JP2006502753A - 埋め込み型医用機器用のコーティング用組成物及び該機器をコーティングする方法 - Google Patents

埋め込み型医用機器用のコーティング用組成物及び該機器をコーティングする方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、埋め込み型医用機器用コーティング用組成物に関する。該コーティング用組成物は、これに関連して、少なくとも1種のポリマーと少なくとも1種の生物活性薬剤を含み、生物活性物質としてナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体、特にシコニンを含有する。

Description

本発明は埋め込み型医用機器用のコーティング用組成物に関し、そしてここで該コーティング材は少なくとも一つのポリマーと少なくとも一つの生物活性薬剤を含有する、そのようなコーティング用組成物に関する。
埋め込み型医用機器をコーティングするためのコーティング用組成物と方法については、種々のものが専門技術分野では十分よく知られている。
コーティングされた埋め込み型医用機器は、例えば皮膚、骨あるいは軟骨の代替物として用いられており、特に脈管外科において、補綴物として非常に重要である。
これらのタイプの補綴物は患者の身体の内腔、例えば血管内などに、一定の長さに亘って該当する体液の管を置き換えるために、例えば脈管の補綴物の場合には、それらの管をいわゆるステントにより広げ、開通させておくために埋め込まれる。そのような場合に、補綴物は、通常円筒形をしているが、脈管内壁を支え脈管がつぶれるのを防いだり、あるいは、内壁がその脈管通路を遮断するのを防いだりする。補綴物用に通常用いられる材料は、例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)や、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のフィラメント織物のような合成材料であるが、それに加えて各種金属もまた用いられている。
脈管狭窄や脈管閉塞(狭窄症)のすべての症例において侵襲的な外科的手技を施す必要がある訳ではない。心臓の冠状血管の閉塞の症例においてさえも、多くの場合、血管を通して(経血管的に)導入された補綴物により、開胸による心臓手術を避けることが可能である。この目的のためには、例えば、先端に膨らますことのできる風船と広げることのできる機械的な支持物(ステント)のついたカテーテルを静脈を通して脈管の狭窄内まで導入する。脈管とステントは風船を膨らますことにより同時に広げられ、こうして狭窄を通る血液の流れが再び可能になる。
このやや強制的な拡張は脈管の損傷を伴う。血管は硬いステントによりつぶれず保持されている。ステントは配置された状態において非常に開口した構造になっているとしても、硬い支持体と傷ついた脈管壁との間には多くの接触点がある。このことが二つの連続した問題を引き起こす。すなわち、あらゆる血管の損傷は血栓形成作用を持つ。血管内皮下の血管素材による血小板の活性化を経て、血液の流出を防止するために内腔において血栓形成が起る。ステントの材料である金属やプラスチックのような異物表面もまた血栓形成作用を持っており、血栓形成により、短時間内に新たな脈管閉塞(再狭窄症)を引き起こす可能性がある。
拡張により傷ついた血管の治癒経過中にも、ことに、硬いステントからの圧力点により、再生しつつある組織上では、常にストレスがかかっており、さらに、瘢痕が形成する。瘢痕組織の過剰増殖により、比較的長期間後では、コーティングされていないステント全体の約30%で再狭窄に至っている。
支持体として硬いことが必要であるステントをコーティングすることは、再狭窄症の両方のリスク−血栓という短期的なリスク、及び、長期的な瘢痕組織の増殖−を防ぐことを意図したものである。
これらの課題、すなわち、凝固と増殖の回避、及び血小板の活性化防止は、従来技術において種々の方法で検討されてきている。それらの研究目標として、例えば、より高い血液適合性を付与することを意図したステントのコーティング材がある。例えば、抗凝固薬、抗菌薬、抗炎症薬、または増殖阻害薬−これらは一般に「生物活性」物質と呼ばれる−が比較的長い間ステントのコーティングにおいて使用されてきた。これらの物質はステントのコーティング素材から放出され、周辺組織の炎症、平滑筋細胞の過剰な増殖または血液の凝固を防ぐよう意図されたものである。
US 5,788,979は患者の血液と接触する生体適合性材料をコーティングするための一方法を開示しており、そのコーティングの組成は生体医用材料による血液の凝固を防止することを意図している。その方法においては、まず、人体の血液及び組織と適合する生分解性材料を液体状態で調製し、ついで、その液状生分解性材料に抗凝固組成物を添加する。こうして、生分解性材料に連続的に塗布することができ、ついで乾燥され得る液状のコーティング材料が製造される。この方法と材料を用いて100μm(マイクロメートル)以下の膜厚が製造できる。
US5,788,979はさらに、該生分解性材料は、特に、例えばポリグリコール酸類、ポリ乳酸類、ポリヒドロキシブチレート類、ポリヒドロキシバレレート類、ポリジオキサノン類、化工デンプン類、セルロース類等のような生分解性の合成ポリマーであることを開示している。
また、抗凝固組成物に加えて、例えば、抗炎症物質、抗細胞増殖性物質、抗生物質などのようなさらなる物質が該コーティング中に存在していてもよいことも提案されている。該特許中で言及されているそれらの薬剤の例としてはデキサメタゾン(dexamethasone)、ゲンタマイシン(gentamycin)及びヒルジン(hirudin)がある。
前記のコーティングについて一つ不利なことは、抗凝固組成物の使用にあたって、個々の投与及び用量が極めて注意深く観察され、個々の患者に適合させなければならないことである。なぜなら、これらの物質は、つねに急性出血を招く危険性が大きいからである。加えて、遺伝子組換えにより製造されたヒルジンと接触後、多くの患者ではヒルジン−トロンビン複合体に対する抗体が出来る結果、この物質の抗血栓作用が制御できなくなる。デキサメタゾンのようなグルココルチコイドの使用は、特に比較的長期に亘り、これらのホルモン類に普通に見られるタンパク質及び炭水化物代謝への副作用を起す。
DE 195 21 642は、少なくとも一部が吸収性の材料からなり、その吸収性材料中に抗生作用のある物質を保持しており、この活性物質が、該吸収性物質の崩壊期間全体に亘って周辺組織に放出されるインプラントを開示している。該特許において該抗生作用活性物質として挙げられているのは、特には、ゲンタマイシンである。
