JP2006509564A - 椎間インプラント - Google Patents

Abstract

椎間インプラント（１）、特に人工的椎間板であって、中心軸（２）、およびＡ）その上に位置する椎体の底板への配置に適した上円盤状部品（１０）であって、前記上部品（１０）が腹側面（１１）と、背側面（１２）と、２つの横側面（１３、１４）と、上添加面（１５）と、下表面（１６）とを有する上円盤状部品（１０）と、 Ｂ）その下に位置する椎体の蓋板への配置に適した下円盤状部品（３０）であって、前記下部品（２０）が腹側面（３１）と、背側面（３２）と、２つの横側面（３３、３４）と、下添加面（３５）と、上表面（３６）とを有する上円盤状部品（３０）とを有し、Ｃ）前記上下部品（１０、３０）間に、中央円盤状部品（２０）が配置されており、前記中央部品（２０）が、腹側面（２１）と、背側面（２２）と、２つの横側面（２３、２４）と、前記下部品（３０）に対して向けられた表面（２５）と、前記上部品（１０）に対して向けられた表面（２６）とを有し、Ｄ）上部品（１０）と中央部品（２０）と間に長手方向軸（４１）を有する第１の円筒形バー（４４）が配置されており、かつＥ）下部品（３０）と中央部品（２０）との間に長手方向軸（５１）を有する第２の円筒形バー（５０）が配置されている。

Description

本発明は、特許請求の範囲第１項の前文による椎間インプラント、および障害のある自然の椎間板を特許請求の範囲第２３項による椎間インプラントによって置換するための方法に関する。

障害のある自然の椎間板、または障害のある椎間板髄核の除去後、インプラントまたはプロテーゼが２つの隣接した椎体の椎間腔へ導入される。この場合、再びできるだけ自然の状態をもたらすこと、すなわち、特に本来の椎間板高さとともに隣接した椎体間の本来の距離を再現する目標が生じる。さらに、隣接した椎体の動きは互いに対してできるだけ障害なしにその自然な方式で達成されなければならない。このために、前方／後方傾斜、すなわち椎体の屈曲および伸展のほか、自然の限界内での椎体の外側の曲げに際しての可動性の保持が重要である。脊柱に沿った自然の靱帯および筋は実質的に無傷にされるため、これらが機械的椎間板代用物の動きを安定化する。
この種の椎間板エンドプロテーゼが、ＤＥ−Ａ ３５ ２９ ７６１により周知である。この周知の椎間板エンドプロテーゼは、互いに対してくぼんだ滑面およびそれぞれ底板、隣接した椎体のそれぞれ蓋板へ取付けるための外側表面を有する実質的に２つの対称の閉鎖プレートと、閉鎖プレーとにおけるくぼんだ滑面に対して補完的に構成されたくぼんだ滑面を有する閉鎖プレート間に位置したスペーサーとから成る。これらの滑面は、ある実施例においては、シリンダジャケット面に部分面として構成されており、ここで両方の閉鎖プレートに配置された滑面がスペーサーにおいて隣接した滑面のそれぞれ１つに対して補完的に構成されており、それぞれ２つの補完的な滑面が回転軸の周りを回転可能な関節部品の互いに移動可能な関節面を形成する。関節部品はそれぞれ回転軸を有する上下の関節部品を含んで成る。両方の回転軸は、互いに９０°で配置されている。この周知の椎間板エンドプロテーゼの不利点は、
ａ）自然な椎間板においては互いに独立している特に前後および外側屈曲に際して自然の椎間板によって伝達可能な層をなして重なった旋回移動が、ターニングセンタのみでの椎間板エンドプロテーゼの構成によって考慮されないこと、
ｂ）２つの互いに摺動可能な関節面における不利な摩擦力が生じること。さらに、それぞれの面に消耗、すなわち、とりわけ関節部品の運動のため摩滅および抵抗が生じる。さらに、「スティックスリップ」作用が生じること、
ｃ）機械的な椎間板代用物が関係した運動部分のさらなる変性をほとんど止めることがないこと。本来の運動関係の再現は疼痛を実質的に削減し、患者は生活の質が改善する。しかし、疼痛の新しい出現に際しては、管理の修正に取り組む必要がある。この場合、通常は、従来の構造による椎間板プロテーゼが完全に除去され、運動部分は強化される。この操作は患者にとって非常に負担となることである。
ＤＥ−Ａ３５ ２９ ７６１

