JP2006329226A - 真空断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空包装時に加わる大気圧による芯材中のガラス繊維の破断を抑え、固体成分の熱伝導を低く抑えた真空断熱材を得る。
【解決手段】ガラス繊維1からなる芯材3を外被材で覆って外被材の内部を減圧した真空断熱材において、ガラス繊維1は引張り破断強度が大きいものの割合が大きいことにより、芯材3の引張り破断強度が大きくなっている。ガラス繊維1の引張り破断強度が大きいことにより、芯材3が大気圧により圧縮されてもガラス繊維1が破断せず周囲の空間が保持され、周囲の繊維1同士が接触しにくくなる。また、破断部が自由端となり、周囲と接触することによる固体成分の熱伝導の増大が抑制される。従って、固体成分の熱伝導を低く抑えた真空断熱材を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、優れた断熱性能を有する真空断熱材に関するものである。
真空断熱材に使用する芯材は、熱伝導率が小さく、ガス発生の少ない無機化合物が適している。特に、ガラス繊維の積層体を芯材とした真空断熱材は、優れた断熱性能を有していることが知られており、その真空断熱材を構成する芯材の一例として、図6に示すものがある。
図6は、無機質細径繊維1a,1bがその長さ方向を伝熱方向と直角になるように、且つ、この直角な細径繊維1a,1bの長さ方向が相互に交差するように、ランダムに積層されて相互に点接触とされ、積層された細径繊維1a,1bに伝熱方向と平行に打込まれて、高密度の無機質細径繊維マット1を構成するペネトレーション繊維1cを備え、無機質細径繊維マット1を複数枚重ね合わすことで、芯材3を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以上のように構成された従来の真空断熱材は、無機質細径繊維1a,1bが、伝熱方向に対して直角に、かつランダムに配置されているため、その繊維1a,1b相互が点接触となることから、接触点での接触熱抵抗が大きく、芯材3厚み方向の伝熱量は小さくなる。
しかし、伝熱方向と垂直に配置された繊維1a,1bのみでは、伝熱方向に作用する大気圧に対する耐圧縮性が低下し、真空包装後に作用する大気圧により、芯材3が圧縮され厚みの確保が困難になるため、部分的に、伝熱方向と平行に、ペネトレーション繊維1cを配置している。
しかしながら、ペネトレーション繊維1cにより、断熱性能が低下するため、無機質細径繊維マット1を複数枚重ね合わすことで芯材3を形成し、ペネトレーション繊維1cによる伝熱量を低減するものである。
特公平7−103955号公報
しかしながら、上記従来の構成では、伝熱方向に平行な繊維による熱伝導の寄与度が大きいため、無機質細径繊維マットを複数枚重ね合わした場合でも、熱伝導を十分に低減することが困難なので、固体成分の熱伝導が大きくなるという課題を有していた。
一方、無機質細径繊維の一種であるガラス繊維が伝熱方向と垂直方向にのみ積層されて構成された芯材では、以下に示す要因により固体成分の熱伝導が増加する。
ガラス繊維には外被材を介して圧縮力が加えられる。ガラス繊維から構成されている芯材内部ではガラス繊維どうしが絡み合っており、大気圧により圧縮力が加わるとガラス繊維には引張り応力や曲げ応力が加えられ歪みが生じる。
ガラス繊維の引張り破断強度が小さい場合は、僅かな引張り力で破断してしまい、この繊維の存在により保持されていた空間が無くなり、接触していなかった繊維同士が接触することにより熱が伝わりやすくなる。さらに、繊維の破断部が付近の繊維と接触することによっても熱が伝わりやすくなる。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、伝熱方向と水平方向の繊維が要因となる固体成分の熱伝導を抑制し、熱伝導率が小さい真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の真空断熱材は、大きな引張り破断強度を有するガラス繊維の割合が大きいガラス繊維集合体を伝熱方向と垂直方向に積層することにより作製したことにより、引張り破断強度が大きい芯材を真空包装することにより作製したものである。
ガラス繊維の引張り破断強度が大きくなっていることにより、大気圧により圧縮されても繊維が破断せず周囲の空間が保持され、周囲の繊維同士が接触しにくく、固体成分の熱伝導の増大が抑制される。
また、芯材は非常に多数で微細なガラス繊維から構成されているため、真空断熱材を使用するスケールにおける特性は、破断していないガラス繊維による寄与と、破断したガラス繊維による寄与の両方からなり、ガラス繊維が破断した部分と破断していない部分の平均に依存する。つまり、芯材中において、破断していないガラス繊維の割合が大きいほど優れた断熱性能が得られる。
