JP2006322690A - 超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法 - Google Patents

超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006322690A
JP2006322690A JP2005148447A JP2005148447A JP2006322690A JP 2006322690 A JP2006322690 A JP 2006322690A JP 2005148447 A JP2005148447 A JP 2005148447A JP 2005148447 A JP2005148447 A JP 2005148447A JP 2006322690 A JP2006322690 A JP 2006322690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boiler
flow rate
signal
boiler recirculation
recirculation pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005148447A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4507098B2 (ja
Inventor
Ikuo Onaka
郁夫 尾中
Yoshiaki Kono
義明 河野
Tadao Uenaka
忠男 植中
Taro Sakata
太郎 坂田
Keizaburo Yamaguchi
恵三郎 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK, Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP2005148447A priority Critical patent/JP4507098B2/ja
Publication of JP2006322690A publication Critical patent/JP2006322690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4507098B2 publication Critical patent/JP4507098B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

【課題】ボイラ再循環ポンプに流入する流体条件を制御し、火炉に必要な最低給水流量を確実に確保する超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法を提供すること。
【解決手段】超臨界圧状態の火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からのボイラ再循環水をボイラ給水管2に再循環させるためのボイラ再循環ポンプ21を備え、該ポンプ21を用いて火炉壁出口の伝熱管から超臨界圧状態で汽水分離できない流体の一部であるボイラ再循環水(W3)を抜き出して給水管2へ戻すために、ポンプ21の入口に接続する再循環抜き出し管30、31と、ポンプ21出口と給水管2を接続する再循環ポンプ出口22、23と、給水管20から分岐させたクーリング水(W2)を抜き出してポンプ21の入口に接続する再循環水クーリング管10、11、前記三つの配管の中の二以上に設けた流量検出手段14、26、34と流体流量調節弁12、24を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、火力発電プラントの超臨界圧定圧貫流ボイラに係わり、火炉壁出口から流体の一部をボイラ給水に戻して循環させ火炉壁通過流体流量を確保した上で、運転可能な最低出力を引き下げるのに好適な超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転制御回路(設備)とその制御方法に関する。
本発明が対象とする超臨界圧定圧貫流ボイラにおける最低負荷制限はボイラ火炉壁に必要な最低通過流体の流量が制限されることによる場合が殆どである。簡単にいええば、ボイラ火炉壁は非常に多くの伝熱管が流体経路上に並列配置されており、流体流量が少なくなると火炉壁の差圧が少なくなり、伝熱管ごとに生じる流体流量の差が大きくなり、流体が流れ難い状態となる伝熱管はオーバーヒートを起こしてチューブリークが生じることになる。
火炉壁の流体流量制限により生じる最低負荷制限より低い負荷で運転する場合には、火炉壁の流体流量を最低通過流量制限以上に維持したまま蒸発量を低下させるため、火炉壁出口から流体の一部をボイラ入口に戻して火炉壁を循環させる方法が採用され、過去に特許出願がなされている。
特公昭39−18455号公報、特開昭56−16002号公報及び特公昭62−44161号公報には、流体の一部を火炉出口から火炉入口に戻す循環系統が図示されているが、強制循環ポンプを循環系統ではなく、主要な流体流路の系統に設置して流体の一部を火炉出口から火炉入口に循環させる方法である。そのため強制循環ポンプは火炉最低通過流量以上の容量を持たせる必要があり、大きなポンプ容量が要求される。特公昭39−18456号公報では、火炉出口から火炉入口に循環させる系統にエジェクターポンプを設置して循環させる方法が記載されているが、実現可能である説明がされているのみである。
これらの特許出願発明には、いずれにも火炉出口から火炉入口に循環させる流体のの必要量を確保する手段について記載されていない。ボイラに負荷変化などがあると、火炉入口、出口ともに流体エンタルピは動的に変動し、循環運転開始時においても循環水の影響で火炉入口流量、エンタルピ及び火炉収熱量が変化するので火炉出口エンタルピも変化する。
また、どのような方式のポンプであっても流体温度条件が変わればポンプ特性は変化するので、流体状態量が変動すればその循環流量が変動してしまうが、前記特許出願発明には流体の必要な循環流量を確実に確保する手段について考慮されていない。
特公平6−50163号公報記載の発明には、変圧貫流ボイラの起動系統として火炉出口流体の全部を汽水分離器に通し、流体から飽和水と飽和蒸気を分離して、飽和水のみをボイラ再循環ポンプによりボイラ給水に戻す構成が記載されている。また飽和水がボイラ循環ポンプにおいてキャビテーションを起こさないように、高圧給水加熱器手前の温度の低い水をボイラ再循環ポンプ入口の流体中に一定量入れてボイラ再循環ポンプ入口水をサブクール状態にしている。
この特許出願発明の技術は、変圧貫流ボイラの亜臨界状態で使用され、ボイラ再循環ポンプは汽水分離器のレベルにおいて流量制御され、定圧貫流ボイラとはシステムが全く異なるが、飽和水に対して一定量の冷水を加えておけば確実にサブクール状態になり、またボイラ再循環ポンプ入口流体も常に飽和温度より少し低い温度で余り変動しない。即ち、変圧貫流ボイラにおいてはボイラ再循環ポンプ入口の流体比容積が動的に変動することは考慮する必要がなく、また考慮されていない。
特公昭39−18455号公報 特開昭56−16002号公報 特公昭62−44161号公報 特公昭39−18456号公報 特公平6−50163号公報
前記従来技術に共通しているのは、負荷変化や循環運転開始時などボイラ状態量が動的に変動したときに生じるポンプ特性の変化が考慮されていないことである。そのため前記従来技術を本発明の対象である定圧貫流ボイラに適用した場合には、流体の循環流量が変動する欠点があった。
定圧貫流ボイラにおいては、汽水分離はせずにエンタルピが高く、しかもボイラ状態量の変動を伴なった流体が火炉入口又はボイラ入口に循環流入するので、ボイラ再循環ポンプに流入する流体のエンタルピも高く、比容積が変化する領域で使用する場合もある。流体の比容積が大きくなる領域に入るとボイラ再循環ポンプの吐出圧力及び流量特性が低下し、十分な裕度がないボイラ再循環ポンプでは場合により吐出しなくなることがある。その場合にはボイラへの最低給水流量が確保できないため、ボイラを緊急停止させることになる。
本発明の課題は、ボイラ再循環ポンプに流入する流体条件を制御し、火炉に必要な最低給水流量を確実に確保する超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明では次の解決手段を用いる。
請求項1記載の発明は、火炉内に配置された節炭器、火炉壁及び火炉内に配置される蒸発器と過熱器を含めた複数の伝熱管と、前記節炭器、火炉壁、蒸発器及び過熱器を含めた該伝熱管に順次蒸気生成用の水を供給するボイラ給水管(2)と、超臨界圧状態の火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からのボイラ再循環水をボイラ給水管(2)に再循環させるためのボイラ再循環ポンプ(21)とを備えた超臨界圧状態の定圧蒸気を得るための臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備において、ボイラ再循環ポンプ(21)を用いて火炉壁出口の伝熱管から超臨界圧状態で汽水分離できない流体の一部であるボイラ再循環水を抜き出してボイラ給水管(2)へ戻すために、火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からボイラ再循環ポンプ(21)の入口に接続するボイラ再循環抜き出し管(30,31)と、ボイラ再循環ポンプ(21)の出口とボイラ給水管(2)を接続するボイラ再循環ポンプ出口管(22,23)と、ボイラ給水管(20)から分岐させた給水の一部であるクーリング水を抜き出してボイラ再循環抜き出し管(30,31)の途中又はボイラ再循環ポンプ(21)の入口に接続するボイラ再循環水クーリング管(10,11)と、前記三つの配管(30,31;22,23;10,11)のうち、少なくとも二つの配管に設けた流量検出手段(14,26,34)と、該二つの配管に設けた流体流量調節手段(12,24)とを備えた超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備である。
