本発明は身体の捩れや歪みを矯正して身体のバランスを整え、身体の血流を良くして健康の維持、増進に役立てることができる身体矯正装置に関する。
従来、身体の捩れや歪みを矯正する方法として、整体(カイロプラクティック)やマッサージ等がある。整体やマッサージによる身体の捩れや歪みの矯正は、接骨院やマッサージ室等へ行って、専門の整体師やマッサージ師等から、直接身体をもむ、ほぐす、押す、引っ張る、叩く等の施術を受けることによって行うものである。
しかし、整体やマッサージによる身体の捩れや歪みの矯正には、次のような課題がある。
(1)整体やマッサージには、資格や熟練した技能が必要であり、素人が身体を無理に矯正しようとすると却って身体を損傷するおそれがある。そのため、整体やマッサージを受けるためには一々接骨院やマッサージのお店へ行き、専門の整体師やマッサージ師に施術を施してもらわなければならない。この場合、予約をしたり、通院したりしなければならず面倒であり、時間に余裕のない場合は整体やマッサージをなかなか受けにくい。
(2)整体やマッサージは、専門の整体師やマッサージ師が行うため、一回の施術費用が高い。
本発明の身体矯正装置は、熟練した技能を必要とせず、何時でも、誰でも簡易且つ安価に身体の捩れや歪みを矯正し、身体のバランスを整え、身体の血流を良くして健康の維持、増進に役立てることができるものである。
本願の請求項1の身体矯正装置は、使用者を仰臥させる台と、台を傾斜させる傾斜機構と、台を水平或は傾斜の状態で水平回転させる回転機構を備え、前記台には使用者の胴、脚といった身体の一部を台に固定する固定具を備えたものである。
本願の請求項2の身体矯正装置は、請求項1記載の身体矯正装置において、台に仰臥した使用者の足首、膝、太ももといった脚の一部を保持する脚保持具と、脚保持具を往復牽引することによりその脚保持具で保持された脚を往復牽引する往復駆動機構を備えたものである。
本願の請求項3の身体矯正装置は、請求項1又は請求項2記載の身体矯正装置において、台に仰臥した使用者の顎を保持する顎保持具をも備えたものである。
本件出願の請求項1の身体矯正装置は次のような効果がある。
(1)使用者が台に仰臥した状態で、台を傾斜させたり、台を水平又は傾斜した状態で回転させたりすることにより、身体を頭の先から足先まで真っ直ぐにすることができるため、身体の捩れや歪みが矯正されて身体のバランスが良くなる。また、身体の血流も良くなって健康の維持や増進に役立てることができる。
(2)身体が固定具によって台に固定されるので、台を傾けたり回転させたりしても身体が台から落下する心配がなく、使用者がリラックスした状態で矯正を受けることができる。
(3)使用者は台に仰臥するだけであるため、身体に無理がかからず、自然な状態で使用できる。
(4)整体やマッサージについての専門的な知識や熟練技能も必要なく、いつでも誰でも簡易に身体の捩れや歪みを矯正することができる。
(5)自宅や職場に備えておけば、接骨院やマッサージ店に行く場合のように、予約をしたり、通院したりする面倒がなく、使用者の都合のよいときに使用できるので便利である。また、費用もかからず、毎日継続して使用できるため効果的である。
本件出願の請求項2の身体矯正装置は脚保持具と、それを往復牽引する往復駆動機構を備えるので、上記各効果に加えて、次のような効果もある。
(1)脚保持具で足首、膝、太もも等を保持し、その脚保持具を往復駆動機構で往復牽引すれば、膝や脚の付け根の関節を真っ直ぐ伸ばすことができ、身体の捩れや歪みを矯正できる。また、身長を伸ばすこともできる。
本件出願の請求項3の身体矯正装置は、台に仰臥した使用者の顎を保持する顎保持具をも備えているので、上記各効果に加えて、次のような効果もある。
(1)前記脚保持具で足首、膝、太もも等を保持し、その脚保持具を往復駆動機構で往復牽引するときに、顎保持具で台の上の人の顎を保持すれば、頭から脚まで真っ直ぐ伸ばすことができ、身体の捩れや歪みの矯正効果が高い。
(実施形態1)
本発明の身体矯正装置の実施形態の一例を図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態の身体矯正装置1は、図1に示すように、使用者2が仰臥できる台3と、台3を支持するフレーム4と、フレーム4に備えられ、台3を傾斜させる傾斜機構5と、台3の裏側に備えられ、台3を水平或は傾斜の状態で水平回転させる回転機構6とを備えるものである。前記台3には、台3上に仰臥した使用者2を台3に固定することができる各種固定具30〜37や、使用者2の足首を往復牽引することができる往復駆動機構7も備えられている。また、フレーム4には制御盤8が設けられ、前記傾斜機構5、回転機構6、往復駆動機構7の動作を制御できるようにしてある。制御盤8には、傾斜機構5、回転機構6、往復駆動機構7の動作を実際に操作できる操作盤9が備えられている。
前記台3は、図1、図2に示すように、前記フレーム4の上に設けられた、使用者2が一名仰臥可能な大きさに形成された板状部材である。台3の大きさは、使用者2が一名仰臥可能な大きさであれば任意の大きさとすることができ、例えば、図3に示すように、縦(L)×横(W)を、2400mm×1200mmとすることができる。台3は、最大200kgの使用者が仰臥できる強度を備えるものであることが望ましい。台3の四隅は、図に示すように切り欠いておくこともできる。台3には、木製、金属製、樹脂製等、任意の素材製の板材を用いることができ、例えば、表面にメラミン塗装を施したクロス合板等を用いることができる。
前記フレーム4は、図1、図4〜図6に示すように、前記台3の裏側に設けられた枠体であって、本発明の身体矯正装置1の土台である基台11と、基台11上に二本立設されたベース枠12と、ベース枠12間に備えられた軸17に回動自在に備えられて台3の裏側に配置される台支持枠13とを備えてなるものである。
前記基台11は、金属製の角型パイプ等によって囲い状に形成された枠体であって、本発明の身体矯正装置1の土台となるものである。基台11の下部には、図1、図4〜図6に示すように、基台11を前後左右自在に移動させることができる自在キャスター14が備えられている。また、基台11の下部には、上下伸縮可能な脚15も備えられ、脚15を降ろして接地させ、基台11を所望の位置で固定することができるようにしてある。脚15の軸部分をネジが形成されたボルトとし、脚15の接地部分を樹脂製等として、軸部分を回転させて脚15を昇降可能とすることもできる。また、基台11の上面には板を張ることもできる。
前記ベース枠12は、図1、図4〜図6に示すように、金属製の角型パイプ等によって形成された枠体であって、基台11上に二本対向させて立設されている部材である。二本の対向するベース枠12間には、図5に示すように、補強材16及び軸17が設けられている。
前記台支持枠13は、図1、図4〜図6に示すように、金属製の角型パイプ等によってコ字型に形成された枠体であって、ベース枠12間に備えられた軸17に回動自在に備えられ、台3の裏面に配置されて台3を支持する部材である。台支持枠13の形状は、図に示すコ字型には限られず、四方を囲った囲い型等、他の任意の形状とすることもできる。台支持枠13の上面には板を張ることもできる。
前記傾斜機構5は、図1、図5、図6に示すように、前記フレーム4に設けられた機構であって、台3を傾斜させる機構である。傾斜機構5は、上端を台支持枠13に、下端を基台11に夫々固定した伸縮機構18と、その伸縮機構18に備えられた駆動源19とを備えてなるものである。
前記伸縮機構18は、図1、図5、図6に示すように、ピストンロッド20とシリンダー21とを備える油圧シリンダーである。駆動源19には、油圧シリンダーを作動させる油圧パワーユニットを用いる。油圧シリンダーのピストンロッド20を伸ばすことによって、台支持枠13を水平位置より上方に持ち上げ、台3を傾けることができる(図5、図6参照。)。ピストンロッド20の伸縮を停止させると、傾斜させた位置で台3を停止させることができる。伸縮機構18には、油圧シリンダーに代えて、エアシリンダーを用いることもできる。その場合、駆動源19にはエアシリンダーを作動させるコンプレッサーを用いる。台3の傾斜角度は、0〜90度の間で任意に設定することができ、任意の傾斜角度で停止させることができる。図5に示す台3の傾斜角度は約20度、図6に示す台3の傾斜角度は約45度である。また、台3の傾斜速度も任意とすることができ、例えば、台3を水平状態から45度までの傾斜を10秒で行うようにすることもできる。
この傾斜機構5による台3の傾斜は、前記回転機構6による台3の水平回転中においても行うことができる。また、前記往復駆動機構7による使用者2の足首の往復牽引中においても行うことができる。
前記回転機構6は、図1、図4〜図6に示すように、台3の裏側に設けられ、台3を水平或は傾斜の状態で水平回転させる機構である。回転機構6は、同図に示すように、台3の水平回転の動力源となる駆動源22と、駆動源22に取付けられた駆動ギア23と、リング状の本体の内周面に形成されたギアと前記駆動ギア23とが咬合する旋回輪24と、その旋回輪24が下面に取付けられ、台3の裏面が上面に取付けられたターンテーブル25と、前記旋回輪24を回動自在に収容する旋回輪軸受26とを備えてなるものである。
