JP2006503216A - 過給機及び予燃室を備えた点火プラグを有する内燃エンジン、点火方法、及び適用 - Google Patents

過給機及び予燃室を備えた点火プラグを有する内燃エンジン、点火方法、及び適用 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1つのエンジン部材を備える内燃エンジンに関し、エンジン部材は、燃料成分及び酸化剤成分を含む可燃性混合物のための燃焼室(4)と、イグナイタによる可燃性混合物の点火システム(7)と、連続した燃料成分及び酸化剤成分のための連通装置、及び燃焼生成物のための連通装置とを備え、エンジンは、エンジン部材の上流の酸化剤成分の給気圧による過給式内燃エンジンである。本発明によれば、点火システムは、予燃室(1)においてイグナイタを取り囲む壁を有する実質的に球形の閉じたヘッド(6)(12a)を含み、ヘッドは、可燃性混合物が予燃室に流入できるように、燃焼室と予燃室とを連通させるようになった1組のオリフィス(5)を含む。本発明の変形例において、連通装置の少なくとも1つは、燃料成分及び/又は燃料の全て又は一部を燃焼室内へ噴射するための直接インジェクタである。また、方法及び適用についても記載されている。

Description

本発明は、過給機及び予燃室を備えた点火プラグを有する内燃エンジン、点火方法、及びその方法の内燃エンジンへの適用に関する。2サイクル又は4サイクルの内燃式の燃料エンジンやガスエンジン等の業界、オートバイ、自動車、航空機等の原動機付きの乗物、並びに発電機や工作機械等の原動機付き装置が対象である。好ましくはピストン/クランクシャフト式エンジンで実施されるが、ロータリー式エンジンにも適用できる。
内燃エンジンは、長年にわたって知られており継続的に開発が行われている。本明細書では、従来技術として、可燃性混合物の燃焼によるピストンの往復運動を回転運動へ変換することができるピストン及びクランクシャフトを備えた最も従来形式の内燃エンジンについて検討する。この形式のエンジンは、1つ又は複数のエンジン部材を含む。各々のエンジン部材としては、この形式のエンジンではピストンである圧縮システムが組み込まれ、一般にはガソリン及び空気である燃料成分及び酸化剤成分を含む可燃性混合物のための、シリンダとも呼ばれる燃焼室、電気火花発生器による可燃性混合物の点火システム、並びに連続的な燃料成分及び酸化剤成分のための連通装置、及び燃焼生成物のための連通装置を挙げることができる。この形式のエンジンの作動は、2サイクル、4サイクルに関わらず従来から知られており本明細書では詳細に説明しない。本明細書では、特に、加圧器によって少なくとも酸化剤成分が高圧で燃焼室に導入される過給式エンジンについて検討する。一般に、この加圧器は、排気ガスによって駆動され、シリンダに注入する必要がある空気を圧縮するタービンである。ターボ圧縮器、単純な圧縮器、圧力波システム等の他の形式の加圧器を使用することもできる。
過給式エンジンの場合には加圧システムを熱から保護する必要がある。実際には、排気ガスによって駆動されるタービンの場合を考えると、タービンは、エンジンから排出される高温ガス流に直接曝されるが、注入される最大温度に対する耐破壊性には限界がある。通常、この欠点を改善するために、燃料を追加することでリッチ化を行いエンジン出口で燃焼するガス温度を制限するようになっている。実際には、供給された余剰燃料は、シリンダ内に存在する空気量が不十分なので燃焼しないが(シリンダ内に存在する空気量は、空燃比1に等しい燃料を燃焼できるに過ぎない)、この余剰燃料は気化して排気ガスの温度を下げることができる(気化潜熱)。従って、シリンダから排出されるガス温度は下がる。しかしながら、この効果は供給された余剰ガソリンに比例し、この余剰ガソリンは排出ガスの温度を下げるためにのみ使用されるので、燃料消費量が増えてしまう。
数年にわたって、内燃エンジンの作動を最適化し、特にそれらの燃料消費量を低減する、並びに燃焼生成物を除去して窒素酸化物を低減する努力が払われてきているが、燃焼生成物を除去することは益々最終目標になっている。これを実現するために、この形式のエンジンの基本的作動に改良が加えられている。そのような改良は、例えば、イグナイタ、追加的な装置、及び特に直接噴射エンジンにより酸化剤成分と燃料成分とを供給する方法に関する改良である。また、エレクトロニクス及び計算機の進歩はエンジン作動の改善を可能にしている。
例えば、ダイムラークライスラー社の欧州特許第0831213号には、点火プラグによる火花点火を使用する直接噴射式内燃エンジンが説明されている。インジェクタは、燃料成分を高圧で燃焼室へ直接噴射することを可能にする。点火プラグは、単に燃焼室に露出するスリーブを含むだけである。