上記請求項1記載の発明において、流体の流量計測については、三つの配管(30,31;22,23;10,11)の流量は
クーリング水流量(102)+ボイラ再循環水流量(103)
=ボイラ再循環ポンプ吐出流量(104)
の関係にあるので、どの二箇所の配管を測っても残り一箇所の配管の流量は分かるので、本発明では少なくとも2箇所の配管で流量計測をしている。実際には流量制御したい配管に流量計を取り付ける。図12ではボイラ再循環流量調節弁24は配管22,23に付けてボイラ再循環ポンプ吐出水(W4)の流量を調整しているが、制御はボイラ再循環水(W3)の流量を目標値になるよう制御しているので流量計(33)はボイラ再循環抜き出し管(30,31)に付ける。
一方、流量調節弁は、流量計と同様に三つの配管(30,31、22,23、10,11)のうちの少なくとも二つの配管に設けることで前記三つの配管の流量が調節できる。まずボイラ再循環ポンプ(21)の出口側に取り付けるボイラ再循環ポンプ流量調節弁(24)は必須である。なぜなら例えばクーリング水流量調節弁(12)とボイラ再循環抜き出し管(30)に取り付けた流量調節弁の2箇所で流量調節した場合には、これら2つの流量調節弁で絞ってボイラ再循環ポンプ(21)の入口圧力を下げることでボイラ再循環ポンプ吐出水(W4)を調節することになるが、実際にそのようなことをすればポンプ(21)の入口の圧力低下でキャビテーションが発生し、ポンプ(21)にダメージが生じる。ここでは高いエンタルピで使用するため特に注意が必要である。
従って(a):ポンプ再循環流量調節弁(24)とクーリング水流量調節弁(12)の組み合わせ、または(b):ポンプ再循環流量調節弁(24)とボイラ再循環抜き出し管(30,31)に設置した弁のいずれかになる。しかし(b)は実現できない。なぜならボイラ給水管(2)はボイラ入口であり、ボイラ再循環抜き出し管(31)を取り出す火炉出口より圧力が高いからである。圧力の高い方のボイラ再循環水クーリング管(10,11)に流量調節弁(12)を入れて絞ってこそ、クーリング水(W2)とボイラ再循環水(W3)の混合比率を調節できる。クーリング水流量調節弁(12)を無くして圧力の低い方のボイラ再循環抜き出し管(30,31)に弁を入れると、クーリング水(W2)ばかり流れてボイラ再循環水(W3)は流れず再循環させることはできない。
請求項2記載の発明は、火炉内に配置された節炭器、火炉壁及び火炉内に配置される蒸発器と過熱器を含めた複数の伝熱管と、前記節炭器、火炉壁、蒸発器及び過熱器を含めた該伝熱管に順次蒸気生成用の水を供給するボイラ給水管(2)と、超臨界圧状態の火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からのボイラ再循環水をボイラ給水管(2)に再循環させるためのボイラ再循環ポンプ(21)とを備えた超臨界圧状態の定圧蒸気を得るための臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備において、前記ボイラ再循環ポンプ(21)は流体流量調節機能があるポンプであり、該ボイラ再循環ポンプ(21)を用いて火炉壁出口の伝熱管から超臨界圧状態で汽水分離できない流体の一部であるボイラ再循環水を抜き出してボイラ給水管(2)へ戻すために、火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からボイラ再循環ポンプ(21)の入口に接続するボイラ再循環抜き出し管(30,31)と、ボイラ再循環ポンプ(21)の出口とボイラ給水管(2)を接続するボイラ再循環ポンプ出口管(22,23)と、ボイラ給水管(2)から分岐させた給水の一部であるクーリング水を抜き出してボイラ再循環抜き出し管(30,31)の途中又はボイラ再循環ポンプ(21)の入口に接続するボイラ再循環水クーリング管(10,11)と、前記ボイラ再循環抜き出し管(30,31)又はボイラ再循環水クーリング管(10,11)のうちの少なくともいずれかの配管に設けた流体流量調節手段(12)とを備えた超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法であって、火炉壁出口からボイラ給水管(2)にボイラ再循環水を戻す流体循環運転状態で、超臨界圧で汽水分離できない高いエンタルピのままのボイラ再循環水と低温のクーリング水の各流量をボイラ再循環ポンプ(21)及び前記三つの配管(30,31;22,23;10,11)のうちの少なくとも一つの配管に設けられた流体流量調節手段(12、24又は34)を使用して流体の流量調節し、必要なボイラ再循環水流量を確保して、ボイラ再循環ポンプ(21)の入口における流体温度(109)を規定値以下に抑制する機能を有する超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項4記載の発明は、ボイラ再循環抜き出し管(30,31)とボイラ再循環ポンプ出口管(22,23)とボイラ再循環水クーリング管(10,11)にそれぞれ流れるボイラ再循環水流量(103)、ボイラ再循環ポンプ(21)の吐出流量(104)及びクーリング水流量(102)のうちの少なくとも二つの流量をそれぞれの流量目標値に調節し、かつ各々の流量目標値は循環運転範囲全域で火炉壁に必要な最低給水流量を確保すると共に、ボイラ再循環ポンプ(21)の入口流体温度(109)を380℃以下の温度領域に保つ設定とする請求項3記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項5記載の発明は、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)が設定値より高くなった場合には、(a)ボイラ出力指令(50)に応じて得られる予め決められたクーリング水流量設定値(信号52)と実クーリング水流量(信号16)との偏差(信号55)が零となるようにクーリング水流量調節手段(12)の開度を上げてクーリング水流量(102:信号16)を増加させるる制御を行うか、または
(b)前記(a)の制御によるクーリング水流量(102:信号16)の制御と、ボイラ出力指令(50)に応じて予め決められたボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定値(信号67)より実ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)が大きい場合に、ボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定値(信号67)と実ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)との偏差(信号70)に応じたボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正値(信号72)に基づいて、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)がボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定値(信号67)に低下するまでクーリング水流量(102:信号16)を増す方向に補正する制御との併用により、クーリング水流量(102:信号16)を増加させる機能を持たせた請求項4に記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項6記載の発明は、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)が高くなり、クーリング水流量(102:信号16)を増加させた場合には、(a)実ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)がボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定値(信号67)より大きい値である場合には、前記両方の温度偏差(信号70)に基づき予め決められたボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正値(信号72)を出力指令(50)に応じて予め決められたボイラ再循環ポンプ吐出流量設定値(信号81)と実ボイラ再循環ポンプ吐出流量(信号28)との偏差(信号84)に加えること、または、(b)前記ボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正値(信号72)に予め設定さられている0〜1の値からなるボイラ再循環ポンプ入口温度補正制御ゲイン(信号94)を乗じて得られる補正値(信号96)を前記ボイラ再循環ポンプ吐出流量(104:信号28)の前記偏差値(信号84)に加えることによりボイラ再循環ポンプ吐出水吐出流量(104:信号29)を増方向に補正することでクーリング水流量増加分と同量又は同量以下の量でボイラ再循環ポンプ吐出流量(104:信号28)を増加させる請求項5記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項7記載の発明は、クーリング水流量調節手段(12)により、出力指令(50)に応じて予め決められたクーリング水流量下限値(信号74)を下限値としてクーリング水流量(102:信号16)を制御する請求項4ないし6のいずれかに記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項8記載の発明は、ボイラ出力指令(50)に応じたボイラ再循環ポンプ(21)の予め決められた入口温度設定値