ゲンタマイシン使用の一つの不利な点は、その治療濃度及び毒性濃度の個人差が大きいことである。例えば、腎毒性、神経遮断及び、とくに、前庭及び蝸牛の機能障害のような副作用がゲンタマイシンとの関連で記載されてきた。
これと関連して挙げられる化合物としてはさらに細胞増殖抑制剤のタキソール(Taxol)(パクリタキセル(Paclitaxel))及びラパマイシン(rapamycin)及びそれらの誘導体がある。しかし、ステントのコーティングに用いた際の多くの副作用及び合併症が、これらの化合物についての文献、例えば、タキソールの高い血栓形成性(F.リイストロ,A.コロンボ(F.Liistro, A.Colombo),「パクリタキセル放出ステント埋植後の遅発性急性血栓症」,Heart,86:262−264(2001))からも知られている。
ラパマイシンのステントコーティングとしての使用(US 2001 027 340)については、最近の臨床研究が再狭窄の低下はほんの僅かであることを示している(コルディス社による、大規模臨床試験「SIRIUS」:10%再狭窄)。これらの細胞増殖抑制薬の毒性が高いことに加えて、不利な点として、化学的な不安定性及びそれから来る、正確な投与量を決めることが困難であることがある。例えば、上述の研究においても、幾人かの患者は過剰投与量の症状(血管壁が薄くなる)を示した。
専門技術分野において公知の、例えばコーティングされたステントについてのさらなるリスクは、該ステントを該当する脈管に合わせる −拡げた形あるいは縮めた形において− 過程において、コーティング材が傷つくことである。それにより、コーティング及び生物活性物質の放出のいずれについても、それぞれの機能及び効果が損なわれる。
さらにコーティング内の生物活性物質のインプラントの周辺組織への送達を、より簡単に、そしてより正確に制御することができることの必要性は高い。
WO 01/64214は、例えばカンプトテシン(camptothecin)、アントラサイクリン(anthracyclin)類のようなトポイソメラーゼ阻害剤類及びジュグロン(juglone)、メナジオン(menadione)及びプルムバギン(plumbagin)などの1,4−ナフトキノン類を炎症性疾患の治療のために使用することを開示している。
WO 01/21326は、例えばナフトキノンのような環状ジケトンを含んでいてもよいコーティング用組成物を塗布するための支持体表面を持ったポリマーの製造法を開示している。
先行技術において、種々の分解性コーティング材料がしばしば示唆されているにもかかわらず、そして、抗生作用、抗微生物、あるいは抗凝固活性を有する多数の組成物がこれとの関連において研究されてきているにもかかわらず、脈管の再狭窄及びインプラントの拒絶反応は依然大問題である。したがって、これらの全てにもかかわらず、例えば脈管を永久に開通状態に保ち、良好な生体吸収性を備えた機器への需要は大きい。
したがって、本発明の目的の一つは、新規な生体適合性生物活性薬剤を保持したポリマーを含有するコーティング材を提供することである。その上、好ましくは−該コーティング材の機械的性質の最適化とともに−該生物活性物質の一定量を混入でき、そして、該コーティング材からのそのものの放出が簡単に制御できるようなコーティング材を提供することである。
本発明によれば、この目的は最初に言及したコーティング用組成物であって、該生物活性薬剤がナフタザリン(naphthazarin)及び/又はナフタザリン誘導体であるコーティング用組成物により達成される。本発明に基づく本発明の目的は、このようにして完全に達成される。
本発明者はコーティングにポリマー類及び、特定のナフタザリン誘導体類を使用することにより、優れた機械的性質を有し、すなわち、圧縮にも拡張にもともに耐えることができ、しかも、ナフタザリン誘導体類を組み込むことによりその機械的性質が悪影響を受けず、むしろ、該物質が生物活性薬剤として保持される、埋め込み型医用機器を製造することが出来ることを見出した。
本発明者はさらに、ある種のナフタザリン誘導体を用いることにより、埋め込み型医用機器のコーティングがうまくいっているかどうか、及び、どの程度うまくいっているかを視覚的にチェックすることが出来ることを見出した。これは、そのナフタザリン誘導体に固有の着色により達成される。すなわち、もしコーティングがナフタザリン誘導体を含んでいるならば、その着色に基づいて、機器がコーティングされていないか、されているか、あるいは、一部のみコーティングされているかを確認することができる。
専門技術分野において、ナフタザリンは、さらにまた、医薬の代表でもある多くの天然色素における基本構造の一つとして知られている。ナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体類を使用することにより、一つの活性物質で二つの有利な効果を達成することができる。第一に、これらの天然産物は着色しており、コーティングがうまくいっているかどうかを視覚的にチェックすることができる。第二に、それらは同時に治療効果を持ち、コーティングの際にさらに生物活性物質を添加することを不要にしている。
図1bにナフタザリンの基本構造を示す。言い換えれば、ナフタザリンは図1aに示す基本構造1,4−ナフトキノンの誘導体とみなされる。
ナフタザリン誘導体類としては、本願明細書においては、ナフタザリンの基本構造を有する全ての化合物が挙げられる。一方、基Rは例えば、いかなる脂肪族基であってもよく、非環状あるいは環状であっても、非分枝状あるいは分枝状であっても、あるいは置換された(例えばヒドロキシ置換された)形であってもよい。
さらなる実施態様では、該誘導体はシコニン(shikonin)、アルカニン(alkannin)、アルネビン(arnebin)及びそれらの誘導体を含む群から選ばれる。この関連で特に好ましいのはシコニンである。
本発明者は発明者本人の実験において、ナフタザリン誘導体シコニンでコーティングしたステントにより血小板及び繊維芽細胞の凝集を防ぐことができることをしめすことが出来た。