この点で本発明は改善を提供することになる。本発明の課題は、関節を含んで成り、その関節軸が最小限の摩擦の軸受を有する椎間インプラントを提供することである。
本発明は、請求項１の特徴を有する椎間インプラントにより、かつ請求項２３のステップを含んで成る椎間板インプラントによって障害のある自然の椎間板を置換する方法により上記の課題を解決する。
本発明によって達成される利点は、実質的に、本発明による椎間インプラントにより、
−前後方向および外側の旋回運動が独立していること、
−全体で４つの線形の接触での運動の摩擦面が最小限に削減されること、および
−それによって滑面の代わりに関節部品間の線接触のためより小さな摩擦力が関節に生じ、したがって椎体の相対運動、特に、脊柱の横運動および屈曲／伸展運動が阻害されないことである。

本発明による椎間インプラントの別の実施形態においては、２つの互いに対向する表面または両方の対の互いに対向する表面が円筒形バー用の滑面として形成されている。この場合、これらの滑面は、平面、円筒面、または球状面として形成されうる。
滑面のさまざまな実施形態の利点は、
−平面の滑面が、隣接する椎体の互いに対する傾斜に際して、および隣接する椎体の互いに対する並進運動に関して円筒形バーの無制限の運動を可能にすること、
−凹面または特に円筒面が、脊柱のそれぞれの運動セグメントに従って、隣接する椎体の生理的な傾斜運動を考慮することを可能にすること、および
−傾斜滑面が手術と同時に脊柱前弯症または脊柱後弯症の矯正を可能にすることにおいて確認される。

本発明による椎間インプラントの別の実施形態においては、３つの円盤状部品における滑面として形成された表面が、バーの保護として周辺縁を備えている。したがって、その縁によって円筒形バーが３つの円盤状部品間の間隙から落下または押出されないようにされる利点が達成されうる。
さらに本発明による椎間インプラントの別の実施形態においては、滑面の少なくとも一部において、中心軸の周りの円筒形バーの回転用に各種リミッター／ストップを備えている。これらの実施形態によって、
−特定の方向であるが、角度のある遊隙とともに両方のバーの回転の制限、
−この方向の１つのバーについては前後、別のバーについては内外側の調節可能性、および
−両方のバーが互いに対して平行に整列するため、インプラントの関節が２つの互いに離隔した平行の回転軸を有し、それによって椎間インプラントに隣接する両方の椎体が屈曲／伸展運動のみをもたらし、横運動をもたらさず、またはその逆をもたらさないことを阻止する利点が達成可能である。

別の実施形態においては、４つの滑面によって形成された対の滑面の一方または両方が、第１および／または第２のバー用の軸受として一対の溝を備えている。好ましくは、各対の溝はその中に受入れられる円筒形バーに一致する。この実施形態の利点は、溝の位置決めによって、隣接する椎体の傾斜が、横傾斜のほか、屈曲および伸展など所定の方向に厳格に調節可能である点にある。脊椎関節に対して作用しうる剪断力は、椎体に隣接する円盤状部品における並進運動が可能ではないため、椎間インプラントによって捕捉されうる。
さらに別の実施形態においては、少なくとも一対の溝がその中に受入れられる円筒形バーに一致せずに形成されており、かつ好ましくは、溝における中心軸の周りのバーの限定された回転を可能にする幅を有する。この実施形態の利点は、隣接する椎体の傾斜の運動可能性を制限する点にある。同時に、厳密に横または厳密に前後の並進が可能となる。

