ところで、上述のような従来のプリントシステムでは、データ記憶用メディア内の撮影画像データをプリントする際に、その都度、プリント受付票への氏名や住所などの記入が必要となり、ユーザーにとって利便性のよいものとはいえなかった。
一方、近年、顧客へのサービスの一環として、プリント枚数の累計などの利用状況等に応じてポイントの貯まる専用のポイントカードを発行している店舗も多いが、このような専用のポイントカードの発行等にはコストがかかり、店舗側の投資コストが増大するという問題が生じている。
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、データ記憶用メディア内のデジタル画像をプリント作成するプリントシステムにおいて、該データ記憶用メディアのユーザーの利便性を向上するとともに店舗側のコスト低減を図ることのできるプリントシステムを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係るプリントシステムでは、データ記憶用メディアにユーザー情報を記憶し、該メディアからプリントを作成する際にユーザー情報を読み込んで、そのユーザー情報に基づいてプリント関連処理を行うようにした。
すなわち、請求項1の発明は、データ記憶用メディア内の画像データからプリントを作成するプリントシステムを対象とする。そして、前記データ記憶用メディアにユーザー情報を書き込むユーザー情報書き込み手段と、前記データ記憶用メディアに記憶された画像データからプリントを作成する際に、該データ記憶用メディアに記憶された前記ユーザー情報を読み込むユーザー情報読み込み手段と、前記ユーザー情報読み込み手段によって読み込まれたユーザー情報に基づいてプリントに関連する処理を行うプリント関連処理手段と、を備えているものとする。
この構成により、データ記憶用メディアにユーザーの個人情報等がユーザー情報として記憶されるため、該データ記憶用メディアに記憶されている画像データからプリントを作成する際に、ユーザー情報読み込み手段によってユーザー情報を読み出すことで、そのユーザー情報に基づいてプリント関連処理を行うことが可能になる。すなわち、ユーザー情報をデータ記憶用メディアに記憶させておくことで、例えばプリント受付作業等を行うことなく、そのユーザー情報からデータ記憶用メディアのユーザーを特定してプリント関連処理を行うことが可能になり、ユーザーの利便性及び店舗側の作業性を向上することができる。ここで、前記プリント関連処理とは、データ記憶用メディア内の画像データからプリントを作成する際に行われる処理を意味しており、プリントの受付、画像データの読み込み、画像データの画像処理、プリントの実行、プリント注文者のデータ管理等のすべての処理を含む。
また、上述のユーザー情報としてユーザーの利用状況(利用実績など)を記憶させて、画像データからプリントを作成する際に前記プリント関連処理の一環として利用状況等のデータを更新するようにすれば、該利用状況を管理するための別のシステムが不要になるため、店舗側の投資コストを低減することができる。
さらに、上述のようにデータ記憶用メディアにユーザー情報を記憶させておくことで、例えば、カレンダーに画像が一緒にプリントされたいわゆるカレンダープリントを行う場合にはユーザーの誕生日等にマークをしたり、画像データをCD−Rに記憶させる場合にはユーザーの氏名等をラベル面に印字したりすることが可能になり、ユーザーに対して付加価値のあるサービスを提供することが可能になる。
上述の構成において、プリント関連処理手段は、ユーザー情報読み込み手段によってデータ記憶用メディアから読み込まれたユーザー情報に基づいてプリントの受付処理を行うプリント受付手段を備えているものとする(請求項2の発明)。これにより、従来は、プリント受付時に、その都度、プリント受付伝票に記入したり、キーボード等によって入力したりしていた氏名や住所などのユーザーの情報を、データ記憶用メディアから読み込んで受付処理を行うことができるようになるため、プリント受付時の作業を簡略化することができ、ユーザーの利便性及び店舗側の作業性を向上することができる。
また、前記ユーザー情報には、ユーザーのプリント利用実績に関する情報が含まれていて、プリント関連処理手段は、画像データからプリントを作成した際に、少なくともデータ記憶用メディア内の前記プリント利用実績に関する情報を更新するユーザー情報更新手段を備えているのが好ましい(請求項3の発明)。ここで、プリント利用実績とは、ユーザーが今までにデータ記憶用メディア内の画像データからプリントを作成した回数やプリント枚数などのユーザーのプリント利用状況を意味している。
