JP2006337698A - 光散乱体物品の製造方法、およびそれにより製造された物品 - Google Patents

光散乱体物品の製造方法、およびそれにより製造された物品 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学的異方性を有する光散乱反射基板の下地材に好適に用いることのできる、異方性凸状部群が表面に形成された光散乱体物品の製造方法、およびそれにより製造された物品を提供する。
【解決手段】 凸状部形成成分と、該成分と相溶性を有する第一溶媒と、前記第一溶媒に比して前記成分との相溶性が低い第二溶媒とを含むゾル状塗布液を、物品表面に塗布し塗布層を形成し、前記物品を一方向に搬送しながら、前記塗布層に含まれる前記第一溶媒および前記第二溶媒を乾燥させて、前記凸状部形成成分と前記第二溶媒との間に相分離を起こさせてなる凸状部群が表面に形成された光散乱体物品の製造方法において、前記塗布層に対して前記物品表面に垂直に対向する方向を基準とし前記搬送の方向に傾斜した角度から熱風を直接的に吹き付けて乾燥させることにより、前記凸状部群を前記搬送の方向に細長い形状の凸状部を有する異方性凸状部群としたことを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、異方性凸状部群が表面に形成された光散乱体物品の製造方法、およびそれにより製造された物品に関する。
近年、各種表示装置が、携帯電話やモバイルコンピュータ等の携帯端末、金融機関のATM端末、および各種情報端末の表示装置として用いられている。この表示装置の明るさを増すために、あるいは秘匿性(端末の使用者のみが表示内容を確認できる)を高めるために、光学的異方性(視野の方向依存性)を有する光散乱反射基板が用いられている。
このような光学的異方性を得るために、凸部の形状を一方向に細長い形状とした光散乱反射基板が用いられている。この例として、特許第2698218号公報(特許文献1)に記載の反射板が知られている。特許文献1に記載の反射板の製造方法は、ガラス基板の一方の面に有機物である感光性樹脂を塗布する工程と、塗布された感光性樹脂を所定の形状にパターン化してマスキングし、露光し、且つ現像して多数の微細な凸状部を形成する工程と、凸状部を形成したガラス基板に熱処理を施して凸状部の角を丸めて内部散乱層を形成する工程と、ガラス基板および内部散乱層の上に蒸着法やスパッタリング法によって金属材料や誘電体等の無機材料からなる反射膜を積層する工程とを有する。
感光性樹脂を用いず相分離を用いた光散乱反射基板の製造方法として、特開2000−267086号公報(特許文献2)に記された製造方法が知られている。この製造方法は、ガラス基板への第1層目の樹脂の塗布工程とその乾燥工程と、第2層の塗布とその乾燥工程と、第2層目上にスパッタリング法にて光反射電極層を生成する工程と、を有する。
本出願人は、先に、ゾルゲル法と相分離を利用した幾つかの提案を行った。例えば、WO 02/064524(特許文献3)およびWO 03/052466(特許文献4)において、主骨格が無機材料であると共に、側鎖が有機材料で修飾された膜からなる凸状膜(以下、凸状部群と同じ意味で用いる)およびその製造(形成)方法の提案を行った。さらに、特開2003−84106号公報(特許文献5)において、全て無機材料からなる凸状膜およびその形成方法の提案を行った。また、特開2003−266571号公報(特許文献6)において、主骨格が無機成分と有機成分からなる凸状膜およびその形成方法の提案を行った。
これらの製造方法は、ガラス基板の一方の面にゾル状塗布液を塗布する工程と、その乾燥工程と、乾燥工程により相分離し、且つ、ゲル化した凸状膜上へスパッタリング法にて光反射膜層を生成する工程と、を有する。
相分離を用いた特許文献2〜6に記載の凸状膜の凸状部は、いずれの場合においても、円に近い形状を有している。したがって、この凸状膜上に反射膜を形成して得られる光散乱反射基板は、光学的等方性を有している。
特許第2698218号公報 特開2000−267086号公報 WO 02/064524号パンフレット WO 03/052466号パンフレット 特開2003−84106号公報 特開2003−266571号公報
特許文献1の発明では、製造工程が複雑であるという問題がある。
特許文献2の発明では、内部散乱層が有機物からなるため、無機材料からなる反射膜との密着性に乏しく、反射膜が容易に剥離する、という問題がある。また、反射膜が蒸着法やスパッタリング等の真空成膜法により形成される際に、内部散乱層からの表面の吸着成分や内部の未反応成分がガスとして放出され、反射膜の光学特性(反射率、屈折率、透過色調等)を変質させる、という問題もある。
特許文献3〜6の発明により、本出願人は、製造工程を簡素化し、無機材料からなる反射膜との密着性を向上させ、且つ反射膜の光学特性の変質を防止することに成功した。これらの発明は、光学的等方性を有する光散乱反射基板の製造には適している。しかし、これらの発明を、光学的異方性を有する光散乱反射基板の製造に用いるには、さらなる改良が必要である。
本発明の目的は、ゾルゲル法と相分離を用いた従来技術の優れた特性を活かしつつ、異方性凸状部群が表面に形成された光散乱体物品の製造方法および、それにより製造された物品を提供することにある。
上記目的を達成するために、
請求項1に記載の光散乱体物品の製造方法は、
凸状部形成成分と、該成分と相溶性を有し少なくとも1種類の溶媒を含んでなる第一溶媒と、前記第一溶媒に比して前記成分との相溶性が低い少なくとも1種類の溶媒を含んでなる第二溶媒とを含むゾル状塗布液を、物品表面に塗布し塗布層を形成し、前記物品を一方向に搬送しながら、前記塗布層に含まれる前記第一溶媒および前記第二溶媒を乾燥させて、前記凸状部形成成分と前記第二溶媒との間に相分離を起こさせてなる凸状部群が表面に形成された光散乱体物品の製造方法において、前記塗布層に対して、前記物品表面に垂直に対向する方向を基準とし前記搬送の方向に傾斜した角度から熱風を直接的に吹き付けて乾燥させることにより、前記凸状部群を、前記搬送の方向に細長い形状の凸状部を有する異方性凸状部群としたこと、を特徴とする。
請求項2に記載の発明として、
前記ゾル状塗布液に、さらに前記第二溶媒と相溶性を有する平坦膜状部形成成分を含ませた請求項1に記載の光散乱体物品の製造方法である。
請求項3に記載の発明として、
前記第一溶媒におけるいずれの溶媒も、前記第二溶媒におけるいずれの溶媒の沸点よりも低い沸点を有している請求項1または2に記載の光散乱体物品の製造方法である。
請求項4に記載の発明として、
前記熱風の温度を、前記第一溶媒における最低沸点を持つ溶媒の沸点よりも高い温度とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法である。
請求項5に記載の発明として、
