JP2006329113A - 触媒の劣化検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異なるバンクの空燃比波形が干渉したときの影響を受けることなく、内燃機関の運転状態に依存しない適切な時期に正確なディレー期間に基づいて的確な劣化判定を行うことができる触媒の劣化検出装置を提供する。
【解決手段】 燃料カット条件の成立時に内燃機関の空燃比をリッチシフトして床下触媒に吸着されている酸素を消費させ、その後に燃料カット(F/C)を開始して、このときのリア入口O2センサのリーン変動からリア出口O2センサのリーン変動までのディレー期間に基づいて床下触媒の劣化判定を実行する。
【選択図】 図4

Description

本発明は内燃機関の排気通路に設けられた触媒の劣化を判定する劣化検出装置に関するものである。
例えば車両に搭載された内燃機関の排気通路には触媒が設けられ、内燃機関から排出される排ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分を浄化する役割を果たしている。この種の触媒は使用に伴って次第に劣化して浄化効率が低下するため、劣化した触媒の使用を継続したときの大気中への有害成分の放出を防止すべく、例えば北米のOBD(On Board Diagnosis)に関する法規制では触媒劣化を検出・表示して修理を促す劣化判定機能を車両に装備することが義務付けられている。
触媒の劣化判定の手法としては、触媒の劣化に伴って触媒が有する酸素ストレージ作用が低下すると、触媒上流側の排気空燃比(以下、単に空燃比と称するが排気空燃比を指すものとする)の波形に対する触媒下流側の空燃比波形の遅れが次第に減少することに着目し、例えば燃料噴射制御の空燃比フィードバックによる周期的な空燃比変動、或いは車両減速時の燃料カットから復帰したときのリーンからリッチへの空燃比変動を利用して、触媒上流側の空燃比波形に対する触媒下流側の空燃比波形の遅れ(立上がり又は立下がりエッジを基準とする)をディレー期間として計測し、ディレー期間が所定の劣化判定値より短くなったときに劣化判定を下すものが実用化されている。
上記劣化判定の手法では、触媒上流側と触媒下流側との空燃比波形の同一エッジに基づいてディレー期間を計測する必要があり、例えば直列4気筒機関において各気筒から排出された排ガスがその順序のまま触媒を流通するような排気マニホールドや排気管である場合には、図6に示すように触媒上流側の空燃比波形(フロントO2センサ出力)に対して触媒下流側ではディレー期間相当分遅れた位相で空燃比波形(リアO2センサ出力)が順次再現されるため、触媒上流側の空燃比波形に対して触媒下流側の空燃比波形から同一エッジを問題なく特定可能である。
しかしながら、例えばV型6気筒機関では、左右バンクで個別に行われる空燃比フィードバックにより互いの空燃比波形(図7の左右バンクフロントO2センサ出力)の位相が同期せず、燃料カット復帰も何れか一方のバンクから開始される(アクセル踏込みのタイミングで定まる)ため同一タイミングではなく、且つ、一般に両バンクから排ガス合流部までの配管長が異なるため、結果として両バンクから排出された排ガスが合流したときに空燃比フィードバックや燃料カット復帰に起因する空燃比波形が相互に干渉し合う現象が生じる。このため図7に示すように、合流後の排ガスが流通する触媒下流側の空燃比波形(リアO2センサ出力)は何れのバンクの空燃比波形とも対応しなくなって同一エッジを特定できなくなり、ディレー期間に基づく劣化判定を適用できないという問題があった。
そこで、このような不具合に着目した対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に開示された触媒の劣化検出装置では、V型内燃機関において両バンクの空燃比フィードバックによる波形の位相が偶発的に略同期したタイミング、即ち上記した排ガスの合流時に空燃比波形の干渉が発生しない状況を見計らってディレー期間を計測して劣化判定を実行している。
特許第2621746号明細書
