JP2006508774A - 単形性頻脈性不整脈から多形性頻脈性不整脈を識別する方法およびシステム - Google Patents

単形性頻脈性不整脈から多形性頻脈性不整脈を識別する方法およびシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2006508774A
JP2006508774A JP2004570995A JP2004570995A JP2006508774A JP 2006508774 A JP2006508774 A JP 2006508774A JP 2004570995 A JP2004570995 A JP 2004570995A JP 2004570995 A JP2004570995 A JP 2004570995A JP 2006508774 A JP2006508774 A JP 2006508774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tachyarrhythmia
polymorphic
count
wavelet transform
monomorphic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004570995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4423207B2 (ja
Inventor
ブラウン,マーク・エル
サルカー,シャンタヌ
Original Assignee
メドトロニック・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メドトロニック・インコーポレーテッド filed Critical メドトロニック・インコーポレーテッド
Publication of JP2006508774A publication Critical patent/JP2006508774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4423207B2 publication Critical patent/JP4423207B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/72Signal processing specially adapted for physiological signals or for diagnostic purposes
    • A61B5/7235Details of waveform analysis
    • A61B5/7253Details of waveform analysis characterised by using transforms
    • A61B5/726Details of waveform analysis characterised by using transforms using Wavelet transforms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/24Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
    • A61B5/316Modalities, i.e. specific diagnostic methods
    • A61B5/318Heart-related electrical modalities, e.g. electrocardiography [ECG]
    • A61B5/346Analysis of electrocardiograms
    • A61B5/349Detecting specific parameters of the electrocardiograph cycle
    • A61B5/361Detecting fibrillation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/24Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
    • A61B5/316Modalities, i.e. specific diagnostic methods
    • A61B5/318Heart-related electrical modalities, e.g. electrocardiography [ECG]
    • A61B5/346Analysis of electrocardiograms
    • A61B5/349Detecting specific parameters of the electrocardiograph cycle
    • A61B5/363Detecting tachycardia or bradycardia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/38Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for producing shock effects
    • A61N1/39Heart defibrillators
    • A61N1/3956Implantable devices for applying electric shocks to the heart, e.g. for cardioversion
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/0002Remote monitoring of patients using telemetry, e.g. transmission of vital signals via a communication network
    • A61B5/0031Implanted circuitry

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

【課題】 埋め込み可能医療デバイスにおいて、QRS群のウェーブレット変換信号処理を使用して多形性VTおよびVFの検出の特異性を高めるために、高レート単形性QRS群から高レート多形性QRS群を識別する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】 ウェーブレット変換を、QRS群のシーケンスのサンプリングされた振幅値に適用して、ウェーブレット変換係数(WTC)データセットが生成される。WTCデータセットのうちの少なくとも選択されたデータセットが処理され、ウェーブレット照合スコアを求めるために比較が行われる。連続するQRS群のシリーズのウェーブレット照合スコアに応じて、最も最近のQRS群を、多形性VTまたはVFを意味する可能性が大きいか、または、小さいものとして特徴付ける判定が行われる。

