JP2006332827A - 自動利得制御装置及び自動利得制御方法 - Google Patents

自動利得制御装置及び自動利得制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
入力信号のレベルに応じて異なる利得制御を実行することで、入力信号レベルの急激な変動に対しても安定して利得制御を行う自動利得制御装置及び自動利得制御方法を提供する。
【解決手段】
AGC回路1出力信号yの絶対値L1を検出するレベル検出部11と、絶対値L1の平均レベルL2を求める平均値化部12と、利得制御部13と、乗算器14とを有する。利得制御部13から出力された利得係数Gは、乗算器14にて入力信号xと乗算され出力信号yとして出力されると共にレベル検出部11に供給される。利得制御部13は、入力信号の平均レベルが閾値TH2以上である場合には、閾値TH1により、出力信号yが一定のレベルとなるよう利得係数を増減させる。一方、入力信号の平均レベルが閾値TH2未満である場合には、利得係数を所定の値に漸近させるよう制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力信号のレベルに応じて自動的に利得を制御する自動利得制御(Automatic Gain Control:AGC)装置及び自動利得制御方法に関する。
AGC技術は、入力信号が小さい場合には、入力信号を増幅させ、大きい場合は入力信号を減衰させることで、出力信号レベルを一定に保つための技術である。
例えば、音声又はオーディオ機器に搭載されるAGC回路では、入力信号レベルが急激に変動する場合があり、これが原因でクリッピングが発生する。したがって、出力信号のクリッピングが発生しないよう適切に制御する技術が必要である。
図5は従来のAGC回路を示すブロック図である。従来のAGC回路101は、出力信号yの絶対値L1を検出するレベル検出部111と、絶対値L1の平均レベルL2を求める平均値化部112と、利得制御部113と乗算器114とで構成される。利得制御部113は平均値化部112から平均レベルL2が入力され、外部から閾値TH1が入力され、入力信号xに乗ずる利得係数Gを出力する。
図6は、利得制御部113における利得係数Gの更新アルゴリズムを示す模式図である。利得係数部113は、出力信号yの平均レベルL2と閾値TH1との大小関係を判断する。例えば、先ず、平均レベルL2が閾値TH1より小さいか否かを判断する(ステップS11)。小さい場合には、利得係数Gを増加させる。また、平均レベルがTH1より大きいと判断された場合は(ステップS12)、利得係数Gを減少させる。いずれでもないと判断された場合、すなわち、平均レベルL2=利得係数Gである場合には、利得係数Gをそのまま出力する。入力信号xは利得係数Gと乗算器114にて乗算されることで、入力信号xが小さい場合は増幅され、大きい場合は減衰されて出力信号yが出力される。
図7は従来のAGC回路の入力信号x、出力信号y、利得係数Gの関係を示す模式図である。上述したように、入力信号xの平均レベルL2×利得係数Gが閾値TH1より小さい場合は、利得係数Gが所定の大きさを保つ。こうして利得制御部113の出力する利得係数Gにより、出力信号yのレベルが一定に保たれる。
特開平3−186006号公報
しかしながら、入力信号xが無音状態から急に有音状態になった場合は、出力信号yがクリッピングしてしまい、音声やオーディオ機器などに搭載している場合には異音として聞こえてしまう。
図8は、従来のAGC回路において、クリッピングが生じる場合の一例を示す図である。図8に示すように、無音の状態から急に有音を入力すると、AGC回路は無音区間でも出力信号yの平均レベル値L2を閾値TH1に近づけようと利得係数Gを大きくしていくため、例えば無音区間が長時間続くと利得係数Gは最大値にまで到達する。例えば、利得係数の最大値が1以上である場合、出力信号yは装置上で表現可能な上限及び下限レベルの範囲を超えてしまい、異音が発生してしまうという問題点がある。
本発明にかかる自動利得制御装置は、入力信号及び/又は出力信号のレベルが所定の閾値より小さいか否かを判定し、前記所定の閾値より小さい場合には、利得を所定の値に漸近するよう制御するものである。
また、本発明にかかる他の自動利得制御装置は、出力信号のレベルからその平均レベルを求める平均レベル算出部と、前記平均レベル及び第1の閾値に基づき利得を制御する利得制御部と、入力信号及び前記利得制御部から出力された利得に基づき前記出力信号を出力する出力部とを有し、前記利得制御部は、前記平均レベルが前記第1の閾値より小さいか否かを判定し、前記第1の閾値より小さい場合に前記利得を所定の値に漸近するよう制御するものである。
本発明においては、入力信号のレベルの強弱に応じて利得を自動的に設定して一定レベルの信号を出力するよう制御する自動利得制御装置において、入力信号又は出力信号のレベルが所定の閾値より小さい場合には、当該利得が所定の値に漸近するよう制御することで、例えば雑音のみ又は無音状態となったときに利得を増大させるようなことがない。
本発明にかかる自動利得制御方法は、入力信号の平均レベルを求め、前記平均レベルが第1の閾値より小さいか否かを判定し、前記平均レベルが前記第1の閾値より小さい場合は、前記利得を所定の値に漸近するよう制御し、前記平均レベルが前記第1の閾値より大きく、前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さい場合には、前記利得が大きくなるよう制御し、前記平均レベルが前記第2の閾値より大きい場合には、前記利得が小さくなるよう制御するものである。
