JP2006333187A - 通信システム、パケット処理装置、及びパケット処理方法 - Google Patents

通信システム、パケット処理装置、及びパケット処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反復してパケットを送信する情報処理装置と、そのパケットを受信するサーバ装置とを備えるシステムにおいて、サーバ装置の処理負担を軽減する。
【解決手段】パケット処理装置3は、パケットを受信する受信部31と、受信されたパケットが、情報処理装置1からサーバ装置4に反復して送信される反復パケットであるかどうか判断するパケット判断部32と、受信された反復パケットに対応する返信パケットを送信するかどうか判断する送信判断部33と、反復パケットの送信元のアドレスに関する情報であるアドレス情報をペイロードに含む返信パケットを構成するパケット構成部35と、返信パケットを、その返信パケットに対応する反復パケットの送信元の装置に送信する返信パケット送信部36と、反復パケットでないパケットを送信する送信部34と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、パケットに関する処理を行うパケット処理装置等に関する。
情報処理装置、通信処理装置、及びサーバ装置を含む通信システムにおいて、例えば、家庭用のPC(Personal Computer)や家電機器などの情報処理装置から通信処理装置を介して、所定のパケットをサーバ装置に反復して送信することが行われている(例えば、特許文献1参照)。ここで、通信処理装置は、例えば、NAT(Network Address Translation)機能を有するルータなどである。情報処理装置がパケットを反復してサーバ装置に送信するひとつの目的は、通信処理装置のポートの維持のためであり、他の目的は、サーバ装置における所定の処理のためである。
まず、通信処理装置のポートの維持について説明する。ルータ等のNAT機能を有する通信処理装置では、LAN(Local Area Network)側からWAN(Wide Area Network)側へパケットを送信するときにLAN側のプライベートIPアドレスとポート番号を、WAN側のグローバルIPアドレスとポート番号に変換する。また、WAN側からの反復パケットを受信した場合には、所定の受信フィルタルールによるフィルタ処理を行うと共に、アドレス変換の逆変換を行うことによって、情報処理装置にパケットを渡す。ここで、NATのLAN側からパケットが送信されたポートに対してWAN側からのパケットの受信可能性を判断する受信フィルタルールには、そのポートからパケットを送信したアドレスからのみしかパケットを受信しないAddress Sensitiveフィルタと、そのポートからパケットを送信したポートからのみしかパケットを受信しないPort Sensitiveフィルタと、フィルタが存在しないNoフィルタがある。通信処理装置では、そのようなアドレス変換を行う時間が設定されている。具体的には、WAN側とLAN側との間において、あるアドレス変換が最後になされてから所定の期間経過した後には、WAN側から受け取ったパケットに対するそのアドレス変換は行われなくなる(LAN側から受け取ったパケットに対しては、新たなアドレス変換がなされることになる)。すなわち、そのWAN側からのパケットは情報処理装置で受信されないことになり、携帯電話等の外部の装置から情報処理装置にサーバ装置を経由してアクセスできないことになる。その所定の期間のことをポート維持時間と呼ぶことにする。したがって、携帯電話等の外部の装置から情報処理装置にサーバ装置を経由してアクセスすることができるように、通信処理装置のポートを維持する(すなわち、WAN側からのパケットが通信処理装置を経由して情報処理装置に送信されるようにしておく)ために反復してパケットが送信される。
次に、反復して送信されるパケットに対して、サーバにおいてなされる所定の処理について説明する。サーバにおける所定の処理とは、例えば、通信処理装置のWAN側のIPアドレスが変化したかどうかを知るためなどの処理である。通信処理装置のWAN側のIPアドレスは、接続プロバイダ等の設定により、所定の期間ごとに変更されることもある。そのような場合に、サーバ装置がそのアドレスの変化を知らなかった場合には、サーバ装置が通信処理装置を介して情報処理装置に情報を送信できないこととなり、その結果、携帯電話等の外部の装置から情報処理装置にサーバ装置を経由してアクセスできないことになる。したがって、サーバ装置が通信処理装置のアドレスの変化を知るなどの処理ができるように、反復してパケットが送信される。
国際公開第2004/030292号パンフレット(第1頁、第1図等)
しかしながら、反復して頻繁に送信されるパケットをサーバ装置が受け付ける場合には、それだけサーバ装置の処理負担が増大するという問題がある。特に、情報処理装置が接続されているNAT機能を有する通信処理装置のポート維持時間が短い場合には、その問題が顕著となる。さらに、通常、ひとつのサーバ装置には、複数の情報処理装置から反復してパケットが送信されるため、サーバ装置での処理負担は、それだけ増大することになる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、反復してパケットを送信する情報処理装置と、そのパケットを受信するサーバ装置とを備えるシステムにおいて、サーバ装置の処理負担を軽減することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明によるパケット処理装置は、パケットを受信する受信部と、前記受信部が受信したパケットが、情報処理装置からサーバ装置に反復して送信されるパケットである反復パケットであるかどうか判断するパケット判断部と、前記パケット判断部によって反復パケットであると判断されたパケットの送信元のアドレスに関する情報であるアドレス情報をペイロードに含むパケットである返信パケットを構成するパケット構成部と、前記返信パケットを、当該返信パケットに対応する反復パケットの送信元の装置に送信する返信パケット送信部と、前記パケット判断部によって反復パケットでないと判断されたパケットを送信する送信部と、を備えたものである。
このような構成により、パケット処理装置で受信された反復パケットをサーバ装置に送信しないようにすることができ、サーバ装置の処理負担を軽減することができる。また、返信パケットが送信されることにより、情報処理装置は、例えば、情報処理装置の通信に関する処理を行う通信処理装置のWAN側のアドレス等が変更されたかどうかを知ることができる。また、そのアドレスが変更されていた場合には、情報処理装置は、例えば、情報処理装置が保持している通信処理装置のWAN側のアドレスに関する情報や、サーバ装置において保持されている通信処理装置のWAN側のアドレスに関する情報等を変更することができうる。
また、本発明によるパケット処理装置では、前記受信部が反復パケットを受信した場合に、当該反復パケットに対応する返信パケットを送信するかどうか判断する送信判断部をさらに備え、前記返信パケット送信部は、前記送信判断部が送信すると判断した場合に、返信パケットを送信してもよい。