しかしながら、特許文献1の技術ではディレー期間の計測が内燃機関の運転状態に依存して行われることになり、両バンクの空燃比波形の位相が略同期しない運転状態が継続した場合にはディレー期間が計測されず、触媒の劣化が進行しているにも拘わらず劣化判定が実行されない事態も発生し得る。加えて、実際の運転状況において両バンクの空燃比波形の位相が完全同期することは稀なため、多くの場合には位相の僅かなずれを許容した状態でディレー期間を計測せざるを得ず、結果として正確なディレー期間の計測、ひいては的確な劣化判定を望めないという問題もあった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、異なるバンクの空燃比波形が干渉したときの影響を受けることなく、内燃機関の運転状態に依存しない適切な時期に正確なディレー期間に基づいて的確な劣化判定を行うことができる触媒の劣化検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に設けられた触媒と、排気通路の上記触媒より排気上流側に設けられた上流側酸素濃度検出手段と、排気通路の触媒より排気下流側に設けられた下流側酸素濃度検出手段と、燃料カット条件の成立時に内燃機関を所定のリッチ空燃比に制御し、その後に内燃機関の少なくとも一部の気筒の燃料噴射を中止する燃料カット制御手段と、燃料カット制御手段による燃料噴射の中止に伴って上流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度増加側に変動してから下流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度増加側に変動するまでのディレー期間を計測するディレー期間計測手段と、ディレー期間計測手段により計測されたディレー期間に基づき触媒の劣化状態を判定する触媒劣化判定手段とを備えたものである。
従って、燃料カット条件が成立したときには、まず、燃料カット制御手段により内燃機関が所定のリッチ空燃比に制御されて排ガス中のHCやCOが増加し、これらのHCやCOにより触媒に吸着されている酸素が反応して消費される。その後に燃料噴射の中止により燃料カットが実行されると、内燃機関からは酸素を多量に含んだ未燃焼の大気がそのまま排ガスとして排出されるが、既に酸素を消費している触媒は酸素ストレージ作用により排ガス中の酸素を吸着し、触媒の酸素吸着量が飽和するまで触媒下流側の酸素濃度は低い値に保持される。その結果、燃料カットの開始に対してほとんど遅れることなく上流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度増加側に変動するのに対して、下流側酸素濃度検出手段の出力の酸濃度増加側への変動は触媒の酸素吸着量が飽和するまで、換言すれば触媒の酸素ストレージ作用と相関する劣化状態に応じて遅れることになり、このときの遅れがディレー期間としてディレー期間計測手段により計測され、計測されたディレー期間に基づいて触媒劣化判定手段により触媒の劣化が判定される。
そして、このように触媒上流側と下流側との酸素濃度の変化に基づいてディレー期間を計測しているため、例えば複数の気筒群からの排気通路を合流させて、合流後の各気筒群の空燃比波形が相互に干渉した排ガスを触媒に供給するように構成した場合であっても、干渉の影響を受けることなく正確なディレー期間を計測可能となる。結果として、例えば特許文献1のように左右バンクの偶発的な空燃比波形の同期を待ってディレー期間を計測する必要がなくなり、この手法による不具合、即ち、触媒の劣化が進行しているにも拘わらず左右バンクの空燃比波形の位相が同期せずに劣化判定を実行できない不具合、或いは空燃比波形の位相ずれに起因するディレー期間の誤差により劣化判定が不正確になる不具合等が未然に防止される。
請求項2の発明は、請求項1において、燃料カット制御手段が、燃料カット条件の成立によるリッチ空燃比への切換に伴って下流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度低下側に変動したときに、内燃機関の燃料噴射を中止するものである。
従って、リッチ空燃比の排ガスにより触媒の酸素が消費されている間は下流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度低下側に変動せず、触媒の酸素がほとんど消費されてHCやCOを含んだ排ガスが触媒下流側まで流通するようになった時点で、下流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度低下側に変動して燃料噴射が中止される。結果として触媒の酸素消費が完了した適切なタイミングで燃料カットが開始されることになり、その時点の触媒が有している酸素ストレージ作用(即ち、劣化状態)と正確に対応するディレー期間を計測可能になると共に、燃料カットの開始タイミングが遅延したときの無駄なリッチ運転が未然に防止される。
