JP2006333004A - 半導体リレー - Google Patents
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Abstract
【課題】MOS型半導体リレーにおいて、特に、入力信号が流れてからオン状態に変化するまでの時間がかかることにより、ディプレッションMOS型半導体リレーの動作時間<エンハンスメントMOS型半導体リレーの動作時間という特性を得ることにより、これらのMOS型半導体リレーを組み合わせて使用しても同時にオン状態にならない。
【解決手段】発光素子2の入力端子1A、1Bに入力信号が流れると、フォトダイオードアレイ3に起電力が発生し、充放電回路20とインピーダンス回路30とを介して、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する。このとき、出力用MOSFET4のゲート電圧が小さい場合は、インピーダンス回路30は高いインピーダンスとなる。そのため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサの充電電流は小さくなることにより、出力用MOSFET4がオン状態に変化するのを遅らせることができる。
【選択図】図1
【解決手段】発光素子2の入力端子1A、1Bに入力信号が流れると、フォトダイオードアレイ3に起電力が発生し、充放電回路20とインピーダンス回路30とを介して、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する。このとき、出力用MOSFET4のゲート電圧が小さい場合は、インピーダンス回路30は高いインピーダンスとなる。そのため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサの充電電流は小さくなることにより、出力用MOSFET4がオン状態に変化するのを遅らせることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、MOS型半導体リレーに関し、特に、入力信号が流れてからオン状態に変化するまでの時間を遅らせる技術に関する。
従来から半導体リレーとして、入力信号を光電変換して伝達するフォトカプラを有し、出力素子としてMOSFETを用いたMOS型半導体リレーが知られている。従来のMOS型半導体リレーの一例を図15に示す。この半導体リレー100は、第1の入力端子101Aと第2の入力端子101Bを有する発光素子102と、フォトダイオードアレイ103と、充放電回路120と、第1の出力端子105Aに接続された出力用MOSFET104aと、第2の出力端子105Bに接続された出力用MOSFET104bと、を備える。2つの出力用MOSFET104は、それぞれのゲートがフォトダイオードアレイ103のアノード端子に接続され、それぞれのソースがフォトダイオードアレイ103のカノード端子に接続されている。
上記のように構成された半導体リレー100において、動作を説明する。入力端子101A、101B間に入力信号が流れると、発光素子102が光信号を発光し、その光を受けたフォトダイオードアレイ103の両端に起電力が発生し、この起電力によって出力用MOSFET104をオン状態とする。出力用MOSFETのゲート・ソース間には、充放電回路120が形成され、フォトダイオードアレイ3が発電しているときには、高いインピーダンスになり、フォトダイオードアレイ3が発電していない時には、低いインピーダンスになる。
一般的に、MOS型半導体リレーは、動作時間(入力信号が流れてから、半導体リレーの状態が、例えば、オフ状態からオン状態に変化するまでの時間)がかかり、復帰時間(入力信号が遮断されてから、半導体リレーの状態が、例えば、オン状態から元のオフ状態に変化するまでの時間)が短いという特徴がある。これは、出力用MOSFETを動作状態にするためには、出力用MOSFETに寄生的に配置されるゲートのコンデンサ成分に充電電流を流す時間が必要になるからである。一方、半導体リレーの状態を元に戻すには、出力用MOSFETに寄生的に配置されるコンデンサ成分の電荷を充放電回路により放電させるため、復帰時間は動作時間よりも早くなる。ここで、MOS型半導体リレーの出力用MOSFETに、エンハンスメント型MOSFETを用いたものをa接点型半導体リレーとし、また、ディプレッション型MOSFETを用いたものをb接点型半導体リレーとする。a接点型半導体リレーとb接点型半導体リレーとは、組み合わせて回路を作成することができる。
一般的に、ディプレッション型MOSFETは、エンハンスメント型MOSFETに比べて、単位面積当たりのオン抵抗が大きいので、オン抵抗が同等のものを作ると、ディプレッション型MOSFETのチップサイズは大きくなる。そのため、ディプレッション型MOSFETの寄生コンデンサ成分も大きくなり、その結果、ディプレッション型MOSFETの動作時間(オン状態からオフ状態)は大きくなる。従って、a接点型半導体リレーと、b接点型半導体リレーを同時に動かすと、a接点型半導体リレーがオン状態になり、その後、b接点型半導体リレーがオフ状態になる。これでは、同時にオン状態になることがあり、信号の切り替え回路やフライングキャパシタ等の回路に使用する場合に問題となる。
また、a接点型半導体リレーとb接点型半導体リレーのそれぞれの入力端子間に同時に入力信号を流した場合の状態の変化を図16に示す。Td1は、入力信号が流れてからa接点型半導体リレーがオン状態に変化し始めるまでの時間、いわゆるディレイ時間を示す。Tr1は、a接点型半導体リレーがオン状態に変化し始めてから十分にオン状態に変化するまでの時間、いわゆるライズ時間を示す。T1は、ディレイ時間とライズ時間を合わせた、いわゆる動作時間を示す。Toff1は、入力信号が遮断されてからa接点型半導体リレーがオフ状態になるまでの時間、いわゆる復帰時間を示す。T2は、b接点型半導体リレーの動作時間を示す。Toff2は、b接点型半導体リレーの復帰時間を示す。TBは、a接点型半導体リレーとb接点型半導体リレーとが、同時にオン状態になる時間を示す。なお、b接点型半導体リレーの動作時間T2は、充放電回路より得られる定電流により決まるため、動作時間T2をほぼ一定の値に安定させることができる。また、上述したように、b接点型半導体リレーの寄生コンデンサ成分は、a接点型半導体リレーに比べて、大きいため、b接点型半導体リレーの復帰時間Toff2は、a接点型半導体リレーの復帰時間Toff1よりも遅い。
このような、a接点型半導体リレーとb接点型半導体リレーとを組み合わせた信号の切り替え回路や、フライングキャパシタ等の回路を作る場合、MOS型半導体リレーが、同時にオン状態になる状態が存在する。そのため、a接点型半導体リレーとb接点型半導体リレーとを組み合わせた信号の切り替え回路等を作ることができない。MOS型半導体リレーのディレイ時間と、ライズ時間とを合わせた動作時間を遅らせる方法としては、フォトダイオードアレイ103からの電流を小さくする方法、又は、出力用MOSFETとフォトダイオードアレイの間に、抵抗と、ディプレッション型のMOSFETとを接続する方法(例えば、特許文献1参照)などが知られている。