Description

本発明は、埋め込み可能医療デバイス(IMD)に関し、より詳細には、埋め込み可能心臓モニタ、および、埋め込み可能カーディオバータ/ディフィブリレータ(ICD)などの心臓刺激器において、頻脈性不整脈を識別する改良された方法および装置に関する。
定義によれば、心房および心室が、規定の頻脈心拍数より低い心拍数で同期して拍動し、休息時、および、運動またはストレス中の体に、酸素の供給を受けた血液の十分な心拍出量を提供する時に、心臓は、正常洞調律(NSR)にあると言われる。徐脈という用語は、休息時、あるいは、ストレスまたは運動中に、不十分な心拍出量を不適切に提供する、1つまたは複数の心腔の異常な低レートのことを言う。「頻脈性不整脈」という用語は、心拍出量を低下させ、かつ、「カーディオバージョン」または「ディフィブリレーション」、あるいは、本明細書でさらに述べる、一定の抗頻脈ペーシング治療の心腔への適用によってNSRへの転換を受け入れる場合がある、1つまたは複数の心腔の、任意の異常で速い調律のことを言う。心房頻脈性不整脈は、心房頻脈(AT)、および、右心房または左心房の1つまたは複数の異所性部位に起因する心房粗動または心房細動(AF)を含む。心室頻脈性不整脈は、心室頻脈(VT)、および、心室の1つまたは複数の異所性部位に起因する心室粗動または心室細動(VF)を含む。上室頻脈(SVT)はまた、高レートの心房頻脈性不整脈、または、AVリエントリ頻脈を含む、心室に伝導する接合部の脱分極から生ずる可能性があり、通常、AV結節を下に、かつ、左の後外側バイパス路を通って上に伝導するものがSVTと考えられる。その心臓がVFまたは高レートの多形性VTになる個人は、こうした高レートのVTまたはVFの開始後の極めて短時間の間に、調律が、自発的にか、治療的にかのいずれかで終了しければ、心臓突然死(SCD)する可能性がある。
AFおよびVFは、NSR、および、より調律性のある頻脈中の伝播方向と異なる方向に伝播する著しく変異した脱分極波面を示すカオス的な電気活動を特徴とする。AF中に心房を、また、VF中に心室を横切る脱分極波は、正常伝導経路に沿って進まず、拍動ごとに方向を変える可能性がある。AFエピソード中およびVFエピソード中(特に、開始時、および、心臓活動が低下する前の初期位相中)、脱分極波面は、振幅が、したがって、心電図ストリップまたはディスプレイ上で観察した時の外観が不ぞろいで、「多形性」と見なされる。さらに、心房EGMまたは心室EGMはそれぞれ、P波またはQRS群を分離するわずかな電気活動の特徴的なベースラインを示さない。
調律性のある心房頻脈エピソードおよび心室頻脈エピソードのQRS群は、通常、一定の、または、「単形性の」P波またはQRS群を示し、これらは、心拍数がNSRから増加するにつれて、より狭くなるだけであり、ベースライン間隔によって分離される。しかしながら、一定のVTエピソード中のQRS群は、特に、拍動ごとに多形性である可能性がある。こうした多形性VTエピソードは、病気にかかった組織を通るリエントリ伝導に起因する場合があり、また、NSR中、または、単形性VTエピソードまたは単形性SVTエピソード中に優勢な方向とは異なる方向に、通常、伝播するQRS脱分極波面を生ずる。
埋め込み可能不整脈制御デバイス、特に、ICD(ペースメーカ/カーディオバータ/ディフィブリレータ、すなわち、PCDとも呼ばれる)の分野では、「カーディオバージョン」、「カーディオバータ」、「ディフィブリレーション」および「ディフィブリレータ」という用語は、一般に、生死にかかわる頻脈性不整脈を停止させるために、比較的大きなエネルギーの電気ショックを、心臓組織内または心臓組織全体に放出するプロセスおよびデバイスのことを言う。実際には、検知された心房の心臓脱分極または心室の心臓脱分極(P波またはR波)とタイミングを同期されて送出された、比較的低い振幅のカーディオバージョンショックによって、ATまたはVTあるいは低いレートのAFまたはVFを正常洞調律に転換することが、通常、「カーディオバージョン」と呼ばれる。同様なショックによって、または、こうした同期化を必要とすることなく送出された大きなエネルギーのショックによって、悪性のAFまたはVFを転換することが、通常、「ディフィブリレーション」と呼ばれる。同期化を試みることが可能であるが、短時間の間に同期化が可能でない場合、同期化無しで治療が送出される。カーディオバージョンショックは、心臓の脱分極または調律と同期してもよいし、同期しなくてもよく、公称上は、約1〜15ジュールの低い範囲のエネルギーパルスでVTを停止させるか、または、7〜40ジュールの中位から大きなエネルギーパルスでVFを停止させるために適用されることができる。以下の説明および特許請求項において、カーディオバージョンとディフィブリレーションの用語は交換可能であること、また、用語を使用する状況で、両者の間に特定の区別が付けられない限り、一方の用語の使用は他方を含むことが考えられる。便宜上、カーディオバージョンおよび/またはディフィブリレーションショックまたはショック治療は、本明細書において、C/Dショックまたはショック治療と呼ばれる。
徐脈心臓ペーシング機能もまた、現在のICDに組み込まれており、適切にタイミングを取ったペーシングパルスを送出して、1つまたは複数の心腔が、収縮するまたは「拍動する」、すなわち心臓を「捕捉する」ようにさせることによって、異常な心臓の自然なペーシング機能の一部または全てが取って代わられる。単腔(心房または心室)ペーシング機能か、2腔(心房および心室)ペーシングパルスかのいずれかが、患者の生理的要求に適切な心拍出量を回復するためのペーシングレートで、徐脈または心房および心室の心拍数の解離に応答して、心房および/または心室に適用される。最も最近では、頻脈性不整脈も受け易い心不全の患者について、同期化した右および左の心臓ペーシング、特に右心室および左心室の同期化したペーシングが、ICDに組み込まれた。
さらに、一定の緩慢なATエピソードまたはVTエピソードに対抗し、正常洞レートに転換するために、ペーシングパルスのバーストまたは単一過駆動ペーシングパルスを心房および/または心室に送出する、抗頻脈ペーシング能力がICDに組み込まれた。バーストペーシングパルス治療の、回数、周波数、パルス振幅およびパルス幅は、特定の患者の生理的ニーズおよび電力保存要求を満たすために、遠隔のプログラミングおよびテレメトリ機器によってプログラムされることができる。
こうしたICDの最も重要な機能の中に、頻脈性不整脈を検出すること、頻脈性不整脈を正確に特定すること、適切なカーディオバージョン/ディフィブリレーションまたはバーストペーシング治療を供給すること、および供給された治療が効果的であったかどうかを判断することがある。
市販のICDにおいて採用されている典型的なVTおよびVF検出基準は、頻脈性不整脈の存在を検出するとともに頻脈性不整脈を識別する基本的なメカニズムとして、レート/間隔に基づくタイミング基準と継続時間または周波数基準とを採用する。このために、R波センス増幅器によって出力された、連続する心室センス(VSENSE)事象信号間のR−R間隔を計時することによって、固有心拍数が拍動ごとに測定される。測定されたR−R間隔は、フィブリレーション検出間隔(FDI)、速い頻脈検出間隔(FTDI)、および遅い頻脈検出間隔(TDI)と比較され、VFカウント、速いVTカウント、または遅いVTカウントがそれぞれ、比較の結果に応じて蓄積される。カウントが、検出に必要とされる特定の間隔数(本明細書では「NID」と呼ぶ)に一致すると、VF、速いVT、または遅いVTのうちの1つが断言される。それぞれのレートゾーンは、それ自身の規定されたNIDを有することができる。たとえば、フィブリレーション検出については「VFNID」、速いVT検出については「FVTNID」、遅いVT検出については「VTNID」を有することができる。
たとえば、測定されたR−R間隔は、FDI基準と比較され、比較の結果に応じて、心室検知事象が、VF事象か、または、非VF事象かが断言される。カウントが、VFNID周波数基準を満たす(すなわち、等しいか、またはそれを超える)時にVFが一時的に断言される。同様に、心室検知事象は、FTDIおよびTDIと比較された結果に応じて、速いVTか、または、遅いVTかが断言される可能性がある。
心室をFDIを満たすレートで拍動するようにさせるSVTエピソードは、VFエピソードとして不適切に検出される可能性がある場合が多い。2腔、心房および心室の検知能力を有するICDでは、心房および心室の頻脈性不整脈を検出するとともに分類するためのさらなる方策が、一般にその後に行われてきた。P波から心房検知事象を、かつ/または、R波から心室検知事象を特定し、そこから、心房事象および/または心室事象の間隔ならびに/もしくはレートを導出するアルゴリズムが開発された。同一譲受人に譲渡された米国特許第5,342,402号、第5,545,186号、第5,782,876号および第5,814,079号に記載される、種々の検出および分類システムが提案されており、いつ、カーディオバージョン/ディフィブリレーション治療を送出または保留すべきかについての意思決定を行うための、優先順位付けルールの階層を援用する。これらのルールに基づく方法および装置は、2腔ICDに組み込まれており、2腔MEDTRONIC(登録商標)GEM(登録商標)DR ICDにおいて、「PRロジック」を採用して、心房および心室の頻脈性不整脈を識別する。
VTまたはSVTからVFを識別し、かつ、心室C/Dショック治療および/またはバーストペーシング治療を提供する単腔ICDは、心房検知事象を検出するためのP波を検知し、検出したR波に基づいて心房検知事象と心室検知事象との間の関係を解析する能力を有していない。したがって、NSR、VT、VF、およびSVT中に、電位図(EGM)波形特性、特に、QRS群の固有の波形特性を調査するために、多くの他の提案が行われてきた。
たとえば、同一譲受人に譲渡された米国特許第5,312,441号に記載されるVF波形とNSR EGM波形とを識別する1つの方法は、QRS群の幅を測定し、VF幅基準と比較することに基づく。VF中、正常なQRS群は、一般に、異常なQRS群より狭いため、QRS幅を採用して、VF中に、異常なQRS群から正常なQRS群を識別することができる。しかしながら、VT中の異常なQRS群が、狭いままで、正常なQRS群と異なる形態を有することになる場合が存在する。逆に、一定のSVTエピソード中のQRS群は、広い可能性もある。これらの場合、異なる波形を識別するために、より感度があり、かつ、選択性がある方法が必要とされる。
上述したように、VF中に心室を横切るQRS脱分極波は、正常な伝導経路に沿って進まず、拍動ごとに方向を変える可能性があるが、正常な伝導経路に沿って進む、SVT中のQRS脱分極波、または、VT中に、安定した異所性脱分極部位から出てくるQRS脱分極波は、伝播方向をあまり変えない。したがって、QRS波伝播方向に応じて、拍動ごとのベースに基づいて、安定したVTまたはSVTからVFを識別するための種々の提案が行われてきた。
同一譲受人に譲渡された米国特許第5,193,535号に開示されるVT/VF識別器は、2つの検知電極対、たとえば、近方場または双極電極対、および、遠方場または単極電極対を採用し、電極対は、脱分極波(QRS群)の経路から生ずる検知された電気信号が、ある所定の基準を満たすときの時間上の点を特定するための検出回路機構に結合される。その時間上の点は、以降、第1および第2の「参照点(fiducial point)」と呼ばれ、同じであってもよいし、なくてもよい。VFまたはVT検出基準を満足させる一連のR−R間隔にわたって第1および第2の参照点の発生を分離する時間間隔の累積的可変性が求められる。一般的に言うと、VF検出基準を満足させることから生ずる一連の真のVF QRS群の累積的な可変性は、VF検出基準を満足させる一連の安定したVT QRS群またはSVT QRS群の累積的可変性より大きい。累積的可変性の値または指標を使用して、C/Dショック治療の送出をトリガするか、または、保留するために、高レートのVTからVFが識別される。同様の技法は、米国特許第5,810,739号に開示される。
QRS群の形態を採用して、異常な心拍動から正常な心拍動を識別するさらなる手法は、頻脈性不整脈中のQRS群の波形を、NSRにおけるQRS群の「テンプレート」記録の波形と、および、任意選択で、VFまたはVT中に行った他のテンプレート記録の波形と比較することに基づく。多形性心室頻脈性不整脈、特にVFと、単形性心室頻脈性不整脈、特にVTとを識別するICDは、同一譲受人に譲渡された米国特許第5,447,519号に開示される。それぞれの連続するQRS群の参照点が、検出され(たとえば、VSENSE)、参照点検出の時間上の点にわたる(bridging)タイミング窓内で、サンプリングされるとともにデジタル化された波形振幅データの記憶が指示される。こうしてサンプリングされた波形データの記憶されたセットは、データ点ごとに比較され、それぞれの比較されたセットごとにサンプリングされた形態指標値が得られる。サンプリングされた形態指標値または一連のこうした指標値のマグニチュードが解析されて、攻撃的な(aggressive)C/Dショック治療で処置されるべき不整脈を示す、単形性波形から多形性波形へのQRS群の多形性の単一の遷移または進行を示す、単一または進行中の拍動ごとの波形変化の存在が判断される。ICDは、好ましくは、先に参照した米国特許5,193,535号と同様に、各QRS群を検知する、密接な間隔の電極対および広い間隔の電極対を装備する。密接な間隔の電極対は、参照点を特定する検知/検出回路機構、ならびに、レートおよび開始データを生成する計数および比較回路機構に結合される。広い間隔の電極対は、形態指標値が導出されるサンプリングされた波形振幅データを生成する検知およびデジタル化回路機構に結合される。
こうした形態解析のための一般的な手法は、相関波形解析(CWA)、または、計算的にあまり高価でないその同等物、いわゆる差の領域(AD)解析である。両者は、2つの信号間の差(CWAの場合、波データ点の差の2乗和、および、AD解析の場合、差の絶対値の和)を記述する関数の最小化を必要とする。しかしながら、通常実施されるこうした計算は、計算的に高価であり、実行するのに、ICD内で一般に望まれるよりも大きな電力を消費する。
米国特許第5,439,483号に記載されるように、数学的な変換を採用して、情報が抽出されるとともに解析されることができる場合、EGM信号、特にQRS群を特徴付けるのに多大な情報が得られる。任意の個々の周波数が波形内で起こる確率を見出すために、フーリエ変換が波形解析において最も一般的に使用される。こうして、時間変化する信号は、その周波数の和として表される。信号からの大量のデータは圧縮される場合があり、データ内に隠されている場合がある一定の情報が、異なる観点から閲覧される場合がある。表現しようとしている信号が、信号の途中でその特性を予測不可能なものに変える時、この表現の効力が減ずる。本質的に、フーリエ変換の大域的表現を試みる時には、局所的情報は失われる。
米国特許第5,439,483号で主張されるように、このタイプの変換を実施するための改善された方法は、窓付きフーリエ変換として知られている。この場合、時系列が、データの性質に応じて、小さな時間窓または空間窓に分割される。変換が実施されて、種々の窓において、データのフーリエスペクトルが得られる。この技法に関する問題は、不確定性原理がセットされ始めることである。データの局所化をよりよく処理するように設計された窓が小さければ小さいほど、その周波数情報が低下する。ガウス窓によって最小の不確定性を達成するという定理を利用するガボール変換を使用して、不確定性原理を最小にすることができる。そのため、信号を、正弦関数および余弦関数の時系列によって表される基本周波数に分解する変換を実施する代わりに、ガウス関数が使用される。これは、フーリエ変換を改善するが、やはり、時系列の詳細な情報を与えることができない。
形態解析を実施し、正常なQRS群と異常なQRS群とを識別するハールウェーブレット変換の使用は、先に参照した米国特許第5,439,483号、および、同一譲受人に譲渡された米国特許第6,393,316号に記載される。米国特許第6,393,316号に詳細に記載されるように、ウェーブレットは、信号または信号振幅のデジタル化されたサンプル内で、それぞれの位置について局所周波数情報を提供するように信号を表現する。そのため、ウェーブレット変換を使用して、フーリエ変換の正弦関数または余弦関数に限定されない時系列情報を抽出することができる。本質的に、関連する時系列情報を得るのに適切である任意の関数を選択することができる。利点は、信号を任意の時間スケールで観察することができること、すなわち、この技法が、信号に対して、その最も精細な分解能までズームすることができることである。先に参照した米国特許第6,393,316号に記載されるように、ウェーブレット変換は、いわゆるウェーブレット、すなわち小さい波の和として信号を表現することである。ウェーブレットは、時間的に著しく局所化される。すなわち、数学用語では、コンパクトなサポートを有する。ウェーブレット変換で使用されるウェーブレット関数と、フーリエ変換で使用される正弦関数および余弦関数との主な差は、ウェーブレットのファミリが、指数関数的にスケーリングする制限された時間サポートを有することである。
先に参照した米国特許第6,393,316号に詳細に記載されるように、フーリエ変換の代わりにウェーブレット変換を使用することには、一定の計算上の利点が存在する。デジタル化したQRS振幅サンプル値に適用されるウェーブレット変換は、ウェーブレット変換係数(WTC)のデータのセットをもたらすことになり、WTCデータの選択されたサブセットは、QRS群を正確に表現するために使用されることができ、その後、程度の高い情報圧縮を達成することになる。提供される情報圧縮を使用して、必要とされる計算の回数を実質的に減らすことができるため、これは、IMDにとって特に重要である場合がある。QRS信号は、多数の大きな振幅のウェーブレット係数を保持し、かつ、小さな振幅のウェーブレット係数を削除することによって、効率的にろ過されるとともにノイズ除去されることができる。そのため、ウェーブレット変換ベースの形態解析法を使用することで、タスクを実施するのに必要な計算量を実質的に減らし、計算コストを追加せずに信号のノイズ除去を実施する。
先に参照した米国特許第5,439,483号は、C/Dショックが、適切なエネルギー量で心室に送出されることができるように、一連のQRS群においてそれぞれのQRS群のウェーブレット変換を用いて、VFエピソードの「深刻さ」を特徴付けるシステムおよび方法を開示する。QRS群のスペクトル関数を提供するために、細動事象の時系列の第2微分のウェーブレット変換が、EGMのデジタル化されたQRS群に対して実施される。'483号特許で開示されるアルゴリズムでは、データ内の「抜けているピーク」を求めて結果が解析される。VFが深刻になればなるほど、より多くのピークがデータから抜けていくことになる。その後、この情報を使用して、VFの推定された深刻さに応じてC/Dショックのエネルギーが変更されてもよい。
