JP2006332171A - 位置計測方法、この位置計測方法を実施する位置計測装置、この位置計測方法を使用するデバイス製造方法 - Google Patents

位置計測方法、この位置計測方法を実施する位置計測装置、この位置計測方法を使用するデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度のフォーカス計測とアライメント計測を行うことが可能な位置計測方法を提供すること。
【解決手段】回路パターンデータ等に基づいて、FIAセンサ30の計測視野VF内にアライメントマークを位置させた状態(第1の位置関係)でスリット像SIをウエハW上に投影させたとき、このスリット像SIの投影位置にフォーカス計測に支障をきたす回路パターンが存在するか否かをチェックし、存在する場合には、第1の位置関係から、XYステージ17をXY平面内で移動させて、所定方向に所定量ずれた位置関係である第2の位置関係にし、フォーカス計測に支障をきたす回路パターンが存在しないようにする。この状態でフォーカス計測を行い、合焦操作をし、この合焦状態を維持しつつウエハステージWSTをXY平面内で移動させてアライメントマークが計測視野VF内に位置する第1の位置関係に戻してFIA計測を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウエハ上の区画領域である、各ショット領域近傍にそれぞれ形成されたアライメントマークの位置計測(アライメント計測)において、これら全てのアライメント計測を同一のフォーカス状態で実施することにより、計測精度の向上を図った、位置計測方法、この位置計測方法を実施する位置計測装置、この位置計測方法を使用するデバイス製造方法に関する。
半導体デバイスや液晶表示デバイスを、リソグラフィ技術を用いて製造する際には、パターンが形成されたマスクとしてのレチクルに露光用照明光(露光光)を照射し、このパターンの像を、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布された半導体ウエハやガラステンプレート等の感光性基板上に投影露光する露光装置が使用されている。
このような露光装置では、一般に複数の異なったレチクル上に描かれた回路パターンをウエハ上に順次重ねて露光するため、露光に先立ち、レチクルのウエハステージ座標系に対する位置関係を精度良く求めてレチクルとウエハ(ウエハの各ショット領域内の回路パターン)とのアライメント(位置合わせ)を正確に行う必要がある。このアライメントを行うため、例えば露光装置に装着されているアライメントセンサによりウエハ上に形成されているアライメントマークの位置を検出しており、これによりウエハ上の各ショット領域の正確な位置を検出している。
このアライメントセンサの一つとして、例えば、ウエハ上に形成されたアライメントマークにハロゲンランプなどを光源とする波長帯域幅の長いブロードバンド光(感光剤が感光しない帯域の光)を照射する一方、該アライメントマークからの反射光をCCDカメラで撮像し、その画像信号に画像処理を施してアライメントマークの位置を計測する、ウエハアライメントセンサの一種である、FIA(Field Image Alignment)センサが知られている。
このFIAセンサでアライメントマークを撮像する際には、予めCCDカメラの撮像面(光電検出素子の受光面)上にアライメントマークの反射光の像が結像するように、フォーカス計測、合焦動作を行う必要がある。このフォーカス計測、合焦動作は、FIAセンサに内蔵されているアライメント・オート・フォーカス・センサ(ALG−AFセンサ:AFセンサ)により光電検出素子の受光面の位置とウエハ表面からの反射光の結像位置との間のフォーカス方向におけるズレ(変位)量を計測し、このズレ量が零になるようにウエハステージをZ方向(高さ方向:フォーカス方向)に移動させて行う。
上述したAFセンサでは、ウエハの表面と共役な位置に配置されたスリットの像(フォーカス計測光)をウエハ表面のアライメントマークの近傍位置に投影する一方、同じくウエハの表面と共役な位置に配置された光電検出素子(例えばCCDカメラ)の撮像面上にスリットの反射像を結像させて、CCDカメラの出力に信号処理を施し、像の位置を計測してズレ量の計測を行う。
ところで、FIAセンサによるウエハアライメントにおいて、統計的手法を利用した、エンハンスト・グローバル・アライメント(Enhanced Global Alignment:EGA)では、ウエハ上の各ショット領域の近傍に形成されたアライメントマークのうち、所定の複数のショット領域のアライメントマークを選択し、選択したこれらアライメントマークの位置を順次計測してウエハの残存回転誤差、ウエハの線形伸縮、ウエハのオフセットなどを求めウエハの全てのショット領域を位置決めするが(特許文献1,2参照)、この場合、計測対象となる全てのアライメントマークを、同じフォーカス状態で計測しないとアライメントマーク位置の計測結果に誤差が生じる可能性がある。一般にアライメントマーク周辺の高さ分布はウエハ内のいずれのショット領域においても略同じであることが期待されているが、実際にはばらつきがある。また、アライメントマークがFIAセンサの計測視野に入るまでの二次元平面(XY平面)内におけるウエハステージ移動経路はショット領域毎に異なる。したがって、アライメントマーク間でFIAセンサの計測条件が一定になるようにアライメントマークがFIAセンサの計測(検出)視野内に入った状態でAFセンサによりウエハ上に投影されたAFスリット像の計測、調整(フォーカス計測、合焦動作)を行うことが望ましい。すなわち、アライメントマーク毎に、アライメントマークがFIAセンサの計測視野内に入るようにウエハステージをXY方向に移動させた後、アライメント計測を行う直前にフォーカス計測及び合焦動作を行うことが望ましい。
特開昭61−44429号公報 特開昭62−84516号公報
ところで、ウエハ上のスリット像(フォーカス計測光)の投影位置に既に露光転写された回路パターン(下地パターン)等が存在している場合(下地パターン上に重ねてスリット像を投影する場合)にあっては、AFセンサのCCDカメラ上に結像される像がこの下地パターン等によって影響を受けて変形するおそれがある。このような像の変形は正確な位置計測に悪影響を与えるばかりか、変形の程度によっては信号処理自体に失敗することもある。
そこで、FIAセンサの計測視野内にアライメントマークが位置する状態であって、ウエハ上のスリット像の投影位置に既に下地パターンが存在する場合にあっては、ウエハステージをXY方向に移動させてAFスリットの投影位置に下地パターン等が存在しない場所(下地パターン等を避けた場所)を探し、この場所でフォーカス計測を行い、この計測結果に基づいてウエハステージをフォーカス方向に移動調整した後、このフォーカス調整状態を維持しつつウエハステージをXY方向に移動させFIAセンサの計測視野内にアライメントマークが位置する元の位置に戻して、FIAセンサによりアライメント計測を行う必要がある。
しかし、フォーカス計測時に下地パターン等を避ける、このような操作を行うことは、全てのアライメントマーク計測を同一のフォーカス状態で行うという要請に反することになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、フォーカス計測を行う位置とアライメント計測を行う位置との相対関係を全てのアライメント計測において同一にすることにより、全てのアライメントマーク計測を同一のフォーカス状態で行うという要請を満たし、高精度のフォーカス計測とそれに続く高精度のアライメント計測を行うことが可能な位置計測方法と、この位置計測方法を実施する位置計測装置及び位置計測方法を利用したデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する、本発明の位置計測方法は、二次元平面内を移動可能な物体(例えば基板としてのウエハ)上に形成された複数のマーク(例えばアライメントマーク)の、該二次元平面内における位置情報のそれぞれを、所定の計測視野(例えば光電検出素子としてのCCDカメラの計測視野VF)を介して光電検出された該各マークに対応するマーク信号に基づいて計測する位置計測方法であって、前記物体を前記二次元平面内で移動させることにより、前記複数のマークのうちの計測すべきマークが前記計測視野内に存在する第1の位置関係(例えば図10を参照)と、該マークと該計測視野とが前記第1の位置関係から所定量だけ所定方向にずれた位置関係である第2の位置関係(例えば図11を参照)と、をそれぞれ設定可能であり、前記物体が前記第2の位置関係に設定されている時に、前記物体に対してフォーカス計測光(例えばスリット像SI:図10,11等を参照)を投射して、前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて前記物体のフォーカス位置を調整する第1工程(例えば図1のステップS108を参照)と、前記第1工程後に、前記第1工程で調整されたフォーカス状態を維持しつつ、前記第1の位置関係となるように前記物体を前記二次元平面内で移動させる第2工程(例えば図1のステップS109を参照)と、前記第2工程後に、前記第1の位置関係に設定された前記物体上に形成された前記マークの、前記二次元平面内での位置情報を計測する第3工程(例えば図1のステップS110を参照)と、を有し、前記複数のマークのうちの前記位置情報を計測すべきマークの全てに対して、前記第1工程から前記第3工程までの動作を順次行って、前記位置情報を計測することを特徴とする(請求項1)。