駆動源22は、台3の水平回転の動力源であって、図1、図4〜図6に示すように、台支持枠13に取付けられたモーターである。駆動源22には、駆動ギア23が取付けられている。駆動源22は、駆動ギア23を左右両方向に回転させられるようにすることもできる。駆動源22は、モーターに限らず、油圧パワーユニット等、他の任意の駆動源を用いることもできる。また、駆動源22の取付け位置も、台支持枠13に限らず、他の任意の場所に取付けることもできる。図に示す駆動源22には、駆動ギア23が取付けられているが、駆動源22と駆動ギア23とは、別個に設けることもできる。
旋回輪24は、図1、図4〜図6に示すように、リング状の本体の内周面にギアが形成されたものである。旋回輪24の内周面に形成されたギアは、前記駆動ギア23と咬合し、駆動ギア23の回転に伴って、旋回輪24も回転するようにしてある。前記旋回輪24は、図1、図4〜図6に示すように、台支持枠13の上面に設けられた筒状の旋回輪軸受26内に回動自在に収容されている。そのため、駆動源22を作動させて駆動ギア23を回転させると、旋回輪軸受26内で旋回輪24が回転する。
ターンテーブル25は、図1、図4〜図6に示すように、円形の板状部材であって、その下面は前記旋回輪24の上部に取付けられ、その上面は台3の裏面に固定されている。同図に示すように、旋回輪24と、ターンテーブル25と、台3とはいずれも平行になるように固定されている。したがって、駆動源22を作動させて駆動ギア23を回転させ、旋回輪軸受26内で旋回輪24を回転させると、台3を、旋回輪24の回転に伴って水平回転させることができる(図2、図4参照。)。台3は、例えば、毎分0.5〜10回転の回転速度で回転させることができる。台3の回転方向は、左右任意の方向とすることができる。
この回転機構6による台3の水平回転は、前記傾斜機構5によって台3を傾斜させた後又は傾斜中においても行うことができる。また、前記往復駆動機構7による使用者2の足首の往復牽引中においても行うことができる。
前記台3上には、図2、図3に示すように、台3上に仰臥した使用者2を台3に固定することができる各種固定具30〜37が備えられている。本実施形態では、図2、図3に示すように、固定具として枕30、足置き31、脇クッション32、胴固定ベルト33、膝固定ベルト34、顎保持具35、肩固定具36、把持部37が設けられている。固定具は、上記したものには限られず、使用者2の身体の一部又は全部を台3に固定することができれば、他の任意の固定具を用いることもできる。また、上記した固定具のうち一又は二以上を任意に省略することもできる。
枕30は、台3上に面テープ等によって脱着自在に直接取付けられ、使用者2の頭部を支持し、位置決めするものである。枕30には、使用者2が頭を台3に強く打ち付けたり、強くこすったりしないように保護する役割もある。枕30には、使用者2の頭部を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。また、枕30は、中央部分を凹ませ、使用者2の頭部を支持し易くしておくこともできる。
足置き31は、台3上に面テープ等によって脱着自在に直接取付けられ、使用者の踵及び足首を支持し、位置決めするものである。足置き31には、使用者2が踵やふくらはぎを台3に強く打ちつけたり、強くこすったりしないように保護する役割もある。足置き31には、使用者2の踵及び足首を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。また、足置き31は、踵の位置する部分を凹ませ、使用者2の踵を支持し易くしておくこともできる。
脇クッション32は、台3上に面テープ等によって左右一つずつ脱着自在に取付けられ、使用者の胴体を支持し、位置決めするものである。脇クッション32には、使用者の胴体を回転時や傾斜時の衝撃から保護する役割もある。脇クッション32にも、使用者2の胴体2を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。
胴固定ベルト33は、台3上に取付けられた左右二本で一対のベルト状の部材であって、台3上に仰臥した使用者2の胴体に巻付けて使用者2の胴体を台3上に固定するものである。一対の胴固定ベルト33の端部には、図3に示すように互いに貼り合わせ可能な面テープ38が備えられ、胴固定ベルト33を所望の巻付け長に調節して固定できるようにしてある。胴固定ベルト33は、図2に示すように、前記脇クッション32ごと使用者2の胴体に巻付けて固定することができる。左右の胴固定ベルト33同士の固定は、図に示す面テープ38による固定には限られず、固定用のバックル、ボタン、留め金等、胴固定ベルト33を胴体に巻付けて装着離脱可能に固定できるものであれば、任意の固定方法を用いることができる。胴固定ベルト33は、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができるが、胴固定ベルト33の胴体巻付け面には、滑りにくい素材を使用して、胴体に巻付けた際にずれにくくしておくことが望ましい。
膝固定ベルト34は、左右二本で一対のベルト状部材であって、台3上に仰臥した使用者2の膝下に巻付けて使用者2の膝を台3上に固定するものである。膝固定ベルト34は、台3上に二対設けられ、使用者2の両膝を台3上に固定することができるようにしてある。一対の膝固定ベルト34の端部にも、図3に示すように互いに貼り合わせ可能な面テープ39が備えられ、膝固定ベルト34を所望の巻付け長に調節して固定できるようにしてある。左右の膝固定ベルト34同士の固定は、面テープ39による固定には限られず、固定用のバックル、ボタン、留め金等、膝固定ベルト34を膝下に巻付けて装着離脱可能に固定できるものであれば、任意の固定方法を用いることができる。膝固定ベルト34は、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができるが、膝固定ベルト34の膝下巻付け面には、滑りにくい素材を使用して、膝下に巻付けた際にずれにくくしておくことが望ましい。
顎保持具35は、台3の端部に設けられた取付枠40に取付けられ、台3上に仰臥した使用者2の顎部を保持し、位置決めするものである。顎保持具35は、図2、図3に示すように、顎当て部41と紐部42とからなる。顎保持具35は、紐部42を取付枠40に固定し、顎当て部41を使用者2の顎に当てて、顎を支持する。顎保持具35も、紐部42の長さを調節したり、顎当て部41の顎当て長を調節したりすることもできる。紐部42には、伸縮性のない紐とすることもできるが、ゴムやバネ等のように伸縮性のあるものを用いることもできる。また、顎当て部41も、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができる。
肩固定具36は、台3の端部に設けられた取付枠40に取付けられ、台3上に仰臥した使用者2の両肩を支持し、位置決めするものである。肩固定具36は、図2、図3に示すように、肩当て部43と紐部44とからなる。肩固定具36は、紐部44を取付枠40に固定し、肩当て部43を、背中から両脇の下を通して両肩の上に出して、両肩を支持する。肩当て部43は、図3に示すように、背中に当たる部分を細く、両肩に当たる部分を太く形成してある。肩固定具36も、紐部44の長さを調節したり、肩当て部43の形状を変えたりすることもできる。紐部44には、伸縮性のない紐とすることもできるが、ゴムやバネ等のように伸縮性のあるものを用いることもできる。また、肩当て部43も、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができる。
把持部37は、台3に設けられ、台3に仰臥した使用者2が、手で把持することができる手すり(取っ手)状の部材である。把持部37の形状は、図2、図3に示すものには限られず、任意の形状とすることができる。また、把持部37は、木製、金属製、樹脂製等、任意の素材製とすることができる。
その他にも、図2、図3に示す膝固定ベルト34に代えて、図7に示すように、膝下に帯状部材60を巻き、その帯状部材60をスプリング61で上方に引っ張るようにして膝を固定するようにしたり、図2、図3の手すり状の把持具37に代えて、図7に示すように棒状の把持具37を設けて使用者2が把持できるようにしたりすることもできる。固定具は、上記したものには限られず、使用者2を台3上に固定可能であれば任意のものを用いることができる。
前記往復駆動機構7は、台3の足元側に備えられ、台3上に仰臥した使用者2の足首を往復牽引させる機構である。往復駆動機構7は、図1、図2に示すように、台3に取付けられた設置台45上に二本の伸縮機構46が設けられてなるものである。
前記設置台45は、台3の足元側に取付けられた枠状の部材であって、図1、図2に示すように、伸縮機構46を二本設置可能なものである。設置台45には、使用者2の足首の位置に合わせて伸縮機構46の取付け位置を調節可能な長穴等を形成することもできる。また、設置台45を省略して、伸縮機構46を直接台3上に設けることもできる。その場合は、台3上に、使用者2の足首の位置に合わせて伸縮機構46の取付け位置を調節可能な長穴等を形成することもできる。
