JP2006333235A - 無線通信システム、無線基地局装置および送信電力制御方法 - Google Patents

無線通信システム、無線基地局装置および送信電力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 屋内に設けられた無線基地局装置の送信電力を適正に制御することを可能とする。
【解決手段】 移動局の識別情報に基づき、屋内利用或いは屋外利用の移動局かの利用種別を判定する利用種別判定回路16と、移動局間のスループットを測定するスループット測定回路17と、該測定時の送信電力値を検出する送信電力制御回路13と、利用種別判定データ、スループット測定データおよび送信電力値検出データの組み合わせを記憶するデータ記録部18と、移動局の利用種別ごとの品質基準を記憶する品質基準保持メモリ19と、スループット測定データおよび品質基準に基づいて送信電力をフィードバック制御し、また、該両方の品質基準を満たす最小の送信電力値をデータ記録部18に記憶されている組み合わせの中から求めて送信電力を最適化する手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無線通信システム、無線基地局装置および送信電力制御方法に関する。
近年、一般の家庭宅にインターネット等の公衆の通信ネットワークに接続できる光ファイバーケーブルが敷設され、広帯域通信を行うことが可能となってきている。また、宅内の無線LAN(無線ローカルエリアネットワーク)をその光ファイバーケーブルに接続することで、宅内における端末の通信環境が格段に向上する。従来の屋内ネットワーク環境に係る技術としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の従来技術では、屋内における基地局と移動局の位置関係を全て計算し、その中から最適な組み合わせを遺伝的アルゴリズムにて解くことにより、基地局装置の最適な屋内配置を決定している。
特開2000−333239号公報
しかし、上述した従来技術により基地局装置を最適に屋内配置しても、基地局装置の送信電力を適正にしないと、以下に示すような問題が生じる可能性がある。
(1)近隣の宅内の無線LAN等、他の無線サービスエリアに対して不必要な干渉を与える点。
(2)漏洩電波の通信傍受などのセキュリティ対策の点。
(3)基地局装置を不特定のユーザに開放する場合、基地局装置の設置場所を提供したユーザに対して優位性を与えることができなくなる点。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、屋内に設けられた無線基地局装置の送信電力を適正に制御することのできる無線通信システム、無線基地局装置および送信電力制御方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る無線通信システムは、屋内に設置された基地局装置を有する無線通信システムにおいて、移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局か或いは屋外利用の移動局かの利用種別を判定する利用種別判定手段と、移動局と前記基地局装置との間の通信品質を測定する測定手段と、前記測定時の前記基地局装置の送信電力値を検出する検出手段と、前記利用種別の判定データ、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせを記憶するデータ記憶手段と、屋内利用の移動局および屋外利用の移動局に対する各々の品質基準を記憶する品質基準記憶手段と、前記通信品質の測定データおよび前記品質基準に基づいて前記基地局装置の送信電力をフィードバック制御し、また、前記両方の品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、前記基地局装置の送信電力を最適化する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る無線通信システムにおいては、屋内に設置された基地局装置を有する無線通信システムにおいて、移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局を判定する利用種別判定手段と、屋内利用の移動局と前記基地局装置との間の通信品質を測定する測定手段と、前記測定時の前記基地局装置の送信電力値を検出する検出手段と、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせを記憶するデータ記憶手段と、屋内利用の移動局に対する品質基準を記憶する品質基準記憶手段と、前記通信品質の測定データおよび前記品質基準に基づいて前記基地局装置の送信電力をフィードバック制御し、また、前記品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、前記基地局装置の送信電力を最適化する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る無線通信システムにおいては、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせごとの発生頻度を求める頻度算出手段と、該組み合わせごとの発生頻度を記憶する頻度記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記頻度記憶手段に記憶されている発生頻度に基づき、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせのうち無効な組み合わせを除外して、前記最小の送信電力値を求める、ことを特徴とする。
