JP2006338997A - 燃料電池用メタノール酸化触媒、直接メタノール型燃料電池用電極、及び直接メタノール型燃料電池 - Google Patents

燃料電池用メタノール酸化触媒、直接メタノール型燃料電池用電極、及び直接メタノール型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、貴金属使用量が少ないにも係らずメタノール酸化触媒活性に優れたメタノール酸化触媒を提供することを課題とするものである。
【解決手段】
本発明にかかるメタノール酸化触媒は、欠損部位含有ケギン型ヘテロポリオキソメタレート化合物であり前記欠損部位に少なくともルテニウムが導入されたヘテロポリオキソメタレート化合物と、白金と、炭素とを具備することを特徴とする。また、本発明は、このメタノール酸化触媒を具備する直接メタノール型燃料電池用電極、及びこの電極を用いた直接メタノール型燃料電池である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、直接メタノール型燃料電池の燃料極の電極反応の触媒として好適なメタノール酸化触媒、それを用いた直接メタノール型燃料電池用電極、及び直接メタノール型燃料電池に関する。
燃料電池では化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換できるので、例えば直接メタノール型燃料電池(DMFC)は変換効率が理論上97%、水素を燃料とする場合(PEFC)は理論上83%と高く、かつ環境に優しい発電手段として昨今注目を浴びている。
特に、DMFCでは液体燃料を直接供給するため改質器レスの上、低温運転に適していることから、携帯機器用二次電池代替電源としての期待が高い。
このような直接メタノール型燃料電池用のメタノール酸化触媒として現在主に使われているのは白金が一般であるが、中間生成物である一酸化炭素により白金表面が被毒される結果、触媒性能が著しく低下するといった問題点がある。
被毒を解消する手段として例えば白金/ルテニウム合金の使用が挙げられる。白金/ルテニウム合金ではルテニウム表面に吸着した酸素種が白金表面に吸着した一酸化炭素と反応するため一酸化炭素被毒が起こりにくく活性低下が抑えられると考えられる。しかしながら高価な貴金属を大量に消費してしまうといった欠点がある。また、数千程度の白金およびルテニウム原子が凝集し、数nmの粒子を一つ形成しているため酸化に寄与できるのは粒子表面に限られる。そのため合金内部の触媒は働いておらず触媒の有効活用の点で難があった。
また、白金とスズ、モリブデンなどに代表される卑金属との合金も一酸化炭素被毒解消に効果があるとされているが、酸性条件下では添加した金属が溶出するといった問題がある。
このような状況の中、触媒活性を示す金属の高分散化による触媒効率向上を期待して、ヘテロポリ酸化合物に白金等の触媒活性を有する金属を導入した化合物を使用することが提案されている。
特許文献1には、ヘテロポリ酸化合物とPt等の金属微粒子との混合物である燃料電池用メタノール酸化触媒が開示されている。ヘテロポリ酸自体にCO酸化に効果があるためかこの触媒は、白金に比べて若干高い触媒活性を示したが、白金/ルテニウム合金に比べて低いと考えられ、実用化するにはまだ不十分である。
また、非特許文献1には、ケギン型ヘテロポリオキソメタレートアニオン塩において、結晶構造中であるべき原子が欠けた欠損構造を有し、当該欠損構造に金属原子が結合したもの、すなわちポリ原子が他の金属元素に置換されたケギン型ポリオキソメタレート塩、具体的には、一欠損構造部位に白金を導入した白金一置換型ポリオキソメタレートアニオン塩を炭素に担持させたものを直接メタノール型燃料電池用触媒として使用することが開示されている。しかしながら、この触媒の触媒活性は白金の有効表面積あたりの活性に直すと白金とほぼ同じである。
特開2002−134122号 Electrochemical and Solid-State Letters, 7(6)A135-A137(2004) Pt-Coordinated Polyoxometalate, an Anode Catalyst of Electrochemical Methanol Oxidation
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、具体的には、従来の触媒に比べて貴金属使用量が少ないにも係らずメタノール酸化触媒活性に優れたメタノール酸化触媒を提供することを課題とするものである。