こうすることで、ユーザーのプリント利用実績に応じてプリント作成料金を割り引きするなどのいわゆるポイントサービスも行えるようになる。つまり、店舗側でポイントカード等を発行することなく、前記データ記憶用メディアによってユーザーの利用状況等を管理することができるため、店舗側のコスト低減を図れる。
さらに、前記データ記憶用メディアは、ユーザーにレンタルされたものであってもよい(請求項4の発明)。すなわち、レンタルされる毎にユーザーが変わるため、レンタル時の受付票への記入やユーザー情報管理などの作業が発生して、個人所有のものよりもユーザー及び店舗にとって作業負担の大きいデータ記憶用メディアであっても、該メディアにユーザー情報を記憶させるようにすれば、プリント受付時の受付票への記入等が不要になるとともに、レンタルユーザーの情報管理も容易になり、上述の請求項1〜3のような作用を得ることができる。
以上より、本発明に係るプリントシステムによれば、データ記憶用メディアにユーザー情報を記憶しておき、該メディアを用いてプリントする際にそのユーザー情報を読み込んでプリント関連処理を行うことで、プリント受付時にその都度、氏名、住所等を記入若しくは入力する作業が必要なくなり、ユーザーの利便性を向上することができるとともに、前記ユーザー情報を利用することで、ユーザーに対して付加価値の高いサービスの提供が可能になる。
特に、前記データ記憶用メディアに、ユーザー情報としてユーザーのプリント利用実績も併せて記憶させることで、該データ記憶用メディアを利用したいわゆるポイントサービスの提供が可能になるため、ポイントカードの発行等の店舗側の投資コストを低減することができる。
また、前記データ記憶用メディアがユーザーにレンタルされたものであっても、該メディアにユーザー情報を記憶させることで、上述の効果と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかるプリント処理システムを採用した写真プリント装置A全体を示す斜視図であり、この写真プリント装置Aは、印画紙Pに対して露光処理及び現像処理を行う写真プリンタとしてのプリントステーション2と、現像済み写真フィルム3やメモリカード4、ハードディスク22から取り込んだ撮影画像データを処理してプリントステーション2で使用されるプリントデータの生成、転送などを行う操作ステーション1とによって構成されている。
この写真プリント装置Aはデジタルミニラボとも称せられるものであり、図2に示すように、前記プリントステーション2は、2つの印画紙マガジンに納めたロール状の印画紙Pを引き出してシートカッター12で所定のプリントサイズに切断するとともに、切断された印画紙Pに対し、その裏面にバックプリント部13でコマ番号などのプリント処理情報を印字するとともに、露光部14で印画紙Pの表面に撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙Pを複数の現像処理槽を有した処理槽ユニット15に送り込んで現像処理するように構成されている。そして、該印画紙Pすなわち写真プリントPは、乾燥された後、装置上部の横送りコンベア16からソータ17に送られて、このソータ17の複数のトレイ17aにオーダー単位で仕分けられた状態で集積される(図1参照)。
なお、前記プリントステーション2には、露光部14の印画紙搬送方向の前後に配置されたチャッカー式印画紙搬送ユニット18aを含む複数の挟持搬送ローラ対からなる印画紙搬送機構18が設けられていて、この印画紙搬送機構18によって、上述の各種処理に応じた搬送速度で印画紙Pが搬送されるようになっている。
前記露光部14には、副走査方向に搬送される印画紙Pに対して、主走査方向に沿って操作ステーション1からのプリントデータに基づいてR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザ光線の照射を行うライン露光ヘッドが設けられている。また、前記処理槽ユニット15は、発色現像処理液を貯留する発色現像槽15aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽15bと、安定処理液を貯留する安定槽15cとを備えている。
