従来、現在位置や勤務先、就学先等の特定の出発地を指定して、検索条件として入力した所定の所要時間以内で到達可能な不動産などの物件を検索する技術として、下記の特許文献1(特開2001−337963号公報)に記載された技術が知られている。
この特許文献1に記載された物件検索支援システムは、基準位置を起点として希望する所要時間内に位置する物件を検索可能とするものである。そして、この物件検索支援システムは検索された基準位置に最も近い駅との間の所要時間と、各駅間の所要時間と、不動産斡旋業者が登録した物件の最寄駅及びこの最寄駅からの所要時間とから基準位置を起点として希望する所要時間内に位置する物件を自動的に抽出するように構成されている。
すなわち、この物件検索支援システムは、
(1)不動産業者が物件データを登録する際に、物件毎に唯一の最寄り駅(物件最寄り駅)及び最寄り駅から物件までの所要時間を登録するステップ。
(2)勤務先と最寄り駅(勤務先最寄り駅)との所要時間と、物件最寄り駅と勤務先最寄り駅との間を交通機関で移動した場合の所要時間と、物件最寄り駅から物件までの所要時間とを積算した積算所要時間が最も短い経路を物件毎に検索するステップ。
(3)最短積算所要時間が所定の所要時間上限値以内の物件を検索結果として表示するステップ。
とからなる手順をとるものである。
また、不動産の仲介を支援するためのシステムとして、下記の特許文献2(特開平8−315014号公報)には「不動産仲介業務支援システム」が開示されている。この不動産仲介業務支援システム」は、検索項目設定手段によって不動産の買取りあるいは賃借希望者が要求する条件を物件検索項目ごとに設定し、検索手段による検索を開始すると、検索項目設定手段によって設定された各検索項目の条件と、自由度設定手段によって設定されている幅の自由度とに基づいて、物件検索手段が未契約物件データ記憶手段から紹介すべき物件を検索し、紹介物件提示手段がその検索された物件の情報を表示あるいは印刷して、物件案内書を提示するように構成されたものである。
これら特許文献1や特許文献2に開示された物件検索システムにおいては、物件が最も近い最寄り駅から経路がリンクされているため、ある地点、例えば、勤務先や通学先を出発点とし、最も近い物件を検索した場合に、当該物件にリンクされた最寄り駅からの経路、距離、所要時間が検索に使用される。このため、出発地から交通機関の駅を経由して物件に至る経路、すなわち交通機関を利用することを前提にした経路に基づく距離、所要時間による検索になり、出発地から徒歩など短時間で到達できる筈の物件が検索できないという不具合を生じていた。
本願の出願人は、上記特許文献1、特許文献2のような物件検索支援システムを改良し、出発地から物件までの最短所要時間を精度良く検索する目的で、既に特願2004−000132号の発明についての特許出願を行っている。
この特願2004−000132号(以下、「先願1」という。)に開示された発明においては、出発地から前記物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索手段と、出発地から物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する徒歩時物件検索手段と、前記交通機関利用時物件検索手段及び前記徒歩時物件検索手段の両方により検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間及び前記交通機関利用時所要時間のいずれの所要時間が短いかを判別する所要時間判別手段と、を備えた物件検索システムを開示している。
この先願1に開示した物件検索システムにおいては、交通機関利用時物件検索手段は、物件の位置を特定する物件位置データと、出発地の位置を特定する出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する。徒歩時物件検索手段は、前記物件位置データと、前記出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する。所要時間判別手段は、前記交通機関利用時物件検索手段及び前記徒歩時物件検索手段の両方により検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間及び前記交通機関利用時所要時間のいずれの所要時間が短いかを判別する。
先願1の物件検索システムにおいては、図8に示す物件検索用ネットワークのデータを使用する。このネットワークのデータは、図8のように駅及び物件の位置を示すノード12(図8参照)のデータ、隣接する駅や物件利用可能駅と物件との間を結ぶリンク13のデータ、及び、隣接駅間の所要時間及び物件と物件利用可能駅との間の物件駅間所要時間を示すリンクの長さのデータを有する物件検索用ネットワークのデータを作成する。なお、この物件検索用ネットワークのデータでは、前記隣接駅間には相互に移動可能であることを示す双方向リンク(相互移動可能データ)13aが設定される。そして、物件利用可能駅と物件との間には、物件利用可能駅のノードを始端とし、物件のノードを終端とする物件利用可能駅から物件の方向にのみ移動可能な片方向リンク(片方向移動可能データ)13bが設定される。したがって、駅も物件も共にノード12として区別されないが、物件検索時には、入りリンクである片方向リンクのみ連結されていれば物件であるとわかり、双方向リンク13aが1つでも連結されていれば駅であることが分かる。