請求項1に記載の位置計測方法において、前記第1工程を行う前に、前記物体を前記二次元平面内で移動させて前記第1の位置関係に設定した上で、前記物体に対して前記フォーカス計測光を投射して前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測する事前計測工程(例えば図3のステップS201,S202を参照)と、前記事前計測工程で得られた前記フォーカス状態の計測結果に基づいて、前記フォーカス計測光が投射される前記物体上の領域が、該フォーカス状態の計測に適切な領域であるか否かを識別する識別工程(例えば図3のステップS203を参照)と、を有し、前記識別工程によって前記領域が適切な領域で無いと識別されると、前記第1工程から前記第3工程を行うシーケンス(例えば図3のステップS210、S212、S213、S214を参照)によって前記マークの前記二次元平面内の位置情報の計測を行うようにしてもよい(請求項2)。
請求項2に記載の位置計測方法において、前記第1工程で設定される前記第2の位置関係としては、複数の位置関係を設定可能であり、前記第1工程において、前記フォーカス計測光が投射される前記物体上の領域が、前記フォーカス状態の計測に適切な領域であると識別されるまで、前記位置関係の変更動作と前記フォーカス状態の計測動作とを繰り返す(例えば図3のステップS210,S211を参照)ようにしてもよい(請求項3)。
請求項1に記載の位置計測方法において、前記物体が前記第1の位置関係に設定されている時に、前記物体に対してフォーカス計測光を投射して、前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて前記物体のフォーカス方向の位置を調整するフォーカス調整工程(例えば図5のステップS303を参照)と、前記フォーカス調整工程後に、前記第1の位置関係に設定されている前記物体上に形成された前記マークの、前記二次元平面内の位置情報を計測する位置計測工程(例えば図5のステップS304を参照)と、を有し、前記計測すべきマーク毎に、前記フォーカス調整工程と前記位置計測工程とを順次行っていた場合において、前記フォーカス状態の計測結果に異常が生じた場合(例えば図5のステップS302でYESの判断を参照)には、前記第1工程から前記第3工程を行うシーケンス(例えば図5のステップS307乃至S315を参照)によって前記マークの前記二次元平面内の位置情報の計測を行うようにしてもよい(請求項4)。
請求項4に記載の位置計測方法において、前記フォーカス状態の計測結果に異常が生じた場合には、前記複数のマークのうちの前記位置情報を計測すべきマークの全てに対して、前記第1工程から前記第3工程までの動作を順次行って、前記位置情報を計測し直すようにしてもよい(例えば図5のステップS312を参照:請求項5)。
また、上記目的を達成する、本発明の別の位置計測方法は、二次元平面内を移動可能な物体(例えば基板としてのウエハ)上に形成された複数のマーク(例えばアライメントマーク)の、該二次元平面内における位置情報のそれぞれを、所定の計測視野(例えば光電検出素子としてのCCDカメラの計測視野)を介して光電検出された該各マークに対応するマーク信号に基づいて計測する位置計測方法であって、前記位置情報の計測を行う前に、前記物体に対してフォーカス計測光(例えばスリット像SI)を投射して、前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測し(例えば図3のステップS202を参照)、前記フォーカス状態の計測結果に基づいて、前記計測結果に異常が生じているか否かを判別し(例えば図3のステップS203を参照)、前記判別結果に基づいて、前記フォーカス状態の検出手法が互いに異なる第1計測シーケンス(例えば図3のステップS210、S211、S212、S213、S214を参照)、第2計測シーケンス(例えば図4のステップS204、S205、S206を参照)のうちの何れか一方の計測シーケンスを選択実行することを特徴とする(請求項6)。
請求項6に記載の位置計測方法において、前記物体を前記二次元平面内で移動させることにより、前記複数のマークのうちの計測すべきマークが前記計測視野内に存在する第1の位置関係(例えば図11を参照)と、該マークと該計測視野とが前記第1の位置関係から所定量だけ所定方向にずれた位置関係である第2の位置関係(例えば図12を参照)とをそれぞれ設定可能であり、前記第1計測シーケンスは、前記物体が前記第2の位置関係に設定されている時に、前記物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて前記物体のフォーカス位置を調整する第1工程(例えば図3のステップS210、S211、S212を参照)と、前記第1工程後に、前記第1工程で調整されたフォーカス状態を維持しつつ、前記第1の位置関係となるように前記物体を前記二次元平面内で移動させる第2工程(例えば図3のステップS213を参照)と、前記第2工程後に、前記第1の位置関係に設定された前記物体上に形成された前記マークの、前記二次元平面内での位置情報を計測する第3工程(例えば図3のステップS214を参照)と、を有し、前記第2計測シーケンスは、前記物体が前記第1の位置関係に設定されている時に、前記物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて前記物体のフォーカス方向の位置を調整する第4工程(例えば図3のステップS201、S202と図4のステップS204を参照)と、前記第4工程後に、前記第1の位置関係に設定されている前記物体上に形成された前記マークの、前記二次元平面内の位置情報を計測する第5工程(例えば図4のステップS205を参照)と、を含み、前記計測結果に異常が生じていると判別された場合(例えば図4のステップS209を参照)には、前記第1計測シーケンスが選択実行されるようにしてもよい(請求項7)。
また、上記目的を達成する、本発明のデバイス製造方法は、デバイスパターンが形成されているマスクと、該デバイスパターンが転写される複数の区画領域を備えた基板とを用意する工程と、請求項1乃至7の何れかに記載の位置計測方法を用いて計測された位置情報に基づいて、前記マスクのパターン像の投影位置と前記基板上の前記複数の区画領域の各々とを順次位置合わせする工程と、前記位置合わせされた前記各区画領域上に、前記デバイスパターンを順次転写する工程と、を含むことを特徴とする(例えば図13を参照)。
また、上記目的を達成する、本発明の位置計測装置は、二次元平面内を移動可能な物体上に形成された複数のマークの、該二次元平面内における位置情報のそれぞれを、所定の計測視野を介して光電検出された該各マークに対応するマーク信号に基づいて計測する位置計測装置であって、前記位置情報の計測を行う前に、前記物体に対してフォーカス計測光を投射して、前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測する計測系(例えばAFセンサ60を参照)と、前記フォーカス状態の計測結果に基づいて、前記計測結果に異常が生じているか否かを判別する判別手段(例えば主制御系50を参照)と、前記判別結果に基づいて、前記フォーカス状態の検出手法が互いに異なる第1、第2計測シーケンスのうちの何れか一方の計測シーケンスを選択実行する制御手段(例えば主制御系50を参照)と、を有することを特徴とする(請求項9)。
本発明の位置計測方法によれば、位置情報を計測すべきマークが計測視野内に存在する第1の位置関係と、該マークと該計測視野とが第1の位置関係から所定量だけ所定方向にずれた位置関係である第2の位置関係とにそれぞれ設定可能で、物体が第2の位置関係に設定されている時に二次元平面と直交するフォーカス方向における物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて物体のフォーカス位置を調整し、この後調整されたフォーカス状態を維持しつつ、第1の位置関係となるように物体を二次元平面内で移動させ、次いで第1の位置関係に設定された物体上に形成されたマークの、二次元平面内での位置情報を計測するようにしており、位置情報を計測すべきマークの全てに対して、これら動作を順次行って、マークの位置情報を計測するようにしてあるので、すなわち、フォーカス計測を行う位置とアライメント計測を行う位置との相対位置関係を全てのアライメント計測において同一にするようにしてあるので、全てのアライメントマーク計測を同一のフォーカス状態で行うことが可能となり、高精度のフォーカス計測とそれに続く高精度のアライメント計測を行うことが出来る。
