JP2006326319A - X線撮像システム - Google Patents

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Abstract

【課題】Cアーム撮像システムにおけるトランケーションの問題を解決すること。
【解決手段】Cアームの一方の端部に取り付けられたX線源と、Cアームの反対側端部に取り付けられたX線検出器を有するX線撮像システムにおいて、X線検出器が検出器取付台と可動ステージとを有しており、可動ステージが検出器台内を移動するようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は全体として医用撮像に使用されるCアームX線撮像システムに関する。特に、本発明はCアームX線撮像システムで生じうるトランケーションを被った投影の補正に関する。
Cアーム撮像システムは、2次元X線投影とトモグラフィにより再構成された3次元像(ボリュームデータ集合)の両方を形成するために医学的用途で現在使用されている。他のコーンビーム撮像装置のような従来のCアーム撮像システムは、所与の対象物の投影を完全に捕捉するには小さすぎるX線検出器を備えている場合がある。典型的なX線検出器は、検出器の境界を越えて広がる対象物の像を記録する際、トランケーションを被った投影を形成する場合がある。検出器視野(DFOV)が3D再構成のための関連する走査視野(SFOV)を決定するので、小さなX線検出器は正しく検査され正確に再構成された対象物の全体的サイズを制限してしまい兼ねない。
従来の数学的な外挿法はトランケーションを被った投影のインパクトを低減することができるかもしれない。しかしながら、最良の結果を得るには、一般的な外挿法はさらに、データ整合性条件、例えば対象物の全質量(0次モーメント)及び(1次モーメントに基づいた)質量中心を確立するために少なくとも幾つかの像において対象物を完全に捕捉する必要がある。したがって、X線検出器は対象物の完全な投影をカバーすることを要求される。検出器と撮像すべき対象物のサイズを所与とすれば、患者が動かされ、また全体像を得るために継ぎ合わせることができるように複数の投影が撮られない限り、これは実行不能であるということは珍しいことではない。あいにく、この手法はあまり実際的でない。というのも、この手法は例えば前後像や側面像のような選ばれた像にしか適用できないからである。
投影のトランケーションの問題に対処するために、数学的な外挿法の他に、X線システムに対する様々なハードウェア変更が提案されている。特許文献1は二位置データ取得スキームを開示している。これらの位置データ取得スキームでは、対象物は平行移動され、固定されたX線源-検出器コンフィギュレーションに対して回転させられる。特許文献2は線状及び円状の合成走査器アレイを開示している。走査器は不動であり、走査すべき対象物は、移動及び回転させることのできるターンテーブルの上に置かれる。しかしながら、提案されたこれらの解決手段の両方ともCアームX線撮像システムに容易に適用することはできない。
非特許文献1は、横方向にオフセットされた検出器による完全円形走査の実行を開示している。この方法は有効検出器幅を増大させるものの、Cアーム撮像システムには適用できない。というのも、Cアームは部分円形走査のみに限定されている場合があるからである。
アメリカ合衆国特許第5,032,990号 アメリカ合衆国特許第5,740,224号 アメリカ合衆国特許第6,811,313号 Cho et al.,"Cone-beam CT from width-truncated Projections", Computerized Medical Imaging and Graphics, vol. 20, no. 1, pp.49 - 57, 1996
本発明の課題は、従来の技術を改善して、Cアーム撮像システムにおけるトランケーションの問題を解決することである。
上記課題は、Cアームの一方の端部に取り付けられたX線源と、Cアームの反対側端部に取り付けられたX線検出器を有するX線撮像システムにおいて、X線検出器が検出器取付台と可動ステージとを有しており、可動ステージが検出器台内を移動するようにすることにより解決される。
前置きとして述べると、以下に記載する実施形態は、CアームX線撮像システムを用いて拡張ボリュームを再構成するための方法、プロセス、装置、命令、又はシステムを含んでいる。Cアーム撮像システムにより2つの部分円形走査が実行される。Cアームは可動ステージを備えたX線検出器を有する。X線検出器の可動ステージは、オフセットされた検出器によって同じ角度位置で撮られた関連するX線投影を組み合わせることによりトランケーションを伴う投影を減少させる又は除去するために、部分円形走査間で再位置決めされる。拡張された画像再構成をさらに促進するために、Cアーム撮像システムを用いて校正法が実行される。
第1の側面において、X線撮像システムはCアームの一方の端部に取り付けられたX線源とCアームの反対側端部に取り付けられたX線検出器を有している。X線検出器は検出器取付台と検出器取付台内を移動する可動ステージを有している。
第2の側面において、X線検出器はCアームに結合させることのできる検出器取付台を有している。X線検出器はまた、検出器取付台に沿って並進することのできる検出器取付台に結合された可動ステージも有している。
第3の側面において、撮像方法はCアームX線撮像システムを使用する。この方法は、X線検出器の可動ステージを第1の位置に位置決めするステップ、第1の投影データ集合を得るために第1の部分円形走査を実行するステップ、X線検出器の可動ステージを第1の位置からオフセットした第2の位置へ再位置決めするステップ、及び第2の投影データ集合を得るために第2の部分円形走査を実行するステップを有している。
第4の側面は、CアームX線撮像システムを校正する方法である。この方法は、X線検出器の可動ステージをセンタリングするステップ、標準的なCアーム校正手続きを実行するステップ、標準的なCアーム校正手続き中に得られたデータから投影行列を形成するステップを有している。この方法はまた、X線検出器の可動ステージを第1の位置へオフセットするステップ、第1の変換オフセットパラメータ集合を形成するステップ、X線検出器の可動ステージを第2の異なる位置へオフセットするステップ、及び第2の変換オフセットパラメータ集合を形成するステップも有している。