ここで、前記プリントステーション2では、写真プリントPだけでなく、縮小された複数の撮影コマ画像を一覧化したいわゆるインデックスプリントPXやカレンダーに撮影画像を印刷するいわゆるカレンダープリントPYも、該写真プリントPと同様、上述のように露光処理及び現像処理されて、トレイ17aに集積されるようになっている。なお、特に図示しないが、前記プリントステーション2に、いわゆるCD−Rラベルプリント機能を設けて、CD−Rのラベル面PZに印字できるようにしてもよい。
前記操作ステーション1のデスク状コンソールの上部位置には、現像済み写真フィルム3から撮影画像データを取得するフィルムスキャナ20と、デジタルカメラ等に装着される画像記憶媒体としての各種半導体メモリ4(データ記憶用メディア、以下、メモリカードとも呼ぶ)やCD−Rなどから撮影画像データを取得したり該メモリカード4やCD−Rにデータを書き込んだりするメディアドライブ21(ユーザー情報書き込み手段、ユーザー情報読み込み手段、ユーザー情報更新手段)と、フィルムスキャナ20やメディアドライブ21を通じて取り込まれた撮影画像データ等を保管するハードディスク22と、が配設されている。
図1に示すように、本実施形態では、前記メディアドライブ21及びハードディスク22は、写真プリント装置Aのコントローラ5として機能する汎用のコンピュータ(例えばパソコンなど)に組み込まれていて、さらに、該汎用コンピュータには、各種情報を表示するモニタ23、各種設定や調整を行う際に操作入力部として利用されるキーボード24やマウス25、フラットベッドスキャナ26なども接続されている。なお、以下の実施形態では、メモリカード4から撮影画像データを取得するものとし、前記メディアドライブ21をデータ入出力部とする。
ここで、本実施形態において、前記メディアドライブ21によって読み書きされるメモリカード4は、一般的な構成のメモリカードがユーザーに所定期間、レンタルされるものであって、撮影画像データ等を記憶するための画像データ記憶部4aと、ユーザーの氏名や住所等の個人データを含むユーザー情報を記憶するためのユーザー情報記憶部4bと、を備えている。なお、この実施形態では前記メモリカード4をユーザーにレンタルしたものとしているが、この限りではなく、購入したメモリカードであってもよい。
前記ユーザー情報記憶部4bには、後述するように、前記メモリカード4をユーザーに貸し出す際に、前記メディアドライブ21を介してそのユーザーの情報が記憶され、前記画像データ記憶部4aに記憶されている画像データからプリントを作成した際には、前記メディアドライブ21を介して最新の情報(例えばプリント枚数の累計など)に更新されるようになっている。なお、ユーザーが前記メモリカード4をフォーマットした際に前記ユーザー情報記憶部4bに記憶されているユーザー情報も消去されないように、該ユーザー情報記憶部4bはメモリカード4をフォーマットしても消去されない領域に設けるのが好ましいが、このような領域を設けることができない場合には、後述するデータ管理用メモリ32にバックアップとして記憶するようにしておけばよい。
ここで、前記ユーザー情報としては、例えば、ユーザー毎に割り当てられるユーザーID、登録年月日、ユーザーの氏名(漢字及びカタカナ)、住所、電話番号、生年月日、メールアドレス及び今までのプリント注文枚数の累計などのデータが該当する。
前記コントローラ5は、図3に示すように、操作者によって入力された指示に応じて各種処理を行うCPU30を備えており、このCPU30には、前記メディアドライブ21を介してメモリカード4から転送されてきた画像データを一時的に格納するワーキングメモリ31と、前記メモリカード4をレンタルした際のユーザーの各種情報(ユーザーの氏名、住所など)を格納するデータ管理用メモリ32とが接続されている。
前記CPU30は、操作者の各種操作に応じてモニタ23に表示する操作画面を生成する操作画面生成部30aと、操作画面を構成する各種画像データやその他の表示アイテムの画像データを図示しないビデオコントローラによってビデオ信号に変換してモニタ23に送るビデオ制御部30bと、ワーキングメモリ31に記憶されている画像データに対して色調補正やフィルタリング(ぼかしやシャープネスなど)、トリミングなどの各種画像処理を施す画像処理部30cと、指定された色補正やプリント枚数などのコマンドを作成して、前記画像処理部30cで画像データを処理させた後、その処理後のデータをプリントデータとしてプリントステーション2の露光部14に転送させるプリント管理部30dと、該プリント管理部30dによって指示されたプリント枚数に基づいてプリント作成料金を計算する料金計算部30eと、を備えている。すなわち、前記CPU30は、操作者の各種操作に応じて上述のプリントステーション2にメモリカード4内の画像データからプリントを作成させるとともに、そのプリント枚数に応じて料金を計算するように構成されている。