また、本発明の別の位置計測方法によれば、マークの位置情報の計測を行う前に、物体に対してフォーカス計測光を投射して、二次元平面と直交するフォーカス方向における物体のフォーカス状態を計測し、フォーカス状態の計測結果に異常が生じているか否かを判別し、この判別結果に基づいて、フォーカス状態の検出手法が互いに異なる第1計測シーケンスと第2計測シーケンスのうちの何れか一方の計測シーケンスを選択実行するようにしてあるので、スループット性を低下させることなく、全てのアライメントマーク計測を同一のフォーカス状態で行うことが可能となり、高精度のフォーカス計測とそれに続く高精度のアライメント計測を行うことが出来る。
また、本発明のデバイス製造方法によれば、請求項1乃至7の何れかに記載の位置計測方法を用いて計測された位置情報に基づいて、マスクのパターン像の投影位置と基板上の複数の区画領域の各々とを順次位置合わせするようにしてあるので、高精度の位置合わせが行え、歩留まり向上させることが可能である。
また、本発明の位置計測装置によれば、位置情報の計測を行う前に、物体に対してフォーカス計測光を投射して、二次元平面と直交するフォーカス方向における物体のフォーカス状態を計測する計測系と、フォーカス状態の計測結果に基づいて、計測結果に異常が生じているか否かを判別する判別手段と、判別結果に基づいて、フォーカス状態の検出手法が互いに異なる第1、第2計測シーケンスのうちの何れか一方の計測シーケンスを選択実行する制御手段と、を備えてなるので、スループット性を低下させることなく、全てのアライメントマーク計測を同一のフォーカス状態で行うことが可能となり、高精度のフォーカス計測とそれに続く高精度のアライメント計測を行うことが出来る。
以下、本発明の位置計測方法、該位置計測方法を実施する位置計測装置、該位置計測方法を使用するデバイス製造方法について図1乃至図13を参照して説明する。
まず、本発明の位置計測装置(FIAセンサ30,AFセンサ60等)を備える露光装置10について図6を参照して説明する。
本実施形態においては、露光装置10は、走査型露光装置で、照明系11と、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、基板としてのウエハWが搭載されるウエハステージWST、アライメント系AS及び装置全体を統括制御する主制御系50を有する。図6中、X軸及びZ軸は紙面に並行に設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。
照明系11は、例えば特開平10−112433号公報、特開平6−349701号公報等に開示されるように、光源、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ又はロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)等を含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド及びダイクロックミラー等(いずれも不図示)を有する。この照明系11は、回路パターン等が描かれたレチクルR上のレチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域部分を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。
照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、Fレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)等が使用される。
レチクルステージRST上には、レチクルRが例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えば磁気浮上型の2次元リニアアクチュエータからなるレチクルステージ駆動部12により、レチクルRの位置決めのため、照明系11の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXと一致)に垂直なXY平面内で微小駆動可能であると共に、所定の走査方向(例えばY軸方向)に設定された走査速度で駆動可能になっている。さらに本実施形態の磁気浮上型の2次元リニアアクチュエータは、X軸駆動コイル、Y軸駆動コイルに加え、Z軸駆動コイルを備えており、レチクルステージRSTをZ軸方向にも微小駆動可能になっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、レチクル干渉計という)13により、移動鏡14を介して例えば0.5nm〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計13からのレチクルステージRSTの位置情報は、主制御系50の位置演算部51、ステージ制御系52を介して制御部53に供給される。位置演算部51ではレチクル干渉計13からの位置情報に基づいてレチクルステージRSTのステージ移動面内での位置を求め、これを制御部53に送る。ステージ制御系51では、制御部53からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部12を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
レチクルRの上方には、図示しないが、一対のレチクルアライメント系が配置されている。この一対のレチクルアライメント系は、照明光ILと同じ波長の照明光にて計測対象のマークを照明するための落射照明系と、その計測対象のマークの像を撮像するためのアライメント顕微鏡等をそれぞれ備えて構成される。アライメント顕微鏡は結像光学系と撮像素子とを備え、アライメント顕微鏡による撮像信号は主制御系50に供給される。レチクルRからの計測光をレチクルアライメント系に導くための不図示のミラーが移動自在に配置されていて、露光シーケンスが開始されると、主制御系50からの指令により不図示の駆動装置によりミラーはそれぞれレチクルアライメント系と一体的に照明光ILの光路外に退避させられる。
投影光学系PLは、レチクルステージRSTの下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向に沿っている。投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックな縮小系が用いられる。投影光学系PLの投影倍率は例えば1/4、1/5あるいは1/6等である。照明系11からの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、このレチクルRを通過した照明光により投影光学系PLを介して照明領域内のレチクルR上の回路パターンの縮小像が表面にフォトレジストを塗布したウエハW上に形成される。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方で不図示のベース上に配置される。このウエハステージWST上にウエハホルダ16が載置され、このウエハホルダ16上にウエハWが例えば真空吸着等により固定される。
ウエハホルダ16は、不図示の駆動部により投影光学系PLの光軸AXに直交する面に対し任意の方向に傾斜可能で且つ投影光学系PLの光軸AX方向(Z軸方向)にも微動可能な構成になっている。また、ウエハホルダ20は光軸AX回りの微小回転動作も可能になっている。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの光軸に垂直な面内でウエハWを2次元的に位置決めするXYステージ17、投影光学系PLの光軸に平行な方向(Z軸方向)にウエハWを位置決めするZステージ18、及びウエハWを微小回転させる不図示のステージにより構成される。