図9は、図8の物件検索用ネットワークのデータに、更に出発地を示すノードと、出発地のノードから出発地徒歩圏駅へ向かう片方向リンクが追加された物件検索用ネットワークデータの説明図である。交通機関利用時物件検索手段は、出発地から徒歩で移動可能な特定の複数の出発地徒歩圏駅の検索を行い、図8に示す物件検索用ネットワーク上に、出発地を示すノード14(図9参照)を登録し、出発地のノード14から検索された出発地徒歩圏駅12へ向かう片方向リンク(片方向移動可能データ)13bを登録する。そして、前記物件検索ネットワーク上で、出発地のノードから所要時間上限値以内で移動可能な物件のノードの検索を行い、検索結果をリスト化する。前記出発地から所要時間上限値以内で移動可能な物件の検索は、例えば、ダイクストラ法により探索することができる。
このような物件検索用ネットワークのデータを使用して、物件検索システムは交通機関利用時物件検索手段及び徒歩時物件検索手段で重複して検索された物件に対して、徒歩での所要時間と、交通機関を利用した所要時間のどちらが短いかが判別できるので、判別結果に基づいて、物件の検索を行うことができる。したがって、判別結果に基づいて、短い方の所要時間を使用することにより、出発地から物件までの最短所要時間の精度を高めることができる。そして、最短所要時間の精度が高まるので、出発地から所定の所要時間上限値以内の物件を検索する場合の検索漏れを少なくすることができる(検索精度を高めることができる)。また、この物件検索システムは、徒歩時所要時間が所定の所要時間上限値以内の物件のみを検索するので、全ての物件に対して最短経路及び最短所要時間の検索を行う場合と比較して物件検索の効率を高めることができる。
一方、携帯電話など携帯端末がブラウザを搭載し、インターネットにアクセスして所望の情報の提供を受けることができるようになっている。このようなシステムにおいては、ユーザは携帯端末を操作して、サーバに備えられた検索エンジン等を利用して所望のサイトを見出し、当該サイトのコンテンツをダウンロードして、ブラウザにより当該コンテンツを閲覧している。上記コンテンツには種々のカテゴリに属する情報があり、店舗やイベントの情報提供、鉄道路線の時刻表の提供や、鉄道の乗り換え案内なども含まれる。
店舗やイベントの情報提供にあっては、ユーザが携帯端末を操作して店舗やイベントのカテゴリ、検索したい地域を入力して指定したカテゴリに該当し、かつ当該地域にある店舗やイベントが検索されその情報が携帯端末装置に配信される。時刻表の提供においては、ユーザが携帯端末を操作して、路線を指定すると、当該路線の時刻表が携帯端末の表示装置の画面上に提示される。また、乗り換え案内においては、ユーザが、出発地や目的地を指定することにより、推奨する経路が提示される。
情報配信サーバも機能が充実され、上記のような鉄道路線やバス路線の時刻表の提供や乗り換え案内にとどまらず、従来の車載用ナビゲーションシステムの機能を携帯電話などの携帯端末に提供する情報配信サーバも実現されている。このようなシステムによれば、自動車の運転者のみならず、歩行者に対するナビゲーションサービスを提供することができる。
携帯電話のユーザは上記のようなサービスを利用して種々の所望の情報を得ることができる。例えば、ユーザが興味を持っている興味対象場所(Point of Interest:以下単にPOIという)に関する地図や営業内容、価格、営業時間などの情報をPOI情報配信サーバや各種URLから得ることができる。POIとは、例えば、ホテル、レストラン、デパート、テーマパーク、コンビニ、ガソリンスタンド、運動施設、公園などのあらゆる店舗、施設が対象となり得る。
ユーザが利用する携帯端末が携帯電話である場合、最近の携帯電話はGPS受信機を備え、GPS衛星からの信号を受信して自身の現在位置を算出する測位機能を有しておりこの機能を利用して現在位置を情報配信サーバに送信することができる。また、ナビゲーションサービスを受けることのできる携帯端末であれば、所望の特定のPOI情報を得た後、現在位置または自宅、勤務先など所望の出発地として当該特定のPOIまでの経路探索を受けることもできる。
このようなPOI情報提供システムも種々提案されている。例えば、下記の特許文献3(特開2003−132483号公報)に「情報配信方法」として開示されたシステムが知られている。
この特許文献3に開示された情報配信方法は、情報配信コンピュータシステムと端末装置である携帯電話とからなるシステムである。この情報配信コンピュータシステムは、外部の携帯電話から或るPOIの案内情報が要求されると、所望POIの案内情報に、POIの位置情報と最適経路情報の情報配信コンピュータシステムに対する経路探索要求用のURLをリンク情報とするリンクを付随させて要求元に返信する。該携帯電話でPOIの案内情報と一緒に表示されたリンクを選択すると、GPS受信部で検出された現在位置を出発地、POIの位置情報を目的地、計時部で計時された日時を出発予定日時とした経路探索条件が自動設定され、情報配信コンピュータシステムに対し、経路探索条件の情報を付随した経路探索要求をするように構成されている。
すなわち、この情報配信コンピュータシステムは、携帯電話からPOIの検索要求があり、特定のPOIを検索しそのPOI案内情報(地図、営業案内など)を携帯電話に配信する際に、経路探索機能へのリンク情報を付加して配信し、携帯電話がそのリンクを選択すると現在位置から当該POIへの最適経路を探索して配信するようにしたものである。
特開2001−337963号公報(図2、要約書「解決手段」欄)
特開平8−315014号公報(図1、段落[0010])
特開2003−132483号公報(図1、段落[0006])
一般に利用者が不動産などの物件を選ぶ場合、上記特許文献1、特許文献2に記載された物件検索システムのように自宅などの現在位置や勤務先、就学先等の特定の出発地あるいはそれらの最寄り駅を指定して、検索条件として入力した所定の所要時間以内で到達可能な物件を検索して選ぶことが多い。また、賃貸物件を選ぶ場合には、上記のような時間的な条件の他に、契約条件等による対象物件の条件、すなわち、間取り、築年月、家賃、付帯設備、ペット可か否かなどなどの条件により選ぶことになる。