しかし、このような方法では、ライズ時間がかかりすぎてしまうという問題がある。また、入力信号を反転させ、信号の切り替え等の回路を作る方法もあるが、その場合は、復帰時間<動作時間という性能が要求される。なお、復帰時間<動作時間という動作を確実に行う方法としては、出力用MOSFETのゲートに定電流回路を用いる方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。しかし、この方法は、a接点型半導体リレーを2つ用いた場合にのみ利用可能であるため、上述した様な信号の切り替え回路等を作る場合に利用することができない。
特開平9−98079号公報
特開平8−65126号公報
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、a接点型半導体リレーの動作時間、特に、半導体リレーに入力信号が流れてからa接点型半導体リレーがオン状態に変化し始めるまでの時間が遅くなることにより、動作時間がかかり、b接点型半導体リレーの動作時間<a接点型半導体リレーの動作時間という特性を得ることにより、a接点型半導体リレーとb接点型半導体リレーを組み合わせて使用しても、同時にオン状態にはならない半導体リレーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、入力信号に応答して光信号を発生する発光素子と、前記光信号を受光して起電力を発生するフォトダイオードアレイと、第1及び第2の入力端子と第1及び第2の出力端子を備え、第1の入力端子が前記フォトダイオードアレイの一端に接続され、第2の入力端子が前記フォトダイオードアレイの他端に接続され、前記フォトダイオードアレイと並列に接続された充放電回路と、ゲートが前記フォトダイオードアレイの一端に接続され、ソースが前記フォトダイオードアレイの他端に接続された出力用MOSFETと、を備える半導体リレーにおいて、前記出力用MOSFETのゲート及びソースの少なくとも一方が、前記フォトダイオードアレイの出力電圧が小さい時は、高いインピーダンスとなり、前記フォトダイオードアレイの出力電圧が大きい時は、低いインピーダンスとなる様に変化するインピーダンス回路を介して前記フォトダイオードアレイに接続されているものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の半導体リレーにおいて、前記インピーダンス回路に並列に、前記充放電回路から放電される電流に対して順方向となるようにダイオードが接続されているものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体リレーにおいて、前記インピーダンス回路に並列に、バイパス用のトランジスタが接続され、このトランジスタのゲートが、前記フォトダイオードアレイの出力端に接続されているものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体リレーにおいて、前記インピーダンス回路に並列に、バイパス用のトランジスタが接続され、前記フォトダイオードアレイに並列に、2つ以上直列に接続された前記とは別の第2のインピーダンス回路が接続され、この第2のインピーダンス回路の接続部に、前記バイパス用のトランジスタのゲートが接続されているものである。
請求項5に記載の発明は、入力信号に応答して光信号を発生する発光素子と、前記光信号を受光して起電力を発生するフォトダイオードアレイと、第1及び第2の入力端子と第1及び第2の出力端子を備え、第1の入力端子が前記フォトダイオードアレイの一端に接続され、第2の入力端子が前記フォトダイオードアレイの他端に接続され、前記フォトダイオードアレイと並列に接続された充放電回路と、ゲートが前記フォトダイオードアレイの一端に接続され、ソースが前記フォトダイオードアレイの他端に接続された出力用MOSFETと、を備える半導体リレーにおいて、前記出力用MOSFETのゲート及びソースの少なくとも一方が、前記フォトダイオードアレイの出力電圧が小さい時は、高いインピーダンスとなり、前記フォトダイオードアレイの出力電圧が大きい時は、低いインピーダンスとなる様に変化するインピーダンス回路を介して前記フォトダイオードアレイに接続され、さらに、前記フォトダイオードアレイに並列に、トランジスタが接続され、このトランジスタのゲート及びソースが、前記インピーダンス回路の両端に接続されているものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の半導体リレーにおいて、前記インピーダンス回路に並列に、前記充放電回路から放電される電流に対して順方向となるようにダイオードが接続されているものである。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の半導体リレーにおいて、前記インピーダンス回路に並列に、バイパス用のトランジスタが接続され、このトランジスタのゲートが、前記フォトダイオードアレイの出力端に接続されているものである。
請求項8に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の半導体リレーにおいて、前記インピーダンス回路に並列に、バイパス用のトランジスタが接続され、前記フォトダイオードアレイに並列に、2つ以上直列に接続された前記とは別の第2のインピーダンス回路が接続され、この第2のインピーダンス回路の接続部に、前記バイパス用のトランジスタのゲートが接続されているものである。
請求項1の発明によれば、入力信号に応答して発光素子が動作し、フォトダイオードアレイに起電力が発生し、フォトダイオードアレイの出力電圧が小さいときは、インピーダンス回路が高いインピーダンスになるため、出力用MOSFETの寄生コンデンサへの充電電流は小さく、出力用MOSFETをオン状態にするのに時間(ディレイ時間)がかかる。また、フォトダイオードアレイの出力電圧が大きくなると、インピーダンス回路が低いインピーダンスになるため、出力用MOSFETの寄生コンデンサへの充電電流は抑えられず、出力用MOSFETが十分にオンするまでの時間(ライズ時間)は、インピーダンス回路を有しない半導体リレーのライズ時間と同等になる。そのため、この半導体リレーのエンハンスメント型MOSFETを用いて、a接点型半導体リレーとし、インピーダンス回路を有しない半導体リレーのディプレッション型MOSFETを用いて、b接点型半導体リレーとしたとき、これらエンハンスメント型MOSFETを用いた半導体リレーとディプレッション型MOSFETを用いた半導体リレーとを組み合わせて使用しても、同時にオン状態にはなることがなく、信号切替を適正に行うことができる。
