JP2006348021A - 細胞周期阻害剤 - Google Patents

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武久 松本
Hiromi Okumura
浩美 奥村
Keiko Tsuganezawa
恵子 津金沢
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Abstract

【課題】癌細胞に対する強い細胞周期停止能を有し、一方、正常細胞に対しては毒性の少ない新規な細胞周期阻害剤の提供。
【解決手段】下記一般式で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩を用いる(R〜R13はアルキル基等を示す。)。

【選択図】なし

Description

本発明は、哺乳動物細胞の細胞周期を停止させ、細胞をアポートシスへ誘導する特定のフェノチアジン誘導体からなる細胞周期阻害剤、キネシンEg5阻害剤、及びこれらの阻害剤を含有する抗癌剤等の医薬組成物に関する。
ヘパラン硫酸プロテオグリカン類(HSPGs)はタンパク質コア及びそれに共有結合的に付着したいくつかの線状ヘパラン硫酸鎖からなる巨大分子である。HSPGは種々の組織の細胞表面及び細胞外マトリックス(ECM)に普遍的に存在し、成長因子類、酵素類、細胞外マトリクスタンパク質等の多くのタンパク質と相互作用してその活性を調節している。
ヘパラン硫酸を特殊な鎖内部位で開裂することが知られているヘパラナーゼ(エンド−β−D−グルクロニダーゼ、例えば、非特許文献1参照)は、医薬品探索の一つの標的タンパク質である。ヘパラナーゼは、腫瘍細胞の侵入及び転移(例えば、非特許文献8参照)、炎症や自己免疫応答への関与(例えば、非特許文献9参照)、更にはECMからの塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)の放出によって引き起こされる間接的な新生血管応答などの重要な生物学的現象に関与する。実験動物をヘパラナーゼ阻害剤で処理することによって、メラノーマ、すい臓腺癌、ルイス肺癌、及び乳癌細胞からの肺転移が減少することが報告されている(例えば、非特許文献1〜4参照)。血小板、顆粒球、T及びBリンパ球、マクロファージ及びマスト細胞と内皮下ECMとの相互作用はヘパラナーゼ触媒活性によるヘパラン硫酸(HS)の分解と関連している(非特許文献2参照)。新規の(de novo)血管新生は固形癌が成長するために必要であり、血管新生のための増殖因子である血管内皮増殖因子(VEGF)及びbFGFはヘパリン結合ペプチドである。ヘパラナーゼは細胞外マトリクスでHSPGに結合しているbFGFの放出に関与する(例えば、非特許文献5参照)。
このようなヘパラナーゼの阻害剤の一つとしてカルバゾール誘導体が報告されている(例えば、特許文献1参照)。このカルバゾール誘導体と構造的に類似する化合物の中には種々の生理活性を有するものが存在すると考えられるが、中でもフェノチアジン類、ベンゾ[a]フェノチアジン類は、抗プラスミド活性、抗菌活性及び抗癌活性などの幅広い生物活性を発揮することが知られている。そして、ベンゾ[a]フェノチアジン類の医薬としての有効性は、その細胞周期停止能及び、アポトーシス誘導活性が重要であることも知られている(例えば、非特許文献5参照)。
哺乳動物細胞において、DNA損傷チェックポイントは遺伝的完全性を維持するために細胞周期を通じて機能しており、損傷を受けたDNAが修復されるまでS期における複製を停止させ、損傷DNAが娘細胞に伝えられないようにしている。従来の抗癌剤の多くはDNAの非選択的な損傷を引き起こして癌細胞を破壊し、チェックポイント機構を媒介としてアポトーシスの活性化をもたらすが、それゆえ正常細胞にも毒性を示す。細胞周期のG/M期停止を引き起こす一つの薬剤として微小管阻害剤があり、例えば、タキソール(パクリタキセル)は、卵巣癌、肺癌、頭頚部癌、膀胱癌、及び食道癌等の多くの癌の治療に有効である(例えば、非特許文献6参照)。タキソールは細胞分裂中期から終期への移行期において有糸分裂を強力に阻害又は遅らせる(例えば、非特許文献7参照)。このタキソールの作用機構は、微小管の脱重合を起こりにくくし、その結果癌細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮する。従って、細胞周期、特に細胞分裂の進行を阻害することは、究極的にはアポトーシスによる細胞死へと誘導し、抗癌剤の作用機構として重要な意味を持つであろう。
