JP2006339954A - スクリーン及び画像投影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 スクリーンに穴を開けることなく、臨場感のある音響効果をもたらすことが可能な音響スクリーンを提供することを目的とする。
【解決手段】 画像情報を表示するスクリーン面と、そのスクリーン面の裏面に形成した圧電層と、この圧電層に電力を供給する手段と、供給する電力を音響信号に従って変調する手段とを有する構造とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 画像情報を表示するスクリーン面と、そのスクリーン面の裏面に形成した圧電層と、この圧電層に電力を供給する手段と、供給する電力を音響信号に従って変調する手段とを有する構造とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶プロジェクタなどのプロジェクタから光学画像を投影して表示させると同時に音声を出す音響スクリーン、および、このスクリーンを用いて画像表示を行う画像投影システムに関する。
高輝度CRTや液晶プロジェクタなどを用いて光画像を投影して画像を表示するプロジェクション装置等の画像投影システムは、大画面で高精彩な画像を簡便に表示できるため、複数の使用者との情報コミュニケーションツールとして多様に利用されるようになってきた。このプロジェクタ用スクリーンには、光反射率の高い白色素材や光反射膜を表面に被覆した構造とすることで光利用効率を向上させたり、表面にビーズを散布して光拡散により複数の観察者に対する視認性を向上させたりする工夫がされてきた。
また、映像と同時に重要な情報となる音声情報は、スクリーン背後に設置されたスピーカや、スクリーンを避けて天井や床上に配置されたスピーカによって供給される。特に、スクリーン背後にスピーカを配する場合は、映像源と音源とが一致するために臨場感のある映像を制作することができるが、スクリーンが音を遮断するのを防ぎ、鮮明な音声を供給するために、左右に配されたスピーカ位置に対応したスクリーン面に穴を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。さらにまた、スクリーン全面に無数の微小穴を形成したスクリーンや布地スクリーンを用いるなどの技術は古くから知られていた。
特開平9−325421号広報(第3頁、第1図)
しかしながら従来の音響スクリーンは、スクリーンに穴を開けるための加工を施すために映像投影面積が狭くなるという課題を有していた。さらにまた、スクリーン面全面に無数の微小穴を開口することは技術的に高度であるためにスクリーン価格を高くする原因となっていた。さらにまた、布地スクリーンを用いる場合は、スクリーンゲインや指向性などの光学特性を制御することが困難であるという課題を有していた。そこで、本発明は、スクリーンに穴を開けることなく、臨場感のある音響効果をもたらすことが可能な音響スクリーンを提供する。
上記の課題を解決するために、本発明のスクリーンは、画像情報を表示するスクリーン面と、そのスクリーン面の裏面に形成された圧電層と、この圧電層に電力を供給する手段と、圧電層に供給する電力を音響信号に従って変調する手段を備える構成とした。このような構成によって、スクリーン面に穴を開けることなく、スクリーン面から直接音声を出力することが可能となり、また音源がスクリーン上にあるために臨場感のある音響効果を作り出すことが可能となる。
また、圧電層の形成領域をスクリーン面の裏面で複数の領域に分割し、さらにその分割した各領域に対して互いに独立した音響信号を与える構造とした。このような構成によって、スクリーン面上の任意の位置から任意の音響信号を発生させることが可能となり、その結果、より臨場感のある音響効果を実現することができる。
圧電層として、圧電性を有する高分子フィルム、特にPVDFやPVF2などの圧電性フッ化物樹脂フィルムが用いられる。これらの圧電性高分子フィルムを用いることによって、スクリーンの柔軟性を保った状態で音声を出力することができる。さらに、フッ化物樹脂フィルムは透光性フィルムであるため、本発明のスクリーンを透過型スクリーンとして用いても、光学特性に影響を与えることがない。
本発明のスクリーンは、スクリーン面から直接音響信号を出力できるために、臨場感の高い音響効果を作り出すことができる。また、その結果、スピーカ設置場所も不要となるためスクリーン環境スペースを効率的に使用できるという効果もある。
また、圧電層をスクリーン面の裏面で分割することによって、スクリーン上の任意の場所から音声を発生させることができるために、臨場感を高める効果を有する。例えば、映像情報の制作時に、音声発生場所とそこに表示させる画像情報との対応関係を予め設定しておくことによって、この効果をさらに高めることができる。もちろん、左右にずれた音声発生場所に対して、ステレオ信号を入力することによって立体感のある音響効果を得ることもできる。
本発明のスクリーンは、画像情報が表示されるスクリーン面の裏側に圧電層と、圧電層に電力を供給する電極が形成されている。変調回路は、音源回路から供給された音声信号に従って変調した電圧を電極に供給する。その結果、圧電層は変調電圧に従って振動して音声が発生する。
