JP2006348281A - 球状ポリアミド多孔質粉末及びポリアミド多孔質粒子 - Google Patents

球状ポリアミド多孔質粉末及びポリアミド多孔質粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】化粧品や光学電子部品用に好適で、高散乱性と流動性に優れ、分散性やハンドリングに優れる新規なポリアミド多孔質粉末及びポリアミド多孔質粒子を提供する。
【解決手段】一方の側に膨らみ2を有し、反対側に欠損部3を有するポリアミド多孔質粒子を、個数百分率で30%以上含む球状ポリアミド多孔質粉末、及び一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子。並びにポリアミド多孔質粒子が球晶構造から成る粒子。ポリアミド多孔質粒子は、ポリアミド溶液、ポリアミドの非溶媒及び水を混合し、一時的に透明で均一な混合溶液を形成させ、時間の経過を得てポリアミドを析出させる方法により製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、球状ポリアミド多孔質粉末及びポリアミド多孔質粒子に関する。
ポリアミド多孔質粉末は、クレンジングマスクなどの化粧品原料、クロマトグラフィーの充填剤として利用することが検討されている。また、各種触媒の担体あるいは吸着剤として、食品工業や医療分野などに利用することも検討されている。さらに、ポリアミド粒子に着色剤を担持させて電子写真のトナーとして利用したり、表示機器などの電子材料として利用したりすることも検討されている。
ポリアミド多孔質粉末としては、次に述べるような種々の粒子形状のものが開発されている。
特許文献1には、数平均粒子径が1〜30μm、BET比表面積が100〜80000m2/kgである、球晶構造からなる球状のポリアミド多孔質粒子が開示されている。
特許文献2には、粒子長が0.5〜25μmで、L/D(粒子長/粒子径)が3〜50で、比表面積が0.1〜10m2/gである、楕円状、筒状、ダンベル状または鼓状の形状を有するポリアミド多孔質粒子が開示されている。
特許文献3には、厚さが0.2μm以下の薄片からなるポリアミド多孔質粒子であって、各片が互いに連結して頂点が粒子の中心に向いた円錐形とピラミッド状との間の幾何学形状を有する空洞部を形成している、砂漠のバラ構造を有するポリアミド多孔質粒子が開示されている。
特開2002−80629号公報 特開2004−51751号公報 特許第3065320号公報
本発明の目的は、新規なポリアミド多孔質粉末及びポリアミド多孔質粒子を提供することにある。
本発明は、一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子(以下、C型ポリアミド多孔質粒子という)を、個数百分率で30%以上含む球状ポリアミド多孔質粉末にある。
本発明はまた、C型ポリアミド多孔質粒子、すなわち一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子にもある。本発明のC型ポリアミド多孔質粒子は、単一粒子そのものが球晶構造からなり、その粒子の一部が欠落した欠損部を有するものであることが好ましい。なお、本発明において、「単一粒子そのものが球晶構造からなる」とは、単一粒子が、粒子の中心付近の単数又は複数の核から高分子フィブリルが三次元等方あるいは放射状に成長して形成した結晶性高分子特有の球晶構造からなることを意味する。単一粒子が球晶構造からなることは、透過型電子顕微鏡(TEM)による粒子断面の観察結果や、偏光顕微鏡による直交ニコル下での光透過性の観察結果により確認することができる。
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末の好ましい態様は次の通りである。
(1)ポリアミド多孔質粒子が球晶構造からなる粒子である。
(2)数平均粒子径が2〜30μmの範囲にある。
(3)BET比表面積が1〜20m2/gの範囲にある。
(4)C型ポリアミド多孔質粒子を、個数百分率で50%以上含む。
(5)C型ポリアミド多孔質粒子を、個数百分率で70%以上含む。
本発明のC型ポリアミド多孔質粒子の好ましい態様は、次の通りである。
(1)球晶構造からなる粒子である。
(2)欠損部が平坦な面を有している。
(3)欠損部の先端が尖っている。
(4)尖った欠損部の先端の角度が10〜120度の範囲にある。
本発明のC型ポリアミド多孔質粒子は、多孔構造を有しており、膨らみ部と欠損部とで光の反射角や屈折角が異なるため、欠損部を有しない球状のポリアミド多孔質粒子とは異なる光の散乱効果を有する。また、本発明のC型ポリアミド多孔質粒子は、楕円状、筒状、ダンベル状、鼓状及び砂漠のバラ構造などの膨らみ部を有しないポリアミド多孔質粒子と比べて流動性が高く、分散性やハンドリングに優れている。
