JP2006319523A - 多重伝送装置及び多重伝送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 データの伝送又は記録再生のための多重伝送装置及び多重伝送方法に関し、高効率でデータの多重化を可能とする。
【解決手段】 多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を含む多重伝送装置及び多重伝送方法に於いて、データを変調するための信号点を発生する信号点発生手段(信号点発生部14)と、この信号点発生手段により発生した信号点を、逆高速フーリエ変換部15により時間軸上の信号に変換し、時間軸上はナイキスト時間間隔で配置し、周波数軸上は複数のキャリア周波数をナイキスト周波数間隔で配置して多重化する構成及び処理過程を含むものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、データを多重化する多重伝送装置及び多重伝送方法に関し、データ伝送分野並びにデータ処理分野に属するものであり、データ伝送としては、各種の有線伝送システムや各種の無線伝送システムに適用可能であり、又データ処理分野としては、多重化したデータの伝送路と等価の記録再生システム等に適用可能である。
データ伝送分野及びデータ処理に於ける記録再生分野等に於いては、データを多重化することにより、伝送効率の向上や記録効率の向上が図られている。又データ伝送分野としての電力線搬送システムは、データ伝送路として電力線を用いるものであるから、分岐路が多いことにより、反射波がランダム的に発生し、又各種の電気機器から発生する雑音成分がデータ成分に重畳してデータ誤りを引き起こすことになる。このようなデータ伝送分野に於いては、多重化の方式として、例えば、QAM方式/SS方式/OFDM方式/Wavelet−OFDM方式等が知られている。
前述のQAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式は、符号間干渉なしでデータを伝送できる最も高速な方式であり、ナイキスト伝送を基本にしている。このナイキスト伝送は、伝達関数が(010)と時間軸で直交した系列となっており、時間軸上での無駄がなく高速伝送が可能である。しかしながら、波形整形用フィルタとしてナイキストフィルタを使用しているため、ロールオフ率に伴う周波数軸上での無駄が発生している。又特定帯域を狭帯域で漏洩低減を行うことはできない。
又SS(Spread Spectrum)方式は、雑音に強いとは言われているが、31PNを適用した場合でも、高々10*LOG(31)=約15dB程度のS/N改善量であり、電力線搬送システムにそのまま適用するには十分でない。又QAM伝送と同様に特定帯域の漏洩低減は容易ではない。
又OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式は、各チャネルの信号を周波数軸上で直交多重していることにより、周波数効率はよいが、マルチパス等に対応するため、時間軸上で、ガードタイムを設けているから、時間軸上の伝送効率は余りよくない。又伝達関数にユニット関数を用いているため、特定帯域の漏洩低減は、約13dB程度に留まる。又不要帯域の除去も最大33dB程度である。
又Wavelet−OFDM方式は、Wavelet波形を用いて、時間軸直交/周波数軸直交を実現した方式であり、現時点で最もデータ伝送効率のよい方式であるが、実際に実現されているこの方式に於ける不要帯域の雑音抑圧レベルは約35dB程度であり、電力線搬送システムに適用するためには、必ずしも十分ではない。又OFDMのようにガードタイムがないため、伝送効率は良いが、アクセス系の長距離分岐回線に伴うマルチパス等に関しては弱い面があると言われている。
又データ伝送システムとしては、既に、各種の手段が提案されている。例えば、受信装置の受信形態或いは伝送路の変動状態がどのような条件であっても、復調用基準データの値として常に最適な値にして、受信データのビット誤り率を大幅に低下させる変復調方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。又周波数軸上、相互に干渉しないキャリアで入力信号を伝送し、受信側でノイズの影響を受けたキャリア信号は受信側で除去或いは合成配分率を低くするようにして、ノイズの影響を極力低減する通信システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
又無線伝送システムに於いて、全帯域のスペクトルの局所的な落ち込み等の歪みを避けて、良好なビームをより細かく選択して、出力信号のS/Nを改善すると共に重み係数の計算量を削減できるアレーアンテナの制御方法及び装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。又送信側で信号点間にゼロ点を挿入して伝送し、受信側では、そのゼロ点上の雑音成分を抽出してゼロ点間を補間予測し、この補間予測された雑音成分を用いて信号点上の雑音を除去し、安定したデータ伝送を実現する雑音除去方法及び装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。又直交系列を用いて多重伝送を行う手段も知られている(例えば、特許文献5参照)。
又送信側で信号点のEOR値が特定値になるように冗長信号点を送信し、受信側では、受信した信号点からEOR値を算出し、この算出結果が、所定の設定値と異なった場合に、個々の伝送路の伝送品質を確認し、最もエラー発生の確率の大なるチャネルの受信データを該EOR値が所定の値になるように受信側でエラー訂正を実施するエラー訂正手段が知られている(例えば、特許文献6参照)。又送信側はスペクトル拡散方式を用い、受信側では相関フィルタを用いることで、相関フィルタの出力の時間応答波形をセンタは1、他はオールゼロとなるようにし、このオールゼロの区間を用いて、センタ1の部分に重畳されている雑音を補間予測して、雑音を除去する手段が知られている(例えば、特許文献7参照)。又OFDM変復調方式を適用した地上デジタル放送システムに於ける受信側で、伝送路特性の推定精度の向上により、受信性能を改善する手段が知られている(例えば、特許文献8参照)。
特開平7−321766号公報 特開平11−163807号公報 特開平11−234025号公報 特開2002−164801号公報 WO02/47304号公報 特開2003−134096号公報 特開2003−324360号公報 特開2004−96703号公報
前述の従来例に於ける多重伝送システムの各種の手段を、例えば、電力線搬送システムのようなデータ伝送環境の悪い多重伝送システムに適用しても、充分な特性を得ることが容易でないものである。そこで、本発明が解決しようとしている課題は、以下の第一〜第六がある。先ず、第一は、高効率データ伝送の実現である。高速データ伝送の実現には伝送効率の向上は不可欠であり、少なくとも95%以上の伝送効率が望ましい。
又第二は、特定帯域の漏洩低減が容易であることである。例えば、2MHz〜30MHz帯域には、多数の既存無線局があり、受信感度の限界まで受信している無線局もある。このため、これらの無線局に対しては、妨害を与えないように少なくとも約30dB以上の漏洩低減が望ましい。
又第三は、不要帯域の雑音抑圧である。電力線搬送システムに適用する場合、電力線に接続されている家電機器からの雑音と、各種無線局から発する電波の飛来雑音等がある。これらの雑音は、大半が、狭帯域の巨大振幅のトーン雑音群である。電力線搬送システムに於いては、これらの狭帯域トーン雑音群に対して安定したデータ伝送を実現する必要があり、隣接雑音の抑圧を少なくとも70dB以上とすることが望ましい。
又第四は、帯域内雑音キャンセルである。個々のチャネルから見た帯域外のトーン雑音に関しては、雑音抑圧フィルタ等により抑圧が可能である。しかしながら、同一帯域内に入ったトーン雑音に関しては、抑圧が不可能であり、雑音キャンセル手段により雑音を除去する必要がある。この雑音キャンセル利得としては、少なくとも50dB以上であることが望ましい。
又第五は、マルチパス対応である。電力線は多数の分岐接続で各種家電機器に接続されているため、これらの分岐に伴い伝送路上で、マルチパスが発生する。電力線搬送システムに於いては、これらのマルチパスに対して十分な耐力を有することが必要である。
又第六はタイミングの位相同期である。周波数軸上では多数のチャネルが多重伝送されている。又回線の群遅延特性は必ずしもフラットではない。このため、タイミングの周波数同期のみならず、個々のチャネルのタイミング位相同期が不可欠である。
本発明は、データの多重化に於いて、前述の第一〜第六の課題を解決することを目的とする。
本発明の多重伝送装置は、データの多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を有する多重伝送装置に於いて、前記多重化処理部は、前記データを変調するための信号点発生手段と、該信号点発生手段により発生した信号点を、時間軸上はナイキスト時間間隔で且つ周波数軸上は複数のキャリア周波数をナイキスト周波数間隔で配置して多重化する手段とを含む構成を有するものである。
又前記多重化する手段は、前記信号点発生手段により発生したデータの信号点を、リアルパートとイマジナリパートとに分けて、前記リアルパートとイマジナリパートとの何れか一方を他方に対して1/2ナイキスト時間長シフトして波形合成する構成を有するものである。
又前記多重化する手段は、前記信号点発生手段により発生したデータの信号点の逆高速フーリエ変換出力信号を複数時間にわたりコピーを求めて、送信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算する手段と、該手段の出力信号を時間軸上で順次加算する手段とを含む構成を有するものである。
