JP2006500487A - スパンボンド不織布に適するポリプロピレン繊維 - Google Patents
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Abstract
該ポリマー組成物(A)は、MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR値(MFR(2))を有する前駆体ポリマー(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる。上記のプロピレンポリマー組成物(ii)および該繊維から製造される不織布。該布地は、カバーストックおよびオムツに有用である。
Description
i)a)少なくとも0.8重量%のエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が5重量%より低く、キシレンによる昇温溶出分画(TREF)により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5%重量より多いエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、好ましくは8重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4より高く、好ましくは4.5より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択される結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;および
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%まで、好ましくは0.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜10重量%のエチレンとの結晶性コポリマーである が、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、 関係する(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも0.8パーセント単位、好 ましくは1パーセント単位、より好ましくは2パーセント単位であるものと、
IIb)プロピレンと、1.5〜18重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意に エチレンとの結晶性コポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(II b)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対し て少なくとも1.5パーセント単位、好ましくは2パーセント単位であるもの と、
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物と
からなる群より選択される結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%
を含む結晶性プロピレンポリマー組成物
からなる群より選択されるプロピレンポリマー組成物(A)を含むスパンボンド不織布用の繊維を提供する。
本開示においては、室温とは約25℃の温度とする。
上記の結晶性ポリマーは、アイソタクチック型の立体規則性を示す。
成分(i)(b)中に、エチレンが唯一のコモノマーとして存在する場合、該成分は、ほぼ、5重量%までのエチレンの含有量を表す。
成分(i)中に、C4〜C10α−オレフィンも存在する場合、それらは一般に、全成分(i)の重量に対して1〜6重量%の範囲内である。
1)153℃以上の溶融温度;および
2)室温におけるキシレン可溶画分の含量が10%より低く、好ましくは9重量%より低い。
好ましい実施形態において、該ポリマー組成物(ii)は、重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%まで、好ましくは0.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜5重量%のエチレンとの結晶性コポリマーであるが 、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関 係する(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも0.8パーセント単位である ものと、
IIb)プロピレンと、1.5〜12重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意に エチレンとの結晶性コポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(II b)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対し て少なくとも1.5パーセント単位であるものと、
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物と
から選択される結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%
を含む。
特に好ましいのは、成分(I)がプロピレンホモポリマーであり、成分(II)がエチレン−プロピレンランダムコポリマーである結晶性プロピレンポリマー組成物(ii)である。
本発明の繊維によって示される破断伸度は、標準的処理量で、一般に140%より高く、好ましくは少なくとも150%である。
本発明における繊維は、一般に太さが0.8〜8dtexの範囲にある。
前駆体ポリマー(B)のポリマー鎖の化学的分解は、適切な周知の技術を使用して行われる。
好ましくは、該化学的分解された組成物(A)は、2〜6、より好ましくは2〜3の多分散性指標値を有する。
i)a)少なくとも0.8重量%のエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が5重量%より低く、キシレンによる昇温溶出分画(TREF)により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5%重量より多いエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、好ましくは8重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4より高く、好ましくは4.5より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択される結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;および
