JP2006334690A - カッティング装置およびそのカッティング処理方法 - Google Patents

カッティング装置およびそのカッティング処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 切り文字用シートに対する切込み開始当初から、カッティングバイトが所定の切込み角度で切り文字用シートに切込み可能なカッティング装置等を提供する。
【解決手段】 シート送り経路31に沿って切り文字用シートTを正逆送りしながら、斜刃で構成したカッティングバイト142を自由回転自在に支持したバイトユニット131を、シート送り方向に直交するシート幅方向に正逆往復動させるカッティング処理を行うことにより、切り文字用シートTにカットラインを形成するカッティング機構121と、カッティングバイト142の正逆往復動の基点となる移動基点位置にカッティングバイト142が臨んだときに、カッティングバイト142を回転させてその刃先を、所定の切込方向に向かせる刃先方向設定機構138と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、切り文字用シートのシート送り方向に直交するシート幅方向にカッティングバイトを移動させることにより、切り文字用にカットラインを形成するカッティング装置およびそのカッティング処理方法に関する。
従来から、シート送り経路に沿って、切り文字用シート(カッティングテープ)を正逆送りしながら、シート送り方向と直交するシート幅方向にカッティングバイトを正逆往復動させるカッティング処理を行うことにより、切り文字用シートにカットラインを形成するカッティング装置(テープ処理装置)が知られている。この種のカッティング装置に適用されるカッティングバイトは、バイトカバー内で自由回転自在に支持されたバイト保持部材に保持されている。そして、カッティング処理により、切り文字用シートのシート送り方向への正逆送りと、カッティングバイトのシート幅方向への正逆往復移動とを同期して行うと、(これらを行うことにより生じる)切り文字用シートの切断抵抗に応じて(バイト保持部材を介して)カッティングバイトが回転し、その切っ先が所定の方向を向くようになっており、切り文字用シートに、任意の形状のカットラインを形成することができるようになっている。
特開2004−255825号公報
このように、従来のカッティング装置では、切り文字用シートの送りとカッティングバイトの移動とに基づく切断抵抗に応じて、カッティングバイトの切っ先方向が設定されるため、切り文字用シートから離間したときのカッティングバイトの切っ先方向が、次の切込み開始直後の切っ先の向きとなり、この状態で切込みが開始される。そして、切り文字用シートから離間したときのカッティングバイトの切っ先方向は、形成するカットラインによって様々であり、切込み開始直後の、切り文字用シートに対するカッティングバイトの切込み角度がばらばらとなってしまう。したがって、切込み開始直後から、所定の切込み角度を必要とするようなカッティング処理(例えば、切り文字用シートを横断するように、シート幅方向に直線状のカットラインを形成するような場合)を行う場合では、切込み角度を所定の角度とすることができないため、適切なカットラインを形成することができない。
そこで、本発明は、切り文字用シートから離間したときのカッティングバイトの切っ先方向に関わらず、切り文字用シートに対する切込み開始当初から、カッティングバイトが所定の切込み角度で切り文字用シートに切込み可能なカッティング装置およびそのカッティング処理方法を提供することを課題としている。
本発明のカッティング装置は、シート送り経路に沿って切り文字用シートを正逆送りしながら、斜刃で構成したカッティングバイトを自由回転自在に支持したバイトユニットを、シート送り方向に直交するシート幅方向にカッティングバイトを正逆往復動させるカッティング処理を行うことにより、切り文字用シートにカットラインを形成するカッティング機構と、カッティングバイトの正逆往復動の基点となる移動基点位置にカッティングバイトが臨んだときに、カッティングバイトを回転させてその刃先を、所定の切込方向に向かせる刃先方向設定機構と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、シート送り経路に沿って切り文字用シートを正逆送りしながら、斜刃であるカッティングバイトを自由回転自在に支持したバイトユニットを、シート送り方向に直交するシート幅方向に正逆往復動させるカッティング処理を行うことにより、切り文字用シートにカットラインを形成するカッティング装置のカッティング処理方法であって、カッティング処理の開始に先立ち、カッティングバイトの正逆往復動の基点となる移動基点位置にカッティングバイトが臨ませ、移動基点位置に臨んだカッティングバイトを回転させてその刃先を、所定の切込方向に向かせる刃先方向設定機構により、カッティングバイトの刃先を所定の切込方向に向かせた後、カッティングバイトの正逆往復動を開始することを特徴とする。
これらの構成によれば、カッティングバイトが、その正逆往復動の基点となる移動基点位置に臨むと、刃先方向設定機構により、カッティングバイトが回転させられ、その刃先が所定の切込方向を向くように構成されている。そして、移動基点位置に臨ませた後、カッティングバイトの移動を開始すれば、カッティングバイトの刃先が所定の切込み方向を向いた状態(すなわち所定の切込み角度)で、切り文字用シートに切込み動作をさせることができる。したがって、切り文字用シートに対して所定の切込み角度で切り込みたい場合には、カッティングバイトを一旦移動基点位置に臨ませればよく、切込み開始端から切り文字用シートに精度良くカットラインを形成することができる。
この場合、移動基点位置は、シート送り経路から外れ、かつカッティングバイトの往動開始位置であり、切込方向は、カッティングバイトの往動方向であることが好ましい。
この構成によれば、カッティングバイトを往動させて切り文字用シートに切込む場合、カッティングバイトの刃先方向は常に所定の切込み方向を向いているため、カッティングバイト往動時の切込み動作開始当初の切込み角度を所定の角度とすることができる。
この場合、カッティング処理には、切り文字用シートの全シート幅に亘り、テープ幅方向と平行な直線状のカットラインを形成するハーフカット処理が含まれており、切込方向は、カッティングバイトの往動方向であることいることが好ましい。
この構成によると、カッティングバイトの切込み方向が、カッティングバイトの往動方向、すなわち切り文字用シートの(シート送り方向に平行な)縁端を直角に切込む方向に設定される。したがって、テープ幅方向と平行な直線状のカットラインを形成するハーフカット処理を行う場合には、カッティングバイトを往動させながら、これを切り文字用シートに切込ませることにより、(切込み開始端のカットラインが歪むことなく)シート幅方向に平行なカットラインを精度良く形成することができる。また、移動基点位置がカッティングバイトの往動開始位置となっているため、カッティング処理の開始時には、カッティングバイトの刃先方向が往動方向に設定されており、(カッティングバイトの刃先方向設定のために、敢えてこれを移動させる必要が無く)効率よく迅速にハーフカット処理を行うことが可能である。
この場合、刃先方向設定機構は、カッティングバイトに組み込まれた可動磁石と、移動基点位置の近傍に固定された固定磁石と、で構成され、固定磁石と可動磁石との相互吸着力により、カッティングバイトを回転させることが好ましい。
この構成によれば、移動基点位置にバイトユニットが近接または臨むと、可撓磁石および固定磁石の相互吸着力(異磁極作用)により、カッティングバイトを回転させることができ、カッティングバイトの刃先方向を所定の切込み方向に設定することができる。
この場合、カッティング機構を支持する装置フレームをさらに備え、固定磁石は、移動基点位置に臨むバイトユニットが近接する装置フレームの一部に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、装置フレームを利用して固定磁石を設けることができる。
この場合、可動磁石は、棒状に構成され、カッティングバイトの回転軸を貫くように配設されていることが好ましい。
この構成によれば、可動磁石は、棒状に構成され、カッティングバイドの回転軸を貫くように配設されているため、可動磁石と固定磁石との相互作用により、カッティングバイトを効率的に回転させることができ、カッティングバイトの刃先方向を所定の切込み方向に確実に設定することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。このテープ処理装置は、切り文字用テープおよび剥離テープを積層した処理テープ(剥離紙付きテープ)をテープカートリッジから繰出して印刷処理を行った後、印刷済み部分をフルカット処理によりこれを切り離すと共に、切り離したテープ片に対してカットラインを形成するカッティング処理をさらに行うことにより、いわゆる切り文字(記号および図形を含む)を形成したテープ片を作成するものである。
図1は、テープ処理装置の外観斜視図である。同図に示すように、このテープ処理装置1は、上部ケース3および下部ケース4から成る装置ケース2により外郭を構成されている。上部ケース3の上面前方には、複数のキーを有し、各種データ入力用のキーボード5が配設されている。上部ケース3の上面後方には、その右部にディスプレイ6が組み込まれていると共に、ディスプレイ6の図示左側に隣接して、上部ケース3の一部を構成するカートリッジ用開閉蓋7が開閉自在に設けられている。カートリッジ用開閉蓋7の内部には、テープカートリッジCを着脱自在に装着するカートリッジ装着部8が形成されている。また、上部ケース3の左側面には、処理済みの処理テープTが排出されるテープ排出口9が形成されている。
なお、図中の符号381は、後述するカッティングバイト142の交換のためのバイト交換蓋381であり、符号622は、テープ収容部601(図示省略:後述する)を開放するための収容部開閉蓋である。
図2に示すように、装置ケース2の内部には、ユニット化された装置アッセンブリ11が収容されている。装置アッセンブリ11は、装置ケース2に固定された支持フレーム21と、支持フレーム21に組み込まれた内部装置22と、で構成されている。支持フレーム21は、カートリッジ装着部8を構成するカートリッジフレーム23と、これに添設された共通支持フレーム24と、を備えている。共通支持フレーム24は、底板となる下フレーム25と、下フレーム25に対向する上フレーム26と、下フレーム25および上フレーム26の間に設けられた鉛直フレーム27と、を有している(図2,3および図5参照)。
また、図2,3に示すように、支持フレーム21および装置ケース2により、テープカートリッジCから繰出された処理テープTを送るためのテープ送り経路31が形成されている。テープ送り経路31は、テープカートリッジCのテープ繰出し口(後述する)からテープ排出口9にかけて直線的に形成された第1送り経路32と、分岐部33で第1送り経路32の途中から分岐し、テープ収容部601に連通する第2送り経路34と、で構成されている。なお、図中に示す符号125は、一部のカッティング処理で用いられるテープバッファ125である(詳細は後述する)。
図2に示すように、内部装置22は、カートリッジフレーム23内に組み込まれ、処理テープT(の切り文字用テープTc)に印刷処理を行う印刷ユニット41と、テープ送り経路31に臨むように共通支持フレーム24に支持され、処理テープTにフルカット処理を行うフルカットユニット42と、フルカットユニット42の下流側に位置して共通支持フレーム24に支持され、処理テープT(の切り文字用テープTc)にカッティング処理を行うカッティングユニット43と、これら各ユニットを統括制御する図外の制御手段44(図10参照)と、を備えている。
そして、このテープ処理装置1では、処理テープTに対して、制御手段44の制御に基づいて、印刷ユニット41を用いて印刷処理を行った後、フルカットユニット42およびカッティングユニット43を用いて、フルカット処理、カッティング処理を順次行うことにより、所望のキャラクタが印刷され、かつ所望の形状に切抜きカットされたテープ片を作成できるようになっている。なお、当然のことながら、印刷処理、フルカット処理と行って、カッティング処理を行わず、印刷のみがされたテープ片を得ることも可能であるし、印刷処理を行わず、フルカット処理、カッティング処理と行って、切抜きカットのみが為されたテープ片を得ることも可能である。
なお、図2に示すように、このテープ処理装置1に用いられるテープカートリッジCは、カートリッジケースC1により全体をカバーリングされており、処理テープTをロール状に巻回したテープリールC2と、インクリボンRをロール状に巻回したリボン繰出しリールC3と、繰出したインクリボンRを巻き取るリボン巻取りリールC4と、を備えている。また、テープカートリッジCには、後述する印刷ユニット41の印刷ヘッド62を遊挿する貫通開口C5が形成されている。この貫通開口C5に臨むように、回転自在のプラテンローラC6が配設されると共に、プラテンローラC6に近接して、テープリールC2から繰出された処理テープTが貫通開口C5に臨むように導く経路部材C7が設けられている。
処理テープTは、プラテンローラC6と共に貫通開口C5に臨んでおり、その先端は、貫通開口C5の近傍に形成されたテープ繰出し口(図示省略)からテープカートリッジCの外部(テープ送り経路31)に引き出されている。インクリボンRは、貫通開口C5の位置で処理テープTと相互に重なり合った後、貫通開口C5を周回して、リボン巻取りリールC4に巻き取られる。
なお、このテープカートリッジCでは、プラテンローラC6および経路部材C7が協働して、テープ繰出し口から引き出された処理テープTの端がテープカートリッジC内に入り込むことを防止するようになっている。より具体的には、プラテンローラC6は、カートリッジケースC1に遊挿された状態で、長円形の軸受け部(図示省略)に回転自在に軸支されており、繰出した処理テープTを逆送りしようとすると、プラテンローラC6(の周面)が軸ずれしながら経路部材C7に当接して、処理テープTの逆送りが防止される。
