JP2006331497A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006331497A
JP2006331497A JP2005150948A JP2005150948A JP2006331497A JP 2006331497 A JP2006331497 A JP 2006331497A JP 2005150948 A JP2005150948 A JP 2005150948A JP 2005150948 A JP2005150948 A JP 2005150948A JP 2006331497 A JP2006331497 A JP 2006331497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
memory cell
low
threshold
distribution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005150948A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Kawaguchi
勉 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2005150948A priority Critical patent/JP2006331497A/ja
Publication of JP2006331497A publication Critical patent/JP2006331497A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 データの保持性能を向上できるようにする。
【解決手段】 メモリセルトランジスタのしきい値電圧と低電圧側ベリファイ電圧VLとの比較を行うと共に、メモリセルトランジスタのしきい値電圧と高電圧側ベリファイ電圧VHとの比較を行い不一致と判定されたときに(S3〜S9)、メモリセルトランジスタのしきい値電圧が読み出し電圧Vread以上であると判定した場合には、メモリセルトランジスタのしきい値電圧を比較的高い第2の電圧分布内に調整し、メモリセルトランジスタのしきい値電圧が読み出し電圧Vreadよりも低いと判定した場合にはメモリセルトランジスタのしきい値電圧を比較的低い第1の電圧分布内に調整する(S12〜S15)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、不揮発性メモリを備えた半導体装置に関する。
この種の半導体装置に搭載される不揮発性メモリは、例えば浮遊ゲート電極に蓄積された電荷量により情報が決定される。しかしながら、何らかの外的要因のため間違ってメモリにデータが記憶されてしまうことがある。そこで、データ記憶不良対策としてデータをリフレッシュする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の技術によれば、プログラムベリファイとイレーズベリファイの両モードで同アドレスから読出しデータをアドレス毎に比較し、不一致データに対応するメモリセルのデータを書き換えるようにし、またはブロック毎にプログラムベリファイとイレーズベリファイの両モードでの読出しデータの加算値を比較して不良ブロックを検索し、不良ブロック内で上記アドレスごとの比較をし、不一致データに対応のメモリセルのデータを書き換えるようにしている。これにより、不良データの検索および修復を可能とすることができる。
特開平8−190796号公報(段落0077)
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、非選択セルのコントロールゲートやドレインに高電圧が印加されることにより浮遊ゲートの電荷(電子)が引き抜かれ、蓄積データが「0」から「1」に変化する場合が圧倒的に多いため、データが一致しないときには不一致データに対応するメモリセルに対してプログラムベリファイ電圧よりも書込電圧を高くすることにより該当のアドレスの該当ビットに対して「0」として「情報書込状態」に対して強制的に書き換えている。このため、蓄積データが「1」が正常であった場合に「0」に変化してしまうデータ不良状態には対応することができていないという問題点がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、データの保持性能を向上することができる半導体装置を提供することにある。
請求項1記載の発明によれば、次のように作用する。基準電圧は、第1の電圧分布および第2の電圧分布の間に予め設定されている。低電圧側比較手段は、第1の電圧分布よりも高電圧で且つ基準電圧よりも低電圧となる低電圧側ベリファイ電圧とメモリセルのしきい値電圧とを比較する。高電圧側比較手段は、第2の電圧分布よりも低電圧で且つ基準電圧よりも高電圧となる高電圧側ベリファイ電圧とメモリセルのしきい値電圧とを比較する。基準電圧比較手段は、メモリセルのしきい値電圧と基準電圧とを比較する。
このとき、リフレッシュ手段は、メモリセルのしきい値電圧が高電圧側ベリファイ電圧よりも低く検出されると共に基準電圧以上に検出された場合にはメモリセルのしきい値電圧を第2の電圧分布内に調整してリフレッシュする。また、リフレッシュ手段は、メモリセルのしきい値電圧が低電圧側ベリファイ電圧よりも高く検出されると共に基準電圧よりも低く検出された場合にはメモリセルのしきい値電圧を第1の電圧分布内に調整してリフレッシュする。したがって、データ「1」が正常である場合に「0」に変化してしまう不良モードと共に、データ「0」が正常である場合に「1」に変化してしまう不良モードが存在したとしても、当該不良モードに対応できるようになり、データの保持性能を向上することができる。ここで、本発明においては、メモリセルトランジスタのしきい値電圧が高電圧側をデータ「1」、低電圧側をデータ「0」として対応付けている。これは、特許文献1とは逆の対応関係となる。
請求項2記載の発明によれば、基準電圧は、メモリセルのデータを読み出すときの読み出し電圧と同一の電圧に設定されているため、読み出し電圧の他に基準電圧を生成するための他の回路を必要としなくなるため回路を極力縮小化できる。また、市場で実際に半導体装置が使用される場合のデータ読み出し電圧と同一電圧で判定することが、誤読み出しを抑制する手段としてもっとも適切である。
請求項3記載の発明のように、基準電圧を、低電圧側ベリファイ電圧と高電圧側ベリファイ電圧との中間の電圧にしても良いし、請求項4記載の発明のように、基準電圧を、低電圧側ベリファイ電圧と高電圧側ベリファイ電圧との中間の電圧よりも低い電圧で且つ低電圧側ベリファイ電圧よりも高い電圧としても良い。半導体装置の特性上、高電圧側のメモリセルのしきい値電圧が低下しやすくても実用的に適用できるようになる。
請求項5記載の発明のように、リフレッシュ手段が定期的にリフレッシュ処理すると良い。また、請求項6記載の発明のように、電源が投入されてから初期の所定期間は長期間毎にリフレッシュすると共に時間経過するに連れて短期間毎にリフレッシュするようにしても良い。この場合、年月が経過するに連れて半導体装置も劣化しやすくなるため、初期電源投入時のリフレッシュ回数よりも経年後のリフレッシュ回数を多くすることで経年劣化にも対応できるようになる。
請求項7記載の発明によれば、リフレッシュ手段は、外部から指令を受けてリフレッシュ動作するため、汎用性を向上することができる。
請求項8記載の発明によれば、高電圧側ベリファイ電圧および低電圧側ベリファイ電圧並びに基準電圧は、メモリセルのしきい値電圧の温度特性および当該メモリセルの使用可能な温度範囲に応じて設定されているため、温度特性に応じて適切な電圧に設定することができる。