しかしながら、物件を選ぶ基準はこれだけではない。物件の見学に行くと、その物件の周辺の環境が気になる。例えば、スーパーやコンビニは近くにあるか? 病院は近いか? などチェックすべきポイントがある。さらに、実際に住んでみてから気づくことであるが、
実は近所にはコンビニがいくつもあって、異なる弁当メニューが試せるので非常に気に入っているとか、その逆にコンビにはあるが1軒しかないので飽きてしまったということもある。
すなわち、利用者が興味を持つ、あるいは、生活環境として関心を寄せるPOIが、選択する物件の周辺にどのくらいの距離で、どのくらいの数あるかを物件の探索時に知ることができれば利便性が増し、また、利用者が所望の条件に合致する物件を選択できるようになり、利用者の満足度を増すことができる。
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に記載された物件検索支援システムにおいては、物件の周辺に存在するPOIに関する情報を得ることができないという問題点があり、上記特許文献3に記載されたPOI情報提供システムにおいては、所望のPOIに関する情報を得ることはできるが、物件と結びつけてその物件の周辺に存在するPOIに関する情報を得ることができないという問題点があった。
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、物件の位置情報とともに、周辺のPOIまでの距離をPOIデータとして蓄積したデータベースを備え、利用者が指定したPOIカテゴリに属するPOIについて、検索された候補物件から所定の範囲内に存在するPOIまでの距離と件数を条件として検索するようになせば、上記問題点を解消し得ることを想到し本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、物件の周辺に存在するPOIの条件を設定して所望のPOIが周辺に存在する物件を検索可能とした周辺条件物件検索システム、周辺条件物件検索サーバ、端末装置およびプログラムを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
物件を特定する情報とその位置情報を含む登録物件データを蓄積した登録物件データベースと、ある特定の地点から各登録物件までの距離または経路に基づいて物件を検索するための物件検索用ネットワークデータと、前記物件検索用ネットワークデータを参照して指定された条件に該当する物件を検索する物件検索手段と、を備えた周辺条件物件検索システムであって、
前記周辺条件物件検索システムは、ある特定の地点から物件までの距離または時間を物件条件として指定する端末装置を含み、前記端末装置は、物件から所定範囲内のPOIに関する周辺条件を指定する機能を備え、
前記登録物件データは各登録物件ごとに当該登録物件から所定の範囲内の各POIまでの距離に関する情報を各登録物件に関連付けて記憶して構成し、
前記物件検索手段は、前記物件検索用ネットワークデータを参照して前記端末装置が指定した物件条件に該当する登録物件を検索し、前記周辺条件が指定された場合には、登録物件データベースを参照して前記検索された登録物件から、前記周辺条件に該当する登録物件を選択することを特徴とする。
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明の周辺条件物件検索システムにおいて、前記距離に関する情報は、物件からPOIまでの直線距離であることを特徴とする。
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明の周辺条件物件検索システムにおいて、前記距離に関する情報は、物件からPOIまでの徒歩経路の距離または当該徒歩経路の徒歩時間であることを特徴とする。
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる発明の周辺条件物件検索システムにおいて、前記周辺条件として、物件からPOIまでの距離に関する情報とともに、所望のPOIカテゴリに属するPOIの件数を指定するようになしたことを特徴とする。
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明の周辺条件物件検索システムにおいて、前記周辺条件として指定する所望のPOIカテゴリに属するPOIの件数は0を含み、指定された件数以上または件数以下を周辺条件とすることを特徴とする。
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項にかかる発明の周辺条件物件検索システムにおいて、前記物件検索手段は、ある特定の地点から所定の範囲内の各登録物件までの徒歩経路に基づいて、前記所定の範囲内の登録物件を検索することを特徴とする。
本願の請求項7にかかる発明は、
ある特定の地点から物件までの距離または時間を物件条件として指定する機能と、物件から所定範囲内のPOIに関する周辺条件を指定する機能と、を備えた端末装置にネットワークを介して接続され、
物件を特定する情報とその位置情報を含む登録物件データを蓄積した登録物件データベースと、ある特定の地点から各登録物件までの距離または経路に基づいて物件を検索するための物件検索用ネットワークデータと、前記物件検索用ネットワークデータを参照して指定された条件に該当する物件を検索する物件検索手段と、を備えた周辺条件物件検索サーバであって、
前記登録物件データは各登録物件ごとに当該登録物件から所定の範囲内の各POIまでの距離に関する情報を各登録物件に関連付けて記憶して構成し、
前記物件検索手段は、前記物件検索用ネットワークデータを参照して前記端末装置が指定した物件条件に該当する登録物件を検索し、前記周辺条件が指定された場合には、登録物件データベースを参照して前記検索された登録物件から、前記周辺条件に該当する登録物件を選択することを特徴とする。