以上説明したように請求項1の発明の触媒の劣化検出装置によれば、燃料カット条件の成立時に、内燃機関をリッチ空燃比に制御して触媒に吸着されている酸素を消費させた後に燃料カットを実行し、このときの触媒上流側と下流側との酸素濃度の変化に基づいてディレー期間を計測して劣化判定を行うため、例えば複数の気筒群からの排気通路を合流させて、合流後の各気筒群の空燃比波形が相互に干渉した排ガスを触媒に供給するように構成した場合であっても、干渉の影響を受けることなく正確なディレー期間を計測でき、その結果、内燃機関の運転状態に依存しない適切な時期に正確なディレー期間に基づいて的確な劣化判定を行うことができる。
請求項2の触媒の劣化検出装置によれば、請求項1に加えて、触媒の酸素消費が完了した適切なタイミングで燃料カットを開始でき、もって、正確なディレー期間に基づいて触媒の劣化状態を判定できると共に、燃料カットが遅延したときの無駄なリッチ運転による燃費悪化を未然に防止することができる。
以下、本発明を具体化した触媒の劣化検出装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の触媒の劣化検出装置を示す全体構成図である。本実施形態の内燃機関1はV型6気筒の吸気管噴射型内燃機関として構成されて車両の前部に横置き配置されており、以下の説明では内燃機関1の前側の3気筒分を構成するバンクを左バンク1a、後方の3気筒分を構成するバンクを右バンク1bと称する。
左バンク1a及び右バンク1bには両バンク1a,1b間に配置された共通の吸気マニホールド2が接続され、吸気マニホールド2はサージタンク3を介して吸気通路4に接続されている。吸気通路4には上流側からエアクリーナ5、エアフローセンサ(AFS)6、スロットル弁7が設けられ、エアクリーナ5を介して吸気通路4内に導入された吸入空気はスロットル弁7により流量調整された後にサージタンク3から吸気マニホールド2を経て両バンク1a,1bの各気筒に分配される。分配後の吸入空気は図示しない燃料噴射弁から噴射された燃料と共に各気筒の吸気弁の開弁に伴って燃焼室内に導入され、図示しない点火プラグにより所定のタイミングで点火されて燃焼によりトルクを発生させる。尚、このような吸気管噴射型の構成に代えて、燃料を直接筒内に噴射する筒内噴射型内燃機関として構成してもよい。
左バンク1aには排気マニホールド8aを介して左バンク排気管9aが接続され、同様に右バンク1aには排気マニホールド8bを介して右バンク排気管9bが接続され、これらの左バンク排気管9a及び右バンク排気管9bにはそれぞれ近接触媒10が設けられている。左バンク排気管9aは内燃機関1の下側を迂回して車両後方に延設された上で右バンク排気管9bと接続され、この個所を合流部11としている。合流部11には下流排気管12が接続され、下流排気管12は車両後端まで延設されて床下触媒13及び図示しない消音器等が設置されている。これらの左バンク排気管9a、右バンク排気管9b及び下流排気管12により内燃機関1の排気通路が構成され、左バンク1a及び右バンク1bの各気筒で燃焼後の排ガスは排気弁の開弁に伴って排気マニホールド8a、8bから左バンク排気管9a又は右バンク排気管9bに案内されて近接触媒10を流通後に合流部11で合流し、その後に下流排気管12に案内されて床下触媒13及び消音器を流通して外部に排出される。
一方、車両には制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)21が設置されている。ECU21の入力側には、上記エアフローセンサ6、内燃機関1の回転速度Neを検出する回転速度センサ22、アクセル操作量θaccを検出するアクセルセンサ23、内燃機関1の冷却水温THwを検出する水温センサ24、車速Vを検出する車速センサ25、左右バンク1a,1bの近接触媒10の上流側にそれぞれ設けられたフロントO2センサ26、床下触媒13の上流側に設けられたリア入口O2センサ27(上流側酸素濃度検出手段)、床下触媒13の下流側に設けられたリア出口O2センサ28(下流側酸素濃度検出手段)等の各種センサ類が接続されている。各O2センサ26〜28は理論空燃比に相当する酸素濃度を境界として、酸素濃度低下側(リッチ側)と酸素濃度増加側(リーン側)との間で出力を反転する特性を有する。
一方、ECU21の出力側には、車両のインストルメントパネルに設けられた警告灯29、及び図示しない燃料噴射弁や点火プラグ等の各種デバイス類が接続されている。
ECU21は各種センサ類の検出情報に基づいて燃料噴射制御や点火時期制御を実行して内燃機関1を運転する。又、ECU21は各種所定の走行距離毎に床下触媒13の劣化判定を実行しており、以下、当該床下触媒13の劣化判定処理について詳述する。