また、前記CPU30には、メモリカード4をユーザーがレンタルする際に、前記操作入力部によって入力されたユーザー情報を前記データ管理用メモリ32及びメモリカード4に書き込むとともに、該メモリカード4が再度、前記メディアドライブ21に装填されて、プリント注文を受け付ける際に、該メモリカード4からユーザー情報を読み出すユーザー情報制御部30f(ユーザー情報書き込み手段、ユーザー情報読み込み手段)と、該ユーザー情報制御部30fによって読み込まれたユーザー情報に基づいて氏名や住所等を特定してプリントの受付処理を行うプリント受付処理部30gと、を備えている。ここで、前記ユーザー情報制御部30fは、上述のようにメモリカード4をユーザーがレンタルする際だけでなく、例えばプリント枚数の累計などのデータに変更がある場合にも、最新のユーザー情報をメディアドライブ21を介してメモリカード4に記憶させるユーザー情報更新手段としても機能する。なお、ユーザー情報を更新する際には、前記メモリカード4だけでなく、前記データ管理用メモリ32に記憶されているユーザー情報も更新するようにしてもよい。
このように、前記ユーザー情報制御部30fによって、メディアドライブ21に装填されたメモリカード4にユーザー情報を記憶させることで、後述するように、該メモリカード4に記憶されている画像データからプリントを作成する際に、該メモリカード4からユーザー情報を読み出すだけで、そのユーザーの氏名、住所、利用状況等を把握することができ、ユーザーがプリント作成を依頼する度に注文票への記入等の受付作業を行う必要がなくなる。すなわち、レンタルされたメモリカード4からプリント作成する際のプリント受付時のユーザーの手間を簡略化して、ユーザーの利便性を向上することができる。
また、上述のようなユーザー情報をメモリカード4に記憶させておいて、該メモリカード4に記憶されている撮影画像データからプリントを作成する際に、前記ユーザー情報を読み込むようにすることで、ユーザーに対して以下のようなサービスの提供も可能となる。
まず、前記ユーザー情報に含まれているプリント注文枚数の累計に応じて、プリント作成料金の割り引きを行うことができる。すなわち、前記メモリカード4のユーザー情報記憶部4bに記憶されているプリント注文枚数の累計を読み込むことで、前記料金計算部30eでプリント作成料金を計算する際に、該プリント注文枚数の累計に応じて料金の割り引きを行うことが可能になる。例えば、プリント作成料金の割引率は、プリント注文枚数の累計が100枚未満のときには5%、100枚以上1000枚未満のときには7%、1000枚以上の場合には10%というように設定すればよい。
一方、上述のように、プリント注文枚数の累計によってプリント作成料金の割り引きを行うのではなく、登録期間に応じてプリント作成料金の割り引きを行うようにしてもよい。この場合には、メモリカード4に記憶されている登録年月日のデータを読み込んで、そのデータから前記料金計算部30eで登録期間を算出して、該登録期間に応じてプリント作成料金の割り引きを行う。例えば、プリント作成料金の割引率は、登録期間が1年未満であれば5%、1年以上3年未満であれば10%、3年以上であれば15%というように設定すればよい。
このように、前記メモリカード4を、ユーザーの利用実績に応じて該ユーザーにサービスを提供するいわゆるポイントカードのように使用することで、ポイントカードの発行等が不要になり、店舗側の投資コストを低減することができる。そして、ユーザーの利用実績により、上述のようなプリント作成料金の割り引きだけでなく、ユーザーにレンタルしている前記メモリカード4を該ユーザーに贈呈するなどのサービスも可能になる。
また、メモリカード4に記憶されている画像をカレンダーにプリントする、いわゆるカレンダープリントを行う際に、前記ユーザー情報のうち、ユーザーの生年月日のデータを用いてカレンダーの誕生日にマークを印刷するサービスも行うことが可能になる。具体的には、前記メモリカード4に記憶されているユーザー情報のうち生年月日のデータが前記プリント管理部30dに伝達されて、該プリント管理部30dでカレンダーのテンプレートに対してユーザーの誕生日をマークするようにコマンドが生成され、そのコマンドに基づいて画像処理部30cでプリントデータを作成し、プリントステーション2でユーザーの誕生日にマークのついたカレンダープリントPYが作成される。