前記伸縮機構46は、図1、図2に示すように、ピストンロッド47とシリンダー48とを備えるエアシリンダーである。エアシリンダーの駆動源には、コンプレッサー(図示しない)を用いる。その場合、ピストンロッド47の先に脚保持具49を取付け、その脚保持具49を使用者2の足首に取付けて足首を保持し、エアシリンダーのピストンロッド47を連続して伸縮させて、脚保持具49を往復牽引することにより、その脚保持具49で保持された使用者2の足首を往復牽引させることができる。本実施形態の場合、膝固定ベルト34で使用者2の膝を固定しているので、膝の関節や足首の間接を中心に、足に効果的な伸縮運動を与えることができる。前記脚保持具49は、足首の他にも、膝、太ももといった脚の一部を保持することができる。伸縮機構46には、エアシリンダーの他に油圧シリンダーを用いることもできる。また、それ以外にも往復運動が可能な機構であれば、任意のものを用いることができる。
往復駆動機構7による使用者2の足首の往復牽引は、操作によって任意のタイミングで行うことも、所定の間隔毎に自動的に行うこともできる。往復駆動機構7は、図に示すような足首のみの往復牽引には限られず、膝、太もも、腕、腰等、身体の任意の部位を牽引できるようにすることもできる。
この往復駆動機構7による使用者2の足首の往復牽引は、前記傾斜機構5によって台3を傾斜させた後又は傾斜中においても行うことができる。また、前記回転機構6による台3の水平回転中においても行うことができる。
前記制御盤8は、前記傾斜機構5、回転機構6、往復駆動機構7の動作を制御するものであって、図1に示すように、フレーム4の基台11上に設けられている。制御盤8は、回転機構6を制御して、台3の回転速度を変化させたり、台3の回転方向を変化させたりすることができる。また、傾斜機構5を制御して、台3の傾斜角度を設定・変更させたりすることもできる。往復駆動機構7を制御して、伸縮機構46を伸縮させたりすることもできる。また、制御盤8は、1分〜30分の間で、本発明の身体矯正装置1の自動運転時間を設定したりすることもできる。制御盤8の設置位置は、図に示す位置には限られず、例えば、フレーム4の外側等、他の任意の設置位置とすることもできる。
前記制御盤8には、図1に示すように、傾斜機構5、回転機構6、往復駆動機構7の動作を実際に操作できる操作盤9が備えられている。本実施形態の操作盤9は、図1に示すように、フレキシブルチューブ50を介して前記制御盤8に取付けられている。もっとも、フレキシブルチューブ50を省略して、操作盤9によって制御盤8を遠隔操作可能とすることもできる。操作盤9には、電源ON/OFFスイッチ、水平回転速度調整ツマミ、回転速度メーター、水平回転方向決定スイッチ、傾斜角度設定ツマミ、往復駆動機構作動スイッチ、非常停止ボタン、自動運転設定スイッチ、その他任意のスイッチ、ツマミ、メーター等を設けることができる。
また、本発明の身体矯正装置1には、図1、図4〜図6に示すように、フレーム4の基台11の上方部分を覆うカバー51が設けられている。カバー51は、図に示すように蛇腹形状に形成されており、台3の傾斜に合わせて変形するようにしてある(図5、図6参照。)。
(使用例)
本発明の身体矯正装置を用いて、使用者の身体の捩れや歪みをを矯正するには、次のようにする。
(1)図1、図2に示すように使用者2の身体を台3上に仰臥させる。
(2)固定具30〜37によって各部を固定し、使用者2の身体を台3上に固定する(図2参照。)。
(3)往復駆動機構7のピストンロッド47の先に脚保持具49を取付け、その脚保持具49を使用者2の足首に取付ける(図2参照。)。
(4)操作盤9を操作して、傾斜機構5を作動させ、台3を所望の傾斜角度まで傾斜させて停止させる(図5、図6参照。)。
(5)更に操作盤9を操作して、回転機構6を作動させ、台3を水平回転させる。
(6)更に操作盤9を操作して、往復駆動機構7を作動させ、使用者2の足首を往復牽引させる。
(7)所望の矯正が終了したら、操作盤9を再度操作して、回転機構6を停止させて台3の水平回転を停止させ、往復駆動機構7を停止させて使用者2の足首の往復牽引運動を停止させる。
(8)操作盤9を操作して、傾斜させた台3を水平位置まで戻す。
(9)台3が水平位置まで戻ったら、脚保持具49を使用者2の足首から取り外し、脚保持具49を往復駆動機構7のピストンロッド47から取り外す。
(10)各固定具30〜37による固定を解除し、使用者2を台3上から降ろす。
前記使用例において、(4)、(5)、(6)の工程は、任意の順番で行うことができる。また、(4)、(5)、(6)の工程のうち、一つ又は二つの工程を省略することもできる。また、操作盤9による操作は、使用者が自ら行うことも、他に操作者を用意してその操作者に操作させることもできる。また、予め身体矯正装置1が行う動作を設定しておき、(4)〜(8)の工程を自動で行うことができるようにしておくことも可能である。
(その他の実施形態)
前記実施形態に示す本発明の身体矯正装置はあくまで一例であって、各部材、機構の形状、構造、大きさ、数量等は、前記のものには限られず、任意とすることができる。従って、例えば、往復駆動機構を二以上備えて、両手両足を一度に往復牽引させることも可能である。
本発明の身体矯正装置においては、回転機構、傾斜機構、往復駆動機構のうち、一つ又は二つを省略することもできる。従って、例えば、往復駆動機構を省略し、台の傾斜及び回転のみを行うことができる身体矯正装置とすることもできる。
本発明の身体矯正装置は、身体の捩れや歪みの矯正用の装置には限られず、医科歯科治療用の寝台等、人間を仰臥させて使用する装置にも広く応用することができる。
本発明の身体矯正装置の実施形態の一例を示す正面図。
図1に示す身体矯正装置の平面図。
図1に示す身体矯正装置の未使用状態の平面図。
図1に示す身体矯正装置の右側面図。
図1に示す身体矯正装置の台を傾斜(傾斜角度約20度)させた様子を示す正面図。
図1に示す身体矯正装置の台を傾斜(傾斜角度約45度)させた様子を示す正面図。
本発明の身体矯正装置の固定具の他の一例を示す平面図。
符号の説明
1 身体矯正装置
2 使用者
3 台
4 フレーム
5 傾斜機構
6 回転機構
7 往復駆動機構
8 制御盤
9 操作盤
11 基台
12 ベース枠
13 台支持枠
17 軸
18 伸縮機構(傾斜機構)
24 旋回輪
25 ターンテーブル
26 旋回輪軸受
30〜37 固定具
46 伸縮機構(往復駆動機構)
49 脚保持具
本発明は身体の捩れや歪みを矯正して身体のバランスを整え、身体の血流を良くして健康の維持、増進に役立てることができる身体矯正装置に関する。
従来、身体の捩れや歪みを矯正する方法として、整体(カイロプラクティック)やマッサージ等がある。整体やマッサージによる身体の捩れや歪みの矯正は、接骨院やマッサージ室等へ行って、専門の整体師やマッサージ師等から、直接身体をもむ、ほぐす、押す、引っ張る、叩く等の施術を受けることによって行うものである。
しかし、整体やマッサージによる身体の捩れや歪みの矯正には、次のような課題がある。
(1)整体やマッサージには、資格や熟練した技能が必要であり、素人が身体を無理に矯正しようとすると却って身体を損傷するおそれがある。そのため、整体やマッサージを受けるためには一々接骨院やマッサージのお店へ行き、専門の整体師やマッサージ師に施術を施してもらわなければならない。この場合、予約をしたり、通院したりしなければならず面倒であり、時間に余裕のない場合は整体やマッサージをなかなか受けにくい。
(2)整体やマッサージは、専門の整体師やマッサージ師が行うため、一回の施術費用が高い。
本発明の身体矯正装置は、熟練した技能を必要とせず、何時でも、誰でも簡易且つ安価に身体の捩れや歪みを矯正し、身体のバランスを整え、身体の血流を良くして健康の維持、増進に役立てることができるものである。
本願の請求項1の身体矯正装置は、使用者が仰臥できる台と、台を傾斜させる傾斜機構と、台を水平或は傾斜の状態で回転させる回転機構を備え、前記台には使用者の胴、脚といった身体の一部を台に固定できる固定具を備え、前記回転機構を台の裏側であって台の上面に仰臥する使用者の下になる位置に設けたものである。
本願の請求項2の身体矯正装置は、請求項1記載の身体矯正装置において、台に仰臥した使用者の足首、膝、太ももといった脚の一部を保持できる脚保持具と、脚保持具で保持される脚を牽引可能な牽引駆動機構を備えたものである。
本願の請求項3の身体矯正装置は、請求項1又は請求項2記載の身体矯正装置において、台に仰臥した使用者の顎を保持できる顎保持具をも備えたものである。
本件出願の請求項1の身体矯正装置は次のような効果がある。
(1)使用者が台に仰臥した状態で、台を傾斜させたり、台を水平又は傾斜した状態で回転させたりすることにより、身体を頭の先から足先まで真っ直ぐにすることができるため、身体の捩れや歪みが矯正されて身体のバランスが良くなる。また、身体の血流も良くなって健康の維持や増進に役立てることができる。
(2)身体が固定具によって台に固定されるので、台を傾けたり回転させたりしても身体が台から落下する心配がなく、使用者がリラックスした状態で矯正を受けることができる。
(3)使用者は台に仰臥するだけであるため、身体に無理がかからず、自然な状態で使用できる。
(4)整体やマッサージについての専門的な知識や熟練技能も必要なく、いつでも誰でも簡易に身体の捩れや歪みを矯正することができる。
(5)自宅や職場に備えておけば、接骨院やマッサージ店に行く場合のように、予約をしたり、通院したりする面倒がなく、使用者の都合のよいときに使用できるので便利である。また、費用もかからず、毎日継続して使用できるため効果的である。
本件出願の請求項2の身体矯正装置は脚保持具と、それを牽引する牽引駆動機構を備えるので、上記各効果に加えて、次のような効果もある。