第5の側面においては、コンピュータ上で実行可能な命令が格納されたコンピュータ可読媒体が説明される。これらの命令は、実際のX線検出器よりも大きなサイズを有する仮想X線検出器を形成するステップを含んでおり、実際のX線検出器はCアーム撮像システムに結合されており、仮想X線検出器はCアーム撮像システムにより再構成されたボリュームにおける投影トランケーション誤差の低減を促進する。
本発明は以下の請求項により規定される。この章のいずれの記載もこれらの請求項に対する限定として解されてはならない。本発明のさらなる側面及び利点は以下で有利な実施例との関連で論じられており、後で独立して又は従属して請求されるものも含まれている。
CアームX線撮像システムは2次元X線投影を取得し、患者に内在する関連する3次元ボリュームを再構成する。検出器が小さすぎて、検出器において患者のX線投影を完全に捕捉することができない場合には、再構成された画像はアーチファクトを被る。この場合、撮像システムは、トランケーション誤差を低減することのできるもっと大きなサイズの有効X線検出器を形成することによって、拡張画像を再構成する。X線検出器は可動ステージと検出器取付台を有している。可動ステージはX線検出器内を移動することができる。可動ステージを用いて第1の部分円形走査が第1の位置で行われる。続いて、可動ステージは、第2の部分円形走査が実行される前に、第2の位置へ再位置決めされる。異なる位置にある可動ステージを用いて2つ以上の部分円形走査を実行することにより、X線検出器の有効サイズを拡大することができる。というのも、同じ角度位置で撮られた関連するX線投影像を結合して、有効検出器視野を拡大することができるからである。オフセットされた検出器位置を考慮に入れるには、(標準的な3Dジオメトリ校正の他に)第2の校正手続きを実行しなければならない。
Cアーム撮像システムは、異なるオフセット位置へと横方向に移動することのできるX線検出器又はそのコンポーネントを有している。例えば、X線検出器又はそのコンポーネントは、同じ軌道に沿って連続して2つの部分円形走査を実行する際に、反対側にオフセットされた位置へ移動する。例えば、デジタルサブトラクション血管造影法(DSA)のためのX線投影データを取得する場合がそれである。DSAのランを促進する現在のCアーム血管造影システムによってサポートされているように、Cアームは画像取得の2つのランの各々において同じ走査軌道に沿って移動する。DSA軌道は、アラインメントの不整に起因するサブトラクションアーチファクト又は付加的な構造的雑音を最小化するために、正確に同じ位置で撮像するように設計されている。
Cアーム撮像システムは、X線検出器と同期してX線検出器のオフセット位置へ移動する可調整のX線源コリメータを有する。コリメータは、オフセット検出器位置のもとではもはや見ることのできない身体領域への放射線被爆を低減させる。システムは、オフセット位置においてX線検出器もしくはそのコンポーネントによって撮られた別々の像の効率的な補間及び/又は結合により、コンポジット像を形成する。撮像システムは、公知のFeldkampアルゴリズム、又はコンポジット像に基づいて2次元又は3次元ボリュームを再構成する他の再構成アルゴリズムを使用してよい。
I.従来のCアーム撮像システム
CアームX線撮像システムは公知である。Cアーム撮像システムは、患者に対して、実世界座標系のx、y及び/又はz軸回りに回転する。例えば、図1は特許文献3に開示されているCアーム撮像システムの例である。図1に示されたCアーム撮像システムの例は、軸4回りに回転する(このような動きはアンギュレーションと呼ばれる)Cアーム3を備えた下部架台2から構成されており、下部架台2は車輪1で移動することができる。Cアーム3は軸5回りに双方向矢印6の方向へ回転する(このような動きは軌道回転と呼ばれる)。
互いにほぼ180°反対側に位置するX線源7と長方形の平形検出器のような検出器8が、Cアーム3の各端部の付近に固定されている。検出器は、(軸5と一致したアイソセンタを通って)X線源7へ向かう軸9の回りに回転可能、及び/又は、双方向矢印12によって示されているように、検出器表面11に平行に又Cアーム3の平面に対して垂直に移動可能であるように、取付装置14によってCアーム3に結合されている。
検出器8は、図1に示されている初期位置から弧状経路に沿って移動する。弧状経路は、カーブした矢印で示されているように、好ましくはCアーム3の湾曲に沿って延びるか又は直角にCアーム3と交叉する。Cアーム撮像システムは同じ動き又は異なる動きのためにさらなるコンポーネント、より少ないコンポーネント、又は代替的なコンポーネントを有していてよい。
線源の完全な軌道を得るために、択一的に、床又は天井に取り付けたCアーム撮像システムを使用してもよい。天井に取り付けたCアーム撮像システムは、Lアーム又は他の構造を介して天井に取り付けられる。Lアームは、患者に対して1つ又は複数の軸回りにCアームを回転させるように、天井とLアームとの間の連結部の回りを回転することができる。LアームとCアームとの間の連結部は、図1に示されているアンギュレーションに類似した、患者に対して別の軸回りでの回転をCアームに提供する。さらに、Cアームはスリーブを通るCアームの軌道回転によって患者の回りを回転することができる。代替的なCアーム撮像システムを使用してもよい。
例えば、図2は、Cアーム114を支持するガントリー112を備えたCアームX線撮像システム110を示している。Cアーム114は一方の端部にX線源116を、他方の端部に検出器118を有している。Cアーム114は平面を画定する。Cアーム114はアンギュレーションの最中に前記平面に対して垂直な軸の回りを旋回する。Cアーム114はまたプロペラ軸(図2の4を参照)回りに、ならびに、垂直軸(図2の10を参照)回りに回転する。Cアーム114はまたスリーブ(図2の6を参照)内で動くこともできる。部分円形走査の間、Cアーム114は複数の角度からの像を得るためにアンギュレーションを行う。検出器118は検出器118と線源116とにより定められる軸の回りを回転する。