また本発明は、貴金属使用量が少ないにも係らず触媒活性の高いメタノール酸化触媒を使用し、起電力に優れる燃料電池を実現することのできる直接メタノール型燃料電池用燃料電池用極、及び直接メタノール型燃料電池を提供することを課題とすることにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、欠損部位含有ケギン型ヘテロポリオキソメタレート化合物の前記欠損部位に少なくともルテニウムが導入されたヘテロポリオキソメタレート化合物と、白金と、炭素とを具備することを特徴とするメタノール酸化触媒を用いることにより、前記課題を解決できることを見出した。またこの触媒を用いた電極を使用して貴金属使用量が少ないにもかかわらず起電力に優れる直接メタノール型燃料電池を実現することができる。
本発明に係る触媒は、気相や液相でのメタノール酸化反応に好適に適用される。すなわち、ヘテロポリオキソメタレート化合物自体は白金表面上に被毒したCOの酸化に効果がある。さらに導入されたルテニウムもCO酸化効果を有する。その上、直径1nm程度のポリオキソメタレートアニオン化合物にルテニウム原子が規則的にトラップされることになるためルテニウムの高分散担持が可能となる。それらの相乗効果により貴金属使用量が少ないのにもかかわらず白金表面に被毒したCOを酸化でき、白金の触媒効果を高めることができると考えられる。この結果、本発明にかかるメタノール酸化触媒は、高いメタノール活性を得ることができる。
本発明によれば、従来メタノール酸化触媒として用いられている白金/ルテニウム触媒に比べて貴金属使用量が少ないにも係らず触媒活性に優れたメタノール酸化触媒が提供される。またこの触媒を用いた電極を使用して貴金属使用量が少ないにもかかわらず起電力に優れる直接メタノール型燃料電池を実現することができる。
<メタノール酸化触媒>
本実施形態に係る触媒は(1)ヘテロポリオキソメタレート化合物と、(2)白金と、(3)炭素とを必須成分とする。
(1)ヘテロポリオキソメタレート化合物
本実施形態におけるヘテロポリオキソメタレート化合物は、欠損部位含有ケギン型(Keggin type)へテロポリオキソメタレート化合物(A)の前記欠損部位に少なくともルテニウムを必須とする元素(B)が導入されたものである。
一般にケギン型ヘテロポリオキソメタレート化合物は、ヘテロ原子に酸素を介してポリ原子が配位した結晶構造を有している。
本実施形態のヘテロポリオキソメタレート化合物は、この化合物の結晶構造中にあるべき原子が欠けている欠損部位を有する欠損部位含有ケギン型へテロポリオキソメタレート化合物(A)のこの欠損部位に少なくともルテニウムを必須とする元素(B)が導入されているものである。すなわち前記ポリ原子のうちの少なくとも1つが少なくともルテニウムを必須とする元素(B)で置換されていることになる。
前記欠損部位含有ケギン型へテロポリオキソメタレート化合物(A)の前記欠損部位は一欠損であっても二以上の欠損であっても良い。
二欠損の場合、欠損部位が互いに隣接している構造を有しているものが好ましい。欠損部位が互いに隣接している異性体としては、α、β、γ、δ、ε体等が存在する。二欠損の場合、さらに望ましくは二欠損ケギン型ポリオキソメタレートアニオンの骨格中にルテニウムが稜を共有して組み込まれる形態がより望ましく、それはγ、δ、ε体である。この中で最も好ましくは、γ体である。α、β体は角を共有した異性体である。
このようなヘテロポリオキソメタレート化合物の構造は、X線結晶構造解析、元素分析、UVやFT−IR分光測定等から決定される。
二以上の欠損部位を有する場合、導入される元素(B)は、ルテニウムのみ(つまり、各欠損部位に全てルテニウムを導入したもの)であっても良いし、ルテニウムと他の元素(つまり、少なくとも一欠損部位にルテニウム、かつ他の欠損部位にルテニウム以外の元素を導入したもの)であっても良い。より好ましくは各欠損部位に全てルテニウムを導入したものである。導入されるルテニウム量は化合物中のヘテロ原子一個に対して、零個を超えることが望ましい。より好ましくは、0.0001個以上であり、更に好ましくは、0.01個以上である。また、5個以下となることが望ましい。より好ましくは3個以下であり、更に好ましくは、2個以下である。