又前記多重化処理部は、前記信号点発生手段により発生したデータの信号点を順次偶数チャネルと奇数チャネルとに分配し、該偶数チャネルと奇数チャネルとに対する窓関数を相互に1/2ナイキスト時間の時間差でそれぞれ乗算して波形合成する手段を含む構成を有するものである。
又前記多重化処理部は、前記信号点発生手段により発生したデータを隣接チャネルに対してデータ信号波形及び隣接チャネルの干渉波形が互いに直交するように選定して多重化する手段を含む構成を有するものである。
又データの多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を有する多重伝送装置に於いて、前記多重分離処理部は、受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算する手段と、該手段の出力信号に対してナイキスト時間間隔で高速フーリエ変換して加算する第一の手段と、前記窓関数を1/2ナイキスト時間長ずらして乗算し、高速フーリエ変換して加算する第二の手段と、前記第一及び第二の手段の出力信号からリアルパートとイマジナリパートとを抽出して信号点判定を行う手段とを含む構成を有するものである。
又前記多重分離処理部は、偶数チャネルと奇数チャネルとに対してそれぞれ1/2ナイキスト時間の時間差の受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算し、それぞれの乗算出力に対するナイキスト時間間隔の高速フーリエ変換を施して加算し、前記偶数チャネルと前記奇数チャネルとに対応した信号点判定を行う手段を含む構成を有するものである。
又前記窓関数を乗算する手段は、前記窓関数を時間応答波形の中央部分と該中央部分の両側部分との領域に分けて、前記中央部分領域の窓関数を方形窓関数とし、前記両側部分領域の窓関数をハニング窓関数又は該ハニング窓関数に類似した窓関数をナイキストフィルタの時間応答波形に乗算した係数を最終的な窓関数とするものである。
又前記多重化処理部の前記信号点発生手段は、信号点間にゼロ点を挿入するゼロ点挿入手段を有し、前記多重分離処理部の前記信号点を判定する手段は、前記ゼロ点上の雑音成分を抽出して前記信号点上の雑音成分を補間予測して前記信号点上の雑音成分を除去する手段を有するものである。
又前記多重分離処理部は、群遅延特性を時間等化するチャネル対応の時間等化器を含む構成を有するものである。
又前記多重化処理部は、送信する信号を周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に拡散して送出する手段を備え、前記多重分離処理部は、拡散されたチャネルの信号対応に信号点判定を行って加算し、該加算の結果に対して再度信号点判定を行う手段を備えた構成を有するものである。
又前記多重化処理部は、送信する信号を周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に拡散して送出する手段を備え、前記多重分離処理部は、拡散されたチャネルの信号対応に信号点判定を行うと共に前記チャネル対応の伝送品質に対応した係数を乗算して加算し、該加算の結果に対して再度信号点判定を行う手段を備えた構成を有するものである。
又前記多重処理部は、周波数軸又は時間軸に応じた冗長性を付加する手段を有し、前記多重分離処理部は、チャネル対応の伝送品質検出手段と、該伝送品質検出手段によるチャネル対応の伝送品質と前記周波数軸又は時間軸に応じた冗長性とを用いてエラー訂正する手段を有するものである。
又前記多重分離処理部は、受信復調し、且つ高速フーリエ変換したチャネル対応の信号のタイミング位相を抽出して、該タイミング位相を調整する手段を有するものである。
本発明の多重伝送方法は、多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を含む構成により、データの多重化処理又は多重分離処理の何れか一方又は両方を行う多重伝送方法に於いて、前記多重化処理部の信号点発生手段により前記データを変調するための信号点を発生し、該信号点を、時間軸上はナイキスト時間間隔で、周波数軸上は複数のキャリア周波数をナイキスト周波数間隔でそれぞれ配置して多重化する過程を含むものである。
又前記信号点発生手段により発生したデータの信号点を、リアルパートとイマジナリパートとに分けて、前記リアルパートとイマジナリパートとの何れか一方を他方に対して1/2ナイキスト時間長シフトして波形合成し、時間軸直交且つ周波数軸直交となるように多重化処理する過程を含むものである。
又前記信号点発生手段により発生したデータの信号点の逆高速フーリエ変換出力信号を複数時間にわたりコピーを求めて、送信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算し、該乗算による出力信号を時間軸上で順次加算する過程を含むものである。
又前記信号点発生手段により発生したデータの信号点を順次偶数チャネルと奇数チャネルとに分配し、該偶数チャネルと奇数チャネルとに対する窓関数を相互に1/2ナイキスト時間の時間差でそれぞれ乗算して波形合成する過程を含むものである。
又前記信号点発生手段により発生したデータを隣接チャネルに対してデータ信号波形及び隣接チャネルの干渉波形が互いに直交するように選定して多重化する過程を含むものである。
又多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を含む構成により、データの多重化処理と多重分離処理との何れか一方又は両方を行う多重伝送方法に於いて、前記多重分離処理部により、受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算した出力信号に対して、ナイキスト時間間隔で高速フーリエ変換して第一の手段により加算し、且つ前記窓関数を1/2ナイキスト時間長ずらして乗算し、高速フーリエ変換して第二の手段により加算し、前記第一及び第二の手段の出力信号からリアルパートとイマジナリパートとを抽出して信号点判定を行う過程とを含むものである。
又前記多重分離処理に於いて、偶数チャネルと奇数チャネルとに対してそれぞれ1/2ナイキスト時間の時間差の受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算し、それぞれの乗算出力に対するナイキスト時間間隔の高速フーリエ変換を施して加算し、前記偶数チャネルと前記奇数チャネルとに対応した信号点判定を行う過程を含むものである。
又前記窓関数を乗算する過程に於いて、前記窓関数を、時間応答波形の中央部分と該中央部分の両側部分との領域に分けて、前記中央部分領域の時間応答波形は方形窓関数とし、前記両側部分領域の窓関数をハニング窓関数又は該ハニング窓関数に類似した窓関数をナイキストフィルタの時間応答波形に乗算した係数を最終的な窓関数とするものである。
又前記多重化処理に於いて、前記多重化処理部の信号点発生手段からの信号点間にゼロ点を挿入し、前記多重分離処理に於いて、前記ゼロ点上の雑音成分を抽出して前記信号点上の雑音成分を補間予測し、前記信号点上の雑音成分を除去する過程を含むものである。
又前記多重分離処理に於いて、チャネル対応の時間等化器を設けて、チャネル対応の群遅延特性を時間等化する過程を含むものである。
又前記多重化処理に於いて、送信する信号を周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に拡散して送出する過程を有し、前記多重分離処理に於いて、拡散されたチャネルの信号対応に信号点判定を行って加算し、該加算の結果に対して再度信号点判定を行う過程を有するものである。
又前記多重化処理に於いて、送信する信号を周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に拡散して送出する過程を含み、前記多重分離処理に於いて、拡散されたチャネルの信号対応に信号点判定を行うと共に前記チャネル対応の伝送品質に対応した係数を乗算して加算し、該加算の結果に対して再度信号点判定を行う過程を含むものである。
又前記多重処理に於いて、周波数軸に応じた冗長性を付加して送出する過程を有し、前記多重分離処理に於いて、チャネル対応の伝送品質を検出し、該伝送品質と前記周波数軸に応じた冗長性とを用いてエラー訂正する過程を有するものである。
又前記多重分離処理に於いて、受信復調し、且つ高速フーリエ変換したチャネル対応の信号のタイミング位相を抽出して、該タイミング位相を調整する過程を含むものである。
前述の従来のQAM、SS、OFDM、Wavelet−OFDMと、本発明のナイキスト時間間隔且つナイキスト周波数間隔で信号点を配置して、時間軸直交/周波数軸直交の多重伝送のNyquist−OFDMとを、高効率データ伝送、特定帯域漏洩低減、不要帯域雑音抑圧、帯域内雑音キャンセル、マルチパスの各項目1〜5について対比すると、図39に示すものとなる。即ち、多重化伝送に於ける目標値を、項目1は95%以上、項目2は30dB以上、項目3は70dB以上、項目4は50dB以上、項目5は可とし、この目標値を満足するものは○印を付加して示すもので、本発明のNyquist−OFDMは、目標値に対して総て満足することができる。
本発明の多重伝送装置は、図1を参照して説明すると、データを多重化して送信側から受信側へ伝送する多重伝送装置に於いて、データを変調するための信号点発生手段(信号点発生部14)と、この信号点発生手段により発生した信号点を、時間軸上はナイキスト時間間隔で且つ周波数軸上は複数のキャリア周波数をナイキスト周波数間隔で配置して多重化する手段(逆高速フーリエ変換部(IFFT))とを備えている。
本発明の多重伝送方法は、データを多重化して送信側から受信側へ伝送する多重伝送方法に於いて、信号点発生手段(信号点発生部14)により前記データを変調するための信号点を発生し、この信号点を、時間軸上はナイキスト時間間隔で且つ周波数軸上は複数のキャリア周波数をナイキスト周波数間隔で配置して多重化する過程を含むものである。