ECU21による劣化判定処理は図2,3の触媒劣化判定ルーチンに基づいて行われ、ECU21は内燃機関1の運転中に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。ここで、説明の便宜上、今現在の車両は走行中であり、ECU21により左右バンク1a,1bの空燃比が各O2センサの出力に基づいて個別に理論空燃比にフィードバック制御されているものとし、図4のタイムチャートに従って劣化判定処理の実行状況を以下に説明する。
まず、ECU21はステップS2で前回の劣化判定からの車両の積算走行距離が劣化判定のインターバル期間として設定された所定距離に達したか否かを判定し、判定がNo(否定)のときにはステップS3でディレータイマをリセットした後にルーチンを終了する。積算走行距離が所定値に達してステップS2の判定がYes(肯定)になると、ECU21はステップS4に移行して今回の積算走行距離に達してから既に劣化判定を完了しているか否かを判定し、YesのときにはステップS3を経てルーチンを終了する。
ステップS4の判定がNoのときにはステップS6で冷却水温THwが所定値(例えば、80℃)を越えているか否かを判定し、続くステップS8で全てのO2センサ26〜28が正常であるか否かを判定し、何れかのステップSでNoの判定を下したときには劣化判定を実行不能と見なしてステップS3を経てルーチンを終了する。ステップS6,8の何れの判定もYesのときにはステップS10に移行して減速時の燃料カット(F/C)条件が成立したか否かを判定し、NoのときにはステップS3を経てルーチンを終了する。
アクセル操作が中止されて燃料カット条件の成立によりステップS10の判定がYesになると、ECU21はステップS12に移行して燃料カット中であるか否かを判定する。燃料カット条件の成立直後は未だ燃料カットは開始されていないため、ステップS12でNoの判定を下してステップS14に移行する。ステップS14では左右バンク1a,1bのフィードバック制御に適用している目標空燃比を所定のリッチ空燃比に変更するリッチシフトを実行し(燃料カット制御手段)、続くステップS16でリア出口O2センサ28の出力がリッチ側に変動したか否かを判定し、NoのときにはステップS3に経てルーチンを終了する。尚、このような目標空燃比のリッチシフトに代えて、オープンループによりリッチ運転するようにしてもよい。
空燃比フィードバックのリッチシフトに伴って左右バンク1a,1bはリッチ運転となるものの、スロットル全閉により吸入空気量が大幅に減少することから、図4に示すように燃料噴射パルス幅Pwは急減することになる。そして、リッチシフトに伴って各O2センサ26〜28の出力は上流側より順にリッチ側に変動し、リア出口O2センサ28の出力がリッチ変動するまでの期間中において床下触媒13上では酸素消費の現象が生じる。
即ち、床下触媒13が奏する酸素ストレージ作用により、床下触媒13にはその時々の内燃機関1の運転状態に応じた量の酸素が常に吸着されているが、リッチシフトに伴って排ガス中のHCやCOが増加すると、これらのHCやCOは床下触媒13上で酸素と反応して消費する作用を奏する。従って、床下触媒13の酸素が消費されている間はリア出口O2センサ28の出力がリーン側に保たれ、床下触媒13の酸素がほとんど消費されてHCやCOを含んだ排ガスが触媒下流側まで流通するようになると、リア出口O2センサ28の出力がリッチ側に変動することから、リア出口O2センサ28の出力がリッチ変動した時点で床下触媒13の酸素消費が完了したものと推測できる。
リア出口O2センサ28の出力がリッチ変動してステップS16の判定がYesになると、ECU21はステップS20に移行して左右バンク1a,1bの各気筒に対する燃料噴射を中止して燃料カットを開始し(燃料カット制御手段)、続くステップS22で燃料カット復帰条件が成立したか否かを判定する。燃料カット条件の成立直後にアクセル操作の再開によりステップS22の判定がYesになったときには、以降の燃料カットを利用した劣化判定を実行不能と見なし、ステップS24に移行して通常制御に復帰する。従って、この場合には左右バンク1a,1bに対するリッチシフトが中止されて、内燃機関1の運転状態に応じた制御、例えば図4に示すような空燃比フィードバック制御が再開される。
一方、ステップS22の判定がNoのときには、ステップS26に移行してディレータイマが0であるか否かを判定する。ディレータイマは上記ステップS3でリセットされているためYesの判定を下し、ステップS28でリア入口O2センサ28の出力がリーン側に変動したか否かを判定する。