仏国特許出願第2,781.840号及び第2,810,692号には、燃焼室から壁によって隔てられた予燃室を備えるエンジン部材の特有の構成が説明されており、この壁は、予燃室内の可燃性混合物の点火によって発生する火炎前面を通過させない。
予燃室内への少量の液体燃料の噴射により点火制御が行われるガスエンジン(CH)は、欧州特許第0957246号に説明されている。
欧州特許第0831213号公報 仏国特許出願第2,781,840号公報 仏国特許出願第2,810,692号公報 欧州特許第0957246号公報
これらの改良は、燃料消費量及びエミッションの低減を大いに可能にしたとしても、対応するエンジンには依然として限界がある。特に、過給式エンジンはリッチ化に起因する過度の燃料消費量による不利益を被る。
本発明は、過給式エンジンにおけるリッチ化を低減することを可能にすると共に、混合物が好ましくない条件下で調製された場合であっても、適正な燃焼、即ち適切な燃焼出力を可能にする点火システムを提供することを意図している。好適な実施形態において、点火システムは、従来型エンジンの点火プラグと置き換えることができ、シリンダヘッドに対して特別な機構を設ける必要はない。点火システムは、燃焼室に関連する部分において、通路孔、オリフィス、又は通路がドリル加工された実質的に球形のヘッドを含み、これらの用語は同義語である。ヘッドの内側には1つ又は複数の電極があり、そこに電圧を印加することによって火花を発生することができる。
従って、本発明は、少なくとも1つのエンジン部材を有する内燃エンジンに関し、このエンジン部材は、
−圧縮システムが組み込まれた、燃料成分及び酸化剤成分を含む可燃性混合物のための燃焼室と、
−イグナイタによる可燃性混合物の点火システムと、
−連続した燃料成分及び酸化剤成分のための連通装置と燃焼生成物のための連通装置と、
を含み、この内燃エンジンは、エンジン部材の上流の酸化剤成分の給気圧による過給式エンジンである。
本発明によれば、点火システムは、予燃室内でイグナイタを取り囲む壁を有する実質的に球形の閉じたヘッドを含み、ヘッドは、可燃性混合物が予燃室内に流入できるように、燃焼室と予燃室とを連通させるための1組のオリフィスを含む。
本発明を実施するための種々の態様において、以下の手段を個別に又は技術的に可能な全ての組み合わせに基づいて使用できる。
−電気火花発生器を含むイグナイタ、
−予燃室を備えた点火プラグである点火システム、
−燃料成分及び酸化剤成分を予燃室内に直接導入するためのシステムを含む点火システム、
−予燃室内へ可燃性混合物を直接導入できる導入装置を含む点火システム、
−予燃室の外側に向かって凸状の、予燃室と燃焼室との間のヘッドの隔壁、
−もしくは、予燃室の外側に向かって凹状の、予燃室と燃焼室との間のヘッドの隔壁、
−もしくは、実質的に多面体、円錐体の、予燃室と燃焼室との間のヘッドの隔壁、
−格子又は多孔質材タイプの壁を含む点火プラグヘッド、
−10W/K/mよりも大きい熱伝導率を有する材料製の、予燃室と燃焼室との間のヘッドの隔壁、
−30/K/mよりも大きい熱伝導率を有する材料製の、予燃室と燃焼室との間のヘッドの隔壁、
−熱伝導率の高い銅合金製の、予燃室と燃焼室との間のヘッドの隔壁、
−CuCr1Zrである銅合金、
−耐熱材を含む、予燃室と燃焼室との間のヘッドの隔壁、
−燃料成分及び酸化剤成分の反応性燃焼及び/又は燃焼生成物の最終的な分解を促進する材料で被覆される、ヘッドの壁、
−3mmよりも小さいか又はこれに等しい直径を有する、ヘッド上の予燃室の各オリフィス、
−最低3個の、ヘッドの予燃室のオリフィス、
−予燃室内における可燃性混合物の燃焼が、実質的に燃焼室全体にわたる可燃性混合物の均質な燃焼を保証するために、オリフィスを通って燃焼室に分布される物質の噴流を引き起こすようにヘッド上に配置される、ヘッドの予燃室のオリフィス、
−少なくとも1つが燃料成分及び/又は酸化剤成分の全て又は一部を燃焼室に噴射する直接インジェクタである、連通装置、
−中心軸線を有する円筒形燃焼室内のピストンである圧縮システム、ピストンに対し実質的に軸線方向に対向して配置されるインジェクタ、インジェクタに対して横方向に配置される点火システム、及び主として軸線方向に配置されるオリフィス、
−中心軸線を有する円筒形燃焼室内のピストンである圧縮システム、ピストンに対し実質的に軸線方向に対向して配置される点火システム、点火プラグに対して横方向に配置される点火システム、及びヘッド表面上に規則的に分布されるオリフィス、
−中心軸線を有する円筒形燃焼室内のピストンである圧縮システム、前記軸線に対して横方向に配置されるインジェクタ及び点火システム、及び主として軸線方向に配置されるオリフィス、