導入される元素(B)は、ルテニウムを必須とし、ルテニウム以外の元素として3族、4族、5族、6族、7族、8族(ルテニウムを除く)、9族、10族、11族、13族、14族、および15族からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が挙げられる。ルテニウム以外の元素としてより好ましくは、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、および11族の元素の群から選ばれる一種類以上の元素であり、さらに好ましくは、チタン、バナジウム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ロジウム、ニッケル、銅、銀、金、白金、およびルテニウムから選ばれる一種以上の元素が触媒活性が高く望ましい。
前記欠損部位含有ケギン型へテロポリオキソメタレート化合物(A)におけるヘテロ原子としては、ケイ素、リンまたはゲルマニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素が挙げられる。
前記欠損部位含有ケギン型へテロポリオキソメタレート化合物(A)における前記ポリ原子はモリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれる少なくとも一種類以上のものが挙げられる。
より好ましくは、ヘテロ原子がケイ素であり、ポリ原子がタングステンであるものが触媒活性が高く望ましい。
前記欠損部位含有ケギン型へテロポリオキソメタレート化合物(A)は、ポリ酸部分が陰イオン(ヘテロポリオキソメタレートアニオン)として存在し、その対カチオンを結晶構造中に有する塩の形であっても良い。前記ヘテロポリオキソメタレートアニオンとしては下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
[XM12−mq− (1)
(式中、X(ヘテロ原子)はケイ素、リン、またはゲルマニウムを表す。M(ポリ原子)は、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブおよびタンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種類以上の元素。mは正の整数である。n、qは正の整数であり、XとMの価数およびmで決まる。)
ヘテロポリオキソメタレートアニオンと塩を形成する対カチオンとしては例えば、プロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類カチオン、亜鉛イオン、ランタニドイオン、アルミニウムイオン、インジウムイオン、錫イオン、鉛イオン、鉄イオンや、第四級アンモニウムイオン(アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、トリブチルメチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、トリウラリルメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウムイオン、セチルピリジニウムイオン)、第四級ホスホニウムイオン(テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラブチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン、エチルトリフェニルホスホニウムイオン、ベンジルトリフェニルホスホニウムイオン)等の有機カチオンが挙げられる。
前記ヘテロポリオキソメタレートアニオン塩は、無機塩でも有機塩でも良いが、中でも酢酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、プロトン塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩が好適である。
本実施形態におけるヘテロポリオキソメタレート化合物は、欠損部位含有ケギン型へテロポリオキソメタレート化合物(A)の前記欠損部位に少なくともルテニウムを必須とする元素(B)が導入されたものであるが、元素(B)の導入は、ケギン型ヘテロポリオキソメタレートアニオンが溶媒に溶解され、pHが0.5から7.5に設定された溶液中に、元素(B)を含む塩、若しくはその塩を溶かした溶液を添加して行う。二つ以上の欠損部位に異種元素を導入したヘテロポリオキソメタレート化合物を合成する場合には、二種以上の元素(B)を含む塩、若しくはその塩を溶かした溶液を使用する。二種以上の元素(B)を含む塩は2種類以上の塩を使用しても良いし、複合塩であっても良い。元素(B)を含む塩の添加に伴いpHが変化する場合もあるので、酸もしくは塩基を添加することにより適宜最適値に設定しつつ行う。