先に参照した米国特許第6,393,316号は、EGMのQRS群を解析するハールウェーブレット変換に基づく方法によって、患者の心臓の心腔を通る脱分極波面の正常な伝播から生ずる心室脱分極と異常な伝播から生ずる心室脱分極とを確実に識別する方法および装置を開示する。NSRのWTCテンプレートの生成およびSVT QRS群の生成、ならびに、VTまたはVFレート基準を満足させる現在の高レートのQRS群および記憶したWTCテンプレートの比較を含むいくつかの実施形態が、米国特許第6,393,316号に記載される。第1の開示された実施形態は、テンプレートおよび未知波形のWTCデータを絶対振幅によって配列し、WTCデータの得られた順序を比較することによって、ウェーブレットドメインにおいて、テンプレートと未知波形とを比較する。第2および第3の開示される実施形態は、ウェーブレットドメインにおいて、CWAおよびAD計算の類似のものを実施する。3つの方法の全てが、SVTエピソード中の正常QRS群からのVTエピソード中のQRS群の良好な識別を生じ、かつ、ICDの埋め込み環境において容易に実施されることができる。開示された実施形態は、正常心房P波ならびにAFおよびATエピソードに関連するP波を含む、EGMにおける他の心臓波形を識別するために有効に適用されてもよいことが主張される。米国特許第6,393,316号に記載されるウェーブレット形態アルゴリズムの一定の特徴は、単腔MEDTRONICS(登録商標)Marquis(登録商標)VR ICDに採用される。
上述したICDの埋め込みについての複雑さおよび適応症(indication)は、長年にわたって著しく増加してきた。こうしたICDを受ける患者は、通常、VTとして始まる場合があるVFに続発するSCDを生き残った人であることがわかる。こうした場合、こうしたICDのコストおよび複雑さは、正しいとみなされる。しかしながら、SCDに至る可能性のある多くの患者は、現在、診断未確定であり、最初のVFエピソードを生き延びることがない。他の兆候からそれとわかる可能性があり、かつ、VFに起因するSCDに対する保護を提供するだけの、「予防的な(prophylactic)」低コストの限られた機能のICDから利益を得る可能性がある一定の患者の母集団が存在すると信じられている。ICDおよび埋め込み処置のコストを最小にするために、こうした予防的ICDは、限られた機能と、検出されたVFエピソードに応答して限られた数の高エネルギーC/Dショックのみを送出する能力とを必ず有することになる。
予防的ICDの適用例では、選択された患者は、ほぼ同じ周波数のSVTエピソードを示すが、従来のICD患者母集団によって示されるよりも、多形性のVTまたはVFエピソードをはるかに少なく示すという問題が存在する。したがって、最新のVF検出アルゴリズムの使用によって、従来のICD母集団と比べて、より高い割合で不適切なVFショック治療がもたらされることが懸念される。ベイズの定理の教えるところでは、検出性能は、検出アルゴリズムの固有の性能によるばかりでなく、アルゴリズムが処理する頻脈性不整脈の母集団にも依存するために、このことが予想される。
予防的ICDの適用例では、心室に速く伝導するAFエピソード(高速伝導AF)は特に問題である。こうしたAF事象の心室レートは、VFの心室レートに類似している場合が多く、間隔のみに基づいてVT/VFからAFを同時に識別することは難しい。Wilkoff等は、2腔ICDにおける不適切なVT/VF検出についての主要なアルゴリズムの原因の1つとして、高速伝導AFを特定した。より大きな母集団についての単腔検出シナリオでは、予防的ICDの場合と同様に、VFゾーンと重なる心室レートで伝導する高速伝導AFも、不適切な検出についての主要なアルゴリズムの原因であることが予想される。Wilkoff B.L.他著「Critical Analysis of Dual-Chamber Implantable Cardioverter-Defibrillator Arrhythmia Detection: Results and Technical Consideration」(Circulation, 2001;103;381-386)を参照されたい。
高速伝導AF中のQRS形態は、NSR中のQRS形態と異なる場合が多く、VFからSVTを識別するために、最新のQRS群形態とNSR QRS群形態との間の類似度を見出すことに基づくアルゴリズムが効果的でなくなる。AFエピソード中のQRS形態は、NSR QRS形態と異なるが、短い時間期間にわたって比較的安定である、AF中の特徴的なQRS群形態が存在する場合が多い。
したがって、C/Dショック治療の不必要な送出を回避するために、特に予防的ICDで使用するための、生死にかかわらない高レートのVTまたはSVTから、真のVFエピソードを識別するための、確実で、かつ、計算的に効率のよいVF検出能力に対する必要性が残ったままである。こうしたVF検出能力は、もちろん、より複雑な、単腔、2腔、および多腔のICDにおいて、やはり有益であることになる。こうした確実なVF検出能力は、たとえば、同一譲受人に譲渡された米国特許第5,331,966号に記載されるように、1つまたは複数の選択された遠方場センスベクトルにわたって検知されたEGMからのデータを、監視し、処理し、かつ記憶する、皮下に埋め込まれた検知電極アレイ(SEA)を有する埋め込み可能心臓モニタ(IHM)において有用性を見出す場合もある。
さらに、高レートATから真のAFエピソードを識別するための、確実で、かつ、計算的に効率のよいAF検出能力に対する必要性が残ったままである。
本発明によれば、速く心室に伝導し、VT/VFレート検出基準を満足させるR−R間隔をもたらす、高速で心室に伝導されるAFから生ずる可能性がある他の速い心室収縮から、多形性VTおよびVFを検出するという特異性を高めるために、高レートの単形性QRS群から高レートの多形性QRS群を識別する方法および装置が提供される。特に、高速伝導AFによる場合がある単形性VTから、心室内に起因する多形性VTまたはVFを、確実に識別する方法および装置が提供される。本発明は、好ましくは、予防的な単腔ICDにおいて、または、より複雑な、単腔、2腔、または多腔のICDにおいて、もしくは、心臓モニタにおいて採用される。
例示的なICDの実施形態では、本発明の方法および装置は、検出された心室検知事象をもたらすとともに、VF検出しきい値を満足させる所定数の高レートのQRS群が、単形性であるか多形性であるかを判断することによるVF検出を増補する。所定数のQRS群が単形性である場合、VF検出基準を満足させることに基づいて送出されることになるC/Dショックの送出が保留され、抗頻脈治療が送出されることができる。換言すれば、VF検出基準を満足させた高レートのQRS群のシーケンスは、少なくともある数のQRS群が単形性であると判断される場合、VFに起因するよりも、VTまたはSVTに起因する可能性が大きいと考えられる。さらに特異性を高める実施形態では、QRS群が調査され、かつ、所定数のQRS群が単形性であることがわかるたびに、C/Dショックの送出が、後続の心室検知事象の保留遅延数(たとえば、z)だけ延期される。
本発明の好ましい実施形態は、単形性VTおよびSVTから多形性VFおよびVTを識別する助けとなる補助VF識別基準として、QRS群の形態的安定性の尺度を使用する。QRS群の形態的安定性を求める、本発明の特定のアルゴリズムは、2拍動照合パーセント安定性(2bMP)アルゴリズム、複数拍動照合パーセント安定性(mbMP)アルゴリズム、および選択的ウェーブレット係数安定性指標(SWCSI)と呼ばれる。一般に、y個のQRS群のサンプリングされた振幅値にウェーブレット変換が適用されて、WTCデータのy個のセットが生成される。WTCデータセットの少なくとも選択されたセットが処理され、形態安定性照合パーセント値のセットを求めるための比較が、順次または同時に行われる。それぞれの形態安定性照合パーセントが、照合しきい値と比較され、形態安定性照合パーセントは、それぞれ、照合しきい値に一致するか、または一致しない時に、照合カウントがインクリメントされるか、またはデクリメントされる。照合カウントはカウントしきい値と比較され、比較の結果に応じて、QRS群は、多形性VTまたはVFを意味する可能性を或る程度有するとみなされる。
有利には、VFの検出ならびにVTおよびSVTからのVFの識別は、より確実に、かつ、限定的に行われる。特に予防的ICDにおいて、誤ったVFの断言の頻度およびC/Dショックの不適切な送出が減る。本発明はまた、心房頻脈性不整脈、特にATからのAFの識別に適用されてもよい。
本発明のこの要約は、従来技術で提示される問題を本発明が克服する方法の一部を指摘し、かつ、本発明を従来技術から識別するためにだけ提示されており、特許出願文書で最初に提示され、かつ、最終的に認可される特許請求項の解釈に対して、どんなやり方であっても制限として作用することは意図されない。
本発明の、これらの利点および他の利点、ならびに特徴は、図面に関連して考えられる時、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から容易に理解されるであろう。図面では、同じ参照符号は、いくつかの図を通して同じ構造を指示する。
以下の詳細な説明では、本発明を実施するための方法および装置の例示的な実施形態が参照される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができることが理解される。特に、本発明は、心室EGMを監視し、VF、VT、およびSVTを検出し、VTおよびSVTからVFを識別し、検出されたVFエピソードに応答してC/Dショックを提供し、外部医療デバイスへのアップリンクテレメトリ送信のために、検出されたVF、VT、およびSVTに関連するデータを記憶し、徐脈のためにVVIペーシングを任意選択で提供するための、単純な単腔ICDの状況で述べられる。好ましい実施形態は、有利には、患者が、それによってこうしたVFエピソードを生き延びるとともにより複雑なICDの埋め込みの候補者になることを予想して、VFエピソードが検出されると、非同期の高エネルギーC/Dショックを提供するペーシング能力のない、予防的なICDとして機能するように単純化されることができる。しかしながら、本発明の種々の実施形態および原理は、単に、心室EGMを監視し、VF、VT、およびSVTを検出し、VTおよびSVTからVFを識別し、かつ、外部医療デバイスへのアップリンクテレメトリ送信のために、検出されたVFに関連するデータを記憶するために、IHMにおいて採用されるとともに実施されるか、もしくは、より複雑な段階的(tiered)治療送出、2腔または多腔ICDにおいて実施されてもよいことが本明細書の記載から理解されるであろう。
図1は、有利には、本発明の識別アルゴリズムを組み込むことができるICD埋め込み可能パルス発生器(IPG)10ならびに人の心臓30へ延びる関連するICD医療電気リード線12および14を備えるICDの一実施形態を示す。図1のICDはまた、外部プログラマ40、ならびに、IPGアンテナによってアップリンクテレメトリ(UT)およびダウンリンクテレメトリ(DT)送信波を提供する外部プログラマテレメトリアンテナ42に関連して示される。
ICD IPG10は、図2に示す、電池を含む、電子回路機構および部品ならびにコネクタブロック18を収容する密閉した格納容器16で形成される。図示したICDリード線12および14の近位端は、コネクタブロック18の2つのコネクタポートに挿入されて、当技術分野ではよく知られている方法で、格納容器の壁を通って延びるフィードスルーを介して、ICDリード線12および14のリード線導体と密閉した格納容器16内の回路機構との間の電気接続が行われる。
ICD IPG10は、心臓から遠くに離れた皮下に埋め込まれることが意図され、密閉した格納容器16の少なくとも非絶縁部分を、不関のペース/検知および/またはC/D電極20として採用することができる。ICDリード線14およびICDリード線12はそれぞれ、冠静脈洞(CS)リード線および右心室(RV)リード線であり、従来の埋め込み技法を用いて、ICD IPG10から横方向に延びて心腔内に入る。
CSリード線14は、心臓30の冠静脈洞および大静脈領域に位置する、細長いワイヤコイルすなわちC/D電極32を支持する。C/D電極32は、右心房内の冠静脈洞口を通って、心臓の回りを進み、大静脈か、冠静脈洞かのいずれかの左心室壁の近傍に配設される。
RVリード線12は、近位および遠位の細長いワイヤコイルすなわちC/D電極22および28、リング状のペース/検知電極24、ならびに能動固定ヘリックスを備えるらせん状ペース/検知電極26を支持する。らせん状ペース/検知電極26は、ペース/検知電極24および26を右心室に固定するために、右心室の尖部において右心室の組織にねじこまれる。当技術分野でよく知られている他のRV固定機構、たとえば、軟質の柔軟歯(tine)が、能動固定ヘリックスの代わりに用いられてもよい。
C/D電極22および28は、心臓30の基部および尖部の間に1つのC/Dベクトルを規定するために、それぞれ、RVおよび上大静脈(SVC)内に配設される。RV−LV C/Dベクトルは、C/D電極22および32の間で規定される。他のC/Dベクトルは、皮下ハウジング電極20とC/D電極22、28、および32のいずれかとの間に規定されることができる。C/D電極22、28、および32の対は、当技術分野で知られている方法で、さらなるC/Dベクトルを規定するために、選択的に結合されることができる。
本発明に関連して、示されるICDリード線および述べられる電極は、可能なリード線システム、ならびに、一緒に対にして、R波を検出し、EGMを処理し、確認されたVF検出に応答してC/Dショックを送出し、特にRVに対してペーシングを提供することができる電極を例示するだけである。示されるICDリード線および電極は、種々の検知電極を提供し、検知電極は対にされて、R波を検出する心室センス増幅器、EGMを検知するEGM増幅器、および、VFに対抗するために、心臓に単相または2相のC/Dショックを送出するC/Dショック発生器に結合される。電極が、R波を検出するために、EGMを検知するために、および、VFに対抗するために心臓に単相または2相のC/Dショックを送出するための検知電極対を提供する限りにおいて、他のICDリード線ならびにペース/検知電極およびC/D電極を、本発明の実施において採用することができることが理解されるであろう。
たとえば、低コストで、制限された機能の、予防的なICDの最も単純な場合、ICDリード線は、C/D電極22のみを支持するより簡易的なRVリード線、および単一の遠位ペース/検知電極または双極の遠位ペース/検知電極対を備えてもよい。高エネルギーC/Dショックは、C/D電極22とハウジングC/D電極20との間で送出されることができる。R波およびEGMは、選択されたペース/検知電極対の間で検知されることができる。徐脈中のRVペーシングは、選択されたペース/検知電極対の間で提供されてもよいし、されなくてもよい。
図1に戻ると、リング電極24と先端電極26とを一緒に対にし、R波センス増幅器に結合して、R波の発生を検出してもよく、リング電極24と皮下ハウジング電極20またはC/D電極22、28、および32のうちの1つを、EGM信号を検知するために一緒に対にしてもよい。別法として、ペース/検知電極24および26は、R波検出とEGM検知の両方に使用されてもよい。さらに、C/D電極32、22、および28のうちの2つを、EGM信号を検知するために一緒に対にしてもよい。
ICD IPG10は、好ましくは、たとえばMEDTRONIC(登録商標)GEM 7227単腔ICD IPGの動作モードおよび機能を提供し、たとえばMEDTRONIC(登録商標)Model 9790C外部プログラマ40を採用して、動作モードおよびパラメータ値をプログラム可能で、かつ、問い掛け可能(interrogatable)である、図2に示すICD動作システムを備える。図2は、こうした単腔ICDの動作システム100を示す機能ブロック図であり、有利には、本発明のVT/VF識別機能を実施できる、上述した能力の全てまたは一部を有する種々の単腔および2腔ICDシステムを単に例示する。さらに、本発明は、図2の動作システムの選択された部品を有する埋め込み可能モニタに組み込まれることができる。
ICDの動作モードおよびパラメータのプログラミング、または、ICD IPG10に記憶されたデータの問い掛け(interrogation)、または、リアルタイム心臓EGMのUT送信の始動は、外部テレメトリアンテナ42から図2に示すICDテレメトリアンテナ137へ、プログラマ40によってDT送信波で送信されるプログラミングコマンドまたは問い掛けコマンドによって、達成すなわち始動される。本発明の状況では、ICD動作システムは、医師が再調査するために外部プログラマ40へUT送信することができる、VT/VF検出エピソードデータおよびVF送出データを記憶する。ICD IPGテレメトリシステムは、当技術分野では知られている方法のうちの任意の方法で、DT送信波のコマンドを復号し、反応データすなわち心臓EGMを取り出すとともにフォーマットし、それを、UT送信波として外部プログラマ40に伝える。
ICDシステム100は、1つまたは複数のハイブリッド回路上に通常搭載される1つまたは複数のIC、多数のディスクリート部品を搭載するPCボード、および、さらに大規模なディスクリート部品を含む。ICD動作システムの心臓部は、他のシステムブロックに結合される、マイクロコンピュータベースのタイミングおよび制御システムIC102内のハードウェアおよびソフトウェアにある。システムIC102は、メモリ内に維持されるか、または、ファームウェア内に埋め込まれる動作アルゴリズムを有するマイクロコンピュータの典型的な部品、および、システムIC102内に好都合に位置するさらなる動作システム制御回路機構を備える。これらのブロックに相互接続される種々の示された信号および制御線は、全てが示されているわけではないが、これは、説明を単純にするためであり、また、本発明の実施において重要な役割を果たさないという理由による。
図2に示す、大規模で、ディスクリートなオフボード部品は、1つまたは複数の電池136、HV出力コンデンサ138、140、ならびに、(任意選択で)ハウジングが搭載される患者警報音変換器129および/または活動センサ134を含む。PCボードに搭載されるディスクリート部品は、テレメトリアンテナ137、リードスイッチ130、水晶132、HV C/D出力回路機構108のHVディスクリート部品のセット、ならびに、絶縁、保護、および電極選択回路機構114の切り換えおよび保護回路部品を含む。これらのディスクリート部品は、以下でさらに述べる、機能ブロック104〜128および176を組み込む他のICおよびハイブリッド回路を通してシステムIC102に結合される。本発明を実施することができる、図2に示すものと同じICD動作システムは、たとえば、先に参照した米国特許第6,393,316号および米国特許第5,193,535号に開示される。図2に示す機能ブロックおよびディスクリート部品は、1つまたは2つのLVハイブリッド回路、HVハイブリッド回路、およびディスクリート部品PCボードの一部として配置することができる。しかしながら、システムICの全てを組み込みかつ支持する単一ハイブリッド回路が採用される可能性があることが理解されるであろう。
図2の例示的なICD動作システム100は、他の機能ブロックのうちの選択されたブロックに供給される調整された高電圧および低電圧の電源VhiおよびVloを生成するための、電力源ブロック106の電源に結合される電池136によって電圧供給される。好ましくは、電池136は、HVコンデンサ充電電流を提供するのに採用されることができ、かつ、単腔ICDの場合、新しい時の約3.2ボルトから指定された使用終了時の約2.5ボルトまでの電圧を生成し、また、2腔ICDの場合、これらの電圧値の2倍を生成するリチウム銀バナジウム電池である。電源106は、電池136が電源103に接続されると最初に、また、電池136の電圧がしきい電圧に合わない時はいつでも、POR信号を生成するパワーオンリセット(POR)回路も含む。
水晶発振器回路120は、クロック水晶132に結合される。水晶発振器回路120は、マイクロコンピュータベースの制御およびタイミングシステムICに印加され且つ適切である場合図2の他のブロックへ分配される、1つまたは複数のシステムXTALクロックを提供する。