シコニンの有効範囲はこれまでにコーティングに関して使用された化合物、例えばラパマイシン及びタキソールなどと比較してかなり広い。シコニン、アルカニン及びそれらの誘導体は、かねてより赤い天然色素及び医用薬剤として知られている。このように、例えばパパジオルジオウ(Papageorgiou)らは、「アルカニン、シコニン及び関連のナフタザリン天然物質の化学と生物学」,Angew.Chemie 111:280−311,1999,は、かれらの総説論文において、これらの薬剤についてかなり前から知られていた生物学的及び薬理学的性質について記述し、また、生物有機化学面、製造面及び医薬面について議論している。すなわち、例えば、その論文はシコニン自身が抗炎症及び抗微生物作用を持つことを示した他の発表を引用している。パパジオルジオウらによる論文は、さらに、いくつかのナフタザリン誘導体の抗血栓作用が記載されている1篇の発表を引用している。しかし、この作用を明白にシコニン族に帰属させることはできていない。
シコニンはある種の抗腫瘍作用を持つことが証明されており、それにまた抗真菌性、抗微生物性及び創傷治癒性である。これまでに使用された細胞増殖抑制剤(例えばラパマイシンあるいはタキソール)はシコニンの独特な作用プロフィールを達成することはできない。
ヒサ(Hisa)らは、「リトスペルヌム(ムラサキ)・エリスロリゾン(Lithospermum Erythrorhizon)の一成分であるシコニンは、インビボ及びインビトロで血管新生を阻害する」,Anticancer Res.18:783−790,1998において、シコニンがウシ内皮細胞の増殖阻害能を有し、血管新生を阻害することを示した。対照的に、この論文はシコニンあるいはシコニンに関連した諸物質が、繊維芽細胞、特に筋肉繊維芽細胞の増殖を防げることができるかどうか、及び、いかに防げることができるかについては記載していない。筋肉繊維芽細胞の増殖は、先に述べたように、脈管の再狭窄と関係がある。
本発明者により示された結果は、ことにサカグチ(Sakaguchi)ら「空気嚢法によるシコン(Shikon)及びシコニンの肉芽腫性組織の形成」,Biol. Pharm. Bull 24(6):650−655,2001を考慮に入れるならば、予期しえないものであった。この文献においては、シコニンが血管新生を促進すると説明されているのである。逆に、シコニンの公知の性質は、今日まで、シコニンあるいはその他のナフトキノンあるいはナフタザリン誘導体類を埋め込み型医用機器との関連で使用することにとって障害物であった。シコニンが血小板の凝集を妨げ、したがって、血栓形成及び長期的な再狭窄とも防止することができることを示すことができたのは本発明者が最初であった。
ナフタザリン類はかって埋め込み型医用機器のコーティング用に提案されたことはない。
その上、ナフタザリン誘導体は開発において、放出動力学をよりよく調べるのに適している。例えば、なんら生物学的活性を持たない他の着色剤は、コーティングにおいては単にさらなる異物物質であり、そのために、アレルギー性あるいは炎症性の反応のリスクを増すであろう。したがって、シコニンあるいは他のナフタザリン誘導体の使用は、そのインプラントがコーティングされているかどうか、及び、いかによくコーティングされているかの最終的な視覚によるチェックを提供してくれる。
これに関連して、該コーティング用組成物がまた複数のナフタザリン誘導体類を含有することも、あるいは、そのほかに、例えば抗凝固性物質、抗微生物性物質あるいは抗炎症性物質などのさらなる付随物質が該コーティング用組成物中に配合されることも排除されてはいない。
さらに好ましい具体化としては、該コーティング用組成物は0.01〜1重量%のナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体を含む。ナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体は、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%および1重量で%からなる群から選ばれる量が含まれることがさらに好ましい。
本発明者は、彼自身の実験において、0.1〜1重量%のナフタザリン誘導体、特にシコニンを該コーティングに使用することが、血小板及び繊維芽細胞の付着に対し適切な阻害作用を及ぼすのに適していることを示すことが出来た。
これに関連して、該ポリマーは生体適合性ポリマーであって、それから生物活性物質が拡散するものでも、あるいは吸収性ポリマーであって、それから該活性物質が該ポリマーの崩壊により放出されるものでもよい。
さらなる具体化において、ポリマーは吸収可能なポリエステルであって、特に、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート類及びそれらのコポリエステル類を含む群から選ばれることが好ましい。
それらの吸収性ポリエステル類及びコポリエステル類は、専門技術分野において十分よく知られており、特に医療諸用途において十分有用であると証明されている。
この関連で、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート及びそれらのコポリエステル類を含む群から選ばれるポリヒドロキシアルカノエートが特に好ましい。
本発明者は自身の実験において、特に、ポリヒドロキシブチレート及びポリヒドロキシバレレートとのコポリエステル類が、コーティング材料として卓越した性質を持つことを証明することができた。これらのポリエステル類は、コーティングが生分解性であると同時に優れた機械的性質をも持つことを保証している。本発明者の実験からさらに、このコポリエステルに配合されたナフタザリン誘導体が優れた生物学的活性を示すことがわかった。
多くの有機生分解性ポリマー類が、活性物質をある時間帯内に放出することが出来ることは知られている。しかしながら、多くの材料はコーティングとしては不適当である。なぜなら、それらは完全に生体適合性ではないからである。このように、例えば、ファン・デル・ギーセン(van der Giessen)らは「ブタ冠動脈内への生分解性及び非生分解性ポリマーの埋め込みに対する顕著な炎症性後遺症」,Circulation 94:1690−1697,1996において、生体適合性であると考えられたポリラクチド及びその他のポリマーが体内で分解すると炎症性組織反応を起すことを示した。
その上さらに、多くの生分解性ポリマーは、適切な機械的性質を持たないことも知られている。すなわち、例えば、結晶性の部位は、突然の破裂を起す可能性がある。これらの理由から、埋め込み型医用機器用のコーティングは格別の機械的性質を持ち、そして、圧縮にも拡張にも−例えば、カテーテルの膨張にも−耐えなければならない。
さらなる具体化において、該コポリエステルは、20〜30重量%、好ましくは25重量%の割合のポリヒドロキシバレレートと、70〜80重量%、好ましくは75重量%の割合のポリヒドロキシブチレートとからなる。
