JP2006333986A - ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法 - Google Patents

ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 大掛かりな設備を必要とせずに安価にダイオキシン類やポリ塩化ビフェニルの分解を行うこと。
【解決手段】 本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することにした。また、硫黄とともに金属のイオン結合体である硫化物や硫化物を構成する金属元素又は同金属元素を含む混合物を混入させた。さらに、前記反応における熱水として、アルカリ水を使用すること、電気分解してアルカリ性とした熱水を使用すること、油又は油脂を含有する熱水を使用することにした。また、前記反応時に電磁波を照射して電磁誘導加熱を行うこと、陰極線又は紫外線又はγ線を照射すること、触媒を添加すること、加水反応によってアルカリ体を構成する物質を添加することにした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法に関するものである。
ダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル(PCB)は、環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)としてその処理が社会問題となっている。
ここで、ダイオキシン類とは、75種類の異性体を持つポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)、135種類の異性体を持つポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)、及びコプラナポリ塩化ビフェニルの総称をいい、主に廃棄物の焼却処理において副次的に生成されてしまう物質である。
また、PCBは、ビフェニルの基本骨格中の水素が塩素に置換した分子の総称をいい、現在では製造が禁止されているものの、化学的に安定した物質であり過去に製造され廃棄されたものが多く存在している。
これらのダイオキシン類やPCBを無害化する処理する方法は、特許文献1にも開示されているように、数多くの方法が考え出されている。
特開2004−277292号公報
ところが、従来のダイオキシン類やPCBを無害化する処理方法は、いずれも処理に多大な設備を要し、処理費用が高く、実用面では経済性に問題があった。
そこで、請求項1に係る本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することにした。
また、請求項2に係る本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄と金属のイオン結合体である硫化物とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することにした。
また、請求項3に係る本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄と硫化物を構成する金属元素又は同金属元素を含む混合物とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することにした。
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項1〜請求項3のいずれかに係る本発明において、前記反応における熱水として、アルカリ水を使用することにした。
また、請求項5に係る本発明では、前記請求項1〜請求項3のいずれかに係る本発明において、前記反応における熱水として、電気分解してアルカリ性とした熱水を使用することにした。
また、請求項6に係る本発明にでは、前記請求項1〜請求項5のいずれかに係る本発明において、前記反応における熱水として、油又は油脂を含有する熱水を使用することにした。
また、請求項7に係る本発明にでは、前記請求項1〜請求項6のいずれかに係る本発明において、前記反応時に電磁波を照射して電磁誘導加熱を行うことにした。
また、請求項8に係る本発明では、前記請求項1〜請求項7のいずれかに係る本発明において、前記反応時に陰極線又は紫外線又はγ線を照射することにした。
また、請求項9に係る本発明では、前記請求項1〜請求項8のいずれかに係る本発明において、前記反応において触媒を添加することにした。
また、請求項10に係る本発明では、前記請求項1〜請求項9のいずれかに係る本発明において、前記反応において加水反応によってアルカリ体を構成する物質を添加することにした。
また、請求項11に係る本発明では、前記請求項1〜請求項10のいずれかに係る本発明において、前記反応における水蒸気として、ドライスチームを使用することにした。
本発明に係るダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法は、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによって、大掛かりな設備を必要とせずに低コストでダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解して、被処理物の無害化を図ることができる方法である。
本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄とを密閉容器内に投入した後に混合し、さらに密閉容器内に水(及び、望ましくはアルカリ性保持剤)を投入し、その後、密閉容器内を加熱し、高温高圧下で反応を行わせ、所定時間経過後に冷却して、沈殿分離した液体状物と固体状物とを回収する。
これにより、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄とが熱水中又は水蒸気中で反応して、被処理物に含有されていたダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルが分解される。