このような構成により、送信判断部が返信パケットを送信すると判断した場合にのみ返信パケットが送信されることで、情報処理装置が受信する返信パケットの量を削減することができ、情報処理装置における処理負担を軽減することができる。
また、本発明によるパケット処理装置では、前記送信判断部は、受信された反復パケットのうち、所定の割合の反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断してもよい。
このような構成により、パケット処理装置が受信した反復パケットのうち、所定の割合の反復パケットに対応する返信パケットのみが情報処理装置に送信され、それ以外は送信されないことになる。したがって、情報処理装置に到達する返信パケットの量を確実に減少させることができ、情報処理装置の処理負担を確実に軽減することができる。一方、所定の割合の反復パケットに対応する返信パケットは送信されるため、情報処理装置におい
て、その反復パケットを用いて、例えば、情報処理装置の通信に関する処理を行う通信処理装置のWAN側のアドレス等が変更されたかどうかを知ることができうる。
また、本発明によるパケット処理装置では、前記送信判断部は、受信された反復パケットのうち、所定の条件を充たす反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断してもよい。
このような構成により、所定の条件を充たさない反復パケットに対応する返信パケットを送信しないことにより、情報処理装置における処理負担を軽減することができる。また、その所定の条件を適切に設定することにより、情報処理装置が受信すべき返信パケットは送信されるようにして、情報処理装置が受信しなくてもよい返信パケットは送信されないようにすることもできうる。
また、本発明によるパケット処理装置では、前記反復パケットが、当該反復パケットのヘッダに設定された送信元のアドレスに関する情報である第1のアドレス情報と、前記情報処理装置によって前記反復パケットのペイロードに設定されたアドレスに関する情報である第2のアドレス情報とを含み、前記送信判断部が、受信された反復パケットに含まれる第1のアドレス情報と第2のアドレス情報とが一致しない場合に、当該反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断してもよい。また、前記反復パケットに含まれる第1のアドレス情報は、当該反復パケットの経由したアドレス変換機能を有する送信処理装置によって設定されたものであってもよい。
このような構成により、例えば、情報処理装置が保持している通信処理装置のアドレス等が変更されていた場合に、返信パケットを情報処理装置に送信し、そうでない場合に、返信パケットを情報処理装置に送信しないようにできる。したがって、情報処理装置が受信する返信パケットの量を削減することによって、情報処理装置の処理負担を軽減すると共に、情報処理装置に通信処理装置のアドレス等が変更したことを通知することができ、必要十分な返信パケットの送信を行うことができる。
また、本発明によるパケット処理装置では、前記パケット構成部は、前記パケット判断部によって反復パケットであると判断されたパケットのヘッダにおける送信先のアドレスに関する情報と、送信元のアドレスに関する情報とを入れ替えたヘッダを有する返信パケットを構成してもよい。
このような構成により、通信処理装置において受信フィルタルールが設定されていたとしても、送信された返信パケットが通信処理装置を介して情報処理装置で受信されるようにすることができうる。
本発明による通信システムは、前記パケット処理装置と、通信回線において通信されるパケットから、前記サーバ装置に送信されるパケットのみを抽出するスイッチ装置と、を備えた通信システムであって、前記パケット処理装置の前記受信部は、前記スイッチ装置によって抽出されたパケットを受信する、ものである。
このような構成により、パケット処理装置においてすべてのパケットの処理を行う場合に比べて、パケット処理装置における処理負担を軽減することができる。
本発明によるパケット処理装置等によれば、情報処理装置から反復して送信される反復パケットをサーバ装置に到達しないようにすることができ、サーバ装置における処理負担を軽減させることができる。また、パケット処理装置から返信パケットを送信することにより、反復パケットの送信元のアドレスに関する情報が変更されていた場合に、情報処理装置がそのことを知ることができる。
以下、本発明によるパケット処理装置等について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による通信システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態による通信システムの構成を示す図である。図1において、本実施の形態による通信システムは、情報処理装置1と、通信処理装置2と、パケット処理装置3と、サーバ装置4とを備える。なお、通信処理装置2と、パケット処理装置3と、サーバ装置4とは、有線または無線の通信回線100,200で接続されている。この通信回線100,200は、例えば、インターネットやイントラネット、公衆電話回線網である。パケット処理装置3は、通信処理装置2と、サーバ装置4との間の通信回線100,200におけるいずれかの中継ノードに存在する。
情報処理装置1は、例えば、コンピュータ、電子レンジ、電話機、プリンタ、ファクシミリ装置、冷蔵庫、洗濯機、空調装置、テレビ、映像録画装置、セットトップボックス等である。情報処理装置1は、反復パケットを反復して送信する。ここで、反復パケットとは、情報処理装置1が反復して送信するパケットである。「反復して送信する」とは、繰り返して何度も送信することであり、その送信の周期は一定(例えば、5分ごとなど)であってもよく、不定(例えば、4分から20分の間で変化するなど)であってもよい。なお、反復パケットを送信する周期は、通常、通信処理装置2のポート維持時間よりも短く設定されている。この反復パケットのペイロードには、何らかの情報が含まれていてもよく、何も情報が含まれていなくてもよい。反復パケットは、例えば、UDP(User Datagram Protocol)やTCP(Transmission Control Protocol)のパケットである。
通信処理装置2は、情報処理装置1と、サーバ装置4等の間の通信に関する処理を行う。通信処理装置2は、アドレス変換を行うNAT機能を有する装置であってもよく、パケットフィルタリングのファイアウォール(Firewall)の機能を有する装置であってもよく、あるいは、その両者を有する装置であってもよい。ここで、パケットフィルタリングとは、例えば、受信フィルタルールに基づいた受信パケットの選択を行うものである。受信フィルタルールには、例えば、前述のように、Address Sensitiveフィルタ、Port Sensitiveフィルタ、Noフィルタがある。通信処理装置2がファイアウォールのみの機能を有する装置である場合にも、通信処理装置2において、上記説明と同様にポート維持時間が設定されているものとする。