図4に示すように、燃料カットにより各気筒の燃料噴射パルス幅Pwが0に設定され、内燃機関1からは酸素を多量に含んだ未燃焼の大気がそのまま排ガスとして排出され、これにより各O2センサ26〜28の出力は上流側より順にリーン側に変動する。リア入口O2センサ27の出力のリーン変動によりステップS28の判定がYesになると、ECU21はステップS30でディレータイマをスタートさせる。従って、その後にステップS26に移行したときにはディレータイマが既にスタートされていることからNoの判定を下してステップS32に移行し、リア出口O2センサ28がリッチ側に変動したか否かを判定する。
ここで、上記ステップS14のリッチシフトにより既に酸素を消費している床下触媒13は酸素ストレージ作用により排ガス中の酸素を吸着するため、床下触媒13の酸素吸着量が飽和するまで触媒下流側の酸素濃度はリッチ側の値に保持される。よって、図4に示すように、燃料カットの開始に対してほとんど遅れることなくリア入口O2センサ27の出力がリーン側に変動(図4の立下がりエッジE)するのに対して、リア出口O2センサ28の出力のリーン側への変動(同じく立下がりエッジE)は床下触媒13の酸素吸着量が飽和するまで遅れることになり、このときの遅れは、その時点の床下触媒13が有する酸素ストレージ作用、換言すれば床下触媒13の劣化状態に応じた値となる。
ECU21はステップS32の判定がNoの間はそのままルーチンを終了し、判定がYesになるとステップS34でディレータイマをストップし、続くステップS36でディレータイマのカウント値に基づき、リア入口O2センサ27のリーン変動からリア出口O2センサ28のリーン変動までの遅れとしてディレー期間を算出する(ディレー期間計測手段)。続くステップS38ではディレー期間と現在の内燃機関1の排気流量とに基づいて床下触媒13の劣化判定を実行する(触媒劣化判定手段)。
具体的には、図5に示すマップに従ってディレー期間と現在の内燃機関1の排気流量とから床下触媒13の劣化指数を算出し、劣化指数が予め設定された劣化閾値を下回っているときに床下触媒13の劣化と判定する。ディレー期間には床下触媒13の酸素ストレージ作用に応じた劣化状態が反映されるが、一方で排気流量の影響も受け、同一劣化状態であっても排気流量が増加するほどディレー期間は短縮化されてしまう。図5のマップの特性は、各劣化段階の床下触媒13を使用した台上試験を実施して排気流量とディレー期間とを計測した試験結果から設定されたものであり、当該マップの適用により排気流量に影響されることなく劣化判定が実施される。
ステップS38で触媒劣化なしとしてNoの判定を下したときには直接ステップS24に移行し、ステップS38で触媒劣化としてYesの判定を下したときには、続くステップS40で運転者に修理を促すべく警告灯29を点灯表示し、その後にステップS24を経てルーチンを終了する。従って、この場合には図4に示すように左右バンク1a,1bの燃料カットが中止されて、空燃比フィードバック制御が再開される。
以上の説明から明らかなように本実施形態の触媒の劣化検出装置では、燃料カット条件の成立時に、内燃機関1の空燃比をリッチシフトして床下触媒13に吸着されている酸素を消費させた後に燃料カットを開始し、このときのリア入口O2センサ27のリーン変動からリア出口O2センサ28のリーン変動までの遅れとしてディレー期間を求めて床下触媒13の劣化判定に適用している。そして、このように床下触媒13の上流側及び下流側の酸素濃度に基づいてディレー期間を計測しているため、必然的に空燃比波形の同一立下がりエッジEを利用してディレー期間が計測されることになり、本実施形態のようなV型6気筒機関1であっても左右バンク1a,1bの空燃比波形が干渉する現象に影響されることなく正確なディレー期間、ひいては的確な床下触媒13の劣化判定を行うことができる。
結果として先行技術として説明した特許文献1のように左右バンクの偶発的な空燃比波形の同期を待ってディレー期間を計測する必要がなくなり、この手法による不具合、即ち、触媒劣化が進行しているにも拘わらず左右バンクの空燃比波形の位相が同期せずに劣化判定を実行できない不具合、或いは空燃比波形の位相ずれに起因するディレー期間の誤差により劣化判定が不正確になる不具合等を未然に防止することができる。
加えて、空燃比のリッチシフトによりリア出口O2センサ28の出力がリッチ変動した時点、即ち、床下触媒13の酸素消費が完了した適切なタイミングで燃料カットを開始するため、その時点の床下触媒13が有している酸素ストレージ作用(即ち、劣化状態)と正確に対応するディレー期間を計測して劣化判定の精度を更に向上できると共に、リッチシフトの無駄な継続による燃費悪化を未然に防止できるという利点も得られる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では左右バンク1a,1bの空燃比波形の干渉が生じるV型6気筒機関1に適用したが、内燃機関1の形式は限定されるものではなく、例えば直列4気筒機関においても空燃比波形の干渉が生じる内燃機関に適用してもよく、この場合でも上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