図1は、本発明の実施例1の多重伝送装置の説明図であり、電力線搬送システムに適用した場合の送信側の多重化処理部と受信側の多重分離処理部との両方の構成を備えたモデム構成の場合を示し、1はディジタル部、2はアナログ部、3は電源部、4は漏洩電界を抑圧するためのコモンモードチョークコイル(CMC)、5は10BASE−T,100BASE−TX等のLAN(屋内ローカルエリアネットワーク)の接続装置示す。又ディジタル部1に於いて、11はフィルタ処理等により送信データと受信データとの不要なデータを破棄するフィルタリング機能を有するブリッジ回路、12はスクランブル回路(SCR)、13は和分回路、14は信号点発生手段としての信号点発生部、15は多重化する手段の要部を構成する逆高速フーリエ変換部(IFFT)、16はローパスフィルタ(LPF1)、17は変調部(MOD)、18は送信キャリア発生部(送信CRR)、22はデスクランブル回路(DSCR)、23は差分回路、24は信号点を判定する手段としての信号点判定部、25は高速フーリエ変換部(FFT)、26はローパスフィルタ(LPF4)、27は復調部(DEM)、28は受信キャリア発生部(受信CRR)、29はタイミング同期部(TIMPLL)を示す。符号12〜18の構成により多重化処理部の主要部を構成し、符号22〜29の構成により多重分離処理部を構成している。又ディジタル部1の各部の機能を、プロセッサの演算処理機能により実現することも可能である。
又アナログ部2に於いて、31はDA変換器(D/A)、32はローパスフィルタ(LPF2)、33は送信ドライバ回路(DV)、34はトランス部(TR)、35はAD変換器(A/D)、36はローパスフィルタ(LPF3)、37はゲインスイッチ部(GSW)、38はハイパスフィルタ(HPF)、39は電圧制御水晶発振器(VCXO)を示す。又電源部3に於いて、41は各部に例えば電圧5Vの動作電力を供給する電源出力部、42は電源フィルタを示す。
10BASE−T或いは100BASE−TX側から接続装置5を介して入力された送信データは、ブリッジ回路11に於いてフィルタリングされ、スクランブラ回路12に入力されて、データがランダム化され、送信スペクトルの安定化/漏洩電界の安定化を実現している。そして、和分回路13に入力されて、回線変動に耐えるべく位相和分を行う。この位相和分処理後、信号点発生手段としての信号点発生部14により複数チャネルの送信信号点が生成される。この信号点発生部14は、ROM等により構成することができるものであり、又ノッチの生成やスペクトル拡散、更には、雑音キャンセルのためのゼロ点挿入等を行う構成とすることができる。
そして、周波数軸上の情報は、逆高速フーリエ変換部15により時間軸上の情報に変換され、ローパスフィルタ16により不要帯域成分が除去されて、変調部17に入力され、送信キャリア発生部18からの送信キャリアにより変調される。即ち、信号点を時間軸上はナイキスト時間間隔で且つ周波数軸上はナイキスト周波数間隔で多重化する手段を構成している。この変調部17からの変調信号は、アナログ部2のDA変換器31に入力され、アナログ信号に変換され、ローパスフィルタ32により、アナログ信号上の不要帯域が除去された後、送信ドライバ回路33により増幅され、トランス部34と、コモンモードチョークコイル4とを介して、電力線、例えばAC100Vの屋内配電線側又は屋内電灯線側に送信される。この場合、時間軸上ではナイキスト時間間隔、周波数軸上では、複数のキャリア周波数をナイキスト周波数間隔で配置し、時間軸直交/周波数軸直交により、多重化データ伝送を行うものである。
受信側の多重分離処理は、送信側の多重化処理と逆の処理を行うものであり、コモンモードチョークコイル4とトランス部34とを介して入力された受信信号は、ハイパスフィルタ38により不要な低域成分が除去された後、ゲインスイッチ部37により受信信号を所定レベルまで増幅した後、ローパスフィルタ36により高域の不要帯域成分が除去される。そして、AD変換器35によってディジタル信号に変換されて、ディジタル部1に入力される。
このディジタル部1に入力された受信信号は、復調部27に於いて、受信キャリア発生部28からのキャリア信号を基に復調され、ベースバンド信号となり、ローパスフィルタ26により不要帯域が除去された後、高速フーリエ変換部25により時間軸情報が周波数軸情報に変換される。そして、信号点判定部24により受信信号点が判定され、差分回路23により、位相差分がとられた後、デスクランブル回路22により、元の送信データが再生される。更にブリッジ回路11を経由した接続装置5を介して端末(図示を省略)へ転送される。
前述の位相差分処理は、信号点判定部24に於ける判定後に行う構成を示すが、信号点判定前に位相差分処理を実施する構成とすることも可能である。又同期モデムでは、受信クロックを送信クロックに同期させる必要があるが、この同期信号は、送信側で複数の特定周波数によりタイミング用の基準信号を送信し、受信側では、この同期信号を抽出することで、送信との同期を確立している。この同期信号の抽出ポイントは、パスバンドでもベースバンドでも、又高速フーリエ変換(FFT)後でもよいが、効率的な処理が行える場所から信号を抽出して同期化を行うことができる。図1に於いては、ローパスフィルタ26の出力信号と、高速フーリエ変換部25の出力信号との両方から抽出可能としている。そして、位相同期部29により、電圧制御水晶発振器39を制御して、所望の同期を確立することができる。
又電源部3は、電源出力部41と電源フィルタ42とを含む構成を有し、各部の動作に必要なDC5V等の直流電電圧を、AC100Vの交流電圧からスイッチング電源構成等により形成するものであり、スイッチング電源構成とすると、スイッチング雑音が発生するから、電源フィルタ42により、そのスイッチング雑音がコモンモードフィルタ4側に漏洩しないように構成している。又回線側に対して不要な漏洩電界が発生しないように、電源部からのコモンモード電流を最小化する必要がある。更に、この電源部3を回線に接続することで、対地間平衡度を悪化させないように、或いは、低インピーダンス化により微小信号が消滅しないように、伝送帯域内のLCL(対地間平衡度)やノーマルモードインピーダンスを所望の値以上に設定することなどが必要である。
図2は、多重伝送装置の多重化処理部と多重分離処理部との主要部を示し、図1に示す多重伝送装置のディジタル部1の主要部の説明図であり、51は図1に於ける信号点発生部14に対応する送信信号発生回路、52は図1に於ける逆高速フーリエ変換部15に対応し、多重化する手段を構成する送信IFFT部、53は図1に於ける信号点判定部24に対応する受信信号点判定回路、54は図1に於ける高速フーリエ変換部25に対応する受信FFT部を示す。又55はリアルパート逆フーリエ変換部(Real−part IFFT)、56はイマジナリパート逆フーリエ変換部(Imag−part IFFT)、57,58は時間軸コピー窓関数乗算部、59は1/2ナイキスト時間遅延部、60は波形合成回路、61はリアルパートとイマジナリパートとの信号抽出合成回路、62は合成回路(Σ)、63は高速フーリエ変換部(FFT)、64は窓関数乗算回路を示す。
送信データを送信信号点発生回路51に入力して、ベクトル信号としての送信信号点とし、その信号点のリアルパート(Real)とイマジナリパート(Imag)とに分け、リアルパートは、リアルパート逆高速フーリエ変換部55に入力し、イマジナリパートは、イマジナリパート逆高速フーリエ変換部56に入力して、それぞれ逆高速フーリエ変換し、時間軸コピー窓関数乗算部57,58に入力する。時間軸コピー窓関数乗算部57,58は、時間軸上の信号を複数時間にわたりコピーを求めて、送信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算する手段を含み、1/2ナイキスト時間長遅延部59に於いて、リアルパート側とイマジナリパート側との何れか一方を、1/2ナイキスト時間長分、時間シフトした後、波形合成回路60に於いてリアルパートとイマジナリパートとを波形合成して、図1に於ける変調部17にローパスフィルタ16を介して入力し、送信キャリアにより変調してアナログ部2に入力する。
又受信FFT部54に於いては、復調された受信信号が入力され、窓関数乗算回路64により、受信ナイキストフィルタの時間応答波形に対応した窓関数を乗算し、ナイキスト時間間隔で波形を切り出して、高速フーリエ変換部63により周波数情報に変換し、合成回路62により畳み込み積分し、リアルパートとイマジナリパートとはそれぞれ1/2ナイキスト時間長間隔となるように送信側でシフトしているから、信号抽出合成回路61に於いて単純合成し、受信信号点判定回路53に入力する。
本発明の実施例1の構成は、図1及び図2に示すものであり、前述の第一〜第六の課題の中の第一の課題は、高効率データ伝送の実現であり、高効率データ伝送実現のためには、時間軸上/周波数軸上での無駄を省くことが鍵である。その実現例の一つとして、前述の従来例のWavelet−OFDM方式がある。このWavelet−OFDM方式は、時間軸直交/周波数軸直交を実現した方式であるが、実際問題、実現された雑音抑圧レベルは、従来例では35dB程度であり、各種の信号源からの飛来雑音等を考えると、必ずしも十分とは言い難い。この従来例のWavelet−OFDM方式は、スカラー伝送に限定することで、時間軸直交/周波数軸直交を実現しているが、時間軸で効率的なデータ伝送を実現する他の方式として、ナイキスト伝送方式がある。
ナイキスト伝送方式の伝達関数は、(0,1,0)であり、符号間干渉なしで最も高速で伝送できる方式であるが、同時に時間軸上で等価的に時間軸直交を実現している伝送方式である。本発明は、このナイキスト伝送方式と、周波数軸で直交可能なOFDM方式とを適用して、時間軸直交/周波数軸直交の多重伝送を実現するものである。そのため、送信側では、例えば、信号点のリアルパートとイマジナリパートとに分解し、最初にリアルパートを伝送し、次に、1/2ナイキスト時間長後、イマジナリパートを伝送することにより、隣接チャネルの符号間干渉なしで高効率データ伝送が可能となる。