前記熱風の温度を、前記第二溶媒におけるいずれの溶媒の沸点よりも低い温度とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法である。
請求項6に記載の発明として、
前記凸状部形成成分を生成する金属化合物を、有機修飾された金属アルコキシドとした請求項1〜5のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法である。
請求項7に記載の発明として、
前記平坦膜状部形成成分を生成する金属化合物を、金属アルコキシドとした請求項2〜6のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法である。
請求項8に記載の発明として、
前記熱風を吹き付ける角度を、5〜30度の範囲とした請求項1〜7のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法である。
請求項9に記載の異方性凸状部群が表面に形成された物品は、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法により製造される物品であって、前記異方性凸状部群の各凸状部が、不均一な大きさを有していること、を特徴とする。
請求項10に記載の発明として、
前記物品の製造時における前記搬送の方向を前記物品表面の縦方向とし、前記縦方向に垂直な方向を横方向としたとき、前記各凸状部の前記横方向の間隔が、50μm以下である請求項9に記載の光散乱体物品である。
請求項11に記載の発明として、
前記異方性凸状部群よりも小さい凸状部群が、前記異方性凸状部群の谷間に形成されている請求項9または10に記載の光散乱体物品である。
請求項12に記載の発明として、
前記異方性凸状部群が、前記横方向に隣り合う異方性凸状部同士が少なくとも1箇所で連結した連結状異方性凸状部を含んでなる請求項9〜11のいずれか1項に記載の光散乱体物品である。
請求項13に記載の発明として、
前記異方性凸状部群が、前記縦方向に長い網目構造を形成している請求項9〜12のいずれか1項に記載の光散乱体物品である。
本発明に係る製造方法によれば、物品表面に形成された塗布層の乾燥工程において、塗布層に対して、前記物品表面に垂直に対向する方向を基準とし、物品の搬送方向に傾斜した角度から熱風を直接的に吹き付けて乾燥させることにより、物品の搬送方向に細長い形状を有する異方性凸状部群を形成することが可能である。
この異方性凸状部群の光散乱特性は、光学的異方性(視野の方向依存性)を有するので、この異方性凸状部群が表面に形成された物品は、光学的異方性を有する光散乱体物品として好適に用いることができる。そして、この光散乱体物品は、光学的異方性を有する光散乱反射基板の下地材に、または、光学的異方性を有する光散乱機能が求められる部分に、好適に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る異方性凸状部群が表面に形成された光散乱体物品の製造方法を、図面を参照して詳述する。
製造方法のフローチャートを、図1に示す。本発明の物品の製造方法は、
ステップS101:ゾル状塗布液の調製工程、
ステップS102:ゾル状塗布液の塗布工程、
ステップS103:塗布層のレベリング工程、
および、
ステップS104:塗布層の熱風による乾燥工程、
を含んでなる。さらに、必要に応じて、
ステップS105:高温乾燥工程
を付け加えてもよい。
ゾル状塗布液の調製工程(ステップS101)が他の工程に比べて長時間を要する場合は、これら一連のフロー外であってもかまわない。
高温乾燥工程(ステップS105)は、液晶表示装置等のように、光散乱反射膜のような上層膜を凸状部群上に形成するときに、膜中に残存している溶媒等の影響が懸念される場合には、必要である。しかし、凸状部群上に上層膜を形成しない場合には、必ずしも必要ではない。
(ステップS101:ゾル状塗布液の調製工程)
まず、膜成分および溶媒を混合したゾル状塗布液を調製する。
一般的に、ゾルゲル法は、金属を有機または無機の金属化合物溶液とし、酸等の触媒と水とを加えて、混合溶液中で化合物の加水分解反応、あるいは加水分解反応と脱水縮重合反応とを進ませてゾル化する過程と、ゾル化により調製されたゾル溶液中のゾルが乾燥によりゲル化する過程とからなっている。そして、ゲル化の過程で、1種類または複数種類の金属化合物が、脱水縮重合反応により、金属−酸素−金属からなるゲルマトリックスを形成してポリマー化する。
相分離を目的とするゾル状塗布液の成分として、少なくとも1種類の金属化合物からなる凸状部形成成分と、その成分と相溶性を有し少なくとも1種類の溶媒を含んでなる第一溶媒と、前記第一溶媒に比して凸状部形成成分との相溶性が低い少なくとも1種類の溶媒を含んでなる第二溶媒が必要である。
前述のゾル状塗布液に、さらに、第二溶媒にまたは第一溶媒と第二溶媒との両方に相溶性を有する少なくとも1種類の金属化合物からなる平坦膜状部形成成分を含ませてもよい。
前述のゾル状塗布液の各成分と各溶媒の比率を変えることにより、形成される凸状部の形状を制御することができる。
使用する金属化合物の材料としては、金属アルコキシドや金属アルコキシドを有するシロキサンオリゴマー等が、好適である。金属アルコキシドは、一般式、M(OR)nで表すことができる。式中、Mは金属原子、Rはアルキル基、フェニル基、アセチル基、エーテル基等の有機官能基、nは前記金属原子の酸化数である。金属原子としては、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、タンタル等が、好適である。これらの金属アルコキシドは入手が容易であり、常温・常圧で安定し、且つ毒性が少ないという利点があるので、凸状部群の製造工程を容易にして製造コストを下げることができる。また、可視光域において光学的吸収を生ずることがないため、透過光が着色されることがなく、透過モードで使用するのに最適な凸状部群を形成することができる。
金属原子に珪素を用いる場合は、Si(OR)4で表される4官能のシリコンアルコキシドが、好適に用いられる。この4官能のシリコンアルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン等が、好適に用いられる。シロキサンオリゴマーとしては、市販のエチルシリケート40(コルコート社製等)、メチルシリケート51(コルコート社製等)が、好適に用いられる。また、すでに加水分解を行った状態で市販されているHAS−10(コルコート社製)も、好適に用いられる。
金属化合物材料として、無機膜との密着性に優れる有機修飾された金属アルコキシドを用いると、表面張力が比較的小さくなる。よって、凸状部形成成分と第二溶媒との表面張力差を大きくしたい場合には、好適である。有機修飾された金属アルコキシドは、一般式、Rk−M(OR)(n-k)で表すことができる。式中、Mは金属原子、Rはアルキル基、フェニル基、アセチル基、エーテル基等の有機官能基、nは前記金属原子の酸化数、kは金属原子に直接結合した有機官能基の数である。