微小管そのものに作用することなく細胞周期の進行をM期で停止させる薬剤の標的分子としてキネシンEg5がある。キネシンは約14種類の異なるサブファミリーからなり、「分子モーター」と呼ばれる一群のタンパク質である。これらのタンパク質は、ATP加水分解により生じたエネルギーを利用して、細胞内輸送や細胞分裂の異なる段階で重要な役割を果たしている。キネシン−5ファミリーの中の1つの酵素であるキネシンEg5は、ホモ4量体の双極性分子であって、2本の同じ向きの微小管を架橋して+端方向へ移動させ、逆方向に並んだ2本の微小管の間でスライディングを起こし、微小管の−端同士を遠ざけることで紡錘体極を分離し、双極性の紡錘体構造の形成に関与することが知られている。キネシンEg5に対する抗体の細胞へのマイクロインジェクション、RNA干渉、又はEg5特異的な阻害剤で細胞を処理すると、細胞は特徴的な有糸分裂停止の状態となることから、Eg5は癌などの細胞増殖が関わる疾患の標的分子として注目されている。このようなヒトキネシンEg5の阻害剤としては、モナスタロール(monastrol)(非特許文献10)、キナゾリン誘導体(特許文献2)、フェノチアジン誘導体(特許文献3)、オキサジアゾリン誘導体(特許文献4)及びS−トリチル−L−システイン(STLC)(非特許文献11)等が報告されている。
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しかしながら、種々のヘパラナーゼ阻害剤は正常細胞に対する毒性が強いものが多く、その毒性発現機構も明らかでない。細胞周期の進行を阻害する化合物は抗癌剤として有用であるが、正常細胞に対する毒性を低減するため細胞周期のチェックポイント機構を直接活性化し、形質転換細胞特異的にアポトーシスを誘起するような薬剤の開発が望まれている。従って、本発明は癌細胞に対する強い致死活性を有し、一方、正常細胞に対しては毒性の少ない新規な細胞周期阻害剤を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するために、本発明者らはヘパラナーゼ阻害剤として報告されているカルバゾール誘導体に類似する種々の化合物について、ヒト細胞の細胞周期の進行に対する効果を調べた結果、特定のフェノチアジン誘導体が形質転換細胞に対して優れた細胞周期阻害活性を示すと共に、非形質転換細胞に対してはほとんどその影響がないことを見出して本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の細胞周期阻害剤は、下記一般式(I)で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩を含むことを特徴とする。
但しR〜R13は相互に独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基を示すか、いずれか隣り合う2個がそれらが結合している炭素原子と共に飽和あるいは不飽和の5〜7員環を形成しこれらの環は窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含んでいてもよい。
好ましい実施形態において、前記化合物は、1−フェネチルアミノ−3−(10H−フェノチアジン−10−イル)−プロパン−2−オールであることを特徴とする。
本発明の他の側面において、上記細胞周期阻害剤を有効成分として含有する抗癌剤が提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上記細胞周期阻害剤は、細胞周期のM期において、キネシンEg5の機能を阻害することを特徴とする。
本発明の細胞周期阻害剤は、WI38VA13細胞、293細胞及びHL−60細胞等のヒト形質転換細胞においてG/M期停止を引き起こし、これらの細胞をアポトーシスに誘導する。この作用は、抗癌剤としての有効性を意味する。一方、本発明の細胞周期阻害剤は、非形質転換細胞であるWI38に対してはほとんど細胞毒性を示さないことから、細胞周期の調節異常により引き起こされるか、又はこれと関連した病気に対する特異的な治療薬として有用である。
