JP2006336951A - ボイラ運転制御方法およびボイラ運転制御システム - Google Patents

ボイラ運転制御方法およびボイラ運転制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】多炭種の石炭焚ボイラに対し、実際の炭種の混合比に応じた最適なボイラ燃焼となる制御を行う。
【解決手段】 石炭の炭種の石炭性状に関する情報を記憶したICタグを、各炭種とも同じ割合で石炭に混合するステップと、ボイラに供給される石炭に混合されたICタグの情報を読み取るステップと、読み取られたICタグの情報に基づき、各炭種の単位時間当たりの供給量と、各炭種の混合割合と、各炭種の石炭の性状とを特定するステップと、特定した各炭種の単位時間当たりの供給量と、各炭種の混合割合と、各炭種の石炭の性状とに基づきボイラの運転制御パラメータを決定し、決定した運転制御パラメータに基づきボイラの運転制御を行うステップと実行するボイラ運転制御方法とした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、1以上の炭種の石炭を燃料とするボイラの運転制御方法およびボイラ運転制御システムに関する。
一般に発電プラントで用いられる石炭焚ボイラ(石炭を燃料とするボイラ)は、世界各地から輸入された石炭が多用されることから、ボイラに用いる石炭の性状(石炭性状)も様々となっている。また、ボイラ効率は、石炭性状の違いにより燃焼特性が変化することから、炭種別に適した運転をすることが重要である。
そこで、従来は、運転員の手動による多炭種ボイラの運転制御対応または計算機による多炭種ボイラの運転制御対応を行っていた。前者は、運転員が経験的な指標により炭種の種類を判断し、ボイラ運転制御装置の運転制御パラメータ計算プログラムに炭種(この炭種の発熱量、燃料比、水分、灰分、粉砕性等)を設定して制御パラメータの計算を行わせ、必要に応じて制御パラメータの調整を行う方法である。
後者は、石炭燃焼後の灰等を分析して多炭種の石炭性状を推定し、その石炭性状に基づき運転制御パラメータ計算プログラムで制御パラメータの計算を行い、この計算結果をボイラ運転制御装置へ出力する方法や、石炭粉砕用のミルに供給される給炭量と炭種(石炭の堅さ)を測定し、これらの情報に基づきミルの運転制御を行う方法である(特許文献1参照)。
しかし、前記した技術のいずれもが、供給される石炭性状を把握し、石炭ボイラの設定をするのに非常に手間がかかるという問題がある。
すなわち、従来の運転員による多炭種ボイラの運転制御の場合は、手動でデータ設定を行う必要があり、データ設定等に手間がかかるという問題がある。また、石炭燃焼後の灰等を分析した多炭種ボイラの運転制御の場合も、分析結果をデータ設定にフィードバックする必要があるので、非常に複雑なシステムとなり、システム導入に費用がかかるという問題がある。また、特許文献1に開示される技術は、ミルの運転制御に特化した技術であり、ボイラのガス分配ダンパの開度や蒸気温度設定値等の制御については考慮されているものではない。
また、ボイラへ供給する炭種を切り替えるとき、ボイラに投入される炭種の混合割合が変化していく。例えば、炭種Aから炭種Bへ炭種を切り替えるとき、最初は炭種Aの石炭の割合が多いが、しばらくすると炭種Bの割合が多くなってくる。しかし、従来技術のいずれも、現在どの炭種の石炭が何%ボイラに投入されているかを知ることができないものであり、この間のボイラ制御が不安定になる可能性があるという問題がある。
特開2003−170079号公報
本発明は、これらの問題点を解決し、多炭種の石炭焚ボイラに対し、実際の炭種の混合比に応じたボイラ燃焼となる制御を行うボイラ運転制御方法等を提供することを課題とする。
本発明は、前記した課題を解決するため、ICタグ散布装置が、前記炭種の石炭性状に関する情報を記憶したICタグを、石炭に混合するステップと、ボイラに前記石炭を供給する給炭機が、前記石炭をボイラに供給するステップと、前記ICタグの読み取り装置であるICタグリーダが、前記ボイラに供給される石炭に混合されたICタグの情報を読み取るステップと、前記ボイラの運転制御を行うボイラ運転制御装置が、(1)前記ICタグリーダで読み取られたICタグの情報に基づき、前記各炭種の単位時間当たりの供給量、前記各炭種の混合割合および前記各炭種の石炭性状を特定するステップと、(2)前記特定した前記各炭種の単位時間当たりの供給量、前記各炭種の混合割合および前記各炭種の石炭性状に基づき、前記ボイラの運転制御パラメータを計算し、前記計算した運転制御パラメータに基づき前記ボイラの運転制御を行うステップとを実行し、炭種の混合割合に応じたボイラ運転制御を行うボイラ運転制御方法とした。その他の手段については、後記する実施の形態で述べる。