−燃料成分の直接噴射時に燃料成分によって濡れることができるように、燃料成分の噴射経路上に配置される点火プラグのヘッド、
−火炎前面を予燃室から燃焼室へ通過させる通路寸法を有する少なくとも1つのオリフィス
−1mmから3mmの範囲の直径を有する火炎前面を通過させる各オリフィス、
−少なくとも1つが、予燃室から燃焼室へ火炎前面は通過させないが、燃焼室の可燃性混合物の自己点火を可能にするために、予燃室内における燃焼で生じる不安定種は通過させる通路寸法を有するオリフィス、(従って、ヘッドは、上記両タイプのオリフィス、つまり火炎前面を通過させるオリフィス及び通過させないオリフィスを含むことができる。)、
−予燃室本体のヘッド内に設けられ、1個から5個までの、好ましくは1個の火炎前面の伝播を可能にするオリフィス、及び1個から20個までの、好ましくは3個から15個までの火炎前面の伝播を可能にしないオリフィス、
−予燃室から燃焼室へ火炎前面は通過させないが、不安定種は通過させる通路寸法を有するオリフィスのセット、
−1mmよりも小さい直径を有する、火炎前面を通過させない各オリフィス、
−0.5mmと1mmとの間の直径を有する、火炎前面を通過させない各オリフィス、
−その直径よりも小さい長さを有する、各オリフィス、
−燃焼生成物の一部に酸化剤成分を再噴射することを可能にする手段を更に含む、エンジン、
−ヘッドに指向された多数の噴流をもたらす、インジェクタ、
−経時的に分布される噴流、
−エンジンの少なくとも1つの実施形態において、1に等しいか1よりも大きい混合物の空燃比。
また、本発明は、少なくとも1つのエンジン部材を有する内燃エンジンの点火方法に関し、このエンジン部材は、
−圧縮システムが組み込まれた、燃料成分及び酸化剤成分を含む可燃性混合物のための燃焼室と、
−イグナイタによる可燃性混合物の点火システムと、
−連続的な燃料成分及び酸化剤成分のための連通装置と燃焼生成物のための連通装置と、
を含み、この内燃エンジンは、エンジン部材の上流の酸化剤成分の給気圧による過給式エンジンである。
本発明の方法によれば、
−予燃室内でイグナイタを取り囲む壁を有し、可燃性混合物が予燃室内に流入できるように燃焼室と予燃室とを連通させるための1組のオリフィスを含む、実質的に球形の閉じたヘッドを含む点火システムを準備する段階と、
−燃焼室内で可燃性混合物になる燃料成分及び酸化剤成分を燃焼室内に導入する段階と、
−イグナイタによって予燃室内で可燃性混合物の点火を引き起こす段階と、
を含み、予燃室のオリフィスは、燃焼室内の可燃性混合物の点火を可能にする。
また、上記の各段階は、予燃室から燃焼室へ火炎前面を通過させることなく、燃焼室の可燃性混合物の自己点火を可能にするために、予燃室の燃焼で生じる不安定種がオリフィスを通過することを特徴とする方法でもって実施される。
本発明は、前述の特徴による方法を、特に直接噴射を使用する前述のエンジンの1つ又は複数の特徴によるエンジンに適用することに関する。
最後に、本発明は、前述の対応する特徴の1つ又は複数による予燃室を備え、本発明のエンジンでの実施に適する点火プラグに関する。
従って、過給式エンジンにおける本発明の実施は、燃焼が高速でありエンジンサイクル内で速やかに終了するので、高負荷時にリッチ化を制限できる。従って、燃焼によって生じるガスは、燃焼終了とバルブ開放との間の時間が長いので、それほど高温でない状態でシリンダから排出される。従って、タービンを保護するために必要なリッチ化を低減できるので、従来型電極式点火プラグによる従来の点火と比べて、この形式の過給式エンジンの燃料消費量は低減する。本発明による他の利点は点火プラグの電極の保護である。炭化混合物は電極の近傍では一層多く存在するであろう。
更に、予燃室を備える点火システムにより、均質な混合物が少ない場合でも、高速燃焼が可能になる。実際には、一方では幾つかの火炎前面が燃焼室の異なる区域に到達し、他方ではイグナイタのオリフィスから放出されるラジカル(radical)が燃焼室の異なる地点において種(seed)になり、ピストンの上昇によって生じる圧力及び温度の複合効果の下で、これらの先行種が燃焼室の異なる地点で混合物を点火する。従って、燃焼開始に好都合な区域に先行種が存在する確率は、従来の点火プラグの場合よりもずっと高い。更に、予燃室の壁が液体燃料の衝突から電極自体を保護するので、冷間始動性が良好となり、点火プラグの汚れが低減する。また、特定の実施形態においては、予燃室の壁を直接濡らすインジェクタの噴流を使用することが可能であり、これにより炭化混合物が予燃室内部で舞い上がる。このことは、一般に始動及び起爆に対して有利な効果をもたらす。