また、本発明の細胞周期阻害剤は、抗癌剤の標的分子の1つであるキネシンEg5の機能を阻害し、その形質転換細胞に対する効果も、ヒトキネシンEg5への強力な結合化合物であるSTLC(上掲の非特許文献11参照)と比較して同等又はそれ以上である。従って、従来の微小管に作用する抗腫瘍剤と異なり、高い臨床効果を保持したまま、副作用の少ない抗癌剤として期待される。
(本発明の細胞周期阻害剤)
本明細書において使用される用語「細胞周期阻害剤」には、細胞周期の何れかの段階においてその進行を停止させることのできる全ての適切な分子、化合物、タンパク質又はそのフラグメント、核酸、又は製剤が含まれる。ここで、「細胞周期」とは、細胞が分裂し、さらにもう1度分裂するまでの期間を1サイクルとする周期を意味する。様々な生理反応が整然とこの周期に沿って繰り返され、細胞の活動と増殖が維持されている。個々の細胞は、第一間期(G期)、DNA合成期(S)、第二間期(G期)、分裂期(M)と名付けられた4種類の質的に異なった状態を暫時経過しながら増殖する。真核細胞の細胞周期はサイクリン依存性キナーゼ(CDK)やサイクリンと呼ばれるCDKの調節サブユニット、及び転写調節因子が共同して作動し、複雑な過程を調節している。
好ましい実施形態において、本発明の細胞周期阻害剤としてM期におけるキネシンEg5阻害剤が挙げられる。ヒトEg5の遺伝子はすでにクローン化され、昆虫細胞を用いた全長のヒトEg5組換えタンパク質の発現とそれを利用した機能解析が行われている(Blangy, A., et al., Cell, Vol.83, pp.1159-1169, 1995)。ヒトEg5遺伝子の塩基配列は、GenBank登録番号:X85137、NM004523、及びU37426として公的データベースに登録されている。これらを用いて発現及び精製されたヒトEg5は、生化学的な解析やさらには結晶構造解析に供することができる。種々の阻害剤について、すでにEg5タンパク質との結合様式の解析が行われているが、何れもEg5のATP結合ポケットに直接結合するものはなく、さらなる解析とより効果的な阻害剤の設計が望まれる。従って、本発明の好ましい実施形態におけるEg5阻害剤は、Eg5タンパク質の構造と機能の解析、及びより効果的な阻害剤のスクリーニングに使用することができる。
本発明の細胞周期阻害剤として有用な化合物には、下記一般式(I)で表す化合物、その製薬上許容される塩、又はその水和物が含まれるがこれらに限定されない。
但しR〜R13は相互に独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基を示すか、いずれか隣り合う2個がそれらが結合している炭素原子と共に飽和あるいは不飽和の5〜7員環を形成しこれらの環は窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含んでいてもよい。
ここでハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素等を表わすが好ましくはフッ素原子又は塩素原子である。ハロゲノアルキル基としては、1〜5個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基(トリフルオロメチル、トリフルオロエチル等)が挙げられる。アルキル基としては、通常、炭素数1〜5、好ましくは1〜4の直鎖状又は分岐状の何れでもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アミル等が例示される。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ等の炭素数1〜5のものが通常用いられ、好ましくは炭素数1〜4のものである。アルキルチオ基としては、そのアルキル部分が前記のアルキル基と同様のものが用いられる。
また、用語「アリール基」とは、6〜14個の炭素原子を有する芳香属炭素環基を意味し、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基、及びナフチル基などの単一又は複数の縮合環からなる。用語「ヘテロアリール基」とは、例えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する5又は6員の単環式複素環基(例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等)並びにこれらが縮合することによって形成される2又は3環式縮合複素環基等が挙げられる。