金属原子に珪素を用いる場合は、Rk−Si(OR)(4-k)で表される有機修飾シリコンアルコキシドが、好適に用いられる。この有機修飾シリコンアルコキシドとしては、フェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等が、好適に用いられる。
前述の金属化合物材料としては、金属アルコキシドの他に、金属カルボキシレート、硝酸塩、塩化物、オキシ塩化物等も使用することができる。
金属アルコキシド等の金属化合物に、アセチルアセトン等のキレート化剤をキレート配位させて、安定化処理または反応性を抑える等すれば、取り扱いがしやすくなる。また、コーティング液を調製するのに好都合である。これにより、金属化合物間の相分離を制御しやすくなる。キレート化剤の例としては、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類やアセト酢酸エチル等のβ−ケトエステル類が好適であるが、これらに限られるものではない。
第一溶媒は、ゾル塗布液を均質化させるために用いる。
第二溶媒は、凸状部形成成分と相分離しやすいように、この成分よりも表面張力が大きな溶媒を選ぶと効果的である。
前述のゾル塗布液の均質化に働く第一溶媒として、アルコール類と、ケトン類と、エステル類と、エチレン−グリコール−モノエチルエーテル(以下、セロソルブと略す)類と、両末端に水酸基を持たないグリコール類等とを用いることができる。また、それら単溶媒の他に溶媒群(混合溶媒)を用いることができる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール等を用いることができる。
ケトン類としては、アセトン、アセチルアセトン等を用いることができる。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等を用いることができる。
セロソルブ類としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等を用いることができる。
グリコール類としては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等を用いることができる。
前述の混合溶媒の目的として、塗布工程での溶媒の揮発を防ぐことが、挙げられる。例えば、塗布方法としてフレキソ印刷法等の印刷方法を用いた場合、塗布液はロール上で長時間空気中に曝されることになる。このため、第一溶媒に揮発性の高い(沸点の低い)溶媒Aのみを用いた場合には、塗布以前にロール上で第一溶媒が揮発し、相分離してしまう。これを防止するために、第一溶媒に、溶媒Aに加えて、揮発性の低い(沸点の高い)溶媒Bを用いることで、塗布過程での相分離を防ぐことができる。これらの溶媒Aや溶媒Bには、第二溶媒よりも沸点の低い溶媒が選ばれる。
前述の凸状部形成成分と相分離する第二溶媒には、表面張力の大きな(例えば、30mN/m(=dyn/cm)以上の)溶媒を選ぶことが望ましい。第二溶媒として、グリセリン、HO−(CH2)n−OHで一般化される直鎖状で両端末に水酸基が付いたグリコール、または、HO−(CH2)n(CHOH)m−OHで一般化される多価アルコール群を用いることができる。その他に、水酸基を有しない溶媒として、ホルムアミド、メチルホルムアミド等も用いることができる。また、それら単溶媒の他に混合溶媒(溶媒群)を用いることができる。
以下の説明では、単に「第一溶媒群」、「第二溶媒群」と記述するが、それぞれ、「第一単溶媒または第一複合溶媒」、「第二単溶媒または第二複合溶媒」との意味を含むこととする。
(ステップS102:ゾル状塗布液の塗布工程)
前述のステップS101で調製されたゾル状塗布液は、物品表面に塗布され、塗布層を形成する。
物品の基材の物質には、ゾル状塗布液に含まれる溶媒の沸点以上の耐火温度を有するものが使用可能である。例えば、ガラス(ソーダライムガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等)、金属(鉄鋼、ステンレス鋼、銅、アルミニウム等)、半導体(シリコンウエハー等)、樹脂、セラミックス等を用いることができる。
物品の基材表面(塗布面)の形状は、熱風を斜め方向から吹き付けることが可能であれば、特に限定されない。例えば、平面的な基材であっても、曲面的な基材であってもよい。また、基材表面(塗布面)の面的な形状は、特に限定されない。例えば、四角形、四角形の一つの角に切欠きのある五角形、その他自由曲線で構成された形状であってもよい。本実施形態では、物品の基材に平面的なソーダライムガラス基板を用いている。
基材の一部への塗布の場合は、一般的に、ロールコーティング法(フレキソ印刷法等)、スクリーン印刷法等の各種印刷法が用いられる。これらの印刷法は、物品へのマスキング処理が不要な利点がある。基材全体への塗布の場合は、各種印刷法以外にも、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、浸漬引き上げ(ディップコーティング)法、流し塗り(フローコーティング)法等が用いられる。
本実施形態では、スピンコーティング法(スピンコーター:ミカサ社製、1H−DX2)を用いる。
(ステップS103:塗布層のレベリング工程)
続いて、基材表面に形成された塗布層のレベリングを行う。この工程は、主に、フレキソ印刷法等により塗布された凹凸状の転写パターンを均すために行われる。このレベリング時間は、塗布層周辺部分の相分離が進まない時間内に設定する必要があるので、3分以内程度が望ましい。さらに、1分以内がより望ましい。なお、この工程は、次の乾燥工程への移動工程に含ませることができる。
(ステップS104:塗布層の熱風による乾燥工程)
続いて、基材表面に形成された塗布層へ、斜め方向から熱風を直接的に吹き付けることにより乾燥を行い、異方性凸状部群(金属酸化物)を形成する。
ゾル状塗布液が、凸状部形成成分のみからなる場合は、図2(a)に示すように、基材(11)の表面に、多数の凸状部(12)(金属酸化物)からなる凸状部群を有する物品(10)が得られる。また、ゾル状塗布液が、凸状部形成成分と平坦膜状部形成成分とからなる場合は、図2(b)に示すように、基材(11)の表面に、多数の凸状部(12)と、それらの間の平坦な膜状部(13)(金属酸化物)とからなる凸状部群を有する物品(10)が得られる。
この工程では、乾燥と同時に相分離が起こる。第一溶媒群に、第二溶媒群の沸点よりも低い沸点の溶媒を用いれば、熱風の温度が第一溶媒群内の最低沸点よりも低い温度であっても揮発速度に差が現れ、相分離させることが可能である。熱風の温度を第一溶媒群の内の最低沸点よりも高くすれば、その温度よりも沸点の低い第一溶媒群の揮発を促進することができるので、効果的である。それに加えて、第二溶媒群内の最低沸点よりも低い温度に設定すれば、第一溶媒群いずれの溶媒の沸点よりも高い温度となり、全ての第一溶媒群の揮発をさらに促進することができるので、より効果的である。