ii)少なくとも0.64重量%のエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィン繰り返し単位を含有し、かつ重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%まで、好ましくは0.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜5%のエチレンとのコポリマーであるが、但しポリ マー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係する(コ )ポリマーの重量に対して少なくとも0.8パーセント単位、好ましくは1パ ーセント単位、より好ましくは2パーセント単位であるものと、
IIb)プロピレンと、1.5〜12重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意に エチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)と の間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して少な くとも1.5パーセント単位、好ましくは2パーセント単位であるものと、
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物と
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%、好ましくは30〜70%
を含む結晶性プロピレンポリマー組成物
から選択される化学的に分解されたプロピレンポリマー組成物(A)である。
1)155℃以上の溶融温度;
2)4重量%より低い、好ましくは3重量%より低い、より好ましくは2.5重量%より低い室温におけるキシレン可溶画分の含有量;および
3)重量により、8より高い、好ましくは10より高い、より好ましくは12より高いキシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値。
1)それぞれの段階において、先行する段階で形成されたポリマーと使用された触媒の存在下で操作し、分子量調節剤(好ましくは水素)を0.5〜50g/10分の前駆体組成物(B)についてのMFR(2)値を得るような量で添加する、1段以上の連続する段階におけるモノマーの重合により、前記の前駆体組成物(B)を製造する段階;ならびに
2)段階(1)で得られる前駆体組成物(B)を、6〜150g/10分、より好ましくは10〜60g/10分の最終組成物についてのMFR(1)値を得るために、1.5〜60、好ましくは6〜30のMFR(1)のMFR(2)に対する比についての分解比率で分解処理に付す段階。
外部供与体は、任意に添加される。
のサクシネート類である。
特に好ましくは、R1およびR2が第一級アルキル類、および特に分岐鎖状の第一級アルキル類から選ばれる化合物である。好ましいR1基およびR2基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシルである。特に好ましいのはエチル、イソブチルおよびネオペンチルである。
の1,3−ジエーテル類であるか;あるいは2位の位置の炭素原子が、5、6もしくは7個の炭素原子、または5−n個もしくは6−n’個の炭素原子と、それぞれN,O,SおよびSiからなる群から選ばれるn個の窒素原子ならびにn’個のヘテロ原子とからなる環状または多環状構造の一員である1,3−ジエーテル類である(ここで、nは1または2であり、n’は1、2または3である)。該構造は、2または3個の不飽和部位を有しており(シクロポリエン構造)、任意に他の環状構造と縮合しているか、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基;シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール(alkaryl)基およびハロゲン類からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されるか、または他の環状構造と縮合して、縮合した環状構造と結合することもできる上記の1以上の置換基で置換される;上記の1以上のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルまたはアルカリール基、および縮合した環状構造は、任意に炭素または水素原子の、または両方の代わりに1以上のヘテロ原子を含有する。
この種類のエーテル類は、欧州特許出願第361493号および第728769号に開示される。
他の好適な電子供与体化合物は、ジイソブチル、ジオクチル、ジフェニルおよびベンゾイルブチルフタレートのようなフタル酸エステル類である。
例えば、MgCl2・nROH付加物(特に球状粒子の形)(ここで、nは一般に1〜3であり、ROHはエタノール、ブタノールまたはイソブタノールである)を、電子供与体化合物を含有する過剰のTiCl4と反応させる。反応温度は一般に80〜120℃である。次いで固体物質を分離し、電子供与体の存在下または非存在下に再びTiCl4と反応させ、その後で分離して、塩素イオンが無くなるまで一定量の炭化水素で洗浄する。
固体触媒成分の製造に使用できるチタン化合物は、チタンのハロゲン化物およびハロゲンアルコレートである。四塩化チタンが好適な化合物である。
アルキルアルミニウム化合物は、一般にAl/Ti比率が1〜1000であるような量が使用される。
シリコン化合物の例は、(tert−ブチル)2Si(OCH3)2、(シクロヘキシル)(メチル)Si(OCH3)2、(フェニル)2Si(OCH3)2および(シクロペンチル)2Si(OCH3)2である。上記の式を持つ1,3−ジエーテル類もまた有利に用いることができる。内部供与体がこれらのジエーテル類の1つであれば、外部供与体を省略することができる。
該工程において、適切な濃度の分子量調節剤を添加することで、上記のMFR(2)の値が得られる。
二つの工程に関連する反応時間,圧力および温度は重要ではないが、温度が20〜100℃であれば最適である。圧力は、大気圧以上であり得る。
触媒は、少量のオレフィンと予め接触させることができる(予備重合)。
−上昇区画に存在する気体混合物が下降区画に入ることを、全体的にまたは部分的に防ぐ手段が提供され、そして
−上昇区画に存在する気体混合物とは異なる組成を有する気体および/または液体混合物が、下降区画に導入される
ことを特徴とする。
そのような重合方法は、WO00/02929号に例示される。