II.検出器座標系の例
Cアーム撮像システムはX線検出器をシフト及び回転させる機能を提供する。図3はこのようなシステムの撮像ジオメトリの例を示したものである。(u,v,w)検出器座標系は(x,y,z)世界座標系の回転軸(z軸)回りに回転する。X線検出器又はそのコンポーネントは光軸(w軸)回りにγだけ回転する。座標系は、z軸とw軸の両方が光軸に沿って延びるように設定されている。しかし、z軸とw軸は数学的な都合の良さに応じて平行又は逆平行のいずれかである。さらに、X線検出器又はそのコンポーネントは、光軸に対して垂直な平面内で横方向にも、すなわち、図示されたu方向にもシフトする。図示の例では、X線検出器はΔLだけシフトする。1つの実施形態では、LはX線検出器又はそのコンポーネントに関連した長さ、例えば可動ステージの長さである。
さらに、γだけの回転は、光軸に対して垂直な平面内での任意の2次元的シフトを容易にする。例えば、図示されたu方向とは逆のシフトは、γ=πと設定するとともに以前と同様の機械的シフトを実行することによって達成される。言い換えれば、X線検出器が回転することができるならば、機械的シフトは一方向だけでよい。
1つの実施形態では、反対側にオフセットされた位置へシフトしたX線検出器又はそのコンポーネントが(DYNAVISIONランのような)2つの部分円形走査を実行することで、2次元的又は3次元的にCアームを使用するための視野が拡大される。しかし、オフセットされた検出器位置は再現可能でなければならない。それゆえ、X線検出器は、例えばクランプ機構を使用することによって、校正位置に固定されなければならない。
2次元又は3次元再構成のための有効検出器幅Leffを計算するために、uの正の方向における検出器シフトはここではΔLで表されている。検出器シフトが左右に対称であると仮定すると、有効検出器幅は次のように定義される:
eff=L+2・ΔL
像再構成後の走査視野(SFOV)の直径は次のように定義される:
Figure 2006326319
走査視野は、少なくともほぼ180°にわたって見ることのできるすべてのピクセル/ボクセルを含んでいる。SODなる用語はsource-origin distance(線源-原点距離)(焦点半径)の略であり、SIDなる用語はsource-detector (image) distance(線源-検出器距離)を表している。一般にAX Cアーム撮像システムでは、SODは750mmであり、SIDは1150mm(又はそれ以上)である。これらの一般的な値を用いれば、発散ビームジオメトリは回転中心(アイソセンタ)における検出器幅をほぼ65%まで低減させる。X線検出器のシフトΔLはこの効果を補償するために使用される。1つの実施形態では、およそ40cmの長さを有するX線検出器に関して、いずれかの方向における約11cmのX線検出器シフトが、再構成されるボリュームの精度を高める。使用するサイズはこれとは別であってもよい。
中央にギャップができないように、X線検出器はほぼΔL=L/2よりも短くシフトされる。つまり、有効検出器幅は非隣接データの補償なしでは元の検出器幅の高々2倍である。したがって、中央検出器領域における幾つかのオーバーラップはある状況においては望ましい。
CアームX線撮像システムによれば、対象物、すなわち、患者を静止させておくのが容易になる。患者を静止させてこくことは正確な医用撮像には不可欠である。Cアーム撮像システムは部分円形走査のみを使用する。その結果、360°のガントリー回転は不要となる。
撮像システムは、X線検出器をシフト及び傾斜させることにより、アーチファクトのない(検出器において不完全に捕捉された投影に起因するトランケーションアーチファクトのない)再構成ゾーンを拡大する。例えば、およそ40cmのX線検出器をいずれかの側におよそ10cmだけシフトさせることで、信頼性の高い3次元再構成のための有効X線検出器視野がおよそ50%以上も増大する。およそ40cmのX線検出器と標準的なCアーム投影ジオメトリを用いると、アイソセンタにおいて約40cmの直径を有する検出器視野が得られる。X線検出器がシフトされない場合には、直径は約26cmに限られる。X線検出器をγ=πだけ回転させることが可能ならば、拡張ボリュームを再構成するためにはX線検出器を一方向にシフトさせるだけでよい。
撮像システムによって得られる外挿された投影に基づいた整合性のある像再構成のために、像の質量及び重心が推定される。像の質量と重心を正確に推定するためには、撮られたX線投影のうちの少なくとも幾つかにおいて対象物の完全な陰影を再捕捉しなければならない。これは、シフト可能な検出器を使用すれば、患者が静止している間に互いにオフセットされた複数の投影を撮ることによって容易に達成することができる。取得後、オフセットされた投影は結合され、より大きな検出器視野が得られる。X線検出器又はそのコンポーネントがオフセットされる場合でも、投影ジオメトリ及び/又は投影行列を求めるために標準的なCアーム校正法が使用される。いったん投影行列が分かれば、合成によりコンポジット像が得られる。コンポジット像は、同一の又は同じような投影角度で撮られた反対側にオフセットされた対応する像を結合して、より大きな包括的投影にしたものである。有効幅Leffは、X線検出器又はそのコンポーネントが反対側にどの程度オフセットされているかに依存する。1つの実施形態では、X線検出器又はそのコンポーネントは校正中にΔLだけ反対側にオフセットされる。
Cアーム撮像システムは、中心像を撮り、それを左右いずれかに横シフトした位置で撮られた投影と結合することにより、X線透視立体写真を形成する。X線源は固定位置に留まるが、焦点はシフトさせなければならない。撮像システムは可動ステージの他にCアーム可動線源も有している。