前記元素(B)を含む塩としては、無機塩でも有機塩でも良いが、中でも酢酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、プロトン塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩が好適である。
合成に使用する元素(B)を含む塩の量としては、ヘテロポリオキソメタレートアニオン1モルに対して、0.0001モル以上であることが望ましい。より好ましくは0.001モル以上であり、さらに好ましくは0.01モル以上である。また3モル以下であることが望ましい。より好ましくは2モル以下であり、さらに望ましくは1.9モル以下である。
前記元素(B)の導入時に使用される前記溶媒としては、特に限定されるものではないが、水や含水有機溶媒および有機溶媒を用いることができる。有機溶媒は水に溶解するものでも溶解しないものでもよいが、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、クロロホルムが好適である。
本実施形態にかかるメタノール酸化触媒においてはこのような(1)ヘテロポリオキソメタレート化合物以外にメタノール酸化を促進するために必要な(2)白金と、(1)及び(2)成分を分散させ担体として作用する(3)炭素と、を必須成分とするものである。(1)〜(3)の各成分は、単結晶、多結晶、非晶質のいずれであってもよく、さらには、微粒子クラスターの集合体であってもよい。
(その他の成分)
本実施形態にかかるメタノール酸化触媒は、上記(1)〜(3)を必須成分として含有するものであるが、触媒製造過程で生じる不純物や、プロトン伝導性、電子伝導性を有する材料(例えばNafionなど)やその他の成分を含有していても良い。
(各成分の組成比)
上述した(1)〜(3)各成分の組成比は、メタノール燃料極材料に用いる場合、次のような範囲であるのが良い。
すなわちヘテロポリオキソメタレート化合物は、メタノール燃料極材料100重量%中、5〜60重量%、望ましくは10〜50重量%の範囲であるのが良い。
白金は、メタノール燃料極材料100重量%中、5〜50重量%、望ましくは20〜40重量%の範囲であるのが良い。
炭素は、メタノール燃料極材料100重量%中、5〜50重量%、望ましくは20〜40重量%の範囲であるのが良い。
(製法)
本実施形態にかかるメタノール酸化触媒は、例えば次のように調整することができる。すなわち(1)〜(3)の成分を溶媒に加えて混合し、均一な懸濁液を得る。懸濁液から溶媒を乾燥することにより除去して触媒組成物を得る。
<直接メタノール型燃料電池用電極>
直接メタノール型燃料電池用電極は、前記触媒をそのまま使用しても良いが、電極支持体に担持させて使用することが実用的である。
例えば多孔質カーボンペーパーなどの所望の電極支持体上に得られた懸濁液を塗布し、その後乾燥することにより得ることができる。電極にはこの触媒組成物に加えてイオン伝導材料そして必要に応じて使用される添加剤を添加しても良い。
前記イオン伝導材料は、イオン伝導性を有するものなら何を使用してもよいが、電解質膜と同じ材料であると好ましい結果が得られる。必要に応じて使用される添加剤としては、カーボンに代表される導電性材料、テトラフルオロエチレンに代表される撥水性材料が挙げられる。
前記電極支持体としては、多孔質カーボンペーパー以外にも、例えば金、白金、ステンレス、ニッケル等の薄膜やメッシュあるいはスポンジ、あるいは、酸化チタン、シリカ、酸化スズに代表される公知の導電性粒子が挙げられる。
担持方法には、スパッタやケミカルベーパーデポジションに代表される真空薄膜作製法、メッキ、無電解メッキや含浸法等の化学的ないし電気化学的方法でも行うことができる。さらには、アーク溶解やメカニカルミリング等の方法も使用できる。
<直接メタノール型燃料電池>
以下に燃料電池の構造の一実施形態について述べる。
図1は、燃料電池の単セルを示す概念図である。
図1中、筐体1a、1b内に電解質膜2と、それを挟持する酸化剤極(カソード)3と燃料極(アノード)4を有し、それらの外側に酸化剤流路5と液体燃料流路6を具備してなる。
電解質膜2はイオン交換膜が使用される。イオン交換膜は、アニオンまたはカチオンのいずれのイオン伝導タイプでも使用できるが、プロトン伝導タイプのものが好適に使用される。例えばパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーを代表とする高分子膜などアニオン又はカチオン伝導性を有する材料が使用できる。
酸化剤極3と燃料極4との間に電解質膜2を介在配置させて挟持するか、あるいはホットプレスまたはキャスト製膜等によって三者を接合して、膜―電極構造体(Membrane electrode Assembly)が構成される。多孔質カーボンペーパーには、必要であればポリテトラフルオロエチレンに代表される撥水剤を添加または積層することもできる。