又、上記実施形態では、床下触媒13の劣化判定を所定の走行距離毎に実行したが、劣化判定の実行タイミングはこれに限ることはなく、例えば内燃機関1が始動されて空燃比フィードバックが開始された後の最初の燃料カット時に実行するようにしてもよい。
又、上記実施形態では、一般的な制御と同様に燃料カット条件の成立時に左右バンク1a,1bを共に燃料カットしたが、床下触媒13の劣化状態に応じたディレー期間を計測する観点からは、必ずしも双方のバンク1a,1bを共に燃料カットする必要はない。よって、何れか一方のバンク1a,1bのみを燃料カットし、このときのO2センサ出力の遅れから求めたディレー期間に基づいて劣化判定を実行してもよい。
又、上記実施形態では、燃料カットの開始タイミングをリア出口O2センサ28のリッチ変動から判断したが、これに限定されることはない。例えば予め台上試験を実施して、リッチシフトにより床下触媒13の酸素消費に要する時間を内燃機関1の運転領域(回転速度及び負荷)毎にマップ化しておき、マップから求めた所要時間の経過後に燃料カットを開始するようにしてもよい。
実施形態の触媒の劣化検出装置を示す全体構成図である。 ECUが実行する触媒劣化判定ルーチンを示すフローチャートである。 ECUが実行する触媒劣化判定ルーチンを示すフローチャートである。 床下触媒の劣化判定処理の実行状況を示すタイムチャートである。 ディレー期間と排気流量とから床下触媒の劣化状態を判定するためのマップを示す図である。 従来の劣化判定手法による直列4気筒機関に対する触媒の劣化判定処理の実行状況を示すタイムチャートである。 従来の劣化判定手法によるV型6気筒機関に対する触媒の劣化判定が不能な状況を示すタイムチャートである。
符号の説明
13 床下触媒
21 ECU(燃料カット制御手段、ディレー期間計測手段、触媒劣化判定手段)
27 リア入口O2センサ(上流側酸素濃度検出手段)
28 リア出口O2センサ(下流側酸素濃度検出手段)

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた触媒と、
    上記排気通路の上記触媒より排気上流側に設けられた上流側酸素濃度検出手段と、
    上記排気通路の上記触媒より排気下流側に設けられた下流側酸素濃度検出手段と、
    燃料カット条件の成立時に上記内燃機関を所定のリッチ空燃比に制御し、その後に該内燃機関の少なくとも一部の気筒の燃料噴射を中止する燃料カット制御手段と、
    上記燃料カット制御手段による燃料噴射の中止に伴って上記上流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度増加側に変動してから上記下流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度増加側に変動するまでのディレー期間を計測するディレー期間計測手段と、
    上記ディレー期間計測手段により計測されたディレー期間に基づき上記触媒の劣化状態を判定する触媒劣化判定手段と
    を備えたことを特徴とする触媒の劣化検出装置。
  2. 上記燃料カット制御手段は、上記燃料カット条件の成立によるリッチ空燃比への切換に伴って上記下流側酸素濃度検出手段の出力が酸濃度低下側に変動したときに、上記内燃機関の燃料噴射を中止することを特徴とする請求項1記載の触媒の劣化検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009138644A (ja) * 2007-12-06 2009-06-25 Hitachi Ltd 排気浄化装置の診断装置
KR100962875B1 (ko) 2008-08-14 2010-06-09 현대자동차일본기술연구소 내연기관용 촉매의 열화 진단 장치 및 방법
US20150167522A1 (en) * 2013-12-18 2015-06-18 Hyundai Motor Company Exhaust gas purifying system for vehicle

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