(信号76)と実ボイラ再循環ポンプ21の入口流体温度(109:信号29)との偏差(信号77)が零となるようにし、かつ予め決められたクーリング水流量(102:信号16)の上限設定値(信号79)に基づいて、クーリング水流量調節手段(12)によりクーリング水流量(102:信号16)を調節することでボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)を制御する請求項3記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項9記載の発明は、(a)ボイラ再循環抜き出し管(30)に設けられたボイラ再循環水流量検出手段(34)により直接ボイラ再循環抜き出し水流量(信号35)を検出するか、または、(b)ボイラ再循環ポンプ出口管(22,23)に設けられたボイラ再循環ポンプ吐出流量検出手段(26)により検出されたボイラ再循環ポンプ吐出水流量(104:信号28)からボイラ再循環水クーリング管(10,11)に設けられたクーリング水流量検出手段(14)に検出されるクーリング水流量(102:信号16)を引いてボイラ再循環水流量(103:信号35)とし、得られたボイラ再循環水流量(103:信号35)が、ボイラ出力指令(50)に応じて予め決められたボイラ再循環流量設定値(信号98)と一致するようにボイラ再循環流量調節手段(24)によるボイラ再循環ポンプ吐出水流量(104:信号92)を調節する請求項3記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項10記載の発明は、請求項1又は2記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備の運転方法であって、ボイラ再循環水クーリング管(10,11)に一定流量のクーリング水(W2)を流すために用いる設定値の異なる予め決められた固定開度設定値(信号59,60,61)を二つ以上クーリング水流量調節手段(12)に設ける超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項11記載の発明は、ボイラ再循環水の循環運転の開始時には、クーリング水流量調節手段(12)で行う流量調節を予め決められた初期設定値(信号59)とし、ボイラ再循環ポンプ(21)を起動させた後にクーリング水(W2)をボイラ再循環水(W3)に混合させたボイラ再循環水温度(108)が上昇傾向となるタイミングで前記クーリング水流量調節手段(12)の初期設定値(信号59)から該初期設定値(信号59)より比較的流量を多くする整定設定値(信号60)に切り替え、また、ボイラ再循環水(W3)の循環運転を停止し、貫流運転に切り替える時には、クーリング水流量調節手段(12)で行う流量調節を整定設定値(信号60)のままとし、その後、ボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)で行う流量調節を予め決められた初期設定値(信号88)で最低流量の運転を行い、状態安定後にボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)で行う流量調節を停止する設定(信号87)とし、次いでボイラ再循環ポンプ(21)を停止させ、その操作途中において、ボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)の前記初期設定値(信号88)が選択された後、クーリング水流量調節手段(12)の前記整定設定値(信号60)から予め決められた終了開度設定値(信号61)に切り替える求項10記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法である。
請求項1記載の発明によれば、安定で且つ外乱に強い循環運転が可能となり貫流状態に比べて広い出力運転範囲を獲得できる超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転を行える。
また、請求項1記載の発明によれば、流体流量調節機能があるボイラ再循環ポンプ(21)を用いることで、流体流量調節機能(ボイラ再循環抜き出し管(30,31)又はボイラ再循環水クーリング管(10,11))のうちの少なくともいずれかの配管に設けた流体流量調節手段(12又は24)を制御することで、ボイラの流体循環運転制御ができる。
請求項2記載の発明によれば、ボイラ再循環ポンプ(21)それ自体が流体流量調節機能を有するポンプであると、ボイラ再循環ポンプ(21)の回転数制御により再循環ポンプ吐出流量(104)が調節できるので、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁(24)が省略できる。その場合には請求項1記載の発明のボイラ再循環ポンプ流量調節弁(24)の開度制御用の制御回路を、そのまま再循環ポンプ(21)の回転数を制御する制御回路として使用できる。
請求項3記載の発明によれば、火炉壁出口からボイラ給水管(2)にボイラ再循環水を戻す流体循環運転状態で、ボイラ運転出力を下げても火炉壁を通過する流体流量を最低流量制限以上に確実に維持することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、ボイラ再循環ポンプ(21)の入口流体温度が比容積変化の比較的少なくすることができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109)が設定値より高くなった場合に、効果的に温度を下げることができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109)が高くなりクーリング水流量を増加させた場合には、火炉壁流体流量の低下を抑制することができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項4ないし6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、クーリング水流量が必要以上に低下してボイラ循環ポンプ入口流体温度が高くなるのを防止することができる。
請求項8記載の発明によれば、クーリング水流量調節手段(12)によりボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109)を規定値(比容積の変化が少ない温度設定)に保つことができる。
請求項9の発明によれば、ボイラ再循環水流量(103)を確保することができる。
請求項10記載の発明によれば、クーリング水流量調節手段(12)に二つ以上設けた設定値の異なる二つ以上設けた予め決められた固定開度設定値(信号59,60,61)を循環運転開始/終了時に運転条件や状態量により切り替えて使用し、ボイラ再循環ポンプ入口流体の温度変化を少なくすることができる。
請求項11記載の発明によれば、ボイラ再循環水の循環運転の開始時には、クーリング水をボイラ再循環水に混合させたボイラ再循環水温度(108)が上昇傾向となるタイミングでクーリング水流量を初期設定値(信号59)から整定設定値(信号60)に増加させると、図6に示す通りボイラ再循環ポンプ入口流体温度109は余り変動させずにクーリング水をボイラ再循環水の混合が初期混合状態から安定した循環後のバランス状態に移行することができ、また、ボイラ再循環水の循環運転を停止し、貫流運転に切り替える時には、クーリング水流量調節手段(12)で行う流量調節を整定設定値(信号60)のままとし、その後、ボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)で行う流量調節を初期設定値(信号88)で最低流量の運転を行い、状態安定後にボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)で行う流量調節を停止し、次いでボイラ再循環ポンプ(21)を停止させ、その操作途中において、ボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)の前記初期設定値(信号88)が選択された後でクーリング水流量調節手段(12)の前記整定設定値(信号60)から予め決められた終了開度設定値(信号61)に切り替えることで、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度109を図9に示す通り余り変動せず、徐々にウォーミング水温度に安定させることができる。
以下、本発明の実施例である超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその制御について説明する。
図1に本実施例のボイラの流体循環運転設備の要部概略図を示し、図2には本実施例に関わる流体の循環運転時の流量バランスを示す。
図1に示すボイラの流体循環運転設備は、ボイラへの給水は節炭器入口管寄せ6から節炭器(図示せず)に入り、節炭器で加熱された後、節炭器出口管寄せ7から水壁降下管5と火炉壁入口管寄せ114を順次経由して火炉壁1(複数の伝熱管と伝熱管同士を接続する板材からなる火炉水壁で形成されている)に入り、該火炉壁1で加熱された後、火炉壁出口管寄せ8(図1に示す火炉壁出口8は一次過熱器入口管寄せ9の位置に当たるが、火炉壁出口管寄せ8と同じ流体条件である)から一次過熱器入口管寄せ9に供給され、該一次過熱器で過熱されて、更に図示しない二次過熱器で過熱され、蒸気タービンに供給され、発電に利用される。