別の実施形態においては、溝の少なくとも一部がその中に受入れられるバーの軸方向の移動に対して周辺に取付けられたリミッター／ストップを有する。好ましくは、溝は円盤状部品の側面で終わるのではなく、その端で閉鎖されている。それによって、円筒形バーがその長手方向軸に対して平行に溝から滑落しえないことが達成可能である。
好ましくは、第１のバー用の一対の溝は、それに付属する円盤状部品の腹側面から背側面に移動するが、第２のバー用の第２の一対の溝は、それに付属する円盤状部品の横側面間に移動する。
第１のバーの長手方向軸の前後の配置および第２のバーの長手方向軸の配置によって、交差した回転軸を有する関節が生じる。溝は、好ましくは、一度は前後に方向付けられた長手方向軸を有するバーが上にあり、横横に方向付けられた長手方向軸を有するバーが下にあるように配置されている。逆も可能であり、脊柱の個々の運動セグメントが自然にさまざまな軸位置を示す状況が考慮されうる。
溝による代わりに、バーのこの配置はリミッター／ストップの配置によっても行われうる。

別の実施形態においては、これは、その間に位置する中央部品とともに上下部品および両方のバーを互いに結合する弾性に変形可能な手段を含んで成る。弾性に変形可能な手段はバネまたはエラストマー結合要素でありうる。
別の実施形態においては、４つの滑面および両方のバーは金属製である。
本発明による椎間インプラントのさらに別の実施形態においては、４つの滑面は金属製であり、両方のバーはセラミック製である。
円盤状部品および円筒形バーには以下の寸法が適している。すなわち、
−円筒形バーの長さ：バーと接触して立つ滑面の寸法の半分、
−円筒形バーの半径：０．３ｍｍ〜５．０ｍｍ、
−滑面の円筒半径：１２ｍｍ〜１４０ｍｍ、
−溝の幅：３ｍｍ〜１２ｍｍ、
−溝の深さ：０．２ｍｍ〜４．８ｍｍ、および
−椎間インプラントの中心軸の周りの円筒の許容回転の角度範囲：１°〜３２°

別の実施形態においては、腹側面から手段が３つの円盤状部品へ取付け可能であり、それによって３つの円盤状部品は互いに対して一定の距離で腹側に保持されうる。それによって、３つの円盤状部品が椎間腔への導入のために一定に保持された高さの位置へ配置可能であり、椎間腔への導入後に関節の周りで可動であり、隣接した椎体の底およびそれぞれの蓋板に配置される。
本発明による椎間インプラントの別の実施形態においては、手段により関節の周りの３つの円盤状部品の可動性の一時的な遮断が可能となる。それによって、最小侵襲手術の手段により椎間腔に融合される関節が遮断可能である利点が達成される。これは、術後疼痛が生じる場合、すなわち、罹患した脊柱セグメントの変性が進行し、外科医が罹患した脊椎の融合を考慮する場合に特に有利である。好ましくは、手段は３つの円盤状部品の腹側面に取付け可能である。関節の周りの３つの円盤状部品の可動性のこの遅延の二次的遮断によって、椎間インプラントは強化され、関節固定インプラント（融合ケージ）に変形される。

本発明による椎間インプラントのさらに別の実施形態においては、手段は、上部および下部の互いに対抗する表面におけるそれぞれ１つの凹みへ挿入可能である挿入部を含んで成る。好ましくは、凹みは、腹側面で開いている蟻形ガイドとして構成されており、蟻形ガイドに補完的に形成された挿入部の端が腹側から蟻形ガイドへ挿入されうる。それによって、挿入部の導入により関節の周りの両方の円盤状部品の可動性が遮断可能であるという利点が達成可能である。遮断の完全性は、蟻形ガイドが、椎間インプラントの中心軸に向かって先細になり、挿入部がさらに蟻形ガイドへ楔状に固定可能であるように構成されている場合に上昇される。
本発明による椎間インプラントのさらに別の実施形態においては、両方の円盤状部品は、骨固定手段、特に骨ネジを受入れる穴を備えており、穴は中心軸に対して斜めに立っている長手方向軸を有する。好ましくは、両方の円盤状部品のそれぞれ２つの穴が腹側面から添加面に貫通する。この場合、長手方向軸は、椎間インプラントの軸固定のみがあらかじめ備えられている場合に、外側からみると中心軸に対して斜めに立ち、または椎間インプラントの角度安定固定があらかじめ備えられている場合に、やはり腹側から見ると両方の部分の内面から添加面に向かって分岐しうる。