請求項2の発明によれば、出力用MOSFETの寄生コンデンサに蓄積された電荷が放電するときに、インピーダンス回路に並列に接続されたダイオードを介して放電する。従って、復帰時間が短くなるため、元の状態に早く戻る半導体リレーを提供することができる。
請求項3の発明によれば、入力信号に応答して発光素子が動作し、フォトダイオードアレイに起電力が発生し、フォトダイオードアレイの出力電圧が小さいときは、インピーダンス回路が高いインピーダンスになるため、出力用MOSFETの寄生コンデンサへの充電電流は小さく、出力用MOSFETをオン状態にするのに時間(ディレイ時間)がかかる。また、フォトダイオードアレイの出力電圧が大きくなると、インピーダンス回路が低いインピーダンスになるため、出力用MOSFETの寄生コンデンサへの充電電流は抑えられず、出力用MOSFETが十分にオンするまでの時間(ライズ時間)は、インピーダンス回路を有しない半導体リレーのライズ時間と同等になる。そのため、この半導体リレーのエンハンスメント型MOSFETを用いて、a接点型半導体リレーとし、インピーダンス回路を有しない半導体リレーのディプレッション型MOSFETを用いて、b接点型半導体リレーとしたとき、これらエンハンスメント型MOSFETを用いた半導体リレーとディプレッション型MOSFETを用いた半導体リレーとを組み合わせて使用しても、同時にオン状態になることがなく、信号切替を適正に行うことができる。
請求項4の発明によれば、フォトダイオードアレイに並列に、第2のインピーダンス回路が接続されているので、フォトダイオードアレイから発生した起電力は、フォトダイオードの一端から流れ、第2のインピーダンス回路を介して、フォトダイオードの他端に戻る。これにより、第2のインピーダンス回路のインピーダンスが大きくなると、フォトダイオードアレイの出力電圧が大きく、また、第2のインピーダンス回路のインピーダンスが小さくなると、フォトダイオードアレイの出力電圧が小さい半導体リレーを提供することができる。
請求項5の発明によれば、フォトダイオードアレイから発生される起電力が、インピーダンス回路の両端に電位差を生じさせることにより、トランジスタがオン状態になると、出力用MOSFETのゲート・ソース間を短絡させる。そのため、出力用MOSFETの寄生コンデンサへの充電電流は小さく、出力用MOSFETをオン状態にするのに時間(ディレイ時間)がかかる。そして、フォトダイオードアレイの出力電圧が大きくなると、インピーダンス回路が低いインピーダンスになるため、インピーダンス回路の両端の電位差が小さくなり、トランジスタがオフ状態となる。従って、出力用MOSFETの寄生コンデンサへの充電電流は抑えられず、出力用MOSFETが十分にオンするまでの時間(ライズ時間)は、インピーダンス回路を有しない半導体リレーのライズ時間と同等になる。また、フォトダイオードアレイの出力電圧が小さいときに、インピーダンス回路が十分に高いインピーダンスではない場合でも、出力用MOSFETのゲート・ソース間を短絡させることにより、上述と同様に、ディレイ時間がかかり、ライズ時間は同等になる。そのため、この半導体リレーのエンハンスメント型MOSFETを用いて、a接点型半導体リレーとし、インピーダンス回路を有しない半導体リレーのディプレッション型MOSFETを用いて、b接点型半導体リレーとしたとき、これらエンハンスメント型MOSFETを用いた半導体リレーとディプレッション型MOSFETを用いた半導体リレーとを組み合わせて使用しても、同時にオン状態にはなることがなく、信号切替を適正に行うことができる。
請求項6の発明によれば、出力用MOSFETの寄生コンデンサに蓄積された電荷が放電するときに、インピーダンス回路に並列に接続されたダイオードを介して放電する。従って、復帰時間が短くなるため、元の状態に早く戻るMOS型半導体リレーを提供することができる。
請求項7の発明によれば、フォトダイオードアレイの出力電圧が小さいときは、バイパス用のトランジスタがオフ状態となるため、出力用MOSFETの寄生コンデンサへの充電電流は小さく、出力用MOSFETをオン状態にするのに時間(ディレイ時間)がかかる。また、フォトダイオードアレイの出力電圧が大きくなると、バイパス用のトランジスタがオン状態となるため、出力用MOSFETの寄生コンデンサへの充電電流は抑えられず、出力用MOSFETが十分にオンするまでの時間(ライズ時間)は、インピーダンス回路を有しない半導体リレーのライズ時間と同等になる。そのため、この半導体リレーのエンハンスメント型MOSFETを用いて、a接点型半導体リレーとし、インピーダンス回路を有しない半導体リレーのディプレッション型MOSFETを用いて、b接点型半導体リレーとしたとき、これらエンハンスメント型MOSFETを用いた半導体リレーとディプレッション型MOSFETを用いた半導体リレーとを組み合わせて使用しても、同時にオン状態にはなることがなく、信号切替を適正に行うことができる。
請求項8の発明によれば、フォトダイオードアレイに並列に、第2のインピーダンス回路が接続されているので、フォトダイオードアレイから発生した起電力は、フォトダイオードの一端から流れ、第2のインピーダンス回路を介して、フォトダイオードの他端に戻る。これにより、第2のインピーダンス回路のインピーダンスが大きくなると、フォトダイオードアレイの出力電圧が大きく、また、第2のインピーダンス回路のインピーダンスが小さくなると、フォトダイオードアレイの出力電圧が小さい半導体リレーを提供することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体リレーについて説明する。図1は、本実施形態に係る半導体リレーの構成を示す。半導体リレー10は、第1の入力端子1Aと第2の入力端子1Bを有する発光素子2と、発光素子2と絶縁されたフォトダイオードアレイ3と、充放電回路20と、2つのエンハンスメント型の出力用MOSFET4と、インピーダンス成分を持つ回路30(以下、インピーダンス回路という)と、を備える。2つの出力用MOSFET4は、それぞれのゲートがフォトダイオードアレイ3のアノード端子に接続され、それぞれのソースが互いに逆直列に及びフォトダイオードアレイ3のカノード端子に接続されており、また、出力用MOSFET4aのドレインは第1の出力端子5Aに接続され、出力用MOSFET4bのドレインが第2の出力端子5Bに接続されている。