図1に示す実施例の流体循環運転設備は、火炉壁出口管寄せ8から出た高温のボイラ再循環水W3を分岐させて混合器20に送るボイラ再循環抜き出し管30、31と、逆流防止のために配管30、31の間に設けたボイラ再循環逆止弁32と、ボイラ給水管2から分岐させて混合器20にクーリング水W2を送るボイラ再循環水クーリング管10、11と、該配管10、11に設けたクーリング水W2の流量調節を行うクーリング水流量調節弁12と流量計測を行うクーリング水流量計13と、混合器20において混合された流体(ボイラ再循環ポンプ入口水47)を導入して昇圧させるボイラ再循環ポンプ(BRP)21と、ポンプ21で昇圧したボイラ再循環ポンプ吐出水W4をボイラ給水管2に送るボイラ再循環ポンプ出口管22、23と、該配管22、23に設けられたボイラ再循環ポンプ吐出水W4の流量調節を行うボイラ再循環ポンプ流量調節弁24とボイラ再循環ポンプ吐出流量計25と、前記クーリング水流量調節弁12の制御回路S2と、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁24の制御回路S2とを備えた構成である。
なお、BRP循環弁など機器単体に付属する要素や弁駆動機構、止め弁などは図示及び操作の説明を省略する。
上記構成においてボイラの流体を循環運転する時には、ボイラ再循環ポンプ21の吐出圧によりボイラ再循環水W3を火炉壁出口管寄せ8からボイラ給水管2に戻す。但し、ボイラ再循環水W3は高温で比容積が大きいため、そのままの状態でボイラ再循環ポンプ21に戻すと、ボイラ再循環ポンプ21を大型にする必要がある。そのためボイラ再循環ポンプ21の入口側に混合器20を設けて高温のボイラ再循環水W3と低温ボイラ給水W1を混合させてボイラ再循環水W3の温度を下げた後、ボイラ再循環ポンプ21に入れる。
なお、ボイラ再循環ポンプ21は、それ自体に流体流量調節機能を有する回転数制御式のポンプを用いることもでき、その場合にはボイラ再循環ポンプ21の回転数制御により再循環ポンプ吐出流量104が調節できるので、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁24が省略できる。その場合にはボイラ再循環ポンプ流量調節弁24の開度を制御する制御回路がそのまま再循環ポンプ21の回転数を制御する制御回路となる。
図2に示すクーリング水流量102、ボイラ再循環水流量103及びボイラ再循環ポンプ吐出流量104の各循環流量の調節は大略、次のように行う。
すなわち、ボイラ再循環ポンプ吐出流量104はボイラ再循環ポンプ流量調節弁24で制御され、またクーリング水流量102はクーリング水流量調節弁12により制御され、ボイラ再循環水流量103はボイラ再循環ポンプ吐出流量104とクーリング水流量102の流量差として決まる。
ここで図2を用いて流体の循環運転時の流量バランスを説明する。なお、図2のグラフの横軸はボイラ出力指令であるが、例えば火力発電プラントの場合は発電機出力の目標値ないし指令値(実際には発電所が出力指令を受けた信号が発電機出力制御に用いられる出力目標信号に至るまでには各種の信号が存在するが電力系統の周波数や潮流による補正信号が加わる前の出力指令を用いるのが良い)を基準にする。
図2にはボイラ出力指令25%が循環運転と貫流運転の切り替え出力となる例を示し、25%のボイラ出力で貫流/循環切り替え操作を行い、25%出力以下では循環運転を実施する。
ボイラ再循環水W3が火炉壁出口管寄せ8からボイラ給水管2に戻るため、火炉壁1を通過するボイラ入口給水流量101は給水ポンプ給水流量111とボイラ再循環水流量103の合計流量となる。また、ボイラ再循環ポンプ吐出流量104はボイラ再循環水流量103とクーリング水流量102の合計であり、クーリング水流量102はボイラ給水管2から分岐したボイラ再循環水クーリング管11から混合器20とボイラ再循環ポンプ21を経由してボイラ給水管2に戻るため、ボイラ本体の給水バランスには影響しない。
すなわち、この超臨界圧定圧ボイラでは低負荷運転時でも火炉壁1には最低給水量の水が流れるように給水量を確保する必要があるので、前記25%出力が最低給水量である場合に、さらにボイラ出力を15%に負荷を落とそうとすると、給水量W1とボイラ火炉燃料の供給量もボイラ出力25%から15%に対応した量に下げるが、最低給水量を確保する必要があるので、ボイラ再循環ポンプ21により火炉壁出口管寄せ8から分岐したボイラ再循環水抜き出し管30,31に出力10(=25−15)%分を抜き出して循環運転を実施する。このときボイラ再循環水抜き出し管30,31から抜き出したボイラ再循環水は給水管2に戻るので、火炉壁1を流れる流量を25%に保ったまま、ボイラから出される上記量、ボイラ出力は15%となる。
図2に示す各出力状態での給水流量特性では、ボイラ入口給水流量101でボイラ本体への給水の最低給水流量が確保でき、且つボイラ再循環ポンプ21の入口流体温度109で比容積の変化が少ない温度領域に保たれるようにバランスとなるように計画されている。
本実施例の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備及び制御回路、信号の挙動を以下に説明する。
まず、流体循環運転中の基本的な制御方法を図1、図3及び図4により説明する。 ボイラ再循環ポンプ流量調節弁24の制御については、図2の示したようなボイラ再循環ポンプ吐出流量104の計画流量を目標値として計画通りの流体流量が得られるようにボイラ再循環ポンプ流量調節弁24の開度を自動制御する。具体的には、ボイラ再循環ポンプ吐出流量設定関数80においてボイラ出力指令50に応じたボイラ再循環ポンプ吐出流量設定信号81を生成し、加減算器83を用いてボイラ再循環ポンプ吐出流量計測器26において得られたボイラ再循環ポンプ吐出流量信号28との差を取ってボイラ再循環ポンプ吐出流量偏差信号84を生成し、ボイラ再循環ポンプ吐出流量偏差信号84が零となるように制御器85によりフィードバック制御され、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁24によりボイラ再循環ポンプ吐出流量104が制御される。
クーリング水流量制御についても同様に、図2に示したようなクーリング水量102の計画流量を目標値として計画通りの流量が得られるようにクーリング水流量調節弁12の開度を自動制御する。具体的には、クーリング水流量設定関数51においてボイラ出力指令50に応じたクーリング水流量設定信号52を生成し、加減算器54を用いてクーリング水流量計測器14により得られたクーリング水流量信号16との差を取ってクーリング水流量偏差信号55を生成し、クーリング水流量偏差信号55が零となるように制御器56によりフィードバック制御され、クーリング水流量調節弁12によりクーリング水流量102が制御される。
上記した計画流量を制御目標とする制御方法を用いる場合において、図3に流体の循環運転中に負荷上昇を行ったときの出力指令100に対する各流量(ボイラ入口給水流量101、クーリング水流量102、ボイラ再循環水流量103、ボイラ再循環ポンプ吐出流量104、給水ポンプ給水流量111)の挙動解析を示し、図4に流体の循環運転中に負荷降下を行った場合の出力指令100に対する前記各流量の挙動解析を示す。
図3、図4に示した各流量はいずれも滑らかに遷移し、ボイラ再循環ポンプ入口流体の温度109、ボイラ再循環ポンプ入口流体の比容積110ともオーバーシュート又はアンダーシュートは少なく、循環運転方法として妥当な制御方法といえる。
しかし、実際にプラント運用をする場合には外乱や変動が生じた場合の対処を考慮する必要がある。上記制御方法は流体の流量のみを制御しているが、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度109が一時的に上昇した場合のことを考慮し、制御に組み込む必要がある。
図1に示す実施例ではボイラ再循環ポンプ入口温度上限関数66によりボイラ出力指令50に応じてボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定信号67を生成し、該再循環ポンプ入口温度上限設定信号67と加減算器69を用いてボイラ再循環ポンプ入口温度計測器27で得られたボイラ再循環ポンプ入口流体温度信号29との差を取ってボイラ再循環ポンプ入口温度上限偏差70とし、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度信号29の値がボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定信号67の値より大きい場合には、制御器71によるフィードバック制御により、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正信号72(+信号)を加減算器54に加え、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度信号29がボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定信号67に低下するまでクーリング水流量調節弁開度指令65を増方向に補正してクーリング水流量102を増加させる。
ボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定信号67は、380℃以下の設定とし、制御上の変動や比容積の増加傾向から360℃以下(例えば350℃)に設定するのが好ましい。
ここで、ボイラ再循環水流量103は前記した通り、ボイラ再循環ポンプ吐出流量104とクーリング水流量102の差となるため、ボイラ再循環ポンプ吐出流量104が一定のままでクーリング水流量102が増加するとボイラ再循環水流量103が減少する結果になる。そこでボイラ再循環ポンプ吐出流量104も同時に増加させるため、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正信号72を加減算器83にも加えて、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁開度指令92を増方向に補正することで、ボイラ再循環水流量103の減少を防止することができる。