本発明者は自分自身の実験において、この比率がコーティング材料としての使用に特に適していることを示すことができた。なぜなら、この比率において、よい溶解性が保証され、同時にポリエステルの優れた機械的性質が達成されているからである。
さらなる具体化において、該吸収性ポリマー及びシコニンは、好ましくは少なくとも一種の溶媒、好ましくはジメチルアセタミド及び/またはテトラヒドロフランに溶解させるのが好ましい。
該活性成分をこれらの溶媒に溶かすことにより、該コーティングの機械的性質及び生物学的性質が損なわれないことを証明することができた。
本発明はさらに、以下の工程からなる埋め込み型医用機器をコーティングする方法に関する。すなわち、
(a)埋め込み型医用機器に当該新規なコーティング用組成物を塗布する
(b)該埋め込み型医用機器の乾燥、及び
(c)それが適切な場合には、工程(a)及び(b)を繰り返す。
これに関連して、一つの実施態様としては、該コーティング用組成物を該埋め込み型医用機器に吹き付けるのが好ましい。
吹き付けには種々の技法が使え、それらの全ては専門技術分野において十分に公知である。
もうひとつの好ましい実施態様においては、該コーティングは該埋め込み型医用機器を該コーティング材中に浸漬することにより施される。
本コーティング工程は、さらに、その埋め込み型医用機器にコーティング層の所望の厚さ、例えば1から100μmの層厚が達成されるまで繰り返される。
埋め込み型医用機器をコーティングするための本発明方法の好ましい実施態様の一つは、ポリヒドロキシブチレート対ポリヒドロキシバレレートの比率が3:1で、シコニンが0.01〜5重量%の含量で存在しているポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバレレートコポリエステルを含むコーティングを施すことからなる。
本発明者はこの組成物を用いて格別に適切なコーティング−それにより、コーティングとしての最適の機械的性質に加え、シコニンの二重の機能−着色剤及び生物活性薬剤としての−を効果的に利用することも可能なコーティングを製造することが出来ることを見出した。シコニンの性質−着色剤及び活性薬剤として−は、本発明に従い、コーティングに組み込まれた後でも保持されている。
さらなる好ましい実施態様においては、当該埋め込み型医用機器をコーティングするための方法において、その機器としてステントを使用する。
このこととの関連で、ステントとしては、例えば、少なくとも一種類の金属及び/または一種類の合成材料を含むステント類を用いることができる。これらのタイプのステント類及びこれらのタイプのステント類をコーティングするための方法は、専門技術分野において十分に公知である。
しかしながら、その他のタイプの埋め込み型医用機器類も本発明のコーティング用組成物によりコーティングできることを排除するものではない。したがって、例えば、皮膚インプラント類、軟骨あるいは骨の代替物もまた適しており、それらは、平らであっても、長方形であっても、円筒形であっても、あるいは、バルブを形作っていてもよい。
もし脈管補綴物が埋め込み型医用機器として使用される場合には、そのチューブの形状は、すなわち、例えば、分岐した、あるいは分岐していないチュープなど、どんな形のものであってもよい。
本発明はさらに上記のように、埋め込み型医用機器類をコーティングするための新規なコーティング用組成物の使用に関する。
本発明はさらにナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体類、特にシコニンを埋め込み型医療機器用のコーティング用組成物を製造するために、及び、埋め込み型医用機器をコーティングするために使用することに関する。
本発明はさらに、上述の新規なコーティング用組成物でコーティングされた埋め込み型医用機器、特にステント類に関する。
さらなる利点は以下の記述から明白である。上述の及び以下で説明する種々の特徴は、それぞれの場合に指示されている組み合わせにおいて使用し得るのみならず、その他の組み合わせにおいて、あるいはそれら単独でも、本発明の範囲から逸脱することなく用いられることは理解されよう。
本発明は、以下にさらに詳細に使用例、実施例及び図面で説明される。
1.使用したコーティング用組成物
以下のポリマー組成物をコーティング材料として試験した。すなわち、
− 非吸収性ポリウレタン エラストラン(Elastollan)のシコニン含有あるいは非含有の複合コーティング材;
− 生分解性コポリエステルである、12重量%のポリヒドロキシバレレートを含むポリ(β−ヒドロキシブチレート−β−ヒドロキシバレレートコポリエステル(β−hydroxybutyrate−co−β−hydroxyvalerate)(以後P(HB−HV)と表わす);
− 生分解性コポリエステルの、25重量%のポリヒドロキシバレレートを含むP(HB−HV)で、シコニンを含有するものと、含有しないもの。
試験に使用された溶媒はジメチルアセタミド(以下DMAA)、及びテトラヒドロフラン(以下THF)である。
これから75重量%のポリヒドロキシブチレート(以下PHB)に対して25重量%のポリヒドロキシバレレート(以下PHV)の組成物が、最も適していることが明らかになった。さらに、両溶媒中におけるこの比率の組成物は、加熱することにより最高濃度で重量1.5%まで溶かすことができた。
これに関連して、25重量%のPHVを含むP(HB−HV)を含み、次の組成を持つ作業溶液(I)をコーティング用組成物として用いた。
− P(HB−HV):1.5g
− DMAAあるいはTHF:100ml
この純粋なコポリエステルのほかに、もうひとつの組成、すなわち、25重量%のPHVを含むP(HB−HV)とシコニンとを含むコーティング材を試験した。このために用いた作業溶液(II)は次の組成のものであった、すなわち、
− P(HB−HV):1.5g
− シコニン:15から75mg
− DMMAあるいはTHF:100ml
試験は最初に作業溶液I及びIIでコーティングされたステント類(ステンレス鋼製で表面が電子研磨されたもの,トランスルミナ会社,ヘヒンゲン,ドイツ(Translumina GmbH, Hechingen, Germany)製)を用いて行われ、次に、上記作業溶液I及びIIからペトリ皿中で注型して得たポリマーフィルムを用いて行った。
2.細胞接着及び細胞増殖試験
a)エラストランフィルム類
試料と方法
0.1重量%及び0.5重量%のシコニンを含むエラストランフィルム及びシコニンを含んでいないエラストランフィルムを試験した。