本発明に係る無線基地局装置は、屋内に設置される無線基地局装置であり、移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局か或いは屋外利用の移動局かの利用種別を判定する利用種別判定手段と、移動局と自局との間の通信品質を測定する測定手段と、前記測定時の自局の送信電力値を検出する検出手段と、前記利用種別の判定データ、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせを記憶するデータ記憶手段と、屋内利用の移動局および屋外利用の移動局に対する各々の品質基準を記憶する品質基準記憶手段と、前記通信品質の測定データおよび前記品質基準に基づいて自局の送信電力をフィードバック制御し、また、前記両方の品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、自局の送信電力を最適化する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る無線基地局装置は、屋内に設置される無線基地局装置であり、移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局を判定する利用種別判定手段と、屋内利用の移動局と自局との間の通信品質を測定する測定手段と、前記測定時の自局の送信電力値を検出する検出手段と、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせを記憶するデータ記憶手段と、屋内利用の移動局に対する品質基準を記憶する品質基準記憶手段と、前記通信品質の測定データおよび前記品質基準に基づいて自局の送信電力をフィードバック制御し、また、前記品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、自局の送信電力を最適化する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る無線基地局装置においては、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせごとの発生頻度を求める頻度算出手段と、該組み合わせごとの発生頻度を記憶する頻度記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記頻度記憶手段に記憶されている発生頻度に基づき、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせのうち無効な組み合わせを除外して、前記最小の送信電力値を求める、ことを特徴とする。
本発明に係る送信電力制御方法は、屋内に設置された基地局装置を有する無線通信システムにおける前記基地局装置の送信電力制御方法であって、移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局か或いは屋外利用の移動局かの利用種別を判定する過程と、移動局と前記基地局装置との間の通信品質を測定する過程と、前記測定時の前記基地局装置の送信電力値を検出する過程と、前記利用種別の判定データ、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせをデータ記憶手段に記憶する過程と、屋内利用の移動局および屋外利用の移動局に対する各々の品質基準、並びに前記通信品質の測定データに基づいて前記基地局装置の送信電力をフィードバック制御する過程と、前記両方の品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、前記基地局装置の送信電力を最適化する過程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る送信電力制御方法は、屋内に設置された基地局装置を有する無線通信システムにおける前記基地局装置の送信電力制御方法であって、移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局を判定する過程と、屋内利用の移動局と前記基地局装置との間の通信品質を測定する過程と、前記測定時の前記基地局装置の送信電力値を検出する過程と、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせをデータ記憶手段に記憶する過程と、屋内利用の移動局に対する品質基準および前記通信品質の測定データに基づいて前記基地局装置の送信電力をフィードバック制御する過程と、前記品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、前記基地局装置の送信電力を最適化する過程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る送信電力制御方法においては、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせごとの発生頻度を求める過程と、該組み合わせごとの発生頻度を頻度記憶手段に記憶する過程と、を含み、前記送信電力を最適化する過程は、前記頻度記憶手段に記憶されている発生頻度に基づき、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせのうち無効な組み合わせを除外して、前記最小の送信電力値を求める、ことを特徴とする。
本発明によれば、実測された通信品質と送信電力値との関係に基づき、移動局の利用種別に応じた品質基準を満たす最小の送信電力値を求めることができる。これにより、屋内に設けられた無線基地局装置の送信電力を適正に制御することが可能となる。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線基地局装置1の構成を示すブロック図である。図2は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの無線移動局装置(無線通信端末)3の構成を示すブロック図である。図3は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置1の配置図である。