パケット処理装置3は、受信部31と、パケット判断部32と、送信判断部33と、送信部34と、パケット構成部35と、返信パケット送信部36とを備える。なお、本実施の形態では、パケット処理装置3が、通信回線100側から通信回線200側に送信されるパケットの処理を行う場合についてのみ説明するが、パケット処理装置3は、通信回線200側から送信されたパケットを通信回線100側に送信する処理を行ってもよい。
受信部31は、通信回線100側から送信されたパケットを受信する。そのパケットは、例えば、情報処理装置1から通信処理装置2を介して送信されたパケットである。なお、受信部31は、受信を行うための受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、受信部31と通信回線100との間に図示しない受信デバイスが存在することとなる)。また、受信部31は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
パケット判断部32は、受信部31が受信したパケットが、情報処理装置1からサーバ装置4に反復して送信されるパケットである反復パケットであるかどうか判断する。例えば、反復パケットに、そのパケットが反復パケットである旨を示す情報が含まれている場合には、パケット判断部32は、その情報を用いて、パケットが反復パケットであるかどうかを判断してもよい。また、例えば、反復パケットの送信元のアドレスに関する情報や、送信先のアドレスに関する情報が決まっている場合には、パケット判断部32は、パケットのヘッダに含まれるアドレス等に基づいて、パケットが反復パケットであるかどうかを判断してもよい。ここで、アドレスに関する情報とは、例えば、IPアドレスであってもよく、ポート番号であってもよく、その両者であってもよい。具体的には、反復パケットの送信先のポート番号が決められている場合には、パケット判断部32は、パケットの送信先のポート番号が、反復パケットの送信先のポート番号であるかどうかを判断し、その判断結果に基づいて、パケットが反復パケットであるかどうかを判断してもよい。また、例えば、反復パケットの形式が決まっている場合には、パケット判断部32は、パケットの形式に基づいて、パケットが反復パケットであるかどうかを判断してもよい。パケットの形式とは、例えば、パケットのサイズやパケットのプロトコル(例えば、UDPやTCP)などである。なお、パケット判断部32は、それらを組み合わせて判断してもよい。例えば、反復パケットのプロトコルと、送信先のポート番号と、サイズが決められている場合に、パケット判断部32は、それらすべての条件を充たすパケットを反復パケットであると判断してもよい。また、パケット判断部32による判断の方法はこれらに限定されないことはいうまでもない。また、パケット判断部32は、パケットが反復パケットであると判断してもよく、パケットが反復パケットでないと判断してもよく、あるいは、その両方を判断してもよい。パケット判断部32による判断の結果によって、受信部31で受信されたパケットが反復パケットであるかどうかがわかるのであれば、パケット判断部32による判断の結果は、どのようなものであってもよい。
送信判断部33は、受信部31が反復パケットを受信した場合に、その反復パケットに対応する返信パケットを送信するかどうか判断する。ここで、受信部31が反復パケットを受信した場合とは、受信部31が受信したパケットが、パケット判断部32によって反復パケットであると判断された場合のことである。また、反復パケットに対応する返信パケットとは、その反復パケットの送信元のアドレスに関する情報であるアドレス情報をペイロードに含むパケットである。なお、アドレス情報が、例えば、IPアドレスであってもよく、ポート番号であってもよく、その両者であってもよい点については、前述の通りである。具体的には、以下のようにして判断してもよい。なお、判断の方法が以下の説明に限定されないことはいうまでもない。また、送信判断部33は、その反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断してもよく、その反復パケットに対応する返信パケットを送信しないと判断してもよく、あるいは、その両方を判断してもよい。送信判断部33による判断の結果によって、反復パケットに対応する返信パケットを送信するのか、送信しないのかがわかるのであれば、送信判断部33による判断の結果は、どのようなものであってもよい。
(1)送信判断部33は、例えば、受信された反復パケットのうち、所定の割合の反復パケットに対応する返信パケットを送信しないと判断してもよい。具体的には、送信判断部33、あるいは、パケット処理装置3に含まれる他の構成要素が、反復パケットの送信元のアドレスに関する情報と、送信先のアドレスに関する情報と、その反復パケットの受信回数とをカウントしておき、その受信回数が所定の値である場合、例えば、その受信回数の1桁目の値が「1」である場合には、反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断し、そうでない場合には、反復パケットに対応する返信パケットを送信しないと判断してもよい。
(2)また、図示しない乱数発生器が0〜9のいずれかの値を反復パケットが受信されるごとに発生し、その乱数発生器の発生した値が所定の値である場合、例えば、その乱数発生器の発生した値が「1」である場合には、送信判断部33は、受信された反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断し、そうでない場合には、反復パケットに対応する返信パケットを送信しないと判断してもよい。
(3)送信判断部33は、受信された反復パケットのうち、所定の条件を充たす反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断してもよい。具体的には、情報処理装置1において、一部の反復パケットに返信パケットを送信する旨のフラグが設定されており、送信判断部33は、反復パケットに含まれるそのフラグに基づいて送信するかどうかを判断してもよい。例えば、返信パケットを送信する旨のフラグに「1」が設定されている場合には、送信判断部33は返信パケットを送信すると判断し、そのフラグに「0」が設定されている場合には、送信しないと判断してもよい。また、情報処理装置1において、反復パケットの送信回数に応じたカウント値が反復パケットに設定されており、送信判断部33は、反復パケットに含まれるそのカウント値が所定の値である場合、例えば、そのカウント値の1桁目の値が「1」である場合に、反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断してもよい。また、通信処理装置2がアドレス変換機能(NAT機能)を有する場合には、反復パケットの送信元のアドレスやポート番号は、通信処理装置2の通信回線100側のアドレスやポート番号となる。また、情報処理装置1は、通信処理装置2の通信回線100側のアドレスに関する情報を反復パケットのペイロードに設定して送信するものとする。そのような場合に、受信部31で受信された反復パケットは、その反復パケットの経由したアドレス変換機能を有する通信処理装置2で設定されたアドレスに関する情報である第1のアドレス情報と、情報処理装置1によって設定されたアドレスに関する情報である第2のアドレス情報とを含むことになる。具体的には、第1のアドレス情報は反復パケットのヘッダに設定されており、第2のアドレス情報は反復パケットのペイロードに設定されている。送信判断部33は、受信された反復パケットに含まれる第1のアドレス情報と、第2のアドレス情報とが一致しない場合に、その反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断し、一致する場合に、送信しないと判断してもよい。第1のアドレス情報と第2のアドレス情報とが一致しない場合には、情報処理装置1が保持している通信処理装置2の通信回線100側のアドレスに関する情報が、実際のアドレスに関する情報と異なっていることになる。したがって、その反復パケットに対応する返信パケットを、その反復パケットの送信元の装置に送信することによって、情報処理装置1は、そのことを検知し、情報処理装置1が保持している通信処理装置2の通信回線100側のアドレスに関する情報を変更するための処理を行うことができるようになる。