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明の周辺条件物件検索サーバにおいて、前記距離に関する情報は、物件からPOIまでの直線距離であることを特徴とする。
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項7にかかる発明の周辺条件物件検索サーバにおいて、前記距離に関する情報は、物件からPOIまでの徒歩経路の距離または当該徒歩経路の徒歩時間であることを特徴とする。
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項7ないし請求項9の何れかにかかる発明の周辺条件物件検索サーバにおいて、前記物件検索手段は、ある特定の地点から所定の範囲内の各登録物件までの徒歩経路に基づいて、前記所定の範囲内の登録物件を検索することを特徴とする。
本願の請求項11にかかる発明は、
物件を特定する情報とその位置情報を含む登録物件データを蓄積した登録物件データベースと、ある特定の地点から各登録物件までの距離または経路に基づいて物件を検索するための物件検索用ネットワークデータと、前記物件検索用ネットワークデータを参照して指定された条件に該当する物件を検索する物件検索手段と、を備えた周辺条件物件検索サーバとネットワークを介して接続される端末装置であって、
前記端末装置は、ある特定の地点から物件までの距離または時間を物件条件として指定する機能と、物件から所定範囲内のPOIに関する周辺条件を指定する機能と、を備えたことを特徴とする。
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる発明の端末装置において、前記距離に関する情報は、物件からPOIまでの直線距離であることを特徴とする。
また、本願の請求項13にかかる発明は、請求項11にかかる発明の端末装置において、前記周辺条件として指定する所望のPOIカテゴリに属するPOIの件数は0を含み、指定された件数以上または件数以下を周辺条件とすることを特徴とする。
請求項1にかかる発明においては、周辺条件物件検索システムは、ある特定の地点から物件までの距離または時間を物件条件として指定する端末装置を含み、前記端末装置は、物件から所定範囲内のPOIに関する周辺条件を指定する機能を備え、前記登録物件データは各登録物件ごとに当該登録物件から所定の範囲内の各POIまでの距離に関する情報を各登録物件に関連付けて記憶して構成し、前記物件検索手段は、前記物件検索用ネットワークデータを参照して前記端末装置が指定した物件条件に該当する登録物件を検索し、前記周辺条件が指定された場合には、登録物件データベースを参照して前記検索された登録物件から、前記周辺条件に該当する登録物件を選択する。
従って、利用者は、最寄り駅や勤務先あるいは通学先から所望の範囲内にある物件であって、その物件から所望範囲内のPOIに関する所望の条件を周辺条件としてその条件に合致した物件を検索することができるようになる。
請求項2、請求項3にかかる発明においては、それぞれ請求項1にかかる発明の周辺条件物件検索システムにおいて、前記距離に関する情報は、物件からPOIまでの直線距離であり、前記距離に関する情報は、物件からPOIまでの徒歩経路の距離または当該徒歩経路の徒歩時間である。従って、利用者は物件から所定の範囲内の所望のPOIを周辺条件として物件を検索することができるようになる。
請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる発明の周辺条件物件検索システムにおいて、前記周辺条件として、物件からPOIまでの距離に関する情報とともに、所望のPOIカテゴリに属するPOIの件数を指定するようになしたものであるから、利用者は、物件の周辺の所望のPOIカテゴリのPOIの件数を周辺条件として該当する物件を検索できるようになる。
請求項5にかかる発明においては、請求項4にかかる発明の周辺条件物件検索システムにおいて、前記周辺条件として指定する所望のPOIカテゴリに属するPOIの件数は0を含み、指定された件数以上または件数以下を周辺条件とするものであるから、利用者は物件の周辺の所望のPOIカテゴリに属するPOIが所望の件数以上あるいは所望の件数以下である物件を検索することができ、周辺に特定のPOIカデゴリに属するPOIが存在しない物件を検索することができるようになる。
請求項6にかかる発明においては、請求項1ないし請求項5の何れかの発明にかかる周辺条件物件検索システムにおいて、前記物件検索手段は、ある特定の地点から所定の範囲内の各登録物件までの徒歩経路に基づいて、前記所定の範囲内の登録物件を検索する。
従って、利用者は、ある特定の場所、例えば、勤務先や通学先から徒歩経路で所望時間あるいは距離で到達できる物件を検索することができるようになる。
請求項7ないし請求項9にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項3の発明にかかる周辺条件物件検索システムを構成する周辺条件物件検索サーバを提供することができるようになる。
請求項10にかかる発明においては、請求項6にかかる発明の周辺条件物件検索システムを構成する周辺条件物件検索サーバを提供することができるようになる。
請求項11ないし請求項13にかかる発明においては、それぞれ請求項1、請求項4、請求項5にかかる発明の周辺条件物件検索システムを構成する端末装置を提供することができるようになる。
図1は、本発明の実施例1にかかる周辺条件物件検索システムの概略構成を示すシステム構成図である。
