JP2006508645A - 抗癌剤の開発および癌の診断のための、腫瘍の発生に関与することが同定されたマウスゲノム領域の使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、マウスのレトロウイルス挿入性のタギングによって、腫瘍発生、特に白血病の発生に関与すると同定されたマウスのゲノム領域、およびにこれらのヒト相同体、ならびにこれらのゲノム領域における遺伝的形質転換の腫瘍原性効果を減少もしくは除去すること、および/またはこれらの発現産物の腫瘍原性効果を除去することに有効である、小分子状阻害剤、抗体、リボザイム、アンチセンス分子、およびRNA干渉(RNAi)分子などの抗癌剤の同定および開発のための、これらのゲノム領域の使用に関する。本発明は、さらにこれらの抗癌剤および癌の治療のための薬学的試薬としてのこれらの使用、ならびに該薬学的試薬の1つまたは複数を含む薬学的組成物および該薬学的組成物を使用して癌を治療するための方法、特に遺伝子治療の方法に関する。さらなる局面において、本発明は、腫瘍発生に関与する該マウスのゲノム領域由来の核酸またはその断片に、該マウスのゲノム領域またはそのヒト相同体に含まれる配列の遺伝子の発現産物に対する抗体、該マウスのゲノム領域またはそのヒト相同体における遺伝的形質転換の影響を受ける遺伝子の発現産物に対する抗体、癌診断のための診断試薬としての該核酸または抗体の使用、ならびに1つまたは複数の該診断試薬を含む診断組成物、および該診断組成物を使用する癌を診断する方法に関する。
急速な進歩の4半世紀の後、癌研究により、癌がゲノムのダイナミックな変化を含む疾患であることを明らかにする、豊富かつ複雑な知識の塊を生み出した。癌は、悪性腫瘍に集合的に命令する以下の6つの必須な細胞生理の変化によって生じると考えられる:増殖シグナルの自立性、増殖阻害(抗増殖)シグナルに対する非感受性、プログラムされた細胞死(アポトーシス)の回避、無制限の複製能、持続的な血管形成、ならびに組織の侵入および転移。
これらの遺伝子は、下記の表1に一覧を示してある。
本発明の第1の目的は、腫瘍特異的な治療のデザインに使用するための、腫瘍発生に関与する新規の遺伝子を提供することである。本目的は、ヒトの治療の場合、表1に一覧を示したマウスのゲノム領域のヒト相同体を使用することにより、腫瘍発生および/またはこれらの発現産物に含まれるこれらの領域によってコードされるか、または影響を受ける遺伝子に対して向けられた阻害剤の開発のために、ならびに癌の治療のために、好ましくは、白血病の治療のための薬学的組成物の調製のために、これらの阻害剤を使用することにより達成される。
からなる群より選択される少なくとも2個、好ましくは少なくとも4個、より好ましくは少なくとも10個、さらにより好ましくは少なくとも30個、および最も好ましくは全てのマウスのゲノム領域からなる。これらの遺伝子のそれぞれが急性骨髄性白血病(AML)の1つまたは複数の特異的なサブグループにおいて調節され(mRNAレベルの上で)、選択的にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされると思われたので、これらの遺伝子を使用して、AMLの患者の非常に有利な発現解析および/または白血病の診断方法を行ってもよい。本発明の側面および態様における使用は、表1に一覧を示したCd24a、Cish2、Cra、Ltb、およびPrdx2からなるマウスのゲノム領域の群の少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個、および最も好ましくは全ての遺伝子の使用が特に好ましい。
本明細書において使用される「マウスのゲノム領域」または「ゲノム領域」という用語は、(マウス)ゲノムDNAのプロウイルスのタギングに使用されるウイルス核酸の組込み部位を示す。このようなウイルス組込み部位は、共通の組込み部位として同定されたときに、癌の発生に関与し、かつ公知のもしくは推定上の遺伝子の内部に、これらの制御配列などの公知もしくは推定上の遺伝子の近く(例えば前か後)に、または(マウス)ゲノム内のこれまでに未知であるが、定義された位置に位置してもよい。したがって、「マウスのゲノム領域」とは、本明細書において遺伝子、推定上の遺伝子、遺伝子もしくは推定上の遺伝子の近くの領域、またはその機能がこれまで知られていないマウスのゲノムの領域を示す。このようなゲノム領域に含まれる遺伝子、またはその発現がこのようなゲノム領域の遺伝的形質転換による影響を受ける遺伝子は、領域それ自体のヌクレオチド配列およびこれらの発現産物であるので、癌の発生に関与すると考えられている。
上記で概説したように、癌発生に関与する遺伝子の一致性についての知識により、本症のための予防、治療、および診断方法の開発が非常に容易になる。多くのさらなる癌遺伝子および潜在的な癌遺伝子の発見により、現在、癌を検出および治療するための、ならびに癌を患う対象を治療するか、または疾患を有することが疑われる対象を診断、もしくは疾患の重篤さもしくはタイプを診断するために有用な予防的、治療的、および診断的組成物を提供するためのツールを提供する。
本発明のマウスのゲノム領域においてコードされるポリヌクレオチド、対応するcDNA、または全長遺伝子は、その中のオープンリーディングフレーム(ORF)を同定するためのコンピュータ・アルゴリズムを使用することによって同定してもよい。その後、本発明のポリヌクレオチド構築物を得るために、完全もしくは部分的なコード配列を含む全長cDNAを合成により調製してもよく、適切な発現系に結合してもよい。適切なポリヌクレオチド構築物を、例えば、Sambrookら、(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. (Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y.)に記載されているように標準的な組換えDNA技術を使用して精製する。例えば、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、細菌、酵母、昆虫、両生類、および哺乳動物の系を含むいずれの発現系においても発現される。適切なベクターおよび宿主細胞は、米国特許第5,654,173号に記載されている。
に記載されているように達成される。多数のバキュロウイルス株および変種ならびに宿主からの対応する許容できる昆虫宿主細胞は、Luckowら、Bio/Technology (1988) 6:47-55、Millerら、Generic Engineering (Setlow, J.K.ら、編集),第8巻(Plenum Publishing, 1986), pp.277-279、およびMaedaら、Nature (1985) 315:592-594において記載されている。