エラストランは非吸収性ポリマーであるが、それにもかかわらず、このポリマーについて得られた結果はシコニンの細胞接着及び細胞増殖の阻害剤としての活性を示した。このことは、この場合には、活性薬剤は浸出により放出されており、エラストランマトリックスの分解によるものではないことを意味している。
これらの実験では、ヒト胚性繊維芽細胞を用いた。細胞を10%牛胎仔血清を添加したイーグル(Eagle)の培地中で培養し、週に2回トリプシン−EDTA溶液を用いて継代した。14回目の継代後に存在していた細胞を試験に用いた。マイトマイシンC(mitomycin C)を培養培地に20μg/mlの濃度に溶かしたものを陰性対照として用いた。
シコニン添加なしのエラストランフィルムからの抽出物、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、及び5重量%(ポリウレタン基準)のシコニンを添加したエラストランフィルムからの抽出物及びシコニン単独について試験した。
各抽出物は試験しようとするポリマー(すなわち、シコニンを添加していない、あるいは、添加したエラストランフィルム)で覆った培養皿をイーグルの培地と37℃で3時間インキュベートすることにより得た。不溶の固形物はろ過で除いた。シコニンのみ(培養液中に)の対照は同一条件下で培養した。
それぞれのろ液を試験用抽出液として用いたが、該シコニン含有エラストラン抽出液のpHは、あらかじめ、0.1規定塩酸、及び、リン酸緩衝液を用いて調整した。そして、そのエラストラン/シコニン抽出液のpHを調整するのに要したと同量のリン酸緩衝液を対照(シコニン添加なしのエラストラン)の抽出液及びシコニン単独の抽出液に加えた。
平行して、4×104細胞/mlを含む細胞懸濁液(繊維芽細胞、上記参照)の1mlずつを24穴プレートにのせ、24時間の培養後、培養液を除き、試験すべき抽出液を加えた(陽性対照:抽出液が添加されていない新鮮培養液;陰性対照:2時間に亘りマイトマイシンCを添加)。
細胞をハンクス(Hank’s)液で洗浄し、新鮮培養液をウェルに加えた。ついで、細胞を72時間インキュベートした。このインキュベーション時間の後、培養細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し、2.5%グルタルアルデヒドと4℃で30分間インキュベートした。ついで再び2回洗浄し、湿った雰囲気中37℃で3時間ギムザ染色を行った。
細胞にとどまった染色剤をリン酸緩衝液/アルコール(1:1)の混合液で室温で15分溶出し、得られた溶液の吸光度を分光光度計により波長620nmで測定した。
結果
陽性対照(試験した抽出液:培養培地のみ)においては、繊維芽細胞はウェルのほぼ全表面を覆っており、細長い形と典型的な増殖パターンを示した。
陰性対照(試験した抽出液:培養培地+マイトマイシンC)においては、細胞増殖は見られず、細胞密度は低く、実験の2日目のそれに相当した。細胞は細長い形状を示したが、お互いに接触してはいなかった。いくつかの細胞は丸くなり、あるいは溶解していた。
エラストランのみからの抽出物上での細胞増殖は、陽性対照におけるそれと類似していた。シコニン含有エラストラン抽出物を用いた場合には、阻害作用及び細胞毒性作用さえ観察することができた。すなわち、少数の細胞は接着性であったが、大部分は丸まっていた。
この試験はシコニン及びシコニン含有エラストランフィルムからの抽出物が、ヒト細胞にインビトロで阻害作用を持つことを示した。
b)インビトロでのヒト胚性肺繊維芽細胞のエラストラン及びシコニン含有エラストランフィルムへの接着
この試験用にはエラストラン及びシコニン含有エラストラン−DMAA溶液のフィルムでコーティングされたペトリ皿を用いた。該ポリウレタン試料中のシコニン濃度は0.01重量%、0.05重量%、及び0.5重量%(ポリウレタン基準)であった。プラスチック製のペトリ皿を陽性対照とした。
細胞は、該ポリマー組成物でコーティングされたペトリ皿の表面に10%ウシ胎仔血清含有イーグル培地中4×104細胞/mlの濃度で播種された。37℃で0.5及び2時間培養後、接着繊維芽細胞の数を数えた。
結果
得られた計数値を下記表1に示す。
陽性対照との比較により表から明らかなように、エラストランフィルム中、0.5重量%濃度のシコニンは、繊維芽細胞の接着を実質上完全に阻害している。
Figure 2006502753
c)コポリエステルP(HB−HV)フィルム類及びシコニン含有コポリエステルP(HB−HV)フィルム類(P(HB−HV)−Sh)及びこれらのフィルムでコーティングされたステント類上への血小板の接着
生体医用材料への血小板の接着は、血液及び組織の細胞の活性化との関連において、医用機器類の血液との生体適合性を反映することが知られている。
接着は複数の段階を経て進行すると考えられている。すなわち、初めに血小板が表面に結合し、ついで活性化され、偽足を出し、ついで、広がり、凝塊を形成する。続く血液凝固因子を含む細胞内成分の放出は、さらに血小板の接着及び凝集を促進する。
さらには、活発に増殖する筋細胞の中膜から内膜への浸潤が、大量の細胞外マトリックス構成成分(コラーゲン,プロテオ−アミノグリカン類)の産生を伴い、それが再狭窄の基本的な機構であると考えられている。血管が傷ついた個所に血小板が直ちに堆積し、引き続いての筋細胞増殖物質(例えば、成長因子(PDGF)、β−腫瘍化増殖因子(β−TGF)、血管内皮細胞由来増殖因子(EDGF)など)の放出が恐らく刺激因子となる。
したがって、血小板の接着は、ステントの埋め込みの間、血栓症及び再狭窄症の両方との関連において鍵となる。
接着性の血小板の活性化状態はそれらの形態から推定できる。血小板への影響が大きい材料ほど、より接着性の細胞がその材料の上に分布したり凝集したりすることになる。
コーティングされていないステント類とP(HB−HV)−Shでコーティングされたステント類の両方をこの試験にかけた。コーティングの平均層厚はおおよそ15−20μmであった。
次の溶液をステント類のコーティングに使用した。すなわち、
− HVを25%含むP(HB−HV−HV)の0.75%DMAAあるいはTHF溶液;
− HVを25%含むP(HB−HV)の0.75%+0.5重量%(P(HB−HV)の重量基準)のシコニンのDMAAあるいはTHF溶液;
− HVを25%含むP(HB−HV)の0.75%+1重量%(P(HB−HV)の重量基準)のシコニンのDMAAあるいはTHF溶液
該ステント類は種々の溶液に漬けるか、あるいは、吹き付けることにより数回コーティングされた。それぞれの吹き付け工程間の乾燥時間は2〜15分であった。最後に、該ステント類を45〜50℃で30分間乾燥した。吹き付けされたP(HB−HV)−1.0Shステント類上のシコニンの総量は2μgから4μgであった。