本発明による椎間インプラントの別の実施形態においては、骨固定手段を受入れる穴は雌ネジを備えており、それによって骨固定手段の追加の堅い固定が両方の円盤状部品において達成される。好ましくは、穴は円錐状に形成されており、骨固定手段のヘッド部への雌ネジと雄ネジとの円錐状のネジ結合によって、両方の部分のそれぞれにおける骨固定手段の固定の強化が達成可能である。
添加面には、好ましくは、凸状に形成され、かつ三次元構造を、好ましくはピラミッド状の隆起の形で備えられている。添加面のこの構造によって、椎体板の構造が考慮される。

本発明による方法は、障害のある自然の椎間板の椎間インプラントによる実質的な置換に役立ち、以下のステップ、すなわち
Ａ）椎間インプラントの関節の１つまたは各関節を関節の１つまたは各関節の特定の位置でそのために備えられた手段によって遮断するステップと、
Ｂ）椎間インプラントを治療される椎間腔へ導入するステップと、
Ｃ）関節の１つまたは各関節を遮断するために椎間インプラントへ挿入される手段を緩めて除去するステップとを含んで成る。関節の遮断によって、外側の添加面とともに可動の円盤状部品は簡単に治療される椎間腔へ導入可能であるという利点が達成可能である。
本発明による方法の別の使用においては、この方法は、関節を遮断するために備えられた手段によって移植された椎間インプラントにおける関節の追加遮断を含んで成る。それによって、患者に術後疼痛が生じた場合、または罹患運動部分がさらに変性した場合、椎間インプラントにおける関節が術後にそのために備えられた手段の挿入によって遮断可能である利点が達成可能である。この追加遮断は、最小侵襲的、好ましくは、腹腔鏡手術で可能である。次いで、椎間インプラントがケージの機能を担うため、脊柱の罹患運動部分は堅くなりうる。
本発明および本発明の展開を以下、多くの実施例の部分的概略図によってさらに詳しく説明する。

（図面の簡単な説明）
図１は、本発明による椎間インプラントの実施形態を示す分解図である。
図２ａ−２ｃは、下円盤状部品の実施例における滑面のさまざまな実施形態を示す３つの斜視図である。
図３ａは、本発明による椎間インプラントの実施形態を示す平面図である。
図３ｂは、本発明による椎間インプラントの図３に示されている実施形態の第２の回転軸に対して平行に示した断面図である。
図４は、本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す分解図である。
図５は、本発明による椎間インプラントの図４に示されている実施形態の第２の回転軸に対して平行に示した断面図である。
図６は、本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す分解図である。
図７は、本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す分解図である。
図８ａは、本発明による椎間インプラントの図７に示されている実施形態を示す平面図である。
図８ｂは、本発明による椎間インプラントの図７および８ａに示されている実施形態の第２の回転軸に対して平行に示した断面図である。
図９は、本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す分解図である。
図１０ａは、本発明による椎間インプラントの図９に示されている実施形態を示す平面図である。
図１０ｂは、本発明による椎間インプラントの図９および１０ａに示されている実施形態の第２の回転軸に対して平行に示す断面図である。
図１１は、本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す斜視図である。
図１２は、移植された状態で本発明による椎間インプラントの実施形態を示す斜視図である。

図１には、本発明による椎間インプラント１の実施形態が示されており、これは中心軸２に関して重なり合って配置されている、腹側面、背側面、および２つの横側面１１、１２、１３、１４、および中心軸２に対して斜めに配置されている上添加面１５および下面１６を有する上部品１０と、腹側面、背側面、および２つの横側面３１、３２、３３、３４、ならびに中心軸２に対して斜めに配置されている下添加面３５および上面３６を有する下部品３０と、上下部品１０、３０の間に、腹側面、背側面、および２つの横側面２１、２２、２３、２４、ならびに下部品３０に対して下面２５および上部品１０に対して上面を有する中央部品２０とを含んで成る。３つの円盤状部品１０、２０、３０は、中心軸２に対して直交に卵形、台形、円形、または多角形の断面を有する。３つの円盤状部品１０、２０、３０の対となって互いに向き合った表面１６、２６、２５、３５はこの場合に平面として形成されている。中央部品２０の上面２６と上部品１０の下面１６との間には第１の円筒形バー４０が挿入されている。さらに、中央部品２の下面２５と下部品３０の上面３６との間には第２の円筒形バー５０が挿入されている。両方の円筒形バー４０、５０は、その長手方向軸４１、５１が中心軸２に対して立つように表面１６、２６、２５、３６間に配置されている。表面１６、２６、２５、３６間に配置されている円筒形バー４０、５０によって、下部品３０に対する上部品１０の円筒形バー４０、５０の長手方向軸４１、５１の周りの回転可能性が生じる。