最後に、層状燃焼の場合には、イグナイタの高温ヘッド上への燃料噴射は、電極近傍の燃料気化によってよりAI/AAロバスト性を高めることができる(AIは噴射の早期化、AAは点火の早期化を表す)。
従って、本発明は、以下に詳細に説明するように、ガソリン又は空気/ガソリン混合物を直接噴射するエンジンの場合には好都合に実施することができる。実際には、直接噴射は、一般には100barの高圧での単一燃料、又は一般には5から10bar程度の低圧での燃料/酸化剤の予混合物に関係するであろう。
本発明は、以下の説明及び図面を参照して例示されている。
イグナイタが点火プラグ式の電気火花を発生させるための放電器である点火システムは、エンジンの形式及び/又は所望の性能に関連して異なる構成を有することができる。例えば、点火プラグは様々な長さであってもよい。予燃室を備えた点火プラグを実施する本発明は、種々の構成の点火プラグを用いることができ、特定の実施例を本説明の最後に示す。本発明において、点火プラグは、以下に詳細に説明する特徴に基づく予燃室を含む。
本発明による点火システムのいくつかの構成に対して実験を行った。特に評価される予燃室を備えた点火プラグの特徴は以下の通りである。
−容積:700mm
−通路断面積:5.1mm
−S/V比(mm−1):7.4x10−3mm−1
(Sは通路断面積の和、Vは予燃室の容積)
−電極間距離:0.7mm
S/V比は特性指標である。S/V比が小さいほど使用される酸化剤及び燃料の出力が大きくなる。球形予燃室の場合が最適である。
本発明の予燃室を備えた点火プラグ式の点火システムは、エンジンに対して特別な機械加工を必要としない構成部品である。直径が14mmよりも小さいか又はこれに等しいので、従来型エンジンの点火プラグに上手く埋め込むことができる。予燃室の容積は、0.2cmから2cmの範囲とすることができる。予燃室は、1.5cm未満の容積、一般には0.5cmから1.5cmの範囲の容積であることが好ましい。一般に、予燃室の容積と主燃焼室の内部容積との比は、一般には0.1%から5%の範囲、好ましくは0.1%から2%の範囲と様々である。点火システムのヘッド形状は球形キャップであることが好ましい。
随意的に、点火システムは、上流で形成された可燃性混合物を予燃室に直接供給すること、又は燃料を導入することができる取入口を更に含むことができ、後者の場合、空気はその後に予燃室内で燃料と混合される。
点火システムは、燃焼室と関連する部分に、孔又はオリフィス又は通路がドリル加工された球形ヘッドを含む。これらの用語は、本発明との関連において同義語である。ヘッドの内部には、電圧を印加することで火花を発生することができる1つ又は複数の電極の形態のイグナイタがある。
点火システムを開発する際に、予燃室の壁に関して複数の材料構成を試験した。即ち、35CD4鋼、Ni−Fe−Cr合金、真ちゅう又は銅−ニッケル−亜鉛合金の、又はニッケル又はアルミニウムを含有する銅合金、熱伝導率の高い銅合金であるCuCrZrである。最良の試験結果は、熱伝導率の高い銅合金CuCrZrで得られた。合金CuCrZrは、Cr>0.4%、Zr0.022%から0.1%、残部が銅である標準組成の合金CRM16xグレードである。
前述のように、予燃室は、10W/K/mよりも大きい、好ましくは30W/K/mよりも大きい熱伝導率を有する材料製とすることができる。従って、熱伝導率が350W/K/mに達する材料を使用することができる。そのような材料、好ましくは銅合金を使用することで、予燃室の壁のエネルギーを放出させて、予燃室における高温点(hot spot)の発生を補うことが可能になる。材料に対して詳細な実験を行ったところ、例えばCuCr1Zr合金の熱伝導率は、20℃において320W/K/mであった。
例示的な他の銅ベース合金の使用可能な材料としては、熱伝導率113W/K/mの真ちゅうCuZn37が考えられる。
下表は、予燃室本体として使用可能な材料である、異なる2成分真ちゅうである、銅−ニッケル、銅−アルミニウム、及び銅−ニッケル−亜鉛合金を示す。熱伝導率のレベル並びに高温(450Kから1,000K)での機械的特性(mechanical handling)は、材料の選択を左右する。
真ちゅう:物理特性
Figure 2006503216
銅−ニッケル−亜鉛合金:物理特性
Figure 2006503216
最後に銅−ニッケル合金の場合、21W/(m・K)(CuNi44Mn)から63W/(m・K)(CuNi5Fe)であり、銅−アルミニウム合金の場合、75から84W/(m・K)(CuAl5、CuAl6)、38から46W/(m・K)(CuAl10Fe5Ni5)である。これらのデータは、「Technique de l’Ingenieur」, Volume MB5, Etude et proprietes des metaux,