ウエハステージWSTは走査方向(例えばY軸方向)の移動のみならず、ウエハWの複数のショット領域を前記照明領域と共役な露光領域に位置させることができるように走査方向の直交する非走査方向(例えばX軸方向)にも移動可能、すなわちXY平面内において移動可能に構成されており、ウエハW上の各ショット領域を走査(スキャン)露光する動作と、次のショット領域の露光のための加速開始位置まで移動する動作を繰り返すステップ・アンド・スキャン動作を行う。ウエハステージWSTは例えばリニアモータ等を含むウエハステージ駆動部20によりXY2次元方向に駆動される。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置は、その上面に設けられた移動鏡系(走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡と、非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有するX反射鏡とを備える)21を介してウエハ干渉計系(Y移動鏡に垂直に干渉計ビームを照射するY干渉計と、X移動鏡に垂直に干渉計ビームを照射するX干渉計とを備える)22によって例えば0.5nm〜1nm程度の分解能で常時検出される。
ウエハステージWSTの移動位置を定めるための静止座標系(直交座標系又はステージ座標系)はウエハ干渉計21のY干渉計及びX干渉計の測長軸によって決まる。
ウエハステージWSTのステージ座標系上における位置情報(又は速度情報)は、位置演算部51、ステージ制御系52を介して制御部53に供給される。位置演算部53ではウエハ干渉計23からの位置情報に基づいてウエハステージWSTのXY平面内の位置を演算処理して求め、この演算結果を制御部53に送る。ステージ制御系52では制御部53の指示に応じ、ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハステージ駆動部20を介してウエハステージWSTを制御する。
また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、不図示の基準マーク板が配置されている。この基準マーク板の表面は、ウエハWの表面と同じ高さに設定され、この表面には後述するウエハアライメント系のベースライン計測用の基準マーク、レチクルアライメント用の基準マーク及びその他の基準マークが形成される。
投影光学系PLの側面には、オフアクシス方式のウエハアライメント系が設けられる。このウエハアライメント系としては、FIA(Field Image Alignment)センサ30が使用される。このFIAセンサ30では、ブロードバンド光を発生するハロゲンランプ等の光源31からの照明光ILが、コリメータレンズ32によって平行光に変換され、ハーフプリズム33で反射された後、さらにミラー34で反射されて対物レンズ35に至り、該対物レンズ35により集光されて、ウエハW上のアライメントマークAM1、AM2(図6、図9等を参照)を照明する。照明光ILがアライメントマークAM1、AM2を照明すると、このアライメントマークAM1、AM2からの反射光が対物レンズ35を介してミラー34に入射し、該ミラー34よって反射されて、ハーフプリズム33を透過してレンズ36を介してミラー37に入射する。ミラー37に入射した反射光は、その光軸が折り曲げられて、Z軸方向へ進み、レンズ系38によって指標板39上に結像される。この指標板39には、アライメントマークAM1、AM2の位置情報を計測する際の基準となる指標マーク(図示せず)が形成されており、この指標マークは不図示の赤外光源(LED)からの赤外光により照明される。指標板39は対物レンズ35とレンズ系38によってウエハWと光学的に共役関係に配置される。ウエハWのアライメントマークAM1、AM2の反射光像と指標マークの像は、リレーレンズ系40,41,42及びハーフプリズム43を介して、光電検出素子であるCCDカメラ44,45及び不図示の指標用カメラ(CCDカメラ)の撮像面にそれぞれ結像される。すなわち、リレーレンズ系40からの光は、その一部がハーフプリズム43で反射されてリレーレンズ系41を介してアライメントマークAM1を撮像するX軸計測用CCDカメラであるCCDカメラ44の撮像面に導かれ、また他の部分がハーフプリズム43を通過してリレーレンズ系42を介してアライメントマークAM2を撮像するY軸計測用CCDカメラであるCCDカメラ45の撮像面に導かれる。
CCDカメラ44,45及び指標用カメラは撮像面に結像した光学像を電気信号に変換(光電変換)し、これを画像信号(マーク信号)として主制御系50の位置演算部51に送る(出力する)。
位置演算部51では、CCDカメラ44,45から出力されたマーク信号に種々の信号処理を施してアライメントマークAM1、AM2の位置情報を演算して求め、これらアライメントマークAM1、AM2の位置情報を制御部53に出力する。以上の、照明光ILでウエハW上のアライメントマークAM1,AM2を照明してからアライメントマークAM1,AM2の位置情報を算出するまでの動作を「FIA計測」と称す。ステージ制御系52では、制御部53からの指令に基づいて駆動系20を介してウエハステージWSTを駆動する。主制御系50では、上述したレチクルアライメント系とウエハアライメント系からの位置情報に基づいて、レチクルRとウエハWの各ショット領域との位置合わせ(アライメント)を行う。この後、露光光ELをレチクルRに照射してレチクルRに形成された回路パターンの像を投影光学系PLを介してウエハW上の各ショット領域上に順次転写して露光処理が行われる。
上述したFIAセンサ30には、瞳分割方式のALG−AFセンサ(以下AFセンサと記す)60が内蔵されており、このAFセンサ60によりアライメントマークAM1,AM2の計測前に、CCDカメラ43,44の撮像面(受光面)の位置と、ウエハWの表面位置との間の、フォーカス方向におけるズレ量を計測(フォーカス計測を実行)する。
AFセンサ60によるズレ量の計測信号(フォーカス計測信号)は主制御系50の位置演算部51、ステージ制御系52を介して制御部53に送られる。制御部52では、AFセンサ60からの計測信号に基づいて駆動系21を介してウエハステージWST(Zステージ18)をZ方向に移動させて、FIAセンサ30の合焦操作を行う。
AFセンサ60は、フォーカス計測光としてのスリット像SI(図9等を参照)を異なる2方向からウエハW上に斜入射投影させて、それらのスリット像SIを1つのCCDカメラ61(AFセンサ60)で受光するように構成したものである。
本実施形態では、AFセンサ60は、独立した2つの送光系63と2つの受光系62とを備え、2つの方向から各スリット像SIをウエハWの一点に照射する一方、該一点から2つの方向に分岐した反射光を受光しているが、2つの光軸は瞳の位置で結合されている。このように2つの送光系63と2つの受光系62を備え、2つの方向から光を一点に照射し、該一点から2つの方向に反射光を分岐しているのは、AFセンサ60の位置が仮に移動した場合であっても、スリット像を採取してズレ量を正確に計測することができるからである。
次に、送光系(照明系)63と受光系62の内容について図7、図8を参照して説明する。
FIA30の光源31から分岐した一部の照明光ILが、図7に示すように、送光部63の光ファイバからなるライトガイド64a、64bを介して2つに分割され、この分割された照明光ILが、それぞれ照明コンデンサレンズ65a、65bを介してマルチスリット66a、66bを通ってスリット光となり、この2つのスリット光が、さらに送光レンズ67a、67b、プリズム68a、68b、69a、69b及びスリット合成レンズ70を介して2方向からウエハWの表面の適宜箇所に重ねて照明され、ウエハWの表面の適宜箇所に2つのスリット像SI(図9を参照)が重ねて投影される。
図9はウエハWの表面に投影されたスリット像SIを示している。このスリット像SIは、ショット領域SH間のストリートラインSL上に形成されている位置計測用パターンAM1、AM2の近傍に投影される。スリット像SIを位置計測用パターンAM1、AM2の近傍に投影するのは、FIAセンサ30(CCDカメラ44,45)の計測視野VF内に位置計測用パターンAM1、AM2が入った状態でフォーカス計測、合焦動作を行うためであり、これによりFIAセンサ30が合焦した状態(ピントが合った状態)で位置計測用パターンAM1、AM2を計測することができるからである。
ウエハW上に重ね合わせて投影された2つのスリット像SIの反射光は、図8に示すように、2つに分割されてそれぞれスリット合成レンズ70、プリズム69a、69b、68a、68b、送光レンズ67a、67bと送光の光路と同じ光路を通り、さらに受光系62のプリズム71a、71b、72a、72bにより光路が屈曲されて、CCDカメラ61の受光面上に撮像され、光電変換されて撮像信号(計測信号)となる。この撮像信号は上述の如くCCDカメラ61から位置演算部51、ステージ制御系52を介して制御部53に送られ、位置演算部51で2つのスリット像の間隔からズレ量を零にする、Zステージ18の移動量(光軸方向の移動量)が演算され、この演算結果が制御部53に送られる。ステージ制御系52では制御部53からの指令に基づいて駆動系50を制御し、Zステージ18をフォーカス方向(Z方向)に駆動して合焦操作を行う。