請求項9記載の発明のように、メモリセルを多値メモリセルに適用することもできる。尚、多値メモリセルは、そのしきい値電圧が第1の電圧分布から順次離間して高くなる第kの電圧分布(kは3以上の整数)内に設定されるように構成されるメモリセルであり、請求項1記載の発明と同様に、隣接するメモリセルのしきい値の電圧分布に対して適用することができる。
請求項10記載の発明によれば、第jの基準電圧は、第jの電圧分布(jは1≦j≦k−1を満たす整数)と第(j+1)の電圧分布との間に設定される第jの低電圧側ベリファイ電圧および第jの高電圧側ベリファイ電圧間の電圧に対する割合に応じた電圧であると共に、この割合は、jの値が大きくなるに従い順次低くなるように設定されているため、しきい値電圧の値が高くなるに従い低下しやすくなるという実用的な不具合を解消できるようになる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図4等を参照しながら説明する。本実施形態においては、本発明に係る半導体装置を、電気的に書き換え可能な不揮発性半導体記憶装置であるEEPROM装置に適用した実施形態を示す。
図2は、EEPROM装置(以下、EEPROMと略す)のメモリセルアレイおよびその周辺回路の概略的な電気的構成をブロック図により示している。
EEPROM1は、メモリセルアレイ2、制御回路3を主体として、入出力用バッファ4、アドレスレジスタ5、制御信号バッファ6、コマンドレジスタ7、コマンドデコーダ8、ベリファイ電圧発生回路9、プログラム電圧発生回路10、データ入力レジスタ11、基準電圧比較手段としてのセンスアンプ12、Aレジスタ13、Bレジスタ14、Cレジスタ15、比較回路16、切替回路17、列デコーダ18、行デコーダ19、ソーススイッチ20、駆動回路21、駆動回路22を備えている。このEEPROM1は、ワード(たとえば16ビット)単位で読出/書込/消去可能に構成されている。制御回路3は、リフレッシュ手段として機能する。
アドレスレジスタ5には、外部からアドレス信号Am+n〜A0(mはメモリセルアレイ2のデータ線(ビット線)数、nはメモリセルアレイ2のワード線数)が与えられると共に、制御信号バッファ6にはチップイネーブル入力/CE、出力イネーブル入力/OE、ライトイネーブル入力/WEが与えられるようになっている。入出力用バッファ4には入出力線I/Om〜I/O0が接続されている。尚、「/」はローアクティブであることを示している。
コマンドレジスタ7は、外部入力されたデータにより各種動作モード設定を行う命令を保持するために設けられており、入出力用バッファ4から動作モード設定コマンド信号が与えられると共に制御信号バッファ6から制御信号が与えられると動作モード設定コマンド信号を保持する。コマンドデコーダ8は、制御信号バッファ6からの制御信号に基づいて動作モード設定コマンド信号をデコードする。この動作モード設定コマンド信号のデコード処理信号は、制御回路3、ソーススイッチ20および制御信号バッファ6に与えられる。
ベリファイ電圧発生回路9は、コマンドデコーダ8もしくは制御回路3からの制御信号に基づいて行デコーダ19にベリファイ用の電圧Vv(具体的には高電圧側ベリファイ電圧VH、低電圧側ベリファイ電圧VL)を与えるようになっている。また、プログラム電圧発生回路10は、コマンドデコーダ8からベリファイ電圧発生回路9を通じて与えられる制御信号もしくは制御回路3からの制御信号に基づいて列デコーダ18および行デコーダ19にプログラム用電圧Vp(具体的には書込電圧Vwrite、消去電圧Verase、読み出し電圧Vread)を与えるようになっている。列デコーダ18は、駆動回路21に対して与えられたアドレス信号に対応した駆動電圧を与えるようになっている。行デコーダ19は、駆動回路22に対して与えられたアドレス信号に対応した駆動電圧を与えるようになっている。
図3は、メモリセルアレイの具体的構成とその周辺回路構成を概略的に示している。
この図3に示すように、駆動回路21は、列デコーダ18の出力にそれぞれ接続された2のm乗個のビット線駆動回路21aと、これらのビット線駆動回路21aの出力にそれぞれゲートが接続されたトランジスタQ1とを備えている。トランジスタQ1は、列セレクタとして機能し、ビット線駆動回路21aに基づいてアドレス信号に対応したビット線BL0、BL1…を選択するようになっており、切替回路17やセンスアンプ12に対するビット線の導通を切替えるように構成されている。
また、駆動回路22は、行デコーダ19の出力にそれぞれ接続された2のn乗個のワード線駆動回路22aと、行デコーダ19の出力に接続されたコントロールゲート駆動回路22bとを備えている。
メモリセルアレイ2は、多数のメモリセル2aがマトリクス状に配列されることにより構成されている。各メモリセル2aは、1個のメモリセルトランジスタQ3(不揮発性メモリに相当)および1個の選択トランジスタQ2からなっている。1つの行を構成する選択トランジスタQ2の各ゲートは、共通のワード線WL0(またはWL1、…)に接続されており、1つの列を構成する選択トランジスタQ2の各ドレインは、共通のビット線BL0(またはBL1、…)に接続されている。各メモリセル2aの選択トランジスタQ2のソースには当該メモリセル2aを構成するメモリセルトランジスタQ3のドレインが接続されている。各メモリセルトランジスタQ3のソースは共通に接続されており、そのソースはソーススイッチ20を介してグランドに接続されている。
また、1つの行を構成するメモリセルトランジスタQ3のゲート(コントロールゲート)は共通に接続されていると共にトランジスタQ4のソースに接続されている。このトランジスタQ4は、データを書込/消去/読出を同時に行う場合の基本単位であるメモリセルユニットごとに設けられている。このトランジスタQ4のゲートは、ワード線WL0(またはWL1、…)に接続されていると共に、トランジスタQ4のドレインは、コントロールゲート駆動回路22bの出力に接続されている。
図3に示すように、ビット線BL0、BL1、…は、センスアンプ12および切替回路17に対して駆動回路21を通じて接続されている。図2に示すように、センスアンプ12は、ビット線BL0、BL1、…の電圧を増幅する。入出力用バッファ4やAレジスタ13〜Cレジスタ15には、この増幅電圧が与えられるようになっている。入出力用バッファ4は制御回路3の制御信号に基づいてこのデータを保持すると共に、Aレジスタ13〜Cレジスタ15は、制御回路3の制御信号に基づいてこのデータを保持する。
比較回路16は、Aレジスタ13およびBレジスタ14に保持されたデータが与えられるようになっており、制御回路3の制御信号に基づいて各データを比較し制御回路3に比較結果を出力するようになっており、低電圧側比較手段、高電圧側比較手段として機能する。
データ入力レジスタ11は、入出力用バッファ4からデータが与えられるようになっている。このデータ入力レジスタ11は、制御信号バッファ6から制御信号が与えられると入出力用バッファ4から与えられたデータを保持するようになっている。このデータ入力レジスタ11とCレジスタ15とは、切替回路17に接続されている。この切替回路17は、制御回路3から与えられる制御信号に基づいてデータ入力レジスタ11に記憶保持されたデータとCレジスタ17に記憶保持されたデータとを選択切替して駆動回路21に与えるようになっている。
上記構成の作用について説明する。まず、通常の読出動作、書込動作、消去動作について説明する。
<読出動作について>
読出動作前においては、図3に示すトランジスタQ1は全てオフしている。行デコーダ19に読出対象の行アドレスが入力されると、駆動回路22は、ワード線(例えばWL0)の電圧を電源電圧(Vdd)とする。すると、ワード線(例えばWL0)上に位置する各メモリセル2aのトランジスタQ2およびQ4は全てオンとなる。