IPGテレメトリアンテナ137に結合するテレメトリI/O回路124は、アップリンク送信のためにフォーマットされたアップリンク(UPLINK)信号を受信するUT送信機と、ダウンリンク(DOWNLINK)信号を受信してシステムIC102のテレメトリI/Oレジスタおよび制御回路機構に転送するDT受信機とを含む。当技術分野で知られている1つのテレメトリ方式では、テレメトリI/O回路124は、外部プログラミングヘッド磁界によってリードスイッチ130が閉じると、リードスイッチ回路がRS信号を提供する時にDT問い掛けおよびプログラミングコマンドを受信するとともに復号するように使用可能にされる。ダウンリンクテレメトリRF信号は、IPGテレメトリアンテナ36を含むL−Cタンク回路を鳴らす(ring)。他のペーシング機能は、磁界がリードスイッチ130を閉じ、かつ、RS信号が当技術分野でよく知られている方法で生成される時に、影響を受ける。より最近のテレメトリ方式では、DT送信波を受信するのに、リードスイッチは採用されず、また、テレメトリアンテナは、密閉した格納容器の外側に物理的に位置することができる。図1および図2で採用される、部品、動作モード、およびテレメトリ方式のタイプは、本発明にとって重要ではない。
任意選択で、レート応答回路122は、生理的活動センサ134に結合されている。生理的活動センサ134は、好ましくは、IPGハウジング内面に搭載される変換器または加速度計であり、かつ、当技術分野でよく知られている方法で、活動に関連する出力信号をレート応答回路122に提供する。レート応答回路122は、適切な心拍出量を提供するレートで心臓をペーシングするために、ペーシング補充間隔を変えるのに使用されるレート制御パラメータ(RCP)を生成する。レート応答回路122による変換器出力信号の信号処理は、当技術分野で知られる多くの方法でRCPを生成するために、レート応答パラメータコマンドを通してプログラムされることができる。検出されたVT/VFエピソードに関連するRCPは、患者の担当医師が解析するために、外部プログラマ40へエピソードデータをUT送信するために、システムIC102内のメモリに記憶されることができる。
任意選択で、患者警報ドライバ回路116は、音放出変換器129に結合されている。音放出変換器129は、IPGハウジングの内面に隣接して搭載され、かつ、VFが検出され、C/Dショックの送出が差し迫っていることを患者に知らせるために、もしくは、医師の介入を許可する問題の事象または状況を患者に知らせるために、緊急性の高いトーンおよび緊急性の低いトーンで可聴警報信号を放出するように駆動される。動作するようにプログラムされるか、または、「オフ」状態でプログラムされることができる警報は、ペース/検知およびCV/DEFIBリード線インピーダンスが範囲外である(大き過ぎるか、または小さ過ぎる)こと、電池電圧が低いこと、HVコンデンサを充電する充電時間が長過ぎること、所与のエピソードにわたって、プログラムされたグループの治療において全ての治療が使い尽くされたこと、および、あるエピソードにおいて送出されるショックの数を指示することを含む。
図2のブロック図は、リード線コネクタ要素ならびにそれぞれの電極24、26、30、22、32、および28へ延びるリード線導体に結合されることができる、IPGコネクタブロック104内のコネクタ端子を表す、V+、V−、I、HVA、HVBおよびCOMMONで表示される6個の入力/出力端子を示す。上述したように、入力/出力端子およびそれらに関連する電極の数は、本発明を実施するのに必要な最小の数に減らされることができる。
絶縁、保護、および電極選択回路機構114内の電極選択スイッチは、マイクロコンピュータベースの制御およびタイミングシステムIC102からの、対応する検知/ペース電極選択コマンドに応答して、V+、V−、I、HVA、HVBおよびCOMMONで表示される6個の入力/出力端子のうちの対を、マイクロコンピュータベースの制御およびタイミングシステム120からの、対応する検知/ペース電極選択コマンドに対応して、R波センス増幅器126、心室EGM増幅器128、およびV−PACEパルス発生器112に選択的に結合する。検知/ペース電極選択コマンドは、上述したように、外部プログラマ40の使用を通じて、患者の担当医師によってプログラム可能である。
当技術分野でよく知られている方法のうちの任意の方法で動作する心室ペーシング機能は、上述した、低コストで、制限された機能の予防的ICDに含まれてもよいし、含まれなくてもよい。V−PACE発生器112が図2に示すように含まれると、V−PACE発生器112は、VVIRペーシングモードのVVIにおいて、プログラムされたPPW/PPAコマンドによって設定されたパルス幅および振幅を有する、選択されたペース/検知電極対を通してV−PACEパルスを提供する。マイクロコンピュータベースの制御およびタイミングシステム102内のタイマは、レート応答回路122によって出力されるRCPに応じて変わる、プログラムされたVVIペーシング補充間隔またはVVIRペーシング補充間隔をタイムアウトする。V−TRIG信号は、VVIまたはVVIR補充間隔がタイムアウトする時に、マイクロコンピュータベースの制御およびタイミングシステム102によって生成され、当技術分野でよく知られている方法で、許容できないほど高レートでのペーシングの誤ったトリガを禁止するアナログレート制限回路110に印加される。許容可能なV−TRIG信号は、アナログレート制限回路110を通過し、V−PACEパルス発生器112によるV−PACEパルスの送出をトリガする。VVIまたはVVIR補充間隔は、R波に応答して心室センス増幅器126によって生成されるVSENSEによって再始動される。
プログラミングコマンドに応答して、V−PACEパルス発生器112は、絶縁、保護、および電極選択回路機構114を通して、V+、V−入力/出力端子に結合され、それによって、ペース/検知電極24および26に結合されて、双極RVペーシングを提供することができる。あるいは、V−PACEパルス発生器112は、絶縁、保護、および電極選択回路機構114を通して、V−入力/出力端子に結合され、それによって、ペース/検知電極26およびI、HVA、HVBのうちの任意のものに結合され、かつ、COMMON入力/出力端子に結合され、それによって、各電極20、22、32、および28に結合されて、単極RVペーシングを提供することができる。
1つの好ましい例では、心室センス増幅器126は、絶縁、保護、および電極選択回路機構114を通して、V+、V−端子に結合され、それによって、ペース/検知電極24および26に結合されて、R波の双極RV検知を提供することができる。心室センス増幅器126は、プログラム可能利得、バンドパス増幅器、しきい値設定回路、および、バンドパスフィルタリングされた心室心臓信号振幅をしきい値と比較する比較器を備える。感度レジスタ176に記憶された心室センス増幅器126の感度/しきい値は、上述したように、外部プログラマ40の使用を通じて患者の担当医師によってプログラム可能である。心室センス増幅器126は、ブランキングされず、かつ、QRS群の振幅が通常はR波の立ち上がり中である、心室センスしきい値を超えると、VSENSE信号を生成する。心室センス増幅器126への入力は、V−PACEパルスまたはC/Dショックが送出されると、マイクロコンピュータベースの制御およびタイミングシステムIC102内の心室ブランキング回路によって生成されるVBLANK信号に応答するとともにVBLANK信号の持続期間の間、絶縁、保護、および電極選択回路機構114内のブランキングスイッチを開くことによって、V+、V−端子から切り離される(disconnect)。
同様に、心室EGM(VEGM)増幅器128は、プログラム可能なVEGMベクトル電極選択コマンドに応答して、絶縁、保護、および電極選択回路機構114の電極選択スイッチ回路を通して、入力/出力端子V+、V−、I、HVA、HVB、およびCOMMONから選択された入力/出力端子の対に結合される。VEGM増幅器128は、心臓信号をフィルタリングし、増幅し、VEGM信号をADC/MUX104に提供する。ADC/MUX104では、VEGMは、256Hzのサンプリング周波数で連続してサンプリングされる。サンプリングされたアナログ信号値はデジタル化され、かつ、FIFO形式で一時的に記憶するために、システムIC102のRAMメモリレジスタまたはバッファにVEGMデータとして提供される。一時的に記憶されたVEGMデータは、本明細書でさらに述べるように、VF検出基準を少なくとも部分的に満足させる頻脈性不整脈エピソードが起こると、システムIC102内のメモリレジスタ内にシフトされる。
こうしたVEGMデータは、UT送信で取り出すために、メモリレジスタに記憶されて、不整脈の検出に先立つとともに後続し、かつ、VFショックの任意の送出を包含する、プログラム可能な長さのVEGMストリップを提供することができる。メモリの制約に起因して、記憶されたVEGMデータは、VT/VFエピソードが検出されるたびに、廃棄されるとともに交換されてもよい。しかしながら、履歴エピソードログは、日、時間、エピソードのタイプ、サイクル長、継続期間を提供し、最後に記憶されたVEGMデータを特定するシステムIC102のRAMで、編集され(compile)るとともにインクリメントされる。
示すHV C/D出力回路108は、DC−DC変換器と、図1のC/D電極22、28、32、および20のうちの選択されたものを通して、HV出力コンデンサバンク138および140上の電荷を放電させるHV出力または放電回路とを備える、先に援用された米国特許第6,393,316号および米国特許第5,193,535号に述べるタイプである。DC−DC変換器は、HV充電回路、ディスクリートHVセットアップ変圧器、および、2次変圧器コイルに結合されているHV出力コンデンサバンク138および140を備える。HV出力コンデンサバンク138および140上の電荷は、絶縁、保護、および電極選択回路機構114のHVスイッチを介して、図1のC/D電極26、30、および32に結合されているリード線の組み合わせを通して選択的に放電される。上述したタイプの予防的ICDでは、示すHV C/D出力回路108は、絶縁、保護、および電極選択回路機構114のHVスイッチを介して、図1のC/D電極26、30、および32のうちの選択された対を通して送出される、高エネルギーの、単相または2相のC/Dショックを生成する。
マイクロコンピュータベースの制御およびタイミングシステム102内のマイクロプロセッサは、マイクロプロセッサに関連するROMに記憶されるソフトウェアの制御下で、割り込み駆動式デバイスとして動作し、かつ、R波センス増幅器126のVSENSE出力およびVVIまたはVVIR補充間隔のタイムアウトを含む割り込みに応答する。マイクロプロセッサによって実施される任意の必要な数学的計算、および、マイクロコンピュータベースの制御およびタイミングシステム102内のペーサタイミング/制御回路機構によって制御される値すなわち間隔の更新は、こうした割り込みに続いて起こる。これらの計算は、本発明のVF識別方法に関連して、以下でより詳細に述べる計算を含む。
上述したように、また、先に参照した米国特許第6,393,316号において、図1および図2に示すタイプの市販のICDで採用されてきた典型的なVTおよびVF検出基準は、心室頻脈性不整脈の存在を検出するとともに心室頻脈性不整脈を識別するための心室頻脈性不整脈検出基準として、レート/間隔に基づくタイミング基準およびNID周波数基準を採用する。このために、固有の心室心拍数は、R波センス増幅器126によって出力される連続するVSENSE信号間のR−R間隔を計時することによって、拍動ごとに測定される。R−R間隔は、VF、高速VT、および低速VTのそれぞれについて、通常、プログラミングによって確立される間隔範囲またはしきい値と比較される。
VFカウンタ、高速VTカウンタ、および低速VTカウンタは、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアで実施することができる、それぞれ、「1」または「0」に設定されるY個の段を有するFIFOシフトレジスタのように機能する。現在のR−R間隔が間隔しきい値より短くなるたびに、たとえば、「1」がレジスタの最初の段に進み、各段の内容が次の段に進み、Y番目の段の「1」または「0」が廃棄される。同様に、現在のR−R間隔が間隔しきい値より長くなるたびに、たとえば、「0」がレジスタの最初の段に進み、各段の内容が次の段に進み、Y番目の段の「1」または「0」が廃棄される。こうして、対応するVFカウンタ、高速VTカウンタ、または低速VTカウンタのカウントXは、「1」がレジスタの最初の段に進み、「0」がY番目の段から廃棄される場合に「インクリメント」され、かつ、「0」がレジスタの最初の段に進み、「1」がY番目の段から廃棄される場合に「デクリメント」される。同じビット値「1」または「0」が、レジスタの最初の段に進み、かつ、Y番目の段から廃棄される場合、カウントXは同じままである。
たとえば、R−R間隔は、プログラムされた細動検出間隔(FDI)、プログラムされた高速頻脈検出間隔(FTDI)、およびプログラムされた低速頻脈検出間隔(TDI)と同時に比較される。FDIカウントXVFは、R−R間隔がFDIより短く、「0」がY番目の段から廃棄される場合にインクリメントされるか、または、「0」がY番目の段から廃棄される場合に同じままである。同様に、低速カウントXVTは、TDIより短いが、FTDIまたはFDIより長いR−R間隔に応答して、インクリメントされるか、または同じままであり、高速VTカウントXFVTは、FDIより長いが、FTDIより短いR−R間隔に応答して、インクリメントされるか、または同じままである。
VFカウンタ、高速VTカウンタ、および低速VTカウンタにそれぞれ蓄積するカウントXVF、XFVT、およびXVTは、カウントXVF、XFVT、またはXVTが、本明細書で「検出に必要とされる間隔数」(NID)と呼ぶ所定の値に達する時に、関連する頻脈性不整脈(VF、高速VT、または低速VT)の検出信号を発生するために使用されてもよい。それぞれのレートゾーンは、それ自身の規定されたNID、たとえば、細動検出の場合「VFNID」、高速VT検出の場合「FVTNID」、および低速VTの場合「VTNID」を有してもよい。したがって、XVF=VFNIDの時にVFが断言され、XFVT=FVNIDの時に高速VTが断言され、XVT=VTNIDの時に低速VTが断言される。
本発明は、VF検出基準が、特に速く伝導されたAFまたはAFLに起因して、高速VTまたはSVTによって間違って満たされるおそれのあるときに、真のVFエピソードを検出することの特異性を高めることを対象とする。本発明は、従来のVF検出基準が満たされるか、または、まさに満たされそうになり、かつ、明らかなVFをNSRに転換するために、C/DがRVに送出される場合、図1および図2の例示的な心室ICDの実施形態の状況で実施されることができる。VF検出基準の実施態様の特定の詳細は特に重要ではないことが理解されるであろう。さらに、上述した、高速VTおよび低速VTの検出基準は、真のVFエピソードを検出すると、C/Dショック治療を送出するだけであることを意図される簡易的な予防的ICDの実施態様では、なくすか、または変更されることができることが理解されるであろう。
本発明の好ましい実施形態によれば、VF検出基準が満たされた(XVF=VFNID)時か、または、好ましくは満たされつつある(0<XVF<VFNID)プロセス中に、VF検出基準は、形態の安定性または不安定性を判断するためのWTC比較を採用して、y個の最も最近のQRS群の連続シリーズの形態を調査することによって強化される。たとえば、形態安定性の調査は、好ましくは、XVFが、(VFNID−y)より小さい時に開始される。WTCデータのy個のセットのうちのWTCデータの少なくとも選択されたセットが、その後処理されて、所定の照合パーセント許容誤差内で互いに一致する、WTCデータのy個のセットのうちの照合カウント(MATCH−CNT)xが求められる。
MATCH−CNTxが、形態安定性についての照合カウントしきい値を満たす場合、最新のy個のQRS群のうちの少なくともx個は、形態安定性を示すと考えられ、最も最近のQRS群が、多形性の高速VTまたはSVTに起因する可能性が高いことが示唆され、VFと最終的に断言すること、および、C/Dショックを送出することが防止される。VF検出基準が満たされ(XVF=VFNID)、かつ、MATCH−CNTxが、照合カウントしきい値を満たさない場合のみ、VFが最終的に断言され、かつ、C/Dショックの送出が許可される。
上述した方法は、VFに対抗するためにC/Dショック治療を、また、VTに対抗するために他の適切な治療を提供することが可能なICDで採用されることができる。図3は、従来のVF検出基準を満足させる心室頻脈性不整脈が、VFエピソード(または、多形性VTエピソード)か、単形性VT(または、SVT)のいずれかであることを断言するステップと、プログラムされたVFまたはVT治療をそれぞれ送出するステップとを示す。図3のこの示す方法では、立証カウンタは、MATCH−CNTxが、照合カウントしきい値(y個のQRS群のうちのx個が形態安定性を示すことを指示する)を満たす時に、QRS群の数zに設定される。立証カウンタは、MATCH−CNTxが照合カウントしきい値を満たさないたびに、zからデクリメントされる。この実施形態では、VF検出基準が満たされる(XVF=VFNID)が、立証カウントがゼロを超える(y個のQRS群のうちのx個が形態安定性を示すことを指示する)場合、VFの最終的な断言は行われない。その代わりに、VTが断言され、適切な治療が送出される。
図3の方法は、好ましくは、図4に示すように変更されて、ICDが、VFに対抗するために、C/Dショック治療を送出することだけが可能である時に、心室頻脈性不整脈が真のVFであるという特異性をより厳密に高める。この実施形態では、VF検出基準が満たされる(XVF=VFNID)が、MATCH−CNTxが照合カウントしきい値を満たす(y個のQRS群のうちのx個が形態安定性を示すことを指示する)場合、VFの最終的な断言およびC/Dショックの送出が延期される一方、QRS群のさらなる数z個が調査される。心室検知事象間のR−R間隔およびQRS群のさらなる数z個の形態が調査され、それによって、FDIカウントXVFおよびMATCH−CNTxは、拍動ごとに更新される。z個のR−R間隔およびz個のWTCデータが比較され、VF検出基準が満たされ続け(XVF=VFNID)、MATCH−CNTxがもはや照合カウントしきい値を満たさない時にのみ、VFの最終的な断言およびC/Dショックの送出が行われることができる。数zは、yに等しいか、またはyと異なる可能性がある。特定の例では、VFNIDは18であり、Y=24、照合カウントしきい値は6であり、y=8、z=8である。
図3および図4の方法は、図5に示すように、ウェーブレット変換信号処理(たとえば、ハールウェーブレット変換)を採用して、WTCデータセットと図6〜8を参照して以下でさらに述べるWTCアルゴリズムのうちの選択された1つとを導出し、VF検出基準が満足される時に多形性および単形性のQRS群を識別する。
最初に、図3を参照すると、ステップS300にて、EGM振幅は、たとえば、先に参照した米国特許第5,447,519号に述べるように、連続してサンプリングされ、デジタル化され、かつ、VEGM増幅器128およびADC/MUX104を使用して、FIFO形式でバッファに一時的に記憶される。VSENSE事象は、R波センス増幅器126によってステップS302にて断言されるか、または、一時的に記憶したEGM振幅データから判断されることができる。各VSENSEが断言されると、ステップS304にてR−R間隔が計算され、R−R間隔は、ステップS306にてFDIと比較される。ステップS310にて、「1」が、VFカウンタの最初の段にシフトされ、残りの段のデータビットは、1ポジションだけシフトされ、Y番目の段のデータビットは、R−R間隔がFDIより短いとステップS306にて判断されると廃棄される。ステップS308にて、「0」が、VFカウンタの最初の段にシフトされ、残りの段のデータビットは、1ポジションだけシフトされ、Y番目の段のデータビットは、R−R間隔がFDIより長いとステップS306にて判断されると廃棄される。VFカウントXVFは、ステップS310にて、「1」がVFカウンタの最初の段にシフトされ、「0」がY番目の段からシフトされてなくなる時にのみ、インクリメントされることができる。