典型的なスパンボンド化工程においては、ポリマーは押出機中で、ポリマーまたはポリマー組成物の融点まで加熱され、次いで溶融したポリマーは、所望の径の多くの開口部を持つ紡糸口金を通して圧力下にポンピングされる。これにより、フィラメントを後の延伸工程にかけることなく溶融ポリマーのフィラメントが生成される。
− 口金穴あたりの吐出量は0.1〜2g/分、好ましくは0.1〜1g/分の範囲;
− 紡糸口金面から供給される溶融ポリマーフィラメントは、一般に気流によって冷却され、冷却の結果として固化される;
− 紡糸温度は一般に200〜300℃、好ましくは220〜250℃である。
布地は、単層または多層の不織布により構成され得る。
明細書本文および実施例に示されたポリマー性材料および繊維に関するデータは、以下に報告する方法によって測定される。
− MFR:ISO1133(230℃で2.16kg)による;
− 溶融および結晶化温度:20℃/分の温度変化のDSCによる;
− エチレン含量:IR分光法による;
− 多分散性指標(PI):ポリマーの分子量分布の測定。
PI値を決定するため、レオメトリックス社(米国)により販売されるRMS−800型平行プレートレオメーターモデルを使用して、0.01rad/秒から100rad/秒まで増加する振動周波数で操作して、200℃の温度で、たとえば500Paの低い弾性率値における剛性分離(modulus separation)を決定する。剛性分離値から、以下の式を利用してPIが求めるこができる:
PI=54.6×(剛性分離)-1.76
ここで、剛性分離(MS)は以下のように定義される:
MS=(G’=500Paにおける周波数)/(G”=500Paにおける周波数)
(式中、G’は貯蔵弾性率、G”は低い弾性率(low modulus)である)。
最初の画分を、室温においてo−キシレンで溶出して得る。第二の画分を、カラム温度を95℃まで上げた後に回収する。25〜95℃の間で溶解可能なポリマー画分は単独画分として回収される。温度を95から125℃まで直線的に昇温する間に、連続的な画分がo−キシレンで溶出される。200mLの溶液として回収されるそれぞれの画分を、温度1℃増分ごとに集める。ポリマー画分を次いで、アセトンにより沈澱させ、0.5μmのPTFEろ紙上でろ過し、真空下に70℃で乾燥して、秤量する。
− フィラメントの靭性と(破断)伸度:500mのロービングから、100mmの長さの切片を切り出す。この切片から試験に供される単繊維を無作為に選ぶ。試験に供されるそれぞれの単繊維は、インストロン ダイナモメーター(1122型)のクランプに固定され、クランプ間の初期間隔は20mmで、伸度が100%より低いものは20mm/分の牽引速度で、伸度が100%より高いものは50mm/分で、破断まで張力をかけられる。最終強度(破断時の荷重)と破断伸度が決定される。
靭性は以下の式から導き出される:
靭性=極限強さ(cN)×10/太さ(dtex)
気相重合装置を含む設備により、連続的条件の下でプロピレンとエチレンとを重合してポリマーを製造する。
用いた触媒は、欧州特許第728769号の実施例5と同様にして製造した触媒成分を含むが、MgCl2・2.1C2H5OHの代わりに微小球状MgCl2・1.7C2H5OHを使用する。
触媒成分を重合反応器に導入する前に、上記の固体触媒成分を、12℃で24分間、トリエチルアルミニウム(TEAL)およびジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)と、TEALの固体触媒に対する重量比が5に等しく、TEALのDCPMSに対する重量比が4に等しくなるような量で接触させる。
次いで、該触媒系を、第一段重合反応器に導入する前に、20℃で5分間、液体プロピレン中の懸濁状態に保つことにより事前重合に付す。
重合作業を、連続法で、生成物を一つの反応器から直ちに次の反応器に移送する装置を備える一連の二つの反応器中で行う。この二つの反応器は、液相反応器である。ポリマー(I)を、第一の反応器中で調製し、ポリマー(II)を第二の反応器中で調製する。
水素を分子量調節剤として用いる。
気相(プロピレン,エチレンおよび水素)を、ガスクロマトグラフで連続的に分析する。
操作の最後に粉末が排出され、窒素気流下に乾燥される。
主な重合条件と、二つの反応器の中で製造されたポリマーに関するデータを、表1に報告する。
こうして得られるポリマー組成物を、約0.05重量%のルペロックス(商標)101(つまり2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキソ)ヘキサン)、0.05重量%のステアリン酸カルシウムおよびチバ(登録商標)スペシャリティーケミカルズによって市販される0.15重量%のイルガノックス(登録商標)B215(すなわち50重量%のペンタエリスリル−テトラキス[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、および50重量%のビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト])の存在下に、二軸押し出し機(L/D=35)中での押出/ぺレット化に付す。操作条件は次のとおりである:ヘッド温度250℃、溶融温度239℃および吐出量21kg/時間。
化学分解後のポリマー組成物の物性を、表1に報告する。
表1に報告される特徴を持つスパンボンド加工用の市販の結晶性プロピレンホモポリマーを、実施例1および2で用いるのと同じ試薬および条件で化学分解に付す。分解されたホモポリマーの主な物性を表1に報告する。
実施例1および2のポリマー組成物と比較例1のホモポリマーを、スクリューの長さ/径比が25で、スクリュー径が25mmで、圧縮比1:3であるレオナルド25紡糸パイロットラインを用いて、紡糸する。該ラインは、コスツルツィオーニ メカニッチェ レオナルド−スミラーゴ(VA)により販売される。
紡糸特性と、こうして製造されるフィラメントの物性を表2に報告する。
実施例1のポリマー組成物と比較例1のホモポリマーを、スパンボンドラインで加工する。最大限のラインの能力で試行を実施する。
こうして製造された不織布は、15g/m2の重量を有する。
カレンダー温度を5℃下げる以外は、実施例5を繰り返す。
引き込みエアー圧力を増加させることにより、より厳しい条件の下でフィラメントを加工する以外は実施例6を繰り返す。
操作条件と、実施例5〜7および比較例4のなかで得られた不織布の物性を表3に報告する。
実施例2のポリマー組成物と比較例2のホモポリマーを、同じ条件でスパンボンドラインにおいて試験する。
押出機、紡糸およびカレンダリングの主な条件を、表4に報告する。
実施例2のポリマー組成物を、実施例8よりも高い延伸エアーとより低いカレンダー温度で、紡糸する。