ウエハW上に投影されるスリット像SIは、図9に示すように、ウエハWのショット領域SH間のストリートラインSLに対し、又は該ストリートラインSLに沿って(並行に)形成されたアライメントマークAM1,AM2に対して、例えば30度(60度)の角度で傾斜している。
図10に示すように、計測視野VF内にアライメントマークAM1、AM2が位置する第1の位置関係において、アライメントマークAM1、AM2の近傍にスリット像SIを投影させたとき、このスリット像SIの大部分がウエハWに既に転写されたパターンPに重なる場合、ウエハW上のパターンPが既に転写されている箇所が他の箇所に比して反射率が大きく異なることから、この箇所から反射したスリット像SIを光電検出して得られた信号は図12(a)に示すように変形が大きく、計測誤差を誘発するおそれが大きい。
そこで、計測視野VF内にアライメントマークAM1、AM2が位置する、上述した第1の位置関係から、ウエハステージWST(XYステージ17)をXY平面内で移動させて、図11に示すように、計測視野VFとアライメントマークAM1、AM2が所定方向に所定量ずれた位置関係である第2の位置関係(計測視野VFからアライメントマークAM1、AM2が外れた位置関係)にすると、スリット像SIはパターンPから外れて重ならない箇所に投影されるようになる。このような場合、この箇所から反射したスリット像SIを光電検出して得られた信号は図12(b)に示すように何ら変形せず、この信号波形に基づいて高精度なフォーカス計測が可能となる。
上述した第2の位置関係にXYステージ17を移動させる、移動量(ステップ量)は、大きいほど移動にかかる時間が長くなり(スループット性が低下し)、また観察するウエハW表面の高さが変化してフォーカス精度が低下するおそれがあるので、なるべく小さい方が望ましい。すなわち、XY方向への移動にかかる時間及びウエハWの表面高さの違いによる誤差の発生を最小限に抑えるためには、ステップ量を可及的に小さくすることが望ましい。スリット像SIは、図9、図10等に示すように、ウエハW上の広い面積を平均的に計測するために非計測方向(図9参照)に長い形状にしてある。したがって、最小のステップ量でスリット像SIが全く異なる位置に投影するようにするには、スリット像SIの短辺方向(計測方向)にスリット像SIの全体の幅の分だけ移動させるようにすればよい(図11参照)。さらに、後述するように、アライメントマークAM1又はAM2がFIAセンサ30の計測視野VF内の中心にどこまで接近したらフォーカス計測を行うかの閾値を加えるようにしてもよい。AFセンサ60は、上述したように、斜め入射方式のフォーカスセンサでもあるので、デフォーカスによりスリット像SIのウエハW上の投影位置も変化していく(図8参照)。そこで、デフォーカス時の投影位置の変化量もステップ量に加算してもよい。この変化量は、後述する予測されるデフォーカス量に斜入射による光軸の傾きを乗じることで算出することができる。ステップ量は自動計算してもよいし、あるいはオペレータが算出して入力するようにしてもよい。
次に、上述した位置計測装置(FIAセンサ30、AFセンサ60)を使用した、本発明の位置計測方法の第1の実施態様について図1、図2を参照して説明する。
本第1実施態様では、回路パターンデータ等に基づいて、FIAセンサ30(CCDカメラ44,45)の計測視野VF内にアライメントマークAM1,AM2を位置させた状態(第1の位置関係)でスリット像SIをウエハW上のアライメントマークAM1,AM2の近傍箇所に投影させたとき、このスリット像SIの投影位置にフォーカス計測に支障をきたす回路パターンが存在するか否かをチェックするようにしている。
存在する場合(例えば図10に示す場合)には、上述した第1の位置関係から、ウエハステージWST(XYステージ17)をXY平面内で移動させて、計測視野VFとアライメントマークAM1又はAM2が所定方向に所定量ずれた位置関係である、上述した第2の位置関係(例えば図11に示す状態)にして、スリット像SIの投影位置にフォーカス計測に支障をきたす回路パターンが存在しないようにし、この状態でフォーカス計測を行い、次いでこのフォーカス計測結果に基づいてウエハステージWST(Zステージ18)をフォーカス方向(Z軸方向)に移動調整して、FIAセンサ30の合焦操作をし、この合焦状態を維持しつつウエハステージWSTをXY平面内で移動させてアライメントマークAM2が計測視野VF内に位置する第1の位置関係に戻してアライメント計測を行う。
スリット像SIの投影位置にフォーカス計測に支障をきたす回路パターンが存在しない場合には、第1の位置関係でフォーカス計測、合焦操作を行った後、アライメント計測を行う。
すなわち、本第1実施態様では、回路パターンデータ等に基づいて、フォーカス計測に支障をきたす回路パターンが存在するか否かを事前にチェックし、存在する場合には、これを避けるように、全てのアライメントマークAM1,AM2において、一旦第1の位置関係から第2の位置関係にし、次いで第1の位置関係に戻す操作を行う。存在しない場合には全てのアライメントマークAM1,AM2において、第1の位置関係でフォーカス計測、合焦操作を行い、続いてアライメント計測を行うようにしている。
換言すると、アライメントマークAM1,AM2の全てにおいて、フォーカス計測に支障をきたす回路パターンが存在してこれを避けなければならない場合には、全て避けるようにして、フォーカス計測を行う位置とアライメント計測を行う位置の相対関係を同一にすることで、全てのアライメント計測を同一のフォーカス状態で計測するという要請を満たすようにしている。
図1、図2を参照して、これを具体的説明すると、先ず、ステップS100において、ウエハWを図示しないウエハローダによりウエハステージWST上のウエハホルダ16にロードする。
ステップS101において、回路パターンデータ等に基づいて、第1の位置関係(好ましくは計測視野VFの中心にアライメントマークAMが配置される状態)で、スリット像SIの投影位置にフォーカス計測に支障きたす回路パターン、例えば既に露光転写した下地パターンPが存在するか否かのチェックをする。
ステップS102において、支障きたす回路パターンが存在しないと判断された場合にはステップS103に移行し、存在すると判断された場合(例えば図10に示すような下地パターンPが存在する場合)にはステップS108に移行する。
ステップS103において、ウエハステージWST(XYステージ17)を移動して、FIAセンサ30の計測視野VF内にアライメントマークAM1又はAM2が位置する第1の位置関係にし、次いでステップS104において、第1の位置関係の下でフォーカス計測を行い、この計測結果に基づいて合焦操作を行い、ステップS105において、アライメントマークAM1又はAM2を撮像してアライメント計測を実行する。
ステップS106において、全てのアライメントマークAM1又はAM2についてアライメント計測が終了したか否かが判断され、終了した場合(YESの場合)にはアライメント計測を終了する。図示しないが、このアライメント計測の結果に基づいてウエハステージWSTを移動して位置合わせ(ウエハアライメント)を行い、続いてレチクルRの回路パターンをウエハWの各ショット領域に順次露光転写する露光操作を行う。終了しない場合(アライメント計測を続行するNOの場合)には、ステップS107において、XYステージ17を移動してFIAセンサ30の計測視野VF内に新たなアライメントマークAM1又はAM2を位置させ(第1の位置関係にし)、ステップS104に戻り、ステップS104からステップS105、次いでステップS106を繰り返す。
一方、ステップS108においては、フォーカス計測光としてのスリット像SIの投影位置が下地パターンP上に位置しないように(重ならないように)、ウエハステージWST(XYステージ17)を一定距離移動させて、計測視野VFとアライメントマークAM1又はAM2が所定方向に所定量ずれた位置関係である第2の位置関係(例えば図11に示す状態)にし、この状態でスリット像SIをウエハWに投影し、フォーカス計測を行い、このフォーカス計測結果に基づいて、FIAセンサ30の合焦操作を行う。
ステップS109において、上述した合焦状態を維持しつつ、XYステージ17を移動操作して、FIAセンサ30の計測視野VF内にアライメントマークAM1又はAM2が位置する第1の位置関係に戻す。
ステップS110において、FIAセンサ30の計測視野VF内にアライメントマークAM1又はAM2が位置する第1の位置関係でアライメントマークAM1又はAM2を撮像してFIA計測を実行する。
ステップS111において、全てのアライメントマークAM1又はAM2についてFIA計測が終了したか否かが判断され、終了した場合(YESの場合)には、上述した如くFIA計測を終了し、このFIA計測の結果に基づいてウエハアライメントを実行し、露光転写を実行する。終了しない場合(次に計測すべきマークに対するFIA計測を続行する場合、ステップS111の判断がNOの場合)には、ステップS112に移行する。