好ましい例では、24個のVFカウンタ段が存在し、VFNIDは、より小さい数、たとえば18に設定される。「1」のビットを含む段がカウントされ、VFカウントXVFが導出される。ステップS310にて、VFカウントXVFが、形態安定性試験しきい値(MSTHRS)と比較される。ここで、0<MSTHRS<VFNIDである。上述したように、VFNID=18かつy=8の時、MSTHRSは、たとえば、8または10(18−8)に設定される可能性がある。
VFカウントXVFがMSTHRSを満たすとS312にて判断されると、WTCデータセットを求めるとともに記憶することが、ステップS314およびS316にて開始される。S314にて、ステップS302にて検出されたVSENSE事象に先立つとともに後続する、ステップS300にて収集されたEGMデータ、たとえば、VSENSE事象の限界を定める200ms窓は、図5に示すようにWTC処理を受けて、現在のQRS群についてのWTCデータセットが導出される。ステップS302にて検出された各VSENSEに対して、また、VFカウントXVFがMSTHRSを満たすとステップS312にて判断されるたびに、ステップS314が繰り返される。ステップS314にて計算された現在のWTCデータセットは、ステップS316にて、WTCデータレジスタの最初の段にFIFO形式で記憶される。WTCデータレジスタは、ステップS314で実施される特定の形態安定性(MS)アルゴリズムに応じて、2から少なくともy個の段を備えることになる。
MS解析は、図5〜図8に示す本発明のMSを求めるアルゴリズムのうちの1つに続いてステップS318にて実施される。一般的に言うと、最も最近に導出された、現在のWTCデータセットのWTCのうちの選択されたWTCは、選択された1つまたは複数のWTCデータセットか、y−1個の記憶されたWTCデータセットの間でのWTCデータセットの平均のいずれかと比較される。参照されたWTCデータセットまたは平均WTC値に対する現在のWTCデータセットの形態類似度の程度を反映するMS照合パーセント(MSMP)は、S318にて採用されるMSを求める特定の方法によって求められる。ステップS320にて、MSMPは、照合しきい値(MATCHTHRS)と比較される。ステップS320にて、MSMPがMATCHTHRSを満たす場合、ステップS322にて、MATCH−CNTxがインクリメントされる。ステップS320にて、MSMPがMATCHTHRSを満たさない場合、ステップS324にて、MATCH−CNTxがデクリメントされる。
ステップS326にて、MATCH−CNTxは、照合カウントしきい値(MATCH−CNTTHRS)と比較される。こうして、FDIより短いR−R間隔の持続する連続が起こると、意味のあるMATCH−CNTxを導出するために、ステップS310〜S326が、少なくともy回繰り返される可能性がある。ステップS326にて、MATCH−CNTxがMATCH−CNTTHRSを満たすと、ステップS328にて、立証カウンタがQRS群の数zに設定される。ステップS326にて、MATCH−CNTxがMATCH−CNTTHRSを満たさないたびに、ステップ330にて、立証カウンタがデクリメントされる。ステップS332にて、VF検出基準が満たされる(XVF=VFNID)が、VT EVIDENCE−CNTがゼロを超える(y個のQRS群のうちのx個が形態安定性を示すことを指示する)とステップS334にて判断される場合、ステップS338にて、VFの最終的な断言は行われない。代わりに、VTが断言され、ステップS336にて、適切なVT治療が送出される。
こうして、ステップS332とS334の両方が満足される場合、心室頻脈性不整脈は、単形性高速VTであると最終的に断言される。ステップS336にて、高速VT治療、たとえば、バーストペーシング治療が送出される場合がある。図3のこのアルゴリズムでは、こうした高速VT治療が、SVTエピソード中に心室に送出されないように、SVTおよびVTを識別するために、さらなる従来の形態処理を行うのが好ましい。
VFカウントXVFがVFNIDを満たすとステップS332にて判断され、かつ、VT EVIDENCE−CNTがゼロを超えるとステップS334にて判断されると、ステップS338にて、心室頻脈性不整脈がVFであると断言されるとともにC/D治療が送出される。
実際には、所与の患者において真のVFエピソードを識別するという特異性を最適化するために、FDI、VFNID、ならびに、MATCHTHRSおよびMATCH−CNTTHRSの一方または両方は、プログラミングによって変わる可能性がある。さらに、送出された治療がエピソードを終了させたかどうかを判断するために、心室頻脈性不整脈終了アルゴリズムが続く。C/Dショックは通常、送出されたVT治療によってエピソードが終了しない場合に送出される。
図3の方法は、ステップS300に戻る破線で示すように、ステップS336にてVT治療を送出する能力を有していない予防的ICDで採用されるであろう。しかしながら、C/Dショック治療の送出が図4に示すように許可される前に、より厳しい基準を適用することが望ましい場合がある。図4では、ステップS400〜S426は、上述した図3のステップS300〜S326と機能的に等価である。VFカウントXVFがVFNIDを満たすとS432にて判断される前に、MATCH−CNTxがMATCH−CNTTHRSを満たさないとステップS426にて判断されると、ステップ428にて、z個のVSENSE事象のVF保留カウント(VF WITHHOLD−CNT)に対応する保留遅延が効果的にオンされる。ステップS426にて、MATCH−CNTxがMATCH−CNTTHRSと比較され、MATCH−CNTxがMATCH−CNTTHRSを満たすと、ステップS428にて、VF WITHOLD−CNTがzに設定される。その状況で、ステップS430にてWITHOLD−CNTがzからゼロへデクリメントされ、かつ、VFカウントXVFが、いまだに、または、再びVFNIDを満たすとステップS432にて判断されるまで、C/Dショック治療は送出されることができない。所与の患者において真のVFエピソードを識別するという特異性を最適化するために、保留遅延zは、適宜プログラムされる可能性がある。
こうして、ステップS428にて、VF WITHOLD−CNTがzに設定される場合、その後ステップS402〜S424の各繰り返しの際に、MATCH−CNTxがMATCH−CNTTHRSを満たさないとステップS426にて判断されるたびに、VF WITHOLD−CNTがデクリメントされるか、または、MATCH−CNTxがMATCH−CNTTHRSを満たさないとステップS426にて判断されるたびに、VF WITHOLD−CNTがリセットされてzに戻される。このプロセスの間、VFカウントXVFは、ステップS408またはS416において、インクリメントまたはデクリメントされる可能性がある。VFカウントXVFがVFNIDを満たすとS432にて判断され、かつ、VF WITHOLD−CNTがゼロにデクリメントされたとステップS434にて判断される場合にのみ、ステップS436にて、心室頻脈性不整脈がVFであると断言されるとともにC/D治療が送出される。実際には、これらのステップが、真のVF中に迅速に満たされること、および、ステップS436における断言およびC/Dショックの送出が過度に遅延されないことが期待されるであろう。
図5を参照すると、この図は、WTCデータを生成するための、アナログ電位図の時間サンプリングされるとともにデジタル化された振幅値へのハールウェーブレット変換の適用、および、先に参照した米国特許第6,393,316号で詳細に述べるように、アナログEGMの表現を再構成するための、WTCデータへの逆ウェーブレット変換の適用を概略的に示す。アナログEGMは、本発明の実施で必ずしも再構成されるわけではない。ウェーブレット係数は、図5に示す係数マグニチュードによって分類され、かつ、図5に示すように低いマグニチュードのWTCを廃棄することによって、ノイズフィルタリングが達成される可能性がある。各WTCデータセットのWTCの選択されたWTCのみが、本発明のMSアルゴリズムにおいて、比較されるか、または、その他の方法で処理される。
本発明のMSアルゴリズムおよび図3および図4のステップの一部は、図6〜図8に概略的に示される。図6に示す2bMPアルゴリズムでは、各MSMPを生成するために、最も最近に導出された、現在のWTCデータセットのWTCのうちの選択されたWTCは、選択され、前に導出され、かつ記憶されたWTCデータセットの対応するWTCと比較される。y個のMSMP値を生成するために、プロセスがy回繰り返される。図7に示すmbMPアルゴリズムでは、y−1個のMSMP値を同時に導出するために、現在のWTCデータセットのWTCは、前のy−1個の記憶されたWTCデータセットの対応するWTCと同時に比較される。図8に示すSWCSIアルゴリズムでは、現在のWTCデータのWTCは、複数のWTCデータのサブセットに細分され、各WTCデータのサブセットのWTCは、前のy−1個の記憶されたWTCデータセットから求めた、対応するWTCデータのサブセットの対応する平均WTCと比較される。それぞれの場合、WTCデータセットは、図5に示すハールウェーブレットを使用して導出した48個のWTC点のうちの選択された点を含む。
図6では、マグニチュードで配列された、48点のうちの選択された点、すなわち現在のQRS群600のWTCデータセットが、マグニチュードで配列された、48点のうちの対応する選択された点、すなわち前に記憶されたQRS群602のWTCデータセットと比較される。WTCデータセットのうちの選択されたデータセットは、ブロック604にて互いに位置合わせされ、ブロック606にて比較され、MSMPがブロック608にて導出される。MSMPは、図3および図4のステップS320およびS420にて、それぞれMATCHTHRSと比較される。現在のQRS群600のWTCデータセットは、示される直前のQRS群602よりも前に記憶されたQRS群のWTCデータセットと比較される可能性があることが理解されるであろう。この実施形態では、ステップS328およびS426で試験されるy個からMS MATCH−CNTxを生成するために、y個の比較が連続して行われる。
図7では、マグニチュードで配列された、48点のうちの選択された点、すなわち現在のQRS群700のWTCデータセットが、マグニチュードで配列された、48点のうちの対応する選択された点、すなわち7個(y=8の時)の前に記憶されたQRS群702、704、706、708、710、712、714のWTCデータセットと位置合わせされるとともに比較される。こうして、7個のMSMP値、すなわちMP〜MPは、同時に求められて、ステップS320およびS420にてMATCHTHRSと比較され、ステップS328およびS426にて、MATCH−CNTTHRSと比較されることができるMS MATCH−CNTxが求められる。
形態安定性に加えて、周波数内容情報が、識別情報として、図8に示すSWCSIアルゴリズムに組み込まれる。これは、図3のステップS320または図4のステップS420において、MSMPとして使用されるSWCSIメトリック値を導出するために、現在のQRS群800のWTCデータセットに関して、照合パーセントのような計算を実施するために、7個(y=8の時)の、前に記憶されたQRS群802、804、806、808、810、812、814のWTCデータセットの、規定された「スケール」内の選択された生の(raw)WTC値を考えることによって達成される。
再び図5を参照すると、この場合、ウェーブレット係数の数は48に等しいが、係数は、広くなる、すなわち粗くなるにつれて、識別にあまり役立たなくなるため、係数1〜42のみが採用される。たとえば、m個のメディアンWTCマグニチュード1〜42のセットは、WTCマグニチュード1〜48の7個(y=8の時)の前のWTCデータセット802〜814から、ブロック820にて求められる。p(p=mの時)の現在のWTCマグニチュード1〜42の匹敵するセットは、現在のQRS群800について導出される。42のメディアンWTCマグニチュードは、たとえば、メディアンWTCデータ点1〜24、25〜36、および、37〜42をそれぞれ含む、図8に示すスケール822、824、および826内に配列される。
それぞれのスケール822、824、および826について、絶対最大マグニチュードメディアンWTCの規定のパーセンテージが、現在のWTCデータセットの等価な1つまたは複数のWTCと組み合わせされる、そのスケールの1つまたは複数のWTCを選択するためのスケールしきい値として使用される。スケールしきい値832は、係数1〜24を含む最も微細なスケール822内で、絶対最大メディアンWTCマグニチュードの10%に設定される。スケールしきい値834は、係数25〜36を含むより粗いスケール824内で、絶対最大メディアンWTCマグニチュードの20%に設定される。スケールしきい値836は、係数37〜42を含む最も粗いスケール826内で、絶対最大メディアンWTCマグニチュードの40%に設定される。現在WTCデータセットのpのWTCマグニチュードのうちのマグニチュードの同じ数字のマグニチュードによって計算するために、mのメディアンWTCマグニチュ−ドのうちのあまり重要でないマグニチュードを選別してなくすため、および、特異性を大幅に減らすことなく、生ずる計算的な複雑さを減らすために、スケールしきい値832、834、836は、それぞれのスケール822、824、826について増加する。
こうして、セットmのサブセットが求められ、それぞれの10%abs(max)スケールしきい値、20%abs(max)スケールしきい値、および、40%abs(max)スケールしきい値を超えるマグニチュードを有する3つのスケール822、824、および826内にメディアンWTCマグニチュードmすなわちデータ点を含む。現在のWTCデータセットpのサブセットが求められ、対応する(WTC番号iの)WTCマグニチュードpを含む。その後、選択されたメディアンおよび現在のWTCサブセットのマグニチュードmおよびpを使用して、図3または図4でMS MATCH−CNTxとして使用される、
によるSWCSIメトリック値が計算される。
図7および図8のこれらの実施形態では、したがって、7個の前のWTCデータセットをFIFO形式で記憶し、一方、MS MATCH−CNTxを求めるために、VFカウントXVFがMSTHRSを満たす時に、新しいWTCデータセットが蓄積されるたびに、それぞれのアルゴリズムが実施されることが必要である。VFカウントXVFがMSTHRSを満たし、MS MATCH−CNTxがMATCH−CNTTHRSを満たさず、かつ、VFカウントXVFが、いまだに、または、再びVFNIDを満たす限り、アルゴリズムの繰り返し処理が続く。さらに、VF WITHOLD−CNTzがゼロを超える限り、図4のアルゴリズムに従って処理が続く。
上述した好ましい実施形態は、心室頻脈性不整脈の識別に関連するが、本発明の原理は、心房頻脈性不整脈の識別に適用されてもよいことが理解されるであろう。たとえば、心房または2腔ICD内で実施するときには、図3のステップS300〜S312または図4のS400〜S412に従って、もしくは、任意の他の知られているAF検出基準を採用して、近方場または遠方場心房EGMおよび心房検知事象を求めることができ、AF検出基準を規定することができ、AFエピソードまたは心房頻脈性不整脈(AT)を一時的に断言することができる。AFと組織化された(organized)ATを識別するための、図3または図4のアルゴリズムで使用するための心房EGMのMSMPを求めるために、図6のアルゴリズムを採用することができる。ATP治療は、組織化された心房頻脈性不整脈のためにのみ送出されるであろう。また、C/Dショック治療は、AF検出に適用されてもよいし、されなくてもよい。そのため、図4は、ATP治療のみが組織化されたATについて送出される必要があり、かつ、ATP治療がAFまたは組織化されないATについて保留される必要がある場合に当てはまる。MSMP<MATCHTHRSの時に、AFまたは組織化されない(disorganized)ATについての立証が見出される場合、ATP治療の保留を実施するために、ステップS420の比較を反転することができる。したがって、本発明は、本明細書に述べるように、心房頻脈性不整脈および心室頻脈性不整脈の両方の識別において適用される可能性があることが理解されるであろう。
さらに、本発明は、不整脈の皮下検知および検出に適応可能であるとともに適用可能である。
さらに、図3のステップS304〜S312およびステップS332または図4のS404〜S412およびステップS432に従って、多形性頻脈性不整脈、たとえば、AFまたはVFを一時的に断言することによらない状況で、本発明が実施されてもよいことが理解されるであろう。図6のアルゴリズムは、図3または図4の残りのステップと共に使用されて、ステップS334またはステップS434の結果にそれぞれ基づいて、ステップS336およびS338またはS436についての判断を行うことができる。本明細書に述べるように、心房頻脈性不整脈および心室頻脈性不整脈の両方の識別において、有利には、こうした単純化したアルゴリズムが適用される可能性がある。
本明細書で参照される全ての特許および出版物は、その全体が参照により援用される。
上述した好ましい実施形態の、上述した構造、機能、および動作の一部は、本発明を実施するのに必要ではなく、かつ、例示的な1つまたは複数の実施形態の完璧さのためだけに説明に含まれることが理解されるであろう。
さらに、先に参照した特許に記載される、構造、機能、および動作を、本発明と共に実施することができるが、それらは、本発明の実施にとって必須のものではないことが理解されるであろう。したがって、添付特許請求項の範囲内で、本発明の精神および範囲から実際に逸脱することなく、本発明を、具体的に述べた以外の方法で実施してもよいことが理解されるべきである。
本発明を、開示された実施形態以外の実施形態について実施することができることを、当業者は理解するであろう。開示された実施形態は、制限のためではなく例示のために提示され、本発明は、添付特許請求項によってのみ制限される。
ICD IPG、および、ICD IPGから、心臓の心室に対して動作可能な関係で位置するC/Dおよびペース/検知電極へ延びる関連するICDリード線の概略図である。 有利には、本発明を実施することができる、図1のICD IPGの回路機構のブロック概略図である。 本発明の一実施形態に従って、VFエピソードを検出するとともに断言し、C/Dショック治療を提供するか、または、単形性高速VTを検出するとともに断言し、適切な治療を提供するシステムおよび方法を示すフローチャートである。 本発明のさらなる一実施形態に従って、VFエピソードを検出するとともに断言し、C/Dショック治療を提供するシステムおよび方法を示すフローチャートである。 WTCデータセットを生成するための、QRS群のウェーブレット変換信号処理のグラフ図である。 図3および図4のフローチャートで実施することができる2bMPアルゴリズムのグラフ図である。 図3および図4のフローチャートで実施することができるmbMPアルゴリズムのグラフ図である。 図3および図4のフローチャートで実施することができるSWCSIアルゴリズムのグラフ図である。