ステント類へのシコニンのコーティングは、広げられた状態で28日以上の期間安定であることがわかった。
さらに加えて、上記の溶液(P(HB−HV)とシコニンあるいはシコニン無し)からのポリマーフィルムをステンレス鋼スチール皿上で、同上溶液から作製した層厚20から30μmの膜について試験した。コーティングしていないステントの表面を対照とした。
血液の調製
健康な成人提供者からの全血をシリコン処理したガラス容器に入れ、10mlの血液の血液凝固を(血液:クエン酸ナトリウム)9:1の比率でクエン酸ナトリウムを加えることにより防ぎ、該全血を100×gで20分室温で遠心分離して血小板を富化した血漿を得た。該血小板富化血漿分画は、プラスチック製ピペットで採取し、直ちに実験に使用した。
この血小板富化血漿分画の50μl滴を該皿試料の表面に置き、15分間インキュベートした。コーティングしたステント類の試験には、それらを血小板富化血漿とともに容器に入れ、30分間インキュベートした。この時間の間に表面に付着する血小板の数は、定性的な分析には十分であった。なぜなら、血小板は大きな血栓様構造は作らなかったからである。試料は吸着されていない血漿タンパク質及び弱く接着している血小板を除くために生理食塩水で洗い、ついで、該試料を2.5%グルタルアルデヒド中で固定し、引き続き、次第にエタノールの含量を高める標準的な手法により脱水した。
血小板の接着は走査電子顕微鏡(SEM)(JSM T330型,JEOL,日本)により調べた。全ての試料を1.2kV、10mAで7分間(JEOLJFC−1100型,日本)銅でコーティングすることにより導電性にした。該顕微鏡による研究は、5kVの電圧で行った。それぞれのサンプルについて、おのおの400μm2の大きさの25個の区画をランダムに選んだ。定性的な総血小板数Ntot及び血小板の活性化を明確に反映する下記の二種類の血小板細胞の数NIを測定した。それぞれの細胞の種類は接着性の血小板の二つの形態学的な部類からなる。
Ia) 単独の、活性化されていないかあるいはわずかに活性化された変形細胞;
Ib) 偽足形成中の細胞あるいは伸展の初期段階にある細胞
IIa) 完全に伸展した血小板
IIb) 凝集体(二個あるいはそれ以上の血小板の)
この分類に関連して、種類Iの血小板はその表面と弱い相互作用を示すのみであるが;これと対照的に、その表面と種類IIの血小板の間には強い相互作用が起きる。
結果
a)P(HB−HV)及びP(HB−HV)+シコニンの0.75重量%のDMAA溶液によるコーティング
コーティングされていないステント類上の細胞数は非常に少なく、接着した血小板が存在した場所では実質上全ての細胞が、コーティングされてないステント上では、完全に伸展していた。P(HB−HV)フィルム上の血小板の総数は、対照のそれよりも多く、この表面の上には全ての形態的な分類の細胞が存在したが、しかし、凝集の数は非常に少ないことがわかった。
シコニンはそれと対照的に、P(HB−HV)のみでコーティングされたフィルムと比べて、接着している血小板の量を明らかに減少させることができた。この場合には、種類Iの二つの形態学的な分類の細胞、すなわち、僅かに活性化された血小板および偽足形成中の細胞、のみが観察された。
これらの結果から、P(HB−HV)−Shフィルム類は、純粋なP(HB−HV)からなる表面より、より適切であるということが明らかである。なぜなら、シコニン含有表面は細胞と結合することへの親和性が小さいからである。
血小板の活性化とシコニン濃度との関係を見出だすために、純P(HB−HV)、P(HB−HV)と0.1重量%のシコニン(P(HB−HV)−0.1Sh)及びP(HB−HV)と0.5重量%のシコニン(P(HB−HV)−0.5Sh)のフィルムへの血小板の接着をインキュベーション時間15分及び30分について測定した。それにより、シコニンの添加は血小板の数及び活性化の程度を減らすことを証明することができた。
b)P(HB−HV)及びP(HB−HV)+シコニンの0.75重量%のTHF溶液によるコーティング
コーティングは拡げた及び拡げていないステント類に多層フィルムとして施した。ステント類は薄い作業ポリマー溶液中に漬ける(約2から4回)ことにより、そのポリマーでコーティングされた。各層はついで熱風乾燥された。
コーティングしていないステント、ダイヤモンド様炭素でコーティングしたステント、及びP(HB−HV)−0.5Shでコーティングしたステントへの血小板の接着の比較検討を行った。試料の血小板富化血漿中でのインキュベーション時間は15分から約30分であった。
P(HB−HV)−0.5Shでコーティングしたステント類の上には血小板は見られなかった。しかし、同一時間内において、コーティングされていないステント、及び炭素でコーティングされたステント上には血小板を見出すことができた。このことは、シコニンの血小板の活性化に関する性質は、THFを溶媒として使用した場合にも保たれることを意味している。
c)1重量%のシコニン(P(HB−HV)−1.0Sh)でコーティングしたステント類とダイヤモンド様コーティング(DLC)したステント類との比較
1重量%のシコニンでコーティングされたステント類とDLCでコーティングされたステント類との比較検討において、P(HB−HV)−1.0Shでコーティングされたステント類の場合には、コーティングされたステント類にはインビトロで実質的に血小板は接着していないことが明らかになった。他方、DLCでコーティングされたステント類上にはいくつかの伸展した血小板が見られた。
3.製造されたフィルムの生物学的な性質の測定
これらの検討は医用機器についての生物学的検討のための国際的な基準ISO 10993に従って、及び国定基準GOST R ISO 10993に従って行なった。
a)溶血性の測定
溶血は材料、特にP(HB−HV)及びP(HB−HV)−0.5Shの抽出液をそれぞれ生理食塩水溶液として調製することにより測定された。全血をこれらの抽出液に加え、ついで37℃で1時間インキュベートした。抽出液を採取し、混合物を遠心分離(400×gで50分間)し、細胞の含まれない上澄みを注意深く採取した。この上澄みのヘモグロビン濃度を光度測定法により測定し、溶血指数(%)を遊離されたヘモグロビンのヘモグロビン存在量に対する割合から計算した。この場合、純生理食塩水を対照として使用した。
設定条件下において、両抽出液、すなわち、P(HB−HV)の抽出液及びP(HB−HV)−Shの抽出液は、ともに非溶血性とわかった(溶血指数:0%)。
b)補体系活性化の測定