充放電回路20の構成を図2に示す。充放電回路20は、第1の入力端子21Aと、第2の入力端子21Bと、第1の出力端子21Cと、第2の出力端子21Dと、ディプレッション型のMOSFET22と、抵抗23と、エンハンスメント型のMOSFET24と、を有している。抵抗23は、第2の入力端子21Bと第2の出力端子21Dとの間に接続されている。MOSFET24は、そのソースが第2の入力端子21Bと抵抗23の間に接続され、そのゲートとドレインが第2の出力端子21Dと抵抗23の間に接続されている。MOSFET22は、そのゲートが第2の入力端子21Bと抵抗23の間に接続され、そのソースが第2の出力端子21Dと抵抗23の間に接続され、そのドレインが第1の入力端子21Aと第1の出力端子21Cの間に接続されている。
インピーダンス回路30の一例の構成を図3に示す。インピーダンス回路30は、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が小さいときは、高いインピーダンスとなり、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が大きいときは、低いインピーダンスとなる様に変化するものであり、充放電回路20から放電される電流に対して逆方向になるように接続されたツェナーダイオード35から構成される。また、インピーダンス回路30の別の一例の構成を図4に示す。このインピーダンス回路30は、充放電回路20から放電される電流に対して逆方向になるように直列に複数個接続されたダイオード36から構成される。
上記のように構成された本実施形態の半導体リレー10の動作を次に説明する。入力端子1A、1B間に入力信号が流れると、発光素子2が光信号を発光し、その光を受けたフォトダイオードアレイ3の両端に起電力が発生する。この起電力によって抵抗23の両端に電位差が生じる。これにより、MOSFET24の寄生コンデンサが充電され、MOSFET24のゲート電圧がしきい値電圧よりも大きいときは、MOSFET24のドレイン・ソース間が低いインピーダンスになり導電状態(オン状態)になる。また、MOSFET22の寄生コンデンサも充電され、MOSFET22のゲート電圧が負にバイアスされると、MOSFET22のドレイン・ソース間が高いインピーダンスになり非導電状態(オフ状態)になる。これにより、フォトダイオードアレイ3から発生した起電力は、抵抗23をバイパスし、インピーダンス回路30を介して、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電することにより、出力用MOSFET4のゲート電圧がしきい値電圧よりも大きくなり、出力用MOSFET4のドレイン・ソース間が導電状態(オン状態)になり、半導体リレー10はオフ状態からオン状態に変化する。
このとき、出力用MOSFET4の寄生コンデンサの充電は、MOSFET24が導電状態(オン状態)になるまでは、抵抗23を介して行われる。そのため、フォトダイオードアレイ3の出力電圧は小さくなり、インピーダンス回路30は高いインピーダンスとなる。従って、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する電流は小さくなり、出力用MOSFET4のドレイン・ソース間が、高いインピーダンス(オフ状態)から低いインピーダンス(オン状態)に変化するまでの時間、いわゆるディレイ時間がかかる。また、MOSFET24が導電状態(オン状態)になった後は、抵抗23をバイパスするため、フォトダイオードアレイ3の出力電圧は大きくなり、インピーダンス回路30は低いインピーダンスとなる。従って、出力用MOSFET4の寄生コンデンサの充電電流は抑えられず、出力用MOSFET4が十分にオンするまでの時間、いわゆるライズ時間は、従来例で述べた半導体リレー100と同等である。そのため、本実施形態に係る半導体リレー10は、ディレイ時間とライズ時間を合わせた、いわゆる動作時間がかかる。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、a接点型半導体リレーであり、従来例で述べたb接点型半導体リレーの動作時間<本実施形態に係る半導体リレー10の動作時間という特性が得られ、同時にオン状態にはなることがない信号切替を適正に行うことができる。
入力端子1A、1B間の入力信号が遮断されると、発光素子2が光信号を発光しないため、フォトダイオードアレイ3の起電力が発生しなくなり、抵抗23の両端の電位差が消える。これにより、MOSFET24の寄生コンデンサに蓄積された電荷が放電され、MOSFET24のゲート電圧がしきい値電圧よりも小さくなると、MOSFET24のドレイン・ソース間が高いインピーダンスになり非導電状態(オフ状態)になる。また、MOSFET22の寄生コンデンサの電荷も同様に放電するため、MOSFET22のゲート電圧がゼロになると、MOSFET22のドレイン・ソース間が低いインピーダンスになるため、MOSFET22が導電状態(オン状態)になる。これによって、出力用MOSFET4の寄生コンデンサに蓄積されていた電荷は、インピーダンス回路と、MOSFET22のドレイン・ソース間とを介してショートするため、放電が行われ、出力用MOSFET4のゲート電圧がしきい値電圧よりも小さくなり、半導体リレー10はオン状態からオフ状態に変化する。このとき、出力用MOSFET4のゲート電圧は放電と同時に、フォトダイオードアレイ3の出力電圧は小さくなり、インピーダンス回路30は、低いインピーダンスから高いインピーダンスに変化する。従って、入力信号が遮断されてから半導体リレー10がオフ状態になるまでの時間、いわゆる復帰時間は、立ち下がりが緩やかになる。
次に、本実施形態に係る半導体リレー10と、従来例で述べたb接点型半導体リレーとのそれぞれの入力端子に同時に入力信号を流した場合の状態の変化を図5に示す。Td1は、入力信号が流れてからこの半導体リレー10がオン状態に変化し始めるまでの時間、いわゆるディレイ時間を示す。Tr1は、この半導体リレー10が十分にオンするまでの時間、いわゆるライズ時間を示す。T1は、この半導体リレー10のディレイ時間とライズ時間を合わせた、いわゆる動作時間を示す。Toff1は、入力信号が遮断されてから、この半導体リレー10がオフ状態になるまでの時間、いわゆる復帰時間を示す。T2は、b接点型半導体リレーの動作時間を示す。Toff2は、b接点型半導体リレーの復帰時間を示す。TAは、この半導体リレー10とb接点型半導体リレーとが、同時にオフ状態になる時間を示す。なお、従来例で述べたように、b接点型半導体リレーの動作時間T2は、ほぼ一定の値に安定させることができ、また、b接点型半導体リレーの復帰時間Toff2は、本実施形態に係る半導体リレー10の復帰時間Toff1よりもかかる。
上述したように、本実施形態に係る半導体リレー10は、ディレイ時間がかかることにより、動作時間がかかるようにすることができる。また、本実施形態に係る半導体リレー10は、a接点型半導体リレーであるので、b接点型半導体リレーの動作時間<本実施形態に係る半導体リレー10の動作時間、という特性が得られる。そのため、これら2つの半導体リレーが同時にオン状態になる場合はない。