図3に示されるように、本無線通信システムの無線基地局装置1(以下、単に「基地局装置1」と称する)は、ユーザの自宅40の屋内に設置される。図3の例では、基地局装置1は居間に設置されている。無線移動局装置としての無線通信端末3(以下、単に「端末3」と称する)は、基地局装置1に接続して無線通信を行うことができる。これにより、ユーザは、端末3を自宅40の屋内で利用して無線通信を行うことができる。
本無線通信システムは、具体的には、例えば、無線LANを構成するシステムであり、基地局装置1はそのアクセスポイント装置であり、端末3は無線LAN端末である。また、基地局装置1は、インターネット等の公衆の通信ネットワークに接続できる通信回線(光ファイバーケーブル等)に接続されていてもよい。
図1に示す基地局装置1において、アンテナ11は端末3との間の信号の無線送信および無線受信を行う。アンテナ11により受信された信号は可変利得増幅器12を介し変復調器14に入力されて復調される。送信信号は変復調器14で変調された後に可変利得増幅器12を介しアンテナ11から送信される。
可変利得増幅器12は、送信信号を増幅してアンテナ11に出力する。その増幅の利得は送信電力制御回路13によって制御される。送信電力制御回路13は、電力制御判定回路20からの指示信号に従って送信電力を制御する。この制御出力として、可変利得増幅器12に利得を指示する。
登録ID保持メモリ15は、屋内利用の端末として登録された端末3の端末ID(端末識別情報)を記憶する。屋内利用の端末として登録する端末3の端末IDは、ユーザのキー操作(この操作キーは図示せず)によって基地局装置1に入力される。
利用種別判定回路16は、端末3の端末IDに基づき、端末の利用種別を判定する。端末の利用種別は、屋内利用と屋外利用の二種類である。屋内利用の端末は、図3に示されるユーザの自宅40の屋内、例えば居間や寝室、台所兼食堂で利用されるものである。屋外利用の端末は、図3に示されるユーザの自宅40の屋外、例えば道路上で利用されるものである。ユーザは、屋内利用の端末3の端末IDを基地局装置1に入力して登録する。この登録された端末IDは上記した登録ID保持メモリ15に記憶される。
端末3は、図2に示されるように、自局の端末IDを記憶している自局ID保持メモリ33を有しており、この自局ID保持メモリ33から端末IDを読み出して送受信機32によりアンテナ31から無線送信する。
利用種別判定回路16は、端末3から送信された端末IDを変復調器14から受け取る。そして、端末3から送信された端末IDを登録ID保持メモリ15に記憶されている端末IDと照合して、当該端末IDの端末3の利用種別を判定する。すなわち、端末3から送信された端末IDと登録ID保持メモリ15に記憶されている端末IDとが一致すれば、当該端末IDの端末3は屋内利用の端末であると判定する。一方、端末3から送信された端末IDと登録ID保持メモリ15に記憶されている端末IDとが不一致ならば、当該端末IDの端末3は屋外利用の端末であると判定する。この判定データはデータ記録部18に出力されてデータ記録部18内のメモリに記憶される。
スループット測定回路17は、変復調器14で復調された受信データに基づき、端末3との間のスループット(通信回線の単位時間あたりの実効転送量)を測定する。この測定データはデータ記録部18に出力されてデータ記録部18内のメモリに記憶される。なお、本実施形態では、通信品質を表す各種データのうち、スループットを採用している。
また、送信電力制御回路13は、スループット測定時の送信電力値を検出する。この検出データはデータ記録部18に出力されてデータ記録部18内のメモリに記憶される。
図4には、データ記録部18内のメモリに記憶される記録データの例が示されている。図4に示されるように、データ記録部18内のメモリには、端末の利用種別の判定データ、スループットの測定データおよび送信電力値の検出データの組み合わせが記憶される。図4では、一つの行が一つの組み合わせに対応している。図4の例では、例えば、屋外利用の端末に関し、送信電力値が「5ワット(5W)」のときのスループットが「毎秒800キロビット(800kbps)」として測定された場合の組み合わせ(図4の図表中の最初の行に記載された組み合わせ)が記録されている。
また、データ記録部18は、同一の組み合わせの記録データが発生した場合には、その組み合わせの発生頻度を求める。そして、その発生頻度をメモリに記憶する。図4には、組み合わせごとの発生頻度の例が示されている。図4の例では、発生頻度は正規化されている。例えば、図4に例示されている上記した屋外利用の端末、送信電力値「5ワット(5W)」およびスループット「毎秒800キロビット(800kbps)」の組み合わせの発生頻度は、正規化されて、10段階のレベル「1」から「10」のうち、レベル「6」となっている。
品質基準保持メモリ19は、端末3の利用種別ごとの品質基準を記憶する。具体的には、屋内利用の端末3に対する品質基準と、屋外利用の端末3に対する品質基準とを記憶する。各品質基準は該当する利用種別の端末3に提供する通信品質の目標値である。本実施形態では、通信品質を表すデータの一種であるスループットの品質基準が、品質基準保持メモリ19に格納されている。例えば、屋内利用の端末3に対するスループットの品質基準は「毎秒10メガビット(10Mbps)」であり、屋外利用の端末3に対するスループットの品質基準は「毎秒64キロビット(64kbps)」である。ここで、屋内利用の端末3に対しては、屋外利用の端末3よりも、優れた品質基準を与える。これは、屋内利用の端末3のユーザは、基地局装置1を設置しているので、その分の優位性を保障するためである。
