JP2006507162A - ポリエステル/ポリカーボネートブレンドを含む製造物品 - Google Patents

ポリエステル/ポリカーボネートブレンドを含む製造物品 Download PDF

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Abstract

本発明は、積層体に熱及び圧力を適用することによって得られる、1種又はそれ以上の装飾材料を表面に有する熱可塑性物品に関し、前記熱可塑性物品は(1)1種又はそれ以上の装飾材料;及び(2)上部又は下部シート材料を含み、前記上部又は下部シート材料はポリエステル/芳香族ポリカーボネートブレンドから形成される。

Description

本発明は、表面に装飾材料を有する新規熱可塑性物品に関する。更に詳しくは、本発明は、少なくとも1種の装飾材料、例えば布、金属ワイヤ、紙又は印刷層及び上部又は下部シート材料からなる積層体に熱及び圧力を適用して、表面に装飾材料を有する熱可塑性物品を形成することによって製造された物品に関する。本発明が提供する新規熱可塑性物品は、建設業において、窓用グレージングとして、パーティションにおいて、そして装飾パネルとして、使用できる。このシート材料は物品の成形中又は成形後にテクスチャード加工することができる。
透明及び半透明のガラスは共に、窓及びパーティション用のグレージング材として使用されており、一部の用途では、特殊な装飾効果を出すためにコーティング又は染色されている。ガラスは高密度且つ高重量であり、工事現場において加工するのが難しく、一般的に脆く、しかも事故につながる危険を引き起こすおそれがある。
ポリ塩化ビニルシート材、アクリルシート材、例えばポリ(メタクリル酸メチル)シート材及びポリカーボネートシート材のようなガラス代用品が、一部のグレージングの用途において、ガラスの代用品として使用されてきた。一般に、これらの代用品は明澄な(透明な)非装飾的用途のために作られている。本発明が提供するシート材料は、主に、種々の透明度及び種々の増大したセキュリティー・レベルを有する装飾的用途を実現又は獲得するために使用できる。
コポリエステルシートから製造される製品は特許文献1、2、3、4及び5に記載されている。しかし、純粋なコポリエステルに比較して高い耐クリープ性/耐熱性が必要な用途(例えばバックライト・パネル)がある。更に、ポリカーボネートは複合材料の二次加工前に乾燥しなければならず、それによってサイクル時間及びコストが増加するので、純粋なコポリエステルを純粋なポリカーボネートで置き換えることもまた望ましくない。ポリカーボネートはまた高温で積層しなければならず、これが装飾層の劣化を引き起こすおそれがある。更に、ポリカーボネートは、予備乾燥せずに二次成形するのが難しく、比較的高い成形温度を必要とする。
特許文献6は、バスルーム又はシャワーエリアにおいて特に有用な、頑丈な壁材を記載している。この壁材は、第1層に明澄又は透明な流延アクリル、第2層に明澄なポリエステル熱硬化性樹脂、そして第3層として薄い布シート及び前記布層上に着色ポリエステル熱硬化性被覆を含む積層体から成る。この場合のポリエステル熱硬化性樹脂は、液体として適用され、後で固体として硬化される。ポリエステル熱硬化性樹脂を用いる場合にはいくつかの問題がある。液体熱硬化性樹脂からの気泡の除去が難しい場合がある。熱硬化性樹脂は硬化時にかなり収縮するおそれがある。更に、架橋されたポリエステル樹脂は脆いことが知られている。
米国特許第5,894,04号 米国特許第5,958,539号 米国特許第5,998,028号 米国特許第5,643,666号 米国特許第6,025,069号 米国特許第5,413,870号
本発明は前記問題の多くを多少とも解決する。本発明が先行技術より優れている点は、時間が経過してもより高い加熱撓み温度(HDT)、より高い剛性及びより高い耐クリープ性を示すことである。
本発明は、表面に装飾材料を有する、典型的にはシート材料の形態の熱可塑性物品を提供する。この熱可塑性物品は、(1)少なくとも1種の装飾材料及び(2)少なくとも1種の下部シート材料又は上部シート材料を含む積層体に熱及び圧力を適用することによって得る。場合によっては、接着層を(1)と(2)の間に用いることができる。
上部又は下部シート材料は、混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドから製造する。下記のポリエステル成分は、好ましくはポリカーボネートとの混和性を生じるために、コモノマー成分として最低限の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。
本発明は、(1)金属ワイヤ、ロッド若しくはバー;天然繊維;ガラス繊維、無機繊維、布、紙及び/又は印刷層を含む少なくとも1種の装飾材料並びに(2)少なくとも1種の下部シート又は上部シート材料を含む積層体に熱及び圧力を適用することによって得られた、表面に装飾材料を有する熱可塑性物品に関し、前記上部又は下部シート材料は、
(a)脂肪族、脂環式及び/又は芳香族ジカルボン酸からなる群から選ばれた二酸残基成分(前記芳香族ジカルボン酸の芳香族部分は炭素数が6〜20であり、前記脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の脂肪族又は脂環式部分は炭素数が3〜20である)並びに45〜100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール及び、場合によっては、少なくとも1種の、炭素数2〜20の追加脂肪族ジオールを含むグリコール残基成分(グリコール成分の総モル%は100モル%である)を含んでなるポリエステル1〜99重量%と
(b)芳香族ポリカーボネート99〜1重量%
を含む混和性ポリエステル/芳香族ポリカネートブレンド(前記ポリエステル/ポリカーボネートブレンド中のポリエステル及びポリカーボネートの百分率は100重量%である)から形成される。
好ましいブレンド組成物はポリエステルが50〜90重量%及び芳香族ポリカーボネートが50〜10重量%である。更に好ましい組成物はポリエステルが60〜80重量%及び芳香族ポリカーボネートが40〜20重量%である。
本発明に関して適当なポリエステルは、式Iの反復単位を有するポリエステルである:
式I
Figure 2006507162