図1において、実施例1の周辺条件物件検索システムSは、物件検索を行う利用者が物件検索条件を入力したり、検索結果を確認したりする複数の利用者端末1を有している。また、前記周辺条件物件検索システムSは、前記利用者端末1とインターネット2を介して接続され、利用者端末1から送信された周辺条件物件検索条件に基づいて物件検索を行い、検索結果を再び利用者端末1に送信する周辺条件物件検索サーバ3を有している。
前記各利用者端末1は、端末本体1aと、利用者が周辺条件物件検索条件を入力するためのキーボード1bやマウス1c等の入力装置と、周辺条件物件検索サーバ3から送信された検索結果が表示されるディスプレイ1d(出力装置)とを有している。
また、前記周辺条件物件検索サーバ3は、サーバ本体3aと、不動産業者等のサーバ管理者が物件の情報を新規登録・更新・削除等するためのキーボード3bやマウス3c等の入力装置と、物件情報の登録等を行う場合に物件情報等が表示されるディスプレイ3d(出力装置)とを有している。
周辺条件物件検索サーバ3は、各不動産業者が仲介する物件に関するデータを利用者端末装置1から受信して登録(データベースに蓄積)し、また、顧客から物件検索の依頼を受けて不動産業者が利用者端末1から送信する物件検索条件に合致する物件を検索して検索結果を提供する物件登録機能、物件検索機能を有する。利用者端末1は、不動産業者が周辺条件物件検索サーバに物件の登録を行うための機能、顧客の条件に応じて検索条件を設定して周辺条件物件検索サーバに検索要求を行うための機能を有する。
利用者端末1は上記のように基本的に不動産業者が使用するものであるが、周辺条件物件検索サーバ3に所望条件の物件検索を要求する機能については、一般のユーザが所有するパーソナルコンピュータ(PC)やナビゲーションシステムにおける携帯電話端末であってもよい。この場合はPCや携帯電話端末に周辺条件物件検索サーバ3とのデータ通信のためのブラウザをインストールすればよい。
周辺条件物件検索サーバ3は、各不動産業者が利用者端末1を介して登録した物件に関するデータを蓄積する登録物件データベースを有する。従来の物件検索サーバに蓄積される物件のデータは、物件の位置(番地、緯度・経度などの情報)、最寄り駅からの距離や徒歩所要時間、築年数、間取り、取引価格などの情報である。物件が賃貸物件である場合には、更に、契約条件等による対象物件の条件、すなわち、家賃、付帯設備、ペット可か否かなどの情報が蓄積される。
本発明においては、これらの物件に関する情報の他に、物件の位置を中心に、所定の範囲内に存在するPOIに関する情報を周辺条件物件検索サーバ3が収集し、それぞれの物件の位置情報に関連付けて当該物件からPOIまでの距離に関する情報を登録物件データベースに蓄積する。このような物件データは、図2のようなデータ構成で登録物件データベースに蓄積される。なお、距離に関する情報とは本発明においては、物件とPOIの間の直線距離、物件とPOIの間を結ぶ経路の距離、あるいは経路の距離を一般の人の平均的徒歩時間で換算した数値であり、以下これら距離に関する情報を単に距離と称することとする。
すなわち、図2に示すように、登録物件データベースには、各物件A〜物件Zごとに、各物件の位置から所定の範囲内、例えば、2Km圏内に存在するPOIについて、POIカテゴリ別に該当物件からの距離が記録される。図2において、物件Aについて、POIカテゴリのコインランドリー、クリーニング店については物件Aから所定範囲内に存在するPOIがなく、距離欄に「0」が記録され、所定範囲内にはこのPOIカテゴリに属するPOIが存在しないことを示している。
ファミレスについては物件Aから所定範囲内に存在するPOIについて、そのPOIまでの直線距離が250mであることが記憶され、このPOIカテゴリに属すPOIが1件あることを示している。また、ラーメン店については、物件Aから所定範囲内に存在するPOIについて、そのPOIまでの直線距離が50m、110mであることが記憶され、このPOIカテゴリに属すPOIが2件あることを示している。他のPOIカテゴリについても同様である。また、他の物件B〜物件Zについても同様である。なお、物件A〜物件Zに関する物件情報は図2では図示を省略されている。このようなPOI関連情報は、周辺条件物件検索サーバ3がインターネット2を介してPOI情報提供サーバなどのデータベースサーバ4に接続して収集することができる。
この結果、物件Aについて、コインランドリー、クリーニング店については所定範囲内にPOIが存在せず、ファミレスについては物件Aから所定範囲内に1件存在し、そのPOIまでの直線距離が250mであり、ラーメン店については、物件Aから所定範囲内に2件存在し、そのPOIまでの直線距離が50m、110mであることがわかる。従って、物件から所望のPOIまでの距離と件数を条件に物件検索をすることが可能になる。
利用者端末1は、物件情報を周辺条件物件検索サーバ3に登録するために、図3に示す物件登録画面を表示手段に表示し、所要のデータを入力するように構成され、また、図4に示す物件検索画面を表示手段に表示し、所要のデータを入力するように構成されている。
物件登録画面は、図3に示すように構成され物件の新規登録や物件の内容変更、物件の削除を行うための画面であり利用者端末1の表示手段に表示される。物件登録画面11は、新規登録であるか内容変更であるかを選択するための登録・変更切り替えラジオボタン11aと、物件名を入力する物件名入力欄11b、物件の住所を入力する物件住所入力欄11cと、賃料や管理費等の物件関連情報を入力する物件関連情報入力欄11dとを有している。
また、この物件登録画面11は、地図データ記憶手段に記憶された地図データと、物件住所入力欄11cに入力された住所とに基づいて、自動的に物件の位置を検索して登録する自動位置登録選択欄11eと、物件の位置を直接入力するための手動位置入力欄11fとを有している。さらに、物件登録画面11は、選択した物件を削除するための削除アイコン11gと、入力した内容で登録・更新を行うための登録アイコン11hと、物件の登録、変更、削除の作業を終了するためのキャンセルアイコン11iとを有している。