上述の一般式(I)の化合物は、プロパン成分の2位に不斉炭素原子を有するため光学異性体を有する。従って、本発明の範囲には純粋な形態の光学異性体(R体、又はS体)のほか、これらの光学活性体の任意の比率の混合物又はラセミ体等が包含される。
用語「医薬上許容される塩」とは、医薬上許容できる無毒の塩基又は酸から調製される塩を意味する。本発明に係る化合物は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、又は硝酸塩のような無機酸の塩、又は有機スルホン酸塩若しくは有機カルボン酸塩のような有機酸の塩を含む当該化合物の製薬上許容される塩の形態で提供されてもよい。上記有機スルホン酸塩としては、例えば、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等が挙げられ、有機カルボン酸塩としては、酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、アスコルビン酸塩、マンデル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、及びクエン酸塩等が挙げられる。
本発明に係る化合物はまた、プロドラッグの形であってもよい。用語「プロドラッグ」とは、生体内において(例えばpHの変化による)自発的な化学変化により又は生体内に通常存在する酵素により又は生体内に導入ないし操作された酵素により活性となる医薬的に不活性の化合物を意味する。当該技術分野において様々な形のプロドラッグ、例えば、生体内加水分解性エステル又はエーテル等が知られている。このようなプロドラッグは、試験中の化合物を、例えば試験動物に静脈内投与した後、試験動物の体液を調べることによって同定することができる。無機酸エステルとしては、リン酸エステル等が含まれ、有機酸エステルには、脂肪族カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、カルバミン酸エステル等が含まれる。エーテルとしては、アセトキシメチルエーテル、及びピバロイルオキシメシルエーテル等のアシルオキシアルキルエーテル等が含まれるがこれらに限定されない。
本発明に係る若干の化合物は、溶媒和の形で、例えば、水和した形で、更には、非溶媒和の形で存在しうるということも理解されるであろう。
本発明に係る化合物を製造するために採用しうる合成経路はいくつか存在する。一般的には、本発明に係る化合物は、当業者に既知の反応を用いて合成することができる。例えば、下記スキーム1に従って製造することができる。
スキーム1
ここで、一般式(II)及び(III)において、R〜R13は上述した定義と同様である。スキーム1に従って、一般式(II)又はR〜R13が官能基を含む場合はその官能基が保護された誘導体と、一般式(III)又はR〜Rが官能基を含む場合はその官能基が保護された誘導体とを反応させ、そして必要に応じて生成物中に存在する保護基を除去することにより一般式(I)で表される化合物を製造することができる。反応は公知のオキシラン誘導体のアミンによる開環反応を利用して実施可能である。例えば、反応に不活性な溶媒中で約0℃ないし溶媒の沸点間、好ましくは室温ないし約80℃の範囲内の温度で行うことができる。このような方法で合成できる具体的な1つの化合物として、下記実施例の表1に記載される化合物A(1−フェネチルアミノ−3−(10H−フェノチアジン−10−イル)−プロパン−2−オール)が挙げられる。また、R〜R13に1つ又は複数の置換基を有する化合物も上記方法により容易に合成することができる。
(本発明の医薬組成物)
本発明の細胞周期阻害剤は、後述する実施例において具体的に示されるように、ヒト形質転換細胞をG/M期で停止させ、アポトーシスに導くことから、細胞周期の調節異常によって引き起こされる病気、又はこれと関連した病気の治療薬、特に、抗癌剤として用いることができる。医薬として投与する場合、そのまま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体と共に医薬組成物としてヒトを含む哺乳動物に投与される。