(1)脚保持具で足首、膝、太もも等を保持し、その脚保持具を牽引駆動機構で牽引すれば、膝や脚の付け根の関節を真っ直ぐ伸ばすことができ、身体の捩れや歪みを矯正できる。また、身長を伸ばすこともできる。
本件出願の請求項3の身体矯正装置は、台に仰臥した使用者の顎を保持する顎保持具をも備えているので、上記各効果に加えて、次のような効果もある。
(1)前記脚保持具で足首、膝、太もも等を保持し、その脚保持具を牽引駆動機構で牽引するときに、顎保持具で台の上の人の顎を保持すれば、頭から脚まで真っ直ぐ伸ばすことができ、身体の捩れや歪みの矯正効果が高い。
(実施形態1)
本発明の身体矯正装置の実施形態の一例を図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態の身体矯正装置1は、図1に示すように、使用者2が仰臥できる台3と、台3を支持するフレーム4と、フレーム4に備えられ、台3を傾斜させる傾斜機構5と、台3の裏側に備えられ、台3を水平或は傾斜の状態で回転させる回転機構6とを備えるものである。前記台3には、台3上に仰臥した使用者2を台3に固定することができる各種固定具30〜37や、使用者2の足首を牽引することができる牽引駆動機構7も備えられている。また、フレーム4には制御盤8が設けられ、前記傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作を制御できるようにしてある。制御盤8には、傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作を実際に操作できる操作盤9が備えられている。
前記台3は、図1、図2に示すように、前記フレーム4の上に設けられた、使用者2が一名仰臥可能な大きさに形成された板状部材である。台3の大きさは、使用者2が一名仰臥可能な大きさであれば任意の大きさとすることができ、例えば、図3に示すように、縦(L)×横(W)を、2400mm×1200mmとすることができる。台3は、最大200kgの使用者が仰臥できる強度を備えるものであることが望ましい。台3の四隅は、図に示すように切り欠いておくこともできる。台3には、木製、金属製、樹脂製等、任意の素材製の板材を用いることができ、例えば、表面にメラミン塗装を施したクロス合板等を用いることができる。
前記フレーム4は、図1、図4〜図6に示すように、前記台3の裏側に設けられた枠体であって、本発明の身体矯正装置1の土台である基台11と、基台11上に二本立設されたベース枠12と、ベース枠12間に備えられた軸17に回動自在に備えられて台3の裏側に配置される台支持枠13とを備えてなるものである。
前記基台11は、金属製の角型パイプ等によって囲い状に形成された枠体であって、本発明の身体矯正装置1の土台となるものである。基台11の下部には、図1、図4〜図6に示すように、基台11を前後左右自在に移動させることができる自在キャスター14が備えられている。また、基台11の下部には、上下伸縮可能な脚15も備えられ、脚15を降ろして接地させ、基台11を所望の位置で固定することができるようにしてある。脚15の軸部分をネジが形成されたボルトとし、脚15の接地部分を樹脂製等として、軸部分を回転させて脚15を昇降可能とすることもできる。また、基台11の上面には板を張ることもできる。
前記ベース枠12は、図1、図4〜図6に示すように、金属製の角型パイプ等によって形成された枠体であって、基台11上に二本対向させて立設されている部材である。二本の対向するベース枠12間には、図5に示すように、補強材16及び軸17が設けられている。
前記台支持枠13は、図1、図4〜図6に示すように、金属製の角型パイプ等によってコ字型に形成された枠体であって、ベース枠12間に備えられた軸17に回動自在に備えられ、台3の裏面に配置されて台3を支持する部材である。台支持枠13の形状は、図に示すコ字型には限られず、四方を囲った囲い型等、他の任意の形状とすることもできる。台支持枠13の上面には板を張ることもできる。
前記傾斜機構5は、図1、図5、図6に示すように、前記フレーム4に設けられた機構であって、台3を傾斜させる機構である。傾斜機構5は、上端を台支持枠13に、下端を基台11に夫々固定した伸縮機構18と、その伸縮機構18に備えられた駆動源19とを備えてなるものである。
前記伸縮機構18は、図1、図5、図6に示すように、ピストンロッド20とシリンダー21とを備える油圧シリンダーである。駆動源19には、油圧シリンダーを作動させる油圧パワーユニットを用いる。油圧シリンダーのピストンロッド20を伸ばすことによって、台支持枠13を水平位置より上方に持ち上げ、台3を傾けることができる(図5、図6参照。)。ピストンロッド20の伸縮を停止させると、傾斜させた位置で台3を停止させることができる。伸縮機構18には、油圧シリンダーに代えて、エアシリンダーを用いることもできる。その場合、駆動源19にはエアシリンダーを作動させるコンプレッサーを用いる。台3の傾斜角度は、0〜90度の間で任意に設定することができ、任意の傾斜角度で停止させることができる。図5に示す台3の傾斜角度は約20度、図6に示す台3の傾斜角度は約45度である。また、台3の傾斜速度も任意とすることができ、例えば、台3を水平状態から45度までの傾斜を10秒で行うようにすることもできる。
この傾斜機構5による台3の傾斜は、前記回転機構6による台3の回転中においても行うことができる。また、前記牽引駆動機構7による使用者2の足首の牽引中においても行うことができる。
前記回転機構6は、図1、図4〜図6に示すように、台3の裏側に設けられ、台3を水平或は傾斜の状態で回転させる機構である。回転機構6は、同図に示すように、台3の回転の動力源となる駆動源22と、駆動源22に取付けられた駆動ギア23と、リング状の本体の内周面に形成されたギアと前記駆動ギア23とが咬合する旋回輪24と、その旋回輪24が下面に取付けられ、台3の裏面が上面に取付けられたターンテーブル25と、前記旋回輪24を回動自在に収容する旋回輪軸受26とを備えてなるものである。
駆動源22は、台3の回転の動力源であって、図1、図4〜図6に示すように、台支持枠13に取付けられたモーターである。駆動源22には、駆動ギア23が取付けられている。駆動源22は、駆動ギア23を左右両方向に回転させられるようにすることもできる。駆動源22は、モーターに限らず、油圧パワーユニット等、他の任意の駆動源を用いることもできる。また、駆動源22の取付け位置も、台支持枠13に限らず、他の任意の場所に取付けることもできる。図に示す駆動源22には、駆動ギア23が取付けられているが、駆動源22と駆動ギア23とは、別個に設けることもできる。
旋回輪24は、図1、図4〜図6に示すように、リング状の本体の内周面にギアが形成されたものである。旋回輪24の内周面に形成されたギアは、前記駆動ギア23と咬合し、駆動ギア23の回転に伴って、旋回輪24も回転するようにしてある。前記旋回輪24は、図1、図4〜図6に示すように、台支持枠13の上面に設けられた筒状の旋回輪軸受26内に回動自在に収容されている。そのため、駆動源22を作動させて駆動ギア23を回転させると、旋回輪軸受26内で旋回輪24が回転する。
ターンテーブル25は、図1、図4〜図6に示すように、円形の板状部材であって、その下面は前記旋回輪24の上部に取付けられ、その上面は台3の裏面に固定されている。同図に示すように、旋回輪24と、ターンテーブル25と、台3とはいずれも平行になるように固定されている。したがって、駆動源22を作動させて駆動ギア23を回転させ、旋回輪軸受26内で旋回輪24を回転させると、台3を、旋回輪24の回転に伴って回転させることができる(図2、図4参照。)。台3は、例えば、毎分0.5〜10回転の回転速度で回転させることができる。台3の回転方向は、左右任意の方向とすることができる。
この回転機構6による台3の回転は、前記傾斜機構5によって台3を傾斜させた後又は傾斜中においても行うことができる。また、前記牽引駆動機構7による使用者2の足首の牽引中においても行うことができる。
前記台3上には、図2、図3に示すように、台3上に仰臥した使用者2を台3に固定することができる各種固定具30〜37が備えられている。本実施形態では、図2、図3に示すように、固定具として枕30、足置き31、脇クッション32、胴固定ベルト33、膝固定ベルト34、顎保持具35、肩固定具36、把持部37が設けられている。固定具は、上記したものには限られず、使用者2の身体の一部又は全部を台3に固定することができれば、他の任意の固定具を用いることもできる。また、上記した固定具のうち一又は二以上を任意に省略することもできる。
枕30は、台3上に面テープ等によって脱着自在に直接取付けられ、使用者2の頭部を支持し、位置決めするものである。枕30には、使用者2が頭を台3に強く打ち付けたり、強くこすったりしないように保護する役割もある。枕30には、使用者2の頭部を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。また、枕30は、中央部分を凹ませ、使用者2の頭部を支持し易くしておくこともできる。
足置き31は、台3上に面テープ等によって脱着自在に直接取付けられ、使用者の踵及び足首を支持し、位置決めするものである。足置き31には、使用者2が踵やふくらはぎを台3に強く打ちつけたり、強くこすったりしないように保護する役割もある。足置き31には、使用者2の踵及び足首を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。また、足置き31は、踵の位置する部分を凹ませ、使用者2の踵を支持し易くしておくこともできる。