前記式において、Rは1,4−シクロヘキサンジメタノール又は1,4−シクロヘキサンジメタノールと少なくとも1種の、炭素数2〜20のアリール、アルカン若しくはシクロアルカン含有ジオール又はその化学的等価物との混合物の残基であり、R1は炭素数3〜20のアリール、脂肪族若しくはシクロアルカン含有二酸又はその化学的等価物から得られた脱カルボキシル化残基である。ジオール部分Rの例はエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−若しくは1,3−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール及び2,2,4,4−テトラメチルー1,3−シクロブタンジオールである。好ましい第2グリコールはエチレングリコールである。二酸部分R1の例はマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−、1,5−及び2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸並びにシス−若しくはトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。有用な芳香族ジカルボン酸の例はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−及びトランス−4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−、1,5’−、2,3−、2,6−及び2,7−ナフタレンジカルボン酸である。これらの二酸の化学的等価物としては、エステル、アルキルエステル、ジアルキルエステル、ジアリールエステル、無水物、塩、酸塩化物、酸臭化物などが挙げられ、これらも本発明の範囲に含める。好ましいジカルボン酸は、テレフタル酸及びイソフタル酸又はそれらの混合物である。好ましい化学的等価物は、テレフタル酸及びイソフタル酸のジアルキルエステルを含む。これらの酸又は等価物のいずれかの混合物を使用できる。
本発明の範囲内において有用な好ましいポリエステルは40〜100モル%、より好ましくは60〜80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルであり、前記ポリエステル中のグリコール成分の総モル百分率は100モル%である。グリコール成分の残りは、本明細書中に記載した他のグリコールのいずれであることもできるが、好ましくはエチレングリコールであり、その量は0〜60モル%、より好ましくは20〜40モル%である。本明細書中に記載した任意の二酸を使用できるが、この実施態様においては80〜100モル%のテレフタル酸が好ましい。
本発明の範囲内において有用な別の好ましいポリエステルは100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルであり、ポリエステル中のグリコール成分の総モル百分率は100モル%である。また、この実施態様において、イソフタル酸が存在するのが好ましく、その量は5〜50モル%、より好ましくは20〜40モル%である。本明細書中に記載した任意の二酸を使用できるが、テレフタル酸が95〜50モル%の量で存在するのが好ましい。
本発明のポリエステルの製造には公知の従来の重縮合法を使用する。これらは二酸とジオールとの直接縮合又は低級アルキルエステルを用いたエステル交換を含む。本発明のポリエステルのインヘレント粘度は、フェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒中で25℃において、約0.4〜1.0dl/gの範囲であることができる。
重合反応は1種又はそれ以上の常用の重合触媒の存在下で実施できる。ポリエステルの縮合に典型的な触媒又は触媒系は公知である。適当な触媒は、例えば米国特許第4,025,492号、第4,136,089号、第4,176,224号、第4,238,593号及び第4,208,527号に開示されている。これらの特許の開示を引用することによって本明細書中に組み入れる。更に、R.E.Wilfong,Journal of Polymer Science,54,385(1961)は、ポリエステル縮合反応において有用な典型的な触媒を記載している。好ましい触媒系としては、Ti、Ti/P、Mn/Ti/Co/P、Mn/Ti/P、Zn/Ti/Co/P、Zn/Al及びLi/Alが挙げられる。重縮合にコバルトを用いない場合には、色が重要な性質である可能性のある用途に適当であるように、共重合性トナーをコポリエステル中に混和してコポリエステルの色を調整することができる。触媒及びトナーに加えて、他の常用の添加剤、例えば酸化防止剤、染料なども標準的な量でコポリエステル化に使用できる。
1種又はそれ以上の分岐剤も本発明に関連してポリエステルを形成するのに有用な場合がある。分岐剤は、ポリエステルの酸単位部分中に又はグリコール単位部分中に分岐を生じるものであることができ、又はハイブリッドであることもできる。これらの分岐剤のいくつかは本明細書中に既に記載してある。しかし、このような分岐剤の実例となるのは、多官能価酸、多官能価グリコール及び酸/グリコール混成物である。例としては、トリ又はテトラカルボン酸、例えばトリメシン酸、ピロメリット酸及びそれらの低級アルキルエステルなど並びにテトロール、例えばペンタエリトリトールが挙げられる。トリオール、例えばトリメチロールプロパン又はジヒドロキシカルボン酸及びヒドロキシジカルボン酸並びに誘導体、例えばジメチルヒドロキシテレフタレートなども、本発明に関して有用である。トリメリット酸無水物は好ましい分岐剤である。分岐剤はポリエステル自体を分岐させるため又は本発明のポリエステル/ポリカーボネートブレンドを分岐させるために使用できる。
本発明において有用なポリカーボネートは、炭酸結合によって結合される二価フェノールの二価残基を含んでなり、構造式II及びIIIによって表される。
式II
Figure 2006507162
式III
Figure 2006507162
前記式において、Aは炭素数1〜8のアルキレン基;炭素数2〜8のアルキリデン基;炭素数5〜15のシクロアルキレン基;炭素数5〜15のシクロアルキリデン基;カルボニル基;酸素原子;硫黄原子;−SO−若しくは−SO2;又はe及びgが共に数字0〜1を表すことに従う基を表し;ZはF、Cl、Br又はC1〜C4アルキルを表し;いくつかのZが1つのアリール基の置換基である場合には、それらは互いに同一であっても異なってもよく;dは0〜4の整数を表し;fは0〜3の整数を表す。