但し、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度109を抑制する場合に、高温のボイラ再循環水流量103を一定に保つより許容範囲内で減少させたほうが、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度109を抑制するために必要なボイラ再循環ポンプ吐出流量104の増加が少なくて済む。従って、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正信号72を加減算器83に加える前に、乗算器95を用いてボイラ再循環ポンプ入口温度補正制御ゲイン設定93で生成した0〜1の値からなるボイラ再循環ポンプ入口温度補正制御ゲイン94を乗じて、少な目の補正を加減算器83に加える。
また、ボイラ再循環ポンプ吐出流量104が一定であってもクーリング水流量102が減少すると、ボイラ再循環水流量103が増加してボイラ再循環ポンプ入口流体温度109が上昇し、ボイラ再循環ポンプ入口流体比容積110が増加するのでボイラ再循環ポンプ21の吐出圧と吐出量特性が低下する。
図5はボイラ再循環ポンプ吐出流量104を一定にしてクーリング水流量102を漸次減少させた時の挙動解析である。クーリング水流量102が減少するとボイラ再循環ポンプ入口流体比容積110が増加するのでボイラ再循環ポンプ21の吐出能力の低下を補うためボイラ再循環ポンプ流量調節弁開度の指令92は増加させるが、図中(A)の時点でボイラ再循環ポンプ流量調節弁開度指令92が100%の全開指令値となるので、それ以降はボイラ再循環ポンプ21の吐出能力不足となり、ボイラ再循環ポンプ吐出流量104が維持できない。そこで図中(A)の時点におけるクーリング水流量調節弁開度指令65(図5では38%相当)を、その出力状態におけるクーリング水流量調節弁開度指令65の下限値とし、それ以下に絞らないようにクーリング水流量調節弁12の開度を制限することで、ボイラ状態や制御上の動的な変動に対してもボイラ再循環ポンプ吐出能力を逸脱して運転することを防止する一手段となる。 このための回路としては、図1のクーリング水流量調節弁開度下限設定73により出力指令50に応じてクーリング水流量調節弁開度下限信号74を生成し、制御器56に下限値として与えることで、クーリング水流量調節弁自動開度指令57をクーリング水流量調節弁開度下限信号74以上に保つことができる。
次に、プラント運転中に還流/循環運転の切り替えを行う場合について、以下に説明する。
貫流運転から循環運転に切り替える場合は、切り替えを行うボイラ出力(図2の例では25%ボイラ出力)で一定出力運転中に循環開始操作を行う。循環開始操作と切り替え時の挙動を図1及び図6にて説明する。
まず、水壁降下管5から分岐してボイラ再循環水ポンプ21に接続するボイラ再循環水ポンプウォーミング管42に設けられたウォーミング水調節弁40とボイラ再循環抜き出し管30から分岐したウォーミング水逃し管45に設けられたウォーミング水逃し弁43を閉止し、ウォーミングを終了する。この段階でボイラ再循環ポンプ21及びボイラ再循環水クーリング管10、ボイラ再循環抜き出し管30、31は節炭器出口流体においてウォーミングされているが、ボイラ再循環水クーリング管11とボイラ再循環抜き出し管31はウォーミングされていない状態である。
それまでクーリング水流量調節弁開度指令65はクーリング水流量調節弁閉止設定58(零指令)が切替器62、64により選択され、全閉状態であったが、循環運転開始に当たり、クーリング水流量調節弁初期開度設定59が切替器62、64により選択され、クーリング水流量調節弁12、24の開度は初期開度に設定される。その後、ボイラ再循環ポンプ21を起動してボイラ再循環ポンプ流量調節弁24により規定のボイラ再循環ポンプ吐出流量104を流し始める。
ところでボイラ再循環抜き出し配管30、31内には初め火炉壁出口管寄せ8の流体に比べて温度の低い水が入っており配管自身の温度も低いので、混合部20に入るボイラ再循環水温度108は暫くの間、上昇しない。混合部20に入るクーリング水温度107については、最初ウォーミングされたボイラ再循環水クーリング管10内の水が流入するが、すぐにウォーミングされていないボイラ再循環水クーリング管11内の水が入り、次に温度の低いボイラ給水W1が入ってくる。
当然、混合器20に入る各々の流体温度の変化は各々に流れる流体流量により決まり、例えば流量が多いと早く変化し始める。そこでクーリング水流量調節弁初期開度設定59は、混合部入口ボイラ再循環水温度108の温度上昇時期と混合部入口クーリング水温度107の温度降下時期がほぼ重なるクーリング水流量102となる設定とすればよく、切り替え後のバランス流量に対応するクーリング水流量調節弁整定開度設定60とは別設定とする必要がある。図6に示す例ではクーリング水流量調節弁初期開度設定59が5%開度に当たり、クーリング水流量調節弁整定開度設定60は9%に当たる。
そして混合部入口ボイラ再循環水温度108が上昇傾向となるタイミングでクーリング水流量調節弁初期開度設定59から開度がより大きなクーリング水流量調節弁整定開度設定60に切り替えを行うと、図6に示す通りボイラ再循環ポンプ入口流体温度109は余り変動せずに初期状態から循環後のバランス状態に移行することができる。
仮にクーリング水流量調節弁開度設定が前記整定開度設定60(開度9%)しかない場合の循環運転開始時の特性を図7に示す。クーリング水流量調節弁24の開度指令を最初から9%に設定すると、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度109は一旦大きく低下して昇温する結果になり、温度変動幅が大きくボイラ再循環ポンプ21へ与える熱応力上のストレスが大きい。
またクーリング水流量調節弁開度設定が初期開度設定59しかない場合の循環運転開始時の特性を図8に示す。クーリング水流量調節弁24の開度指令を自動制御が開始されるまで5%開度のままにしておくと、クーリング水が少な目のバランスになるため、自動制御に入る前の段階でボイラ再循環ポンプ入口流体温度109がバランス温度以上に上昇してしまう結果になる。以上の結果よりクーリング水流量調節弁12が自動制御に切り替わる前の開度設定は2段階とするのがよい。
次に循環運転を停止し、貫流運転に切り替える運転について、図1及び図9を用いて説明する。
循環/貫流切り替え出力(図2では25%出力状態)にて出力一定運状態としておき、クーリング水流量調節弁12の自動制御を解除し、クーリング弁開度指令65はクーリング水流量調節弁整定開度設定60(図9では9%開度)が選択されるが整定バランスが保たれる開度設定のため、状態量は殆ど変動しない。その後、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁24の自動制御を解除し、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁開度指令92はボイラ再循環ポンプ流量調節弁初期開度設定88が選択され最低流量の運転となり、状態安定後にボイラ再循環ポンプ流量調節弁閉止設定87(零開度)が選択され、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁24が全閉となり、ボイラ再循環ポンプ21を停止する。その操作途中において、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁開度指令92にボイラ再循環ポンプ流量調節弁初期開度設定88が選択された後、クーリング水流量調節弁開度指令65をクーリング水流量調節弁整定開度設定60(図9では9%開度)からクーリング水流量弁終了開度設定61(図9では6%開度)に切り替えることで、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度109は図9に示す通り余り変動せず、徐々にウォーミング水温度に安定する特性を示す。
仮にクーリング水流量調節弁開度設定がクーリング水流量調節弁整定開度設定60しかない場合の循環運転終了時の特性を図10に示す。クーリング水流量調節弁24の開度指令は9%一定となるので、ボイラ再循環ポンプ21の停止過程でボイラ再循環ポンプ流量調節弁初期開度設定88が選択されると、ボイラ再循環水流量103とクーリング水流量102のバランスが崩れてボイラ再循環ポンプ入口流体温度109は一旦大きく低下して停止することになり、ボイラ再循環ポンプ21に温度変化によるストレスを与えることになる。以上の結果よりクーリング水流量調節弁の自動制御が解除された後の開度設定は2段階とするのがよい。ただし通常はクーリング水流量調節弁初期開度設定59とクーリング水流量弁終了開度設定61を個別に設けるほどの厳しい運用となることは稀であり、兼用することが現実的である。
本発明の他の実施例として、以下にクーリング水流量調節弁12によりボイラ再循環ポンプ入口流体温度109を規定値(比容積の変化が少ない温度設定)に保つ制御をする方法を図11を使って説明する。
図11に示すボイラ再循環ポンプ入口温度設定関数75においてボイラ出力指令50に応じたボイラ再循環ポンプ入口温度設定信号76を生成し、該温度設定信号76と加減算器69を用いてボイラ再循環ポンプ入口温度計測器27で得たボイラ再循環ポンプ入口流体温度信号29との差をとり、ボイラ再循環ポンプ入口温度偏差77として、ボイラ再循環ポンプ入口温度偏差77が零となるよう制御器56によりフィードバック制御され、クーリング流量調節弁12によりボイラ再循環ポンプ入口流体温度109を自動制御する。
このとき温度が変化するには時間を要するため、制御器56にクーリング流量調節弁先行信号設定関数78にて生成した先行信号を加えて制御性の改善を図る。
またクーリング水流量102が増加するとボイラ再循環水流量103を維持するためボイラ循環ポンプ吐出流量104を増加させることになるが、ボイラ循環ポンプ21の吐出能力を超えないように、クーリング水流量調節弁開度上限設定79を設けて制御器56に上限制限として与える。