読出動作時には、コントロールゲート駆動回路22bはプログラム電圧Vpとして読み出し電圧Vreadたる例えば2.5Vを出力するため、ワード線WL0に対応するメモリセルトランジスタQ3のうち浮遊ゲートに電子が蓄積されていないメモリセルトランジスタQ3がオンする。つまり、浮遊ゲートに電子が蓄積されておらず、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが読み出し電圧Vread(例えば2.5V)よりも低くなりオンする。逆に、浮遊ゲートに電子が蓄積されているメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtは読み出し電圧Vread(例えば2.5V)よりも高くなりオフした状態となる。
これと同時に、列デコーダ18に読出対象の列アドレスが入力されたとき、ビット線駆動回路21aは例えばビット線BL0に介在するトランジスタQ1をオン駆動する。このとき、ソーススイッチ20はオンされており、またセンスアンプ12に接続されるノードN1の電位は一定電位(例えば1V)に制御されていて、メモリセルトランジスタQ3がオンしていればセンスアンプ12はビット線BL0の電位の低下を検出する。すると、センスアンプ12は、選択されたメモリセル2aに書き込まれているデータを読み出して出力する。
また逆に、メモリセルトランジスタQ3がオフしていれば、グランド電位が選択トランジスタQ2を介してビット線BL0に印加されることなく、ノードN1の電位(ビット線BL0の電位)がセンスアンプ12に与えられることになり、センスアンプ12は、選択されたメモリセル2aに書き込まれているデータを読み出して出力することができる。この読出されたデータは、Aレジスタ13〜Cレジスタ15に記憶保持させることができると共に入出力用バッファ4を通じて外部に出力させることもできる。
以上のように、読み出しデータは、メモリセルトランジスタQ3のコントロールゲートに印加される電圧とメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtの大小関係で決定される。
<書込動作について>
外部からアドレスレジスタ5を通じてアドレス信号が与えられると共に、コマンドレジスタ7を通じて書込モード設定コマンド信号が与えられる。さらに制御信号バッファ6を通じて制御信号が与えられると、制御回路3はコマンドデコーダ8を通じてソーススイッチ20をオフに切替えると共に、トランジスタQ1をオフに、そして、列デコーダ18を通じてプログラム用電圧Vpたる書込電圧Vwrite(高電圧Vpp)をメモリセルアレイ2のビット線BL0に与える。
このとき、コントロールゲート駆動回路22bは駆動電圧0Vを出力する。また、該当するワード線(例えばWL0)には高電圧Vppを印加するようにすることで、メモリセルトランジスタQ3のゲートには0Vが印加されるようになる。
例えば、選択トランジスタQ2のドレインに電圧+Vppが与えられると、メモリセルトランジスタQ3のゲートには0Vが印加されているため、メモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに電子が蓄積されていれば電子が引き抜かれるようになり状態を変化させることができ例えばデータ「0」を書き込むことができる。このとき、電圧の印加時間が予め定められているため、浮遊ゲートに蓄積された電子の引抜時間を一定に保つことができ、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtを調整することができる。
<消去動作について>
外部からアドレスレジスタ5を通じてアドレス信号が与えられると共に、コマンドレジスタ7を通じて消去モード設定コマンド信号が与えられる。さらに、制御信号バッファ6を通じて制御信号が与えられると、制御回路3は、コマンドデコーダ8を通じてソーススイッチ20をオンに切替えると共に、トランジスタQ1をオフにし、行デコーダ19を通じて高電圧Vppをメモリセルアレイ2のワード線WL0に与える。
このとき、コントロールゲート駆動回路22bはプログラム用電圧Vpたる消去電圧Verase(高電圧Vpp)を出力する。それにより、メモリセルトランジスタQ3のゲートには消去電圧Verase(高電圧Vpp)が印加されると共に、メモリセルトランジスタQ3のドレインには低電圧0Vが与えられるため、浮遊ゲートに電子が注入されるようになり状態を変化させることができデータを消去し例えばデータ「1」とすることができる。このとき、電圧の印加時間が予め定められているため、浮遊ゲートに蓄積された電子の注入時間を一定に保つことができ、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtを調整することができる。このようにして、読出処理、書込処理、消去処理が行われる。
メモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積された電子の電荷量に応じてメモリセル2aのデータの状態が変化するが、年月の経過、リテンション不良、データ読出時のストレス等により浮遊ゲートに蓄えられた電子の電荷量が変化してしまう。最悪の場合にはデータ化けしてしまう可能性もある。そこで本実施形態においては、制御回路3が定期的にデータをリフレッシュする機能を備えており、データ化けを極力抑制できるようにしている。
図8(a)および図8(b)は、この問題点を概略的に示している。この図8(a)および図8(b)において、縦軸はメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtを示している。EEPROM1において、メモリセル2aに書込まれた書込状態では、前述したようにメモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積された電子が比較的少ないため、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtは比較的低い。逆に、メモリセル2aが消去された消去状態では、前述したようにメモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積されている電子が比較的多いため、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtは比較的高い。
メモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積された電荷量の変動に基づいて、多数のメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtもある範囲の分布となる。ここで第1の電圧分布V1(低電圧分布に相当)は、書込状態における多数のメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtの分布を示しており、第2の電圧分布V2(高電圧分布に相当)は、消去状態における多数のメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtの分布を示している。
前述したように、経年劣化等によりメモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄えられた電子の電荷量が変化する。これに伴いメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtも変化する。図8(a)に示すように、消去状態におけるメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが第2の電圧分布V2から低下したり、図8(b)に示すように書込状態におけるメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが第1の電圧分布V1から高くなることが発明者らにより確認されている。
