は、実験の終了時での対照およびEML処理した根の写真である。図24は、実験の終了時での対照およびEML処理群における根の平均数を示す。処理したグリーンビーンズの切り枝は、処理の4日後に根の数のおよそ50%の増加を示した(図24)。
EMLは、大豆において一連のさやおよび種子収量を高める
この実施例で使用するEMLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から入手した大豆EML(Precept(商標)8160(商標))であった。
大豆(Glycine max L)では、生産された花の43〜81%が、受粉前の落花、あるいは受粉した未成熟さやの落下に起因して、成熟さやを生産することができない(Hansen and Shibles, Agronomy Journal, Vol. 70, January-Febrary, 1978)。長年にわたって、ABA、IAA、BAPおよびGA3のような様々な成長ホルモンが、様々なレベルの成功を伴って、一連のさやの数を高めることが試験されている(Mosjidis et al., Annals of Botany 71:193-199, 1993)。
大豆の一連のさやおよび種子の収量に対するEMLの効果を決定するために、Glycine max Lの大豆を用いて10回の現地試験を行った。これらのうち、2回は、広大な農場での現地試験であり、他はすべて、狭小の反復現地試験であった。幾つかの種々の栽培品種を使用した。試験場は、多様な生育状態を有しており、テキサス州ブラウンズビルからアイオワ州シーダーフォールズに及び、大豆を小面積のみで生育している地域に加え大豆地帯も網羅している。
テキサス州ブラウンズビルでの現地試験では、植物発達の開花前、開花段階初期および開花のピーク時に、水溶液中の様々なレベルのEMLを植物に噴霧した。続く現地試験では、これらのデータに基づいて、植物成長の開花ピーク時の単一スプレーを塗布した。
現地プロットデザイン:現地試験では、可能な限り、現地の一様な場所を実験に関して選択した。25〜30フィート長の4つの行プロットを使用した。各処理に関して5回の反復実験を行った。隣接するプロットに対するEMLドリフトを回避するために、中心の2つの行のみを処理して、これによるすべてのデータを記録するのに使用した。農場での現地試験では、プロットの大きさは、2エーカーから8エーカーまで多様であった。
試験したEMLレベル、およびスプレーパラメータ:0、10、50、100および500ppmのEMLレベル、を植物の葉に塗布した。補助剤は使用しなかった。
微細小滴サイズを提供するノズルを用いたCO2を動力としたバックパック噴霧機を使用した。液体を15〜50ガロン/エーカーで塗布した。それにより良好な葉の被覆率を可能にした。
一連のさやデータ:一連のさやデータは、EMLスプレーの約4週後に、各反復において無作為に10種の植物に関して記録された。選択した植物それぞれに関する成長中のさやをすべて計数した。
種子収量データ:種子収量データに関して、EMLで処理した2つの中心の行をコンバイン収穫機を用いて収穫した。データは、プロットの大きさに基づいて算出し、未処理の対照と比較した。
10回の現地試験すべてにおいて、大豆EMLは、大豆の一連のさやを増加させるのに有効であった。特定の栽培品種に応じて、有効であるEML濃度は幾らか変化した。例として、アイオワ州シーダーフォールズで実施した試験からの結果を表7および表8に示す。表7に示されるように、一連のさやの割合の増加は、栽培品種Kruger K−269よりも栽培品種Pioneer 92B38に関して高かった。試験したEMLの濃度はすべて、栽培品種Pioneer 92B38の一連のさやを増加させた。栽培品種KrugerK−269に関して、10ppm、50ppmおよび100ppmのEMLは一連のさやを増加したのに対して、500ppmのEMLは増加しなかった。
表8に示すように、栽培品種Pioneer 92B38に対する10ppmのEMLを除いて、試験したEMLの濃度はすべて、栽培品種Pioneer 92B38およびKrugerK−269の種子収量を増加させた。
Figure 2006512085
Figure 2006512085
落果に対するEMLの効果
この実施例で使用するEMLは、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から入手した大豆EML(Precept(商標)8160(商標))であった。
図25はウィスコンシン州ゲイズミルズにおいてマッキントッシュリンゴに対して収穫のおよそ3週前に塗布した場合の落果に対する大豆EMLの影響を示す。1,000ppmの大豆EML水溶液を、果実を完全に覆うように手動ミストボトル噴霧機を用いて塗布した。塗布は、2003年9月9日に行い、2003年9月30日に収穫した。これは、単一ラテン方格法であり、各処理は、木における4回の反復それぞれにおいてただ1つの四分円を占有した。
