JP2006345009A - 周波数逓倍器、信号発生器及び送受信回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 入力信号の基本波を奇数倍の周波数に変換し、出力振幅の安定化及びスプリアス特性の向上を図ることができる広帯域周波数逓倍器を提供する。
【解決手段】 基本波信号と偶数倍波信号を含む入力信号を分配する信号分配器1と、信号分配器1で分配された一方の信号から偶数倍波信号の周波数成分の信号を抽出する第一の帯域通過形フィルタ2と、信号分配器1で分配された他方の信号から基本波信号の周波数成分の信号を抽出する低域通過形フィルタ3と、第一の帯域通過形フィルタ2で抽出された信号と低域通過形フィルタ3で抽出された信号を乗算して、基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を出力する乗算器4と、乗算器4から出力される基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を通過させる第二の帯域通過形フィルタ5とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】 基本波信号と偶数倍波信号を含む入力信号を分配する信号分配器1と、信号分配器1で分配された一方の信号から偶数倍波信号の周波数成分の信号を抽出する第一の帯域通過形フィルタ2と、信号分配器1で分配された他方の信号から基本波信号の周波数成分の信号を抽出する低域通過形フィルタ3と、第一の帯域通過形フィルタ2で抽出された信号と低域通過形フィルタ3で抽出された信号を乗算して、基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を出力する乗算器4と、乗算器4から出力される基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を通過させる第二の帯域通過形フィルタ5とを備える。
【選択図】図1
Description
この発明は、例えば、マイクロ波無線通信及び衛星通信における送信機または受信機の周波数変換器の局部発振回路に用いられる周波数逓倍器に係わり、特に入力信号の周波数を奇数倍に逓倍する周波数逓倍器に関する。また、この周波数逓倍器を用いたRFID(Radio Frequency IDentification)システム等の局部発振回路に用いられる信号発生器に関する。また、この信号発生器を用いた送受信回路に関する。
入力信号を2倍に逓倍する従来の周波数逓倍器としては、例えば、特許文献1(特開平5−275928号公報)に示された広帯域周波数ダブラがある。特許文献1に示された広帯域周波数ダブラは、固定発振器の出力をローカル信号とし、入力周波数を第1のミクサ(乗算器)でローカル信号とミキシングし、該ミクサの出力を2分して、その一方は(ローカル周波数+入力周波数)の周波数を通過させる第1のフィルタを通し、他方は(ローカル周波数−入力周波数)の周波数を通過させる第2のフィルタを通して、これら第1及び第2のフィルタの2つの出力信号を、それぞれ第2のミクサのローカルポート及びRfポートに入力し、該第2のミクサの出力として入力周波数の2倍の周波数を得るように構成されている。
ミクサ(乗算器)を用いた従来の周波数逓倍器は、入力した信号の2倍の周波数を取り出す構成であり、奇数倍の周波数は得られない。入力した信号の奇数倍の周波数を得るためには、能動素子の非線形性を利用して高調波を発生させ、奇数倍波をフィルタにて取り出す方式が用いられている。その際、能動素子からは基本波と、基本波の2倍、3倍、4倍・・・・の周波数成分の信号が発生する。奇数倍の周波数の信号を選択する際、偶数倍波の信号(2倍、4倍・・・)を抑圧するためのフィルタが必要である。
例えば、3倍波の信号を取り出す場合、3倍波の信号は通過させ、2倍波及び4倍波の信号を抑圧する特性を有した帯域フィルタが必要である。しかし、周波数帯域を広くすると、偶数倍(2倍、4倍)波の信号も一部通過することになり、2倍波、4倍波がスプリアス(spurious:規定の周波数帯域以外の周波数成分)となり、スプリアスを十分抑圧できず、出力レベルも周波数により大きく異なるので、広帯域化が困難である。また、従来では、周波数逓倍器に入力信号として方形波信号または高調波の信号を入力する場合、入力側に基本波以外を抑圧させる帯域フィルタを挿入する必要がある。
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、入力信号の基本波周波数を奇数倍の周波数に変換し、出力振幅の安定化及びスプリアス特性の向上を図ることができる周波数逓倍器及びこれを用いた信号発生器、送受信回路を提供することを目的とする。