そこで、制御回路3にはメモリセルトランジスタQ3のリフレッシュ機能が設けられている。図1は、EEPROM装置1内で行われる定期的なリフレッシュ処理(具体的には制御回路が行う制御動作)をフローチャートで示している。
この図1において、まず制御回路3は、メモリセルアレイ2のアドレスを初期設定する(ステップS1)と共に、Aレジスタ13〜Cレジスタ15をクリア処理する(ステップS2)。制御回路3は、コマンド信号をコマンドデコーダ8に与えることにより動作モードを高電圧側ベリファイモードに変更し(ステップS3)、ベリファイ電圧発生回路9、行デコーダ19およびコントロールゲート駆動回路22bを通じてメモリセルトランジスタQ3のコントロールゲートに高電圧側ベリファイ電圧VHを与える(ステップS4)。制御回路3は、このときセンスアンプ12により検出された検出結果をAレジスタ13に保持する(ステップS5)。すなわち、高電圧側ベリファイ電圧VHとメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtとを比較しその比較結果をAレジスタ13に格納する。
次に、制御回路3は、コマンド信号をコマンドデコーダ8に与えることにより動作モードを低電圧側ベリファイモードに変更し(ステップS6)、ベリファイ電圧発生回路9、行デコーダ19およびコントロールゲート駆動回路22bを通じてメモリセルトランジスタQ3のコントロールゲートに低電圧側ベリファイ電圧VLを与える(ステップS7)。制御回路3は、このときセンスアンプ12により検出された検出結果をBレジスタ14に保持する(ステップS8)。すなわち、低電圧側ベリファイ電圧VLとメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtとを比較してその比較結果をBレジスタ14に格納する。
尚、図4は、高電圧側ベリファイ電圧VH、低電圧側ベリファイ電圧VL、読み出し電圧Vread、しきい値電圧Vtの関係を示している。低電圧側ベリファイ電圧VLは、第1の電圧分布V1の上限電圧よりもわずかに高く予め設定された電圧を示している。高電圧側ベリファイ電圧VHは、第2の電圧分布V2の下限電圧よりもわずかに低く予め設定された電圧を示している。読み出し電圧Vreadは、低電圧側ベリファイ電圧VLおよび高電圧側ベリファイ電圧VHの中間の電圧(つまり平均電圧)に設定されている。
図1に戻って、制御回路3が、Aレジスタ13に保持されているデータとBレジスタ14に保持されているデータとを比較回路16により比較し(ステップS9)たとき、データが一致していれば「正常」と判定し、アドレスをインクリメントし次のアドレスに移動してステップS3から最終アドレスまで処理を繰り返す(ステップS10、ステップS11)。しかし、データが不一致のときには「異常」と判定し、後述するステップS12〜S15の処理を行う。
すなわち、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtで考えた場合、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが高電圧側ベリファイ電圧VHよりも高いと共に低電圧側ベリファイ電圧VLよりも高いときには「正常」と判定すると共に、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが高電圧側ベリファイ電圧VHよりも低いと共に低電圧側ベリファイ電圧VLよりも低いときには「正常」と判定して次のアドレスの比較処理に移行するが、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが高電圧側ベリファイ電圧VH以下で且つ低電圧側ベリファイ電圧VL以上であるときには「異常」と判定し、以下のステップS12〜ステップS15の処理を行う。
ステップS12において、制御回路3は、コマンド信号をコマンドデコーダ8に与えることにより動作モードを読出ベリファイモードに変更する。次に、制御回路3は、ベリファイ電圧発生回路9、行デコーダ19およびコントロールゲート駆動回路22bを通じてメモリセルトランジスタQ3のコントロールゲートに基準電圧たる読み出し電圧Vreadを与える(ステップS13)。制御回路3は、センスアンプ12により比較検出された比較結果をCレジスタ15に保持させる(ステップS14)。
そして、制御回路3は、Cレジスタ15に保持されたデータで当該アドレスに対応したメモリセル2aのデータを書き換える(ステップS15)。具体的には、制御回路3は、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが読み出し電圧Vread以上であるとセンスアンプ12により比較検出されたときには、メモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積された電子の電荷量を多くして当該メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtを第2の電圧分布V2内に調整しメモリセル2aを「消去状態」にしてリフレッシュする。
逆に、制御回路3は、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが読み出し電圧Vreadよりも低くセンスアンプ12により比較検出された場合には、メモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積された電子の電荷量を少なくして当該メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtを第1の電圧分布内に調整しメモリセル2aを「書込状態」にしてリフレッシュする。このようにしてリフレッシュ動作が行われる。制御回路3は、「異常」であると判定したときにはこのようなリフレッシュ処理を行う。制御回路3は、ステップS10〜S11において、これらの一連の処理を各アドレス毎に最終アドレスに至るまで繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、制御回路3が「異常」を検出した場合、読み出し電圧Vreadで読み出したデータで、メモリセルトランジスタQ3のデータをリフレッシュする。つまり、図8に示すようなメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtの経年変化が発生した場合でも、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtと読み出し電圧Vreadの大小関係は変わらないので、正しいデータを読み出すことが可能となる。具体的なリフレッシュ動作としては、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが読み出し電圧Vread以上であると判定した場合には第2の電圧分布V2内に調整するようにメモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積される電子の電荷量を調整してリフレッシュすると共に、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが読み出し電圧Vreadよりも低いと判定した場合にはメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtを第1の電圧分布V1内に調整するようにメモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積される電子の電荷量を調整してリフレッシュするため、経年変化などによるメモリトランジスタQ3のしきい値電圧の変動を抑制しデータの保持性能を向上することができる。
