JP2006321872A - 防錆性に優れる散布剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄金属部材の腐蝕の誘引を抑制するために防錆剤が導入された粒状、フレーク状等の散布剤が開示されているが、防錆性については、改善の余地があり、さらに優れた防錆性を有する散布剤が求められている。
【解決手段】融雪及び凍結防止並び防塵機能を有する散布剤であり、該散布剤は、アルカリ土類金属塩を有効成分として有し、さらに防錆剤として酢酸亜鉛、及び縮合燐酸塩類を有することで、安価で防錆性に優れる融雪及び凍結防止並び防塵機能を有する散布剤となる。
【選択図】 なし
【解決手段】融雪及び凍結防止並び防塵機能を有する散布剤であり、該散布剤は、アルカリ土類金属塩を有効成分として有し、さらに防錆剤として酢酸亜鉛、及び縮合燐酸塩類を有することで、安価で防錆性に優れる融雪及び凍結防止並び防塵機能を有する散布剤となる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、路面の凍結、路面への積雪時等による通行者、車両等のスリップ防止のために散布される散布剤、又は公園、グラウンド等の防塵のために散布される散布剤に関する。
冬季又は寒冷地では、路面等への積雪又は路面等の凍結等による通行者、車両等のスリップ防止のために路面等に融雪及び凍結防止のための粒状、フレーク状等の散布剤が散布される。融雪及び凍結防止剤は、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属塩を水の凝固点降下を行うための有効成分としているので、車体、道路標識等に使用される金属部材の腐蝕の誘引、路面付近の動植物への悪影響を引き起こしやすくなる。
又、公園、グラウンド等の砂が舞いやすい環境にあっては、防塵のため、又は霜柱対策のためアルカリ土類金属塩を有効性成分とする粒状、フレーク状等の散布剤が散布される。しかしながら、当該使用においてもアルカリ土類金属塩が、金属部材の腐蝕の誘引、その環境内の動植物への悪影響を引き起こしやすくなる等の問題が生じうる。
これら影響を回避するために例えば、特許文献1では、燐酸塩類による防錆効果を利用した道路用融雪剤、特許文献2では、鋼製品の錆発生の抑制を目指したpH値が8以上に調整されてなる塩化物等によるアルカリ融雪剤、そして非特許文献1では、酢酸亜鉛を主成分とする化学種が融雪剤用の防食添加剤として有用であることが開示されている。
特開昭62−89785号公報
特開平8−73838号公報
東栄化成株式会社、商品カタログ 「融雪剤用防食添加剤」 (URL、<http://www.toeikasei.com/diakitecatarog.pdf>)
鉄金属部材の腐蝕の誘引を抑制するために防錆剤が導入された粒状、フレーク状等の散布剤が知られているが、防錆性については、改善の余地があり、さらに優れた防錆性を有する散布剤が求められている。そこで、本発明では、防錆性に優れる散布剤を提供することを課題とする。
本発明者は、アルカリ土類金属塩を有効成分とする粒状、フレーク状等の散布剤への添加物の導入による防錆性を検討したところ、酢酸塩を導入すると防錆性が向上することに着目した。そして、酢酸塩の種類、及び第3の添加成分種について検討したところ、酢酸亜鉛、及び縮合リン酸塩を前記防錆剤に導入しさえすれば、格段に防錆性が向上することを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の融雪及び凍結防止並び防塵機能を有する散布剤は、粒状、フレーク状等の形状であり、アルカリ土類金属塩を有効成分とし、さらに防錆剤として酢酸亜鉛、及び縮合燐酸塩類を有することを特徴とする。
本発明の散布剤は、防錆剤として、酢酸亜鉛、又は縮合燐酸塩を単独で導入した場合と比べて、防錆性が向上するので、両化学種の相互作用により防錆性の向上が発現するものと推察される。非特許文献1によれば、酢酸亜鉛単体であっても、防錆性に効果があるので、酢酸亜鉛が導入されたものは、防錆性に効果を現す散布剤であると言えるが、本発明の散布剤は、格段の防錆性を発現するものである。
縮合燐酸塩類の導入量は少量であっても効果があり、重量比で、アルカリ土類金属塩1に対して、縮合燐酸塩類を1000〜15000ppmとしてもよい。1000ppm未満では、防錆性改善効果が小さくなる傾向である。一方、15000ppm超では、量が15000ppmの場合と比べても顕著な防錆性の向上が見られない傾向があり、添加量が増加すると散布剤本来の融雪、凍結防止、防塵機能等の機能が損なわれる懸念が生じるので、15000ppm以下とすることが好ましい。