又第二の課題は特定帯域の漏洩低減である。これは、ナイキストフィルタを送受等分割することで実現することができる。又より少ないタップ数で、より深い漏洩低減を実現するため、送信側のcosフィルタに独自の窓関数を乗算し、サイドローブを低減することにより実現可能である。
又第三の課題は雑音抑圧である。送信側と同様に、受信側をcosフィルタとすると共に、送信側と同様に独自の窓関数を乗算する構成として、70dBを越える雑音抑圧を可能とすることができる。
又第四の課題は雑音キャンセルである。これは、送信側で定期的にゼロ点を挿入し、データの信号点を、ゼロ点とゼロ点間に配置して伝送し、受信側では、送信側で送信されたゼロ点上の雑音成分を、補間予測して、信号点上に重畳された雑音をキャンセルすることにより実現可能である。
又第五の課題は、マルチパス対応である。分岐回路等によるマルチパスによる遅延した信号成分が重畳することによるエラー発生について、これを低減するために、例えば、判定帰還型等化器を用いることにより、受信側に於ける安定したマルチパス除去が可能である。
又第六の課題はタイミング同期である。タイミング同期としては、周波数同期と位相同期との2種類あり、周波数同期に関しては、複数のチャネルから得られた同期信号から周波数同期をかければ十分であり、又位相同期に関しては、タイミングインタポレーションフィルタを設けて、時間位相をシフトさせることで、タイミング位相を合わせるか、又は、受信側の等化器を1タップの複素等化器ではなく、ダブルサンプリングの等化器を設けて、タイミング位相を合わせる構成を適用することができる。
図3は、伝送路(フィルタ)の時間応答を示すもので、入力信号をインパルスとして伝送路(フィルタ)に入力した場合、出力信号は、伝送路(フィルタ)特性に対応した帯域制限による時間応答波形となる。この伝送路(フィルタ)の入力側に連続してデータ(各種インパルスの波形)を加えると、出力側では、これらの時間応答波形が重なって出力されることになる。
図4は、ナイキスト伝送に於ける波形の説明図であり、図示するように、時間軸の応答波形が等間隔にゼロ点を通過する波形であるならば、連続してインパルスを伝送しても、お互いの符号が干渉することなく高速でデータ伝送が可能である。これが、前述のナイキスト伝送である。即ち、ナイキスト伝送路の時間応答は(0,1,0)となっており、等価的に時間軸で直交している系列となる。
図5は、ナイキスト伝送路の周波数特性を正規化して示し、ナイキストフィルタのフィルタ特性はcos二乗特性を示すもので、一般にロールオフ率と呼ばれる要素があるが、同図に於いては、ロールオフ率が100%の場合を示している。
図6は、直交周波数分割多重のイメージ図であり、各キャリア周波数はそれぞれ整数倍の関係にあり、お互いに直交したキャリアになっている。このため、周波数軸上では、お互いのスペクトルが重なっているが、周波数軸上ではお互いに直交関係にあるため、受信側で高速フーリエ変換により周波数分解が可能である。又送信側では、逆高速フーリエ変換により、周波数軸の情報を時間軸の情報に変換して送信する。
前述の図4に示す時間軸上で直交した波形の信号を、図6に示す周波数軸上で直交した波形の信号として多重伝送することにより、高効率の多重伝送が可能となる。この場合、時間軸上ではナイキスト時間間隔で多重化し、周波数軸上ではナイキスト周波数間隔で多重化することとなる。
図7は、ナイキスト伝送路(cos二乗特性)を送受等分割した時の時間応答波形を示し、送信フィルタをcosフィルタ特性、受信フィルタもcosフィルタ特性とし、伝送路としては、cos二乗特性とした場合を示す。このように、フィルタ特性を送受等分割する理由は、雑音耐力の最適化にある。
図8は、cosフィルタの時間応答特性を示し、1/2ナイキスト時間間隔で(0,1,1,0)の応答特性となり、これを送受畳み込み処理により、図9に示すように、cos二乗フィルタの時間応答波形[1/2ナイキスト時間間隔で(0,1,2,1,0)、ナイキスト時間間隔で(0,1,0)]を得ることができ、ナイキスト間隔で伝送すれば、符号間干渉なしに高速でデータ伝送が可能となる。
図10は、隣接チャネル間の干渉の説明図であり、3チャネル多重時の周波数スペクトルを示す。同図に示すように、CH−1/CH0/CH+1の3チャネルが周波数軸上で多重されているが、チャネルCH0の周波数スペクトルが、チャネルCH−1/CH+1の周波数スペクトルとハッチングエリアで示すように重なっている。このエリアにより、双方で時間軸上/周波数軸上での干渉が起きるはずである。
チャネルCH0の周波数特性は、送信側はcosフィルタであるため、チャネルCH0の周波数特性をF[0](f)とすると、fは−1〜1(Hz)に於いて、
F[0](f)=cos(f*π/2) ・・・・(001)
チャネルCH+1の周波数特性をF[+1](f)とすると、fは0〜2(Hz)に於いて、
F[+1](f)=sin(f*π/2) ・・・・(002)
従って、図10の右側ハッチングエリアの周波数スペクトルF[0+1](f)は、f=0〜1(Hz)の範囲に於いて、
F[0+1](f)=cos(f*π/2)*sin(f*π/2)・(003)
=1/2(sin(2*f*π/2))
=1/2(sin(f*π)) ・・・・(004)
となる。
同様に、チャネルCH−1とチャネルCH0との干渉エリアは、チャネルCH−1の周波数特性をF[−1](f)とすると、fは−2〜0(Hz)に於いて
F[−1](f)=−sin(f*π/2) ・・・・(005)
従って、図10の左側ハッチングエリアの周波数スペクトルF[0−1](f)は、f=−1〜0(Hz)の範囲に於いて、
F[0−1](f)=cos(f*π/2)*(−sin(f*π/2))
・・・・(006)
=−1/2(sin(2*f*π/2))
=−1/2(sin(f*π)) ・・・・(007)
となる。両者とも極性は異なっているが、パワースペクトル的には同一のsinフィルタとなる。送信側が100%cosフィルタ、受信側も100%cosフィルタで伝送しているため、送受のフィルタを畳み込むと、隣接チャネル間の周波数スペクトル(干渉スペクトル)は100%sinフィルタ特性となる。
図11及び図12は、隣接チャネル間の干渉の説明図であり、縦軸は振幅を示すものであるが、それぞれ振幅値にオフセットを付加した状態で示し、そのオフセット値は、右側に示すように、cos応答波形は8、cosキャリア波形は6、sinキャリア波形は4、リアルパート(Real)の波形は2、イメージパート(Imeg)の波形は0とした場合を示す。この干渉スペクトルは、cosフィルタの帯域幅を半分とし、且つ、1/2ナイキスト周波数間隔だけ、周波数軸を左右にシフトした形のスペクトルとなる。従って、伝達関数は、図11に示すように、リアルパート側にインパルスを入れた場合には、リアルパート側が(0,1,−1,0)、イマジナリパート側が(0,0,0,0)となる。又図12に示すように、イマジナリパート側にインパルスを入れた場合には、イマジナリパート側が(0,1,−1,0)、リアルパート側が(0,0,0,0)となる。
しかしながら、これらは、ナイキスト時間間隔で観測した場合であり、受信側のデータサンプリング点で見た場合には、リアルパート側にインパルスを入れた場合にはリアルパート側の干渉はないが、イマジナリパート側には干渉が出る。逆にイマジナリパート側にインパルスを入れた場合には、イマジナリパート側に干渉はないが、リアルパート側に干渉が発生する。これらの干渉成分のリアルパート側とイマジナリパート側とは、互いに1/2ナイキスト時間長ずれているため注意が必要である(同相成分は問題ないが、逆相成分に関しては、ゼロクロス点がナイキスト間隔そのものに限定されている)。
図13は、1/2ナイキスト時間長シフト後の干渉波形の説明図であり、縦軸の振幅に対して、それぞれの波形は、右側に示すオフセット値を付加して示し、且つ一方の実線のPH1対応のcos応答、cosキャリア、sinキャリア、リアルパート(Real)の波形と、他方の鎖線のPH2対応のcos応答、cosキャリア、sinキャリア、リアルパート(Real)の波形を示す。
この場合、ベクトル信号点のリアルパート成分を、送信ナイキストフィルタに通しそのまま伝送する。次に、イマジナリパート成分も同様に処理するが、リアルパート側の信号に対して1/2ナイキスト時間長だけ時間シフトしてリアルパート側の信号に加算して伝送する。これにより、隣接チャネル間の干渉波形をナイキスト時間間隔毎にゼロ交差することが可能となる。最終的に、タイミング位相とキャリア位相を正確に合わせる条件は必要となるが、隣接チャネル間の干渉なしに時間軸直交/周波数軸直交で多重化して、高速データ伝送が可能となる。
図14は、シングルキャリア対応の送信変調部を示すもので、71は送信ローパスフィルタ(送信LPF)、72は送信変調部(送信MOD)、73は送信キャリア発生部(送信CRR)、74はゼロ挿入部、75は加算部(Σ)、Tは遅延回路を示し、図1に於けるローパスフィルタ16と、変調部17と、送信キャリア発生部18との構成に相当する部分の構成を示す。なお、Xm+n及びXm−nは、Xm+0に対して、nT時間前及びnT時間後の信号を示し、C−n,・・C0,・・C+nはタップ係数を示す。
ナイキスト速度で入力された信号は、通常、ナイキスト速度の整数倍に変換されて送信される。入力データ信号は、先ず、送信ローパスフィルタ71のゼロ挿入部74と、遅延回路や加算部75を含むフィルタ部により、ナイキスト速度からサンプリング速度(ナイキスト速度の整数倍)に速度変換される。又送信ローパスフィルタ71により、データ信号を符号間干渉なしで高速でデータ伝送できるように波形整形される。そして、送信変調部72により、送信キャリア発生部73からのキャリア信号と乗算されて、所望の周波数帯域へ周波数シフトする。
これを一つのインパルスに着目して時間軸で観測すると、インパルスとフィルタ出力とキャリア信号と変調信号とは、図15に示すものとなる。先ず、入力されたインパルスをXkとすると、送信ローパスフィルタ71の出力Fは、