また、低電圧側ベリファイ電圧VLと高電圧側ベリファイ電圧VHとの中間の電圧となる読み出し電圧Vreadをリフレッシュ時の基準電圧としているため均等にマージンを確保することができデータの正確性および信頼性を向上することができる。
リフレッシュ時の基準電圧を読み出し電圧Vreadとした場合には、基準電圧(抵抗分圧回路等)を他に改めて作成する必要がないためEEPROM1内に構成される回路が縮小化される。すなわち、読み出し電圧Vreadをリフレッシュ基準電圧として共用しているため、回路構成が煩雑にならなくなる。また、市場で実際に記憶装置が使用される場合のデータ読み出し電圧Vreadと同一電圧で判定することにより、記憶装置の誤読み出しを抑制する手段においてはもっとも適切である。制御回路3は、定期的にリフレッシュしているため誤ってリフレッシュ処理される虞を極力なくすることができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、リフレッシュ時の基準電圧を低電圧側ベリファイ電圧VLと高電圧側ベリファイ電圧VHとの中間電圧よりも低い電圧で且つ低電圧側ベリファイ電圧VLよりも高い電圧にしたところにある。第1の実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下異なるところについてのみ説明する。
図8(a)および図8(b)に示すように、不具合は書込状態におけるメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが第1の電圧分布V1内から高くなる場合と、消去状態におけるメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが第2の電圧分布V2内から低下する場合がある。しかし、書込状態におけるメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが第1の電圧分布V1から高くなる確率よりも、消去状態におけるメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが第2の電圧分布V2から低下する確率が高くなることが確認されている。
この理由は以下のように推定されている。メモリセルトランジスタQ3は、半導体基板の上にトンネル絶縁膜(ゲート絶縁膜)、浮遊ゲートとして多結晶シリコン、ゲート間絶縁膜、コントロールゲートが積層され、これらの積層ゲートの両脇に位置するようにソース領域およびドレイン領域が半導体基板の表層に形成された構造となっているのが一般的である。半導体基板の材料として単結晶シリコンが適用されるときには、ゲート絶縁膜と半導体基板との間の界面は、浮遊ゲートを構成する多結晶シリコンとゲート絶縁膜との界面よりも平坦性が高く電界集中が生じ難い。これは、半導体基板が単結晶であるためゲート絶縁膜との間で化学的に結合しやすいためである。
したがって、浮遊ゲート(多結晶シリコン)に蓄積された電子がトンネル絶縁膜を介して半導体基板に流れやすく浮遊ゲートから外部に放出されやすくなる。電子が浮遊ゲートから外部に放出されるとメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが低下してしまう。このような理由からメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtは低下しやすくなると推定されている。すなわち、逆に何らかの影響により電子が浮遊ゲート内に注入されてしまう確率は少ないため、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが高くなるという不良は比較的起こりにくい。
そこで、図5に示すように、リフレッシュ時の基準電圧として高電圧側ベリファイVHとVLの平均電圧(中間電圧)よりも所定電圧だけ低い電圧で且つ低電圧側ベリファイ電圧VLよりも高い電圧でベリファイ処理することが望ましい。このように経年変化が大きくなる高電圧側のマージンを大きくとる設定とすることで、図8(a)のV2aで示すような経時変化したメモリトランジスタが、基準電圧(ここでは読み出し電圧Vread)を超えにくくなり、よって基準電圧で読み出した際のデータの正確性が高まり、実用的にも対処しやすくなる。
また、このリフレッシュ時の基準電圧を読み出し電圧Vreadと共用しても良い。具体的には、例えば、低電圧側ベリファイ電圧VL=0V、高電圧側ベリファイ電圧VH=5Vとしたとき、リフレッシュ時の基準電圧として読み出し電圧Vreadを1.25Vと設定すると良い。
(第3の実施形態)
図6(a)および図6(b)は、本発明の第3の実施形態を示すもので、第1または第2の実施形態と異なるところは、メモリセルのしきい値電圧の温度特性およびメモリセルの使用可能な温度範囲に応じて、高電圧ベリファイ電圧VHおよび低電圧ベリファイ電圧VL並びにリフレッシュ時の基準電圧(読み出し電圧Vread)を設定したところにある。第1の実施形態と同一部分については同一符号を付して以下異なる部分についてのみ説明する。
図6(a)に示すように、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtには例えば−2mV/℃程度の温度特性がある。メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtは温度上昇に伴い線形的に低下する。したがって、最高使用温度(例えば125℃)に向けて温度が上昇するとメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtの範囲(第2の電圧分布V2)も低下してしまい、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtが一部でも設定された基準電圧(読み出し電圧Vread)よりも低下してしまうと、通常使用時においての誤読み出しや、リフレッシュ時に誤ったリフレッシュ処理がなされてしまう虞がある。
そこで本実施形態では、最高使用温度(例えば125℃)において第2の電圧分布V2の下限電圧が基準電圧(読み出し電圧Vread)を超えるように、最低使用温度(例えば−40℃)における基準電圧および高電圧側ベリファイ電圧VHを設定している。すなわち、高電圧側ベリファイ電圧VHに対してある所定の下限電圧VHmin(例えば5V)を設け、最低使用温度において高電圧側ベリファイ電圧VHが下限電圧VHminを超える電圧となるように設定することが望ましい。これにより、最高使用温度における誤処理を極力抑制できる。
また逆に、最低使用温度においても同様である。最低使用温度(例えば−40℃)においてしきい値電圧Vtが基準電圧(読み出し電圧Vread)より下回るように、低電圧側ベリファイ電圧VLに対してある所定の上限電圧VLmax(例えば0V)を設け、低電圧側ベリファイ電圧VLが最高使用温度において上限電圧VLmaxを超える電圧となるように設定することが望ましい。これにより、最低使用温度における誤処理を極力抑制できる。