送信部34は、パケット判断部32によって反復パケットでないと判断されたパケットを送信する。なお、送信部34がパケットを送信する場合には、受信部31が受信したパケットについてヘッダの書き換え等を行わないで、そのまま送信する。また、送信部34は、結果として、前記のようにパケットの送信を行えばよい。したがって、例えば、受信部31で受信されたパケットのうち、反復パケットが送信部34に渡されないことによって、結果的に反復パケットが送信されなくてもよい。また、送信部34は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、送信部34と通信回線200との間に図示しない送信デバイスが存在することとなる)。また、送信部34は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
パケット構成部35は、返信パケットを構成する。ここで、返信パケットとは、前述のように、パケット判断部32によって反復パケットであると判断されたパケットの送信元のアドレスに関する情報であるアドレス情報をペイロードに含むパケットである。なお、
返信パケットのペイロードには、そのアドレス情報以外の情報が含まれていてもよい。例えば、アドレス情報が変更されていた場合に、サーバ装置4に新たなアドレス情報を登録する処理を行う旨の指示が返信パケットに含まれていてもよい。パケット構成部35は、例えば、パケットの送信元のアドレス情報を、そのパケットのヘッダから取得することができる。また、パケット構成部35は、例えば、パケット判断部32によって反復パケットであると判断されたパケットのヘッダにおける送信先のアドレスに関する情報と、送信元のアドレスに関する情報とを入れ替えたヘッダを有する返信パケットを構成してもよい。パケット処理装置3がアドレスを有しない装置である場合、例えば、いわゆるブリッジ機器である場合であっても、このようにすることで、返信パケットの送信元のアドレスを決定することができる。また、パケット処理装置3がアドレスを有する装置である場合、例えば、いわゆるルータである場合であっても、通信処理装置2の受信フィルタルールがAddress Sensitiveフィルタや、Port Sensitiveフィルタである場合には、反復パケットの送信先のアドレスやポート番号から送信された返信パケットでなければ、通信処理装置2でアドレス変換されないことになり、情報処理装置1に到達しないことになる。そのような場合であっても、反復パケットのヘッダにおける送信先のアドレスに関する情報と、送信元のアドレスに関する情報とを入れ替えたヘッダを有する返信パケットを構成することにより、その返信パケットは、通信処理装置2でアドレス変換され、情報処理装置1に到達することになる。ここで、アドレスに関する情報とは、前述のように、例えば、IPアドレスとポート番号である。なお、通信処理装置2の受信フィルタルールがNoフィルタである場合や、情報処理装置1がUPnP等の機能を用いてポートマッピング等の設定を通信処理装置2に対して行っている場合には、反復パケットのヘッダにおける送信先のアドレスに関する情報と、送信元のアドレスに関する情報とを入れ替えたヘッダを有する返信パケットを構成しなくてもよい。そのような返信パケットを構成しなくても、返信パケットが通信処理装置2を介して情報処理装置1に送信されるからである。
返信パケット送信部36は、返信パケットを、その返信パケットに対応する反復パケットの送信元の装置に送信する。ここで、返信パケットに対応する反復パケットとは、その返信パケットのペイロードに含まれるアドレス情報を取得した反復パケットのことである。また、「反復パケットの送信元の装置に送信する」とは、反復パケットの送信元のアドレスに関する情報を用いて送信することである。例えば、返信パケット送信部36は、反復パケットの送信元のアドレス、ポート番号に返信パケットを送信する。なお、反復パケットが情報処理装置1から送信される場合に、通信処理装置2がアドレス変換機能を有しない場合には、反復パケットの送信元のアドレスは、情報処理装置1のアドレスとなるが、通信処理装置2がアドレス変換機能を有する場合には、反復パケットの送信元のアドレスは、通信処理装置2の通信回線100側のアドレスとなる。返信パケット送信部36は、送信判断部33が返信パケットを送信すると判断した場合に、返信パケットを送信する。また、返信パケット送信部36は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい(この場合には、返信パケット送信部36と通信回線100との間に図示しない送信デバイスが存在することとなる)。また、返信パケット送信部36は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
なお、パケット構成部35は、結果として、返信パケット送信部36が送信する返信パケットを構成すればよい。したがって、パケット構成部35は、例えば、受信部31が受信したすべてのパケットについて、そのパケットの送信元のアドレス情報をペイロードに含むパケットを構成してもよく、受信部31が受信したすべての反復パケットについて、返信パケットを構成してもよく、あるいは、受信部31が受信した反復パケットのうち、返信パケットを送信すると送信判断部33が判断した反復パケットついてのみ、返信パケ
ットを構成してもよい。
また、受信部31と、返信パケット送信部36とが通信に関するデバイスを有する場合に、それらは同一の手段であってもよく、あるいは別々の手段であってもよい。
サーバ装置4は、情報処理装置1等から送信されたパケットを受信する。サーバ装置4は、例えば、情報処理装置1を識別する識別情報に対応付けて、情報処理装置1にアクセスすることができるアドレスに関する情報を保持していてもよい。ここで、情報処理装置1にアクセスすることができるアドレスとは、例えば、通信処理装置2がアドレス変換機能を有する場合には、通信処理装置2の通信回線100側のアドレスとなり、通信処理装置2がアドレス変換機能を有しない場合には、情報処理装置1のアドレスとなる。また、他の装置から、情報処理装置1を制御したい旨の要求を受け取った場合に、サーバ装置4は、保持している情報処理装置1のアドレスに関する情報を用いて、情報処理装置1に制御情報を送信してもよい。このように、サーバ装置4において行われる処理は、どのようなものであってもよい。