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体リレーについて説明する。図6は、本実施形態に係る半導体リレーの構成を示す。この半導体リレー10は、充放電回路20から放電される電流に対して順方向となるように、インピーダンス回路30の両端に並列にダイオード41を接続する以外は、図1に示す半導体リレーの構成と同様である。
上記のように構成された本実施形態に係る半導体リレー10の動作を次に説明する。入力端子1A、1B間に入力信号が流れると、第1の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オフ状態からオン状態に変化する。このとき、ダイオード41は、フォトダイオードアレイ3の両端に発生する起電力とは逆方向となるように接続されているので、この半導体リレー10の動作に影響を与えることはない。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、動作時間がかかる。
入力端子1A、1B間の入力信号が遮断されると、第1の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オン状態からオフ状態に変化する。このとき、ダイオード41は、出力用MOSFET4の寄生コンデンサに蓄積された電荷が放電される方向に順方向となるように接続されているため、放電はダイオード41をも介して速やかに行われる。そのため、本実施形態に係る半導体リレー10は、復帰時間を短くすることができる。
次に、本実施形態に係る半導体リレー10と、従来例で述べたb接点型半導体リレーとのそれぞれの入力端子に同時に入力信号を流した場合の状態の変化を図7に示す。また、上述した図5と同様に、Td1はこの半導体リレーの10のディレイ時間を示し、Tr1はこの半導体リレーのライズ時間を示し、T1はこの半導体リレーの動作時間を示し、Toff1はこの半導体リレーの復帰時間を示し、T2はb接点型半導体リレーの動作時間を示し、Toff2はb接点型半導体リレーの復帰時間を示す。TAは、この半導体リレー10とb接点型半導体リレーとが、同時にオフ状態になる時間を示す。なお、従来例で述べたように、b接点型半導体リレーの動作時間T2は、ほぼ一定の値に安定させることができ、また、b接点型半導体リレーの復帰時間Toff2は、本実施形態に係る半導体リレー10の復帰時間Toff1よりかかる。上述したように、本実施形態に係る半導体リレー10の動作時間T1は、第1の実施形態に係る半導体リレーと同様であり、また、復帰時間Toff1は、ダイオード41をも介して放電が行われため、第1の実施形態に係る半導体リレーの復帰時間と比べて短い。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、動作時間がかかり、且つ、復帰時間が短くなるMOS型半導体リレーを提供することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体リレーについて説明する。図8は、本実施形態に係る半導体リレーの構成を示す。この半導体リレー10は、インピーダンス回路30の代わりに、出力用MOSFET4のソースと充放電回路20の第2の出力端子21Dとの間に接続された抵抗31と、バイパス用のエンハンスメント型のMOSFET32とを有し、MOSFET32は、そのゲートが充放電回路20の第1の出力端子21Cに接続され、そのソースが抵抗31と充放電回路20の第2の出力端子21Dとの間に接続され、そのドレインが抵抗31と出力用MOSFET4のソースとの間に接続されている以外は図6に示す構成と同様である。
上記のように構成された本実施形態に係る半導体リレー10の動作を次に説明する。入力端子1A、1B間に入力信号が流れると、第2の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オフ状態からオン状態に変化する。このとき、MOSFET32の寄生コンデンサも充電され、MOSFET32のゲート電圧がしきい値電圧よりも小さいときは、MOSFET32のドレイン・ソース間が高いインピーダンスとなり非導電状態である。そのため、フォトダイオードアレイ3が発生する起電力は、抵抗31を介して、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する。従って、フォトダイオードアレイ3の出力電圧は小さくなるため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサの充電電流が小さくなり、ディレイ時間がかかる。
そして、MOSFET32のゲート電圧がしきい値電圧よりも大きくなると、MOSFET32のドレイン・ソース間が低いインピーダンスになり伝導状態となる。そのため、フォトダイオードアレイ3が発生する起電力は、抵抗31をバイパスして、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する。従って、出力用MOSFET4の寄生コンデンサの充電電流は抑えられず、ライズ時間は、従来例で述べた半導体リレー100と同等である。また、抵抗31とMOSFET32は、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が小さいときは、高いインピーダンスとなり、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が大きいときは、低いインピーダンスとなる様に変化するものであるため、インピーダンス回路30を構成することができる。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、動作時間をかかる。
入力端子1A、1B間の入力信号が遮断されると、第2の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オン状態からオフ状態に変化する。このとき、MOSFET32の寄生コンデンサに蓄積されていた電荷は、充放電回路20を介して放電される。そのため、MOSFET32のゲート電圧がしきい値電圧よりも大きいときは、そのドレイン・ソース間が低いインピーダンスになるため、抵抗31をバイパスして、出力用MOSFET4の寄生コンデンサに蓄積されていた電荷の放電が行われる。そして、MOSFET32のゲート電圧がしきい値電圧よりも小さくなると、MOSFET32のドレイン・ソース間が高いインピーダンスになり、抵抗31を介して、出力用MOSFET4の寄生コンデンサに蓄積されていた電荷の放電が行われる。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、復帰時間を短くすることができる。