M437によるものである。
予燃室を備えたこの形式の点火プラグは、好ましくはエンジンに使用され、燃焼室の空気力学の弊害に対して最適なシリンダヘッドの連通性をもたらす。実際には、予燃室を備えた点火プラグの使用によって得られる燃焼モードにより、燃焼室の空気力学による燃焼速度の増大を必要とせずに、十分な燃焼速度が可能になる。
本発明は、燃料成分が直接噴射されるエンジンのように可燃性混合物が燃焼室に導入される、即ち、混合物がエンジン部材の上流で形成される従来の過給式エンジンに対しても同様に実施できる。
予燃室を備えた点火プラグの性能を評価するための試験は、15bar以上の高度過給式エンジンに対して行った。これらの試験により、予燃室を備えた点火プラグを使用する場合の全負荷リッチ化(PME=有効平均圧力=13bar)に関する改善の方向性が明確になった。
この形式の過給式エンジンの実験時に、特に以下の改善、即ち全負荷時の空燃比の低減、8から14の範囲の容積比におけるノッキング(pinkling)現象の完全な又は部分的な阻止、空気の有効利用が明らかになった。
図1は、予燃室1内で見た場合の、火花3によって生じる燃焼2の進行を示す。
図2は、燃焼室4内で見た場合の、点火プラグのヘッド6の壁の別個のオリフィス5を示し、これらのオリフィスは、予燃室1と主燃焼室とも呼ばれる燃焼室4との間の連通を可能にする。この連通によって、一方では、可燃性混合物が燃焼室から予燃室に向かって流れ、他方では、予燃室内での点火後に、最終的には燃焼室の可燃性混合物が点火することになる。オリフィスの配置により、火炎前面の実質的に均一な分布、及び/又は燃焼室内の可燃性混合物の点火を可能にする不安定な種(species)の実質的に均一な分布が可能になる。
点火プラグ及びそのヘッドは、シリンダヘッドの点火プラグ用通路に何ら変更を加えることなく、従来の点火プラグと置き換えることができる単一の構成部品であることが好ましい。つまり、点火システムは、従来の点火プラグと置き換わる装置で形成される。火花を発生するシステムをヘッドの形状に関連して変更することも可能であり、例えば、中心電極とヘッドの壁との間でアークが形成されるように、中心電極を更にヘッド内で前方に移動させてヘッドの壁に一層近づけることも考えられる。この場合、火花電流を接地に戻すために、壁は導電材料を含有する必要があることを理解されたい。点火プラグのヘッドは、例えばネジ式の取り外し可能な部品にすることも考えられ、この部品は、可能性のあるギャップ調節又は検査のために点火プラグの電極にアクセスできるようにネジを緩めることができる。後者の場合、ヘッドは、保持されることになるシリンダヘッド上のネジ領域内において側面に沿って後方に向かって延び、エンジン振動によりネジが緩むこと又は燃焼室内に落下することがないようにするのが望ましい。
この実施例は単に例示的なものであり、本発明は、多様な可能性に基づいて変更できることを理解されたい。従って、火炎前面を通過させるタイプ及び通過させないタイプの両タイプのオリフィスを備えたヘッドが使用できることを理解されたい。同様に、オリフィスの方向は、エンジン内の別個の部材の相対的な配置に関連して最適化できる。
従って、本発明の適用例として燃料成分を直接噴射するエンジンを挙げることができる。実際には、本発明から離れて、直接噴射式エンジンは、燃焼室内の混合物の均質性に問題があるので、混合物を調製する時に、吸気管内へ噴射するエンジンに比べて一般に不利である。同様に、直接噴射式エンジンは、インジェクタ及び点火プラグの特定の配置構成において、点火プラグの電極に燃料が直接衝突するので、冷間始動性及び汚れの問題がある。最後に、直接噴射式エンジンは、比較的低温の燃料がシリンダ壁に衝突することに敏感である。やはり適切な始動(点火)には、十分な噴流を点火プラグ近傍に到達させることが必要であり、このことは壁の影響が大きいことを示唆している。
本発明の実施により、点火プラグの電極を包み込む点火システムのヘッドによって、これらの欠点をなくすことが可能になる。図3、4、5、6は、直接噴射式エンジン部材に対する本発明の特定の実施形態を示し、インジェクタ8及び点火プラグ7を通るピストン9の軸線方向断面で示されている。酸化剤成分(場合によっては燃料)及び燃焼生成物の連続的な通路に関する別の吸気部材及び排気部材は、本明細書には詳細に示されていない。図3においては、インジェクタ8による燃料成分の噴射フェーズが進行中であり、一部の燃料が予燃室を取り囲む点火プラグ7のヘッド6を濡らすことになる。図4においては、エンジンは高温であり、燃料は「ピストン・ボウル(bowl)」を含むピストン9及び点火プラグ7のヘッド6の上で同時に気化される。図5においては、圧縮フェーズが始まり、可燃性混合物が燃焼室4から点火プラグ7の予燃室1に向かって流れる。図6においては、予燃室1から燃焼フェーズが始まり、火花が発生し、火炎前面の及び/又はオリフィスの形式に基づいて不安定種のヘッド6のオリフィス5の通過によって燃焼室4へ伝播する。