該ポリマーフィルムの血液との適合性は、ヒト血漿とフィルム試料あるいは抽出液とをインキュベーションする前後において、ヒト血漿の補体系の溶血活性を測定することにより試験された。試験した試料はP(HB−HV)、P(HB−HV)−Sh及びキュプロファン(cuprophane)(対照)のフィルムである。
抗体でコーティングされた羊赤血球からの補体系の溶解作用によって遊離されたヘモグロビンの濃度は、血清試料中の補体活性を反映している。当該評価の指標は、100μlの被験血清が5mlの感作された羊赤血球(5×108細胞/ml)の50%を溶解するに要する時間(τ1/2)である。反応混合物の温度は温度自動調節器により37℃に、一定に保った。
ヒト血清をまず緩衝液(0.15mMのCaCl2及び0.5mMのMgCl2を含む)で希釈し、ついで、ポリマー試料を加えて、あるいは、加えずに37℃で60分間インキュベートした。残存補体活性値((CH50R%)を次のようにして求め、該ポリマーの活性化能の尺度とした。
(CH50R i=(t1/2/ (t1/2)(t)i(c) 100%
式中:
(t1/20=試料とインキュベーションする前の血清補体により、羊赤血球の50%が溶解される時間。
(t1/2)(t)i=ポリマー試料とt時間のインキュベーション後の血清補体により、羊赤血球の50%が溶解される時間。
(t1/2)(t)(c)=対照(ポリマー試料なし)をt時間インキュベーションした後の血清補体により、羊赤血球の50%が溶解される時間。
これらの試験の結果を下表2にまとめた。
Figure 2006502753
表から明らかなように、P(HB−HV)−Sh抽出物とインキュベーションされた血清の補体活性は、純粋なP(HB−HV)抽出物とインキュベーションされた血清のそれよりも低いことがわかった。加えて、前者はキュプロファンとほぼ同じCH50値を示した。
c)ATP放出試験
さらなる比較分析において、DLCでコーテイングされたステント類とP(HB−HV)−1.0Shでコーテイングされたステント類とを調べた。この目的のために、新鮮なヒト血小板富化血漿(PRP)を用いた。ステント類を450μlのPRPとともに37℃で5分間インキュベートした。血小板凝集及び分泌能を生物発光法により、極めて感度の高いルミ−アグレゴメーター(LUMI−AGREGOMETER)(クロノ−ログ社(CHRONO−LOG Corp.,)米国(USA))を用いて測定した。
シコニンでコーテイングされたステント類は血小板の機能状態(ATP放出について)を変化させなかった。だが一方、DLCでコーテイングされたステント類はATP放出を阻害した。
d)筋肉内埋め込み試験
1.P(HB−HV)のみ及びP(HB−HV)−ShのフィルムをISO 10993 Part6に従ってモルモットの筋肉内に埋め込んだ。フィルム試料の大きさは0.5×1cm、厚さは20から30μmであった。それぞれのタイプの試料につき、該埋め込み体を入れた2匹のモルモットを7日間観察した。
7日後、繊維芽細胞の単層がP(HB−HV)及びP(HB−HV)−Shフィルムの周りに形成されたことがわかった。これらの埋め込み体の周りのマクロファージ及びリンパ球の浸潤は、埋め込み7日目での典型的な組織の応答反応とわかった。それでも、炎症性の応答反応の程度は、シコニン含有生分解性ポリマーに対するほうが、純粋なP(HB−HV)フィルムとの場合より弱いことを証明することができた。
2.大人の雄ウィスター(Wistar)ラット(230〜250g)を2つのグループに分けた。すなわち、グループA(n=6)の動物にはP(HB−HV)−1.0Shでコーテイングされたステントを、及びグループB(n=4)の動物は対照としてダイヤモンド様コーティングのステント(DLCステント)を埋め込んだ。該ステント類はラットの背の皮下に2週間及び6週間に亘って埋め込んだままにし、ついで亜慢性(短期)効果を巨視的及び微視的に測定した(グループAについては各期間毎にn=3、そして、グループBについてはn=2)。動物はチオペンタール・ナトリウムで麻酔し、そして、実験終了後、本物質の過量投与により安楽死させた。
組織学的検討用には、埋め込み体を周辺組織ごと12%ホルムアルデヒド中で固定し、ゼラチン中に包埋し、そしてダイヤモンド刃で切片とした。
組織学的及び巨視的な検討により、どちらのグループにおいても慢性的な炎症性の異物反応は観察されないことが証明された。しかし、DLCステント類については、かなりの数のマクロファージ及びいくつかの炭素粒子が周辺組織内に検出された。ステントの周りに形成された繊維性の莢膜(capsule)はDLCステントにおけるよりもP(HB−HV)−1.0Shでコーテイングされたステントにおいて有意に薄かった。
全体として、P(HB−HV)−1.0Shでコーテイングされたステント類の安定性及び生体適合性はDLCステント類のそれより高かった。
3.さらなる実験において、該ステントを猫の動脈に埋め込んだ。実験動物をこの目的のために2つのグループに分けた。すなわち、グループA(n=2)はP(HB−HV)−1.0Shでコーテイングされたステントを受容し、グループB(n=2)はDLCステントを受容した。大人の雌ネコ(2.5から3.5kg)は、5%ケタミン溶液(0.65mg/kg)及び0.25%ドロペリドール溶液(0.1mg/kg)の筋肉内注射により麻酔された。ステントは腹部大動脈に埋め込まれた。さらに抗凝固剤は投与していない。
埋め込み後18から24日に、動物を麻酔し、大動脈部分を切除し、10%ホルマリンで固定し、そして脱水した。ついで、ステントを含む部分をメタクリル酸メチル中に包埋し、ダイヤモンド刃を用いて切片にした。
どちらの試験グループにおいても、急性の血栓性閉塞あるいは内腔への繊維状結合組織の増殖は見られなかった。組織学的な検討では、DLCステントについて、いくつかの炭素粒子及びかなり多数のマクロファージがDLCステントを取り巻く大動脈壁内に観られることが明らかになった。埋め込み24日後、P(HB−HV)−1.0Shでコーテイングされたステントにおいて新しい内膜の形成が観察された。それはDLCステントにおけるよりもより規則的に配列していた。急性あるいは慢性の炎症の兆候は観察されなかった。
要約
この結果により、第一に25重量%のポリヒドロキシバレレートと75重量%のポリヒドロキシブチレートの組成がコーティングに最適な組成であり、そして、この混合物がある特定のシコニン含量と相まって金属表面への高い接着性を示すことを明らかにできた。さらに加えて、該ポリマー被膜の性質はコーティングされたステントの拡張を繰り返しても影響されないことも示すことが出来た。