図２ａ〜２ｃには、下円盤状部品３０の実施例における滑面として役立つ表面３６のさまざまな実施形態が示されている。この場合、図２ａにおける表面３６は中心軸２に対して垂直に平面に、かつ図２ｃにおいては凹面および円筒形に形成されている。図２ｂによる下円盤状部品３０は円形に形成されており、ここで表面３６は平面に形成されており、中心軸２に対して垂直には立っていない。上および中央円盤状部品１０、２０の滑面として役立つ表面１６、２６、２５は同様に形成されうる。
図３ａおよび３ｂに示されている本発明による椎間インプラント１の実施形態は、３つの円盤状部品１０、２０、３０の滑面として役立つ表面１６、２６、２５、３６が図２に示されているように凹面および円筒形に形成されているという点でのみ図１に示されている実施形態と区別される。さらに、表面１６、２６、２５、３６はアーチ形になっており、第１の円筒形バー４０の長手方向軸４１は前後に移動し、椎間インプラント１の中心軸２と交差するが、第２の円筒形バー５０の長手方向軸５１は内外側に移動し、椎間インプラント１の長手方向軸２に対して離隔している。さらに、表面１６、２６、２５、３６が部分的な縁７０を備えており、これらは２つの円筒バー４０、５０の長手方向軸４１、５１に対して垂直に配置されており、その長手方向軸４１、５１に対して平行のバー４０、５０の移動を阻止する。

図４および５には、本発明による椎間インプラントの実施形態が示されており、これは、３つの円盤状部品１０、２０、３０における滑面として役立つ表面１６、２６、２５、３６が周辺縁７０を備えている点でのみ区別される。
図６に示されている本発明による椎間インプラント１の実施形態は、中央円盤状部品２０の上面２６上に、上部品と中央部品１０、２０間の第１の円筒形バー４０の移動を制限するための４つのリミッター／ストップ８０、および下円盤状部品３０の上表面３６上にも第２の円筒形バー５０の移動を制限するための４つのリミッター／ストップ８０が取付けられていることによってのみ図４および５に示されている実施形態と区別される。リミッター／ストップ８０によって、中心軸２の周りの両方のバー４０、５０の長手方向軸４１、５１の回転角度が制限される。

図７および８には、本発明による椎間インプラント１の実施形態が示されているが、ここでは、３つの円盤状部品１０、２０、３０の対になって互いに配置された
表面１６、２６、２５、３６が、中心軸２に対して斜めに移動する溝１７、２７、２８、３７を備えている。溝１７、２７、２８、３７は、円筒形バー４０、５０を部分的に受入れるために役立ち、円筒形バー４０、５０の長手方向軸４１、５１に対して直交に断面を有し、これは卵形の部分面である。この場合、第１の円筒バー４０を受入れるために役立つ溝１７、２７は、第１の円筒バー４０の長手方向軸４１が前後の方向に移動するように配置されている。第２の円筒形バー５０受入れる溝２８、３７は、第２の円筒形バー５０の長手方向軸５１が内外側方向に移動するように配置されている。さらに、溝１７、２７、２８、３７は、３つの円盤状部品１０、２０、３０の側面１１、１２、２１、２２、２３、２４、３３、３４に対してリミッター／ストップ７５によって閉鎖されるため、円筒形バー４０、５０はその長手方向軸４１、５１に対して平行には溝１７、２７、２８、３７から押出されえない。２つの円筒形バー４０、５０は、溝１７、２７、２８、３７によって部分的に受入れられるため、これらは軸方向に誘導される。溝１７、２７、２８、３７は、第１の円筒形バー４０の前後に移動する長手方向軸４１が正反対に配置され、中心軸２と交差すると同時に、第２の円筒形バー５０の内外側に移動する長手方向軸５１が中心軸２から離隔するように配置されている。

