JP2006500716A - 光走査デバイス - Google Patents
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Abstract
光走査デバイス(1)は、二つの動作モードにおいて二つの放射ビーム(4)で二つの情報層(2,2’)を走査するためのものである。それは、二つの放射ビームを放出するための放射源(7)、二つの情報層の位置に二つのビームを収束させるための対物レンズ系(8)、並びに光軸(19)を有すると共に径方向に非周期的な階段のプロフィールを形成するための中央部分(P1)及び少なくとも一つの周辺部分(P2)を含む位相構造(24)を含む。前記中央及び周辺部分(P1,P2)の一つ(P2)は、前記第一の動作モードにおいてそれぞれ二つの波面の変更ΔW2,1,1及びΔW2,2,1を、並びに、前記第二の動作モードにおいてそれぞれ二つの波面の変更ΔW2,1,2及びΔW2,2,2を、導入するための、それぞれ二つの異なる階段の高さ(h2,1,h2,2)を有する少なくとも二つの区分(AS2,1,AS2,2)を含み、ここで差(ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)−(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)は、非対称である。
Description
本発明は、第一の動作モードにおける第一の放射ビームによって第一の情報層を、及び、第二の動作モードにおける第二の放射ビームによって第二の情報層を、走査するための光走査デバイスであって、そのデバイスは、
前記第一及び第二の放射ビームを連続的に又は同時に放出するための放射源、
前記第一及び第二の情報層の位置にそれぞれ前記第一及び第二の放射ビームを収束させるための対物レンズ系、並びに
前記第一及び第二の放射ビームの光路に配置される位相構造
を含み、その位相構造は、光軸を有すると共に径方向に非周期的な階段のプロフィールを形成するための中央部分及び少なくとも一つの周辺部分を含む
デバイスに関する。
前記第一及び第二の放射ビームを連続的に又は同時に放出するための放射源、
前記第一及び第二の情報層の位置にそれぞれ前記第一及び第二の放射ビームを収束させるための対物レンズ系、並びに
前記第一及び第二の放射ビームの光路に配置される位相構造
を含み、その位相構造は、光軸を有すると共に径方向に非周期的な階段のプロフィールを形成するための中央部分及び少なくとも一つの周辺部分を含む
デバイスに関する。
また、本発明は、そのような光走査デバイスに用いる位相構造に関する。
“情報層を走査すること”は、情報層における情報を読み取る(“読み取りモード”)、情報層に情報を書き込む(“書き込みモード”)、及び/又は情報層における情報を消去する(“消去モード”)ための放射ビームによって走査することを指す。“情報密度”は、情報層の単位面積当たりの記憶された情報の量を指す。とりわけ、それは、走査される情報層における、走査デバイスによって形成された走査スポットの大きさによって決定される。情報密度を、走査スポットの大きさを減少させることによって、増加させてもよい。とりわけ、スポットの大きさが、スポットを形成する放射ビームの波長λ及び開口数NAに依存するので、走査スポットの大きさを、NAを増加させることによって、及び/又は、λを減少させることによって、減少させることができる。
“第一の動作モード”は、第一の放射ビームによって第一の情報層を走査するための光走査デバイスの動作モードを指す。第一の放射ビームは、とりわけ、波長λ1、偏光p1、入射の角度i1、及び/又は、温度T1のような第一のモードを代表する一つ以上の所定の特性を有する。“第二の動作モード”は、第二の放射ビームによって第二の情報層を走査するための光走査デバイスの動作モードを指す。第二の放射ビームは、とりわけ、波長λ2、偏光p2、入射の角度i2、及び/又は、温度T2のような第二のモードを代表する一つ以上の所定の特性を有し、ここで波長λ1及びλ2、偏光p1及びp2、入射の角度i1及びi2、及び/又は、温度T1及びT2は、互いに異なる。言い換えれば、各々の動作モードを、そのモードについて第一の所定の値及び他の(単数又は複数の)モードについて第二の異なる値を有する少なくとも一つのパラメータによって、別のモードから特徴付けてもよい。
光路に沿って伝播する放射ビームは、以下の式
“波面収差”は、以下のものを指す。光軸を備えた第一の光学素子、例えば、物体を像に変換するための対物レンズは、“波面収差”Wabbを導入することによって、像を劣化させることもある。波面収差は、いわゆる異なる次数を備えたゼルニケ多項式の形態で表現される、異なるタイプのものを有する。波面の傾斜又は歪曲は、一次の波面収差の例である。非点収差及び像面湾曲並びにデフォーカスは、二次の波面収差の二つの例である。コマは、三次の波面収差の例である。球面収差は、四次の波面収差の例である。前述の波面収差を表す数学的関数についてのより多くの情報については、例えば、非特許文献1を参照のこと。
“波面の変更”は、以下のものを指す。光軸を備えた第二の光学素子、例えば、非周期的な位相構造を、放射ビームに“波面の変更”ΔWを導入するために、放射ビームの光路に配置してもよい。波面の変更ΔWは、波面Wの形状の変更である。波面収差と同様に、波面の変更ΔWを記述する数学的関数が、それぞれ、三次、四次などの径の次数を有するとすれば、波面の変更は、放射ビームの断面で半径の一次、二次などの対称なものでも非対称なものでもよい。また、波面の変更ΔWは、“平坦な”ものであってもよい。これは、2πを法とする波面の変更ΔWを考慮した後、結果として生じる波面が、一定であるように、第二の光学素子が、一定の位相変化を放射ビームに導入することを意味する。用語“平坦な”は、波面Wが、ゼロの位相変化を示すことを、必ずしも暗示しない。さらに、波面の変更ΔWを、以下の式