マウスのゲノム領域においてコードされるか、または任意の形でこれにより影響を受ける分泌型および膜結合型のポリペプチドは両方とも、関心対象となる。例えば、分泌型ポリペプチドのレベルは、血液または尿などの体液中で都合よくアッセイすることができる。膜結合型のポリペプチドは、ワクチンの抗原を構築するため、免疫応答を誘導するため、または細胞全体の診断のために有用である。このような抗原は、膜結合型ポリペプチドの細胞外領域の全部または一部を含む。
治療試薬の開発のために有用なポリペプチドは、本明細書に開示されている遺伝子または推定上の遺伝子のヌクレオチド配列によってコードされるものを含む。また、これらのヌクレオチド配列は、遺伝暗号の縮重によって、開示されたヌクレオチド配列、配列が同一でない核酸によってもコードすることができる。したがって本発明は、その範囲内に表1に一覧を示した遺伝子配列のいずれか1つの配列を有するか、またはこれらに対して実質的に相同的な配列を有する該単離された核酸によって発現されるタンパク質またはポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸を含む。また、変異体、断片、および融合体を含むポリペプチドの変種は、本発明の範囲内である。変異体は、アミノ酸の置換、付加、または欠失を含み得る。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換もしくは非必須アミノ酸を除去するための(糖鎖形成部位、リン酸化部位、もしくはアセチル化部位を変えるなどの)、または機能に必要とされない1つもしくは複数のシステイン残基の置換もしくは欠失によって誤った折り畳みを最小にするための置換であり得る。保存的アミノ酸置換は、置換されたアミノ酸の総電荷、疎水性/親水性、および/または立体的な大きさを維持するものである。例えば、以下の群の間での置換は、保存的である。
適切なコドンを選択して対応する変種を構築するために、遺伝暗号を使用することができる。
小分子阻害剤は通常、すでに存在する化合物ライブラリーのスクリーニングによって、または腫瘍発生に関与する遺伝子によってコードされるタンパク質の構造に基づいて化合物をデザインすることによって得ることができる化学成分である。簡潔には、少なくともタンパク質断片の構造を核磁気共鳴またはX線結晶学のいずれかによって決定する。この構造に基づいて、化合物の仮想スクリーニングを行う。選択した化合物を医薬品化学および/またはコンビナトリアル・ケミストリーを使用して合成し、その後にインビトロおよびインビボで、タンパク質に対するこれらの阻害作用について解析する。この工程は、化合物が所望の阻害作用によって選択されるまで繰り返すことができる。化合物の最適化後、適切な動物モデル系を使用して、その毒性プロフィールおよび癌治療としての有効性をインビボにおいて試験する。
トランスに切断する触媒RNA(リボザイム)は、エンドリボヌクレアーゼ活性を有するRNA分子である。リボザイムは、特定の標的に対して特異的にデザインされ、標的のメッセージは、特異的なヌクレオチド配列を含まなければならない。これらは、細胞RNAのバックグラウンドにおいて部位特異的に任意のRNA種を切断するようにデザインする。切断事象によってmRNAが不安定になり、タンパク質の発現が妨げられる。重要なことに、表現型の効果を検出することによって、インビトロまたはインビボの状況においてその機能を決定するために、リボザイムを使用して未知の機能を持つ遺伝子の発現を阻害することができる。
アンチセンスポリヌクレオチドは、RNAと特異的に結合するようにデザインされており、RNA-DNAまたはRNA-RNAハイブリッドの形成を生じると共に、DNA複製、逆転写、またはメッセンジャーRNA翻訳を停止する。選択された配列に基づいたアンチセンスポリヌクレオチドは、対応する遺伝子の発現を妨害することができる。
RNAiは、遺伝子の転写産物を特異的にターゲットして、ヌルまたは低形質の表現型を生じさせるための相同的な二本鎖RNAの導入をいう。RNA干渉は、開始工程およびエフェクター工程が必要である。第1の工程では、入力の二本鎖(ds)RNAがヌクレオチド「ガイド配列」に処理される。これらは、一本鎖または二本鎖であってもよい。ガイドRNAは、RNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)と呼ばれるヌクレアーゼ複合体に組み込まれ、これが第2のエフェクター工程においてmRNAを破壊するように作用して、塩基対形成相互作用を介してガイドRNAによって認識される。したがって、RNAi分子は、標的遺伝子発現のサイレンシングにおいて非常に強力な二本鎖RNA(dsRNA)である。本発明は、表1に一覧を示した遺伝子に対して相補的なdsRNAを提供する。
ドミナントネガティブ突然変異は、多量体として活性である対応するタンパク質について容易に作製される。変異体ポリペプチドは、野生型ポリペプチド(その他の対立遺伝子から作製される)と相互作用し、機能的でない多量体を形成する。したがって突然変異は、基質結合領域、触媒領域、または細胞局在領域にある。望ましくは、変異体ポリペプチドは過剰産生される。このような効果を有する点突然変異を作製する。加えて、タンパク質の末端に対する種々の長さの異なるポリペプチドの融合により、ドミナントネガティブ変異体を得ることができる。一般的なストラテジーをドミナントネガティブ変異体を作製するために利用できる。Herskowitz, Nature (1987) 329:219-222を参照されたい。このような技術は、タンパク質の機能を決定するために有用な機能喪失突然変異を作製するために使用することができる。
表1に一覧を示したマウスのゲノム領域のヌクレオチド配列から選択されるか、または該マウスのゲノム領域の形質転換による影響を受ける遺伝子のヌクレオチド配列もしくはこれらの相補物から選択される少なくとも8、好ましくは少なくとも10、およびより好ましくは少なくとも12の近接するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド・プローブおよびプライマーは、ヒト染色体の同定およびこれらの遺伝子の転写レベルの決定を含む種々の目的のために使用される。
本発明は、一つの局面において、治療および/または診断の用途のために適した抗体を提供する。