押し出し中に過酸化物を添加しない以外は、実施例1のようにしてポリマー組成物を製造して押し出す。
重合条件と、ポリマーの主な特性を表5に報告する。
表5に報告される特性を有するスパンボンド加工用の従来のプロピレンホモポリマーを、まさに実施例1のようにして化学的分解に付す。過酸化物および添加剤の量と種類は、実施例1と同様である。前駆体とぺレット化されたポリマーの主な物性を、表5に報告する。
実施例10のポリマー組成物と比較例6のホモポリマーを、同じ条件でスパンボンドラインにおいて試験する。
標準のラインの能力で試行を実施する。
こうして製造された不織布は、35g/m2の重量である。
実施例11と比較例7で得られた不織布の操作条件と物性を、表6に報告する。
実施例1と同じ触媒系を使用して、ポリマー組成物を製造する。
触媒は、二つの互いに連結した筒型の反応器である下降区画1と上昇区画2を含む気相重合装置に送られる。気相−固相分離器からのリサイクル気体により、反応器1中で高速の流動状態が確立される。2個の反応器区間(leg)における気体組成を差別化するための方法は、「障壁」供給である。この流れは、下降区画のより大きな上部に供給されるプロピレンである。
重合条件と、化学的分解前後のポリマー組成物の物性を、表7に報告する。
上記の実施例12で得られたポリマー組成物を、スクリューの長さ/直径比が25であり、スクリュー径が25mmであり、圧縮比が1:3であるレオナルド25紡糸パイロットラインで紡糸する。このラインは、コストゥルツィオニ メカニチェ レオナルド−スミラゴ(VA)によって販売される。
紡糸試験は以下の条件で行う:口金穴径が0.6mm、吐出量が0.6g/分×口金穴。2700m/分の引き取り速度で、37個の口金穴を有する紡糸口金で製造されたフィラメントについて、機械的値を測定する。紡糸は不具合がなく安定である。
ポリマーが、MFR値25g/10分、多分散性指標2.6、融点161℃およびキシレン可溶画分3.2g/mlであるプロピレンホモポリマーからなる市販の樹脂であることを除いて、実施例13を繰り返す。
表8にはこうして得られたフィラメントの物性を、該市販のホモポリマーから製造されたフィラメントの物性と比較して報告する。
収縮率(retraction)もより高い結果である。これらの特性は製造される不織布の品質を改良するであろう。
実施例1のポリマー組成物に類似のポリマー組成物を製造する以外は、実施例12を繰り返す。該ポリマーは、次いで実施例1のようにして押し出されぺレット化される。重合条件とポリマー組成物の物性を、表9に報告する。
実施例14のポリマー組成物を、スパンボンドラインにおいて、実施例7と同じ条件で最大限のラインの能力で加工する。こうして得られた不織布は、重量15g/m2である。
スパンボンドラインの主な設定と、不織布の主な物性を表11にまとめる。
Claims (9)
- 6〜150g/10分のMFR値(MFR(1))を有し、:
i)a)少なくとも0.8重量%のエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が4重量%より低く、キシレンによる昇温溶出分画(TREF)により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5%重量より多いエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択される結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;および
ii)溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低い結晶性プロピレンポリマー組成物であって、該組成物が少なくとも0.64重量%のエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィン繰り返し単位を含有し、かつ重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜10重量%のエチレンとのコポリマーであるが、但 しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係す る(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも0.8パーセント単位であるもの と、
IIb)プロピレンと、1.5〜18重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意に エチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)と の間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して少な くとも1.5パーセント単位であるものと、
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物と
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%
を含むもの
から選択されるプロピレンポリマー組成物(A)を含むスパンボンド不織布用の繊維。 - 組成物(A)が、溶融温度155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が5重量%より低く、キシレンによる分画により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いポリマー組成物(ii)であって;該組成物(ii)が、重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマーおよび/または1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜5重量%のエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも0.8パーセント単位であるもの;および
IIb)プロピレンと、1.5〜12重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意にエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも1.5パーセント単位であるもの;および
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)との混合物
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%