F=Xk*C−n・・・Kx*C+n ・・・(008)
となる。次に、この送信ローパスフィルタ71の出力Fがキャリア信号E(jωt)=cosθ+jsinθと乗算されるが、乗算後の変調信号をSとすると、
S=F*E=Xk*C−n*E(jω(t−p))・・・Kx*C+n*E(jω(t+p)) ・・・(009)
となる。これは、入力のインパルスXkにキャリア信号E(jωt)を乗算した系列を算出しておき、その結果に窓関数として、cosフィルタの時間応答波形を乗算すればよいことを示している。又入力のインパルスは時系列で順次入力されるため、窓関数を乗算したフィルタ出力も順次出力されることとなる。フィルタ演算では時間軸上の畳み込み処理を行っているが、最終的に変調波形として出力された送信信号に関しては、時間軸で単純加算を実施してやればよい。又隣接チャネルの干渉をなくすために、リアルパートとイマジナリパートとの信号を1/2ナイキスト時間長だけ、シフトして加算すればいいことを示す。
図16は、送信IFFT部の要部を示し、図1に於ける多重処理部の要部を示す。この図16に於いて、51は図1に於ける信号点発生部14に対応する送信信号発生回路、52は図1に於ける逆高速フーリエ変換部15に対応する送信IFFT部、55はリアルパート逆フーリエ変換部(Real−part IFFT)、56はイマジナリパート逆フーリエ変換部(Imag−part IFFT)、57,58は時間軸コピー窓関数乗算部、59は1/2ナイキスト時間遅延部、60は波形合成回路を示す。
スクランブル処理や和分処理を施した送信データを送信信号点発生回路51に入力し、ベクトル信号としての送信信号点として、その信号点のリアルパート(Real)とイマジナリパート(Imag)とに分解し、リアルパートは、リアルパート逆高速フーリエ変換部55に入力し、イマジナリパートは、イマジナリパート逆高速フーリエ変換部56に入力して、それぞれ逆高速フーリエ変換し、変換出力信号に、時間軸コピー窓関数乗算部57,58に於いて時間軸上の信号をコピーし、送信ナイキストフィルタの時間応答波形に従った窓関数を乗算し、1/2ナイキスト時間長遅延部59に於いて、リアルパート側とイマジナリパート側との何れか一方を、1/2ナイキスト時間長分、時間シフトした後、波形合成回路60に於いてリアルパートとイマジナリパートとを合成し、図14に示す送信ローパスフィルタ71を介して送信変調部72に入力し、送信キャリア発生部73からの送信キャリアを乗算する。
図17は、前述の図16に於けるリアルパート逆高速フーリエ変換部(Real−part IFFT)55,イマジナリパート逆高速フーリエ変換部(Imag−part IFFT)56と、波形合成回路60との間の時間軸コピー窓関数乗算部57,58と1/2ナイキスト時間長遅延部59との機能の説明図であり、前述のように、送信信号点発生回路51からのベクトル信号点のリアルパートとイマジナリパートとが、それぞれリアルパート逆高速フーリエ変換部55とイマジナリパート逆高速フーリエ変換部56とに入力されて、時間軸上の信号成分に変換し、送信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算し、リアルパート側とイマジナリパート側とを1/2ナイキスト時間長分、時間シフトする。この状態をナイキスト時間長のIFFTの記号配列と、インパルス応答波形とにより示している。そして、波形合成回路60により、リアルパート側とイマジナリパート側とのベクトル加算を行って合成した信号を出力する。又連続して入力される送信データは、時間軸上に於いてそれぞれ1ナイキスト時間長分遅れているので、1ナイキスト時間長分ずれた形で前回の波形とベクトル加算され、加算出力が送信ベースバンド信号となる。
図18は、図1に於ける多重処理部の中の変調処理手段を含む要部を示し、74は信号点発生回路、75は送信IFFT部、76は送信LPF部、77は送信MOD部、78は送信CRR部を示し、それぞれ図1に於ける信号点発生部14と逆高速フーリエ変換部15とローパスフィルタ16と変調部17と送信キャリア発生部とに対応した構成を示す。又信号点発生回路74は、図16の送信信号点発生回路51に対応し、送信IFFT部75は、図16の送信IFFT部52に対応するものである。前述のように、信号点発生回路74に入力された送信データは、リアルパートとイマジナリパートとに分離して、送信IFFT部75によりベースバンドの時間波形に変換され、送信LPF部76により不要帯域を除去し、送信MOD部77に於いて送信CRR部78からのキャリア周波数信号により変調して、アナログ部2(図1参照)に入力する送信信号とする。
図19は、図1に於ける多重分離処理部の中の復調処理手段を含む要部を示し、84は信号点判定回路、85は受信FFT部、86は受信LPF部、87は受信DEM部、88は受信CRR部を示し、それぞれ図1に於ける信号点判定部24と高速フーリエ変換部25とローパスフィルタ26と復調部27と受信キャリア発生部28とに対応する構成を示す。アナログ部2(図1参照)からディジタル信号に変換された受信信号が受信DEM部87に入力され、受信CRR部88からのキャリア信号により復調され、受信LPF部86により不要帯域が除去され、受信FFT部85によりフーリエ変換されて周波数領域の信号となり、信号点判定回路84に於いて信号点の判定が行われ、受信データとなり、差分回路23(図1参照)に入力されて、送信側の和分処理の逆の差分処理が行われる。
受信復調のために、本来であれば、個々のキャリア信号E(jωt)により復調され、波形整形用フィルタを経由して受信信号点を得るが、この計算は、受信信号系列(インパルス系列)をR(k−m)、・・・R(k+m)とすると、先ずは、キャリア信号E(jω(t−p))、・・・、E(jω(t+p))、が乗算され、
R(k−m)*E(jω(t−p))、・・、R(k+m)*E(jω(t+p))
となり、更に波形整形用フィルタの係数C+n、・・・、C−nが乗算され、次式に示すフィルタ出力Fを得る。
F=Σ[R(k−m)*E(jω(t−p))*C+n+・・・+R(k+m)*E
(jω(t+p))*C−n] ・・・・・(010)
上記の式は、受信信号系列Rに波形整形用フィルタの時間応答波形Cによる窓関数を乗算した信号系列を、高速フーリエ変換により周波数軸上に分解し、これを時間軸上で加算(畳み込み積分となる)を実施すれば、受信の波形整形用フィルタ処理が極めて簡単に処理できることを示している。又、送信側では、1/2ナイキスト時間長シフトした形でイマジナリ成分を伝送しているため、受信側では、受信FFT処理部85に於いて、2倍のナイキスト周波数間隔で出力計算を行えば、受信データを再生できることとなる。具体的には図13に示す波形として処理できる。
図20及び図21は、受信FFT部の説明図であり、図2に於ける符号と同一符号は同一部分を示し、図21に於ける符号89は、窓関数乗算回路/FFT/Σとして示すように、図20の合成回路62と高速フーリエ変換部63と窓関数乗算回路64(窓関数を乗算する手段)との作用説明用の機能ブロックである。受信信号は、窓関数乗算回路64に於いて、窓関数(受信ナイキストフィルタの時間応答波形)と乗算し、この窓関数との乗算結果をナイキスト時間間隔で波形を切り出して加算し、高速フーリエ変換部63に於いてFFT処理を行って個々の周波数情報を得る。そして、合成回路62に於いて、ナイキストフィルタの時間長分、FFT出力を加算(フィルタの畳み込み積分)し、所望のフィルタ出力を得る。リアルパートとイマジナリパートとは、それぞれ1/2ナイキスト時間長分シフトしているため、受信信号と窓関数との乗算は、ナイキスト周波数の2倍の間隔で行うこととなる(窓関数の時間軸を1/2ナイキスト時間長間隔でシフト)。この結果、FFT後に、合成回路62に於いて、所望のリアルパート信号/イマジナリパート信号を得るために、これらを信号抽出合成回路61に於いて単純合成し、所望の受信信号点を得る。前述のように、多重分離処理部は、受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算する手段と、この手段の出力信号に対してナイキスト時間間隔で高速フーリエ変換して加算する第一の手段と、窓関数を1/2ナイキスト時間長ずらして乗算し、高速フーリエ変換して加算する第二の手段と、それぞれの加算出力信号からリアルパートとイマジナリパートとを抽出して信号点判定を行う手段とを含むものである。
図22は、チャネル数と周波数との関係の説明図であり、6チャネル分の周波数帯域に於いて、チャネルCH−0を中心として、ナイキスト周波数間隔で、チャネルCH−2〜CH−+2の5チャネル分の多重化が可能であることを示す。従って、この場合の伝送効率Eaは、
Ea=(5/6)=83.3[%] ・・・・・(011)
同様に99チャネル多重時には、
Ea=99/100=99.0[%] ・・・・・(012)
となり、多重数を多くすることにより、高効率データ伝送が可能となる。
図23は、特定帯域漏洩低減の説明図であり、多数のチャネル多重による周波数帯域内の特定帯域に対する干渉防止等の場合に、例えば、最低でも2チャネル分、キャリアを抜けば特定帯域にノッチ(漏洩低減)を行うことが可能となる。
図24は、不要帯域抑圧の説明図であり、個々のチャネルの不要帯域は、受信側のナイキストフィルタによってカット(抑圧)することにより、不要帯域による雑音成分を抑圧することができる。この雑音抑圧量はフィルタの特性(フィルタ係数とタップ数)で決定されるが、システム側の要件に対応して最適化することができる。