従って、本発明のC型ポリアミド多孔質粒子を含む球状ポリアミド多孔質粉末は、新規な光散乱性と高い分散性を有するポリアミド多孔質粉末として、化粧品組成物や表示機器などの光学電子部品の材料として有用である。
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末は、C型ポリアミド多孔質粒子を、個数百分率で30%以上含む。C型ポリアミド多孔質粒子の含有量は、個数百分率で、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上で、かつ通常は99質量%以下である。球状ポリアミド多孔質粉末に含まれるC型以外のポリアミド多孔質粒子は、欠損部を有しない球状ポリアミド多孔質粒子であることが好ましい。C型以外のポリアミド多孔質粒子は、球晶構造からなることが好ましい。
図1に、本発明のポリアミド多孔質粉末に含まれるC型ポリアミド多孔質粒子の一例の模式図を示す。
図1において、C型ポリアミド多孔質粒子1は、表面が球状面の多孔構造を有する膨らみ部2(多孔構造は省略)と、表面が平坦面の欠損部3とからなる。欠損部3の先端の角度(開き角度)θは、5〜180度の範囲にあることが好ましく、10〜120度の範囲にあることが特に好ましい。C型ポリアミド多孔質粒子1は、球晶構造からなるポリアミド多孔質粒子の一部が欠落した形で欠損部3が形成された構造であることが好ましい。
本発明において、C型ポリアミド多孔質粒子は欠損部が膨らみ部と異なった光の反射角や屈折角を有する形状であれば、欠損部の表面は必ずしも平坦面である必要はなく、欠損部の表面が膨らんでいる勾玉状及び欠損部の表面が凹んだ半弓状であってもよい。
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末は、数平均粒子径が2〜30μmの範囲にあることが好ましく、2〜25μmの範囲にあることがより好ましく、4〜20μmの範囲にあることが特に好ましい。また、球状ポリアミド多孔質粉末の数平均粒子径(Dn)に対する体積平均粒子径(Dv)との比(粒子径分布、PDI=Dv/Dn)は1.0〜2.5の範囲にあることが好ましく、1.0〜1.8の範囲にあることが特に好ましい。
ここで、数平均粒子径(Dn)及び体積平均粒子径(Dv)は、それぞれC型ポリアミド多孔質粒子を含む個々のポリアミド多孔質粒子を球状粒子と見なして測定した円相当径から下記の式を用いて算出することができる。
Figure 2006348281
(ここで、Xiは、ポリアミド多孔質粒子の円相当径であり、nは、円相当径の測定個数である。)
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末は、BET比表面積が1〜20m2/gの範囲にあることが好ましく、2〜15m2/gの範囲にあることがより好ましく、4〜12m2/gの範囲にあることが特に好ましい。また、球状ポリアミド多孔質粉末の数平均粒子径から算出される比表面積(S0=6/(ρ×Dn)、ρはポリアミドの密度、Dnは数平均粒子径)とBET比表面積(S)との比(多孔度指数、RI=S/S0)は4〜60の範囲にあることが好ましく、5〜40の範囲にあることが特に好ましい。
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末は、粒子内空孔率が30〜70%の範囲にあることが好ましい。粒子内空孔率は、下記の式より算出することができる。
粒子内空孔率(%)=P/(P+1/ρ)×100
(ここで、Pは、ポリアミド多孔質粒子の粒子内累積細孔容積であり、ρは、多孔質粒子を形成しているポリアミドの密度である。)
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末は、融点が110℃以上であることが好ましく、140〜280℃の範囲にあることが特に好ましい。また、球状ポリアミド多孔質粉末の結晶化度は40%以上であることが好ましく、45%以上であることが特に好ましい。結晶化度は、下記の式により算出することができる。
結晶化度(%)=△Hobc/△Hm×100
(ここで、△Hobcは、ポリアミド多孔質粒子の融解熱量であり、△Hmは、多孔質粒子を形成しているポリアミドの100%結晶化度の融解熱量である。)
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末は、かさ密度が0.1〜0.4g/mLの範囲にあることが好ましく、0.2〜0.3g/mLの範囲にあることが特に好ましい。
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末及びC型ポリアミド多孔質粒子は、脂肪族及び芳香族のポリアミド、又はこれらの共重合体から製造することができる。原料となるポリアミドの例としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド66/6T(Tは、テレフタル酸成分を表す)を挙げることができる。ポリアミドは、末端基としてアミノ基をカルボキシル基よりも多く含む方が好ましい。