前述のように、本発明を実施することでノッキングを低減でき、このことは特にエンジンの高負荷運転時に明らかである。負荷の大きさに関しては、エンジンの低負荷運転とは、エンジンのアイドル状態から全負荷の1/4までのエンジン運転領域を意味しており、好ましくは、自然給気(atmospheric)エンジンの場合には、アイドル状態から全負荷の10%までの範囲、高度過給式エンジンの場合には、アイドル状態から全負荷の5%までの範囲を意味している。
点火システムのヘッドの別の実施形態において、ヘッドの壁には、エンジンの負荷に応じて火炎前面を通過させるか又は通過させない、異なる効果をもつオリフィスが形成される。この効果は、例えば、低負荷時において少なくとも1つのオリフィスが火炎前面の伝播を可能にし、任意の負荷状態において少なくとも1つのオリフィスが火炎前面の伝播を可能にしないことによって、又は低負荷時に単純に少なくとも1つのオリフィスが火炎前面の伝播を可能にすることによって得られる。エンジンの低負荷運転の場合、火炎前面は、その伝播を可能にする通路によって予燃室から主燃焼室へ流れることができるので、火炎前面によって主要な可燃性混合物の点火が起こる。低負荷時に火炎前面を通過させるオリフィスは、高負荷時にはもはや火炎前面を流さないような構造なので、このオリフィスは火炎前面を消炎させることになり、結果的に、予燃室の可燃性混合物の燃焼による不安定な化合物が存在し、これは主燃焼室内の主要可燃性混合物の自己点火を引き起こす。
この現象は以下のように説明することができる。低過給の場合の予燃室内の少量の空気/燃料混合物について考えると、点火時の予燃室内の圧力上昇は、高負荷の場合よりも非常に小さく、予燃室内の混合物の燃焼によって生じる火炎前面は、大きな直径の通路のおかげで主燃焼室内へ伝播することができる。予燃室と主燃焼室との間の火炎前面の連続的伝播は、従来の制御された点火式エンジンの場合と同様に低負荷時に安定性をもたらす。高負荷の場合、予燃室内の炭化混合物の量は、僅かに過給される場合よりも3倍から7倍大きい。その結果、予燃室内の混合物の燃焼時の圧力上昇が非常に大きくなる。予燃室と主燃焼室との間の圧力差は、予燃室から主燃焼室への火炎前面の伝播を妨げる。それにもかかわらず、通路は不安定化合物の流れを予燃室から主燃焼室へ流すので、ピストンの上昇時に圧縮により主要混合物の自己点火が起こる。
全ての運転状態の下で、この期間の容積に関する特異な効果を得るか否かに関わらず、火炎前面を通過させるか又は通過させないオリフィスを使用することができ、特定の形式のオリフィスは、好ましくは燃焼室の更に特定の領域における燃焼誘発効果をもつようにヘッド上に配置されることを理解されたい。負荷及び容積に関するこれらの特異な効果は、ヘッド上の異なる構造のオリフィスの特別な配置によって組み合わせることができる。
後者と組み合わすことができる点火システムのヘッドの別の実施形態において、予燃室のヘッドの壁の内面及び/又は外面、並びに場合によってはオリフィスの壁は、Al、ZrY(必ずしも化学量論的ではない)、及びTiBの被覆層等の耐熱被覆層で被覆される。これらの被覆層の厚さは、一般に5μmから100μmの範囲であり、好ましくは1μmから50μmである。従って、予燃室の燃焼効率が高くなり、特に高度過給式エンジンの場合には低負荷運転が改善される。
前述のように、予燃室を備えた点火プラグの別の構成を使用できる。図7には、ヘッドの延長部に本体部を含む、予燃室を備えた点火プラグの特定の実施例が示されている。点火プラグ7は、シリンダヘッド10のネジ10a内にねじ込まれており、一部のみが示されている内燃エンジンのシリンダを閉じる。点火プラグ7は、予燃室1の本体部12を含み、この本体部12は全体的には管形状であり、全体的に凸形状で好ましくは球形キャップ形状のヘッド12aを含む。予燃室1の本体部12のヘッド12aは、燃焼室4と予燃室1との間に隔壁を形成する。予燃室1は、中心電極13及び接地電極14を備えるイグナイタを含む。燃焼室4と予燃室1との間に隔壁を形成するヘッド12aには、別個の連通オリフィス5が設けられており、図8に詳細に示されている。