次に、本実施形態に係る半導体リレーの変形例について説明する。図9は、本実施形態に係る半導体リレーの変形例の構成を示す。この半導体リレー10は、インピーダンス回路30の代わりに、抵抗値の大きい抵抗34bと、抵抗値の小さい抵抗34aと、エンハンスメント型のMOSFET33とを備える以外は、図1に示す構成と同様である。MOSFET33は、そのゲートがフォトダイオードアレイ3のアノード端子に接続され、そのソースがフォトダイオードアレイ3のカノード端子に接続され、そのドレインが抵抗34aと接続され、抵抗34aは、MOSFET33のドレインと抵抗34bの間に接続され、抵抗34bは、抵抗34aとフォトダイオードアレイ3のカノード端子との間に接続されている。
上記のように構成された本実施形態に係る半導体リレー10のインピーダンス回路30の動作を次に説明する。MOSFET33のゲート電圧がしきい値電圧よりも小さいときは、MOSFET33のドレイン・ソース間が高いインピーダンスとなりMOSFET33は非導電状態であるため、抵抗34bを介して電流が流れる。また、MOSFET33のゲート電圧がしきい値電圧よりも大きいときは、MOSFET33のドレイン・ソース間が低いインピーダンスになり導電状態であるため、並列に接続された抵抗34aと抵抗34bとを介して電流が流れる。従って、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が小さいとき、このインピーダンス回路30は、高いインピーダンスとなり、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が大きいときは、低いインピーダンスとなる様に変化するため、抵抗34bと、抵抗34aと、MOSFET33とは、図8に示す半導体リレー10のインピーダンス回路30と同様に、インピーダンス回路30を構成する。従って、本実施形態に係る半導体リレーの変形例は、第3の実施形態に係る半導体リレーと同様の効果を得る。
次に、本発明の第4の実施形態に係る半導体リレーについて説明する。図10は、本実施形態に係る半導体リレーの構成を示す。この半導体リレー10は、第2のインピーダンス回路として直列に接続された抵抗42aと抵抗42bを有し、抵抗42aと抵抗42bは、フォトダイオードアレイ3と並列に接続され、抵抗42aの一端はフォトダイオードアレイ3のアノード端子に接続され、抵抗42bの一端はフォトダイオードアレイ3の一端はカノード端子に接続され、抵抗42aと抵抗42bの間にはFET32のゲートが接続されている以外は、図8に示す半導体リレーの構成と同様である。
上記のように構成された本実施形態に係る半導体リレー10の動作を次に説明する。入力端子1A、1B間に入力信号が流れると、第3の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オフ状態からオン状態に変化する。このとき、フォトダイオードアレイ3から発生される起電力は、フォトダイオードアレイ3の一端から流れ、抵抗42aと42bを介して、フォトダイオードアレイ3の他端に戻る。そのため、抵抗42aと42bのインピーダンスが大きくなると、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が大きく、抵抗42aと42bのインピーダンスが小さくなると、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が小さくなるように、フォトダイオードアレイ3の出力電圧を変更することができる。そのため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する時間がかかり、本実施形態に係る半導体リレー10は、動作時間がかかる。
入力端子1A、1B間の入力信号が遮断されると、第3の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オン状態からオフ状態に変化する。このとき、さらに、抵抗42aと42bを介しても放電が行われる。そのため、本実施形態に係る半導体リレー10は、第3の実施形態に係る半導体リレー10に比べて、速やかに放電が行われる。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、復帰時間を短くすることができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る半導体リレーについて説明する。図11は、本実施形態に係る半導体リレーの構成を示す。半導体リレー10は、エンハンスメント型のMOSFET43を備える以外は、図1に示す半導体リレーと同様である。エンハンスメント型のMOSFET43は、そのゲートは出力用MOSFET4のソースとインピーダンス回路30の間に接続され、そのソースは充放電回路20の第2の出力端子21Dに接続され、そのドレインは充放電回路20の第1の出力端子21Cに接続にされている。
上記のように構成された本実施形態に係る半導体リレー10の動作について、次に説明する。入力端子1A、1B間に入力信号が流れると、第1の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オフ状態からオン状態に変化する。このとき、インピーダンス回路30の両端に電位差が生じるため、MOSFET43の寄生コンデンサは充電される。そして、MOSFET43のゲート電圧がしきい値電圧よりも小さいときは、MOSFET43のドレイン・ソース間は高いインピーダンスとなり非導電状態(オフ状態)となる。そのため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する電流に影響を与えることはない。そして、MOSFET43のゲート電圧がしきい値電圧よりも大きくなると、MOSFET43のドレイン・ソース間は低いインピーダンスであり導電状態(オン状態)となり、出力用MOSFET4のゲート・ソース間を短絡させる。そのため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する電流は小さくなり、ディレイ時間がかかる。また、さらに、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が小さい場合に、インピーダンス回路30が、十分に高いインピーダンスではない場合でも、インピーダンス回路30の両端に電位差が生じるため、上記と同様の動作を得ることができる。そして、フォトダイオードアレイ3の出力電圧が大きくなると、インピーダンス回路30の両端の電位差が小さくなるため、MOSFET43のゲート電圧がしきい値電圧よりも小さくなり、MOSFET43のドレイン・ソース間が非導電状態となる。そのため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサを充電する電流に影響を与えることはなく、出力用MOSFET4の寄生コンデンサの充電電流は抑えられず、出力用MOSFET4のゲート電圧がしきい値電圧よりも大きくなり、十分にオンするまでのライズ時間は、従来例で述べた半導体100と同等である。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、動作時間がかかる。