また、次のように設定しても良い。すなわち、一般的にEEPROM1の使用環境温度分布は正規分布に近い分布を示すことが多い。この正規分布の平均値となる所定の温度T1において、高電圧側ベリファイ電圧VHおよび低電圧側ベリファイ電圧VLを設定するとき、この高電圧側ベリファイ電圧VHの下限電圧VHminおよび低電圧側ベリファイ電圧VLの上限電圧VLmaxが最低使用温度および最高使用温度の条件を満たすように設定しても良い(図6(b)参照)。つまり、実使用上最も発生確率の高い温度T1で高電圧側ベリファイ電圧VHおよび低電圧側ベリファイ電圧VLを設定することで、使用温度に応じた設定を行うことができるため、より実用的な設定を行うことができる。尚、後述説明する多値メモリセルの場合でも適用できる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態を示すもので、第1ないし第3の実施形態と異なるとことは、多値メモリセルを備えた不揮発性半導体記憶装置に適用したところにある。前述実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
多値メモリセルは、メモリセルトランジスタQ3の浮遊ゲートに蓄積される電子の電荷量に応じてメモリセル2aに記憶保持されるデータが規定される。図7は、このときのメモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtの電圧分布V1〜V4と、低電圧側ベリファイ電圧VL1、VL2…と、高電圧側ベリファイ電圧VH1、VH2…と、読み出し電圧Vread1、Vread2…との関係を示している。しきい値電圧Vtの電圧分布は、第1の電圧分布V1〜第4の電圧分布V4まで順次離間して高くなるように設定されている。低電圧側ベリファイ電圧VL1および高電圧側ベリファイ電圧VH1間の差電圧と、低電圧側ベリファイ電圧VL2および高電圧側ベリファイ電圧VH2間の差電圧と、低電圧側ベリファイ電圧VL3および高電圧側ベリファイ電圧VH3間の差電圧とは同一電圧に設定されている。本実施形態においては、1個のメモリセル2aに2ビットが割り当てられた実施形態を示すが、1個のメモリセル2aに3ビット以上の情報量が割り当てられていても良い。
尚、リフレッシュ時の基準電圧を読み出し電圧Vreadと共用した実施形態を示すが、読み出し電圧Vread1〜Vread3を基準電圧と共用することなく、基準電圧を高電圧側ベリファイ電圧VH1〜VH3および低電圧側ベリファイ電圧VL1〜VL3間のそれぞれ何れの電圧に設定しても良い。
この図7において、しきい値電圧Vtが第1の電圧分布V1内に入っている場合をデータ”00”とし、第2の電圧分布V2内に入っている場合をデータ”01”とし、第3の電圧分布V3内に入っている場合をデータ”10”とし、第4の電圧分布V4内に入っている場合をデータ”11”と規定している。データを読み出すときには、各電圧分布V1〜V4間にそれぞれ設定される読み出し電圧Vread1〜Vread3において読出処理を行い、しきい値電圧Vtが第1〜第4の電圧分布V1〜V4の何れの電圧分布内に規定されているかを特定し、この結果に応じてデータ”00”〜”11”を決定する。
前述したように、メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtは低下しやすいことが確認されているが、このような多値メモリの場合、しきい値電圧Vtが3以上の複数の電圧分布(例えば、4値の場合、第1ないし第4の電圧分布V1〜V4)内に入るように設定されている。メモリセルトランジスタQ3のしきい値電圧Vtは、その電圧に応じて低下度も変化する。具体的には、多値メモリの場合、特にしきい値電圧Vtの高い方がしきい値電圧Vtの低下度も大きい。
このため、リフレッシュ時の基準電圧Vread1〜Vread3を低電圧側ベリファイ電圧VL1〜VL3および高電圧側ベリファイ電圧VH1〜VH3間のそれぞれの割合H1(=Va1/Vb1)、割合H2(=Va2/Vb2)、割合H3(=Va3/Vb3)に応じた電圧で決定するときには、割合H3を割合H2に比較して低く、割合H2を割合H1に比較して低く設定することが望ましい。このように設定することにより、しきい値電圧Vtの絶対値が高くなるに従ってしきい値電圧Vtも低下しやすくなるという実用的な面にも対応できるようになる。
このような本実施形態によれば、多値メモリセルに適用した場合、基準電圧としての読み出し電圧Vread1〜Vread3の設定割合H1〜H3をしきい値電圧Vtが高くなるに従い順次低くなるように設定したので、しきい値電圧Vtの値が高くなるに従ってしきい値電圧Vtが低下しやすくなるという実用的な面でも対応できるようになる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態が第1ないし第4の実施形態と異なるところは、フラッシュメモリ装置に適用したところにある。第1ないし第4の実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下異なるところについてのみ説明する。
EEPROM1に代えてフラッシュメモリ装置に適用した場合、アドレス単位で書換可能になっておらず、ブロック単位(例えば数Mbit)でデータ書き換え可能であったり一括で書き換え可能になっている。この場合、Cレジスタ15に代えてブロックの記憶データを全て保持可能なラッチ回路を設定し、当該ラッチ回路に対して読み出し電圧Vreadでベリファイ処理した結果を保持して一括で書き換えるようにしても良い。すなわち、フラッシュメモリ装置に適用したとしても前述実施形態と略同様の作用効果を奏する。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形もしくは拡張が可能である。
EEPROM装置、フラッシュメモリ装置に適用した実施形態を示したが、これに限定されるものではなく、上述実施形態の特徴を有する不揮発性メモリを備えた半導体装置に適用しても良い。
第1の実施形態のステップS13において、リフレッシュ時の基準電圧を読み出し電圧Vreadとしているが、このリフレッシュ基準電圧は低電圧側ベリファイ電圧VLおよび高電圧側ベリファイ電圧VH間の範囲の電圧であれば何れの電圧であっても良い。
また、定期的にリフレッシュするようにした実施形態を示したが、これに限定されるものではなく、EEPROM1に初めて電源が投入されてから初期の所定期間は長期間毎にリフレッシュすると共に時間経過するに連れて短い期間毎にリフレッシュするようにしても良い。これは、年月の経過に伴い劣化の程度も増してくるためである。
また、リフレッシュ動作が外部から指令を受けて行われるように構成されていても良い。この場合、汎用性を向上することができる。
また、浮遊ゲートの部分に電荷を蓄積しデータを記憶する記憶装置に限らず、電荷を蓄積する構造を持ちうる記憶装置について適用可能である。
本発明の第1の実施形態の処理動作を示すフローチャート 電気的構成を概略的に示すブロック図 メモリセルアレイとその周辺回路を概略的に示す電気的構成図 しきい値電圧、高電圧側ベリファイ電圧、低電圧側ベリファイ電圧および読み出し電圧の関係を示す説明図 本発明の第2の実施形態を示す図4相当図 本発明の第3の実施形態の説明図((a)および(b)はメモリセルのしきい値電圧と使用温度範囲との関係を示す図(その1、その2)) 本発明の第4の実施形態において多値メモリセルに適用した場合の図4相当図 不具合の一例を示す図
符号の説明
図面中、1はEEPROM装置(半導体装置)、3は制御回路(リフレッシュ手段)、12はセンスアンプ(基準電圧比較手段)、16は比較回路(低電圧側比較手段、高電圧側比較手段)、Q3はメモリセルトランジスタ(不揮発性メモリ)を示す。

Claims (11)

  1. 多数のメモリセルを備え当該メモリセルに設定されるしきい値電圧を低電圧分布内もしくは当該低電圧分布よりも電圧が高い高電圧分布内に保持しデータを不揮発的に記憶可能に構成された不揮発性メモリを備えた半導体装置において、
    前記低電圧分布および前記高電圧分布間に設定される基準電圧よりも低電圧で且つ前記低電圧分布よりも高電圧となる低電圧側ベリファイ電圧と前記メモリセルのしきい値電圧とを比較する低電圧側比較手段と、