脇クッション32は、台3上に面テープ等によって左右一つずつ脱着自在に取付けられ、使用者の胴体を支持し、位置決めするものである。脇クッション32には、使用者の胴体を回転時や傾斜時の衝撃から保護する役割もある。脇クッション32にも、使用者2の胴体2を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。
胴固定ベルト33は、台3上に取付けられた左右二本で一対のベルト状の部材であって、台3上に仰臥した使用者2の胴体に巻付けて使用者2の胴体を台3上に固定するものである。一対の胴固定ベルト33の端部には、図3に示すように互いに貼り合わせ可能な面テープ38が備えられ、胴固定ベルト33を所望の巻付け長に調節して固定できるようにしてある。胴固定ベルト33は、図2に示すように、前記脇クッション32ごと使用者2の胴体に巻付けて固定することができる。左右の胴固定ベルト33同士の固定は、図に示す面テープ38による固定には限られず、固定用のバックル、ボタン、留め金等、胴固定ベルト33を胴体に巻付けて装着離脱可能に固定できるものであれば、任意の固定方法を用いることができる。胴固定ベルト33は、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができるが、胴固定ベルト33の胴体巻付け面には、滑りにくい素材を使用して、胴体に巻付けた際にずれにくくしておくことが望ましい。
膝固定ベルト34は、左右二本で一対のベルト状部材であって、台3上に仰臥した使用者2の膝下に巻付けて使用者2の膝を台3上に固定するものである。膝固定ベルト34は、台3上に二対設けられ、使用者2の両膝を台3上に固定することができるようにしてある。一対の膝固定ベルト34の端部にも、図3に示すように互いに貼り合わせ可能な面テープ39が備えられ、膝固定ベルト34を所望の巻付け長に調節して固定できるようにしてある。左右の膝固定ベルト34同士の固定は、面テープ39による固定には限られず、固定用のバックル、ボタン、留め金等、膝固定ベルト34を膝下に巻付けて装着離脱可能に固定できるものであれば、任意の固定方法を用いることができる。膝固定ベルト34は、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができるが、膝固定ベルト34の膝下巻付け面には、滑りにくい素材を使用して、膝下に巻付けた際にずれにくくしておくことが望ましい。
顎保持具35は、台3の端部に設けられた取付枠40に取付けられ、台3上に仰臥した使用者2の顎部を保持し、位置決めするものである。顎保持具35は、図2、図3に示すように、顎当て部41と紐部42とからなる。顎保持具35は、紐部42を取付枠40に固定し、顎当て部41を使用者2の顎に当てて、顎を支持する。顎保持具35も、紐部42の長さを調節したり、顎当て部41の顎当て長を調節したりすることもできる。紐部42には、伸縮性のない紐とすることもできるが、ゴムやバネ等のように伸縮性のあるものを用いることもできる。また、顎当て部41も、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができる。
肩固定具36は、台3の端部に設けられた取付枠40に取付けられ、台3上に仰臥した使用者2の両肩を支持し、位置決めするものである。肩固定具36は、図2、図3に示すように、肩当て部43と紐部44とからなる。肩固定具36は、紐部44を取付枠40に固定し、肩当て部43を、背中から両脇の下を通して両肩の上に出して、両肩を支持する。肩当て部43は、図3に示すように、背中に当たる部分を細く、両肩に当たる部分を太く形成してある。肩固定具36も、紐部44の長さを調節したり、肩当て部43の形状を変えたりすることもできる。紐部44には、伸縮性のない紐とすることもできるが、ゴムやバネ等のように伸縮性のあるものを用いることもできる。また、肩当て部43も、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができる。
把持部37は、台3に設けられ、台3に仰臥した使用者2が、手で把持することができる手すり(取っ手)状の部材である。把持部37の形状は、図2、図3に示すものには限られず、任意の形状とすることができる。また、把持部37は、木製、金属製、樹脂製等、任意の素材製とすることができる。
その他にも、図2、図3に示す膝固定ベルト34に代えて、図7に示すように、膝下に帯状部材60を巻き、その帯状部材60をスプリング61で上方に引っ張るようにして膝を固定するようにしたり、図2、図3の手すり状の把持具37に代えて、図7に示すように棒状の把持具37を設けて使用者2が把持できるようにしたりすることもできる。固定具は、上記したものには限られず、使用者2を台3上に固定可能であれば任意のものを用いることができる。
前記牽引駆動機構7は、台3の足元側に備えられ、台3上に仰臥した使用者2の足首を連続して牽引させる機構である。牽引駆動機構7は、図1、図2に示すように、台3に取付けられた設置台45上に二本の伸縮機構46が設けられてなるものである。
前記設置台45は、台3の足元側に取付けられた枠状の部材であって、図1、図2に示すように、伸縮機構46を二本設置可能なものである。設置台45には、使用者2の足首の位置に合わせて伸縮機構46の取付け位置を調節可能な長穴等を形成することもできる。また、設置台45を省略して、伸縮機構46を直接台3上に設けることもできる。その場合は、台3上に、使用者2の足首の位置に合わせて伸縮機構46の取付け位置を調節可能な長穴等を形成することもできる。
前記伸縮機構46は、図1、図2に示すように、ピストンロッド47とシリンダー48とを備えるエアシリンダーである。エアシリンダーの駆動源には、コンプレッサー(図示しない)を用いる。その場合、ピストンロッド47の先に脚保持具49を取付け、その脚保持具49を使用者2の足首に取付けて足首を保持し、エアシリンダーのピストンロッド47を連続して伸縮させて、脚保持具49を連続して牽引することにより、その脚保持具49で保持された使用者2の足首を牽引させることができる。本実施形態の場合、膝固定ベルト34で使用者2の膝を固定しているので、膝の関節や足首の間接を中心に、足に効果的な伸縮運動を与えることができる。前記脚保持具49は、足首の他にも、膝、太ももといった脚の一部を保持することができる。伸縮機構46には、エアシリンダーの他に油圧シリンダーを用いることもできる。また、それ以外にも往復運動が可能な機構であれば、任意のものを用いることができる。
牽引駆動機構7による使用者2の足首の牽引は、操作によって任意のタイミングで行うことも、所定の間隔毎に自動的に行うこともできる。牽引駆動機構7は、図に示すような足首のみの牽引には限られず、膝、太もも、腕、腰等、身体の任意の部位を牽引できるようにすることもできる。
この牽引駆動機構7による使用者2の足首の牽引は、前記傾斜機構5によって台3を傾斜させた後又は傾斜中においても行うことができる。また、前記回転機構6による台3の回転中においても行うことができる。
前記制御盤8は、前記傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作を制御するものであって、図1に示すように、フレーム4の基台11上に設けられている。制御盤8は、回転機構6を制御して、台3の回転速度を変化させたり、台3の回転方向を変化させたりすることができる。また、傾斜機構5を制御して、台3の傾斜角度を設定・変更させたりすることもできる。牽引駆動機構7を制御して、伸縮機構46を伸縮させたりすることもできる。また、制御盤8は、1分〜30分の間で、本発明の身体矯正装置1の自動運転時間を設定したりすることもできる。制御盤8の設置位置は、図に示す位置には限られず、例えば、フレーム4の外側等、他の任意の設置位置とすることもできる。
前記制御盤8には、図1に示すように、傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作を実際に操作できる操作盤9が備えられている。本実施形態の操作盤9は、図1に示すように、フレキシブルチューブ50を介して前記制御盤8に取付けられている。もっとも、フレキシブルチューブ50を省略して、操作盤9によって制御盤8を遠隔操作可能とすることもできる。操作盤9には、電源ON/OFFスイッチ、回転速度調整ツマミ、回転速度メーター、回転方向決定スイッチ、傾斜角度設定ツマミ、牽引駆動機構作動スイッチ、非常停止ボタン、自動運転設定スイッチ、その他任意のスイッチ、ツマミ、メーター等を設けることができる。
また、本発明の身体矯正装置1には、図1、図4〜図6に示すように、フレーム4の基台11の上方部分を覆うカバー51が設けられている。カバー51は、図に示すように蛇腹形状に形成されており、台3の傾斜に合わせて変形するようにしてある(図5、図6参照。)。
(使用例)
本発明の身体矯正装置を用いて、使用者の身体の捩れや歪みを矯正するには、次のようにする。
(1)図1、図2に示すように使用者2の身体を台3上に仰臥させる。
(2)固定具30〜37によって各部を固定し、使用者2の身体を台3上に固定する(図2参照。)。