用語「アルキレン」とは2つの原子価が異なる炭素原子上にある二価の飽和脂肪族基、例えばエチレン;1,3−プロピレン;1,2−プロピレン;1,4−ブチレン;1,3−ブチレン;1,2−ブチレン;アミレン;イソアミレンなどを意味する。用語「アルキリデン」とは2つの原子価が同一原子上にある二価の基、例えばエチリデン、プロピリデン、イソプロピリジン、ブチリデン、イソブチリデン、アミリデン、イソアミリデン、3,5,5−トリメチルへキシリデンを意味する。「シクロアルキレン」の例はシクロプロピレン、シクロブチレン及びシクロヘキシレンである。「シクロアルキリデン」の例はシクロプロピリデン、シクロブチリデン及びシクロへキシリデンである。C1〜C4アルキルの例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及びイソブチルである。
使用した二価フェノール類は公知であり、反応性基はフェノール性ヒドロキシル基と考えられる。使用した二価フェノール類の一部の典型的なものは、ビスフェノール類、例えば2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルフィド、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホキシド、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、α,α’−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン及び4,4’−スルホニルジフェノールである。他の二価フェノール類としてはヒドロキノン、レゾルシノール、ビス−(ヒドロキシフェニル)−アルカン類、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−ケトン類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホキシド類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルフィド類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホン類及びα,α−ビス−(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン類並びにそれらの核アルキル化化合物が挙げられるであろう。これらの及び更なる適当な二価フェノール類は、例えば米国特許第2,991,273号;第2,999,835号;第2,999,846号;第3,028,365号;第3,148,172号;第3,153,008号;第3,271,367号;第4,982,014号;第5,010,162号に記載されており、これらの特許を全て引用することによって本明細書中に組み入れる。本発明のポリカーボネートは、それらの構造中に、1種又はそれ以上の適当なビスフェノール類から得られた単位を伴うことができる。最も好ましい二価フェノールは2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)である。
カーボネート前駆体は典型的にはハロゲン化カルボニル、ジアリールカーボネート又はビスハロホルメートである。ハロゲン化カルボニルとしては、例えば臭化カルボニル、塩化カルボニル及びそれらの混合物が挙げられる。ビスハロホルメートとしては二価フェノールのビスハロホルメート、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメート又はグリコールのビスハロホルメートなどが挙げられる。前記カーボネート前駆体は全て有用であるが、ホスゲンとして知られる塩化カルボニル、及び炭酸ジフェニルが好ましい。
芳香族ポリカーボネートは、任意の方法によって、例えば二価フェノールとカーボネート前駆体、例えばホスゲン、ハロホルメート又は炭酸エステルとを溶融又は溶解して反応させることによって製造できる。適当な方法は、米国特許第2,991,273号;第2,999,846号;第3,028,365号;第3,153,008号;第4,123,436号に開示されており、これらの特許を全て引用することによって本明細書中に組み入れる。
本発明のポリカーボネートはゲル透過クロマトグラフィーによって測定された重量平均分子量が約10,000〜200,000、好ましくは15,000〜80,000であり、300℃におけるASTM D−1238によるメルトフローインデックスが約1〜65g/10分、好ましくは約2〜30g/10分である。ポリカーボネートは、分岐していてもしていなくてもよい。ポリカーボネートは種々の公知の末端基を有することができると考えられる。これらの樹脂は公知であり、商業的に容易に入手できる。
本発明のポリカーボネートの製造には1種又はそれ以上の分岐剤を使用することもできる。一般に、三官能価及び四官能価フェノール類並びに炭酸類、更に炭酸側鎖を有するビスフェノール類のような分岐剤を使用する。例としては、1,4−ビス(4’,4”−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン及びトリスフェノールTCが挙げられる。窒素含有分岐剤も使用される。例としては、塩化シアン(cyanic chlorid)及び3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールが挙げられる。
本明細書中において、「ポリマー混和性」はポリマーが単一相を形成することと定義する。