本発明のマウスのゲノム領域にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドならびにこれらの配列および遺伝子産物は、癌、腫瘍の発達、高増殖性(hyperproliferative)の増殖、および/または付随する生物学的もしくは物理的な徴候の発生を決定するために有用である。特に、マウスのゲノム領域を示すポリヌクレオチドならびにその中での形質転換による影響を受ける遺伝子およびコードされるポリペプチドは、白血病(例えばAML)の発生を決定するために利用することができる。
また、本発明は、ヒトの異常な組織、または疾患組織を同定するための方法を提供する。特異的なポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現を、疾患が疑われる第1の組織とヒトの第2の正常組織との間で比較する。正常組織は、ヒトの任意の組織、特に血液細胞、脳、胸腺、精巣、心臓、前立腺、胎盤、脾臓、小腸、骨格筋、膵臓、および結腸の粘膜ライニング(lining)を含むがこれらに限定されない、マウスのゲノム領域に関連した遺伝子を発現するものである。
コードされるポリペプチドの中から、受容体などの、マウスのゲノム領域に関連した遺伝子および対応する全長遺伝子のポリペプチド発現産物は、結合パートナーを同定するためのペプチド・ライブラリースクリーニングに使用することができる。
薬学的組成物は、ひとまとめにして本明細書において阻害剤化合物と呼ばれている、請求した本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド(アンチセンス、RNAi、リボザイム)、または小分子を含むことができる。薬学的組成物は、請求した本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、または小分子のうちの治療上有効な量を含むであろう。
一旦処方されると、本発明の薬学的組成物は、(1)対象への直接投与;(2)対象に由来する細胞へのエクスビボでの送達;または(3)組換えタンパク質の発現のためのインビトロ送達が可能である。
特異的な転位、例えば上記の通りのt(15、17)転位を特定の突然変異に対して、および機能障害性遺伝子に対して割り当てることができる場合に図示したとおり、同一性、およびより詳しくはその遺伝子の機能性は、治療方法の開発において有意な助けとなるであろう。遺伝子の機能性は、当該技術分野において公知の方法によって、例えば構造-機能解析によって決定してもよい。
また、本発明は、癌の発症において役割を果たす本発明において開示した遺伝子または発現産物を阻害することができる阻害剤化合物の開発および産生のための方法を提供する。本質的に、このような方法は、当該技術分野において周知であり、特に下記の実施例2および3にて開示したように、一般に癌に関与する遺伝子の同定から開始するいくつかの連続した工程を含む。選択的に特異的な遺伝的背景において、レトロウイルスの挿入性のタギングを使用することによる;
b)以下の1つまたは複数の方法によって阻害剤化合物のための潜在的な標的遺伝子として同定された1つまたは複数の遺伝子の確認:
-癌細胞株のノーザンブロット解析によって同定された遺伝子の確認;
-腫瘍および正常組織において同定された遺伝子の発現プロフィールの決定;
-癌について同定された遺伝子の機能的な重要性の決定;
c)遺伝子の発現産物の産生;および
d)阻害剤化合物を産生またはデザインするための、遺伝子発現産物の使用。
腫瘍細胞に対する、差動的に発現された遺伝子の機能的な重要性は、これらの遺伝子発現を過剰にする、および阻害することによって決定される。選択されたヒト腫瘍株には、遺伝子のcDNAをコードするプラスミドを、または遺伝子に対するRNA干渉プローブをコードするプラスミドのいずれかをトランスフェクトする。RNA干渉は、特異的な遺伝子の発現を遮断するように設計された二本鎖オリゴヌクレオチドの導入を含む、最近開発された技術である(Elbashirら、Nature 411:494-8, 2001; Brummelkampら、Science 296:550-3, 2002を参照されたい)。標準的な実験技術およびアッセイ法を使用することによって、腫瘍細胞に関連する変化した表現型、例えば細胞周期状況、増殖、粘着力、アポトーシス、浸潤性能力などについて、トランスフェクトされた細胞株を広範囲に点検する。これらの実験により、ヒト癌のための同定された遺伝子の機能的な重要性が証明される。
本発明の治療的なポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、遺伝子送達の伝播体中で利用してもよい。遺伝子送達の伝播体は、ウイルス由来または非ウイルス由来であってもよい(一般に、Jolly, Cancer Gene Therapy (1994) 1:51-64; Kimura, Human Gene Therapy (1994) 5:845-852; Connelly, Human Gene Therapy (1995) 1:185-193;およびKaplitt, Nature Genetics (1994) 6:148-153を参照されたい)。本発明の治療薬のコード配列を含む構築物の送達のための遺伝子治療伝播体は、局所的にまたは全身的に投与することができる。これらの構築物は、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターによるアプローチを利用することができる。このようなコード配列の発現は、内因性の哺乳動物の、または異種のプロモーターを使用して誘導することができる。コード配列の発現は、構成型または調節型のいずれかであることができる。
によって記載されているものを含む。本発明に使用可能な例示的なアデノウイルス遺伝子治療ベクターには、国際公開公報第94/12649号、国際公開公報第93/03769号;国際公開公報第93/19191号;国際公開公報第94/28938号;国際公開公報第95/11984号、および国際公開公報第95/00655に記載されているものも含まれる。Curiel, Hum. Gene Ther. (1992) 3:147-154に記載されているような死滅したアデノウイルスに結合されたDNAの投与を使用してもよい。
共通ウイルス挿入物(CIS)の同定
導入
マウス腫瘍および腫瘍由来の細胞株における共通ウイルス組込み部位を同定するために、MuLVウイルスを使用した。マウスには、マウス白血病ウイルス1.4(Graffi-1.4 MuLV)、またはCas-Br-M MuLVを感染させた。Graffi-MuLVは、マウスに白血病を引き起こすエコトロピックなレトロウイルス複合体である。このウイルス複合体は、発癌性配列自体を含まず、むしろプロウイルスの組込みによる遺伝子の制御をなくす。Graffi-1.4 MuLVは、この複合体のサブクローンであり、主に骨髄性白血病を誘導する。NIH/Swissマウスには、Cas-Br-M MuLVを感染させ、標的遺伝子に影響を及ぼすレトロウイルスの挿入の結果として骨髄性またはリンパ様の悪性腫瘍も発生させた。