ステップS112において、次に計測すべきアライメントマークAM1又はAM2に関して上述した第2の位置関係となるようにXYステージ17を駆動してウエハWの位置制御を行い、次いでステップS108に戻り、全てのアライメントマークAM1又はAM2についてFIA計測が完了するまで上述した操作を繰り返す。
本第1実施態様では、上述したように、ステップS102において、フォーカス計測のためのスリット像SIの投影位置に支障きたす回路パターン(下地パターンP)が存在すると判断された場合には、第1計測シーケンスとしての上述したステップS108,S109,S110,S111,S112を実行し、全てのアライメントマークAM1又はAM2において、FIA計測前のフォーカス計測で支障をきたす回路パターンを避けるようにすることで(フォーカス計測を行う第2の位置関係とFIA計測を行う第1の位置関係の相対関係を同一にすることで)、全てのFIA計測を同一のフォーカス状態で計測するという要請を満たすようにしている。また、支障きたす回路パターンが存在しない場合には、第2計測シーケンスとしての上述したステップS103乃至S107を実行する。
図3、図4は本発明の位置計測方法の第2の実施態様を示している。
上述した図1、図2の第1の実施態様では回路パターンデータ等によりフォーカス計測に支障をきたす下地パターンPの位置が事前に分かっている場合を示したが、本第2実施態様では、このようなフォーカス計測に支障をきたす下地パターンPの位置が事前に不明の場合を扱っており、まず上述した第1の位置関係又はアライメントマークAM1又はAM2の近傍でフォーカス計測を実行して、スリット像SIが投射されるウエハW上の領域がフォーカス計測に適切な領域であるか否かを識別する。換言すると、このフォーカス計測結果に異常があるか否かを判定する。そして、異常がある場合(フォーカス計測に適切でない領域の場合)に、上述した第2の位置関係にして再度フォーカス計測を実行し、このフォーカス計測結果の異常の有無を判定し、フォーカス計測結果に異常が生じ無くなるまで上述した第2の位置関係を種々変更する。このようにしてフォーカス計測を繰り返し、異常が存在しないフォーカス計測結果に基づいてZステージ18を駆動制御してFIA30の合焦操作を行い、この合焦状態を維持しつつXYステージ17を移動して、FIAセンサ30の計測視野VF内にアライメントマークAM1又はAM2が位置する第1の位置関係に戻してFIA計測を行うようにしている。ロット内のウエハWの全てで同一の動作となるように、上述した判定はロット先頭のウエハW(例えばウエハWが25枚で1ロットとした場合にあっては最初の1枚目のウエハW)のみで行うことが望ましい。
図3、図4を参照して、これを具体的説明すると、先ず、ステップS200において、ロット先頭のウエハWを図示しないウエハローダによりウエハステージWST上のウエハホルダ16にロードする。
ステップS201において、XYステージ17を移動し、FIAセンサ30の計測視野VF内にアライメントマークAM1又はAM2が位置する第1の位置関係に設定する操作を開始する。
ステップS202において、第1の位置関係になったとき又はアライメントマークAM1又はAM2の近傍でフォーカス計測を実行する。アライメントマークAM1又はAM2の近傍の具体的な量は、例えば、Z方向については、アライメントマークAM1又はAM2間の移動で発生すると予測されるデフォーカス量程度で、これはウエハホルダ16やウエハWの平坦度から決めることが出来、典型的な値は5μm程度である。また、XY方向については、アライメントマークAM1又はAM2がFIAセンサ30の計測視野VF内に入ってからこの計測視野VFの中心にどの程度まで接近したらフォーカス計測を行うかの閾値程度にすればよく、例えば1μm程度である。
ステップS203において、フォーカス計測結果の異常の有無を判断する。異常が無い場合にはステップS204に移行し、異常が有る場合にはステップS210に移行する。フォーカス計測結果を異常と判定する基準として、例えば、計測エラーの発生の有無があり、計測エラーが発生した場合、フォーカス計測結果に異常有りと判定する。この計測エラーには、例えば下地パターンPの存在によりCCDカメラ61により光電変換した計測信号波形(例えば図12(A)参照)が崩れてしまい、計測信号波形から位置計測が行えない場合が含まれる。また、別のフォーカス計測結果の異常の判定基準として、例えば、フォーカス方向(Z軸方向)において複数の位置で計測を行い、この計測結果とウエハステージWSTのZ軸方向の位置の変化との関係(例えば縦軸上にZ方向におけるウエハステージWSTの位置をプロットし、横軸上にCCDカメラ61の出力をプロットして描かれるグラフ)が、下地パターンPが存在しない箇所において、同じようにして求めた、CCDカメラ61の出力とウエハステージWSTのZ軸方向の位置の変化との関係と一致するか否かがあり、一致しない場合にフォーカス計測結果に異常有りと判定する。この判定は、上述したように瞳分割方式のAFセンサ60では、2つのスリット像SIがCCDカメラ61の撮像面上に結像され、両者の間隔の変化がZ方向の変位と比例するので、この比例係数に問題が無いか否かを確認することにより行う。具体的には、上述したアライメントマークAM1又はAM2間の移動で予測されるデフォーカス量に比例係数の変化分を乗じたものが、AFセンサ60に要求される精度を超える場合に異常と判定する。例えば、予測されるデフォーカス量が5μmで、AFセンサ60の要求精度が0.1μmの場合にあっては、0.1/5=2%であるから、比例係数が2%変化したら異常と判定する。
ステップS204においては、ステップS203でフォーカス計測結果に異常がないと判定されているので、このフォーカス計測結果に基づいてFIAセンサ30の合焦操作を行い、ステップS205において、FIA計測を実行し、ステップS206において、FIA計測が完了したか否かを判断し、完了した場合にはFIA計測を終了し、完了していない場合にはステップS207に移行する。ステップS207においては、XYステージ17を移動して、FIAセンサ30の計測視野VF内にこれから計測しようとする新たなアライメントマークAM1又はAM2が位置する第1の位置関係に設定する操作を開始する。そして、ステップS208において、上述したように第1の位置関係又は新たなアライメントマークの近傍でフォーカス計測を実行する。この後、ステップS209において、上述したのと同じ方法でフォーカス計測結果に異常が有るか否かの判定を行い、異常がない場合にはステップS204に戻り、上述した操作を繰り返す。異常が有る場合には、ステップS210に移行する。
ステップ210においては、ステップS203、S209でフォーカス計測結果に異常有りと判定されているので、ウエハW上の異なる領域で再度フォーカス計測を行う。すなわち、XYステージ18を一定距離移動して、上述した第2の位置関係に設定して再度フォーカス計測を実行する。
ステップS211において、上述したのと同じ方法でフォーカス計測結果に異常が有るか否かの判定を行い、異常がある場合にはステップS209に戻り、XYステージ18を別の方向に一定距離移動して別の第2の位置関係に設定し、再度フォーカス計測を実行し、再度ステップS211でフォーカス計測結果の異常の有無を判定する。フォーカス計測結果に異常が無くなるまで(フォーカス計測に適切な領域を探し出すまで)これらステップS210,S211を繰り返す。
ステップS211において、フォーカス計測結果に異常なしと判定された場合には、ステップS212に移行し、ステップS212において、このフォーカス計測結果に基づいてFIAセンサ30の合焦操作を行う。次いで、ステップS213において、この合焦状態を維持しつつ。XYステージ17を移動してFIAセンサ30の計測視野VF内にアライメントマークAM1又はAM2が位置する第1の位置関係に戻す。次いで、ステップS214において、FIA計測を実行し、ステップS215において、計測すべき全てのマークに対するFIA計測が完了したか否かが判断され、完了した場合にはFIA計測を終了する。
完了しない場合には、ステップS216に移行し、FIAセンサ30の計測視野VF内にこれから計測しようとする新たなアライメントマークAM1又はAM2が位置する第1の位置関係に設定するが、ここではフォーカス計測を実行せず、この第1の位置関係からXYステージ17を一定距離移動して上述した第2の位置関係に設定してからフォーカス計測を実行する。そして、ステップS211に戻り、このステップS211から上述したようにステップS210に戻るか、或いはステップS212,S213,S214,S215を繰り返す。