この過程を、凸状部形成成分と平坦膜状部形成成分と第一溶媒群と第二溶媒群とからなるゾル塗布液が塗布された塗布層の場合について説明する。熱風が直接的に吹き付けられると、基材表面の塗布層では、均質化に有効に作用していた第一溶媒群の揮発が進む。そして、表面張力の大きな第二溶媒群に対する表面張力の小さな凸状部形成成分の不溶化が顕著になり、両者間における相分離が起こる。あるいは、表面張力の大きな第二溶媒群に溶け込んだ平坦膜状部形成成分と表面張力の小さな凸状部形成成分との間における相分離が起こる。その結果、塗布層が、凸状部形成成分からなる液滴形状の相と、平坦膜状部形成成分からなる平坦な相との二相に分離する。
さらに乾燥が進むと、第二溶媒群の揮発も進み、図2(b)に示すように、基材(11)の表面に、凸状部形成成分からなる多数の凸状部(12)と、それらの間に平坦膜状部形成成分からなる平坦な膜状部(13)とからなる凸状部群が得られる。
このとき、斜め方向から搬送方向(下流側)へ熱風が直接的に吹き付けられた部分の塗布層では、凸状部形成成分からなる液滴形状の相の一部が、風圧により下流側へ移動し、または引き伸ばされることにより、下流側の液滴形状の相と連結されて、細長い相となる。また、相分離の過程で、液滴形状の相の大きさに、ばらつきが発生することが考えられ、その結果、細長い相と円に近い相とが形成されることが考えられる。また、比較的大きな円に近い相が隣り合う細長い相同士を連結し、搬送方向に長い網目構造状の相が形成されることが考えられる。
さらに乾燥が進むと、第二溶媒群の揮発も進み、基材の表面に、凸状部形成成分からなる多数の凸状部と、それらの間に平坦膜状部形成成分からなる平坦な膜状部とからなる異方性凸状部群が得られる。
(熱風乾燥方法)
図3に、塗布層(14)が形成された基材(11)の一部に、熱風(204)を部分的に吹き付けるための乾燥装置(200)の概念図を示す。
乾燥装置(200)において、熱風発生装置(203)で発生された熱風は、ダクト(201)で導かれ、吹き付け口(202)から、基材(11)へ吹き付けられる。なお、熱風発生装置(203)と吹き付け口(202)とが、直結された構造としてもよい。図中のYと矢印は、基材の搬送方向(Y方向)を表し、Xは、搬送方向に垂直な方向(X方向)を示す。そして、XY平面は、搬送面と平行である。
基材(11)は、搬送ロールやベルトコンベア等の搬送機構により、乾燥装置直下への搬入と搬出が可能である。本実施形態では、搬送ロール(205)を用いた搬送機構により、基材(11)を搬送する。
基材(11)と吹き付け口(202)との関係を、図4に示す。吹き付け口(202)は、図示しない機構により、基材(11)との距離Lを調整できるようにしてもよい。この距離Lは、1〜100mmの範囲で設定すると、効果的である。
吹き付け口(202)の先端部分は、細長いスリット状の開口部をなしている。この開口部には、開口部の間隔D(短辺方向)を調整するための機構を設けてもよい。図4に示す例では、2枚の開口部調整板(206)の角度を変えることにより、開口部の間隔Dが調整可能である。この開口部の間隔Dは、1〜20mmの範囲で設定すると、効果的である。
吹き付け口(202)の開口部の長さ(長辺方向)は、少なくとも、塗布層(14)の幅(搬送方向に直行する方向)よりも長くする必要がある。また、複数の塗布層がある場合には、少なくとも、両端に位置する塗布層の最外周間の距離よりも長くする必要がある。さらに、基材の幅よりも長くすることが好ましい。
吹き付け口(202)は、通常、搬送面内の搬送方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)に、平行に設置される。その場合、得られる異方性凸状部群の長辺方向は、ほぼ搬送方向に一致する。また、吹き付け口(202)をXY平面に垂直な軸を中心として回転させることにより、X方向からずらすようにしてもよい。このように、吹き付け口(202)の搬送面内の角度を調整することにより、例えば矩形状の塗布層に、その辺に対して傾きを持った異方性凸状部群を形成することができる。
また、吹き付け口(202)を基材の搬送方向へ回転して、熱風を基材(11)とその表面の塗布層(14)とに吹き付けるための角度(吹き付け角)を調整できるようにしてもよい(図5を参照のこと)。ここで、吹き付け口(202)を前述の2つの方向に回転させるための機構(図示しない)は、別々の回転機構であってもよいし、2つの角度をそれぞれ調整可能な回転機構であってもよい。異方性凸状部群を形成するために、基材(11)の搬送方向(下流側)への吹き付け角Rは、基材(11)に垂直に対向する方向を基準(0度)とした場合、5〜30度とすることが望ましく、10〜20度とすることがより望ましい。
吹き付け口(202)を下流側に傾けて熱風を送ることにより、基材(11)からの排気のほとんどが下流側へ流れる。吹き付け口(202)に対向するように、下流側に排気口(図示しない)を設置すれば、揮発した溶媒を含む雰囲気を回収することができる。回収した雰囲気は、含まれる溶媒を除去した上で熱風発生装置(203)に循環させることも可能である。
熱風を塗布面に吹き付ける速度(風速)は、基材の搬送速度や前述の幅D、間隔L、吹き付け角R、熱風の温度等を考慮して、これらが異方性凸状部を形成可能な任意の組み合わせになるように、選ぶことが可能である。前記の各範囲の場合、例えば、基材の搬送速度を1〜10mm/sとした場合、風速は、10〜20m/sとすることが望ましい。
(ステップS105:高温乾燥工程)
塗布層の熱風による乾燥工程(ステップS104)において形成された異方性凸状部群は、第二溶媒群の沸点よりも高い温度で10〜60分程度加熱することにより、膜中に残存していた溶媒群を除去して、完全に乾燥することができる。この乾燥工程は、相分離に影響を与えないので、異方性凸状部群に熱風を直接的に吹き付ける必要はない。よって、熱風循環方式等の各種の乾燥・焼成装置を使用可能である。
また、膜成分群の一部に、前述の有機官能基が結合した金属化合物を使用した場合に、この有機官能基を取り除く必要があれば、この有機官能基の耐熱温度を超える温度で加熱すると効果的である。
この高温乾燥工程に、基材を搬送しながら使用可能な熱風循環方式の乾燥機を用いることにより、塗布工程からこの高温乾燥工程までを、連続した製造工程とすることが可能である。
前述の製造方法の工程(S101〜S105)により、異方性凸状部群が表面に形成された物品を得ることができる。
(光学的異方性の測定)
得られた物品の異方性凸状部群表面における光学的異方性(視野の方向依存性)の測定方法について述べる。