を含むものである請求項1に記載の繊維。 - 組成物(A)が、MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR値(MFR(2))を有する前駆体ポリマー(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる請求項1または2に記載の繊維。
- ポリマー(I)とポリマー(IIa)の間のエチレン含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも1%単位である請求項1〜3のいずれか1つに記載の繊維。
- 6〜150g/10分のMFR(1)値を有し:
i)a)少なくとも0.8重量%のエチレンと任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が4重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5より多く4.5重量%までのエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が4より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択される、結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物;ならびに
ii)溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低い結晶性プロピレンポリマー組成物であって、該組成物が少なくとも0.64重量%のエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィン繰り返し単位を含有し、かつ重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、または1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および:
II)IIa)プロピレンと、0.8から10重量%のエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも0.8パーセント単位であるもの;
IIb)プロピレンと、1.5から18重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意にエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して少なくとも1.5パーセント単位であるもの;
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)の混合物
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%
を含むもの
から選択されるプロピレンポリマー組成物(A)が加工されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の繊維を製造するための溶融紡糸方法。 - 6〜150g/10分のMFR値を有し、重量パーセントで:
I)結晶性プロピレンホモポリマー、および/または溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が4重量%より低く、キシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高い、1.5重量%までのエチレンおよび/またはC4〜C10α−オレフィンを含有する結晶性プロピレンランダムコポリマー20〜80%;および
II)IIa)プロピレンと、0.8〜10重量%のエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIa)との間のエチレン含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも0.8パーセント単位であるもの;および
IIb)プロピレンと、1.5〜18重量%のC4〜C10α−オレフィンと、任意にエチレンとのコポリマーであるが、但しポリマー(I)とポリマー(IIb)との間のコモノマー含有量の差が、関係する(コ)ポリマーの重量に対して、少なくとも1.5パーセント単位であるもの;および
IIc)コポリマー(IIa)とコポリマー(IIb)との混合物
から選択される結晶性ランダムコポリマー20〜80%
を含み、
MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR(2)値を有する前駆体ポリマー(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる
プロピレンポリマー組成物。 - a)少なくとも0.8重量%のエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が155℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が4重量%より低く、キシレンによる昇温溶出分画(TREF)により25℃から95℃の温度範囲で回収されるポリマー画分と、室温におけるキシレン可溶画分との比の値が8より高いコポリマーまたはポリマー組成物;および
b)2.5より多く4.5%重量までのエチレンと、任意に1種以上のC4〜C10α−オレフィンとを含有し、溶融温度が153℃以上であり、室温におけるキシレン可溶画分の含有量が10重量%より低く、室温におけるキシレン可溶画分に対するキシレンによるTREFにより25℃から95℃の温度範囲で回収される画分の含量が4より高いコポリマーまたはポリマー組成物
から選択され、
MFR(1)のMFR(2)に対する比が1.5〜60であるという条件の下で、0.5〜50g/10分のMFR(2)値を有する前駆体ポリマー組成物(B)を化学的分解に付すことにより得ることができる
結晶性プロピレンランダムコポリマーまたは結晶性プロピレンポリマー組成物。 - 1)それぞれの段階において、先行する段階で形成されたポリマーと使用された触媒の存在下で操作し、分子量調節剤を0.5〜50g/10分の前駆体組成物(B)についてのMFR(2)値を得るような量で添加する、1段以上の連続する段階におけるモノマーの重合により、前記の前駆体組成物(B)を製造する段階;ならびに
2)段階(1)で得られる前駆体組成物(B)を、1.5〜60のMFR(1)のMFR(2)に対する比についての分解比率で分解処理に付す段階
を含む請求項6または7に記載のポリマー組成物の製造方法。 - 請求項1に記載の繊維を含むスパンボンド不織布。
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