ボイラ循環ポンプ流量調節弁24は、ボイラ循環ポンプ吐出流量信号28とクーリング水流量信号16の差であるボイラ再循環水流量信号35と、ボイラ再循環流量設定関数97で生成されたボイラ再循環流量設定信号98との差であるボイラ再循環流量偏差99が零になるように制御器85においてフィードバック制御されることで、必要なボイラ再循環水流量103を確保する。
本発明の他の実施例として、ボイラ再循環ポンプ流量調節弁24によりボイラ再循環水流量103を目標流量に制御する方法を図12を使って説明する。
ボイラ再循環抜き出し管30にボイラ再循環水流量計33を設置し、ボイラ再循環水流量検出器34において得られたボイラ再循環水流量信号35が、ボイラ再循環流量設定関数97によりボイラ出力指令50に応じて生成されたボイラ再循環流量設定信号98と一致するように制御器85にてフィードバック制御され、ボイラ再循環流量調節弁24にてボイラ再循環ポンプ吐出流量104を調節することでボイラ再循環水流量103を目標流量に制御する。
なお、ボイラ再循環水流量信号35は、図11に示したように、ボイラ再循環ポンプ吐出流量信号28からクーリング水流量信号16を引いて求める方法もある。
本発明によれば、安定で且つ外乱に強い循環運転が可能となり貫流状態に比べて広い出力運転範囲を獲得できる超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転を行える。
本発明の実施形態に関わる設備及び制御回路を示す図である。 本発明に関わる基本運用を示す図である。 本発明にて負荷上昇した場合の挙動を示す図である。 本発明にて負荷降下した場合の挙動を示す図である。 本発明にてクーリング水を漸次減少させた時の挙動を示す図である。 本発明にて循環運転を開始した時の挙動を示す図である。 本発明に拠らない回路で循環運転を開始した時の挙動を示す図である。 本発明に拠らない回路で循環運転を開始した時の挙動を示す図である。 本発明にて循環運転を終了した時の挙動を示す図である。 本発明に拠らない回路で循環運転を終了した時の挙動を示す図である。 本発明による他の実施例による制御回路を示す図である。 本発明による他の実施例による制御回路を示す図である。
符号の説明
W1 : ボイラ給水 W2 : クーリング水
W3 : ボイラ再循環水 W4 : ボイラ再循環ポンプ吐出水
1 火炉壁 2 ボイラ給水管
5 水壁降水管 6 節炭器入口管寄せ
7 節炭器出口管寄せ 8 火炉壁出口管寄せ
9 一次過熱器入口管寄せ 10 ボイラ再循環水クーリング管
11 ボイラ再循環水クーリング管
12 クーリング水流量調節弁 13 クーリング水流量計
14 クーリング水流量計測器 16 クーリング水流量信号
20 混合器 21 ボイラ再循環ポンプ
22 ボイラ再循環ポンプ出口管 23 ボイラ再循環ポンプ出口管
24 ボイラ再循環ポンプ流量調節弁
25 ボイラ再循環ポンプ吐出流量計
26 ボイラ再循環ポンプ吐出流量計測器
27 ボイラ再循環ポンプ入口温度計測器
28 ボイラ再循環ポンプ吐出流量信号
29 ボイラ再循環ポンプ入口温度信号
30 ボイラ再循環抜き出し管 31 ボイラ再循環抜き出し管
32 ボイラ再循環逆止弁 33 ボイラ再循環水流量計
34 ボイラ再循環水流量検出器 35 ボイラ再循環水流量信号
40 ウォーミング水調整弁
41 ボイラ再循環水クーリング管ウォーミング管
42 ボイラ再循環ポンプウォーミング管
43 ボイラ再循環ポンプウォーミング水逃し弁
45 ボイラ再循環ポンプウォーミング水逃し管
47 ボイラ再循環ポンプ入口水
50 ボイラ出力指令 51 クーリング水流量設定関数
52 クーリング水流量設定信号 54 加減算器
55 クーリング水流量偏差信号 56 制御器(PID制御)
57 クーリング水流量調節弁自動開度指令
58 クーリング水流量調節弁閉止設定
59 クーリング水流量調節弁初期開度設定
60 クーリング水流量調節弁整定開度設定
61 クーリング水流量調節弁終了開度設定
62 切替器 63 クーリング水流量調節弁規定開度指令
64 切替器 65 クーリング水流量調節弁開度指令
66 ボイラ再循環ポンプ入口温度上限関数
67 ボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定信号
69 加減算器 70 ボイラ再循環ポンプ入口温度上限偏差
71 制御器(PID制御)
72 ボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正信号
73 クーリング水流量調節弁開度下限設定
74 クーリング水流量調節弁開度下限信号
75 ボイラ再循環ポンプ入口温度設定関数
76 ボイラ再循環ポンプ入口温度設定信号
77 ボイラ再循環ポンプ入口温度偏差
78 クーリング流量調節弁先行信号設定関数
79 クーリング水流量調節弁開度上限設定
80 ボイラ再循環ポンプ吐出流量設定関数
81 ボイラ再循環ポンプ吐出流量設定信号
83 加減算器 84 ボイラ再循環ポンプ吐出流量偏差信号
85 制御器(PID制御)
86 ボイラ再循環ポンプ流量調節弁自動開度指令
87 ボイラ再循環ポンプ流量調節弁閉止設定
88 ボイラ再循環ポンプ流量調節弁初期開度設定
89 切替器
90 ボイラ再循環ポンプ流量調節弁規定開度指令
91 切替器
92 ボイラ再循環ポンプ流量調節弁開度指令
93 ボイラ再循環ポンプ入口温度補正制御ゲイン設定
94 ボイラ再循環ポンプ入口温度補正制御ゲイン
95 乗算器
96 ボイラ再循環ポンプ入口流体温度設定補正信号
97 ボイラ再循環流量設定関数 98 ボイラ再循環流量設定信号
99 ボイラ再循環流量偏差 100 出力指令
101 ボイラ入口給水流量 102 クーリング水流量
103 ボイラ再循環水流量 104 ボイラ再循環ポンプ吐出流量
107 混合部入口クーリング水温度
108 混合部入口ボイラ再循環水温度
109 ボイラ再循環ポンプ入口流体温度
110 ボイラ再循環ポンプ入口流体比容積
111 給水ポンプ給水流量 114 火炉壁入口管寄せ

Claims (11)

  1. 火炉内に配置された節炭器、火炉壁及び火炉内に配置される蒸発器と過熱器を含めた複数の伝熱管と、前記節炭器、火炉壁、蒸発器及び過熱器を含めた該伝熱管に順次蒸気生成用の水を供給するボイラ給水管(2)と、超臨界圧状態の火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からのボイラ再循環水をボイラ給水管(2)に再循環させるためのボイラ再循環ポンプ(21)とを備えた超臨界圧状態の定圧蒸気を得るための臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備において、
    ボイラ再循環ポンプ(21)を用いて火炉壁出口の伝熱管から超臨界圧状態で汽水分離できない流体の一部であるボイラ再循環水を抜き出してボイラ給水管(2)へ戻すために、火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からボイラ再循環ポンプ(21)の入口に接続するボイラ再循環抜き出し管(30,31)と、
    ボイラ再循環ポンプ(21)の出口とボイラ給水管(2)を接続するボイラ再循環ポンプ出口管(22,23)と、
    ボイラ給水管(2)から分岐させた給水の一部であるクーリング水を抜き出してボイラ再循環抜き出し管(30,31)の途中又はボイラ再循環ポンプ(21)の入口に接続するボイラ再循環水クーリング管(10,11)と、
    前記三つの配管(30,31;22,23;10,11)のうち、少なくとも二つの配管に設けた流量検出手段(14,26,34)と、
    前記少なくとも二つの配管に設けた流体流量調節手段(12,24)と
    を備えたことを特徴とする超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備。
  2. 火炉内に配置された節炭器、火炉壁及び火炉内に配置される蒸発器と過熱器を含めた複数の伝熱管と、前記節炭器、火炉壁、蒸発器及び過熱器を含めた該伝熱管に順次蒸気生成用の水を供給するボイラ給水管(2)と、超臨界圧状態の火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からのボイラ再循環水をボイラ給水管(2)に再循環させるためのボイラ再循環ポンプ(21)とを備えた超臨界圧状態の定圧蒸気を得るための臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備において、
    前記ボイラ再循環ポンプ(21)は流体流量調節機能があるポンプであり、
    該ボイラ再循環ポンプ(21)を用いて火炉壁出口の伝熱管から超臨界圧状態で汽水分離できない流体の一部であるボイラ再循環水を抜き出してボイラ給水管(2)へ戻すために、火炉壁出口またはその下流位置の伝熱管からボイラ再循環ポンプ(21)の入口に接続するボイラ再循環抜き出し管(30,31)と、
    ボイラ再循環ポンプ(21)の出口とボイラ給水管(2)を接続するボイラ再循環ポンプ出口管(22,23)と、
    ボイラ給水管(2)から分岐させた給水の一部であるクーリング水を抜き出してボイラ再循環抜き出し管(30,31)の途中又はボイラ再循環ポンプ(21)の入口に接続するボイラ再循環水クーリング管(10,11)と、
    前記ボイラ再循環抜き出し管(30,31)又はボイラ再循環水クーリング管(10,11)のうちの少なくともいずれかの配管に設けた流体流量調節手段(12)と
    を備えたことを特徴とする超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備。