本発明においては、利得を2つの閾値により小信号入力時に大信号入力時とは異なる利得制御を実行する。すなわち、入力信号の平均レベルが第1の閾値より大きい場合には、出力信号が一定になるよう利得を制御し、入力信号の平均レベルが第1の閾値より小さい場合には、利得が所定の値に漸近するよう制御するため、入力信号のレベルによらず、適切な利得制御を行うことができる。
本発明に係る自動利得制御装置及び自動利得制御方法によれば、入力信号のレベルに応じて異なる利得制御を実行することで、入力信号レベルの急激な変動に対しても安定して利得制御を行うことができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、入力信号のレベルが急激に変動しても適切にゲインを制御することができるAGC回路に適用したものである。
図1は本発明の実施の形態にかかるAGC回路を示すブロック図である。本実施の形態にかかるAGC回路1は、出力信号yの絶対値L1を検出するレベル検出部11と、絶対値L1の平均レベルL2を求める平均値化部12と、利得制御部13と、乗算器14とを有する。利得制御部13は平均値化部12から出力される平均レベルL2と外部から供給される閾値TH1及び閾値TH2とにより、入力信号xに乗ずる利得係数Gを出力する。利得制御部13から出力された利得係数Gは、乗算器14にて入力信号xと乗算され出力信号yとして出力されると共にレベル検出部11に供給される。
ここで、本実施の形態にかかるAGC回路1は、無音時の連続後に有音が入力された場合に利得係数Gが増大しないよう、利得係数Gを制御するための閾値を2つ有する。閾値TH2は、入力信号xが所定のレベル未満であるか否かを判定するための閾値であり、閾値TH1は、入力信号xが所定のレベル以上である場合に利得係数Gの増減を決定するための閾値である。利得制御部13は、これら2つの閾値により、入力信号のレベルに応じて、異なる利得制御を実行する。
図2は、利得制御部13における利得制御方法を示す図である。利得制御部13には、所定のタイミングで出力信号yの絶対値L1の平均レベルL2が供給される。そして、利得制御部13は、与えられた2つの閾値を使用し、利得係数Gを以下の方法で逐次更新する処理を実行する。先ず、出力信号yの絶対値L1の平均レベルL2を利得係数Gで序した値(平均レベルL2)/(利得係数G)、すなわち入力信号の平均レベルが閾値TH2以上であるか否かを判定する(ステップS1)。そして、入力信号xがある程度のレベルを有すると判断された場合は、ステップS2、S3に進み、通常の利得制御を実行する。すなわち、平均レベルL2が所定の閾値TH1より小さい場合(ステップS2:YES)、利得係数Gを増加させる。一方、平均レベルL2が閾値TH1より大きい場合(ステップS3:YES)、利得係数Gを減少させる。そして、平均レベルL2=閾値TH1である場合は、現在の利得係数Gのままとし、乗算器14へ出力する。これにより、入力信号xの平均レベルが所定の閾値TH2より大きく、例えば有音と判断できる場合には、出力信号yの平均レベルL2と閾値TH1との大小比較により、利得係数Gを増大又は減少させることで、出力信号yのレベルを一定に保つよう制御する。
また、本実施の形態においては、出力信号yの(平均レベルL2)/(利得係数G)が閾値TH2より小さい場合、すなわち、入力信号xの平均レベルが所定の閾値TH2未満である場合には、上述とは異なる利得制御を実行する。入力信号xの平均レベルが所定の閾値TH2未満であるとは、例えば無音状態であったり、雑音のみの入力である場合である。このような場合に、上述と同様の利得制御を実行すると、実際には音声が入力されていない場合等であっても利得係数Gを増大させてしまう。よって、このような場合には、本実施の形態においては、利得係数Gを所定の値に漸近するよう制御する処理を実行する。
本実施の形態においては、漸近させる所定の値を1とする。利得係数を1とすることで、次に有音の信号が入力された場合の利得制御を容易とする。先ず、入力信号xの平均レベルが所定の閾値TH2未満と判断された場合には、現在の利得係数Gが1より小さいか否かを判断し、小さい場合には(ステップS4:YES)、利得係数Gを増加させ、利得係数Gが1より大きい場合には(ステップS5:YES)、利得係数を減少させ、利得係数G=1の場合にはそのまま維持する処理を実行する。これにより、平均レベルL2が入力信号xの平均レベルが所定の閾値TH2未満である状態が続くと、利得係数Gは徐々に1に漸近する。
このような制御により、得られた利得係数Gは入力信号xの平均レベルが閾値TH2より小さい場合には徐々に1に漸近するため、無音や雑音などAGC回路1の入力信号xのレベルが小さい場合には無駄に利得を上げることがない。また、無音又は雑音期間と判断されると直ちに利得係数Gを1とするのではなく、徐々に1に漸近させることにより、無音又は雑音期間と判断された直後に音声が入力された場合などにより確実に利得制御を行うことができる。