このテープカートリッジCに収容されている処理テープTは、粘着面を有し印刷および切抜き加工が為される切り文字用テープTc(テープ本体)に、剥離テープTpを積層した切り文字用のものであり、処理後に切り抜きカットした切り文字を、粘着面を利用して被着物に貼付できるようになっている。テープカートリッジCには、切り文字用テープTcの地色や(4〜36mm幅までの)幅の異なる複数種のものが用意されており、テープカートリッジCの裏面には、これらを識別するための識別孔(図示省略)が複数設けられている。
一方、カートリッジ装着部8(の底板)には、複数のマイクロスイッチで構成したテープ識別センサ51(図示省略)が配設されており、テープカートリッジCをカートリッジ装着部8にセットすると、テープカートリッジCの裏面に設けられた識別孔の配列(ビットパターン)から、処理テープT(切り文字用テープTc)の種類を識別できるようになっている。
なお、カートリッジ装着部8には、切り文字用テープTcに代えて、ラベル用テープTlと剥離テープTpとから成る処理テープTを収容したラベル用のテープカートリッジCもセット可能に構成されており、テープ処理装置1により、処理テープT(ラベル用テープTl)に印刷を行った後これを切断して、ラベルとして貼付可能なテープ片を得ることもできるようになっている。そして、テープ識別センサ51は、切り文字用のテープカートリッジCが装着されたのか、ラベル作成用のテープカートリッジCが装着されたのか、すなわちテープカートリッジCに収容されたテープの種類も検出できるようになっている。
次に、内部装置22を構成する各手段について説明する。印刷ユニット41は、処理テープTに対して印刷処理を行うものであり、図2に示すように、印刷送り機構61と、印刷ヘッド62と、を備え、印刷送り機構61により、テープカートリッジCから処理テープTを繰り出し送り(印刷送り)しながら、これと同期して印刷ヘッド(サーマルヘッド)62を駆動させることにより、処理テープTに印刷を行う。
印刷送り機構61は、テープカートリッジCに配設されたプラテンローラC6と、プラテンローラC6を回転させるプラテン駆動軸71と、プラテン駆動軸71を回転させるための印刷送りモータ72と、減速歯車列を介して、印刷送りモータ72の動力をプラテン駆動軸71に減速して伝達する印刷送り動力伝達機構70(図10参照)と、を備えている。プラテン駆動軸71は、カートリッジ装着部8に立設され、カートリッジ装着部8にセットされたテープカートリッジCのプラテンローラC6に係合する。印刷送りモータ72を駆動すると、プラテン駆動軸71を介してプラテンローラC6が回転し、印刷ヘッド62との間に挟み込まれた処理テープTの繰出し送り(印刷送り)が為されると共に、上記したテープ送り経路31に沿って、(印刷済みの)処理テープTが順次フルカットユニット42、カッティングユニット43側へ送り出されてゆく。
なお、カートリッジ装着部8には、プラテン駆動軸71と共に、上記したリボン巻取りリールC4に係合するリボン巻取り駆動軸73が立設されている。印刷送りモータ72の動力は、印刷送り動力伝達機構70を介してリボン巻取り駆動軸73にも伝達されており、プラテン駆動軸71およびリボン巻取り駆動軸73は、互いに同期して回転する。すなわち、処理テープTの送りとインクリボンRの巻取りが同期して行われるようになっている。
印刷ヘッド62は、ヘッドカバー(図示省略)に覆われた状態で、カートリッジ装着部8に立設されており、カートリッジ装着部8にテープカートリッジCをセットすると、テープカートリッジCの貫通開口C5に印刷ヘッド62が遊挿される。これにより、貫通開口C5に位置する処理テープTおよびインクリボンRを挟んで、印刷ヘッド62がプラテンローラC6に対峙する。
印刷ヘッド62は、図示省略のヘッドリリース機構により、カートリッジ用開閉蓋7の開閉と連動して、プラテンローラC6に対して離接するようになっている。すなわち、カートリッジ用開閉蓋7を閉じると、ヘッドリリース機構により、処理テープTおよびインクリボンRを介して印刷ヘッド62がプラテンローラC6に当接し(挟み込まれ)、処理テープTの切り文字用テープTcに熱転写(印刷)が可能な状態となる。
次に、フルカットユニット42について説明する。図2および図3に示すように、フルカットユニット42は、カートリッジ装着部8に隣接し、印刷ユニット41のテープ送り方向下流側、すなわち印刷ユニット41とカッティングユニット43との間、に配設されている。図2ないし4に示すように、フルカットユニット42は、鉛直フレーム27に支持されると共に、テープ送り経路31(第1送り経路)に臨み、印刷ユニット41から送られてきた処理テープTをハサミ形式で切断するフルカッタ81と、フルカッタ81に切断動作させるための動力源を構成するフルカットモータ82と、フルカットモータ82の動力をフルカッタ81に伝達して、これに切断動作(フルカット処理)させるフルカット動力伝達機構83と、を備えている。
図3に示すように、フルカッタ81は、鉛直フレーム27に固定される固定刃91と、支軸(図示省略)を介して固定刃91に回動自在に支持した可動刃92と、で構成されており、支軸を中心に可動刃92を回動(揺動)させることにより、処理テープTを切断(フルカット)する。
フルカットモータ82は、DCモータで構成されている。フルカットモータ82の動力は、後述の幅ガイド機構122の駆動源を兼ねており、クラッチ切替えにより、正逆一方の回転動力がフルカットユニット42を駆動し、他方の回転動力が幅ガイド機構122を駆動する(図4参照)。
図4に示すように、フルカット動力伝達機構83は、フルカットモータ82の出力軸に固定されたフルカットウォーム101と、これに噛合するフルカットウォームホイール102と、フルカットウォームホイール102の同軸上に固定したフルカット第1歯車103と、フルカット第1歯車103の歯車軸に自由回転可能に支持されたフルカットキャリア104と、フルカットキャリア104の先端部に回転自在に軸支されると共に、フルカット第1歯車103に噛合するフルカット伝達歯車105と、フルカット伝達歯車105に噛合可能に構成されたフルカット第2歯車111と、フルカット第2歯車111と同軸上に固定したフルカット第3歯車112と、フルカット第3歯車112に噛合するフルカット第4歯車113と、フルカット第4歯車113と同軸上に固定されたフルカット第1傘歯歯車114と、フルカット第1傘歯歯車114に噛合するフルカット第2傘歯歯車115と、フルカット第2傘歯歯車115と同軸上に固定されたフルカット第5歯車116と、フルカット第5歯車116に噛合するフルカッタ駆動歯車117と、を有している。また、フルカッタ駆動歯車117には、その同軸上に略同径のフルカットクランク輪118が固定され、フルカットクランク輪118に可動刃92に形成された長孔95に係合するクランクピン(図示省略)が設けられている。
そして、フルカットモータ82が所定方向(正方向)に回転駆動すると、フルカットウォーム101、フルカットウォームホイール102、フルカット第1歯車103、フルカット伝達歯車105の順に動力が伝達される。このとき、フルカット第1歯車103の回転によりフルカットキャリア104が連れ回りして、フルカット伝達歯車105がフルカット第2歯車111に噛合する。これにより、(幅ガイド機構122には動力は伝達されず)フルカッタ駆動歯車117に動力が伝達され、フルカットクランク輪118が回転する。この結果、クランクピンを介して、フルカッタ駆動歯車117の回転が可動刃92に伝達され、可動刃92が揺動して、処理テープTに対して切込み動作が行われるようになっている(揺動クランク機構)。
なお、図示省略したが、フルカットクランク輪118の周面には、マイクロスイッチが添設しており、フルカットクランク輪118の周面の1ヶ所に形成した凹部にマイクロスイッチのスイッチ端が落ち込むことで、フルカッタ81のホーム位置を検出できるようになっている。
次に、カッティングユニット43について説明する。カッティングユニット43は、フルカットユニット42を経て送られてきた処理テープT(テープ片)に対して、切り文字用テープTcのみ(厳密には剥離テープの一部も含む)を切断するカッティング処理を行うものである。なお、この場合、カッティング処理には、処理テープTのテープ幅方向を横断するように切り文字用テープTcのみを切断する、いわゆるハーフカット処理を含む概念である(詳細は後述する)。
図2および図3に示すように、カッティングユニット43は、第1送り経路32に臨んで配設され、テープ送り経路31に沿って正逆送りしながら、カッティングバイト142によりカッティング処理を行うカッティング機構121と、第1送り経路32を挟んで、カッティング機構121に(前後に)対向して配設され、カッティング処理のためにテープ送り経路31に臨む処理テープTをテープ幅方向にガイドする幅ガイド機構122と、第2送り経路34に連なるテープ収容部601を有し、カッティング処理により正逆送りされる切断済みの処理テープTの尾端側を巻き込むように動作するテープ収容機構123と、カッティング処理のために、フルカットされた処理テープTの尾端を第2送り経路34に導くための経路変更機構124(案内手段)と、第1送り経路32に臨みかつフルカッタ81の下流側に隣接して設けられ、未切断の処理テープTに対してカッティング処理を行うためのテープバッファ125と、を備えている。
図3、図5ないし図8に示すように、カッティング機構121は、カッティング処理の主体を為すカッティングバイト142を有し、処理テープT(切り文字用テープTc)に切込みを行うバイトユニット131と、バイトユニット131を着脱自在に保持するバイトホルダ132と、バイトホルダ132からバイトユニット131を着脱するためのバイト着脱機構133(バイトロック機構)と、バイトホルダ132を介し、テープ送り方向と直交した処理テープTのテープ幅方向(すなわち鉛直方向)に対して、バイトユニット131を移動自在に支持するバイトキャリッジ134と、バイトホルダ132を介して、バイトユニット131を処理テープTからカッティングバイト142を離接させるバイト離接機構135と、バイトキャリッジ134をテープ幅方向に正逆往復動させるためのバイト移動機構136と、上記印刷送り機構61によりカッティングユニット43に送り込まれてきた処理テープTをテープ送り経路31に沿って正逆送りするカッティング送り機構137と、を備えている。また、カッティング送り機構137には、刃先方向設定機構138が設けられており、後述の移動開始位置に臨むカッティングバイト142の切っ先方向を所定方向に設定するようになっている。
図5ないし図8に示すように、バイトユニット131は、バイトユニット131の外郭を構成する略円筒状のバイトカバー141と、テープ送り経路側となるバイトカバー141の先端から、所定量僅かに切っ先が突出したカッティングバイト142と、先端部にカッティングバイト142を保持するバイト保持部材143と、バイト保持部材143を自由回転自在に軸支する一対の軸受144a、144bと、バイトカバー141から突出するカッティングバイト142(切っ先)の突出量(処理テープTに対するカッティングバイト142の切込み深さ)を調整するためのバイト調整機構145と、を有している。なお、テープ送り経路31を構成する上述の鉛直フレーム27において、カッティングバイト142が臨む部分は平坦に形成されており、この平坦部が切込み動作するカッティングバイト142のバイト受け面として機能する(図5および図8参照)。
図5および図8に示すように、バイトカバー141は、テープ送り経路側に位置してカッティングバイト142を内包する先端側の細径部152、および細径部152に連なり、これよりも一回り大きい径を有する基端側の太径部153から成る円筒カバー部151と、円筒カバー部151(太径部153)の基端側を閉塞する蓋カバー部154と、で構成されている。
細径部152の先端面は、カッティングバイト142の突出口(図示省略)を有すると共に平坦に形成されており、カッティング処理に伴う処理テープTの切断抵抗により、処理テープTが浮き上がらないようにこれをバイト受け面に押圧する。太径部153は、バイトユニット131をバイトホルダ132にがたつき無く装着できるように、先端に向かって緩やかなテーパ状に形成されている。また、太径部153には、バイトユニット131をバイトホルダ132に装着するときのストッパとなる段部161が形成されている。また、バイトホルダ132において、太径部153の段部161と対向する位置にあり、かつ段部161よりも先端側に位置する部分は、一部が切り欠かれている。この切欠き部には、円筒カバー部151の一部に、径方向に突出する突出部162が形成されている。突出部162は、バイトユニット131をバイトホルダ132に装着するときのガイドとして機能すると共に、バイトユニット131をバイトホルダ132に固定するための係止部となる(詳細は後述する)。
図5および図8に示すように、バイト保持部材143は、先端部でカッティングバイト142を保持すると共に、細径部152に遊挿された円柱状のバイト保持ブロック171と、先端部側にバイト保持ブロック171が嵌合固定されると共に、一対の軸受144a、144bに回転自在に軸支されたバイト保持軸172と、で構成されている。バイト保持ブロック171に保持されたカッティングバイト142は、斜刃で構成され、その切先位置とバイト保持軸172の回転軸とは位置ずれしている。したがって、カッティング処理により、カッティングバイト142が受ける切断抵抗の向きに応じて、バイト保持軸172が回転し、カッティングバイト142の刃先の向きが処理テープTの切込み方向を向くようになっている。なお、図中の符号501は、後述する刃先方向設定機構138のバイト側磁石である。
各軸受144a、144bは、ボールベアリングで構成されている。そして、図5および図8に示すように、一対の軸受け部材のうち、一方のラジアル軸受144aは、太径部153の先端部側に配設され、他方のアンギュラ軸受144bは、バイト調整機構145を構成するスライド部材193(後述する)内に組み込まれている。
なお、バイトユニット131には、ラジアル軸受144aに一端が当接し、他端をバイト保持軸172を貫通するピンに当接した圧縮ばね181が設けられており、バイト保持軸172を介し、カッティングバイト142をバイトユニット131(バイト保持軸172)の基端側に引き上げるようになっている。