この発明に係る周波数逓倍器は、基本波信号と偶数倍波信号を含む入力信号を分配する信号分配器と、上記信号分配器で分配された一方の信号から偶数倍波信号の周波数成分の信号を抽出する第一の帯域通過形フィルタと、上記信号分配器で分配された他方の信号から上記基本波信号の周波数成分の信号を抽出する低域通過形フィルタと、上記第一の帯域通過形フィルタで抽出された信号と上記低域通過形フィルタで抽出された信号を乗算して、上記基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を出力する乗算器と、上記乗算器から出力される上記基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を通過させる第二の帯域通過形フィルタとを備えたものである。
この発明に係る信号発生器は、上記の周波数逓倍器と、この周波数逓倍器の出力信号の周波数を2分の1に分周し出力する分周器と、この分周信号を入力とし同相成分と逆相成分の2信号を出力する180°分配器とを備えたものである。
この発明に係る送受信回路は、源発振器から出力された源信号を入力とし同相及び逆相の2局部発信信号を出力する上記の信号発生器と、変調信号を生成する変調器、この変調信号と上記信号発生器からの同相信号を乗算しRF送信信号を出力するミキサを有する送信系と、RF受信信号と上記信号発生器からの逆相信号を乗算しIF受信信号を出力するミキサ、このIF受信信号から復調信号を復調する復調器を有する受信系とを備えたものである。
本発明の周波数逓倍器によれば、入力信号の基本波周波数を奇数倍の周波数に変換し、出力振幅の安定化及びスプリアス特性の向上を図ることができる周波数逓倍器を実現できる。
本発明の信号発生器によれば、入力信号の基本波周波数を奇数倍の周波数に変換し生成する周波数逓倍器を用いているので、出力振幅の安定化及びスプリアス特性の向上を図ることができる信号発生器を実現できる。
本発明の送受信回路によれば、入力信号の基本波周波数を奇数倍の周波数に変換し生成する周波数逓倍器を用い、同相・逆相の局部発信信号を生成する局部発信回路を構成しているので、送信系と受信系のアイソレーションを十分に確保できる送受信回路を実現できる。
実施の形態1.
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態である周波数逓倍器について、実施例を用いて説明する。なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態である周波数逓倍器について、実施例を用いて説明する。なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
実施例1.
図1は、実施の形態1の実施例1による周波数逓倍器の構成を示すブロック図である。図において、1は入力信号を2分配する信号分配器(HYB:HYBRIDの略)、2は信号分配器(HYB)により分配された信号の偶数倍の周波数成分を通過させる第一の帯域通過形フィルタ、3は信号分配器(HYB)により分配された信号の基本波の周波数成分finを通過させる低域通過形フィルタである。また、4は帯域通過形フィルタ2と低域通過形フィルタ3を通過した信号を乗算する乗算器、5は奇数倍の周波数を通過させる第二の帯域通過形フィルタである。ここで、入力信号は、方形波または基本波の他に偶数次の高調波を含む信号とする。
図1は、実施の形態1の実施例1による周波数逓倍器の構成を示すブロック図である。図において、1は入力信号を2分配する信号分配器(HYB:HYBRIDの略)、2は信号分配器(HYB)により分配された信号の偶数倍の周波数成分を通過させる第一の帯域通過形フィルタ、3は信号分配器(HYB)により分配された信号の基本波の周波数成分finを通過させる低域通過形フィルタである。また、4は帯域通過形フィルタ2と低域通過形フィルタ3を通過した信号を乗算する乗算器、5は奇数倍の周波数を通過させる第二の帯域通過形フィルタである。ここで、入力信号は、方形波または基本波の他に偶数次の高調波を含む信号とする。
次に動作について説明する。まず、入力した入力信号finを信号分配器1によって2つの信号に分配する。そして、分配された一方の信号は、第一の帯域通過形フィルタ2に入力し、第一の帯域通過形フィルタ2は、偶数倍(周波数2・n・fin,n=1,2,3,・・・)の信号を抽出して出力する。また、分配された他方の信号は、低域通過形フィルタ3に入力し、低域通過形フィルタ3は、基本波(周波数finの成分)の信号を抽出して出力する。乗算器4には、第一の帯域通過形フィルタ2の出力信号(即ち、偶数次の周波数成分)及び低域通過形フィルタ3の出力信号(即ち、基本波の周波数成分)が入力され、乗算器4に入力されされた2つの信号を乗算する。
乗算器4の出力信号は、
2nfin+fin=(2n+1)finと
