JP2006342229A - フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 たとえ延性を示さない又は低い樹脂、樹脂組成物であっても効率的にフィルム化を行うことが可能となるフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】 溶液流延法によりフィルムを製造する際に、少なくとも下記の1)〜4)の工程を経るフィルムの製造方法。1)樹脂溶液を基材上に溶液流延する工程。2)1)工程により得られた基材を1次乾燥し樹脂溶液のフィルム化を行い、その後基材上にフィルムをのせたまま基材をロール状に巻き取る工程。3)2)工程により得られたロール状基材を巻き出し、1次乾燥後のフィルムの両端から幅10mm以上50mm未満で裁断し、フィルム両端部を除去する工程。4)3)工程により得られた両端部除去フィルムの2次乾燥を行い、その後2次乾燥後のフィルムをロール状に巻き取る工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムの製造方法に関するものであり、さらに詳細には高効率にフィルムを製造する方法に関するものである。
従来から溶液流延法として知られているフィルムの製造方法においては、ポリカーボネート樹脂に代表される延性材料のフィルム化が一般的に行われてきた。そして、延性を示さない又は低い樹脂材料は、たとえフィルム用の材料として優れた性能が期待できるものであっても、脆いことからフィルムを製造することが困難であり、利用が進まないものであった。
一方、マレイミド系共重合体として、フェニルマレイミド残基とオレフィン残基からなる共重合体は、スチレン残基とアクリロニトリル残基とからなる共重合体とのブレンドにおいて、特定の割合範囲内で熱力学的に混和性を示すことが知られている(例えば特許文献1参照。)。
米国特許第4605700号公報
しかし、特許文献1に提案されたブレンド物は、延性を示さない又は低いものであり、該ブレンド物を一般的な溶液流延法によりフィルム化した場合、乾燥工程、等の間に反り、亀裂、等が発生し、フィルムの生産効率は非常に低いものであった。
そこで、本発明は上記事実に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、延性を示さない又は低い樹脂、樹脂組成物のフィルムを製造する際に、フィルムに反り、亀裂等が発生し難く、高効率でフィルムの製造が可能となる溶液流延法によるフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に関し鋭意検討した結果、たとえ延性を示さない又は低い樹脂、樹脂組成物であっても溶液流延法によりフィルムを製造する際に、特定の条件下での製造を行うことにより、フィルム化における反り、亀裂の発生を抑制し高効率でフィルムを製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、溶液流延法によりフィルムを製造する際に、少なくとも下記の1)〜4)の工程を経ることを特徴とするフィルムの製造方法に関するものである。
1)樹脂溶液を基材上に溶液流延する工程。
2)1)工程により得られた基材を1次乾燥し樹脂溶液のフィルム化を行い、その後基材上にフィルムをのせたまま基材をロール状に巻き取る工程。
3)2)工程により得られたロール状基材を巻き出し、1次乾燥後のフィルムの両端から幅10mm以上50mm未満で裁断し、フィルム両端部を除去する工程。
4)3)工程により得られた両端部除去フィルムの2次乾燥を行い、その後2次乾燥後のフィルムをロール状に巻き取る工程。
以下に、本発明のフィルムの製造方法に関し詳細に説明する。
本発明のフィルムの製造方法は、基材上に樹脂溶液を流延し、該樹脂溶液を乾燥しフィルム化する方法として、一般的に知られている溶液流延法に対し、さらに少なくとも下記の1)〜4)の工程を経ることにより、たとえ延性を示さない又は低い樹脂、樹脂組成物であっても高効率にフィルム化することが可能となるものである。
1)樹脂溶液を基材上に溶液流延する工程。
2)1)工程により得られた基材を1次乾燥し樹脂溶液のフィルム化を行い、その後基材上にフィルムをのせたまま基材をロール状に巻き取る工程。
3)2)工程により得られたロール状基材を巻き出し、1次乾燥後のフィルムの両端から幅10mm以上50mm未満で裁断し、フィルム両端部を除去する工程。
4)3)工程により得られた両端部除去フィルムの2次乾燥を行い、その後2次乾燥後のフィルムをロール状に巻き取る工程。
本発明のフィルムの製造法に用いることのできる樹脂、樹脂組成物としては、樹脂溶液とすることが可能であれば如何なるものでもよく、例えばポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、スチレン系重合体、ポリメチルメタクリレート、環状ポリオレフィン、N−フェニル置換マレイミド・オレフィン共重合体、N−アルキル置換マレイミド・オレフィン共重合体、ポリグルタルイミドなどの樹脂及びこれらの樹脂組成物等を挙げることができ、その中でも、従来の溶液流延法でフィルムを製造することが困難とされていた延性を示さない又は低い樹脂、樹脂組成物のフィルムの製造に好適であることから、スチレン系重合体、ポリメチルメタクリレート、環状ポリオレフィン、N−フェニル置換マレイミド・オレフィン共重合体、N−アルキル置換マレイミド・オレフィン共重合体、ポリグルタルイミドなどの樹脂及びこれらの樹脂組成物であることが好ましく、更に優れた光学特性を有するにも関わらず、延性がなくフィルム化することが困難であった下記の式(i)で表されるオレフィン残基単位と下記の式(ii)で表されるN−フェニル置換マレイミド残基単位からなり、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量5×10以上5×10以下である共重合体(a)30〜95重量%、及び、アクリロニトリル残基単位:スチレン残基単位=20:80〜40:60(重量比)であり、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量5×10以上5×10以下であるアクリロニトリル−スチレン共重合体(b)70〜5重量%からなる樹脂組成物であることが好ましい。
Figure 2006342229
(ここで、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
Figure 2006342229
(ここで、R4、R5はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であり、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立して水素、ハロゲン系元素、カルボン酸、カルボン酸エステル、水酸基、シアノ基、ニトロ基又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状アルキル基である。)
ここで、共重合体(a)は、より容易にフィルムを製造することが可能となることから標準ポリスチレン換算の重量平均分子量5×10以上5×10以下であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCと称する。)による共重合体の溶出曲線を標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
また、共重合体(a)を構成する式(i)で示されるオレフィン残基単位におけるR1、R2、R3は、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基等を挙げることができる。式(i)で示されるオレフィン残基単位を誘導する具体的な化合物としては、例えばイソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどが挙げられ、その中でも1,2−ジ置換オレフィン類に属するオレフィンが好ましく、特に耐熱性、透明性、力学特性に優れる共重合体(a)が得られることからイソブテンであることが好ましい。また、オレフィン残基単位は1種又は2種以上組み合わされたものでもよく、その比率は特に制限はない。
共重合体(a)を構成する式(ii)で示されるN−フェニル置換マレイミド残基単位におけるR4、R5はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であり、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、n−オクチル基、2−オクチル基、3−オクチル基等を挙げることができる。また、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立して水素、ハロゲン系元素、カルボン酸、カルボン酸エステル、水酸基、シアノ基、ニトロ基又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であり、ハロゲン系元素としては、例えばフッ素、臭素、塩素、沃素等を挙げることができ、カルボン酸エステルとしては、例えばメチルカルボン酸エステル、エチルカルボン酸エステル等を挙げることができ、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、n−オクチル基、2−オクチル基、3−オクチル基等を挙げることができ、式(ii)で示されるN−フェニル置換マレイミド残基単位を誘導する化合物としては、例えばマレイミド化合物のN置換基として無置換フェニル基又は置換フェニル基を導入したマレイミド化合物を挙げることができ、具体的にはN−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−n−プロピルフェニル)マレイミド、N−(2−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2−n−ブチルフェニル)マレイミド、N−(2−sec−ブチルフェニル)マレイミド、N−(2−tert−ブチルフェニル)マレイミド、N−(2−n−ペンチルフェニル)マレイミド、N−(2−tert−ペンチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジ−n−プロピルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2−メチル,6−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−メチル,6−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(2−ブロモフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジクロロフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジブロモフェニル)マレイミド、N−2−ビフェニルマレイミド、N−2−ジフェニルエーテルマレイミド、N−(2−シアノフェニル)マレイミド、N−(2−ニトロフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)マレイミド、N−パーブロモフェニルマレイミド、N−(2−メチル,4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチル,4−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどが挙げられ、その中でもN−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−n−プロピルフェニル)マレイミド、N−(2−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2−n−ブチルフェニル)マレイミド、N−(2−sec−ブチルフェニル)マレイミド、N−(2−tert−ブチルフェニル)マレイミド、N−(2−n−ペンチルフェニル)マレイミド、N−(2−tert−ペンチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジ−n−プロピルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2−メチル,6−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−メチル,6−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(2−ブロモフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジクロロフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジブロモフェニル)マレイミド、N−2−ビフェニルマレイミド、N−2−ジフェニルエーテルマレイミド、N−(2−シアノフェニル)マレイミド、N−(2−ニトロフェニル)マレイミドが好ましく、特に耐熱性、透明性、力学特性にも優れる共重合体(a)が得られることからN−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミドであることが好ましい。また、N−フェニル置換マレイミド残基単位は1種又は2種以上組み合わされたものでもよく、その比率は特に制限はない。
該共重合体(a)は、上記した式(i)で示されるオレフィン残基単位を誘導する化合物及び式(ii)で示されるN−フェニル置換マレイミド残基単位を誘導する化合物を公知の重合法を利用することにより得ることができる。公知の重合法としては、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などを挙げることができる。また、別法として、上記した式(i)で示されるオレフィン残基単位を誘導する化合物と無水マレイン酸とを共重合することにより得られた共重合体に、さらに例えばアニリン、2〜6位に置換基を導入したアニリンを反応し、脱水閉環イミド化反応を行うことにより得ることもできる。
共重合体(a)としては、上記した式(i)で示されるオレフィン残基単位及び式(ii)で示されるN−フェニル置換マレイミド残基単位からなる共重合体であり、例えばN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体、N−フェニルマレイミド・エチレン共重合体、N−フェニルマレイミド・2−メチル−1−ブテン共重合体、N−(2−メチルフェニル)マレイミド・イソブテン共重合体、N−(2−メチルフェニル)マレイミド・エチレン共重合体、N−(2−メチルフェニル)マレイミド・2−メチル−1−ブテン共重合体、N−(2−エチルフェニル)マレイミド・イソブテン共重合体、N−(2−エチルフェニル)マレイミド・エチレン共重合体、N−(2−エチルフェニル)マレイミド・2−メチル−1−ブテン共重合体等が挙げられ、その中でも特に耐熱性、透明性、力学特性にも優れるものとなることから、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体、N−(2−メチルフェニル)マレイミド・イソブテン共重合体が好ましい。
アクリロニトリル−スチレン系共重合体(b)は、より容易にフィルムを製造することが可能となることから、アクリロニトリル残基単位:スチレン残基単位=20:80〜40:60(重量比)であり、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量5×10以上5×10以下であるアクリロニトリル−スチレン共重合体であることが好ましい。
該アクリロニトリル−スチレン系共重合体(b)の合成方法としては、公知の重合法が利用でき、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などにより製造することが可能である。また、市販品として入手したものであってもよい。
そして、共重合体(a)/アクリロニトリル−スチレン共重合体(b)(重量%)=30〜95/70〜5からなることが好ましく、特に40〜90/60〜10からなることが好ましい。