本発明によれば、多炭種の石炭焚ボイラに対し、実際の炭種の混合比に応じたボイラ燃焼となる制御を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)を説明する。
はじめに、比較例の多炭種ボイラの運転制御の流れについて説明を行う。ここでは例として、運転員が多炭種ボイラの運転制御を行う場合について説明する。図1は、比較例の発電プラントにおいて石炭が揚炭場からボイラに送られるまでの設備と運転員による多炭種ボイラの運転制御の関係を示した図である。
まず、世界各地の炭鉱から石炭運搬船1により運ばれてきた石炭は、揚炭場において揚炭機2により石炭運搬船1から陸揚げされて、貯炭場3に運ばれて貯蔵される。次に、貯炭場3に貯蔵されている石炭はベルトコンベア4により、ボイラ20へ移送される。このボイラ20は、一時的に石炭を蓄えておくためのバンカ5と、石炭を微粉末に加工するミル7へ石炭を供給する給炭機6と、ミル7と、微粉末に加工された石炭を燃焼させるボイラ本体8とを含んで構成される。ベルトコンベア4により、バンカ5に石炭が移送されると、給炭機6で石炭供給量の調節を行い、ミル7で石炭を微紛末に加工してボイラ本体8に運び、燃焼用の燃料として利用されることになる。
このとき、給炭機6から供給される石炭は多炭種であることから、運転員は混合している炭種の種類を表す炭種コード(炭種ID)をPC(Personal Computer)9の入力装置で選択し、ボイラ運転制御装置11へ出力する。この結果、運転員が選択した炭種コードに応じた制御がボイラ運転制御装置11により行われる。
しかしながら、炭種コードを切り替えるだけでは、石炭性状に合わせた適切なボイラ燃焼とすることができないために、運転員は制御設定値等の調整をする必要がある。さらに、炭種の切り替え途中は、どの炭種がどのくらいの比率で混合しているのかを知ることができないために、この間の制御が不安定になる可能性がある。
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態のボイラ運転制御方法による多炭種ボイラの運転制御の流れを説明する。図2は、第1の実施の形態のボイラ運転制御方法による多炭種ボイラの運転制御の手順を示した図である。
まず、石炭運搬船1により運ばれてきた石炭は、揚炭機2により石炭運搬船1から陸揚げされ貯炭場3に運ばれる。
そして、管理者が、陸揚げされた石炭の炭種ごとに、その炭種の石炭の産出国、発熱量、燃料比、灰分、水分および粉砕性に関する情報(石炭性状に関する情報)を入力装置31へ入力する。入力装置31から入力された石炭性状に関する情報をICタグ書き込み装置30が受け取ると、ICタグ書き込み装置30は、ICタグ12にこの石炭性状に関する情報を書き込む。
そして、この石炭が石炭運搬船1から陸揚げされて貯炭場3に運ばれる過程において、ICタグ散布装置32が石炭に、石炭性状に関する情報を書き込んだICタグ12を混合する。つまり、ICタグ散布装置32は、炭種Aの石炭が陸揚げされた旨の情報を取得すると、この石炭に、炭種Aの石炭性状に関する情報を書き込んだICタグ12を混合(散布)する。また、炭種Bの石炭が陸揚げされた旨の情報を取得すると、この石炭に炭種Bの石炭性状に関する情報を書き込んだICタグ12を混合(散布)する。
このときICタグ12は、石炭が陸揚げされ、揚炭機2が貯炭場3に石炭を置くときに、石炭全体にできるだけ均質に混合し、また各炭種とも同じ割合で石炭に混合するのが好ましい。つまり、炭種ごとにICタグ12が含まれる割合に偏りがないようにするのが好ましい。これは、ボイラ運転制御装置11が、単位時間当たりの炭種ごとの供給量とその炭種の混合割合とを、より正確に把握するためである。
なお、このときのICタグ12の混合割合は、例えば10個/t程度である。
次に、ICタグ12が混合された石炭は、貯炭場3からベルトコンベア4によりバンカ5に運ばれて、給炭機6からミル7を経てボイラ本体8に運ばれる。
このICタグ12には、ICチップ(IC集積回路)およびこのICチップに接続されるアンテナを備える。このICチップには石炭の産出国、発熱量(kJ/kg)、燃料比(固定炭素を揮発分で除した値)、水分、灰分、粉砕性等に関する情報が記憶されている。