シフト可能な検出器を有するCアーム撮像システムは、Cアーム観察位置を変える必要性が少なくなるので、標準的な検査を向上させる。例えば、カテーテルがX線検出器視野から出ようとするとき、X線検出器は、実質的にカテーテルを追って、もはやシフトすることができなくなるまで調整される。その時点で、患者は動かされなければならない。そのうえ、X線検出器をシフトさせることは、前に取得した検出器視野が失われたことを必ずしも意味しない。Cアーム観察方向が変化しない限り、新しい像と以前の像を結合して、より大きな「有効」検出器視野を得ることができる。
III.X線検出器の実施例
ここでは、横方向の検出器シフトと回転を容易にするX線検出器の複数の実施例を提示する。さらなるコンポーネント、より少ないコンポーネント、又は代替的なコンポーネントを有するX線検出器の他の実施形態を使用することもできる。
撮像システムは、X線検出器又はそのコンポーネントを横方向にシフトする及び/又は回転させるために、1つ又は複数の動力付きアクチュエータ(モータ)を有している。標準的なステップモータを使用してもよい。例えば、横方向シフトはギアと(一般にギアラックと呼ばれる)歯車レールを用いて実現される。
撮像システムは、X線検出器又はそのコンポーネントをオフセット位置に固定するクランプ機構を有する。クランプ機構は、Cアーム投影ジオメトリが再現可能となるように、X線検出器又はそのコンポーネントを同じ位置に繰り返し固定するよう動作する。択一的に、撮像システムが、再現可能な結果を得るためにX線検出器又はそのコンポーネントをどの程度オフセットするか及び/又は回転させるかを正確に測定するセンサを有するようにしてもよい。代替的な方法を用いて、再現可能な結果を保証してもよい。
図4はX線検出器の対の例300を示している。X線検出器300は可動ステージ320、検出器取付台322、第1のスライダ324、及び第2のスライダ326を有している。X線検出器300は、さらなるコンポーネント、より少ないコンポーネント、又は代替的なコンポーネントを有していてもよい。
図4の例は、X線検出器300が自由両側オフセット検出器であることを示している。検出器取付台322は、可動ステージ320を保持し並進させる第1及び第2のスライダ324,326を有している。より少ないスライダ又はより多くのスライダを用いてもよい。第1及び第2のスライダ324,326はダブテール又は機械技術で周知の他の構造として構成されている。
可動ステージ320はX線源から放射されたX線を検出することができる。可動ステージ320は従来の検出器材料から製造されているが、シリコン、砒化ガリウム、テルル化カドミウム、及びテルル化カドミウム亜鉛は含んでいない。
より具体的には、図4の上の例は検出器取付台322とほぼ同じ幅を有する可動ステージ320を示している。この構成はX線検出器300の横方向オフセットの全長に沿って可動ステージ320をガイドする。言い換えれば、可動ステージ320の正確な横方向運動はΔL=L/2まで可能である。
図4の下の例は、より小さな可動ステージ320を有する実施形態を示している。X線検出器が検出器衝突センサを有している場合のような幾つかの状況では、より小さな可動ステージ320を有する実施形態はX線検出器の構造を簡素化する。
図5はX線検出器の別の例400を示している。図示されているX線検出器400は自由片側オフセット検出器である。図5の例では、X線検出器400は光軸(w軸)回りにγ=πだけ回転することができ、回転すると実質的に両側オフセットが提供される。1つの実施形態では、X線検出器400の可動ステージ420をほぼΔL=L/2までシフトさせるには片側オフセットで十分である。さらに、自由(両側又は片側)オフセットを有する検出器構成は検出器の交換を容易にする。例えば、図4及び5に示されている検出器取付台は、複数の検出器を容易に切り替えることのできるCアームシステムをサポートしている。
図6はX線検出器の対の別の例500を示している。図6の上の例は、制限両側オフセットX線検出器であるX線検出器500を示している。図6の下の例は、制限片側オフセットX線検出器であるX線検出器500を示している。可動ステージ520は検出器取付台522によって保持されている。可動ステージ520は両側又は片側に動く。しかし、可動ステージ520の動きは1つ又は複数の端板、柱、又は検出器取付台522上の他の構造によって制限されている。
撮像システムがX線検出器500をw軸回りにπだけ回転させることができる場合には、片側の動きでX線検出器500を反対側にオフセットされた位置に置くことができる。検出器取付台522の端板のために、可動ステージ520のオフセット運動は図4及び5に示されている構成で可能となるオフセットに比べて制限されている。最大検出器オフセットは1つの例ではΔL=L/4であり、これは正確な横方向検出器アラインメントを可能にする可動ステージの有効幅を提供する。別のオフセット限界を設定してもよい。
図4〜6の実施形態は片側ダブテールを備えた並進ステージを示している。幾つかの状況では、ダブテールは摩擦と静摩擦(始動摩擦)が比較的大きいために高精度撮像システムにとって問題を呈する。それゆえに、1つ又は複数の交差ころ軸受を備えたX線検出器が、タブテール継手に関連した問題を緩和する強化された解決手段を可能にする。
図7は検出器並進ステージの例600を示している。図示されている検出器並進ステージ600は交差ころ軸受602、クランプピン604、ケージ606、及び予圧608を有している。検出器並進ステージ600は、さらなるコンポーネント、より少ないコンポーネント、又は代替的なコンポーネントを有していてよい。
交差ころ軸受602は、隣り合う交差ころ軸受602と接触するのを防ぐため、ケージ606によって互いに隔てられている。交差ころ軸受602は一般的な玉軸受よりも大きな耐力面を有しており、より大きな予圧に耐え、より大きな重量を運び、非常に厳密な規格を満たすことができる。
クランプ機構604は確実に検出器が再現可能に校正位置に固定されるようにする。例えば、クランプピン604の動きは可動ステージの横方向の動きを妨げる及び/又は許可する。クランプピン604は、再現可能な結果が得られるように撮像システムによって識別されうる特定の位置に可動ステージを保持する。