本第2実施形態でも、上述したように、フォーカス計測結果に異常ありと判定された場合、第1計測シーケンスである上述したステップS210乃至S216を実行して、フォーカス計測を行う位置とFIA計測を行う位置の相対関係を同一にすることで、全てのFIA計測を同一のフォーカス状態で計測するという要請を満たすようにしている。異常がないと判定された場合、第2計測シーケンスである上述したステップS204乃至S209を実行する。この第2計測シーケンスにおいて、フォーカス計測結果に異常が有ると判断された場合(上述したステップS209でYESの場合)、上述したようにステップS210に移行して第1計測シーケンスを選択実行する。
図5は、本発明の位置計測方法の第3の実施態様を示している。以下に、本図5の各ステップの動作について説明する。
ステップS300において、XYステージ17を駆動し、ウエハW内の最初のEGAマークをFIAセンサ30の計測視野VF内に位置させる。すなわち、マークとFIA視野を第1の位置関係に設定する。ステップS301において、第1の位置関係でフォーカス計測を実行する。ステップS306から来た場合は二番目以降のEGAマークが対象となる。ステップS302において、第1の位置関係でのフォーカス計測に異常が発生したかどうかで分岐する。
ステップS303において、第1の位置関係で正常にフォーカス計測ができた場合、続けて合焦動作を行う。ステップS304において、合焦動作後、FIAセンサ30によるマーク位置計測を実行する。ステップS305において、EGAでの計測対象となる全てのマークを計測したかどうかで分岐する。ステップSS306において、まだEGA計測対象マークが残っている場合、XYステージ17を駆動し、次の対象マークをFIA視野に対して第1の位置関係に設定する。
ステップS307において、第1の位置関係でフォーカス計測に異常が生じた場合、XYステージ17を駆動し、第2の位置関係に設定する。なお、ステップS310から来た場合、第1の位置関係とXY方向のオフセットは初期状態から変更されている。ステップS308において、第2の位置関係でフォーカス計測を実行する。ステップS309において、第2の位置関係でのフォーカス計測に異常が発生したかどうかで分岐する。ステップS310において、フォーカス計測に異常が生じた場合、ALG−AFスリット光が照射されているウエハW上の領域に計測の妨げとなる下地パターンが存在すると考えられるので、照射領域をずらすために、第1の位置関係に対するXY方向のオフセット量を更新し、ステップS307に進む。
ステップS311において、フォーカス計測が正常に終了した場合、スリット光が照射されている領域には計測の妨げとなるような下地パターンが存在しなかったと考えられるので、現在のXY方向のオフセット量を記憶してステップS312に進む。ステップS312において、二番目以降のEGAマークまで計測が進んでいる場合でも、全マークを同一のフォーカス条件でFIA計測をするために、最初のEGAマークまで戻って再計測を行う。先ずは第一EGAマークをFIAセンサ30に対して第2の位置関係に設定する。この際、ステップS311で記憶したXYオフセット量を用いる。ステップS313において、フォーカス計測及び合焦動作を実行する。ステップS314において、合焦状態を保ったままXYステージ17を駆動し、第1の位置関係に設定する。すなわち、マークをFIA視野中心に位置させる。
ステップ315において、XY全ての方向についてFIA計測に適した状態が得られたので、FIAセンサ30によるマーク位置計測を実行する。ステップS316において、EGAでの計測対象となる全マークを計測し終わっているかどうかで分岐する。ステップS317において、まだEGA計測対象マークが残っている場合、XYステージ17を駆動し、次の対象マークをFIA視野に対して第2の位置関係に設定する。この際、ステップS311で記憶したXYオフセット量を用いる。
本第3実施態様においては、EGA計測が正常に進行した場合にはステップS301乃至S306のループが実行される。いずれかのマークでフォーカス計測に異常が発生した場合にはステップS307乃至S312の下地探索処理が実行される。良好な下地領域が発見されたら、ステップS313乃至S317のループに進み、EGAが先頭のマークから再実行される。
ところで、ステップS313においては、すでに良好な下地が見つかっているので、フォーカス計測が正常に終了したかのチェックを省略したが、ここでもステップS302,S309と同様の確認を行い、異常が発生した場合、ステップS310,S307に進むようにしてもよい。すなわち、XYオフセット量を更新しながらフォーカス計測に適した下地領域を探索する。ただし、ステップS307乃至S313のループから脱出できなくなる可能性があるため、このループを繰り返す回数に上限を設けておき、これを超えた場合は回復不可能なエラーとして処理を中断するのが望ましい。
本第3実施態様では、アライメントマーク周辺の下地パターンがどのマークに対しても同様であるとして説明をおこなってきたが、ショット内に配置された複数のアライメントマークを計測する場合には、マークによって周辺のパターンが変わることになる。例えば、アライメントマークが一次元マークであった場合、X計測用のマークの周辺とY計測用のマークの周辺では様子が異なる。あるいは、ショット内の複数のマークを計測してショット変形を計測するショット内多点EGAを行う場合も同様である。こうした場合、周辺のパターンが同じマーク、すなわちショット内での配置が同じマークごとにアライメントマークをグループ分けして、各グループごとに、前記の第1の位置関係に対するXYオフセット量を独立に管理することもできる。
図13は本発明のデバイス製造方法の実施態様を示している。この実施態様では、図1乃至図5に示す何れかの位置計測方法によりフォーカス計測を実行してFIAセンサ30の合焦動作を行ってから、FIAセンサ30によりウエハアライメントを行ってウエハW上の各ショット領域の位置決めし、この位置決めされた各ショット領域にデバイスパターンを露光転写するので、高精度の露光が行え、製品の歩留まりを向上させることが可能となる。
ステップS400では電子デバイスの回路設計等のデバイスの機能・性能設計を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。ステップS401では設計した回路パターンを形成したレチクルRを製作する。ステップS402ではシリコン等の材料を用いてウエハ(シリコン基板)Wを製造する。
ステップS403では、ステップS401で製作したレチクルRとステップS402で製造したウエハWを使用し、リソグラフィ技術等によりウエハW上に回路等を形成する、ウエハ処理を行う。このウエハ処理では、ウエハW上の各ショット領域の位置決めを行う前に、FIAセンサ30の合焦動作を行うが、これは本発明の位置計測方法の実施態様(図1乃至図5)に示す何れかの方法によるフォーカス計測によって実行される。次いで、ウエハアライメントなどを行い、ウエハW上の各ショット領域を位置決めし、レチクルRに形成された回路パターンを位置決めされた各ショット領域に順次露光転写する。露光が終了したら、ウエハWをウエハステージWSTからアンロードし、現像、エッチング、洗浄工程などの処理を繰り返して、ウエハW上に回路などを形成する。
ステップS404ではデバイス組立を行う。このデバイス組立では、回路などが形成されたウエハWをダイシングして個々のチップに分割し、各チップをリードフレームやパッケージに装着して電極を接続するボンディングを行い、樹脂封止等のパッケージング処理を行う。
ステップS405では検査を行う。この検査では組み立てたデバイスの動作確認テストや耐久性テストなどを行い、合格品を出荷する。
以上、本発明の実施態様について図面1乃至図13を参照して説明したが、本発明はこれら実施態様に示すものに限定されるものではない。
例えば、図3、図4に示す実施態様において、前記フォーカス方向における前記マークのXY平面内における近傍位置は、XYステージ17の移動に伴い、アライメントマークAM1又はAM2がFIAセンサ30の計測視野VF内に入ってからフォーカス計測を開始して、アライメントマークAM1又はAM2がFIAセンサ30の計測視野VFの中心に位置するアライメント計測位置に到達した時点でフォーカス計測が終了するように設定してもよい。
本発明の位置計測方法の第1実施態様を示すフローチャートである。 図1に示す本発明の位置計測方法の第1実施態様の別の部分を示すフローチャートである。 本発明の位置計測方法の第2実施態様を示すフローチャートである。 図3に示す本発明の位置計測方法の第2実施態様の別の部分を示すフローチャートである。 本発明の位置計測方法の第3実施態様を示すフローチャートである。 本発明の位置計測装置を備えた露光装置の概略構成図である。 図6の本発明の位置計測装置中のAFセンサの送光系部分を示す概略構成図である。 図6の本発明の位置計測装置中のAFセンサの受光系部分を示す概略構成図である。 図7に示すAFセンサの送光系からウエハ上に投影されるスリット像とアライメントマークとの位置関係を説明する説明図である。 図9に示すAFセンサの送光系からウエハ上に下地パターンに重なってスリット像が投影される状態を説明する説明図である。 図9に示すAFセンサの送光系からウエハ上に下地パターンを避けてスリット像が投影される状態を説明する説明図である。 図12(a)は図10に示すように下地パターンに重なってスリット像が投影されたときのAFセンサの信号出力波形を示す図であり、図12(b)は図11に示すように下地パターンを避けてスリット像が投影されたときのAFセンサの信号出力波形を示す図である。 本発明のデバイス製造方法の実施態様を示すフローチャートである。