さらに、5重量%までのシコニン濃度で該ポリマー表面へのインビトロでのヒト血小板の接着が実質上完全に阻害されることを明らかにすることができた。従って、シコニンは適切な濃度で、過度の細胞増殖を妨げるために使用することができる。
THF中の純P(HB−HV)あるいはP(HB−HV)−Shからのフィルムのインビトロでの生物学的な性質に関する比較研究により、シコニンが補体活性化及び血小板接着との関連でよい生体適合性を持つことが明らかになった。
さらに、これらの結果から、P(HB−HV)−Shでコーティングすることによりステントの周りには平滑で、薄い、繊維細胞性の層が形成され、正常な血液の流れをもたらすのに適切な直径で再内皮化に至ることが証明できた。
物質1,4−ナフトキノンの式を示す。 ナフタザリン誘導体類の基本構造の一般式を示す。

Claims (23)

  1. 埋め込み型医用機器用のコーティング用組成物であって、該コーティング用組成物が少なくとも一つのポリマー及び少なくとも一つの生物活性薬剤を含み、該生物活性薬剤がナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体のひとつであることを特徴とする埋め込み型医用機器用のコーティング用組成物。
  2. 誘導体がシコニン、アルカニン及びアルネビンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のコーティング用組成物。
  3. 誘導体がシコニンであることを特徴とする請求項1または2に記載のコーティング用組成物。
  4. ナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体が、0.01〜5重量%含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング用組成物。
  5. ナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体が、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%および1重量%からなる群から選ばれる含量であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング用組成物。
  6. ポリマーが生体適合性ポリマー、吸収可能性ポリマー、及び吸収性ポリエステルからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング用組成物。
  7. 吸収性ポリエステルがポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート及びそれらのコポリエステル類からなる群から選ばれることを特徴とする請求項6に記載のコーティング用組成物。
  8. ポリヒドロキシアルカノエートが、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート及びそれらのコポリエステル類からなる群から選ばれることを特徴とする請求項7に記載のコーティング用組成物。
  9. コポリエステルが、ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバレレートのコポリエステルであることを特徴とする請求項8に記載のコーティング用組成物。
  10. コポリエステル中において、ポリヒドロキシバレレートが20〜30重量%、好ましくは25重量%、及びポリヒドロキシブチレートが70〜80重量%、好ましくは75重量%含まれることを特徴とする請求項9に記載のコーティング用組成物。
  11. 吸収性ポリマー及びナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体が少なくとも一種の溶媒に溶けていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のコーティング用組成物。
  12. 溶媒がジメチルアセタミド及び/またはテトラヒドロフランであることを特徴とする請求項11に記載のコーティング用組成物。
  13. (a) 請求項1〜12のいずれかに記載のコーティング用組成物を埋め込み型医用機器に塗る工程、および
    (b) 該埋め込み型医用機器を乾燥する工程
    からなることを特徴とする埋め込み型医用機器をコーティングする方法。
  14. (a) 請求項1〜12のいずれかに記載のコーティング用組成物を埋め込み型医用機器に塗る工程、
    (b) 該埋め込み型医用機器を乾燥する工程、および
    (c) 工程(a)及び(b)を繰り返す工程
    からなることを特徴とする埋め込み型医用機器をコーティングする方法。
  15. コーティング用組成物を吹き付けることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
  16. コーティング用組成物が、該埋め込み型医用機器を該コーティング用組成物中に浸漬することにより塗布されることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
  17. ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバレレート3:1のコポリエステルと、0.01〜5重量%のシコニンとを含有するコーティング用組成物を塗布することを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 埋め込み型機器としてステントが用いられることを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載の埋め込み型医用機器をコーティングする方法。
  19. 埋め込み型医用機器のコーティングのための、請求項1〜12のいずれかに記載のコーティング用組成物の使用。
  20. 埋め込み型医用機器のコーティング用組成物を製造するための、ナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体、特にシコニンの使用。
  21. 埋め込み型医用機器のコーティングのための、ナフタザリン及び/またはナフタザリン誘導体、特にシコニンの使用。
  22. 請求項1〜12のいずれかに記載のコーティング用組成物でコーティングされた埋め込み型医用機器。
  23. 請求項1〜12のいずれかに記載のコーティング用組成物でコーティングされたステント。
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