本発明の好ましい混和性ブレンドは最初にResearch Disclosure 22921(1983年5月)に開示された。これはポリカーボネートと、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールとの混合物に基づくポリエステルとのブレンドに関する。同様な混和性ブレンドは米国特許第4,786,692号及び第5,478,896号に開示されている。ポリカーボネートと別の系のポリエステル、即ちテレフタル酸及びイソフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとの混合物に基づくものとのブレンドが米国特許第4,188,314号及び第4,391,954号に開示されている。英国特許明細書第1,599,230号(1980年1月16日公表)はポリカーボネートと1,4−シクロヘキサンジメタノール及びヘキサ炭素環式ジカルボン酸のポリエステルとのブレンドを開示している。Mohnらは、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル酸又はテレフタル酸/イソフタル酸混合物に基づくポリエステルとポリカーボネートとのブレンドの熱的性質について報告し[J.Appl.Polym.Sci.,23,575(1979)]、2つの系の間の作用の差はごくわずかであり、且つこれらの結果が予想外のことではないという結論を下した。最近になって、これらの混和性ブレンド系の改良がなされ、その著者らによって特許出願された。
本発明の好ましい実施態様は、(1)装飾層及び(2)上部又は下部シート材料を含む本発明の積層体であるが、同じ熱可塑性物品内に複数のこのような積層体、即ち装飾層、上部又は下部シート材料、装飾層、上部又は下部シート材料などが存在し得ることも本発明の範囲内である。更に、熱可塑性物品が、複数の上層又は複数の下層、即ち装飾層、上部若しくは下部シート材料、上部若しくは下部シート材料、上部若しくは下部シート材料など、又は1層の装飾層が依然として熱可塑性物品の表面に存在するならば、装飾層と上部若しくは下部シート材料との任意の組合せを有する本発明の積層体を含むことができるのも本発明の範囲内であると考えられる。
場合によっては、本発明において前述した層のいずれかの間に接着層を使用することができる。この接着層は公知の任意の接着剤を含むことができる。本発明の範囲内の具体例はポリウレタン、改質ポリエチレン、スルホポリエステル、エポキシ系被覆であり、それらは全て公知である。本発明の実施において接着剤として有用なスルホポリエステルは線状でも分岐していてもよい。好ましいスルホポリエステルは−25℃〜+90℃のガラス転移温度(Tgと表される)を有する。より好ましいスルホポリエステルは0〜+65℃のTgを有する。更に好ましいスルホポリエステルは+5〜+55℃のTgを有する。有用なスルホポリエステル及びその製造方法は米国特許第3,546,008号;第3,734,874号;第4,233,196号;第4,946,932号;第5,543,488号;第5,552,495号;第5,290,631号;第5,646,237号;第5,709,940号;及び第6,162,890号に記載されている。別法として、水分散性ホスホポリエステル、例えば米国特許第4,111,846号に記載されたものを有利に使用できるが、これらのポリマーは、水性系における加水分解安定性が欠如するため、実際の使用にはそれほど望ましくない。
前に示した好ましいTg範囲に加えて、有用なスルホポリエステルは、フェノール/テトラクロロエタンの60/40重量部溶液中で25℃において溶媒100mL中ポリマー約0.25gの濃度で測定した場合に、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2、より好ましくは少なくとも0.3のインヘレント粘度(分子量の尺度)を有する。米国特許第5,543,488号に記載されたような分岐スルホポリエステルの場合には、好ましい組成物は少なくとも4000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有する。
本発明のポリエステル/ポリカーボネートブレンドは従来の溶融加工法によって製造できる。例えばポリエステルのペレットをポリカーボネートのペレットと混合し、その後に一軸又は二軸スクリュー押出機上で溶融ブレンドして、均質混合物を形成できる。
本発明の混和性ブレンド組成物は、ポリエステル/ポリカーボネートブレン中で使用されることが当業界で知られている、耐衝撃性改良剤、UV安定剤、安定剤、成核剤、増量剤、難燃剤、補強剤、充填剤、帯電防止剤、離型剤、着色剤、酸化防止剤、押出助剤、スリップ剤、剥離剤、カーボンブラック及び他の顔料など並びにそれらの混合物を含むことができる。具体的には、必要に応じて更に減色するために燐を基材とする安定剤を使用することが当業界で知られている。
用語「表面に」とは、装飾層が上部又は下部シート材料の表面に積層又は接着される場合と、装飾層が上部又は下部シート材料の表面中に埋め込まれる場合を含む。
本発明の熱可塑性物品は別の成分として装飾材料を含む。装飾材料は金属ワイヤ、ロッド又はバー;天然繊維、ガラス繊維、無機繊維、布、紙;及び印刷層を含むことができる。
例えば布は封入される装飾材料として使用できる。布は、例えば製織又は編成技術によって、布中に形成されたイメージ又は装飾図案を表示することができる。本発明の製品の製造に使用できる布は、織物繊維、即ち天然、半合成又は合成ポリマー材料の繊維を含む。例えば布は綿、ウール、絹、レーヨン(再生セルロース)、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、合成ポリアミド、例えばナイロン66及びナイロン6、合成ポリオレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン、アクリル、モダクリル及びセルロースアセテート繊維から製造することができる。織物繊維の融点は、本発明の製品の製造又は加工の間に布の劣化や歪みを生じないように充分に高い温度でなければならない。布は、製織、スパンボンド、編成又は織物業においてよく知られた他の方法によって製造することができ、着色しなくてもよいし(例えば、白色)、常用の染色及びプリント技術によって着色してもよい。別法として、布は、染糸から、又は原着ポリマーから得られたフィラメント及び糸から製造できる。通常、本発明の熱可塑性物品の内部に存在する布は、実質的に連続的であり、別個の層を構成している。従って、本発明の一実施態様は、(1)織物繊維から成る又は織物繊維から製造された布層及び(2)前述した混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドの上層又は下層を含んでなる新規な積層体である。