ポリアミドの分子量は、数平均分子量として3000〜50000の範囲にあることが好ましく、5000〜20000の範囲にあることが特に好ましい。
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末は、ポリアミド溶液、ポリアミドの非溶媒及び水を混合し、一時的に透明で均一な混合溶液を作成し、その後ポリアミドを析出させる方法により得ることができる。
ポリアミド溶液の溶媒(ポリアミドの良溶媒)の例としては、芳香族アルコール、ギ酸及び硫酸を挙げることができる。これらは二種以上を混合して用いることができる。
芳香族アルコールの例としては、フェノール、クロロフェノール、及びクレゾールを挙げることができる。
ポリアミド溶液中のポリアミド濃度は、好ましくは0.1〜30質量%の範囲、さらに好ましくは0.2〜25質量%の範囲である。
ポリアミド溶液には、凝固点降下剤を添加してもよい。凝固点降下剤としては、ポリアミド溶液中のポリアミドを析出させない範囲であれば、ポリアミドの非溶媒を用いてもよい。凝固点降下剤の例としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびジグリセリンを挙げることができる。これらは二種以上を混合して用いることができる。
ポリアミドの非溶媒は、ポリアミド溶液と水とが少なくとも部分的に相容するものが好ましい。ポリアミドの非溶媒の例としては、脂肪族アルコール及び脂肪族ケトンを挙げることができる。これらは二種以上を混合して用いることができる。
脂肪族アルコール及び脂肪族ケトンは、沸点が100℃以下であることが好ましい。
脂肪族アルコールは、一価アルコールであっても多価アルコールであってもよい。脂肪族アルコールの例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびジグリセリンを挙げることができる。
脂肪族ケトンの例としては、アセトン及びメチルエチルケトンを挙げることができる。
球状ポリアミド多孔質粉末の製造にあたり、ポリアミド溶液と非溶媒及び水との配合割合は、ポリアミド溶液に対して非溶媒及び水の合計量が質量比で5倍以上(特に6〜20倍の範囲)とすることが好ましい。
非溶媒と水との配合割合は、ポリアミド溶液中のポリアミドの数平均分子量によって好適な範囲が異なる。例えば、ポリアミドの分子量が13000である場合は、非溶媒と水との割合は、非溶媒と水との合計量に対する水の百分率(水/(非溶媒+水)×100)が20質量%以上(特に20〜50質量%の範囲)とすることが好ましい。ポリアミドの分子量が8000である場合は、非溶媒と水との割合は、非溶媒と水との合計量に対する水の百分率(水/(非溶媒+水)×100)が10質量%以上(特に10〜50質量%の範囲)とすることが好ましい。
本発明の球状ポリアミド多孔質粉末は、ポリアミド溶液、ポリアミドの非溶媒及び水を混合し、一時的に透明で均一な混合溶液を形成させて、時間的な経過を経て、例えば0.1秒〜240分、好ましくは1秒〜120分程度の経過後、ポリアミドを析出させる方法により製造することができる。球状ポリアミド多孔質粉末の製造に際して、一時的にであっても均一な混合溶液を形成することが重要である。混合溶液からポリアミドを析出させる温度は、10〜60℃が好ましい。
ポリアミド溶液、ポリアミドの非溶媒及び水の添加順序については、ポリアミド溶液、非溶媒及び水の混合溶液が一時的に透明で均一に保たれていればよく、特に添加順序には制限はなく、いかなる順序、方法でもよい。すなわち、混合溶液の作成には、1)ポリアミド溶液に、非溶媒を添加し、次に水を加える、2)非溶媒と水とを混合して、ポリアミド溶液に加える、3)ポリアミド溶液に、水を添加し、次に非溶媒を加えるなどの方法を利用することができる。
均一で透明な混合溶液を早く形成させるために、溶液に適当な攪拌を与えてもよい。攪拌装置としては、例えば、モータ付き攪拌機及びマグネチックスターラーなどの回転式攪拌機、Vブレンダー、手振動及びバイブレータなどの振動式攪拌機を用いることができる。均一で透明な混合溶液を形成した後は、溶液に攪拌を与える必要はない。特に、ポリアミド粒子が析出し始めた以降は、混合溶液を静置しておくことが好ましい。
混合溶液中に析出したポリアミド粒子は、遠心分離、濾過、デカンテーションなどの通常の方法で溶液から分離することができる。例えば、ポリアミド粒子が析出した溶液にメタノールを加え、遠心分離などの方法で、ポリアミド粒子を分離することができる。また、析出したポリアミド粒子は、数回メタノールやアセトンなどで洗浄し、遠心分離などの方法で分離してもよい。さらに、析出したポリアミド粒子を加熱した脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)で洗浄してもよい。洗浄後のポリアミド粒子は、熱風乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥及び振動乾燥で乾燥してもよい。