塗布は、空気温度およそ68°Fおよび晴天で、昼下がりに行った。小滴滞留時間は30分を超えた。マッキントッシュリンゴの木は、それらの果実の大部分を落下させる場合が多い。図25に示されるように、処理した果実は、相当低い落果比率を示した。
ストレスに関連した損傷からの植物の保護
材料および方法
実験は、the University of Wisconsin Biotron Facility(2115 Observatory Drive, Madison, WI 53706)に位置する成長室で行った。各成長室は、10フィート×10フィートであり、そこでは温度、光量および光周期が制御された。光は、床の約8フィート上に設置した。蛍光灯の連続列(solid bank)により照明を提供する一方で、加湿は、ドアに隣接した壁上で天井のおよそ1フィート下にある吸気口に注入した蒸気パイプにより提供された。流出ダクトを、床からおよそ1フィート離れて吸気口の下に直接位置させた。これらの成長室内では、植物は、床からおよそ3.5フィート離れたベンチ上で成長させた。
記述した植物はすべて、別記しない限り、各個々の実験で示されるように、幾つかの土壌未含有培地の1つを有するおよそ6インチの深さの6インチ四方のプラスチック(HDPE)鉢中で成長させた。種子は、FafardのSuper Fine Germinating Mix土壌未含有培地(Fafard Corp., 1471 Amity Road, Anderson, SC 2961)へ、鉢の各隅に均一に鉢1つにつき4個ずつ植えた。いったん植えたら、相対湿度(RH)80%、25℃+/−2℃、光周期16時間および天蓋の頂上での光400uEに設定した成長室に入れた。
大豆EML(Precept(商標)8160(商標))は、Solae, LLC(Fort Wayne, IN)から購入した。EML含有溶液は、EMLが完全に溶解または懸濁するまで、強攪拌しながら水中でEMLを混合することにより調製した。表9〜表12に示すような特定濃度のEMLを含有する溶液を用いて、以下に記載するように植物を処理した。
大豆EMLを用いて、成長中の植物の栄養部分に直接塗布する溶液を作製した。標準的な水道水中に見られるカルシウムを模倣するために、EML含有溶液にはすべて、CaCl2 1mMを含有させた。場合によっては、0.032% Tactic(商標)Loveland Industries, Inc., Greeley, CO)、オルガノシリコーンおよび合成ラテックスの組合せ、ならびに他にはエタノールをEML含有溶液にさらに添加して、溶液による植物表面の湿潤を促進させた。溶液は、家庭用洗剤を分注に使用するのに類似した手持ち式の手動スプレーボトルで噴霧することにより植物に塗布した。
結果
EMLのストレス前の塗布によるフィールドコーンにおける冷害ストレスの軽減:Golden Harvestフィールドコーン(F−1ハイブリッド、H−2387)の4つの種子を、6インチ四方のプラスチック(HDPE)鉢に植えた。植えてから14日後に、各鉢中の4つの植物すべてに、任意の補助剤なしのEML溶液500ppm、あるいは対照として作用する水を噴霧した。各反復に関して、成長率および発達度が対等な植物を有する鉢を選択した。統計学的妥当性を確実にするために、対照および処理を無作為に鉢に割り当てた。噴霧後、植物を外気条件下に6時間置いた後、低温ストレスに曝露させた。低温ストレスは、温度を0℃に降下させることにより夜間の初めに開始して、日中の温度は、25℃に加温した。この日中/夜間の温度(25/0℃)を4日間繰り返した。4回の周期の最後に、植物をそれらの本来の成長条件(25/21℃、日中/夜間温度)に戻して、さらに5日間成長させて、成長率および活力に対する冷害の影響を決定した。成長の5日後に、植物を外科用メスで土壌表面にて収穫して、各処理の生重量を計り、対照鉢の生重量と比較した。この実験では、500ppmのEMLを用いた場合に、対照に対して5.3%の生重量の増加が観察された。これは、低温ストレスの緩和、すなわち軽減を示し、処理植物をより迅速に正常な成長速度へと回復させる。
低温ストレスを軽減するためのEMLによる大豆植物の処理:この実験では、大豆栽培品種KB241(Kaltenberg Seed Farms, 5506 State Road 19, PO Box 278, Waunakee, WI 53597)を使用した。4つの隅に関して均一に間隔を空けて1隅当たりに2個ずつ鉢1つにつき8個の植物である以外は上述のように、大豆を6インチの鉢中に植えた。植物は、Scottの366−P土壌未含有成長培地(Scott's Corp., 14111 Scottslawn Road, Marysville, OH 43041)中で、成長室にて条件:RH80%、25℃および14時間の光周期に関して光400uE下で成長させた。植えてから6日後に、「Chilling