本発明の医薬組成物を、上記の疾患の治療あるいは予防を目的としてヒトに投与する場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤等として経口的に、または注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等として非経口的に投与することができる。また、本発明化合物の有効量を、その剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬製剤とすることができる。注射剤の場合には、適当な担体とともに滅菌処理を行って製剤とする。
本発明の医薬組成物の投与量は、疾患の状態、投与ルート、患者の年齢、または体重によっても異なり、最終的には医師の判断に委ねられるが、成人に経口で投与する場合、通常、0.1−100mg/kg/日、好ましくは、1−20mg/kg/日、非経口で投与する場合、通常、0.01−10mg/kg/日、好ましくは、0.1−2mg/kg/日を投与する。これを1回あるいは数回に分割して投与すればよい。
ヘパラナーゼ阻害剤として報告されているカルバゾール誘導体(特許文献1参照)と類似する種々の化合物について、ヒト培養細胞への毒性及び細胞周期について調べた結果、以下に示すフェノチアジン誘導体の一種が優れた効果を示すことを見出した。以下の実施例ではこの3種のフェノチアジン誘導体を用いた実験結果を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[材料及び方法]
1 化合物
本実施例で示す3種類の化合物(下記表1)はSPECS社(オランダ)、プリンストン社(Princeton、アメリカ)及びサイエンティフィックエクスチェインジ社(Scientific Exchange、アメリカ)から購入した。これらの化合物は20mMの濃度でジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して用いた。
2 細胞株
ヒト白血病細胞株(HL−60及びK562)はATCCから入手し、10%牛胎児血清(FBS)を添加したRPMI1640培地で維持した。293細胞株(インビトロジェン社)は10%FBS添加ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、シグマ社)により、またWI38非形質転換細胞株(理研バイオリソースセンター)は10%FBS添加MEM培地(インビトロジェン社)で維持した。WI38VA13細胞株(理研バイオリソースセンター)は、10%FBS、硫酸ゲンタマイシン(0.04mg/ml)及びグルタミン(4mM)を添加したDMEM培地で維持した。ヒト子宮頸癌由来上皮様細胞株(HeLa)は、理研バイオリソースセンターから入手し、10%FBS、1mMピルビン酸、及び1/50希釈したペニシリン−ストレプトマイシン(シグマ社)を含むDMEM培地で維持した。細胞培養は5%炭酸ガスの加湿条件下37℃で培養した。
3 細胞毒性アッセイ
0.5〜3.0×10個/mlの細胞を所定の時間、所定の化合物で処理した後、所定時間後の生細胞(非透過性細胞)数をトリパンブルー染色法により計測した。
4 アポトーシスの検出
上記培養液中、ガラス底面チャンバー(ギブコ社)で生育した細胞を用いて解析した。試験化合物を添加して6〜12時間細胞を接種し、4%パラホルムアルデヒドで固定した。固定した細胞を用いてインサイツ(in situ)アポトーシス検出キット(タカラバイオ)により製造業者の処方に従ってTUNELアッセイを行った。チャンバーをLSM510 META顕微鏡(カールツワイス社製)の台上に置き、付随しているカメラでその画像を記録した。
アポトーシスに伴なう染色体DNAの断片化を調べるために、3.0×10個のHL−60細胞に化合物Aを添加して8時間処理した後回収した。Tris溶液で2回洗浄し、0.5%Triton−X入りTris溶液で細胞を溶解し遠心した後、上清を回収した。RNaseA(シグマ社)およびProteinaseK(Merck)にて処理した後、5MNaCl(0.1容量)とイソプロパノール(0.6容量)を加えてよく混合し−20℃で静置後、遠心して沈殿を回収した。この沈殿をTE溶液に溶解して2%Nusieve3:1アガロース(TAKARA)電気泳動を行い、エチジウムブロマイドで染色後、UVトランスイルミネーター(TOYOBO)により検出した。