  3. 請求項1又は2記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備の運転方法であって、
    火炉壁出口からボイラ給水管(2)にボイラ再循環水を戻す流体循環運転状態で、超臨界圧で汽水分離できない高いエンタルピのままのボイラ再循環水と低温のクーリング水の各流量をボイラ再循環ポンプ(21)及び前記三つの配管(30,31;22,23;10,11)のうちの少なくとも一つの配管に設けられた流体流量調節手段(12、24又は34)を使用して流体の流量調節し、必要なボイラ再循環水流量を確保して、ボイラ再循環ポンプ(21)の入口における流体温度(109)を規定値以下に抑制する機能を有することを特徴とする超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
  4. ボイラ再循環抜き出し管(30,31)とボイラ再循環ポンプ出口管(22,23)とボイラ再循環水クーリング管(10,11)にそれぞれ流れるボイラ再循環水流量(103)、ボイラ再循環ポンプ(21)の吐出流量(104)及びクーリング水流量(102)のうちの少なくとも二つの流量をそれぞれの流量目標値に調節し、かつ各々の流量目標値は循環運転範囲全域で火炉壁に必要な最低給水流量を確保すると共に、ボイラ再循環ポンプ(21)の入口流体温度(109)を380℃以下の温度領域に保つ設定とすることを特徴とする請求項3記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
  5. ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)が設定値より高くなった場合には、
    (a)ボイラ出力指令(50)に応じて得られる予め決められたクーリング水流量設定値(信号52)と実クーリング水流量(信号16)との偏差(信号55)が零となるようにクーリング水流量調節手段(12)の開度を上げてクーリング水流量(102:信号16)を増加させる制御を行うか、または
    (b)前記(a)の制御によるクーリング水流量(102:信号16)の制御と、ボイラ出力指令(50)に応じて予め決められたボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定値(信号67)より実ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)が大きい場合に、ボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定値(信号67)と実ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)との偏差(信号70)に応じたボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正値(信号72)に基づき、ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)がボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定値(信号67)に低下するまでクーリング水流量(102:信号16)を増す方向に補正する制御との併用により、
    クーリング水流量(102:信号16)を増加させる機能を持たせたことを特徴とする請求項4に記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
  6. ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)が高くなり、クーリング水流量(102:信号16)を増加させた場合には、
    (a)実ボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)がボイラ再循環ポンプ入口温度上限設定値(信号67)より大きい値である場合には、前記両方の温度偏差(信号70)に基づき予め決められたボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正値(信号72)を出力指令(50)に応じて予め決められたボイラ再循環ポンプ吐出流量設定値(信号81)と実ボイラ再循環ポンプ吐出流量(信号28)との偏差(信号84)に加えること、または
    (b)前記ボイラ再循環ポンプ入口流体温度補正値(信号72)に予め設定されている0〜1の値からなるボイラ再循環ポンプ入口温度補正制御ゲイン(信号94)を乗じて得られる補正値(信号96)を前記ボイラ再循環ポンプ吐出流量(104:信号28)の前記偏差値(信号84)に加えること、
    によりボイラ再循環ポンプ吐出水吐出流量(104:信号28)を増方向に補正することでクーリング水流量増加分と同量又は同量以下の量でボイラ再循環ポンプ吐出流量(104:信号28)を増加させることを特徴とする請求項5記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
  7. クーリング水流量調節手段(12)により、出力指令(50)に応じて予め決められたクーリング水流量下限値(信号74)を下限値としてクーリング水流量(102:信号16)を制御することを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
  8. ボイラ出力指令(50)に応じたボイラ再循環ポンプ(21)の予め決められた入口温度設定値(信号76)と実ボイラ再循環ポンプ21の入口流体温度(109:信号29)との偏差(信号77)が零となるようにし、かつ
    予め決められたクーリング水流量(102:信号16)の上限設定値(信号79)に基づいて、クーリング流量調節手段(12)によりクーリング水流量(102:信号16)を調節することでボイラ再循環ポンプ入口流体温度(109:信号29)を制御することを特徴とする請求項3記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
  9. (a)ボイラ再循環抜き出し管(30)に設けられたボイラ再循環水流量検出手段(34)により直接ボイラ再循環抜き出し水流量(信号35)を検出するか、または、
    (b)ボイラ再循環ポンプ出口管(22,23)に設けられたボイラ再循環ポンプ吐出流量検出手段(26)により検出されたボイラ再循環ポンプ吐出水流量(104:信号28)からボイラ再循環水クーリング管(10,11)に設けられたクーリング水流量検出手段(14)に検出されるクーリング水流量(102:信号16)を引いてボイラ再循環水流量(103:信号35)とし、
    得られたボイラ再循環水流量(103:信号35)が、ボイラ出力指令(50)に応じて予め決められたボイラ再循環流量設定値(信号98)と一致するようにボイラ再循環流量調節手段(24)によるボイラ再循環ポンプ吐出水流量(104:信号92)を調節することを特徴とする請求項3記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
  10. 請求項1又は2記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法であって、
    ボイラ再循環水クーリング管(10,11)に一定流量のクーリング水(W2)を流すために用いる設定値の異なる予め決められた固定開度設定値(信号59,60,61)を二つ以上クーリング水流量調節手段(12)に設けることを特徴とする超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
  11. ボイラ再循環水の循環運転の開始時には、クーリング水流量調節手段(12)で行う流量調節を予め決められた初期設定値(信号59)とし、ボイラ再循環ポンプ(21)を起動させた後にクーリング水(W2)をボイラ再循環水(W3)に混合させたボイラ再循環水温度(108)が上昇傾向となるタイミングで前記クーリング水流量調節手段(12)の初期設定値(信号59)から該初期設定値(信号59)より比較的流量を多くする整定設定値(信号60)に切り替え、
    また、ボイラ再循環水(W3)の循環運転を停止し、貫流運転に切り替える時には、クーリング水流量調節手段(12)で行う流量調節を整定設定値(信号60)のままとし、その後、ボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)で行う流量調節を予め決められた初期設定値(信号88)で最低流量の運転を行い、状態安定後にボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)で行う流量調節を停止する設定(信号87)とし、次いでボイラ再循環ポンプ(21)を停止させ、その操作途中において、ボイラ再循環ポンプ流量調節手段(24)の前記初期設定値(信号88)が選択された後、クーリング水流量調節手段(12)の前記整定設定値(信号60)から予め決められた終了開度設定値(信号61)に切り替える
    ことを特徴とする請求項10記載の超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環設備の運転方法。
JP2005148447A 2005-05-20 2005-05-20 超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法 Expired - Fee Related JP4507098B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005148447A JP4507098B2 (ja) 2005-05-20 2005-05-20 超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005148447A JP4507098B2 (ja) 2005-05-20 2005-05-20 超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006322690A true JP2006322690A (ja) 2006-11-30