Stress Alleviation in Field Corn with a Pre-stress Application of EML(EMLのストレス前塗布によるフィールドコーンにおける冷害ストレスの軽減」に記載されるような様式で、植物をEMLで処理した。EMLおよびCaCl2のほかに、一般的スプレー補助剤であるTacticを0.032%で添加して、スプレー溶液による葉の表面の湿潤性を改善させた。この実験では、各鉢の半分、すなわち4つの植物を対照スプレーで処理して、残りの4つを処理剤(EML 500ppm)で処理した。鉢の半分における植物および鉢の残り半分における植物は、大きさ、成長率および発達度に関して対等であった。処理および対照の割り当ては無作為に行った。これまでの実験と一致して、塗布を行った6時間後に、冷却に曝露し、その後鉢を冷却(0℃)条件下で72時間、成長室に移動した。RHは80%、14時間の光周期に関して光400uEであった。3日目の最後に、植物を25℃+/−2℃、RH80%および光400uEでのそれらの本来の成長条件に戻して、成長の13日後に収穫した。収穫は、「Chilling Stress Alleviation in Field Corn with a Pre-stress Application of EML(EMLのストレス前塗布によるフィールドコーンにおける冷害ストレスの軽減」に記載するもの:外科用メスによる土壌表面での植物の栄養部分の切断および植物の生重量の測定と一致していた。この実験では、冷害ストレス前のEML処理が、水で処理した対の対照に対して22%の生重量の増加をもたらした。この増加は、冷却期間中のストレスの軽減およびストレス後の活力の増加を示す。
干ばつストレスを軽減するためのフィールドコーン植物の処理:6インチ四方のプラスチック(HDPE)鉢中に植えたGolden Harvestフィールドコーン(F1ハイブリッド、H−2387)を使用した。種子は、Scottの366−P土壌未含有成長培地(Scott's Corp. 14111 Scottslawn Road, Marysville, OH 43041)中に、鉢の各隅に均一に、鉢1つにつき4個植えた。植物は、温室中で20日間、正常な成長条件(日中27℃+/−2℃で14時間、および夜間23℃+/−2℃)で成長させた。湿度は制御せず、成長ベンチのおよそ4.5フィート上に6個の600Wの高圧ナトリウムランプを置いて、補助照明を提供した。これらの温室は、the University of Wisconsin Biotron (2115 Observatory Drive, Madison, WI 53706)に位置する。鉢中での植物成長の20日後に、しおれの視覚的症状が現れた2日後まで、鉢への水を抑えることにより干ばつストレスを開始させた。この時点で、各鉢を2つの植物の2つの隣り合った組に分け、一方の側をEMLで処理して、他方の側を水で処理した(対照)。鉢に完全に水をやり、植物のストレスを解放して、良好な水条件下で9日間保持した。続いて、植物を収穫して、生重量を記録した。表9に示すように、干ばつ後の100ppmおよび500ppmのEML処理は、水で処理した対の対照に対して、それぞれ6.1%および10.3%の生重量の増加をもたらした。
Figure 2006512085
トウモロコシ植物に対する干ばつストレスを軽減するためのEMLのストレス中期の塗布:6インチ四方のプラスチック(HDPE)鉢中に植えたGolden Harvestフィールドコーン(F1ハイブリッド、H−2387)を使用した。種子は、Scottの366−P土壌未含有成長培地(上述の「干ばつストレスを軽減するためのフィールドコーン植物の処理」の詳細を参照)中に、鉢の各隅に均一に、鉢1つにつき4個植えた。この実験の詳細はすべて、「干ばつストレスを軽減するためのフィールドコーン植物の処理」において上述するのと同じであるが、但し、EMLスプレー塗布は、「干ばつストレスを軽減するためのフィールドコーン植物の処理」ではしおれの2日後であるのとは対照的に、視覚的なしおれが見られた1日後に行った。水分ストレスの解放2日後に植物を収穫した。表10に示すように、干ばつストレス後の500ppmのEML処理は、水で処理した対の対照に対して19.5%の生重量の増加をもたらした。
Figure 2006512085
トウモロコシにおける干ばつストレスを軽減するためのEMLのストレス中期およびストレス後期の塗布:「干ばつストレスを軽減するためのフィールドコーン植物の処理」における上記実験を、Golden HarvestおよびSyngenta N60−N2フィールドコーン植物を用いて繰り返した。実験およびストレス条件の詳細は同じであった。