電力制御判定回路20は、スループット測定回路17で測定されたスループット、及び、該測定対象の端末3の利用種別に対応する品質基準に基づいて、自基地局装置1の送信電力をフィードバック制御するための判定を行う。この判定結果は、送信電力制御回路13に指示される。
また、電力制御判定回路20は、データ記録部18に記憶されている「端末の利用種別の判定データ、スループットの測定データおよび送信電力値の検出データの組み合わせ」の中から、屋内利用の端末3および屋外利用の端末3に対する両方の品質基準を満たす最小の送信電力値を求める。
図4の例では、屋内利用の端末3に対するスループットの品質基準が「毎秒10メガビット(10Mbps)」、屋外利用の端末3に対するスループットの品質基準が「毎秒64キロビット(64kbps)」ならば、その両方の品質基準を満たす最小の送信電力値は「2.5ワット(2.5W)」として求められる。
電力制御判定回路20は、その求めた最小の送信電力値を送信電力制御回路13に指示する。これにより、自基地局装置1の送信電力は、屋内利用の端末3および屋外利用の端末3に対する両方の品質基準を満たす最小の送信電力値に制御され、最適化される。
また、電力制御判定回路20は、上記した最小の送信電力値を求める際に、データ記録部18に記憶されている発生頻度に基づき、データ記録部18に記憶されている「端末の利用種別の判定データ、スループットの測定データおよび送信電力値の検出データの組み合わせ」のうち無効な組み合わせを除外する。例えば、定常状態では起こり得ないような、低い送信電力で高いスループットが得られた場合などを除外する。具体的な処理としては、所定の発生頻度に満たない組み合わせを除外して最小の送信電力値を求める。これにより、何らかの原因により発生した非定常な無線環境に対応する組み合わせが採用されて基地局装置1の送信電力が不適正となることを防止し、基地局装置1の送信電力を適正に保つ。
次に、図5を参照して、上記した図1の基地局装置1の送信電力制御に係る動作を説明する。図5は、図1に示す基地局装置1の送信電力制御に係る処理フロー図である。
図5において、ステップS1では、基地局装置1は自局の送信電力を最適化する処理を行う。この処理では、まず、電力制御判定回路20は、データ記録部18に記憶されている「端末の利用種別の判定データ、スループットの測定データおよび送信電力値の検出データの組み合わせ」の中から、屋内利用の端末3および屋外利用の端末3に対する両方の品質基準を満たす最小の送信電力値を求める。最小の送信電力値を求める際には、各組み合わせの発生頻度を所定の基準値と比較し、基準値に満たない組み合わせは除外して最小の送信電力値を求める。そして、その最小の送信電力値を送信電力制御回路13に指示する。送信電力制御回路13は、その指示された送信電力値に送信電力を制御するための利得を可変利得増幅器12に指示する。これにより、基地局装置1の送信電力は、屋内利用の端末3および屋外利用の端末3に対する両方の品質基準を満たす最小の送信電力値に制御され、最適化される。
なお、基地局装置1の立ち上げ直後などデータ記録部18に記録データがない場合には、電力制御判定回路20は、最大送信電力で送信するように送信電力制御回路13に対して指示する。
ステップS2では、端末3からの接続の有無を判断する。端末3からの接続があった場合、利用種別判定回路16は、当該端末3から送信された端末IDを変復調器14から取得し、該端末IDを登録ID保持メモリ15に記憶されている端末IDと照合して当該端末IDの端末3の利用種別を判定する(ステップS3)。
ステップS4では、スループット測定回路17は、変復調器14で復調された受信データに基づき、接続のあった端末3との間のスループットを測定する。
ステップS5では、送信電力制御回路13は、そのスループット測定時の送信電力値を検出する。
ステップS6では、データ記録部18は、上記ステップS3での端末3の利用種別の判定データ、上記ステップS4でのスループットの測定データ、及び、上記ステップS5での送信電力値の検出データの組み合わせをメモリに記憶する。ここで、同一の組み合わせが既に記録されているかを確認する。そして、同一の組み合わせが未記録の場合には当該組み合わせを新規に記録する。一方、同一の組み合わせが既に記録されている場合には、当該組み合わせの発生頻度を計算し、該計算結果の発生頻度によって記録済みの組み合わせの発生頻度を書き換える。
ステップS7では、電力制御判定回路20は、上記ステップS4でのスループットの測定データが上記ステップS3での端末3の利用種別の判定データに対応する品質基準を満たすか否かを判定する。ここで用いる品質基準は品質基準保持メモリ19から取得する。
ステップS7の判定の結果、品質基準を満たす場合には、電力制御判定回路20は、送信電力制御回路13に対して、送信電力を下げる指示を行う(ステップS8)。一方、品質基準を満たさない場合には、電力制御判定回路20は、送信電力制御回路13に対して、送信電力を上げる指示を行う(ステップS9)。送信電力の上げ幅および下げ幅は、予め設定されている。送信電力の上げ幅および下げ幅の決定方法の一例としては、屋内利用の無線環境に基づいて行う方法がある。例えば、部屋の配置や壁の材質、厚さなどによる電波強度の分布を測定し、その測定データを基に送信電力の上げ幅および下げ幅を決定する。
ステップS10では、端末3が接続中であるか否かを判断する。この結果、接続中であれば、ステップS4に戻る。一方、接続が終了していれば、ステップS11で処理の継続か否かを判断する。この結果、処理継続ならばステップS1に戻り、一方、処理継続でなければ終了する。
上述した実施形態によれば、実測されたスループットと送信電力値との関係に基づき、端末3の利用種別に応じた品質基準を満たす最小の送信電力値を求めることができる。これにより、屋内に設けられた基地局装置1の送信電力を適正に制御することが可能となる。