波面収差Wabbの又は波面の変更ΔWの“OPD”は、波面収差又は波面の変更の光路差を指す。光路差OPDの二乗平均平方根の値OPDrmsは、以下の式
二つの値OPDrms,1及びOPDrms,2は、互いに“実質的に等しい”ものであり、ここで、|OPDrms,1−OPDrms,2|は、好ましくは、30mλ以下であり、ここで、値30mλを、任意に選んでおいた。また、位相変化ΔΦa及びΔΦbの二つの値は、互いに“実質的に等しい”ものであり、ここで、それぞれの値OPDrms,1及びOPDrms,2は、互いに“実質的に等しい”ものである(ΔΦとΔWとの間の関係は、式(0b)で与えられる)。同様に、二つの値OPDrms,1及びOPDrms,2(又は位相変化ΔΦa及びΔΦbの二つの値)は、互いに“実質的に異なる”ものであり、ここで、|OPDrms,1−OPDrms,2|は、好ましくは、30mλ以上である。
“対称な”波面収差又は波面の変更は、光軸に関して2πにわたって回転対称である波面収差又は波面の変更を指す。例えば、デフォーカス及び球面収差は、対称な収差である。
“非対称な”波面収差又は波面の変更は、上で定義したような対称な収差又は変更でない波面収差又は波面の変更を指す。例えば、傾斜、非点収差、及びコマは、非対称な収差である。実例としてのみ、図1Aは、座標系(X1,Y1)におけるコマの波面の変更又は波面収差ΔWcomの形状を示し、図1Bは、同じ座標系において非点収差の波面の変更又は波面収差ΔWastの形状を示す。図1Aに示すように、波面の変更又は波面収差ΔWcomは、コマを導入するための第一項の“cosθ”を含む。図1Bに示すように、波面の変更又は波面収差ΔWastは、非点収差を導入するための第二項の“cos2θ”を含む。図1A及び1Bにおいて、非対称な変更又は収差ΔWcom及びΔWastが、XY平面に対する法線に関して回転対称ではないことが、留意される。
現今、放射ビームによって光記録担体を走査するための光走査デバイスを提供する光記憶の分野で要望があり、ここでデバイスは、放射ビームの光路で発生する波面収差を補償することが可能である。
例えば、対称な波面の変更を発生させることに適切な非周期的な位相構造(NPS)を備えた光走査デバイスを提供することを、特許文献1において先に提案しておいた。より詳しくは、既知の走査デバイスを、第一の動作モードにおける第一の放射ビームによって第一の情報層を、及び、第二の動作モードにおける第二の放射ビームによって第二の情報層を、走査するために使用する。既知のデバイスは、連続的に又は同時に二つの放射ビームを放出するための放射源、第一及び第二の情報層の位置にそれぞれ第一及び第二の放射ビームを収束させるための対物レンズ系、並びに、第一及び第二の放射ビームの光路に配置されるNPSを含む。既知のNPSは、光軸を有すると共に、“中央部分”、すなわち、光軸を中心に置いたエリアに配置される部分、及び、“周辺部分”、すなわち、中央部分の周囲の輪状のエリアに配置される部分を含む。既知のNPSの中央及び周辺部分は、径方向に非周期的な階段のプロフィールを形成する。
このようなNPSが設けられた既知の光走査デバイスの欠点は、それが、非点収差、傾斜、コマ、及びクローバーのような、非対称な波面の変更を導入しないことである。これは、例えば、デバイスが、二つの異なる形式を有する二つの光記録担体走査するために使用され、ここで、対物レンズが、二つの担体の一つを走査するときに放射ビームに発生する球面収差を補正するための複屈折材料を含む場合には、特に不都合である。他の担体の走査の間に、複屈折の対物レンズは、放射ビームが、複屈折材料の光軸に沿って伝播しないとき、非点収差を導入する。後者は、放射ビームにおいて、対称な波面の変更を導入することができるが、非点収差の波面の変更のような、非対称な変更を導入することができないので、このような非対称な収差を、既知のNPSによって補正することができない。
欧州特許出願公開第02077992.2号明細書(2002年7月22日に出願された欧州特許出願)
"Principles of Optics"と題されたM.Born and E.Wolfによる本(Pergamon Press 6th Ed.)(ISBN 0−08−026482−4)のpp.464−470
よって、本発明の目的は、少なくとも二つのモードで動作する光走査デバイスを提供することであり、そのデバイスは、第一及び第二のモードの少なくとも一つにおいて非対称な波面の変更を導入するためのNPSを含む。
この目的は、冒頭の段落に記載したような光走査デバイスによって到達され、ここで、本発明によれば、前記中央の及び周辺の部分一つは、少なくとも、前記第一の動作モードにおいて、それぞれ、第一の波面の変更ΔW2,1,1及び第二の波面の変更ΔW2,2,1を、並びに、前記第二の動作モードにおいて、それぞれ、第三の波面の変更ΔW2,1,2及び第四の波面の変更ΔW2,2,2を、導入するための、それぞれ、第一の階段の高さ及び第二の異なる階段の高さを有する、第一の角度の区分及び第二の角度の区分に分割され、ここで差(ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)−(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)は、非対称である。