物件検索画面は、図4に示すように構成され顧客が所望する物件の条件を入力して周辺条件物件検索サーバ3に送信するための画面であり利用者端末1の表示手段に表示される。物件検索画面14は、物件の検索条件として最寄り駅を入力する駅名入力欄14a、最寄り駅からの所要時間を入力する所要時間入力欄14b、賃料や管理費、付帯設備、契約条件の規定等の物件関連情報を入力する物件関連情報入力欄14cとを有している。
また、この物件検索画面14は、物件の位置を基準にその周辺に存在するPOIを周辺条件として指定するための周辺条件入力欄14dを備えている。この周辺条件入力欄14dは、図4のように、POIカテゴリが配列され、POIカテゴリ別に物件からの距離と、その距離内でPOIカテゴリに属するPOIの数(件数)を指定する入力欄から構成されている。さらに、物件検索画面14は、入力した条件をクリアするための条件クリアアイコン14eと、入力した条件で物件検索サーバに物件検索を要求するための検索アイコン14fとを有している。
次に、本発明の実施例1にかかる図1の周辺条件物件検索システムについて、図5に示すブロック図を参照して詳細に説明する。なお、図5においては、周辺条件物件検索サーバ3はナビゲーション機能や地図提供機能を備えたサーバである物件検索サーバ30と複数の利用者端末1を代表的に示す端末装置20から構成されるシステムとして説明するが、本発明の周辺条件物件検索システムは、これに限られるものではなく、物件登録、物件検索機能のみを備えたシステムであってもよいことは勿論である。以下の説明においては、周辺条件物件検索システムを物件検索システムSと称し、周辺条件物件検索サーバを単に物件検索サーバ30と称する。
物件検索システムSは、図5に示すように、インターネットなどのネットワーク19を介して接続される端末装置20と物件検索サーバ30を備えて構成されている。物件検索サーバ30は、端末装置20に提供する物件に関する情報と、各物件から所定の範囲内に存在するPOIに関連する情報を蓄積したデータベースである登録物件データベース41を備えている。登録物件データベース41に蓄積されるデータは図2を参照して説明したとおりである。また、物件検索システムSは、ネットワーク19を介してPOI情報提供サーバ50やその他の情報提供サーバに接続し、POIの位置や名称など、POIに関連する情報を収集することができるように構成されている。
物件検索サーバ30はまた、図3の物件登録画面11を使用して端末装置20が登録要求した物件の情報を登録物件データベース41に登録する物件登録手段38と、図4の物件検索画面12を使用して端末装置20で作成された物件検索要求に従って、登録物件データベース41を参照して物件検索を行う物件検索手段39とを備えている。また、物件登録手段38は、新規に物件が登録されると、当該物件から所定の範囲内に存在するPOIに関する情報を、インターネットなどのネットワーク19を介してPOI情報提供サーバ50などから収集し、登録物件データベース41に蓄積する。
更に、物件検索サーバ30は、制御手段31、配信データ編集作成手段32、経路探索手段33、通信手段34、探索用ネットワークデータ35を蓄積したデータベース、ネットワ―クデータ編集手段37、地図データ40を蓄積したデータベースを備えている。探索用ネットワークデータ35は、徒歩や自動車による経路探索のための道路ネットワークデータと交通機関利用による経路探索のための交通ネットワークデータとを備えて構成されている。
ネットワークデータ編集手段37は、道路ネットワークデータおよび交通ネットワークデータと登録物件データベース41に登録された登録物件の位置情報に基づいて、図8、図9で示した先願1と同様の物件検索用のネットワークデータに編集してこの物件検索用ネットワークデータ36を作成する。物件検索用ネットワークデータの作成処理は、端末装置20から新規に物件登録要求があった時に随時行うか、または、物件登録要求を一時保存し毎日夜間を利用し、あるいは、週1回所定の日に行うなどの方法で実行する。なお、道路ネットワークデータおよび交通ネットワークデータからなる探索用ネットワークデータ35は通常のナビゲーションにおける経路探索用のネットワークデータとして利用される。
物件検索手段39は、物件検索要求があった場合、端末装置20から送信された物件検索条件に従って、物件検索用ネットワークデータ36を利用して物件検索を行う。その際、検索条件に最寄り駅からの物件検索が指定された時、物件検索手段39は物件検索用ネットワークデータ36を参照して交通機関を利用した物件の検索を行う。
検索条件に出発地からの物件検索が指定された時、物件検索手段39は物件検索用のネットワークデータ36を参照して交通機関を利用した物件の検索を行うとともに、出発地を中心とした一定の範囲の全物件を徒歩経路から検索する。一定の範囲の全物件の検索とは、例えば、所定の距離範囲の全物件、所定の緯度経度内の全物件、出発地を含むメッシュ状の単位地図内における全物件、出発地からの道路リンクが接続する駅に同じくリンクが接続されている全物件の検索行う方法で実行することができる。
徒歩経路による物件の検索は、探索用ネットワークデータ35を用いるか、あるいは、物件検索用ネットワークデータ36が探索用ネットワークデータ35をベースに図8、図9のネットワークデータを付加して編集されている場合は物件検索用ネットワークデータ36を用いて行う。