21日齢のGolden HarvestおよびSyngenta N60−N2フィールドコーン植物を、干ばつストレス中期、干ばつストレスの直前および干ばつストレスの最後に500ppmのEMLで処理した。ストレス中期の塗布は、植物がしおれの徴候を最初に示したときから見積もって干ばつストレスの1日後に行った。ストレス後期の塗布は、植物がしおれの徴候を最初に示したときから見積もって干ばつストレスの2日後に行った。最後の処理の塗布の1時間以内に、植物に水をやった。実験は、各実験に関して4つの反復であった。ストレスを緩和した8日後に、植物を収穫して、データを収集した。
表11に示すように、EML塗布は、Golden HarvestおよびSyngenta N60−N2トウモロコシの両方においてバイオマスを増加させた。この増加は、Syngenta N60−N2トウモロコシ植物において顕著であった。干ばつ期間中期または干ばつ期間後期での塗布は効果的であった。
Figure 2006512085
キュウリにおいて低温ストレスを軽減するためのEMLのストレス前の塗布:15日齢のDasher品種のキュウリを500ppmのEMLおよび1,000ppmのEMLで処理した後に、植物を低温ストレスに曝露させた。植物は6インチ四方のプラスチック(HDPE)鉢中に入れ、鉢中に2つの植物を、鉢の反対の隅で互いに対角線に置いた。鉢中の両方の植物に同じ処理を噴霧した。各処理に関して6つの反復を行った。植物に処理または水を噴霧して、乾燥させた後、the University of Wisconsin Biotron(room 251B)における1〜2℃の低温室中に14〜16時間入れた。低温処理後に、植物を正常な温度条件下で8日間成長させた。続いて、植物を収穫して、データを収集した。冷害ストレス前の500ppmおよび1,000ppmでのEMLによるキュウリ植物の処理は、水で処理した対照植物と比較して、それぞれ3.5%および16.3%の生重量の増加を付与した。
キュウリにおいて低温ストレスを軽減するためのEMLのストレス後の塗布:EMLの塗布を冷却ストレス後に行い、低温処理が24時間であった以外は、「キュウリにおける低温ストレスを軽減するためのEMLのストレス前の塗布」における実験を繰り返した。
22日齢のDasher品種のキュウリ植物を、the University of Wisconsin Biotron(room 251B)における1〜2℃の低温室中に24時間入れることにより、低温ストレスを与えた。低温室から取り出した直後に、植物に処理または水対照を噴霧した。処理の20日後に、植物を収穫して、データを収集した。収穫時に、損害および再成長の度合いは、多様であった。しかしながら、EML処理(500ppm)は、水処理した対照植物と比較した場合に、90.3%のバイオマスの増加を提供した。
メロンにおいて低温ストレスを軽減するためのEMLのストレス前および後の塗布:「キュウリにおいて低温ストレスを軽減するためのEMLのストレス前の塗布」および「キュウリにおいて低温ストレスを軽減するためのEMLのストレス後の塗布」を、メロンを用いて繰り返した。
低温ストレスに曝露させる前または曝露した後に、30日齢のPrimoメロンを500ppmのEMLで処理した。処理時に、植物は、1枚の完全に幅広い葉と1枚の小さな葉を有していた。低温ストレスの前に、あるいは低温ストレスの直後に、植物に処理溶液を噴霧した。低温ストレスは、植物を1〜2℃に12時間曝露させた。植物は6インチ四方のHDPE鉢中に入れ、鉢中に2つの植物を、鉢の反対の隅で互いに対角線に置いた。鉢中の両方の植物に同じ処理を噴霧した。各処理に関して3つの反復を行った。処理の8日後に、植物を収穫して、データを収集した。収穫時に、損害および再成長の度合いは、多様であった。収穫時に、古い葉はすべて、ほとんど損害を示さないか、全く損害を示さず、植物はすべて、2〜3枚の新しい葉を有しており、すべてが健常であり、かつ頂端分裂組織から成長しているように見え、花芽が、植物すべてにおいて形成し始めていた。500ppmでのEMLは、低温ストレス曝露後に塗布を行った場合にストレスからの回復に効果的であった(表12)。
Figure 2006512085
トマト植物における低温ストレスの軽減:「キュウリにおいて低温ストレスを軽減するためのEMLのストレス前の塗布」および「キュウリにおいて低温ストレスを軽減するためのEMLのストレス後の塗布」を、トマトを用いて繰り返した。
52日齢のFlorida47トマトを500ppmのEMLまたは1,000ppmのEMLで処理した後、低温ストレスに曝露させた。処理時に、植物は約42〜48cm高であった。植物は、反復で並べた:反復1は、最も進歩しており(開花段階にある)、かつ最も高く、反復4は、進歩が最少であり、かつ最も低かった。反復2および反復3は、その中間であった。水対照に関して対の4つの反復実験が存在した。噴霧後、植物を乾燥させて、1〜2℃の低温室に25時間入れた。低温ストレス後、植物を数日間、正常な成長条件にさせた。収穫時に、植物は約55〜65cm高であった。より底部の(成長が古い)葉はすべて、非常に損害を受け、多くは落ちていたが、植物はすべて、かなり新規の成長が見られた。500ppmおよび1,000ppmで塗布したEMLは、それぞれ対照に対する植物バイオマスにおいて4.4%および12.7%の増加を提供した。
本発明は、特定の実施例に関連させて記載してきたが、併記の特許請求の範囲の範疇にある当業者に明らかなかかる修正および変形を包含する。
図1は、すべて20mg/Lで、1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸(ACC、エチレンに対する前駆体)、カイネチンおよびEMLに曝露させたダイコンの子葉におけるタンパク質含有量およびPAL活性の変化を示す。 図2は、EML処理したダイコンの子葉におけるPAL活性の短期間の動態を示す。 図3は、カイネチン誘導性の膨張しているダイコンの子葉におけるリグニン含有量に対するEMLの効果を示す。 図4は、ACC、カイネチンまたはEMLに曝露したダイコンの子葉におけるPOD活性の変化を示す。 図5は、蒸散流によりEMLで処理またはEMLで未処理の場合で処理した(ともに20mg/L)グリーンビーンズの苗の葉におけるPAL活性を示す。 図6は、ダイコンの子葉におけるPPO活性に対するLPEおよびEMLの効果を示す。 図7は、ダイコンの子葉におけるIAAオキシダーゼ活性に対するLPEおよびEMLの効果を示す。 図8は、膨張しているダイコンの子葉におけるIAAオキシダーゼの活性に対するレシチンの効果を示す。 図9は、ブドウの強固さに対する大豆EMLの影響を示す。 図10は、りんごの強固さに対する大豆EMLの影響を示す。 図11は、1,000ppm大豆EML水溶液の、収穫前に塗布した場合に完熟トマト果実の貯蔵を改善する能力を示す積極限生存フィット生存プロットである。 図12〜図14は、サマースイートピーチに対する、カリフォルニア州ファウラーで収穫するおよそ2週前に塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。 図12〜図14は、サマースイートピーチに対する、カリフォルニア州ファウラーで収穫するおよそ2週前に塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。 図12〜図14は、サマースイートピーチに対する、カリフォルニア州ファウラーで収穫するおよそ2週前に塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。 図15および図16は、サマースイートピーチに対する、カリフォルニア州ファウラーで収穫するおよそ2週前に塗布した大豆EMLの色彩の影響を示す。 図15および図16は、サマースイートピーチに対する、カリフォルニア州ファウラーで収穫するおよそ2週前に塗布した大豆EMLの色彩の影響を示す。 図17〜図19は、赤ピーマンに対する、カリフォルニア州メンドタにおいておよそ10%の色割れに塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。 図17〜図19は、赤ピーマンに対する、カリフォルニア州メンドタにおいておよそ10%の色割れに塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。 図17〜図19は、赤ピーマンに対する、カリフォルニア州メンドタにおいておよそ10%の色割れに塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。 図20および図21は、ウィスコンシン州ゲイズミルズにおけるマッキントッシュリンゴに対する、収穫するおよそ3週前に塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。 図20および図21は、ウィスコンシン州ゲイズミルズにおけるマッキントッシュリンゴに対する、収穫するおよそ3週前に塗布した大豆EMLのサイジングの影響を示す。 図22〜図24は、グリーンビーンズの発根に対する200ppm大豆EML溶液の根形成の影響を示す。図22および図23は、実験の終了時での対照およびEML処理した根の写真である。図24は、実験の終了時での対照およびEML処理群における根の平均数を示す。 図22〜図24は、グリーンビーンズの発根に対する200ppm大豆EML溶液の根形成の影響を示す。図22および図23は、実験の終了時での対照およびEML処理した根の写真である。図24は、実験の終了時での対照およびEML処理群における根の平均数を示す。 図22〜図24は、グリーンビーンズの発根に対する200ppm大豆EML溶液の根形成の影響を示す。図22および図23は、実験の終了時での対照およびEML処理した根の写真である。図24は、実験の終了時での対照およびEML処理群における根の平均数を示す。 図25は、ウィスコンシン州ゲイズミルズで行ったマッキントッシュリンゴの落果に対する大豆EMLの影響を示す。

Claims (41)

  1. 植物または植物部分を改質させる方法であって、該植物または植物部分の健康状態、成長またはライフサイクルを変化させるのに十分な量で修飾レシチンを含む組成物で該植物または植物部分を処理する工程を含む方法。
  2. 前記修飾レシチンが酵素修飾レシチンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酵素修飾レシチンが、卵レシチン、大豆レシチン、ヒマワリレシチン、ピーナッツレシチン、ゴマレシチンおよびカノーラレシチンからなる群に由来する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酵素修飾レシチンが大豆レシチンに由来する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記修飾レシチンがアセチル化レシチンである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記修飾レシチンがヒドロキシル化レシチンである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記植物部分が、果実、葉、花、根、茎および塊茎からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記植物部分が果実または塊茎から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記植物部分が、前記植物部分を前記植物から収穫する前に前記組成物に曝露される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記植物部分が、前記植物部分を前記植物から収穫した後に前記組成物に曝露される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記植物または植物部分を前記組成物で処理することが、前記の植物または植物部分に前記組成物を噴霧すること、および前記植物または植物部分を前記組成物に浸漬することからなる群から選択される方法により達成される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記組成物中の前記修飾レシチン濃度が約1ppm〜約20,000ppmである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記組成物中の前記修飾レシチン濃度が約10ppm〜約10,000ppmである、請求項1に記載の方法。
  14. 前記組成物中の前記修飾レシチン濃度が約25ppm〜約5,000ppmである、請求項1に記載の方法。
  15. 前記方法が、植物部分の品質を改善するためのものであって、該植物部分の品質を改善するのに十分な量で修飾レシチンを含む組成物で該植物部分または相当する植物を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記植物部分の前記品質が、膨らみ、色彩、風味および裂果からなる群から選択される特徴の少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記方法が、植物部分における老化を遅延させるためのものであって、該植物部分における老化を遅延させるのに十分な量で修飾レシチンを含む組成物で該植物部分または相当する植物を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 老化遅延が、前記植物部分の貯蔵寿命すなわち保管寿命の延長により測定される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記方法が、植物部分の大きさ、重量またはその両方を増加させるためのものであって、該植物部分の大きさ、重量またはその両方を増加させるのに有効量で修飾レシチンを含む組成物で該植物部分または相当する植物を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記方法が、植物または植物部分の成長を刺激するためのものであって、該植物または植物部分の成長を刺激するのに十分な量で修飾レシチンを含む組成物で該植物または植物部分を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記組成物が、切り枝を前記組成物で処理することにより、該切り枝上の根の根形成および発達を増強するのに使用される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記組成物が、塊茎植物またはそれらの塊茎を前記組成物で処理することにより、塊茎形成を増強するのに使用される、請求項20に記載の方法。