図９および１０には、本発明による椎間インプラント１の実施形態が示されているが、これは、溝１７、２７、２８、３７が、円セグメント状である、円筒形バー４０、５０の長手方向軸４１、５１に対して直交の断面を有する点でのみ図７および８に示されている実施形態と区別される。２つの円筒形バー４０、５０は、溝１７、２７、２８、３７によって部分的に受入れられるため、これらは軸方向およびその長手方向軸４１に対して斜めに両方の溝１７、２７、２８、３７を通じて誘導され、長手方向軸４１、５１の周りの回転運動のみが実施されうる。溝１７、２７、２８、３７は、第１の円筒形バー４０の前後に移動する長手方向軸４１が正反対に配置され、中心軸２と交差すると同時に、第２の円筒形バー５０の内外側に移動する長手方向軸５１が中心軸２から離隔するように配置されている。

図１１には、椎間インプラントの実施形態が示されているが、これは、椎間インプラント１が追加の手段９０を含んで成り、それによって３つの円盤状部品１０、２０、３０の互いに対する可動性が着脱自在に遮断可能であるという点で図１〜１０に示されている実施形態と区別される。手段９０は、ここに示されている実施形態において、腹側から中心軸２に対して斜めに、かつ３つの円盤状部品１０、２０、３０の横側面１３、１４、２３、２４、３３、３４に対して平行に挿入可能な挿入部９１を含んで成る。挿入部９１の挿入は、蟻形ガイドとして形成されている２つの凹み９２、９３において行われる。挿入部９１は、両方の外側に立つ円盤状部品１０、３０の腹側面から蟻形ガイドとして形成された凹み９２、９３へ導入され、両方の円盤状部品１０、３０において、それぞれ１つのネジ９４によって固定されている。さらに、挿入部９１は末端で凹み９２、９３に補完的に形成されているため、両方の外側に立つ円盤状部品１０、３０は挿入部が挿入される場合、中心軸２に対して平行に互いに対して固定されている。さらに、椎間インプラント１は、バネ６１として形成された弾性に変形可能な手段６０を含んで成り、それによって３つの円盤状部品１０、２０、３０が中心軸２に対して平行に結合される。弾性に変形可能な手段６０の軸方向に弾性の変形可能性のため、３つの円盤状部品１０、２０、３０の２つの円筒形バー４０、５０の回転軸として役立つ長手方向軸４１、５１の周りの可動性は阻害されない。バネ６１は、引張バネとして形成されており、２つの外側に立つ円盤状部品１０，３０の側面１１、１２、１３、１４、３１、３２、３３、３４に取付けられているノーズ６２に固定されている。
図１２には、２つの互いに隣接する椎体間に移植されている椎間インプラント１の実施形態である。３つの円盤状部品１０、２０、３０の方向付けは、第１の円筒バー４０の長手方向軸４１が前後に移動し、第２の円筒形バー５０の長手方向軸５１が横に移動するようになっている。

本発明による椎間インプラントの実施形態を示す分解図である。 （図２ａ−２ｃ）下円盤状部品の実施例における滑面のさまざまな実施形態を示す３つの斜視図である。 （図３ａ）本発明による椎間インプラントの実施形態を示す平面図である。 （図３ｂ）本発明による椎間インプラントの図３に示されている実施形態の第２の回転軸に対して平行に示した断面図である。 本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す分解図である。 本発明による椎間インプラントの図４に示されている実施形態の第２の回転軸に対して平行に示した断面図である。 本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す分解図である。 本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す分解図である。 （図８ａ）本発明による椎間インプラントの図７に示されている実施形態を示す平面図である。 （図８ｂ）本発明による椎間インプラントの図７および８ａに示されている実施形態の第２の回転軸に対して平行に示した断面図である。 本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す分解図である。 （図１０ａ）本発明による椎間インプラントの図９に示されている実施形態を示す平面図である。 （図１０ｂ）本発明による椎間インプラントの図９および１０ａに示されている実施形態の第２の回転軸に対して平行に示す断面図である。 本発明による椎間インプラントの別の実施形態を示す斜視図である。 移植された状態で本発明による椎間インプラントの実施形態を示す斜視図である。