第一及び第二の角度の区分は、第二のモードにおいて結果として生じる波面の変更ΔW2,1,2+ΔW2,2,2と、第一のモードにおいて結果として生じる波面の変更ΔW2,1,1+ΔW2,2,1との間の差が、NPSの光軸に関して回転対称ではないように、波面の変更ΔW2,1,2、ΔW2,2,2、ΔW2,1,1、及びΔW2,2,1を導入する。それに反して、既知のNPSの中央及び周辺の部分が、第一のモード及び第二のモードの両方に、そのNPSの光軸に関して回転対称である波面の変更を導入し、それによって、対称な波面の変更を、例えば球面収差及びデフォーカスを導入することが、留意される。
従って、本発明による位相構造が設けられた光走査デバイスの利点は、それが、第二のモードの間にNPSを通り抜ける放射ビームに非対称の波面の変更を導入することである。
米国特許第6,185,168B1号明細書は、光軸に関して複数の角度の区分に分割された位相構造を記載していることが、留意される。しかしながら、各々の区分は、光軸に関して回転対称である波面の変更を導入する回折部分を形成するために、接線方向に一つの階段のプロフィールを有する。
また、本発明による位相構造が、非周期的な構造を含む一方で、既知の位相構造が、回折部分を含むことが、留意される。非周期的な構造及び回折部分は、構造及び目的の点で、互いに異なる。このように、NPSは、NPSが、径方向に非周期的なプロフィールを有するように、異なる高さを有する複数の階段を含む。後者は、NPSへ入射する放射ビームから波面の変更を形成するために、設計される。それに反して、回折部分は、各々が一つの階段のプロフィールを有するパターン素子のパターンを含む。それは、径又は接線方向に周期的な階段のプロフィールを有する。それは、その部分に入射する放射ビームから、異なる回折次数について異なる透過の効率を備えた回折された放射ビーム(すなわち、各々が回折次数“m”、すなわち、ゼロ次(m=0)、+1次(m=+1)など、−1次(m=−1)など、を有する複数の放射ビーム)を形成するために、設計される。
本発明の別の目的は、二つの動作モードにおいて二つの放射ビームによって二つの情報層を走査するための光走査デバイスにおける使用に適切な位相構造を提供することであり、ここで、位相構造は、第一及び第二の動作モードの少なくとも一つに非対称な波面の変更を導入する。
この目的は、冒頭の段落に記載したような位相構造によって到達され、ここで、本発明によれば、前記中央の及び周辺の部分の一つは、少なくとも、前記第一の動作モードにおいて、それぞれ、第一の波面の変更ΔW2,1,1及び第二の波面の変更ΔW2,2,1を、並びに、前記第二の動作モードにおいて、それぞれ、第三の波面の変更ΔW2,1,2及び第四の波面の変更ΔW2,2,2を、導入するための、それぞれ、第一の階段の高さ及び第二の異なる階段の高さを有する第一の区分及び第二の区分を含み、ここで差(ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)−(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)は、非対称である。
本発明の別の態様によれば、第一の動作モードで第一の放射ビームによって第一の情報層を、及び、第二の動作モードで第二の放射ビームによって第二の情報層を、走査するための光走査デバイスに用いるレンズが提供されるが、レンズには、本発明による位相構造が提供される。
本発明の目的、利点、及び特徴は、添付する図面に図説するような、以下の本発明のより詳細な説明から明らかであると思われる。
本発明による光走査デバイスは、少なくとも第一の動作モードにおいて、それぞれ少なくとも二つの異なるタイプ又は形式を有する光記録担体を走査することに適切である。以下において、“S”は、光走査デバイス用の動作モードの合計数である。それは、2以上の整数である。また、“s”は、そのデバイスのs番目の動作モードを指す。それは、1とSとの間に含まれる整数である。
図2は、第一のモードで動作するときの、符号1によって表示される、本発明による光走査デバイスの構成部品の概略図である。図3は、光走査デバイス1に用いる対物レンズを示す。
図2に示すように、光走査デバイス1は、第一の動作モード(s=1)において、第一の放射ビーム4によって、第一のタイプを有する第一の光記録担体3の第一の情報層2を走査することが可能である。また、図3に示すように、第二の動作モード(s=2)において、第二の放射ビーム4’によって、第二の光記録担体3’の第二の情報層2’を走査することも可能である。
実例として、光記録担体3は、透明層5を含み、その一方の側に情報層2が配置される。透明層5から離れて面する情報層2の側面は、保護層6によって環境の影響から保護される。透明層5は、情報層2に機械的な支持を提供することによって、光記録担体3用の基体として作用する。あるいは、機械的な支持が、情報層2の他方の側における層によって、例えば、保護層6によって、又は、最上の情報層に接続される付加的な情報層及び透明層によって、提供される一方で、透明層5は、情報層2を保護する機能のみを有してもよい。情報層が、図2に示すようなこの実施形態において透明層5の厚さに対応する第一の情報層の深さ27を有することが、留意される。情報層2は、担体3の表面である。その表面は、少なくとも一つのトラック、すなわち、集束した放射ビームのスポットによって追跡される経路を含有するが、その経路上には、情報を表すための光学的に読み取り可能なマークが、配置される。マークは、例えば、ピット又は周囲と異なる反射係数若しくは磁化の方向を備えたエリアの形態であってもよい。