本実施例において、全体的に円筒形状のオリフィス5は、大きな直径、即ち1mmよりも大きな直径で、一般に1mmより大きく3mmまで範囲の直径を有する通路5a、及び小さな直径、即ち1mmに等しいか又はこれよりも小さい直径を有する一連のオリフィス5bから5i(図8の実施形態では7個)を含む。一般に通路の長さは1mmよりも短く、本明細書では球形ヘッド12aの半径方向に指向されている。オリフィスの方向及び/又は構造は、エンジン要素の特定の構造に適するようになっていることを理解されたい。
1mmよりも大きな直径の単一のオリフィス5aが示されているが(好適な実施形態)、ヘッド12aは、大きな直径を複数のオリフィスを含むこともできる。しかしながら、負荷に関連して火炎前面に対して異なる効果をもつオリフィスを備える前述の特定の用途において、オリフィスは、エンジンの高負荷運転時に予燃室から燃焼室へ火炎前面を伝播できない個数及び寸法であることが必要である。
前述の実施例は単に例示的なものであり、本発明は、その全体的な枠組から逸脱することなく多種多様な態様に基づいて実施できることを理解されたい。
予燃室から見た火花で生じた燃焼の進行を示す。 燃焼室から見た点火プラグヘッドの異なるオリフィスを示す。 直接噴射の場合の本発明による異なる作動フェーズに関するシリンダの断面を示す。 直接噴射の場合の本発明による異なる作動フェーズに関するシリンダの断面を示す。 直接噴射の場合の本発明による異なる作動フェーズに関するシリンダの断面を示す。 直接噴射の場合の本発明による異なる作動フェーズに関するシリンダの断面を示す。 点火プラグを備えた点火システムの1つの実施例の部分断面を示す。 点火システムのヘッドの1つの実施形態を示す。
符号の説明
1 予燃室
2 燃焼
3 火花
4 燃焼室
5 オリフィス
6 ヘッド
7 点火プラグ
8 インジェクタ
9 ピストン
10 シリンダヘッド

Claims (19)

  1. 少なくとも1つのエンジン部材を備える内燃エンジンであって、前記エンジン部材は、
    圧縮システム(9)が組み込まれた、燃料成分及び酸化剤成分を含む可燃性混合物のための燃焼室(4)と、
    イグナイタによる前記可燃性混合物の点火システム(7)と、
    連続した燃料成分及び酸化剤成分のための連通装置、及び燃焼生成物のための連通装置と、
    を備え、前記エンジンは、前記エンジン部材の上流の前記酸化剤成分の給気圧による過給式内燃エンジンであり、
    前記燃料は、専ら液体、特にガソリンであり、
    前記点火システムは、予燃室(1)においてイグナイタを取り囲む壁を有する実質的に球形の閉じたヘッド(6、12a)を含み、
    前記ヘッドは、前記可燃性混合物が前記予燃室に流入できるように、前記燃焼室と前記予燃室とを連通させるようになった1組のオリフィス(5)を含む、
    ことを特徴とする内燃エンジン。
  2. 少なくとも1つのオリフィス(5a)は、前記予燃室(1)から前記燃焼室へ火炎前面を通過させる通路寸法をもつことを特徴とする請求項1に記載の内燃エンジン。
  3. 少なくとも1つのオリフィス(5b)は、前記予燃室(1)から前記燃焼室(4)へ火炎前面を通過させないが、前記燃焼室の前記可燃性混合物の自己点火を可能にするために、前記予燃室での燃焼から生じた不安定種を通過させる通路寸法をもつことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃エンジン。
  4. 前記1組のオリフィスは、前記予燃室から前記燃焼室へ火炎前面は通過させないが不安定種は通過させる通路寸法をもつことを特徴とする請求項3に記載の内燃エンジン。
  5. 前記火炎前面を通過させない各々のオリフィスは、1mmよりも小さい直径をもつことを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃エンジン。
  6. 各々のオリフィスは、その直径よりも小さい長さをもつことを特徴とする請求項3、4、又は5のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  7. 前記予燃室(1)と前記燃焼室(4)との間の前記ヘッド(12a)の前記隔壁は、10W/K/mよりも大きい熱伝導率をもつ材料製であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  8. 前記予燃室(1)と前記燃焼室(4)との間の前記ヘッド(12a)の前記隔壁は、高い熱伝導率をもつ銅合金(CuCr1Zr)製であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  9. 前記ヘッドの前記予燃室の前記オリフィスは、最低3個あることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  10. 