燃料極4は、前述のメタノール酸化触媒を有効成分としてなる電極である。燃料極4は、電解質膜2に当接させる。燃料極4を電解質膜2に当接させる方法としては、ホットプレス、キャスト製膜をはじめとする公知の方法が使用できる。
酸化剤極3も、多くの場合、白金を担持したカーボンをイオン伝導材料とともによく混合した上で電解質膜2に当接させることで構成されている。イオン伝導材料は、電解質膜2と同じ材料であると好ましい結果が得られる。酸化剤極3をイオン交換膜2に当接させる方法としては、ホットプレス、キャスト製膜をはじめとする公知の方法を使用することができる。白金を担持したカーボン以外にも、酸化剤極3として、貴金属又はそれらを担持したもの(電極触媒)や、有機金属錯体又はそれを焼成したものなど公知のものを使用できる。
酸化剤極3側には、上方に酸化剤(多くの場合空気)を導入するための酸化剤導入孔(図示せず)が設けられる一方、下方に未反応空気と生成物(多くの場合水)を排出するための酸化剤排出孔(図示せず)が設けられる。この場合、強制排気及び/または強制排気手段を付設してもよい。また、筐体1aに空気の自然対流孔を設けてもよい。
燃料極4の外側には、液体燃料流路6が設けられる。液体燃料流路6は、外部燃料収納部(図示せず)との流通路であってもよいが、メタノール燃料を収納するための部位であってもよい。下方に未反応メタノール燃料と生成物(多くの場合CO)を排出するための排出孔(図示せず)が設けられる。この場合、強制排出及び/または強制排出手段を付設してもよい。
燃料極4に直接供給される燃料は、メタノール単独ないしはメタノールと水の混合物が適当であるが、メタノールとの混合物であると、クロスオーバーが効果的に防止されて更に良好なセル起電力と出力が得られる。
図1に示す直接メタノール型燃料電池の概念図は、単セルだけを表しているが、本発明においては、この単セルをそのまま使用してもよいし、複数のセルを直列及び/または並列接続して実装燃料電池とすることもできる。セル同士の接続方法は、バイポーラ板を使用する従来の接続方式を採用してもよいし、平面接続方式を採用してもよい。無論その他公知の接続方式の採用も有用である。
以下、実施例を用いて、本発明を具体的に説明する。但し、本実施例は単に例示であって、本発明を限定するものと解釈してはならない。
(実施例1)
ヘテロポリ酸HSiW1240、11.5gを40mLの水に溶解し、HSiW1240水溶液を調整した。この水溶液のpHを炭酸リチウムを用いて4.3にした。そこへ、テトラブチルアンモニウムブロミド、18gを加え激しく攪拌した。沈殿物をろ過し水で洗浄後、室温で乾燥した。最後にアセトニトリルで再結晶させた(イ)。
次に、上記(イ)1.8gを20mLアセトン中に攪拌させ懸濁液を得た。そこへ30mL 塩化ルテニウム(0.06Mアセトンに溶解)をアルゴン雰囲気下でゆっくりと滴下した。24時間攪拌した後、未反応物をフィルターでろ過、乾燥させた。固形物を25mLアセトニトリルに溶解、少量の水を加えたのち、酸素ガスを2時間通した。その後蒸発乾燥させ、目的物であるルテニウム置換ヘテロポリオキソメタレートアニオン塩(ロ)を得た。
この物質の構造の同定は質量分析、IRで行った。結果は、質量分析C;18.7、H;3.64、N;2.96、Ru;5.80、Si;0.68、W;45.0であり、IR;n/cm-1 1011、969、920、801、530であった。
8.8mgの(ロ)を1.25mLのアセトニトリルに溶解し、さらに白金担持カーボンを100mg加え混合した。これを70℃で60分乾燥させた。
ルテニウム置換ヘテロポリオキソメタレートアニオン塩中のルテニウムと、白金の重量比はおよそ1:200であり、触媒全量に対するルテニウムの重量は0.21wt%であった。
次にこのうち10mgを2mLの水と混合、30分間超音波分散を行った。この分散液5μLを直径3mmのグラッシーカーボン電極上に塗布、50℃で乾燥させた。次に、2%Nafion溶液を3μL滴下、乾燥させ電極(A−1)を作製した。
(比較例1)
ヘテロポリオキソメタレート化合物を含まない市販のPtのみを担持したカーボン触媒を実施例1と同様にして(10mgを2mLの水と混合、30分間超音波分散を行い、この分散液5μLを直径3mmのグラッシーカーボン電極上に塗布、50℃で乾燥させ2%Nafion溶液を3μL滴下、乾燥させる。)電極(B−1)を作製した。
上記(A−1)および、(B−1)を作用極として、サイクリックボルタモグラム及びある一定の電位(ここでは0.3V vs. SCE)における10分後の電流値を測定した。
<測定条件>
温度 25℃
参照極 飽和カロメロ電極
対極 白金
電解質 1M メタノール/0.5M 硫酸
得られたサイクリックボルタモグラフの結果を図2に示す。縦軸の電流値は電極上の白金又は白金・ルテニウムの合計の重量で規格化した値である。図2より、本発明の触媒を用いた電極(A−1)は、貴金属の使用量を同等とした場合は、電極(B−1)より高いメタノール酸化電流を示すことがわかった。
また、上記電極(A−1)および、電極(B−1)を作用極として、ある一定の電位(ここでは0.3V vs. SCE)における10分間の電流値を測定した結果を図3に示す。縦軸の電流密度は電極上の白金の重量で規格化した値である。図3より、本発明の触媒を用いた電極(A−1)は、活性が向上していることができることがわかる。
即ち、ルテニウム置換ポリオキソメタレート化合物を用いたことにより、ポリオキソメタレートのCO酸化効果と、ルテニウムのCO酸化効果が相乗効果となり効率よく白金表面に被毒したCOを酸化できたため、上記の結果を得たものと考えられる。
(実施例2)
実施例1において得られた、(ロ)88mgと100mgの白金担持カーボンを混合した以外は実施例1と同様にして電極(A−2)を作成した。
ルテニウム置換ヘテロポリオキソメタレートアニオン塩中のルテニウムと、白金の重量比はおよそ10:200であり、触媒全量に対するルテニウムの重量は
1.2wt%であった。
(比較例2)
ヘテロポリオキソメタレート化合物を含まないPt−Ru合金を担持したカーボン触媒(組成:Ptが44wt%、Ruが1wt%、残部カーボン)を実施例1と同様にしてグラッシーカーボン電極上に塗布・乾燥させ(C−1)を作製した。
上記(A−2)および、(C−1)を作用極として、実施例1と同様の条件である一定の電位(ここでは0.3V vs. SCE)における10分後の電流密度を測定した。
その結果を図4に示す。縦軸の電流密度は電極上の白金の重量で規格化した値である。図4より、本発明の触媒を用いた電極(A−2)は、活性が向上していることがわかる。
上記実施例1と比較例1及び実施例2と比較例2との比較から明らかなように、本願発明に係る触媒により、Pt触媒及びPt−Ru合金触媒よりもメタノール酸化触媒としての活性が高いことが明らかである。
このような電極を直接メタノール型燃料電池の燃料極に用いれば、貴金属使用量が少ないにもかかわらず起電力に優れる直接メタノール型燃料電池が得られることは明らかである。
直接メタノール型燃料電池の一実施形態の構成を表す概念図。 実施例1および比較例1の電極のサイクリックボルタモグラム。 実施例1及び比較例1の電極の電流密度 実施例2及び比較例2の電極の電流密度
符号の説明
1a.・・・筐体
1b.・・・筐体
2・・・電解質膜
3・・・酸化剤極
4・・・燃料極
5・・・酸化剤流路
6・・・液体燃料流路

Claims (5)

  1. 欠損部位含有ケギン型ヘテロポリオキソメタレート化合物の前記欠損部位に少なくともルテニウムが導入されたヘテロポリオキソメタレート化合物と、白金と、炭素とを具備することを特徴とするメタノール酸化触媒。
  2. 前記ヘテロポリオキソメタレート化合物は、欠損部位含有ケギン型ヘテロポリオキソメタレートアニオン塩の前記欠損構造部位に少なくともルテニウムが結合した化合物であることを特徴とする請求項1記載のメタノール酸化触媒。
  3. 前記へテロポリオキソメタレート化合物は、ヘテロ原子がケイ素、リンまたはゲルマニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の元素であり、ポリ原子がモリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブおよびタンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の元素であることを特徴とする請求項2記載のメタノール酸化触媒。
  4. 請求項1のメタノール酸化触媒を具備することを特徴とする直接メタノール型燃料電池用電極。
  5. 請求項1記載のメタノール酸化触媒を具備し、メタノールが直接供給される燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極及び前記酸化剤極の間に配置された電解質膜とを具備する直接メタノール型燃料電池。
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