図25は、隣接チャネル間の干渉除去の説明図であり、例えば、トレーニング時の隣接間の干渉除去を行う場合に適用可能であり、偶数チャネルCH+0,CH−2,CH+2には、例えば、(1,1,1,−1)の系列で送信し、奇数チャネルCH+1,CH−1には、(1,−1,1,1)の系列で送信すると、受信側では、(1,1,1,−1)の系列で送信したチャネルに関しては、(1,1,1,−1)で受信し、(1,−1,1,1)で送信したチャネルに関しては、(1,−1,1,1)で受信することになる。即ち、隣接チャネルを直交した形で伝送できるため、受信側では隣接チャネル間の干渉なしに受信信号を復元することが可能となる。この手段を適用した場合、伝送速度が半分に低下することになるが、主に、データ伝送に先立って送受信するトレーニング信号等に適用することにより、タイミング信号、キャリア信号等の安定抽出を可能とすることができる。
図26は、ローパスフィルタの等価回路を示し、前述の送信ローパスフィルタや受信ローパスフィルタに適用できるものであり、Tは遅延回路、Σは加算回路、C−n,・・・C0,・・・C+nはタップ係数を示す。
図27は、図1に於ける送信変調部(MOD)17、図28は、図1に於ける受信復調部(DEM)27を示し、cosθ,−sinθは中心キャリアを示し、送信変調部に於いては、リアルパート(入力Real)とcosθの乗算結果と、イマジナリパート(入力Imag)と−sinθの乗算結果とを合成して変調出力信号とする。又受信復調部に於いては、入力信号にそれぞれcosθと−sinθとを乗算して、リアルパート(出力Real)とイマジナリパート(出力Imag)とを出力する。
送信側では、IFFT出力に送信ナイキストフィルタの時間応答波形をそのまま乗算して窓関数処理を実施している。又、受信側では、受信信号に受信ナイキストフィルタの時間応答波形をそのまま乗算し、その後FFT処理を実施することで、受信側での窓関数処理を実施している。この場合の送受のフィルタ特性の概略を図29に示す。同図に於いて、縦軸は振幅特性、横軸は周波数で、ナイキスト周波数間隔を示す。又SBFRMはサブフレームを示し、この時間長は、ナイキスト時間長に一致させる。即ち、2SBFRMは、フィルタの時間応答波形長をナイキストの2倍の時間長に設定したフィルタ特性を示している。又8SBFRMは、8倍のナイキスト時間長を持ったフィルタ特性とする。このため、SBFRM数が大となればフィルタ特性は良好となるが、タップ数増大に伴い処理が重くなる。同図から明らかなように、目標の70dBを達成するためには、8SBFRMの時間長の処理でも不足していることを示している。
一般にフィルタ係数に時間軸の窓関数処理を施せば、不要帯域外の成分の改善を行うことが可能である。一般的な窓関数としては、方形波/三角波/ハニング窓/ハミング窓/ブラックマン窓/フラットトップ窓等がある。この中で不要帯域外特性が優れているものとして、ハニング窓/ブラックマン窓/フラットトップ窓等がある。そこで、多重伝送をナイキスト伝送とするという目的と不要帯域外の成分をできるだけ低減/除去するという大きく2種類の目的がある。第一のデータ伝送を行う部分であるが、これは、1024値伝送した場合でも1stピーク成分が送受合成特性で40dB以下程度となっていれば十分であるので、この観点から言えば、図29に示す特性から2SBFRMの時間長のフィルタがあれば十分である。従って、2SBFRMの時間長を越える時間部分に関して、例えば、ハニング窓の係数を乗算することで、不要帯域の低減/除去が効率的に行えると考える。
図30は、窓関数に関する説明図であり、縦軸は正規化した振幅、横軸は周波数で、0を中心としたナイキスト時間間隔を示し、窓関数の時間波形及び窓関数乗算前後のフィルタ係数を示す。±1.5ナイキスト時間長の間は伝送路としての特性確保のため、窓関数は1.0の値を乗算している。窓関数が±1.5ナイキスト時間長を越える部分に関しては、不要帯域外成分の低減/除去のため、ハニング窓関数の特性を乗算し、不要帯域外の低減/除去を行う。この場合、時間応答波形の中央部分と、この中央部分の両側との領域に分けて、中央部分領域は方形窓関数とし、両側部分領域は、ハニング窓関数又はこれに類似した窓関数とする。
図31は、窓関数乗算の有無によるフィルタ特性の説明図であり、図29と同様に、縦軸は振幅特性、横軸は周波数で、ナイキスト周波数間隔を示す。方形窓のみの場合は、細線の特性となり、又図30に示す独自窓の関数を適用することにより、太線の特性となる。従って、ナイキスト周波数間隔2の近傍に於いて、目標の70dBを達成している。従って、送信側の特定帯域での漏洩低減、受信側での巨大トーン雑音時での雑音抑圧が可能となる。
雑音抑圧は個々のチャネルから見た帯域外の不要成分に関しては、かなりの効果を発揮できる。しかしながら、同一帯域内に混入した巨大トーン雑音に関しては無力である。この場合には、帯域内に混入した狭帯域の巨大トーン雑音に関して、雑音キャンセル等を適用して、雑音キャンセルを行うことになる。
図32は、雑音キャンセル手段を適用した要部の説明図であり、図18及び図19と同一符号は同一名称部分を示し、91は信号点発生部、92は送信ゼロ点挿入回路、93は受信雑音キャンセル回路、94はFFT部を示す。送信側では、信号点発生回路74を、信号点発生部91と送信ゼロ点挿入回路92とにより構成し、信号点発生部91により送信信号点を発生した後、送信ゼロ点挿入回路92に於いて信号点間にゼロ点を挿入して、前述の手段により、送信IFFT部75、送信LPF部76、送信MOD部77を介して送信信号とする。
又受信側では、受信FFT部85を受信雑音キャンセル回路93とFFT部94とにより構成し、受信DEM部87、受信LPF部86を介して復調した受信信号を受信FFT部85に入力する。FFT部94によりフーリエ変換し、受信雑音キャンセル回路93に於いて、ゼロ点上の雑音成分を抽出し、ゼロ点間の信号点上の雑音成分を補間予測し、その信号点上の雑音成分を除去して、信号点判定回路84に入力する。このゼロ点挿入により受信側で雑音キャンセル処理を行う基本的な手段は、前述の特許文献4(特開2002−164801号公報)に詳細に説明されており、重複する説明は省略する。本発明に於いては、前述のように、時間軸及び周波数軸で直交伝送する方式に於いては、ゼロ点の挿入がリアルパート側とイマジナリパート側とに交互に挿入されることとなる。又、受信側では同様に交互に信号点が現れ、且つ交互にゼロ点が現れる点が相違し、受信キャンセル回路93に於いては、このような点を考慮して、雑音の間引きと補間予測の処理を行うことになる。
図33は、マルチパス対策を施した要部の説明図であり、図32と同一符号は同一名称部分を示し、95は判定帰還型自動等化器を示す。この判定帰還型自動等化器95は、受信雑音キャンセル回路93により信号点上の雑音成分を除去して入力し、信号点判定回路84の判定情報を帰還して等化処理を行うものである。各種のデータ伝送路の中には、伝送路のマルチパスにより受信歪みが発生する場合がある。このマルチパスに対して、OFDM方式に於いてはガードタイムを設けることで、マルチパスによる対策を実施している。又ISDNに於いては、ナイキスト時間長がマルチパス時間長に対して短いため、判定帰還型自動等化器を用いることで対策を実施している。又PHSに於いては、ナイキスト時間長がマルチパス時間長に対して十分に長いので、特に対策は実施していない。
前述のように、本発明は、ナイキスト伝送を基本としており、時間軸直交/周波数軸直交であることから、OFDMのようにガードタイムを設けることは高効率データ伝送を行う上で得策ではない。又ナイキスト時間間隔をマルチパス時間間隔よりも大とした場合には、(例えば、メガヘルツ帯PLC(Power Line Communication)に於けるマルチパス時間長は最大でも2μs程度であるため、ナイキスト時間長を2倍の4μsとした場合には)判定帰還型自動等化器を設けても、そのタップ係数は成長しない(成長できる値がない)。このため、マルチパス対策の一つの手段として、ナイキスト時間長をマルチパス時間長よりも十分に長く設定することが考えられる。多値化率を上げた場合、その他、かなりの精度が要求される場合には、図33に示すように、判定帰還型自動等化器95を設けることが好適である。
多数のチャネルを周波数軸で多重した場合には、タイミング周波数は親局モデムの送信タイミングで決定されるため、一つでよいが、タイミング位相に関しては、個々の伝送路の群遅延特性に左右されてくるため、厳密には時間等化が必要となる。この時間等化はLPFの係数を時間軸でシフトしてタイミング位相調整するか、あるいは、ナイキスト間隔よりも早い、例えば、ダブルサンプリング型自動等化器を使用して、タイミング位相に無関係に受信できるようにするかの何れかを適用できる。例えば、チャネル対応の時間等化器を設けて、群遅延特性を時間等化することができる。
図34は、タイミング位相を調整する手段を適用した要部の説明図であり、図33と同一符号は同一名称部分を示し、96は時間等化回路、97はTIP(タイミングインタポレーション)位相調整部、98はTIM(タイミング)抽出部を示す。この時間等化回路96を、FFT部94と受信雑音キャンセル回路93との間に設ける。FFT部94の出力のチャネル対応のタイミング位相を、TIM抽出部98により抽出し、この抽出結果が所定の位相となるように、TIP位相調整部97に於いて位相調整を行う。このTIP位相調整部97は、例えば、図26と同様なトランスバーサル型フィルタにより構成することができる。又このフィルタ係数を時間移動することにより、タイミング位相を調整する。それにより、伝送路の群遅延歪みに対する時間等化を行うことができる。この時間等化の詳細説明については、前述の特許文献7(特開2003−324360号公報)に記述されているので、重複する説明は省略する。
図35は、エラー訂正手段を適用した要部の説明図であり、図32〜図34と同一符号は同一名称部分を示し、99は送信エラー訂正部、100は信号点判定部、101は受信エラー訂正部を示す。送信側に於いては、送信エラー訂正部99を設け、受信側に於いては、受信エラー訂正部101を設けた場合を示し、電力線搬送システムに於いては、振幅特性/群遅延特性/ロス特性/信号対雑音特性が周波数軸に沿って大きく変化するものであり、データ伝送品質は伝送路が確定すると、周波数と大きな相関を持つこととなる。このため、送信側で周波数に依存した冗長化を行ってデータを送信し、受信側では、送信側で付加された冗長度を利用し、且つ個々の周波数(チャネル)に依存したデータ伝送品質検出手段(SQD回路)を設けることにより、受信側での強力なエラー訂正が可能となる。この場合の送信エラー訂正部99と受信エラー訂正部101とによるデータ伝送に於ける動作は、例えば、前述の特許文献6(特開2003−134095号公報)に記載されているから、重複する説明は省略する。