別の例として、本発明の熱可塑性物品の第2成分(装飾成分)は、金属ワイヤ、ロッド又はバーを含むことができる。金属ワイヤは、金属メッシュ布、スクリーン、又は透明度の高い、目の粗いメッシュを形成するために種々の方法によって形成できる。金属ワイヤ、ロッド又はバーは、製織し、溶接し、編成し、又は金属ワイヤ製造業においてよく知られた他の方法によって作製することができる。金属ワイヤ、ロッド及びバーは黒色、灰色、緑色、青色のような種々の色であることができる。金属成分は銅、アルミニウム、ステンレス鋼、鋼、亜鉛メッキ鋼、チタンなど又はそれらの組合せのような種々の金属材料を含むことができる。熱可塑性物品の金属成分は、種々の断面積及び断面の幾何学的形状、例えば概ね円形、卵形又は比較的扁平の形状を有するワイヤフィラメント、ロッド及びバーから製造することができる。ワイヤ、ロッド及びバーの厚さ又は直径は、熱可塑性物品の最終用途に応じて、約0.001〜19mm(0.00004〜0.75インチ)の範囲であることができる。しかし、本発明の製品のほとんどに関しては、ワイヤ、ロッド及びバーの厚さ又は直径は約0.0254〜5.08mm(0.001〜0.20インチ)の範囲である。従って、本発明の一実施態様は、(1)金属ワイヤメッシュ及び(2)前述したような混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドの上層又は下層を含む新規積層体である。
更に、装飾成分は化粧紙又は印刷紙、着色フィルム、画像又は写真が印刷されたフィルムなどであることができる。
本発明の熱可塑性物品は装飾壁、パーティション及びグレージング材の製造に使用できる。熱可塑性物品は熱成形業界において知られた方法に従って熱成形できる。
本発明の熱可塑性物品の製造に使用する上部又は下部シート材料は同一でも異なっていてもよい。例えば上部及び下部シート材料は異なる混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンド(本明細書中で定義した通り)又は異なる添加剤、例えば混和性ポリエステル/ポリカーボネートシート材料の透明度を変える顔料添加剤を含む混和性組成物から製造できる。
本発明の熱可塑性物品の製造に使用するシート材料は透明、半透明であることができ、あるいは目的とする美的効果に応じて、1層が不透明であることができる。上部シート材料と下部シート材料とは、透明度又は透光度及び更に色が異なることができる。上部及び下部シート材料を異なる混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドから製造する場合には、混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドは熱的相溶性でなければならない。本明細書中で定義する「熱的相溶性」とは、シート材料の層を高温高圧条件下で結合させる場合に、固体表面が実質的に平面であるようにほぼ等しい熱膨張又は収縮を受けることを意味する。
熱可塑性物品の製造に使用するシート材料の厚さは、本発明の重要な特徴ではなく、機能性、重量、コストなどのような多数の要因によって決まる。上層(若しくは外層)又は上面を形成するシート材料は、厚さが一般に約0.76〜6.4mm(0.03〜0.25インチ)、好ましくは約1.6〜3.2mm(0.063〜0.126インチ)の範囲である。下層(若しくは裏打ち層)又は下面を形成するシート材料は、厚さが典型的には約0.76〜6.4mm(0.03〜0.25インチ)、好ましくは約3.2mm(0.126インチ)である。
本発明の熱可塑性物品は、積層体を、上部又は下部シート材料を装飾層に結合(又は融着)させるのに充分な温度及び圧力に供することによって製造できる。しかし、完成品又はシート材料に分解、歪み又は他の不所望な影響をもたらす温度は避けなければならない。このような極端な温度の回避は、純粋なポリカーボネートシートの使用に比較して、本発明の混和性ポリエステル/ポリカーボネートシート材料が優れている点である。結合温度は、通常は約90〜300℃(194〜572°F)、好ましくは約129〜260℃(265〜500°F)の範囲である。本発明の熱可塑性物品の結合又は積層に使用する圧力は好ましくは約0.65〜3.45MPa(約95〜500ポンド/平方インチ−psi)の範囲である。熱可塑性物品を結合するのに最適な温度は、例えば使用する個々の混和性コポリエステル/ポリカーボネートブレンド及び使用するシート材料の厚さによって異なる。当業者ならば、この最適温度を決定することができる。積層体を適当な温度及び圧力に約4〜24分間、あるいは上部シート材料と下部シート材料との間に結合が形成される時間まで保持する。4〜24分後、混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドシート材料の温度がそのガラス転移温度未満に低下するまで、結合/融着熱可塑性物品を、約0.69〜2.4MPa(約100〜350psi)、好ましくは約1.4MPa(200psi)の圧力下で冷却する。結合プロセスの間に、混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドシート材料は、接着剤を用いずに装飾材料に結合又は融着させることができる。積層プロセスは、熱可塑性シート材料の装飾材料への接着を強化するために、布上に接着剤又はカップリング剤を使用することができる。
本発明の製品及びシート(sheeting)の製造に使用するシート材料を構成する混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドは、一部の最終用途に必要であるか望ましいかもしれないほどには、硬質でも耐引掻き性でもない場合がある。例えば熱可塑性物品の外面が引掻き又は摩耗を受ける可能性がある最終用途、即ちプライバシー・パーティションへの使用は、外面への耐摩耗性被覆の適用を必要とする場合がある。例えばフッ素化炭化水素、ポリ(パーフルオロエチレン)、例えばTEDLAR(duPont Chemical Company)又は延伸ポリ(エチレンテレフタレート)、例えばMYLAR(duPont Chemical Company)から成るフィルムを用いて、耐薬品性及び耐摩耗性を向上させることができる。耐摩耗性フィルムは典型的には約0.025〜0.254mm(0.001〜0.01インチ)、好ましくは約0.051〜0.178mm(0.002〜0.007インチ)、最も好ましくは約0.076mm(0.003インチ)の範囲の厚さを有する。しかし、このようなフィルムの厚さは装置入手コスト及び機能性の問題によってのみ制限されるので、これらの範囲より薄い又は熱い耐摩耗性フィルムも使用できる。場合によっては、混和性コポリエステル/ポリカーボネートブレンドと耐摩耗性フィルムとの間に接着剤を使用することもできる。
