JP2006341749A - フロアカーペット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体フロア4の上に敷くフロアカーペットであって、表皮層1の下側に、上側から、面密度が大きい質量層2と弾性体からなる弾性層3とが積層されて一体に成形され、上記弾性層3の下面が車体フロアに接するように配置されるフロアカーペットである。上記質量層2と弾性層3の組合せからなる積層部X、Yを、2組以上用意して、その各組を上記表皮層1の下側に沿って分散配置すると共に、各積層部X、Yの質量層2の質量および弾性層3の弾性の少なくとも一方を相互に異ならせる。
【選択図】 図1
Description
すなわち、上述のように、フロアパネルとクッション層とを接着しても、クッション層は弾性を持つために変位が自在であることから、クッション層をバネ、カーペット本体をマスとした振動系が残る。そのため、その振動系とフロアパネルとの共振が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、フロアカーペットとフロアパネルもしくはタイヤ空洞共鳴との間で発生する連成による共振をより有効に抑制することを課題としている。
上記質量層と弾性層の組合せを、2組以上用意して、その各組を上記表皮層の下側に沿って分散配置すると共に、上記各組の質量層の質量および弾性層の弾性の少なくとも一方を相互に異ならせることを特徴とするものである。
図1は、本実施形態のフロアカーペットの断面図である。
本実施形態のフロアカーペットは、図1に示すように、上側から表皮層1、面密度が大きい質量層2、および弾性を持った弾性層3の3層が積層され一体に成形され、弾性層3の下面が車体フロア4に接するように配置されて使用される。
表皮層1の下側に位置する質量層2及び弾性層3からなる積層部は、図1に示すように、左右両側部分の積層部(以下、第1積層部Xと呼ぶ。)と中央部分の積層部(以下、第2積層部Yと呼ぶ。)で異なる。すなわち、表皮層1の下側に沿って、図1中左右方向に交互に第1積層部Xと第2積層部Yとが分散配置されている。
すなわち、各積層部X、Yにおける、質量層2をマス、その下の弾性層3をバネとする共振を、タイヤの空洞共鳴周波数(T)と連成しない任意の周波数に変更するために、フロアの各パネル面積の1/2づつに、つまり第1積層部Xと第2積層部Yの面積が等しくなるように分散配置する。図1では、左右の第1積層部Xの幅を合わせた長さ(A1+A2)と中央の第2積層部Yの幅(B)とが等しくなるように設定する。また、第2積層部Yの質量層2の質量に対し、第1積層部Xの質量層2の質量が4倍以上となるように形成する。図1では、第1積層部Xの質量層2と第2積層部Yの質量層2とを同一の材質で構成すると共に、第1積層部Xの質量層2の厚さt1を、第2積層部Yの質量層2の厚さt2の4倍以上となるように設定することで実現している。
f2=(1/2π)√(K/M2)
f1=(1/2π)√(K/M1)
また、M1=(A1+A2)×L×t2×ρ(:ρは密度)
=B×L×4×t1×ρ=4×M2である。
このように、上記構成を採用することで、第1積層部Xの固有振動数f1は、第2積層部Yの固有振動数f2の1/2に設定できることから、その平均値をタイヤ空洞共鳴で問題となる周波数域Tとなるように設定することで、両積層部X、Yの固有振動数を、1/(√2)以下と(√2)以上に設定される。例えば、第1積層部Xの固有振動数f1を0.71×Tにすれば、第2積層部Yの固有振動数f2は、1.4Tに設定される。
タイヤ空洞共鳴に伴うサスペンションからの振動入力によるカーペット表皮の振動Xt、カーペット自体の振動Xc、任意の周波数ωによる振動入力をX0とし、タイヤ空洞共鳴周波数Tに対する任意の周波数比(ω/T)を横軸、振動入力X0に対する各振動の比を(X/X0)を縦軸に表したものを図3に示す。
上記連成を防止する為には、タイヤサイズとタイヤ内空気温度で一義的に決まるタイヤ空洞共鳴周波数Tに対し、完全に連成が外れる0.7T以下もしくは1.4T以上の周波数域にカーペット共振ωcを持っていけばよい。
仮に0.7T以下の領域にカーペット共振を持っていった場合、タイヤ空洞共鳴周波数域はカーペット振動の防振領域(振動倍率が1以下)となり、トータルの振動レベルも連成していたものよりも大幅に低下する(図4参照)。
また、上記効果はωcを下げているだけであるが、実際には遮音性能、質量条件から一義的な変更は難しい。本実施形態では、カーペット共振を均一材料で決定される一共振周波数だけでなく、タイヤ空洞共鳴周波数Tの0.7T以下、1.4T以上の2つ以上の共振周波数領域に分散させることで、元々のカーペット質量そのままで遮音性能を低下させず、カーペット自体の振動レベルも分散され、より室内空気の加振力も任意の周波数で低下させる事が可能となる。
また、所定方向に沿って質量層2に断面積差をつけることで、左右方向中央の質量層の厚さが相対的に薄くなることでカーペットを丸める事が容易となり、作業性も向上する。なお、両積層部X、Yの分散配置は上記例に拘らない。
ここで、上記実施形態では、質量が異なる積層部の種類が2種類の場合を例示しているが、3種類の質量が異なる積層部を分散配置しても良い。この場合でも各積層部の固有振動数を、タイヤ空洞共鳴周波数Tの0.7T以下、1.4T以上となるように設定する。
なお、図1においては、表皮層1の材質をナイロンBCF(面密度0.4kg/m2)、質量層2の材質をUBEポリエチレン(面密度4.0kg/m2)、弾性層3は空気層、t1=3.1mm、t2=1.3mm、t3=10mm、厚さt1相当のA1部とA2部を合わせた面積が2.0m2、厚さt2相当のB部の面積が1.3m2としたときに、図6の効果が得られる。
タイヤ空洞共鳴周波数Tについては、タイヤサイズ、及びそのタイヤ内の空気温度により一義的に決定する為、カーペットの各積層部の固有振動数については、単に採用するタイヤサイズ、タイヤ空気温度条件により計算上決定すれば良い。
2 質量層
3 弾性層
4 車体フロア
X 第1積層部
Y 第2積層部
Claims (9)
- 車体フロアの上に敷くフロアカーペットであって、表皮層の下側に、上側から、面密度が大きい質量層と弾性体からなる弾性層とが積層されて一体に成形され、上記弾性層の下面が車体フロアに接するように配置されるフロアカーペットにおいて、
上記質量層と弾性層の組合せを、2組以上用意して、その各組を上記表皮層の下側に沿って分散配置すると共に、上記各組の質量層の質量および弾性層の弾性の少なくとも一方を相互に異ならせることを特徴とするフロアカーペット。 - 上記分散配置される質量層と弾性層の組合せは、2組であることを特徴とする請求項1に記載したフロアカーペット。
- 質量層と弾性層の組合せからなる上記各組の固有振動数の平均値を、車体フロアの固有振動数もしくはタイヤ空洞共鳴周波数に一致させることを特徴とする請求項2に記載したフロアカーペット。
- 一方の組の固有振動数を車体フロアの固有振動数の1/(√2)以下に設定し、他方の組の固有振動数を車体フロアの固有振動数の(√2)以上に設定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載したフロアカーペット。
- 一方の組の固有振動数をタイヤ空洞共鳴周波数の1/(√2)以下に設定し、他方の組の固有振動数をタイヤ空洞共鳴周波数の(√2)以上に設定することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載したフロアカーペット。
- 2組の質量層と弾性層との組合せは、相対的に、質量層の層厚が厚く且つ弾性層の層厚が薄いものと、質量層の層厚が薄く且つ弾性層の層厚が厚いものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載したフロアカーペット。
- 2組の質量層と弾性層の組合せは、所定方向に沿って交互に配置されることで分散配置されていることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載したフロアカーペット。
- 上記各組の平面展開した際の各組の面積を等しくすると共に厚さも等しくし、且つ一方の組の質量層の厚さを、他方の組の質量層の厚さの4倍以上とすることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれか1項に記載のフロアカーペット。
- 各組の弾性層は、面密度を異ならせることで相互の質量を変えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したフロアカーペット。
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