(3)牽引駆動機構7のピストンロッド47の先に脚保持具49を取付け、その脚保持具49を使用者2の足首に取付ける(図2参照。)。
(4)操作盤9を操作して、傾斜機構5を作動させ、台3を所望の傾斜角度まで傾斜させて停止させる(図5、図6参照。)。
(5)更に操作盤9を操作して、回転機構6を作動させ、台3を回転させる。
(6)更に操作盤9を操作して、牽引駆動機構7を作動させ、使用者2の足首を牽引させる。
(7)所望の矯正が終了したら、操作盤9を再度操作して、回転機構6を停止させて台3の回転を停止させ、牽引駆動機構7を停止させて使用者2の足首の牽引運動を停止させる。
(8)操作盤9を操作して、傾斜させた台3を水平位置まで戻す。
(9)台3が水平位置まで戻ったら、脚保持具49を使用者2の足首から取り外し、脚保持具49を牽引駆動機構7のピストンロッド47から取り外す。
(10)各固定具30〜37による固定を解除し、使用者2を台3上から降ろす。
前記使用例において、(4)、(5)、(6)の工程は、任意の順番で行うことができる。また、(4)、(5)、(6)の工程のうち、一つ又は二つの工程を省略することもできる。また、操作盤9による操作は、使用者が自ら行うことも、他に操作者を用意してその操作者に操作させることもできる。また、予め身体矯正装置1が行う動作を設定しておき、(4)〜(8)の工程を自動で行うことができるようにしておくことも可能である。
(その他の実施形態)
前記実施形態に示す本発明の身体矯正装置はあくまで一例であって、各部材、機構の形状、構造、大きさ、数量等は、前記のものには限られず、任意とすることができる。従って、例えば、牽引駆動機構を二以上備えて、両手両足を一度に牽引させることも可能である。
本発明の身体矯正装置においては、回転機構、傾斜機構、牽引駆動機構のうち、一つ又は二つを省略することもできる。従って、例えば、牽引駆動機構を省略し、台の傾斜及び回転のみを行うことができる身体矯正装置とすることもできる。
本発明の身体矯正装置は、身体の捩れや歪みの矯正用の装置には限られず、医科歯科治療用の寝台等、人間を仰臥させて使用する装置にも広く応用することができる。
本発明の身体矯正装置の実施形態の一例を示す正面図。
図1に示す身体矯正装置の平面図。
図1に示す身体矯正装置の未使用状態の平面図。
図1に示す身体矯正装置の右側面図。
図1に示す身体矯正装置の台を傾斜(傾斜角度約20度)させた様子を示す正面図。
図1に示す身体矯正装置の台を傾斜(傾斜角度約45度)させた様子を示す正面図。
本発明の身体矯正装置の固定具の他の一例を示す平面図。
符号の説明
1 身体矯正装置
2 使用者
3 台
4 フレーム
5 傾斜機構
6 回転機構
7 牽引駆動機構
8 制御盤
9 操作盤
11 基台
12 ベース枠
13 台支持枠
17 軸
18 伸縮機構(傾斜機構)
24 旋回輪
25 ターンテーブル
26 旋回輪軸受
30〜37 固定具
46 伸縮機構(牽引駆動機構)
49 脚保持具
本発明は身体の捩れや歪みを矯正して身体のバランスを整え、身体の血流を良くして健康の維持、増進に役立てることができる身体矯正装置に関する。
従来、身体の捩れや歪みを矯正する方法として、整体(カイロプラクティック)やマッサージ等がある。整体やマッサージによる身体の捩れや歪みの矯正は、接骨院やマッサージ室等へ行って、専門の整体師やマッサージ師等から、直接身体をもむ、ほぐす、押す、引っ張る、叩く等の施術を受けることによって行うものである。
しかし、整体やマッサージによる身体の捩れや歪みの矯正には、次のような課題がある。
(1)整体やマッサージには、資格や熟練した技能が必要であり、素人が身体を無理に矯正しようとすると却って身体を損傷するおそれがある。そのため、整体やマッサージを受けるためには一々接骨院やマッサージのお店へ行き、専門の整体師やマッサージ師に施術を施してもらわなければならない。この場合、予約をしたり、通院したりしなければならず面倒であり、時間に余裕のない場合は整体やマッサージをなかなか受けにくい。
(2)整体やマッサージは、専門の整体師やマッサージ師が行うため、一回の施術費用が高い。
本発明の身体矯正装置は、熟練した技能を必要とせず、何時でも、誰でも簡易且つ安価に身体の捩れや歪みを矯正し、身体のバランスを整え、身体の血流を良くして健康の維持、増進に役立てることができるものである。
本願の身体矯正装置は、使用者が仰臥できる台3と、台3を傾斜させる傾斜機構5と、台3を水平或は傾斜の状態で正・逆回転させる回転機構6を備え、前記台3にはその上に仰臥した使用者の胴体の両側に宛がって胴体を支持する脇クッション32と、当該使用者の胴体を台3に固定する胴固定ベルト33と、当該使用者の顎の下に掛けて顎を保持する顎保持具35と、当該使用者の両脇の下から両肩の上に出して両肩を支持する肩固定具36と、当該使用者の足首を保持できる脚保持具49と、脚保持具49を台3の下方に牽引可能な牽引駆動機構47が設けられ、前記傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作は操作盤9で制御可能であり、前記傾斜機構5は台3の傾斜角度を調節可能であり、前記回転機構は台3の裏側中央部であって台の上面に仰臥する使用者の胴中央部下の位置に設けられて台3が傾斜した状態で回転するとその回転に伴って台3の上に仰臥した使用者の頭側と脚側が半周ずつ自動的に上下に変わりながら回転するようにしたものである。
本件出願の身体矯正装置は次のような効果がある。
(1)使用者が台に仰臥した状態で、台を傾斜させたり、台を水平又は傾斜した状態で回転させたりすることにより、身体を頭の先から足先まで真っ直ぐにすることができるため、身体の捩れや歪みが矯正されて身体のバランスが良くなる。また、身体の血流も良くなって健康の維持や増進に役立てることができる。
(2)身体が固定具によって台に固定されるので、台を傾けたり回転させたりしても身体が台から落下する心配がなく、使用者がリラックスした状態で矯正を受けることができる。
(3)使用者は台に仰臥するだけであるため、身体に無理がかからず、自然な状態で使用できる。
(4)整体やマッサージについての専門的な知識や熟練技能も必要なく、いつでも誰でも簡易に身体の捩れや歪みを矯正することができる。
(5)自宅や職場に備えておけば、接骨院やマッサージ店に行く場合のように、予約をしたり、通院したりする面倒がなく、使用者の都合のよいときに使用できるので便利である。また、費用もかからず、毎日継続して使用できるため効果的である。
本件出願の身体矯正装置は脚保持具と、それを牽引する牽引駆動機構を備えるので、上記各効果に加えて、次のような効果もある。
(1)脚保持具で足首、膝、太もも等を保持し、その脚保持具を牽引駆動機構で牽引すれば、膝や脚の付け根の関節を真っ直ぐ伸ばすことができ、身体の捩れや歪みを矯正できる。また、身長を伸ばすこともできる。
本件出願の身体矯正装置は、台に仰臥した使用者の顎を保持する顎保持具をも備えているので、上記各効果に加えて、次のような効果もある。
(1)前記脚保持具で足首、膝、太もも等を保持し、その脚保持具を牽引駆動機構で牽引するときに、顎保持具で台の上の人の顎を保持すれば、頭から脚まで真っ直ぐ伸ばすことができ、身体の捩れや歪みの矯正効果が高い。
(実施形態1)
本発明の身体矯正装置の実施形態の一例を図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態の身体矯正装置1は、図1に示すように、使用者2が仰臥できる台3と、台3を支持するフレーム4と、フレーム4に備えられ、台3を傾斜させる傾斜機構5と、台3の裏側に備えられ、台3を水平或は傾斜の状態で回転させる回転機構6とを備えるものである。前記台3には、台3上に仰臥した使用者2を台3に固定することができる各種固定具30〜37や、使用者2の足首を牽引することができる牽引駆動機構7も備えられている。また、フレーム4には制御盤8が設けられ、前記傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作を制御できるようにしてある。制御盤8には、傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作を実際に操作できる操作盤9が備えられている。
前記台3は、図1、図2に示すように、前記フレーム4の上に設けられた、使用者2が一名仰臥可能な大きさに形成された板状部材である。台3の大きさは、使用者2が一名仰臥可能な大きさであれば任意の大きさとすることができ、例えば、図3に示すように、縦(L)×横(W)を、2400mm×1200mmとすることができる。台3は、最大200kgの使用者が仰臥できる強度を備えるものであることが望ましい。台3の四隅は、図に示すように切り欠いておくこともできる。台3には、木製、金属製、樹脂製等、任意の素材製の板材を用いることができ、例えば、表面にメラミン塗装を施したクロス合板等を用いることができる。
前記フレーム4は、図1、図4〜図6に示すように、前記台3の裏側に設けられた枠体であって、本発明の身体矯正装置1の土台である基台11と、基台11上に二本立設されたベース枠12と、ベース枠12間に備えられた軸17に回動自在に備えられて台3の裏側に配置される台支持枠13とを備えてなるものである。