樹脂溶液を構成する溶剤としては、樹脂、樹脂組成物が可溶性を示す溶剤であれば如何なるものでもよく、その中から必要に応じて1種又は2種以上を混合して用いることができ、例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、セロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなどを用いることができる。
本発明のフィルムの製造方法においては、当該製造方法に用いる樹脂、樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて必要に応じて熱安定剤、紫外線安定剤などの添加剤や可塑剤を配合していてもよく、これら添加剤や可塑剤としては通常樹脂材料用として公知のものを使用してもよい。
本発明のフィルムの製造方法における1)工程は、樹脂溶液を基材上に流延する工程であり、ここで、基材としては樹脂溶液に用いた溶剤に溶解性を示さないものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する。)フィルム、ポリイミド(以下、PIと称する。)フィルムなどの耐溶剤性フィルム;金属板等を挙げることができる。
該1)工程の溶液流延を行う装置としては、一般的な溶液流延装置である溶液キャスト装置、フィルムコーター、ドライラミネーターなどに複数箇所に溶液流延できるように工夫された塗工ヘッドを設けた装置などを用いることができる。図1に、本発明を実施するに適した流延するための溶液遮蔽ガイド板を設けた溶液流延のための塗工ヘッドの一例示を示す。ここで、(a)は溶液溜り、(b)はブレードヘッド、(c)は溶液遮蔽ガイド板を示す。該塗工ヘッドにおいては、樹脂溶液溜め部分に溶液遮蔽ガイド板を設けることにより流延される樹脂溶液の幅、間隔を制御することが可能となる。
本発明のフィルムの製造方法における2)工程は、得られた基材を1次乾燥し樹脂溶液のフィルム化を行い、その後基材上にフィルムをのせたまま基材をロール状に巻き取る工程である。
図2に、該2)工程の概略図を示す。ここで、(d)は基材としてのPETフィルム、(e)は基材上に溶液流延した樹脂溶液の1次乾燥を行うための第1乾燥炉、(f)は樹脂溶液の1次乾燥を行うための第2乾燥炉、(g)は基材を巻き取るためのフィルム巻取り機を示す。なお、該図2において乾燥炉は、便宜上第1乾燥炉、第2乾燥炉と示したに過ぎず、1つの乾燥炉で目的を達成することが可能であれば1機でもよく、または、目的に応じて3機以上を用いることも可能である。
そして、2)工程における基材上のフィルムの1次乾燥条件としては、フィルム上の流延部分が剥離することなく該基材と共にロール状に巻き取ることができ、かつ、2次乾燥のために該基材フィルムを巻き出したときに巻取り痕跡を生じないフィルム残存溶剤量の範囲となるような条件であることが好ましい。該条件としてはフィルム化する樹脂、樹脂組成物により適宜選択すればよく、例えば共重合体(a)30〜95重量%及びアクリロニトリル−スチレン系共重合体(b)70〜5重量%からなるフィルムを製造する場合、特に亀裂、反り、巻取り痕跡等の問題がなく、容易に3)工程の裁断が可能となり生産効率よくフィルムの製造が可能となることからフィルム中の残存溶媒量10重量%以上30重量%未満の1次乾燥条件であることが好ましい。
本発明のフィルムの製造方法における3)工程は、巻き取ったロール状基材を巻き出し、1次乾燥後のフィルムの両端から幅10mm以上50mm未満で裁断し、フィルム両端部を除去することを特徴とするものである。一般的に基材上に溶液流延したフィルムは、中央部分よりも両端部分からの乾燥が早いためにフィルム化の際に、反り、亀裂等が発生しやすく、特に延性を示さない又は低い樹脂、樹脂組成物においてはその傾向が顕著になる。そこで、本発明では、2次乾燥前のフィルムより両端部分を幅10mm以上50mm未満で裁断することにより、乾燥条件がほぼ均一なフィルムとし、フィルム化の際の反り、亀裂を抑制するものである。両端部分の裁断幅が10mm未満である場合、フィルム化の際の反り、亀裂を抑制することが困難となる。一方、裁断幅が50mm以上である場合、製造されるフィルム幅が非常に狭いものとなり効率が悪くなる。
図3には、該3)工程の2次乾燥前のフィルム巻き出し、フィルム両端部分の裁断、フィルムの分離の概略図を示す。ここで、(h)は、基材を巻き出すためのフィルム巻き出し機、(i)はフィルム裁断装置、(j)は裁断除去した部分を示す。ここで、フィルム裁断装置としては、フィルム、基材の裁断が可能であれば如何なる装置を用いることも可能であり、例えばカッター、回転刃等を用いることが可能である。
本発明のフィルムの製造方法における4)工程は、両端部除去フィルムの2次乾燥を行い、その後2次乾燥後のフィルムをロール状に巻き取ることを特徴とするものであり、2次乾燥の際には、乾燥をより効率的なものとするために、フィルムを基材上より剥離し2次乾燥を行うことが好ましい。図4に該3)及び4)工程の概略図を示す。ここで、(h)は基材を巻き出すためのフィルム巻き出し機、(i)はフィルム裁断装置、(j)は裁断除去した部分、(k)基材及び裁断除去されたフィルムの回収機、(l)は剥離フィルムの2次乾燥を行うための第3乾燥炉、(m)は剥離フィルムの2次乾燥を行うための第4乾燥炉、(n)はフィルムを巻き取るためのフィルム巻取り機を示す。なお、該図4において乾燥炉は、便宜上第3乾燥炉、第4乾燥炉と示したに過ぎず、1つの乾燥炉で目的を達成することが可能であれば1機でもよく、または、目的に応じて3機以上を用いることも可能である。