ちなみに、このICタグ12は、非常に小型(例えば、0.4mm角等)であるので、ボイラ20で石炭と一緒に燃焼させても、ボイラ20の運転に影響を与えるものではない。
このICタグ12は、ICタグリーダ13に接近すると、このICタグリーダ13から送信される電磁波をアンテナによって電力に変換する。そして、この電力を用いて、ICチップは、書き込まれている識別情報(ID)を示す電磁波を発生させて、アンテナからICタグリーダ13ヘ送信する。したがって、ICタグリーダ13はICタグ12と非接触(無線)で、ICチップに書き込まれた識別情報をICタグリーダ13に取り込むことができる。
このようにして、給炭機6に設置されているICタグリーダ13は、給炭機6からミル7へ供給される石炭に混合しているICタグ12より石炭性状の情報を読み取る。
次に、ICタグリーダ13により読み取られたICタグ12の情報は、ボイラ運転制御装置11へ送信される。そして、ボイラ運転制御装置11は、単位時間当たりICタグリーダ13で読み取られた炭種ごとのICタグ12の個数から、各炭種の混合割合を計算する。また、この混合割合と、ICタグリーダ13で読み取られた石炭性状とから、ボイラ本体8に供給される石炭の平均化された石炭性状を計算する。そして、この平均化された石炭性状と、単位時間当たりの石炭供給量とから、ボイラ本体8が最適なボイラ燃焼となるような運転制御パラメータの計算を行い、この運転制御パラメータに基づくボイラ本体の運転制御を行う。このときの運転制御については後記する。
図3は、図2のボイラ運転制御装置の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ボイラ運転制御装置11は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)110と、CPU110が演算領域として用いる記憶部であるメモリ111と、図2のICタグリーダ13との通信を実現するネットワーク用コントローラ112と、ボイラ20へ制御信号を出力するI/O(Input/Output)インタフェース113とを備える。
メモリ111には、CPU110が、ICタグリーダ13から出力されたICタグ12の情報から、所定時間内にボイラ本体8に供給される石炭における平均化された石炭性状を計算するための平均化石炭性状計算プログラム15と、特定した石炭性状からボイラ20の運転制御パラメータ(ガス分配ダンパ開度、SH(Super Heater、過熱器)スプレ開度、蒸気温度設定値、水燃比、負荷変化時動的先行制御信号、ミル回転速度等)を計算する運転制御パラメータ計算プログラム16と、計算された運転制御パラメータに基づき、ボイラ20へ運転制御信号を出力するボイラ運転制御プログラム17とを記憶する。
なお、請求項における平均化石炭性状計算部は、CPU110が平均化石炭性状計算プログラムを実行することにより実現され、運転制御パラメータ計算部は、CPU110が運転制御パラメータ計算プログラム16を実行することにより実現される。また、ネットワーク用コントローラ112は、請求項における受信部に相当する。
続いて、適宜図2〜図3を参照しつつ、図4を用いて、ボイラ運転制御装置11の機能の説明を行う。図4は、図3のボイラ運転制御装置の機能を説明する図である。ここでは、例として、ボイラ20が燃料に用いる石炭は、炭種A、炭種Bおよび炭種Cの3種である場合について説明する。
まず、給炭機6により供給される石炭に混合しているICタグ12を、ICタグリーダ13で読み取る。そして、読み取ったICタグ12の情報を逐次ボイラ運転制御装置11へ出力する。
ボイラ運転制御装置11のCPU110は、平均化石炭性状計算プログラム15に基づき、ネットワークコントローラ112経由で受信したICタグ12の情報をメモリ111に記憶していく。ここでメモリ111に記憶される情報は、炭種Aの石炭性状IA(符号40)、炭種Bの石炭性状IB(符号42)および炭種Cの石炭性状IC(符号44)と、所定時間内に給炭機6から供給される石炭に含まれる、炭種AのICタグ12の個数NA(符号41)、炭種BのICタグ12の個数NA(符号43)および炭種CのICタグ12の個数NC(符号45)である。また、ここでの石炭性状の情報は、発熱量、燃料比、水分、灰分、粉砕性等の情報を含む。なお、この石炭性状の情報は、石炭の産出国、炭質分類(無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭等)、粘結性(非粘結、強粘結、弱粘結等)に関する情報をさらに含んでいてもよい。
次に、CPU110は、平均化石炭性状計算プログラム15に基づき、メモリ111に記憶されたデータをもとに、所定時間内にボイラ本体8に供給される石炭の平均化された石炭性状を計算する。
すなわち、以下の式(1)に基づき、所定時間内に供給される石炭の発熱量、燃料比、水分、灰分、粉砕性等の平均値を求める。
Figure 2006336951
次に、CPU110は、運転制御パラメータ計算プログラム16に基づき、平均化された石炭性状(発熱量、燃料比、水分、灰分、粉砕性、単位時間あたりの給炭量等)により、ボイラ20を効率よく運転するための運転制御パラメータを計算する。ここでの運転制御パラメータは、例えば、ボイラ本体8のガス分配ダンパ開度、SHスプレ開度、蒸気温度設定値、水燃比マスタ、負荷変化時動的先行制御信号、ミル7のミル回転速度等である。この運転制御パラメータ計算プログラム16は、例えば、特開平06−102905号公報に記載されるような公知の技術を用いることにより実現可能である。
CPU110は、平均化された石炭性状の燃料比に基づき、運転制御パラメータ計算プログラム16を実行する。例えば、CPU110は、燃料比に対する最適なSHスプレ開度を示した関数(図4の領域18参照)を参照して、最適なSHスプレ開度を計算したり、燃料比ごとに、給炭量に対し最適なミル回転速度を示した関数(図4の領域18参照)を参照して最適なミル回転速度を計算したりして、運転制御パラメータを求める。
そして、CPU110は、この運転制御パラメータをもとに、ボイラ運転制御プログラム17を実行することで、ボイラ運転制御装置11は、各炭種の混合割合が時間の経過とともに変化する場合であってもボイラ20が最適となるような運転制御を行うことができる。
このように、石炭についての各種情報を含んだICタグ12を、石炭が揚炭されてから貯炭場3に石炭を運ぶ過程において石炭種別に関係なく、ある所定の割合で石炭と混合し、その情報を給炭機に設置したICタグリーダ13で読み取ることで、給炭機6からミル7へ供給される多炭種の情報(発熱量、燃料比、水分、灰分、粉砕性、産出国、炭質分類、粘結性等の情報)や、炭種ごとの供給量を正確に知ることができる。これにより、比較例の運転員による多炭種ボイラの運転制御と比べて制御の負担を軽減することができる。また計算機による多炭種ボイラの運転制御と比べて設備コストを下げることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図2〜図4を参照しつつ、図5および図6を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施の形態のボイラ運転制御装置の構成を示すブロック図である。図6は、第2の実施の形態のボイラ運転制御方法による多炭種ボイラの運転制御の手順を示した図である。
第2の実施の形態は、ICタグ12が炭種ID(炭種の識別情報、炭種コード)を格納し、この炭種の石炭性状に関する情報は、ボイラ運転制御装置11側に格納することを特徴とする。すなわち、図5に示すように、メモリ111は、炭種IDごとの石炭性状の関する情報を示した石炭性状テーブル120を格納する。前記した第1の実施の形態と同様の構成要素は同じ符号を付して、説明を省略する。
図6に示すように、石炭運搬船1により運ばれてきた石炭は、第1の実施の形態と同様に、揚炭機2により石炭運搬船1から陸揚げされ、貯炭場3に運ばれる。そして、管理者が、陸揚げされた石炭の炭種ごとに、その炭種の石炭の産出国、発熱量、燃料比、灰分、水分および粉砕性に関する情報(石炭性状に関する情報)を入力装置31により入力する。このとき、ICタグ書き込み装置30へは炭種IDを出力し、炭種IDごとの石炭性状に関する情報はボイラ運転制御装置11に出力する。
ICタグ書き込み装置32は、入力装置31から出力された炭種IDをICタグ12に書き込み、このICタグ12をICタグ散布装置32に移送する。そして、ICタグ散布装置32は第1の実施の形態と同様に石炭にICタグ12を混合(散布)する。
一方、ボイラ運転制御装置11は、入力装置31から炭種IDごとの石炭性状の関する情報を受け取ると、これを石炭性状テーブル120としてメモリ111に記憶する。
この石炭性状テーブル120を表1に例示する。
Figure 2006336951
例えば、表1において、炭種ID「A」の石炭の燃料比は「a」であり、発熱量は「b」であり、灰分は「c」であり、水分は「d」であり、粉砕性は「e」であり、粘結性は「f」であり、産出国は「g」であり、炭質分類は「h」であることを示す。
そして、ボイラ運転制御装置11は、ICタグリーダ13経由でICタグ12に記憶された炭種IDを受信すると、石炭性状テーブル120を参照して、この炭種の石炭性状を特定する。そして、この特定された石炭性状に基づき運転制御パラメータの計算を行う。
このようにすることで、ボイラ運転制御装置11は、ボイラ本体8に供給される炭種の混合の割合が時間の経過とともに変化する場合であってもボイラ20が最適となるような運転制御を行うことができる。つまり、給炭機6からミル7へ供給される多炭種の情報(発熱量、燃料比、水分、灰分、粉砕性、産出国、炭質分類、粘結性等の情報)や、炭種ごとの供給量を正確に知ることができるので、多炭種運転制御をしやすくなる。
また、本実施の形態では、石炭性状に関する情報はボイラ運転制御装置11のメモリ111に格納するので、ICタグ12に記憶される情報量を少なくすることができる。つまり、記憶容量の少ないICタグ12であっても本システムを実施することができる。
なお、前記した実施の形態では、石炭へのICタグ12の混合割合は各炭種ごとに同じ割合として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、炭種ごとにICタグ12の混合の割合が異なるとき、その混合の割合を、入力装置31経由でボイラ運転制御装置11のメモリ111に設定しておく。そして、平均化石炭性状計算プログラム15により平均化された石炭性状を計算するときには、これらの混合割合を参照してICタグ12の個数(図4のNA,NB,NC)に重み付けをして計算を行うようにする。このようにすることで、炭種ごとにICタグ12の混合割合が異なる場合でも、ボイラ運転制御装置11は、ボイラ20の最適運転制御を行うことができる。
本実施の形態のボイラ運転制御装置11は、前記したような処理を実行させるプログラムによって実現することができる。また、これらのプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記憶媒体(CD−ROM等)に記憶して提供することが可能である。また、そのプログラムを、ネットワークを通して提供することも可能である。
比較例の発電プラントにおいて石炭が揚炭場からボイラに送られるまでの設備と運転員による多炭種ボイラの運転制御の関係を示した図である。 第1の実施の形態のボイラ運転制御方法による多炭種ボイラの運転制御の手順を示した図である。 図2のボイラ運転制御装置の構成を示すブロック図である。 図3のボイラ運転制御装置の機能を説明する図である。 第2の実施の形態のボイラ運転制御装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態のボイラ運転制御方法による多炭種ボイラの運転制御の手順を示した図である。
符号の説明
1 石炭運搬船
2 揚炭機
3 貯炭場
4 ベルトコンベア
5 バンカ
6 給炭機
7 ミル
8 ボイラ本体
11 ボイラ運転制御装置
12 ICタグ
13 ICタグリーダ
15 平均化石炭性状計算プログラム
16 運転制御パラメータ計算プログラム
17 ボイラ運転制御プログラム
20 ボイラ
30 ICタグ書き込み装置
31 入力装置
32 ICタグ散布装置
110 CPU(平均化石炭性状計算部、運転制御パラメータ計算部)
111 メモリ

Claims (8)

  1. 炭種の混合割合に応じたボイラ運転制御を行うためのボイラ運転制御方法であって、
    ICタグ散布装置が、前記炭種の石炭性状に関する情報を記憶したICタグを、石炭に混合するステップと、
    ボイラに前記石炭を供給する給炭機が、前記石炭をボイラに供給するステップと、
    前記ICタグの読み取り装置であるICタグリーダが、前記ボイラに供給される石炭に混合されたICタグの情報を読み取るステップと、
    前記ボイラの運転制御を行うボイラ運転制御装置が、
    (1)前記ICタグリーダで読み取られたICタグの情報に基づき、前記各炭種の単位時間当たりの供給量、前記各炭種の混合割合および前記各炭種の石炭性状を特定するステップと、
    (2)前記特定した前記各炭種の単位時間当たりの供給量、前記各炭種の混合割合および前記各炭種の石炭性状に基づき、前記ボイラの運転制御パラメータを計算し、前記計算した運転制御パラメータに基づき前記ボイラの運転制御を行うステップと、
    を含むことを特徴とするボイラ運転制御方法。
  2. 炭種の混合割合に応じたボイラ運転制御を行うためのボイラ運転制御方法であって、
    ICタグ散布装置が、前記炭種の識別情報である炭種IDを記憶したICタグを、石炭に混合するステップと、
    ボイラに前記石炭を供給する給炭機が、前記石炭をボイラに供給するステップと、
    前記ICタグの読み取り装置であるICタグリーダで、前記ボイラに供給される石炭に混合されたICタグの情報を読み取るステップと、
    前記ボイラの運転制御を行うボイラ運転制御装置が、
    (1)前記読み取られたICタグの情報に基づき、前記各炭種の前記単位時間当たりの供給量を測定して、前記各炭種の混合割合を特定するステップと、
    (2)前記炭種IDごとに、前記炭種の石炭性状を示す石炭性状テーブルと、前記読み取られたICタグの情報とを照合して、前記各炭種の石炭性状を特定するステップと、
    (3)前記測定した前記各炭種の前記単位時間当たりの供給量、前記各炭種の混合割合および前記各炭種の石炭性状に基づき前記ボイラの運転制御パラメータを計算し、前記計算した運転制御パラメータに基づき前記ボイラの運転制御を行うステップと、
    を含むことを特徴とするボイラ運転制御方法。
  3. 前記石炭性状に関する情報は、
    前記石炭の発熱量、燃料比、灰分、水分および粉砕性に関する情報であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ運転制御方法。
  4. 前記ICタグ散布装置が、前記ICタグを石炭に混合するステップにおいて、混合するICタグの数の割合を各炭種ごとに同じ割合とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のボイラ運転制御方法。
  5. 炭種の混合割合に応じたボイラ運転制御を行うためのボイラ運転制御システムであって、
    1以上の炭種の石炭を燃料とするボイラに供給される石炭に混合された、前記炭種の石炭性状に関する情報を記憶したICタグの情報を読み取るICタグリーダと、
    前記ICタグリーダで読み取られたICタグの情報を受信する受信部と、前記受信したICタグの各炭種ごとの個数から特定した各炭種の混合割合と、前記受信した各炭種の石炭性状に関する情報とに基づいて、前記ボイラに供給される石炭の平均化された石炭性状を計算する平均化石炭性状計算部と、前記平均化された石炭性状に基づき、前記ボイラの運転制御パラメータを計算する運転制御パラメータ計算部とを備え、前記計算した運転制御パラメータに基づき前記ボイラの運転制御を行うボイラ運転制御装置と、
    を有することを特徴とするボイラ運転制御システム。
  6. 炭種の混合割合に応じたボイラ運転制御を行うためのボイラ運転制御システムであって、
    1以上の炭種の石炭を燃料とするボイラに供給される石炭に混合された、前記石炭性状に関する情報を記憶したICタグの情報を読み取るICタグリーダと、
    前記ICタグリーダで読み取られたICタグの情報を受信する受信部と、前記炭種の識別情報である炭種IDごとに、前記炭種の石炭性状を示す石炭性状テーブルを記憶する記憶部と、前記受信した炭種IDをキーとして前記石炭性状テーブルを検索し、前記ボイラに供給される石炭性状を特定し、前記受信したICタグの各炭種ごとの個数から前記各炭種の混合割合を特定し、前記特定された各炭種の石炭性状および前記特定された各炭種の混合割合に基づき、前記ボイラに供給される石炭の平均化された石炭性状を計算する平均化石炭性状計算部と、前記平均化された石炭性状に基づき、前記ボイラの運転制御パラメータを計算する運転制御パラメータ計算部とを備え、前記計算した運転制御パラメータに基づき前記ボイラの運転制御を行うことを特徴とするボイラ運転制御装置と、
    を有することを特徴とするボイラ運転制御システム。
  7. 前記石炭性状に関する情報は、
    前記石炭の発熱量、燃料比、灰分、水分および粉砕性に関する情報であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のボイラ運転制御システム。
  8. 前記ボイラに供給される石炭に混合されたICタグの数の割合は、前記炭種ごとに同じ割合であることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のボイラ運転制御システム。
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