従って、引張り破断強度が大きいガラス繊維の割合が大きいことにより、引張り破断強度が大きい芯材を用いることにより固体成分の熱伝導を低く抑えた真空断熱材を得ることができる。
本発明の真空断熱材は、同一の熱伝導率を有するガラスを用いて作製された芯材を用いて作製した真空断熱材に比較して、より優れた断熱性能を有する。
請求項1に記載の真空断熱材の発明は、ガラス短繊維集合体からなる芯材をラミネートフィルムからなる外被材で覆って前記外被材の内部を減圧してなる真空断熱材であって、前記真空断熱材から取り出された前記芯材が、伝熱方向に対する垂直方向の引張り破断強度が65N/cm2以上であるものである。
本発明によれば、引張り破断強度が大きいガラス繊維であるため、芯材の伝熱方向と垂直方向の引張り65N/cm2以上となっている。
ガラス繊維の引張り破断強度が大きくなっていることにより、大気圧により圧縮されても繊維が破断せず周囲の空間が保持され、周囲の繊維同士が接触しにくく、固体成分の熱伝導の増大が抑制される。また、破断部が自由端となることにより周囲の繊維と接触することによる伝熱点の増大を抑えることができる。芯材は非常に多数で微細なガラス繊維から構成されているため、真空断熱材を使用するスケールにおける特性は、破断していないガラス繊維による寄与と、破断したガラス繊維による寄与の両方からなり、ガラス繊維が破断した部分と破断していない部分の平均に依存する。つまり、芯材中において、破断していないガラス繊維の割合が大きいほど優れた断熱性能が得られる。
請求項2に記載の真空断熱材の発明は、請求項1に記載の発明における芯材の空隙率が85%以上であり、前記芯材の引張り破断強度が、前記芯材の空隙以外の部分を占めるガラス短繊維が破断することによる力であるものである。
本発明によれば、芯材に占める空隙が大きいため、熱が伝わりにくくなる。従って、ガラス繊維の破断により繊維の接点の増大を抑えることにより、熱伝導率を低減した真空断熱材を得ることができる。
請求項3に記載の真空断熱材の発明は、請求項1または2に記載の発明において、芯材の引張り強度を測定する試料が、前記芯材を伝熱方向に対して垂直方向に直方体状に切り出したものであり、引張り破断強度の測定方法が、前記試料に引張り破断強度測定装置の試料取り付け部を隣接して取り付け、前記試料支持部の距離を大きくすることにより破断させるものである。
本発明によれば、試料取り付け部同士を隣接することにより、ガラス繊維の集合が解かれることによる芯材の破断がしにくくなり、ガラス繊維が破断することによる引張り破断強度を正確に測定できる。ガラス繊維の引張り破断強度が大きいことにより、芯材内部でガラス繊維の破断による伝熱が抑制され、より優れた断熱性能を有する真空断熱材を得ることができる。
請求項4に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、試料取り付け部が互いに平行な板状の支持部を有し、前記板状の支持部間の距離を小さくして試料を圧縮することにより固定して引張り破断強度を測定するものである。
本発明によれば、平行板で芯材を挟み込むことにより、芯材内部のガラス繊維同士が押し付けられ、芯材に引張り力が働いた場合、ガラス繊維同士の摩擦力が、ガラス繊維の引張り力を上回ると、芯材はガラス繊維が破断することにより破断する。従って、ガラス繊維が破断することによる引張り破断強度を正確に測定できる。ガラス繊維の引張り破断強度が大きいことにより、芯材内部でガラス繊維の破断による伝熱が抑制され、より優れた断熱性能を有する真空断熱材を得ることができる。
請求項5に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明における芯材が、ガラス繊維相互を結着する結合剤を含まないものである。
本発明によれば、ガラス繊維相互を結着する結合剤を含まないことにより、結合剤による熱伝導の増大を抑制できるため、より熱伝導率を低減した真空断熱材を得ることができる。
請求項6に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明における芯材が、結合剤により結着することにより成形されているものである。
本発明によれば、結合剤を用いることにより、集綿が困難なガラス繊維であっても芯材を作成することができる。
請求項7に記載の真空断熱材の発明は、芯材をラミネートフィルムからなる外被材で覆って前記外被材の内部を減圧してなる真空断熱材であって、解体前の芯材部の密度と解体後に取り出した前記芯材の引張り破断強度の積より、前記芯材を圧縮後した後、解体前の芯材部の密度と解体後に取り出した芯材の引張り破断強度の積が大きいものである。