5 細胞周期の解析
細胞周期の進行は、フローサイトメトリーにより解析した。試験化合物で処理した凡そ1×10〜2×10個の細胞を回収し、PBSで2回洗浄し、70%冷エタノールで固定した後、4℃で保存した。固定の後、細胞をPBSで2回洗浄し、0.25mg/mlのRNaseA(ニッポンジーン社)を添加し、37℃で60分間インキュベートした。その後、50μg/mlのヨウ化プロピジウム(PI)を添加し、細胞を氷上で30分間保持した。2×10個の一定数の細胞をフローサイトメーター(カリバー(商品名)ベクトン・ディキンソン社製)で解析した。それぞれのデータセットの解析と比較はセルクエスト解析ソフトウエア(ベクトン・ディキンソン社)及びMac3.0解析ソフトウェア用ModFitLT(Verity Software、アメリカ)を用いて行った。
6 ATPアーゼ活性の測定
微小管存在下におけるEg5のATPアーゼ活性は、公知の方法に基づいて行った(Nakazawa, J., et al., Chem. Biol. Vol.10, pp.131-137, 2003)。簡単に説明すると、C末端を切断したヒトEg5断片(ヒトEg5のアミノ酸1〜439残基)をグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)と融合した融合タンパク質(E439GST)、及びショウジョウバエの通常のキネシン(KHC:キネシン重鎖)を同じくGSTと融合したもの(K430GST)を大腸菌で発現し、精製した。微小管刺激ATPアーゼ活性測定は、4μMの重合した微小管、10μMのタキソール、及び1mMのEGTAを添加したバッファーA(20mMのPIPES、5mMのMgCl、pH6.8)を用意した。E439GST及びK430GST夫々の終濃度は、重合した微小管の存在下0.3μMとし、種々の候補化合物の存在下で1mMのATPを添加することによって反応を開始した。30℃にて20分間インキュベートした後、0.3Mの過塩素酸を添加して反応を終了した。反応によって生成した無機リン酸濃度をマラカイトグリーン法で測定した(Ohno, T., and Kodama, T., J. Physiol. Vol.441, pp.685-702, 1991)。
[結果]
上記3種類の化合物について細胞周期の進行に与える影響をDNA含量を指標にしたフローサイトメトリーにより解析した。WI38VA13細胞は、表1に示した3種類の化合物(A〜C)を5、10、及び20μMの各濃度で添加した培養液中で48時間培養した後、回収した細胞をPIにより染色した。図1はPI染色した細胞のフローサイトメトリー解析により得られた結果をModFitLTソフトウエアを用いて測定したヒストグラムプロフィールを示す。図中、それぞれのヒストグラムは、G、S、及びG/M期の各細胞集団の割合(%)を示す。図1の結果より、化合物(薬剤)Aで処理した細胞は顕著にG/M期で停止しており、5μMの化合物A処理で約60%の細胞が4N(4倍体相当量)のDNA含量を有した。さらに化合物Aの添加量を増やすに従って、G/M期の細胞集団が蓄積していった。5μM以下の化合物A濃度では2日間培養後でもG/M期の細胞集団蓄積が明確には認められなかった。フェネチルアミノ基を有していない化合物B及びCは、WI38VA13細胞のG/M期停止能を有さなかった。
ヒト細胞周期の進行に与える化合物Aの影響をさらに詳細に検討するため、化合物A及びタキソールで処理したWI38VA13細胞の細胞周期プロフィールをPI染色とフローサイトメトリーにより解析した(図2及び図3参照)。図2及び図3のX軸は相対的なPI蛍光強度(DNA含量に比例する)を表し、Y軸は細胞数を表す。