1.白血病の誘導
新生仔FVB/NマウスまたはNIH/Swissに、Graffi-1.4 MuLVまたはCas-Br-M MuLVを産生するNIH3T3細胞の細胞培養上清100μlを、それぞれ皮下に注射した。マウスの疾病の症状、すなわち感情鈍麻、白い耳および尾、ケージの仲間との相互作用の障害、重量減少、ならびに鈍い毛皮を毎日点検した。典型的には、白血病性のマウスは、肥大した脾臓、肝臓、胸腺、およびリンパ節に罹患した。これらの原発腫瘍から、PCRに基づいたスクリーニングのための染色体DNAを単離した。血液試料を心臓から採取した。形態学的な解析のために、血液塗抹標本およびサイトスピンをメタノールで固定し、May-Grunwald-Giemsa(MGG)染色して解析した。
原発腫瘍に由来するゲノムDNAをHhaIによって消化した。ライゲーション後、Graffi-1.4 MuLV(LTR)特異的なプライマーL1
およびL2
を使用して第1のPCRを行った(サイクリング条件は、94℃で1分、65℃で1分、72℃で3分[30サイクル]であった)。第2のネステッドPCRのためには、プライマーL1N
およびL2N
(15サイクル)を使用した。PCR反応混合物は、10mMのトリス-HCl(pH8.3)、50mMのKCL、1.5mMのMgCl2、200μMのdNTP、10pmolのそれぞれのプライマー、および2.5ユニットのTaqポリメラーゼを含んだ。PCR断片を1%のアガロースゲル上で解析し、標準的な手順にしたがってTAクローニングベクターにクローン化した。PCR産物をM13フォワード・プライマー
およびM13リバース・プライマー
によってシーケンスした。ウイルスに隣接するゲノム配列は、National Center for Biotechnology Information (NCBI) およびセレラのデータベースを使用して同定した。
5μgのゲノムDNAをSau3A、またはSstIによって消化した。生成物をT4リガーゼで処理し、これは環状化された産物を形成させた。その後、インバースPCR(ICPR)ストラテジーをCas-Br-M MuLV LTRに特異的なプライマーで使用した。Sau3Aで消化した/結合した断片について、プライマーpLTR4
およびpLTR3
で第1のPCR反応を行い、続いてpLTR5
およびpLTR6
を使用するネステッドPCRを行った。両PCRのためのサイクル条件は、94℃で15"、57℃で30"、および72℃で2'を10サイクル、ならびに94℃で15"、57℃で30"、および72℃で2'30"をさらに20サイクル行った。反応は、Expand High Fidelity PCR Systemを使用して行った。SstI消化したゲノムDNAの場合には、環状化されたDNAをそれぞれプライマーpLTR9
およびpLTR1
ならびにpLTR10
およびpLTR2
を使用して増幅した。第1のPCRは、94℃で30"、60℃で1'、および72℃で3'を30サイクル行った。反応は、Expand High Fidelity PCR Systemによって行った。ネステッドPCR条件は、94℃で30"、58℃で1'、および72℃で1'を30サイクル行った。この反応は、Taqポリメラーゼによって行った。
と共に逆転写酵素(RT)反応によって得た。その後、LTR特異的なプライマーpLTR6およびアダプタープライマー
を使用することによって、PCR(94℃で1'、58℃で1'、72℃で3'(30サイクル))は、白血病のRT反応を行った。PCR産物を直接pCR2.1にクローン化し、M13フォワード・プライマー
およびm13リバース・プライマー
によるヌクレオチドシーケンシングに供した。解析のために、ヌクレオチド配列をNCBIおよびセレーラ・データベースと比較した。
1.Graffi-1.4 MuLVは、白血病を誘導した
新生仔FVB/NマウスをGraffi-1.4 MuLVによって皮下注射した4〜6ヵ月後に白血病が発生した。解析した59の白血病のうちの48(81%)が骨髄性細胞の形態学的特徴を示した。骨髄中の芽球の割合は、24〜90%で変動し、平均48%であった。白血病細胞は、これらの骨髄球性の様相と整合した免疫表現性のマーカープロフィール、例えばER-MP54+、ER-MP58+、CD3-、GR-1+を発現した。芽球細胞様の形態を有する6つの白血病では、免疫表現性の分化マーカーを示さなかったことから、これらの腫瘍が非常に未熟な白血病を表したことを示唆した。3つの白血病だけがT-リンパ系由来(CD3+/MP58-/Thyl+)であり、2つは、骨髄性および赤血球系の特徴(Ter119+/ER-MP58+/F4/80+)を混合して示した。これらの結果は、Graffi-1.4 MuLV感染は、主にFVB/Nマウスにおいて骨髄性白血病を誘導することを証明する。
Cas-Br-M MuLVを注射した新生仔NIH/Swissマウスは、接種後約140〜400日までに白血病を発症した。これらのほとんどは、骨髄性白血病(59%)であったが、T細胞(21%)、およびT-細胞/骨髄性(21%)の混合の白血病も見いだされた。
プロウイルスの組込みはランダムに生じるが、これらは近くの遺伝子の発現または機能に影響を及ぼす可能性がある。遺伝子が二個以上の独立した腫瘍において影響を受ける場合、これは、これらの組込みが選択有利性を提供し、したがって腫瘍発生に寄与することを示す。これらの共通の挿入部位が複数同定され、その多くが、癌において役割を果たすことが初めて証明された。重要なことに、同定されたその他の遺伝子のいくつかは、癌遺伝子であることが周知であり、本アプローチを確証する。本実施例は、探求したストラテジーが腫瘍発生に関与する新規の遺伝子を同定するために首尾よく使用することができることを示す。
AML発症の新規経路の定義
材料および方法
Graffi-1.4 MuLVで誘導される白血病
100μlのGraffi-1.4-MuLV産生NIH3T3細胞(E.Rassart博士、Department des Siences Biologiques, Universite du Quebec a Montreal, Montreal, Quebec, Canadaからの寄贈)の細胞培養上清を新生仔マウスの皮下に注入した。前述したように、マウスを処理して、白血病の発生について解析した(Erkelandら、2003, Blood 101:1111-7)。PCRに基づいたスクリーニングのために、染色体DNAを白血病細胞から単離した(Erkelandら、2003, Blood 101:1111-7)。