2nfin−fin=(2n−1)fin
の2つの奇数倍波の周波数成分が得られる。この信号を奇数倍波を通過させる第二の帯域通過形フィルタ5に通過させることにより奇数倍波(2n+1)fin信号を合成できる。
2nfin+fin=(2n+1)finと
2nfin−fin=(2n−1)fin
の2つの奇数倍波の周波数成分が得られる。この信号を奇数倍波を通過させる第二の帯域通過形フィルタ5に通過させることにより奇数倍波(2n+1)fin信号を合成できる。
なお、図1は、n=1の場合を示しており、乗算器4の出力は、
2fin+fin=3finと
2fin−fin=1fin
の2つの奇数倍波の周波数成分が得られる。この信号を奇数倍波を通過させる第二の帯域通過形フィルタ5に通過させることにより奇数倍波3fin信号を合成できる。
2fin+fin=3finと
2fin−fin=1fin
の2つの奇数倍波の周波数成分が得られる。この信号を奇数倍波を通過させる第二の帯域通過形フィルタ5に通過させることにより奇数倍波3fin信号を合成できる。
本実施例による周波数逓倍器の場合、入力信号に含まれる基本波と偶数次周波数成分の信号をそれぞれフィルタにて抽出して合成することにより、奇数倍波の信号を得ることができる。乗算器4から出力される信号の周波数は、理論的には偶数次の周波数は存在しないため、広帯域で、かつ帯域フィルタの減衰量が多く得られ、スプリアス特性が向上する。例えば、n=1の場合、2倍波と4倍波は存在せず、第二の帯域フィルタ5が抑圧するのは、基本波と5倍波になる。従って、偶数波が存在しないため、使用帯域が広く取れる。また、第二の帯域フィルタ5は、基本波と5倍波を抑圧すればよく、基本波と5倍波は第二の帯域フィルタ5の中心周波数から離れるので、減衰量を多く取ることができ、スプリアス特性が向上する。
なお、能動素子を用いた従来方式では、入力信号として方形波信号を直接入力すると、不要波の出力レベルが高くなるため、入力側にフィルタを挿入して不要波を抑圧する必要があった。しかし、本実施の形態では、基本波周波数成分と基本波の偶数倍周波数成分の信号を乗算器にて乗算することにより、基本波の奇数倍の周波数成分の信号を合成している。従って、本実施例では、基本波、偶数倍及び奇数倍の周波数成分の信号を含んでいる方形波信号を入力信号として直接入力することができる。
以上説明したように、本実施例による周波数逓倍器は、基本波信号と偶数倍波信号を含む入力信号を分配する信号分配器1と、該信号分配器1で分配された一方の信号から偶数倍波信号の周波数成分の信号を抽出する第一の帯域通過形フィルタ2と、該信号分配器1で分配された他方の信号から基本波信号の周波数成分の信号を抽出する低域通過形フィルタ3と、第一の帯域通過形フィルタ2で抽出された信号と低域通過形フィルタ3で抽出された信号を乗算して、基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を出力する乗算器4と、乗算器4から出力される基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を通過させる第二の帯域通過形フィルタ5とを備えている。これにより、入力信号の基本波周波数を奇数倍の周波数に変換できるとともに、出力振幅の安定化、及びスプリアス特性の向上を図ることができる。
実施例2.
図2は、実施の形態1の実施例2による周波数逓倍器の構成を示すブロック図であり、図1と同様に、n=1の場合を示している。本実施の形態による周波数逓倍器は、図1に示した実施の形態1による周波数逓倍器において、低域通過形フィルタ3と乗算器4の間に位相器6を挿入し、第一の帯域通過形フィルタ2で抽出され乗算器4に入力する偶数倍波信号の周波数成分の信号と低域通過形フィルタ3で抽出され乗算器4に入力する基本波信号の周波数成分の信号との間の位相を調整できるように構成している。
図2は、実施の形態1の実施例2による周波数逓倍器の構成を示すブロック図であり、図1と同様に、n=1の場合を示している。本実施の形態による周波数逓倍器は、図1に示した実施の形態1による周波数逓倍器において、低域通過形フィルタ3と乗算器4の間に位相器6を挿入し、第一の帯域通過形フィルタ2で抽出され乗算器4に入力する偶数倍波信号の周波数成分の信号と低域通過形フィルタ3で抽出され乗算器4に入力する基本波信号の周波数成分の信号との間の位相を調整できるように構成している。
本実施例では、このような構成によって、乗算器4に入力する偶数倍波信号と基本波信号の位相を最適に調整することが可能となり、出力振幅の安定化及び乗算器4から漏れる偶数次周波数成分の低減が更に図れ、スプリアス性能を向上させることができる。なお、位相器6を、第一の帯域通過形フィルタ2と乗算器4の間に挿入しても、同様の効果を得ることは言うまでもない。
実施例3.