入力端子1A、1B間の入力信号が遮断されると、第1の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オン状態からオフ状態に変化する。このとき、インピーダンス回路30の両端に電位差が生じないため、MOSFET43の寄生コンデンサに蓄積された電荷は放電される。MOSFET43のゲート電圧がしきい値電圧よりも大きいときは、MOSFET43のドレイン・ソース間は低いインピーダンスであり導電状態となるため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサに蓄積されていた電荷は、MOSFET43のドレイン・ソース間を介して放電される。そして、MOSFET43のゲート電圧がしきい値電圧よりも小さくなると、MOSFET43のドレイン・ソース間は高いインピーダンスとなり非導電状態となる。そのため、出力用MOSFET4の寄生コンデンサに蓄積されていた電荷の放電に影響を与えることはない。そのため、入力信号が遮断されてから半導体リレー10がオフ状態になるまでの時間は、第1の実施形態に係る半導体リレーの復帰時間と比べて短くなる。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、復帰時間を短くすることができる。
次に、本発明の第6の実施形態に係る半導体リレーについて説明する。図12は、本実施形態に係る半導体リレーの構成を示す。この半導体リレー10は、第2の実施形態に係る半導体リレーが有するダイオード41と同様に接続されたダイオード41を有する以外は、図11に示す半導体リレーの構成と同様である。
上記のように構成された本実施形態に係る半導体リレー10の動作を次に説明する。入力端子1A、1B間に入力信号が流れると、第5の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オフ状態からオン状態に変化する。このとき、ダイオード41は、第2の実施形態で述べた動作と同様であるため、同様の効果を得る。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、動作時間がかかる。
入力端子1A、1B間の入力信号が遮断されると、第5の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オン状態からオフ状態に変化する。このとき、ダイオード41は、第2の実施形態で述べた動作と同様であるため、同様の効果を得る。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、復帰時間を短くすることができる。
次に、本発明の第7の実施形態に係る半導体リレーについて説明する。図13は、本実施形態に係る半導体リレーの構成を示す。この半導体リレー10は、第3の実施形態に係る半導体リレーが有する抵抗31とエンハンスメント型のMOSFET32と同様に接続されている以外は、図12に示す半導体リレーの構成と同様である。また、第3の実施形態で述べたように、抵抗31とMOSFET32とは、インピーダンス回路30を構成している。
上記のように構成された本実施形態に係る半導体リレー10の動作を次に説明する。入力端子1A、1B間に入力信号が流れると、第6の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オフ状態からオン状態に変化する。このとき、抵抗31とMOSFET32とは、第3の実施形態で述べた動作と同様である。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、動作時間がかかる。
入力端子1A、1B間の入力信号が遮断されると、第6の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オン状態からオフ状態に変化する。このとき、抵抗31とMOSFET32とは、第3の実施形態で述べた動作と同様であるため、同様の効果を得る。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、復帰時間を短くすることができる。
次に、本発明の第8の実施形態に係る半導体リレーについて説明する。図14は、本実施形態に係る半導体リレーの構成を示す。この半導体リレー10は、第4の実施形態に係る半導体リレーが有する抵抗42aと抵抗42bと同様に接続されている以外は、図13に示す半導体リレーの構成と同様である。
上記のように構成された本実施形態の半導体リレー10の動作を次に説明する。入力端子1A、1B間に入力信号が流れると、第7の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オフ状態からオン状態に変化する。このとき、抵抗42aと抵抗42bとは、第4の実施形態で述べた動作と同様である。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、動作時間がかかり、さらに、フォトダイオードアレイ3の出力電圧を変更することができる。
入力端子1A、1B間の入力信号が遮断されると、第7の実施形態に示す動作と同様に、半導体リレー10は、オン状態からオフ状態に変化する。このとき、抵抗42aと抵抗42bとは、第4の実施形態で述べた動作と同様である。従って、本実施形態に係る半導体リレー10は、復帰時間を短くすることができる。
なお、第1〜第8の実施形態に係る半導体リレー10のインピーダンス回路30は、抵抗、例えば、拡散抵抗、又は、ポリシリコン抵抗等を有することができる。そのため、インピーダンス回路30は、一般的な半導体形成プロセスにより形成することができる。
また、第7と第8の実施形態に係る半導体リレー10のMOSFET32と、MOSFET43とは、同一プロセス工程、例えば、熱拡散法等の同一製造プロセスで製造することができる。そのため、半導体リレー10の製造工数を短縮、又は、製造コストを軽減することができる。
また、第4と第8の実施形態に係る半導体リレー10の抵抗31と、抵抗42aと、抵抗42bとは、例えば、拡散抵抗、又は、ポリシリコン抵抗等で形成することができる。そのため、例えば、抵抗31と、抵抗42aと、抵抗42bとをすべて拡散抵抗で形成する場合、熱拡散法により、同一製造プロセスで製造することが可能である。そのため、半導体リレー10の製造工数を短縮、又は、製造コストを軽減することができる。