JP4507098B2 JP4507098B2 (ja) 2010-07-21

Family

ID=37542504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005148447A Expired - Fee Related JP4507098B2 (ja) 2005-05-20 2005-05-20 超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4507098B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014512501A (ja) * 2011-03-30 2014-05-22 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 貫流ボイラの運転方法及び本方法を実施すべく構成されたボイラ
CN104595884A (zh) * 2015-01-29 2015-05-06 上海上电电力工程有限公司 用于强迫循环汽包锅炉维持scr正常运行的烟气升温系统
CN108844058A (zh) * 2018-08-16 2018-11-20 杭州华电能源工程有限公司 一种适用于亚临界汽包炉发电机组的省煤器热水再循环系统及其工作方法
CN110227345A (zh) * 2019-06-27 2019-09-13 国网吉林省电力有限公司电力科学研究院 一种适用于亚临界火电机组的宽负荷脱硝系统及控制方法
KR102156724B1 (ko) * 2019-05-13 2020-09-17 한국에너지기술연구원 초임계압 관류식 보일러의 물 순환 시스템제어 방법
JP2021037434A (ja) * 2019-08-30 2021-03-11 株式会社東芝 蒸気供給装置、蒸気供給方法及び蒸気を用いた試験装置
CN114020050A (zh) * 2021-09-23 2022-02-08 华能国际电力股份有限公司大连电厂 一种火力发电流量控制方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4124881Y1 (ja) * 1964-04-27 1966-12-20
JPS5616002A (en) * 1979-07-16 1981-02-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Pressure varying operation system for supercritical pressure boiler
JPS6244161B2 (ja) * 1981-09-07 1987-09-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd
JPH0650163B2 (ja) * 1985-12-09 1994-06-29 バブコツク日立株式会社 貫流ボイラの運転方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4124881Y1 (ja) * 1964-04-27 1966-12-20
JPS5616002A (en) * 1979-07-16 1981-02-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Pressure varying operation system for supercritical pressure boiler
JPS6244161B2 (ja) * 1981-09-07 1987-09-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd
JPH0650163B2 (ja) * 1985-12-09 1994-06-29 バブコツク日立株式会社 貫流ボイラの運転方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014512501A (ja) * 2011-03-30 2014-05-22 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 貫流ボイラの運転方法及び本方法を実施すべく構成されたボイラ
US9194577B2 (en) 2011-03-30 2015-11-24 Siemens Aktiengesellschaft Method for operating a once-through steam generator and steam generator designed for carrying out the method
CN104595884A (zh) * 2015-01-29 2015-05-06 上海上电电力工程有限公司 用于强迫循环汽包锅炉维持scr正常运行的烟气升温系统
CN108844058A (zh) * 2018-08-16 2018-11-20 杭州华电能源工程有限公司 一种适用于亚临界汽包炉发电机组的省煤器热水再循环系统及其工作方法
CN108844058B (zh) * 2018-08-16 2024-05-17 杭州华电能源工程有限公司 一种适用于亚临界汽包炉发电机组的省煤器热水再循环系统及其工作方法
KR102156724B1 (ko) * 2019-05-13 2020-09-17 한국에너지기술연구원 초임계압 관류식 보일러의 물 순환 시스템제어 방법
CN110227345A (zh) * 2019-06-27 2019-09-13 国网吉林省电力有限公司电力科学研究院 一种适用于亚临界火电机组的宽负荷脱硝系统及控制方法
CN110227345B (zh) * 2019-06-27 2023-12-29 国网吉林省电力有限公司电力科学研究院 一种适用于亚临界火电机组的宽负荷脱硝系统及控制方法
JP2021037434A (ja) * 2019-08-30 2021-03-11 株式会社東芝 蒸気供給装置、蒸気供給方法及び蒸気を用いた試験装置
CN114020050A (zh) * 2021-09-23 2022-02-08 华能国际电力股份有限公司大连电厂 一种火力发电流量控制方法
CN114020050B (zh) * 2021-09-23 2024-05-14 华能国际电力股份有限公司大连电厂 一种火力发电流量控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4507098B2 (ja) 2010-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4507098B2 (ja) 超臨界圧定圧貫流ボイラの流体循環運転設備とその運転方法
US9593844B2 (en) Method for operating a waste heat steam generator
RU2538994C2 (ru) Способ эксплуатации прямоточного парогенератора, функционирующего при температуре пара более 650ос, и прямоточный парогенератор
JP2010223579A (ja) 単一ループ温度調節制御機構
JP4526558B2 (ja) 舶用ボイラの蒸気温度制御方法及び制御装置
KR20130139240A (ko) 폐열 증기 발생기
JP2016148467A (ja) ボイラ給水システム及びそれを備えたボイラ、並びにボイラ給水システムの制御方法
US5048466A (en) Supercritical pressure boiler with separator and recirculating pump for cycling service
JP7111525B2 (ja) 貫流式排熱回収ボイラおよび貫流式排熱回収ボイラの制御システム
US7827793B2 (en) Power generation system
JPH0933005A (ja) 排熱回収ボイラ給水装置
JP5276973B2 (ja) 貫流式排熱回収ボイラ
JP5320013B2 (ja) ボイラユニットおよび発電システム
JPH0942606A (ja) 貫流ボイラ蒸気温度制御装置
JP2007093129A (ja) 発電プラントの脱気器水位制御装置およびその方法並びに発電プラント
JPH10292902A (ja) 主蒸気温度制御装置
JP2686259B2 (ja) 貫流ボイラの運転方法
JP2000337603A (ja) 熱交換器の給水量制御装置
JP2006071166A (ja) 貫流ボイラの蒸気温度制御装置
JP2686260B2 (ja) 貫流ボイラの運転方法
JPH0428902A (ja) 貫流ボイラの制御方法および貫流ボイラの制御装置
JP3819161B2 (ja) 給水加熱器ドレン排出装置
JP2001355806A (ja) 排熱回収ボイラの制御装置
JP2625422B2 (ja) ボイラ制御装置
KR850001999Y1 (ko) 초임계압력 관류증기 발생기

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100421

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4507098

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees