JP2006510523A - 多機能照明装置 - Google Patents

Abstract

道路上の安全性を改善するため、最近の自動車には、通常の照明装置に加えて、センサシステムが設けられており、該システムは、前記車両の周囲状況に関して、特に危険な状況の早期認識に関して、直接的又は間接的に車両の運転者を支援する。前記システムは、より具体的には、対象物の距離及び相対速度を探知するレーダシステム、又は赤外線による道路周辺区域の照射に基づいた夜間視界改善システムを含む。本発明によると、照明装置の発光手段は、領域を形成するよう共にグループ化された多数の半導体光源（２）の配列により形成されている。センサ要素（３）は、前記半導体光源（２）の代わりに、前記領域の個々の位置に配置される。多機能前照灯は、このようにして有利に作成されることが可能である。前記前照灯は、頑強で、小型で、狭い空間のユニットとして実現されることが可能である。光源（２）及びセンサ要素（３）が必ずしも同じレンズ系（１）を使用しない、すなわち多機能前照灯の各個別要素には個別に構成されたレンズ系（１）が設けられることも可能であるという事実のため、照明装置の光線経路は、センサ装置の視界から分離されることも可能であり、従って広範囲にわたって独立して決定されることも可能である。

Description

本発明は、請求項１及び１１の前段による、多機能照明装置及びそのような装置を操作する方法に関する。

最近の自動車は、道路交通における安全性を向上させる目的で、従来の照明機器に加えて、追加のセンサシステムを有しており、このシステムは直接的又は間接的に車両の運転者を支援し、車両周辺、特に危険な状況の早期探知のための監視を目的としている。これらのシステムには、特に対象物の範囲及び相対速度を探知するレーダシステム、又は赤外線による道路周辺の照明に基づく夜間視界改善システムが含まれる。これらのシステムは、一般に独立したシステムとして構成され、空間的に分離した形で、照明及び信号システムと共に追加の構成部品として車両に組み込まれる。

周囲センサ及び自動車前照灯の小型な設計について、特許文献１に記載されている。ここに記載されているのは、センサ装置と共通のハウジングを有する車両前照灯である。前照灯は、ハウジング内で光放出口を覆う拡散レンズの下流に配置されている。センサ装置も同様に同じ拡散レンズの下流に配置されており、拡散レンズは、センサの光学的要件に合わせて特にこの領域に適合されている。

同様の方法で、特許文献２は従来の自動車前照灯と距離センサとの組み合わせについて示している。ここでは、センサ信号は前照灯内に配置された鏡を介して方向付けられ、前照灯とセンサとによる、光線通過、光線成形及び光線屈折のための光学的及び機械的構成部品の共通使用が可能となる。

前照灯とセンサ装置とを組み合わせたこれらの装置の場合、相互に影響を及ぼすことを回避するため、光源とセンサの２つを空間においてはっきり分けた形で配置することが必要である。しかし、空間的に小型な設計の実行を目的とする場合、これは壊れやすい鏡装置を用いなければ不可能で、この鏡装置は、道路交通で発生する重要でない些細な事故であっても激しく損傷を受ける可能性がある。

前照灯内の光学距離計測装置の光検出器の空間的に小型な組み込みについて、特許文献３に提示されている。前照灯及び光検出器の光源は、この場合、共有レンズの下流で互いに心違いとなるように配置され、２つのセンサの光線経路は互いに分離され、従って相互に影響し合うことがない。しかし、小型で頑強な設計の結果、可能な光線経路の構成における多様性は、ここでは限られたものとなる。

独国特許出願公開第 １９６ ２５２ Ａ１号明細書 独国特許出願公開第 １９７ ３１ ７５４ Ａ１号明細書 特開平０６−３２５２９６号公報

先行技術を根幹として、本発明の目的は、小型な設計で実施することができ、その場合、照明装置及びセンサ装置の照射経路を、極めて広い範囲で自由に決定できる多機能照明装置を提供することである。

上記目的は、請求項１及び１１の特徴を有する装置及びその装置を操作するのに適した方法により達成される。本発明の有利な改良の形態及び発展の形態は、従属項に記載されている。

本発明の第１の実施の形態の範囲の解決策によると、照明装置の発光手段は、アレイを形成するようグループ化された多数の半導体光源の配列によって形成され、センサ要素が、半導体光源の代わりにこのアレイの個々の位置に配置されている。それによって、非常に狭い空間において小型のユニットとして頑強な構造で実施することができる多機能前照灯を、都合良く設けることが可能である。光源及びセンサ要素は、必ずしも同じ光学系を使用する必要はなく、多機能前照灯の各個別要素は、個別に形成された光学系を有することも可能なので、照明装置の光線経路は、センサの視野から分離されることも可能であり、広範囲にわたって互いに独立して決定されることも可能である。

適切な半導体光源の選択は、ここでは物理的波長域の光を放出する光源に限定されない。むしろ、異なる波長域の光を放出する最も多様な半導体光源が、考えられる限り使用できる。従って、特に、可視光及び赤外線光を放出する半導体光源の有利な組み合わせを考慮することが可能である。

不可視域の光を放出する半導体光源の場合、特に、異なる目的に使用されることが考えられる。主な目的の１つは、視界を改善するシステムにおける照明源としてそれらを使用することであり、一方で別の好適な応用例は、トランシーバー装置内の発信源としてそれらを使用することである。ここで同様に考えられるのは、１つの同じ光源又は光源のグループを照明源として及び発信源として両方に使用すること、あるいは、いずれの場合も一方又は他方の仕事（照明の仕事又は発信の仕事）を永続的に特定の光源又は光源のグループに割り当てることである。

トランシーバー装置内での使用の場合、多機能前照灯に組み込まれたセンサ要素は、受信器として都合良く機能する。しかし、受信器は、多機能照明装置の周辺における様々な物に位置することも可能であり、つまり、例えば、車両間通信を可能にするために別の車両上に、あるいは例えば自動道路通行料システムに関する情報を記録するための固定位置の受信点に配置されることも可能である。言い換えると、多機能照明装置のトランシーバー機能性に関して、多機能照明装置はそれ自体完結したユニットを形成することが可能であり、その場合、相互に割り当てられた光源及びセンサ要素を、互いに同期した形で操作することが一般に必要である。但し、一組の又は多数の照明装置が柔軟性のあるユニットを一緒に形成することも可能であり、その場合、関連するトランシーバー構成部品の数は時間と共に継続的に変化する。こうした柔軟性のある構成では、個別に空間的に分離された通信要素は、一般に互いに非同期の操作モードで動作する。

可能な限り小型の多機能照明装置の設計を実行するために、半導体光源又は個々のセンサに割り当てられる個々の光学要素は、可能な限り平坦になるよう構成され、半導体光源又はセンサに結合される側では可能な限り小さい断面を有する。このようにして、高度な照射密度及びセンサの高感度を同時に可能にする、光学及びセンサ要素の装てん密度を達成することが可能である。それによって、特に照射密度と感度は、個々の要素のためには実施されないが、多数の要素（半導体光源又はセンサ）がその目的のために相互接続されてグループを形成する特定の用途のために高められることが可能である。このグループ化は、例えば配線によって、永続的に実施されることも可能で、又他の場合は、目標とされる制御及び選択の範囲内で柔軟に形成されることも可能である。

多機能照明装置の小型な設計は、先行文献ではない独国特許出願第 １０２ ４９ ８１９．９号明細書に記載のように、二次元のデカルトの卵形線の形をした個々の半導体光源光学系の上流を選択することで、特に有利な方法で実施することも可能である。光学系は、この場合可能な限り平坦になるように構成され、光学系の光進入口は細長いほぼ長方形をしている。この場合、光学系は、光進入口と垂直に、二次元平面への投影図が円筒形の二次元のデカルトの卵形線に対応する中央領域を有すると有利である。デカルトの卵形線とは、屈折媒体の境界面として、大きい開口角についても焦点から出る光を第２焦点に集光する幾何学的面である。半導体光源から生ずる光をより有効に利用するため、デカルトの卵形線の形状に形成された光学系の光放出面は、放物線反射器と結合されることも可能である。

多機能照明装置は、少なくとも個々の光学系を多数の光源又はセンサ要素に割り当てることで、効率を目的とした特に有利かつ小型な方法で形成されることも可能である。このような場合、１つの光学系は、個々の光源及びセンサに対して異なる方法で作用し、これらは異なる放出特性及び受光特性を示す。実際、これはしばしば極めて有利に使用されることが可能であり、例えば１つの半導体光源を１つの光学系に配置することで、ロービームとして機能する場合に光源は車両の直ぐ前の領域を照射し、一方でセンサは、光学系が車両前方のさらに離れた領域からの信号を探知可能なように、光学系に配置される。こうした配置は、例として、この応用例に関する図面の概略図に示される。図１は、光学系（１）の断面を示し、光学系（１）は概して平坦な構成で、その光進入面には第１に半導体光源（２）が配置され、第２にセンサ要素（３）が配置されている。センサ要素は、例えば、基板上に構築されたフォトダイオード又はミリ波アンテナ（ＭＭＩＣ（モノリシックマイクロ波集積回路）又はＳＩＭＷＩＣ（システム集積モジュール波長非依存光結合器）構成部品）であることも可能である。光学系の光学特性により、光源（２）の光線経路とセンサ要素（３）の受光範囲とが、互いに分離されており、多機能照明装置の周辺の異なる領域に向けて、ここでは、例えば、車両の直ぐ前のロービーム領域と、視界を判断する目的で遠隔領域とに向けて、方向付けられている。

距離を測定する及び／又は視界を判断するための新規のシステムは、本発明による多機能照明装置と共に実施されることも可能であり、そのようなシステムにおいて、特にとりわけ小型な形でフロントエンド（光源及びセンサ）を実施することが可能である。繰り返すと、多機能照明装置におけるフォトダイオードの組み込みにより、弱い周囲光を補正するために必要とされる光力を提供することを目的とした照明器の助けを借りて、周囲光を正確に測定することが可能である。

特に、能動赤外線又は紫外線周囲照明に基づいて作動する夜間視界改善用のシステムは、空間節約的形式かつ小型ユニットに収まる頑強な構造で実施されることが可能である。

繰り返すと、特にミリ波アンテナの組み込みを想定すると、多機能照明装置はレーダ原理を使用して装置の周辺の物を探知するのに適している。

光学系の断面を示す。

Claims (17)

1. 特に自動車で使用するための多機能照明装置であって、
   前記照明装置の発光手段が、アレイを形成するようにグループ化された多数の半導体光源の配列によって形成され、かつセンサ要素が、前記半導体光源の代わりにこのアレイの個々の位置に配置されたことを特徴とする多機能照明装置。
2. 前記半導体光源は、異なる波長域、特に可視波長域と赤外線波長域の両方の光を放出することを特徴とする請求項１に記載の多機能照明装置。
3. 前記個々の半導体光源に対する光学系が、光進入口が細長いほぼ長方形をした平坦な要素として構成されたことを特徴とする請求項１あるいは２に記載の多機能照明装置。
4. 前記個々の光学系は、光進入面と垂直に、二次元平面への投影図が円筒形の二次元のデカルトの卵形線に対応する中央領域を有し、この中央領域は放物線反射器と組み合わされていることを特徴とする請求項３に記載の多機能照明装置。
5. 前記個々の光学系の少なくとも１つは、多数の半導体光源又はセンサ要素が割り当てられていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の多機能照明装置。
6. 前記照明装置は、前記個々の半導体光源及び前記センサ要素が個別に又はグループ別にスイッチを切り換えられることを可能にする手段を備えていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の多機能照明装置。
7. 特定のセンサ要素が特定の半導体光源に割り当てられ、該センサ要素をそれらに割り当てられた半導体光源と同期する形で操作するための手段が設けられていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の多機能照明装置。
8. 前記センサ要素はフォトダイオードであることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の多機能照明装置。
9. 前記センサ要素はアンテナであることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項に記載の多機能照明装置。
10. 前記アンテナは、トランシーバー装置に接続されていることを特徴とする請求項９に記載の多機能照明装置。
11. 前記センサ要素及び半導体光源が、独立して個別にあるいはグループとして駆動されることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか１項に記載の多機能照明装置を操作する方法。
12. 個々のセンサ要素が、それらに割り当てられた半導体光源と同期して操作されることを特徴とする請求項１１に記載の操作方法。
13. 距離の測定及び／又は視界の判断のための請求項１〜１０のいずれか１項に記載の多機能照明装置の使用方法。
14. 周囲光を測定するための請求項１〜１０のいずれか１項に記載の多機能照明装置の使用方法。
15. 能動赤外線又は紫外線周囲照明に基づいて作動する夜間視界を改善するシステムにおける請求項１〜１０のいずれか１項に記載の多機能照明装置の使用方法。
16. 自動車における車両間通信システムとしての請求項１〜１０のいずれか１項に記載の多機能照明装置の使用方法。
17. レーダ原理を使用して、前記装置の周辺の物を探知するための請求項１〜１０のいずれか１項に記載の多機能照明装置の使用方法。

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