圧縮後の密度と解体して取り出した芯材の引張り破断強度の積が、圧縮前の密度と解体して取り出した芯材の引張り破断強度の積より大きいことは、圧縮の際に加わる力により破断する繊維の割合より、芯材が薄くなる割合が大きいためである。
断熱材は、その同一部分を通過する熱の量が同一の場合は、より薄い方が断熱性能が優れている。
従って、圧縮の際に加わる力により破断する繊維の割合より、芯材が薄くなる割合が大きいことは、圧縮によって繊維が破断すること等により伝熱点が増加し、通過する熱の量が増加する割合に比較して、薄くなることによる優位性の向上の割合が大きく、圧縮により断熱性能の改善が可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における真空断熱材の断面図である。図2は実施の形態1における芯材断面の模式図である。図3は実施の形態1における引張り強度測定試験片断面の模式図である。図4は実施の形態1における試験片取付けの模式図である。
図1において、真空断熱材2は芯材3と外被材4と吸着剤5から構成されている。図2において1aは芯材断面に略水平に配置したガラス繊維であり、1bは芯材断面に略垂直に配置したガラス繊維である。芯材3はガラス繊維集合体を成形し板状にしたものであり、外被材4は、シーラント層として直鎖型低密度ポリエチレン、金属箔にアルミニウム、最外層にナイロンを用いて構成されているラミネートフィルムである。
図3において、符号6で示すものは引張り強度測定試験片である。図4において、符号7で示すものは芯材取り付け部である。
吸着剤5は酸化カルシウムである。芯材3を構成しているガラス繊維集合体は、作製工程により、引張り破断強度が大きい繊維の割合を大きくしたものである。
ガラス繊維は、高速で回転する繊維化装置からと出することにより繊維化した。
引張り破断強度が大きい繊維の割合を大きくするため、表面にグリフィスクラックの発生を少なくするため、ガラス繊維を引き伸ばす空気の温度を−30℃とした。このようにすることにより表面のグリフィスクラックが減少し、引張り強度が大きいガラス繊維の割合が多いガラス繊維集合体を得ることができる。
このガラス繊維を集綿したものを加熱成形して芯材3を作製した。このようにして作製した芯材を予め3方シールにより製袋した外被材4に挿入後、13Paまで減圧後封止し、真空断熱材2を作製した。図2に示されているように、断面に略水平を向いたガラス繊維1aは、断面に略垂直を向いたガラス繊維1bのみを通して接触している。
芯材に大気圧が加わると、内部で絡み合った繊維に引張り力が作用するが、繊維の引張り破断強度が大きくなっていることにより、大気圧により圧縮され、繊維に引張り力が作用しても繊維が破断せず周囲の空間が保持され、周囲の繊維同士が接触していない状態で保持される。更に、破断部が自由端となることによる周囲のガラス繊維との接触が抑制される。従って、破断していない繊維の周囲はガラス繊維による熱伝導が少なくなる。
真空断熱材の実使用上のスケールは、ガラス繊維同士の伝熱点のスケールに比較して大幅に大きい。従って、真空断熱材実使用の際の熱伝導率は、これらの熱伝導の平均に依存する。従って、引張り破断強度が大きな繊維の割合が大きい芯材は熱伝導が小さく、このような芯材を用いることにより、断熱性能が優れた真空断熱材を得ることができる。
このようにして作製した真空断熱材の熱伝導率は0.0015W/mKであった。
この真空断熱材を解体して芯材を取り出し、引張り強度を測定した。測定試験片は100mm×25mmに切り出した。厚さは、加わる圧力に依存するため、一定の圧力下での厚さを規定する必要があるため、1013hPaで圧縮を行った。
圧縮の方法は、圧縮試験機(図示せず)に平行に取り付けた平面状の治具の距離を小さくする過程で行った。この条件での芯材の厚さは10mmであった。従って、芯材の断面積は、2.5cm2であった。
この試験片の引張り破断強度は300Nであった。従って、芯材の引張り破断強度は、120N/cm2であった。
また、1013hPa下における密度は250kg/cmであり、ガラスの密度は2500kg/cm3であるため、断面積に占めるガラスの割合は10%である。従って、断面に占めるガラスの面積を用いた場合の引張り破断強度は1200N/cm2となる。
これは、ガラス繊維の引張り破断強度が大きくなることにより、引張り破断強度が大きいガラス繊維の割合が大きくなっているためである。
芯材は、ガラス繊維の集合体であるため、芯材の破断には、ガラス繊維が破断することによる破断と、ガラス繊維の集合が解かれることによる破断がある。
ガラス繊維の集合が解かれるための力は、ガラス繊維が破断するための力より小さい。このため、ガラス繊維の集合が解かれることによる芯材の破断に必要な力は、ガラス繊維が破断することによる芯材の破断に必要な力より小さい。従って、ガラス繊維の集合が解かれることにより破断した場合は、芯材の引張り破断強度を小さく見積もることになる。従って、ガラス繊維の大部分が破断することにより芯材を破断する必要がある。