同様に、光記録担体3’は、第二の透明層5’を含むが、その一方の側には、第二の情報層の深さ27’を備えた情報層2’が、配置される。
図2及び3の両方を参照して、光走査デバイス1は、放射源7、コリメータレンズ18、ビームスプリッター9、光軸19を有する対物レンズ系8、位相構造又は非周期的な構造(NPS)24、及び検出系10を含む。さらに、光走査デバイス1は、サーボ回路11、フォーカスアクチュエータ12、ラジアルアクチュエータ13、及び誤差補正用の情報処理ユニット14を含む。
以下において、“Z軸”は、対物レンズ系8の光軸19に対応する。光記録担体3及び3’が、ディスクの形状を有する場合において、以下のものは、与えられたトラックに関して定義される。“径方向”は、トラックとディスクの中心との間の基準軸、X軸の方向であり、“接線方向”は、トラックに対する接線であると共にX軸に対して垂直である別の軸、Y軸の方向である。その場合には、(X,Y,Z)は、情報の平面2及び2’の位置と関連した直交基である。
放射源7は、連続的に又は同時に、放射ビーム4及び4’を供給する。例えば、放射源7は、放射ビーム4及び4’を連続的に供給するための調整可能な半導体レーザー又はこれらの放射ビームを同時に供給するための二つの半導体レーザーのいずれかを含んでもよい。さらに、放射ビーム4及び4’は、それぞれ、第一の波長λ1及び第二の異なる波長λ2を有する。
本説明においては、二つの波長λa及びλbは、互いに実質的に異なり、ここで|λa−λb|は、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上であり、ここで値10nm及び20nmは、純粋に任意の選択の事項である。
第一及び第二の動作モードは、実例としてのみ、それぞれ、波長λ1及びλ2によって特徴付けられ、ここで波長λ1及びλ2は、実質的に、互いに異なることが、留意される。
コリメータレンズ18は、図2に示すように、光軸19上に配置される。第一のモードにおいては、それは、放射ビーム4を第一の実質的にコリメートされたビーム20に変換する。第二のモードにおいては、コリメータレンズ18は、放射ビーム4’を第二の実質的にコリメートされたビーム20’に変換する(図2に示さない)。
ビームスプリッター9は、第一のモードにおいては、コリメートされた放射ビーム20を対物レンズ系8に向かって透過させる。第二のモードにおいては、それは、コリメートされた放射ビーム20’を対物レンズ系8に向かって透過させる(図2に示さない)。好ましくは、ビームスプリッター9は、Z軸に関して角度αだけ、より好ましくはα=45°で、傾斜させられる平行平面板で形成される。
対物レンズ系8は、第一のモードにおいては(図2及び3に示すように)、コリメートされた放射ビーム20を、第一の開口数NA1を有する第一の集束する放射ビーム15に変換して、情報層2の位置に第一の走査スポット16を形成する。第二のモードにおいては(図3に示すように)、対物レンズ系8は、コリメートされた放射ビーム20’を、第二の開口数NA2を有する第二の集束する放射ビーム15’に変換して、情報層2’の位置に第二の走査スポット16’を形成する。
図2及び3に示すように、実例としてのみ、対物レンズ系8は、(以下でさらに詳細に説明することにする)NPS24が設けられた対物レンズ17を含む。
図2及び3において、対物レンズ17が、無限−共役モードで使用される、ハイブリッドレンズ、すなわち、NPS24及び屈折素子を組み合わせるレンズとして形成されることが、留意される。このようなハイブリッドレンズを、レンズ17の入射面に階段のプロフィールを適用することによって、例えばUV硬化ラッカーの光重合を使用する、例えばリソグラフィーの工程によって、形成することができ、それによって都合良くは、作ることが容易であるNPS24に帰着する。あるいは、対物レンズ17を、ダイヤモンド旋削によって作ることができる。
また、図2及び3において、対物レンズ17が、凸−凸レンズとして形成されることが、留意される。しかしながら、平−凸レンズ又は凸−凹レンズのような他のレンズ素子のタイプを、使用することができる。さらに、対物レンズ17は、単レンズである。あるいは、対物レンズ17は、二つ以上のレンズ素子を含有する複合レンズであってもよい。
第一のモードにおける走査の間に、記録担体3は、(図2及び3に示さない)主軸上で回転し、次に、情報層2は、透明層5を通じて走査される。集束する放射ビーム15は、情報層2上に反射し、それによって、前方の収束するビーム15の光路に戻る反射したビーム21を形成する。対物レンズ系8は、反射した放射ビーム21を、反射したコリメートされた放射ビーム22に変換する。ビームスプリッター9は、反射した放射ビーム22の少なくとも一部分を検出系10に向かって透過させることによって、前方の放射ビーム20を、反射した放射ビーム22から分離する。第二のモードにおける走査の間に、記録担体3’は、(図3に示さない)主軸上で回転し、次に、情報層2’は、透明層5’を通じて走査される。集束する放射ビーム15’は、情報層2’上に反射し、それによって、前方の収束するビーム15’の光路に戻る反射したビーム21’を形成する。対物レンズ系8は、反射した放射ビーム21’を、反射したコリメートされた放射ビーム22’に変換する。ビームスプリッター9は、反射した放射ビーム22’の少なくとも一部分を検出系10に向かって透過させることによって、前方の放射ビーム20’を、反射した放射ビーム22’から分離する。