このように、本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄とを熱水中又は水蒸気中(望ましくは、高アルカリ性雰囲気において)で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することにした。
また、本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄と金属のイオン結合体である硫化物とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってもダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することができる。
ここで、硫化物には、Li、Na、K、Ca、Mg、Beなどの1A又は2A類元素を含む硫化物及び多硫化物をいう。
さらに、本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄と硫化物を構成する金属元素(たとえばLi、Na、K、Ca、Mgなど)、又は同金属元素を含む混合物(たとえば、Ca水溶液などの水溶液やCa(OH)などの水酸化物など)とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することができる。
特に、熱水としてアルカリ水を使用した場合や水を電気分解してアルカリ水とした場合や熱水として油又は油脂を含有させた場合や熱水に酸化チタンなどの触媒を添加した場合には、反応を促進させることができる。
また、反応時に電磁波を照射して電磁誘導加熱を行った場合や生石灰などの加水性を有する1A又は2A類金属で加水反応によってアルカリ体を構成する物質を添加した場合には、加熱を促進させることができ、これによっても反応を促進させることができる。
また、陰極線又は紫外線又はγ線を照射した場合や水蒸気としてドライスチームを使用した場合には、分解を促進させることができる。
本発明に係る分解方法を具体的に説明すると、ダイオキシン類を含有する被処理物として焼却炉の解体時に生じた煙突内部に付着したカーボン体を用い、カーボン体20重量部、硫黄20重量部、アルカリ性保持剤としての消石灰10重量部、水100重量部の配合比とし、まず、カーボン体20重量部と硫黄20重量部と消石灰10重量部と水100重量部とを反応缶に入れ、混合機を作動させて10分程度混合する。
次に、安全弁を設定し上限反応圧力として排気圧を約10kg/cm2にセットし炉体冷却排水バルブ及冷却バルブを開放するとともに冷却水入口バルブを開放して通水する。
次に、反応中の蒸発を抑えるために、エアーコンプレッサーによる加圧によって2.5kg/cm2程度の予圧をかける。
次に、バーナに点火して、圧力計と温度計とを確認し、混合しながら昇温する。この時に、圧力は10kg/cm2以下とし、温度計の表示が110℃に達してから、約30分間混合反応させる。
次に、バーナを停止し、圧力計が下降するまで放置し、安定したら排気弁により最終残圧を完全に排出し、大気圧と同化させる。
次に、混合機を停止させ、排出バルブを開放して、沈澱物及び液体を排出して、これらを回収する。
次に、回収物を冷却し、沈澱分離し薬液と沈澱物を得る。ここでは、薬液130重量部と沈澱物20重量部を得ることができるた。
これらの薬液と沈殿物とをそれぞれ分析したところ、ダイオキシン類は検出されなかった。なお、PCBを含有する産業廃棄物についても同様の処理を行ったところ、PCBは検出されなかった。
また、回収された薬液は、多硫化カルシウムを含有しており、液比重が1.2g/ccで黄緑色のpH10の液体であった。
また、原料とし焼却場飛灰PH13.5を用いたところ、多硫化カルシウムを含有した液比重が1.15g/ccの茶色のpH11の液体を得た。
そして、上記pH10の薬液30重量部とpH11の薬液5重量部とをそれぞれ用いて、pH13.5のアルカリ灰(鉛含有量1300mg/kg/dry、溶出値12mg/L)100重量部及び調整水40重量部を混合したところ、環告46号(溶出試験)に従って分析すると、上記pH10の薬液を用いた場合には、鉛溶出12mg/Lから0.005mg/Lに低減され、また、上記pH11の薬液を用いた場合には、鉛溶出12mg/Lから0.001/mg/L以下に低減され、最も固定化が困難な鉛を固定化することができ、重金属安定剤としての十分な効果を発揮することが確認された。
このように、本発明では、ダイオキシン類やPCBの分解を行うことができると同時に、重金属を含有した被処理物を処理した場合には、重金属を固定化することができ、さらに、処理によって生成された薬液を重金属安定剤として有効に利用することが確認された。
すなわち、本発明では、産業廃棄物であり、また、重金属を含有した物質として知られるアルカリ灰を被処理物として処理した場合には、それ自体の無害化を図ると同時に、重金属を安定的に固定することができる重金属固定化処理剤や補強剤などとして機能する多硫化物からなる処理剤を生成し、その処理剤を用いて、重金属の固定化や補強などを行うようにすることができる。
しかも、生成された処理剤は、生成時に生じた液体状のものに限られず、その沈殿物にも有効成分が含有されており、両方とも有効な処理剤として利用することができるものである。
また、本発明では、産業廃棄物であるアルカリ灰の一部を原料として用いて重金属固定化処理剤を生成するとともに、その生成された重金属固定化処理剤を用いて残りのアルカリ灰を同時に処理することもできる。これにより、産業廃棄物の処理に要する労力や時間やコストを大幅に低減することができる。
具体的には、アルカリ灰を原料として熱水中又は加熱蒸気中で硫黄と反応させることによって、多硫化物を主成分とする薬剤を生成することができる。
ここで、「アルカリ灰」とは、焼却場、発電所、電気炉、溶解炉、流動床ボイラー等の石炭ボイラー、溶融炉、焼成炉(キルン)などから排出されるpH9以上のアルカリ性の灰及び飛灰の総称であると同時に、これら一種又は二種以上の混合体を含み、また、産業廃棄物で旧来処理の対象物であったもの及びそれとともに生成される水中沈殿物をも含むものを指している。
また、多硫化物には、反応で生成される液体状のものに限られず、沈殿物も含まれ、この沈殿物には、アルカリ灰と硫黄との熱水反応によって生成される沈殿物に限られず、熱水反応中又は反応後に混入した酸性体や中性体や粘土やシルト等の金属体を含んだ反応材を含んだ沈殿物をも含むものであり、しかも、これらの混合体であってもよく、また濃縮体や乾燥物であってもよい。