Claims (42)

  1. 患者の心臓の多形性頻脈性不整脈を、心臓信号の検知された事象間の測定された時間間隔に応じて検出する埋め込み可能医療デバイスにおいて、単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法であって、
    a)前記測定された時間間隔の少なくとも最初の数が、前記多形性頻脈性不整脈検出基準を満足する時に、多形性頻脈性不整脈を一時的に断言すること、
    b)信号振幅の複数のy個のデータセットを導出するように、前記心臓信号を、連続してサンプリングし、処理し、かつ、一時的に記憶すること、
    c)信号振幅の前記それぞれの複数のy個のデータセットから、ウェーブレット変換係数の複数のy個のセットを連続して導出すること、
    d)ウェーブレット変換係数の前記y個のセットのそれぞれの、前記ウェーブレット変換係数の少なくとも選択されたウェーブレット変換係数を比較し、少なくとも所定の照合許容誤差内で互いに一致する、ウェーブレット変換係数の前記y個のセットの照合カウントxを求める、比較すること、
    e)前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が単形性頻脈性不整脈を示唆する形態安定性を示すことを指示する場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を保留すること、および
    f)前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が多形性頻脈性不整脈を示唆する形態不安定性を示すことを指示し、かつ、ステップa)にて前記多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行うこと、
    を含む、単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  2. ステップf)が満たされるまで、ステップa)が満たされる限り、ステップb)〜ステップf)を繰り返すことをさらに含む、請求項1に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  3. 前記埋め込み可能医療デバイスは、C/Dショック治療を送出する能力を有する埋め込み可能カーディオバータ/ディフィブリレータをさらに備え、
    g)ステップf)にて多形性頻脈性不整脈の最終的な断言が行われる時にC/Dショック治療を送出することをさらに含む、請求項2に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  4. ステップe)は、
    連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立すること、および、
    少なくともz回、ステップa)〜ステップd)を繰り返すことを含む、請求項2に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  5. 前記埋め込み可能医療デバイスは、C/Dショック治療を送出する能力を有する埋め込み可能カーディオバータ/ディフィブリレータをさらに備え、
    ステップe)は、連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立することを含み、
    g)少なくともz回、ステップa)〜ステップd)を繰り返すこと、および、
    h)ステップf)にて多形性頻脈性不整脈の最終的な断言が行われる時に、C/Dショック治療を送出することをさらに含む、請求項2に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  6. 前記埋め込み可能医療デバイスは、C/Dショック治療を送出するとともに抗頻脈治療を送出する能力を有する埋め込み可能カーディオバータ/ディフィブリレータをさらに備え、
    g)ステップf)にて多形性頻脈性不整脈の最終的な断言が行われる時にC/Dショック治療を送出すること、および、
    h)ステップe)にて、前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が単形性頻脈性不整脈を示唆する形態安定性を示すことを指示し、かつ、ステップa)にて、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される時に、抗頻脈治療を送出することをさらに含む、請求項2に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  7. 前記埋め込み可能医療デバイスは、C/Dショック治療を送出するとともに抗頻脈治療を送出する能力を有する埋め込み可能カーディオバータ/ディフィブリレータをさらに備え、
    k)ステップf)にて多形性頻脈性不整脈の最終的な断言が行われる時に、C/Dショック治療を送出すること、および、
    l)ステップe)にて、前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が単形性頻脈性不整脈を示唆する形態安定性を示すことを指示し、かつ、ステップa)にて、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される時に、抗頻脈治療を送出することをさらに含む、請求項1に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  8. ステップb)は、前記心臓信号の関心のある特徴の検出に関連するデータフレームとして、信号振幅値のサンプルデータセットをフレーミングすることをさらに含み、
    ステップc)は、ウェーブレット変換係数のセットを生成するように、前記信号振幅値のデータフレームをウェーブレット変換することをさらに含む、請求項1に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  9. ステップd)は、
    ウェーブレット変換係数の前記複数のy個のセットの中の、ウェーブレット変換係数の最も最近のセットの少なくとも一定のウェーブレット変換係数を、ウェーブレット変換係数の前記前の(y−1)個のセットの少なくとも一定のウェーブレット変換係数と比較し、前記最も最近のセットの前記比較されたウェーブレット係数が、前記(y−1)個のセットのウェーブレット変換係数に一致する程度を表す(y−1)個の照合値を求めること、
    前記(y−1)個の照合値のそれぞれを照合カウントしきい値と比較すること、および、
    前記照合カウントしきい値を満たす、前記(y−1)個の照合値のうちの前記照合カウントxを求めること含む、請求項1に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  10. ステップd)は、前記照合カウントxを形態安定性照合カウントしきい値と比較することを含み、
    ステップe)は、前記照合カウントxが、前記形態安定性照合カウントしきい値を満たす場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を保留することを含む、請求項9に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  11. ステップf)は、前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、ステップa)にて、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行うことを含む、請求項10に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  12. ステップe)は、
    連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立すること、および、
    少なくともz回、ステップa)〜ステップd)を繰り返すことを含む、請求項10に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  13. ステップf)は、前記照合カウントxが、前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、ステップa)にて、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行うことを含む、請求項9に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  14. ステップd)は、
    ステップc)が、ウェーブレット係数の前記最も最近のセットを導出することを実行するたびに、ウェーブレット変換係数の前記最も最近のセットの少なくとも一定のウェーブレット変換係数を、ウェーブレット変換係数の選択された前のセットの少なくとも一定のウェーブレット変換係数と比較し、かつ、前記最も最近のセットのうちの前記比較されたウェーブレット係数が、前記前のセットの前記ウェーブレット変換係数に一致する程度を表す照合値を求めること、
    y個の照合値を蓄積すること、
    前記y個の照合値のそれぞれを照合カウントしきい値と比較すること、および、
    前記照合カウントしきい値を満たす前記y個の照合値のうちの前記照合カウントxを求めること、
    を含む、請求項1に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  15. ステップe)は、
    前記照合カウントxを形態安定性照合カウントしきい値と比較し、
    前記照合カウントxが、前記形態安定性照合カウントしきい値を満たす場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を保留することを含む、請求項14に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  16. ステップf)は、前記照合カウントxが、前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、ステップa)にて、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行うことを含む、請求項15に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  17. ステップe)は、
    連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立すること、および、
    少なくともz回、ステップa)〜ステップd)を繰り返すこと、
    を含む、請求項15に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  18. ステップf)は、
    前記照合カウントxを、形態安定性照合カウントしきい値と比較すること、および
    前記照合カウントxが、前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、ステップa)にて、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行うこと、
    を含む、請求項14に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  19. ステップd)は、
    pのウェーブレット変換係数マグニチュードを有する、現在のウェーブレット変換係数データセットより時間的に前の(y−1)個のウェーブレット変換係数データセットのそれぞれにおいて、前記ウェーブレット変換係数からm個のメディアンウェーブレット変換係数マグニチュードを求めること、
    前記メディアンウェーブレット変換係数マグニチュードmのセットを複数のスケール内に配列すること、
    それぞれのスケール内の前記メディアンウェーブレット変換係数マグニチュードを、前記スケールのスケールしきい値と比較することであって、それによって、該スケールしきい値を満たすメディアンウェーブレット変換係数マグニチュードmのサブセットを導出する、前記比較すること、
    メディアンウェーブレット変換係数マグニチュードmの前記サブセットのウェーブレット番号にそれぞれ、ウェーブレット番号が対応する現在のウェーブレット変換係数マグニチュードpのサブセットを求めること、および
    ステップe)およびステップf)にて、前記照合カウントxとして採用される
    による選択的ウェーブレット係数安定性指数SWCSIを導出すること、
    を含む、請求項1に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  20. それぞれのスケールの前記スケールしきい値を、前記スケールの前記絶対最大のメディアンウェーブレット変換係数マグニチュードのパーセンテージとして求めることをさらに含む、請求項19に記載