電極は圧電層を狭持する第一駆動電極と第二駆動電極を含んでおり、少なくとも一方の駆動電極を複数の領域に分割して形成してもよい。その場合、複数の領域に分割された電極のうちのいくつかの電極に、同一の音声信号を供給してもよいし、互いに異なる音声信号がそれぞれに供給してもよい。
また、本発明の画像投影システムは、上述した構成のスクリーンと、このスクリーンに光画像を投影する光画像投影器を備えている。このような画像投影システムでは、スピーカの設置が不要になるとともに、臨場感の高い音響効果を得ることができる。
以下、スクリーンの実施例を詳細に説明する。
本実施例の音響スクリーンを図1に基づいて説明する。図1(a)は音響スクリーンの側面の構成を示す模式図であり、図1(b)は音響スクリーンの正面側の構成を示す模式図である。図1(b)に示すように、本実施例の音響スクリーンはスクリーン面1の裏面に圧電層2が設けられており、この圧電層2は互いに対向する第一駆動電極3と第二駆動電極4で挟まれた構造となっている。圧電層2としては、圧電定数の大きなPZTやPLZTなどの無機圧電セラミックスや、PVDFやPVF2などの圧電高分子フィルムを用いることができる。圧電層2にPLZT、PVDF、またはPVF2などの透明な圧電材料を用い、第一駆動電極3と第二駆動電極4に透明電極を用いることによって、スクリーンの光学特性に影響を与えないで音声を発生させることができる。この透明な圧電層を用いることは、背面から投影光を照射して画像を表示するリアスクリーンとして本発明のスクリーンを用いる場合に有効である。また、圧電層2として上記の圧電高分子フィルムを用いることによって、機械的強度に優れ巻き取り自在のスクリーンとすることも可能である。
この圧電層2は外部の音声信号源からの信号電圧を第一駆動電極3と第二駆動電極4の間に印加することによって任意の音声を発生させることが可能である。図1に示したように、駆動回路は電源5、変調回路6、音源回路7、およびこれらを電気的に接続する結線9〜13によって構成されている。そして、この駆動回路の一端は接地8に落とされている。音源回路7は図示していないプロジェクタの音声回路や、音響映像ディスクドライバーの音声回路などであり、スクリーンに投影される映像に対応した音声信号を変調回路6に供給する。変調回路6は音源回路7から供給された音声信号に従って圧電層2に印加される電圧を変調し、その結果、圧電層2は変調電圧に従って振動して音声を発生する。電源5はこの駆動回路に電力を供給する。
このように、本実施例のスクリーンはスクリーン裏面に形成された圧電層が振動して音声を発生させるために、スクリーンの側面や背面にスピーカを配する必要がない。また、音声の発生源がスクリーン全面であるために、スクリーンに投影された映像から直接音声が発生しているのと同様の効果を生じて臨場感の高い音響効果を作り出すことができる。
本実施例の音響スクリーンの構成を図2に模式的に示す。図2は投影面の反対側から見た状態を示している。本実施例のスクリーンでは、断面構造は実施例1の断面構造と同様であるが、第一駆動電極は面内で複数の部分に分割されて形成されており、これら分割された第一駆動電極3a、3b、3c、および3dと第二駆動電極4との間に独立に駆動電圧が印加されるように配線が形成されている。すなわち、音源回路7からの音声信号に乗せられた接続切り替え信号に従って、変調回路6は音声信号を配線10a〜10cに切り替えて各々独立に音声信号を送信する。その送信の仕方としては、各々の配線全てに異なった音声信号を送信することもできるし、複数の配線に同一の音声信号を送ることもできる。例えば、ステレオ信号の右音声信号は配線10aと10dに接続され、左音声信号は配線10bと10cに接続される。その結果、第一駆動電極3aと第二駆動電極4、および第一駆動電極3dと第二駆動電極4に狭持された圧電層2の右側領域に右音声信号が印加され、第一駆動電極3bと第二駆動電極4、および第一駆動電極3cと第二駆動電極4に狭持された圧電層2の左側領域に左音声信号が印加される。このようにして、本発明の音響スクリーンはステレオ音響効果を出すことができる。
ここでは、ステレオ音響効果を出す場合について説明したが、同様の方法を用いて、画面の上部分だけから音声を出したり、下部分だけから音声を出したりすることができる。例えば、映像情報に対応させて予め音声を出す圧電層領域をプログラム上決定しておき上映することができる。すなわち、スクリーン上の人物の動きに合わせて音の出る領域を移動させることも可能となる。このような構成によって、スクリーンが大きくなるほど、細かい領域に対応させて音声発生位置を変化させることが可能となり、より自然に近い臨場感のある音響効果を得ることが可能となる。
図2では、圧電層を4つの矩形領域に分割したが、分割数は2以上のそれ以外の数でも良い。さらにまた、領域の形状は矩形でなくても、三角形や六角形またはそれ以外の多角形や円形でも良い。さらに、第二駆動電極4を第一駆動電極3a〜3dの全てに共通する電極としたが、第二駆動電極4も第一駆動電極3a〜3dに対応させて分割しても良い。同様に、圧電層2を第一駆動電極3a〜3dに対応させて分割して形成しても良い。
以上説明したように、本発明の音響スクリーンは、スクリーン上に形成した圧電層から直接音声を発生させることができるために、臨場感の高い音響効果を出すことができると同時に、従来用いられてきたスピーカを省略することができる。さらに、圧電層の励起領域を分割することによって、スクリーン上での音声発生領域を選択することが可能となり、臨場感の高い音響効果を得ることができるようになった。
1 スクリーン面
2 圧電層
3 第一駆動電極
4 第二駆動電極
5 電源
6 変調回路
7 音源回路
8 接地
2 圧電層
3 第一駆動電極
4 第二駆動電極
5 電源
6 変調回路
7 音源回路
8 接地
Claims (8)
- 画像情報を表示するスクリーン面と、前記スクリーン面の裏面に形成された圧電層と、前記圧電層に電力を供給する電極と、前記供給する電力を音響信号に従って変調する変調回路と、を備えることを特徴とするスクリーン。
- 前記圧電層が圧電高分子材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
- 前記電極は、前記圧電層を狭持する第一駆動電極と第二駆動電極を含んだことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン。
- 前記圧電層は透明圧電材料で形成され、前記第一駆動電極および前記第二駆動電極は透明電極で形成されたことを特徴とする請求項3に記載のスクリーン。
- 前記第一駆動電極と前記第二駆動電極の少なくとも一方が、複数の領域に分割して形成されたことを特徴とする請求項3または4に記載のスクリーン。
- 前記複数の領域に分割された電極のうちのいくつかの電極には、前記変調回路から同一の音声信号が供給されることを特徴とする請求項5に記載のスクリーン。
- 前記複数の領域に分割された電極には、前記変調回路から互いに異なる音声信号がそれぞれ供給されることを特徴とする請求項5に記載のスクリーン。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載された構成のスクリーンと、前記スクリーンに光画像を投影する光画像投影器と、を備えることを特徴とする画像投影システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005161146A JP2006339954A (ja) | 2005-06-01 | 2005-06-01 | スクリーン及び画像投影システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005161146A JP2006339954A (ja) | 2005-06-01 | 2005-06-01 | スクリーン及び画像投影システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006339954A true JP2006339954A (ja) | 2006-12-14 |
Family
ID=37560106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005161146A Pending JP2006339954A (ja) | 2005-06-01 | 2005-06-01 | スクリーン及び画像投影システム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006339954A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009278498A (ja) * | 2008-05-16 | 2009-11-26 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | フレキシブルステレオスピーカ |
WO2014157351A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 富士フイルム株式会社 | 電気音響変換フィルム、電気音響変換器、フレキシブルディスプレイおよびプロジェクター用スクリーン |
JP2014195132A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Fujifilm Corp | 電気音響変換フィルム、フレキシブルディスプレイ、声帯マイクロフォンおよび楽器用センサー |
CN113794967A (zh) * | 2021-10-28 | 2021-12-14 | 业成科技(成都)有限公司 | 扬声器及电子装置 |
-
2005
- 2005-06-01 JP JP2005161146A patent/JP2006339954A/ja active Pending
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US9440259B2 (en) | 2013-03-28 | 2016-09-13 | Fujifilm Corporation | Electroacoustic conversion film, electroacoustic converter, flexible display, and projector screen |
CN113794967A (zh) * | 2021-10-28 | 2021-12-14 | 业成科技(成都)有限公司 | 扬声器及电子装置 |
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RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
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