符号の説明

１ 椎間インプラント ２ 中心軸 １０ 上部品
１１ 腹側面 １２ 背側面 １３、１４ 横側面
１５ 上添加面 １６ 下表面 ２０ 中央円盤状部品
２１ 腹側面 ２２ 背側面 ２３、２４ 横側面
３０ 下部品 ３１ 腹側面 ３２ 背側面
３３、３４ 横側面 ３５ 下添加面 ３６ 上表面
４０ 円筒形バー ４１ 長手方向軸
５０ 第２の円筒形バー ５１ 手方向軸

Claims (24)

1. 椎間インプラント（１）、特に人工的椎間板であって、中心軸（２）、および
   Ａ）その上に位置する椎体の底板への配置に適した上円盤状部品（１０）であって、前記上部品（１０）が腹側面（１１）と、背側面（１２）と、２つの横側面（１３、１４）と、上添加面（１５）と、下表面（１６）とを有する上円盤状部品（１０）と、
   Ｂ）その下に位置する椎体の蓋板への配置に適した下円盤状部品（３０）であって、前記下部品（２０）が腹側面（３１）と、背側面（３２）と、２つの横側面（３３、３４）と、下添加面（３５）と、上表面（３６）とを有する上円盤状部品（３０）と、
   を有する椎間インプラント（１）において、
   Ｃ）前記上下部品（１０、３０）間に、中央円盤状部品（２０）が配置されており、前記中央部品（２０）が、腹側面（２１）と、背側面（２２）と、２つの横側面（２３、２４）と、前記下部品（３０）に対して向けられた表面（２５）と、前記上部品（１０）に対して向けられた表面（２６）とを有し、
   Ｄ）上部品（１０）と中央部品（２０）と間に長手方向軸（４１）を有する第１の円筒形バー（４０）が配置されており、かつ
   Ｅ）下部品（３０）と中央部品（２０）との間に長手方向軸（５１）を有する第２の円筒形バー（５０）が配置されている
   ことを特徴とする椎間インプラント（１）。
2. 前記第１の部品（１０）の前記下表面（１６）および前記中央部品（２０）の上表面（２６）が、それらに接する第１の円筒形バー（４０）の滑面として形成されていることを特徴とする請求項１に記載の椎間インプラント（１）。
3. 前記第１の円筒形バー（４０）の前記２つの滑面（１６、２６）が、平面、円筒面、または球状面として形成されていることを特徴とする請求項２に記載の椎間インプラント（１）。
4. 前記中央円盤状部品（２０）の前記下表面（２５）および前記下円盤状部品（３０）の前記上表面（３６）が、それらに接する第２の円筒形バー（５０）の滑面として形成されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
5. 前記第２の円筒形バー（５０）の前記２つの滑面（２５、３６）が、平面、円筒面、または球状面として形成されていることを特徴とする請求項４に記載の椎間インプラント（１）。
6. 滑面（１６、２６、２５、３６）の１つもしくはそれ以上が、少なくとも部分的に周辺縁（７０）を備えていることを特徴とする請求項２〜５のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
7. 前記滑面（１６、２６、２５、３６）の１つもしくはそれ以上において、前記中心軸（２）の周りの前記円筒形バー（４０、５０）の回転用に各種リミッター／ストップ（８０）を備えていることを特徴とする請求項２〜６のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
8. 前記４つの滑面（１６、２６、２５、３６）によって形成された対の滑面（１６、２６、２５、３６）の１つまたは両方において、対の溝（１７、２７、２８、３７）が前記第１および／または第２のバー（４０、５０）の軸受として備えられていることを特徴とする請求項２〜６のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
9. 前記対の溝（１７、２７、２８、３７）が、その中に受入れられる円筒形バー（４０、５０）に一致することを特徴とする請求項８に記載の椎間インプラント（１）。
10. 少なくとも一対の溝（１７、２７、２８、３７）が、その中に受入れられる円筒形バー（４０、５０）に一致せずに形成されており、かつ好ましくは、前記溝（１７、２７、２８、３７）における前記中心軸（２）の周りの前記バー（４０、５０）の限定された回転を可能にする幅を有することを特徴とする請求項８または９に記載の椎間インプラント（１）。
11. 前記溝（１７、２７、２８、３７）の少なくとも一部が、その中に受入れられるバー（４０、５０）の軸方向に移動に対する周辺に取付けられたリミッター／ストップ（７５）を有することを特徴とする請求項８〜１０のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