別法として、耐摩耗性被覆をプラスチックフィルムに適用し、次いで耐摩耗性被覆を有するフィルムを、本発明の製品の片面又は両面に積層することができる。フィルムは、ポリ塩化ビニル、PETGコポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネート、混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドなどのような、積層プロセスと適合性の多数の熱可塑性材料から選ぶことができる。本明細書中において、PETGは、テレフタル酸、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含んでなるポリエステルと定義する。好ましくはPETGは、合計100モル%の二酸のモル百分率及び合計100モル%のジオールのモル百分率に基づき、テレフタル酸を80〜100モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを20〜60モル%及びエチレングリコールを80〜40モル%を含む。
フィルムの厚さは0.0025〜0.381mm(0.001〜0.015インチ)の範囲であることができ、0.0762〜0.203mm(0.003〜0.008インチ)の厚さが最も好ましい。被覆は、熱によって硬化される、ポリウレタン樹脂、フッ素化ポリウレタン樹脂及び珪素樹脂のような多数の市販材料から選ぶこともできるし、あるいは紫外線(UV)又は電子ビーム(EB)によって硬化される材料から選ぶこともできる。このようなUV/EB硬化材料は、アクリル酸樹脂及びフッ素、シリコーン、エポキシ、ポリエステル、ポリエーテル若しくはカプロラクトン残基又は官能基を含む改質アクリル酸樹脂の一般的種類に分類される。選択される個々の被覆材料は、主として、必要とされる耐摩耗性の程度によって決まる。耐摩耗性被覆の液体、熱−又はUV/EB−硬化性前駆体の適用は、常法に従って実施でき、通常はロール被覆機上で行う。フィルムに被覆される被覆の厚さは、一般に0.0076〜0.051mm(0.0003〜0.002インチ)であり、約0.0127mm(0.0005インチ)の厚さが最も好ましい。
これらの被覆は、ペイントの被覆と同様な方法で被覆できる。被覆は、揮発分がごくわずかな、ほとんど未希釈の材料として、又は溶剤型又は水性材料として存在する。方法の一部として、構造体に積層することができるフィルムに被覆される以外に、これらは完成品に直接被覆できる。被覆は、ロール塗り、塗装、噴霧、ミスト噴霧、浸漬などのような種々の方法で実施できる。
ポリエステル/ポリカーボネートブレンドを基材とする熱可塑性物品又は積層体は、その後に種々の有用な物品に造形及び熱成形することができる。実例として、熱可塑性物品は、スライド式ガラス戸、シャワードア、玄関ドア、プライバシー・パーティション、多層ガラス窓(multi−paned window)及びテーブルトップ並びに他の家具部品に熱成形したり、他の方法によって造形したりすることができる。装飾材料の性質に応じて、本発明の熱可塑性物品は二次成形、ドレープ熱成形又は一次成形することができる。更に、本発明の製品は魅力的な外観と、それらから製造される建築材料の輸送及び設置を容易にする低密度を有する。
本発明を、その好ましい実施態様に関する以下の実施例によって更に説明するが、これらの実施例は説明のためにのみ記載するのであって、特に断らない限り、本発明の範囲を限定することを意図としないことは言うまでもない。出発原料は、特に断らない限り、市販品である。
実施例1
この実施例に関しては、2種の装飾積層体を製造する。積層体Aは混和性コポリエステル/ポリカーボネートブレンド(PCTG 75重量%/PC 25重量%)の1/4インチのシートの一方の表面上にポリエチレン系布が配置されたものを含む。積層体の全厚は約1/4インチである。積層体Bは純粋なコポリステル(PETG)の1/4インチのシートの一方の表面上にポリエチレン系布を配置したものから成る。次いで、2フィート×2フィートのサイズの積層シートを、クランプ付フレーム中に入れ、60℃において均一な荷重(10psi)をかける。10時間後、依然として荷重下にある2つ積層体の中心(最大)撓みを測定した。積層体Aは3.5”の撓みを有し、積層体Bは4.5”の撓みを有していた。この実施例におけるPETGは、31モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールで改質されたポリ(エチレンテレフタレート)である。この実施例におけるPCTGは、34モル%のエチレングリコールで改質されたポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)である。この実施例におけるPCは、ポリカーボネート、即ちビスフェノールAを意味する。
実施例2
この実施例に関しては、2種の装飾積層体を製造する。積層体Aは、混和性コポリエステル/ポリカーボネートブレンド(PCTG 75重量%/PC 25重量%)の1/8インチのシートの一方の表面上にポリエチレン系布が配置したものから成る。積層体の全厚は約1/8インチである。積層体Bは、純粋な(PC)の1/8”のシートの一方の表面上にポリエチレン系布が配置されたものから成る。製造された2枚の積層シートA及びBのサイズは、2フィート×2フィートである。2つの積層体を実験室環境に、特に水分レベルについて2ヶ月間平衡化させる。等しい平衡化後、2つの積層体をBrown熱成形ユニット中に入れて、成形品、この場合にはカップを成形する。膨れについて観察を行う。この実施例におけるPCTGは、34モル%のエチレングリコールで改質されたポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)である。この実施例におけるPCは、ポリカーボネート、即ちビスフェノールAである。
本発明を、特にその好ましい実施態様に関して詳述したが、本発明の精神及び範囲内において変形及び変更が可能であることは言うまでもない。