    前記基準電圧よりも高電圧で且つ前記高電圧分布よりも低電圧となる高電圧側ベリファイ電圧と前記メモリセルのしきい値電圧とを比較する高電圧側比較手段と、
    前記メモリセルのしきい値電圧と前記基準電圧とを比較する基準電圧比較手段と、
    前記高電圧側比較手段により前記メモリセルのしきい値電圧が前記高電圧側ベリファイ電圧よりも低く検出されると共に前記基準電圧比較手段により前記メモリセルのしきい値電圧が前記基準電圧以上に検出された場合には前記メモリセルのしきい値電圧を前記高電圧分布内に調整してリフレッシュすると共に、前記低電圧側比較手段により前記メモリセルのしきい値電圧が前記低電圧側ベリファイ電圧よりも高く検出されると共に前記基準電圧比較手段により前記メモリセルのしきい値電圧が前記基準電圧よりも低く検出された場合には前記メモリセルのしきい値電圧を前記低電圧分布内に調整してリフレッシュするリフレッシュ手段とを備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記基準電圧は、前記メモリセルのデータを読み出すときの読み出し電圧と同一電圧であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記基準電圧は、前記低電圧側ベリファイ電圧と前記高電圧側ベリファイ電圧との中間の電圧であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  4. 前記基準電圧は、前記低電圧側ベリファイ電圧と前記高電圧側ベリファイ電圧との中間の電圧よりも低い電圧で且つ前記低電圧側ベリファイ電圧よりも高い電圧であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  5. 前記リフレッシュ手段は、定期的にリフレッシュすることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の半導体装置。
  6. 前記リフレッシュ手段は、電源が投入されてから初期の所定期間は長期間毎にリフレッシュすると共に時間経過するに連れて前記長期間よりも短い期間毎にリフレッシュすることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の半導体装置。
  7. 前記リフレッシュ手段は、外部から指令を受けてリフレッシュすることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の半導体装置。
  8. 前記高電圧側ベリファイ電圧および前記低電圧側ベリファイ電圧並びに前記基準電圧は、前記メモリセルのしきい値電圧の温度特性および当該メモリセルの使用可能な温度範囲に応じて設定されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の半導体装置。
  9. 前記メモリセルは、そのしきい値電圧が第1の電圧分布から順次離間して高くなる第kの電圧分布(kは3以上の整数)内に設定されるように構成された多値メモリセルであって、
    前記低電圧側比較手段は、前記第jの電圧分布(1≦j≦k−1を満たす整数)および第(j+1)の電圧分布間に設定される第jの基準電圧よりも低電圧で且つ前記第jの電圧分布よりも高電圧となる第jの低電圧側ベリファイ電圧と前記メモリセルのしきい値電圧とを比較し、
    前記高電圧側比較手段は、前記第jの基準電圧よりも高電圧で且つ前記第(j+1)の電圧分布よりも低電圧となる第jの高電圧側ベリファイ電圧と前記メモリセルのしきい値電圧とを比較し、
    前記基準電圧比較手段は、前記メモリセルのしきい値電圧と前記第jの基準電圧とを比較し、
    前記リフレッシュ手段は、前記高電圧側比較手段により前記メモリセルのしきい値電圧が第jの高電圧側ベリファイ電圧よりも低く検出されると共に前記基準電圧比較手段によりメモリセルのしきい値電圧が第jの基準電圧以上に検出された場合にはメモリセルのしきい値電圧を第(j+1)の電圧分布内に調整してリフレッシュすると共に、前記低電圧側比較手段により前記メモリセルのしきい値電圧が前記第jの低電圧側ベリファイ電圧よりも高く検出されると共に前記第jの基準電圧よりも低く検出された場合には前記メモリセルのしきい値電圧を前記第jの電圧分布内に調整してリフレッシュすることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の半導体装置。
  10. 前記第jの基準電圧は、前記第jの電圧分布と第(j+1)の電圧分布との間にそれぞれ設定される前記第jの低電圧側ベリファイ電圧および前記第jの高電圧側ベリファイ電圧間の電圧に対する割合に応じた電圧であると共に、前記割合は、前記jの値が大きくなるに従い順次低くなるように設定されていることを特徴とする請求項9記載の半導体装置。
  11. EEPROM装置に適用したことを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の半導体装置。

JP2005150948A 2005-05-24 2005-05-24 半導体装置 Pending JP2006331497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005150948A JP2006331497A (ja) 2005-05-24 2005-05-24 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005150948A JP2006331497A (ja) 2005-05-24 2005-05-24 半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006331497A true JP2006331497A (ja) 2006-12-07

Family

ID=37553049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005150948A Pending JP2006331497A (ja) 2005-05-24 2005-05-24 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006331497A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009032347A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Mega Chips Corp 不揮発性半導体記憶装置
JP2009123292A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Toshiba Corp 半導体記憶装置
JP2010527094A (ja) * 2007-05-14 2010-08-05 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド データ読取装置およびその方法
JP2011159351A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Toshiba Corp 不揮発性半導体記憶装置および不揮発性メモリシステム
JP2013041634A (ja) * 2011-08-11 2013-02-28 Fujitsu Ltd 不揮発性半導体記憶装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0737397A (ja) * 1992-12-16 1995-02-07 Texas Instr Inc <Ti> フラッシュ電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリのリフレッシュ方法、装置及び同メモリ