まず、異方性凸状部群表面に反射膜を成膜する。成膜方法は、既存の各種成膜方法を適宜用いることができる。本実施形態では、真空蒸着法(真空蒸着装置:日本電子社製、SGC−10SA)を用いる。
得られた反射膜面の光沢度分布を、光沢度計(スガ試験機社製、デジタル変角光沢計UGV−6P)により測定する。この光沢度計の照射光の光軸に対する断面形状は、16×10mm程度の矩形である。照射光の基準軸は、基材表面に垂直な方向とする。
光学的異方性(視野の方向依存性)の評価に、光沢度分布を用いる理由について説明する。光沢度の測定方法は、日本工業規格の「鏡面光沢度−測定方法(JIS Z8741−1997)」により規定されている。この測定方法に準じて、基準合わせを行うことにより、複数の試料の評価を同一の基準で行うことができる。また、この測定方法は、被検査表面の照射光の照射面積を、前述したように比較的広く設定可能なので、物体を点ではなく面で捉える人間の視知覚に合っていると考えられるからである。
基準合わせは、前記測定方法に準じて、一次標準面として、一次光沢度標準板(45度鏡面光沢度:Gs(45°)=87.2%)を用いて行う。
光沢度の測定は、照射光の反射膜に対する入射角を30度とし、受光角(反射角)を0〜60度の範囲として、5度毎に行う。この測定を、凸状部の長辺方向(Y方向)とそれに垂直な短辺方向(X方向)について測定する。本実施形態では、長辺方向(Y方向)が製造時の搬送方向に相当し、短辺方向(X方向)が搬送方向に垂直な方向に相当する。この2つの方向について光沢度分布の測定を行い、両者の測定結果を比較することにより、光学的異方性の評価を行う。
以下に、塗布液に凸状部形成成分と平坦膜形成成分および第一溶媒と第二溶媒を含む場合の実施例について、詳細に説明する。
[実施例1]
(ステップS101:塗布液の調製工程)
以下の手順で、第一のシリカ原料を調製した。有機修飾シリコンアルコキシドであるフェニルトリメトキシシラン 33.0gと、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 20.8gと、これら2つと相溶性を有しているエチルセロソルブ 32.7gとを混合した。さらに、この混合液に、加水分解を促進させる触媒として、1mol/L(1規定)の塩酸 13.5gを加えて、30℃の温度で24時間攪拌した。この処理により、加水分解反応および脱水縮重合反応を起こさせ、第一のシリカ原料を得た。ここで、エチルセロソルブは、急激な加水分解反応が起こらないように、希釈するために用いた。
以下の手順で第二のシリカ原料を調製した。シロキサンオリゴマーを加水分解したシリカ加水分解液HAS−10(コルコート社製)20gに、脱水縮重合反応をさらに促進させる触媒として、1mol/L(1規定)の塩酸 2.4gを加えて、30℃の温度で24時間攪拌した。
凸状部形成成分として、前述の第一のシリカ原料 3.6gを、平坦膜形成成分として、前述の第二のシリカ原料 5.4gを、第一溶媒のヘキシレングリコール(沸点:198℃) 14.0g、および第二溶媒のグリセリン(沸点:290℃) 4.1gに混合することにより、ゾル状塗布液を調製した。
ここで、前述の第一のシリカ原料 3.6gに含まれるエチルセロソルブは、調製時の比率を基にすると1.2g程度である。このエチルセロソルブ(沸点:134.8℃)も第一溶媒と見なすことができる。
(ステップS102:ゾル状塗布液の塗布工程)
このゾル状塗布液をソーダライム基板(大きさ、100×100mm、厚み、0.5mm)上に、前述のスピンコーティング装置を用いて、50回転/秒(3000rpm)の回転速度で塗布した。
(ステップS103:塗布層のレベリング工程)
塗布層が形成されたガラス基板を、熱風乾燥方法に示した乾燥装置(200)に移動しながら、30秒間程度レベリングした。
(ステップS104:塗布層の熱風による乾燥工程)
図3を参照しながら説明する。
塗布層(14)が形成されたガラス基板(11)を、1.5mm/sの速度で搬送しながら、乾燥装置(200)により、15m/sの風速で、200℃の温度の熱風(204)を、ガラス基板(11)とその表面の塗布層(14)とに、直接的に吹き付けて、塗布層全体を乾燥した。このようにして、ガラス基板表面に、乾燥した凸状部群を形成した。
この熱風の温度(200℃)は、第一溶媒であるヘキシレングリコール(沸点:198℃)とエチルセロソルブ(沸点:134.8℃)よりも高く、且つ第二溶媒であるグリセリンの沸点(290℃)よりも低い温度である。
乾燥装置はガラスが搬送される前に、温度 200℃の熱風を送り始めた。吹き付け口の開口部の間隔Dは2mm、開口部の長さは300mm、吹き付け口とガラス基板の間隔Lは10mmとした。下流側(ガラスの搬送方向)へ送風するように、吹き付け角Rを15度とした。ガラス基板が小さいので、排気口は設置しなかった。
(ステップS105:高温乾燥工程)
密閉型の熱風循環式乾燥機(タバイエスペック社製、クリーンオーブン PVHC−210)内部の中央付近に付属の棚を設置して、その棚の中央付近に、凸状部群が形成されたガラス基板を水平に置いて、以下のような手順で乾燥を行った。
凸状部群が形成されたガラス基板を、予め160℃の温度に加熱してある前述の乾燥機に投入した。そして、温度を、40分間で300℃まで昇温し、300℃を10分間維持して、加熱を停止した。乾燥機の内部温度が160℃程度まで低下してから、このガラス基板を取り出した。その後、このガラス基板を自然冷却した。この乾燥温度の最大値(300℃)は、第一溶媒群および第二溶媒の沸点よりも高い温度である。
このようにして、十分に乾燥した凸状部群が表面に形成された物品を得た。
(凸状部群の観察)
得られた凸状部群の顕微鏡写真を図6(a)に示す。図6(e)に、座標系を示す。Yが、熱風の吹き付け方向であり、製造時の搬送方向(Y方向)でもある。熱風の吹き付け方向(Y方向)にほぼ沿って、約40μm以上の細長い凸状部群が存在し、写真の範囲(Y方向:約220μm)を超える長さの凸状部も存在していることが分かる。また、細長い凸状部群の一部は、隣接する凸状部同士が連結していることが分かる。細長い凸状部の幅は、連結部分を避けると、5〜30μm程度であり、細長い凸状部同士の間隔は、凸状部の頂上間で、20〜30μm程度であることが分かる。そして、これらの細長い凸状部群の間に、約40μm以下の円に近い形状の凸状部群が存在していることが分かる。
ここで、細長い凸状部とは、短径に対する長径の比が、約2倍以上の凸状部のことである。
(反射膜の形成)
この凸状部群表面に、前述の真空蒸着装置を用いて、銀(Ag)の反射膜を150nmの厚みになるように形成した。厚みは、真空蒸着装置に内蔵されている測定装置により確認した。
(光学的異方性の測定)