例えば無音時には、前回の有音時における利得係数を保持することも考えられるが、保持する利得係数が1より大きいものであると、無音時に利得係数Gを増大させなくとも、同様にクリッピングが生じる場合がある。これに対し、本実施の形態においては、特に、無音又は雑音期間と判断されると利得係数Gを1に漸近させることで、急に大きな信号が入力された場合であってもAGC回路1の出力波形をクリッピングさせることを防止する効果が大きい。
図3は、入力信号x、出力信号y、及び利得制御部13によって利得制御される利得係数Gを示す模式図である。ここでは、入力信号xが例えば無音であって閾値TH2より小さいと判断され、利得係数Gが1になっている。この場合、無音の状態が続いても利得係数Gは増大することなく、1のまま維持される。そして、あるタイミングで音声が入力されても、利得係数Gは1であるため、装置が許容する上限レベルHL、下限レベルLLを出力信号yが上回ることなく、適切に利得制御が実行される。
図4は、入力信号x及び出力信号yに対する利得係数Gの変動を示す模式図である。図4に示すように、入力信号xが閾値TH2未満の間は利得係数Gは1である。これはすなわち、出力信号yがTH2までの間である。入力信号xのレベルが閾値TH2を上回ると、出力信号yの平均レベルが閾値TH2を超えるまでは利得係数Gは増加する。ここで利得係数の最大増加幅をGmaxとすると、入力信号xがTH2より大きくなった時点で出力信号yがTH2を超えるまで利得係数GはGmaxで増大し、出力信号yがTH1のレベルに達すると減少を始める。
以上説明したように本実施の形態にかかるAGC回路は、2つの閾値を利用して、小信号入力時に大信号入力時とは異なる利得制御を実行する。すなわち、入力信号の平均レベルが第1の閾値より大きい場合には、出力信号が一定になるよう利得を制御し、入力信号の平均レベルが第1の閾値より小さい場合には、利得が所定の値に漸近するよう制御するため、入力信号のレベルによらず、適切な利得制御を行うことができる。これにより、入力信号が急激なレベル変動をする場合において出力がクリッピングすることを防止できる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、レベル検出部11は、出力信号yの絶対値を求めるものとして説明したが、これに限らず、例えば二乗回路等を使用してレベル抽出するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、利得係数制御などの処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の伝送媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。
本発明の実施の形態にかかるAGC回路を示すブロック図である。 本発明の実施の形態にかかる利得制御方法を示す図である。 本発明の実施の形態にかかるAGC回路の入力信号x及び出力信号yと、利得制御部によって利得制御される利得係数Gとを示す模式図である。 入力信号x及び出力信号yと利得係数Gとの関係を示す模式図である。 従来のAGC回路を示すブロック図である。 従来の利得制御方法を示す図である。 従来のAGC回路の入力信号x及び出力信号yとこれらにより制御された利得係数Gとを示す模式図である。 従来のAGC回路において、クリッピングが生じる場合の一例を示す図である。
符号の説明
11,111 レベル検出部
12,112 平均値化部
13,113 利得制御部
14,114 乗算器

Claims (6)

  1. 入力信号及び/又は出力信号のレベルが所定の閾値より小さいか否かを判定し、前記所定の閾値より小さい場合には、利得を所定の値に漸近するよう制御する自動利得制御装置。
  2. 出力信号のレベルからその平均レベルを求める平均レベル算出部と、
    前記平均レベル及び第1の閾値に基づき利得を制御する利得制御部と、
    入力信号及び前記利得制御部から出力された利得に基づき前記出力信号を出力する出力部とを有し、
    前記利得制御部は、前記平均レベルが前記第1の閾値より小さいか否かを判定し、前記第1の閾値より小さい場合に前記利得を所定の値に漸近するよう制御する自動利得制御装置。
  3. 前記利得制御部は、前記平均レベルが前記第1の閾値より大きい場合は、前記第1の閾値より大きい第2の閾値に基づき前記利得を制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の自動利得制御装置。
  4. 前記第1の閾値及び前記第2の閾値は外部から供給される
    ことを特徴とする請求項2記載の自動利得制御装置。
  5. 入力信号のレベルが所定の閾値より小さいか否かを判定し、前記所定の閾値より小さい場合に利得を所定の値に漸近するよう制御する自動利得制御方法。
  6. 入力信号の平均レベルを求め、
    前記平均レベルが第1の閾値より小さいか否かを判定し、
    前記平均レベルが前記第1の閾値より小さい場合は、所定の値に漸近するよう前記利得を制御し、
    前記平均レベルが前記第1の閾値より大きく、前記第1の閾値より大きい第2の閾値より小さい場合には、前記利得が大きくなるよう制御し、
    前記平均レベルが前記第2の閾値より大きい場合には、前記利得が小さくなるよう制御する自動利得制御方法。
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