このためには、芯材の引張り強度の測定は、測定方法の適性化が必要となる。従って以下に示すようにして適正化を行った。
図3に示されているように、試験片には断面方向と略水平の繊維が存在し、これらが引っ張られることにより破断する力の総和が、芯材の引張り破断強度となる。
このため、図4に示すように、芯材3を引張り試験機に取り付ける際、芯材取り付け部7を近接して取り付け、芯材に圧力を加えて固定する。このようにすることにより、芯材3は芯材取り付け部7が接している面とほぼ同一の面で破断し、断面は平面状になる。
以上の様に測定した場合においても、破断の一部は、繊維の集合が解かれることによる破断である可能性がある。このため、全ての繊維が破断することにより芯材が破断した場合の引張り破断強度は、測定値と同等以上である。従って、芯材の引張り破断強度は、試験を10回行い、その最大値を用いることとする。
また、結合剤を用いて芯材を成形した場合は、芯材の引張り破断強度が増大する。これは、芯材の引張強度測定の際、繊維の集合が解かれにくくなるため、破断する繊維の割合が大きくなるためである。
例えば、上記と同等の方法により作製したガラス繊維を、フェノール樹脂を用いて結着した綿状のガラス繊維集合体の引張り破断強度は125N/cm2であった。また、このガラス繊維集合体を芯材として作製した真空断熱材の熱伝導率は0.0018W/mKであり、バインダーを用いない場合に比較して0.0003W/mK大きくなっている。これは、ガラス繊維同士の接点のフェノール樹脂が伝熱に寄与するためである。
(実施の形態2)
図5は本実施の形態における芯材断面の模式図である。
ガラス繊維1は高速で回転するガラス繊維作製装置から吐出されたガラス繊維を−10℃の空気を吹き付けることにより急冷することにより作製したものである。−10℃の空気を吹き付けることにより強化されているため、このガラス繊維を集綿すると、引張り破断強度が大きいガラス繊維の割合が大きいガラス繊維集合体を得ることができる。
このようにして作製したガラス繊維集合体を成形して芯材を作製し、真空断熱材を作製した。この真空断熱材の厚さは10mmであり密度は240kg/m3であった。熱伝導率を測定したところ0.0015W/mKであった。熱貫流率は0.15W/m2Kであった。また芯材の引張り破断強度は120N/cmであった。
この真空断熱材を厚さが8mmとなるまで圧縮し、密度を300kg/m3とした後に解体して芯材の引張り破断強度を測定すると、113N/cm2であった。圧縮により引張り破断強度が低下しているが、これは芯材を圧縮することにより、芯材中のガラス繊維に引張り力が作用して破断したガラス繊維があり、破断したガラス繊維は芯材の引張り破断強度に寄与しないためである。
圧縮後の熱貫流率は、0.18W/m2Kであった。これは圧縮により破断した繊維が伝熱に寄与するためである。一方、熱伝導率は熱貫流率と厚さの積であるため、0.00144W/mKと計算され、実測値は0.0014W/mKであった。
本実施の形態のように、圧縮による熱貫流率の増加より厚さの減少が大きい場合は、圧縮することにより熱伝導率を低下することができる。
ガラス繊維集合体から芯材を作製する方法、外被材の製袋方法等、真空断熱材の作製方法および、各物性の測定方法は実施の形態1と同等である。
ガラス繊維集合体において、引張り破断強度が大きい繊維の割合を大きくする手法として、ガラス繊維を引き伸ばす冷却空気の温度を低下させる手法を用いたが、引張り破断強度が大きい繊維の割合を大きくする手法はこれに限定するものではなく、ガラス繊維の表面を薬品で処理することによりグリフィスクラックを取り除いてもよい。
実施の形態において、引張り破断強度が大きい繊維の割合を大きくする手法を変えて検討を行った。各条件において得られたガラス繊維集合体を成形して作製した芯材を用いて真空断熱材を作製した。それぞれの作製条件における芯材の物性と熱伝導率を実施例1〜7に示す。また、急冷を行わなかった場合を比較例1に示す。真空断熱材の作製方法は各場合において同等である。
(実施例1)
ガラス繊維を50℃で急冷した場合、真空断熱材の熱伝導率は、0.0018W/mKであった。芯材の引張り破断強度は70N/cm2であった。
(実施例2)
ガラス繊維を30℃で急冷した場合、真空断熱材の熱伝導率は、0.0017W/mKであった。芯材の引張り破断強度は85N/cm2であった。
(実施例3)
ガラス繊維を10℃で急冷した場合、真空断熱材の熱伝導率は、0.0016W/mKであった。芯材の引張り破断強度は100N/cm2であった。
(実施例4)