又、酢酸亜鉛の導入量は、重量比で、アルカリ土類金属塩1に対して、酢酸亜鉛が800〜8000ppmであればよい。800ppm未満では、防錆性改善効果が小さくなる傾向である。一方、8000ppm超では、量が8000ppmの場合と比べても顕著な防錆性の向上が見られない傾向があり、添加量が増加すると散布剤本来の融雪、凍結防止、防塵機能等の機能が損なわれる懸念が生じるので、8000ppm以下とすることが好ましい。
縮合燐酸塩の混在により、比較的高価な酢酸亜鉛の導入量を少量とすることができるので、酢酸亜鉛の導入量は、重量比でアルカリ土類金属塩1に対して、酢酸亜鉛が800〜4000ppmとしてもよい。そして、防錆性を向上させる観点から、酢酸亜鉛量は、重量比でアルカリ土類金属塩1に対して、1500〜3000ppmとすることがより好ましい。
さらには、縮合燐酸塩類は、ヘキサメタ燐酸塩類とすることが好ましい。該化学種は、該塩類の中で比較的防錆性に優れるからである。
本発明の散布剤は、従来のものと比べて格段の防錆性の向上を示し、さらには高価な防錆剤の使用量を削減させることができる等の効果を有し、安価で防錆性に優れる融雪及び凍結防止並び防塵機能を有する散布剤の提供に奏功する。
本発明は融雪及び凍結防止並び防塵機能を有する散布剤であり、該散布剤は、前記機能発現のための化学種として、アルカリ土類金属塩を有効成分として有し、さらに防錆剤として酢酸亜鉛、及び縮合燐酸塩類を有することを特徴とする。該散布剤は、粒状、フレーク状等の形状物である。
散布剤の有効成分として使用されるアルカリ土類金属塩には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が使用される。そして、粒状体、フレーク状等の形状物は、アルカリ土類金属塩を60重量%〜100重量%、好ましくは、70重量%〜99重量%、より好ましくは72重量%以上含有していることが好ましい。工業的、商業的に使用されているこれら形状体は、塩化ナトリウムを3重量%以下含んだもので、その大きさは、篩により、直径又は最大対角線距離において、0.5〜10mm、より好ましくは、1〜7mmの大きさに選別されることが好ましい。
前記形状物の代表的なものとして、粒塩がある。該粒塩とは、塩化カルシウム二水和物の粒状白色結晶で、粒塩中の塩化カルシウムの純度は72.0%以上であり、塩化ナトリウムを不純物として3.0%以下含んでいる。そしてその粒径は、篩いにより1〜7mmに選別されたものが工業的、商業的に使用されている。
防錆剤の一成分として導入される縮合燐酸塩は、縮合の状態により、直鎖状(ピロ、トリポリ、テトラポリ燐酸塩等)、環状(トリメタ、テトラメタ、ヘキサメタ燐酸塩等)、および分枝状(ウルトラ燐酸塩)の3種を使用できる。上記のような化合物は、1種単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら縮合燐酸塩類の中では、比較的防錆性に優れるヘキサメタ燐酸塩類を使用することが特に好ましい。
そして、防錆剤を導入して散布剤を得るためには、粒状、フレーク状等の形状物に酢酸亜鉛、縮合燐酸塩類を有する防錆剤とを混合する。防錆剤は、溶液の状態として前記形状物に混合することが好ましい。該溶液は、酢酸亜鉛、縮合燐酸塩類を、水、低級アルコール、エーテル類、アセトン等の溶媒、好ましくは水溶媒と混合し、酢酸亜鉛、縮合燐酸塩類等の添加総量が、好ましくは、0.3〜20重量%、より好ましくは、3〜15重量%となるように調整することで得ることができる。
そして、前記混合する方法の一例を次ぎにあげる。アルカリ土類金属塩を有効成分とする粒状、フレーク状等の形状物を例えば、110〜160℃で2〜30分間保持することで乾燥し、該乾燥化された形状物に対して、溶液化された防錆剤の噴霧を行う。この噴霧を行う際は、該形状物の温度は100〜130℃としておくことが好ましい。
そして、噴霧された形状物を十分に撹拌・乾燥、例えば、振動させる機能を有する乾燥機内で80〜120℃、0.5〜5時間振動させながら、乾燥することで、水分の蒸発を行い、防錆剤を形状物に均一に付着させることで、防錆性に優れる散布剤は得られる。
実施例1
撹拌子を備えた200mlビーカーに純水81.1g、縮合リン酸塩類として試薬一級のヘキサメタ燐酸ナトリウム12.0gを加え、完全に溶解させた。そして、酢酸亜鉛を有する水溶液(東栄化成株式会社製、商品名レスコールW−807L、)23.0gを加え、十分に撹拌して防錆剤を得た。
撹拌子を備えた200mlビーカーに純水81.1g、縮合リン酸塩類として試薬一級のヘキサメタ燐酸ナトリウム12.0gを加え、完全に溶解させた。そして、酢酸亜鉛を有する水溶液(東栄化成株式会社製、商品名レスコールW−807L、)23.0gを加え、十分に撹拌して防錆剤を得た。