検出系6は、収束性のレンズ25、並びに、第一のモードにおいては反射した放射ビーム22の前記部分を、及び、第二のモードにおいては反射した放射ビーム22’の前記部分を、獲得するための象限検出器23を含む。象限検出器23は、第一のモードにおいては反射した放射ビーム22のその部分を、及び、第二のモードにおいては反射した放射ビーム22’のその部分を、一つ以上の電気信号に変換する。信号の一つは、情報信号Idataであり、その値は、第一のモードにおいては情報層2上で走査された情報を、及び、第二のモードにおいては情報層2’上で走査された情報を、表す。情報信号Idataは、誤差補正用の情報処理ユニット14によって処理される。検出系10からの他の信号は、フォーカス誤差信号Ifocus及びラジアルトラッキング誤差信号Iradialである。信号Ifocusは、第一のモードにおいては走査スポット16と情報層2の位置との間のZ軸に沿った高さの軸上の差を、及び、第二のモードにおいては走査スポット16’と情報層2’の位置との間のZ軸に沿った高さの軸上の差を、表す。好ましくは、信号Ifocusは、とりわけ、“Principle of Optical Disk Systems”と題されたG.Bouwhuis、J.Braat、A.Hujiser等の本(Adam Hilger 1985)(ISBN 0−85274−785−3)のpp.75−80から知られている“非点収差法”によって形成される。ラジアルトラッキング誤差信号Iradialは、第一のモードにおいては走査スポット16と走査スポット16によって追跡される情報層2におけるトラックの中心との間の情報層2のXY平面内における距離を、及び、第二のモードにおいては走査スポット16’と走査スポット16’によって追跡される情報層2’におけるトラックの中心との間の情報層2’のXY平面内における距離を、表す。好ましくは、信号Iradialは、とりわけ、G.Bouwhuis等の本のpp.70−73から知られている“ラジアルプッシュプル法”から形成される。
サーボ回路11は、信号Ifocus及びIradialに応じて、それぞれ、フォーカスアクチュエータ12及びラジアルアクチュエータ13を制御するためのサーボ制御信号Icontrolを提供するために、配置される。フォーカスアクチュエータ12は、Z軸に沿って対物レンズ17の位置を制御し、それによって、第一のモードにおいては、走査スポット16の位置を、それが、情報層2の平面と実質的に一致するように、及び、第二のモードにおいては、走査スポット16’の位置を、それが、情報層2’の平面と実質的に一致するように、制御する。ラジアルアクチュエータ13は、X軸に沿って対物レンズ17の位置を制御し、それによって、第一のモードにおいては、走査スポット16の径方向の位置を、それが、情報層2における追跡されるトラックの中心線と実質的に一致するように、及び、第二のモードにおいては、走査スポット16’の径方向の位置を、それが、情報層2’における追跡されるトラックの中心線と実質的に一致するように、制御する。
今、第一及び第二のモードで動作する光走査デバイス1に用いる本発明による位相構造又はNPS24を、さらに詳細に説明する。
図2及び3に示す第一の実施形態において、NPS24は、放射源7に面する第一の対物レンズ17の側面(ここでは、“入射面”と呼ばれる)に配置される。(Xo,Yo,Zo)は、基(X,Y,Z)に平行な且つ対物レンズ17の入射面と関連した直交基であり、ここで、原点“O”は、レンズの入射瞳の中心である。その実施形態に対する代替手段として、NPS24を、レンズ17の他の面(ここでは、“射出面”と呼ばれる)に配置してもよい。あるいはまた、対物レンズ17は、例えば、NPS24を形成する平面のレンズ素子が設けられた屈折の対物レンズ素子である。あるいはまた、NPS24は、対物レンズ系8と別個の光学素子に、例えば、ビームスプリッター又は四分の一波長板に設けられる。
NPS24は、中央部分P1及び少なくとも一つの周辺部分P2を含む。本説明においては、“中央部分”は、光軸(この場合には、光軸19)上の中央に置かれると共に外側の境界を有する部分を指し、“周辺部分”は、このような中央部分の周囲に位置させられると共に内側の境界及び外側の境界を有する部分を指す。以下において、“M”は、NPS24の部分の合計数である。それは、2以上の整数である。“Pm”は、NPS24のm番目の部分であり、ここで“m”は、1とMとの間に含まれる整数である。“Pm”は、m=1の場合には中央のものであり、mが2以上である場合には輪状のものであることが、留意される。
さらに、部分P1及びP2の一つ、例えば部分P2は、少なくとも、第一の角度の区分AS2,1及び第二の区分AS2,2に分割される。第一の角度の区分AS2,1は、第一のモードにおいては放射ビーム15に第一の波面の変更ΔW2,1,1を、及び、第二のモードにおいては放射ビーム15’に第二の波面の変更ΔW2,1,2を、導入する。第二の角度の区分AS2,2は、第一のモードにおいては放射ビーム15に第三の波面の変更ΔW2,2,1を、及び、第二のモードにおいては放射ビーム15’に第四の波面の変更ΔW2,2,2を、導入する。部分P2が、第一のモードにおいては放射ビーム15に、結果として生じる波面の変更(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)を、及び、第二のモードにおいては放射ビーム15’に、結果として生じる波面の変更(ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)を、導入することが、留意される。加えて、波面の変更ΔW2,1,1、ΔW2,1,2、ΔW2,2,1、及びΔW2,2,2は、第二のモード及び第一のモードにおける結果として生じる波面の変更(ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)及び(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)の間の差(ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)−(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)が、非対称である、すなわち、光軸19に関して2πにわたって回転対称でないようなものである。