Claims (35)

1つ又はそれ以上の積層体に熱及び圧力を適用することによって得られる、1種又はそれ以上の装飾材料を表面に有する熱可塑性物品であって、前記積層体の少なくとも1つが、(1)1種又はそれ以上の装飾材料及び(2)少なくとも1種の上部シート材料又は少なくとも1種の下部シート材料を含んでなり、前記上部又は下部シート材料が、
(a)脂肪族、脂環式及び/又は芳香族ジカルボン酸からなる群から選ばれた二酸残基成分(前記芳香族ジカルボン酸の芳香族部分は炭素数が6〜20であり、前記脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の脂肪族又は脂環式部分は炭素数が3〜20である)並びに45〜100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール及び、場合によっては、少なくとも1種の、炭素数2〜20の追加脂肪族ジオールを含んでなるグリコール残基成分(グリコール成分の総モル%は100モル%である)を含むポリエステル1〜99重量%並びに
(b)芳香族ポリカーボネート99〜1重量%
を含んでなるポリエステル/芳香族ポリカネートブレンド(前記ポリエステル/ポリカーボネートブレンド中のポリエステル及びポリカーボネートの総百分率は100重量%である)から形成される熱可塑性物品。
前記ポリエステル/芳香族ポリカーボネートブレンドが前記ポリエステルを50〜90重量%の量で且つ前記芳香族ポリカーボネートを50〜10重量%の量で含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステル/芳香族ポリカーボネートブレンドが前記ポリエステルを60〜80重量%の量で且つ前記芳香族ポリカーボネートを40〜20重量%の量で含む請求項2に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステル/芳香族ポリカーボネートブレンド中のポリエステルが式:
Figure 2006507162
[式中、Rは45〜100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール及び55〜0モル%の、炭素数2〜20の少なくとも1種のアリール、アルカン若しくはシクロアルカン含有ジオール又は化学的等価物の残基を含むジオール残基成分であり;R1は炭素数3〜20のアリール、脂肪族若しくはシクロアルカン含有二酸又はその化学的等価物から得られた脱カルボキシル化残基を含む二酸残基成分である]
を含んでなる請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステルの前記ジオール残基成分がエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−若しくは1,3−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール及び2,2,4,4−テトラメチルー1,3−シクロブタンジオールからなる群から選ばれる請求項4に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステルの前記二酸残基成分がマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−、1,5−及び2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸並びにシス−若しくはトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−及びトランス−4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸並びに1,4−、1,5’−、2,3−、2,6−及び2,7−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる請求項4に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステル/芳香族ポリカーボネートブレンドのポリエステルがテレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステル/芳香族ポリカーボネートブレンドのポリエステルがテレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールを含む請求項7に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステルがテレフタル酸を80〜100モル%の量で、1,4−シクロヘキサンジメタノールを45〜100モル%の量で、そしてエチレングリコールを0〜55モル%の量で含む請求項4に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステルがテレフタル酸を80〜100モル%の量で、1,4−シクロヘキサンジメタノールを60〜80モル%の量で、そしてエチレングリコールを40〜20モル%の量で含む請求項9に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステル/芳香族ポリカーボネートブレンドのポリエステルがテレフタル酸、イソフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステルがテレフタル酸を50〜95モル%の量で、イソフタル酸を5〜50モル%の量で、そして1,4−シクロヘキサンジメタノールを90〜100モル%の量で含む請求項11に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステルが1,4−シクロヘキサンジメタノールを100モル%の量で含む請求項12に記載の熱可塑性物品。
前記ポリエステルが多官能価酸、多官能価グリコール及び酸/グリコール混成物から選ばれた分岐剤を含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記分岐剤がトリメシン酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物、トリメチロールプロパン、ジメチルヒドロキシルテレフタレート及びペンタエリスリトールからなる群から選ばれる請求項14に記載の熱可塑性物品。