かかる薬剤は、汚泥、粉塵、集塵などの主に産業廃棄物に添加混合することによって、鉛・亜鉛・水銀・クロム・マンガン・コバルト・ニッケルなどの重金属と硫黄とが反応し、不溶性硫化物が生成され、重金属を固定化し、これにより、廃棄物(被処理物)から重金属が溶出するのを未然に防止して、無害化する重金属固定化処理剤(廃棄物処理剤)として用いることができる。
また、自然の岩石、盛土、レンガ、窯業製品などの対象物に塗布又は含浸させることによって、多硫化物の作用で対象物の強度を増大させて補強を行うことができる補強処理剤としても用いることができる。
ここで、対象物としては、自然の岩石、盛土、レンガ、窯業製品に限られず、一般的に用いられる土木用無機質材料や重金属を含む有害物やコンクリート破砕材、有害成分を含む自然石やその微粒体も含まれ、当然に、アルカリ灰やアルカリ灰が生成されるときに発生する水中沈殿物も対象となり、酸性有害物や中性体無機質有害物なども含まれる。
また、木質素材からなる対象物の表面に塗布又は含浸させることによって、多硫化物の作用で抗菌効果や防虫効果を発揮させることができ、これによって対象物の保護を行うことができる保護処理剤としても用いることができる。
さらに、金属素材からなる対象物の表面に塗布又は含浸させることによって、多硫化物の作用で表面に硫化金属膜を形成し、この硫化金属膜によって対象物の保護を行うことができる保護処理剤としても用いることができる。
しかも、薬剤は、アルカリ灰を原料として生成した多硫化物を主成分としているために、従来の処理剤を使用した場合に問題となる処理剤に含有される有機物の分解による二硫化炭素の発生を防止することができる。
また、反応装置内で原料となるアルカリ灰と硫黄とを混合し、原料となるアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させることによって、重金属と反応して固定化する重金属固定化処理剤を製造することができる。硫黄は、固体状のものでも、液体状のものでも、気体状のもの(蒸気化したもの)でもよい。
この重金属固定化処理剤は、原料とは異なるアルカリ灰と反応させることによってアルカリ灰中に含有される重金属を固定化することができる。
この原料となるアルカリ灰に、石、粘土、真砂、又は灰を混入させてもよい。たとえば、石炭フライアッシュと硫黄とを熱水反応させ、一定時間経過後に酸性スラッジを混合させたところ、石炭フライアッシュと酸性スラッジの両方を無害化させることができた。
また、反応装置内で原料となるアルカリ灰と硫黄とを混合し、原料となるアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させて重金属固定化処理剤を生成し、この重金属固定化処理剤を用いて酸性体中の重金属を固定化させることによって、アルカリ性を示す重金属固定化処理剤を中和処理する必要がなくなり、中和処理のための作業やコストを削減することができる。
また、反応装置内で廃棄物としてのアルカリ灰の一部と硫黄とを混合し、このアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させて重金属固定化処理剤を生成し、この重金属固定化処理剤を用いて残りのアルカリ灰中の重金属を固定化することによって、廃棄物全体を処理することができ、経済性を向上させることができる。
また、反応装置内で原料となるアルカリ灰と硫黄とを混合し、原料となるアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させて補強処理剤を生成し、この補強処理剤を用いて被処理物の補強を行うことができる。
たとえば、地盤や路床の強度改良を目的として、飛灰と、硫黄、真砂、粘土とを混合反応させた場合には、重金属安定剤としての性能以外に金属との結合や、灰中成分(カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、シリカ)と反応させ、これをローラ等で転圧することで地耐力の強化を図ることができる。
また、反応装置内で原料となるアルカリ灰と硫黄とを混合し、原料となるアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させて処理剤を生成し、この処理剤の生成と同時に原料となるアルカリ灰の沈殿生成物を生成することができる。
また、反応装置内で原料となるアルカリ灰と硫黄とを混合し、原料となるアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させて処理剤を生成し、この処理剤の生成と同時に原料となるアルカリ灰の沈殿生成物からなる重金属安定剤を生成することができる。
また、反応装置内で原料となるアルカリ灰と硫黄とを混合し、原料となるアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させ、蒸発減水させることによって金属反応剤を生成することができる。
また、反応装置内で原料となるアルカリ灰と硫黄とを混合し、原料となるアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させ、蒸発減水させ、さらに乾燥させることによって金属反応剤を生成することができる。
また、反応装置内で原料となるアルカリ灰と硫黄とを混合し、原料となるアルカリ灰中のカルシウム、カリウム、ナトリウム、又はマグネシウムと硫黄を反応させ、液状の処理剤と沈殿生成物からなる固体状の処理剤とを生成し、液体状の処理剤から濃縮液を生成したり、液体状の処理剤を乾燥させて水溶性の粉状又は粒状の処理剤を生成したり、さらには、沈殿生成物を加熱濃縮してウエット状又は乾燥状の処理剤を生成することができる。
上記した処理剤は、アルカリ灰を原料として多硫化物を安定かつ安全に生成する必要があり、そのための方法としては、アルカリ灰に含有される水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムのいずれか又はこれらの混合物と硫黄とを密閉容器内で蒸気の排出をすることなく98℃〜345℃の高圧下で撹拌混合しながら反応させることによって生成する方法がある。
たとえば、水酸化カルシウムと硫黄とを用いた場合には、消石灰と硫黄と水とを混合することによって生成でき、このとき、
Ca(OH)2→Ca+++2OH--
Ca+++S→CaS
の反応が起こる。
このCaSは、
2CaS+4OH--→H2S+Ca(OH)2+S+Ca+O2
となる。
ここで、従来の製法では、一部の硫化水素及び酸素が蒸気として大気に開放されていたが、本発明では、この反応を密閉容器内で行わせることで蒸気の排出をしないようにしている。
そのため、上記反応が正確に進んで、
H2S+Ca(OH)2+S+Ca→Ca(HS)2+Ca(OH)2
となる。
また、CaSは、
2CaS+2H2O→Ca(HS)2+Ca(OH)2
となる。
さらに、CaSは、
CaS+(x−1)S→CaSx
となって、CaSxが安定して生成される。
これは、水酸化カルシウムを用いた場合に限られず、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムのいずれか又はこれらの混合物を用いた場合でも、Sxを含有する処理剤を安定して生成できる。
特に、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムのいずれか又はこれらの混合物と硫黄とを硫黄の粒子表面に付着したカリウム、マグネシウム、カルシウム、又はナトリウムを破砕し剥離させるように撹拌混合しながら反応させることによって多硫化物を主成分とする処理剤をより安定して生成することができる。
また、硫黄の溶解温度以上の温度で反応を行わせた場合には、多硫化物を主成分とする処理剤を安定して生成することができる。
また、硫黄と熱水との混合液に、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムのいずれか又はこれらの混合物を所定量連続的に混入させた場合には、多硫化物を主成分とする処理剤を安定して生成することができる。
また、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムのいずれか又はこれらの混合物と硫黄と熱水との混合液に低温環境下(−20℃〜0℃)で消石灰を混入させた場合には、多硫化物を主成分とし、被処理剤を固化することができるミルク状の固化剤を含んだ処理剤を安定して生成することができる。
また、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムのいずれか又はこれらの混合物と硫黄と熱水との混合液に低温環境下(−30℃〜−25℃)でカルシウムを混入させた場合には、多硫化物を主成分とする処理剤を安定して生成することができる。
また、予め100μ以下(好ましくは、50μ以下)に粉砕した硫黄と、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムのいずれか又はこれらの混合物を粉体又はシルト状態で用いた場合には、多硫化物を主成分とする処理剤を安定して生成することができる。
また、請求項3に係る本発明では、ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄と硫化物を構成する金属元素を含む混合物とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することにした。

Claims (11)

  1. ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することを特徴とするダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  2. ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄と金属のイオン結合体である硫化物とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することを特徴とするダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  3. ダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する被処理物と硫黄と硫化物を構成する金属元素又は同金属元素を含む混合物とを熱水中又は水蒸気中で反応させることによってダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルを分解することを特徴とするダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  4. 前記反応における熱水として、アルカリ水を使用することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  5. 前記反応における熱水として、電気分解してアルカリ性とした熱水を使用することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  6. 前記反応における熱水として、油又は油脂を含有する熱水を使用することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  7. 前記反応時に電磁波を照射して電磁誘導加熱を行うことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  8. 前記反応時に陰極線又は紫外線又はγ線を照射することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  9. 前記反応において触媒を添加することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  10. 前記反応において加水反応によってアルカリ体を構成する物質を添加することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
  11. 前記反応における水蒸気として、ドライスチームを使用することを特徴とする請求項1〜請求項10に記載のダイオキシン類又はポリ塩化ビフェニルの分解方法。
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