図2に示したように、5μMのタキソールを添加した場合にもWI38VA13細胞の細胞周期はG/M期における停止を示したが、そのDNA含量プロフィールは異なる細胞の状態を示した。その結果(DNA含量プロフィール)を化合物Aで処理した場合と比較すると、化合物Aで処理されたWI38VA13細胞の方がより明確なG/M期における細胞周期の停止を示した。他の形質転換細胞株であるK562、ジャーカット(Jurkat)293、及びHL−60細胞は、WI38VA13細胞に比べて化合物A処理によりさらに劇的な影響を受けた(図3参照)。これらの細胞のDNA含量プロフィールは5μMの化合物A添加では明確な細胞周期の停止を示さなかったが、10〜20μMの化合物Aを添加することによって細胞が溶解することが分かった(図3)。
次に、3種類の化合物のそれぞれを添加した培地で48時間培養後のWI38VA13細胞の生細胞数を計測した(図4参照)。6ウェルプレートにWI38VA13細胞を播種し(1×10個/ウェル)、異なる濃度の種々の化合物と共に48時間インキュベート後、トリパンブルー染色なしに細胞数を計測した。結果は、非処理細胞の細胞数に対する割合(%)で、3回の独立した実験の平均値で示した。標準偏差(SD)は10%以下であった。図4に示したように、化合物Aは10μM以上の濃度で細胞毒性を示したが、化合物B及びCは20μMの濃度でも50%以上の細胞が生存していた。アポトーシスによる細胞死の可能性を調べるために上記各化合物で処理後のWI38VA13細胞をTUNELアッセイで調べた。図5は化合物Aにより12時間処理した後の細胞の形態を示す。Aは未処理、Bは5μM、Cは10μM、及びDは20μMの化合物Aでそれぞれ処理した時のヘキスト33258及びTUNEL染色の結果である。図5に示したように、5μM以上の化合物Aの存在下で12時間インキュベーションすることによって明らかにTUNEL染色陽性を示した。
以上の結果より、化合物Aのみが形質転換細胞のG/M期停止を誘導し、かつ細胞死へと導いた。そこで、化合物Aの非形質転換細胞に対する影響を調べた。非形質転換細胞であるWI38細胞の細胞周期の進行に対する化合物Aの影響を図6に示した。細胞の種類以外の実験条件は図1及び図3のそれらと同様である。図6の結果より、5〜20μMの濃度において4NDNA含量を示す細胞集団がわずかに増加していた。これらの結果より、化合物Aの毒性は、形質転換細胞であるWI38VA13細胞に比べて、非形質転換細胞であるWI38細胞に対しては低いことが期待される。
図7は、化合物Aの種々のヒト細胞に対する毒性を比較した結果である。WI38細胞、WI38VA13細胞及びHL−60細胞(それぞれ1×10個/ウェル)を各濃度の化合物Aの存在、又は非存在下で3日間インキュベートし、トリパンブルー染色法により生細胞数を計測した。図7に示したように、WI38細胞の生細胞数は、20μMの化合物Aを添加した場合でさえほとんど影響を受けなかったが、WI38VA13細胞やHL−60細胞の生細胞数は10μMの化合物Aで3日間インキュベートすると顕著に減少した。この結果は、化合物Aが形質転換細胞に特異的な細胞毒性を有することを示す。公知のカルバゾール誘導体を用いて同様の実験を行ったところ、トリパンブルー耐性のWI38細胞の割合は10μM以下の濃度では目立って減少しなかったが、20μMではWI38細胞の生細胞数は0%であった(データ示さず)。これらの結果は、化合物Aが正常細胞に対する毒性が少なく、抗癌剤候補として有用であることを示唆するものである。
さらに化合物Aを添加して8時間後のHL−60細胞の染色体DNAを調べた結果を図8に示す。コントロール(0.05%DMSO)と比較して化合物A(10μM)で処理した場合は染色体DNAが約200bp程度の長さの倍数に断片化した染色体DNAのラダーが見られた(図8のレーン2参照)。この結果は、ヒト白血病細胞株HL−60による細胞死がアポトーシスであることを示唆する。
化合物AのEg5に対する作用(効果)を調べるために、GSTと融合したヒトEg5(E439GST)と、対照としてのショウジョウバエの従来キネシン(KHC)(K430GST)とを大腸菌で発現し、精製した。ATPと、重合した微小管と、E439GST又はK430GSTとを100μMの化合物Aの存在下で混合し、生成した無機リン酸の濃度を測定した。その結果、化合物Aは微小管によって刺激されたEg5のATPアーゼ活性のみを特異的に阻害することが分かった。そこで、種々の濃度の化合物Aを用いてE439GSTのATPアーゼ活性を測定した結果を図9に示す。用量依存的にEg5ATPアーゼの阻害効果が認められ、IC50(50%阻害濃度)は1.52μMであった。