12. 前記第１のバー（４０）の前記一対の溝（１７、２７）が、それに属する円盤状部品（１０、２０、３０）の前記腹側面から前記背側面（１１、２１、３１、１２、２２、３２）へ移動し、かつ前記第２のバー（５０）用の前記第２の溝（２８、３７）が、それに属する円盤状部品（１０、２０、３０）の前記横側面（１３、１４、２３、２４、３３、３４）間に移動することを特徴とする請求項８〜１１のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
13. 前記リミッター／ストップ（８０）が、前記第１のバー（４０）の前記長手方向軸（４１）がそれに付属する円盤状部品（１０、２０、３０）の前記腹および背側面（１１、２１、３１、１２、２２、３２）と交差し、かつ前記第２のバー（５０）の前記長手方向軸（５１）がそれに付属する円盤状部品（１０、２０、３０）の前記横側面（１３、１４、２３、２４、３３、３４）と交差するように配置されていることを特徴とする請求項７に記載の椎間インプラント（１）。
14. 上下の円盤状部品（１０、３０）がその間に位置する中央円盤状部品（２０）および両方のバー（４０、５０）と結合する弾性に変形可能な手段（６０）が備えられていることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
15. 前記弾性に変形可能な手段（６０）がバネ（６１）またはエラストマー結合要素であることを特徴とする請求項１４に記載の椎間インプラント（１）。
16. 前記４つの滑面（１６、２５、２６、３６）および前記両方のバー（４０、５０）が金属製であることを特徴とする請求項２〜１５のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
17. 前記４つの滑面（１６、２５、２６、３６）が金属製であり、かつ前記両方のバー（４０、５０）がセラミック製であることを特徴とする請求項２〜１５のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
18. 前記３つの円盤状部品（１０、２０、３０）の可動性の一時的な遮断を互いに対してもたらすことに適している手段（９０）が備えられていることを特徴とする請求項１〜１７のいずれか１つに記載の椎間インプラント（１）。
19. 前記手段（９０）が前記３つの円盤状部品（１０、２０、３０）における前記両方の腹側面（１１、２１、３１）に取付け可能であることを特徴とする請求項１８に記載の椎間インプラント（１）。
20. 前記手段（９０）が、下端（９５）および上端（９６）を有する挿入部（９１）と、前記外側に立つ円盤状部品（１０、３０）において、前記表面（１６、３６）におけるそれぞれ１つの凹み（９２、９３）を含んで成り、これらが前記両方の外側に立つ円盤状部品（１０、３０）の前記腹側面（１１、３１）において開放されており、かつ前記挿入部（９１）がその端（９５、９６）とともに前記両方の凹み（９２、９３）の１つに挿入可能であることを特徴とする請求項１８または１９に記載の椎間インプラント（１）。
21. 前記凹み（４２、４３）が蟻形ガイドであり、前記端（４５、４６）が挿入部（４１）において前記蟻形に補完的に形成されていることを特徴とする請求項２０に記載の椎間インプラント（１）。
22. 前記蟻形ガイドが、前記両方の外側に立つ円盤状部品（１０、３０）の前記腹側面（１１、３１）から前記両方の外側に立つ円盤状部品（１０、３０）の前記背側面（１２、３２）に向かって先細になっていることを特徴とする請求項２１に記載の椎間インプラント（１）。
23. 障害のある自然の椎間板を椎間インプラント（１）によって置換する方法において、
    Ａ）関節（３８、３９）の特定の位置におけるそのための特定手段によって椎間インプラント（１）の関節（３８、３９）を遮断するステップと、
    Ｂ）前記椎間インプラント（１）を治療すべき椎間腔へ導入するステップと、
    Ｃ）関節（３８、３９）を遮断するために椎間インプラント（１）へ挿入された手段（９０）を緩めて除去するステップと
    を特徴とする方法。
24. さらに手段（９０）によって移植された椎間インプラント（１）における関節（３８、３９）の追加の遮断を含んで成る請求項２３に記載の方法。
    

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