又電力線搬送システムに於いては、多分岐接続に伴うマルチパス/伝送路ロス/群遅延歪み等がある。又家電機器/既存無線局からの飛来電波に伴う雑音等がある。これらのデータ伝送に対する劣化要因は、接続される家電機器の接続状態、更に、稼働状況により時々刻々変化するため、ある特定の周波数の伝送は保証されないことがある。このため、安定したデータ伝送を実現するには、複数の周波数にわたった情報伝送を行うことが解決策の一つとなる。この具体的な手段として、スペクトル拡散がある。電力線を伝送路とした伝送品質は、周波数に対して強い相関を持つため、周波数に依存しないようにスペクトル拡散を行うことが得策である。
又インバータ等の家電機器から発生するスイッチング雑音は、多数の高調波群であることが多い。このため、スペクトル拡散を行う場合には、選定する周波数を規則的(例えば、整数倍の間隔)に配置するのではなく、不規則(ランダム)に配置することが望ましい。更に伝送路の歪みは広帯域にわたるため、局所的な配置にするのではなく、広範囲にわたった配置とすることが得策である。例えば、49チャネル数があって、7倍のスペクトル拡散を行う場合、周波数7個単位で大まかに区切り、この7個の中を更に7PNで選択することで、周波数軸上でランダム且つほぼ広帯域にわたり等間隔を実現し、伝送品質の向上を図ることが得策である。
図36は送信側の多重化処理部、図37は受信側の多重分離処理部とのそれぞれ複数チャネルにスペクトル分散を行ってデータを送受信する要部の説明図であり、図36に於いては、前述の信号点発生回路74の信号点発生部91からの例えば信号Aを、チャネルCH0,CH5,CH10,CH15,CH16,CH21,CH26,CH31に分散した状態で拡散変調して送信する。その場合に、変調点をMOD0〜MOD3の4種類とすると、チャネル対応に変調点も相違させる。
図37に於いては、受信復調したチャネルCH0,CH5,CH10,CH15,CH16,CH21,CH26,CH31の信号Aについて、それぞれ信号点判定回路84の受信信号点判定&SQD(信号品質)部に於ける判定結果に重み付けを行って、加算部(Σ)により加算し、信号点判定部100に於いて判定して受信データとする。この場合の信号品質(SQD)は、周波数の異なるチャネルCH0〜CH31対応に、雑音等を含む伝送路条件が異なることによって相違し、信号品質(SQD)が良好な程、大きい値の重み付けを行って加算することにより、伝送品質を飛躍的に向上させることが可能となる。この場合、多重化処理部は、周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に送信する信号を拡散した状態で多重化し、多重分離処理部は、拡散されたチャネル対応に信号点判定を行って加算し、その加算結果に対して再度信号点判定を行う手段又は拡散されたチャネル対応に信号点判定を行って、それぞれに伝送品質(信号品質SQD)に対応した係数を重み付けとして乗算して加算しその加算結果に対して再度信号点判定を行う手段を有する構成とすることができる。
図38は、本発明の実施例2の説明図であり、多重化処理部と多重分離処理部との主要部を示し、51は図1に於ける信号点発生部14に対応する送信信号発生回路、52は図1に於ける逆高速フーリエ変換部15に対応する送信IFFT部、53は図1に於ける信号点判定部24に対応する受信信号点判定回路、54は図1に於ける高速フーリエ変換部25に対応する受信FFT部を示す。又111,112はIFFT部、113は時間軸コピー窓関数乗算部、114は波形合成回路、115,116は畳み込み合成部(Σ畳み込み)、117,118はFFT部、119は窓関数乗算回路を示す。
前述の図2に示す構成に於いては、送信信号点発生回路51は、送信データに対応する信号点を、リアルパートとイマジナリパートとに分けて処理する場合を示すが、この実施例2に於いては、偶数チャネルと奇数チャネルとに分けて、送信IFFT部52のIFFT部111,112にそれぞれ入力し、周波数軸上の信号を時間軸上の信号に変換し、時間軸コピー窓関数乗算部113に入力して、偶数チャネルと奇数チャネルとの信号に対して、前述の実施例1の場合と同様の窓関数を乗算すると共に、何れか一方を1/2ナイキスト時間長遅延させて、波形合成回路114に於いて偶数チャネルと奇数チャネルとの信号を合成して出力する。
受信側の多重分離処理部に於いては、偶数チャネルと奇数チャネルとの信号を、窓関数乗算回路115により、送信側の窓関数に対応する窓関数を乗算し、且つ偶数チャネルと奇数チャネルとの何れか一方を、送信側で1/2ナイキスト時間長遅延を行った処理を元に戻すために、1/2ナイキスト時間長の遅延を行い、それぞれFFT部117,118により時間軸上の信号を周波数軸上の信号に変換し、畳み込み合成部115,116により合成し、受信信号点判定回路53により、偶数チャネルと奇数チャネルとのそれぞれの信号点を判定して受信データとする。
偶数チャネルと奇数チャネルとの1/2ナイキスト時間長の時間シフトにより、図13について、リアルパートとイマジナリパートとに対する1/2ナイキスト時間長の時間シフトの場合と同様に、相互間の干渉がなくなって、多重伝送が可能となる。
又本発明の実施例1及び2に於いて、多重伝送装置としては、多重化処理部と多重分離処理部の何れか一方のみを設けた構成とすることができるものであり、データ伝送に於ける送信側の多重化処理部を主要部とした多重伝送装置又は受信側の多重分離処理部を主要部とした多重伝送装置とすることができる。又多重伝送方法に於いても、同様に、何れか一方のみを適用することができる。
本発明の実施例1の説明図である。 本発明の実施例1の要部説明図である。 伝送路の時間応答波形の説明図である。 ナイキスト伝送の波形説明図である。 ナイキスト伝送路の周波数特性説明図である。 直交周波数分割多重のイメージ説明図である。 送受信フィルタの時間応答波形説明図である。 cosフィルタの時間応答波形説明図である。 cos二乗フィルタの時間応答波形説明図である。 隣接チャネル間の干渉説明図である。 隣接チャネル間の干渉説明図である。 隣接チャネル間の干渉説明図である。 1/2ナイキスト時間長シフトによる干渉説明図である。 送信変調部の説明図である。 送信変調部の波形説明図である。 送信IFFT部の説明図である。 送信IFFT部の機能説明図である。 送信側の要部説明図である。 受信側の要部説明図である。 受信FTT部の説明図である。 受信FTT部の機能説明図である。 伝送効率の説明図である。 特定帯域漏洩低減の説明図である。 雑音抑圧の説明図である。 隣接チャネル間干渉除去の説明図である。 ローパスフィルタの説明図である。 送信変調部の説明図である。 受信復調部の説明図である。 窓関数なしの場合のフィルタ特性説明図である。 窓関数とフィルタ係数との説明図である。 窓関数乗算の場合のフィルタ特性説明図である。 雑音キャンセル手段を適用した送受信側の要部説明図である。 マルチパス対策を適用した送受信側の要部説明図である。 タイミング位相調整を適用した送受信側の要部説明図である。 エラー訂正を適用した送受信側の要部説明図である。 送信側の周波数拡散の説明図である。 受信側の周波数拡散の説明図である。 本発明の実施例2の要部説明図である。 目標仕様の説明図である。
符号の説明
1 ディジタル部
2 アナログ部
3 電源部
4 コモンモードチョークコイル(CMC)
11 ブリッジ回路
12 スクランブル回路(SCR)
13 和分回路
14 信号点発生部
15 逆高速フーリエ変換部(IFFT)
16 ローパスフィルタ(LPF1)
17 変調部(MOD)
18 送信キャリア発生部(送信CRR)
22 デスクランブル回路(DSCR)
23 差分回路
24 信号点判定部
25 高速フーリエ変換部(FFT)
26 ローパスフィルタ(LPF4)
27 復調部(DEM)
28 受信キャリア発生部(受信CRR)
29 タイミング同期部(TIMPLL)

Claims (28)

  1. データの多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を有する多重伝送装置に於いて、
    前記多重化処理部は、前記データを変調するための信号点発生手段と、該信号点発生手段により発生した信号点を、時間軸上はナイキスト時間間隔で且つ周波数軸上は複数のキャリア周波数をナイキスト周波数間隔で配置して多重化する手段とを含む構成を有する
    ことを特徴とする多重伝送装置。
  2. 前記多重化する手段は、前記信号点発生手段により発生したデータの信号点を、リアルパートとイマジナリパートとに分けて、前記リアルパートとイマジナリパートとの何れか一方を他方に対して1/2ナイキスト時間長シフトして波形合成する構成を有することを特徴とする請求項1記載の多重伝送装置。
  3. 前記多重化する手段は、前記信号点発生手段により発生したデータの信号点の逆高速フーリエ変換出力信号を複数時間にわたりコピーを求めて、送信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算する手段と、該手段の出力信号を時間軸上で順次加算する手段とを含む構成を有することを特徴とする請求項1又は2記載の多重伝送装置。
  4. 前記多重化処理部は、前記信号点発生手段により発生したデータの信号点を順次偶数チャネルと奇数チャネルとに分配し、該偶数チャネルと奇数チャネルとに対する窓関数を相互に1/2ナイキスト時間の時間差でそれぞれ乗算して波形合成する手段を含む構成を有することを特徴とする請求項1記載の多重伝送装置。