符号の説明
10 露光装置
17 XYステージ
18 Zステージ
30 FIAセンサ
43 CCDカメラ(光電検出素子)
44 CCDカメラ(光電検出素子)
50 主制御系
51 位置演算部
52 ステージ制御系
53 制御部
60 AFセンサ
61 CCDカメラ(光電検出素子)
62 受光系
63 送光系
SI スリット像
VF 計測視野
AM1 アライメントマーク
AM2 アライメントマーク
R レチクル
W ウエハ

Claims (9)

  1. 二次元平面内を移動可能な物体上に形成された複数のマークの、該二次元平面内における位置情報のそれぞれを、所定の計測視野を介して光電検出された該各マークに対応するマーク信号に基づいて計測する位置計測方法であって、
    前記物体を前記二次元平面内で移動させることにより、前記複数のマークのうちの計測すべきマークが前記計測視野内に存在する第1の位置関係と、該マークと該計測視野とが前記第1の位置関係から所定量だけ所定方向にずれた位置関係である第2の位置関係と、をそれぞれ設定可能であり、
    前記物体が前記第2の位置関係に設定されている時に、前記物体に対してフォーカス計測光を投射して、前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて前記物体のフォーカス位置を調整する第1工程と、
    前記第1工程後に、該第1工程で調整されたフォーカス状態を維持しつつ、前記第1の位置関係となるように前記物体を前記二次元平面内で移動させる第2工程と、
    前記第2工程後に、前記第1の位置関係に設定された前記物体上に形成された前記マークの、前記二次元平面内の位置情報を計測する第3工程と、を有し、
    前記複数のマークのうちの前記位置情報を計測すべきマークの全てに対して、前記第1工程から前記第3工程までの動作を順次行って、前記位置情報を計測することを特徴とする位置計測方法。
  2. 前記第1工程を行う前に、前記物体を前記二次元平面内で移動させて前記第1の位置関係に設定した上で、前記物体に対して前記フォーカス計測光を投射して前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測する事前計測工程と、
    前記事前計測工程で得られた前記フォーカス状態の計測結果に基づいて、前記フォーカス計測光が投射される前記物体上の領域が、該フォーカス状態の計測に適切な領域であるか否かを識別する識別工程と、を有し、
    前記識別工程によって前記領域が適切な領域で無いと識別されると、前記第1工程から前記第3工程を行うシーケンスによって前記マークの前記二次元平面内の位置情報の計測を行うことを特徴とする請求項1に記載の位置計測方法。
  3. 前記第1工程で設定される前記第2の位置関係としては、複数の位置関係を設定可能であり、前記第1工程において、前記フォーカス計測光が投射される前記物体上の領域が、前記フォーカス状態の計測に適切な領域であると識別されるまで、前記位置関係の変更動作と前記フォーカス状態の計測動作とを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の位置計測方法。
  4. 前記物体が前記第1の位置関係に設定されている時に、前記物体に対してフォーカス計測光を投射して、前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて前記物体のフォーカス方向の位置を調整するフォーカス調整工程と、
    前記フォーカス調整工程後に、前記第1の位置関係に設定されている前記物体上に形成された前記マークの、前記二次元平面内の位置情報を計測する位置計測工程と、を有し、
    前記計測すべきマーク毎に、前記フォーカス調整工程と前記位置計測工程とを順次行っていた場合において、前記フォーカス状態の計測結果に異常が生じた場合には、前記第1工程から前記第3工程を行うシーケンスによって前記マークの前記二次元平面内の位置情報の計測を行うことを特徴とする請求項1に位置計測方法。
  5. 前記フォーカス状態の計測結果に異常が生じた場合には、前記複数のマークのうちの前記位置情報を計測すべきマークの全てに対して、前記第1工程から前記第3工程までの動作を順次行って、前記位置情報を計測し直すことを特徴とする請求項4に記載の位置計測方法。
  6. 二次元平面内を移動可能な物体上に形成された複数のマークの、該二次元平面内における位置情報のそれぞれを、所定の計測視野を介して光電検出された該各マークに対応するマーク信号に基づいて計測する位置計測方法であって、
    前記位置情報の計測を行う前に、前記物体に対してフォーカス計測光を投射して、前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測し、
    前記フォーカス状態の計測結果に基づいて、前記計測結果に異常が生じているか否かを判別し、
    前記判別結果に基づいて、前記フォーカス状態の検出手法が互いに異なる第1、第2計測シーケンスのうちの何れか一方の計測シーケンスを選択実行することを特徴とする位置計測方法。
  7. 前記物体を前記二次元平面内で移動させることにより、前記複数のマークのうちの計測すべきマークが前記計測視野内に存在する第1の位置関係と、該マークと該計測視野とが前記第1の位置関係から所定量だけ所定方向にずれた位置関係である第2の位置関係と、をそれぞれ設定可能であり、
    前記第1計測シーケンスは、
    前記物体が前記第2の位置関係に設定されている時に、前記物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて前記物体のフォーカス位置を調整する第1工程と、
    前記第1工程後に、該第1工程で調整されたフォーカス状態を維持しつつ、前記第1の位置関係となるように前記物体を前記二次元平面内で移動させる第2工程と、
    前記第2工程後に、前記第1の位置関係に設定された前記物体上に形成された前記マークの、前記二次元平面内での位置情報を計測する第3工程と、を有し、
    前記第2計測シーケンスは、
    前記物体が前記第1の位置関係に設定されている時に、前記物体のフォーカス状態を計測し、該フォーカス状態の計測結果に基づいて前記物体のフォーカス方向の位置を調整する第4工程と、
    前記第4工程後に、前記第1の位置関係に設定された前記物体上に形成された前記マークの、前記二次元平面内の位置情報を計測する第5工程と、を含み、
    前記計測結果に異常が生じていると判別された場合には、前記第1計測シーケンスが選択実行されることを特徴とする請求項6に記載の位置計測方法。
  8. デバイスパターンが形成されているマスクと、該デバイスパターンが転写されるべき複数の区画領域を備えた基板を用意する工程と、
    請求項1乃至7の何れかに記載の位置計測方法を用いて計測された位置情報に基づいて、前記マスクのパターン像の投影位置と前記基板上の前記複数の区画領域の各々とを順次位置合わせする工程と、
    前記位置合わせされた前記各区画領域上に、前記デバイスパターンを順次転写する工程と、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
  9. 二次元平面内を移動可能な物体上に形成された複数のマークの、該二次元平面内における位置情報のそれぞれを、所定の計測視野を介して光電検出された該各マークに対応するマーク信号に基づいて計測する位置計測装置であって、
    前記位置情報の計測を行う前に、前記物体に対してフォーカス計測光を投射して、前記二次元平面と直交するフォーカス方向における前記物体のフォーカス状態を計測する計測系と、
    前記フォーカス状態の計測結果に基づいて、前記計測結果に異常が生じているか否かを判別する判別手段と、
    前記判別結果に基づいて、前記フォーカス状態の検出手法が互いに異なる第1、第2計測シーケンスのうちの何れか一方の計測シーケンスを選択実行せしめる制御手段と、を有することを特徴とする位置計測装置。
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