図5および図8に示すように、バイト調整機構145は、外側から蓋カバー部154の軸心に螺合した調整ねじ192と、太径部153の内周面をスライド可能に構成され、調整ねじ192の先端が突き当てられたスライド部材193と、太径部153の内側段部とスライド部材193との間に介設され、スライド部材193を調整ねじ192に向かって付勢する付勢ばね194と、を備えている。調整ねじ192を回転調整するとその進み対偶により、スライド部材193を介して、バイト保持軸172が軸線方向にスライド(進退)する。これにより、バイト保持軸172に連結されたカッティングバイト142のバイトカバー141からの突出量を変化させることができ、カッティング処理時におけるカッティングバイト142の切込み深さを適宜調整することが可能となる。
図6ないし図8に示すように、バイトホルダ132は、バイトユニット131が装着される略円筒状のユニット装着部201と、ユニット装着部201に固定され、ユニット装着部201に対するバイトユニット131の着脱をガイドする着脱ガイド部202と、ユニット装着部201を支持すると共に、バイトキャリッジ134に支持されるバイト支持部203と、を備えている。なお、ユニット装着部201、着脱ガイド部202、およびバイト支持部203は、樹脂等により一体に構成されている。
ユニット装着部201は、バイトユニット131を装着し、バイトユニット131(カッティングバイト142)がテープ送り経路31(第1送り経路32)、すなわち処理テープTに対して垂直となるように、これを水平(平行)に着脱・保持するための装着貫通口(図示省略)を有している。また、装着貫通口(のバイト支持部203側)には、上記円筒カバー部151に形成された段部161を受け(係合し)、バイトユニット131の着脱方向においてバイトユニット131の挿入位置を規制する挿入位置規制部212が設けられている。
なお、図5および図6に示すように、ユニット装着部201には、バイトユニット131の交換時にバイトホルダ132を共通支持フレーム24(上フレーム26)に係止するための係止突起382が突設されている(詳細は後述する)。
着脱ガイド部202は、(ユニット装着部201から)バイトユニット131の着脱方向に延在し、かつ円筒カバー部151に形成された突出部162(図8参照)と相補的な形状に形成された凹溝部221(図7参照)を有している。したがって、バイトユニット131を装着貫通口に装着するときに、凹溝部221に突出部162を係合させることにより、これをガイドとしてバイトユニット131を軸廻りの所定角度で装着することが可能である。また、着脱ガイド部202には、凹溝部221に連なるように形成された開口(図示省略)を有しており、この開口に臨むように上述のバイト着脱機構133が組み込まれている。
図6および図8に示すように、バイト支持部203は、略直方体に形成され、ユニット装着部201を介して、バイトユニット131を支持している。一方、バイト支持部203は、離接ガイド軸276(後述する)を介して、バイトキャリッジ134に支持されており、また離接ガイド軸276に軸着したリニアブッシュ232により、カッティングバイト142の着脱方向と同方向であるバイト離接方向に対して移動可能に構成されている。すなわち、バイト支持部203には、バイトキャリッジ134からテープ送り経路31に対して垂直に突設された離接ガイド軸276(後述する)を挿通させるガイド挿通開口231が設けられている。そして、このガイド挿通開口231に、離接ガイド軸276と協働して、バイト離接方向に対するバイト支持部203の移動をガイドするリニアブッシュ232(軸受け)が設けられている。また、バイトキャリッジ134とバイト支持部203との間には、離接ガイド軸276に巻回するようにして、後述する離接ばね(戻しばね)273が介設されている。
バイト着脱機構133は、バイトホルダ132の着脱ガイド部202に組み込まれており、バイトユニット131をバイトホルダ132に、ロック・アンロックするものである。図7および図8に示すように、バイト着脱機構133は、着脱ガイド部202の開口に臨むように配設され、バイトユニット131を装着固定するバイト装着位置と、バイトユニット131を取り外すバイト取外し位置と、の間で、着脱ガイド部202に回動自在に軸支されたバイト着脱レバー241と、バイト着脱レバー241をバイト装着位置に向かって付勢するレバー付勢手段(図示省略)と、を備えている。
図8に示すように、バイト着脱レバー241は、平面視略「コ」字状に形成されており、バイトキャリッジ134の移動方向と平行になるように着脱ガイド部202に回動自在に軸支されたレバー本体242と、バイト装着位置でバイトユニット131側に突設するように、レバー本体242の基部側に設けられた撥上げ片243と、バイト装着位置でバイトユニット131側に突設するようにレバー本体242の回動端側に設けられた係止片244と、が一体に構成されている。
本実施形態では、レバー付勢手段は、ねじりコイルばね(図示省略)で構成されており、着脱ガイド部202には、ねじりコイルばねを配設するためのばね受け245が設けられている(図7参照)。
ここで、バイトユニット131の着脱方法について説明する。バイトユニット131を装着する場合、バイト着脱レバー241がバイト取外し位置にある状態で、バイトユニット131を一旦装着貫通口に仮装着した後、バイト着脱レバー241をバイト装着位置まで回動させる。これにより、バイトユニット131の突出部162の先端面(反テープ送り経路側の面)が係止片244に当接し、係止片244によって、着脱方向におけるバイトユニット131の位置が規制された状態でバイトユニット131が装着貫通口に装着・固定される(ロック状態)。この場合、撥上げ片243と突出部162との間には、間隙が存するようになっている(図8参照)。
一方、装着貫通口に装着されたバイトユニット131を取り外す場合、レバー付勢手段に抗してバイト着脱レバー241をバイト取外し位置間で回動させる。これにより、突出部162の先端面から係止片244が外れ、装着貫通口に対するバイトユニット131の固定が解除されると共に、突出部162の先端面(テープ送り経路側の面)が撥上げ片243に撥ね上げられ、装着貫通口からバイトユニット131が僅かに引き抜かれ、取外し可能な状態となる(アンロック状態)。
次に、バイトキャリッジ134について説明する。図6ないし図8に示すように、ブロック状のバイトキャリッジ134は、バイト離接機構135の離接ばね273を挟み込んで、バイトホルダ132(バイト支持部203)を支持しており、離接ばね273を受けるばね受け部251と、バイトホルダ132を介して当該バイトキャリッジ134に支持されるバイトユニット131(のカッティングバイト142)をテープ送り経路31に臨ませるためのバイト遊挿開口252と、バイト移動機構136のバイト移動タイミングベルト364(後述する)に固定されたベルト固定部253と、バイト移動機構136によるテープ幅方向へのバイトキャリッジ134の移動をガイドするためのキャリッジガイド254,255と、を有している。
なお、図8に示すように、バイトキャリッジ134には、バイト離接機構135を構成する離接ガイド軸276(後述する)が突設されており、この離接ガイド軸276を介してバイトホルダ132がバイトキャリッジ134に支持されている。また、図7の符号371は、バイトキャリッジ134の位置に基づいてカッティングバイト142のホーム位置を検出するためのホーム位置検出片、図6の符号692は、経路変更機構124の作用片であり(いずれも後述する)、これらはバイトキャリッジ134と一体に形成されている。
図6に示すように、バイト遊挿開口252は、テープ送り方向およびテープ幅方向において、バイトキャリッジ134の略中間位置に設けられており、バイトユニット131の細径部152を遊挿して、これをテープ送り経路側に突出させている。ベルト固定部253は、バイトキャリッジ134のテープ送り方向上流端部であって、テープ幅方向の略中間位置に設けられている。
キャリッジガイド254,255は、バイト遊挿開口252を挟むように、テープ送り方向に離間して配設された一対のもので構成されており、テープ送り方向上流側に配設され、後述の第1キャリッジガイド軸344にガイドされる第1キャリッジガイド254と、テープ送り方向下流側に配設されて後述の第2キャリッジガイド軸345に係合し、第1キャリッジガイド254と共にバイトキャリッジ134の移動をガイドする第2キャリッジガイド255と、から成っている。このように、本実施形態では、キャリッジガイド254,255を離接して配設した一対のもので構成することで、バイト移動機構136によるバイトキャリッジ134の移動を安定してガイドすることができるようになっている。
図6および図8に示すように、第1キャリッジガイド254は、バイトキャリッジ134に第1キャリッジガイド軸344を挿通させ、かつ第1キャリッジガイド軸344に摺動自在に係合するリニアブッシュで構成されている。図6ないし図8に示すように、第2キャリッジガイド255は、第2キャリッジガイド軸345を挟むように、バイトキャリッジ134からテープ送り方向下流側に向かって突設した一対のキャリッジガイド片261を有している。各キャリッジガイド片261にはそれぞれ、第2キャリッジガイド軸345に転接するガイド転接ローラ262が設けられている。ガイド転接ローラ262は、その軸線が第2キャリッジガイド軸345の軸線と直交するように、キャリッジガイド片261に回転自在に軸支されており、第2キャリッジガイド軸345は、この一対のガイド転接ローラ262に挟み込まれるようになっている(図8参照)。そして、バイト移動機構136によるバイトキャリッジ134の移動時には、一対のガイド転接ローラ262が回転しながら第2キャリッジガイド軸345を転動し、バイトキャリッジ134の移動をガイドしていくため、第2キャリッジガイド軸345に対する第2キャリッジガイド255の摺動抵抗を小さく抑えることができる。
バイト離接機構135は、テープ送り経路31(第1送り経路32)に直交したバイト離接方向にバイトホルダ132を(水平)移動させることにより、処理テープTに対してカッティングバイト142を垂直に移動させる(カッティングバイト142のアップダウンさせる)ものであり、テープ送り経路31側の位置であり、処理テープTに対して切込み可能な切込み位置と、処理テープTから(所定距離)離間した非切込み位置と、の間でカッティングバイト142を移動させ、処理テープTに対してカッティングバイト142を離接させる。
図6および図8に示すように、バイト離接機構135は、バイトホルダ132に固定された押圧手段271と、バイトキャリッジ134の移動方向であるテープ幅方向に延在し、押圧手段271を介してバイトホルダ132をバイト離接方向に移動させる断面板カム形状の離接カム軸272と、押圧手段271を介してバイトホルダ132を離接カム軸272側に付勢し、戻しばねの機能を有する離接ばね273と、離接カム軸272の回転動力源となる離接モータ274と、離接モータ274の動力を離接カム軸272に伝達する離接動力伝達機構275と、バイトホルダ132を支持して、これをバイトキャリッジ134に支持させると共に、バイトホルダ132の移動をガイドするバイトキャリッジ134に固定の離接ガイド軸276と、を備えている。
押圧手段271は、バイト離接方向におけるバイト支持部203の反テープ送り経路側(非切込み位置側)の端面に取り付けられており、離接カム軸272に転接するカム軸転接ローラ281と、カム軸転接ローラ281を支持するローラ支持部材282と、ローラ支持部材282からテープ送り経路31側に向かって延在し、バイト支持部203の両側面を挟むように掛止めされる一対の掛止め片283と、を有している。
図8に示すように、カム軸転接ローラ281は、離接ガイド軸276の軸線上に位置し、当該カム軸転接ローラ281の軸線が、離接カム軸272の軸線と直交するようにローラ支持部材282に回転自在に軸支されている。ローラ支持部材282は、反テープ送り経路側に突出するようにカム軸転接ローラ281を回転自在に軸支している。また、(カム軸転接ローラ281が対向する)ローラ支持部材282のテープ送り経路側(切込み位置側)の端面には、バイト支持部203を挿通した離接ガイド軸276の先端部を挿通させるガイド挿通凹部291が形成されており、ローラ支持部材282のバイト離接方向への移動も、離接ガイド軸276の端部によりガイドされるようになっている。各掛止め片283には、掛止め開口301が形成されており、掛止め片283が掛止めされるバイト支持部203の各側面に突出形成された掛止め爪302によって係止されるようになっている(図6および図7参照)。すなわち、押圧手段271は、バイト支持部203に着脱自在に装着されている。
なお、図8に示すように、ローラ支持部材282(切込み位置側)の内部には、処理テープTに対するカッティングバイト142の切込み負荷(圧力)を調整するための負荷調整ばね311が設けられている。そして、この負荷調整ば311が所定の付勢力でもって、バイト支持部203を切込み位置側に付勢することにより、カッティングバイト142も所定の付勢力で切込み位置側に付勢され、カッティングバイト142の切込み負荷が所定値に調整されると共に、ローラ支持部材282とバイト支持部203との間には僅かな間隙が存するようになっている。また、カッティングバイト142に対して所定値以上の切込み負荷がかかると、負荷調整ば311に抗してバイト支持部203が非切込み位置側に移動し、カッティングバイト142が非切込み位置側に退避するようになっている。これにより、カッティングバイト142がなんらかの障害物に乗り上げることがあっても、カッティングバイト142回りの損傷が防止される。
図6ないし図8に示すように、離接カム軸272は、断面略扇形のカム形状を有する棒状のカムであり、偏心した状態で、上述の下フレーム25および上フレーム26に回転自在に軸支されている。そして、離接カム軸272の側面が、押圧手段271(カム軸転接ローラ281)を介してバイトホルダ132(バイト支持部203)を押圧することにより、カッティングバイト142が切込み位置と非切込み位置との間を移動する。
具体的には、離接カム軸272の回転により、離接カム軸272の弧状部272aがカム軸転接ローラ281に当接すると、カッティングバイト142が切込み位置に移動し、離接カム軸272の一方の半径部272bがカム軸転接ローラ281に当接すると、カッティングバイト142が非切込み位置に移動する。すなわち、離接カム軸272をカム、カム軸転接ローラ281を従動子とするカム機構が構成されており、離接カム軸272の回転運動が、離接ばね273と協働して、切込み位置および非切込み位置間におけるカッティングバイト142の移動に確動的に変換される。