図3は、実施の形態1の実施例3による周波数逓倍器の構成を示すブロック図であり、図1と同様に、n=1の場合を示している。本実施の形態による周波数逓倍器は、図2に示した実施の形態2による周波数逓倍器において、信号分配器1の前段に波形整形器7を配置し、入力信号が正弦波のような基本波成分しかない信号の場合でも、波形整形器7によって入力信号の波形を方形波にするように構成したことを特徴とする。
図3は、実施の形態1の実施例3による周波数逓倍器の構成を示すブロック図であり、図1と同様に、n=1の場合を示している。本実施の形態による周波数逓倍器は、図2に示した実施の形態2による周波数逓倍器において、信号分配器1の前段に波形整形器7を配置し、入力信号が正弦波のような基本波成分しかない信号の場合でも、波形整形器7によって入力信号の波形を方形波にするように構成したことを特徴とする。
本実施例では、この波形整形器7によって、基本波、偶数倍及び奇数倍の周波数成分の信号を含んでいる方形波信号を入力信号として得ることができるので、実施の形態2で説明した動作が可能となる。また、波形整形器7によって、振幅制限を行い波形を方形波にしているので、出力振幅及びスプリアス特性は、入力信号の振幅変動による影響を受けにくいという効果もある。
なお、上述の説明では、実施例2における周波数逓倍器において、信号分配器1の前段に波形整形器7を配置した場合について説明したが、実施の形態1における周波数逓倍器において、信号分配器1の前段に波形整形器7を配置してもよく、同様の効果を得ることは言うまでもない。
実施の形態2.
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態である信号発生器について、実施例を用いて説明する。なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態である信号発生器について、実施例を用いて説明する。なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
実施例1.
図4は、実施の形態2の実施例1による信号発生器の構成を示すブロック図である。図において、20は3逓倍器であり、内部構成は図1から図3のいずれの構成でも構わない。3逓倍器は入力信号周波数finの3倍周波数の3finの信号を出力する。21は2分周器であり入力信号周波数の1/2倍の周波数(2倍周期)の信号を生成し出力する。22は180°分配器(HYB)であり、入力信号と同相及び逆相(同相成分に対し、180度位相が進んでいる)の2信号を出力する。31は基本波成分を抽出し波形整形(例えば、矩形波を正弦波に整形)するための帯域通過型フィルタである。
図4は、実施の形態2の実施例1による信号発生器の構成を示すブロック図である。図において、20は3逓倍器であり、内部構成は図1から図3のいずれの構成でも構わない。3逓倍器は入力信号周波数finの3倍周波数の3finの信号を出力する。21は2分周器であり入力信号周波数の1/2倍の周波数(2倍周期)の信号を生成し出力する。22は180°分配器(HYB)であり、入力信号と同相及び逆相(同相成分に対し、180度位相が進んでいる)の2信号を出力する。31は基本波成分を抽出し波形整形(例えば、矩形波を正弦波に整形)するための帯域通過型フィルタである。
この構成の信号発生器により、入力信号周波数の3/2倍の周波数を有する同相及び逆相の2信号を生成することができる。このような信号発生器は、例えばRFIDリーダ・ライタ等の送受信回路の局部信号発生器への適用がある。本発明の信号発生器は、入力信号の基本波周波数を奇数倍の周波数に変換し、出力振幅の安定化及びスプリアス特性の向上を図ることができる周波数逓倍器を用いて構成されているので、出力信号の純度が向上するとともに、低スプリアス化が可能となる。
なお、上記説明では、3逓倍器20と2分周器21との組み合わせを取り上げたが、(2n+1)逓倍器と2m分周器(2分周器をm台直列に接続して構成)との組み合わせ(n、m=1,2,3・・・)により、入力信号周波数の(2n+1)/2m倍の周波数を有する同相及び逆相の2信号を生成することもできる。
実施例2.