前記芳香族ポリカーボネートが1種又はそれ以上の二価フェノール類とカーボネート前駆体との反応によって製造される請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記二価フェノールが2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルフィド、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホキシド、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、α,α’−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン及び4,4’−スルホニルジフェノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビス−(ヒドロキシフェニル)−アルカン類、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−ケトン類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホキシド類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルフィド類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホン類及びα,α−ビス−(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン類からなる群から選ばれる請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記二価フェノールが2,2−ビスー(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンである請求項17に記載の熱可塑性物品。
前記カーボネート前駆体がハロゲン化カルボニル、ジアリールカーボネート及びビスハロホルメートからなる群から選ばれる請求項16に記載の熱可塑性物品。
前記ハロゲン化カルボニルが臭化カルボニル、塩化カルボニル及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項19に記載の熱可塑性物品。
前記ビスハロホルメートが2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメート及びグリコールのビスハロホルメートからなる群から選ばれる請求項19に記載の熱可塑性物品。
前記ハロゲン化カルボニルが塩化カルボニルである請求項20に記載の熱可塑性物品。
前記ジアリールカーボネートが炭酸ジフェニルである請求項19に記載の熱可塑性物品。
前記ポリカーボネートが三官能価及び四官能価フェノール類、炭酸類並びに炭酸側鎖を有するビスフェノール類からなる群から選ばれた1種又はそれ以上の分岐剤を含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記ポリカーボネートが1,4−ビス(4’、4”−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン及びトリスフェノールTCから選ばれた1種又はそれ以上の分岐剤を含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記ポリカーボネートが窒素含有分岐剤を含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記ポリカーボネートが塩化シアン及び3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールから選ばれた1種又はそれ以上の分岐剤を含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記ブレンドが耐衝撃性改良剤、UV安定剤、燐含有安定剤、成核剤、増量剤、難燃剤、補強剤、充填剤、帯電防止剤、離型剤、着色剤、酸化防止剤、押出助剤、スリップ剤、剥離剤、カーボンブラック及び他の顔料からなる群から選ばれた1種又はそれ以上の添加剤を含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記装飾材料が金属ワイヤ、ロッド又はバー;天然繊維、ガラス繊維、無機繊維、布、紙及び印刷層からなる群から選ばれる請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記上部又は下部シート材料が0.76〜6.4mmの範囲の厚さを有し且つ前記装飾材料の厚さが0.254〜5.08である請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記製品が、前記製品の外面の一方又は両方に耐摩耗性被覆を含む請求項1に記載の熱可塑性物品。
前記耐摩耗性被覆が0.0127〜0.254mmの範囲の厚さを有するフィルムとして提供される請求項31に記載の熱可塑性物品。
前記耐摩耗性フィルムが0.017〜0.254mmの範囲の厚さを有するフッ素化炭化水素、ポリ(パーフルオロエチレン)、アクリル又は延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムとして提供される請求項31に記載の熱可塑性物品。
前記耐摩耗性被覆がポリ塩化ビニル、PETGコポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(メチルメタクリレート)又はポリカーボネートのフィルム上の熱硬化、紫外線硬化又は電子ビーム硬化材料である請求項31に記載の熱可塑性物品。
前記耐摩耗性被覆が熱硬化珪素樹脂、ポリウレタン樹脂若しくはフッ素化ポリウレタン樹脂、又はポリウレタン、フッ素化ポリウレタン、シリコン、エポキシ、ポリエステル、ポリエーテル若しくはカプロラクトン残基を含む改質アクリル酸樹脂から選ばれた紫外線−若しくは電子ビーム−硬化材料である請求項31に記載の熱可塑性物品。
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