代替的なやり方で再現可能な結果を得てもよい。例えば、撮像システムは、クランプ装置が不要となるようにX線検出器又はそのコンポーネントの正確な位置決め及び/又は追跡を容易にするセンサや他のコンポーネントを有していてよい。このような状況では、X線検出器又はそのコンポーネントは、Cアームが像取得軌道に沿って動いている間に再位置決めすることができる。さらに、2次元X線透視投影の場合には、X線検出器又はそのコンポーネントは光軸に対して垂直な面内を自由に動く(並進及び回転する)ことができる。このことがX線検出器又はそのコンポーネントを再位置決めする際に介入放射線医により大きな融通性を提供する。
IV.方法及びシステムの例
図8は、投影トランケーション誤差を低減する方法700の一例のフローチャートを示している。方法700はX線検出器又はそのコンポーネントを第1の位置に位置決めするステップ702、第1の部分円形走査を実行するステップ704、X線検出器又はそのコンポーネントを横方向にオフセットされた第2の位置に再位置決めするステップ706、第2の部分円形走査を実行するステップ708、コンポジット像を形成するステップ710、及びボリュームを再構成するステップ712を有している。方法はさらなる動作、より少ない動作、又は代替的な動作を有していてよい。
方法700はX線検出器又はその可動コンポーネントを第1の位置に位置決めするステップ702を有している。1つの実施形態では、図4〜6のw軸(X線検出器の中心)から横方向にオフセットΔLだけ可動ステージを動かすことにより、可動ステージが第1の位置に位置決めされる。択一的に、第1の位置がX線検出器の中心であってもよい。また別の第1の位置を用いてもよい。
投影トランケーション誤差を低減する方法700はデータ処理システムを使用する。図9は、Cアーム撮像システムの一部となるように構成された又は適応させたデータプロセッサの例810を示している。データプロセッサ810は中央処理ユニット(CPU)820、メモリ832、ストレージ装置836、データ入力装置838、及びディスプレイ840を有している。プロセッサ810はまた外部出力装置842も有している。外部出力装置842はディスプレイ、モニタ、プリンタ、又は通信ポートであってよい。プロセッサはさらなるコンポーネント、より少ないコンポーネント、又は代替的なコンポーネントを有していてもよい。
プロセッサ810はパーソナルコンピュータ、ワークステーション、PACS(pictorial archival communication system)システム、Cアーム撮像システム、X線システム、又は他の医用撮像システムであってよい。プロセッサ810は、イントラネット、インターネット、又はインターネットに接続されたイントラネットのようなネットワーク844に相互接続されている。プロセッサ810は説明の目的で設けられているものであり、本システムの範囲を限定するものではない。
プログラム834はメモリ832上にあり、実行可能コードの又はCPU820により実行されるコード化された命令の1つ又は複数のシーケンスを含んでいる。プログラム834はストレージ装置836からメモリ832にロードされるようにしてよい。CPU820はデータを処理するためにプログラム834の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行する。データ及び/又は命令はデータ入力装置838によってプロセッサ810に入力される、及び/又は、ネットワーク844から受信される。プログラム834はデータ入力のためにデータ入力装置838及び/又はネットワーク844をインタフェースする。プロセッサ810により処理されたデータは、ディスプレイ840、外部出力装置842、ネットワーク844への出力として供給される、及び/又はデータベースに格納される。プログラム834及び他のデータは機械可読媒体に格納される又は機械可読媒体から読み出される。ここで、機械可読媒体としては、RAM、キャッシュ、又は、ハードディスク、フロッピーディスク、CD−ROM、及びDVDのような二次ストレージ装置、電磁信号、又は、現在公知のもしくは後に開発される代替的な形式の機械可読媒体が含まれる。
プロセッサ810は多重部分円形走査を実行するように撮像システムに指令する。プロセッサ810は、撮像システムに関係した複数の動作を実行するソフトウェアアプリケーション又はプログラム834を実行する。プロセッサ810は機械可読媒体に格納された又は機械可読媒体から読み出されたデータにアクセスする。ここで、機械可読媒体としては、RAM、キャッシュ、又は、ハードディスク、フロッピーディスク、CD−ROM、及びDVDのような二次ストレージ装置、電磁信号を含む機械可読媒体、又は現在公知のもしくは後に開発される代替的な形式の機械可読媒体が含まれる。
プロセッサ810は例えば、X線検出器又はそのコンポーネントの第1の位置への運動を指令するなどのように、患者に対して撮像システムを第1の位置に移動させる。CPU820は実世界座標系内での撮像システムの可動コンポーネントの位置を計算する。例えば、CPU820は実世界座標系内で患者に対するX線検出器又は稼働ステージの位置を計算する。その結果として、プロセッサ810はX線検出器、可動ステージ、又は撮像システムの他のコンポーネントを第1の位置に移動させる。
X線検出器又はそのコンポーネントが第1の位置に移動702した後に、方法は第1の走査を実行するステップ704を有している。プロセッサ810は、例えば第1の部分円形走査である第1の走査を実行するように撮像システムに指令する。得られた第1の線源軌道の投影はデータ入力装置838、ネットワーク844、又は他の入力装置によって受信される、及び/又は、メモリ832、ストレージ836、又は他のストレージユニットに格納される。1つの実施形態では、第1の部分円形走査704は第1の位置において可動ステージを用いて実行される。