そして、交通機関利用の物件検索と徒歩経路の物件検索の結果、重複して検索された物件に対して、徒歩での所要時間と、交通機関を利用した所要時間のどちらが短いかを判別し、判別結果に基づいて物件の検索を行うことができる。この物件検索用ネットワーク36のデータは先願1と同様のデータであり、前述したように、判別結果に基づいて、短い方の所要時間を使用することにより、出発地から物件までの最短所要時間の精度を高めることができる。そして、最短所要時間の精度が高まるので、出発地から所定の所要時間上限値以内の物件を検索する場合の検索漏れを少なくすることができる(検索精度を高めることができる)。また、この物件検索システムは、徒歩時所要時間が所定の所要時間上限値以内の物件のみを検索するので、全ての物件に対して最短経路及び最短所要時間の検索を行う場合と比較して物件検索の効率を高めることができる。
制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段34は、ネットワーク19を介して端末装置20や、各種のPOI情報を提供するPOI情報提供サーバ50と通信するためのインターフェースである。配信データ編集手段32は、物件検索の結果や、物件までの案内経路のデータ、地図データなどを端末装置20に配信するためのデータに編集するものである。
経路探索手段33はマルチモーダルな経路探索エンジンであって徒歩と交通機関を併用した経路探索機能を有するものであり、通常のナビゲーション要求時に出発地から目的地までの経路を探索する。このような経路探索エンジンは例えば特開2000−258184号公報などに開示されている。経路の探索方法としては周知のダイクストラ法と呼ばれる手法を用いることができる。本実施例において、経路探索手段33は、端末装置20から送信されるナビゲーション要求に設定された探索条件(出発地、目的地など)に合致す経路を探索し、端末装置20に提供することができる。また、地図データ40から当該案内経路を含むエリアの地図データを抽出して端末装置20に提供することができる。
端末装置20は制御手段21、通信手段22、液晶表示ユニットなどからなる表示手段24、物件検索サーバ30から配信されたデータなど記憶する配信データ記憶手段25、物件検索サーバ30に対する物件登録要求や物件検索要求などの各種要求を編集する検索・登録要求編集手段26、操作・入力手段27を備えている。
制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段27は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力のためのものであり、出力手段である表示手段24に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段24は操作・入力手段27の一部としても機能する。通信手段22は、ネットワーク19を介して物件検索サーバ30と通信するためのインターフェースである。
端末装置20がナビゲーション機能を有する携帯電話などの携帯端末である場合には、端末装置20は、更に、GPS受信機などからなる測位手段23を備え、測位手段23が測位した現在位置を物件検索サーバ30に送信して現在位置から所望の目的地までの経路探索要求を行うことができる。また、現在位置に基づき周辺検索を要求すると、例えば現在位置から半径2km以内に存在する、POIを検索してそのPOIに関する情報配信を要求することもできる。
利用者が物件検索サーバ30に物件の登録、削除、更新を行う場合、操作・入力手段27を操作して図3に示した物件登録画面11を表示手段24に表示し、必要な入力を行う。すなわち、利用者は物件登録画面11において、新規登録であるか内容変更であるかを選択するための登録・変更切り替えラジオボタン11aを操作し、物件名を入力する物件名入力欄11b、物件の住所を入力する物件住所入力欄11cと、賃料や管理費等の物件関連情報を入力する物件関連情報入力欄11dとに所要の入力操作を行い物件に関する情報を入力する。
物件位置の入力方法として、地図データ40に記憶された地図データと、物件住所入力欄11cに入力された住所とに基づいて、自動的に物件の位置を検索して登録する場合は自動位置登録選択欄11eを操作し、物件の位置を直接入力する場合には手動位置入力欄11fを操作して入力する。選択した物件を削除する場合は削除アイコン11gを、入力した内容で登録・更新を行う場合には登録アイコン11hを、物件の登録、変更、削除の作業を終了する場合にはキャンセルアイコン11iを操作する。
物件登録画面11を使用して所要の入力を行い、登録アイコン11hを操作すると、入力された物件登録情報は、検索・登録要求編集手段26で編集され、物件検索サーバ30に物件登録要求として送信される。物件検索サーバ30は物件登録要求を受信すると、物件登録手段38が前述したように当該物件から所定の範囲内に存在する各種POIの情報を収集する。そして、登録物件に関する情報と当該物件の周辺のPOIに関する情報(物件からPOIまでの直線距離)を登録物件データベース41に蓄積する。
また、利用者が物件検索サーバ30に物件の検索要求を行う場合、操作・入力手段27を操作して図4に示した物件検索画面14を表示手段24に表示し、必要な入力を行う。すなわち、物件検索画面14において、駅名入力欄14aに最寄り駅を入力し、所要時間入力欄14bに所望の時間を入力し、物件関連情報入力欄14cに賃料、管理費など物件に対する希望条件を入力する。
更に利用者が物件に関する周辺のPOI条件を設定する場合は、周辺条件入力欄14dの各POIカテゴリ毎に物件からの距離とPOIの数を指定する。例えば、物件から周辺2Km以内にラーメン店が1つ以上ある物件を条件とする場合には、ラーメン店のPOIカテゴリの対応欄に距離「2Km」と店数「1」を入力する。加えて、物件の近く、200m以内に最低3件のコンビニが欲しい場合、コンビニのPOIカテゴリに、「200m」、「3」を入力する。このように周辺条件入力欄14dのPOIカテゴリは複数選択可能であり、周辺の各種POIそれぞれの条件を入力することができる。