本実施例において、ポリアミド粉末の粒子形状、C型ポリアミド多孔質粒子の含有量、C型ポリアミド多孔質粒子の欠損部の平均開き角度、数平均粒子径、体積平均粒子径、粒子径分布、比表面積、多孔度指数、粒子内空孔率及び結晶化度の測定は次のように行なった。
(粒子形状、C型ポリアミド多孔質粒子の含有量、欠損部の平均開き角度)
粒子形状の確認、並びにC型ポリアミド多孔質粒子の含有量及び欠損部の開き角度の測定は、走査型電子顕微鏡を用いて行なった。
C型ポリアミド多孔質粒子の含有量は、粒子100個中のC型ポリアミド多孔質粒子の個数百分率として算出した。欠損部の平均開き角度は、C型ポリアミド多孔質粒子20個の開き角度を分度器で測定して、その平均値とした。
(数平均粒子径、体積平均粒子径、粒子径分布)
ポリアミド粉末を電解液に分散させた懸濁液を調製し、この懸濁液中のポリアミド粒子50000個について円相当粒子径を、コールターカウンターを用いて測定して、前述の式により、数平均粒子径、体積平均粒子径、粒子径分布(PDI)を算出した。
(比表面積、多孔度指数)
ポリアミド粉末の比表面積は、窒素吸着によるBET法で3点測定を行なった。この値から、前に述べた式に従って多孔度指数を算出した。
(粒子内空孔率)
粒子内空孔率(%)は、水銀ポロシメータにより得られた細孔径に対する累積細孔容積曲線から、累積細孔容積曲線が最も大きく変化している点(変曲点)の細孔径から直径0.035μmの細孔径までの累積細孔容積を粒子内累積細孔容積として求め、前に述べた式に従って算出した。ポリアミド6の密度は、1.18g/mLとした。
(結晶化度)
ポリアミド粉末の結晶化度は、DSC(示差走査熱量計)を用いて、流速40mL/分の窒素気流中にて、昇温速度5℃/分の条件にて結晶融解熱量(△Hobc)を測定して、前に述べた式に従って算出した。ポリアミド6の100%結晶化度の融解熱量は45cal/gとした。
[実施例1]
ポリアミド6(数平均分子量:8000)10質量部を、温度50℃のフェノール81質量部に溶解し、次いでメタノール9質量部を添加して、ポリアミド濃度10質量%のポリアミド溶液を調製した。このポリアミド溶液10.5gを容量200mLのフラスコに投入し、液温を25℃に調節した。次いで、ポリアミド溶液をマグネチックスターラーにて攪拌しながら、そこに液温25℃に調節したメタノール63.2gと水26.3gとからなる非溶媒混合液を全量投入した。混合液投入後、1分間攪拌を続けて均一な混合溶液とした後、攪拌を止めた。攪拌を止めてから2分間後にポリアミド6が析出した。さらに、混合溶液の液温を25℃に保持しながら、24時間静置して、ポリアミド6を析出させた。
析出したポリアミド6粒子は、遠心分離装置にて回収し、メタノールとアセトンにて繰り返し洗浄した後、乾燥した。
得られたポリアミド6粉末の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。図2に示すように、個数百分率で90%以上のポリアミド6粒子がC型の多孔質粒子であることが確認された。C型ポリアミド多孔質粒子の欠損部の平均開き角度は70度であった。
得られたポリアミド6粉末の数平均粒子径は9.3μm、体積平均粒子径は11.5μm、粒子径分布(PDI)は1.24であった。比表面積は5.4m2/gであり、多孔度指数(RI)は9.5であった。粒子内空孔率58%であり、結晶化度は52%であった。
また、得られたC型ポリアミド多孔質粒子を透過型顕微鏡(TEM)で断面観察を行った結果、中心の核より結晶が成長していることが確認でき、単一粒子そのものが球晶構造を有することがわかった。さらに、C型ポリアミド多孔質粒子を偏光顕微鏡で観察した結果、直交ニコル下で光が透過することが確認され、このことからもC型ポリアミド多孔質粒子の単一粒子そのものは球晶構造を有することが確認された。
[実施例2]
ポリアミド6に、数平均分子量13000のポリアミド6を用い、ポリアミド溶液、非溶媒混合液、及びそれらの混合溶液の液温を22℃に調節すること以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド6粉末を製造した。
得られたポリアミド6粉末を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、個数百分率で90%以上のポリアミド6粒子がC型の多孔質粒子であることが確認された。C型ポリアミド多孔質粒子の欠損部の平均開き角度は20度であった。
得られたポリアミド6粉末の数平均粒子径は9.3μm、体積平均粒子径は10.4μm、粒子径分布(PDI)は1.12であった。比表面積は10.3m2/gであり、多孔度指数(RI)は18.8であった。粒子内空孔率50%であり、結晶化度は52%であった。
