JP2006348000A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた保湿作用を有し、しかもベタツキを生じることがない皮膚外用剤の提供。
【解決手段】タウリンと多価アルコール系保湿剤、糖類系保湿剤、アミノ酸系保湿剤、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、トリメチルグリシンの1種又は2種以上を含有させることにより、飛躍的に保湿効果を向上させるとともにベタツキの発生を殆ど抑えた皮膚外用剤の提供を可能とした。
【解決手段】タウリンと多価アルコール系保湿剤、糖類系保湿剤、アミノ酸系保湿剤、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、トリメチルグリシンの1種又は2種以上を含有させることにより、飛躍的に保湿効果を向上させるとともにベタツキの発生を殆ど抑えた皮膚外用剤の提供を可能とした。
Description
本発明は、タウリンと保湿剤を含有する皮膚外用剤に関し、詳しくは、タウリンと種々の保湿剤により皮膚の保湿性に優れた効果を有する化粧品、外用医薬品等の皮膚外用剤に関する。
皮膚の乾燥を抑え、皮膚の水分を保持することは、化粧品等の皮膚外用剤の重要な役割の一つであり、保湿作用に優れた新しい皮膚外用剤を提供することは常に課せられた課題である。そして、皮膚の保湿を目的とした化粧品や外用医薬品などの皮膚外用剤には、多価アルコール、天然高分子、糖及び無機塩類などが保湿剤として配合されている。しかし、これらの多くは高濃度での使用において、ベタツキを生じるという問題が発生し、ベタツキを抑えた配合量のものでは十分な効果が得られないという問題があった。また、従来より、皮膚外用剤に配合されている保湿剤は、その保湿剤自体の保水性を利用したものが主であり、高濃度配合におけるベタツキの発生は、必然的な問題であった。そのため、ベタツキを抑制する方法が種々検討されてきた。例えば、ムコ多糖とトレハロースを併用する方法(特許文献1)や保湿効果を有する植物と多価アルコールの一つであるグリセリンを併用する方法(特許文献2)、多価アルコールと特定の糖類を併用する方法(特許文献3)等が検討されている。しかしながら、ベタツキが全く感じられない皮膚外用剤の提供には至っていないのが現状である。そのことから、従来とは違った働き、特に生理的に働いて保湿作用を有するような物質の開発が望まれていた。
有機性の浸透圧因子は高張ストレスに反応して特異的に蓄積され、低張状態になると速やかに細胞から放出される物質で、その働きは腎髄質細胞や肝細胞で重要であること、又ベタイン、イノシトール、タウリンが有機性の浸透圧因子として働くことが報告されている(非特許文献1 )。さらに、タウリン及びタウリントランスポーターの表皮角化細胞での存在が報告され、タウリンが有機性の浸透圧因子(organic osmolyte)として表皮角化細胞の水分保持に働いていることが示唆されている(非特許文献2 )。また、タウリンと特定の植物を併用することで細胞賦活効果を有することが報告されている(特許文献4)。しかし、タウリンが他の保湿成分との併用により相乗的に保湿を向上させ、しかも使用においてベタツキを殆ど感じさせない作用を有することは、記載はおろか示唆すらされていない。
特開平6−122621号公報
特開2004−331547号公報
特開平5−85925号公報
特開平5−310549号公報
Dieter Haussinger:REVIEW ARTICLE The role of cellular hydration in the regulation of cell function.Biochem. J.313:697-710, 1996
Guido Janeke et al.: Role of taurine accumulation in keratinocyte hydration. JInvest Dermatol 121:354-361, 2003
そこで、従来の保湿剤とは違った働きで、ベタツキを生じることなく、優れた保湿作用を有する物質を見出し、相乗的に優れた保湿作用を有する皮膚外用剤を提供することを課題とした。
検討を重ねた結果、従来の保湿剤と併せてタウリンを配合することで、よりベタツキを生じることなく、優れた保湿作用が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
従来の保湿剤に併せてタウリンを配合することで優れた保湿作用を有する皮膚外用剤を提供できる。
タウリンは、表皮角化細胞でその水分保持に生理的に関与する物質である。また、タウリンは有機性の浸透圧因子であるので、高濃度の無機塩や多価アルコールのように皮膚の水分を逆に吸水して細胞を傷害するということもない。したがって、安全で、保湿作用に優れた皮膚外用剤を提供できる。
本発明に用いることができるタウリンは、市販されているタウリンであれば特に制限は無い。又、併せて用いる無機塩系保湿剤、多価アルコール系保湿剤、高分子系保湿剤、糖類系保湿剤及びアミノ酸系保湿剤も、市販されているものであれば特に制限は無い。本発明におけるタウリンの含有量は好ましくは0.1%〜10%の範囲である。無機塩系保湿剤、例えば塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムの含有量として、好ましくは0.01%〜1%の範囲であり、多価アルコール系保湿剤、例えばグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールの含有量として、好ましくは1%〜20%の範囲であり、糖類系保湿剤、例えばトレハロース、硫酸化トレハロース、プルラン、マルトース、カルボキシメチルデキストランの含有量として、好ましくは0.05〜5%の範囲であり、アミノ酸系保湿剤、例えばプロリン、グリシン、セリン、トレオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リシンの含有量として、好ましくは0.1〜5%の範囲である。これらの範囲でタウリンと保湿剤を併せて配合すると、より優れた相乗的な保湿効果が得られる。又、各含有量が上記範囲内であり、タウリンとの併用であれば、他の保湿剤の組み合わせは限定されるものではない。