前記基台11は、金属製の角型パイプ等によって囲い状に形成された枠体であって、本発明の身体矯正装置1の土台となるものである。基台11の下部には、図1、図4〜図6に示すように、基台11を前後左右自在に移動させることができる自在キャスター14が備えられている。また、基台11の下部には、上下伸縮可能な脚15も備えられ、脚15を降ろして接地させ、基台11を所望の位置で固定することができるようにしてある。脚15の軸部分をネジが形成されたボルトとし、脚15の接地部分を樹脂製等として、軸部分を回転させて脚15を昇降可能とすることもできる。また、基台11の上面には板を張ることもできる。
前記ベース枠12は、図1、図4〜図6に示すように、金属製の角型パイプ等によって形成された枠体であって、基台11上に二本対向させて立設されている部材である。二本の対向するベース枠12間には、図5に示すように、補強材16及び軸17が設けられている。
前記台支持枠13は、図1、図4〜図6に示すように、金属製の角型パイプ等によってコ字型に形成された枠体であって、ベース枠12間に備えられた軸17に回動自在に備えられ、台3の裏面に配置されて台3を支持する部材である。台支持枠13の形状は、図に示すコ字型には限られず、四方を囲った囲い型等、他の任意の形状とすることもできる。台支持枠13の上面には板を張ることもできる。
前記傾斜機構5は、図1、図5、図6に示すように、前記フレーム4に設けられた機構であって、台3を傾斜させる機構である。傾斜機構5は、上端を台支持枠13に、下端を基台11に夫々固定した伸縮機構18と、その伸縮機構18に備えられた駆動源19とを備えてなるものである。
前記伸縮機構18は、図1、図5、図6に示すように、ピストンロッド20とシリンダー21とを備える油圧シリンダーである。駆動源19には、油圧シリンダーを作動させる油圧パワーユニットを用いる。油圧シリンダーのピストンロッド20を伸ばすことによって、台支持枠13を水平位置より上方に持ち上げ、台3を傾けることができる(図5、図6参照。)。ピストンロッド20の伸縮を停止させると、傾斜させた位置で台3を停止させることができる。伸縮機構18には、油圧シリンダーに代えて、エアシリンダーを用いることもできる。その場合、駆動源19にはエアシリンダーを作動させるコンプレッサーを用いる。台3の傾斜角度は、0〜90度の間で任意に設定することができ、任意の傾斜角度で停止させることができる。図5に示す台3の傾斜角度は約20度、図6に示す台3の傾斜角度は約45度である。また、台3の傾斜速度も任意とすることができ、例えば、台3を水平状態から45度までの傾斜を10秒で行うようにすることもできる。
この傾斜機構5による台3の傾斜は、前記回転機構6による台3の回転中においても行うことができる。また、前記牽引駆動機構7による使用者2の足首の牽引中においても行うことができる。
前記回転機構6は、図1、図4〜図6に示すように、台3の裏側に設けられ、台3を水平或は傾斜の状態で回転させる機構である。回転機構6は、同図に示すように、台3の回転の動力源となる駆動源22と、駆動源22に取付けられた駆動ギア23と、リング状の本体の内周面に形成されたギアと前記駆動ギア23とが咬合する旋回輪24と、その旋回輪24が下面に取付けられ、台3の裏面が上面に取付けられたターンテーブル25と、前記旋回輪24を回動自在に収容する旋回輪軸受26とを備えてなるものである。
駆動源22は、台3の回転の動力源であって、図1、図4〜図6に示すように、台支持枠13に取付けられたモーターである。駆動源22には、駆動ギア23が取付けられている。駆動源22は、駆動ギア23を左右両方向に回転させられるようにすることもできる。駆動源22は、モーターに限らず、油圧パワーユニット等、他の任意の駆動源を用いることもできる。また、駆動源22の取付け位置も、台支持枠13に限らず、他の任意の場所に取付けることもできる。図に示す駆動源22には、駆動ギア23が取付けられているが、駆動源22と駆動ギア23とは、別個に設けることもできる。
旋回輪24は、図1、図4〜図6に示すように、リング状の本体の内周面にギアが形成されたものである。旋回輪24の内周面に形成されたギアは、前記駆動ギア23と咬合し、駆動ギア23の回転に伴って、旋回輪24も回転するようにしてある。前記旋回輪24は、図1、図4〜図6に示すように、台支持枠13の上面に設けられた筒状の旋回輪軸受26内に回動自在に収容されている。そのため、駆動源22を作動させて駆動ギア23を回転させると、旋回輪軸受26内で旋回輪24が回転する。
ターンテーブル25は、図1、図4〜図6に示すように、円形の板状部材であって、その下面は前記旋回輪24の上部に取付けられ、その上面は台3の裏面に固定されている。同図に示すように、旋回輪24と、ターンテーブル25と、台3とはいずれも平行になるように固定されている。したがって、駆動源22を作動させて駆動ギア23を回転させ、旋回輪軸受26内で旋回輪24を回転させると、台3を、旋回輪24の回転に伴って回転させることができる(図2、図4参照。)。台3は、例えば、毎分0.5〜10回転の回転速度で回転させることができる。台3の回転方向は、左右任意の方向とすることができる。
この回転機構6による台3の回転は、前記傾斜機構5によって台3を傾斜させた後又は傾斜中においても行うことができる。また、前記牽引駆動機構7による使用者2の足首の牽引中においても行うことができる。
前記台3上には、図2、図3に示すように、台3上に仰臥した使用者2を台3に固定することができる各種固定具30〜37が備えられている。本実施形態では、図2、図3に示すように、固定具として枕30、足置き31、脇クッション32、胴固定ベルト33、膝固定ベルト34、顎保持具35、肩固定具36、把持部37が設けられている。固定具は、上記したものには限られず、使用者2の身体の一部又は全部を台3に固定することができれば、他の任意の固定具を用いることもできる。また、上記した固定具のうち一又は二以上を任意に省略することもできる。
枕30は、台3上に面テープ等によって脱着自在に直接取付けられ、使用者2の頭部を支持し、位置決めするものである。枕30には、使用者2が頭を台3に強く打ち付けたり、強くこすったりしないように保護する役割もある。枕30には、使用者2の頭部を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。また、枕30は、中央部分を凹ませ、使用者2の頭部を支持し易くしておくこともできる。
足置き31は、台3上に面テープ等によって脱着自在に直接取付けられ、使用者の踵及び足首を支持し、位置決めするものである。足置き31には、使用者2が踵やふくらはぎを台3に強く打ちつけたり、強くこすったりしないように保護する役割もある。足置き31には、使用者2の踵及び足首を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。また、足置き31は、踵の位置する部分を凹ませ、使用者2の踵を支持し易くしておくこともできる。
脇クッション32は、台3上に面テープ等によって左右一つずつ脱着自在に取付けられ、使用者の胴体を支持し、位置決めするものである。脇クッション32には、使用者の胴体を回転時や傾斜時の衝撃から保護する役割もある。脇クッション32にも、使用者2の胴体2を支持できるものであれば任意のものを用いることができるが、緩衝性のあるものを用いることが望ましい。
胴固定ベルト33は、台3上に取付けられた左右二本で一対のベルト状の部材であって、台3上に仰臥した使用者2の胴体に巻付けて使用者2の胴体を台3上に固定するものである。一対の胴固定ベルト33の端部には、図3に示すように互いに貼り合わせ可能な面テープ38が備えられ、胴固定ベルト33を所望の巻付け長に調節して固定できるようにしてある。胴固定ベルト33は、図2に示すように、前記脇クッション32ごと使用者2の胴体に巻付けて固定することができる。左右の胴固定ベルト33同士の固定は、図に示す面テープ38による固定には限られず、固定用のバックル、ボタン、留め金等、胴固定ベルト33を胴体に巻付けて装着離脱可能に固定できるものであれば、任意の固定方法を用いることができる。胴固定ベルト33は、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができるが、胴固定ベルト33の胴体巻付け面には、滑りにくい素材を使用して、胴体に巻付けた際にずれにくくしておくことが望ましい。
膝固定ベルト34は、左右二本で一対のベルト状部材であって、台3上に仰臥した使用者2の膝下に巻付けて使用者2の膝を台3上に固定するものである。膝固定ベルト34は、台3上に二対設けられ、使用者2の両膝を台3上に固定することができるようにしてある。一対の膝固定ベルト34の端部にも、図3に示すように互いに貼り合わせ可能な面テープ39が備えられ、膝固定ベルト34を所望の巻付け長に調節して固定できるようにしてある。左右の膝固定ベルト34同士の固定は、面テープ39による固定には限られず、固定用のバックル、ボタン、留め金等、膝固定ベルト34を膝下に巻付けて装着離脱可能に固定できるものであれば、任意の固定方法を用いることができる。膝固定ベルト34は、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができるが、膝固定ベルト34の膝下巻付け面には、滑りにくい素材を使用して、膝下に巻付けた際にずれにくくしておくことが望ましい。