図5は、他の信号発生器の構成を示すブロック図である。図において、図4における2分周器21、180°分配器22の代わりに、フリップ・フロップ23を用いて2分周及び同相/逆相信号を生成している。フリップ・フロップの出力Qと反転出力Qを使用することで180°位相差の2信号が得ることができる。図5の構成においては、2分周器と180°分配器をフリップ・フロップ1台に集約できるので、部品数を削減できる。また、デジタル素子であるフリップ・フロップにて構成できるため、IC化および無調整化が可能になる。
図5は、他の信号発生器の構成を示すブロック図である。図において、図4における2分周器21、180°分配器22の代わりに、フリップ・フロップ23を用いて2分周及び同相/逆相信号を生成している。フリップ・フロップの出力Qと反転出力Qを使用することで180°位相差の2信号が得ることができる。図5の構成においては、2分周器と180°分配器をフリップ・フロップ1台に集約できるので、部品数を削減できる。また、デジタル素子であるフリップ・フロップにて構成できるため、IC化および無調整化が可能になる。
なお、上記説明では、3逓倍器とフリップ・フロップ1台の組み合わせを取り上げたが、(2n+1)逓倍器とフリップ・フロップm台(フリップ・フロップをm台直列に接続して構成)との組み合わせ(n、m=1,2,3・・・)により、入力信号周波数の(2n+1)/2m倍の周波数を有する同相及び逆相の2信号を生成することもできる。
実施の形態3.
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態である送受信回路について、実施例を用いて説明する。なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態である送受信回路について、実施例を用いて説明する。なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
実施例1.
図6は、実施の形態3の実施例1による送受信回路の構成を示すブロック図である。図において、32は信号発生器100の入力信号となる源信号を発生する源発振器である。図では、源信号として、水晶発振器からの種信号を3逓倍し、シンセサイザにより安定化した信号を用いている。100は図4または図5のいずれかの構成を有する信号発生器である。31は基本波成分を抽出し波形整形するための帯域通過型フィルタであり、同相及び逆相の局部発振信号Lo1、Lo2を生成する。
図6は、実施の形態3の実施例1による送受信回路の構成を示すブロック図である。図において、32は信号発生器100の入力信号となる源信号を発生する源発振器である。図では、源信号として、水晶発振器からの種信号を3逓倍し、シンセサイザにより安定化した信号を用いている。100は図4または図5のいずれかの構成を有する信号発生器である。31は基本波成分を抽出し波形整形するための帯域通過型フィルタであり、同相及び逆相の局部発振信号Lo1、Lo2を生成する。
41は中間周波段で変調信号を生成する変調器である。42は同相の局部発振信号Lo1と上記変調信号とを乗算しRF送信信号を生成するミキサである。RF送信信号は帯域通過型フィルタ43を経由し、電力増幅器である送信増幅器44により所定の電力まで増幅された後、サーキュレータ45を経由してアンテナ46から送信される。アンテナ46で受信したRF受信信号はサーキュレータ45を経由し、低雑音増幅器である受信増幅器47で所定のレベルまで増幅され、帯域通過型フィルタ48により帯域制限される。49は逆相の局部発振信号Lo2と上記RF受信信号とを乗算しIF受信信号を生成するミキサである。このIF受信信号は復調器51で復調され、復調信号が生成される。
この構成の送受信回路では、源信号周波数の3/2倍の周波数でかつ180°位相差を有する同相及び逆相の2つの局部発信信号を生成することができる。このような送受信回路は、例えばICタグとの間でタグ情報の送受を行うRFIDリーダ・ライタ等への適用がある。RFIDのような送信−受信が同一周波数のシステムでは、局部発振器に基本波を使用すると送信系から受信系への各回路間に漏れこみがあると、復調出力に影響をあたえるため、局部発信信号の周波数を基本波の3/2倍(奇数/偶数)等に選ぶのが望ましい。特に、システムの高密度実装、IC化においては、回路内のアイソレーションが確保できないため有利となる。本発明の送受信回路は、入力信号の基本波周波数を奇数倍の周波数に変換し、出力振幅の安定化及びスプリアス特性の向上を図ることができる周波数逓倍器を用いて同相及び逆相の2つの局部発信信号を生成するよう構成されているので、RF送信信号、IF受信信号の純度が向上するとともに、低スプリアス化が可能となる。