以下において、“Jm”は、部分Pmについての角度の区分の合計数である。それは、2以上の整数である。“ASm,j”は、部分Pmのj番目の角度の区分であり、ここで“j”は、1とJmとの間に含まれる整数である。“hm,j”は、部分Pmのj番目の角度の区分の階段の高さである。“ΔWm,j,s”は、光走査デバイスのs番目の動作モードにおいて角度の区分ASm,jによって導入される波面の変更である。“ΔΦm,j,s”は、式(0a)に従った波面の変更ΔWm,j,sと関連した位相変化である。s番目のモードにおける波面の変更ΔWm,j,sが、波面の任意の点について実質的に一定であることが、留意される。また。階段の高さhm,jを有する角度の区分ASm,jが、以下の
上述したNPS24の改善として、階段の高さhm,jは、NPS24が、第一及び第二のモードの一つにおいて、例えば、第一のモードにおいて、実質的に平坦な波面の変更を導入するように、選ばれる。以下において、第一のモードにおける放射ビーム15の波長λ1は、設計波長λrefと呼ばれる。その結果として、階段の高さhm,jは、第一のモードにおける波面の変更ΔW1,1,1及びΔW1,2,1の両方が、実質的に平坦である(又は第一のモードにおける位相変化ΔΦm,j,1の間の差が、2πの異なる倍数に、すなわち、2πを法とするゼロに実質的に等しい)と共に、第二のモードにおける結果として生じる波面の変更(ΔW1,1,2+ΔW1,2,2)が、非対称であるように、選ばれる。
言い換えれば、階段の高さhm,jは、基準の高さhrefの倍数、
今、改善されたNPS24のより具体的な実施形態を、放射ビーム20が、第一のモードにおいて第一の偏光p1を有し、放射ビーム20’が、第二のモードにおいて第二の異なる偏光p2を有し、対物レンズ17が、偏光p1及びp2に敏感な複屈折の材料を含む場合について説明する。以下において、“r0”は、NPS24が設けられる、対物レンズ17の面の瞳の半径である。さらに、対物レンズ17は、レンズの屈折率が、偏光p1又はp2がpeに等しい場合にはneに、及び、偏光p1又はp2がp0に等しい場合にはn0に、等しく、ここで“ne”及び“n0”が、複屈折の材料の異常光線及び常光線の屈折率であるように、整列される。また、放射ビームが、複屈折の材料の光軸に沿って伝播しないとき、対物レンズ17は、第一のモードにおいては収差を導入しないが、第二のモードにおいては非点収差Wabbを導入する。図4は、座標系(X0,Y0)における非点収差Wabbを表す曲面81を示す。以下において、実例としてのみ、収差Wabbの値OPDrmsは、61mλに等しい。
第一のモードに関して、階段の高さhm,jは、波面の変更ΔWm,j,sが、実質的に平坦であるように、選ばれる。このように、階段の高さhm,jは、基準の高さhrefの異なる倍数qm,jに等しいものである。実例としてのみ、複屈折の材料が、n0=1.54及びne=1.55を備えた石英である場合には、波長λ1(すなわち、設計波長)は、405nmに等しく、偏光p1は、p0に等しく、href=0.75ことが、式(3b)から知られる。
第二のモードに関して、p2=pe、ne=1.55、及びλ2=405nmの場合には、qm,jhrefに等しい階段の高さhm,jは、2πを法とするゼロと異なる位相変化ΔΦm,j,2を導入する。表Iは、整数qm,jの異なる値についての第二のモードにおける2πを法とする位相変化ΔΦm,j,2の値を示す。
表I
整数qm,jは、NPS24が、非点収差の波面収差Wastを補償するように、すなわち、結果として生じる波面の変更
表II
表III
さらに詳細については、板の負の階段の高さを記載している欧州特許出願第1,179,212−A号を参照のこと。
図5Aは、表IIIに従って設計されたNPS24の透視図を示す。図5Bは、対物レンズ17の入射瞳の側から見たそのNPSの正面図を示す。図5Bにおいて、角度の区分AS2,jの間における分界線が、角度の区分AS3,jの間におけるものと整列される象限の配置に従って、角度の区分が、配置されることが、留意される。また、NPS24の階段のプロフィールは、それぞれ隣接する角度の区分Sm,j+1及びSm,j又はSm+1,j及びSm,jの間における相対的な階段の高さhm,j+1−hm,j又はhm+1,j−hm,jが、aλ1に実質的に等しい光路を有する相対的な階段の高さを含み、ここで“a”は、整数であると共にa>1であり、“λ1”は、設計波長であるように、設計されることも留意される。言い換えれば、このような相対的な階段の高さは、基準の高さhrefよりも高い。
図6は、図4に示す波面収差Wabb及び図5A及び5Bに示すNPS24によって導入される波面の変更
表IVは、それぞれ、図4に示す波面収差Wabbを補償するための図5Aに示すNPS24無し及び有りの値OPDrms[Wabb]及び
表IV