方法700はX線検出器又はそのコンポーネントを再位置決めするステップ706を有している。プロセッサ810はX線検出器又はそのコンポーネントを患者に対して再位置決めする。CPU820はX線検出器又は可動ステージのようなコンポーネントの相対的な再位置決めをモニタする。患者に対するX線検出器又はそのコンポーネントの動きをモニタすることにより、プロセッサ810は、所定の量だけ、例えばほぼX線検出器又はそのコンポーネントの長さLだけ、X線検出器又はそのコンポーネントを正しく再位置決めする。
1つの実施形態では、可動ステージが再位置決めされる。別の実施形態では、可動ステージは、横方向に負のΔL、負のΔL/2、又はw軸からのそれ以外の距離だけオフセットした第2の位置へシフトされる。例えば、第2の位置はw軸からX線検出器の長さの分だけ横方向にオフセットされている。
X線検出器又はそのコンポーネントを再位置決めした後に、方法700は第2の走査を実行するステップ708を有している。プロセッサ810は、例えば部分円形走査である第2の走査を実行するように撮像システムに指令する。得られた第2の線源軌道の投影はデータ入力装置838、ネットワーク844、又は他の入力装置によって受信される、及び/又は、メモリ832、ストレージ836、又は他のストレージ装置に格納される。
方法700はコンポジット像を形成するステップ710を有している。コンポジット像は第1及び第2の部分円形走査の両方から得られたデータと像を統合することにより形成される。データプロセッサ810は、第1及び第2の部分円形走査に関連したデータの内挿と合成によりコンポジット像を形成する。いずれかの走査又は両方の走査の間に横方向にオフセットされた実際のX線検出器の中心ステージによる部分円形走査を介して得られたデータの内挿の結果、実際のX線検出器よりも大きなサイズ又は長さの有効又は仮想X線検出器が形成される。
方法はさらに、再構成アルゴリズムを使用して、2次元又は3次元ボリュームを再構成するステップ712を有している。例えば、プロセッサ810は複合X線投影を使用し、メモリ832、ストレージ836、もしくは他のストレージ装置に格納された又はネットワーク836を介してアクセス可能な再構成アルゴリズムを用いて患者内のボリュームを再構成する。再構成されたボリュームはディスレプイ840、出力装置842、もしくは他の出力装置に表示される、及び/又は、メモリ832、ストレージ836、もしくは他のストレージ装置に格納される。
上に示した投影トランケーション誤差を低減する方法は2つ以上の(投影)データ集合を形成する。データ集合はそれぞれ同じX線の円錐線源を有する別の走査から所定の検出器変位だけ変位した部分円形走査に関連している。実際のX線検出器又はそのコンポーネントよりも大きなサイズ及び/又は長さを有し、トランケーションを伴う投影を除去することのできる有効又は仮想検出器による像を形成するために、データ集合はデータプロセッサ810により操作される。
V.校正
上記方法の有効性を高めるため、校正手続きにより投影ジオメトリが決定される。この目的のために、校正ファントムがCアームのアイソセンタに置かれる。Cアームのアイソセンタは、すべての像にとって校正ファントムが完全に見える位置である。
横方向検出器シフトの正確度と量によっては、標準的なCアームジオメトリ校正手続きは正確な結果を得るのに尚も十分である。特に、コンポジット像が関連するオフセット投影を単純に継ぎ合わせることによって形成される場合には、標準的なCアームジオメトリ校正手続きで十分である。例えば、検出器オフセットが小さい場合、例えば、可動ステージが約40cmであるときにΔL=10cmである場合には、標準的な校正手続きで十分である。中程度の検出器シフトに関しては、穏当な結果を得るために標準的な校正手続きが2回行われる。具体的には、標準的な校正手続きは可動ステージ又はX線検出器の他の可動コンポーネントの各位置についてそれぞれ1回実行される。しかしながら、検出器オフセットが比較的に大きい場合には、各像は校正ファントムの投影をもはや完全には捕捉しない。そこで、以下にあらましを述べる代替案が必要となる。
図10は、校正方法900の一例のフローチャートを示している。校正方法900は、X線検出器又は可動ステージのようなコンポーネントをセンタリングするステップ902と、センタリングされた検出器又はそのコンポーネントを用いて標準的な校正を実行するステップ904を有している。標準的な校正手続きは投影行列の集合を形成する部分円形走査を含んでいる。基礎をなす投影ジオメトリを記述する像の各々に対して1つの投影行列が存在する。方法はまた、X線検出器又はその可動コンポーネントを第1のオフセット位置に位置決めするステップ906、オフセットパラメータの第1の集合を推定するステップ908、X線検出器又はその可動コンポーネントを第2のオフセット位置に再位置決めするステップ910、及びオフセットパラメータの第2の集合を推定するステップ912を有している。オフセットパラメータは、ワーピング技術を用いて関連するオフセット像からコンポジットX線像を形成するために使用される。コンポジット像と関連する投影行列は最終的に3D再構成のための再構成アルゴリズムに供給される。方法はさらなる動作、より少ない動作、又は代替的な動作を有していてよい。
上で詳述した校正方法は、センタリングされた位置にあるX線検出器又はそのコンポーネントに関連した投影行列の集合、ならびに、第1及び第2のオフセット位置にそれぞれ対応する第1及び第2のオフセットパラメータを形成する。校正方法はまた実際の部分円形走査の各々について最終投影行列の集合を形成するステップも有している。
最終投影行列はオフラインで形成される。択一的に、センタリングされた投影行列をオフセットパラメータとともに格納し、相応しい最終投影行列はオンラインで及び/又は走査中にリアルタイムで決定するようにしてもよい。最終投影行列のリアルタイム決定は、センタリングされた投影行列を調整する複数の異なるオフセットパラメータに依拠している。例えば、器官が異なれば、器官のサイズに起因するトランケーション誤差を避けるために異なる検出器オフセットが必要となる。したがって、個々の器官について、固有のオフセットがメモリ内に格納され、使用できるようになっている。より具体的には、DYNAVISION像取得走査又は横方向にオフセットされた検出器位置を必要とする他の走査を実行するために、異なるシステム設定、例えば、「器官プログラム」が使用される。そうでなければ、像再構成アルゴリズムは、どの検出器オフセット位置(従って、投影行列)が入力像に対応しているかを決定することができない。