さらに、化合物Aと、公知のEg5阻害剤であるS−トリチルーL−システイン(STLC)との形質転換細胞に対する効果を比較するために、これらの化合物を用いて上記と同様の細胞毒性アッセイを行った。その結果を図10に示す。形質転換細胞であるHeLa細胞及びHL−60細胞に対し、化合物AはSTLCと同等又はそれ以上の強い細胞毒性を示した。
WI38VA13細胞の細胞周期の進行に対する化合物A〜Cの効果をフローサイトメトリーで解析した結果を示す。 化合物Aで処理後のWI38VA13細胞の細胞周期の進行をフローサイトメトリーで解析した結果を示す。 化合物Aで処理後のK562細胞、293細胞及びHL−60細胞の細胞周期の進行をフローサイトメトリーで解析した結果を示す。 化合物A〜Cの各薬剤がWI38VA13細胞に与える細胞毒性の影響を示す。 ヘキスト33258及びTUNEL染色法により検出した細胞の形態学的な試験結果を示す。 化合物Aで処理したときの非形質転換細胞WI38の細胞周期の進行をフローサイトメトリーで解析した結果を示す。 種々のヒト細胞に対する化合物Aの毒性を比較した結果を示す。 HL−60細胞の化合物Aの処理による核内のDNAの断片化を示す。 微小管刺激ATPアーゼ活性に対する化合物Aの阻害効果を調べたグラフである。 化合物AとS−トリチルーL−システイン(STLC)との細胞毒性効果を比較した結果である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩を含むことを特徴とする細胞周期阻害剤:
    但しR〜R13は相互に独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基を示すか、いずれか隣り合う2個がそれらが結合している炭素原子と共に飽和あるいは不飽和の5〜7員環を形成しこれらの環は窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含んでいてもよい。
  2. 前記化合物が、1−フェネチルアミノ−3−(10H−フェノチアジン−10−イル)−プロパン−2−オールである請求項1に記載の細胞周期阻害剤。
  3. 請求項1又は2に記載の細胞周期阻害剤を有効成分として含むことを特徴とする抗癌剤。
  4. 細胞周期の調節異常により引き起こされるか、又はこれと関連した病気の治療のための医薬組成物であって、下記一般式(I)で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩を含むことを特徴とする医薬組成物:
    但しR〜R13は相互に独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基を示すか、いずれか隣り合う2個がそれらが結合している炭素原子と共に飽和あるいは不飽和の5〜7員環を形成しこれらの環は窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含んでいてもよい。
  5. 前記化合物が、1−フェネチルアミノ−3−(10H−フェノチアジン−10−イル)−プロパン−2−オールである請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 下記一般式(I)で表わされる化合物又はその塩を含むことを特徴とする、細胞周期のM期におけるキネシンEg5阻害剤:
    但しR〜R13は相互に独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基を示すか、いずれか隣り合う2個がそれらが結合している炭素原子と共に飽和あるいは不飽和の5〜7員環を形成しこれらの環は窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含んでいてもよい。
  7. 前記化合物が、1−フェネチルアミノ−3−(10H−フェノチアジン−10−イル)−プロパン−2−オールである請求項6に記載のキネシンEg5阻害剤。
  8. 請求項6又は7に記載のキネシンEg5阻害剤を有効成分として含むことを特徴とする抗癌剤。


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