    の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  21. 患者の心臓の多形性頻脈性不整脈を、心臓信号の検知された事象間の測定された時間間隔に応じて一時的に検出する埋め込み可能医療デバイスにおいて、単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステムであって、
    前記測定された時間間隔の少なくとも最初の数が、前記多形性頻脈性不整脈検出基準を満足する時に、多形性頻脈性不整脈を一時的に断言する、一時的な断言手段と、
    信号振幅の複数のy個のデータセットを導出するように、前記心臓信号を、連続してサンプリングし、処理し、かつ、一時的に記憶する信号処理手段と、
    信号振幅の前記それぞれの複数のy個のデータセットから、ウェーブレット変換係数の複数のy個のセットを連続して導出するウェーブレット変換手段と、
    ウェーブレット変換係数の前記y個のセットのそれぞれの、前記ウェーブレット変換係数の少なくとも選択されたウェーブレット変換係数を比較することによって、少なくとも所定の照合許容誤差内で互いに一致する、ウェーブレット変換係数の前記y個のセットの照合カウントxを求める、比較手段と、
    前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が単形性頻脈性不整脈を示唆する形態安定性を示すことを指示する場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を保留する保留手段と、
    前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が多形性頻脈性不整脈を示唆する形態不安定性を示すことを指示し、かつ、ステップa)にて前記多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行う最終断言手段と、
    を備える、単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  22. 前記埋め込み可能医療デバイスは、C/Dショック治療を送出する能力を有する埋め込み可能カーディオバータ/ディフィブリレータをさらに備えるシステムであって、
    多形性頻脈性不整脈の最終的な断言が行われる時にC/Dショック治療を送出する送出手段をさらに含む、請求項21に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  23. 前記保留手段は、
    前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が形態安定性を示すことを指示する場合、連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立する手段と、
    照合カウントxが、前記対応する心臓信号が多形性頻脈性不整脈を示唆する形態不安定性を示すことを指示するたびに、前記保留カウントをデクリメントする手段と、
    をさらに備え、
    前記最終的な断言手段は、前記保留カウントが、zより小さい保留カウントにデクリメントされる時のみ、多形性頻脈性不整脈を断言するように、前記保留カウントに応答する手段をさらに備える、請求項22に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  24. 前記保留手段は、
    前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が形態安定性を示すことを指示する場合、連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立する手段と、
    照合カウントxが、前記対応する心臓信号が多形性頻脈性不整脈を示唆する形態不安定性を示すことを指示するたびに、前記保留カウントをデクリメントする手段と、
    をさらに備え、
    前記最終的な断言手段は、前記保留カウントが、zより小さい保留カウントにデクリメントされる時のみ、多形性頻脈性不整脈を断言するように、前記保留カウントに応答する手段をさらに備える、請求項21に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  25. 前記埋め込み可能医療デバイスは、C/Dショック治療を送出するとともに抗頻脈治療を送出する能力を有する埋め込み可能カーディオバータ/ディフィブリレータをさらに備えるシステムであって、
    多形性頻脈性不整脈の最終的な断言が行われる時に、C/Dショック治療を送出する手段と、
    前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が単形性頻脈性不整脈を示唆する形態安定性を示すことを指示し、かつ、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される時に、抗頻脈治療を送出する手段をさらに備える、請求項21に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  26. 前記信号処理手段は、前記心臓信号の関心のある特徴の検出に関連するデータフレームとして、信号振幅値のサンプルデータセットをフレーミングする手段をさらに備え、
    前記ウェーブレット変換手段は、ウェーブレット変換係数のセットを生成するように、前記信号振幅値のデータフレームをウェーブレット変換することをさらに含む、請求項21に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  27. 前記比較手段は、
    ウェーブレット変換係数の前記複数のy個のセットの中の、ウェーブレット変換係数の最も最近のセットの少なくとも一定のウェーブレット変換係数を、ウェーブレット変換係数の前記前の(y−1)個のセットの少なくとも一定のウェーブレット変換係数と比較する手段であって、前記最も最近のセットの前記比較されたウェーブレット係数が、前記(y−1)個のセットのウェーブレット変換係数に一致する程度を表す(y−1)個の照合値を求める、比較する手段と
    前記(y−1)個の照合値のそれぞれを照合カウントしきい値と比較する手段と、
    前記照合カウントしきい値を満たす、前記(y−1)個の照合値のうちの前記照合カウントxを求める手段と、
    を含む、請求項21に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  28. 前記保留手段は、
    前記照合カウントを形態安定性照合カウントしきい値と比較する手段と、
    前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たす場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を保留する、保留手段と、
    を含む、請求項27に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  29. 前記最終断言手段は、前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行う手段を含む、請求項28に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善する方法。
  30. 前記最終断言手段は、前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行う手段を含む、請求項27に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  31. 前記保留手段は、
    前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が形態安定性を示すことを指示する場合、連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立する手段と、
    照合カウントxが、前記対応する心臓信号が多形性頻脈性不整脈を示唆する形態不安定性を示すことを指示するたびに、前記保留カウントをデクリメントする手段とをさらに備え、
    前記最終的な断言手段は、前記保留カウントが、zより小さい保留カウントにデクリメントされる時のみ、多形性頻脈性不整脈を断言するように、前記保留カウントに応答する手段をさらに備える、請求項27に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  32. 前記比較する手段は、
    ウェーブレット変換係数の前記最も最近のセットの少なくとも一定のウェーブレット変換係数を、ウェーブレット変換係数の選択された前のセットの少なくとも一定のウェーブレット変換係数と比較し、かつ、前記最も最近のセットのうちの前記比較されたウェーブレット係数が、前記前のセットの前記ウェーブレット変換係数に一致する程度を表す照合値を求める手段と、
    y個の照合値を蓄積する手段と、
    前記y個の照合値のそれぞれを照合カウントしきい値と比較する手段と、
    前記照合カウントしきい値を満たす前記y個の照合値のうちの前記照合カウントxを求める手段と、
    をさらに含む、請求項21に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  33. 前記保留手段は、
    前記照合カウントxを形態安定性照合カウントしきい値と比較する手段と、
    前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たす場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を保留する手段と、
    をさらに含む、請求項32に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  34. 前記最終断言手段は、前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行う手段を含む、請求項33に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  35. 前記最終断言手段は、前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行う手段を含む、請求項32に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  36. 前記保留手段は、
    前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が形態安定性を示すことを指示する場合、連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立する手段と、
    照合カウントxが、前記対応する心臓信号が多形性頻脈性不整脈を示唆する形態不安定性を示すことを指示するたびに、前記保留カウントをデクリメントする手段と、
    をさらに備え、
    前記最終断言手段は、前記保留カウントがzより小さい保留カウントにデクリメントされる時のみ、多形性頻脈性不整脈を断言するように、前記保留カウントに応答する手段をさらに備える、請求項32に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  37. 前記比較する手段は、
    pのウェーブレット変換係数マグニチュードを有する、現在のウェーブレット変換係数データセットより時間的に前の(y−1)個のウェーブレット変換係数データセットのそれぞれにおいて、前記ウェーブレット変換係数からm個のメディアンウェーブレット変換係数マグニチュードを求める手段と、
    前記メディアンウェーブレット変換係数マグニチュードmのセットを複数のスケール内に配列する手段と、
    それぞれのスケール内の前記メディアンウェーブレット変換係数マグニチュードを、前記スケールのスケールしきい値と比較する手段であって、それによって、該スケールしきい値を満たすメディアンウェーブレット変換係数マグニチュードmのサブセットを導出する、比較する手段と、
    メディアンウェーブレット変換係数マグニチュードmの前記サブセットのウェーブレット番号にそれぞれ、ウェーブレット番号が対応する現在のウェーブレット変換係数マグニチュードpのサブセットを求める手段と、
    ステップe)およびステップf)にて、前記照合カウントxとして採用される
    による選択的ウェーブレット係数安定性指数SWCSIを導出する手段と、
    をさらに含む、請求項21に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  38. それぞれのスケールの前記スケールしきい値を、前記スケールの最大のメディアンウェーブレット変換係数マグニチュードのパーセンテージとして求める手段をさらに含む、請求項37に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  39. 前記保留手段は、
    前記照合カウントを形態安定性照合カウントしきい値と比較する手段と、
    ステップe)は、前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たす場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を保留する手段と、
    をさらに含む、請求項37に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  40. 前記最終断言手段は、前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行う手段を含む、請求項39に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  41. 前記最終断言手段は、前記照合カウントxが前記形態安定性照合カウントしきい値を満たさず、かつ、多形性頻脈性不整脈が一時的に断言される場合、多形性頻脈性不整脈の最終的な断言を行う手段を含む、請求項37に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
  42. 前記保留手段は、
    前記照合カウントxが、前記対応する心臓信号が形態安定性を示すことを指示する場合、連続する心臓信号の検知された事象間のz個の測定された時間間隔に対応する保留カウントを確立する手段と、
    照合カウントxが、前記対応する心臓信号が多形性頻脈性不整脈を示唆する形態不安定性を示すことを指示するたびに、前記保留カウントをデクリメントする手段と、
    をさらに備え、
    前記最終断言手段は、前記保留カウントが、zより小さい保留カウントにデクリメントされる時のみ、多形性頻脈性不整脈を断言するように、前記保留カウントに応答する手段をさらに備える、請求項37に記載の単形性頻脈性不整脈と多形性頻脈性不整脈とを識別することの特異性を改善するシステム。
JP2004570995A 2002-12-04 2003-12-03 単形性頻脈性不整脈から多形性頻脈性不整脈を識別する方法およびシステム Expired - Fee Related JP4423207B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US43092602P 2002-12-04 2002-12-04
US10/653,000 US7130677B2 (en) 2002-12-04 2003-08-29 Methods and apparatus for discriminating polymorphic tachyarrhythmias from monomorphic tachyarrhythmias facilitating detection of fibrillation
PCT/US2003/038353 WO2004050185A2 (en) 2002-12-04 2003-12-03 Methods and apparatus for discriminating polymorphic from monomorphic tachyarrhythmias