反射面の測定を行う前に、前述の測定方法に従い基準合わせを行った。その後、X方向およびY方向における反射面の光沢度分布を測定した。その測定結果を、表1に示す。この表には、後述の実施例2、実施例3および比較例1の測定結果も示している。そして、測定結果のグラフを、図7に示す。このグラフにおいて、実線は「Y方向の光沢度」、破線は「X方向の光沢度」を表している。また、測定点間が線分で連結されているが、これは、分布の様子を見やすくするためであり、非測定点での光沢度を表すものではない。後述の図8と図9についても同様である。
正反射である受光角 30度のときの光沢度は、測定装置の測定限界を超えて飽和していた。これは、銀の反射膜表面からの正反射の光強度が、前述の「鏡面光沢度−測定方法」の「5.鏡面光沢度の基準」に定められているガラス表面からの光強度よりも、強かったためである。その他の受光角では、光沢度は、飽和することなく測定できた。この現象は、後述の実施例2、実施例3および比較例1においても同様であった。
[実施例2]
(S101〜S105:凸状部群の形成)
実施例2は、形成される凸状部群の形状を変化させるために、実施例1とは、各原料および各溶媒の配合の割合を変えて、ゾル状塗布液を調製した。凸状部形成成分として、前述の第一のシリカ原料 6.0gを、平坦膜形成成分として、前述の第二のシリカ原料 1.0gを、第一溶媒のヘキシレングリコール(沸点:198℃) 13.9g、および第二溶媒のグリセリン(沸点:290℃) 4.5gに混合することにより、ゾル状塗布液を調製した。その他の各工程は、実施例1と同様とした。
(凸状部群の観察)
得られた凸状部群の顕微鏡写真を図6(b)に示す。熱風の吹き付け方向(Y方向)にほぼ沿って、写真の撮影範囲(Y方向:約220μm)を超える長さの細長い凸状部群が存在していることが分かる。また、これらの細長い凸状部のほとんどが、隣接する凸状部と連結しており、網目を引き伸ばしたような形状(長い網目構造)となっていることが分かる。細長い凸状部の幅は、連結部分を避けると、5〜30μm程度であり、細長い凸状部同士の間隔は、凸状部の頂上間で、20〜30μm程度であることが分かる。そして、これらの細長い凸状部群の間に、約10μm以下の円に近い形状の凸状部群が存在していることが分かる。
(反射膜の形成)
実施例1と同様にして、この凸状部群表面に、銀(Ag)の反射膜を150nmの厚みになるように形成した。
(光学的異方性の測定)
実施例1と同様にして、反射面光沢度分布を測定した。その測定結果を、表1に示す。そして、測定結果のグラフを、図8に示す。
[実施例3]
(ステップS101:塗布液の調製工程)
実施例3は、形成される凸状部群の形状を変化させるために、実施例1とは、平坦膜形成成分を変更し、そして、各原料と各溶媒の配合の割合を変えて、ゾル状塗布液を調製した。
以下の手順で、チタン原料を調製した。チタンアルコキシドであるオルトチタン酸テトライソプロポキシド 2.3gとアセチルアセトン 1.6gとを混合し、室温で24時間攪拌してアセチルアセトンをキレート配位させて、チタン化合物を得た。
凸状部形成成分として、前述の第一のシリカ原料 17.1gを、平坦膜形成成分として、前述のチタン化合物 3.9gを、第一溶媒のヘキシレングリコール(沸点:198℃) 32.0g、および第二溶媒のグリセリン(沸点:290℃) 12.0gに混合することにより、ゾル状塗布液を調製した。
ここで、前述の第一のシリカ原料 17.1gに含まれるエチルセロソルブは、調製時の比率を基にすると5.6g程度である。このエチルセロソルブ(沸点:134.8℃)も第一溶媒と見なすことができる。
(ステップS102:ゾル状塗布液の塗布工程)
前述のスピンコーティング装置の回転速度を33回転/秒(2000rpm)とした以外は、実施例1と同様にして、ゾル状塗布液をソーダライム基板(大きさ、100×100mm、厚み、0.5mm)上に塗布した。
(ステップS103:塗布層のレベリング工程)
実施例1と同様にして、塗布層のレベリングを行った。
(ステップS104:塗布層の熱風による乾燥工程)
熱風の風速を20m/sとし、温度を100℃とした以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板表面に乾燥した凸状部群を形成した。
この熱風の温度(100℃)は、第一溶媒であるヘキシレングリコール(沸点:198℃)とエチルセロソルブ(沸点:134.8℃)よりも低く、且つ第二溶媒であるグリセリンの沸点(290℃)よりも低い温度である。しかし、2つの第一溶媒の各沸点と第二溶媒の沸点との間に、十分な温度差があるので、凸状部形成成分と第二溶媒との間に相分離を起こさせることができた。
(S105:高温乾燥工程)
実施例1と同様にして、十分に乾燥した凸状部群が表面に形成された物品を得た。
(凸状部群の観察)
得られた凸状部群の顕微鏡写真を図6(c)に示す。熱風の吹き付け方向(Y方向)にほぼ沿った長細い凸状部群と円に近い形状の凸状部群とが存在していることが分かる。また、幾つかの凸部は、隣接する凸状部と連結していることが分かる。細長い凸状部の長さは、40〜70μm程度であり、幅は、連結部分を除くと、20〜30μm程度である。また、円に近い形状の凸状部群の直径は、20〜30μm程度である。そして、凸状部同士の間隔は、凸状部の頂上間で、20〜40μm程度であることが分かる。
(反射膜の形成)
実施例1と同様にして、この凸状部群表面に、銀(Ag)の反射膜を150nmの厚みになるように形成した。
(光学的異方性の測定)
実施例1と同様にして、反射面の光沢度分布を測定した。その測定結果を、表1に示す。そして、測定結果のグラフを、図9に示す。
[比較例1]
(S101〜S105:凸状部群の形成)
比較例1は、塗布層の熱風による乾燥工程(ステップS104)において、吹き付け角Rを0度とした以外は、実施例1と同様の工程で、凸状部群が表面に形成された物品を得た。吹き付け角が0度であるので、熱風は、塗布層(基板)に対して、垂直方向から吹き付けられたことになる。
(凸状部群の観察)
得られた凸状部群の顕微鏡写真を図6(d)に示す。実施例1および実施例2と異なり、細長い形状の凸状部群は存在せず、約20μm以下の円に近い形状の凸状部群のみが存在していることが分かる。
(反射膜の形成)
実施例1と同様にして、この凸状部群表面に、銀(Ag)の反射膜を150nmの厚みになるように形成した。
(光学的異方性の測定)
実施例1と同様にして、反射面の光沢度分布を測定した。その測定結果を、表1に示す。そして、測定結果のグラフを、図10に示す。
[凸状部群の形状の比較]
凸状部群の形状の違いを製造工程により比較する。
まず、比較例1と実施例1とを比較する。図6の(d)と(a)とを比較すると、比較例1の凸状部群が円に近い形状であるのに対して、実施例1の凸状部群は熱風の吹き付け方向(Y方向)にほぼ沿って、約40μm以上の細長い凸状部群が存在していることが分かる。比較例1と実施例1とに用いたゾル状塗布液は、同一のものであった。そして、製造条件の内、熱風の吹き付け角Rのみが異なっていた。実施例1では、熱風の吹き付け角Rが15度(塗布膜に対して斜め)であったのに対して、比較例1では、熱風の吹き付け角Rが0度(塗布膜に対して真上)であった。この比較から、細長い凸状部群を形成するためには、塗布層に対して熱風を斜め方向から吹き付ける必要があることが分かる。
次に、実施例1と実施例2とを比較する。図6の(a)と(b)とを比較すると、実施例1の細長い凸状部群は、写真の範囲(Y方向:約220μm)を超える長さの凸状部も存在しているが、40〜140μm程度であり、隣接する凸状部同士の連結も少ないことが分かる。そして、実施例2の細長い凸状部群は、写真の範囲を超える長さの凸状部群であり、隣接する凸状部同士が連結して網目を引き伸ばしたような形状(長い網目構造)となっていることが分かる。実施例1と実施例2とに用いたゾル状塗布液は、同じ原料と溶媒を用いて調製されたが、それらの配合の割合が異なっていた。その他の製造条件は、同一であった。この比較から、原料と溶媒の配合の割合を変えることにより、凸状部群の形状を制御可能なことが分かる。
凸状部群の形状の違いを塗布液の違いにより比較する。
実施例1と実施例3とを比較する。図6の(a)と(c)とを比較すると、実施例3の凸状部群の形状は、実施例1の細長い凸状部群の形状ほど長くないことが分かる。また、実施例1に見られる比較的小さな凸状部群が実施例3には見られないことが分かる。この比較から、平坦膜生成成分と凸状膜生成成分を適宜組み合わせることにより、凸状部群の形状を制御できることが分かる。
これら凸状部群の形状の比較から、本実施形態に係る製造方法によれば、凸状部群の形状を円に近い形状から一方方向へ細長い形状に制御することが可能であることが分かる。
[光沢度分布の測定結果の比較]
(光学的異方性)
表1には、X方向とY方向の光沢度分布(X、Y)の他に、X方向の光沢度に対するY方向の光沢度の比(Y/X)も合わせて示している。
図7および図8から、実施例1と実施例2とは、同様の分布を持っていることが分かる。実施例1における25度および35度の光沢度の比は、それぞれ0.49と0.31となっている。そして、実施例2における25度および35度の光沢度の比は、それぞれ0.43と0.24となっている。これらは、正反射の位置(30度)から5度程度ずれただけで、Y方向の光沢度が、X方向の光沢度よりも急激に小さくなることを表している。それらの様子は、図7および図8のX方向の光沢度分布(15)とY方向の光沢度分布(16)のグラフからも明らかである。したがって、実施例1と実施例2における凸状膜は、光学的異方性(視野の方向依存性)を有していることが分かる。
受光角 25度および35度の両方において、光沢度の比(Y/X)は、実施例2の方が、小さくなっていることが分かる(表1を参照のこと)。これは、十分な入射光量が確保できれば、実施例2の凸状部群の方が、実施例1の凸状部群よりも、X方向とY方向の反射光量の差を大きくできることを示している。このことは、実施例2の凸状部群が、より高い光学的異方性を有していることを示している。
図7〜9から、実施例3は、実施例1および実施例2とは異なる分布を持っていることが分かる。実施例3における25度および35度の光沢度の比は、それぞれ1.00と0.96となっており、実質的に差が見られないが、20度未満および40度以上の領域では、光沢度の比が小さくなっている。これらは、正反射の位置(30度)から5度程度ずれただけでは、方向による差はないが、それよりもずれた角度では、Y方向の光沢度が、X方向の光沢度よりも小さくなることを表している。したがって、実施例3における凸状膜は、実施例1と実施例2における凸状膜とは異なる光学的異方性を有していることが分かる。
図7〜10から、比較例1は、実施例1や実施例2、実施例3とは異なる分布を持っていることが分かる。比較例1における30度(飽和)以外の光沢度の比は、0.86〜1.33となっている。これは、X方向とY方向とで、反射光の散乱角度分布に、ほとんど差がないことを示している。したがって、比較例1における凸状膜は、光の入射方向に対して、光学的等方性を有していることが分かる。
これらから、本実施形態に係る凸状膜は、光の入射方向に対して、光学的異方性を有していることが分かる。また、平坦膜生成成分や凸状膜生成成分の各原料を適宜組み合わせ、あるいは各原料と各溶媒の配合の割合を適宜組み合わせることにより、光学的異方性の分布を制御できることが分かる。
(光沢度分布の指向性)
受光角 20および40度での光沢度を、実施例1〜3と比較例1とにおいて比較する。前記光沢度は、実施例1および実施例2においては、比較例1よりも低く、実施例3においては、比較例1よりも高くなっていることが分かる。これらは、比較例1の光沢度分布に対して、実施例1および実施例2の光沢度分布が急峻であり、実施例3の光沢度分布がなだらかであることを示している(図7〜図10を参照のこと)。このことは、実施例1および実施例2の凸状部群は、光の正反射の角度を中心として、高い指向性(視野の角度依存性)を有し、実施例3の凸状部群は、それらよりも低い指向性を有することを示している。
(光沢度分布の対称性)
図7および図8を参照すると、実施例1および実施例2におけるY方向の25度と35度の光沢度に、明らかな差があることが分かる。表2に、X方向およびY方向の25度の光沢度に対する35度の光沢度の比(35度/25度)を示す。
実施例1および実施例2におけるX方向の光沢度の比は、1.02と0.96であり、これは光沢度に差がないことを示している。実施例1および実施例2におけるY方向の光沢度の比は、0.65と0.54であり、これは35度の光沢度が25度の光沢度に比べて小さな値となっていることを示している。つまり、X方向では、正反射の角度を中心に対称的な光沢度分布を有し、Y方向では、正反射の角度を中心に非対称的な光沢度分布を有していることが分かる。
実施例3におけるX方向とY方向の光沢度の比は、0.76と0.79であり、方向によらず正反射の角度に近い範囲で、非対称的な光沢度分布を有していることが分かる。
比較例1におけるX方向とY方向の光沢度の比は、1.03と0.97であり、方向によらず正反射の角度を中心に対称的な光沢度分布を有していることが分かる。
これらは、本実施形態における凸状膜は、凸状部群の形状を制御することによって、X方向やY方向の光沢度分布の対象性を制御できることを示している。
これらの光沢度分布の比較から、本実施形態に係る凸状膜は、凸状部群の形状を制御することにより、光の入射方向に対する光学的異方性(視野の方向依存性)や正反射の角度を中心とした指向性(視野の角度依存性)を制御できることが分かる。
(反射光量)
塗布液の原料が同じ実施例1、実施例2および比較例1を比較する。