次に、本実施の形態によるパケット処理装置3の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)受信部31は、パケットを受信したかどうか判断する。そして、パケットを受信した場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、パケットを受信するまで、ステップS101の処理を繰り返す。
(ステップS102)パケット判断部32は、受信部31が受信したパケットが反復パケットであるかどうか判断する。そして、反復パケットである場合には、ステップS104に進み、そうでない場合には、ステップS103に進む。
(ステップS103)送信部34は、反復パケットでないパケットを送信する。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS104)送信判断部33は、反復パケットに対応する返信パケットを送信するかどうか判断する。そして、送信する場合には、ステップS105に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。
(ステップS105)パケット構成部35は、ステップS101で受信された反復パケットに対応する返信パケットを構成する。
(ステップS106)返信パケット送信部36は、パケット構成部35が構成した返信パケットを、ステップS101で受信された反復パケットの送信元の装置に送信する。そして、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、本実施の形態によるパケット処理装置3の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、パケット処理装置3は、いわゆるルータであるとする。また、各装置のアドレスは、以下の通りであるとする。
情報処理装置1:192.168.0.11
通信処理装置2(情報処理装置1側):192.168.0.1
通信処理装置2(通信回線100側):155.32.10.10
パケット処理装置3(通信回線100側):202.132.10.6
パケット処理装置3(通信回線200側):202.198.105.10
サーバ装置4:202.224.135.10
[具体例1]
この具体例では、パケット判断部32は、反復パケットに含まれるパケットの種類を識別する情報であるパケット種類識別情報に基づいて、反復パケットであるかどうかを判断するものとする。また、送信判断部33は、反復パケットの送信元のアドレス、ポート番号、及び送信先のアドレスと、その反復パケットの受信回数の1桁目とを対応付ける情報である受信回数情報を有しており、その受信回数の1桁目が「1」である場合に、反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断し、そうでない場合に、反復パケットに対応する返信パケットを送信しないと判断するものとする。
情報処理装置1から図3で示される構造を有する反復パケットが送信されたとする。ここで、反復パケットに含まれるパケット種類識別情報には、パケットの種類が反復パケットである旨が含まれているものとする。その反復パケットは、通信処理装置2でアドレス変換され、パケット処理装置3の受信部31で受信される(ステップS101)。パケット判断部32は、反復パケットのペイロードに含まれるパケット種類識別情報を参照し、そのパケット種類識別情報がパケットの種類が反復パケットである旨を示すため、反復パケットであると判断する(ステップS102)。
送信判断部33が有する受信回数情報が図4で示されるものであったとする。送信判断部33は、反復パケットのヘッダから送信元のアドレス、ポート番号、送信先のアドレス、ポート番号を取得し、それらに対応する受信回数「10」を1だけインクリメントして「11」にする。また、そのインクリメントした後の受信回数が「11」であるため、送信判断部33は、反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断し、その旨をパケット構成部35と返信パケット送信部36に渡す(ステップS104)。
パケット構成部35は、受信部31が受信した反復パケットのヘッダにおける送信元のアドレスに関する情報と、送信先のアドレスに関する情報とを入れ替えたヘッダを有する返信パケットを構成する。すなわち、返信パケットのヘッダにおいて、送信先アドレスは「155.32.10.10」であり、送信先ポート番号は「12345」であり、送信元アドレスは「202.224.135.10」であり、送信元ポート番号は「23456」である。また、パケット構成部35は、その返信パケットのペイロードに、反復パケットの送信元アドレス「155.32.10.10」、送信元ポート番号「12345」を設定する(ステップS105)。
返信パケット送信部36は、パケット構成部35が構成した返信パケットを、受信部31が受信した返信パケットの送信元のアドレス「155.32.10.10」、ポート番号「12345」に送信する(ステップS106)。
その返信パケットは、通信処理装置2でアドレス変換され、情報処理装置1で受信される。情報処理装置1は、その返信パケットのペイロードに含まれるアドレス情報と、情報処理装置1が保持している通信処理装置2の通信回線100側のアドレス情報とを比較し、異なっていれば、保持しているアドレス情報を更新すると共に、サーバ装置4に対して、情報処理装置1のアドレス情報を変更する処理を行う。なお、情報処理装置1が行う処理は、これに限定されるものではなく、別の処理を行ってもよい。
一方、受信部31が受信した反復パケットに対応する受信回数が「12」であったとする。すると、送信判断部33は、反復パケットに対応する返信パケットを送信しないと判断し、その旨をパケット構成部35と返信パケット送信部36に渡す(ステップS104)。その結果、受信部31で受信された反復パケットに対応する返信パケットは、送信されないことになる。
また、受信部31が反復パケットでないパケットを受信した場合には(ステップS10
1)、パケット判断部32により、反復パケットでないと判断され(ステップS102)、送信部34から送信されることになる(ステップS103)。
[具体例2]
この具体例でも、パケット判断部32は、反復パケットに含まれるパケットの種類を識別する情報であるパケット種類識別情報に基づいて、反復パケットであるかどうかを判断するものとする。なお、この具体例では、通信処理装置2はアドレス変換機能を有するものとする。また、情報処理装置1は、反復パケットのペイロードに、情報処理装置1が保持している通信処理装置2の通信回線100側のアドレス、ポート番号を設定して送信するものとする。また、送信判断部33は、反復パケットのペイロードに情報処理装置1によって設定されたアドレス、ポート番号と、反復パケットのヘッダに通信処理装置2によって設定された送信元のアドレス、ポート番号とを比較し、両者が一致する場合には、反復パケットに対応する返信パケットを送信しないと判断し、両者が一致しない場合には、反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断する。