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006508774A true JP2006508774A (ja) 2006-03-16
JP4423207B2 JP4423207B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=32474611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004570995A Expired - Fee Related JP4423207B2 (ja) 2002-12-04 2003-12-03 単形性頻脈性不整脈から多形性頻脈性不整脈を識別する方法およびシステム

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7130677B2 (ja)
EP (1) EP1569720B1 (ja)
JP (1) JP4423207B2 (ja)
AU (1) AU2003298830A1 (ja)
CA (1) CA2508702A1 (ja)
DE (1) DE60315068T2 (ja)
WO (1) WO2004050185A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019015935A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 国立大学法人千葉大学 ホログラムデータ作成プログラム及びホログラムデータ作成方法
JP2021035491A (ja) * 2019-07-05 2021-03-04 ソーリン シーアールエム エス ア エスSorin Crm S.A.S. 皮下植込型医療装置および皮下植込型医療装置の信号を処理する方法

Families Citing this family (55)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6400986B1 (en) * 2000-04-10 2002-06-04 Cardiac Pacemakers, Inc. Adaptive anti-tachycardia therapy apparatus and method
US6751502B2 (en) 2001-03-14 2004-06-15 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac rhythm management system with defibrillation threshold prediction
US7386344B2 (en) * 2004-08-11 2008-06-10 Cardiac Pacemakers, Inc. Pacer with combined defibrillator tailored for bradycardia patients
US6909916B2 (en) 2001-12-20 2005-06-21 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac rhythm management system with arrhythmia classification and electrode selection
US7031764B2 (en) * 2002-11-08 2006-04-18 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac rhythm management systems and methods using multiple morphology templates for discriminating between rhythms
US7672717B1 (en) * 2003-10-22 2010-03-02 Bionova Technologies Inc. Method and system for the denoising of large-amplitude artifacts in electrograms using time-frequency transforms
US7242978B2 (en) * 2003-12-03 2007-07-10 Medtronic, Inc. Method and apparatus for generating a template for arrhythmia detection and electrogram morphology classification
US7477942B2 (en) * 2004-08-02 2009-01-13 Cardiac Pacemakers, Inc. ATP therapy for tachyarrhythmias in VF zone
US7228173B2 (en) 2004-11-23 2007-06-05 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac tachyarrhythmia therapy selection based on patient response information
US7933651B2 (en) 2004-11-23 2011-04-26 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac template generation based on patient response information
US7894893B2 (en) 2004-09-30 2011-02-22 Cardiac Pacemakers, Inc. Arrhythmia classification and therapy selection
EP1814627B1 (en) * 2004-11-18 2010-05-19 Cardiac Pacemakers, Inc. System for closed-loop neural stimulation
US7818056B2 (en) * 2005-03-24 2010-10-19 Cardiac Pacemakers, Inc. Blending cardiac rhythm detection processes
US9555252B2 (en) 2005-04-25 2017-01-31 Cardiac Pacemakers, Inc. Systems for providing neural markers for sensed autonomic nervous system activity
US7640057B2 (en) * 2005-04-25 2009-12-29 Cardiac Pacemakers, Inc. Methods of providing neural markers for sensed autonomic nervous system activity
FR2886858A1 (fr) * 2005-06-09 2006-12-15 Ela Medical Soc Par Actions Si Dispositif medical implantable actif tel que stimulateur cardiaque, cardioverteur et/ou defibrillateur de type aai ou aai/ddd a detection des tachycardies ventriculaires
US7908001B2 (en) 2005-08-23 2011-03-15 Cardiac Pacemakers, Inc. Automatic multi-level therapy based on morphologic organization of an arrhythmia
US7653431B2 (en) * 2005-12-20 2010-01-26 Cardiac Pacemakers, Inc. Arrhythmia discrimination based on determination of rate dependency
US8532762B2 (en) * 2005-12-20 2013-09-10 Cardiac Pacemakers, Inc. Discriminating polymorphic and monomorphic cardiac rhythms using template generation
US7761150B2 (en) 2006-03-29 2010-07-20 Medtronic, Inc. Method and apparatus for detecting arrhythmias in a medical device
US7991471B2 (en) 2006-03-29 2011-08-02 Medtronic, Inc. Method and apparatus for detecting arrhythmias in a subcutaneous medical device
US7894894B2 (en) * 2006-03-29 2011-02-22 Medtronic, Inc. Method and apparatus for detecting arrhythmias in a subcutaneous medical device
US7941214B2 (en) * 2006-03-29 2011-05-10 Medtronic, Inc. Method and apparatus for detecting arrhythmias in a subcutaneous medical device
US7738950B2 (en) 2006-09-13 2010-06-15 Cardiac Pacemakers, Inc. Method and apparatus for identifying potentially misclassified arrhythmic episodes
US7751873B2 (en) * 2006-11-08 2010-07-06 Biotronik Crm Patent Ag Wavelet based feature extraction and dimension reduction for the classification of human cardiac electrogram depolarization waveforms
US7930020B2 (en) * 2007-04-27 2011-04-19 Medtronic, Inc. Morphology based arrhythmia detection
US20090069703A1 (en) * 2007-05-17 2009-03-12 The Cleveland Clinic Foundation System for artifact detection and elimination in an electrocardiogram signal recorded from a patient monitor
US8706220B2 (en) * 2008-04-09 2014-04-22 Medtronic, Inc. Method and apparatus for detecting and treating tachyarrhythmias incorporating diagnostic/therapeutic pacing techniques
US7996070B2 (en) * 2008-04-24 2011-08-09 Medtronic, Inc. Template matching method for monitoring of ECG morphology changes
DE102008002331A1 (de) * 2008-06-10 2009-12-17 Biotronik Crm Patent Ag Elektrotherapieeinrichtung zur Behandlung tachykarder Rythmusstörungen eines Herzens
US8483808B2 (en) 2009-09-25 2013-07-09 Yanting Dong Methods and systems for characterizing cardiac signal morphology using K-fit analysis
US8915950B2 (en) 2010-12-06 2014-12-23 Covidien Lp Vascular remodeling device
US8165666B1 (en) * 2011-05-02 2012-04-24 Topera, Inc. System and method for reconstructing cardiac activation information
US20130024123A1 (en) * 2011-07-21 2013-01-24 Nellcor Puritan Bennett Ireland Methods and systems for determining physiological parameters using template matching
US8750994B2 (en) 2011-07-31 2014-06-10 Medtronic, Inc. Morphology-based discrimination algorithm based on relative amplitude differences and correlation of imprints of energy distribution
US8768459B2 (en) 2011-07-31 2014-07-01 Medtronic, Inc. Morphology-based precursor to template matching comparison
US8670825B2 (en) 2012-07-31 2014-03-11 Pacesetter, Inc. Method and system for discrimination of VT and SVT arrhythmias
US9186267B2 (en) 2012-10-31 2015-11-17 Covidien Lp Wing bifurcation reconstruction device
US9278226B2 (en) 2014-03-05 2016-03-08 Medtronic, Inc. Shock therapy for monomorphic detected ventricular tachycardia
CN106132482B (zh) * 2014-04-01 2020-05-19 美敦力公司 用于在医疗设备中辨别心动过速事件的方法和装置
US9526908B2 (en) 2014-04-01 2016-12-27 Medtronic, Inc. Method and apparatus for discriminating tachycardia events in a medical device
US10376705B2 (en) 2014-04-01 2019-08-13 Medtronic, Inc. Method and apparatus for discriminating tachycardia events in a medical device
US9808640B2 (en) 2014-04-10 2017-11-07 Medtronic, Inc. Method and apparatus for discriminating tachycardia events in a medical device using two sensing vectors
US9352165B2 (en) 2014-04-17 2016-05-31 Medtronic, Inc. Method and apparatus for verifying discriminating of tachycardia events in a medical device having dual sensing vectors
US10278601B2 (en) 2014-04-24 2019-05-07 Medtronic, Inc. Method and apparatus for selecting a sensing vector configuration in a medical device
US10252067B2 (en) 2014-04-24 2019-04-09 Medtronic, Inc. Method and apparatus for adjusting a blanking period during transitioning between operating states in a medical device
US10244957B2 (en) 2014-04-24 2019-04-02 Medtronic, Inc. Method and apparatus for selecting a sensing vector configuration in a medical device
US9795312B2 (en) 2014-04-24 2017-10-24 Medtronic, Inc. Method and apparatus for adjusting a blanking period for selecting a sensing vector configuration in a medical device
US9610025B2 (en) 2014-07-01 2017-04-04 Medtronic, Inc. Method and apparatus for verifying discriminating of tachycardia events in a medical device having dual sensing vectors
US9956423B2 (en) * 2016-04-27 2018-05-01 Medtronic, Inc. System and method for sensing and detection in an extra-cardiovascular implantable cardioverter defibrillator
US11801385B2 (en) 2019-11-07 2023-10-31 Medtronic, Inc. Medical device and method for tachyarrythmia detection
US11931585B2 (en) 2019-12-09 2024-03-19 Medtronic, Inc. Method and apparatus for detecting cardiac event oversensing
US20230158310A1 (en) * 2021-11-22 2023-05-25 Pacesetter, Inc. Method and device for ventricular tachycardia polymorphic\monomorphic discriminator
FR3131191A1 (fr) * 2021-12-24 2023-06-30 Substrate Hd Dispositif de traitement de signaux intracardiaques
WO2024089511A1 (en) 2022-10-26 2024-05-02 Medtronic, Inc. System and method for detecting hemodynamically unstable cardiac rhythms

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4552154A (en) 1984-03-12 1985-11-12 Medtronic, Inc. Waveform morphology discriminator and method
US5086772A (en) 1990-07-30 1992-02-11 Telectronics Pacing Systems, Inc. Arrhythmia control system employing arrhythmia recognition algorithm
US5240009A (en) 1991-03-25 1993-08-31 Ventritex, Inc. Medical device with morphology discrimination
CA2106378A1 (en) 1991-04-05 1992-10-06 Tom D. Bennett Subcutaneous multi-electrode sensing system
US5193535A (en) 1991-08-27 1993-03-16 Medtronic, Inc. Method and apparatus for discrimination of ventricular tachycardia from ventricular fibrillation and for treatment thereof
US5312441A (en) 1992-04-13 1994-05-17 Medtronic, Inc. Method and apparatus for discrimination of ventricular tachycardia from supraventricular tachycardia and for treatment thereof
US5342402A (en) 1993-01-29 1994-08-30 Medtronic, Inc. Method and apparatus for detection and treatment of tachycardia and fibrillation
US5379776A (en) 1993-04-01 1995-01-10 Telectronics Pacing Systems, Inc. Heart rhythm classification method, and implantable dual chamber cardioverter/defibrillator employing the same
US5439483A (en) 1993-10-21 1995-08-08 Ventritex, Inc. Method of quantifying cardiac fibrillation using wavelet transform
US5400795A (en) 1993-10-22 1995-03-28 Telectronics Pacing Systems, Inc. Method of classifying heart rhythms by analyzing several morphology defining metrics derived for a patient's QRS complex
US5447519A (en) 1994-03-19 1995-09-05 Medtronic, Inc. Method and apparatus for discrimination of monomorphic and polymorphic arrhythmias and for treatment thereof
US5545186A (en) 1995-03-30 1996-08-13 Medtronic, Inc. Prioritized rule based method and apparatus for diagnosis and treatment of arrhythmias
US5645070A (en) 1995-09-25 1997-07-08 Ventritex, Inc. Method and apparatus for determining the origins of cardiac arrhythmias morphology dynamics
US5782876A (en) 1996-04-15 1998-07-21 Medtronic, Inc. Method and apparatus using windows and an index value for identifying cardic arrhythmias
US5797399A (en) 1996-04-19 1998-08-25 The Regents Of The University Of Michigan Method and apparatus for identifying and correctly responding to abnormal heart activity
US5810739A (en) 1996-05-09 1998-09-22 Pacesetter, Inc. Methods and apparatus for classifying cardiac events with an implantable cardiac device
US5814079A (en) 1996-10-04 1998-09-29 Medtronic, Inc. Cardiac arrhythmia management by application of adnodal stimulation for hyperpolarization of myocardial cells
US6275732B1 (en) 1998-06-17 2001-08-14 Cardiac Pacemakers, Inc. Multiple stage morphology-based system detecting ventricular tachycardia and supraventricular tachycardia
US6266554B1 (en) 1999-02-12 2001-07-24 Cardiac Pacemakers, Inc. System and method for classifying cardiac complexes
US6223078B1 (en) 1999-03-12 2001-04-24 Cardiac Pacemakers, Inc. Discrimination of supraventricular tachycardia and ventricular tachycardia events
EP1178855B1 (en) 1999-05-12 2006-08-02 Medtronic, Inc. Monitoring apparatus using wavelet transforms for the analysis of heart rhythms
FR2807851A1 (fr) 2000-04-14 2001-10-19 Novacor Procede et dispositif de detection de la fibrillation auriculaire cardiaque par la methode des ondelettes
US6745068B2 (en) 2000-11-28 2004-06-01 Medtronic, Inc. Automated template generation algorithm for implantable device
US7062315B2 (en) 2000-11-28 2006-06-13 Medtronic, Inc. Automated template generation algorithm for implantable device
US6980860B2 (en) 2002-10-31 2005-12-27 Medtronic, Inc. Detection of supraventricular tachycardia with 1:1 atrial to ventricular conduction

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019015935A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 国立大学法人千葉大学 ホログラムデータ作成プログラム及びホログラムデータ作成方法
JP2021035491A (ja) * 2019-07-05 2021-03-04 ソーリン シーアールエム エス ア エスSorin Crm S.A.S. 皮下植込型医療装置および皮下植込型医療装置の信号を処理する方法
JP7080930B2 (ja) 2019-07-05 2022-06-06 ソーリン シーアールエム エス ア エス 皮下植込型医療装置および皮下植込型医療装置の信号を処理する方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1569720B1 (en) 2007-07-18
US20040111121A1 (en) 2004-06-10
WO2004050185A2 (en) 2004-06-17
JP4423207B2 (ja) 2010-03-03
CA2508702A1 (en) 2004-06-17
US7130677B2 (en) 2006-10-31
DE60315068D1 (de) 2007-08-30
AU2003298830A8 (en) 2004-06-23
AU2003298830A1 (en) 2004-06-23
EP1569720A2 (en) 2005-09-07
WO2004050185A3 (en) 2004-08-26
DE60315068T2 (de) 2007-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4423207B2 (ja) 単形性頻脈性不整脈から多形性頻脈性不整脈を識別する方法およびシステム
US8332022B2 (en) Methods and apparatus for discriminating polymorphic tachyarrhythmias from monomorphic tachyarrhythmias facilitating detection of fibrillation
US7076289B2 (en) Methods and apparatus for discriminating polymorphic tachyarrhythmias from monomorphic tachyarrhythmias facilitating detection of fibrillation
EP1569718B1 (en) Systems for discriminating polymorphic from monomorphic tachyarrhythmias
US8301233B2 (en) Detecting a condition of a patient using a probability-correlation based model
US7908001B2 (en) Automatic multi-level therapy based on morphologic organization of an arrhythmia
US8942795B2 (en) Implantable medical device with real time T-wave oversensing detection
US8532762B2 (en) Discriminating polymorphic and monomorphic cardiac rhythms using template generation
US8855755B2 (en) Distinguishing between treatable and non-treatable heart rhythms
US20020016548A1 (en) Axis shift analysis of electrocardiogram signal parameters especially applicable for multivector analysis by implantable medical devices, and use of same
US20070135848A1 (en) Zoneless tachyarrhythmia detection with real-time rhythm monitoring
US11918815B2 (en) Cardiac signal T-wave detection
US11229396B2 (en) Method and medical device for discriminating between a supraventricular tachycardia and a ventricular tachycardia
JP2007523675A (ja) 頻脈性不整脈エピソード中のegm振幅の自動測定

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090113

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090323

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131211

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees