JP2006341481A - 乾燥の難易に基づく原木の選択製材方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原木の乾燥の難易をしきい値に基づいて判別し、乾燥困難な原木は角材とせず板材に製材することで、乾燥効率がよくて、乾燥中の欠陥の発生も抑えられるため、能率、歩留、品位に優れた乾燥製品を得ることが可能な原木の選択製材方法を提供すること。
【解決手段】原木を製材する前に、原木の重量と長さと直径の計測を行い、長さと直径の計測値から原木の体積求め、この体積と全乾比重から原木の全乾重量を求め、更に該全乾重量と前記原木の重量とから原木の含水率を求めて、求めた含水率を経験則等に基づいて設定した原木の角取りに適さない含水率のしきい値と比較し、しきい値よりも低い場合は、原木の角取りを主体とした製材を行い、しきい値よりも高い場合は、原木の板取り製材を行うようにしたこと。
【選択図】図1
【解決手段】原木を製材する前に、原木の重量と長さと直径の計測を行い、長さと直径の計測値から原木の体積求め、この体積と全乾比重から原木の全乾重量を求め、更に該全乾重量と前記原木の重量とから原木の含水率を求めて、求めた含水率を経験則等に基づいて設定した原木の角取りに適さない含水率のしきい値と比較し、しきい値よりも低い場合は、原木の角取りを主体とした製材を行い、しきい値よりも高い場合は、原木の板取り製材を行うようにしたこと。
【選択図】図1
Description
本発明は、原木の乾燥の難易に基づいて角取りと板取りを選択的に行なう製材方法に関する。
製材業界では未乾燥の原木を乾燥の難易に関わらず、最大の角材が取れるように製材し、その余材から板材を取るように製材して角材及び板材製品を得て、得た製品には乾燥の難易度に大きな差異があるため、製品の重量体積を計測することで、これら計測値に基づいた含水率を求め、この含水率に基づく区分を行って、区分毎に異なる乾燥条件を設定することで、乾燥の効率を高めるとともに、ひび割れや反り、曲り、捩じれ等の欠陥の発生が少ない製品を得るようにしている。(例えば特許文献1参照)
特開平10−132845号(第2頁、第3頁及び図1)
しかしながら、原木の含水率が高過ぎるか、原木の心材部と全体との面積比が多過ぎる等の原木は、角材にすると含水率区分ごとに乾燥条件を設定するなどの調整を行っても、角材は乾燥効率が悪くて、乾燥中にひび割れや反り、曲り、捩じれ等の欠陥を生じて、乾燥製品を得る能率と歩留が芳しくない問題点がある。
本発明は、前記問題点を解消し、原木の乾燥の難易をしきい値に基づいて判別し、乾燥困難な原木は角材とせず板材に製材することで、乾燥効率がよくて、乾燥中の欠陥発生も抑えられるため、能率、歩留、品位に優れた乾燥製品を得ることが可能な原木の選択製材方法を提供することをその課題とする。
前記課題を解決するため本発明に係る乾燥の難易に基づく原木の選択製材方法は、下記の方法を採用することを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、原木を製材する前に、原木の重量と長さと直径の計測を行い、長さと直径の計測値から原木の体積求め、この体積と全乾比重から原木の全乾重量を求め、更に該全乾重量と前記原木の重量とから原木の含水率を求めて、求めた含水率を経験則等に基づいて設定した原木の角取りに適さない含水率のしきい値と比較し、しきい値よりも低い場合は、原木の角取りを主体とした製材を行い、しきい値よりも高い場合は、原木の板取り製材を行うようにしたこと。
請求項2に記載の発明は、原木を製材する前に、原木を製材する前に、その木口面の画像を撮って画像処理することで原木の径級と心材部と全体との面積比を求め、求めた面積比を径級等を勘案して経験則に基づき設定した原木の角取りに適さない面積比のしきい値と比較して、しきい値よりも小さい場合は、原木の角取りを主体とした製材を行い、しきい値よりも大きい場合は、原木の板取り製材を行うようにしたこと。
請求項1に記載の発明の効果
製材する前に原木の含水率を重量と体積と比重とに基づいて求め、この含水率を経験則等に基づいて設定した角材の製材には適さない含水率のしきい値と比較して、含水率がしきい値以下であれば、原木の角取りを主体とした製材、即ち、先ず角材を取って余材から板材を取る製材を行ない、含水率がしきい値以上であれば、原木から板材だけ取る製材を行なうことにすれば、柱材も乾燥効率がよくなって、乾燥中にひび割れ、曲り、反り、捩れ等の欠陥を殆ど生ずることなく、可及的速やかに乾燥製品となるので、すべての原木を角取り主体で製材した従来の方法に比べて、生産の能率、歩留、品位の向上が図れる。
製材する前に原木の含水率を重量と体積と比重とに基づいて求め、この含水率を経験則等に基づいて設定した角材の製材には適さない含水率のしきい値と比較して、含水率がしきい値以下であれば、原木の角取りを主体とした製材、即ち、先ず角材を取って余材から板材を取る製材を行ない、含水率がしきい値以上であれば、原木から板材だけ取る製材を行なうことにすれば、柱材も乾燥効率がよくなって、乾燥中にひび割れ、曲り、反り、捩れ等の欠陥を殆ど生ずることなく、可及的速やかに乾燥製品となるので、すべての原木を角取り主体で製材した従来の方法に比べて、生産の能率、歩留、品位の向上が図れる。
請求項2に記載の発明の効果
製材する前に原木の木口から画像を撮って画像処理をすることで原木の径級と心材部と全体の面積比を求め、この面積比を径級等を勘案して経験則等に基づき設定した角材の製材には適さない面積比のしきい値と比較して、しきい値以下であれば、原木の角取りを主体とした製材、即ち、先ず角材を取って余材から板材を取る製材を行ない、面積比がしきい値以上であれば、原木から板材だけ取る製材を行なうようにすれば、製材して得た柱材も乾燥し易い状態にあるため、乾燥効率がよくて、乾燥中にひび割れ、曲り、反り、捩じれ等の欠陥を殆ど生ずることなく可及的速やかに乾燥製品となるので、すべての原木を角取り主体で製材した従来の方法に比べて、生産の能率、歩留、品位の向上が図れる。
製材する前に原木の木口から画像を撮って画像処理をすることで原木の径級と心材部と全体の面積比を求め、この面積比を径級等を勘案して経験則等に基づき設定した角材の製材には適さない面積比のしきい値と比較して、しきい値以下であれば、原木の角取りを主体とした製材、即ち、先ず角材を取って余材から板材を取る製材を行ない、面積比がしきい値以上であれば、原木から板材だけ取る製材を行なうようにすれば、製材して得た柱材も乾燥し易い状態にあるため、乾燥効率がよくて、乾燥中にひび割れ、曲り、反り、捩じれ等の欠陥を殆ど生ずることなく可及的速やかに乾燥製品となるので、すべての原木を角取り主体で製材した従来の方法に比べて、生産の能率、歩留、品位の向上が図れる。
以下に本発明に係る原木の含水率に基づく選択製材方法の実施形態を説明図に基づいて説明する。
この実施例は、原木の含水率に基づいて角取りと板取り選択的に行なう製材方法に関するものであって、原木1を図1示す通りプリセット装置Aの取り込みコンベヤ2へ取り込み、このコンベヤ2の始端側に設けたロードセル3に受けさせて重量を計測し、計測した値をコンピュータ4へ入力する。そして、原木1はロードセル3から取り込みコンベヤ2へ移し、原木を両端把持して回転するチャック5,5の間へ送って、進退側のチャック5を軸方向へ進め原木1を把持させると、進退側チャック5に連係してその移動距離を計測するロータリーエンコーダー6が原木1の長さを求めてコンピュータ4へ入力する。次に、原木を把持したチャック5,5の回転側を動力7で回転させることで原木1を回転させ、原木1の周面へ所定の間隔で対設した複数個(図1においては5個)の距離センサ8によって原木1の周面各部の距離を計測させる。すると、距離センサ8は計測値をコンピュータ4へ入力し、コンピュータ4は入力値に基づいて各計測値の原木の断面の形状表示と面積の算出とを行い、更に、これら面積値と上記原木の長さとの積による原木の体積をも算出する。
前記のように原木1の重量と体積が求められたら、この重量、体積に原木1の材種別の標準比重か、必要に応じて産地特性等を勘案して修正を加えた比重を乗じ、原木の全乾重量をコンピュータ演算で求め、更に、数式1による計算をコンピュータ4で行わせて原木の含水率を求める。この原木1の含水率は、原木の樹種、産地、伐採期、伐採後の経過日数等によって著しく相違するものであって、建築用に多用される針葉樹のうち、国内産の杉材は、含水率が40%〜200%超の広範囲にわたる。そして、国内産杉材の場合、含水率が120%以上の原木は、角材に製材すると乾燥効率が悪くて、乾燥中にひび割れ、反り、曲り、捩じれ等の欠陥を生じ易いため、乾燥製品を得る能率、歩留、品位等が劣るものであって、この状況から含水率が120%以上の原木から角取りすることは好ましくない。
そこで、この実施例では原木が国内産の杉材の場合、含水率が上記120%以上のものは、角材に製材することなく板材に製材して、乾燥効率を上げるとともに、乾燥中にひび割れ、反り、曲り、捩れ等の欠陥を生じて不良品となるものを減少させ、含水率が120%以下の原木は角取りを主体とする製材を行なうことで、板材より付加価値が高い角材製品を能率、歩留、品位ともよく生産できるようにしたものであり、原木は総て角取りしてから、その余材より板材を取るという従来の製材方法を革新して成果をあげるために、角取りと板取り選択する境界となるしきい値の選択が極めて重要である。このため、材種、産地、季節、伐採期、伐採後期間、その他の各種条件を充分に勘案して適切な値に設定するようにする。
上記の通り含水率を求めた原木1は、図面には示してない移載手段で図2に示すツインバンドソー9,9の送材車10に設けたチャック11,11へ移してチャックキングさせ
、含水率が120%以下であれば、図3に一例を示す角取り主体の木取りパターン図Bに従って、図4(a)に示す通り、上記ツインバンドソー9,9で第1の余材a,aと第2の余材b,bと角取り部cとに挽き分ける。次に、角取り部cを図4(b)に示す通り90°回転させて、ツインバンドソー9,9で両側の第3の余材d,dと製品角材(イ)とに挽き分ける。また、第1の余材a,aと第3の余材d,dとは、図5(a)に余材aについて示す通り、横型バンドソー12で背部eを挽き落した後、図5(b)に示す通りダ
ブルエッジャー13,13で両耳部f,fを挽き落して2枚の製品板材(ロ)を得る。更に、第2の余材b,bは、図5(c)に示す通りダブルエッジャー13,13で両耳部g,gを挽き落して2枚の製品板材(ハ)を得ることで、含水率がしきい値以上の原木1では角取り主体の製材を行なう。
、含水率が120%以下であれば、図3に一例を示す角取り主体の木取りパターン図Bに従って、図4(a)に示す通り、上記ツインバンドソー9,9で第1の余材a,aと第2の余材b,bと角取り部cとに挽き分ける。次に、角取り部cを図4(b)に示す通り90°回転させて、ツインバンドソー9,9で両側の第3の余材d,dと製品角材(イ)とに挽き分ける。また、第1の余材a,aと第3の余材d,dとは、図5(a)に余材aについて示す通り、横型バンドソー12で背部eを挽き落した後、図5(b)に示す通りダ
ブルエッジャー13,13で両耳部f,fを挽き落して2枚の製品板材(ロ)を得る。更に、第2の余材b,bは、図5(c)に示す通りダブルエッジャー13,13で両耳部g,gを挽き落して2枚の製品板材(ハ)を得ることで、含水率がしきい値以上の原木1では角取り主体の製材を行なう。
これに対して、含水率が120%以上の原木1は、図6に一例を示す板取りパターン図Cに従って、図7(a)に示す通り、ツインバンドソー9,9で両側の端材a,aと余材b,bと板取り部cとに挽き分ける。次に、板取り部cを図7(b)に示す通り90°回転させて、ツインバンドソー9,9で両側の端材d,dを挽き落した後、ギャングソー14で5枚の製品板材(イ)を挽き分ける。また、余材b,bは図7(c)に示す通り、ダブルエッジヤー13,13で両耳部e,eを挽き落として2枚の製品板材(ロ)を得ることで、含水率がしきい値以上の原木1では板取り製材を行なうようにする。
上記の通り、製材前に原木の含水率を求め、この含水率が設定したしきい値以下であれば角取りを主体とした製材を行い、しきい値以上であれば板取りをする製材を選択的に行なえば、製材して得られた角材も板材も乾燥し易くなるため、乾燥効率がよくて、乾燥中にひび割れ、反り、曲り、捩じれ等の欠陥を生じにくいから、角材、板材を問わず乾燥製品を能率、歩留、品位よく生産することができて有効である。
この実施例は、原木の心材部と全体との面積比率に基づいて角取りと板取りを選択的に行なう製材方法に関するものであって、原木1を図8示す通りプリセット装置Aの取り込みコンベヤ2へ取り込み、このコンベヤ4の始端側において一時停止させて、木口に対設してあるビデオカメラ15で木口の画像を撮影しコンピュータ4へ入力する。すると、コンピュータ4が画像処理によって、木口面における辺材部(白太部)16と心材部(赤身部)17とを図8の円内に示す通り弁別検知し、この心材部17の面積が全体面積の何%に相当するかの面積比を算出すると共に、原木の径級をも算出して表示する。
上記の通り算出表示された心材部17と全体との面積比は、これが大きいほど含水率が高くて硬質である部分が多く、製品の乾燥効率が悪くて、乾燥中の欠陥の発生による不良品率も高い傾向にあるので、この面積比によって角取りの製材を行なうか、板取りの製材を行うかの選択を行なうことが可能であり、原木が国内産の径級20cm以上の杉材である場合、心材部17と全体の面積比は概ね30%〜80%の範囲内にあって、上記面積比が60%以上であると原木の角取りには適さない場合が多い。
そこで、この実施例では原木が国内産の径級20cm以上の杉材の場合、心材部17と全体との面積比が60%以上の原木は、角材に製材することなく板材に製材して、乾燥製品を得る時間の短縮と乾燥中に欠陥を生じて不良品となるものを減少させ、また、心材部17と全体との面積比が上記60%以下の原木は角取りを主体とする製材を行なうことによって、板材より付加価値の高い角材を能率と歩留まりよく得るようにし、原木は総て角取りしてから、その余材より板材を取るという従来の製材方法を革新して成果をあげるために、角取りと板取り選択する境界となるしきい値の選択は極めて重要である。このため
、面積比のしきい値は最も大きな影響を受ける原木の径級の他、原木の材種、産地、季節、伐採期、伐採後の期間、その他の各種条件を充分に勘案して適切な値に設定するようにする。
、面積比のしきい値は最も大きな影響を受ける原木の径級の他、原木の材種、産地、季節、伐採期、伐採後の期間、その他の各種条件を充分に勘案して適切な値に設定するようにする。
上記の通り木口の画像から心材部18と全体との面積比を求めた原木1は、上記面積比が60%以下であれば、図9に示す角取りパターン図Dに従って、原木1から1本の製品角材(イ)と、3種類の製品板材(ロ)(ハ)(ニ)をそれぞれ2枚ずつ取る角取り主体の製材を行ない、上記面積比が60%以上であれば、図10に示す板取りパターン図Eに従って、原木1から3種類の製品板材(イ)(ロ)(ハ)を(イ)8枚、(ロ)2枚、(ハ)2枚ずつ取る板取り製材を行なうものであるが、これらの製材操作は上記実施例1における0014及び0015欄の説明に準じて行なうものであるから、製材操作を解説する図面並びに詳細な説明は省略する。
本発明は、未乾燥の原木から能率、歩留、品位ともに良い乾燥製材品を得るのに利用できる。
1 原木
17 心材部
17 心材部
Claims (2)
- 原木を製材する前に、原木の重量と長さと直径の計測を行い、長さと直径の計測値から原木の体積を求め、この体積と全乾比重から原木の全乾重量を求め、更に該全乾重量と前記原木の重量とから原木の含水率を求めて、
求めた含水率を経験則等に基づいて設定した原木の角取りには適さない含水率のしきい値と比較し、
しきい値よりも低い場合は、原木の角取りを主体とした製材を行い、しきい値よりも高い場合は、原木の板取り製材を行うようにした
ことを特徴とする乾燥の難易に基づく原木の選択製材方法。 - 原木を製材する前に、その木口面の画像を撮って画像処理することで原木の径級と心材部と全体との面積比を求め、
求めた面積比を径級等を勘案して経験則に基づき設定した原木の角取りに適さない面積比のしきい値と比較して、
しきい値よりも小さい場合は、原木の角取りを主体とした製材を行い、しきい値よりも大きい場合は、原木の板取り製材を行うようにした
ことを特徴とする乾燥の難易に基づく原木の選択製材方法。
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JP2005169107A JP2006341481A (ja) | 2005-06-09 | 2005-06-09 | 乾燥の難易に基づく原木の選択製材方法 |
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WO2010076394A1 (en) * | 2009-01-02 | 2010-07-08 | Korwensuun Konetehdas Oy | Method for processing of wood |
KR20180048064A (ko) * | 2016-11-02 | 2018-05-10 | 주식회사 엘지화학 | 불완전하게 건조된 원료의 검출, 제거, 이송 및 회수 시스템 |
JP6416355B1 (ja) * | 2017-10-03 | 2018-10-31 | 住友林業株式会社 | 固有振動数により丸太の含水率を測定する方法 |
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2005
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