情報処理装置1が保持している通信処理装置2の通信回線100側のアドレス「155.32.10.10」、ポート番号「12345」と、実際の通信処理装置2の通信回線100側のアドレス、ポート番号が一致していたとする。すると、情報処理装置1から送信され、通信処理装置2でアドレス変換された反復パケットは、図5で示されるようになる。図5において、SA(Source Address)は送信元アドレスであり、SP(Source Port)は送信元ポート番号であり、DA(Destination Address)は送信先アドレスであり、DP(Destination Port)は送信先ポート番号である。その反復パケットは、パケット処理装置3の受信部31で受信される(ステップS101)。パケット判断部32は、反復パケットに含まれるパケット種類識別情報に基づいて、その受信されたパケットが反復パケットであると判断する(ステップS102)。
送信判断部33は、その反復パケットのヘッダから通信処理装置2によって設定された送信元アドレス「155.32.10.10」と、送信元ポート番号「12345」とを読み出す。また、送信判断部33は、その反復パケットのペイロードから、情報処理装置1によって設定された送信元アドレス「155.32.10.10」と、送信元ポート番号「12345」とを読み出す。そして、両者を比較した結果、両者が一致するため、送信判断部33は反復パケットに対応する返信パケットを送信しないと判断する(ステップS104)。その結果、反復パケットはサーバ装置4に送信されず、パケット処理装置3で廃棄され、返信パケットは送信されないことになる。
一方、通信処理装置2の通信回線100側のアドレスを提供している接続プロバイダ等が通信処理装置2の通信回線100側のアドレスを「155.32.10.20」に変更したとする。情報処理装置1において保持されている通信処理装置2の通信回線100側のアドレスがまだ更新されていないときに反復パケットが送信されると、受信部31が受信した反復パケットは、図6で示されるようになる。パケット判断部32は、そのパケットを反復パケットであると判断する(ステップS102)。送信判断部33は、上記説明と同様に、反復パケットのヘッダから通信処理装置2によって設定された送信元アドレス「155.32.10.20」と、送信元ポート番号「11111」とを読み出す。また、送信判断部33は、その反復パケットのペイロードから、情報処理装置1によって設定された送信元アドレス「155.32.10.10」と、送信元ポート番号「12345」とを読み出す。この場合には、両者が一致しないため、送信判断部33は反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断し、その旨をパケット構成部35と返信パケット送信部36に渡す(ステップS104)。すると、パケット構成部35は、受信部31で受信された反復パケットに対応する返信パケットを構成する。具体的には、パケット構
成部35は、図7で示される構造の返信パケットを構成し、その構成した返信パケットを返信パケット送信部36に渡す(ステップS105)。返信パケット送信部36は、受信部31から、反復パケットの送信元のアドレス、ポート番号を取得する。そして、返信パケット送信部36は、パケット構成部35から受け取った返信パケットを受信部31から取得したアドレス「155.32.10.20」、ポート番号「11111」に送信する(ステップS106)。
その返信パケットは、通信処理装置2においてアドレス変換され、情報処理装置1で受信される。情報処理装置1は、その返信パケットを受信することにより、通信処理装置2の通信回線100側のアドレス、ポート番号が変更されていることを知ることができる。その後、情報処理装置1は、例えば、情報処理装置1が保持している通信処理装置2の通信回線100側のアドレス情報を変更し、サーバ装置4で保持されている情報処理装置1に対応するアドレス情報を変更するための処理を、サーバ装置4に対して行う。なお、情報処理装置1がそれ以外の処理を行ってもよいことは、前述の通りである。
なお、この具体例では、通信処理装置2がアドレス変換機能を有する場合について説明したが、通信処理装置2はアドレス変換機能を有しなくてもよい。例えば、パケット処理装置3の送信判断部33は、反復パケットのヘッダに設定された送信元のアドレスに関する情報である第1のアドレス情報と、反復パケットのペイロードに設定された第2のアドレス情報とが一致しない場合に、その反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断し、一致する場合に、返信パケットを送信しないと判断してもよい。ここで、その反復パケットのヘッダに設定された第1のアドレス情報は、例えば、情報処理装置1の通信デバイス等によって設定されたものであってもよく、反復パケットのペイロードに設定された第2のアドレス情報は、例えば、情報処理装置1のアプリケーション等によって設定されたものであってもよい。このようにすることで、例えば、情報処理装置1のUser空間に存在するアプリケーション等は、情報処理装置1のKernel空間に存在するアドレスやポート番号等を直接参照することなく、接続プロバイダ等によって設定された情報処理装置1のアドレス等が変更されたかどうかを知ることができうる。
以上のように、本実施の形態によるパケット処理装置3では、受信したパケットが反復パケットである場合には、その反復パケットをサーバ装置4に送信しないことにより、サーバ装置4が反復パケットに関する処理を行わなくてよくなり、サーバ装置4の処理負担を軽減することができる。一方、送信判断部33が、反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断した場合に、返信パケットを反復パケットの送信元の装置に送信することで、通信処理装置2の通信回線100側のアドレス等が変更されていた場合には、情報処理装置1がそのことを知ることができ、その結果、情報処理装置1が保持している通信処理装置2の通信回線100側のアドレス情報や、サーバ装置4で保持している通信処理装置2の通信回線100側のアドレス情報を変更することができうる。
また、上記具体例1のように、例えば、10個の反復パケットのうち1個の反復パケットに対応する返信パケットが送信されるといったように、所定の割合の返信パケットが送信されることで、情報処理装置1は、通信処理装置2の通信回線100側のアドレス等が変更されたかどうかを返信パケットに基づいて判断することができる。したがって、通信処理装置2の通信回線100側のアドレス等が変更されているにもかかわらず、情報処理装置1がそのことを検知できない事態を回避することができる。一方、すべての反復パケットに対応する返信パケットが送信される場合よりも、情報処理装置1における処理負担を軽減することができる。
また、上記具体例2のように、アドレス等を比較して反復パケットに対応する返信パケットの送信の可否を判断することによって、通信処理装置2の通信回線100側のアドレ
ス等が変更された場合にのみ、返信パケットを送信することができる。したがって、パケット処理装置3は、情報処理装置1に対して必要十分な範囲で返信パケットを送信することができ、通信処理装置2の通信回線100側のアドレス等が変更されたことを通知すると共に、情報処理装置1における処理負担を軽減することができる。