篩により粒径が1〜7mmφの大きさに選別されたアルカリ土類金属塩である塩化カルシウム(粒塩)を130℃で加熱することで脱水を行い、十分に乾燥された粒塩を500g量採取した。これに対し前記で得られた防錆剤を霧吹き器により、29g量(重量比で、塩化カルシウム1に対してヘキサメタ燐酸ナトリウムが7800ppm、酢酸亜鉛が2600ppm)噴霧した。その後、混合、及び風乾を行い、水分の除去を行うために100℃での加熱を行うことで散布剤を得た。
2.散布剤の防錆性評価
散布剤の防錆性については、前記散布剤を有する水溶液に金属片を浸漬させ、経時変化後の該金属片の重量減少量を測定することで行った。具体的な手順については以下に述べる。
散布剤の防錆性については、前記散布剤を有する水溶液に金属片を浸漬させ、経時変化後の該金属片の重量減少量を測定することで行った。具体的な手順については以下に述べる。
前記防錆剤10.5g量、及び純水350g量からなる水溶液を試験液、防錆剤が添加されていない粒塩10.5g量、及び純水350g量からなるものを比較用試験液とする。そして、23℃に保持された試験液及び比較用試験液の両方での、亜鉛メッキが5%硫酸にて除去されたハルセル試験用鉄板(67mm×50mm×0.3mm厚)の24時間浸漬、及び大気中で24時間放置を繰り返して行い、前記浸漬については計4回、前記放置については計3回行う。
前記作業を行った後、5%塩酸水溶液にプロパギルアルコールが1重量%添加されてなる酸洗浄液にて鉄金属片に発生した錆除去を行い、鉄金属片の重量減少量を測定する。そして、“(「比較用試験液浸漬時の重量減少量」−「試験液浸漬時の重量減少量」)/「比較用試験液浸漬時の重量減少量」×100”の計算式にて得られる値を防食率とした。この値が高いほど防錆性に優れる散布剤と言え、これを防錆性の指標として評価した。本実施例で得られた散布剤の防食率は、91%であった。
実施例2
重量比で、塩化カルシウム1に対してヘキサメタ燐酸ナトリウムが4900ppm、酢酸亜鉛が1700ppmとなるように、ヘキサメタ燐酸ナトリウムの使用量を7.5gとした以外は実施例1と同様の手順で散布剤を得た。本実施例で得られた散布剤の防食率は、92%であった。
重量比で、塩化カルシウム1に対してヘキサメタ燐酸ナトリウムが4900ppm、酢酸亜鉛が1700ppmとなるように、ヘキサメタ燐酸ナトリウムの使用量を7.5gとした以外は実施例1と同様の手順で散布剤を得た。本実施例で得られた散布剤の防食率は、92%であった。
比較例1
重量比で、塩化カルシウム1に対して酢酸亜鉛が5100ppmとなるように、ヘキサメタ燐酸ナトリウムを使用せず、酢酸亜鉛を有する水溶液の使用量を46.0gとした以外は実施例1と同様の手順で散布剤を得た。本比較例で得られた防食率は、83%であった。
重量比で、塩化カルシウム1に対して酢酸亜鉛が5100ppmとなるように、ヘキサメタ燐酸ナトリウムを使用せず、酢酸亜鉛を有する水溶液の使用量を46.0gとした以外は実施例1と同様の手順で散布剤を得た。本比較例で得られた防食率は、83%であった。
比較例2
重量比で、塩化カルシウム1に対してヘキサメタ燐酸ナトリウムが7800ppmとなるように、酢酸亜鉛を有する水溶液(東栄化成株式会社製、商品名レスコールW−807L)の使用しなかった以外は実施例1と同様の手順で散布剤を得た。本比較例で得られた防食率は、41%であった。
重量比で、塩化カルシウム1に対してヘキサメタ燐酸ナトリウムが7800ppmとなるように、酢酸亜鉛を有する水溶液(東栄化成株式会社製、商品名レスコールW−807L)の使用しなかった以外は実施例1と同様の手順で散布剤を得た。本比較例で得られた防食率は、41%であった。
Claims (4)
- 融雪及び凍結防止並び防塵機能を有する散布剤であり、該散布剤は、アルカリ土類金属塩を有効成分として有し、さらに防錆剤として酢酸亜鉛、及び縮合燐酸塩類を有することを特徴とする防錆性に優れる散布剤。
- 重量比で、アルカリ土類金属塩1に対して、縮合燐酸塩類が1000〜15000ppmであることを特徴とする請求項1に記載の防錆性に優れる散布剤。
- 重量比で、アルカリ土類金属塩1に対して、酢酸亜鉛が800〜8000ppmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防錆性に優れる散布剤。
- 縮合リン酸塩類がヘキサメタ燐酸塩類であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の防錆性に優れる散布剤。
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JP2005145078A JP2006321872A (ja) | 2005-05-18 | 2005-05-18 | 防錆性に優れる散布剤 |
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