また、本実施形態によれば、以下に示すような効果が得られる。
(1)端末3の各利用種別の品質基準を満たす最小の送信電力値に基地局装置1の送信電力を制御することができるので、当該基地局装置1のサービスエリアは必要最小限の範囲に収まる。これにより、近隣の宅内の無線LAN等の他の無線通信システムのサービスエリアに対して不必要な干渉を与えることを防止することができる。
(2)必要最小限の範囲のサービスエリアとなるので、通信傍受などのセキュリティ対策の点で防衛効果が得られる。
(3)基地局装置1を設置したユーザが利用する形態である屋内利用と、その他のユーザが利用する形態である屋外利用とに区別して品質基準を設けるので、屋内利用の品質基準を屋外利用の品質基準よりも優れたものにすることができる。これにより、基地局装置1を設置したユーザに対して、その他のユーザよりも優位性を与えることができる。
(4)一般的な基地局制御方法である自律分散制御では、隣接する基地局の送信状況を受信してから制御を行うが、本実施形態によれば、隣接する基地局の送信状況を観測できない環境にあっても、送信電力を制御することができる。これにより、不必要な電力を送出することが防止され、与干渉量を削減することができる。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、屋内利用および屋外利用の各利用種別を対象として送信電力制御処理を行ったが、屋内利用のみを対象とするように構成してもよい。この場合には、屋内利用の端末3を判別し、屋内利用の端末3に係る記録データのみをデータ記録部18に記憶すればよい。そして、屋内利用の端末3のみを対象として、屋内利用の品質基準に基づき、送信電力のフィードバック制御および送信電力の最適化制御を行うようにすればよい。
また、上述した実施形態では無線LANシステムを具体例として挙げたが、本発明は公衆の移動通信システムなどにも適用することができる。例えば、携帯電話システムの基地局装置をユーザの宅内に設置する場合に適用することができる。
本発明の一実施形態に係る無線基地局装置1の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る無線通信システムの無線移動局装置3の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置1の配置図である。 図1に示すデータ記録部18に記憶される記録データの例である。 図1に示す無線基地局装置1の送信電力制御に係る処理フロー図である。
符号の説明
1…無線基地局装置、3…無線移動局装置(無線通信端末)、11…アンテナ、12…可変利得増幅器、13…送信電力制御回路、14…変復調器、15…登録ID保持メモリ、16…利用種別判定回路、17…スループット測定回路、18…データ記録部、19…品質基準保持メモリ、20…電力制御判定回路

Claims (9)

  1. 屋内に設置された基地局装置を有する無線通信システムにおいて、
    移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局か或いは屋外利用の移動局かの利用種別を判定する利用種別判定手段と、
    移動局と前記基地局装置との間の通信品質を測定する測定手段と、
    前記測定時の前記基地局装置の送信電力値を検出する検出手段と、
    前記利用種別の判定データ、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせを記憶するデータ記憶手段と、
    屋内利用の移動局および屋外利用の移動局に対する各々の品質基準を記憶する品質基準記憶手段と、
    前記通信品質の測定データおよび前記品質基準に基づいて前記基地局装置の送信電力をフィードバック制御し、また、前記両方の品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、前記基地局装置の送信電力を最適化する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信システム。
  2. 屋内に設置された基地局装置を有する無線通信システムにおいて、
    移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局を判定する利用種別判定手段と、
    屋内利用の移動局と前記基地局装置との間の通信品質を測定する測定手段と、
    前記測定時の前記基地局装置の送信電力値を検出する検出手段と、
    前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせを記憶するデータ記憶手段と、
    屋内利用の移動局に対する品質基準を記憶する品質基準記憶手段と、
    前記通信品質の測定データおよび前記品質基準に基づいて前記基地局装置の送信電力をフィードバック制御し、また、前記品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、前記基地局装置の送信電力を最適化する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信システム。
  3. 前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせごとの発生頻度を求める頻度算出手段と、
    該組み合わせごとの発生頻度を記憶する頻度記憶手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記頻度記憶手段に記憶されている発生頻度に基づき、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせのうち無効な組み合わせを除外して、前記最小の送信電力値を求める、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
  4. 屋内に設置される無線基地局装置であり、
    移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局か或いは屋外利用の移動局かの利用種別を判定する利用種別判定手段と、
    移動局と自局との間の通信品質を測定する測定手段と、
    前記測定時の自局の送信電力値を検出する検出手段と、
    前記利用種別の判定データ、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせを記憶するデータ記憶手段と、
    屋内利用の移動局および屋外利用の移動局に対する各々の品質基準を記憶する品質基準記憶手段と、
    前記通信品質の測定データおよび前記品質基準に基づいて自局の送信電力をフィードバック制御し、また、前記両方の品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、自局の送信電力を最適化する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無線基地局装置。
  5. 屋内に設置される無線基地局装置であり、
    移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局を判定する利用種別判定手段と、
    屋内利用の移動局と自局との間の通信品質を測定する測定手段と、
    前記測定時の自局の送信電力値を検出する検出手段と、
    前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせを記憶するデータ記憶手段と、
    屋内利用の移動局に対する品質基準を記憶する品質基準記憶手段と、
    前記通信品質の測定データおよび前記品質基準に基づいて自局の送信電力をフィードバック制御し、また、前記品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、自局の送信電力を最適化する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無線基地局装置。
  6. 前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせごとの発生頻度を求める頻度算出手段と、
    該組み合わせごとの発生頻度を記憶する頻度記憶手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記頻度記憶手段に記憶されている発生頻度に基づき、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせのうち無効な組み合わせを除外して、前記最小の送信電力値を求める、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の無線基地局装置。
  7. 屋内に設置された基地局装置を有する無線通信システムにおける前記基地局装置の送信電力制御方法であって、
    移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局か或いは屋外利用の移動局かの利用種別を判定する過程と、
    移動局と前記基地局装置との間の通信品質を測定する過程と、
    前記測定時の前記基地局装置の送信電力値を検出する過程と、
    前記利用種別の判定データ、前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせをデータ記憶手段に記憶する過程と、
    屋内利用の移動局および屋外利用の移動局に対する各々の品質基準、並びに前記通信品質の測定データに基づいて前記基地局装置の送信電力をフィードバック制御する過程と、
    前記両方の品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、前記基地局装置の送信電力を最適化する過程と、
    を含むことを特徴とする送信電力制御方法。
  8. 屋内に設置された基地局装置を有する無線通信システムにおける前記基地局装置の送信電力制御方法であって、
    移動局の識別情報に基づき、屋内利用の移動局を判定する過程と、
    屋内利用の移動局と前記基地局装置との間の通信品質を測定する過程と、
    前記測定時の前記基地局装置の送信電力値を検出する過程と、
    前記通信品質の測定データおよび前記送信電力値の検出データの組み合わせをデータ記憶手段に記憶する過程と、
    屋内利用の移動局に対する品質基準および前記通信品質の測定データに基づいて前記基地局装置の送信電力をフィードバック制御する過程と、
    前記品質基準を満たす最小の送信電力値を前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせの中から求めて、前記基地局装置の送信電力を最適化する過程と、
    を含むことを特徴とする送信電力制御方法。
  9. 前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせごとの発生頻度を求める過程と、
    該組み合わせごとの発生頻度を頻度記憶手段に記憶する過程と、を含み、
    前記送信電力を最適化する過程は、
    前記頻度記憶手段に記憶されている発生頻度に基づき、前記データ記憶手段に記憶されている組み合わせのうち無効な組み合わせを除外して、前記最小の送信電力値を求める、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の送信電力制御方法。

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