形態学的な解析のために、血液塗抹標本およびサイトスピンをメタノールで固定し、May-Grunwald-Giemsa染色し、Zeiss Axioscope顕微鏡(Carl Zeiss BV, Weesp, The Netherlands)を使用して検査した。種々の器官の単細胞の懸濁液を、FACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson and Co, Mountain. View, CA, USA)を使用して、フローサイトメトリーによって解析した。以前記載したように(Joostenら、2000. Virology 268:308-18)、細胞を以下のラット・モノクローナル抗体によって標識した:ER-MP54、ER-MP58、M1/70(Mac-1)、F4/80、RB68C5(GR-1)、ER-MP21(トランスフェリン受容体)、TER119(グリコホリンA)、59-AD2.2(Thy-1)、KT3(CD3)、RA3 6B2(B220)、およびE13 161-7(Sca1)。免疫検出は、フルオレセインイソチオシアネートに結合したヤギ-抗ラット抗体(GαRa-FITC)(Nordic, Tilburg, The Netherlands)を使用して行った。
原発腫瘍からの白血病ゲノムDNAをHhaI(CGCG)によって消化した。ライゲーション(Rapid ligation kit, Roche Diagnostics, Mannheim, Germany)によって環状化した後、実施例1に記載されているように、Graffi-1.4 MuLV(LTR)特異的なプライマーL1およびL2を使用して第1のPCRを行った。サイクリング条件は、94℃で1分、62℃で1分、および72℃で3分を30サイクルであった。第2のネステッドPCRについては、実施例1に記載されているように、プライマーL1NおよびL2Nを使用した(15サイクル)。PCR反応混合物は、10mMのトリス-HCl(pH8.3)、50mMのKCL、1.5mMのMgCl2、200μMのdNTP、10pmolのそれぞれのプライマー、および2.5単位のTaqポリメラーゼ(Pharmacia, Uppsala, Sweden)を含んだ。PCR断片を1%のアガロースゲル上で解析した。
拡張した白血病のパネルにおいて、Graffi-1.4プロウイルス、特にウイルスでターゲットされた遺伝子の局在を決定するために、原発腫瘍に由来するDNAに対してネステッドPCRを行った。第1のPCRのために、ウイルス組込み部位(VIS)遺伝子座特異的なプライマーX1およびX2を、Graffi-1.4 MuLV LTR特異的なプライマーL1およびL2と組み合わせて使用した(図1も参照されたい)。サイクリング条件は、94℃で1分、62℃で1分、72℃で3分を30サイクルであった。第2のPCRのために、入れ子状のVIS特異的なプライマーX1NおよびX2N(すなわち、ゲノム領域特異的なプライマー)を同じ条件下で入れ子状LTR特異的プライマーL1NおよびL2Nと組み合わせて使用した。得られたPCR産物をサザンブロット法によって解析した。増幅されたバンドの正確な性質を検証するために、ブロットをChurch緩衝液(0.5Mのリン酸緩衝液、pH7.2、7%(w/v)SDS、10mMのEDTA)中で45℃において一晩、放射標識した遺伝子特異的なプローブP1およびP2とハイブリダイズさせた。シグナルは、標準的な手順にしたがってオートラジオグラフィーによって視覚化した(Maniatisら、1982, Molecular Cloning, A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York)。
PCR産物は、ABI 3100シークエンサー(Applied Biosystems, Nieuwerkerk a/d IJssel, The Netherlands)を使用して、Graffi-1.4 MuLV特異的なフォワード・プライマーL1でシーケンシングした。ウイルスに隣接するゲノム配列は、GenBank(National Center for Biotechnology Information)、セレラ・ディスカバリー・システム(Celera Genomics, Rockville, MD, USA)(Hogeneschら、2001, Cell 106:413-5; Kerlavageら、2002, Nucleic Acids Res. 30:129-36)、およびEnsembl(Wellcome Trust Genome Campus, Hinxton, Cambridgeshire, UK)(Hubbardら、2002, Nucleic Acids Res. 30:38-41)を使用して解析した。
Graffi-1.4で誘導された白血病
89の新生仔FVB/NマウスにGraffi-1.4を接種した。瀕死のときに、マウスを屠殺して、造血器官を単離した。6匹のマウスは、白血病の徴候を伴わずに死亡し、さらなる調査から排除した。標準的な血液細胞解析を行って、値を10匹の正常FVB/Nマウスの平均と比較した(Joostenら、2002, Exp. Hematol. 30:142-9)。白血病マウスのほとんどでは、正常な対照と比較して、末梢白血球細胞の数が増大し、血小板数および赤血球の数が減少した(データ示さず)。骨髄における芽球の割合は、24〜90%で変動し、平均48%であった。76匹のマウスに由来する白血病細胞を免疫表現型タイピングした。これらの白血病の主要な免疫表現性の特徴を表2に示す。
データベース検索と連携したPCR解析により、69の腫瘍から合計94の異なるウイルス組込み部位を同定し、そのうちの38は、その他の研究において以前に見いだされていた。CISのこの後者の群の例は、p53、Notch-1、Evi-1、NF1(Evi-2)、Lck-1、Pim-1、HoxA9(Evi-6)、Fli-1、およびN-Mycである。特に、94の組込みのうちの79は、白血病性の形質転換において影響を受けた遺伝子に直接関係のあるCISである。これらの遺伝子に密接に関連したファミリーは、その他の研究においても見いだされていたので、残りの15をこの報告に含めた。同定された配列のうちの56は、新規の候補白血病遺伝子の近くまたは候補白血病遺伝子にマッピングされた。影響を受けた遺伝子の産物は、以下のカテゴリーに分類された:受容体およびシグナリング分子(表3)、転写の調節因子(表4)、およびその他の経路を調節する役割(例えば、DNA安定性およびプロテアソームのターゲティング)を有するか、または現在未知の機能を有する遺伝子産物の残りの群(表5)。