一方、情報処理装置1から送信された反復パケットは、通信処理装置2を通過しているため、情報処理装置1が通信処理装置2のポート維持時間よりも短い間隔で反復パケットを送信することにより、情報処理装置1は、サーバ装置4から送信されたパケットを、通信処理装置2を介していつでも受信できることになる。
なお、本実施の形態では、パケット処理装置3が送信判断部33による判断結果に基づいて、返信パケットを送信する場合について説明したが、すべての反復パケットに対して、返信パケットを送信するようにしてもよい。例えば、図8で示されるように、パケット処理装置5は、送信判断部33を備えなくてもよい。この場合には、返信パケット送信部36は、反復パケットが受信されると、その反復パケットに対応する返信パケットを、反復パケットの送信元の装置に送信する。なお、パケット処理装置5の各構成要素の構成及び動作は、パケット処理装置5が送信判断部33を備えない以外、本実施の形態と同様であり、その説明を省略する。また、パケット処理装置5の動作は、図9のフローチャートで示される。なお、図9のフローチャートは、ステップS104の処理が含まれない以外、本実施の形態の図2のフローチャートと同様であり、その説明を省略する。
(実施の形態2)
本発明による実施の形態2による通信システムは、スイッチ装置と、パケット処理装置とを備え、スイッチ装置によって、サーバ装置に送信されると判断されたパケットのみについて、パケット処理装置において送信の可否の判断を行うものである。
図10は、本実施の形態による通信システムの構成を示す図である。本実施の形態による通信システムは、スイッチ装置6を新たに備えた以外、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
スイッチ装置6は、通信回線100において通信されるパケットから、サーバ装置4に送信されるパケットのみを抽出する。そして、そのスイッチ装置6によって抽出されたパケットは、パケット処理装置3に渡され、パケット処理装置3の受信部31で受信される。
スイッチ装置6は、例えば、いわゆるレイヤー3スイッチであり、サーバ装置4のアドレスが設定されている。そして、通信されるパケットのIPヘッダのアドレスを参照し、そのIPヘッダの送信先アドレスが、スイッチ装置6に設定されているサーバ装置4のアドレスと一致した場合に、そのパケットをパケット処理装置3に渡し、一致しない場合には、そのパケットをそのまま通信させる。スイッチ装置6は、例えば、インターネット等の通信回線における、いわゆるルータとルータの間などに設置される。
なお、スイッチ装置6からパケット処理装置3に渡されたパケットについては、実施の形態1と同様の処理が行われ、反復パケットであり、送信しないと判断されたパケットは送信されず、それ以外のパケットは、パケット処理装置3から通信回線200に送信されることになる。パケット処理装置3の動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
以上のように、本実施の形態による通信システムでは、スイッチ装置6を用いて、サーバ装置4に送信されるパケットのみを抽出し、そのパケットについて、パケット処理装置3による処理を行うようにしたことで、パケット処理装置3による処理負担を軽減するこ
とができる。一般に、パケット処理装置3における処理負担よりも、スイッチ装置6の処理負担の方が少なく、全体としての処理負担を軽減することができうる。
なお、本実施の形態による通信システムは、パケット処理装置3に代えて、パケット処理装置5を備えてもよい。
また、上記各実施の形態において、パケット処理装置3,5は、その装置自体がアドレスを有する、いわゆるルータであってもよく、あるいは、その装置自体がアドレスを有さない、いわゆるブリッジ機器であってもよい。
また、上記各実施の形態において、パケット処理装置3,5は、通信処理装置2とサーバ装置4との間の通信回線におけるいずれかの中継ノードに存在するのであれば、その存在する位置は問わない。例えば、パケット処理装置3,5が情報処理装置1に近い中継ノードに存在する場合には、反復パケットの送信数を削減することによって、通信回線全体としてのトラフィックの削減を行うことができうる。そのような場合には、例えば、地域ごとのように、複数のパケット処理装置3を通信回線上に配置してもよい。一方、パケット処理装置3,5は、サーバ装置4に近い中継ノードに存在してもよく、サーバ装置4に接続されていてもよい。パケット処理装置3,5がサーバ装置4に接続されているとは、サーバ装置4に送信されるすべてのパケットが、パケット処理装置3,5を経由することを意味する。したがって、パケット処理装置3,5がサーバ装置4に接続されている場合には、パケット処理装置3,5を経由しないでサーバ装置4に送信されるパケットがないことになり、効果的にサーバ装置4の処理負担を軽減することができる。
また、上記各実施の形態において、情報処理装置1が通信処理装置2の通信回線100側のアドレス等を有している場合に、情報処理装置1がそのアドレス等を取得する方法は問わない。例えば、情報処理装置1は、所定のサーバ装置から送信されたそのアドレス等を受信してもよく、あるいは、UPnP等の機能を用いて、通信処理装置2からそのアドレス等を取得してもよい。
また、上記各実施の形態において、情報処理装置1は、2以上の通信処理装置を介して通信を行ってもよい。
また、上記各実施の形態における通信プロトコルは、例えば、IPv4(Internet Protocol version 4)であってもよく、あるいは、IPv6(Internet Protocol version 6)であってもよい。
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記各実施の形態におけるパケット処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、パケットを受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信したパケットが、情報処理装置からサーバ装置に反復して送信されるパケットである反復パケットであるかどうか判断するパケット判断ステップと、前記パケット判断ステップで反復パケットであると判断されたパケットの送信元のアドレスに関する情報であるアドレス情報をペイロードに含むパケットである返信パケットを構成するパケット構成ステップと、前記返信パケットを、当該返信パケットに対応する反復パケットの送信元の
装置に送信する返信パケット送信ステップと、前記パケット判断ステップで反復パケットでないと判断されたパケットを送信する送信ステップと、を実行させるためのものである。