また、離接カム軸272は、バイトキャリッジ134の移動方向に延在し、バイトキャリッジ134の移動範囲に亘って設けられているため、バイト移動機構136によりバイトキャリッジ134がいずれの位置に臨んでいたとしても、押圧手段271(カム軸転接ローラ281)を介してバイトホルダ132を押圧することができ、カッティングバイト142を切込み位置または非切込み位置の任意の一方に移動可能に構成されている。そして、バイト移動機構136によりバイトキャリッジ134が移動する場合には、カム軸転接ローラ281が離接カム軸272を転接するため、バイトキャリッジ134の移動時における離接カム軸272と押圧手段271との摺動抵抗を小さく抑えることが可能である。
なお、離接カム軸272の基部側(すなわち、下フレーム25側)には、離接検出カム321が固定されており、離接カム軸272が回転すると、これと共に離接検出カム321も回転する。また、下フレーム25には、離接検出カム321によりON/OFFされる離接検出スイッチ322(図10参照)が設けられている。そして、離接検出カム321および離接検出スイッチ322が協働することにより、離接カム軸272の回転量を検出し、カッティングバイト142が切込み位置および非切込み位置のいずれに位置するかを常に把握できるようになっている。
離接ばね273は、バイトキャリッジ134とバイトホルダ132(バイト支持部203)との間に介設されており、バイトホルダ132を非切込み位置側に付勢する(図6および8参照)。これにより、バイト支持部203に固定された押圧手段271のカム軸転接ローラ281が離接カム軸272に常に当接した状態となり、離接カム軸272の回転運動を確実にカッティングバイト142の移動に変換できるようになっている。
離接モータ274は、正逆回転可能なDCモータで構成されており、共通支持フレーム24に支持されている。図7に示すように、離接動力伝達機構275は、離接モータ274の出力軸に固定された離接ウォーム331と、離接ウォーム331に歯合する離接ウォームホイール332と、離接ウォームホイール332と同軸上に固定された離接第1歯車333と、離接第1歯車333の歯車軸に自由回転可能に軸支した離接キャリア334と、離接キャリア334に回転自在に軸支されると共に、離接第1歯車333に噛合する離接伝達歯車335と、離接伝達歯車335に噛合可能に構成され、離接カム軸272の基部(下フレーム25側)に固定された離接カム駆動歯車336と、を有している。離接モータ274を所定の一方向(例えば、正方向)に回転駆動させると、その回転動力は、離接ウォーム331、離接ウォームホイール332、離接第1歯車333へ、と伝達する。そして、離接第1歯車333と連れ回りする離接キャリア334により、離接伝達歯車335が離接カム駆動歯車336に噛み合い、離接カム軸272が回転する。
なお、離接モータ274は、後述のローラ離接機構471の動力源を兼ねている。そして、離接キャリア334および離接伝達歯車335により、ワンウェイクラッチが構成されており、離接モータ274の一方(例えば正方向)の回転が、バイト離接機構135の動力として用いられ、他方(例えば逆方向)の回転がローラ離接機構471の動力として用いられるようになっている。
図8に示すように、離接ガイド軸276は、基部をバイトキャリッジ134に圧入固定されており、バイトキャリッジ134から離接カム軸272側に向かい、バイト離接方向に延在している。そして、離接ガイド軸276は、上述したバイト支持部203のガイド挿通開口231およびローラ支持部材282のガイド挿通凹部291に挿通されており、バイト支持部203を介してバイトホルダ132を支持すると共に、離接カム軸272の回転運動から変換されたバイト支持部203およびローラ支持部材282の移動をガイドする。
この場合、離接ガイド軸276の軸線上に、カム軸転接ローラ281と離接カム軸272の回転軸と、が位置しており、離接カム軸272の押圧力を、離接ガイド軸276の軸線上に作用させることができるようになっている。したがって、バイト支持部203およびローラ支持部材282の移動を安定した状態でガイドでき、離接時にカッティングバイト142をがたつかせること無く、処理テープTに対する垂直姿勢を保持したまま安定した状態でカッティングバイト142を離接移動可能である。なお、図8に示すように、ガイド挿通開口231には、離接ガイド軸276に係合するリニアブッシュ232(ボールスプライン)が固定されており、離接カム軸272の回転運動により、バイト支持部203は極めて滑らかに移動する。
ここで、バイト離接機構135の一連の動作について説明する。非切込み位置のカッティングバイト142を切込み位置まで移動させる場合、離接モータ274が所定の一方向に回転駆動され、その動力が離接動力伝達機構275を介して、離接カム軸272に伝達される。これにより、離接カム軸272が回転し、離接ガイド軸276にガイドされた状態でバイトホルダ132がテープ送り経路側に移動すると共に、カッティングバイト142が非切込み位置から切込み位置に向かって移動する。そして、離接検出カム321と離接検出スイッチ322との協働により、押圧手段271に対する弧状部272aの当接が検出されるまで、離接モータ274が駆動され、カッティングバイト142を切込み位置まで移動することができるようになっている。切込み位置のカッティングバイト142を非切込み位置まで移動させる場合も略同様であり、押圧手段271に対する半径部272bの当接が離接検出スイッチ322により検出されるまで、離接モータ274を所定の一方向に駆動することにより、離接ばね273を介して切込み位置のカッティングバイト142を非切込み位置まで移動させることができる。
このように、バイト離接機構135では、離接検出スイッチ322に基づいて離接モータの駆動を制御することにより、カッティングバイトを切込み位置と非切込み位置との間で移動させており、処理テープTに対してカッティングバイト142を離接するようになっている。
バイト移動機構136は、バイトキャリッジ134を、鉛直方向であるテープ幅方向に正逆往復移動させることにより、これに支持したバイトユニット131をテープ幅方向に正逆往復移動させるためのものである。図6および図8に示すように、バイト移動機構136は、バイトキャリッジ134を移動させるための動力源となるバイト移動モータ341と、バイト移動モータ341の動力をバイトキャリッジに伝達するためのバイト移動動力伝達機構340と、テープ幅方向(鉛直方向)に延在し、バイトキャリッジ134の移動をガイドする一対のキャリッジガイド軸344、345と、を備えている。バイト移動モータ341は、正逆回転可能なステッピングモータで構成されており、出力軸が鉛直フレーム27の内側に突出するように、鉛直フレーム27の外側に固定されている(図8参照)。
図8に示すように、バイト移動動力伝達機構340は、バイトキャリッジ134を移動させるテープ幅方向に移動させるバイト移動ベルト機構342と、バイト移動モータ341の動力をバイト移動ベルト機構342に伝達するバイト移動歯車列343と、で構成されている。バイト移動歯車列343は、バイト移動モータ341の出力軸に固定されたバイト移動小歯車351と、鉛直フレーム27の内側に回転自在に軸支され、バイト移動小歯車351に噛み合うバイト移動大歯車352と、を有している。図8に示すように、バイト移動ベルト機構342は、バイト移動大歯車352と同軸上に固定され、バイト移動大歯車352の動力を伝達するバイト移動駆動プーリ361と、鉛直フレーム27に回転自在に軸支され、テープ幅方向に並設された上下一対のバイト移動従動プーリ362と、バイト移動駆動プーリ361と上側のバイト移動従動プーリ362との間に設けられたバイト移動中間プーリ(テンションプーリ)363と、これらプーリ間を掛け渡したバイト移動タイミングベルト364と、を有している。そして、一対のバイト移動従動プーリ362により、バイトキャリッジ134の往復動移動範囲が規制され、一対のバイト移動従動プーリ362間に掛け渡された、バイト移動タイミングベルト364の鉛直部364aに、バイトキャリッジ134のベルト固定部253が固定されている。
一対のキャリッジガイド軸344、345は、下フレーム25および上フレーム26に支持されており、テープ送り方向に離間して配設されている。そして、上流側のキャリッジガイド軸344(以下第1キャリッジガイド軸344とする)には、バイトキャリッジ134の第1キャリッジガイド254が挿通され、下流側の第2キャリッジガイド軸345には、第2キャリッジガイド255が係合している。なお、第2キャリッジガイド軸345は、後述のローラ離接機構471を構成するフレーム回動カム481の駆動軸を兼ねており、下フレーム25および上フレーム26により回転自在に軸支されている。
バイト移動モータ341が正逆回転すると、その動力がバイト移動小歯車351、バイト移動大歯車352、バイト移動駆動プーリ361の順に伝達され、バイト移動タイミングベルト364が正逆走行する。これにより、鉛直部364aに固定されたバイトキャリッジ134が、一対のキャリッジガイド軸344,345をガイドにしながら、テープ幅方向に正逆移動する。
なお、バイト移動機構136により、カッティングバイト142がテープ幅方向に正逆往復移動可能なバイト移動範囲において、テープ送り経路31から外れた、カッティングバイト142の両移動端位置が、カッティングバイト142の移動基点位置に設定されており、下フレーム25側の端位置がカッティングバイト142のホーム位置に、上フレーム26側の端位置がカッティング処理におけるカッティングバイト142の移動開始位置に設定されている。
移動開始位置からホーム位置に向かうカッティングバイト142の移動を往動、ホーム位置から移動開始位置に向かうカッティングバイト142の移動を復動とした場合、本実施形態では、ホーム位置は、往動の終了位置であると共に復動の開始位置となっている。一方、移動開始位置は、往動の開始位置であると共に復動の終了位置となっている。なお、ホーム位置は、非カッティング処理時等におけるカッティングバイト142の待機位置にもなっている。
バイトキャリッジ134には、下フレーム25に向けて鉛直に延びるホーム位置検出片371(図7参照)が形成されていると共に、下フレーム25にはホーム位置検出センサ372(フォトインタラプタ)が設けられており、このテープ処理装置1では、ホーム位置検出片371の検出を介して、カッティングバイト142のホーム位置を検出できるようになっている。一方、移動開始位置は、ホーム位置検出センサ372によりカッティングバイト142のホーム位置を検出した後、バイト移動モータ341を(所定の回転方向に)所定ステップ数駆動することにより、カッティングバイト142が臨む位置となっている。
ところで、カッティングバイト142の移動開始位置は、バイトユニット131の交換位置にもなっており、図1に示すように、装置ケース2(上部ケース3)には、バイトユニット131の交換位置に対応させて、バイト交換蓋381が開閉自在に設けられている。そして、バイト交換蓋381を開放し、バイトユニット131を交換位置に臨ませた状態でバイト着脱レバー241を回動させることにより、バイトユニット131の交換を行うようになっている。
上述したように、バイトホルダ132は、離接ばね273を介してバイトキャリッジ134に支持されており、バイトユニット131の交換のために、バイト着脱レバー241を回動させようとすると、バイトホルダ132に無理な力が作用すると共に、バイトホルダ132がバイト離接方向に動いてしまう惧れが生じる。そこで、このテープ処理装置1には、ホルダ保持機構380が設けられており、バイト着脱レバー241の手動操作によりバイトホルダ132が受ける力を分散させると共に、バイト着脱レバー241の手動操作に抗して、交換位置に臨んだバイトホルダ132を保持するようになっている。
図5および図6に示すように、ホルダ保持機構380は、バイトホルダ132のユニット装着部201に形成され、上フレーム26に向かって突出した係止突起382(凸部)と、係止突起382と相補的な形状となるように上フレーム26に形成され、係止突起382を嵌合する係止孔383(凹部)と、で構成されており、バイトユニット131が交換位置に臨むと、ユニット装着部201の係止突起382が上フレーム26の係止孔383に嵌合するようになっている。
したがって、バイトユニット131の交換位置において、バイトホルダ132を上フレーム26に係止することができ、バイトユニット131の着脱時に、バイトホルダ132が受ける力を上フレーム26に逃がすことができると共に、バイト離接方向に動くことを防止して、バイトユニット131の交換時に、カッティングバイト142により装置内部が損傷することを防止するようになっている。
この場合、図6に示すように、係止突起382と係止孔383との係合方向は、バイト着脱レバー241の操作方向と直交しているため、バイトユニット131の着脱時にバイトホルダ132が受ける力を効率よく上フレーム26に逃がすことができる。また、手動操作により、係止突起382および係止孔383の係合が外れることを防止でき、バイトユニット131着脱時におけるバイトホルダ132の姿勢を確実に保持させることができる。なお、本実施形態では、バイトホルダ132に係止突起382を、上フレーム26に係止孔383を設けているが、バイトホルダ132に係止孔383を、上フレーム26に係止突起382を設ける構成とすることも当然に可能である。
なお、バイトユニット131を交換するための一連の動作は、所定のキー操作をトリガとして行われる。具体的には、バイトユニット交換のための所定のキー操作が行われると、先ず、上述の離接検出スイッチ322により、カッティングバイト142の位置が検出される。ここでカッティングバイト142が切込み位置にある場合、離接モータ274を駆動して、カッティングバイト142を非切込み位置に移動させる。次に、バイト移動モータ341が駆動され、ホーム位置検出センサ372によりバイトユニット131のホーム位置を一旦検出してから、バイトユニット131を交換位置まで移動させる。バイト交換蓋381は、バイトユニット131が交換位置から外れているときには開放不能にロックされている。そして、これら一連の動作を経て、バイトユニット131が交換位置に臨むと、バイト交換蓋381を開放可能となり、バイトユニット131の交換が可能な状態となる。