1つの実施形態では、上記の投影行列の集合とオフセット(変換)パラメータは以下に示すように関係している。N番目の像の投影ジオメトリは投影行列Pによって記述される。N個の観察位置(投影角)が存在している。ある投影がPのもとで撮られたということは、この投影がn番目の位置にある線源で撮られたことを示している。
非常に厳密な機械的シフトはシフトをほぼ平面的なシフトに限定し、クランプはCアームの回転中にX線検出器又はその可動コンポーネントを保持する。シフトパラメータは、像取得軌道に沿った1つの特定のCアーム視角、例えば、前後位置で推定される。X線検出器又はその可動コンポーネントを精密にオフセット位置に保持することができない場合には、N個の全観察位置に関するシフト/変換パラメータを決定しなければならない。
安定したクランプ機構を仮定すれば、ここでは、選択した像ジオメトリのデフォルト投影行列はPとして識別される。(右へ向かって)i番目のシフト位置にあるX線検出器又はその可動コンポーネントに対応する投影行列はP (i)で表される。投影行列は、変換行列Tを適切に選んでP (i)=T・PとすることでP (i)から計算される。Tの考えられる1つの選択肢は以下のように定義されるユークリッド相似変換(ユークリッドワープ)である:
Figure 2006326319
上記の変換は、スケールのためのオフセットパラメータs、回転のためのオフセットパラメータα、水平並進のためのオフセットパラメータt (i)、及び垂直並進のためのオフセットパラメータt (i)の4つのオフセットパラメータを伴っている。Tに関連してはいるが、検出器が(左へ向かう)反対側の横方向の位置へシフトした変換行列は、T−iと呼ばれる。
4つのオフセットパラメータを推定するには、それぞれPとP (i)のもとで投影が撮られるときに可視のままに留まる少なくとも2つの点が必要である。一旦シフトパラメータが推定されると、ある特定のシフトが像取得のランの間安定していると仮定すれば、他のN−1の観察方向に関して、投影行列はP (i)=T・Pに従って得られる。
シフトパラメータの推定を容易にする簡単な校正ファントムは、2つの異なるサイズの埋め込みビーズからなるルーサイト板である。ビーズはバイナリコードワードを形成するために使用される。ビーズのサイズは、発散ビーム投影ジオメトリによる拡大にかかわらず大きな方のビーズが小さな方のビーズよりも著しく大きくなるように選ばれる。2つの著しく異なるサイズのビーズが一旦与えられれば、バイナリコードワードを表現するためにこれらのビーズを使用することができる(例えば、小さなビーズが“0”で、大きなビーズが“1”)。
図11は校正に関係したデータの像の一例を示したものである。3ビットの線形コードと、ハミング距離で2を有する1つのパリティビットが使用される。この例では、隣接する列は異なるサイズを有する互いに隣り合う2つのビーズをつねに有している。さらに、各行は固有のパターンを持っている。このようなビーズの分布は、それぞれPとP (i)の両方で見られる(少なくとも)4つのビーズ(隣接列の各対に2つ)を単純に選ぶ。変換オフセットパラメータのより信頼性の高い推定のためには、2つより多くのビーズが使用される。異なった「コード」デザインの校正板を使用してもよい。
2つの部分円形走査が行われた後、投影の2つの集合が合併され、コンポジット投影が形成される。P (i)=T・PとP (−i)=T−i・Pのもとで撮られた反対側にオフセットされた投影を結合するために、Pに関連した新たな拡大ピクセルグリッドが定義される。
コンポジット投影を計算するために、新たなグリッド位置が以前のグリッド位置にマッピングされる。左にシフトした検出器の上の以前のピクセルグリッド位置は、事前に拡大グリッド座標にT−i −1を乗じることにより見つけ出される。右にシフトした検出器の上の以前のピクセルグリッド位置は、事前に拡大グリッド座標にT −1を乗じることにより見つけ出される。反対側にシフトされた検出器が中央領域を共有している場合には、両方の投影における対応するグレーレベルが決定され、平均される。結果として、雑音は低減される、すなわち、方法及びシステムは、重なり合った検出器領域は2回照射されるということを利用している。明らかに、X線照射線量の観点からは、オーバーラップ領域を小さく保つことが好ましい。
ラスタ像の離散的性質のゆえに、拡大グリッド内の各ピクセル位置はオフセットされたグリッド上の別の(離散的な)ピクセル位置に直にはマッピングされない。したがって、拡大ピクセルグリッド内に結果として得られるグレーレベルは、以前のピクセルグリッドの隣接サンプルの間の双線形補間により決定される。コンポジット像が形成された後には、走査されたボリュームの像を形成するために、標準的な2次元又は3次元再構成技術が適用される。
以上に本発明を様々な実施形態を参照することにより説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく多くの変更及び改善を為しうることは理解されなければならない。説明と図示は例示目的のためだけのものである。より多くの実施形態は本発明の範囲を逸脱することなく可能であり、また当業者には明らかである。様々な実施形態は記載された環境に限定されるものではなく、幅広い適用範囲を有している。
添付した請求項は、本発明の真の趣旨及び範囲に入るこのような変更及び改善のすべてを包含することを意図している。したがって、本発明は特定の詳細、代表的な実施形態、本明細書で示された実施例に限定されない。よって、本発明は添付された請求項及びそれの等価物により必要とされる見地において以外には限定されない。
CアームX線撮像システムの例を示す。 CアームX線撮像システムの別の例を示す。 撮像座標系の例を示す。 可動ステージを有するX線検出器の対の例を示す。 X線検出器の別の例を示す。 X線検出器の対の別の例を示す。 検出器並進ステージの例を示す。 投影トランケーション誤差を低減する方法の一例のフローチャートを示す。 データ処理システムの例を示す。 校正方法の一例のフローチャートを示す。 校正に関連したデータの表示の一例を示す。