  5. 前記多重化処理部は、前記信号点発生手段により発生したデータを隣接チャネルに対してデータ信号波形及び隣接チャネルの干渉波形が互いに直交するように選定して多重化する手段を含む構成を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の多重伝送装置。
  6. データの多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を有する多重伝送装置に於いて、
    前記多重分離処理部は、受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算する手段と、該手段の出力信号に対してナイキスト時間間隔で高速フーリエ変換して加算する第一の手段と、前記窓関数を1/2ナイキスト時間長ずらして乗算し、高速フーリエ変換して加算する第二の手段と、前記第一及び第二の手段の出力信号からリアルパートとイマジナリパートとを抽出して信号点判定を行う手段とを含む構成を有する
    ことを特徴とする多重伝送装置。
  7. 前記多重分離処理部は、偶数チャネルと奇数チャネルとに対してそれぞれ1/2ナイキスト時間の時間差の受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算し、それぞれの乗算出力に対するナイキスト時間間隔の高速フーリエ変換を施して加算し、前記偶数チャネルと前記奇数チャネルとに対応した信号点判定を行う手段を含む構成を有することを特徴とする請求項6記載の多重伝送装置。
  8. 前記窓関数を乗算する手段は、前記窓関数を時間応答波形の中央部分と該中央部分の両側部分との領域に分けて、前記中央部分領域の窓関数を方形窓関数とし、前記両側部分領域の窓関数をハニング窓関数又は該ハニング窓関数に類似した窓関数をナイキストフィルタの時間応答波形に乗算した係数を最終的な窓関数としたことを特徴とする請求項3又は4又は7記載の多重伝送装置。
  9. 前記多重化処理部の前記信号点発生手段は、信号点間にゼロ点を挿入するゼロ点挿入手段を有し、前記多重分離処理部の前記信号点を判定する手段は、前記ゼロ点上の雑音成分を抽出して前記信号点上の雑音成分を補間予測して前記信号点上の雑音成分を除去する手段を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の多重伝送装置。
  10. 前記多重分離処理部は、群遅延特性を時間等化するチャネル対応の時間等化器を含む構成を有することを特徴とする請求項6又は7記載の多重伝送装置。
  11. 前記多重化処理部は、送信する信号を周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に拡散して送出する手段を備え、前記多重分離処理部は、拡散されたチャネルの信号対応に信号点判定を行って加算し、該加算の結果に対して再度信号点判定を行う手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1記載の多重伝送装置。
  12. 前記多重化処理部は、送信する信号を周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に拡散して送出する手段を備え、前記多重分離処理部は、拡散されたチャネルの信号対応に信号点判定を行うと共に前記チャネル対応の伝送品質に対応した係数を乗算して加算し、該加算の結果に対して再度信号点判定を行う手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載の多重伝送装置。
  13. 前記多重処理部は、周波数軸又は時間軸に応じた冗長性を付加する手段を有し、前記多重分離処理部は、チャネル対応の伝送品質検出手段と、該伝送品質検出手段によるチャネル対応の伝送品質と前記周波数軸又は時間軸に応じた冗長性とを用いてエラー訂正する手段を有することを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項記載の多重伝送装置。
  14. 前記多重分離処理部は、受信復調し、且つ高速フーリエ変換したチャネル対応の信号のタイミング位相を抽出して、該タイミング位相を調整する手段を有することを特徴とする請求項6記載の多重伝送装置。
  15. 多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を含む構成により、データの多重化処理又は多重分離処理の何れか一方又は両方を行う多重伝送方法に於いて、
    前記多重化処理部の信号点発生手段により前記データを変調するための信号点を発生し、該信号点を、時間軸上はナイキスト時間間隔で、周波数軸上は複数のキャリア周波数をナイキスト周波数間隔でそれぞれ配置して多重化する過程を含む
    ことを特徴とする多重伝送方法。
  16. 前記信号点発生手段により発生したデータの信号点を、リアルパートとイマジナリパートとに分けて、前記リアルパートとイマジナリパートとの何れか一方を他方に対して1/2ナイキスト時間長シフトして波形合成し、時間軸直交且つ周波数軸直交となるように多重化処理する過程を含むことを特徴とする請求項14記載の多重伝送方法。
  17. 前記信号点発生手段により発生したデータの信号点の逆高速フーリエ変換出力信号を複数時間にわたりコピーを求めて、送信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算し、該乗算による出力信号を時間軸上で順次加算する過程を含むことを特徴とする請求項15又は16記載の多重伝送方法。
  18. 前記信号点発生手段により発生したデータの信号点を順次偶数チャネルと奇数チャネルとに分配し、該偶数チャネルと奇数チャネルとに対する窓関数を相互に1/2ナイキスト時間の時間差でそれぞれ乗算して波形合成する過程を含むことを特徴とする請求項15記載の多重伝送方法。
  19. 前記信号点発生手段により発生したデータを隣接チャネルに対してデータ信号波形及び隣接チャネルの干渉波形が互いに直交するように選定して多重化する過程を含むことを特徴とする請求項15〜18の何れか1項記載の多重伝送方法。
  20. 多重化処理部と多重分離処理部との何れか一方又は両方を含む構成により、データの多重化処理と多重分離処理との何れか一方又は両方を行う多重伝送方法に於いて、
    前記多重分離処理部により、受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算した出力信号に対して、ナイキスト時間間隔で高速フーリエ変換して第一の手段により加算し、且つ前記窓関数を1/2ナイキスト時間長ずらして乗算し、高速フーリエ変換して第二の手段により加算し、前記第一及び第二の手段の出力信号からリアルパートとイマジナリパートとを抽出して信号点判定を行う過程とを含む
    ことを特徴とする多重伝送方法。
  21. 前記多重分離処理に於いて、偶数チャネルと奇数チャネルとに対してそれぞれ1/2ナイキスト時間の時間差の受信ナイキストフィルタの時間応答波形を窓関数として乗算し、それぞれの乗算出力に対するナイキスト時間間隔の高速フーリエ変換を施して加算し、前記偶数チャネルと前記奇数チャネルとに対応した信号点判定を行う過程を含むことを特徴とする請求項20記載の多重伝送方法。
  22. 前記窓関数を乗算する過程に於いて、前記窓関数を、時間応答波形の中央部分と該中央部分の両側部分との領域に分けて、前記中央部分領域の時間応答波形は方形窓関数とし、前記両側部分領域の窓関数をハニング窓関数又は該ハニング窓関数に類似した窓関数をナイキストフィルタの時間応答波形に乗算した係数を最終的な窓関数としたことを特徴とする請求項17又は20又は21記載の多重伝送方法。
  23. 前記多重化処理に於いて、前記多重化処理部の信号点発生手段からの信号点間にゼロ点を挿入し、前記多重分離処理に於いて、前記ゼロ点上の雑音成分を抽出して前記信号点上の雑音成分を補間予測し、前記信号点上の雑音成分を除去する過程を含むことを特徴とする請求項15乃至21の何れか1項記載の多重伝送方法。
  24. 前記多重分離処理に於いて、チャネル対応の時間等化器を設けて、チャネル対応の群遅延特性を時間等化する過程を含むことを特徴とする請求項21又は22記載の多重伝送方法。
  25. 前記多重化処理に於いて、送信する信号を周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に拡散して送出する過程を有し、前記多重分離処理に於いて、拡散されたチャネルの信号対応に信号点判定を行って加算し、該加算の結果に対して再度信号点判定を行う過程を有することを特徴とする請求項15乃至24の何れか1記載の多重伝送方法。
  26. 前記多重化処理に於いて、送信する信号を周波数軸又は時間軸の何れか一方又は両方に拡散して送出する過程を含み、前記多重分離処理に於いて、拡散されたチャネルの信号対応に信号点判定を行うと共に前記チャネル対応の伝送品質に対応した係数を乗算して加算し、該加算の結果に対して再度信号点判定を行う過程を含むことを特徴とする請求項15乃至24の何れか1項記載の多重伝送方法。
  27. 前記多重処理に於いて、周波数軸に応じた冗長性を付加して送出する過程を有し、前記多重分離処理に於いて、チャネル対応の伝送品質を検出し、該伝送品質と前記周波数軸に応じた冗長性とを用いてエラー訂正する過程を有することを特徴とする請求項15乃至26の何れか1項記載の多重伝送方法。
  28. 前記多重分離処理に於いて、受信復調し、且つ高速フーリエ変換したチャネル対応の信号のタイミング位相を抽出して、該タイミング位相を調整する過程を含むことを特徴とする請求項15又は20又は21又は24記載の多重伝送方法。
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