また、得られたC型ポリアミド多孔質粒子を透過型顕微鏡(TEM)で断面観察を行った結果、中心の核より結晶が成長していることが確認でき、単一粒子そのものが球晶構造を有することがわかった。さらに、C型ポリアミド多孔質粒子を偏光顕微鏡で観察した結果、直交ニコル下で光が透過することが確認され、このことからもC型ポリアミド多孔質粒子の単一粒子そのものは球晶構造を有することが確認された。
[実施例3]
ポリアミド溶液に、ポリアミド6(数平均分子量:13000)10質量部を、温度50℃のフェノール81質量部に溶解し、次いで水9質量部を添加して調製した、ポリアミド濃度10質量%のポリアミド溶液を用いること以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド6粉末を製造した。
得られたポリアミド6粉末を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、個数百分率で90%以上のポリアミド6粒子がC型の多孔質粒子であることが確認された。C型ポリアミド多孔質粒子の欠損部の平均開き角度は60度であった。
得られたポリアミド6粉末の数平均粒子径は7.2μm、体積平均粒子径は8.1μm、粒子径分布(PDI)は1.12であった。比表面積は5.3m2/gであり、多孔度指数(RI)は7.5であった。粒子内空孔率41%であり、結晶化度は46%であった。
また、得られたC型ポリアミド多孔質粒子を透過型顕微鏡(TEM)で断面観察を行った結果、中心の核より結晶が成長していることが確認でき、単一粒子そのものが球晶構造を有することがわかった。さらに、C型ポリアミド多孔質粒子を偏光顕微鏡で観察した結果、直交ニコル下で光が透過することが確認され、このことからもC型ポリアミド多孔質粒子の単一粒子そのものは球晶構造を有することが確認された。
本発明のポリアミド多孔質粉末に含まれるC型ポリアミド多孔質粒子の一例の模式図である。 本実施例1で製造したポリアミド6粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 C型ポリアミド多孔質粒子
2 膨らみ部(多孔構造は省略)
3 欠損部

Claims (14)

  1. 一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子を、個数百分率で30%以上含む球状ポリアミド多孔質粉末。
  2. ポリアミド多孔質粒子が球晶構造からなる粒子である請求項1に記載の球状ポリアミド多孔質粉末。
  3. 数平均粒子径が2〜30μmの範囲にある請求項1に記載の球状ポリアミド多孔質粉末。
  4. BET比表面積が1〜20m2/gの範囲にある請求項1に記載の球状ポリアミド多孔質粉末。
  5. 一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子を、個数百分率で50%以上含む請求項1に記載の球状ポリアミド多孔質粉末。
  6. 一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子を、個数百分率で70%以上含む請求項1に記載の球状ポリアミド多孔質粉末。
  7. 一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子の欠損部が平坦な面を有している請求項1に記載の球状ポリアミド多孔質粉末。
  8. 一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子の欠損部の先端が尖っている請求項1に記載の球状ポリアミド多孔質粉末。
  9. 一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子の欠損部の先端の角度が10〜120度の範囲にある請求項8に記載の球状ポリアミド多孔質粉末。
  10. 一方の側に膨らみを有し、反対側に欠損部を有するポリアミド多孔質粒子。
  11. 球晶構造からなる粒子である請求項10に記載のポリアミド多孔質粒子。
  12. 欠損部が平坦な面を有している請求項10に記載のポリアミド多孔質粒子。
  13. 欠損部の先端が尖っている請求項10に記載のポリアミド多孔質粒子。
  14. 欠損部の先端の角度が10〜120度の範囲にある請求項13に記載のポリアミド多孔質粒子。
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JPH0616860A (ja) * 1992-06-29 1994-01-25 Junjiro Aoki 多孔質ポリマー微小球の製造法
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