なお、上記説明では、局部信号発生手段として、3逓倍器と2分周期との組み合わせによる信号発生器を取り上げたが、(2n+1)逓倍器と2m分周器(2分周器をm台直列に接続して構成)との組み合わせ(n、m=1,2,3・・・)により、入力信号周波数の(2n+1)/2m倍の周波数を有する同相及び逆相の2つの局部発信信号を生成することもできる。また、上記説明では、送受分離のためにサーキュレータ45を用いたが、スイッチ回路、アンテナ共有器を用いても構わない。また、アンテナ46を送受共用としたが、別個のアンテナを用いても構わない。
この発明は、入力信号の基本波周波数を奇数倍の周波数に変換し、出力振幅の安定化及びスプリアス特性の向上を図ることができる周波数逓倍器及びこれを用いた信号発生器、送受信回路の実現に有用である。
1 信号分配器、 2 第一の帯域通過形フィルタ、 3 低域通過形フィルタ、 4 乗算器、 5 第二の帯域通過形フィルタ、 6 位相器、 7 波形整形器、 10 周波数逓倍器、 20 3逓倍器、 21 2分周器、 22 180°分配器、 23 フリップ・フロップ、 31 帯域通過形フィルタ、 32 発振器、 41 変調器、 42,49 ミキサ、 43,48 帯域通過型フィルタ、 44 送信増幅器、 45 サーキュレータ、 46 アンテナ、 47 受信増幅器、 51 復調器、 100 信号発生器。
Claims (6)
- 基本波信号と偶数倍波信号を含む入力信号を分配する信号分配器と、上記信号分配器で分配された一方の信号から偶数倍波信号の周波数成分の信号を抽出する第一の帯域通過形フィルタと、上記信号分配器で分配された他方の信号から上記基本波信号の周波数成分の信号を抽出する低域通過形フィルタと、上記第一の帯域通過形フィルタで抽出された信号と上記低域通過形フィルタで抽出された信号を乗算して、上記基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を出力する乗算器と、上記乗算器から出力される上記基本波信号の奇数倍の周波数成分信号を通過させる第二の帯域通過形フィルタとを備えたことを特徴とする周波数逓倍器。
- 上記第一の帯域通過形フィルタと上記乗算器の間、あるいは上記低域通過形フィルタと上記乗算器の間のいずれかに位相器を挿入し、上記偶数倍波信号の周波数成分の信号と上記基本波信号の周波数成分の信号の間の位相調整を可能としたことを特徴する請求項1に記載の周波数逓倍器。
- 上記信号分配器の前段に入力信号の振幅を制限する波形整形器を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の周波数逓倍器。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の周波数逓倍器と、この周波数逓倍器の出力信号の周波数を2分の1に分周し出力する分周器と、この分周信号を入力とし同相成分と逆相成分の2信号を出力する180°分配器とを備えたことを特徴とする信号発生器。
- 上記分周器と180°分配器の代わりに、フリップ・フロップを用いて上記周波数逓倍器の出力信号の周波数を2分の1に分周し、この分周信号の同相成分と逆相成分の2信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の信号発生器。
- 源発振器から出力された源信号を入力とし同相及び逆相の2局部発信信号を出力する請求項4または5に記載の信号発生器と、変調信号を生成する変調器、この変調信号と上記信号発生器からの同相信号を乗算しRF送信信号を出力するミキサを有する送信系と、RF受信信号と上記信号発生器からの逆相信号を乗算しIF受信信号を出力するミキサ、このIF受信信号から復調信号を復調する復調器を有する受信系とを備えたことを特徴とする送受信回路。
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CN107612508A (zh) * | 2017-10-12 | 2018-01-19 | 机比特电子设备南京有限公司 | 一种基于0.13um SiGeBiCMOS工艺的三次谐波混频器 |
CN107612508B (zh) * | 2017-10-12 | 2020-12-22 | 机比特电子设备南京有限公司 | 一种基于0.13um SiGeBiCMOS工艺的三次谐波混频器 |
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