本発明の皮膚外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、各種成分、例えば、スクワランなどの炭化水素類、油脂、ロウ類、各種エステル油、動物油、植物油、シリコーン油、脂肪酸、高級アルコールなどの油剤、エタノールなどのアルコール類、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、リン脂質などの両親媒性物質、酸化チタン、マイカ、酸化鉄などの顔料、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウムなどの高分子類、色素、紫外線吸収剤、香料、防腐剤、キレート剤などを適宜配合することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は何ら実施例に限局されるものではない。
〔試験例1〕
表1に示す組成で試料を調製し、その保湿効果を次の方法で調べた。
表1に示す組成で試料を調製し、その保湿効果を次の方法で調べた。
〔試験方法〕
前腕内側を用いて試料適用による表皮角層水分量への影響を調べた。一定区画にアセトンを10分間適用し、その部分の皮膚角層水分量を低下させた後、試料を適用した。表皮角層水分量はインピーダンスメーターskikon-200 (IBS社製)を用いて皮膚インピーダンスを測定することによって相対的に評価した。
前腕内側を用いて試料適用による表皮角層水分量への影響を調べた。一定区画にアセトンを10分間適用し、その部分の皮膚角層水分量を低下させた後、試料を適用した。表皮角層水分量はインピーダンスメーターskikon-200 (IBS社製)を用いて皮膚インピーダンスを測定することによって相対的に評価した。
組成及び結果を表1に示す。
表1の成分欄の数字は配合率(%)を角層水分量欄の数字はインピーダンス値を示す。
〔試験例2〕
表2に示す組成で試料を調製し、その保湿効果を次の方法で調べた。なお、成分欄の数字は配合率(%)、保湿効果欄の数字は人数をそれぞれ示す。
表2に示す組成で試料を調製し、その保湿効果を次の方法で調べた。なお、成分欄の数字は配合率(%)、保湿効果欄の数字は人数をそれぞれ示す。
次に評価基準を示す。
〔評価基準〕
有効 : 肌がしっとりした。
無効 : 使用前と変わりなかった。
有効 : 肌がしっとりした。
無効 : 使用前と変わりなかった。
表2に示したとおり、保湿剤のみの試料(比較例1)に比して有意に優れた保湿効果が保湿剤にタウリンを加えた試料(実施例1)で認められた。
〔試験例3〕
表3に示す組成で試料を調製し、次の方法によりそのベタツキ感についても調べた。
表3に示す組成で試料を調製し、次の方法によりそのベタツキ感についても調べた。
〔試験方法〕
28〜49才の健常者8名で試験した。試料の適量を前腕内側に塗布し、ベタツキ感の有無について評価した。試験は二重盲検法にそって行なった。
28〜49才の健常者8名で試験した。試料の適量を前腕内側に塗布し、ベタツキ感の有無について評価した。試験は二重盲検法にそって行なった。
表3に示したとおり、比較例3および4でベタツキが感じられたのに対し、実施例1では比較例1と同じくベタツキは感じられなかった。
試験例1〜3の結果は、タウリンを併せて用いることでベタツキ感の少ない優れた保湿効果を得られることを示唆する。
以下に処方例を示すが、本願発明がこれらの例に限定されるものではない。
本発明の皮膚外用剤は、保湿性に極めて優れており、又、その効果が長時間継続するため、化粧料としての応用が広く期待できる。
Claims (6)
- タウリンと保湿剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 保湿剤が無機塩類系保湿剤、多価アルコール系保湿剤、糖類系保湿剤、アミノ酸系保湿剤、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、トリメチルグリシンの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
- 無機塩類系保湿剤が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
- 多価アルコール系保湿剤が、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
- 糖類系保湿剤が、トレハロース、硫酸化トレハロース、プルラン、マルトース、カルボキシメチルデキストランから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
- アミノ酸系保湿剤が、プロリン、グリシン、セリン、トレオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リシンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008273941A (ja) * | 2007-03-31 | 2008-11-13 | Taisho Pharmaceutical Co Ltd | アダパレン含有外用剤組成物 |
FR2940059A1 (fr) * | 2008-12-24 | 2010-06-25 | Lvmh Rech | Compostion cosmetique contenant au moins deux osmolytes a effet hydratant ou anti-age |
JP2011503172A (ja) * | 2007-11-15 | 2011-01-27 | パオリ アンブロシ,ギアンフランコ デ | 即時かつ強力なリフティング効果を達成する局所使用に供する組成物 |
EP1994923A3 (de) * | 2007-05-23 | 2011-02-16 | Henkel AG & Co. KGaA | Kosmetische und dermatologische Zusammensetzungen gegen trockene Haut |
JP2011512397A (ja) * | 2008-02-22 | 2011-04-21 | セダーマ | ホマリン及びエリスリトールの組み合わせを含む保湿用化粧品組成物 |
CN112823776A (zh) * | 2019-11-21 | 2021-05-21 | 上海家化联合股份有限公司 | 含有尿素的组合物 |
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2005
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