顎保持具35は、台3の端部に設けられた取付枠40に取付けられ、台3上に仰臥した使用者2の顎部を保持し、位置決めするものである。顎保持具35は、図2、図3に示すように、顎当て部41と紐部42とからなる。顎保持具35は、紐部42を取付枠40に固定し、顎当て部41を使用者2の顎に当てて、顎を支持する。顎保持具35も、紐部42の長さを調節したり、顎当て部41の顎当て長を調節したりすることもできる。紐部42には、伸縮性のない紐とすることもできるが、ゴムやバネ等のように伸縮性のあるものを用いることもできる。また、顎当て部41も、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができる。
肩固定具36は、台3の端部に設けられた取付枠40に取付けられ、台3上に仰臥した使用者2の両肩を支持し、位置決めするものである。肩固定具36は、図2、図3に示すように、肩当て部43と紐部44とからなる。肩固定具36は、紐部44を取付枠40に固定し、肩当て部43を、背中から両脇の下を通して両肩の上に出して、両肩を支持する。肩当て部43は、図3に示すように、背中に当たる部分を細く、両肩に当たる部分を太く形成してある。肩固定具36も、紐部44の長さを調節したり、肩当て部43の形状を変えたりすることもできる。紐部44には、伸縮性のない紐とすることもできるが、ゴムやバネ等のように伸縮性のあるものを用いることもできる。また、肩当て部43も、布、革、樹脂等、任意の素材で形成することができる。
把持部37は、台3に設けられ、台3に仰臥した使用者2が、手で把持することができる手すり(取っ手)状の部材である。把持部37の形状は、図2、図3に示すものには限られず、任意の形状とすることができる。また、把持部37は、木製、金属製、樹脂製等、任意の素材製とすることができる。
その他にも、図2、図3に示す膝固定ベルト34に代えて、図7に示すように、膝下に帯状部材60を巻き、その帯状部材60をスプリング61で上方に引っ張るようにして膝を固定するようにしたり、図2、図3の手すり状の把持具37に代えて、図7に示すように棒状の把持具37を設けて使用者2が把持できるようにしたりすることもできる。固定具は、上記したものには限られず、使用者2を台3上に固定可能であれば任意のものを用いることができる。
前記牽引駆動機構7は、台3の足元側に備えられ、台3上に仰臥した使用者2の足首を連続して牽引させる機構である。牽引駆動機構7は、図1、図2に示すように、台3に取付けられた設置台45上に二本の伸縮機構46が設けられてなるものである。
前記設置台45は、台3の足元側に取付けられた枠状の部材であって、図1、図2に示すように、伸縮機構46を二本設置可能なものである。設置台45には、使用者2の足首の位置に合わせて伸縮機構46の取付け位置を調節可能な長穴等を形成することもできる。また、設置台45を省略して、伸縮機構46を直接台3上に設けることもできる。その場合は、台3上に、使用者2の足首の位置に合わせて伸縮機構46の取付け位置を調節可能な長穴等を形成することもできる。
前記伸縮機構46は、図1、図2に示すように、ピストンロッド47とシリンダー48とを備えるエアシリンダーである。エアシリンダーの駆動源には、コンプレッサー(図示しない)を用いる。その場合、ピストンロッド47の先に脚保持具49を取付け、その脚保持具49を使用者2の足首に取付けて足首を保持し、エアシリンダーのピストンロッド47を連続して伸縮させて、脚保持具49を連続して牽引することにより、その脚保持具49で保持された使用者2の足首を牽引させることができる。本実施形態の場合、膝固定ベルト34で使用者2の膝を固定しているので、膝の関節や足首の間接を中心に、足に効果的な伸縮運動を与えることができる。前記脚保持具49は、足首の他にも、膝、太ももといった脚の一部を保持することができる。伸縮機構46には、エアシリンダーの他に油圧シリンダーを用いることもできる。また、それ以外にも往復運動が可能な機構であれば、任意のものを用いることができる。
牽引駆動機構7による使用者2の足首の牽引は、操作によって任意のタイミングで行うことも、所定の間隔毎に自動的に行うこともできる。牽引駆動機構7は、図に示すような足首のみの牽引には限られず、膝、太もも、腕、腰等、身体の任意の部位を牽引できるようにすることもできる。
この牽引駆動機構7による使用者2の足首の牽引は、前記傾斜機構5によって台3を傾斜させた後又は傾斜中においても行うことができる。また、前記回転機構6による台3の回転中においても行うことができる。
前記制御盤8は、前記傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作を制御するものであって、図1に示すように、フレーム4の基台11上に設けられている。制御盤8は、回転機構6を制御して、台3の回転速度を変化させたり、台3の回転方向を変化させたりすることができる。また、傾斜機構5を制御して、台3の傾斜角度を設定・変更させたりすることもできる。牽引駆動機構7を制御して、伸縮機構46を伸縮させたりすることもできる。また、制御盤8は、1分〜30分の間で、本発明の身体矯正装置1の自動運転時間を設定したりすることもできる。制御盤8の設置位置は、図に示す位置には限られず、例えば、フレーム4の外側等、他の任意の設置位置とすることもできる。
前記制御盤8には、図1に示すように、傾斜機構5、回転機構6、牽引駆動機構7の動作を実際に操作できる操作盤9が備えられている。本実施形態の操作盤9は、図1に示すように、フレキシブルチューブ50を介して前記制御盤8に取付けられている。もっとも、フレキシブルチューブ50を省略して、操作盤9によって制御盤8を遠隔操作可能とすることもできる。操作盤9には、電源ON/OFFスイッチ、回転速度調整ツマミ、回転速度メーター、回転方向決定スイッチ、傾斜角度設定ツマミ、牽引駆動機構作動スイッチ、非常停止ボタン、自動運転設定スイッチ、その他任意のスイッチ、ツマミ、メーター等を設けることができる。
また、本発明の身体矯正装置1には、図1、図4〜図6に示すように、フレーム4の基台11の上方部分を覆うカバー51が設けられている。カバー51は、図に示すように蛇腹形状に形成されており、台3の傾斜に合わせて変形するようにしてある(図5、図6参照。)。
(使用例)
本発明の身体矯正装置を用いて、使用者の身体の捩れや歪みを矯正するには、次のようにする。
(1)図1、図2に示すように使用者2の身体を台3上に仰臥させる。
(2)固定具30〜37によって各部を固定し、使用者2の身体を台3上に固定する(図2参照。)。
(3)牽引駆動機構7のピストンロッド47の先に脚保持具49を取付け、その脚保持具49を使用者2の足首に取付ける(図2参照。)。
(4)操作盤9を操作して、傾斜機構5を作動させ、台3を所望の傾斜角度まで傾斜させて停止させる(図5、図6参照。)。
(5)更に操作盤9を操作して、回転機構6を作動させ、台3を回転させる。
(6)更に操作盤9を操作して、牽引駆動機構7を作動させ、使用者2の足首を牽引させる。
(7)所望の矯正が終了したら、操作盤9を再度操作して、回転機構6を停止させて台3の回転を停止させ、牽引駆動機構7を停止させて使用者2の足首の牽引運動を停止させる。
(8)操作盤9を操作して、傾斜させた台3を水平位置まで戻す。
(9)台3が水平位置まで戻ったら、脚保持具49を使用者2の足首から取り外し、脚保持具49を牽引駆動機構7のピストンロッド47から取り外す。
(10)各固定具30〜37による固定を解除し、使用者2を台3上から降ろす。
前記使用例において、(4)、(5)、(6)の工程は、任意の順番で行うことができる。また、(4)、(5)、(6)の工程のうち、一つ又は二つの工程を省略することもできる。また、操作盤9による操作は、使用者が自ら行うことも、他に操作者を用意してその操作者に操作させることもできる。また、予め身体矯正装置1が行う動作を設定しておき、(4)〜(8)の工程を自動で行うことができるようにしておくことも可能である。
(その他の実施形態)
前記実施形態に示す本発明の身体矯正装置はあくまで一例であって、各部材、機構の形状、構造、大きさ、数量等は、前記のものには限られず、任意とすることができる。従って、例えば、牽引駆動機構を二以上備えて、両手両足を一度に牽引させることも可能である。
本発明の身体矯正装置においては、回転機構、傾斜機構、牽引駆動機構のうち、一つ又は二つを省略することもできる。従って、例えば、牽引駆動機構を省略し、台の傾斜及び回転のみを行うことができる身体矯正装置とすることもできる。
本発明の身体矯正装置は、身体の捩れや歪みの矯正用の装置には限られず、医科歯科治療用の寝台等、人間を仰臥させて使用する装置にも広く応用することができる。
本発明の身体矯正装置の実施形態の一例を示す正面図。
図1に示す身体矯正装置の平面図。
図1に示す身体矯正装置の未使用状態の平面図。
図1に示す身体矯正装置の右側面図。
図1に示す身体矯正装置の台を傾斜(傾斜角度約20度)させた様子を示す正面図。
図1に示す身体矯正装置の台を傾斜(傾斜角度約45度)させた様子を示す正面図。
本発明の身体矯正装置の固定具の他の一例を示す平面図。
符号の説明
1 身体矯正装置
2 使用者
3 台
4 フレーム
5 傾斜機構
6 回転機構
7 牽引駆動機構
8 制御盤
9 操作盤
11 基台
12 ベース枠
13 台支持枠
17 軸
18 伸縮機構(傾斜機構)
24 旋回輪
25 ターンテーブル
26 旋回輪軸受
30〜37 固定具
46 伸縮機構(牽引駆動機構)
49 脚保持具