また、このプログラムにおいて、コンピュータに、前記受信ステップで反復パケットを受信した場合に、当該反復パケットに対応する返信パケットを送信するかどうか判断する送信判断ステップをさらに実行させ、前記返信パケット送信ステップにおいて、前記送信判断ステップで送信すると判断した場合に、返信パケットを送信してもよい。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアでしか行われない処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理は少なくとも含まれない。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上より、本発明によるパケット処理装置等は、情報処理装置からサーバ装置に反復して送信される反復パケットに関する処理をパケット処理装置において行うことによって、サーバ装置の処理負担を軽減することができ、反復してパケットを送信する情報処理装置と、そのパケットを受信するサーバ装置とを備えるシステム等において有用である。
本発明の実施の形態1による通信システムの構成を示す図 同実施の形態によるパケット処理装置の動作を示すフローチャート 同実施の形態における反復パケットの構成の一例を示す図 同実施の形態における受信回数情報の一例を示す図 同実施の形態における反復パケットの構成の一例を示す図 同実施の形態における反復パケットの構成の一例を示す図 同実施の形態における返信パケットの構成の一例を示す図 同実施の形態による他の通信システムの構成を示す図 同実施の形態によるパケット処理装置の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2による通信システムの構成を示す図
符号の説明
1 情報処理装置
2 通信処理装置
3,5 パケット処理装置
4 サーバ装置
6 スイッチ装置
31 受信部
32 パケット判断部
33 送信判断部
34 送信部
35 パケット構成部
36 返信パケット送信部

Claims (13)

  1. パケットを受信する受信部と、
    前記受信部が受信したパケットが、情報処理装置からサーバ装置に反復して送信されるパケットである反復パケットであるかどうか判断するパケット判断部と、
    前記パケット判断部によって反復パケットであると判断されたパケットの送信元のアドレスに関する情報であるアドレス情報をペイロードに含むパケットである返信パケットを構成するパケット構成部と、
    前記返信パケットを、当該返信パケットに対応する反復パケットの送信元の装置に送信する返信パケット送信部と、
    前記パケット判断部によって反復パケットでないと判断されたパケットを送信する送信部と、を備えたパケット処理装置。
  2. 前記受信部が反復パケットを受信した場合に、当該反復パケットに対応する返信パケットを送信するかどうか判断する送信判断部をさらに備え、
    前記返信パケット送信部は、前記送信判断部が送信すると判断した場合に、返信パケットを送信する、請求項1記載のパケット処理装置。
  3. 前記送信判断部は、受信された反復パケットのうち、所定の割合の反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断する、請求項2記載のパケット処理装置。
  4. 前記送信判断部は、受信された反復パケットのうち、所定の条件を充たす反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断する、請求項2記載のパケット処理装置。
  5. 前記反復パケットは、当該反復パケットのヘッダに設定された送信元のアドレスに関する情報である第1のアドレス情報と、前記情報処理装置によって前記反復パケットのペイロードに設定されたアドレスに関する情報である第2のアドレス情報とを含み、
    前記送信判断部は、受信された反復パケットに含まれる第1のアドレス情報と第2のアドレス情報とが一致しない場合に、当該反復パケットに対応する返信パケットを送信すると判断する、請求項4記載のパケット処理装置。
  6. 前記反復パケットに含まれる第1のアドレス情報は、当該反復パケットの経由したアドレス変換機能を有する送信処理装置によって設定されたものである、請求項5記載のパケット処理装置。
  7. 前記パケット構成部は、前記パケット判断部によって反復パケットであると判断されたパケットのヘッダにおける送信先のアドレスに関する情報と、送信元のアドレスに関する情報とを入れ替えたヘッダを有する返信パケットを構成する、請求項1から6のいずれか記載のパケット処理装置。
  8. 前記パケット処理装置は、前記情報処理装置の通信に関する処理を行う通信処理装置と、前記サーバ装置との間の通信回線におけるいずれかの中継ノードに存在する、請求項1から7のいずれか記載のパケット処理装置。
  9. 請求項1から8のいずれか記載のパケット処理装置と、
    通信回線において通信されるパケットから、前記サーバ装置に送信されるパケットのみを抽出するスイッチ装置と、を備えた通信システムであって、
    前記パケット処理装置の前記受信部は、前記スイッチ装置によって抽出されたパケットを受信する、通信システム。
  10. パケットを受信する受信ステップと、
    前記受信ステップで受信したパケットが、情報処理装置からサーバ装置に反復して送信されるパケットである反復パケットであるかどうか判断するパケット判断ステップと、
    前記パケット判断ステップで反復パケットであると判断されたパケットの送信元のアドレスに関する情報であるアドレス情報をペイロードに含むパケットである返信パケットを構成するパケット構成ステップと、
    前記返信パケットを、当該返信パケットに対応する反復パケットの送信元の装置に送信する返信パケット送信ステップと、
    前記パケット判断ステップで反復パケットでないと判断されたパケットを送信する送信ステップと、を備えたパケット処理方法。
  11. 前記受信ステップで反復パケットを受信した場合に、当該反復パケットに対応する返信パケットを送信するかどうか判断する送信判断ステップをさらに備え、
    前記返信パケット送信ステップにおいて、前記送信判断ステップで送信すると判断した場合に、返信パケットを送信する、請求項10記載のパケット処理方法。
  12. コンピュータに、
    パケットを受信する受信ステップと、
    前記受信ステップで受信したパケットが、情報処理装置からサーバ装置に反復して送信されるパケットである反復パケットであるかどうか判断するパケット判断ステップと、
    前記パケット判断ステップで反復パケットであると判断されたパケットの送信元のアドレスに関する情報であるアドレス情報をペイロードに含むパケットである返信パケットを構成するパケット構成ステップと、
    前記返信パケットを、当該返信パケットに対応する反復パケットの送信元の装置に送信する返信パケット送信ステップと、
    前記パケット判断ステップで反復パケットでないと判断されたパケットを送信する送信ステップと、を実行させるためのプログラム。
  13. コンピュータに、
    前記受信ステップで反復パケットを受信した場合に、当該反復パケットに対応する返信パケットを送信するかどうか判断する送信判断ステップをさらに実行させ、
    前記返信パケット送信ステップにおいて、前記送信判断ステップで送信すると判断した場合に、返信パケットを送信する、請求項12記載のプログラム。
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