このように、本実施形態では、バイトユニット131を所定の交換位置に臨ませ、交換位置は、バイト保持機構380によりバイトホルダ132を保持させてからバイトユニット131の交換(着脱)が行われるので、バイトユニット131の交換に起因して、バイトホルダ132や装置内部のカッティングバイト142廻りが損傷することを防止することができる。
次に、カッティング送り機構137について説明する。カッティング送り機構137は、カッティングユニット43に送られてきた処理テープTを、カッティング処理のために正逆送り(カッティング送り)すると共に、これをテープ排出口9に導くためのものであり、図8および図9に示すように、処理テープTを正逆送りする一対の送りローラ391、392と、正逆回転可能に構成されたカッティング送りモータ393と、カッティング送りモータ393の動力を一対の送りローラ391,392に伝達するカッティング送り動力伝達機構394と、を備えている。
一対の送りローラ391、392は、テープ幅方向に延在していると共に、バイトユニット131を挟むように、テープ送り方向に対して離間して配設されている。図6および図8に示すように、上流側の送りローラ391(以下、「正逆送りローラ391」という)は、メインローラであり、カッティング送りモータ393に接続された正逆駆動ローラ401と、正逆駆動ローラ401の回転に従って回転する正逆従動ローラ(フリーローラ)402と、から成るグリップローラで構成されている。同様に、下流側の送りローラ392(以下、「引張りローラ392」という)は、カッティング送りモータ393に接続された引張り駆動ローラ411と、引張り駆動ローラ411の回転に従って回転する引張り従動ローラ(フリーローラ)412と、から成るグリップローラで構成されている。
このように、一対の送りローラ391、392をグリップ構造とし、これらをテープ送り方向においてバイトユニット131を挟むように配設することにより、切断抵抗のためにカッティング処理中の処理テープTが幅方向にずれることを防止できるようになっている。
正逆駆動ローラ401および引張り駆動ローラ411は、下フレーム25および上フレーム26により回転自在に軸支されている。また、上述の第1送り経路32を構成し、上述のバイト受け面を有する側の鉛直フレーム27(以下、「第1経路フレーム421」という)には、これら両駆動ローラ401、411の配設位置に対応して、(2個の)駆動ローラ開口(図示省略)が形成されており、第1経路フレーム421から、第1送り経路32に向かって両駆動ローラ401、402の周面が突出している(図6および8参照)。
図8に示すように、正逆従動ローラ402および引張り従動ローラ412は、第1経路フレーム421に対面し、第1経路フレーム421と共に第1送り経路32を構成する鉛直フレーム27(以下、第2経路フレーム422とする)に回転自在に軸支されている。第2経路フレーム422には、両従動ローラ402、412を第1送り経路32に臨ませるための2個の従動ローラ開口(図示省略)がテープ送り方向に離間して形成されており、正逆従動ローラ402および引張り従動ローラ412は、それぞれに対応する従動ローラ開口から第1送り経路32に突出して、正逆駆動ローラ401および引張り駆動ローラ411に当接する(グリップ状態)。
この場合、図8に示すように、各従動ローラ402、412と第2経路フレーム422との間(反テープ送り経路側)には、各従動ローラ402、412を対応する各駆動ローラ401、411に付勢するためのローラ付勢ばね431が2組介設されている。これにより、各従動ローラ402、412の経年劣化や取付位置における誤差等を吸収することができ、各駆動ローラ401、411に対して、各従動ローラ402、412を均一かつ弾力的に当接させることが可能である。
なお、第2経路フレーム422は、反テープ送り経路側に拡開する平面視略二等辺台形に形成されている。そして、テープ送り方向上流側の斜辺部422aが、上述のテープバッファ125の一部を構成し、下流側の斜辺部422bは、テープ排出口9の一部を構成している(図6および図8参照)。また、第2経路フレーム422には、バイトユニット131の移動軌跡に対応してテープ幅方向(鉛直方向)に延在するバイト開口432が形成されており、バイト開口432からバイトユニット131(カッティングバイト142)が第1送り経路32に臨んでいる。また、図6に示すように、第2経路フレーム422の、バイト開口432と引張り従動ローラ412との間には、後述の3組の幅ガイド部材521を受けるための受け溝433が6個形成されていると共に、正逆従動ローラ402に対応する従動ローラ開口のテープ送り方向上流側には、後述の経路開閉部材681を出没させるためのスリット434が形成されている(いずれも詳細は後述する)。
カッティング送りモータ393は、正逆回転可能なステッピングモータで構成されており、正逆駆動ローラ401および引張り駆動ローラ411に動力を供給する他、動力切換えにより、テープ収容機構123の巻取りドラム602(後述する)にも、巻取り回転のための動力を供給している(図9参照)。
図9に示すように、カッティング送り動力伝達機構394は、カッティング送りモータ393の出力軸に固定された送り小歯車441と、送り小歯車441に噛み合う送り大歯車442と、送り大歯車442と同軸上に固定された送り駆動プーリ451と、正逆駆動ローラ401の基部(下フレーム25側)が固定された送り従動プーリ452と、送り駆動プーリ451、送り中間プーリ453および送り従動プーリ452間に架け渡した送りタイミングベルト454と、送り従動プーリ452と同軸上に固定された送り中間歯車461と、送り中間歯車461の歯車軸に自由回転可能に軸支した略「L」字状の送りキャリア462と、送りキャリア462に回転自在に軸支され、送り中間歯車461に噛合する送り伝達歯車463と、送り伝達歯車463に噛合可能に構成され、引張り駆動ローラ411の基部(下フレーム25側)が固定された引張り駆動歯車464と、を有している。また、送りキャリア462には、送り中間歯車461に噛合すると共に、巻取りドラム602に動力を伝達する巻取り歯車列652(後述する)に噛合可能な巻取り伝達歯車651(後述する)が回転自在に軸支されている。
処理テープTを正送りさせる(テープ排出口9に向かって送る)方向、すなわち、正逆駆動ローラ401を時計回りに回転させる方向を、カッティング送りモータ393の正駆動(正回転)として、カッティング送り機構137の動作について説明する。カッティング送りモータ393を正駆動した場合、送り小歯車441、送り大歯車442、送り駆動プーリ451と順に動力が伝達されて、送りタイミングベルト454が走行し、送り従動プーリ452に固定された正逆駆動ローラ401が正回転する。
また、カッティング送りモータ393を正駆動すると、送り従動プーリ452に固定された送り中間歯車461が回転して、送り伝達歯車463および巻取り伝達歯車651に動力が伝達され、送りキャリア462が連れ回りする。その結果、送り伝達歯車463が引張り駆動歯車464に噛み合い、引張り駆動歯車464に固定された引張り駆動ローラ411が正回転する共に、巻取り伝達歯車651が巻取り歯車列652から外れて空回転し、巻取りドラム602がフリー回転可能な状態となる。
この場合、引張り駆動ローラ411の周速は、正逆駆動ローラ401の周速よりも僅かに速く設定されており、正逆駆動ローラ401と比べ、処理テープTの送り量が僅かに大きくなっている。また、図9に示すように、引張り駆動歯車464と引張り駆動ローラ411との間には、トルクリミッタとして機能する引張りスリップばね465(巻締めばね:コイルばね)が介設されており、引張り駆動ローラ411の正回転時における回転トルクが一定となるように構成されている。すなわち、引張り駆動ローラ411はスリップ回転しながら、処理テープTを正送りするようになっており、引張り駆動ローラ411(引張りローラ392)が正逆駆動ローラ401(正逆送りローラ391)と協働することにより、適度な張力を付与した状態で処理テープTを正送りすることが可能となっている。
一方、カッティング送りモータ393を逆駆動すると、送り小歯車441、送り大歯車442、送り駆動プーリ451、および送りタイミングベルト454を介して、送り従動プーリ452がカッティング送りモータ393の正駆動時とは逆方向に回転し、正逆駆動ローラ401が逆回転する。また、送りキャリア462も、カッティング送りモータ393の正駆動時とは逆方向に連れ回りし、送り伝達歯車463が引張り駆動歯車464から外れて、引張り駆動ローラ411がフリー回転可能な状態になると共に、巻取り伝達歯車651が巻取り歯車列652に噛み合って巻取りドラム602に動力が伝達され、巻取りドラム602が巻取り回転する。このため、処理テープTの逆送りは、正逆駆動ローラ401(と巻取りドラム602との協働)により行われ、引張り駆動ローラ411は、処理テープTの逆送りに従って回転する。
ところで、印刷ユニット41による印刷処理時に、正逆送りローラ391および引張りローラ392がグリップ状態にあると、これら両ローラ391、392に処理テープT(の先端)がぶつかって印刷送りが干渉されるため、適切な印刷処理を行うことができない。そこで、本実施形態のカッティング機構121には、両ローラ391、392がグリップ状態(駆動ローラと当接する)となるグリップ位置と、両ローラ391、392が非グリップ状態(駆動ローラから離間する)となる非グリップ位置との間で、正逆従動ローラ402および引張り従動ローラ412を移動させるローラ離接機構471が設けられており、印刷処理中の処理テープTの送り経路を確保すると共に、両ローラ391、392のへたりを防止できるようになっている(図6ないし図8参照)。
図8に示すように、第2経路フレーム422のテープ送り方向上流端部は、上述したフルカッタ81の近傍に配置されており、フレーム支軸472を介して下フレーム25および上フレーム26に回動自在に軸支されている。なお、説明の便宜のため、第2経路フレーム422のテープ送り経路側の面を正面、反テープ送り経路側の面を背面とする。ローラ離接機構471は、第2経路フレーム422を回動させることにより、正逆従動ローラ402および引張り従動ローラ412をグリップ位置と非グリップ位置との間で移動させるものであり、第2経路フレーム422を回動させるための一対(2個)のフレーム回動カム481と、第2経路フレーム422をフレーム回動カム481に付勢するフレーム付勢ばね(戻しばね:図示省略)と、一対のフレーム回動カム481に回転動力を供給する上述の離接モータ274と、離接モータ274の動力を一対のフレーム回動カム481に伝達する回動動力伝達機構482と、を備えている。
図7に示すように、一対のフレーム回動カム481は、上記の第2キャリッジガイド軸345上にあって軸方向に離間して固定され、第2経路フレーム422の背面側に配設されている。一対のフレーム回動カム481は、同様に形成された平面視略扇形の板カムであり、第2経路フレーム422の回動端側であり、かつテープ幅方向における第2経路フレーム422の両端部背面に当接して、これをフレーム支軸472を中心に回動させる。フレーム付勢ばねは、第2経路フレーム422を反テープ送り経路側に付勢して、第2経路フレーム422を一対のフレーム回動カム481の側端面に当接させている。
図7に示すように、回動動力伝達機構482は、所定方向に回転駆動する離接モータ274の動力を、第2キャリッジガイド軸345を介して一対のフレーム回動カム481に伝達するものであり、上述の離接ウォーム331、離接ウォームホイール332、離接第1歯車333、離接キャリア334、および離接伝達歯車335と、下フレーム25に回転自在に軸支され、離接伝達歯車335に噛合可能に構成された第1回動歯車491と、下フレーム25に回転自在に軸支され、第1回動歯車491に噛み合う第2回動歯車492と、第2回動歯車492に噛み合うと共に、第2キャリッジガイド255の基部側(下フレーム25側)に固定された回動駆動歯車493と、で構成されている。
ローラ離接機構471では、離接モータ274が、上述のバイト離接機構135を駆動させる場合と逆の所定の一方向(例えば逆方向)に回転駆動すると、離接キャリア334がバイト離接機構135に動力を伝達する場合とは逆方向に連れ回りし、離接伝達歯車335が(離接カム駆動歯車336から外れて)第1回動歯車491に噛合する。これにより、第1回動歯車491から、第2回動歯車492、回動駆動歯車493の順に動力が伝達され、第2キャリッジガイド軸345と共に、フレーム回動カム481が回転する。
そして、フレーム回動カム481の弧状部481aが第2経路フレーム422の背面に当接すると、フレーム付勢ばねに抗して第2経路フレーム422がテープ送り経路側に向かって回動し、正逆従動ローラ402および引張り従動ローラ412をグリップ位置に移動する。一方、フレーム回動カム481の半径部481bが第2経路フレーム422の背面に当接すると、第2経路フレーム422が反テープ送り経路側に向かって回動し、正逆従動ローラ402および引張り従動ローラ412を非グリップ位置に移動する。すなわち、第2経路フレーム422の背面がカムフォロアとして機能し、図外のフレーム付勢ばねと協働して、フレーム回動カム481の回転運動が第2経路フレーム422の回動運動に確動的に変換される。
図7に示すように、回動駆動歯車493には、回動検出カム495が固定されていると共に、下フレーム25には、回動検出カム495によりON/OFFされる回動検出スイッチ496が配設されており、フレーム回動カム481の回転位置に基づいて、正逆従動ローラ402および引張り従動ローラ412がグリップ位置にあるか否かを検出できるようになっている。したがって、回動検出スイッチ496による検出結果に基づいて離接モータ274の駆動を制御することにより、正逆従動ローラ402および引張り従動ローラ412を、印刷処理時には非グリップ位置に、カッティング処理時にはグリップ位置に移動させることができ、処理テープTに対して印刷処理およびカッティング処理の両方を適切に行い得るようになっている。
なお、上述したように、第2キャリッジガイド軸345は、バイトキャリッジ134の移動をガイドしている。このように、本実施形態では、一対のフレーム回動カム481を回転させるためのカム駆動軸を、バイトキャリッジ134の移動ガイド軸(第2キャリッジガイド軸345)として兼用することにより、バイトキャリッジ134(第2キャリッジガイド軸345の軸受部分となる第2キャリッジガイド255)と第2キャリッジガイド軸345との寸法公差に起因した、カッティング処理時におけるバイトキャリッジ134のがたつきを有効に防止できるようになっている。
すなわち、カッティング処理時において、一対のフレーム回動カム481が第2経路フレーム422を上述のグリップ位置に向かって押圧すると、第2経路フレーム422からの反力が第2キャリッジガイド軸345に作用し、第2キャリジガイド軸345が非グリップ位置側に力を受ける。このため、カッティング処理時は、第2キャリッジガイド255の非グリップ位置側のガイド転接ローラ262に第2キャリジガイド軸345が当接し、寸法公差による間隙はグリップ位置側に寄せられた状態で維持される。したがって、カッティングバイト142が受ける切断抵抗に起因した、第2キャリッジガイド255と第2キャリッジガイド軸345とのがたつきを防止でき、バイトキャリッジ134の移動を安定してガイドすることができるようになっている。なお、第2キャリッジガイド軸345と下フレーム25および上フレーム26における軸受部分との間にも寸法公差による間隙があるが、この間隙に起因するカッティング処理時のがたつきは、上述のローラ付勢ばね431により吸収させることが可能である。
また、第1キャリッジガイド254と第1キャリッジガイド軸344の寸法公差によるがたつきは、バイト離接機構135(離接カム軸272および離接ばね273)の作用により同様に防止されている。
次に、刃先方向設定機構138について説明する。図5および図8に示すように、刃先方向設定機構138は、バイトユニット131に組み込まれたバイト側磁石501(可動磁石)と、カッティングバイト142の移動開始位置側である上フレーム26に固定されたフレーム側磁石502(固定磁石)と、で構成されている。バイト側磁石501は、円柱状の永久磁石(棒磁石)で構成されている。上述のバイト保持ブロック171の略中心位置には、バイト保持ブロック171(バイト保持部材143)の軸心を貫くように、径方向に形成された磁石挿入開口511が設けられており、この磁石挿入開口511に、バイト側磁石501が挿入固定されている。フレーム側磁石502も永久磁石で構成されており、バイト側磁石501に作用させるべく、移動開始位置に接近/臨むバイト側磁石501に近接するように上フレーム26の一部に固定されている。
しがたって、カッティングバイト142が移動開始位置に近接するまたは臨むと、バイト側磁石501およびフレーム側磁石502の相互の異磁極の吸着作用により、バイト保持部材143を介してカッティングバイト142が回転し、カッティングバイト142の切っ先が所定方向(本実施形態では、テープ幅方向)を向くようになっている。これにより、処理テープTに対するカッティングバイト142の切込み開始角度を一定とすることができる。そして、本実施形態では、カッティングバイト142の切っ先がテープ幅方向を向くようになっているため、処理テープTに対しその端縁から直角に切込むことが可能である。
以上のように構成されたカッティング機構121では、バイト移動機構136、バイト離接機構135、およびカッティング送り機構137を同期して駆動させることによりカッティング処理を行っている。すなわち、カッティング処理において、バイト離接機構135によりカッティングバイト142を適宜アップダウンさせながら、カッティング送り機構137による処理テープTの正逆送りとバイト移動機構136によるバイトユニット131(カッティングバイト142)のテープ幅方向への(往復)移動と、を同期させて行うことで、処理テープT(の切り文字用テープTc)に対し、所望の形状のカットラインを形成している。
次に、図3ないし図5を参照して、幅ガイド機構122について説明する。幅ガイド機構122は、4mm〜36mm幅の処理テープTのうち18mm幅以上、より具体的には18mm、24mm、および36mm幅、の処理テープTをテープ幅方向にガイドするためのものであり、カッティングバイト142による切込み動作時や処理テープTの正逆送り時に、これら3種の幅の処理テープTが幅方向にずれることを防止する。
図4および図5に示すように、幅ガイド機構122は、3種のテープ幅にそれぞれ対応し、処理テープTを幅方向にガイドする3組6個の幅ガイド部材521と、上述の第1経路フレーム421から、各組の幅ガイド部材521を選択的にテープ送り経路31に出没させるガイド出没手段522と、を備えている。
3組6個の幅ガイド部材521は、テープ幅方向に整列配置されており、外側2個の幅ガイド部材521(大幅ガイド部材)が36mm幅の処理テープTに、36mm用の幅ガイド部材521に隣接する2個の幅ガイド部材521(中幅ガイド部材)が24mm幅の処理テープTに、最も内側の2個の幅ガイド部材521(小幅ガイド部材)が18mm幅の処理テープTに対応している。
図4に示すように、各幅ガイド部材521は、テープ送り方向に長い平面視略長方形のガイド基部531と、ガイド基部531から第1送り経路側に突出すると共に、テープ送り方向に離間した一対(2個)のガイド部532と、を有しており、これらは一体に形成されている。ガイド基部531には、テープ送り方向に離間した一対(2個)のカム受け開口541が形成されている。また、ガイド基部531の略中心位置(重心位置)には、後述の没入ばね(図示省略)を係止するためのばね係止突起542が形成されていると共に、ガイド基部531の反第1送り経路側の端は折り返され、没入ばねを収容するばね溝543が形成されている。
図示省略したが、第1経路フレーム421には、各ガイド部532の出没位置に対応させて、各ガイド部532をテープ送り経路31に出没させる12個のガイド出没口が設けられている。そして、大・中・小各幅ガイド部材521の一対のガイド部532は、選択的にテープ送り経路31に出没して、対応するテープ幅の処理テープTを幅方向に規制する。この場合、テープ送り方向上流側の各ガイド部532は、第1送り経路32から第2送り経路34が分岐する分岐部33に出没し、下流側の各ガイド部532は、上述の引張りローラ392の上流側直近に出没する(図3参照)。
このように、第1送り経路32の上流側と下流側とでカッティングバイト142を挟むように、一対のガイド部532がテープ送り経路31に突出するため、切断抵抗による処理テープTのテープ幅方向へのずれを有効に防止することができる。また、上流側のガイド部532を分岐部33に出没させることにより、第1送り経路に位置する処理テープTはもちろんのこと、第2送り経路34に位置する処理テープTも幅方向にガイド可能となっている。これにより、処理テープTの斜行が確実に防止される。
なお、本実施形態の幅ガイド部材521は、処理テープTを構成する切り文字用テープTcの粘着面に対して非粘着な材質、例えば、フッ素樹脂で構成されている。したがって、処理テープTの端面から粘着面がはみ出しているような場合であっても、処理テープTが幅ガイド部材521に付着することが無く、幅ガイド部材521は、円滑に処理テープTの送りをガイドすることができる。
図4に示すように、ガイド出没手段522は、各幅ガイド部材521をテープ送り経路31からの没入方向に付勢する没入ばねと、上述の同組の幅ガイド部材521を選択的に出没させる一対(2個)のガイドカム機構552と、一対のガイドカム機構552の動力源となる上述のフルカットモータ82と、フルカットモータ82の動力をガイドカム機構552に伝達するガイド動力伝達機構553と、を備えている。
没入ばねは、変形「V」字状のねじりばねで構成されており、そのねじり部にばね係止突起542を挿通した状態でガイド基部531(ばね溝543)に収容・保持されている。この場合、ガイド基部531のテープ送り方向略中間位置は、テープ送り経路側からばね係止突起542に向かって切り欠かれており、没入ばねのねじり部(のテープ送り経路側先端)が、この切欠き部から、第1経路フレーム421の反テープ送り経路側の面、すなわち背面に当接することにより、幅ガイド部材521を没入方向に付勢するようになっている。
図3および図4に示すように、一対のガイドカム機構552は、各幅ガイド部材521に形成されている一対のカム受け開口541に対応するものであり、一方は、テープ送り方向上流側のカム受け開口541に、もう一方は、下流側のカム受け開口541に対応している。そして、各ガイドカム機構552は、それぞれ同様に構成されており、3組6個の幅ガイド部材521に対応する3組6個のガイドカム561と、3組6個のガイドカム561が固定されたガイドカム駆動軸562と、を有している。
各ガイドカム561は、頂点を面取りした平面視略長方形の板カムで構成されている。図3および図4に示すように、各ガイドカム駆動軸562には、異なる組のガイドカム561と回転位相がずれるように、各組のガイドカム561が固定されている。より具体的には、各組のガイドカム561は、他の組のガイドカム561と90度または180度回転位相がずれており、ガイドカム駆動軸562には、平面視「T」状にガイドカムが突出固定されている。そして、各ガイドカム駆動軸562は、対応するカム受け開口541に遊挿されており、下フレーム25および上フレーム26に回転自在に軸支されている。
したがって、各幅ガイド部材521のカム受け開口541の内周面には、対応するガイドカム561の外周面が当接するようになっている。そして、ガイドカム駆動軸562を介してガイドカム561を回転させると、回転角度に対応する幅ガイド部材521がテープ送り経路31に直交するガイド出没方向(上述のバイト着脱方向およびバイト離接方向と同方向)に平行移動し、ガイド部532が第1経路フレーム421から突出して処理テープTを幅方向にガイド可能な突出位置と、ガイド部532が第1経路フレーム421に没入する没入位置と、の間でガイド部532を出没移動するように構成されている。この場合、同一組のガイドカム561の回転位相は同じであるため、同一組の幅ガイド部材521が同様に平行移動して、同一組のガイド部532を同時に出没させる。
ガイド動力伝達機構553は、上述したフルカットウォーム101、フルカットウォームホイール102、フルカット第1歯車103と、フルカット第1歯車103、フルカットキャリア104、およびフルカット伝達歯車105と、フルカット伝達歯車105に噛合可能に構成された第1ガイド歯車571と、第1ガイド歯車571と同軸上に固定された第2ガイド歯車572と、第2ガイド歯車572に噛合すると共に、上流側のガイドカム駆動軸562が固定された第1ガイド駆動歯車573と、第2ガイド歯車572に噛合すると共に、下流側のガイドカム駆動軸562が固定された第2ガイド駆動歯車574と、で構成されている。
そして、フルカットユニット42に動力を供給する場合とは逆方向にフルカットモータ82を回転駆動させると、フルカットキャリア104がフルカットユニット42に動力を伝達するときとは逆方向に連れ回りする。そして、フルカット伝達歯車105がフルカット第2歯車111から外れると共に、第1ガイド歯車571に噛み合い、フルカット第1歯車103からの動力が第1ガイド歯車571、第2ガイド歯車572と順に伝達される。第1ガイド駆動歯車573および第2ガイド駆動歯車574が同方向に回転する。なお、第1ガイド駆動歯車573および第2ガイド駆動歯車574は、歯数が同一に構成されており、一対のガイドカム駆動軸562は同じ周速で回転する。これにより、同一の幅ガイド部材521に形成された一対のガイド部532が同時にテープ送り経路31に出没すると共に、各組のガイド部532が選択的に出没動する。
なお、図4に示すように、第1ガイド駆動歯車573には、下フレーム25に固定した図外の第1ガイド検出スイッチ581(図10参照)をON/OFFする第1ガイド検出カム582が固定されている。同様に、第2ガイド駆動歯車574には、下フレーム25に固定した図外の第2ガイド検出スイッチ591(図10参照)をON/OFFする第2ガイド検出カム592が固定されており、第1ガイド検出カム582および第2ガイド検出カム592のON/OFFの組合せに基づいて、各組の幅ガイド部材521(ガイド部532)の位置を把握できるようになっている。
このように、幅ガイド機構122では、各幅ガイド部材521を従動子(カムフォロア)として、各ガイドカムの回転運動を、ガイド出没方向に対する幅ガイド部材521の平行移動に変換し、ガイド部532をテープ送り経路31に出没動させている。この場合、幅ガイド部材521の移動は、テープ送り方向に離間した一対のガイドカム機構552を介して行われるため、各幅ガイド部材が傾ぐこと無く、安定した状態で各幅ガイド部材がガイド出没方向に平行移動する。また、一対のガイドカム機構552により、幅ガイド部材521をガイド出没方向に平行移動させる構成としているため、幅ガイド部材521を回動させてガイド部532を出没させる構成に比して、比較的コンパクトに構成することが可能となっている。
また、本実施形態では、全ての幅ガイド部材521がガイド出没方向に移動可能であると共に、ガイドカム駆動軸562の径方向に突出したガイドカム561の一方の短辺部561aが、カム受け開口541のテープ送り方向に平行であってテープ送り経路側の内周部分に当接するときに、ガイド部532が突出位置に移動するように構成されている。そして、本実施形態の各ガイドカム駆動軸562には、6個のガイドカム561が平面視「T」状に突出しているため、全てのガイド部532が没入させることが可能である。すなわち、各ガイドカム機構552のカム曲線は、全てのガイド部532を没入させる曲線部を有している。したがって、処理テープTがある程度繰り出された状態のテープカートリッジCであっても、全てのガイド部532を没入位置まで移動させることにより、これをテープ処理装置1(カートリッジ装着部8)に着脱することができる。
なお、本実施形態では、一対のガイドカム駆動軸562を、同方向に回転させる構成としたが、相互に逆回転させる構成としても良い。一対のガイドカム駆動軸562の回転を相互に逆回転させると、カム受け開口541に対してガイドカム561が摺動回転するときに、テープ送り方向に生じる力を互いに相殺するができ、安定して幅ガイド部材521を移動させることが可能である。この場合も、同一幅ガイド部材521に形成された一対のガイド部532が同時に出没動するよう、すなわち、テープ送り方向において一対のガイドカム駆動軸562が線対称となるように、各ガイドカム駆動軸562にはガイドカム561が固定される。
次に、テープ収容機構123について説明する。テープ収容機構123は、テープカートリッジCから繰出した処理テープTを一旦切断し、切断済みの処理テープTに対してカッティング処理を行う(切抜きカット処理:後述する)ためのものであり、逆送りされた処理テープTの尾端(切断端)側を出し入れ自在に収容することにより、カッティング処理により正逆送りされる処理テープTの尾端を外部に繰り出すことなく、装置内部で処理できるようになっている。
図3に示すように、テープ収容機構123は、第2送り経路34に連なるテープ収容部601と、テープ収容部601に配設され、第2送り経路34を送られてきた処理テープTを尾端側から巻き取ってゆく巻取りドラム602と、テープ収容部601に送られた処理テープTを巻取りドラム602の外周面に押圧するように付勢するテープ付勢機構603と、上述のカッティング送りモータ393と、カッティング送りモータ393の動力を巻取りドラム602に伝達し、これを処理テープTの巻取り方向に回転させる巻取り動力伝達機構604と、を備えている。
図3に示すように、テープ収容部601は、装置ケース2の一部を構成するハウジング部材621の内部に形成された断面円形の空間であり、第2送り経路34を介して、処理テープTを接線方向から導くためのテープ導入開口611を有している。ハウジング部材621には、テープ収容部601を横向きで開放するための収容部開閉蓋622(図1ないし図3参照)が設けられており、外部からテープ収容部601内にアクセス可能に構成されている。なお、ハウジング部材621は、上述の第2経路フレーム422と共にテープ排出口9を構成している他、処理テープTをテープ収容部601に導く第2送り経路34の一部も構成している。
図3、図5および図9に示すように、巻取りドラム602は、上フレーム26およびハウジング部材621により、回転自在に軸支されたドラム本体631と、ドラム本体631の外周面に設けられた滑止めリング632と、で構成されている。ドラム本体631には、滑止めリング632の幅に合わせて、嵌込み溝633が形成されており、嵌込み溝633に筒状の滑止めリング632が嵌め込まれている。滑止めリング632は、処理テープTとの摩擦係数が高いゴム等で構成されており、巻取りドラム602に処理テープTが巻取られやすいように、巻取りドラム602に対する処理テープTの滑りを防止する。巻取りドラム602は、断面円形に形成されたテープ収容部601と同心上に配設されており、テープ収容部601の内壁面を処理テープT巻取り時のガイドとして利用できるようになっている。
図3に示すように、テープ付勢機構603は、処理テープTが適切に巻取りドラム602に巻き取られるように、テープ収容部601に送られてきた処理テープTを巻取りドラム602の周面に対して付勢するものであり、処理テープTを巻取りドラム602の周面に押し付ける押圧プレート641と、押圧プレート641を巻取りドラム602の周面に押圧する一対の押圧ばね(図示省略)と、を有している。
押圧プレート641は、最大幅の処理テープT(本実施形態では36mm)のテープ幅に対応して構成されており、第2送り経路34の略中間位置において、下フレーム25および上フレーム26に回動可能に軸支されている。そして、下フレーム25および上フレーム26における押圧プレート641の軸受け部(図示省略)には、それぞれ押圧ばね(ねじりコイルばね:図示省略)が組み込まれており、押圧プレート641を巻取りドラム602に向かって付勢するようになっている。図3に示すように、押圧プレート641は、第2送り経路34の略中間位置からテープ収容部601内まで延在して、巻取りドラム602に当接しており、ハウジング部材621と共に、第2送り経路34を構成している。これにより、第2送り経路34を送られてきた処理テープTは、押圧プレート641により確実に巻取りドラム602に押圧され、自身の巻き癖と相まって、回転する巻取りドラム602に適切に巻き込まれてゆく。
図9に示すように、巻取り動力伝達機構604は、上述の送り小歯車441、送り大歯車442、送り駆動プーリ451と、正逆駆動ローラ401の基部(下フレーム25側)が固定された送り従動プーリ452、送りタイミングベルト454、送り中間歯車461、送りキャリア462、巻取り伝達歯車651、巻取り伝達歯車651から動力が伝達される巻取り歯車列652と、を有している。巻取り歯車列652は、巻取り伝達歯車651が噛合可能な第1巻取り歯車653と、第1巻取り歯車653に噛合する第2巻取り歯車654と、第2巻取り歯車654と同軸上に固定された第3巻取り歯車655と、第3巻取り歯車655に噛合し、巻取りドラム602(ドラム本体631)の下フレーム側固定された巻取り駆動歯車656と、で構成されている。
上述したように、カッティング送りモータ393を逆駆動すると、巻取り伝達歯車651が巻取り歯車列652に噛み合って、巻取り歯車列652にカッティング送りモータ393の動力が伝達され、巻取りドラムが巻取り回転する。これにより、テープ収容部601に送られた処理テープTは、巻取りドラム602に尾端側から巻き込まれてゆく。この場合、図5および図9に示すように、ハウジング部材621と巻取りドラム602の軸端との間には、巻取りスリップばね671(巻締めばね:コイルばね)が介設されており(トルクリミッタ)、巻取りドラム602の巻取りトルクは一定に維持される。また、巻取りドラム602による処理テープTの単位時間当たりの巻取り量は、上述の正逆駆動ローラ401の単位時間当たりの逆送り量よりも僅かに大きく設定されており、逆送り時においても、処理テープTには上記巻取りトルクを限度として適度な張力が付与されている。
一方、カッティング送りモータ393を正駆動すると、巻取り伝達歯車651が巻取り歯車列652から外れて空回転する。これにより、カッティング送り機構137による処理テープTの正送りに従って、巻取りドラム602がフリー回転し、巻取りドラム602に巻き取った処理テープTを繰出されていく。
このように、巻取りドラム602の動力源は、カッティング送り機構137の動力源と兼用となっているため、比較的簡易な構成で、処理テープTの送りと同期して巻取りドラム602を回転させることができ、処理テープTの送りを適切な状態に保つことができる。
次に、経路変更機構124について説明する。図6および図8に示すように、経路変更機構124は、切抜きカット処理に先立って、処理テープTの尾端を第2送り経路34に導くためのものであり、第1送り経路32から第2送り経路34が分岐する分岐部33において、第1送り経路32を開閉する経路開閉部材681と、第1送り経路32を開放する第1位置と、第1送り経路32を閉塞する第2位置との間で、経路開閉部材681を移動可能に構成した開閉部材移動機構682と、を備えている。
図6に示すように、経路開閉部材681は、端部を上述の第2経路フレーム422に回動自在に軸支されている。同図に示すように、第2経路フレーム422には、上述した上流側の従動ローラ開口と一体に形成されたスリット434が形成されており、経路開閉部材681が第1位置と第2位置との間で回動すると、このスリット434から経路開閉部材681の回動端が第1送り経路32に出没して、第1送り経路32を開閉するようになっている。
図6に示すように、開閉部材移動機構682は、経路開閉部材681が第1位置に臨むように、これを付勢する一対の経路開閉ばね(ねじりコイルばね:図示省略)と、経路開閉部材681に一体形成された係合片691と、上述のバイトキャリッジ134に一体形成され、係合片691に係脱可能な作用片692と、を有している。一対の経路開閉ばねは、第2経路フレーム422に設けられた経路開閉部材681の軸受け部に組み込まれており、ねじりコイルばねで構成されている。係合片691は、経路開閉部材681の回動軸側の端かつ移動開始位置側(上フレーム26側)の端に設けられている。そして、経路開閉部材681に対して略垂直に形成にされ、第2経路フレーム422からバイトキャリッジ134側に突出している。同図に示すように、作用片692は、バイトキャリッジ134の移動開始位置側端面に設けられており、バイトキャリッジ134の移動に伴い、係合片691に係脱する。作用片692は、テープ送り方向の上流端がその下流端よりも移動開始位置側に位置して傾斜する傾斜面692aを有しており、この傾斜面692aが係合片691に係合し、そのカム作用により、経路開閉部材681を回動させる。
すなわち、バイトキャリッジ134の移動開始位置への移動により、作用片692の傾斜面692aが係合片691を押圧し、経路開閉ばねに抗して、第1位置に臨む経路開閉部材681を第2位置に向かって(反時計回りに)回動させていく。そして、バイトキャリッジ134が移動開始位置まで移動すると、経路開閉部材681は第2位置まで移動し、第1送り経路32を閉塞させる。一方、バイトキャリッジ134が、移動開始位置からホーム位置に向かって移動すると、経路開閉ばねの付勢力により、係合片691は、作用片692の傾斜面692aに沿って(時計回りに)回動し、経路開閉部材681が第1位置側に回動していく。そして、係合片691から作用片692が外れると、経路開閉部材681は第1位置に臨み、第1送り経路32を開放する。
このように、開閉部材移動機構682は、作用片692をカムとし、係合片691を従動子(カムフォロア)としたカム機構(斜面カム)であり、バイトキャリッジの正逆往復移動を経路開閉部材681の回動運動に変換することにより、第1送り経路32を開閉するようになっている。そして、本実施形態では、作用片692および係合片691を移動開始位置で係合させる構成としているため、カッティング処理の開始に伴うバイトキャリッジ134の移動を利用して、第1送り経路32を閉塞することができる。したがって、処理テープTの逆送り開始に先立って、バイトキャリッジ134を移動開始位置まで移動させることにより、逆送りされる処理テープTの尾端を確実に第2送り経路34に案内することができると共に、逆送り終了後は、速やかにカッティング動作に移行させることができる。
次に、テープバッファ125について説明する。テープバッファ125は、テープカートリッジCから繰出した未切断の処理テープTを正逆送りしながらカッティング処理を行う(装飾ハーフカット処理:後述する)場合に用いられ、未切断の処理テープTを逆送りすることにより生じるたるみを吸収する。
図8に示すように、テープバッファ125は、第1送り経路32に臨む、上述のフルカッタ81からテープ送り経路31の分岐部33に至るまでの凹状の空間であり、第2経路フレーム422のテープ送り方向上流側の斜辺部422aにより、その壁面の一部が構成されている。上述したように、本実施形態の処理テープTは、テープカートリッジCに巻回された状態で収容されており、巻き癖を有している。本実施形態のテープバッファ125は、処理テープTの巻き癖方向に対応して設けられており、テープ送り経路31において、巻き癖により撓む処理テープTの凸側(撓み側)に形成されている。
このように、テープ送り方向において、テープカートリッジCのテープ繰出し口の下流側であって、カッティング送り機構137の上流側に、テープバッファ125を設けることにより、未切断の処理テープTであっても僅かであるが逆送りが可能となり、逆送りを伴うカッティング処理を行うことが可能となる。より具体的には、後述の装飾ハーフカット処理において、カットラインをトリミング形状とする場合等に用いる。
次に、テープ処理装置1の主制御系について説明する。図10に示すように、を参照して、テープ処理装置1は、キーボード5やディスプレイ6等を有し、印刷処理およびカッティング処理のための各種情報や各種指令を入出力するためのデータ入出力部701と、印刷ヘッド62、印刷送りモータ72、フルカットモータ82、離接モータ274、バイト移動モータ341、およびカッティング送りモータ393を駆動する各種ドライバを有する駆動部702と、テープ識別センサ51、ホーム位置検出センサ372、離接検出スイッチ322、回動検出スイッチ496、第1ガイド検出スイッチ581、および第2ガイド検出スイッチ591を有し、各種検出を行う検出部703と、これら各部に接続され、テープ処理装置1全体の制御を行う制御部704(制御手段44)と、を備えている。
制御部704は、一時的に記憶可能な記憶領域を有する他、制御処理のための作業領域として使用されるRAM711と、各種記憶領域を有し、制御プログラムや制御データを記憶するROM712と、各種データを演算処理するCPU713、周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が組み込まれると共に、時間制御を行うためのタイマー(図示省略)が組み込まれた周辺制御回路(P−CON)714、これらを互いに接続するバス715、が備えられている。
そして、制御部704では、P−CON714を介して各部から入力された各種データやRAM711内の各種データを、ROM712に記憶された制御プログラム等に従ってCPU713に演算処理させ、その処理結果(制御信号)をP−CON714を介して各種ドライバに出力する。これにより、各部が統括され、装置全体が制御される。
そして、上述のカッティングユニット43で行われるカッティング処理は、図11に示すように、処理テープTに対し、テープ幅方向を横断するようにカットライン(ハーフカットライン)を形成するハーフカット処理と、図12に示すように、切り文字も含め、処理テープTを任意の形状に切抜くようにカットライン(切抜きカットライン)を形成する切抜きカット処理と、に大別することができ、制御部704は、ハーフカット処理と切抜きカット処理とで異なる制御を行うようになっている。
以下、ハーフカット処理および切抜きカット処理を行うときの一連の制御フローについて説明する。先ず、テープ送り方向において前後2箇所にハーフカットラインを形成する(図11(c)参照)場合を例に、ハーフカット処理について説明する。ハーフカット処理を行う場合、先ず、制御部704が、印刷送りモータ72を駆動して、テープカートリッジCから処理テープTを繰出し送りする。そして、この繰出し送りにより、処理テープTが、前側のハーフカットラインを形成可能な位置まで到達すると、制御部704は、印刷送りモータ72の駆動を停止し、処理テープTの繰出し送りを停止させると共に、離接モータ274を駆動(例えば逆駆動)して、上述の正逆送りローラ391および引張りローラ392をグリップ状態とする。
次に、制御部704は、バイト移動モータ341を駆動して、バイトユニット131(カッティングバイト142)をホーム位置から移動開始位置まで移動させた後、さらに、バイトユニット131を移動開始位置からホーム位置まで移動させる。なお、説明の便宜のため、バイトユニット131のホーム位置から移動開始位置への移動を往動、移動開始位置からホーム位置への移動を復動とし、処理テープTのホーム位置側を下側、移動開始位置側を上側として説明を行う。
このとき、バイト移動モータ341の駆動に同期して、離接モータ274が駆動(正駆動)される。そして、バイトユニット131の復動時において、バイトユニット131が処理テープTの上端に臨むと、バイトユニット131が非切込み位置から切込み位置まで移動し、処理テープTに対して(前側のハーフカットラインを形成するための)切込み動作が行われる。バイトユニット131が処理テープTの下端に臨むと、バイトユニット131が切込み位置から非切込み位置まで移動し、切込み動作が終了する。
切込み動作が終了すると、制御部704は、離接モータ274を駆動(逆駆動)し、正逆送りローラ391および引張りローラ392を非グリップ状態とする。そして、制御部704は、印刷送りモータ72を駆動して、処理テープTの繰出し送りを再開し、処理テープTを後側のハーフカットラインを形成可能な位置まで送ってゆく。処理テープTが後側のハーフカットラインを形成可能まで送られると、制御部704は、離接モータ274を駆動(逆駆動)して、正逆送りローラ391および引張りローラ392をグリップ状態とした後、前側のハーフカットラインを形成したときと同様の制御動作を行い、後側のハーフカットラインを形成する。
後側のハーフカットラインが形成されると、制御部704は、カッティング送りモータ393を駆動(正駆動)し、処理テープTの切断長が所定長となる位置まで処理テープTを送っていく。そして、フルカットモータ82を駆動(例えば正駆動)して、処理テープTを所定長に切断した後、再度カッティング送りモータ393を駆動して、切断した処理済みの処理テープTをテープ排出口9から排出する。
なお、上述のハーフカット処理は、形成されるハーフカットラインが、テープ幅方向に平行な直線となる単純ハーフカット処理であるが、処理テープTとハーフカットラインとの角を取ったり(図11(d)参照)、ハーフカットラインを非直線状(例えば、円弧状や鋸歯状(図11(e)、(f)参照)にしたりする装飾ハーフカット処理(トリミング)を行うことも可能である。この場合、切込み動作のためのバイト移動モータ341の駆動と同期して、カッティング送りモータ393が駆動され、切込み動作時におけるバイトユニット131の往動と同期して、処理テープTの正逆送りが行われる。そして、このときの逆送りにより生じた処理テープTのたるみは、上述のテープバッファ125に吸収(収容)される。
もっとも、本実施形態のテープ処理装置1では、単純ハーフカット処理がデフォルトとして設定されており、上述の刃先方向設定機構138では、単純ハーフカット処理に対応して、移動開始位置における刃先方向の向きが設定されている。すなわち、刃先方向設定機構138では、移動開始位置に臨むカッティングバイト142の刃先がテープ幅方向(往動方向)を向くように設定されており、単純ハーフカット処理を開始して、移動開始位置からバイトキャリッジ134を移動させれば、テープ幅方向に平行なハーフカットラインを速やかに形成できるようになっている。
このように、ハーフカット処理では、処理テープTの正送りにより、所定の位置にハーフカットラインを形成可能な所定位置に処理テープTが到達すると、(順次)バイトユニット131(カッティングバイト142)による切込み動作が行われ、テープカートリッジCに連なった未切断の処理テープTに対して、バイトユニット131により切込み動作が行われるようになっている。したがって、効率よくハーフカット処理を行うことができ、ハーフカット処理に要する時間を短縮することが可能である。
次に、切抜きカット処理を行う場合について説明する。本実施形態のテープ処理装置1では、18mm以上の処理テープTに対して切抜きカット処理を行うことができるようになっており、切抜きカット処理を行う場合、制御部704は、先ず、テープ識別センサ51によりテープ幅の検出を行い、これに基づいてフルカットモータ82を駆動(逆駆動)して、テープ送り経路31に、処理対象となる処理テープTの幅に対応する(一対の)幅ガイド部材521を突出させる。次に、制御部704は、印刷送りモータ72を駆動し、処理テープTの切断長が所定長となる位置まで処理テープTを繰出し送りする。続いて、離接モータ274を駆動(逆駆動)し、正逆送りローラ391および引張りローラ392をグリップ状態とした後、フルカットモータ82を駆動(正駆動)して、処理テープTを所定長に切断する。
次に、制御部704は、カッティング送りモータ393を駆動(正駆動)して、切断した処理テープTの尾端が上述の分岐部に到達する(越える)まで処理テープTを正送りする。続いて、バイト移動モータ341を駆動して、バイトユニット131(カッティングバイト142)をホーム位置から移動開始位置まで移動させ、経路変更機構124(経路開閉部材681)により分岐部33で第1送り経路32を閉塞する。次に、制御部704は、カッティング送りモータ393を駆動(逆駆動)し、処理テープTを逆送りさせると共に、上述の巻取りドラム602を巻取り回転させる。これにより、処理テープTの尾端は第2送り経路34に送られると共に、第2送り経路34に送られた処理テープTがテープ収容部601に到達した場合には、巻取りドラム602に巻き取られるようになっている。
処理テープTの逆送りにより、処理テープTの先端が引張りローラ392まで到達すると、切込み動作が開始され、カッティング送りモータ393、バイト移動モータ341、および離接モータ274が同期して駆動される。これにより、処理テープの正逆送りおよびカッティングバイト142のテープ幅方向への移動が同期してなされると共に、処理テープTに対して、カッティングバイト142の離接が適宜行われ、処理テープTには、これを所定形状に切り抜いた切抜きカットラインが形成される。そして、処理テープTが所定形状に切抜かれると、制御部704は、カッティング送りモータ393を駆動して、処理済みの処理テープTをテープ排出口9から排出する。
ところで、切抜きカット処理は、処理テープTに任意の図形や文字の切り抜きカットラインを形成するものであり、図12(a)、(b)に示すように、印刷されていない処理テープTに切抜きカットラインを形成することも可能であるし、図12(c)〜(e)に示すように、印刷ユニット41により処理テープTに印刷した、印刷画像(文字や図形等)を囲むように切抜きカットライン(印刷装飾カットライン)を形成する(印刷装飾カット処理:複合処理を行う)ことも可能である。
そして、このテープ処理装置1では、印刷処理に伴う処理テープTの繰出し送り(印刷送り)は、プラテンローラC6により行い、カッティング処理に伴う処理テープTの正逆送りは、正逆送りローラ391により行われるが、上述のプラテンローラC6による処理テープTの送り量(ローラの周速)と、正逆送りローラ391による処理テープTの送り量は、精度良く調整されており、これら両ローラ391、392の回転を制御することにより、印刷画像と切抜きカットラインとを位置的に整合させることができるようになっている。
しかしながら、機械的な公差や取り付け誤差、経年劣化等に起因して、プラテンローラC6および正逆送りローラ391のテープ送り量には、僅かであっても誤差があり、図12(e)、(f)に示すように、処理テープTに連続して印刷された複数(複数組)の印刷画像のそれぞれに印刷装飾カットラインを形成する場合には、この誤差が無視できなくなることがある。すなわち、処理テープTの尾端側に行くほど誤差が大きくなり、印刷画像に対する印刷装飾カットラインの形成位置がずれる惧れが生じる。そこで、印刷装飾カット処理において、複数(複数組)の印刷画像のそれぞれに印刷装飾カットを行う場合には、制御部704は、正逆送りローラ391を用いて、印刷に伴う処理テープTの繰出し送りを行うように制御し、各印刷画像とこれに対応する切抜きカットラインとの位置ずれを防止できるようになっている。
具体的には、フルカットモータ82を駆動(逆駆動)して、テープ送り経路31に、処理対象となる処理テープTの幅に対応した幅ガイド部材521を突出させた後、印刷送りモータ72を駆動して、処理テープTの先端が正逆送りローラ391に到達するまで、処理テープTを繰出し送りする。続いて、離接モータ274を駆動(逆駆動)して、正逆送りローラ391および引張りローラ392をグリップ状態とした後、カッティング送りモータ393および印刷ヘッド62を同期して駆動する。これにより、正逆送りローラ391(および引張りローラ392)によって、処理テープTがテープカートリッジCから繰出し送りされると共に、繰出し送りされた処理テープTに(複数の印刷画像の)印刷が行われていく。
処理テープTに対する印刷処理が終了した後も、カッティング送りモータ393の駆動(正駆動)を続け、処理テープTの切断長が所定長となる位置まで処理テープTを繰出し送りする。そして、制御部704は、フルカットモータ82を駆動(正駆動)して、処理テープTを所定長に切断した後、上述の切抜きカット処理と同様の制御を行い、処理テープTに印刷された各印刷画像に対して印刷装飾カットを行っていく。
このように、印刷処理に伴う処理テープTの繰出し送りと、切抜きカット処理に伴う処理テープTの正逆送りと、を同一のローラを用いて行うことにより、各処理における処理テープTの送り量を整合させることができ、印刷画像に対して、精度良く切抜きカットラインを形成することが可能である。
テープ処理装置の閉蓋状態の外観斜視図である。 テープ処理装置の断面図である。 共通支持フレーム廻りを水平面で切ったときの断面図である。 フルカットユニットおよび幅ガイド機構における動力系の説明図である。 カッティングユニットをテープ送り経路と垂直な方向に切ったときの断面図である。 上フレーム側から見たカッティング機構廻りの外観斜視図である。 テープ送り方向下流側から見たカッティング機構廻りの外観斜視図である。 カッティング機構廻りを水平面で切ったときの断面図である。 カッティング送り機構およびテープ収容機構における動力系の説明図である。 テープ処理装置の制御ブロック図である。 ハーフカット処理により作成したテープ片を例示したものであり、(a)〜(c)は単純ハーフカット処理、(d)〜(f)は、装飾ハーフカット処理を行ったときのテープ片を示している。なお、ハーフカットラインは破線で示している。 切抜きカット処理により作成したテープ片を例示したものであり、(a)、(b)はカッティング処理のみ行ったテープ片、(c)〜(f)は、印刷装飾カット処理を行ったときのテープ片を示している。
符号の説明
1 テープ処理装置 26 上フレーム
121 カッティング機構 131 バイトユニット
138 刃先方向設定機構 142 カッティングバイト
501 バイト側磁石 502 フレーム側磁石
T 処理テープ

Claims (7)

  1. シート送り経路に沿って切り文字用シートを正逆送りしながら、斜刃で構成したカッティングバイトを自由回転自在に支持したバイトユニットを、シート送り方向に直交するシート幅方向に正逆往復動させるカッティング処理を行うことにより、前記切り文字用シートにカットラインを形成するカッティング機構と、
    前記カッティングバイトの前記正逆往復動の基点となる移動基点位置に前記カッティングバイトが臨んだときに、当該カッティングバイトを回転させてその刃先を、所定の切込方向に向かせる刃先方向設定機構と、を備えていることを特徴とするカッティング装置。
  2. 前記移動基点位置は、前記シート送り経路から外れ、かつ前記カッティングバイトの往動開始位置であることを特徴とする請求項1に記載のカッティング装置。
  3. 前記カッティング処理には、前記切り文字用シートの全シート幅に亘り、テープ幅方向と平行な直線状の前記カットラインを形成するハーフカット処理が含まれており、
    前記切込方向は、前記カッティングバイトの往動方向であることを特徴とする請求項2に記載のカッティング装置。
  4. 前記刃先方向設定機構は、前記カッティングバイトに組み込まれた可動磁石と、
    前記移動基点位置の近傍に固定された固定磁石と、で構成され、
    前記固定磁石と前記可動磁石との相互吸着力により、前記カッティングバイトを回転させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカッティング装置。
  5. 前記カッティング機構を支持する装置フレームをさらに備え、
    前記固定磁石は、前記移動基点位置に臨む前記バイトユニットが近接する前記装置フレームの一部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のカッティング装置。
  6. 前記可動磁石は、棒状に構成され、前記カッティングバイトの回転軸を貫くように配設されていることを特徴とする請求項4または5に記載のカッティング装置。
  7. シート送り経路に沿って切り文字用シートを正逆送りしながら、斜刃で構成したカッティングバイトを自由回転自在に支持したバイトユニットを、シート送り方向に直交するシート幅方向に正逆往復動させるカッティング処理を行うことにより、前記切り文字用シートにカットラインを形成するカッティング装置のカッティング処理方法であって、
    前記カッティング処理の開始に先立ち、前記カッティングバイトの前記正逆往復動の基点となる移動基点位置に前記カッティングバイトが臨ませ、
    前記移動基点位置に臨んだ前記カッティングバイトを回転させてその刃先を、所定の切込方向に向かせる刃先方向設定機構により、前記カッティングバイトの刃先を前記所定の切込方向に向かせた後、
    前記カッティングバイトの前記正逆往復動を開始することを特徴とするカッティング装置のカッティング処理方法。
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