また、上述したようなNPS24が設けられたレンズ17のような複屈折のレンズが、例えば二重層について無限共役を形成するためのレンズ系を形成することも留意される。それらの二つの情報層の一つが、第一のモードにおいて、所定の偏光を有する放射ビームによって走査され、他の情報層は、第二のモードにおいて、異なる偏光を有する別の放射ビームによって走査される。このように、複屈折のレンズが、第二のモードにおいて非点収差を導入すると共に第一のモードにおいて非点収差を導入しない一方で、NPSは、それに応じて、第二のモードにおいてこのような非点収差を補償すると共に第一のモードにおいては光学的に不活性である。
上述の実施形態において、複屈折の対物レンズと適合する光走査デバイスを説明する一方で、本発明による走査デバイスを、代わりに、走査される任意の他のタイプの光記録担体に使用することができることは、認識されることである。複屈折の材料の使用は、本発明に必須ではないことが、留意される。
上述した位相構造の代替手段は、導入される任意の非対称な波面の変更、例えば図1Aに示すようなコマの波面の変更について、設計される。このような波面の変更を表す数学的関数についてのより多くの情報については、例えば、“Principles of Optics”と題されたM.Born and E.Wolfによる本(Pergamon Press 6th Ed.)(ISBN 0−08−026482−4)のpp.464−470を参照のこと。
あるいはまた、位相構造には、上述したもの以外の多くの部分及び角度の区分を設けてもよい。数M及び/又は数Jmが、大きければ大きいほど、対物レンズによって導入される収差Wabbの補償は、良好になることが、留意される。しかしながら、これは、特に製造の点で、NPSの複雑さを増加させることに帰着するであろう。従って、補償と製造との間の妥協点を見出す必要がある。
あるいはまた、角度の区分は、図5Bに示す象限の配置以外の配置に設けられる。図8A及び8Bは、図5Bに示す位相構造の二つの代替手段の二つの正面図を示す。図8Aに示すように、NPS24’は、二つの部分P1’及びP2’を有し、ここで部分P1’は、二つの角度の区分AS’1,1及びAS’1,2に分割され、部分P2’は、二つの角度の区分AS’2,1及びAS’2,2に分割される。同様に、図8Bに示すNPS24’’は、二つの部分P1’’及びP2’’並びに四つの角度の区分AS’’1,1、AS’’1,2、AS’’2,1、及びAS’’2,2を有する。角度の区分AS’’1,1及びAS’’1,2の間における分界線が、角度の区分AS’’2,1及びAS’’2,2の間における分界線とゼロでない角度αを形成する一方で、角度の区分AS’1,1及びAS’1,2の間における分界線が、角度の区分AS’2,1及びAS’2,2の間における分界線と整列されることが、留意される。言い換えれば、NPSの部分のこれらの異なる可能な配置は、NPSを通り抜ける放射ビームに任意の非対称な波面の変更を導入することを可能にする。
対物レンズの入射面上に配置される位相構造に対する別の代替手段は、板のような任意の形状のものであってもよい。さらに、本発明によるNPSが設けられたこのような板の改善として、被覆層が、位相構造が、平面板を形成するように、角度の区分に配置される。図7は、このような改善を示し、ここで、NPS24を含む板89に被覆層90が設けられる。実例としてのみ、被覆層90は、板89の複屈折の材料の屈折率n0に実質的に等しい屈折率を有する等方的な材料で作られる。本説明において、二つの屈折率na及びnbは、実質的に等しく、ここで|na−nb|は、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.005以下であり、ここで値0.01及び0.005は、任意の選択の事項である。第一のモードにおいては、改善されたNPS24を通り抜ける放射ビームの偏光は、NPS24の屈折率が、n0に等しいようなものである。そのモードにおいては、改善されたNPS24は、NPSを通り抜ける放射ビームに光学的な効果を有さない。第二のモードにおいては、NPS24を通り抜ける放射ビームの偏光は、NPS24の屈折率が、neに等しいようなものである。そのモードにおいては、複屈折の板89及び等方的な被覆層90の屈折率の間における不整合がある。位相変化ΔΦm,j,2を発生させるために、階段の高さhm,jは、hm,j=hrefΔΦm,j,2/2πに等しくなければならず、ここでhref=λref/(ne−n0)である。このように、実例としてのみ、n0=1.5、ne=1.6及びλref=405nmの場合には、href=4.05μmであることが、見出される。様々な高さhm,jの適切な設計によって、NPS24は、結果として生じる非点収差の波面の変更
表V
表VI
あるいはまた、本発明による複数の位相構造を、異なる光学素子と共に、又は、一つの単一の本体に、提供してもよく、ここで、位相構造は、異なる材料を有する。
上述の光走査デバイスに対する代替手段は、上述した第一及び第二のモードと異なるモードで、例えば、(2001年7月5日に発行された国際公開第01/48745号パンフレットに記載されているような)二つの異なる波長の二つのモードで、(2002年2月13日に発行された欧州特許出願公開第1.179.212号明細書に記載されているような)二つの異なる温度の二つのモードで、(B.H.W.Hendriks等による論文に記載されているような)二つの異なる入射角の二つのモードで、又は、(2002年7月22日に出願された欧州特許出願第02077992.2号に記載されているような)三つの異なる波長の三つのモードで、動作する。