  23. 前記組成物が、芝草を前記組成物で処理することにより、芝草成長を刺激するのに使用される、請求項20に記載の方法。
  24. 前記方法が、植物または植物部分の美的特性を改善するためのものであって、該植物または植物部分の美的特性を改善するのに有効量で修飾レシチンを含む組成物で該植物または植物部分を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  25. 前記方法が、植物になる果実を増加させるためのものであって、該植物になる果実を増加させるのに有効量で修飾レシチンを含む組成物で該植物またはその適切な部分を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  26. 前記方法が、植物からの落果を低減させるためのものであって、落果を低減させるのに有効量で修飾レシチンを含む組成物で該植物またはその適切な部分を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  27. 前記果実がリンゴである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記方法が、ストレスに関連した損傷から植物または植物部分を保護するためのものであって、ストレスに関連した損傷から該植物または植物部分を保護するのに有効量で修飾レシチンを含む組成物で該植物または植物部分を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  29. 前記の植物または植物部分が、ストレス状況に曝露される前に前記組成物で処理される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記の植物または植物部分が、ストレス状況に曝露されている間に前記組成物で処理される、請求項28に記載の方法。
  31. 前記の植物または植物部分が、ストレス状況に曝露された後に前記組成物で処理される、請求項28に記載の方法。
  32. 前記組成物が少なくとも1種類の添加物をさらに含む、請求項28に記載の方法。
  33. 前記ストレス損傷が非生物的ストレスの結果である、請求項28に記載の方法。
  34. 前記非生物的ストレスが、冷害、凍結、風、霰、水害、干ばつ、暑さ、土壌圧縮、土壌痂皮、農薬、または上述のストレスの少なくとも2つの組合せの結果である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記農薬が、植物成長調節因子、殺虫剤、防虫剤、殺真菌剤、除草剤または肥料である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記ストレス損傷が生物的ストレスの結果である、請求項28に記載の方法。
  37. 前記生物的ストレスが、病原体、昆虫、線虫、カタツムリ、ダニ、雑草、またはヒトおよびヒト以外の動物により引き起こされる物理的損害により引き起こされる、請求項36に記載の方法。
  38. 前記病原体が真菌、細菌またはウイルスである、請求項37に記載の方法。
  39. 植物または植物部分における過敏応答を排除する方法であって、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ、ポリフェノールオキシダーゼおよびペルオキシダーゼからなる群から選択される酵素の総活性を増加させるのに有効量で修飾レシチンを含む組成物で該植物または植物部分を処理する工程を含む方法。
  40. 植物または植物部分における酵素の総活性を増加させる方法であって、該酵素が、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼおよびインドール−3−酢酸オキシダーゼからなる群から選択され、酵素の総活性を増加させるのに有効量で修飾レシチンを含む組成物で該植物または植物部分を処理する工程を含む方法。
  41. 植物または植物部分におけるリグニン合成を増加させる方法であって、該植物または植物部分におけるリグニン合成を増加させるのに有効量で修飾レシチンを含む組成物で該植物または植物部分を処理する工程を含む方法。
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