この研究において、本発明者らは、急性骨髄性白血病(AML)の病原の新規経路を、その中に特異的に含まれる疾患遺伝子を同定することによって同定するために、Graffi-1.4(Gr-1.4)ウイルス複合体を使用するインビボ・レトロウイルスの突然変異誘発を使用した。その他のウイルス株、例えばモロニー、AKXD、またはCas-Br-Mとの比較研究において、最も顕著に表れる腫瘍型は、BXH2骨髄性単球の腫瘍の場合にはTおよびB細胞リンパ腫である。対照的に、Gr-1.4によって誘導される白血病の80%より多くは、骨髄性細胞の免疫表現性の特徴を明解に示し、未成熟の形態学的な特徴(主に骨髄芽球)を有し、骨髄性疾患の病原性の機構を特徴づけるためのツールとしてのGr-1.4ウイルス複合体独特の特徴を強調した(表2を参照されたい)。
急性骨髄性白血病(AML)は、不均一な疾患群であり、特定の遺伝子の染色体異常、小さな挿入/欠失、または点突然変異は、予後に対して重大な結果を有する。しかし、大部分のAML患者は、現在公知の遺伝子欠損を伴わずに存在する。マウスにおけるレトロウイルスの挿入突然変異誘発は、白血病およびリンパ腫の病因に関与する新たな疾患遺伝子を同定するための強力なツールになった。ここで、本発明者らは、主に急性骨髄性白血病を引き起こすGraffi-1.4マウス白血病ウイルス(Gr-1.4)株を、本症の病原に関与する新規の遺伝子を同定するためのスクリーニングに使用した。本発明者らは、共通のウイルス組込み部位(CIS)において79の候補疾患遺伝子を報告し、そのファミリー・メンバーの15の遺伝子が、その他の研究においても影響を受けることを以前に見いだした。同定された配列の大部分(60%)は、リンパ腫および単球性白血病の以前のスクリーニングでは見いだされなかったことから、AMLの特異的な関与が示唆される。大部分のウイルス組込みは、遺伝子の5'または3'末端において、またはその近くに生じたが、18のCISは、もっぱら遺伝子内に位置するだけであり、おそらく遺伝子破壊を引き起こしたことから、ウイルス組込みの結果として遺伝子発現が調節解除されることが示唆される。
マウス白血病における新規の潜在的疾患座位の大規模な同定
材料および方法
Cas-Br-M MuLVで誘導される白血病
この研究において使用されるNIH-Swiss由来のCas-Br-M MuLVで誘導される原発腫瘍は以下である:IPCRについて:CSL 13、16、20、22、26、30、31、32、33、65、71、78、82、90、91、93、111、117、123、201、203、204、212、221、227、228、237および239;ならびにRT-PCRについて:CSL:201および203(Joostenら、2000. Virology 268:308-18)。白血病の脾臓から単離した細胞は、液体窒素中の一定分量において生きたまま貯蔵された。以下の白血病細胞株をこの研究に利用した:IPCRについて:DA24、ならびにNFS 22、36、56、58、60、61、78、および124;ならびにRT-PCRについて:DA 1、2、3、8、33、ならびにNFS 22、36、58、61、78、107、および124(Valkら、1997 Blood 90:1448-1457)。これらの細胞株をRPMI+10%ウシ胎仔血清(FCS)(Gibco Life Technologies Inc., Gent, Belgium)および10単位のマウスIL3中で培養した。ウイルス組込みの頻度を細胞株および原発性白血病の両方に対して決定した。
ゲノムDNAの単離は、以前記載されているように正確に行った(Valkら、1999 J. Virol. 73:3595-602)。5pgのゲノムDNAをSau3A、PvullまたはSstl(GIBCO Life Technologies Inc., Gent, Belgium)によって消化した。産物をT4リガーゼ(GIBCO Life Technologies Inc.)で処理し、環状化された産物を形成させた。その後、本発明者らは、Cas-Br-M MuLV LTRに特異的なプライマーを使用するIPCRストラテジーを行った。Sau3A消化/結合された断片について、プライマーpLTR4
およびpLTR3
で第1のPCR反応を行い、続いてpLTR5
およびpLTR6
を使用してネステッドPCRを行った。両方のPCRのサイクル条件は、94℃で15秒、57℃で30秒、および72℃で2分を10サイクル、ならびに94℃で15秒、57℃で30秒、および72℃で2分30秒の条件にしたがってさらに20サイクルであった。反応は、Expand High Fidelity PCR System(Roche、Mannheim、Germany)を使用して行った。PvuIIおよびSstI消化したゲノムDNAについて、環状化したDNAは、それぞれプライマーpLTR7
およびpLTRl
ならびにpLTR8
およびpLTR2
を使用して増幅した。
と共に逆転写酵素(RT)反応によって得た。その後、LTR特異的なプライマーpLTR6およびアダプタープライマー
を使用することによって、白血病のRT反応に対してPCR(94℃で1分、58℃で1分、72℃で3分(30サイクル))を行った。PCR産物を製造業者の指示にしたがって直接pCR2.1(Invitrogen, Breda, The Netherlands)にクローニング、ヌクレオチドシーケンシングに供した。解析のために、ヌクレオチド配列をNCBIデータベースと比較した。
原発性白血病または細胞株から単離した1ugのゲノムDNAをプライマーpLTR1および遺伝子座特異的なプライマーAでのPCRに供した(図2)。17〜21ヌクレオチドの遺伝子座特異的なプライマーは、インバースPCRまたはRT-PCRによって作製される断片の各々の配列に対して特異的にデザインした。プライマーは、Life Technologiesから購入した。1μlのPCR産物をプライマーpLTR2および入れ子状遺伝子座特異的なプライマーBを使用するネステッドPCR反応に移した。両方の反応のためのサイクル条件は、94℃で5分を1サイクル、94℃で30秒、Tmで1分、72℃で1分30秒を30サイクル、72℃で5分を1サイクルであった。Tmは、それぞれのプライマーに特異的であり、48℃〜62℃の間であった。PCRは、Taqポリメラーゼ(Amersham Pharmacia Biotech)を使用することによって行った。PCR産物を1.5%のアガロースゲルで電気泳動し、0.25MのNaOH/1.5MのNaClでHybond-N+ナイロン膜(Amersham Pharmacia Biotech)に移した。膜を32Pで末端標識した遺伝子座特異的なプライマーCとハイブリダイズさせた。ラベリングは、製造業者の指示にしたがって、T4キナーゼ(USB, Cleveland, OH, USA)を使用して行った。その後、ブロットを45℃で30分間0.4MのNaOH中で取り除き、45℃で15分間0.2Mのトリス-HCl、0.2%のSDS、および0.1×SSCを使用して中和し、32Pで末端標識したCas-Br-M MuLV特異的なプライマーpLTR3とハイブリダイズさせた。ブロットをKODAKフィルムおよび増感紙でのオートラジオグラフィーに曝露した。15分の露出の後、フィルムを現像して分析した。