上述した光走査デバイスの別の代替手段として、NPSを通り抜ける放射ビームの偏光の少なくとも一つは、その偏光が第一の状態にあるとき平坦な波面の変更を、及び、その偏光が第二の状態にあるとき非対称な波面の変更を、NPSが導入するように、第一の状態と第二の状態との間で切り替えられる。偏光の各々の切り替えが、例えば、2001年12月7日に出願された欧州特許出願第01204786.6から知られていることが、留意される。
あるいは、偏光の少なくとも一つは、その偏光が第一の状態にあるとき第一の非対称な波面の変更を、及び、その偏光が第二の状態にあるとき第二の異なる波面の変更を、NPSが導入するように、第一の状態と第二の状態との間で切り替えられる。
光走査デバイスに関係した上述した位相構造を、第一のモードで及び第二のモードで動作する、他の光学的な用途に、例えば、顕微鏡法及び写真技術において、使用してもよいことが、留意される。
Claims (12)
- 第一の動作モードにおいて第一の放射ビームによって第一の情報層を、及び、第二の動作モードにおいて第二の放射ビームによって第二の情報層を、走査する光走査デバイスであって、
当該デバイスは、
該第一及び第二の放射ビームを連続的に又は同時に放出する放射源、
該第一及び第二の情報層の位置にそれぞれ該第一及び第二の放射ビームを収束させる対物レンズ系、並びに
該第一及び第二の放射ビームの光路に配置される位相構造
を含み、
該構造は、光軸を有すると共に、径方向に非周期的な階段のプロフィールを形成する、中央部分(P1)及び少なくとも一つの周辺部分(P2)を含む光走査デバイスにおいて、
該中央及び周辺部分(P1,P2)の一つ(P2)は、少なくとも、該第一の動作モードにおいてそれぞれ第一の波面の変更ΔW2,1,1及び第二の波面の変更ΔW2,2,1を、並びに、該第二の動作モードにおいてそれぞれ第三の波面の変更ΔW2,1,2及び第四の波面の変更ΔW2,2,2を、導入する、それぞれ第一の階段の高さ(h2,1)及び第二の異なる階段の高さ(h2,2)を有する第一の角度の区分(AS2,1)及び第二の角度の区分(AS2,2)に分割され、
差(ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)−(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)は、該光軸の点で非対称であることを特徴とする光走査デバイス。 - (ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)−(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)は、非点収差、傾斜、コマ、又はクローバーのタイプのものである請求項1に記載の光走査デバイス。
- 前記第一のモードにおける結果として生じる波面の変更ΔW2,1,1+ΔW2,2,1又は前記第二のモードにおける結果として生じる波面の変更ΔW2,1,2+ΔW2,2,2のいずれかは、実質的に平坦である請求項1に記載の光走査デバイス。
- 前記位相構造は、前記第一のモードにおいては前記第一の放射ビームの第一の偏光(p1)に、及び、前記第二のモードにおいては前記第二の放射ビームの第二の異なる偏光(p2)に、敏感な複屈折の材料を含む請求項1に記載の光走査デバイス。
- 前記位相構造が板を形成するように配置される被覆層をさらに含む請求項1に記載の光走査デバイス。
- 前記高さは、隣接する階段(ASm,j+1,ASm,j;ASm+1,j,ASm,j)の間における相対的な階段の高さ(hm,j+1−hm,j;hm+1,j−hm,j)が、aλ1に実質的に等しい光路を有する相対的な階段の高さを含み、“a”が、整数且つa>1であり、“λ1”が、前記第一の放射ビームの波長であるように、設計される請求項1に記載の光走査デバイス。
- 前記位相構造は、概略円形であり、
前記階段は、概略輪状である請求項1に記載の光走査デバイス。 - 前記位相構造は、前記対物レンズ系のレンズの面に形成される請求項1に記載の光走査デバイス。
- 前記位相構造は、前記放射源と前記対物レンズ系との間に設けられる光学板に形成される請求項1に記載の光走査デバイス。
- 前記光学板は、四分の一波長板又はビームスプリッターを含む請求項9に記載の光走査デバイス。
- 第一のモードにおいて及び第二のモードにおいて動作する位相構造であって、
当該構造は、光軸を有すると共に、径方向に非周期的な階段のプロフィールを形成する、中央部分(P1)及び少なくとも一つの周辺部分(P2)を含む位相構造において、
該中央及び周辺部分(P1,P2)の一つ(P2)は、少なくとも、該第一の動作モードにおいてそれぞれ第一の波面の変更ΔW2,1,1及び第二の波面の変更ΔW2,2,1を、並びに、該第二の動作モードにおいてそれぞれ第三の波面の変更ΔW2,1,2及び第四の波面の変更ΔW2,2,2を、導入する、それぞれ第一の階段の高さ(h2,1)及び第二の異なる階段の高さ(h2,2)を有する第一の区分(AS2,1)及び第二の区分(AS2,2)を含み、
差(ΔW2,1,2+ΔW2,2,2)−(ΔW2,1,1+ΔW2,2,1)は、非対称であることを特徴とする位相構造。 - 第一の動作モードにおいて第一の放射ビームによって第一の情報層を、及び、第二の動作モードにおいて第二の放射ビームによって第二の情報層を、を走査する光走査デバイスに用いるレンズであって、
当該レンズには、請求項11に記載の位相構造が設けられるレンズ。
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