物件検索画面14を使用して上記の入力を行い、検索アイコン14fを操作すると、入力された物件検索の条件、周辺条件の情報は、検索・登録要求編集手段26で編集され、物件検索サーバ30に物件検索要求として送信される。物件検索サーバ30が物件検索要求を受信すると、物件検索手段39は先ず、物件検索の条件として指定された出発地あるいは最寄り駅、所要時間などの物件検索の条件に従って、物件検索用ネットワークデータ36を参照して該当する物件の全てを検索する。
次いで、物件検索手段39は検索された全ての物件について、登録物件データベース41を参照して、周辺条件であるPOIに関する条件に該当する物件を絞り込み、その検索結果を配信データ編集手段32で編集し、端末装置20に送信する。
物件検索の回答画面は、例えば、物件検索画面と同様の構成とすることができ、画面上で物件やPOIカテゴリを選択操作(クリック)することにより、物件検索サーバ30に最寄り駅から物件まで、あるいは、物件からPOIまでの案内経路や地図のデータを要求し、それらのデータの配信を受けることができる。物件検索サーバ30から配信された情報は、配信データ記憶手段25に一時記憶され、必要に応じて配信データ記憶手段25から読み出して表示手段24に表示することができる。
上記実施例において、登録物件データベース41に記録する登録物件からPOIまでの距離に関する情報は物件からPOIまでの直線距離として説明したが、本発明は、これに限られることなく、物件からPOIまでの徒歩距離あるいは徒歩時間で距離を置換したデータであってもよい。また周辺検索の条件としては存在を希望するPOIカテゴリを条件とする例を説明したが、存在しないことを希望するPOIカテゴリを周辺条件とすることもできる。例えば、風俗営業店やパチンコ、スロットなどの遊戯店が周辺に存在しないことを周辺条件として物件を検索する場合である。この場合、物件検索画面14において、該当するPOIカテゴリの距離に希望する範囲を入力し、件数に「0」を入力すればよい。
周辺条件検索の対象にするPOIについては、予め設定しておくとよい、例えば、周辺条件検索として提供できるPOIカテゴリとして、
「衣」
・コインランドリー ・クリーニング店
「食」
・ファミレス ・ラーメン屋 ・そば屋 ・カレー屋 ・すし屋 ・喫茶店 ・ピザ屋
「住」
・病院/医療 ・銀行/信金/ATM
・託児所 ・幼稚園/保育園 ・学習塾 ・駅 ・バス停
「お買い物」
・コンビニ ・スーパー ・100円ショップ
「リラックス」
・銭湯 ・公園
などを設定しておく。
なお、ここに選んだPOIカテゴリは複数存在することによって物件を探す顧客にとって選択肢が増して便利である、あるいは休業日などが重ならないから便利である、などの理由でピックアップしたものである。前述したように物件の周辺に存在しないことが好ましいと思われるPOIカテゴリを設定することもできる。また、POIカテゴリが多くなる場合には、図4の物件検索画面14の構成を、POIカテゴリの候補を表示し、周辺条件として設定したいPOIカテゴリを利用者に選択させる構成としてもよい。
次に、物件検索の手順について図6のフローチャートに基づいて説明する。端末装置20において、図4に示した物件検索画面12を表示手段24に表示し、物件検索画面14において、駅名入力欄14aに最寄り駅を入力し、所要時間入力欄14bに所望の時間を入力し、物件関連情報入力欄14cに賃料、管理費など物件に対する希望条件を入力する。出発地として最寄り駅でなく勤務先や通学先などの特定の場所を指定する場合は、図示していない出発地入力を選択して住所を入力する。物件検索サーバ側では住所から地図データを参照し出発地の位置情報を特定することができる。また、利用者が更に、物件に関する周辺のPOI条件を設定する場合は、周辺条件入力欄14dの各POIカテゴリ毎に物件からの距離とPOIの数を指定する。
上記の入力がなされ、物件検索要求が端末装置20から物件検索サーバ30に送られると、物件検索手段39はステップS20の処理において、物件検索の条件として出発地が指定されているか否かを判定する。物件検索の条件として最寄り駅が指定され出発地の指定がない場合は、ステップS22の処理に進む。物件検索の条件として出発地が指定されている場合、ネットワークデータ編集手段37がステップS20の処理において、出発地の位置情報を特定し、物件検索用ネットワークデータ36の最寄り駅に出発地をリンクする(出発地と最寄り駅をリンク接続する)。この処理は図9において説明した処理であり、出発地は1ケ所であるから瞬時に終了する。
この処理が終了すると、物件検索手段39はステップS22の処理において、物件検索用ネットワークデータ36を参照して出発地(最寄り駅が指定されている場合は最寄り駅)からの所要時間により該当する物件を検索する。その結果は一時的に図示されていないメモリに記憶しておく。次いで物件検索手段39はステップS23の処理において、出発地(最寄り駅が指定されている場合は最寄り駅)からの徒歩経路により該当する物件を検索する。その結果は一時的に図示されていないメモリに記憶しておく。
次いで物件検索手段39はステップS24の処理において、ステップS22、S23の処理によって検索された物件から、指定された所要時間などの検索条件に合致する物件を絞り込む。そしてステップS25の処理に進み、物件検索手段39は周辺条件、すなわち、物件周辺のPOIに関して指定された条件、例えば、前述したように、物件から周辺2Km以内にラーメン店が1つ以上あり、かつ200m以内に最低3件のコンビニが欲しいといった周辺条件(図4参照)に合致する物件に絞り込む。
このようにして物件の条件および周辺条件に合致する物件が絞り込まれたら、配信データ編集手段32はステップS26の処理においてこの検索結果を端末装置20に配信するデータに編集し、ステップS27の処理において物件検索サーバ30は編集された検索結果のデータを端末装置20に送信する。