試料は、Bd-シーケンシングキットを使用して製造業者(PE Biosystems, Nieuwerkerk a/d IJssel, The Netherlands)の指示にしたがって調製し、プライマーM13フォワード
およびM13リバース
を使用して、ヌクレオチドのシーケンシングをABI 310自動シーケンシンサー(PE Biosystems)で行った。IPCRまたはRT-PCRによって単離された配列をCelera Discovery System(Celera Genomics, Rockville, MD, USA, database contents May 2002)、およびNational Center for Biotechnology Information (NCBI, Bethesda, MD, USA)のGenBankに存在するデータと比較した。組込みの正確な部位を決定した。遺伝子の外側に見いだされた挿入については、組込みと最も近くの遺伝子との間の距離を算出した。マウス染色体上の位置を確立し、ヒト同等物をCelera Discovery System(2002年5月)、LocusLink、またはヒト・マウス相同性マップ(両方ともwww.ncbi.nlm.nih.gov)のヒト・データベースを使用することによって推定した。
ウイルスLTR特異的なインバースPCRおよびRT-PCRを自動化されたシーケンシングと組み合わせて、CasBR-M MuLVで誘導される骨髄性白血病に対して適用することにより、126のウイルス組込み部位をクローニングした。座位特異的およびLTR特異的なプライマーを使用することによって、MuLVで誘導される白血病の大きなパネルからのゲノムDNAに対するネステッドPCR/サザンブロット法を開発し、特定のウイルス挿入が、共通のウイルス組込み部位(cVIS)を示すかどうかを解析した。実際、このように解析した41の組込みのうちの39は、共通のウイルス組込み部位を示した。本発明者らは、6つの以前にクローニングされたcVIS、すなわちEvi1、Hoxa7、cMyb、Cb2/Evi11、Evi12、およびHis1、ならびに33の新規の共通の挿入を認識した。この群の中で、本発明者らは、受容体遺伝子、例えばCb2またはmrc1、新規の推定上のシグナリングまたは輸送体遺伝子、リングフィンガータンパク質遺伝子Mid1、および未知の機能を有する新規のタンパク質をコードする遺伝子のパネル内に、核タンパク質、例えばDnmt-2、Nm23-M2、Ctbp1、もしくはErgをコードする遺伝子において、またはその近くに組込みを見いだした。解析した41の組込みのうち39が、cVISを表したという知見は、PCR/サザンブロット法によっていまだに解析されていなかった大部分のその他のウイルス挿入が、同様にecVISに位置し、したがって、新規の疾患遺伝子を収容するかもしれないことを示唆する。
Claims (51)
- 表1に一覧を示した癌の発生に関与する少なくとも1つのマウスゲノム領域またはそのヒト相同体によってコードされるポリペプチドを調製するための使用。
- 表1に一覧を示した少なくとも1つのマウスゲノム領域によってコードされるか、または該領域での形質転換による影響を受ける、転写産物もしくはポリペプチドの活性を阻害することができる阻害剤を調製するための、該領域またはそのヒト相同体の使用。
- 阻害剤が、ゲノム領域によってコードされるポリペプチドの生物活性を、または該ゲノム領域での形質転換によってその発現が影響を受けるポリペプチドの生物活性を妨げる小分子である、請求項2記載の使用。
- 阻害剤が抗体である、請求項2記載の使用。
- 阻害剤が、アンチセンス分子、特にアンチセンスRNAまたはアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである、請求項2記載の使用。
- 阻害剤がRNAi分子である、請求項2記載の使用。
- 阻害剤がリボザイムである、請求項2記載の使用。
- 表1に一覧を示した少なくとも1つのマウスゲノムまたはそのヒト相同体を含む単離された核酸配列。
- 1つまたは複数の制御配列をさらに含む、請求項8記載の単離された核酸配列。
- 請求項8または9記載の核酸配列を含む組換えベクター。
- 請求項10記載のベクターを含む組換え宿主細胞。
- 宿主細胞が真核生物の宿主細胞である、請求項11記載の組換え宿主細胞。
- 真核生物の宿主細胞が哺乳動物幹細胞である、請求項12記載の真核生物の宿主細胞。
- 哺乳動物幹細胞が造血幹細胞である、請求項13記載の哺乳動物幹細胞。
- 表1に一覧を示した少なくとも1つのマウスゲノム領域もしくはそのヒト相同体によってコードされる転写産物もしくはポリペプチドを阻害することができるか、または該ゲノム領域の形質転換によってその発現が影響を受ける転写産物もしくはポリペプチドを阻害することができる阻害剤化合物。
- 阻害剤化合物がポリペプチドに対する抗体またはその誘導体である、請求項15記載の阻害剤化合物。
- ポリペプチドが細胞膜上に発現される、請求項16記載の阻害剤化合物。
- 誘導体が、scFv断片、Fab断片、キメラ抗体、二機能性の抗体、イントラボディー(intrabodies)、およびその他の抗体に由来する分子からなる群より選択される、請求項16または17記載の阻害剤化合物。
- 阻害剤化合物が、ポリペプチドの生物活性を妨げる小分子である、請求項15記載の阻害剤化合物。
- 阻害剤化合物が、アンチセンス分子、特にアンチセンスRNAまたはアンチセンス・オリゴデオキシヌクレオチドである、請求項15記載の阻害剤化合物。
- 阻害剤化合物がRNAi分子である、請求項15記載の阻害剤化合物。
- 阻害剤化合物がリボザイムである、請求項15記載の阻害剤化合物。
- 癌治療に使用するための、請求項15〜22のいずれか1項記載の阻害剤化合物。
- 癌が白血病、好ましくは急性骨髄性白血病(AML)である、請求項23記載の阻害剤化合物。
- 癌治療のための薬学的組成物を調製するための、請求項15〜24のいずれか1項記載の阻害剤化合物の使用。
- 癌が白血病、好ましくは急性骨髄性白血病(AML)である、請求項25記載の阻害剤化合物。
- 治療が遺伝子治療を含む、請求項25または26記載の使用。