また、第1〜第8の実施形態に係る半導体リレー10の入力端子1A、1Bと、発光素子2と、フォトダイオードアレイ3と、出力用MOSFET4と、出力端子5A、5B以外は、同一チップ上に形成することができる。そのため、複数のチップを用意する必要はなく、半導体リレー10の製造コストを低減することが可能であり、半導体リレー10のサイズを小さくすることができる。
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、2つのエンハンスメント型MOSFETの半導体リレーを用いて信号切替を行うとき、一方の半導体リレーの復帰時間<他方の半導体リレーの動作時間という性能が要求される。このとき、他方の半導体リレーを第1の実施形態に係る半導体リレーとし、一方を従来の半導体リレーとすると、第1の実施形態に係る半導体リレーは、上述したように動作時間がかかる。そのため、この要求を満たすことができるため、信号切替を行うことができる。また、一方の半導体リレーは、第1の実施形態に係る半導体リレーに限らず、第2〜第8の実施形態に係る半導体リレーを用いてもよい。
1A 第1の入力端子
1B 第2の入力端子
2 発光素子
3 フォトダイオードアレイ
4 出力用MOSFET
4a 第1の出力用MOSFET
4b 第2の出力用MOSFET
5A 第1の出力端子
5B 第2の出力端子
20 充放電回路
21A 充放電回路の第1の入力端子
21B 充放電回路の第2の入力端子
21C 充放電回路の第1の出力端子
21D 充放電回路の第2の出力端子
30 インピーダンス回路
1B 第2の入力端子
2 発光素子
3 フォトダイオードアレイ
4 出力用MOSFET
4a 第1の出力用MOSFET
4b 第2の出力用MOSFET
5A 第1の出力端子
5B 第2の出力端子
20 充放電回路
21A 充放電回路の第1の入力端子
21B 充放電回路の第2の入力端子
21C 充放電回路の第1の出力端子
21D 充放電回路の第2の出力端子
30 インピーダンス回路
Claims (8)
- 入力信号に応答して光信号を発生する発光素子と、前記光信号を受光して起電力を発生するフォトダイオードアレイと、第1及び第2の入力端子と第1及び第2の出力端子を備え、第1の入力端子が前記フォトダイオードアレイの一端に接続され、第2の入力端子が前記フォトダイオードアレイの他端に接続され、前記フォトダイオードアレイと並列に接続された充放電回路と、ゲートが前記フォトダイオードアレイの一端に接続され、ソースが前記フォトダイオードアレイの他端に接続された出力用MOSFETと、を備える半導体リレーにおいて、
前記出力用MOSFETのゲート及びソースの少なくとも一方が、前記フォトダイオードアレイの出力電圧が小さい時は、高いインピーダンスとなり、前記フォトダイオードアレイの出力電圧が大きい時は、低いインピーダンスとなる様に変化するインピーダンス回路を介して前記フォトダイオードアレイに接続されていることを特徴とする半導体リレー。 - 前記インピーダンス回路に並列に、前記充放電回路から放電される電流に対して順方向となるようにダイオードが接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体リレー。
- 前記インピーダンス回路に並列に、バイパス用のトランジスタが接続され、このトランジスタのゲートが、前記フォトダイオードアレイの出力端に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体リレー。
- 前記インピーダンス回路に並列に、バイパス用のトランジスタが接続され、前記フォトダイオードアレイに並列に、2つ以上直列に接続された前記とは別の第2のインピーダンス回路が接続され、この第2のインピーダンス回路の接続部に、前記バイパス用のトランジスタのゲートが接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体リレー。
- 入力信号に応答して光信号を発生する発光素子と、前記光信号を受光して起電力を発生するフォトダイオードアレイと、第1及び第2の入力端子と第1及び第2の出力端子を備え、第1の入力端子が前記フォトダイオードアレイの一端に接続され、第2の入力端子が前記フォトダイオードアレイの他端に接続され、前記フォトダイオードアレイと並列に接続された充放電回路と、ゲートが前記フォトダイオードアレイの一端に接続され、ソースが前記フォトダイオードアレイの他端に接続された出力用MOSFETと、を備える半導体リレーにおいて、
前記出力用MOSFETのゲート及びソースの少なくとも一方が、前記フォトダイオードアレイの出力電圧が小さい時は、高いインピーダンスとなり、前記フォトダイオードアレイの出力電圧が大きい時は、低いインピーダンスとなる様に変化するインピーダンス回路を介して前記フォトダイオードアレイに接続され、さらに、
前記フォトダイオードアレイに並列に、トランジスタが接続され、このトランジスタのゲート及びソースが、前記インピーダンス回路の両端に接続されていることを特徴とする半導体リレー。 - 前記インピーダンス回路に並列に、前記充放電回路から放電される電流に対して順方向となるようにダイオードが接続されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体リレー。
- 前記インピーダンス回路に並列に、バイパス用のトランジスタが接続され、このトランジスタのゲートが、前記フォトダイオードアレイの出力端に接続されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の半導体リレー。
- 前記インピーダンス回路に並列に、バイパス用のトランジスタが接続され、前記フォトダイオードアレイに並列に、2つ以上直列に接続された前記とは別の第2のインピーダンス回路が接続され、この第2のインピーダンス回路の接続部に、前記バイパス用のトランジスタのゲートが接続されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の半導体リレー。
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JP4558088B1 (ja) * | 2009-09-24 | 2010-10-06 | 中国電力株式会社 | 遮断器監視装置 |
CN103516343A (zh) * | 2012-06-21 | 2014-01-15 | 贵州航天电器股份有限公司 | 一种固体继电器 |
-
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- 2005-05-25 JP JP2005152913A patent/JP2006333004A/ja not_active Withdrawn
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