一方、ユーザーの希望により前記メモリカード4に記憶されている画像データをCD−Rに保存する場合には、該メモリカード4に記憶されているユーザー情報のうち、例えばユーザーの氏名を前記CD−Rのラベル面PZに印刷することも可能になる。すなわち、上述のカレンダープリントPYの場合と同様、前記メモリカード4に記憶されているユーザー情報のうちの氏名のデータが前記プリント管理部30dに伝達され、該プリント管理部30dでCD−Rのラベル面に氏名を印字するようにコマンドが生成され、そのコマンドに基づいて画像処理部30cでプリントデータを作成し、プリントステーション2でCD−Rのラベル面PZに氏名が印字される。
上述の構成の写真プリント装置Aにおけるプリント関連処理の一例を図4に基づいて以下で説明する。ここで、撮影画像データは、メディアドライブ21を介してメモリカード4から取得するものとする。
まず、店舗においてユーザーにメモリカード4を貸し出す際に、該ユーザーの氏名、住所、電話番号及び生年月日等の個人データが、キーボード24やマウス25などの操作入力部によって入力され、ユーザー情報制御部30fによって、それらのデータがユーザー毎に割り当てられたユーザーIDとともに前記メディアドライブ21に装填されたメモリカード4のユーザー情報記憶部4bに記憶される。このとき、汎用コンピュータのデータ管理用メモリ32にも、レンタルユーザーの管理のために同様のユーザー情報が記憶される。なお、前記メモリカード4がレンタルしたものではなく購入したものである場合には、ユーザーが該メモリカード4を用いて最初にプリント注文を行った際に上述のユーザー情報が記憶されるようにすればよい。
そして、前記メモリカード4に記憶された撮影画像データのプリントを受け付ける際には、該メモリカード4がメディアドライブ21に装填された状態で、前記メディアドライブ21を介して該メモリカード4の画像データ記憶部4aから撮影画像データを取得する一方、ユーザー情報記憶部4bからもユーザー情報を取得する。この撮影画像データは、前記ワーキングメモリ31に格納されるとともに、プリント受付処理部31gによってユーザー情報からユーザーを特定してプリント受付処理を行う。このように、前記メモリカード4から撮影画像データを取得する際に、ユーザー情報も取得することで、ユーザーがプリント受付票へ記入することなく該ユーザーを容易に特定することができるので、ユーザーの利便性を向上することができる。なお、上述のプリント受付処理は、撮影画像データから作成されるプリントとユーザーとを関連づけるための処理であり、この処理を行うことにより、例えば、プリント作業時の操作画面上にプリント注文者であるユーザーのユーザーIDや氏名等を表示させたり、料金計算部30eによる料金計算結果やプリントステーション2によって作成された写真プリントPをユーザー毎に識別できるようになる。
上述のように、プリントの受付が行われると、前記操作画面生成部30aによって、撮影画像を見ながらプリント枚数や色調補正などを行うことのできるプレジャッジプリント画面(PJP画面)が生成され、前記ビデオ制御部30bによってモニタ23に表示される。このPJP画面では、各画像データの3原色の色調補正やプリント枚数等がキーボード24やマウス25などの操作入力部への入力に応じて設定される。そして、これらの設定が完了すると、前記プリント管理部30dが色調補正やプリント枚数等に関するコマンド(画像処理コマンド)を作成し、このコマンドに基づいて前記画像処理部30cで各画像データに対して各種処理を行い、プリントデータとして前記プリントステーション2の露光部14に転送し、写真プリントPを作成する。
なお、前記プリント管理部30dで作成されたコマンドは、プリント情報として料金計算部30eやユーザー情報制御部30fにも送られて、該料金計算部30eでは、プリント枚数等に応じてプリント作成料金が計算される一方、前記ユーザー情報制御部30fでは、ユーザー情報のプリント枚数の累計に今回のプリント枚数を加算し、メディアドライブ21を介してメモリカード4のユーザー情報記憶部4bに新しいユーザー情報として書き込む。この際、操作ステーション1のデータ管理用メモリ32に対しても新しいユーザー情報を書き込むのが好ましい。