2)工程及び4)工程における1次乾燥、2次乾燥を行う際には、例えばヒーター、送風装置、溶剤回収装置などを付帯する公知のものを用いることもできる。
また、本発明のフィルムの製造方法を実施する際には、上記1)〜4)工程を経る限りにおいて更に付加的な工程を付随してもよい。
本発明のフィルムの製造法によって得られたフィルムは、必要に応じてこれに続く成形加工を施して用いることができ、例えばフィルムの延伸配向加工によって機械強度の向上されたフィルムの成形や、複屈折を制御した光学補償フィルムとすることができる。
また、フィルムの表面処理として、ハードコートを行い傷つき防止を図ったり、導電層を設けて利用することなども可能である。更に、フィルムを単独で用いる以外に同種のフィルムと、或いは異なるフィルムとの積層したものとして利用することもできる。
本発明のフィルムの製造方法により得られるフィルム、その中でも共重合体(a)及びアクリロニトリル−スチレン系共重合体(b)からなるフィルムは、透明性及び耐熱性に優れるものとなる。また、これを延伸配向させることで得られたものは複屈折性を示す光学補償フィルムとして、単独での使用以外に、同種光学材料及び/又は異種光学材料と積層したものとしてさらに光学特性を制御する目的のために用いることができる。この際、ポリビニルアルコール/色素/アセチルセルロースなどの組み合わせからなる偏光板、ポリカーボネート製位相差フィルムなどを積層して利用することができ液晶表示素子用の光学補償部材として好適に用いることができる。そのようなものとしては、例えばSTN型LCD、TFT−TN型LCD、OCB型LCD、VA型LCD、IPS型LCDなどのLCD用の位相差フィルム;1/2波長板;1/4波長板;逆波長分散特性フィルム;光学補償フィルム;カラーフィルター;偏光板との積層フィルム;視野角改良フィルム;偏光板光学補償フィルムなどが挙げられる。
本発明のフィルムの製造方法は、反りや亀裂などの欠陥のないフィルムの製造方法として好適に用いることができる。
以下に、本発明を実施例にて具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。各物性値の測定方法を以下に示す。
〜重量平均分子量及び数平均分子量の測定〜
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製、商品名HLC−802A)を用い測定した溶出曲線により、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びその比である分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
〜フィルム成形加工によるフィルム外観判定〜
フィルムの外観として2次乾燥前のフィルム巻き出し時のフィルムの反りと亀裂発生の有無及び、2次乾燥後の反り、亀裂発生の有無により優劣判定を実施した。
判定基準は以下の通りである。
良好;フィルムに亀裂、反りの発生がないもの。
不良;フィルムに亀裂、反りの発生があるもの。
〜フィルム中の残存溶剤量の測定〜
フィルム中の残存溶剤量として、フィルムを160℃にて2時間加熱、乾燥後の重量を求め、(乾燥前重量−乾燥後重量)/乾燥前重量により残存溶剤量を計算した。
合成例1(N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体の調製例)
1リットルオートクレーブ中に重合溶媒としてトルエン400ml、重合開始剤としてパーブチルネオデカノエート0.001モル、N−フェニルマレイミド0.42モル、イソブテン0.67モルとを仕込み、重合温度60℃、重合時間5時間の重合条件にて重合反応を行い、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体(重量平均分子量(Mw)=220,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で示される分子量分布(Mw/Mn)=2.6)を得た。
実施例1
合成例1により得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体50重量%及びアクリロニトリル−スチレン共重合体(ダイセルポリマー製、商品名セビアンN050、重量平均分子量(Mw)=130000、アクリロニトリル残基単位:スチレン残基単位(重量比)=24.5:75.5)50重量%からなるブレンド物を調整し、該ブレンド物の濃度が25重量%となるように塩化メチレン溶液を調整した。
該塩化メチレン溶液を図1に示す塗工ヘッドにより、基材であるPETフィルム上にブレードヘッドとPETフィルムとの隙間を0.6mm、基材ライン速度を1.2m/min.、流延部分の幅450mmの流延条件で溶液流延を行った。そして、図2に示す工程により該溶液流延後の基材上での1次乾燥及びロール状での巻き取りを行った。その際のライン速度は1.2m/min.、第1乾燥炉温度は30℃、第2乾燥炉温度は45℃であった。続いて、巻き取った基材ロールより基材を巻き出す際に図3に示すようにフィルム両端部から20mmの幅で基材であるPETフィルム及びフィルムを裁断し、両端部を除去した。その後、溶液流延した中央流延部分のフィルムのみを基材から剥離し、図4に示す工程によりフィルムの2次乾燥及びフィルムのロール状での巻き取りを行った。その際の第3乾燥炉温度は80℃、第4乾燥炉温度は120℃であった。また、2次乾燥前に基材を巻き出した際に、裁断後フィルムに亀裂、反りは観察されずフィルムとして良好なものであり、該フィルムの残存溶剤量は20重量%であった。
2次乾燥後得られたフィルムの残存溶剤量は1重量%未満であり、亀裂及び反りなどは見られず、良好なフィルムであった。
実施例2
2次乾燥前のフィルム両端部の裁断幅20mmの代わりに45mmとした以外は、実施例1と同様の方法により、フィルムを得た。
得られたフィルムの残存溶剤量は1重量%未満であり、2次乾燥前の裁断後フィルム及び2次乾燥後のフィルムに亀裂及び反りなどは見られず、良好なフィルムであった。
実施例3
2次乾燥前のフィルム両端部の裁断幅20mmの代わりに10mmとした以外は、実施例1と同様の方法により、フィルムを得た。
得られたフィルムの残存溶剤量は1重量%未満であり、2次乾燥前の裁断後フィルム及び2次乾燥後のフィルムに亀裂及び反りなどは見られず、良好なフィルムであった。
比較例1
2次乾燥前のフィルム両端部裁断を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法にてフィルムの製造を試みた。
2次乾燥前に基材を巻き出し、フィルムを剥離した際のフィルムの反りが激しく、フィルム両端部分には無数の亀裂が見られ、2次乾燥を行うことは困難であり、フィルムを得ることは出来なかった。
比較例2
2次乾燥前のフィルム両端部の裁断幅20mmの代わりに5mmとした以外は、実施例1と同様の方法にてフィルムの製造を試みた。
裁断後フィルムを剥離した際の反りが激しく、フィルム両端部分には無数の亀裂が見られ、2次乾燥を行うことは困難であり、フィルムを得ることは出来なかった。
;樹脂溶液を溶液流延するための塗工ヘッドの概略図である。 ;2)工程の1次乾燥及び基材巻取りまでの概略図である。 ;3)工程の2次乾燥前のフィルム巻き出し、フィルム両端部の裁断及び裁断後の分離工程の概略図である。 ;2次燥後前のフィルム巻き出し、裁断、4)工程の2次乾燥及びフィルム巻取りまでの概略図である。
符号の説明
(a);溶液溜り
(b);ブレードヘッド
(c);溶液遮蔽ガイド板
(d);PETフィルム
(e);第1乾燥炉
(f);第2乾燥炉
(g);フィルム巻取り機
(h);フィルム巻き出し機
(i);フィルム裁断装置
(j);裁断除去した部分
(k);基材及び裁断除去されたフィルムの回収機
(l);第3乾燥炉
(m);第4乾燥炉
(n);フィルム巻取り機

Claims (3)

  1. 溶液流延法によりフィルムを製造する際に、少なくとも下記の1)〜4)の工程を経ることを特徴とするフィルムの製造方法。
    1)樹脂溶液を基材上に溶液流延する工程。
    2)1)工程により得られた基材を1次乾燥し樹脂溶液のフィルム化を行い、その後基材上にフィルムをのせたまま基材をロール状に巻き取る工程。
    3)2)工程により得られたロール状基材を巻き出し、1次乾燥後のフィルムの両端から幅10mm以上50mm未満で裁断し、フィルム両端部を除去する工程。
    4)3)工程により得られた両端部除去フィルムの2次乾燥を行い、その後2次乾燥後のフィルムをロール状に巻き取る工程。
  2. フィルムを構成する樹脂が、下記の式(i)で表されるオレフィン残基単位と下記の式(ii)で表されるN−フェニル置換マレイミド残基単位からなり、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量5×10以上5×10以下である共重合体(a)30〜95重量%、及び、アクリロニトリル残基単位:スチレン残基単位=20:80〜40:60(重量比)であり、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量5×10以上5×10以下であるアクリロニトリル−スチレン系共重合体(b)70〜5重量%からなることを特徴とする請求項1に記載のフィルムの製造方法。
    Figure 2006342229
    (ここで、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
    Figure 2006342229
    (ここで、R4、R5はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であり、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立して水素、ハロゲン系元素、カルボン酸、カルボン酸エステル、水酸基、シアノ基、ニトロ基又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状アルキル基である。)
  3. 共重合体(a)がN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体であることを特徴とする請求項2に記載のフィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015113397A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 住友化学株式会社 表面改質されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの製造方法及び偏光板の製造方法

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