Claims (24)

  1. Cアームの一方の端部に取り付けられたX線源と、Cアームの反対側端部に取り付けられたX線検出器を有するX線撮像システムであって、
    X線検出器は検出器取付台と可動ステージとを有しており、可動ステージは検出器台内を移動することを特徴とする、X線撮像システム。
  2. 検出器取付台は一対のスライダを有しており、可動ステージはスライダに沿って並進する、請求項1記載のシステム。
  3. 可動ステージはほぼ可動ステージの長さだけX線検出器内を移動する、請求項2記載のシステム。
  4. 1つ又は複数の交差ころ軸受とクランプピンとを有する、請求項1記載のシステム。
  5. X線検出器は、X線源とX線検出器とにより決定された軸の周りを回転するようにCアームに取り付けられている、請求項1記載のシステム。
  6. Cアームに結合することのできる検出器取付台と、検出器取付台に結合された可動ステージとを有する撮像システムのX線検出器であって、可動ステージが検出器取付台に沿って並進するができることを特徴とする、撮像システムのX線検出器。
  7. X線検出器は第1及び第2のスライダを有しており、第1及び第2のスライダは互いにほぼ平行であり、第1及び第2のスライダの少なくとも一方は交差ころ軸受を有している、請求項6記載のX線検出器。
  8. 1つ又は複数のクランプピンを有する、請求項6記載のX線検出器。
  9. CアームX線撮像システムを使用した撮像方法であって、
    X線検出器の可動ステージを第1の位置に位置決めするステップ、
    第1の投影データ集合を取得するために第1の部分円形走査を行うステップ、
    第1の位置から横方向にオフセットした第2の位置へX線検出器の可動ステージを再位置決めするステップ、及び
    第2の投影データ集合を取得するために第2の部分円形走査を行うステップを有することを特徴とする、CアームX線撮像システムを使用した撮像方法。
  10. 第1及び第2の投影データ集合からコンポジット投影データを形成するステップと、
    コンポジット投影データからボリュームを再構成するステップを有する、請求項9記載の方法。
  11. Feldkampアルゴリズム又は他の幾つかの精密なもしくは近似的な3D再構成アルゴリズムを用いてボリュームを再構成する、請求項10記載の方法。
  12. 第1の位置と第2の位置との間の差は可動ステージの長さまでとする、請求項9記載の方法。
  13. Cアームジオメトリの校正中に取得した第1及び第2の投影データ集合から第1及び第2の投影行列集合を形成するステップを有する、請求項9記載の方法。
  14. コンポジット像を再構成することができるように、第1及び第2の投影行列集合を用いてCアームX線撮像システムを校正するステップを有する、請求項9記載の方法。
  15. CアームX線撮像システムの校正方法であって、
    X線検出器の可動ステージをセンタリングするステップ、
    標準的なCアームジオメトリ校正手続きを実行するステップ、
    標準的なCアームジオメトリ校正手続きの間に取得したデータから投影行列の集合を形成するステップ、
    X線検出器の可動ステージを第1の位置へオフセットするステップ、
    第1の変換オフセットパラメータ集合を形成するステップ、
    X線検出器の可動ステージを第2の異なる位置へオフセットするステップ、及び
    第2の変換オフセットパラメータ集合を形成するステップを有することを特徴とする、CアームX線撮像システムの校正方法。
  16. 関連するオフセット像のワーピングにより、センタリングされた投影行列の集合に関連したコンポジット像を形成するステップを有する、請求項15記載の方法。
  17. 第1及び第2の変換オフセットパラメータ集合を用いて、センタリングされた投影行列の集合を調整することにより、CアームX線撮像システムを校正するステップを有する、請求項16記載の方法。
  18. 第1の変換オフセットパラメータ集合に関連した第1の投影行列集合を形成するステップと、
    第2の変換オフセットパラメータ集合に関連した第2の投影行列集合を形成するステップを有する、請求項15記載の方法。
  19. 第1の位置と第2の位置との間の差は可動ステージの長さまでとする、請求項15記載の方法。
  20. コンピュータ上で実行可能な命令を格納したコンピュータ可読媒体において、
    前記命令は実際のX線検出器よりも大きなサイズを有する仮想X線検出器を形成するステップを含んでおり、ただし、実際のX線検出器はCアーム撮像システムに結合されており、仮想X線検出器はCアーム撮像システムにより再構成されたボリュームにおける投影トランケーション誤差の低減を促す、ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
  21. 前記命令は、
    Cアーム撮像システムによる第1の部分円形走査の実行に関連した第1のデータ集合を取得するステップと、
    Cアーム撮像システムによる第2の部分円形走査の実行に関連した第2のデータ集合を取得するステップを有する、請求項20記載のコンピュータ可読媒体。
  22. 仮想検出器を形成するステップは第1及び第2のデータ集合を統合するステップを含んでいる、請求項21記載のコンピュータ可読媒体。
  23. 前記命令は、第1の部分円形走査の後かつ第2の部分円形走査の前に実際の検出器のコンポーネントを再位置決めするステップを含んでいる、請求項22記載のコンピュータ可読媒体。
  24. 前記命令は、それぞれ第1及び第2の変換パラメータに関連した第1及び第2の投影行列を形成することによりCアーム撮像システムを校正するステップを含んでいる、請求項22記載のコンピュータ可読媒体。
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