ここで、前記ユーザー情報は、プリント受付処理部31gだけでなく、プリント管理部30d及び料金計算部30eにも送られる。該料金計算部30eでは、上述のように前記プリント管理部30dで作成されるコマンド(例えばプリント枚数)に基づいてプリント作成料金を計算する際に、ユーザー情報に含まれているユーザーの利用状況(例えばプリント注文枚数の累計)やユーザー登録年月日に基づいてプリント作成料金を割り引きして計算する。さらに、前記プリント管理部30dでは、カレンダープリントPYを行う際にユーザー情報に含まれているユーザーの生年月日に基づいて誕生日にマークが付けられるように、また、撮影画像データをCD−Rに保存する際にユーザー名がラベル面PZに印字されるように、コマンドを生成し、そのコマンドに基づいて画像処理部30cで作成されたプリントデータによって、前記プリントステーション2にカレンダープリントPYの作成若しくはCD−Rのラベル面PZへの印字を行わせる。
以上より、ユーザーにレンタルされるメモリカード4に該ユーザーの氏名や住所等の情報をユーザー情報として記憶させておくことで、該メモリカード4に記憶された画像データからプリントを作成する場合に、該メモリカード4のユーザー情報を読み込むだけで、プリントの受付を行うことができるため、プリント受付時の氏名や住所等の記入が不要になって、ユーザーの利便性を向上することができる。また、前記ユーザー情報に、ユーザーの氏名や住所等の個人データだけでなく、該ユーザーの利用状況(プリント枚数の累計など)も併せて記憶させておくことで、その利用状況に応じてユーザーにプリント作成料金の割り引きやレンタル中のメモリカード4の贈呈などのサービスを提供する、いわゆるポイントサービスとしても利用することができ、専用のポイントカードの発行が不要になるため、店舗側のコスト低減も図ることができる。
さらに、上述のように、前記メモリカード4に個人データをユーザー情報として記憶させることで、記憶されているユーザー情報のうち、ユーザーの生年月日のデータを用いて、カレンダープリントPYの該ユーザーの誕生日にマークをプリントしたり、ユーザーの氏名をCD−Rのラベル面PZに印字したりする付加価値の高いサービスも提供可能になる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、メモリカード4にユーザー情報をすべて登録するようにしているが、この限りではなく、例えば、該メモリカード4には、ユーザーIDのみを記憶させるようにして、該ユーザーIDに対応するユーザー情報をデータ管理用メモリ32にすべて記憶させるようにしてもよい。この場合には、ユーザー情報制御部30fは、メディアドライブ21を介してメモリカード4からユーザーIDを読み込むとともに、該ユーザーIDに対応するユーザー情報を前記データ管理用メモリ32から読み込むように構成されている。これにより、この読み込んだユーザー情報に基づいて、上述の実施形態と同様、料金計算部30eでプリント作成料金の割り引きを行ったり、プリント管理部30dでカレンダープリントPYに対するユーザー誕生日のマークやCD−Rのレベル面PZに対するユーザー名の印字などの各種サービスを行うことが可能になる。
また、前記実施形態では、写真プリント装置Aの操作ステーション1に備えられているメディアドライブ21によって、メモリカード4に対してユーザー情報の読み書きを行うようにしているが、前記操作ステーション1に接続された店頭の受付端末にメディアドライブを設けて、そのメディアドライブを介してメモリカード4への読み書きを行うようにしてもよい。この場合にも、該メモリカード4にユーザー情報をすべて記憶させるようにしてもよいし、ユーザー情報の一部(例えばユーザーIDなど)を記憶させて、それに関連づけられたユーザー情報を受付端末や操作ステーション1のメモリやハードディスク等に記憶させるようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、操作ステーション1の料金計算部30eでプリント枚数からプリント作成料金を計算するようにしているが、この限りではなく、例えば、レンタル期間に応じてレンタル料金の計算も行うようにしてもよい。この場合には、例えばメモリカード4に記憶されているユーザー情報のうち登録年月日を用いてレンタル期間を計算してレンタル料金を算出するとともに、前記実施形態におけるプリント作成料金と同様、レンタル料金をユーザーの利用状況やレンタル期間に応じて割り引くようにしてもよい。