- 炎症性疾患治療のための薬学的組成物を調製するための、請求項15〜22のいずれか1項記載の阻害剤化合物の使用。
- 請求項15〜24のいずれか1項記載の少なくとも1つの阻害剤化合物および適切な賦形剤、担体、または希釈剤を含む、癌治療のための薬学的組成物。
- 癌の形成を軽減または予防するために有効な量の、好ましくは充実性腫瘍の再発の緩解または予防を提供するために有効な量の、請求項29記載の薬学的組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物を治療する方法。
- 癌が白血病、好ましくは急性骨髄性白血病である、請求項30記載の方法。
- 白血病、好ましくは急性骨髄性白血病の形成を軽減または予防するために有効な量の請求項14記載の造血幹細胞を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物を治療する方法。
- 癌診断のための診断試薬を調製するための、表1に一覧を示した少なくとも1つのマウスゲノム領域もしくはそのヒト相同体、またはその転写産物、またはそれによりコードされるポリペプチドの使用。
- 癌が白血病、好ましくは急性骨髄性白血病(AML)である、請求項33記載の使用。
- 表1に一覧を示したマウスゲノム領域もしくはそのヒト相同体、またはその転写産物、またはそれによりコードされるポリペプチドに対して特異的に結合することができる診断試薬。
- 診断試薬が抗体またはその誘導体である、請求項35記載の診断試薬。
- 診断試薬が核酸プローブである、請求項35または36記載の診断試薬。
- 請求項35〜37のいずれか1項記載の診断試薬を含む診断組成物。
- 癌診断のための、請求項38記載の診断組成物の使用。
- 癌が、肺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、または膵臓癌の充実性腫瘍である、請求項39記載の使用。
- 癌が白血病、好ましくは急性骨髄性白血病(AML)である、請求項39記載の使用。
- 診断が、コードされるポリペプチドに対して特異的な抗体を使用するか、遺伝子配列に対するRNAプローブで組織試料の遺伝子発現レベルのインサイチューハイブリダイゼーション解析を使用するか、またはポリヌクレオチドアレイもしくはオリゴヌクレオチドアレイを使用する、組織試料の組織学的な解析によって行われる、請求項39〜41のいずれか1項記載の使用。
- 請求項38記載の診断組成物、ならびに試料から核酸断片を単離するための試薬、試料からポリペプチドを単離するための試薬、試料を免疫染色するための試薬、試料のインサイチューハイブリダイゼーションのための試薬、および核酸アレイ・ハイブリダイゼーションを行うための試薬からなる群より選択される1つまたは複数の試薬を含む、請求項39〜41のいずれか1項記載の使用を実施するためのパーツのキット。
- 請求項15〜22のいずれか1項記載の阻害剤化合物を開発するための、以下の工程を含む方法:
a)特にレトロウイルスの挿入性のタギングを使用することによる、任意で特定の遺伝的背景における、癌に関与する遺伝子を同定する工程;
b)以下の方法の1つまたは複数によって、阻害剤化合物の潜在的な標的遺伝子として同定された遺伝子の1つまたは複数を確認する工程:
-癌細胞株におけるノーザンブロット解析による、同定された遺伝子の確認;
-腫瘍および正常組織における、同定された遺伝子の発現プロフィールの決定;
-癌に対する、同定された遺伝子の機能的な重要性の決定;
c)遺伝子の発現産物を産生する工程;および、
d)阻害剤化合物を産生またはデザインするために、遺伝子の発現産物を使用する工程。 - 工程a)において同定される遺伝子が、表1に一覧を示したマウスゲノム領域またはそのヒト相同体である、請求項44記載の方法。
- 癌の発生に関与するゲノム領域を同定するための、以下の工程を含む方法:
a)対象を、腫瘍を誘導するレトロウイルスに感染させることを含む、対象のレトロウイルス挿入突然変異を行う工程;
b)感染した対象に発生した腫瘍から染色体DNAを分離する工程;
c)腫瘍を誘導するレトロウイルスのDNA配列において少なくとも一回、および対象の染色体DNAにおいて少なくとも一回の切断が可能な制限酵素で、該染色体DNAを消化する工程;
d)消化されたDNAを環状DNAに連結する工程;
e)レトロウイルス特異的なプライマーの第1のセットを使用して環状DNAで第1のPCR反応を行い、かつレトロウイルス特異的なプライマーの第2の入れ子状のセットを使用して該第1のPCR反応の産物で第2のネステッドPCRを行うことによって、レトロウイルスのDNA配列に隣接する染色体DNA断片を増幅する工程;ならびに
f)染色体DNA断片のヌクレオチド配列を決定し、かつ任意で該ヌクレオチド配列をデータベースの公知の配列と比較して、癌の発生に関与するゲノム領域を得る工程。 - 癌の発生において共通のウイルス組込み部位を同定するための、以下の工程を含む方法:
a)請求項46記載の方法を実施する工程;
b)ゲノム領域特異的な増幅プライマーをデザインする工程;
c)共通のウイルス組込み部位の有無について解析するために少なくとも2つの腫瘍から核酸を単離する工程;
d)ゲノム領域特異的なプライマーおよびレトロウイルス特異的なプライマーを含む一組の入れ子状プライマーを使用して、核酸で増幅反応を実施する工程;ならびに、
e)増幅産物をブロットし、生じるブロットをレトロウイルス特異的なプローブおよびゲノム領域特異的なプローブと別々にハイブリダイズさせて、腫瘍間の共通のウイルス組込み部位の存在を決定する工程。 - 請求項46または47記載の方法によって入手できるゲノム領域のセット。
- ゲノム領域が、表1に一覧を示したマウスゲノム領域である、請求項48記載のゲノム領域のセット。
- Adam11、Akap7、Arpgap14、Bomb、Cd24a、Cish2、Cig5、Clic3、Cra、Dermol、EMILIN、Flj20489、Galnt5、Hook、Ier5、IL16、Iprg1、Itgp、Kcnk5、lrrc2、Ltb、Mbll、Mrc1、Mtap7、Ninj2、Nr1d1、Pcdh9、Prdx2、Prps1、Pdi1、Ptgd3、Rgl1、Sardh、Scya4、Slc16A6、Swap70、Txnip、Trim46、Tnfrsf17、およびUb13からなる群より選択される、少なくとも2つのマウスゲノム領域を含む、請求項49記載のゲノム領域のセット。
- Cd24a、Cish2、Cra、Ltb、およびPrdx2からなる群より選択される、少なくとも2つのマウスゲノム領域を含む、請求項49記載のゲノム領域のセット。
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