光沢度の最大値(25度または35度)について、実施例1と比較例1とを比較する。表1より、実施例1におけるX方向の光沢度の最大値 280.1%は、比較例1におけるX方向の光沢度の最大値 222.7%に対して、1.26倍に増加していることが分かる。そして、実施例1におけるY方向の光沢度の最大値 134.1%は、比較例1におけるY方向の光沢度の最大値 230.0%に対して、0.58倍に減少していることが分かる。ここで、光沢度の比較を比率同士で行っているのは、前述したように、光沢度の測定時に、一次光沢度標準板を用いて標準合わせを行っているので、規格化された値として扱えるからである。
次に、比較例1と実施例2とを比較すると、実施例2におけるX方向の光沢度の最大値 190.6%は、比較例1におけるX方向の光沢度の最大値 222.7%に対して、0.86倍に減少し、Y方向の光沢度の最大値 81.1%は、比較例1におけるY方向の光沢度の最大値 230.0%に対して、0.35倍に減少していることが分かる。
したがって、実施例1と実施例2とでは、X方向の光沢度の最大値が、比較例1に対して増加しているか、減少しているかの点で異なっていることが分かる。このことは、X方向において、同じ入射光量の場合、実施例1の凸状部群の方が、実施例2の凸状部群よりも、強い反射光量が得られることを表している。
以上は、凸状部群表面に形成した反射膜面における反射光の散乱特性について述べたが、反射膜が無い場合の透過光での散乱特性についても、反射光の散乱特性と同様の傾向があることを確認済みである。
本発明に係る異方性凸状部群が表面に形成された物品は、例えば、反射型液晶表示装置や半透過型液晶表示装置に代表される各種表示装置の光散乱反射基板の下地材に、好適に用いることができる。特に、秘匿性が求められる携帯端末、ATM端末、および各種情報端末の表示装置用に、好適に用いることができる。
本発明の実施の形態に係る凸状部群が表面に形成された物品の製造方法のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る凸状部群が表面に形成された物品を示す断面図である。(a)は凸状部群が凸状部のみからなる物品の例を、(b)は凸状部群が凸状部とそれらの間の平坦な膜状部からなる物品の例を表している。 本発明の実施の形態に係る熱風乾燥装置の概略図である。 図3の熱風乾燥装置の熱風の吹き出し口と基材との関係を表す概略図である。 図3の熱風乾燥装置の熱風の吹き出し口と基材との関係を表す他の概略図である。 本発明の(a)実施例1、(b)実施例2、(c)実施例3および(d)比較例1に係る物品の凸状部群の部分的な光学顕微鏡写真と、(e)それらの座標軸を表す概略図である。 実施例1の異方性凸状部群における反射光の散乱角度分布を示すグラフである。 実施例2の異方性凸状部群における反射光の散乱角度分布を示すグラフである。 実施例3の異方性凸状部群における反射光の散乱角度分布を示すグラフである。 比較例1の等方性凸状部群における反射光の散乱角度分布を示すグラフである。
符号の説明
10 凸状部群が表面に形成された物品
11 基材
12 凸状部
13 平坦な膜状部
14 塗布層
200 本発明に係る熱風乾燥装置
201 ダクト
202 吹き付け口
203 熱風発生機
204 熱風
205 搬送ロール
206 開口部調整板

Claims (13)

  1. 凸状部形成成分と、該成分と相溶性を有し少なくとも1種類の溶媒を含んでなる第一溶媒と、前記第一溶媒に比して前記成分との相溶性が低い少なくとも1種類の溶媒を含んでなる第二溶媒とを含むゾル状塗布液を、物品表面に塗布し塗布層を形成し、前記物品を一方向に搬送しながら、前記塗布層に含まれる前記第一溶媒および前記第二溶媒を乾燥させて、前記凸状部形成成分と前記第二溶媒との間に相分離を起こさせてなる凸状部群が表面に形成された光散乱体物品の製造方法において、
    前記塗布層に対して、前記物品表面に垂直に対向する方向を基準とし前記搬送の方向に傾斜した角度から熱風を直接的に吹き付けて乾燥させることにより、前記凸状部群を、前記搬送の方向に細長い形状の凸状部を有する異方性凸状部群としたこと、
    を特徴とする光散乱体物品の製造方法。
  2. 前記ゾル状塗布液に、さらに前記第二溶媒と相溶性を有する平坦膜状部形成成分を含ませた請求項1に記載の光散乱体物品の製造方法。
  3. 前記第一溶媒におけるいずれの溶媒も、前記第二溶媒におけるいずれの溶媒の沸点よりも低い沸点を有している請求項1または2に記載の光散乱体物品の製造方法。
  4. 前記熱風の温度を、前記第一溶媒における最低沸点を持つ溶媒の沸点よりも高い温度とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法。
  5. 前記熱風の温度を、前記第二溶媒におけるいずれの溶媒の沸点よりも低い温度とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法。
  6. 前記凸状部形成成分を生成する金属化合物を、有機修飾された金属アルコキシドとした請求項1〜5のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法。
  7. 前記平坦膜状部形成成分を生成する金属化合物を、金属アルコキシドとした請求項2〜6のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法。
  8. 前記熱風を吹き付ける角度を、5〜30度の範囲とした請求項1〜7のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光散乱体物品の製造方法により製造される物品であって、
    前記異方性凸状部群の各凸状部が、不均一な大きさを有していること、
    を特徴とする光散乱体物品。
  10. 前記物品の製造時における前記搬送の方向を前記物品表面の縦方向とし、前記縦方向に垂直な方向を横方向としたとき、前記各凸状部の前記横方向の間隔が、50μm以下である請求項9に記載の光散乱体物品。
  11. 前記異方性凸状部群よりも小さい凸状部群が、前記異方性凸状部群の谷間に形成されている請求項9または10に記載の光散乱体物品。
  12. 前記異方性凸状部群が、前記横方向に隣り合う異方性凸状部同士が少なくとも1箇所で連結した連結状異方性凸状部を含んでなる請求項9〜11のいずれか1項に記載の光散乱体物品。
  13. 前記異方性凸状部群が、前記縦方向に長い網目構造を形成している請求項9〜12のいずれか1項に記載の光散乱体物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111708110A (zh) * 2020-06-18 2020-09-25 欧菲微电子技术有限公司 一种扩散器的制备方法、扩散器以及摄像头模组

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