前記燃焼室へ前記燃料成分を直接噴射する形式であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  11. 前記圧縮システムは、中心軸線を有する円筒形燃焼室内のピストン(9)であり、前記連通装置の少なくとも1つは、前記燃料成分及び/又は前記酸化剤成分の全て又は一部を前記燃焼室に噴射するための直接インジェクタ(8)であり、前記インジェクタは、前記ピストンに対して実質的に軸線方向に対向して配置され、前記点火システム(7)は、前記インジェクタに対して横方向に配置され、前記オリフィスは、実質的に前記燃焼室全体における前記可燃性混合物の燃焼の均質性を保証するために、主として軸線方向に配置されることを特徴とする請求項10に記載の内燃エンジン。
  12. 前記圧縮システムは、中心軸線を有する円筒形燃焼室内のピストン(9)であり、前記連通装置の少なくとも1つは、前記燃料成分及び/又は前記酸化剤成分の全て又は一部を前記燃焼室に噴射するための直接インジェクタ(8)であり、前記点火システム(7)は、前記ピストンに対して実質的に軸線方向に対向して配置され、前記インジェクタは、前記点火システムに対して横方向に配置され、前記オリフィスは、実質的に前記燃焼室全体における前記可燃性混合物の燃焼の均質性を保証するために、前記ヘッドの表面に規則的に分布されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  13. 前記圧縮システムは、中心軸線を有する円筒形燃焼室(4)内のピストンであり、前記連通装置の少なくとも1つは、前記燃料成分及び/又は前記酸化剤成分の全て又は一部を前記燃焼室に噴射するための直接インジェクタ(8)であり、前記インジェクタ及び前記点火システム(7)は、前記軸線に対して横方向に配置され、前記オリフィスは、実質的に前記燃焼室全体における前記可燃性混合物の燃焼の均質性を保証するために、主として軸線方向に配置されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  14. 前記ヘッド(6)は、前記燃料成分の直接噴射時に前記燃料成分によって濡らされ得るように、噴射される前記燃料成分の経路の一部に配置されることを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  15. 前記混合物の空燃比は、前記エンジンの少なくとも1つの実施形態において、1より大きいか又は1に等しいことを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  16. 前記点火システム及びそのヘッドは、従来の点火プラグと置き換わる単一部品であり、前記点火プラグ用の前記シリンダヘッド通路の変更を必要としないことを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
  17. 少なくとも1つのエンジン部材を有する内燃エンジンの点火方法であって、前記エンジン部材は、
    圧縮システム(9)が組み込まれた、燃料成分及び酸化剤成分を含む可燃性混合物のための燃焼室(4)と、
    イグナイタによる前記可燃性混合物の点火システム(7)と、
    連続した燃料成分及び酸化剤成分のための連通装置及び燃焼生成物のための連通装置と、
    を備え、前記エンジンは、前記エンジン部材の上流の前記酸化剤成分の給気圧による過給式内燃エンジンであり、
    予燃室(1)において前記イグナイタを取り囲む壁を有する実質的に球形の閉じたヘッド(6、12a)を含む点火システムを準備する段階であって、前記ヘッドは、前記可燃性混合物が前記予燃室に流入できるように、前記燃焼室と前記予燃室とを連通させるための1組のオリフィス(5)を含むようになっている段階と、
    前記燃焼室内で前記可燃性混合物を形成する、専ら液体、特にガソリンである前記燃料成分と前記酸化剤成分とを前記燃焼室に導入する段階と、
    前記イグナイタにより前記予燃室で前記可燃性混合物を点火する段階と、
    を含み、前記予燃室の前記オリフィスは、前記燃焼室内の前記可燃性混合物の点火を可能にすることを特徴とする方法。
  18. 前記予燃室から前記燃焼室へ火炎前面を通過させることなく、前記燃焼室内の前記可燃性混合物の自己点火を可能にするために、前記予燃室内の燃焼で生じた前記不安定種を前記オリフィス(5b)に通過させることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1から16のいずれか1項に記載のエンジンへの請求項17に記載の方法の適用。
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