JPH0877785A (ja) * 1994-08-31 1996-03-22 Toshiba Corp 半導体記憶装置
JP2000091505A (ja) * 1998-09-08 2000-03-31 Toshiba Corp 半導体集積回路装置
JP2002230984A (ja) * 2001-02-05 2002-08-16 Fujitsu Ltd 不揮発性半導体記憶装置
JP2004280971A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Sony Corp 情報処理装置と半導体メモリ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0737397A (ja) * 1992-12-16 1995-02-07 Texas Instr Inc <Ti> フラッシュ電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリのリフレッシュ方法、装置及び同メモリ
JPH0877785A (ja) * 1994-08-31 1996-03-22 Toshiba Corp 半導体記憶装置
JP2000091505A (ja) * 1998-09-08 2000-03-31 Toshiba Corp 半導体集積回路装置
JP2002230984A (ja) * 2001-02-05 2002-08-16 Fujitsu Ltd 不揮発性半導体記憶装置
JP2004280971A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Sony Corp 情報処理装置と半導体メモリ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010527094A (ja) * 2007-05-14 2010-08-05 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド データ読取装置およびその方法
JP2009032347A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Mega Chips Corp 不揮発性半導体記憶装置
JP2009123292A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Toshiba Corp 半導体記憶装置
US8208333B2 (en) 2007-11-15 2012-06-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor memory device
JP2011159351A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Toshiba Corp 不揮発性半導体記憶装置および不揮発性メモリシステム
JP2013041634A (ja) * 2011-08-11 2013-02-28 Fujitsu Ltd 不揮発性半導体記憶装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7558114B2 (en) Flash memory device capable of improving reliability
KR100770754B1 (ko) 비휘발성 반도체 메모리 장치 및 그것의 프로그램 방법
US7961516B2 (en) NAND flash memory and memory system
US11238936B2 (en) Memory system for restraining threshold variation to improve data reading
US8339861B2 (en) Method and apparatus of performing an erase operation on a memory integrated circuit
US7518909B2 (en) Non-volatile memory device adapted to reduce coupling effect between storage elements and related methods
JP3833970B2 (ja) 不揮発性半導体メモリ
US10068659B2 (en) Semiconductor memory device and programming method of NAND flash memory
US9514826B2 (en) Programming method for NAND-type flash memory
US9245644B2 (en) Method and apparatus for reducing erase disturb of memory by using recovery bias
US7724576B2 (en) Soft programming method of non-volatile memory device
US9865358B2 (en) Flash memory device and erase method thereof capable of reducing power consumption
JP2007310936A (ja) 半導体記憶装置
JP2006331497A (ja) 半導体装置
JP4846814B2 (ja) 不揮発性半導体記憶装置
US7558126B2 (en) Nonvolatile semiconductor memory device
US20110038206A1 (en) Semiconductor storage device to correct threshold distribution of memory cells by rewriting and method of controlling the same
KR20120119325A (ko) 반도체 메모리 장치
US8238156B2 (en) Nonvolatile semiconductor memory device and method of operating the same
JP2009080884A (ja) 不揮発性半導体記憶装置
US20210272634A1 (en) Semiconductor memory device and reading method
US20100124128A1 (en) Nand flash memory
US20190295667A1 (en) Temperature compensation for unselected memory cells and string select switches in nand flash memory
US7577042B2 (en) Method of programming multi-level semiconductor memory device and multi-level semiconductor memory device
US20120008408A1 (en) Non-volatile memory device and operating method of the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100601