ガラス繊維を−10℃で急冷した場合、真空断熱材の熱伝導率は、0.0015W/mKであった。芯材の引張り破断強度は120N/cm2であった。
(実施例5)
ガラス繊維を−30℃で急冷場合、真空断熱材の熱伝導率は、0.0015W/mKであった。芯材の引張り破断強度は120N/cm2であった。
(実施例6)
ガラス繊維をイオン交換により強化した場合、真空断熱材の熱伝導率は、0.0015W/mKであった。芯材の引張り破断強度は115N/cm2であった。
(実施例7)
ガラス繊維をフッ化水素酸により強化した場合、真空断熱材の熱伝導率は、0.0015W/mKであった。芯材の引張り破断強度は110N/cm2であった。
各条件で強化を行ったガラス繊維を芯材の構成要素として用いた真空断熱材の熱伝導率及び繊維、芯材の物性の関係を(表1)に示す。
Figure 2006329226
ガラス繊維の冷却温度を200℃とした場合の真空断熱材の熱伝導率と芯材の引張り破断強度を比較例に示す。
(比較例1)
真空断熱材の熱伝導率は0.0020W/mKであった。芯材の引張り破断強度は60N/cm2であった。
(表1)に示されているように、芯材の引張り破断強度が大きくなるに従って熱伝導率が低減しており、芯材の引張り破断強度が65N/cm2以上で熱伝導率が低減することがわかる。
また、冷却空気の温度を低くして強度が大きいガラス繊維の割合を多くした場合と、表面処理によりグリフィスクラックを減少させることにより強度が大きいガラス繊維の割合を多くした場合とも、芯材の引張り破断強度が大きくなるに従って熱伝導率が低減している。
従って、芯材の引張り破断強度が大きい場合は、ガラス繊維の作製条件に依存せず熱伝導率が低減することが判る。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は優れた断熱性能を有しているので、より薄い厚さで高い断熱性能が得られる。従って、冷蔵庫、クーラーボックスなどの用途に加えて、液晶プロジェクター、コピー機、ノートパソコン等のようにより狭い空間で高い断熱性能が必要とされる用途に適用可能である。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図 本発明の実施の形態1における真空断熱材の芯材断面の模式図 本発明の実施の形態1における真空断熱材の芯材の引張り強度測定試験片断面の模式図 本発明の実施の形態1における真空断熱材の芯材の試験片取付けの状態を示す模式図 本発明の実施の形態2における真空断熱材の芯材断面の模式図 従来の真空断熱材の芯材断面の模式図
符号の説明
1,1a,1b ガラス繊維
2 真空断熱材
3 芯材
4 外被材

Claims (7)

  1. ガラス短繊維集合体からなる芯材をラミネートフィルムからなる外被材で覆って前記外被材の内部を減圧してなる真空断熱材であって、前記真空断熱材から取り出された前記芯材は、伝熱方向に対する垂直方向の引張り破断強度が65N/cm2以上である真空断熱材。
  2. 芯材の空隙率が85%以上であり、前記芯材の引張り破断強度は、前記芯材の空隙以外の部分を占めるガラス短繊維が破断することによる力である請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 芯材の引張り強度を測定する試料が、前記芯材を伝熱方向に対して垂直方向に直方体状に切り出したものであり、引張り破断強度の測定方法は、前記試料に引張り破断強度測定装置の試料取り付け部を隣接して取り付け、前記試料支持部の距離を大きくすることにより破断させることである請求項1または2に記載の真空断熱材。
  4. 試料取り付け部が互いに平行な板状の支持部を有し、前記板状の支持部間の距離を小さくして試料を圧縮することにより固定して引張り破断強度を測定する請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  5. 芯材が、ガラス繊維相互を結着する結合剤を含まないものである請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  6. 芯材が、結合剤により結着することにより成形されている請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  7. 芯材をラミネートフィルムからなる外被材で覆って前記外被材の内部を減圧してなる真空断熱材であって、解体前の芯材部の密度と解体後に取り出した前記芯材の引張り破断強度の積より、前記芯材を圧縮後した後、解体前の芯材部の密度と解体後に取り出した芯材の引張り破断強度の積が大きい真空断熱材。
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